JP2021101699A - 鉄含有飲料 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ナトリウムを35mg/100ml以上含む飲料において、ナトリウム由来の塩味を改善することを目的とする。【解決手段】ナトリウムの含有量が35〜120mg/100mlである飲料に対して、鉄を配合し、飲料中の鉄の含有量を0.2〜2mg/100mlに調整する。【選択図】なし
Description
本発明は、鉄を含む飲料に関し、より詳細には、ナトリウムに由来する塩味が改善された鉄含有飲料に関する。
近年、熱中症が社会的な問題となっていることから、夏場の飲料市場においては、ナトリウムを含有する熱中症対策用の飲料が人気を集めている。しかし、ナトリウムを含有する飲料は、ナトリウムに起因する塩味が生じることから、飲料の嗜好に影響を与えることが従来からの課題であった。このような課題を解決することを目的として、クエン酸濃度とリン酸濃度の比率を調整する方法(特許文献1)、果糖やリンゴ酸を含有させる方法(特許文献2)、特定量のラウリン酸を配合する方法(特許文献3)などが報告されている。しかしながら、これらの方法は、飲料に用いる甘味料や酸味料の種類や濃度を限定しており、それにより飲料の味の骨格となる甘味と酸味が制限されてしまうため、極めて限られた飲料にしか適用することができなかった。
一方、鉄は赤血球を作るのに必要な栄養素であり、鉄分不足を解消するための鉄が配合された栄養補助食品(サプリメントや飲料)が知られている。このような飲食品に配合される鉄は、体内への吸収性の点から2価鉄の化合物が用いられていることが多く見られる。
上記の通り、ナトリウムを含有する飲料では、ナトリウムに起因する塩味が生じることが問題となる。これについて本発明者らは、ナトリウム含有飲料の研究開発を通じて、特に飲料中のナトリウム濃度が35mg/100ml以上となった場合に、ナトリウム由来の塩味が顕著に感じられることを見出した。そこで、本発明は、ナトリウムを35mg/100ml以上含む飲料において、ナトリウムに由来する塩味を改善することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ナトリウム含有飲料において感じられるナトリウム由来の塩味の解消に、所定量の鉄が有用であることを見出した。かかる知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。
本発明は、これに限定されるものではないが、以下に関する。
(1)ナトリウム及び鉄を含む飲料であって、
(a)ナトリウムの含有量が35〜120mg/100mlであり、
(b)鉄の含有量が0.2〜2mg/100mlである、
上記飲料。
(2)鉄が3価鉄である、(1)に記載の飲料。
(3)ピロリン酸第二鉄を含有する、(2)に記載の飲料。
(4)塩化ナトリウムを含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の飲料。
(5)熱中症対策飲料である、(1)〜(4)のいずれかに記載の飲料。
(1)ナトリウム及び鉄を含む飲料であって、
(a)ナトリウムの含有量が35〜120mg/100mlであり、
(b)鉄の含有量が0.2〜2mg/100mlである、
上記飲料。
(2)鉄が3価鉄である、(1)に記載の飲料。
(3)ピロリン酸第二鉄を含有する、(2)に記載の飲料。
(4)塩化ナトリウムを含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の飲料。
(5)熱中症対策飲料である、(1)〜(4)のいずれかに記載の飲料。
本発明によって、ナトリウムを35mg/100ml以上含む飲料において、ナトリウムに由来する塩味を改善することが可能となる。本発明によれば、高濃度のナトリウムが含まれているにもかかわらず、ナトリウム由来の塩味が軽減され、飲みやすい飲料を提供することができる。
本発明により提供される飲料は、高濃度のナトリウムを含有しており、熱中症対策用の飲料として有用である。また、本発明の飲料は容器詰め飲料として提供することもでき、移動時にも携帯しながら長時間かけて飲用することができる。本発明の飲料を利用することによって、熱中症対策を行いながら、日常的に水分補給を行うこともできる。
本発明の飲料について、以下に説明する。なお、特に断りがない限り、本明細書において用いられる「%」及び「ppb」は、重量/重量(w/w)の%及びppbをそれぞれ意味する。また、本明細書において下限値と上限値によって表されている数値範囲、即ち「下限値〜上限値」は、それら下限値及び上限値を包含するものとする。例えば、「1〜2」により表される範囲は、1及び2を含む。
本発明の一態様は、ナトリウム及び鉄を含む飲料であって、
(a)ナトリウムの含有量が35〜120mg/100mlであり、
(b)鉄の含有量が0.2〜2mg/100mlである、
上記飲料である。かかる構成を採用することによって、ナトリウム含有飲料において感じられるナトリウム由来の塩味を改善することが可能となる。なお、本明細書において、ナトリウムに由来する塩味とは、飲用後に舌に残る、ぬるぬるした触感を伴う塩味を意味する。
(a)ナトリウムの含有量が35〜120mg/100mlであり、
(b)鉄の含有量が0.2〜2mg/100mlである、
上記飲料である。かかる構成を採用することによって、ナトリウム含有飲料において感じられるナトリウム由来の塩味を改善することが可能となる。なお、本明細書において、ナトリウムに由来する塩味とは、飲用後に舌に残る、ぬるぬるした触感を伴う塩味を意味する。
(ナトリウム)
本発明の飲料は、ナトリウムを含有する。本発明においてナトリウムは、飲食品に用いることができる塩の形態、或いはナトリウムを豊富に含む海洋深層水や海藻エキスなどの形態で飲料に添加することができる。本発明で用いることができるナトリウムの塩としては、例えば、塩化ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、L−アスパラギン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウムなどが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明においてナトリウムは、これらのナトリウム塩に由来することができる。本発明の飲料は、好ましくは塩化ナトリウムを含有する。本発明においてナトリウムは、好ましくは塩化ナトリウム由来である。
本発明の飲料は、ナトリウムを含有する。本発明においてナトリウムは、飲食品に用いることができる塩の形態、或いはナトリウムを豊富に含む海洋深層水や海藻エキスなどの形態で飲料に添加することができる。本発明で用いることができるナトリウムの塩としては、例えば、塩化ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、L−アスパラギン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウムなどが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明においてナトリウムは、これらのナトリウム塩に由来することができる。本発明の飲料は、好ましくは塩化ナトリウムを含有する。本発明においてナトリウムは、好ましくは塩化ナトリウム由来である。
本発明の飲料におけるナトリウムの含有量は35〜120mg/100mlである。効果的に体内に水分補給するには、一定量のナトリウムを摂取するとよいことが知られており、特に熱中症対策などに有効である。本発明においては、飲料100mlあたりナトリウムを35〜120mg含有するが、ナトリウムの含有量は、好ましくは38〜80mg/100mlであり、より好ましくは40〜70mg/100mlであり、さらに好ましくは40〜60mg/100mlである。飲料中のナトリウムの含有量が35mg/100mlより少ない場合、熱中症予防の効果が十分に得られなかったり、体内への水分補給の効率が低下したりすることがある。一方、飲料中のナトリウムの含有量が120mg/100mlより多い場合、ナトリウム由来の塩味が強くなりすぎて、飲料の嗜好性が低下したり、本発明の効果が十分に得られなくなったりすることがある。また、飲料中のナトリウムの含有量が40mg/100ml以上のとき、本発明の効果が特に顕著に得られる
。そのメカニズムは明らかではなく、特定の理論に拘束されるものではないが、飲料中のナトリウムが40mg/100ml以上である場合、ナトリウムが味覚神経を刺激する程度が一段と強くなり、ナトリウムに起因する塩味が強く感知されるところ、後述する所定量の鉄を含有させることによって当該塩味をより効果的に改善することができ、本発明の効果がよりわかりやすく感知されると考えられる。また、飲料中のナトリウムが40mg/100ml以上である場合、飲料中に多く含まれるナトリウムが、味覚神経を有する舌に鉄イオンを接触させやすくして、ナトリウム由来の塩味を感じにくくする役割を果たすことも考えられる。
。そのメカニズムは明らかではなく、特定の理論に拘束されるものではないが、飲料中のナトリウムが40mg/100ml以上である場合、ナトリウムが味覚神経を刺激する程度が一段と強くなり、ナトリウムに起因する塩味が強く感知されるところ、後述する所定量の鉄を含有させることによって当該塩味をより効果的に改善することができ、本発明の効果がよりわかりやすく感知されると考えられる。また、飲料中のナトリウムが40mg/100ml以上である場合、飲料中に多く含まれるナトリウムが、味覚神経を有する舌に鉄イオンを接触させやすくして、ナトリウム由来の塩味を感じにくくする役割を果たすことも考えられる。
本発明において、飲料中のナトリウムの含有量は、ナトリウムが塩の形態にある場合は、これを遊離体(フリー体)の量に換算した上で算出することができる。また、飲料中のナトリウムの含有量は、ICP発光分光分析装置を用いて公知の方法により測定することができる。
(鉄)
本発明の飲料は、0.2〜2mg/100mlの鉄を含有する。上記の通り、ナトリウムを含む飲料中に、0.2〜2mg/100mlの鉄を含有させることにより、ナトリウム由来の塩味を改善することができる。上述した通り、ナトリウムに由来する塩味とは、飲用後に舌に残る、ぬるぬるした触感を伴う塩味を言う。かかる効果のメカニズムは明らかではなく、特定の理論に拘束されるものではないが、舌に鉄イオンが接触することにより、ナトリウム由来のぬるぬるした触感を感じにくくしていることが考えられる。
本発明の飲料は、0.2〜2mg/100mlの鉄を含有する。上記の通り、ナトリウムを含む飲料中に、0.2〜2mg/100mlの鉄を含有させることにより、ナトリウム由来の塩味を改善することができる。上述した通り、ナトリウムに由来する塩味とは、飲用後に舌に残る、ぬるぬるした触感を伴う塩味を言う。かかる効果のメカニズムは明らかではなく、特定の理論に拘束されるものではないが、舌に鉄イオンが接触することにより、ナトリウム由来のぬるぬるした触感を感じにくくしていることが考えられる。
本発明において、鉄は、鉄を含有する食品の形態、食品添加物として許容される鉄化合物の形態、または鉄化合物を含む組成物の形態で飲料に添加することができる。本発明では、飲料中の鉄の濃度を容易に調整できることから、食品添加物として許容される鉄化合物の形態、または鉄化合物を含む組成物の形態で飲料に添加することが好ましい。食品添加物として許容される鉄化合物としては、例えば、塩化第二鉄、クエン酸鉄アンモニアニウム、ピロリン酸第二鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、グルコン酸第一鉄などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明において鉄は、これらの鉄化合物に由来することができる。本発明では、ナトリウム由来の塩味の改善効果が優れている点から、3価鉄が特に好ましい。3価鉄の鉄化合物としては、特に限定されないが、例えば、塩化第二鉄、クエン酸鉄アンモニウム、ピロリン酸第二鉄などが挙げられる。本発明では、3価鉄の鉄化合物として、特にピロリン酸第二鉄が好ましい。すなわち、本発明の飲料は、好ましくはピロリン酸第二鉄を含有する。本発明において3価鉄は、好ましくはピロリン酸第二鉄由来である。一方、本発明において、含糖錯体鉄のような高分子錯体鉄は、鉄イオンが飲料中で遊離化されにくいいため、鉄化合物としては好ましくない。なお、含糖錯体鉄とは、鉄の錯体であって、その化合物において糖を含有する鉄錯体である。
本発明においては、飲料100mlあたり鉄を0.2〜2mg含有するが、鉄の含有量は、好ましくは0.4〜1mg/100ml、より好ましくは0.5〜0.8mg/100ml、さらに好ましくは0.5〜0.6mg/100mlである。飲料中の鉄の含有量が0.2mg/100mlより少ない場合は本発明の効果が十分に得られないことがあり、一方、2mg/100mlより多い場合は鉄の味が強くなりすぎて、飲料の嗜好性が低下する傾向にある。
本発明において、飲料中の鉄の含有量は、鉄が鉄化合物の形態で添加されている場合は、これを遊離体(フリー体)の量に換算した上で算出することができる。また、飲料中の鉄の含有量は、ICP発光分光分析装置を用いて、公知の方法により測定することができる。なお、必要に応じて、灰化などの前処理を行うことで測定精度を上げることができる。また、飲料中の2価鉄または3価鉄の含有量は、波長分散型蛍光X線を用いて測定する
ことができる。
ことができる。
(鉄イオン含有量/ナトリウムイオン含有量)
本発明の飲料においては、ナトリウムの含有量(mg/100ml)に対する鉄の含有量(mg/100ml)の比(鉄含有量/ナトリウム含有量)は、特に限定されないが、例えば0.004以上であり、好ましくは0.006以上、より好ましくは0.012以上である。また、ナトリウムの含有量(mg/100ml)に対する鉄の含有量(mg/100ml)の比(鉄含有量/ナトリウム含有量)は、特に限定されないが、例えば0.057以下である。
本発明の飲料においては、ナトリウムの含有量(mg/100ml)に対する鉄の含有量(mg/100ml)の比(鉄含有量/ナトリウム含有量)は、特に限定されないが、例えば0.004以上であり、好ましくは0.006以上、より好ましくは0.012以上である。また、ナトリウムの含有量(mg/100ml)に対する鉄の含有量(mg/100ml)の比(鉄含有量/ナトリウム含有量)は、特に限定されないが、例えば0.057以下である。
(その他の成分)
本発明の飲料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の飲料と同様に、甘味料、酸味料、ナトリウム及び鉄以外のミネラル、果汁、香料、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤等を配合することができる。また、特に限定されるわけではないが、牛乳や脱脂粉乳に含まれる乳タンパク質は本発明の効果を阻害する可能性があるため、本発明の飲料は牛乳や脱脂粉乳を含有しないことが好ましい。
本発明の飲料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の飲料と同様に、甘味料、酸味料、ナトリウム及び鉄以外のミネラル、果汁、香料、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤等を配合することができる。また、特に限定されるわけではないが、牛乳や脱脂粉乳に含まれる乳タンパク質は本発明の効果を阻害する可能性があるため、本発明の飲料は牛乳や脱脂粉乳を含有しないことが好ましい。
(pH)
本発明の飲料のpHは、特に限定されないが、例えばpH2〜8であり、好ましくは2〜7、より好ましくは2.5〜6、さらに好ましくは3〜5である。本発明の飲料のpHが3〜5である場合、上記の量で鉄を配合することによって、ナトリウム由来の塩味の改善効果に加え、酸味の刺激の抑制効果もみられる。酸性飲料を提供できる観点から、本発明において飲料のpHが6以下であることは好ましい態様の一つであり、より好ましくは、本発明の飲料のpHは4以下である。鉄配合による酸味の刺激抑制効果のメカニズムは明らかではなく、特定の理論に拘束されるものではないが、鉄イオンが有機酸などの酸味成分と結合することで、飲料における酸味がマイルドに感じられるようになると考えられる。
本発明の飲料のpHは、特に限定されないが、例えばpH2〜8であり、好ましくは2〜7、より好ましくは2.5〜6、さらに好ましくは3〜5である。本発明の飲料のpHが3〜5である場合、上記の量で鉄を配合することによって、ナトリウム由来の塩味の改善効果に加え、酸味の刺激の抑制効果もみられる。酸性飲料を提供できる観点から、本発明において飲料のpHが6以下であることは好ましい態様の一つであり、より好ましくは、本発明の飲料のpHは4以下である。鉄配合による酸味の刺激抑制効果のメカニズムは明らかではなく、特定の理論に拘束されるものではないが、鉄イオンが有機酸などの酸味成分と結合することで、飲料における酸味がマイルドに感じられるようになると考えられる。
本発明の飲料のpH調整には、特に限定されないが、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、リン酸などの有機酸、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムなどのナトリウム塩、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどのカリウム塩等を用いることができる。pH調整においてナトリウム塩を用いる場合には、飲料中のナトリウムの濃度が上記の範囲となるよう、pH調整剤として使用されるナトリウム塩の量が調整される。
(Brix)
本発明の飲料のBrixは、特に限定されないが、例えば15%以下、好ましくは9%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である。飲料のBrixが15%を超える場合、本発明の効果が十分に発揮されにくくなることがある。飲料のBrixは、甘味料等を飲料に配合することにより調整することができる。飲料のBrixは、市販の糖度計や屈折計などを用いて測定することができる。なお、本明細書においてBrixは、20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値を意味する。Brixの単位は「°Bx」、「%」または「度」で表示される。
本発明の飲料のBrixは、特に限定されないが、例えば15%以下、好ましくは9%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である。飲料のBrixが15%を超える場合、本発明の効果が十分に発揮されにくくなることがある。飲料のBrixは、甘味料等を飲料に配合することにより調整することができる。飲料のBrixは、市販の糖度計や屈折計などを用いて測定することができる。なお、本明細書においてBrixは、20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値を意味する。Brixの単位は「°Bx」、「%」または「度」で表示される。
(タンパク質)
本発明の飲料におけるタンパク質濃度は、特に限定されないが、例えば4%未満であり、好ましくは2%未満である。飲料のタンパク質濃度が4%以上となる場合、本発明の効果が十分に発揮されにくくなることがある。特にタンパク質が乳タンパク質である場合、乳成分が舌にまとわりついて鉄の作用効果を阻害することがあり、結果として本発明の効
果が十分に得られないことがある。そのため、本発明の飲料において乳タンパク質の濃度は、特に限定されないが、例えば4%未満であり、好ましくは2%未満である。
本発明の飲料におけるタンパク質濃度は、特に限定されないが、例えば4%未満であり、好ましくは2%未満である。飲料のタンパク質濃度が4%以上となる場合、本発明の効果が十分に発揮されにくくなることがある。特にタンパク質が乳タンパク質である場合、乳成分が舌にまとわりついて鉄の作用効果を阻害することがあり、結果として本発明の効
果が十分に得られないことがある。そのため、本発明の飲料において乳タンパク質の濃度は、特に限定されないが、例えば4%未満であり、好ましくは2%未満である。
(飲料の種類)
本発明の飲料の種類は特に限定されず、アルコール飲料であってもよく、或いはソフトドリンクなどの非アルコール飲料であってもよい。本発明の飲料は、好ましくは熱中症対策飲料であることから、非アルコール飲料であることが好ましい。ここで、本発明においてアルコール飲料とは、アルコール度数が1v/v%以上である飲料を意味し、一方、非アルコール飲料とはアルコール度数が1v/v%未満の飲料を意味する。非アルコール飲料としては、例えば、機能性飲料、栄養飲料、フレーバードウォーター(ニアウォーター)系飲料、スポーツ飲料、茶系飲料(穀物茶、緑茶、烏龍茶、紅茶、ブレンド茶等)、コーヒー飲料、炭酸飲料などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明の飲料は、好ましくは熱中症対策に適した飲料であることから、栄養飲料、機能性飲料、又はフレーバードウォーター(ニアウォーター)系飲料、スポーツ飲料、茶系飲料であることが好ましい。本明細書において熱中症対策飲料とは、熱中症対策に適している飲料を意味する。ここで、熱中症対策とは、熱中症の発症予防、或いは熱中症の症状軽減を意味する。熱中症対策飲料であることは、商品名や容器又は包装への表示、あるいは商品に関するポスターやテレビCM、店頭POP、説明会などでの説明などにより判断することができる。
本発明の飲料の種類は特に限定されず、アルコール飲料であってもよく、或いはソフトドリンクなどの非アルコール飲料であってもよい。本発明の飲料は、好ましくは熱中症対策飲料であることから、非アルコール飲料であることが好ましい。ここで、本発明においてアルコール飲料とは、アルコール度数が1v/v%以上である飲料を意味し、一方、非アルコール飲料とはアルコール度数が1v/v%未満の飲料を意味する。非アルコール飲料としては、例えば、機能性飲料、栄養飲料、フレーバードウォーター(ニアウォーター)系飲料、スポーツ飲料、茶系飲料(穀物茶、緑茶、烏龍茶、紅茶、ブレンド茶等)、コーヒー飲料、炭酸飲料などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明の飲料は、好ましくは熱中症対策に適した飲料であることから、栄養飲料、機能性飲料、又はフレーバードウォーター(ニアウォーター)系飲料、スポーツ飲料、茶系飲料であることが好ましい。本明細書において熱中症対策飲料とは、熱中症対策に適している飲料を意味する。ここで、熱中症対策とは、熱中症の発症予防、或いは熱中症の症状軽減を意味する。熱中症対策飲料であることは、商品名や容器又は包装への表示、あるいは商品に関するポスターやテレビCM、店頭POP、説明会などでの説明などにより判断することができる。
(容器詰め飲料)
本発明の飲料は、運搬容易性や長期保存性の点から、加熱殺菌され、容器に詰められた状態の容器詰飲料であることが好ましい。容器としては特に限定されず、例えば、PETボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶などを挙げることができる。中でも、軽量でかつ再栓が可能である容器、例えば、PETボトルのような容器が好ましい。加熱殺菌を行う場合、その方法は特に限定されず、例えばUHT殺菌及びレトルト殺菌等の通常の手法を用いて行うことができる。加熱殺菌処理の温度は特に限定されないが、例えば65〜140℃、好ましくは85〜120℃である。加熱殺菌処理の時間は特に限定されないが、例えば10〜40分である。ただし、上記の条件と同等の殺菌価が得られれば適当な温度で数秒、例えば5〜30秒での加熱殺菌処理でもよい。
本発明の飲料は、運搬容易性や長期保存性の点から、加熱殺菌され、容器に詰められた状態の容器詰飲料であることが好ましい。容器としては特に限定されず、例えば、PETボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶などを挙げることができる。中でも、軽量でかつ再栓が可能である容器、例えば、PETボトルのような容器が好ましい。加熱殺菌を行う場合、その方法は特に限定されず、例えばUHT殺菌及びレトルト殺菌等の通常の手法を用いて行うことができる。加熱殺菌処理の温度は特に限定されないが、例えば65〜140℃、好ましくは85〜120℃である。加熱殺菌処理の時間は特に限定されないが、例えば10〜40分である。ただし、上記の条件と同等の殺菌価が得られれば適当な温度で数秒、例えば5〜30秒での加熱殺菌処理でもよい。
(製造方法)
本発明の飲料は、上述した成分を適宜配合することにより製造することができる。本発明の飲料の製造において、各種成分の配合順序は特に限定されるものではない。また、本発明の飲料の製造においては、上記に示した成分及び材料を配合する工程やそれらの含有量を調整する工程も含むことができる。本発明の飲料の製造における飲料中の成分の種類やその含有量等の各種要素については、本発明の飲料に関して上記した通りであるか、それらから自明である。
本発明の飲料は、上述した成分を適宜配合することにより製造することができる。本発明の飲料の製造において、各種成分の配合順序は特に限定されるものではない。また、本発明の飲料の製造においては、上記に示した成分及び材料を配合する工程やそれらの含有量を調整する工程も含むことができる。本発明の飲料の製造における飲料中の成分の種類やその含有量等の各種要素については、本発明の飲料に関して上記した通りであるか、それらから自明である。
また、本発明の飲料の製造においては、飲料を加熱殺菌する工程が含まれ、また、必要に応じて飲料の容器詰めを行う工程も含むことができ、これらの工程を経て、容器詰め飲料とすることができる。本発明の飲料の加熱殺菌及び容器詰めに関する方法や条件についても、本発明の飲料に関して上記した通りであるか、それらから自明である。
以下、実験例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書においては、特に記載しない限り、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
<実験例1>
塩化ナトリウム及びピロリン酸第二鉄(サンアクティブFe-12A、太陽化学)を純水に添
加し、ナトリウム及び鉄の最終濃度が下表に示した濃度となるように各種飲料サンプルを調製した。飲料サンプルは、加熱殺菌処理を行い、その後に500mlペットボトル容器に充填し、容器詰め飲料とした。各飲料サンプルのpHは5.5〜7の範囲であり、Brixは1未満であった。
塩化ナトリウム及びピロリン酸第二鉄(サンアクティブFe-12A、太陽化学)を純水に添
加し、ナトリウム及び鉄の最終濃度が下表に示した濃度となるように各種飲料サンプルを調製した。飲料サンプルは、加熱殺菌処理を行い、その後に500mlペットボトル容器に充填し、容器詰め飲料とした。各飲料サンプルのpHは5.5〜7の範囲であり、Brixは1未満であった。
得られた飲料サンプルについて、5名の専門パネルにて官能評価を行った。官能評価においては、鉄化合物を含有しない(すなわち、鉄含有量が0mg/100mlである)こと以外は全て同一の組成の飲料サンプル(試料1−1、試料1−3、試料1−10、試料1−12)をコントロールとして設定した。パネル全員がコントロールにおいてナトリウム由来の塩味を感じることを確認し、その評価点を1とした上で、下記の基準に従って官能評価を行った。官能評価の点数は、5名のパネルによる評価点の平均値とした。
4:ナトリウムに由来する塩味は感じない。
3:ナトリウムに由来する塩味はほとんど感じない。
2:ナトリウムに由来する塩味をやや感じる。
1:ナトリウムに由来する塩味を感じる。
4:ナトリウムに由来する塩味は感じない。
3:ナトリウムに由来する塩味はほとんど感じない。
2:ナトリウムに由来する塩味をやや感じる。
1:ナトリウムに由来する塩味を感じる。
結果は上記の通りであり、ナトリウムを35mg/100ml以上含有する飲料におい
て、鉄を0.2mg/100ml以上含有させることで、ナトリウム由来の塩味を軽減できることが示された。また、鉄イオンの含有量が1.2mg/100ml以下の飲料においては、鉄の苦味が飲料の嗜好性に影響を与えないことをパネル全員が確認した。
て、鉄を0.2mg/100ml以上含有させることで、ナトリウム由来の塩味を軽減できることが示された。また、鉄イオンの含有量が1.2mg/100ml以下の飲料においては、鉄の苦味が飲料の嗜好性に影響を与えないことをパネル全員が確認した。
<実験例2>
実験例1と同様に、塩化ナトリウム及びピロリン酸第二鉄を純水に添加し、ナトリウム及び鉄の最終濃度が下表に示した濃度となるように各種飲料サンプルを調製した。本実験例での飲料サンプルについては、クエン酸を添加して各飲料のpHが3.5となるように調整した。飲料サンプルは、加熱殺菌処理を行い、その後に500mlペットボトル容器に充填し、容器詰め飲料とした。各飲料サンプルのBrixは1未満であった。
実験例1と同様に、塩化ナトリウム及びピロリン酸第二鉄を純水に添加し、ナトリウム及び鉄の最終濃度が下表に示した濃度となるように各種飲料サンプルを調製した。本実験例での飲料サンプルについては、クエン酸を添加して各飲料のpHが3.5となるように調整した。飲料サンプルは、加熱殺菌処理を行い、その後に500mlペットボトル容器に充填し、容器詰め飲料とした。各飲料サンプルのBrixは1未満であった。
本実験例においては、飲料におけるナトリウム由来の塩味と酸味の刺激とについて、5名の専門パネルにて官能評価を行った。ナトリウム由来の塩味に関する官能評価は上記実験例1と同様にして行い、評価基準も実験例1と同じ基準とした。本実験例では、下記の試料2−1をコントロールとして設定し、パネル全員が当該コントロールにおいてナトリウム由来の塩味を感じることを確認し、その評価点を1とした上で官能評価を行った。官能評価の点数は、5名のパネルによる評価点の平均値とした。
酸味の刺激に関する官能評価も、5名の専門パネルにて実施した。下記の試料2−1をコントロールとして設定し、パネル全員が当該コントロールにおいて酸味の刺激を感じることを確認し、その評価点を1とした上で、下記の基準に従って官能評価を行った。官能評価の点数は、5名のパネルによる評価点の平均値とした。
4:酸味の刺激は感じない。
3:酸味の刺激はほとんど感じない。
2:酸味の刺激をやや感じる。
1:酸味の刺激を感じる。
4:酸味の刺激は感じない。
3:酸味の刺激はほとんど感じない。
2:酸味の刺激をやや感じる。
1:酸味の刺激を感じる。
結果は上記の通りであり、pH4以下の飲料においても、所定量の鉄を含有させることによって、ナトリウムに由来する塩味の改善効果が得られることが判明した。また、所定量の鉄を含有させることで、ナトリウム由来の塩味の改善効果に加えて、酸味の刺激抑制効果も得られることが判明した。
<実験例3>
ナトリウム化合物及び鉄化合物を純水に添加し、ナトリウム及び鉄の最終濃度が下表に示した濃度となるように各種飲料サンプルを調製した。ナトリウム化合物としては、塩化ナトリウム又はクエン酸三ナトリウムを使用した。また、鉄化合物としては、ピロリン酸
第二鉄(実験例1と同じ)、クエン酸鉄アンモニウム(昭和化工)、又はクエン酸第一鉄ナトリウム(三菱ケミカルフーズ)を用いた。なお、試料3−5では、クエン酸第一ナトリウム由来のナトリウム濃度を考慮して、塩化ナトリウムの添加量を調整した。飲料サンプルは全て、クエン酸を添加してpH3.2に調整した。飲料サンプルは、加熱殺菌処理を行い、その後に500mlペットボトル容器に充填し、容器詰め飲料とした。各飲料サンプルのBrixは1未満であった。
ナトリウム化合物及び鉄化合物を純水に添加し、ナトリウム及び鉄の最終濃度が下表に示した濃度となるように各種飲料サンプルを調製した。ナトリウム化合物としては、塩化ナトリウム又はクエン酸三ナトリウムを使用した。また、鉄化合物としては、ピロリン酸
第二鉄(実験例1と同じ)、クエン酸鉄アンモニウム(昭和化工)、又はクエン酸第一鉄ナトリウム(三菱ケミカルフーズ)を用いた。なお、試料3−5では、クエン酸第一ナトリウム由来のナトリウム濃度を考慮して、塩化ナトリウムの添加量を調整した。飲料サンプルは全て、クエン酸を添加してpH3.2に調整した。飲料サンプルは、加熱殺菌処理を行い、その後に500mlペットボトル容器に充填し、容器詰め飲料とした。各飲料サンプルのBrixは1未満であった。
5名の専門パネルにて、ナトリウム由来の塩味の官能評価を行った。官能評価の基準は、実験例1と同様にした(4段階)。鉄化合物を含有しない(すなわち、鉄含有量が0mg/100mlである)こと以外は全て同一の組成及びpHの飲料サンプル(試料3−1、試料3−3)をコントロールとして設定した。パネル全員がコントロールにおいてナトリウム由来の塩味を感じることを確認し、その評価点を1とした上で、官能評価を行った。官能評価の点数は、5名のパネルによる評価点の平均値とした。
上記の結果の通り、ナトリウム化合物の種類にかかわらず、所定量の鉄を配合することで、ナトリウムに由来する塩味の改善効果が得られることが判明した。また、鉄化合物についても、その種類にかかわらず、ナトリウムに由来する塩味の改善効果が得られたが、2価鉄を使用した場合よりも、3価鉄を用いた場合、特に、ピロリン酸第二鉄を用いた場合において、より高い効果が得られることが判明した。
<実験例4>
下表に示した配合に従って、スポーツ飲料の飲料サンプルを調製した。飲料サンプルはいずれも、加熱殺菌処理を行い、その後に500mlペットボトル容器に充填し、容器詰め飲料とした。
下表に示した配合に従って、スポーツ飲料の飲料サンプルを調製した。飲料サンプルはいずれも、加熱殺菌処理を行い、その後に500mlペットボトル容器に充填し、容器詰め飲料とした。
得られた飲料サンプルについて、ナトリウム由来の塩味及び酸味の刺激について官能評価を行った。ナトリウム由来の塩味の評価基準は実験例1と同様とし、酸味の刺激の評価基準は実験例2と同様とした。官能評価は5名の専門パネルにて行い、パネル全員が下記の試料4−1をコントロールとしてナトリウム由来の塩味及び酸味の刺激を感じることを確認し、その評価点を1とした上で、試料4−2の評点付けを行った。官能評価の点数は、5名のパネルによる評価点の平均値とした。
上記の結果の通り、甘味料を含むスポーツ飲料においても、飲料中に所定量の鉄を含有させることにより、ナトリウム由来の塩味の軽減効果、及び酸味の刺激の強さの軽減効果が得られることが判明した。
<実験例5>
実験例1と同様に、塩化ナトリウム及びピロリン酸第二鉄を純水に添加し、ナトリウム及び鉄の最終濃度が下表に示した濃度となるように各種飲料サンプルを調製した。飲料サンプルは、加熱殺菌処理を行い、その後に500mlペットボトル容器に充填し、容器詰め飲料とした。各飲料サンプルのpHは5.5〜7であり、Brixは1未満であった。
実験例1と同様に、塩化ナトリウム及びピロリン酸第二鉄を純水に添加し、ナトリウム及び鉄の最終濃度が下表に示した濃度となるように各種飲料サンプルを調製した。飲料サンプルは、加熱殺菌処理を行い、その後に500mlペットボトル容器に充填し、容器詰め飲料とした。各飲料サンプルのpHは5.5〜7であり、Brixは1未満であった。
得られた飲料サンプルについて、実験例1と同様にして、ナトリウム由来の塩味に関する官能評価を行った。官能評価においては、鉄化合物を含有しない(すなわち、鉄含有量が0mg/100mlである)こと以外は全て同一の組成の飲料サンプル(試料5−1、試料5−4)をコントロールとして設定した。パネル全員がコントロールにおいてナトリウム由来の塩味を感じることを確認し、その評価点を1とした上で、官能評価を行った。官能評価の点数は、5名のパネルによる評価点の平均値とした。
結果は上記の通りであり、ナトリウムの含有量が38mg/100ml及び40mg/100mlのいずれにおいても、所定量の鉄を含有させることで、ナトリウム由来の塩味を軽減できることが示された。また、ナトリウム含有量が40mg/100mlである飲料サンプルの方が、ナトリウム含有量が38mg/100mlであるものよりも、ナトリウム由来の塩味の改善効果がより顕著に見られることが判明した。
Claims (5)
- ナトリウム及び鉄を含む飲料であって、
(a)ナトリウムの含有量が35〜120mg/100mlであり、
(b)鉄の含有量が0.2〜2mg/100mlである、
上記飲料。 - 鉄が3価鉄である、請求項1に記載の飲料。
- ピロリン酸第二鉄を含有する、請求項2に記載の飲料。
- 塩化ナトリウムを含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の飲料。
- 熱中症対策飲料である、請求項1〜4のいずれか1項記載の飲料。
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