JP2021103286A - 有機elディスプレイ用積層体およびそれに用いる円偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明では、最表面にガラスが無い状態においても有機ELパネルを保護しうる円偏光板を含む有機ELディスプレイ用積層体を提供し、それに基づき表示特性と屈曲性と経年劣化に優れた有機EL表示装置およびそれに用いる円偏光板を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、円偏光板と粘着剤層とが積層された積層体であって、前記積層体の厚みが100μm以下であり、前記円偏光板は、偏光板と位相差板とを含み、偏光板は、偏光子と保護フィルムとを含み、偏光子の位相差板が積層された面の反対側のみに保護フィルムを有し、前記円偏光板の水蒸気透過率が100g/m2/24hrs以下であり、かつ前記円偏光板の380nm透過率が1%以下である有機ELディスプレイ用積層体を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は有機ELディスプレイ用積層体、特に特定の円偏光板を備える有機ELディスプレイ用積層体に関する。
近年、薄型ディスプレイの普及と共に、有機ELパネルを搭載したディスプレイ(有機EL表示装置)が普及している。有機ELパネルは内部の金属電極で外光が反射されてしまうため明瞭な黒表示が得られないという問題を生じる。この問題に対して、円偏光板を視認面に設けることによって、外光反射防止を抑制することができる。すなわち、視認者からの積層順としては、保護ガラス→円偏光板→有機ELパネルである。円偏光板は、一般的に偏光板と位相差板を積層する事で作製することができる。偏光板としては、一般的にポリビニルアルコール(PVA)フィルムを延伸しヨウ素で染色した偏光子に透明保護フィルムを積層したものが、位相差板としては、延伸フィルムや液晶分子配向させたλ/4板等が使用され、中でも長波長ほど複屈折性が大きくなる性質(逆波長分散特性)を示すようなλ/4板が好適に使用されている。また、斜め方向から見た場合の反射色相変化を抑制する目的で、棒状液晶を垂直配向させた状態で重合硬化させた垂直配向液晶硬化膜をさらに備えた円偏光板が、特許文献1〔特開2015−163935号公報〕に提案されている。
特開2015−163935号公報
有機EL表示装置においては、フレキシブル形態での適用が検討されており、装置最表面にガラスを使わない検討がなされている。しかしながら、有機ELパネルはガラスによる水(水蒸気)や酸素に対するバリア性が無い状態で駆動した場合に、劣化が進行する場合があることがわかった。また、良好な屈曲性を得るためには円偏光板自体も薄型化する必要があることがわかった。
そこで、本発明では、最表面にガラスが無い状態においても有機ELパネルを保護しうる円偏光板を含む有機ELディスプレイ用積層体を提供し、それに基づき表示特性と屈曲性と経年劣化に優れた有機EL表示装置およびそれに用いる円偏光板を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を備える:
[1]円偏光板と粘着剤層とが積層された積層体であって、
前記積層体の厚みが100μm以下であり、
前記円偏光板は、偏光板と位相差板とを含み、
偏光板は、偏光子と保護フィルムとを含み、偏光子の位相差板が積層された面の反対側のみに保護フィルムを有し、
前記円偏光板の水蒸気透過率が100g/m/24hrs以下であり、かつ
前記円偏光板の380nm透過率が1%以下である有機ELディスプレイ用積層体。
[2]前記偏光子がポリビニルアルコール系樹脂フィルムから形成された偏光子である[1]の有機ELディスプレイ用積層体。
[3]前記円偏光板の400nm透過率が1%以下である[1]または[2]の有機ELディスプレイ用積層体。
[4]前記位相差板が重合性液晶化合物の重合体を含む位相差層を1層のみ含み、かつ下記式(1)、式(2)及び式(3)の全てを満たす位相差板である[1]〜[3]のいずれかの有機ELディスプレイ用積層体。
Re(450)/Re(550) ≦ 1.00 (1)
1.00 ≦ Re(650)/ Re(550) (2)
100nm ≦ Re(550)≦ 180nm (3)
(式中、Re(λ)は波長λnmの光に対する面内位相差値を表す。)
[5]前記位相差板の遅相軸と偏光板の吸収軸との成す角度が実質的に45度である[4]の有機ELディスプレイ用積層体。
[6]前記位相差板が、偏光板側から順に第一の位相差層及び第二の位相差層含み、
第一の位相差層及び第二の位相差層は、それぞれ、重合性液晶化合物の重合体であって、
第一の位相差層が下記式(4)の関係を満たし、
第二の位相差層が式(3)の関係を満たし、
位相差板が式(1)及び式(2)の関係を満たす[1]〜[3]のいずれかの有機ELディスプレイ用積層体。
Re(450)/Re(550) ≦ 1.00 (1)
1.00 ≦ Re(650)/ Re(550) (2)
100nm ≦ Re(550)≦ 180nm (3)
200nm ≦ Re(550)≦ 300nm (4)
(式中、Re(λ)は波長λnmの光に対する面内位相差値を表す。)
[7]さらに、下記式(5)を満たす重合性液晶化合物の重合体からなる光学補償板を有する[1]〜[6]のいずれかの有機ELディスプレイ用積層体。
−30nm ≦ Rth(550)≦ −100nm (5)
(Rth(550)は、波長550nmの光に対する膜厚方向の面内位相差を表す。)
[8]前記円偏光板が、400nm透過率が10%以下である粘着剤層を含む[1]〜[6]のいずれかの有機ELディスプレイ用積層体。
[9]前記保護フィルムが、シクロオレフィンフィルムである[1]〜[7]のいずれかの有機ELディスプレイ用積層体。
[10]前記保護フィルムが、ポリイミドフィルム又はポリアミドイミドフィルムである[1]〜[7]のいずれかの有機ELディスプレイ用積層体。
[11]少なくとも偏光板と粘着剤層と位相差板とがこの順で積層された円偏光板であって、
前記偏光板は、偏光子と保護フィルムとを含み、偏光子の位相差板が積層された面の反対側のみに保護フィルムを有し、
前記位相差板が式(1)及び式(2)の関係を満たし、
前記円偏光板の水蒸気透過率が100g/m/24hrs以下であり、かつ
前記円偏光板の380nm透過率が1%以下である
円偏光板。
Re(450)/Re(550) ≦ 1.00 (1)
1.00 ≦ Re(650)/ Re(550) (2)
[12]前記偏光子がポリビニルアルコール系樹脂フィルムから形成された偏光子である[11]の円偏光板。
[13]前記円偏光板の400nm透過率が1%以下である[11]または[12]の円偏光板。
[14]粘着剤層は400nm透過率が10%以下である[11]〜[13]のいずれかの円偏光板。
[15]前記保護フィルムが、シクロオレフィンフィルムである[11]〜[14]のいずれかの円偏光板。
[16]前記保護フィルムが、ポリイミドフィルム又はポリアミドイミドフィルムである[11]〜[15]のいずれかの円偏光板。
本発明では、有機EL表示装置に最表面にガラスが無い場合においても、表示特性と屈曲性と経年劣化に優れた有機EL表示装置およびそれに用いる円偏光板を提供することが可能になる。
本発明の有機ELディスプレイ用積層体は、円偏光板と粘着剤層とが積層された積層体であって、円偏光板は偏光板と位相差板とを含み、偏光板は偏光子と保護フィルムとを含む。偏光板は位相差板が積層された反対側の偏光子の面に保護フィルムを有する。位相差板は位相差層が一層からなるものあるいは位相差層が2層からなるものであってよく、2層の場合第一の位相差層と第二の位相差層と呼んで区別することがある。偏光板と位相差板とは通常粘着剤層で接合されて円偏光板を構成する。円偏光板は粘着剤層と組み合わせて本発明の有機ELディスプレイ用積層体が形成されてもよいが、更に光学補償板を組み合わせてもよい。従って、本発明の有機ELディスプレイ用積層体は、円偏光板と粘着剤層とからなるものと、円偏光板と粘着剤層との間に光学補償板を別の粘着剤層により円偏光板に接着したものであってもよい。
<偏光板>
偏光板は、光吸収異方性の機能を有するフィルム(以下、偏光子という場合がある。)を含む。偏光子は、二色性色素を吸着させた延伸フィルムであってもよい。
二色性色素を吸着させた延伸フィルムである偏光子は、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、およびホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造される。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することによって得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体が用いられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸化合物、オレフィン化合物、ビニルエーテル化合物、不飽和スルホン酸化合物、アンモニウム基を有するアクリルアミド化合物などが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールも使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000程度であり、好ましくは1,500〜5,000の範囲である。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものでなく、公知の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系原反フィルムの膜厚は、例えば、10〜150μm程度とすることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素による染色の前、染色と同時、または染色の後で行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前に行ってもよいし、ホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行うことも可能である。一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶媒を用い、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常3〜8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの二色性色素による染色は、例えば、二色性色素を含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法によって行われる。
二色性色素として、具体的には、ヨウ素や二色性の有機染料が用いられる。二色性の有機染料としては、C.I.DIRECT RED 39などのジスアゾ化合物からなる二色性直接染料および、トリスアゾ、テトラキスアゾなどの化合物からなる二色性直接染料等が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理前に、水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は通常、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。
この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100質量部あたり、通常、0.01〜1質量部程度である。またヨウ化カリウムの含有量は、水100質量部あたり、通常、0.5〜20質量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は、通常20〜40℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20〜1,800秒程度である。
一方、二色性色素として二色性の有機染料を用いる場合は通常、水溶性二色性染料を含む水溶液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。
この水溶液における二色性有機染料の含有量は、水100質量部あたり、通常、1×10−4〜10質量部程度であり、好ましくは1×10−3〜1質量部であり、さらに好ましくは1×10−3〜1×10−2質量部である。この水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含んでいてもよい。染色に用いる二色性染料水溶液の温度は、通常、20〜80℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常、10〜1,800秒程度である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は通常、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液に浸漬する方法により行うことができる。このホウ酸水溶液におけるホウ酸の含有量は、水100質量部あたり、通常2〜15質量部程度であり、好ましくは5〜12質量部である。二色性色素としてヨウ素を用いた場合には、このホウ酸水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましく、その場合のヨウ化カリウムの含有量は、水100質量部あたり、通常0.1〜15質量部程度であり、好ましくは5〜12質量部である。ホウ酸水溶液への浸漬時間は、通常60〜1,200秒程度であり、好ましくは150〜600秒、さらに好ましくは200〜400秒である。ホウ酸処理の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃、さらに好ましくは60〜80℃である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬する方法により行うことができる。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃程度である。
また浸漬時間は、通常1〜120秒程度である。
水洗後に乾燥処理が施されて、偏光子が得られる。乾燥処理は例えば、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。乾燥処理の温度は、通常30〜100℃程度であり、好ましくは50〜80℃である。乾燥処理の時間は、通常60〜600秒程度であり、好ましくは120〜600秒である。乾燥処理により、偏光子の水分率は実用程度にまで低減される。その水分率は、通常5〜20重量%程度であり、好ましくは8〜15重量%である。水分率が5重量%を下回ると、偏光子の可撓性が失われ、偏光子がその乾燥後に損傷したり、破断したりすることがある。また、水分率が20重量%を上回ると、偏光子の熱安定性が悪くなる可能性がある。
こうしてポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色、ホウ酸処理、水洗および乾燥をして得られる偏光子の厚さは、好ましくは5〜40μm、より好ましくは5〜20μmである。
本発明の偏光板は、前述の方法等で得られる偏光子の一方の面のみに、接着剤層を介して保護フィルムを積層することにより得られる。保護フィルムは、偏光子の、位相差板が積層している面とは反対側に積層される。接着剤層は、公知の接着剤組成物を使用して形成される。
<保護フィルム>
保護フィルムは、光(特に可視光)を透過し得る透明性を有する基材を意味する。透明性とは、波長380〜780nmにわたる光線に対しての透過率が80%以上となる特性をいう。具体的な保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ノルボルネン系ポリマーなどのシクロオレフィン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリエチレンテレフタレート;ポリメタクリル酸エステル;ポリアクリル酸エステル;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステル;ポリエチレンナフタレート;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィドおよびポリフェニレンオキシド等が挙げられる。入手のしやすさや透明性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸エステル、セルロースエステル、シクロオレフィン系樹脂またはポリカーボネートが好ましい。セルロースエステルは、セルロースに含まれる水酸基の一部または全部が、エステル化されたものであり、市場から容易に入手することができる。セルロースエステル基材も市場から容易に入手することができる。
市販のセルロースエステル基材としては、フジタックフィルム”(富士写真フィルム(株));“KC8UX2M”、“KC8UY”および“KC4UY”(コニカミノルタオプト(株))などが挙げられる。
保護フィルムに求められる特性は、偏光板の構成によって異なるが、通常、位相差性ができるだけ小さいフィルムが好ましい。位相差性ができるだけ小さいフィルムとしては、ゼロタック(コニカミノルタオプト株式会社)、Zタック(富士フィルム株式会社)等の位相差を有しないセルロースエステルフィルム等が挙げられる。また、未延伸の環状オレフィン系樹脂フィルムも好ましい。その他の好ましい保護フィルムとして、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム等も挙げられる。偏光板が積層されていない保護フィルムの面には、ハードコート処理、反射防止処理、帯電防止処理等がなされてもよい。
本発明では、保護フィルムを形成する樹脂は、例えば、シクロオレフィン、分子内にアミド結合を有するポリアミドやゼラチン化合物、分子内にイミド結合を有するポリイミドおよびその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびポリアクリル酸エステルであってもよい。保護フィルムは、400nmの透過率が10%以下であることが好ましい。400nmの透過率は、10%以下であると、有機ELパネルの劣化(変色)を抑制する効果を有する。
保護フィルムの厚みは、強度や加工性を良好にする点で、通常10〜80μmであり、好ましくは20〜60μm、より好ましくは20〜40μmである。
<位相差板>
位相差板は、ポリマーを延伸することによって位相差を与える延伸フィルムであってもよいが、本発明の有機ELディスプレイ用積層体の薄層化の観点から、水平配向又は垂直配向した重合性液晶化合物の重合体を含む位相差層から構成されることが好ましい。位相差板が、位相差層から構成される場合、位相差層のみであってもよいし、後述する配向膜や基材を含んでいてもよい。
位相差板は、重合性液晶化合物の重合体を含む位相差層を一層のみ含む場合、下記式(1)、(2)および(3)を全て満足することが好ましい:
Re(450)/Re(550) ≦ 1.00 (1)
1.00 ≦ Re(650)/ Re(550) (2)
100nm ≦ Re(550)≦ 180nm (3)
(式中、Re(λ)は波長λnmの光に対する面内位相差値を表す。)
上記式(1)を満たす位相差板は、いわゆる逆波長分散性を有し、優れた偏光性能を示す。Re(450)/Re(550)の値は、好ましくは0.93以下であり、より好ましくは0.88以下、さらに好ましくは0.86以下、好ましくは0.80以上、より好ましくは0.82以上である。上記式(3)は、好ましくは100nm≦Re(550)≦180nm、さらに好ましくは120nm≦Re(550)≦160nmである。
なお、Re(550)は実施例に記載の方法により測定できる。
本発明の円偏光板において、位相差板の遅相軸と偏光板の吸収軸との成す角度は、好ましくは実質的に45°である。なお、本発明において「実質的に45°」とは、45°±5°を意味する。
位相差板が、第一の位相差層及び第二の位相差層を含み、各位相差層が重合性液晶化合物の重合体である位相差層である場合には、第一の位相差層が下記式(4)の関係を満たし、第二の位相差層が前記式(3)の関係を満たし、位相差板全体が前記式(1)(2)の関係を満たすことが好ましい。
200nm ≦ Re(550)≦ 300nm (4)
(式中、Re(λ)は波長λnmの光に対する面内位相差値を表す。)
位相差層を形成する重合性液晶化合物(以下、「重合性液晶化合物(A)」ともいう)は、重合性官能基、特に光重合性官能基を有する液晶化合物を意味する。光重合性官能基とは、光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸などによって重合反応に関与し得る基のことをいう。光重合性官能基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基およびオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。液晶性はサーモトロピック性液晶でもリオトロピック性液晶でもよく、相秩序構造としてはネマチック液晶でもスメクチック液晶でもよい。重合性液晶化合物として、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性液晶化合物(A)としては、成膜の容易性および位相差性を付与するという観点から、下記(ア)〜(エ)を全て満たす化合物が挙げられる。
(ア)サーモトロピック液晶性を有する化合物である;
(イ)該重合性液晶化合物の長軸方向(a)上にπ電子を有する。
(ウ)長軸方向(a)に対して交差する方向〔交差方向(b)〕上にπ電子を有する。
(エ)長軸方向(a)に存在するπ電子の合計をN(πa)、長軸方向(a)に存在する分子量の合計をN(Aa)として下記式(i)で定義される重合性液晶化合物の長軸方向(a)のπ電子密度:
D(πa)=N(πa)/N(Aa) (i)
と、交差方向(b)に存在するπ電子の合計をN(πb)、交差方向(b)に存在する分子量の合計をN(Ab)として下記式(ii)で定義される重合性液晶化合物の交差方向(b)のπ電子密度:
D(πb)=N(πb)/N(Ab) (ii)
とが、
0≦〔D(πa)/D(πb)〕≦1
の関係にある〔すなわち、交差方向(b)のπ電子密度が、長軸方向(a)のπ電子密度よりも大きい〕。
なお、上記(ア)〜(エ)を全て満たす重合性液晶化合物(A)は、ラビング処理により形成した配向膜上に塗布し、相転移温度以上に加熱することにより、ネマチック相を形成することが可能である。この重合性液晶化合物(A)が配向して形成されたネマチック相では通常、重合性液晶化合物の長軸方向が互いに平行になるように配向しており、この長軸方向がネマチック相の配向方向となる。
上記特性を有する重合性液晶化合物(A)は、一般に逆波長分散性を示すものであることが多い。上記(ア)〜(エ)の特性を満たす化合物として、具体的には、例えば、下記式(I):
Figure 2021103286
で表される化合物が挙げられる。前記式(I)で表される化合物は単独または2種以上組み合わせて使用できる。
式(I)中、Arは置換基を有していてもよい二価の芳香族基を表す。ここでいう芳香族基とは、平面性を有する環状構造の基であり、該環状構造が有するπ電子数がヒュッケル則に従い[4n+2]個であるものをいう。ここで、nは整数を表す。−N=や−S−等のヘテロ原子を含んで環構造を形成している場合、これらヘテロ原子上の非共有結合電子対を含めてヒュッケル則を満たし、芳香族性を有する場合も含む。該二価の芳香族基中には窒素原子、酸素原子、硫黄原子のうち少なくとも1つ以上が含まれることが好ましい。
およびGはそれぞれ独立に、二価の芳香族基または二価の脂環式炭化水素基を表す。ここで、該二価の芳香族基または二価の脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基に置換されていてもよく、該二価の芳香族基または二価の脂環式炭化水素基を構成する炭素原子が、酸素原子、硫黄原子または窒素原子に置換されていてもよい。
およびLは、それぞれ独立に、エステル構造を有する二価の連結基である。
およびBはそれぞれ独立に、単結合または二価の連結基である。
k、lは、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、1≦k+lの関係を満たす。ここで、2≦k+lである場合、BおよびB、GおよびGは、それぞれ互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
およびEはそれぞれ独立に、炭素数1〜17のアルカンジイル基を表し、ここで、アルカンジイル基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる−CH−は、−O−、−S−、−Si−、−COO−で置換されていてもよい。PおよびPは互いに独立に、重合性基または水素原子を表し、少なくとも1つは重合性基である。
およびGは、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子および炭素数1〜4のアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい1,4−フェニレンジイル基、ハロゲン原子および炭素数1〜4のアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい1,4−シクロヘキサンジイル基であり、より好ましくはメチル基で置換された1,4−フェニレンジイル基、無置換の1,4−フェニレンジイル基、または無置換の1,4−trans−シクロヘキサンジイル基であり、特に好ましくは無置換の1,4−フェニレンジイル基、または無置換の1,4−trans−シクロへキサンジイル基である。また、複数存在するGおよびGのうち少なくとも1つは二価の脂環式炭化水素基であることが好ましく、また、LまたはLに結合するGおよびGのうち少なくとも1つは二価の脂環式炭化水素基であることがより好ましい。
およびLは、それぞれ独立に、好ましくは−Ra1COORa2−(Ra1およびRa2はそれぞれ独立に単結合または炭素数1〜4のアルキレン基を表す)であり、より好ましくは−COORa2−1−(Ra2−1は単結合、−CH−、−CHCH−のいずれかを表す)であり、さらに好ましくは−COO−または−COOCHCH−である。
およびBはそれぞれ独立に、好ましくは、単結合、炭素数1〜4のアルキレン基、−O−、−S−、−Ra9ORa10−、−Ra11COORa12−、−Ra13OCORa14−、またはRa15OC=OORa16−である。ここで、Ra9〜Ra16はそれぞれ独立に単結合、または炭素数1〜4のアルキレン基を表す。BおよびBはそれぞれ独立に、より好ましくは単結合、−ORa10−1−、−CH−、−CHCH−、−COORa12−1−、またはOCORa14−1−である。ここで、Ra10−1、Ra12−1、Ra14−1はそれぞれ独立に単結合、−CH−、−CHCHのいずれかを表す。BおよびBはそれぞれ独立に、さらに好ましくは単結合、−O−、−CHCH−、−COO−、−COOCHCH−、−OCO−、またはOCOCHCH−である。
kおよびlは、逆波長分散性発現の観点から2≦k+l≦6の範囲が好ましく、k+l=4であることが好ましく、k=2かつl=2であることがより好ましい。k=2かつl=2であると対称構造となるためさらに好ましい。
およびEはそれぞれ独立に、炭素数1〜17のアルカンジイル基が好ましく、炭素数4〜12のアルカンジイル基がより好ましい。
またはPで表される重合性基としては、例えばエポキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、およびオキセタニル基等が挙げられる。これらの中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基およびオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。
Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、置換基を有していてもよい芳香族複素環、および電子吸引性基から選ばれる少なくとも1つを有することが好ましい。当該芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等が挙げられ、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましい。当該芳香族複素環としては、フラン環、ベンゾフラン環、ピロール環、インドール環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアゾール環、トリアジン環、ピロリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チエノチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、およびフェナンスロリン環等が挙げられる。これらの中でも、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、またはベンゾフラン環を有することが好ましく、ベンゾチアゾール環を有することがさらに好ましい。また、Arに窒素原子が含まれる場合、当該窒素原子はπ電子を有することが好ましい。
式(I)中、Arで表される2価の芳香族基に含まれるπ電子の合計数Nπは8以上が好ましく、より好ましくは10以上であり、さらに好ましくは14以上であり、特に好ましくは16以上である。また、好ましくは30以下であり、より好ましくは26以下であり、さらに好ましくは24以下である。
Arで表される芳香族基としては、例えば以下の式(Ar−1)〜式(Ar−23)の基が挙げられる。
Figure 2021103286
式(Ar−1)〜式(Ar−23)中、*印は連結部を表し、Z、ZおよびZは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、カルボキシル基、炭素数1〜12のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数1〜12のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のN−アルキルスルファモイル基または炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基を表す。
およびQは、それぞれ独立に、−CR2’3’−、−S−、−NH−、−NR2’−、−CO−またはO−を表し、R2’およびR3’は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
およびJは、それぞれ独立に、炭素原子、または窒素原子を表す。
、YおよびYは、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。
およびWは、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、メチル基またはハロゲン原子を表し、mは0〜6の整数を表す。
、YおよびYにおける芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が挙げられ、フェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。芳香族複素環基としては、フリル基、ピロリル基、チエニル基、ピリジニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を少なくとも1つ含む炭素数4〜20の芳香族複素環基が挙げられ、フリル基、チエニル基、ピリジニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基が好ましい。
およびYは、それぞれ独立に、置換されていてもよい多環系芳香族炭化水素基または多環系芳香族複素環基であってもよい。多環系芳香族炭化水素基は、縮合多環系芳香族炭化水素基、または芳香環集合に由来する基をいう。多環系芳香族複素環基は、縮合多環系芳香族複素環基、または芳香環集合に由来する基をいう。
、ZおよびZは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルコキシ基であることが好ましく、Zは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、シアノ基がさらに好ましく、ZおよびZは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、シアノ基がさらに好ましい。
およびQは、−NH−、−S−、−NR2’−、−O−が好ましく、R2’は水素原子が好ましい。中でも−S−、−O−、−NH−が特に好ましい。
式(Ar−1)〜(Ar−23)の中でも、式(Ar−6)および式(Ar−7)が分子の安定性の観点から好ましい。
式(Ar−17)〜(Ar−23)において、Yは、これが結合する窒素原子およびZと共に、芳香族複素環基を形成していてもよい。芳香族複素環基としては、Arが有していてもよい芳香族複素環として前記したものが挙げられるが、例えば、ピロール環、イミダゾール環、ピロリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、インドール環、キノリン環、イソキノリン環、プリン環、ピロリジン環等が挙げられる。この芳香族複素環基は、置換基を有していてもよい。また、Yは、これが結合する窒素原子およびZと共に、前述した置換されていてもよい多環系芳香族炭化水素基または多環系芳香族複素環基であってもよい。例えば、ベンゾフラン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環等が挙げられる。なお、前記式(Ar−1)〜(Ar−23)で表される化合物は、例えば、特開2010−31223号公報に記載の方法に準じて製造することができる。
位相差層を構成する重合性液晶組成物(A)中の重合性液晶化合物(A)の含有量は、重合性液晶組成物(A)の固形分100質量部に対して、例えば70〜99.5質量部であり、好ましくは80〜99質量部であり、より好ましくは90〜98質量部である。含有量が上記範囲内であると、位相差板の配向性が高くなる傾向がある。ここで、固形分とは、重合性液晶組成物(A)から溶剤等の揮発性成分を除いた成分の合計量のことをいう。
重合性液晶組成物(A)は、重合性液晶化合物(A)の重合反応を開始するための重合開始剤を含んでいてもよい。また、重合性液晶組成物(A)は、必要に応じて、光増感剤、レベリング剤、添加剤等を含有してもよい。
位相差層は、例えば、重合性液晶化合物(A)および必要に応じて重合開始剤、添加剤等を含む重合性液晶組成物(A)に溶剤を加えて混合および撹拌することにより調製される組成物(以下、「位相差膜形成用組成物」ともいう)を、基材または配向膜上に塗布し、乾燥により溶媒を除去し、得られた塗膜中の重合性液晶化合物(A)を加熱および/または活性エネルギー線によって硬化させて得ることができる。
基材は、透明性を有する基材であることが好ましい。配向膜は、位相差膜形成用組成物に含まれる重合性液晶化合物を任意方向に配向させるものである。配向膜は、配向性ポリマーから形成することができる。また、配向膜は光配向膜であってもよい。
配向性ポリマーとしては、例えば、分子内にアミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、分子内にイミド結合を有するポリイミドおよびその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびポリアクリル酸エステルが挙げられる。中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。配向性ポリマーは単独または2種以上組み合わせて使用できる。
配向性ポリマーを含む配向膜は、通常、配向性ポリマーが溶剤に溶解した組成物(以下、「配向性ポリマー組成物」ということがある)を基材に塗布し、溶剤を除去する、または、配向性ポリマー組成物を基材に塗布し、溶剤を除去し、ラビングする(ラビング法)ことで得られる。溶剤としては、配向性ポリマー組成物を構成する成分を溶解し得るものであればよく、例えば、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノールなどのアルコール;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル化グリコールエーテルなどから適宜選択して用いることができる。
配向性ポリマー組成物中の配向性ポリマーの濃度は、配向性ポリマー材料が、溶剤に完溶できる範囲であればよいが、溶液に対して固形分換算で0.1〜20%が好ましく、0.1〜10%程度がさらに好ましい。
配向性ポリマー組成物として、市販の配向膜材料をそのまま使用してもよい。市販の配向膜材料としては、サンエバー(登録商標、日産化学工業(株)製)、オプトマー(登録商標、JSR(株)製)などが挙げられる。
配向性ポリマー組成物を基材に塗布する方法としては、スピンコーティング法、エクストルージョン法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法およびアプリケータ法等の塗布方法や、フレキソ法等の印刷法等の公知の方法が挙げられる。
配向性ポリマー組成物に含まれる溶剤を除去する方法としては、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥および減圧乾燥法等が挙げられる。
配向膜に配向規制力を付与するために、必要に応じてラビング処理を行うことができる(ラビング法)。
ラビング法により配向規制力を付与する方法としては、ラビング布が巻きつけられ、回転しているラビングロールに、配向性ポリマー組成物を基材に塗布しアニールすることで基材表面に形成された配向性ポリマーの膜を、接触させる方法が挙げられる。
光配向膜は、通常、光反応性基を有するポリマーまたはモノマーと溶剤とを含む組成物(以下、「光配向膜形成用組成物」ともいう)を基材に塗布し、偏光(好ましくは、偏光UV)を照射することで得られる。光配向膜は、照射する偏光の偏光方向を選択することにより、配向規制力の方向を任意に制御できる点でより好ましい。
光反応性基とは、光照射することにより液晶配向能を生じる基をいう。具体的には、光照射により生じる分子の配向誘起または異性化反応、二量化反応、光架橋反応もしくは光分解反応等の液晶配向能の起源となる光反応に関与する基が挙げられる。中でも、二量化反応または光架橋反応に関与する基が、配向性に優れる点で好ましい。光反応性基として、不飽和結合、特に二重結合を有する基が好ましく、炭素−炭素二重結合(C=C結合)、炭素−窒素二重結合(C=N結合)、窒素−窒素二重結合(N=N結合)および炭素−酸素二重結合(C=O結合)からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する基が特に好ましい。
C=C結合を有する光反応性基としては、ビニル基、ポリエン基、スチルベン基、スチルバゾ−ル基、スチルバゾリウム基、カルコン基およびシンナモイル基等が挙げられる。
C=N結合を有する光反応性基としては、芳香族シッフ塩基、芳香族ヒドラゾンなどの構造を有する基が挙げられる。N=N結合を有する光反応性基としては、アゾベンゼン基、アゾナフタレン基、芳香族複素環アゾ基、ビスアゾ基、ホルマザン基、および、アゾキシベンゼン構造を有する基等が挙げられる。C=O結合を有する光反応性基としては、ベンゾフェノン基、クマリン基、アントラキノン基およびマレイミド基等が挙げられる。これらの基は、アルキル基、アルコキシ基、アリ−ル基、アリルオキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、ハロゲン化アルキル基などの置換基を有していてもよい。
中でも、光二量化反応に関与する光反応性基が好ましく、光配向に必要な偏光照射量が比較的少なく、かつ、熱安定性や経時安定性に優れる光配向膜が得られやすいという点で、シンナモイル基およびカルコン基が好ましい。光反応性基を有するポリマーとしては、当該ポリマー側鎖の末端部が桂皮酸構造となるようなシンナモイル基を有するものが特に好ましい。
光配向膜形成用組成物を基材上に塗布することにより、基材上に光配向層を形成することができる。該組成物に含まれる溶剤としては、配向膜形成用組成物に用いうる溶剤として先に例示した溶剤と同様のものが挙げられ、光反応性基を有するポリマーあるいはモノマーの溶解性に応じて適宜選択することができる。
光配向膜形成用組成物中の光反応性基を有するポリマーまたはモノマーの含有量は、ポリマーまたはモノマーの種類や目的とする光配向膜の厚みによって適宜調節できるが、光配向膜形成用組成物の質量に対して、少なくとも0.2質量%とすることが好ましく、0.3〜10質量%の範囲がより好ましい。光配向膜の特性が著しく損なわれない範囲で、光配向膜形成用組成物は、ポリビニルアルコ−ルやポリイミドなどの高分子材料や光増感剤を含んでいてもよい。
光配向膜形成用組成物を基材に塗布する方法としては、配向性組成物を基材に塗布する方法と同様の方法が挙げられる。塗布された光配向膜形成用組成物から、溶剤を除去する方法としては例えば、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥および減圧乾燥法等が挙げられる。
偏光を照射するには、基板上に塗布された光配向膜形成用組成物から、溶剤を除去したものに直接、偏光UVを照射する形式でも、基材側から偏光を照射し、偏光を透過させて照射する形式でもよい。また、当該偏光は、実質的に平行光であると特に好ましい。照射する偏光の波長は、光反応性基を有するポリマーまたはモノマーの光反応性基が、光エネルギーを吸収し得る波長領域のものがよい。具体的には、波長250〜400nmの範囲のUV(紫外線)が特に好ましい。当該偏光照射に用いる光源としては、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、KrF、ArFなどの紫外光レ−ザ−などが挙げられ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプがより好ましい。これらの中でも、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプが、波長313nmの紫外線の発光強度が大きいため好ましい。前記光源からの光を、適当な偏光子を通過して照射することにより、偏光UVを照射することができる。かかる偏光子としては、偏光フィルターやグラントムソン、グランテ−ラ−などの偏光プリズムやワイヤーグリッドタイプの偏光子を用いることができる。
なお、ラビングまたは偏光照射を行う時に、マスキングを行えば、液晶配向の方向が異なる複数の領域(パターン)を形成することもできる。
グルブ(groove)配向膜は、膜表面に凹凸パターンまたは複数のグルブ(溝)を有する膜である。等間隔に並んだ複数の直線状のグルブを有する膜に重合性液晶化合物を塗布した場合、その溝に沿った方向に液晶分子が配向する。
グルブ配向膜を得る方法としては、感光性ポリイミド膜表面にパターン形状のスリットを有する露光用マスクを介して露光後、現像およびリンス処理を行って凹凸パターンを形成する方法、表面に溝を有する板状の原盤に、硬化前のUV硬化樹脂の層を形成し、形成された樹脂層を基材へ移してから硬化する方法、および、基材に形成した硬化前のUV硬化樹脂の膜に、複数の溝を有するロール状の原盤を押し当てて凹凸を形成し、その後硬化する方法等が挙げられる。
配向膜(配向性ポリマーを含む配向膜または光配向膜)の厚さは、通常10〜10000nmの範囲であり、好ましくは10〜1000nmの範囲であり、より好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは10〜200nm、特に好ましくは50〜150nmの範囲である。
位相差膜形成用組成物を基材等に塗布する方法としては、スピンコーティング法、エクストルージョン法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法、アプリケータ法などの塗布法、フレキソ法などの印刷法などの公知の方法が挙げられる。
次いで、位相差膜形成用組成物から得られた塗膜中に含まれる重合性液晶化合物が重合しない条件で、溶剤を乾燥等により除去することにより、乾燥塗膜が形成される。乾燥方法としては、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥および減圧乾燥法等が挙げられる。
さらに、重合性液晶化合物を液体相に相転移させるため、重合性液晶化合物が液体相に相転移する温度以上まで昇温した後降温し、該重合性液晶化合物をネマチック相に相転移させる。かかる相転移は、前記塗膜中の溶媒除去後に行ってもよいし、溶媒の除去と同時に行ってもよい。
重合性液晶化合物のネマチック液晶状態を保持したまま、重合性液晶化合物を重合させることにより、重合性液晶組成物の硬化層である位相差層が形成される。重合方法としては光重合法が好ましい。光重合において、乾燥塗膜に照射する光としては、当該乾燥塗膜に含まれる光重合開始剤の種類、重合性液晶化合物の種類(特に、該重合性液晶化合物が有する重合性基の種類)およびその量に応じて適宜選択される。その具体例としては、可視光、紫外光、赤外光、X線、α線、β線およびγ線からなる群より選択される1種以上の光や活性電子線が挙げられる。中でも、重合反応の進行を制御し易い点や、光重合装置として当分野で広範に用いられているものが使用できるという点で、紫外光が好ましく、紫外光によって、光重合可能なように、重合性液晶組成物に含有される重合性液晶化合物や光重合開始剤の種類を選択しておくことが好ましい。また、重合時に、適切な冷却手段により乾燥塗膜を冷却しながら、光照射することで、重合温度を制御することもできる。
このような冷却手段の採用により、より低温で重合性液晶化合物の重合を実施すれば、基材が比較的耐熱性が低いものを用いたとしても、適切に偏光板を形成できる。光重合の際、マスキングや現像を行うなどによって、パターニングされた位相差板を得ることもできる。
前記活性エネルギー線の光源としては、例えば、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ、ガリウムランプ、エキシマレーザー、波長範囲380〜440nmを発光するLED光源、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
紫外線照射強度は、通常、10〜3,000mW/cmである。紫外線照射強度は、好ましくは光重合開始剤の活性化に有効な波長領域における強度である。光を照射する時間は、通常0.1秒〜10分であり、好ましくは1秒〜5分、より好ましくは5秒〜3分、さらに好ましくは10秒〜1分である。このような紫外線照射強度で1回または複数回照射すると、その積算光量は、10〜3,000mJ/cm、好ましくは50〜2,000mJ/cm、より好ましくは100〜1,000mJ/cmである。
位相差層の厚みは、適用される表示装置に応じて適宜選択できるが、薄膜化および屈曲性等の観点から、0.1〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましく、1〜3μmであることがさらに好ましい。
<光学補償板>
本発明の有機ELディスプレイ用積層体は、必要に応じて、更に光学補償板を組み合わせてもよい。光学補償板は、液晶表示装置の視野角や色を補償する光学機能を有しており、好ましくは、液晶性物質が配向してなる。
光学補償板は、より好ましくは、重合性液晶化合物の重合体からなり、以下の式(5)を満たす:
−30nm ≦ Rth(550)≦ −100nm (5)
(Rth(550)は、波長550nmを照射した際の膜厚方向の面内位相差を表す。)
このような光学補償板に好ましく使用される液晶性物質として、側鎖型液晶性高分子化合物が挙げられる。側鎖型液晶性高分子化合物は、柔軟な主鎖に柔軟鎖を介して液晶層を発現させる中核単位であるメソゲン基が側鎖として結合したものであり、例えば、ポリアクリレートやポリメタクリレート、ポリシロキサン等を主鎖骨格とし、必要に応じて共役性の原子団等からなるスペーサー部を介して、側鎖としてメソゲン基を有する物などを挙げることができる。また、側鎖のメソゲン基からみて主鎖と逆側になる末端には、必要に応じて共役性の原子団等からなるスペーサー部を介して、オキセタニル基、エポキシ基、ビニルエーテル基等の架橋のための重合性官能基を、フィルムの引張弾性率を制御するために持たせてもよい。
光学補償板の厚さは、例えば0.1〜30μm程度、好ましくは0.5〜25μm程度、さらに好ましくは3〜20μm程度である。
<円偏光板>
本発明における円偏光板は、偏光板と位相差板とを含み、偏光板は偏光子と保護フィルムとを含む。偏光板は位相差板とは反対側に保護フィルムを有する。
上記円偏光板において、偏光板と位相差板とは、接着剤層を介して積層されてもよいし、粘着剤層を介して積層されてしてもよく、粘着剤層を介して積層されることが好ましい。すなわち、上記円偏光板は、偏光板、粘着剤層及び位相差板の順に積層された構造を有することが好ましい。
偏光板と位相差板とを積層させる粘着剤層としては、波長400nmの透過率が10%以下である粘着剤層(以下、近赤外吸収粘着剤層という場合がある。)が好ましい。
偏光板と位相差板とを積層させる粘着剤層を形成する粘着剤組成物としては、特に限定されず、公知の粘着剤組成物が使用できる。
近赤外吸収粘着剤層を形成する粘着剤組成物は、特に限定されないが、例えば特開2017−119700号公報に記載の粘着剤組成物が挙げられ、波長400nm付近(例えば波長385nm〜波長405nm)の光を選択的に吸収する化合物を含む粘着剤組成物であることが好ましく、メロシアニン構造を有する光選択吸収化合物を含む粘着剤組成物であることがより好ましい。
本発明における円偏光板は、水蒸気透過率が100g/m/24hrs以下であり及び380nmの光の透過率が1%以下である。これにより、表示特性と屈曲性と経年劣化に優れた有機ELディスプレイが得られる。
水蒸気透過率は、JIS Z 0208に従い、40℃、相対湿度90%の条件で測定し、フィルムの面積1mあたり24時間でそのフィルムを通過する水分量として算出する。水蒸気透過率が100g/m/24hrsを超えると、得られた有機ELディスプレイの耐久性が悪くなる。水蒸気透過率は、好ましくは60g/m/24hrs以下、より好ましくは30g/m/24hrs以下であり、更に好ましくは10g/m/24hrs以下であり、測定限界以下の低い水蒸気透過率であってもよい。
光の透過率は、分光光度計(UV−3150;株式会社島津製作所製)を用いて、380nmの透過率を測定する。380nmおよび400nmの両方の透過率を特定するとより好ましい。これらの波長での光の透過率は、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下である。
上記円偏光板において、酸素透過度は、好ましくは30cc/atm/m/24hrs以下である。酸素透過度は、JIS K 7126に基づき、酸素透過率測定装置(OX−TRANML、MOCON社製)にて23℃、相対湿度50%の条件で測定を行う。酸素透過度は、有機ELディスプレイの耐久性をより向上させる点で、より好ましくは20cc/atm/m/24hrs以下、更に好ましくは10cc/atm/m/24hrs以下である。
<粘着剤層(1)>
本発明において、円偏光板と積層させる粘着剤層(本明細書において、本粘着剤層を「粘着剤層(1)」と称することがある。)を形成する粘着剤組成物としては、特に限定されず、例えば、アクリル系やシリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ゴム系などの適宜な粘着剤を用いることができる。中でも、光学的透明性や粘着特性、耐候性などの点から、感圧のアクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤層(1)は、通常、円偏光板の位相差板に積層される。粘着剤層(1)の円偏光板が積層された面と反対側に、さらに別の層(セパレートフィルム等)が積層されてもよい。
なお、粘着剤層(1)及び偏光板と位相差板との積層に使用される粘着剤層には、各種拡散剤を分散させて拡散性を付与したり、各種導電性物質を混合して帯電防止性を付与したりする等、用途に応じて機能性を持たせてもよい。
本発明における円偏光板と粘着剤層が積層された積層体の厚みは、表示装置の屈曲性や視認性の観点から、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは90μm以下である。
<有機EL表示装置(有機ELディスプレイ)>
本発明は、本発明の有機ELディスプレイ用積層体を備えてなる表示装置を包含する。
表示装置としては、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、タッチパネル表示装置、電子放出表示装置(電場放出表示装置(FED等)、表面電界放出表示装置(SED))、電子ペーパー(電子インクや電気泳動素子を用いた表示装置)、プラズマ表示装置、投射型表示装置(グレーティングライトバルブ(GLV)表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を有する表示装置等)および圧電セラミックディスプレイ等が挙げられる。液晶表示装置は、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、反射型液晶表示装置、直視型液晶表示装置および投写型液晶表示装置等の何れをも含む。これら表示装置は、2次元画像を表示する表示装置であってもよいし、3次元画像を表示する立体表示装置であってもよい。特に、本発明の表示装置としては、有機EL表示装置およびタッチパネル表示装置が好ましく、特に有機EL表示装置が好ましい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明する。実施例および比較例中の「%」および「部」は、特記しない限り、「質量%」および「質量部」である。
[実施例1]
<偏光板の作製>
[偏光板:ヨウ素PVA型偏光板の製造]
厚さ30μmのポリビニルアルコールフィルム(PVA:平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、40℃の純水に40秒間浸漬した。その後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が0.044/5.7/100の染色水溶液に28℃で30秒間浸漬して染色処理を行った。次に、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が11.0/6.2/100のホウ酸水溶液に70℃で120秒間浸漬した。引き続き、8℃の純水で15秒間洗浄した後、300Nの張力で保持した状態で、60℃で50秒間、次いで75℃で20秒間乾燥して、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚さ12μmの偏光子を得た。
得られた偏光子と、シクロオレフィンフィルム(日本ゼオン株式会社製 ZF14)の間に水系接着剤を注入し、ニップロールで貼り合わせた。得られた貼合物の張力を430N/mに保ちながら、60℃で2分間乾燥して、片面に保護フィルムとしてシクロオレフィンフィルム(COP)を有する偏光板Iを得た。なお、上記水系接着剤は、水100部に、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(クラレポバール KL318;株式会社クラレ製)3部と、水溶性ポリアミドエポキシ樹脂(スミレーズレジン650;住化ケムテックス株式会社製、固形分濃度30%の水溶液)1.5部とを添加して調製した。
<位相差板の作製>
[光配向膜形成用組成物の調製]
特開2013−033249号公報記載の下記光配向性材料5部とシクロペンタノン(溶剤)95部とを混合し、得られた混合物を80℃で1時間撹拌することにより、光配向膜形成用組成物を得た。
(光配向性材料)
Figure 2021103286
[重合性液晶組成物の調製]
下記構造の重合性液晶化合物A−1(86.0部)と、重合性液晶化合物A−2(14.0部)と、ポリアクリレート化合物(レベリング剤/BYK−361N;BYK−Chemie社製)(0.12部)と、2−ジメチルアミノ−2−ベンジル−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(光重合開始剤/イルガキュア369;チバ スペシャルティケミカルズ社製)(3.0部)とを混合し、重合性液晶化合物A−1および重合性液晶化合物A−2を含む重合性液晶組成物(A1)を得た。
重合性液晶化合物A−1:
Figure 2021103286
重合性液晶化合物A−2:
Figure 2021103286
[位相差板の作製]
シクロオレフィンポリマーフィルム(COP;ZF−14;日本ゼオン株式会社製)を、コロナ処理装置(AGF−B10;春日電機株式会社製)を用いて出力0.3kW、処理速度3m/分の条件で1回処理した。コロナ処理を施した表面に、前記光配向膜形成用組成物をバーコーター塗布し、80℃で1分間乾燥し、偏光UV照射装置(偏光子ユニット付SPOT CURE SP−7;ウシオ電機株式会社製)を用いて、100mJ/cmの積算光量で偏光UV露光を実施し、配向膜を形成した。得られた配向膜の厚さをエリプソメータ M−220(日本分光株式会社製)で測定したところ、100nmであった。
続いて、前記配向膜上に、先に調製した重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物(A1)を、バーコーターのワイヤーを#30に設定して50mm/secの速度で塗布し、120℃で1分間乾燥した。その後、高圧水銀ランプ(ユニキュアVB−15201BY−A;ウシオ電機株式会社製)を用いて、重合性液晶組成物(A1)を塗布した面側から紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長313nmにおける積算光量:500mJ/cm)することにより、位相差層とシクロオレフィンポリマーフィルムの積層体を形成した。得られた位相差層の厚みをレーザー顕微鏡(LEXT;オリンパス株式会社製)で測定したところ、2.3μmであった。
得られた位相差層の波長550nmにおける位相差値を測定したところ、Re(550)=140nmであった。
また、得られた位相差層の波長450nm及び波長650nmにおける位相差値を測定したところ、Re(450)/Re(550)=0.85、Re(650)/Re(550)=1.05であった。
<円偏光板の作製>
偏光板Iと位相差板Bを、偏光板Iの吸収軸と位相差板Bの遅相軸の為す角度(θ)が45°となるように粘着剤(リンテック株式会社製、アクリル系粘着剤(無色透明、無配向)を用いて貼合した後に位相差板のシクロオレフィンポリマーフィルムを剥離し、円偏光板1を作製した。
<有機ELディスプレイ用積層体の作製>
得られた円偏光板の位相差板に、アクリル系粘着剤(リンテック社製 膜厚15μm)を積層させて有機ELディスプレイ用積層体を得た。
得られた有機ELディスプレイ用積層体の層構成について、表1にまとめた。
<水蒸気透過率の測定>
得られた円偏光板についてJIS Z 0208に従い、40℃、相対湿度90%の条件で測定し、フィルムの面積1m2あたり24時間でそのフィルムを通過する水分量として算出した。結果を表2に示す。
<酸素透過度の測定>
得られた円偏光板についてJIS K7126に基づき、酸素透過率測定装置(OX−TRANML、MOCON社製)にて23℃、相対湿度50%の条件で測定を行った。結果を表2に示す。
<透過率の測定>
得られた円偏光板について分光光度計(UV−3150;株式会社島津製作所製)を用いて、380nm、及び400nmの透過率を測定した。結果を表2に示す。
<耐候性試験>
得られた有機ELディスプレイ用積層体のアクリル系粘着剤と、SAMSUNG社製「GalaxyS5」より前面ガラスおよび偏光板を除去した表示装置とを貼合した。表示装置の電源をOFFにした状態(黒表示時)、ONにした状態(白表示時)で反射色相を確認した。初期外観およびサンシャインウェザーメータでの100時間促進耐候性試験後の外観(100時間促進耐候性試験)の結果を表3に示す。なお、正面反射色相(表3では「白表示」および「黒表示」)はサンプルを正面から50cm離れて目視で観察して色相を確認した色相であり、斜方反射色相(表3では「斜方黒表示」)は仰角60°、方位角0〜360°方向から50cm離れて目視で観察したときの色相である。
<屈曲性試験>
得られた円偏光板の塗膜面側に厚み0.7mmのガラス板を載せ、ガラス板に這わせるようにして積層体を180度曲げた後、10倍のルーペを使用して蛍光灯の光に透過させて屈曲部分を観察し、シワやクラックの有無を確認した。シワやクラックが観察されなかったものをA、わずかにシワが確認されたものをB、シワとクラックが観察されたものをCとした。結果を表3に示す。
[実施例2]
実施例1で偏光板と位相差板の粘着剤を、日本国特許出願公開公報・特開2017−120430の実施例2に記載の粘着剤(近紫外PSA)に変更した以外は実施例1と同様にして作製した。
[実施例3]
[位相差板の作製]
<配向性ポリマー組成物(1)の調製>
市販のポリビニルアルコール (ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)に水を加えて100℃で1時間加熱し、配向性ポリマー組成物(1)を得た。配向性ポリマー組成物(1)における固形分は2質量%であった。
<組成物(B−1)の調製>
式(LC242)で表される重合性液晶化合物、重合開始剤(BASF社製;イルガキュア907)、ポリアクリレート化合物(レベリング剤/BYK−361N;BYK−Chemie社製)、反応添加剤(BASF社製 Laromer(登録商標)LR−900)及びプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート(PGMEA)を混合して組成物(B−1)を得た。なお、組成物(B−1)における各化合物の割合は、重合性液晶化合物19.2質量%、重合開始剤0.5質量%、レベリング剤0.1質量%、反応添加剤1.1質量%及びPGMEA79.1%である。
Figure 2021103286
<位相差層1の作製>
ケン化済みトリアセチルセルロースフィルム(以下、TACと称する場合がある。)に配向性ポリマー組成物(1)を塗布し、加熱乾燥後、厚さ80nmの配向性ポリマーの膜を得た。得られた配向性ポリマーの膜の表面に、ラビング処理を施した。この上に、組成物(B−1)を、バーコーターを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥した後、高圧水銀ランプを用いて、紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量:1200mJ/cm)することにより位相差層1を形成した。得られた位相差層1の膜厚をレーザー顕微鏡で測定したところ、膜厚は1.94μmであった。得られた位相差層1の位相差値を測定したところ、Re(550)=269nmであった。また、波長450nmならびに波長650nmの位相差値を測定したところ、Re(450)/Re(550)=1.08、Re(650)/Re(550)=0.99であった。
<位相差層2の作製>
ケン化済みトリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ株式会社製、KC4UY)に配向性ポリマー組成物(1)を塗布し、加熱乾燥後、厚さ82nmの配向性ポリマーの膜を得た。得られた配向性ポリマーの膜の表面をTACの長手方向から15°となる角度でラビング処理を施し、この上に、組成物(B−1)を、バーコーターを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥した後、高圧水銀ランプを用いて、紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量:1200mJ/cm)することにより位相差層2を形成した。得られた位相差層2の膜厚をレーザー顕微鏡で測定したところ、膜厚は973nmであった。得られた位相差層2の位相差値を測定したところ、Re(550)=135nmであった。また、波長450nm及び波長650nmの位相差値を測定したところ、Re(450)/Re(550)=1.07、Re(650)/Re(550)=0.98となった。
<位相差層1と位相差層2との貼合>
上記で得られた位相差層1の遅相軸及び位相差層2の遅相軸の角度が60°となるように、光硬化性接着剤を用いて貼合し、位相差板3を作製した。
<円偏光板の作製>
偏光板Iと、位相差板3の位相差層1側を、偏光板Iの吸収軸と位相差層1の遅相軸の為す角度(θ)が15°、偏光板Iの吸収軸と位相差板2の遅相軸の為す角度(θ)が75°となるように接着剤を用いて貼合した後に位相差板のシクロオレフィンポリマーフィルムを剥離し、円偏光板を作製した。
<有機ELディスプレイ用積層体の作製>
上記で得られた位相差板3を用いた以外、実施例1と同様にして有機ELディスプレイ用積層体を作製した。
[実施例4]
[光学補償板の作製]
<配向性ポリマー組成物(2)の調製>
市販の配向性ポリマーであるサンエバーSE−610(日産化学工業株式会社製)に2−ブトキシエタノールを加えて配向性ポリマー組成物(2)を得た。なお、配向性ポリマー組成物(2)の固形分は1質量%であった。
シクロオレフィンフィルムの表面を、コロナ処理装置を用いて出力0.3kW、処理速度3m/分の条件で1回処理した。コロナ処理を施した表面に、配向性ポリマー組成物(2)を、バーコーターを用いて塗布し、90℃で1分間乾燥し、配向膜を得た。得られた配向膜の膜厚をレーザー顕微鏡で測定したところ、34nmであった。続いて、配向膜上に組成物(B−1)を、バーコーターを用いて塗布し、90℃で1分間乾燥した後、高圧水銀ランプを用いて、紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量:1000mJ/cm)することにより光学補償板を得た。得られた光学補償板の膜厚をレーザー顕微鏡で測定したところ、膜厚は450nmであった。また、得られた光学補償板の波長550nmでの位相差値を測定したところRe(550)=1nm、Rth(550)=−70nmであった。なお、シクロオレフィンフィルム単独の波長550nmにおける位相差値は略0であった。
実施例1で作製した円偏光板と上記で得られた光学補償板とを、実施例1記載のアクリル系粘着剤を用いて貼合し、光学補償板付円偏光板を得た。得られた光学補償板付円偏光板の光学補償板に、さらにアクリル系粘着剤を積層して有機ELディスプレイ用積層体を得た。
[実施例5]
国際公開第2017/014279号に記載の実施例1と同様の方法で30μmのポリイミド系フィルム(PIフィルム)を作製した。
シクロオレフィンポリマーフィルムの代わりに前記ポリイミド系フィルム(PIフィルム)を保護フィルムとして用いたこと以外は実施例2と同様に作製した。
[実施例6]
国際公開第2017/014279号に記載の実施例1と同様の方法で30μmのポリイミド系フィルム(PIフィルム)を作製した。
保護フィルムとして、前記ポリイミド系フィルムを用いた以外は実施例3と同様にして作成した。
[実施例7]
国際公開第2017/014279号に記載の実施例1と同様の方法で30μmのポリイミド系フィルム(PIフィルム)を作製した。
保護フィルムとして前記ポリイミド系フィルムを用い、位相差板と偏光板との積層に用いる粘着剤を、実施例1記載のアクリル系粘着剤とした以外は実施例4と同様にして作成した。
[比較例1]
<偏光板の作製>
偏光子の両側にトリアセチルセルロースフィルム(TAC;KC2UA;コニカミノルタ株式会社製)を配置し、それぞれの層の間に水系接着剤を注入し、ニップロールで貼り合わせた。得られた貼合物の張力を430N/mに保ちながら、60℃で2分間乾燥して、両側に保護フィルムとしてトリアセチルセルロースフィルムを有する偏光板を得た。なお、上記水系接着剤は、水100部に、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(クラレポバール KL318;株式会社クラレ製)3部と、水溶性ポリアミドエポキシ樹脂(スミレーズレジン650;住化ケムテックス株式会社製、固形分濃度30%の水溶液)1.5部とを添加して調製した。
<有機ELディスプレイ用積層体の作製>
位相差板としてポリカーボネート系共重合体樹脂フィルム(WRS−143;帝人社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして有機ELディスプレイ用積層体を作製した。
[比較例2]
実施例3で作製した位相差板2を用いた以外は比較例1と同様にして有機ELディスプレイ用積層体を作製した。
[比較例3]
比較例1で作製した偏光板を用いた以外は、実施例1と同様にして有機ELディスプレイ用積層体を作製した。
Figure 2021103286
なお、表1における「COP」はシクロオレフィンフィルムを表し、「PI」はポリイミドを表し、「TAC」はトリアセチルセルロースフィルムを表し、「PVA」はポリビニルアルコールを表し、「PSA」はアクリル系粘着剤を表す。また、ReはRe(550)を表し、α=Re(450)/Re(550)、β=Re(650)/Re(550)を表し、Rthは膜厚方向の面内位相差を表す。
Figure 2021103286
Figure 2021103286
上記表2および表3の結果から明らかなように、本発明の要件を満足する実施例1〜7では、100時間促進耐候性試験後の外観は、初期外観とほとんど変化がなく、しかも屈曲性も当初の性能を維持している。比較例1〜3では100時間の促進耐候性試験後の外観は初期外観から変化している。特に水蒸気透過率が比較例では全て700g/m/24hrsで基準値の100g/m/24hrsから大きく外れているので、耐候性が悪くなったものと理解する。

Claims (16)

  1. 円偏光板と粘着剤層とが積層された積層体であって、
    前記積層体の厚みが100μm以下であり、
    前記円偏光板は、偏光板と位相差板とを含み、
    偏光板は、偏光子と保護フィルムとを含み、偏光子の位相差板が積層された面の反対側のみに保護フィルムを有し、
    前記円偏光板の水蒸気透過率が100g/m/24hrs以下であり、かつ
    前記円偏光板の380nm透過率が1%以下である有機ELディスプレイ用積層体。
  2. 前記偏光子がポリビニルアルコール系樹脂フィルムから形成された偏光子である請求項1記載の有機ELディスプレイ用積層体。
  3. 前記円偏光板の400nm透過率が1%以下である請求項1または2に記載の有機ELディスプレイ用積層体。
  4. 前記位相差板が重合性液晶化合物の重合体を含む位相差層を1層のみ含み、かつ下記式(1)、式(2)及び式(3)の全てを満たす位相差板である請求項1〜3のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用積層体。
    Re(450)/Re(550) ≦ 1.00 (1)
    1.00 ≦ Re(650)/ Re(550) (2)
    100nm ≦ Re(550)≦ 180nm (3)
    (式中、Re(λ)は波長λnmの光に対する面内位相差値を表す。)
  5. 前記位相差板の遅相軸と偏光板の吸収軸との成す角度が実質的に45度である請求項4に記載の有機ELディスプレイ用積層体。
  6. 前記位相差板が、偏光板側から順に第一の位相差層及び第二の位相差層を含み、
    第一の位相差層及び第二の位相差層は、それぞれ、重合性液晶化合物の重合体であって、
    第一の位相差層が下記式(4)の関係を満たし、
    第二の位相差層が式(3)の関係を満たし、
    位相差板が式(1)及び式(2)の関係を満たす請求項1〜3のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用積層体。
    Re(450)/Re(550) ≦ 1.00 (1)
    1.00 ≦ Re(650)/ Re(550) (2)
    100nm ≦ Re(550)≦ 180nm (3)
    200nm ≦ Re(550)≦ 300nm (4)
    (式中、Re(λ)は波長λnmの光に対する面内位相差値を表す。)
  7. さらに、下記式(5)を満たす重合性液晶化合物の重合体からなる光学補償板を有する請求項1〜6のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用積層体。
    −30nm ≦ Rth(550)≦ −100nm (5)
    (Rth(550)は、波長550nmの光に対する膜厚方向の面内位相差を表す。)
  8. 前記円偏光板が、400nm透過率が10%以下である粘着剤層を含む請求項1〜6のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用積層体。
  9. 前記保護フィルムが、シクロオレフィンフィルムである請求項1〜7のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用積層体。
  10. 前記保護フィルムが、ポリイミドフィルム又はポリアミドイミドフィルムである請求項1〜7のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用積層体。
  11. 少なくとも偏光板と粘着剤層と位相差板とがこの順で積層された円偏光板であって、
    前記偏光板は、偏光子と保護フィルムとを含み、偏光子の位相差板が積層された面の反対側のみに保護フィルムを有し、
    前記位相差板が式(1)及び式(2)の関係を満たし、
    前記円偏光板の水蒸気透過率が100g/m/24hrs以下であり、かつ
    前記円偏光板の380nm透過率が1%以下である
    円偏光板。
    Re(450)/Re(550) ≦ 1.00 (1)
    1.00 ≦ Re(650)/ Re(550) (2)
  12. 前記偏光子がポリビニルアルコール系樹脂フィルムから形成された偏光子である請求項11記載の円偏光板。
  13. 前記円偏光板の400nm透過率が1%以下である請求項11または12に記載の円偏光板。
  14. 前記粘着剤層は400nm透過率が10%以下である請求項11〜13のいずれかに記載の円偏光板。
  15. 前記保護フィルムが、シクロオレフィンフィルムである請求項11〜14のいずれかに記載の円偏光板。
  16. 前記保護フィルムが、ポリイミドフィルム又はポリアミドイミドフィルムである請求項11〜15のいずれかに記載の円偏光板。
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