JP2021101121A - 弁装置、冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数の増加を抑えつつ、複数の弁を制御可能な弁装置および冷凍サイクル装置を提供する。【解決手段】弁装置13は、第1圧力室PC1に導入される制御流体の圧力に応じて第1内部流路162の絞り開度が変化する第1弁160と、第2圧力室PC2に導入される制御流体の圧力に応じて第2内部流路182の絞り開度が変化する第2弁180と、を備える。弁装置13は、第1弁160および第2弁180それぞれを駆動するアクチュエータ130を備える。アクチュエータ130は、制御流体の圧力を調整する圧力調整部131と、圧力調整部131にて圧力調整された制御流体を第1弁160の第1圧力室PC1および第2弁180の第2圧力室PC2に導入する圧力導入部132と、を含んでいる。【選択図】図1

Description

本開示は、弁装置および当該弁装置を備える冷凍サイクル装置に関する。
従来、膨張弁を備える空気冷却用の蒸発器と膨張弁を備える電池冷却器とが、室外熱交換器の下流側に並列に接続された冷凍サイクル装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。電池冷却器は、膨張弁の下流側に並列に接続される複数の蒸発器で構成されている。膨張弁と複数の蒸発器との間には、膨張弁を通過した気液二相の冷媒を分配するための分配器が設けられており、当該分配器によって複数の蒸発器に気液二相状態の冷媒が分配される。
特開2012−111486号公報
ところで、特許文献1の如く、膨張弁と複数の蒸発器との間に分配器が配置される構成では、複数の蒸発器を流れる冷媒の流量調整が困難となる。この対策として、例えば、複数の蒸発器それぞれの上流側にステッピングモータ等の電動モータによって弁を駆動する電気式膨張弁を配置し、当該電気式膨張弁によって複数の蒸発器に流す冷媒流量を調整することが考えられる。
しかしながら、この場合は、電動モータ等の大型なアクチュエータ数の増加が避けられず、弁装置全体としての体格が非常に大型になり、搭載性が悪化してしまう。このことは、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置に限らず、複数の弁を備える他の装置でも生じ得る。これらは本発明者らの検討の末に見出された。
本開示は、部品点数の増加を抑えつつ、複数の弁を制御可能な弁装置および冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
弁装置であって、
圧力室(PC1、PC2)に導入される制御流体の圧力に応じて、対象流体が流れる内部流路(162、182)の絞り開度が変化する複数の弁(160、180)と、
複数の弁それぞれを駆動するアクチュエータ(130)と、を備え、
アクチュエータは、
制御流体の圧力を調整する圧力調整部(131)と、
圧力調整部にて圧力調整された制御流体を複数の弁の圧力室に導入する圧力導入部(132)と、を含んでいる。
このように、圧力調整部で圧力調整された制御流体を複数の弁の圧力室に導入可能なアクチュエータを用いれば、単一のアクチュエータによって複数の弁の内部流路の絞り開度を変化させることができる。したがって、部品点数の増加を抑えつつ、複数の弁を制御可能な弁装置を実現することができる。
請求項7に記載の発明は、
蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置であって、
吸入した冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器(12)と、
凝縮器を通過した冷媒を減圧させる弁装置(13)と、
弁装置で減圧された冷媒を蒸発させる複数の蒸発器(15、17、19)と、を備え、
複数の蒸発器は、冷媒流れに対して並列となるように配置され、
弁装置は、
複数の蒸発器のうち少なくとも2つ以上の蒸発器の冷媒流れ上流に配置され、圧力室(PC1、PC2)に導入される制御流体の圧力に応じて、冷媒が流れる内部流路(162、182)の絞り開度が変化する複数の弁(160、180)と、
複数の前記弁それぞれを駆動するアクチュエータ(130)と、を有しており、
アクチュエータは、
制御流体の圧力を調整する圧力調整部(131)と、
圧力調整部にて圧力調整された制御流体を複数の弁の圧力室に導入する圧力導入部(132)と、を含んでいる。
このように、圧力調整部で圧力調整された制御流体を複数の弁の圧力室に導入可能なアクチュエータを用いれば、単一のアクチュエータによって複数の弁の内部流路の絞り開度を変化させることができる。したがって、部品点数の増加を抑えつつ、複数の弁の制御によって、並列に接続される2つ以上の蒸発器に対して所望の割合で冷媒を分配することが可能となる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の冷凍サイクル装置の概略構成図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の電子制御部を示すブロック図である。 第1実施形態の各弁の絞り開度が小さい状態を示す概略図である。 第1実施形態の各弁の絞り開度が大きい状態を示す概略図である。 制御圧力と各弁の絞り開度との関係を説明するための説明図である。 第1実施形態に係る弁装置の圧力調整部の概略図である。 圧力調整部に用いられるマイクロバルブの模式的な分解図である。 圧力調整部に用いられるマイクロバルブの模式的な側面図である。 図8のIX−IX断面を示すものであって、マイクロバルブへの非通電状態を示す断面図である。 図9のX−X断面を示す断面図である。 図8のIX−IX断面を示すものであって、マイクロバルブへの通電状態を示す断面図である。 図11のXII−XII断面を示す断面図である。 制御圧力の調整方法を説明するための説明図である。 第1実施形態の弁装置の変形例を示す概略構成図である。 第2実施形態の弁装置を示す概略図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図13を参照して説明する。本実施形態では、本開示の冷凍サイクル装置10を車両走行用の駆動力を電動モータから得る電気自動車に適用した例について説明する。
電気自動車には、走行用の電動モータへ供給される電力を蓄えるバッテリBTが搭載されている。バッテリBTは、充放電可能な二次電池として構成されている。具体的には、バッテリBTは、電気的に直列に接続される複数の電池モジュールM1、M2で構成されている。本実施形態のバッテリBTは、第1電池モジュールM1および第2電池モジュールM2によって構成されている。なお、各電池モジュールM1、M2は、複数のセルCを電気的に直列に接続した直列接続体で構成されている。
バッテリBTは、走行用の電動モータへの電力供給時に発熱する。バッテリBTの温度が過度に上昇すると、バッテリBTが劣化したり、出力が制限されたりする。このため、バッテリBTは、その温度が所定の基準温度(例えば、50℃)以下に維持されるように適宜冷却する必要がある。
このような背景を加味して、本実施形態では、車室内に供給する空気およびバッテリBTを冷凍サイクル装置10の冷却対象としている。すなわち、冷凍サイクル装置10は、車室内に供給する空気およびバッテリBTそれぞれを所望の温度に調整するように構成されている。
図1に示すように、冷凍サイクル装置10は、圧縮機11、凝縮器12、弁装置13、冷房用蒸発器15、第1電池用蒸発器17、第2電池用蒸発器19、および蒸発圧力調整弁20を備えている。これらの各構成機器同士は、冷媒配管によって接続されている。また、冷凍サイクル装置10は、各構成機器の動作を制御する制御装置100を備えている。
冷凍サイクル装置10は、冷媒として、HFC系冷媒(具体的には、R134a)が採用されている。冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。なお、冷媒としては、HFO系冷媒(例えば、R1234yf)や自然冷媒(例えば、R744)等が採用されていてもよい。
圧縮機11は、冷凍サイクル装置10において、冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものである。圧縮機11は、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を電動モータにて駆動する電動圧縮機で構成されている。圧縮機11は、車両のボンネットの内側に配置される。なお、圧縮機11を構成する電動モータは、後述の制御装置100から出力される制御信号によって、その作動(例えば、回転数)が制御される。
圧縮機11の冷媒吐出側には、凝縮器12の冷媒入口側が接続されている。凝縮器12は、圧縮機11から吐出された冷媒を放熱して凝縮させる熱交換器である。具体的には、凝縮器12は、冷媒が流通する冷媒流路部121とヒータ回路HCの熱媒体が流通する熱媒体流路部122を備え、冷媒とヒータ回路HCを流れる熱媒体とを熱交換させて、熱媒体を加熱する加熱用熱交換器を構成している。なお、ヒータ回路HCは、圧縮機11から吐出された冷媒を車室内へ送風する送風空気の加熱、バッテリBTの暖機等を行うための熱源として利用するための回路である。図示しないが、ヒータ回路HCには、熱媒体を車室内への送風空気に放熱させるためのヒータコア、熱媒体をバッテリBTに放熱させるための放熱器等が設けられている。
凝縮器12の冷媒出口側には、凝縮器12を通過した冷媒を減圧させる減圧装置としての弁装置13が接続されている。具体的には、凝縮器12の冷媒出口側には、弁装置13の一部を構成する冷房用減圧部14が接続されている。冷房用減圧部14は、車室内の空調時に、凝縮器12を通過した冷媒を減圧する減圧部である。冷房用減圧部14は、ステッピングモータ等の電動モータによって弁体を駆動する電気式膨張弁によって構成されている。なお、冷房用減圧部14は、電気式膨張弁に限らず、機械式膨張弁や固定絞りによって構成されていてもよい。
冷房用減圧部14の冷媒出口側には、冷房用蒸発器15の冷媒入口側が接続されている。冷房用蒸発器15は、冷房用減圧部14で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器である。冷房用蒸発器15は、図示しない空調ケースの内側に配置され、冷媒と室内ファン151から送風される空気とを熱交換させて冷媒を蒸発させる。換言すると、冷房用蒸発器15は、室内ファン151からの送風空気を冷媒と熱交換させて冷却する空気冷却器である。なお、室内ファン151は、冷房用蒸発器15で冷却された空気を車室内へ送風する送風機である。
ここで、冷凍サイクル装置10には、凝縮器12の冷媒出口側において、冷房用減圧部14と並列となるように第1電池用減圧部16および第2電池用減圧部18が接続されている。具体的には、冷凍サイクル装置10は、凝縮器12と冷房用減圧部14との間に第1分岐部21が設けられている。第1分岐部21は、凝縮器12から冷房用減圧部14に向かって流れる冷媒の一部を第1電池用減圧部16および第2電池用減圧部18に向けて流すためのものである。
さらに、第1分岐部21の冷媒流れ下流側には、第1分岐部21で分岐した冷媒を第1電池用減圧部16および第2電池用減圧部18に分配するための第2分岐部22が設けられている。第2分岐部22には、一方の冷媒出口側に第1電池用減圧部16が接続され、他方の冷媒出口側に第2電池用減圧部18が接続されている。
第1電池用減圧部16は、バッテリBTの冷却時に、各分岐部21、22を介して流入する冷媒を減圧する減圧部である。第1電池用減圧部16は、第1圧力室PC1に導入される制御流体の圧力に応じて冷媒が流れる第1内部流路162の絞り開度が変化する第1弁160を有している。なお、第1電池用減圧部16の詳細は後述する。
第1電池用減圧部16の冷媒出口側には、第1電池用蒸発器17の冷媒入口側が接続されている。第1電池用蒸発器17は、第1電池用減圧部16で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器である。第1電池用蒸発器17は、バッテリBTの第1電池モジュールM1から吸熱して冷媒を蒸発させる吸熱器である。換言すると、第1電池用蒸発器17は、第1電池モジュールM1を冷媒と熱交換させて冷却する電池冷却器である。
また、第2電池用減圧部18は、バッテリBTの冷却時に、各分岐部21、22を介して流入する冷媒を減圧する減圧部である。第2電池用減圧部18は、第2圧力室PC2に導入される制御流体の圧力に応じて冷媒が流れる第2内部流路182の絞り開度が変化する第2弁180を有している。
ここで、第1電池用減圧部16、および第2電池用減圧部18は、冷房用減圧部14とともに、凝縮器12を通過した冷媒を減圧させる弁装置13を構成している。弁装置13を構成する減圧部のうち、第1電池用減圧部16および第2電池用減圧部18は、冷房用減圧部14とは異なり、共通のアクチュエータ130によって第1弁160および第2弁180が駆動される。アクチュエータ130は、制御流体の圧力を調整する圧力調整部131と、圧力調整部131で圧力調整された制御圧力を第1弁160の第1圧力室PC1および第2弁の第2圧力室PC2に導入する圧力導入部132とを備えている。第1電池用減圧部16および第2電池用減圧部18の詳細は後述する。
第2電池用減圧部18の冷媒出口側には、第2電池用蒸発器19の冷媒入口側が接続されている。第2電池用蒸発器19は、第2電池用減圧部18で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器である。第2電池用蒸発器19は、バッテリBTの第2電池モジュールM2から吸熱して冷媒を蒸発させる吸熱器である。換言すると、第2電池用蒸発器19は、第2電池モジュールM2を冷媒と熱交換させて冷却する電池冷却器である。
第1電池用蒸発器17および第2電池用蒸発器19それぞれの冷媒流れ下流側には、第1電池用蒸発器17を通過した冷媒と第2電池用蒸発器19を通過した冷媒とを合流させる第1合流部23が設けられている。また、第1合流部23の冷媒流れ下流側には、第1合流部23で合流した冷媒と冷房用蒸発器15を通過した冷媒とを合流させる第2合流部24が設けられている。なお、第2合流部24の冷媒流れ下流側は、圧縮機11の冷媒吸入側に接続される。
ここで、第1合流部23と第2合流部24との間には、蒸発圧力調整弁20が配置されている。蒸発圧力調整弁20は、第1電池用蒸発器17および第2電池用蒸発器19を通過する冷媒の圧力を所定の設定圧力値以上に維持するものである。蒸発圧力調整弁20は、例えば、ベローズ式の弁で構成される。
冷凍サイクル装置10は、蒸発圧力調整弁20を備えることで、例えば、バッテリBTの冷却と車室内の冷房を同時に行う際、各電池用蒸発器17、19を通過する冷媒の圧力を維持しつつ、冷房用蒸発器15を通過する冷媒の圧力を低下させることができる。
次に、冷凍サイクル装置10の電子制御部を構成する制御装置100について図2を参照して説明する。図2に示すように、制御装置100は、プロセッサ、ROMおよびRAM等のメモリを含むマイクロコンピュータとその周辺回路で構成されている。なお、制御装置100のメモリは、非遷移的実体的記憶媒体で構成される。
制御装置100の入力側には、空調用センサ101およびバッテリ用センサ102が接続されている。空調用センサ101は、冷房処理の制御に用いられる複数種類のセンサによって構成されている。空調用センサ101は、例えば、サイクルの低圧側における冷媒温度を検出する温度センサ(蒸発器温度センサ等)、サイクルの高圧側の冷媒圧力を検出する高圧センサ、高圧冷媒の温度を検出する温度センサを含んでいる。バッテリ用センサ102は、バッテリBTの冷却処理の制御に用いられる複数種類のセンサによって構成されている。バッテリ用センサ102は、例えば、各電池モジュールM1、M2の電池温度を検出する温度センサを含んでいる。
制御装置100は、空調用センサ101およびバッテリ用センサ102から取得した各種情報、およびメモリに記憶された制御プログラムに基づいて各種演算処理を行い、出力側に接続された各構成機器の作動を制御する。
具体的には、制御装置100の出力側には、圧縮機11、冷房用減圧部14、室内ファン151、第1電池用減圧部16および第2電池用減圧部18のアクチュエータ130が接続されている。制御装置100は、圧縮機11による冷媒吐出性能(例えば、冷媒圧力)、各減圧部14、16、18の絞り開度、室内ファン151の送風性能を状況に応じて調整することができる。すなわち、冷凍サイクル装置10は、制御装置100が、圧縮機11、各減圧部14、16、18、室内ファン151それぞれの動作を制御することで、車室内に供給する空気およびバッテリBTそれぞれを所望の温度に調整することができる。
特に、冷凍サイクル装置10は、第1電池用蒸発器17および第2電池用蒸発器19の冷媒流れ下流側に蒸発圧力調整弁20が設けられている。これによると、例えば、バッテリBTの冷却と車室内の冷房を同時に行う際に、各電池用蒸発器17、19を通過する冷媒の圧力を維持しつつ、冷房用蒸発器15を通過する冷媒の圧力を低下させることができる。
また、冷凍サイクル装置10は、冷房用蒸発器15、第1電池用蒸発器17、第2電池用蒸発器19それぞれに対応して、冷房用減圧部14、第1電池用減圧部16、第2電池用減圧部18が設けられている。これによれば、従来技術のように減圧部を通過した後の気相と液相冷媒を含む気液二相状態の冷媒を複数の蒸発器に対して分配する構成に比べて、各蒸発器15、17、19に対して気液二相状態の冷媒を適切に分配することができる。この結果、バッテリBTにおける温度分布に起因する電池性能の低下を抑制することができる。また、上記の構成になっていることで、冷媒に含まれる冷凍機油についても、各蒸発器15、17、19に対して分配されるので、一部の蒸発器に冷凍機油が偏って圧縮機11の潤滑不良が生じることを抑制できる。
ここで、第1電池用減圧部16および第2電池用減圧部18は、ソレノイドアクチュエータで弁体を駆動する電磁弁、ステッピングモータ等の電動モータで弁体を駆動する電動弁を含む構成とすることが考えられる。
しかしながら、この場合、第1電池用減圧部16および第2電池用減圧部18それぞれで大型なアクチュエータを用いる必要があり、弁装置13および冷凍サイクル装置10が大型になってしまう。特に、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、各蒸発器15、17、19それぞれに対応して、各減圧部14、16、18が設けられているので、冷凍サイクル装置10の大型化が顕著となる。
これらを加味して、本開示の冷凍サイクル装置10は、第1電池用減圧部16および第2電池用減圧部18でアクチュエータ130が共用されている。第1電池用減圧部16および第2電池用減圧部18の詳細は図3、図4を参照しつつ説明する。
まず、第1電池用減圧部16に説明すると、図3および図4に示すように、第1電池用減圧部16は、第1弁160を備える。第1弁160は、第1ボデー部161の内側に形成された第1内部流路162の絞り開度を変化させて、第1電池用蒸発器17の入口側に流出させる冷媒流量を調整するものである。
第1弁160は、第1ボデー部161および第1弁機構部163を備える。第1ボデー部161は、第1弁160の外殻を形成するものである。第1ボデー部161は、例えば、アルミニウム合金製の金属ブロックに穴開け加工等が施されたものである。第1ボデー部161には、凝縮器12を通過後の冷媒が流れる第1内部流路162、第1弁室164、第1圧力室PC1等が形成されている。
第1内部流路162は、凝縮器12を通過した冷媒を減圧させるための冷媒流路である。第1内部流路162は、第1ボデー部161の側面に開口する第1入口部161a、第1出口部161bに連なっている。第1入口部161aは、凝縮器12の冷媒出口側に接続されている。また、第1出口部161bは、第1電池用蒸発器17に冷媒入口側に接続されている。
第1内部流路162の途中には、第1弁室164が形成されている。第1弁室164は、第1弁機構部163の一部が収容されている。第1弁室164は、第1ボデー部161の軸心CL1の軸方向DRa1に延びている。
第1弁室164は、第1入口部161aおよび第1出口部161bそれぞれに連通している。第1弁室164には、冷媒が流れる流路が細く絞られた第1絞り部164aが設けられている。第1絞り部164aは、第1入口部161aから第1弁室164に流入した冷媒を減圧膨張させながら第1出口部161bに導く流路である。第1絞り部164aの冷媒入口側には、第1弁体163aが接離する第1弁座164bが形成されている。
ここで、本実施形態では、第1内部流路162における第1絞り部164aを通過する前の冷媒が流れる流路が入口流路162aを構成し、第1内部流路162における第1絞り部164aから流出した冷媒が流れる流路が出口流路162bを構成している。入口流路162aは、凝縮器12を通過した液相状態の冷媒が対象流体として流れる流路である。出口流路162bは、第1電池用蒸発器17に流入する前の気液二相状態の冷媒が対象流体として流れる流路である。
第1弁機構部163は、第1弁体163a、第1支持部163b、一対の第1バネ163c、163d、第1調整ネジ163e、第1作動棒163fを有している。
第1弁体163aは、軸方向DRa1に変位することで第1絞り部164aの通路面積を調整するものである。第1弁体163aは、球状の弁体で構成されている。本実施形態の第1弁160は、第1弁体163aが第1弁座164bに対して交差する方向(例えば、直交方向)に変位して第1内部流路162の絞り開度が変化するポペット式の弁構造になっている。
第1弁体163aは、第1支持部163bおよび一方の第1バネ163cとともに第1弁室164に配置されている。第1支持部163bは、第1弁体163aの軸方向DRa1の他方側に固定されている。一方の第1バネ163cは、第1支持部163bを介して第1弁体163aを閉弁方向に付勢する付勢部材である。
第1バネ163cが第1弁体163aに対して付勢する荷重は、第1ボデー部161に設けられた第1調整ネジ163eによって調整可能になっている。第1調整ネジ163eは、第1ボデー部161のうち、第1バネ163cと対向する部位に開口するネジ穴に螺号されている。第1調整ネジ163eを回転させ、第1バネ163cの取付長さを変更することで、第1バネ163cが第1弁体163aに対して付勢する荷重を調整することができる。
第1弁体163aの軸方向DRaの一方側には、第1作動棒163fが配置されている。第1作動棒163fは、略円柱形状の金属棒である。第1作動棒163fは、軸方向DRa1に沿って延びた姿勢で第1絞り部164aの内側に配置されている。
第1作動棒163fの軸方向DRaの一方側には、第1ストッパ163gが固定されている。第1ストッパ163gは、第1作動棒163fの軸方向DRaの変位を制限するものである。
第1作動棒163fの軸方向DRaの一方側の端部には、第1ボデー部161のうち第1絞り部164aよりも軸方向DRa1の一方側に形成された内部空間を第1圧力室PC1と第1低圧空間166に仕切る第1仕切部163hが設けられている。
第1圧力室PC1には、圧力調整部131によって圧力調整された冷媒が、第1弁体163aを開弁側または閉弁側に押圧する制御流体として導入される。第1仕切部163hは、第1圧力室PC1に導入される制御流体の圧力を受ける。
第1圧力室PC1には、他方の第1バネ163dが配置されている。他方の第1バネ163dは、第1仕切部163h、第1ストッパ163g、第1作動棒163fを介して第1弁体163aを開弁方向に付勢する付勢部材である。
第1ボデー部161には、第1圧力室PC1に隣接する部位に、後述するバルブモジュールY0の第1突出部Y21、第2突出部Y22、第3突出部Y23が嵌め合わされる第1凹部167、第2凹部168、第3凹部169が形成されている。
第1凹部167、第2凹部168、第3凹部169は、第1ボデー部161を軸方向DRa1の一方側から見たときに、第2凹部168、第1凹部167、第3凹部169の順に直線状に並ぶように配置されている。
第1凹部167の底部には、第1凹部167と第1圧力室PC1とを連通させる第1貫通孔167aが形成されている。第2凹部168の底部には、第2凹部168と第1内部流路162における入口流路162aとを連通させる第2貫通孔168aが形成されている。第3凹部169の底部には、第3凹部169と第1内部流路162における出口流路162bとを連通させる第3貫通孔169aが形成されている。
ここで、第1ボデー部161には、第1圧力室PC1と後述する均圧管133の内側とを連通させる第4貫通孔161cが形成されている。この第4貫通孔161cには、後述する均圧管133の一端側が接続されている。
このように構成される第1電池用減圧部16は、第1内部流路162の流路面積(すなわち、絞り開度)が第1弁体163aの位置によって変化する。そして、第1弁体163aの位置は、第1弁体163aに作用する力によって決定される。
具体的には、第1弁体163aの位置は、第1圧力室PC1内の制御流体の圧力(すなわち、制御圧力Pm)による荷重Fm、一対の第1バネ163c、163dからの荷重Fs1、Fs2、第1弁室164での冷媒圧力による荷重Fc等によって決定される。
第1電池用減圧部16は、制御圧力Pmが第1絞り部164aの下流側の冷媒圧力(すなわち、低圧圧力Pl)と同等の圧力となる場合、高圧圧力Phと制御圧力Pmとの圧力差が最大となる。この場合、第1弁体163aは、図3に示すように、絞り開度が最小となる位置に変位する。
この状態から制御圧力Pmが低圧圧力Plよりも高くなると、高圧圧力Phと制御圧力Pmとの圧力差が小さくなることで、第1弁体163aが絞り開度が大きくなる位置に変位する。そして、制御圧力Pmが高圧圧力Phと同等の圧力となると、図4に示すように、第1弁体163aが絞り開度が最大となる位置に変位する。
以上の如く、第1電池用減圧部16は、図5に示すように、制御圧力Pmが小さくなると第1内部流路162の絞り開度が小さくなり、制御圧力Pmが大きくなると絞り開度が大きくなる構成になっている。
ここで、本実施形態の第1電池用減圧部16は、制御圧力Pmが圧力調整部131によって調整される。圧力調整部131は、バルブモジュールY0によって構成されている。このバルブモジュールY0は、第1弁160に対して取り付けられている。すなわち、第1電池用減圧部16は、第1弁160および圧力調整部131を備えている。なお、圧力調整部131を構成するバルブモジュールY0の詳細は後述する。
続いて、第2電池用減圧部18に説明すると、図3および図4に示すように、第2電池用減圧部18は、第2弁180を備える。第2弁180は、第1弁160と同様に構成されているため、以下では、第2弁180における第1弁160と異なる箇所について主に説明する。なお、第2弁180において説明のない箇所については、第1弁160にて対応または類似する箇所の説明を援用して解釈することができる。
第2弁180は、第2ボデー部181の内側に形成された第2内部流路182の絞り開度を変化させて、第2電池用蒸発器19の入口側に流出させる冷媒流量を調整するものである。
第2弁180は、第2ボデー部181および第2弁機構部183を備える。第2ボデー部181は、第2内部流路182、第2弁室184、第2圧力室PC2等が形成されている。
第2内部流路182は、凝縮器12の冷媒出口側に接続される第2入口部181a、第2電池用蒸発器19に冷媒入口側に接続される第2出口部181bに連なっている。第2内部流路182の途中に第2弁室184が形成されている。第2弁室184は、第2弁機構部183の一部が収容されている。第2弁室184は、第2ボデー部181の軸心CL2の軸方向DRa2に延びている。
第2弁室184は、第2入口部181aおよび第2出口部181bそれぞれに連通している。第2弁室184には、第2絞り部184aが設けられている。第2絞り部184aの冷媒入口側には第2弁座184bが形成されている。
第2弁機構部183は、第2弁体183a、第2支持部183b、一対の第2バネ183c、183d、第2調整ネジ183e、第2作動棒183fを有している。本実施形態の第2弁180は、第2弁体183aが第2弁座184bに対して交差する方向(例えば、直交方向)に変位して第2内部流路182の絞り開度が変化するポペット式の弁構造になっている。
第2作動棒183fの軸方向DRa2の一方側には、第2ストッパ183gおよび第2仕切部183hが設けられている。第2ボデー部181のうち第2絞り部184aよりも軸方向DRa2の一方側に形成された内部空間は、第2仕切部183hによって、第2圧力室PC2と第2低圧空間186に仕切られている。
第2圧力室PC2は、圧力調整部131によって圧力調整された冷媒が、第2弁体183aを開弁側または閉弁側に押圧する制御流体として導入される。第2仕切部183hは、第2圧力室PC2に導入される制御流体の圧力を受ける。
第2ボデー部181には、第2圧力室PC2に隣接する部位に、第2圧力室PC2と後述する均圧管133の内側とを連通させる連通路187が形成されている。第2圧力室PC2には、後述の均圧管133および連通路187を介して第1弁160の第1圧力室PC1に導入される制御流体が導入される。
このように構成される第2電池用減圧部18は、第2内部流路182の流路面積(すなわち、絞り開度)が第2弁体183aの位置によって変化する。そして、第2弁体183aの位置は、第2弁体183aに作用する力によって決定される。
第2電池用減圧部18は、制御圧力Pmが第2絞り部184aの下流側の冷媒圧力(すなわち、低圧圧力Pl)と同等の圧力となる場合、高圧圧力Phと制御圧力Pmとの圧力差が最大となる。この場合、第2弁体183aは、図3に示すように、絞り開度が最小となる位置に変位する。
この状態から制御圧力Pmが低圧圧力Plよりも高くなると、高圧圧力Phと制御圧力Pmとの圧力差が小さくなることで、第2弁体183aが絞り開度が大きくなる位置に変位する。そして、制御圧力Pmが高圧圧力Phと同等の圧力となると、図4に示すように、第2弁体183aが絞り開度が最大となる位置に変位する。
本実施形態の第2電池用減圧部18の第2圧力室PC2には、圧力導入部132を介して第1圧力室PC1の制御圧力Pmが導入される。このため、第2電池用減圧部18は、第1電池用減圧部16と同様に、制御圧力Pmが小さくなると第2内部流路182の絞り開度が小さくなり、制御圧力Pmが大きくなると絞り開度が大きくなる構成になっている。
ここで、本実施形態の第1弁160には、圧力調整部131が取り付けられている。そして、圧力調整部131で圧力調整された制御流体は、第1貫通孔167aを介して第1圧力室PC1に導入される。このため、本実施形態では、第1貫通孔167aが圧力導入部132の一部を構成している。
また、圧力調整部131で圧力調整された制御流体は、均圧管133を介して第2圧力室PC2に導入される。このため、本実施形態では、均圧管133が圧力導入部132の一部を構成している。
次に、圧力調整部131を構成するバルブモジュールY0の詳細について説明する。
[バルブモジュールY0の構成]
図6に示すように、バルブモジュールY0は、マイクロバルブY1、バルブケーシングY2、封止部材Y3、3つのOリングY4、Y5a、Y5b、2本の電気配線Y6、Y7、変換プレートY8を有している。
マイクロバルブY1は、第1圧力室PC1および第2圧力室PC2に導入する制御流体(本例では冷媒)の圧力を調整するための流体室Y19を有する弁部品である。マイクロバルブY1は、板形状であり、その全体が半導体チップによって構成されている。
マイクロバルブY1の厚さ方向の長さは例えば2mmであり、厚さ方向に直交する長手方向の長さは例えば10mmであり、長手方向にも厚さ方向にも直交する短手方向の長さは例えば5mmであるが、これに限定されない。マイクロバルブY1への供給電力が変動することで、マイクロバルブY1の流路構成が変化する。マイクロバルブY1は、第1弁体163aおよび第2弁体183aを駆動するパイロット弁として機能する。
電気配線Y6、Y7は、マイクロバルブY1の2つの板面のうち、バルブケーシングY2とは反対側の面から伸びて、封止部材Y3、バルブケーシングY2内を通過して、バルブモジュールY0の外部にある電源に接続される。これにより、電気配線Y6、Y7を通して、電源からマイクロバルブY1に電力が供給される。
変換プレートY8は、マイクロバルブY1とバルブケーシングY2の間に配置される板形状の部材である。変換プレートY8は、ガラス基板である。変換プレートY8の2つの板面の一方側は、マイクロバルブY1に対して接着剤で固定され、他方側はバルブケーシングY2に対して接着剤で固定されている。変換プレートY8には、マイクロバルブY1の後述する3つの冷媒孔とバルブケーシングY2の3つの連通孔とを繋げるための流路Y81、Y82、Y83が形成されている。これら流路Y81、Y82、Y83は、一列に並ぶ上記3つの冷媒孔のピッチと一列に並ぶ上記3つの連通孔のピッチの違いを吸収するための部材である。流路Y81、Y82、Y83は、変換プレートY8の2つの板面の一方から他方に貫通している。
バルブケーシングY2は、マイクロバルブY1および変換プレートY8を収容する樹脂製のケーシングである。バルブケーシングY2は、ポリフェニレンサルファイドを主成分として樹脂成形によって形成されている。バルブケーシングY2は、線膨張係数が、マイクロバルブY1の線膨張係数と第1ボデー部161の線膨張係数の間の値となるように構成されている。なお、バルブケーシングY2は、マイクロバルブY1を第1ボデー部161に対して取り付けるための部品取付部を構成している。バルブケーシングY2は、一方側に底壁を有し、他方側が開放された箱体である。バルブケーシングY2の底壁は、マイクロバルブY1および変換プレートY8が第1ボデー部161に直に接しないように、第1ボデー部161とマイクロバルブY1の間に介在する。そして、この底壁の一方側の面が第1ボデー部161に接触して固定され、他方側の面が変換プレートY8に接触して固定される。
このようになっていることで、マイクロバルブY1と第1ボデー部161の線膨張係数の違いをバルブケーシングY2が吸収できる。これは、バルブケーシングY2の線膨張係数が、マイクロバルブY1の線膨張係数と第1ボデー部161の線膨張係数の間の値となっているからである。なお、変換プレートY8の線膨張係数は、マイクロバルブY1の線膨張係数とバルブケーシングY2の線膨張係数の間の値となっている。
また、バルブケーシングY2の底壁は、マイクロバルブY1に対向する板形状のベース部Y20と、マイクロバルブY1から離れる方向に当該ベース部Y20から突出する柱形状の第1突出部Y21、第2突出部Y22、第3突出部Y23を有する。
第1突出部Y21、第2突出部Y22、第3突出部Y23は、第1ボデー部161に形成された第1凹部167、第2凹部168、第3凹部169に嵌め込まれている。第1突出部Y21には、マイクロバルブY1側端からその反対側端まで貫通する第1連通孔YV1が形成されている。第2突出部Y22には、マイクロバルブY1側端からその反対側端まで貫通する第2連通孔YV2が形成されている。第3突出部Y23には、マイクロバルブY1側端からその反対側端まで貫通する第3連通孔YV3が形成されている。第1連通孔YV1、第2連通孔YV2、第3連通孔YV3は一列に並んでおり、第2連通孔YV2と第3連通孔YV3の間に第1連通孔YV1が位置する。
第1連通孔YV1のマイクロバルブY1側端は、変換プレートY8に形成された流路Y81のバルブケーシングY2側端に連通している。第2連通孔YV2のマイクロバルブY1側端は、変換プレートY8に形成された流路Y82のバルブケーシングY2側端に連通している。第3連通孔YV3のマイクロバルブY1側端は、変換プレートY8に形成された流路Y83のバルブケーシングY2側端に連通している。
封止部材Y3は、バルブケーシングY2の開放された上記他方側を封止するエポキシ樹脂製の部材である。封止部材Y3は、マイクロバルブY1の表裏の2つの板面のうち、変換プレートY8側とは反対側の板面の全体を覆う。また、封止部材Y3は、変換プレートY8の2つの板面のうち、バルブケーシングY2の底壁側とは反対側の板面の一部を覆う。また、封止部材Y3は、電気配線Y6、Y7を覆うことで、電気配線Y6、Y7の防水および絶縁を実現する。封止部材Y3は樹脂ポッティング成形等によって形成される。
OリングY4は、第1突出部Y21の外周に取り付けられ、第1ボデー部161と第1突出部Y21の間を封止することで、第1電池用減圧部16の外部かつ冷媒回路の外部への冷媒の漏出を抑制する。OリングY5aは、第2突出部Y22の外周に取り付けられ、第1ボデー部161と第2突出部Y22の間を封止することで、第1電池用減圧部16の外部かつ冷媒回路の外部への冷媒の漏出を抑制する。OリングY5bは、第3突出部Y23の外周に取り付けられ、第1ボデー部161と第3突出部Y23の間を封止することで、第1電池用減圧部16の外部かつ冷媒回路の外部への冷媒の漏出を抑制する。
[マイクロバルブY1の構成]
ここで、マイクロバルブY1の構成について更に説明する。マイクロバルブY1は、図7、図8に示すように、いずれも半導体である第1外層Y11、中間層Y12、第2外層Y13を備えたMEMSである。なお、「MEMS」は、Micro Electro Mechanical Systemsの略称である。
第1外層Y11、中間層Y12、第2外層Y13は、それぞれが同じ外形を有する長方形の板形状の部材であり、第1外層Y11、中間層Y12、第2外層Y13の順に積層されている。第1外層Y11、中間層Y12、第2外層Y13のうち、第2外層Y13が、バルブケーシングY2の底壁に最も近い側に配置される。後述する第1外層Y11、中間層Y12、第2外層Y13の構造は、化学的エッチング等の半導体製造プロセスによって形成される。
第1外層Y11は、半導体部材である。第1外層Y11には、図7に示すように、表裏に貫通する2つの貫通孔Y14、Y15が形成されている。この貫通孔Y14、Y15に、それぞれ、電気配線Y6、Y7のマイクロバルブY1側端が挿入される。
第2外層Y13は、半導体部材である。第2外層Y13には、図7、図9、図10に示すように、表裏に貫通する第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17、第3冷媒孔Y18が形成されている。第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17、第3冷媒孔Y18は、それぞれ、第1流体孔、第2流体孔、第3流体孔に対応する。
図10に示すように、第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17、第3冷媒孔Y18は、それぞれ、変換プレートY8の流路Y81、Y82、Y83に連通する。第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17、第3冷媒孔Y18は、一列に並んでいる。第2冷媒孔Y17と第3冷媒孔Y18の間に第1冷媒孔Y16が配置される。
中間層Y12は、導電性の半導体部材であり、第1外層Y11と第2外層Y13に挟まれている。中間層Y12は、図9に示すように、第1固定部Y121、第2固定部Y122、複数本の第1リブY123、複数本の第2リブY124、スパインY125、アームY126、梁Y127、可動部Y128を有している。
第1固定部Y121は、第1外層Y11、第2外層Y13に対して固定された部材である。第1固定部Y121は、第2固定部Y122、第1リブY123、第2リブY124、スパインY125、アームY126、梁Y127、可動部Y128を同じ1つの流体室Y19内に囲むように形成されている。流体室Y19は、第1固定部Y121、第1外層Y11、第2外層Y13によって囲まれた室である。流体室Y19は、第1圧力室PC1に導入する冷媒が流通する。第1固定部Y121、第1外層Y11、第2外層Y13は、全体として基部に対応する。なお、電気配線Y6、Y7は複数の第1リブY123および複数の第2リブY124の温度を変化させて変位させるための電気配線である。
第1固定部Y121の第1外層Y11および第2外層Y13に対する固定は、冷媒が流体室Y19から第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17、第3冷媒孔Y18以外を通ってマイクロバルブY1から漏出することを抑制するような形態で、行われている。
第2固定部Y122は、第1外層Y11、第2外層Y13に対して固定される。第2固定部Y122は、第1固定部Y121に取り囲まれると共に、第1固定部Y121から離れて配置される。
複数本の第1リブY123、複数本の第2リブY124、スパインY125、アームY126、梁Y127、可動部Y128は、第1外層Y11、第2外層Y13に対して固定されておらず、第1外層Y11、第2外層Y13に対して変位可能である。
スパインY125は、中間層Y12の矩形形状の短手方向に伸びる細長い棒形状を有している。スパインY125の長手方向の一端は、梁Y127に接続されている。
複数本の第1リブY123は、スパインY125の長手方向に直交する方向におけるスパインY125の一方側に配置される。そして、複数本の第1リブY123は、スパインY125の長手方向に並んでいる。各第1リブY123は、細長い棒形状を有しており、温度に応じて伸縮可能となっている。
各第1リブY123は、その長手方向の一端で第1固定部Y121に接続され、他端でスパインY125に接続される。そして、各第1リブY123は、第1固定部Y121側からスパインY125側に近付くほど、スパインY125の長手方向の梁Y127側に向けてオフセットされるよう、スパインY125に対して斜行している。そして、複数の第1リブY123は、互いに対して平行に伸びている。
複数本の第2リブY124は、スパインY125の長手方向に直交する方向におけるスパインY125の他方側に配置される。そして、複数本の第2リブY124は、スパインY125の長手方向に並んでいる。各第2リブY124は、細長い棒形状を有しており、温度に応じて伸縮可能となっている。
各第2リブY124は、その長手方向の一端で第2固定部Y122に接続され、他端でスパインY125に接続される。そして、各第2リブY124は、第2固定部Y122側からスパインY125側に近付くほど、スパインY125の長手方向の梁Y127側に向けてオフセットされるよう、スパインY125に対して斜行している。そして、複数の第2リブY124は、互いに対して平行に伸びている。
複数本の第1リブY123、複数本の第2リブY124、スパインY125は、全体として、駆動部に対応する。
アームY126は、スパインY125と非直交かつ平行に伸びる細長い棒形状を有している。アームY126の長手方向の一端は梁Y127に接続されており、他端は第1固定部Y121に接続されている。
梁Y127は、スパインY125およびアームY126に対して約90°で交差する方向に伸びる細長い棒形状を有している。梁Y127の一端は、可動部Y128に接続されている。アームY126と梁Y127は、全体として、増幅部に対応する。
アームY126と梁Y127の接続位置YP1、スパインY125と梁Y127の接続位置YP2、梁Y127と可動部Y128の接続位置YP3は、梁Y127の長手方向に沿って、この順に並んでいる。そして、第1固定部Y121とアームY126との接続点をヒンジYP0とすると、中間層Y12の板面に平行な面内におけるヒンジYP0から接続位置YP2までの直線距離よりも、ヒンジYP0から接続位置YP3までの直線距離の方が、長い。例えば、前者の直線距離を後者の直線距離で除算した値は、1/5以下であってもよいし、1/10以下であってもよい。
可動部Y128は、流体室Y19を流れる冷媒の圧力を調整するものである。可動部Y128は、その外形が、梁Y127の長手方向に対して概ね90°の方向に伸びる矩形形状を有している。この可動部Y128は、流体室Y19内において梁Y127と一体に動くことができる。そして、可動部Y128は、中間層Y12の表裏に貫通する貫通孔Y120を囲む枠形状となっている。したがって、貫通孔Y120も、可動部Y128と一体的に移動する。貫通孔Y120は、流体室Y19の一部である。
可動部Y128は、上記のように動くことで、第2冷媒孔Y17の貫通孔Y120に対する開度および第3冷媒孔Y18の貫通孔Y120に対する開度を変更する。第1冷媒孔Y16は、貫通孔Y120に対して常に全開で連通している。
また、第1固定部Y121のうち、複数の第1リブY123と接続する部分の近傍の第1印加点Y129には、図7に示した第1外層Y11の貫通孔Y14を通った電気配線Y6のマイクロバルブY1側端が接続される。また、第2固定部Y122の第2印加点Y130には、図7に示した第1外層Y11の貫通孔Y15を通った電気配線Y7のマイクロバルブY1側端が接続される。
[バルブモジュールY0の作動]
ここで、バルブモジュールY0の作動について説明する。マイクロバルブY1への通電が開始されると、電気配線Y6、Y7から第1印加点Y129、第2印加点Y130の間に電圧が印加される。すると、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124を電流が流れる。この電流によって、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124が発熱する。その結果、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124の各々が、その長手方向に膨張する。
このような熱的な膨張の結果、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124は、スパインY125を接続位置YP2側に付勢する。付勢されたスパインY125は、接続位置YP2において、梁Y127を押す。このように、接続位置YP2は付勢位置および調圧用付勢位置に対応する。
そして、梁Y127とアームY126から成る部材は、ヒンジYP0を支点として、接続位置YP2を力点として、一体に姿勢を変える。その結果、梁Y127のアームY126とは反対側の端部に接続された可動部Y128も、その長手方向の、スパインY125が梁Y127を押す側に、移動する。
また、マイクロバルブY1への通電が停止されたときは、電気配線Y6、Y7から第1印加点Y129、第2印加点Y130への電圧印加が停止される。すると、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124を電流が流れなくなり、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124の温度が低下する。その結果、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124の各々が、その長手方向に収縮する。
このような熱的な収縮の結果、複数の第1リブY123、複数の第2リブY124は、スパインY125を接続位置YP2とは反対側に付勢する。付勢されたスパインY125は、接続位置YP2において、梁Y127を引っ張る。その結果、梁Y127とアームY126から成る部材は、ヒンジYP0を支点として、接続位置YP2を力点として、一体に姿勢を変える。その結果、梁Y127のアームY126とは反対側の端部に接続された可動部Y128も、その長手方向の、スパインY125が梁Y127を引っ張る側に、移動する。その移動の結果、可動部Y128は、所定の非通電時位置で停止する。
このようなマイクロバルブY1への通電時、電気配線Y6、Y7から第1印加点Y129、第2印加点Y130を介してマイクロバルブY1に供給される電力が大きいほど、非通電時位置に対する可動部Y128の移動量も大きくなる。これは、マイクロバルブY1に供給される電力が高いほど、第1リブY123、第2リブY124の温度が高くなり、膨張度合いが大きいからである。
例えば電気配線Y6、Y7から第1印加点Y129、第2印加点Y130へ印加される電圧がPWM制御される場合、デューティ比が大きいほど非通電時に対する可動部Y128の移動量も大きくなる。
図9、図10に示すように、可動部Y128が非通電時位置にある場合、貫通孔Y120は、中間層Y12の板面に直交する方向に第1冷媒孔Y16、第3冷媒孔Y18と重なるが、当該方向に第2冷媒孔Y17とは重ならない。第2冷媒孔Y17は、中間層Y12の板面に直交する方向に可動部Y128と重なる。つまりこのとき、貫通孔Y120に対して第1冷媒孔Y16、第3冷媒孔Y18は全開になり、第2冷媒孔Y17は全閉になる。したがってこの場合、第1冷媒孔Y16が第3冷媒孔Y18に可動部Y128を介して連通し、第2冷媒孔Y17は第1冷媒孔Y16とも第3冷媒孔Y18とも遮断される。この結果、第1連通孔YV1と第3連通孔YV3との間で、流路Y81、第1冷媒孔Y16、貫通孔Y120、第3冷媒孔Y18、流路Y83を介した、冷媒の流通が可能となる。
また、図11、図12に示すように、マイクロバルブY1への通電によって可動部Y128が非通電時位置から最も遠ざかった位置にある場合、そのときの可動部Y128の位置を最大通電時位置という。可動部Y128が最大通電時位置にある場合は、マイクロバルブY1へ供給される電力が制御範囲内の最大となる。例えば、可動部Y128が最大通電時位置にある場合、上述のPWM制御においてデューティ比が制御範囲内の最大値(例えば100%)となる。
可動部Y128が最大通電時位置にある場合、貫通孔Y120は、中間層Y12の板面に直交する方向に第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17と重なるが、当該方向に第3冷媒孔Y18とは重ならない。第3冷媒孔Y18は、中間層Y12の板面に直交する方向に可動部Y128と重なる。つまりこのとき、貫通孔Y120に対して第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17は全開になり、第3冷媒孔Y18は全閉になる。したがってこの場合、第1冷媒孔Y16が第2冷媒孔Y17に可動部Y128を介して連通し、第3冷媒孔Y18は第1冷媒孔Y16とも第2冷媒孔Y17とも遮断される。この結果、第1連通孔YV1と第2連通孔YV2との間で、流路Y81、第1冷媒孔Y16、貫通孔Y120、第2冷媒孔Y17、流路Y83を介した、冷媒の流通が可能となる。
また、マイクロバルブY1に供給される電力を、例えばPWM制御で調整することで、可動部Y128を、非通電時位置と最大通電時位置の間のどの中間位置にでも、停止させることができる。例えば、最大通電時位置と非通電時位置からも等距離の位置(すなわち、中央位置)で可動部Y128を停止させるには、マイクロバルブY1に供給される電力が、制御範囲内の最大値の半分であればいい。例えば、PWM制御のデューティ比が50%であればいい。
可動部Y128が中間位置に停止している場合、第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17、第3冷媒孔Y18は、いずれも貫通孔Y120に連通している。しかし、第2冷媒孔Y17および第3冷媒孔Y18は、貫通孔Y120に対して全開状態ではなく、100%未満かつ0%よりも大きい開度となっている。可動部Y128が中間位置において最大通電時位置に近づくほど、貫通孔Y120に対する第3冷媒孔Y18の開度が減少し、第2冷媒孔Y17の開度が増大する。
マイクロバルブY1は、梁Y127およびアームY126が、ヒンジYP0を支点とし、接続位置YP2を力点とし、接続位置YP3を作用点とする梃子として機能する。上述の通り、中間層Y12の板面に平行な面内におけるヒンジYP0から接続位置YP2までの直線距離よりも、ヒンジYP0から接続位置YP3までの直線距離の方が、長い。したがって、力点である接続位置YP2の移動量よりも、作用点である接続位置YP3の移動量の方が大きくなる。したがって、熱的な膨張による変位量が、梃子によって増幅されて可動部Y128に伝わる。
また、マイクロバルブY1における冷媒の流路は、Uターン構造を有している。具体的には、冷媒は、マイクロバルブY1の一方側の面からマイクロバルブY1内に流入し、マイクロバルブY1内を通って、マイクロバルブY1の同じ側の面からマイクロバルブY1外に流出する。そして同様にバルブモジュールY0における冷媒の流路も、Uターン構造を有している。具体的には、冷媒は、バルブモジュールY0の一方側の面からバルブモジュールY0内に流入し、バルブモジュールY0内を通って、バルブモジュールY0の同じ側の面からバルブモジュールY0外に流出する。なお、中間層Y12の板面に直交する方向は、第1外層Y11、中間層Y12、第2外層Y13の積層方向である。
ここで、バルブモジュールY0は、第1冷媒孔Y16が、第1連通孔YV1、第1凹部167の第1貫通孔167aを介して第1圧力室PC1に連通している。また、第2冷媒孔Y17が、第2連通孔YV2、第2凹部168の第2貫通孔168aを介して入口流路162aに連通している。そして、第3冷媒孔Y18が、第3連通孔YV3、第3凹部169の第3貫通孔169aを介して出口流路162bに連通している。
このため、例えば、マイクロバルブY1の可動部Y128が非通電時位置にある場合、第1冷媒孔Y16と第3冷媒孔Y18とが連通し、第1圧力室PC1が第1内部流路162における出口流路162bに連通する。これにより、第1圧力室PC1の圧力(すなわち、制御圧力Pm)が第1内部流路162における出口流路162bと同等の低圧圧力Plに低下する。
この状態からマイクロバルブY1への通電によって、可動部Y128が非通電時位置から最大通電時位置に近づくと、各冷媒孔Y16、Y17、Y18が連通し、第1圧力室PC1が第1内部流路162における入口流路162aおよび出口流路162bと連通する。これにより、第1圧力室PC1の圧力(すなわち、制御圧力Pm)が低圧圧力Plよりも大きく高圧圧力Phよりも小さい中間圧力となる。
また、マイクロバルブY1への通電によって、可動部Y128が最大通電時位置にある場合、第1冷媒孔Y16と第2冷媒孔Y17が連通し、第1圧力室PC1が第1内部流路162における入口流路162aと連通する。これにより、第1圧力室PC1の圧力(すなわち、制御圧力Pm)が第1内部流路162における第1絞り部164aの上流側と同等の高圧圧力Phとなる。
これらを加味して、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、マイクロバルブY1に印加される電圧をPWM制御によって変更することで、制御圧力Pmを変化させる。冷凍サイクル装置10は、例えば、図13に示すように、PWM制御のデューティ比を大きくすることで制御圧力Pmを大きくし、PWM制御のデューティ比を小さくすることで制御圧力Pmを小さくする。
本実施形態の制御装置100は、例えば、車室内の冷房よりもバッテリBTの冷却を優先する必要がある場合、第1電池用蒸発器17および第2電池用蒸発器19の冷媒流量が大流量となるように、各減圧部14、16、18を制御する。
具体的には、制御装置100は、車室内の冷房よりもバッテリBTの冷却を優先する必要がある場合、マイクロバルブY1へ通電して第1電池用減圧部16および第2電池用減圧部18の絞り開度を大きくし、冷房用減圧部14の絞り開度を小さくする。これによれば、冷凍サイクル装置10による電池冷却能力が高まるので、車室内の冷房よりもバッテリBTの冷却を優先することができる。
また、バッテリBTの冷却よりも車室内の冷房を優先する必要がある場合、制御装置100は、冷房用蒸発器15の冷媒流量が大流量となるように、各減圧部14、16、18を制御する。具体的には、制御装置100は、バッテリBTの冷却よりも車室内の冷房を優先する必要がある場合、マイクロバルブY1への通電を停止して第1電池用減圧部16および第2電池用減圧部18の絞り開度を小さくし、冷房用減圧部14の絞り開度を大きくする。これによれば、冷凍サイクル装置10による冷房能力が高まるので、バッテリBTの冷却よりも車室内の冷房を優先することができる。
以上説明した弁装置13は、第1電池用減圧部16の第1弁160および第2電池用減圧部18の第2弁180が共通のアクチュエータ130によって駆動される構成になっている。具体的には、アクチュエータ130は、制御流体の圧力を調整する圧力調整部131と圧力調整部131にて圧力調整された制御流体を第1弁160の第1圧力室PC1および第2弁180の第2圧力室PC2に導入する圧力導入部132とを有している。これによれば、単一のアクチュエータ130によって第1弁160の第1内部流路162および第2弁180の第2内部流路182それぞれの絞り開度を変化させることができる。したがって、弁装置13によれば、部品点数の増加を抑えつつ、第1弁160および第2弁180を制御することができる。
特に、本実施形態の弁装置13は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置10の減圧装置に適用されている。これによると、部品点数の増加を抑えつつ、第1弁160および第2弁180の制御によって、並列に接続される第1電池用蒸発器17および第2電池用蒸発器19に対して所望の割合で冷媒を分配することが可能となる。
本実施形態の圧力調整部131は、バルブモジュールY0で構成されている。バルブモジュールY0は、マイクロバルブY1による第1圧力室PC1および第2圧力室PC2の圧力調整によって、各弁体163a、183aを開弁側または閉弁側に変位させる構成になっているので、電磁弁や電動弁よりも小型に構成することができる。その理由の1つは、マイクロバルブY1が上述の通り半導体チップにより形成されているということである。また、上述の通り、梃子を利用して熱的な膨張による変位量が増幅されることも、そのような梃子を利用しない電磁弁や電動弁と比べて小型に構成することが可能となる。
具体的には、マイクロバルブY1は、可動部Y128によって第2冷媒孔Y17および第3冷媒孔Y18の開度を調整して第1圧力室PC1および第2圧力室PC2の圧力を変化させる構成になっている。これによれば、マイクロバルブY1による第1圧力室PC1および第2圧力室PC2の圧力調整によって、第1弁体163aおよび第2弁体183aを閉弁側および開弁側に変位させることができる。
したがって、第1電池用減圧部16および第2電池用減圧部18の絞り開度の変更によって冷媒流量を負荷条件等に応じた適量に調整することができる。すなわち、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、並列に接続される第1電池用蒸発器17および第2電池用蒸発器19に対して略均等な割合で冷媒および冷凍機油を分配することができる。
また、マイクロバルブY1は、梃子を利用しており、熱的な膨張による変位量を可動部Y128の移動量より抑えることができるので、可動部Y128を駆動するための消費電力も低減することができる。また、電磁弁の駆動時における衝撃音を無くすことができるので、騒音を低減することができる。また、複数本の第1リブY123、複数本の第2リブY124の変位は熱に起因して発生するので、騒音低減効果が高い。
また、マイクロバルブY1およびバルブモジュールY0はUターンの構造の冷媒流路を有しているので、第1ボデー部161の掘り込みを少なくすることができる。つまり、バルブモジュールY0を配置するために第1ボデー部161に形成された凹みの深さを抑えることができる。その理由は以下の通りである。
例えば、バルブモジュールY0がUターンの構造の冷媒流路を有しておらず、バルブモジュールY0の第1ボデー部161側の面に冷媒入口があり、バルブモジュールY0の反対側の面に冷媒出口があったとする。その場合、バルブモジュールY0の両面に、冷媒流路を形成する必要がある。したがって、バルブモジュールY0の両面の冷媒流路まで第1ボデー部161に収容しようとすると、バルブモジュールY0を配置するために第1ボデー部161に形成しなければならない凹みが深くなってしまう。また、マイクロバルブY1自体が小型であるので、第1ボデー部161の掘り込みを更に低減することができる。
また、マイクロバルブY1の両面のうち、第1冷媒孔Y16、第2冷媒孔Y17が形成される面とは反対側の面に電気配線Y6、Y7を配置した場合、電気配線Y6、Y7を大気雰囲気により近い側に置くことができる。したがって、電気配線Y6、Y7への冷媒雰囲気の影響を低減するためのハーメチック等のシール構造が不要となる。その結果、アクチュエータ130の小型化が実現できる。
また、マイクロバルブY1が軽量であることから、アクチュエータ130が軽量化される。マイクロバルブY1の消費電力が小さいので、アクチュエータ130が省電力化される。
また、マイクロバルブY1は、第2冷媒孔Y17が、第2連通孔YV2、第2凹部168の第2貫通孔168aを介して入口流路162aに連通している。この入口流路162aは、凝縮器12を通過した液相状態の冷媒が流れる流路である。
液相状態の冷媒は、ガス状態および気液二相状態の冷媒に比べて密度が高い。このため、入口流路162aに凝縮器12を通過した液相状態の冷媒が流れる構成とすれば、入口流路162aおよび第2冷媒孔Y17を介して、纏まった量の冷媒を短時間で流体室Y19および第1圧力室PC1および第2圧力室PC2に導入することができる。したがって、制御流体を第1弁160の第1圧力室PC1および第2弁180の第2圧力室PC2それぞれに導入する構成であっても、第1弁160および第2弁180の応答性能を確保することが可能となる。
また、マイクロバルブY1は、第3冷媒孔Y18が、第3連通孔YV3、第3凹部169の第3貫通孔169aを介して出口流路162bに連通している。この出口流路162bは、第1電池用蒸発器17に流入する前の気液二相状態の冷媒が流れる流路である。
このような構成では、例えば、第1圧力室PC1および第2圧力室PC2の圧力を低下させる際に、第1圧力室PC1および第2圧力室PC2の冷媒が流体室Y19、第3冷媒孔Y18、出口流路162bを介して第1電池用蒸発器17の冷媒入口に流れる。この場合、第1電池用蒸発器17に流入する冷媒流量が増えるので、第1電池用蒸発器17における吸熱性能を確保することができる。
(第1実施形態の変形例)
上述の第1実施形態では、並列に接続された第1電池用蒸発器17および第2電池用蒸発器19といった2つ電池冷却器を備える冷凍サイクル装置10を例示したが、電池冷却器の数は、これに限定されない。冷凍サイクル装置10は、3つ以上の電池冷却器を備えていてもよい。
例えば、冷凍サイクル装置10は、図14に示すように、第1電池用蒸発器17および第2電池用蒸発器19に加えて、第3電池モジュールM3を冷却する第3電池用蒸発器25を備えていてもよい。
この場合、第3電池用蒸発器25の上流に設けられる第3電池用減圧部26は、第1電池用減圧部16および第2電池用減圧部18と共通のアクチュエータ130によって駆動されるように構成されていることが望ましい。すなわち、第3電池用減圧部26は、第2電池用減圧部18と同様に、第1電池用減圧部16の第1圧力室PC1に均圧管133を介して連通する第3圧力室PC3を有する第3弁260で構成することが望ましい。
上述の第1実施形態では、圧力調整部131が第1弁160に対して取り付けられているものを例示したが、弁装置13はこれに限定されない。弁装置13は、例えば、圧力調整部131が第2弁180に対して取り付けられていてもよい。
上述の第1実施形態では、マイクロバルブY1の第2冷媒孔Y17が、凝縮器12を通過した液相状態の冷媒が流れる入口流路162aに連通しているものを例示したが、圧力調整部131は、これに限定されない。圧力調整部131は、マイクロバルブY1の第2冷媒孔Y17が、圧縮機11から吐出されて凝縮器12を通過する前の気相状態の冷媒が流れる入口流路に連通していてもよい。
気相状態の冷媒は液相冷媒に比べて重力の影響を受け難い。このため、マイクロバルブY1の第2冷媒孔Y17に凝縮器12を通過する前の気相状態の冷媒が流れる構成とすれば、重力の影響に伴う制御流体の分配性の悪化を抑えられる。このことは、以降の実施形態においても同様である。
上述の第1実施形態では、マイクロバルブY1の第3冷媒孔Y18が、第1電池用蒸発器17に流入する前の気液二相状態の冷媒が流れる出口流路162bに連通しているものを例示したが、圧力調整部131は、これに限定されない。圧力調整部131は、マイクロバルブY1の第3冷媒孔Y18が、第1電池用蒸発器17を通過した後の気相状態の冷媒が流れる出口流路に連通していてもよい
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図15を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
図15に示すように、本実施形態のアクチュエータ130は、圧力調整部131が、第1弁160に取り付けられておらず、第1弁160および第2弁180とは別体の部品として構成されている。
圧力調整部131は、第1連通孔YV1に対して均圧管133が接続され、第2連通孔YV2に対して冷媒導入管134が接続され、第3連通孔YV3に対して冷媒導出管135が接続されている。
均圧管133は、一端側が圧力調整部131の第1連通孔YV1に接続されている。均圧管133は、一端から他端に向かう途中で第1分岐管133aおよび第2分岐管133bに分岐している。均圧管133は、第1分岐管133aが第1弁160の第1ボデー部161に形成された第1貫通孔167aに接続され、第2分岐管133bが第2弁180の第2ボデー部181に形成された連通路187に接続されている。
これにより、圧力調整部131で圧力調整された制御流体が、均圧管133を介して第1圧力室PC1および第2圧力室PC2それぞれに導入される。本実施形態では、均圧管133が圧力導入部132を構成している。
冷媒導入管134は、一端側が圧力調整部131の第2連通孔YV2に接続されている。図示しないが、冷媒導入管134の他端側は、凝縮器12を通過した液相冷媒が流れる流路に接続されている。
冷媒導出管135は、一端側が圧力調整部131の第3連通孔YV3に接続されている。図示しないが、冷媒導出管135の他端側は、第1電池用蒸発器17および第2電池用蒸発器19のうち一方の蒸発器に流入する前の気液二相状態の冷媒が流れる流路に接続されている。
ここで、本実施形態の第1弁160は、圧力調整部131が取り付けられていない。そして、第1弁160は、第2貫通孔168a、第3貫通孔169a、第4貫通孔161cが設けられていない。このため、第1弁160は、第2弁180と実質的に同じ構成になっている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の弁装置13は、第1実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
本実施形態の弁装置13は、アクチュエータ130の圧力調整部131が、第1弁160に取り付けられておらず、第1弁160および第2弁180と実質的に同じ弁で構成することが可能である。第1弁160および第2弁180を実質的に同じ弁で構成する場合、製造時の部品の管理工数等を低減することができるので、製造コストの低減を図ることができる。なお、「実質的に同じ」とは、本件の出願時点での製造技術において制作可能な程度に同一であることを意味するものである。このため、本件の出願時点での製造技術において生じ得る誤差等により生ずる差は同一として解釈することができる。
(第2実施形態の変形例)
上述の第2実施形態では、第1弁160および第2弁180が実質的に同じ弁で構成されているものを例示したが、弁装置13はこれに限定されない。弁装置13は、第1弁160および第2弁180が異なる弁で構成されていてもよい。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態等のマイクロバルブY1は、非通電時に絞り開度が最小となる常閉弁ではなく、非通電時に絞り開度が最大となる常開弁として構成されていてもよい。
上述の実施形態では、複数本の第1リブY123、複数本の第2リブY124が通電されることで発熱し、その発熱によって自らの温度が上昇することで膨張する。しかし、これら部材は、温度が変化すると長さが変化する形状記憶材料から構成されていてもよい。
上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10における冷媒の圧力差を利用して制御流体の圧力を調整するものを例示したが、圧力調整部131は、これに限定されない。圧力調整部131は、例えば、冷凍サイクル装置10とは異なる機器で生ずる流体の圧力差を利用して制御流体の圧力を調整するようになっていてもよい。
上述の実施形態の如く、アクチュエータ130の圧力調整部131としてマイクロバルブY1を用いることが望ましいが、弁装置13は、これに限定されない。弁装置13は、アクチュエータ130として、例えば、電動モータ、磁気カップリング等の出力を利用して各圧力室PC1、PC2の圧力を調整するものが用いられていてもよい。
上述の実施形態では、第1弁160および第2弁180がポペット式の弁構造になっているものを例示したが、第1弁160および第2弁180の弁構造はこれに限定されない。例えば、第1弁160および第2弁180は、少なくとも一方がスプール式の弁構造またはスライド式の弁構造になっていてもよい。
上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10として、車室内に供給する空気およびバッテリBTを冷却対象としているものを例示したが、冷凍サイクル装置10は、これに限定されない。冷凍サイクル装置10は、例えば、車室内に供給する空気およびバッテリBT以外が冷却対象になっていてもよい。
上述の実施形態では、複数の電池冷却器に対して対象流体である冷媒を略均等な割合で分配するものを例示したが、弁装置13はこれに限定されない。弁装置13は、例えば、複数の電池冷却器の一部に偏って冷媒を分配するように構成されていたり、冷媒の流れを切り替える流路切替弁として構成されていたりしてもよい。
上述の実施形態では、本開示の弁装置13を冷凍サイクル装置10に適用したものを例示したが、弁装置13の適用対象はこれに限定されない。弁装置13は、複数の弁が含まれる様々なシステムに対して広く適用可能である。弁装置13は、例えば、並列に接続された複数の電池冷却器それぞれに対応して複数の弁が配置された水循環回路に適用可能である。なお、弁装置13は、対象流体の流れに対して複数の弁が並列に接続されたものに限らず、例えば、対象流体の流れに対して複数の弁が直列に接続されたものにも適用可能である。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路で構成されたプロセッサとの組合せにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、弁装置は、圧力室に導入される制御流体の圧力に応じて、対象流体が流れる内部流路の絞り開度が変化する複数の弁と、複数の弁それぞれを駆動するアクチュエータと、を備える。アクチュエータは、制御流体の圧力を調整する圧力調整部と、圧力調整部にて圧力調整された制御流体を複数の弁の圧力室に導入する圧力導入部と、を含んでいる。
第2の観点によれば、圧力調整部は、圧力室に導入する制御流体の圧力を調整するための流体室を有する弁部品を含んでいる。弁部品は、流体室が形成される基部と、自らの温度が変化すると変位する駆動部と、駆動部の温度の変化による変位を増幅する増幅部と、増幅部によって増幅された変位が伝達されて動くことで、流体室を流れる冷媒の圧力を調整する可動部と、を有する。弁部品は、駆動部が温度の変化によって変位したときに、駆動部が付勢位置において増幅部を付勢することで、増幅部がヒンジを支点として変位するとともに、増幅部と可動部の接続位置で増幅部が可動部を付勢する。そして、ヒンジから付勢位置までの距離よりも、ヒンジから接続位置までの距離の方が長くなっている。
これによると、弁部品の増幅部は、梃子として機能する。このため、駆動部の温度変化に応じた変位量が、梃子によって増幅されて可動部に伝わる。このように、梃子を利用して熱的な膨張による変位量が増幅される弁部品は、そのような梃子を利用しない電磁弁や電動弁を用いたものに比べて小型に構成することが可能となる。したがって、本開示の弁装置によれば、搭載性の悪化を抑制しつつ、複数の弁を制御することが可能となる。
第3の観点によれば、基部には、流体室と圧力室とを連通させる第1流体孔、弁の絞り部に流入する対象流体が流れる入口流路と流体室とを連通させる第2流体孔、絞り部から流出した対象流体が流れる出口流路と流体室とを連通させる第3流体孔が形成されている。圧力調整部は、可動部によって第2流体孔および第3流体孔のうち少なくとも一方の流体孔の開度を調整することで圧力室の圧力を変化させる構成になっている。これによると、圧力室の圧力を微調整可能となることで、対象流体の流量を負荷条件等に応じた適量に調整することができる。
第4の観点によれば、弁装置は、圧縮機、凝縮器、冷媒流れに対して並列に配置される複数の蒸発器を含む蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置の減圧装置を構成する。複数の弁は、複数の蒸発器のうち、少なくとも2つ以上の蒸発器の冷媒流れ上流に配置され、圧力室に導入される制御流体としての冷媒の圧力に応じて、対象流体としての冷媒が流れる内部流路の絞り開度が変化する弁構造を有している。これによると、部品点数の増加を抑えつつ、複数の弁の制御によって、並列に接続される2つ以上の蒸発器に対して所望の割合で冷媒を分配することが可能となる。
第5の観点によれば、入口流路は、凝縮器を通過した液相状態の冷媒が流れる流路である。液相状態の冷媒は、気相状態および気液二相状態の冷媒に比べて密度が高い。このため、入口流路に凝縮器を通過した液相状態の冷媒が流れる構成とすれば、入口流路、第2流体孔を介して、纏まった量の冷媒を短時間で流体室および圧力室に導入することができる。したがって、制御流体を複数の弁の圧力室に導入する構成であっても、複数の弁の応答性能を確保することが可能となる。
第6の観点によれば、出口流路は、蒸発器に流入する前の気液二相状態の冷媒が流れる流路である。このような構成では、例えば、圧力室の圧力を低下させる際に、圧力室の冷媒が流体室、第3流体孔、出口流路等を介して蒸発器の冷媒入口に流れることで、蒸発器に流入する冷媒流量が増えるので、蒸発器における吸熱性能を確保することができる。
第7の観点によれば、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置は、圧縮機と、凝縮器と、弁装置と、複数の蒸発器と、を備える。複数の蒸発器は、冷媒流れに対して並列となるように配置されている。弁装置は、複数の蒸発器のうち少なくとも2つ以上の蒸発器の冷媒流れ上流に配置され、圧力室に導入される制御流体の圧力に応じて、冷媒が流れる内部流路の絞り開度が変化する複数の弁と、複数の弁それぞれを駆動するアクチュエータと、を有している。アクチュエータは、制御流体の圧力を調整する圧力調整部と、圧力調整部にて圧力調整された制御流体を複数の弁の圧力室に導入する圧力導入部と、を含んでいる。
13 弁装置
130 アクチュエータ
131 圧力調整部
132 圧力導入部
160 第1弁
162 第1内部流路
180 第2弁
182 第2内部流路
PC1 第1圧力室
PC2 第2圧力室

Claims (7)

  1. 弁装置であって、
    圧力室(PC1、PC2)に導入される制御流体の圧力に応じて、対象流体が流れる内部流路(162、182)の絞り開度が変化する複数の弁(160、180)と、
    複数の前記弁それぞれを駆動するアクチュエータ(130)と、を備え、
    前記アクチュエータは、
    前記制御流体の圧力を調整する圧力調整部(131)と、
    前記圧力調整部にて圧力調整された前記制御流体を複数の前記弁の前記圧力室に導入する圧力導入部(132)と、を含んでいる弁装置。
  2. 前記圧力調整部は、前記圧力室に導入する前記制御流体の圧力を調整するための流体室(Y19)を有する弁部品(Y1)を含み、
    前記弁部品は、
    前記流体室(Y19)が形成される基部(Y121、Y11、Y13)と、
    自らの温度が変化すると変位する駆動部(Y123、Y124、Y125)と、
    前記駆動部の温度の変化による変位を増幅する増幅部(Y126、Y127)と、
    前記増幅部によって増幅された変位が伝達されて動くことで、前記流体室を流れる冷媒の圧力を調整する可動部(Y128)と、を有し、
    前記駆動部が温度の変化によって変位したときに、前記駆動部が付勢位置において前記増幅部を付勢することで、前記増幅部がヒンジを支点として変位するとともに、前記増幅部と前記可動部の接続位置で前記増幅部が前記可動部を付勢し、
    前記ヒンジから前記付勢位置までの距離よりも、前記ヒンジから前記接続位置までの距離の方が長くなっている請求項1に記載の弁装置。
  3. 前記基部には、前記流体室と前記圧力室とを連通させる第1流体孔(Y16)、前記弁の絞り部に流入する前の前記対象流体が流れる入口流路(162a)と前記流体室とを連通させる第2流体孔(Y17)、前記絞り部から流出した前記対象流体が流れる出口流路(162b)と前記流体室とを連通させる第3流体孔(Y18)が形成されており、
    前記圧力調整部は、前記可動部によって前記第2流体孔および前記第3流体孔のうち少なくとも一方の流体孔の開度を調整することで前記圧力室の圧力を変化させる構成になっている請求項2に記載の弁装置。
  4. 圧縮機(11)、凝縮器(12)、冷媒流れに対して並列に配置される複数の蒸発器(15、17、19)を含む蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置の減圧装置であって、
    複数の前記弁は、複数の前記蒸発器のうち、少なくとも2つ以上の前記蒸発器(17、19)の冷媒流れ上流に配置され、前記圧力室に導入される前記制御流体としての冷媒の圧力に応じて、前記対象流体としての冷媒が流れる前記内部流路の絞り開度が変化する弁構造を有している請求項3に記載の弁装置。
  5. 前記入口流路は、前記凝縮器を通過した液相状態の冷媒が流れる流路である請求項4に記載の弁装置。
  6. 前記出口流路は、前記蒸発器に流入する前の気液二相状態の冷媒が流れる流路である請求項4または5に記載の弁装置。
  7. 蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置であって、
    吸入した冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器(12)と、
    前記凝縮器を通過した冷媒を減圧させる弁装置(13)と、
    前記弁装置で減圧された冷媒を蒸発させる複数の蒸発器(15、17、19)と、を備え、
    複数の前記蒸発器は、冷媒流れに対して並列となるように配置され、
    前記弁装置は、
    複数の前記蒸発器のうち少なくとも2つ以上の前記蒸発器の冷媒流れ上流に配置され、圧力室(PC1、PC2)に導入される制御流体の圧力に応じて、冷媒が流れる内部流路(162、182)の絞り開度が変化する複数の弁(160、180)と、
    複数の前記弁それぞれを駆動するアクチュエータ(130)と、を有しており、
    前記アクチュエータは、
    前記制御流体の圧力を調整する圧力調整部(131)と、
    前記圧力調整部にて圧力調整された前記制御流体を複数の前記弁の前記圧力室に導入する圧力導入部(132)と、を含んでいる冷凍サイクル装置。
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