JP2021102219A - 鋼矢板圧延における形状不良の検知方法および鋼矢板の製造方法並びに鋼矢板圧延設備列 - Google Patents
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Description
また、U形鋼矢板についても、ハット形鋼矢板と同様に、複数の圧延機によって、徐々に製品断面形状となるように孔型圧延を行って、製品を製造している。
本発明者らは、中間圧延機の上下のスピンドルに、ひずみゲージを貼付して、ハット形鋼矢板の圧延中(噛込み時から噛放し時まで)のひずみ値を測定した。そして、得られたひずみデータを送信機で無線送信し、これを受信機で受け取り、圧延トルクデータに換算し、中間圧延工程の各圧延パスにおける上および下ロールに発生する圧延トルクとした。
[1]素材を加熱し、孔型による圧延パスを複数回施して、所定形状の鋼矢板とするに当たり、前記複数回の圧延パスの少なくとも特定の圧延パスにおいて前記素材の圧延中に、前記孔型を構成する上ロールおよび下ロールの少なくとも一方で発生する圧延トルクを連続的に測定し、前記圧延トルクの振幅を算出し、得られた前記圧延トルクの振幅の大きさから、当該圧延パスにおける形状不良の発生の有無を判定すること、を特徴とする鋼矢板圧延における形状不良の検出方法。
[2]前記得られた圧延トルクの振幅が一定値以上である場合を、当該圧延パスにおいて形状不良が発生したと判定し、一方、前記得られた圧延トルクの振幅が一定値未満である場合を、当該圧延パスにおいて形状不良が発生しなかったと判定すること、を特徴とする[1]に記載の鋼矢板圧延における形状不良の検出方法。
[3]前記得られた圧延トルクの振幅が一定値以上である場合には、さらに、前記圧延トルクの振動周期を算出し、得られた前記圧延トルクの振動周期が所定値未満である場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した形状不良がスリップ模様であると判定し、得られた前記圧延トルクの振動周期が所定値以上である場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した形状不良が波であると判定することを特徴とする[2]に記載の鋼矢板圧延における形状不良の検出方法。
[4]前記発生した形状不良が波であると判定した場合には、さらに、前記上ロールおよび前記下ロールの圧延トルクの平均値をそれぞれ算出し、前記上ロールの圧延トルクの平均値と前記下ロールの圧延トルクの平均値の比、(上ロールの圧延トルクの平均値)/(下ロールの圧延トルクの平均値)、が所定の範囲内である場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した形状不良の発生部位がフランジであると判定し、
前記上ロールの圧延トルクの平均値と前記下ロールの圧延トルクの平均値の比、(上ロールの圧延トルクの平均値)/(下ロールの圧延トルクの平均値)、が所定の範囲超えである場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した形状不良の発生部位が上ロールの大径部と下ロールの小径部で圧延している部位であると判定し、前記上ロールの圧延トルクの平均値と前記下ロールの圧延トルクの平均値の比、(上ロールの圧延トルクの平均値)/(下ロールの圧延トルクの平均値)、が所定の範囲未満である場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した形状不良の発生部位が下ロールの大径部と上ロールの小径部で圧延している部位であると判定することを特徴とする[3]に記載の鋼矢板圧延における形状不良の検出方法。
[5]前記鋼矢板が、ウェブ部とフランジ部と腕部と継手部とを有するハット形鋼矢板であるか、あるいはウェブ部とフランジ部と継手部とを有するU形鋼矢板であることを特徴とする[1」ないし[4]のいずれかに記載の鋼矢板圧延における形状不良の検出方法。
[6]前記圧延トルクの測定が、圧延ロールに発生するひずみの測定により行うか、あるいは圧延機の主機モータの電流値の測定により行うことを特徴とする[1]ないし[5]のいずれかに記載の形状不良の検出方法。
[8]前記得られた圧延トルクの振幅の大きさが一定値以上である場合を、当該圧延パスにおいて形状不良が発生したと判定し、前記得られた圧延トルクの振幅の大きさが一定値未満である場合を、当該圧延パスにおいて形状不良が発生しなかったと判定することを特徴とする[7]に記載の鋼矢板の製造方法。
[9]前記判定が、当該圧延パスにおいて形状不良が発生したと判定した場合には、当該素材または次素材以降における当該圧延パスの圧延条件を修正または変更することを特徴とする[8]に記載の鋼矢板の製造方法。
[10]前記判定が、当該圧延パスにおいて形状不良が発生したと判定した場合には、さらに、前記圧延トルクの振動周期を算出し、得られた前記圧延トルクの振動周期が所定値未満である場合は、当該圧延パスにおける形状不良の発生がスリップ模様の発生であると判定し、前記当該素材または次素材以降における当該圧延パスの圧延条件を、次(A1)〜(C1)
(A1):当該圧延パスの圧延速度を低下させる、
(B1):当該圧延パスの材料の温度を上昇させるように、加熱条件を変更するか、あるいは抽出から当該パスまでの所要時間を短縮する、
(C1):当該圧延パスがタンデム圧延で上流側の圧延の場合に、圧延速度の調整でスタンド間張力を大きくする、
のうちの少なくとも一つの圧延条件に修正することを特徴とする[9]に記載の鋼矢板の製造方法。
[11]前記判定が、当該圧延パスにおいて形状不良が発生したと判定した場合には、さらに、前記圧延トルクの振動周期を算出し、得られた前記圧延トルクの振動周期が所定値以上である場合は、当該圧延パスにおける形状不良の発生が波の発生であると判定し、さらに、前記上ロールおよび前記下ロールの圧延トルクの平均値をそれぞれ算出し、前記上ロールの圧延トルクの平均値と前記下ロールの圧延トルクの平均値の比、(上ロールの圧延トルクの平均値)/(下ロールの圧延トルクの平均値)、が所定の範囲内である場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した波の発生部位がフランジであると判定し、
前記上ロールの圧延トルクの平均値と前記下ロールの圧延トルクの平均値の比、(上ロールの圧延トルクの平均値)/(下ロールの圧延トルクの平均値)、が所定の範囲超えである場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した波の発生部位が上ロールの大径部と下ロールの小径部で圧延している部位であると判定し、前記上ロールの圧延トルクの平均値と前記下ロールの圧延トルクの平均値の比、(上ロールの圧延トルクの平均値)/(下ロールの圧延トルクの平均値)、が所定の範囲未満である場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した波の発生部位が下ロールの大径部と上ロールの小径部で圧延している部位であると判定し、前記当該素材または次素材以降における当該圧延パスの圧延条件を、次(A)〜(C)
(A):当該圧延パスの波発生部位の圧下を他の部位よりも相対的に小さくする圧下調整を行う、
(B):当該圧延パスの材料の温度を上昇させるように、加熱条件を変更するか、あるいは抽出から当該圧延パスまでの所要時間を短縮する、
(C):当該圧延パスがタンデム圧延されているときに、圧延速度の調整でスタンド間張力を大きくする、
のうちの少なくとも一つの圧延条件に修正することを特徴とする[9]に記載の鋼矢板の製造方法。
[12]前記鋼矢板が、ウェブ部とフランジ部と腕部と継手部とを有するハット形鋼矢板であるか、あるいはウェブ部とフランジ部と継手部とを有するU形鋼矢板であることを特徴とする[7]ないし[11]のいずれかに記載の鋼矢板の製造方法。
[13]前記圧延トルクの測定が、圧延ロールに発生するひずみの測定により行うか、あるいは圧延機の主機モータの電流値の測定により行うことを特徴とする[8]ないし[12]のいずれかに記載の鋼矢板の製造方法。
[14]加熱装置、粗圧延機、中間圧延機、仕上圧延機をこの順に配設してなる鋼矢板圧延設備列であって、前記粗圧延機、前記中間圧延機、前記仕上圧延機のうちの少なくとも一つの圧延機に配設されたトルク計測装置と、さらに、前記トルク計測装置で計測された圧延トルクデータから、圧延トルクの振幅、あるいはさらに圧延トルクの振動周期、平均値を算出する演算手段と、得られた前記圧延トルクの振幅、あるいはさらに振動周期、平均値とから各種形状不良の発生の有無を判定する判定手段と、を有する演算装置と、前記判定の結果を表示する表示装置と、を有することを特徴とする鋼矢板圧延設備列。
[15]前記演算装置がさらに、前記判定の結果に基づき前記加熱装置の加熱条件および前記各圧延機の圧延条件の修正、変更を指令する指令手段を有することを特徴とする[14]に記載の鋼矢板圧延設備列。
そして、指令手段では、上記した判定の結果に基づき、各圧延機での圧下条件や加熱装置での加熱条件等を変更する指令を、各圧延機や加熱装置に対し伝送する。なお、図8では、圧下調整機構58への指令を図示しているが、本発明ではこれに限定されるものではなく、各圧延機(ここでは、中間圧延機)の主機モータの速度変更や加熱装置の加熱条件の変更等を指令することもできる。なお、圧下調整機構58は、上ロール51の長手方向の両端を支持する部位に設けられ、シリンダー等の機構を用いて上ロール51の上下方向の位置を調整し、圧延機における圧下条件を調整する。また、圧下条件とは、圧延機での圧延時の上ロールと下ロールとの間の距離であるロール隙の条件であり、これにより圧下される被圧延材(素材)の圧下量が調整される。
本発明では、上記した圧延設備列2を利用して、素材に孔型圧延を施し、所定形状の鋼矢板を製造する。
T=εEZp/(1+ν) ……(1)
(ここで、T:圧延トルク、ε:ひずみ、E:スピンドルのヤング率、ν:スピンドルのポアソン比、Zp:スピンドルの極断面係数)
を用いることができる。
これら判定の結果は、表示装置(図示せず)に表示される。
そして、この判定の結果に基づき、演算装置9の指令手段で、各圧延機での圧延条件や加熱装置での加熱条件等を変更する指令を、各圧延機や加熱装置に対し伝送することが好ましい。
(A)当該圧延パスの波発生部位の圧下を他の部位よりも相対的に小さくする圧下調整を行う、
(B)当該圧延パスの材料の温度を上昇させるように、加熱条件を変更するか、あるいは抽出から当該パスまでの所要時間を短縮する、
(C)当該圧延パスがタンデム圧延されているときに、圧延速度の調整でスタンド間張力を大きくする、
のうちの少なくとも一つの圧延条件に、修正あるいは変更する。
「波」が発生していると判定された場合には、さらに上ロールおよび下ロールの圧延トルクの平均値をそれぞれ算出し、(上ロールの圧延トルクの平均値)/(下ロールの圧延トルクの平均値)を、予め決定しておいた所定範囲と比較して、発生位置を特定する。
圧延トルクの振動周期が所定値以上の場合で、かつ上ロールの圧延トルクの平均値と下ロールの圧延トルクの平均値との比、(上ロールトルク平均値)/(下ロールトルク平均値)、が所定の範囲内である場合は、フランジ波が発生していると、判定する。ここで、所定の範囲は、予め当該孔型でフランジ波が発生した際の圧延トルクデータを詳細に解析して決定することが好ましい。
(A1)当該圧延パスの圧延速度を低下させる、
(B1)当該圧延パスの被圧延材(素材)の温度を上昇させるように、加熱条件を変更するか、あるいは、抽出から当該パスまでの所要時間を短縮する、
(C1)当該圧延パスがタンデム圧延で上流側の圧延の場合に、圧延速度の調整でスタンド間張力を大きくする、
のうちの少なくとも一つの圧延条件に、修正あるいは変更する。
本発明では、素材を加熱し、孔型による圧延パスを複数回施して、所定形状の鋼矢板とするに当たり、複数回の圧延パスの少なくとも特定の圧延パスにおいて素材の圧延中に(噛込み時から噛放し時の間で)、孔型を構成する上ロールおよび下ロールの少なくとも一方で発生する圧延トルクを連続的に測定し、圧延トルクの時間変化を求める。
得られた圧延トルクの時間変化から、圧延トルクの振動に対し、圧延トルクの振幅の大きさを算出する。そして、得られた圧延トルクの振幅の大きさから、当該圧延パスにおける形状不良の発生の有無を検知する。
圧延トルクの振動周期が所定値以上の場合で、かつ上ロールの圧延トルクの平均値と下ロールの圧延トルクの平均値との比、(上ロール圧延トルク平均値)/(下ロール圧延トルク平均値)、が所定の範囲内である場合は、フランジ波が発生していると、判定する。ここで、所定の範囲は、予め当該孔型でフランジ波が発生した際の圧延トルクデータを詳細に解析して決定することが好ましく、結果として、上ロールの圧延トルクの平均値と下ロールの圧延トルクの平均値との比、の所定の範囲としては、0.67〜1.5の範囲とすること好ましい。
素材(スラブ)を、図3に示す圧延設備列2を用いて、孔型圧延し、図2(a)に示すハット形鋼矢板(製品)を製造した。なお、圧延設備例2の2台の中間圧延機5にはそれぞれ、図8に示すように、トルク計測装置8を配設した。なお、トルク計測装置8には演算装置9を接続した。
上記した圧延パス(K4孔型)において、得られた圧延トルクの振幅が、圧延トルクの平均値の0.15倍以上である場合、すなわち、(圧延トルクの振幅)/(圧延トルクの平均値)が0.15以上である場合を、当該圧延パスで形状不良が発生したと判定した。なお、得られた圧延トルクの振幅が、圧延トルクの平均値の0.15倍未満である場合、すなわち、(圧延トルクの和の振幅)/(圧延トルクの平均値)が0.15未満である場合を、当該圧延パスで形状不良が発生しなかったと判定した。
K4孔型での圧延パスにおいて、得られた圧延トルクの和について、(圧延トルクの振幅/圧延トルクの平均値)を求め、表1に併記した。この圧延No.4〜No.6では、K4孔型での圧延パスにおける、(圧延トルクの振幅/圧延トルクの平均値)は0.15未満であり、K4孔型での圧延パスで形状不良の発生は認められない、と判定した。なお、判定の結果は、表示装置(図示せず)に表示した。
このように、圧延トルクの測定結果を利用した判定に対応して、圧延条件を修正または変更すれば、発生していた鋼矢板の形状不良(スリップ模様)を容易に防止できることが確認できた。
実施例1と同様に、素材(スラブ)を、図3に示す圧延設備列2を用いて、圧延し、鋼矢板(製品)を製造した。なお、圧延設備例2の2台の中間圧延機5にはそれぞれ、図8に示すように、トルク計測装置8を配設した。なお、トルク計測装置8には演算装置9を接続した。
1A ハット形鋼矢板
1B U形鋼矢板
2 圧延設備列(鋼矢板圧延設備列)
3 加熱装置
4 粗圧延機
5 中間圧延機
6 仕上圧延機
8 トルク計測装置
9 演算装置
11 ウェブ部
12 フランジ部
13 腕部
14 継手部
41 上ロール(上粗ロール)
42 下ロール(下粗ロール)
51 上ロール(上中間ロール)
52 下ロール(下中間ロール)
56 スピンドル
56a 上スピンドル
56b 下スピンドル
58 圧下調整機構
61 上ロール(上仕上ロール)
62 下ロール(下仕上ロール)
71、72、73、74、75、76、77 孔型
81 第1計測部
82 第2計測部
83 受信部
811 第1ひずみ測定手段
812 第1送信手段
821 第2ひずみ測定手段
822 第2送信手段
Claims (15)
- 素材を加熱し、孔型による圧延パスを複数回施して、所定形状の鋼矢板とするに当たり、
前記複数回の圧延パスの少なくとも特定の圧延パスにおいて前記素材の圧延中に、前記孔型を構成する上ロールおよび下ロールの少なくとも一方で発生する圧延トルクを連続的に測定し、
前記圧延トルクの振幅を算出し、
得られた前記圧延トルクの振幅の大きさから、当該圧延パスにおける形状不良の発生の有無を判定すること、を特徴とする鋼矢板圧延における形状不良の検出方法。 - 前記得られた圧延トルクの振幅が一定値以上である場合を、当該圧延パスにおいて形状不良が発生したと判定し、一方、前記得られた圧延トルクの振幅が一定値未満である場合を、当該圧延パスにおいて形状不良が発生しなかったと判定すること、を特徴とする請求項1に記載の鋼矢板圧延における形状不良の検出方法。
- 前記得られた圧延トルクの振幅が一定値以上である場合には、さらに、前記圧延トルクの振動周期を算出し、
得られた前記圧延トルクの振動周期が所定値未満である場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した形状不良がスリップ模様であると判定し、
得られた前記圧延トルクの振動周期が所定値以上である場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した形状不良が波であると判定することを特徴とする請求項2に記載の鋼矢板圧延における形状不良の検出方法。 - 前記発生した形状不良が波であると判定した場合には、さらに、前記上ロールおよび前記下ロールの圧延トルクの平均値をそれぞれ算出し、
前記上ロールの圧延トルクの平均値と前記下ロールの圧延トルクの平均値の比、(上ロールの圧延トルクの平均値)/(下ロールの圧延トルクの平均値)、が所定の範囲内である場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した形状不良の発生部位がフランジであると判定し、
前記上ロールの圧延トルクの平均値と前記下ロールの圧延トルクの平均値の比、(上ロールの圧延トルクの平均値)/(下ロールの圧延トルクの平均値)、が所定の範囲超えである場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した形状不良の発生部位が上ロールの大径部と下ロールの小径部で圧延している部位であると判定し、
前記上ロールの圧延トルクの平均値と前記下ロールの圧延トルクの平均値の比、(上ロールの圧延トルクの平均値)/(下ロールの圧延トルクの平均値)、が所定の範囲未満である場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した形状不良の発生部位が下ロールの大径部と上ロールの小径部で圧延している部位であると判定することを特徴とする請求項3に記載の鋼矢板圧延における形状不良の検出方法。 - 前記鋼矢板が、ウェブ部とフランジ部と腕部と継手部とを有するハット形鋼矢板であるか、あるいはウェブ部とフランジ部と継手部とを有するU形鋼矢板であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の鋼矢板圧延における形状不良の検出方法。
- 前記圧延トルクの測定が、圧延ロールに発生するひずみの測定により行うか、あるいは圧延機の主機モータの電流値の測定により行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の形状不良の検出方法。
- 素材を加熱し、孔型による圧延パスを複数回施して、所定形状の鋼矢板とする鋼矢板の製造方法であって、
前記複数回の圧延パスの少なくとも特定の圧延パスにおいて前記素材の圧延中に、前記孔型を構成する上ロールおよび下ロールの少なくとも一方で発生する圧延トルクを連続的に測定し、
前記圧延トルクの振幅を算出し、
得られた該圧延トルクの振幅の大きさから、当該圧延パスにおける形状不良の発生の有無を判定し、
前記判定の結果を表示することを特徴とする鋼矢板の製造方法。 - 前記得られた圧延トルクの振幅の大きさが一定値以上である場合を、当該圧延パスにおいて形状不良が発生したと判定し、
前記得られた圧延トルクの振幅の大きさが一定値未満である場合を、当該圧延パスにおいて形状不良が発生しなかったと判定することを特徴とする請求項7に記載の鋼矢板の製造方法。 - 前記判定が、当該圧延パスにおいて形状不良が発生したと判定した場合には、当該素材または次素材以降における当該圧延パスの圧延条件を修正または変更することを特徴とする請求項8に記載の鋼矢板の製造方法。
- 前記判定が、当該圧延パスにおいて形状不良が発生したと判定した場合には、さらに、前記圧延トルクの振動周期を算出し、
得られた前記圧延トルクの振動周期が所定値未満である場合は、当該圧延パスにおける形状不良の発生がスリップ模様の発生であると判定し、
前記当該素材または次素材以降における当該圧延パスの圧延条件を、下記(A1)〜(C1)のうちの少なくとも一つの圧延条件に修正することを特徴とする請求項9に記載の鋼矢板の製造方法。
記
(A1):当該圧延パスの圧延速度を低下させる。
(B1):当該圧延パスの材料の温度を上昇させるように、加熱条件を変更するか、あるいは抽出から当該パスまでの所要時間を短縮する。
(C1):当該圧延パスがタンデム圧延で上流側の圧延の場合に、圧延速度の調整でスタンド間張力を大きくする。 - 前記判定が、当該圧延パスにおいて形状不良が発生したと判定した場合には、さらに、前記圧延トルクの振動周期を算出し、
得られた前記圧延トルクの振動周期が所定値以上である場合は、当該圧延パスにおける形状不良の発生が波の発生であると判定し、
さらに、前記上ロールおよび前記下ロールの圧延トルクの平均値をそれぞれ算出し、
前記上ロールの圧延トルクの平均値と前記下ロールの圧延トルクの平均値の比、(上ロールの圧延トルクの平均値)/(下ロールの圧延トルクの平均値)、が所定の範囲内である場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した波の発生部位がフランジであると判定し、
前記上ロールの圧延トルクの平均値と前記下ロールの圧延トルクの平均値の比、(上ロールの圧延トルクの平均値)/(下ロールの圧延トルクの平均値)、が所定の範囲超えである場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した波の発生部位が上ロールの大径部と下ロールの小径部で圧延している部位であると判定し、
前記上ロールの圧延トルクの平均値と前記下ロールの圧延トルクの平均値の比、(上ロールの圧延トルクの平均値)/(下ロールの圧延トルクの平均値)、が所定の範囲未満である場合は、前記当該圧延パスにおいて発生した波の発生部位が下ロールの大径部と上ロールの小径部で圧延している部位であると判定し、
前記当該素材または次素材以降における当該圧延パスの圧延条件を、下記(A)〜(C)のうちの少なくとも一つの圧延条件に修正することを特徴とする請求項9に記載の鋼矢板の製造方法。
記
(A):当該圧延パスの波発生部位の圧下を他の部位よりも相対的に小さくする圧下調整を行う。
(B):当該圧延パスの材料の温度を上昇させるように、加熱条件を変更するか、あるいは抽出から当該圧延パスまでの所要時間を短縮する。
(C):当該圧延パスがタンデム圧延されているときに、圧延速度の調整でスタンド間張力を大きくする。 - 前記鋼矢板が、ウェブ部とフランジ部と腕部と継手部とを有するハット形鋼矢板であるか、あるいはウェブ部とフランジ部と継手部とを有するU形鋼矢板であることを特徴とする請求項7ないし11のいずれかに記載の鋼矢板の製造方法。
- 前記圧延トルクの測定が、圧延ロールに発生するひずみの測定により行うか、あるいは圧延機の主機モータの電流値の測定により行うことを特徴とする請求項8ないし12のいずれかに記載の鋼矢板の製造方法。
- 加熱装置、粗圧延機、中間圧延機、仕上圧延機をこの順に配設してなる鋼矢板圧延設備列であって、
前記粗圧延機、前記中間圧延機、前記仕上圧延機のうちの少なくとも一つの圧延機に配設されたトルク計測装置と、
さらに、前記トルク計測装置で計測された圧延トルクデータから、圧延トルクの振幅、あるいはさらに圧延トルクの振動周期、平均値を算出する演算手段と、得られた前記圧延トルクの振幅、あるいはさらに振動周期、平均値とから各種形状不良の発生の有無を判定する判定手段と、を有する演算装置と、
前記判定の結果を表示する表示装置と、を有することを特徴とする鋼矢板圧延設備列。 - 前記演算装置がさらに、前記判定の結果に基づき前記加熱装置の加熱条件および前記各圧延機の圧延条件の修正、変更を指令する指令手段を有することを特徴とする請求項14に記載の鋼矢板圧延設備列。
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