JP2021098854A - バイオ再生可能炭化水素組成物及びその使用 - Google Patents

バイオ再生可能炭化水素組成物及びその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】二量体脱炭酸ロジン(DDCR)を含む組成物、これを作製するための方法及びその用途を提供すること。
【解決手段】50〜100重量%の純度のDDCRは、触媒の存在下、二量体ロジン酸を脱炭酸すること又は脱炭酸ロジンを二量化することに続き、沸点の差に基づく1つ以上の精製ステップ分離によって得られる。単離されたDDCR画分は、予想外に高いT/M比、軟化点及び粘度、並びに低い多分散性を示す。DDCR組成物は、1つ以上の脂肪族、不飽和又は芳香族基及び34〜80個の炭素原子を有する、50〜100重量%の多環式炭化水素化合物を含み、250〜900Daの分子量M及び5%未満の酸素対炭素比を有する。DDCR組成物は、二量体種として少なくとも50%かつ最大100%を有し、残部は三量体種及びそれより高次の多量体種である。
【選択図】なし

Description

本開示は、バイオ再生可能ロジン由来の炭化水素組成物及びその使用に関する。
二量体ロジン酸(DRA)は、80年以上、当技術分野において公知である。例えば、RummelsburgへのUS2,124,675を参照されたい。DRA及び誘導体、例えばこれらのエステルは添加剤として、多種多様な分野、例えば、ホットメルト及び感圧接着剤、ゴム及び多様なプラスチックの改質剤、合成ゴム用の乳化剤、チューインガム用の基材、路面塗料及びインクなどのコーティング組成物中の樹脂、フラックス並びに製紙用のサイズ剤などにおいて用いられている。
これらの添加剤の多くは、多くの用途に好適であるが、特定の用途に好適な特性を備えていない。これらは、ポリオレフィンなどの極性の小さいポリマーとは非相溶性であり得る、比較的極性の化合物である。対照的に、化石由来の炭化水素化合物は、この相溶性を呈する。
したがって、改善された特性を呈する、ロジン系炭化水素組成物が必要であり続けている。
米国特許第2,124,675号明細書
(発明の要旨)
二量体脱炭酸ロジン(DDCR)を含む新規組成物、これを作製するための方法及びその用途が開示されている。
一態様では、二量体脱炭酸ロジン(DDCR)組成物は、1つ以上の脂肪族、不飽和又は芳香族基及び34〜80個の炭素原子を有する、50〜100重量%の多環式炭化水素化合物を含む。組成物は、ゲル浸透クロマトグラフィー及びポリスチレン較正標準を用いて測定される、250〜900Da、好ましくは300〜600Da、より好ましくは350〜450Da、最も好ましくは380〜420Daの分子量M;並びに5%未満、好ましくは3%未満、より好ましくは2%未満、最も好ましくは0〜1%の酸素対炭素比を有する。組成物は、二量体ロジン酸を脱炭酸することによって又は脱炭酸ロジンを二量化することによって形成される。実施形態におけるDDCRは、最大100%の二量体種を有する。
実施形態におけるDDCR組成物は、ASTM D465を用いて測定される、80mg KOH/g未満、好ましくは25mg KOH/g未満、より好ましくは15mg KOH/g未満、最も好ましくは5mg KOH/g未満の酸価;ASTM D92による、150℃超の引火点;ASTM E28−18による、30〜160℃、好ましくは50〜125℃、より好ましくは60〜120℃、最も好ましくは75〜110℃の環球軟化点;ASTM D6166による、0〜18、好ましくは1〜14、より好ましくは2〜10、最も好ましくは5未満のガードナー色数(ニート);177℃、ASTM D2196において、15〜1000mPa・s、好ましくは25〜500mPa・s、より好ましくは35〜250mPa・sのブルックフィールド粘度;ASTM E1356による、−20〜110℃、好ましくは0〜90℃、より好ましくは15〜75℃、最も好ましくは25〜65℃のガラス転移温度(Tg);1.00〜1.04、好ましくは1.01〜1.03、より好ましくは1.015〜1.025g/cmの密度;1.0〜1.2、好ましくは1.05〜1.15の多分散指数;0.6超、好ましくは0.6〜1.0、より好ましくは0.65〜0.9、最も好ましくは0.7〜0.85のT/M(K/Da)比;及び70℃未満、好ましくは60℃未満、より好ましくは50℃未満、最も好ましくは40℃未満のポリオレフィンの曇り点を有する。
第2の態様では、二量体脱炭酸ロジン(DDCR)組成物を生成するための方法が開示される。方法は、a)二量体ロジン酸を含む供給原料を準備すること;b)脱炭酸反応において、二量体ロジン酸を含む供給原料を触媒と共に200〜400℃の温度で加熱して、モノマー脱炭酸ロジン、二量体ロジン酸、残部の多量体種を含有する混合物中に粗二量体脱炭酸ロジン(DDCR)を形成すること;並びにc)粗二量体脱炭酸ロジン(DDCR)を含有する混合物を、モノマー脱炭酸ロジン、二量体ロジン酸、二量体脱炭酸ロジン及び残部の多量体種の沸点の差に基づく分離に供して、DDCR組成物を生成することを含む。
実施形態では、二量体ロジン酸(DRA)供給原料を準備することは、二量体反応において、ロジン酸を含む供給原料を触媒と共に−80〜200℃の温度で加熱して、二量体ロジン酸(DRA)を形成することを含む。
第3の態様では、二量体脱炭酸ロジン(DDCR)組成物を生成するための方法が開示される。方法は、ロジン酸を含む供給原料を準備すること;脱炭酸反応において、ロジン酸を含む供給原料を触媒と共に200〜400℃の温度で加熱して、脱炭酸ロジンを形成すること;二量体反応において、脱炭酸ロジンを触媒と共に−80〜200℃の温度で加熱して、モノマー脱炭酸ロジン、二量体ロジン酸及び残部の多量体種を含有する混合物中に粗二量体脱炭酸ロジン(DDCR)を形成すること;並びに粗二量体脱炭酸ロジン(DDCR)を含有する混合物を、モノマー脱炭酸ロジン、二量体ロジン酸、二量体脱炭酸ロジン及び残部の多量体種の沸点の差に基づく分離に供して、DDCR組成物を提供することを含む。
第4の態様では、1〜80重量%のDDCR組成物を含むポリマー組成物及びこれから作製される物品が開示される。ポリマーは、スチレンブロックコポリマー、エンジニアリング熱可塑性樹脂、ポリオレフィン、プラストマー、ゴム及びブレンドから選択されるポリマーを少なくとも含む。
本明細書における次の用語は、以下の意味を有する。
GPC分子量は、トリプル検出アレイ及び混合カラムセットを用いて、ポリスチレン較正標準に対して測定される。
酸価は、ASTM D1240−14 (2018)により測定される。
環球軟化点は、ASTM E28−18により測定される。
密度は、ASTM D792−13により測定される。
EN 15199−2による模擬蒸留(SimDist)分析。
ASTM E1356による示差走査熱量計によるガラス転移温度。
動的ブルックフィールド粘度は、ASTM D2196による、177℃において測定される。
組成物の曇り点とは、それ未満では透明混合物が曇る温度を指し、この混合物は、組成物及び市販のメタロセン触媒ポリオレフィン、例えばDow ChemicalのAFFINITY(商標) GA 1950の1:1(重量)のブレンドである。曇り点は、冷却曲線を記録し、これから50%の光透過率において検出される曇り点温度を対応付ける、化学電子工学機器の濁度検出システムを用いて測定され得る。
引火点は、ASTM D92により測定される。
重量%とは、重量濃度を指す。
本明細書における開示は、二量体脱炭酸ロジン(DDCR)を含む組成物並びに二量体ロジン酸(DRA)を脱炭酸すること及びこれから精製形態のDDCRを単離することによって、DDCRを形成するための方法を提供する。DRAからDDCRを形成する脱炭酸反応の実施形態は、下に模式的に示される。
Figure 2021098854
実施形態では、まずDRAが、ロジン酸出発材料からインシチュで調製される。インシチュで形成されたDRAは、続いて、脱炭酸されて、それに続く単離/精製のための粗DDCRを発生させる。
出発材料−二量体ロジン酸(DRA)供給原料:実施形態では、供給原料は、二量体ロジン酸(DRA)を含む、DRAから本質的になる又はDRAからなる。DRAは、(i)ルイス酸、例えばBF、AlCl又はZnCl;(ii)任意選択的に、溶媒として、酢酸のようなプロトン性カルボン酸の存在下又はフルオロベンゼンの存在下、ブレンステッド酸、例えば(水性)HSO(硫酸)、HPO(リン酸)、フルオロホウ酸、フルオロスルホン酸、モノフルオロリン酸及びジフルオロリン酸;(iii)ギ酸、酢酸、(カルボキシル化)スルホン酸のようなプロトン性カルボン酸及び固相付着触媒から選択される触媒を少なくとも用いて、ロジン酸から生成され得る。
実施形態では、出発DRA材料は、130〜160mg KOH/g又は100mg KOH/g超又は120mg KOH/g超又は250mg KOH/g未満の酸価(AV)を有する。出発DRA材料は、70〜200℃又は90〜150℃又は250℃未満又は50℃超の軟化点を有する。
実施形態では、例えばDRAの前駆体又は反応生成物である、例えばエステル(例えば脂肪族、芳香族、ベンジル)、アミド、塩、ハロゲン化アシル(例えば塩化カルボン酸として)、アルコール、無水物及びこれらの組み合わせなどの官能基を含有する、例えばアルキル置換、アリール置換又はこれらの組み合わせを有する改質化合物である、当業者によって理解される任意のDRA誘導体が用いられ得る。
出発材料−ロジン酸供給原料:実施形態では、供給原料は、ロジン酸を含む、ロジン酸から本質的になる又はロジン酸からなる。ロジン酸は、トール油ロジンなどのトール油系供給原料であってもよい。ガム由来ロジン酸及び切り株由来ロジン酸も用いられ得る。アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パルストリン酸、レボピマル酸、デヒドロアビエチン酸、サンダラコピマル酸及びこれらの任意の混合物を含むが排他的ではない、トール油ロジン中に存在する異性体化合物も用いられ得る。これらのタイプの化合物も、粗トール油(CTO)を含むが排他的ではない、ブレンドの一部として用いられ得る。ロジン酸は、様々な量のジ不飽和共役異性体及び二量体ロジン酸を含んでもよく、これらは、DRA生成組成物の収率及び混合に影響を及ぼし得る。実施形態では、ロジン酸出発材料は、160〜190mg KOH/g又は100mg KOH/g超又は120mg KOH/g超又は250mg KOH/g未満の酸価(AV)を有する。実施形態におけるロジン酸は、55〜75℃又は100℃未満又は50℃超の軟化点を有する。
実施形態では、DRAは、アビエチン系酸、ピマラン系酸及びイソピマラン系酸の混合物から調製され得る。実施形態では、アビエチン系酸は、50〜90重量%又は55〜80重量%又は60〜70重量%の量で存在する。アビエチン系酸の例としては、パルストリン酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、レボピマル酸及びデヒドロアビエチン酸が挙げられる。実施形態では、ピマラン系酸の量は、2〜10重量%又は4〜8重量%又は4〜6重量%の範囲である。ピマラン系酸の例としては、ピマル酸、7,15−ピマラジエン(pimaradienoic)酸及び8,15−ピマル酸が挙げられる。実施形態では、イソピマラン系酸の量は、5〜30重量%又は8〜25重量%又は10〜20重量%の範囲にわたり、サンダラコピマル酸、イソピマル酸、8,15−イソピマル酸及びこれらの混合物から選択される。実施形態では、出発材料は主にアビエチン系酸であり、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パルストリン酸、レボピマル酸及びデヒドロアビエチン酸の混合物を含む。
実施形態では、供給原料は、例えばDRAの前駆体又は反応生成物である、例えばエステル(例えば脂肪族、芳香族、ベンジル)、アミド、塩、ハロゲン化アシル(例えば塩化カルボン酸として)、アルコール、無水物及びこれらの組み合わせなどの官能基を含有する、例えばアルキル置換、アリール置換又はこれらの組み合わせを有する改質化合物である、用いることができると当業者によって理解されるロジン酸誘導体をさらに含む。
実施形態では、供給原料(例えば、二量体ロジン酸又はロジン酸)は、任意選択的に、1種以上の共重合性モノマー、例えば自己重合反応に加わることができるモノマーを含む。例としては、(i)オレフィン性基を有する芳香族化合物、(ii)そのシクロジエン若しくは二量体、(iii)式(I)若しくは(II)のジイソアルケニルアレーン以外のジビニルアレーン、(iv)1,3−シクロジエン及びアシルジエン(acylic diene)の付加物又はコモノマー(i)〜(iv)の任意の組み合わせが挙げられる。実施形態では、共重合性モノマーは、リモネン、テルペン、α−ピネン、β−クマロン、ピネン、インデン、スチレン及びこれらの相同体、例えば、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、p−tertブチルスチレン;ビニルトルエン;ジシクロペンタジエン、C5及びC9供給原料等から選択される。
ロジン酸誘導体及び/又は任意の共重合性モノマーは、任意選択的に、供給原料の最大10重量%又は最大(up)20重量%、最大40重量%又は5〜50重量%の量で加えられ得る。
形成のための方法:実施形態では、DRAの脱炭酸は、触媒の存在下、DRAを加熱することによって達成され、粗DDCRを発生させる。実施形態では、DRA出発材料は、脱炭酸反応を開始する前に、好適な溶媒中に希釈され得る。溶媒を用いることによって、例えば、ポンプによってDRAを反応器に導入することを補助することができる。好適な溶媒の例としては、トルエン、キシレン、ドデカン、ヘキサデカン、ギ酸、酢酸又はこれらの混合物が挙げられる。代替的には、脱炭酸は、溶媒を含まない方法において行われてもよい。
第2の実施形態では、まずDRAが、ロジン酸からインシチュで調製される。インシチュで形成されたDRAは、続いて脱炭酸されて、粗DDCRを発生させる。DRAを形成するこのロジン酸のインシチュ二量体及びそれに続く脱炭酸は、触媒の存在下でロジン酸を加熱し、粗DDCRを発生させることを含む方法によって達成することができる。任意選択的に、高温、例えば200℃超における脱炭酸ステップの前に、まず二量体を促進するために、例えば、150〜200℃又は170〜190℃の温度のバルクにおいて;0.5〜8時間又は1〜4時間の期間、保持期間が適用されてもよい。溶媒中で、溶媒の凝固点から沸点までの範囲内のより低い温度が適用されてもよい。二量体反応及び脱炭酸反応のどちらか又は両方において、反応物の少なくとも50重量%又は合計反応物重量の75〜300重量%の量において、任意選択的に、溶媒が用いられてもよい。
第3の実施形態では、ロジン酸がまず脱炭酸され、形成された脱炭酸ロジンは、続いて二量体されて、粗DDCRを発生させる。ロジン酸の脱炭酸は、触媒の存在下、ロジン酸を加熱することによって達成することができ、粗DCR(モノマー脱炭酸ロジン、すなわちMDCRとして)を発生させる。それに続く粗DCRの二量体は、触媒の存在下、粗DCRを加熱することを含む方法によって達成することができ、粗DDCR材料生成物を発生させる。
実施形態では、ロジン酸出発材料は、二量体反応及び/又は脱炭酸反応を始める前に、好適な溶媒中に希釈され得る。溶媒を用いることによって、例えば、ポンプによってロジン酸を反応器に導入することを補助することができる。例としては、トルエン、キシレン、ドデカン、ヘキサデカン、ギ酸、酢酸又はこれらの混合物が挙げられる。代替的には、二量体及び/又は脱炭酸は、溶媒を含まない方法において行われてもよい。脱炭酸触媒は、二量体触媒と同じであってもよく、異なってもよい。
上のステップ、すなわち、脱炭酸又は二量体は、バッチ反応器、セミバッチ反応器又は連続反応器のいずれにおいて行われてもよい。反応は、真空下又は1〜60bar、代替的には(alternately)5〜50bar、代替的には10〜40bar、代替的には20〜30barなどの圧力下;100℃〜400℃又は150〜350℃又は200〜350℃又は250〜300℃の温度で、0.25〜48時間又は0.5〜24時間又は1〜14時間の期間、行うことができる。
二量体反応は、好ましくは、200℃未満、例えば100〜150℃又は125〜175℃の温度で行われる。脱炭酸反応は、好ましくはより高温、例えば、200℃超又は235〜300℃又は250〜350℃又は300〜375℃において行われる。二量体反応において溶媒の使用を伴う実施形態では、反応温度は、溶媒の凝固点から沸点までの範囲内、例えば−80℃又は−50〜150℃又は−20〜120℃又は−10〜80℃又は0〜30℃であってもよい。
脱炭酸は水、CO、CO及び/又は光の発生に起因する重量の減少を招くため、上のプロセスステップは、出発DRAの重量に対して、最大85重量%の収率を有する粗DDCR材料生成物を提供し得る。
粗DDCRは続いて、1つ以上のステップにおいて、例えば、沸点の差に基づく分離によって、例えば、分留、掻き取り式薄膜蒸発などの蒸発又はこれらの組み合わせによって精製される。残留する触媒を除去するため、必要な場合、まず洗浄ステップを行うことができる。これは、当技術分野において公知の方法、例えばデカンテーション及び/又は濾過によってなすことができる。洗浄は、水又は水系溶媒、及び芳香族溶媒などの好適な有機溶媒、例えば、トルエン及びキシレンなどを用いて行うことができる。
それに続く1つ以上の連続分離ステップは、粗DDCR中の異なるタイプの種、例えば、ロジン酸、二量体ロジン酸、モノマー脱炭酸ロジン(MDCR)、DDCR及び残部の多量体種を含有する混合物を分離することを補助する。異なる画分は、典型的に、概括的には同じタイプの種の複数の異性体を含有する。DDCR生成物は、精製によって単離され、95重量%超又は50〜100重量%、60〜95重量%又は75重量%超又は85重量%超又は95重量%超又はさらには最大100重量%のDDCRの範囲である純度を有するDDCRを提供する。
他の関係する画分、例えばモノマー脱炭酸ロジン(MDCR)の収集は、プロセスの処理量/出力を最大化することを補助することができる。高温GC−FID/MS分析を用いて、DDCR含有量及び存在する個々の成分を特定することができる。粗生成物、分離ステップから得られる生成物画分、例えばDDCR及びこれらの組み合わせは、添加剤として多様なポリマー組成物に用いることができる生成物を提供するため、水素化されてもよい。
触媒材料:触媒は、供給原料、最終DDCR生成物の純度及び所望される特性に応じて選択される。供給原料としてのロジン酸の使用に伴い、脱炭酸ステップ及び二量体ステップについて、同じ又は異なる触媒が使用され得る。実施形態では、脱炭酸触媒として一定の触媒が、(限定するものではないが)好ましく用いられ(「カテゴリA」);二量体触媒として一定の触媒が、(限定するものではないが)好ましく用いられ(「カテゴリB」)、二量体ステップ及び脱炭酸ステップの両方のために、一定の触媒が好ましく用いられる(「カテゴリC」)。
触媒は、ブレンステッド酸タイプ又はルイス酸タイプのどちらかであり得る。代替的には、触媒は、ブレンステッド酸タイプ及びルイス酸タイプの両方の触媒活性を有する場合もある。実施形態では、触媒は、支持ブレンステッド酸、非支持ブレンステッド酸、ルイス酸、これらの前駆体又はこれらの組み合わせを含む。有機酸、有機スルホン酸、有機塩化スルホニル、無機酸、過酸化物、粘土、ケイ質土、ゼオライト、元素周期律表の4、5、12、13、14及び15族の金属をベースとする任意のルイス酸、元素周期律表の2及び3族の元素のハロゲン化金属並びに元素周期律表の4、5及び6族の鉱酸又は無水物、これらの塩並びにこれらの混合物など、様々な非限定クラスの触媒が用いられ得る。
実施形態では、触媒は、有機リン酸種及び無機リン酸種の群、例えば、リン酸無水物、リン酸、次亜リン酸、五酸化リン、リン酸トリフェニル、カルシウム(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルモノエチルホスホネート)及びポリリン酸から選択される。これらは、触媒タイプAとして分類される。
実施形態では、触媒は、有機カルボン酸の群、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、カルボン酸エステル、例えば、ギ酸メチル、酢酸エチル、ハロゲン化アシル、例えば、塩化アセチル、塩化ベンゾイル、ヨウ化アセチル、カルボン酸無水物、例えば、ギ酸無水物、無水酢酸、ハロゲン化カルボン酸、例えばクロロギ酸、トリフルオロ酢酸から選択される。これらは、触媒タイプBとして分類される。
実施形態では、触媒は、有機及び無機硫黄種、例えば、ジフェニルスルフィド、ベンジルフェニルスルフィド、ジトルイルスルフィド、ジナフチルスルフィド、ジヘプチルスルフィド、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化リチウム、硫化マグネシウム、硫化カルシウム、硫化鉄、硫酸、二酸化硫黄、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、クロロスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩化p−トルエンスルホニル、ベンゼンスルホン酸、塩化ベンゼンスルホニル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、β−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸、スルホサリチル酸、p−トルイジン−m−スルホン酸、塩化硫黄、塩化チオニル、塩化スルフリル(sulphuryl chloride)、スルホン化固体酸誘導体、例えばスルホン化スチレン−ジビニルベンゼン、スルホン化シリカ、スルホン化フルオロポリマー及びポリスチレン支持スルホン酸並びにこれらの混合物から選択される。これらは、触媒タイプCとして分類される。
実施形態では、触媒は、鉱酸の群、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、過塩素酸、ヨウ化水素酸及びヘテロポリ酸、例えばリンタングステン酸、ケイタングステン酸から選択される。これらは、触媒タイプCとして分類される。
実施形態では、触媒は、TiO系触媒、ZrO系触媒、ボーキサイト、例えば亜鉛、鉄、ニッケル及び/又は銅をベースとする金属のダスト、粉末及び削りくずなど、MgSO、NHI、Ba(SCN)、ZnCO、ZnBr、PbCrO、KCr、BaS、CdS、LiCO、MgCl、(NHSO、Ba(SCN)、Pb(OAc)、MgCO、ジフェニルヒドロブロミド、NaHSO、BaO、ヨウ化水素酸、酸化マグネシウム、ヨウ化アンモニウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、ギ酸亜鉛、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、スズ、バナジウム、ヒ素、アンチモン及びビスマスを含めた元素周期律表の4、5、12、13、14及び15族の金属をベースとする任意のルイス酸から選択される金属酸化物である。例としては、AlCl、(アルキル)AlCl、(CAlCl及び(CAlCl、BF、SnCl、TiCl、ZnCl、SnCl、CuCl又は組み合わせが挙げられる。これらは、触媒タイプBとして分類される。
実施形態では、触媒は、カオリナイト、ハロイサイト、ディッカイトなどのカオリン群から、又はモンモリロナイト、ノントロナイト、ヘクトライト、サポナイトなどのスメクタイト群から、又は海緑石、白雲母、ソーダ雲母などのイライト/雲母群から、又はシャモサイト、クーク石、ニマイト(nimite)などの緑泥石群からの、天然又は合成粘土などのフィロケイ酸塩をベースとし、200℃〜1000℃の温度で焼成され、処理され、洗浄され、活性化され、又は鉱酸、例えば硫酸若しくは塩酸と一緒に用いられ、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄などの塩を用いて変質され、かつ/又は水などの媒体中において交換され、アルミニウムを用いて改質若しくは柱挿入される(pillared)。これらは、触媒タイプAとして分類される。
実施形態では、触媒は、ケイ素、シリカ、アルミニウム及び/又はアルミナなどの金属酸化物耐火材料をベースとする固体無機酸触媒である。他の実施形態では、触媒は、ゼオライト群からの、プロトン又はカチオン形態における、天然又は合成微孔質アルミノケイ酸をベースとする。さらに他の実施形態では、触媒は、プロトン又はカチオン形態におけるメソ孔質材料、例えば、SAPO−11、SAPO−34などのシリカアルミノリン酸塩、又はMCM−41、MCM−48などのアルミノケイ酸塩をベースとする。例示的な例としては、非晶質シリカアルミナ、ゼオライト触媒、例えば、USY、L、モルデナイト、フェリエライト、ZSM−5、β;及びケイ酸塩、例えば、SBA−15、SBA−16が挙げられ、それぞれは、0.1〜99.9%のシリカ含有量、0.1ml/g〜5ml/gの細孔サイズ及び/又は100〜1000m/gの表面積(BET)を有し、200℃〜1000℃の温度で焼成され、金属、例えば、Ni、Pt、Au、Fe、Coを支持し、処理され、洗浄され、活性化され又は鉱酸、例えば、硫酸又は塩酸と一緒に用いられる。これらは、触媒タイプAとして分類される。
用いられる触媒の量は、触媒の性質及び反応タイプ、例えば、脱炭酸又は二量体、並びに供給原料に部分的に依存する。概して、触媒担持は、ロジン酸又は二量体ロジン酸供給の重量を基準として、0.01重量%超であり、典型的に、0.05〜10重量%又は0.1〜8重量%又は0.2〜5重量%又は0.25〜2.5重量%の範囲である。
DDCR生成物:実施形態では、DDCR生成物は、50〜100重量%の量において、34〜80個の炭素原子又は34〜60個若しくは34〜40個の炭素原子又は36〜38個の炭素原子を有する、1つ以上の脂肪族、不飽和又は芳香族基を含有する、1種以上の多環式化合物を含む。多環式化合物の例としては、限定するものではないが、二量体、三量体及びより高級なオリゴマー/ポリマーが挙げられる。実施形態では、DDCRは、(I)及び(II)に示される例示的構造を有する多環式化合物を含む。
Figure 2021098854
DDCR生成物は、主に二量体種を(50重量%以上又は75%以上又は90%以上又は99%以上)、残部として、50重量%以下又は10重量%以下又は15重量%以下又は5重量%以上の量における三量体及びそれより高次のポリマー基と共に含む。
DDCR生成物は、ASTM D92による、150℃超の引火点を有する。
実施形態では、DDCR生成物は、トリプル検出アレイ及び混合カラムセットによるGPCを用いて測定される、250〜900Da又は300〜600Da又は350〜450Da又は380〜420Daの範囲であるモル質量(対ポリスチレン較正標準)を有する。
実施形態では、DDCR生成物は、ASTM D−465による、80mg KOH/g未満又は25mg KOH/g未満又は15mg KOH/g未満又は5mg KOH/g未満又は5〜10mg KOH/gの酸価を有する。
実施形態では、DDCR生成物は、ASTM E28−18により測定される、30〜160℃又は50〜125℃又は60〜120℃又は70〜115℃又は75〜110℃の環球軟化点を有する。
実施形態におけるDDCR生成物は、ASTM D6166による、0〜18又は1〜14又は2〜10のガードナー色数(ニート)を有する。水素化DDCRによる実施形態では、DDCR組成物は、12未満又は8未満又は5未満のガードナー色数を有する。
実施形態では、DDCR生成物は、ASTM D2196による、177℃において測定される、15〜1000mPa・s又は25〜500mPa・s又は35〜250mPa・sのブルックフィールド粘度を有する。
実施形態におけるDDCR生成物は、ASTM E1356による、−20℃〜110℃又は0〜90℃又は15〜75℃又は25〜65℃のガラス転移温度(T)を有する。
実施形態におけるDDCR生成物は、1.00〜1.04又は1.01〜1.03又は1.015〜1.025g/cmの密度を有する。
実施形態では、DDCR生成物は、0.6超又は0.6〜1.0、0.65〜0.9又は0.7〜0.85のT/M比(K/Da)を呈する。
実施形態では、DDCR生成物は、1.0〜1.2又は1.05〜1.15の多分散指数(PDI)(GPC)を呈する。
実施形態では、DDCR生成物は、5%未満又は3未満又は2未満又は0〜1%の酸素含有量を有することを特徴とする。DDCR中の酸素含有量(%における)は、酸素対炭素比として、すなわち、DDCR中に存在する酸素原子の合計が、存在する炭素原子の合計によって除算されたものとして計算され、酸素原子及び炭素原子の数は、原子分析から得られる。
DDCR生成物は、比較的低分子量の二量体種を主に含む、高い軟化点を有する固体であり、実施形態では、DDCR生成物は、ポリオレフィン中において低い曇り点を示し、これは非極性ポリマーとの高い相溶性を指示する。実施形態では、DDCR生成物は、ポリオレフィン中において、70℃未満又は60℃未満又は50℃未満又は40℃未満又は−30℃超又は−15℃超の曇り点を示し、出発DRA材料は、0〜200℃の温度範囲にわたって混和性ではない。
DDCRの使用:DDCR生成物は、接着剤、例えば、ホットメルト接着剤、感圧接着剤(PSA)及びフレキソ印刷用途を含むが、これらに限定されない用途に用いられ得る。DDCRはまた、ビチューメン及びアスファルト用途において、ゴム化合物及び押出加工用途において、タイヤ用途において、油田及びガス用途において、カーペット構築、路面標示などの接着剤用途において、金属コールドカット塗料、塗装用インク及びワックスにおいて、ポリマー相溶化剤、粘着付与剤、強化剤、増量剤として用いられ得る。DDCRはまた、炭化水素生成物を改質して、ナフテン含有量及び環式含有量を増加させ、添加剤溶解性を向上させて、用量を上昇させるために用いられ得る。他の用途としては、防水処理、シーラントの耐アルカリ性、耐酸性及び耐湿性、屋根材及びアスファルト道路におけるビチューメンバインダー、コーティングが挙げられる。
実施形態では、DDCRは、典型的なポリマー組成物中の脂肪族基及び芳香族基の両方との固有の相溶性によって、様々なポリマー組成物において、独特の粘弾特性及び低い曇り点を有するポリマー組成物を求めて、樹脂添加剤、例えば、粘着付与剤、可塑剤等として用いられる。DDCRによって「改質される」ポリマーは、概して、熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーなどの、先行技術における任意のポリマーであり得る。好適な熱可塑性ポリマーとしては、スチレンブロックコポリマー、ホモポリマー、コポリマー、ポリオレフィンホモポリマー、コポリマー及びプラストマー、並びにこれらのブレンドが挙げられる。
スチレンブロックコポリマーは、直鎖連続ポリマー又はラジアルポリマーであってもよい。直鎖連続ポリマーの例は、A−B−Aトリブロックであり、ここで、Aは芳香族(硬質)ブロックであり、Bはポリジエン(軟質)ブロックである。ブロックコポリマーも、ジブロック、トリブロック又はマルチブロックコポリマーであってもよい。マルチブロック及びラジカルブロックコポリマーは、硬質及び軟質セグメントの任意の組み合わせを含有することができる。市販の熱可塑性ゴムタイプポリマーは、とりわけ有用である。最も一般的な構造は、直鎖ABAブロックタイプ、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)及びスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)である。好適なブロックコポリマーの他の例としては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(S−EB−S)構造が挙げられる。ABタイプのジブロックポリマー、例えばスチレン−エチレン/プロピレン(S−EP)及びスチレン−エチレン/ブチレン(S−EB)、スチレン−ブタジエン(SB)及びスチレン−イソプレン(SI)も用いられ得る。他の水素化スチレンブロックコポリマー、例えばS−EP−S(ポリ(スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン))及び水素化ポリ−イソプレン/ブタジエン−スチレン(S−E/EP−S)ポリマーも用いられ得る。
好適なポリオレフィンとしては、チーグラー−ナッタ触媒又はメタロセン触媒を用いて作製されたものが挙げられる。メタロセン触媒又はシングルサイト触媒を用いて作製された好適なポリオレフィンの非限定例としては、プラストマー、ポリオレフィンエラストマー、メタロセン触媒を用いて作製されたEPDMポリマー;低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブチレンも挙げられる。
ポリマー組成物としては、極性エンジニアリング熱可塑性樹脂、例えば、ポリアミド(PA−6,6又はPA−6)、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート及び芳香族酸から誘導されたポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート並びにこれらの組み合わせも挙げることができる。このようなエンジニアリング熱可塑性樹脂(thermoplast)は、任意選択的に、ポリウレタン樹脂及び改質ポリカーボネートと混合されてもよい。
ポリマー組成物は、ポリブタジエン、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー及びこのようなエラストマーの混合物;ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びEPDM(エチレンプロピレンジエンモノマーゴム)並びにこれらの混合物;天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、合成ポリイソプレンゴム、エポキシ化(epoxylated)天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ニトリル−水素化ブタジエンゴムHNBR、水素化SBR、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム、エチレンプロピレンゴム、マレイン酸−改質エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、イソブチレン−芳香族ビニル又はジエンモノマーコポリマー、臭素化NR、塩素化NR、臭素化イソブチレンp−メチルスチレンコポリマー、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンホモポリマーゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキシド又はアリルグリシジルエーテルコポリマーゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテルターポリマーゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、マレイン酸改質塩素化ポリエチレン、メチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム、ポリスルフィドゴム、フッ化ビニリデンゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレンゴム、フッ素化シリコーンゴム、フッ素化ホスファゲン(phosphagen)ゴム、スチレンエラストマー、熱可塑性オレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ウレタンエラストマー及びポリアミドエラストマーから選択される、不飽和ジエンエラストマーのいずれかを含むことができる。
ポリマー組成物としては、オレフィンブロックコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、(メタ)アクリルポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル系ポリマー、フルオロポリマー、クロロフルオロポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマー、ポリ乳酸、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルスルホン、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、多糖類、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシブチレート−コ−ヒドロキシバレレート、ポリビニルブチラール、ポリエステルアミド、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート−コ−テレフタレート及びポリビニルアルコールを挙げることができる。
ポリマー組成物としては、液体ポリブテン、液体ポリイソプレンコポリマー、液体スチレン/イソプレンコポリマー若しくは液体水素化スチレン/共役ジエンコポリマー;植物油及びこれらの誘導体;又はパラフィン及び微結晶ワックスを挙げることができる。パラフィン油も用いることができる。
ポリマー組成物への添加剤として、DDCRの量は、典型的に、1〜80重量%又は5〜30重量%又は60重量%未満又は10重量%超の範囲である。
ポリマー添加剤としての用途において、DDCRは、添加剤として等量のDRAを有するポリマー組成物と比較される場合、少なくとも10℃又は20℃超又は50℃超又は100℃超又は150℃超のポリマー組成物の曇り点を低下させる。
以下の説明のための実施例は、限定するものではない。
比較例1:表1に列挙される特性を有するガムDRA(EastmanのDymerex(商標) Polymerized Rosin)。
比較例2:表1に列挙される特性を有するトール油DRA。
比較例3:35℃の曇り点を有する市販のメタロセン触媒プラストマー(DOW ChemicalのAFFINITY(商標) GA 1950)。
比較例4:比較例1のガムDRAと比較例3の市販のメタロセン触媒プラストマーとの1:1(重量)ブレンド。ブレンドは、200℃超の曇り点を有する。
比較例5:比較例2のトール油DRAと比較例3の市販のメタロセン触媒プラストマーとの1:1(重量)ブレンド。ブレンドは、200℃超の曇り点を有する。
比較例6:化石由来炭化水素樹脂(ExxonMobil ChemicalのESCOREZ(商標) 5400)と比較例3の市販のメタロセン触媒プラストマーとの1:1(重量)ブレンド。ブレンドは、24℃の曇り点を有する。
比較例7:化石由来炭化水素樹脂(ExxonMobil ChemicalのESCOREZ(商標) 5600)と比較例3の市販のメタロセン触媒プラストマーとの1:1(重量)ブレンド。ブレンドは、43℃の曇り点を有する。
実施例1:比較例1のガムDRA(1200g)を、4つ口フラスコ(2リットル)に投入し、窒素流下、180℃に加熱した。DRAを完全に融解させ、機械的に撹拌した後、触媒(IMERYSのベントナイト粘土IKOMONT DMC Classic、10重量%)を徐々に加え、280℃の典型的な最高温度まで、温度を徐々に上昇させ、この温度で反応を7時間行い、その後、300℃において3時間延長した。脱炭酸中に形成された揮発性種は蒸気として逃し、凝縮した液体部分を丸底フラスコ内に収集した。終点は、酸価をモニタリングすることによって決定した(0.5M KOH及び指示薬としてフェノールフタレインによる滴定)。混合物を冷却した後、7.8mg KOH/gの酸価を有する粗反応生成物を得た。従来の蒸留技法を用いて、沸点の差に基づく画分へのさらなる分離を行い、51.1重量%のスプリット比及び0.1mbarの真空において、底部蒸留画分としてDDCRを得た。全体収率は39重量%であった。これによる物理的特性を、表1に列挙する。
実施例2:比較例2のトール油DRA(1200g)を、4つ口フラスコ(2リットル)に投入し、窒素流下、180℃に加熱した。DRAを完全に融解させ、機械的に撹拌した後、触媒(トリフルオロメタンスルホン酸、0.1重量%)を徐々に加え、280℃の典型的な最高温度まで、温度を徐々に上昇させ、この温度で反応を4時間行った。脱炭酸中に形成された揮発性種は蒸気として逃し、凝縮した液体部分を丸底フラスコ内に収集した。終点は、酸価をモニタリングすることによって決定した(0.5M KOH及び指示薬としてフェノールフタレインによる滴定)。混合物を冷却した後、2.3mg KOH/gの酸価を有する粗反応生成物を得た。従来の蒸留技法を用いて、沸点の差に基づく画分へのさらなる分離を行い、40.7重量%のスプリット比及び0.1mbarの真空において、底部蒸留画分としてDDCRを得た。全体収率は33重量%であった。これによる物理的特性を、表1に列挙する。
実施例3:比較例2のトール油DRA(1200g)を、4つ口フラスコ(2リットル)に投入し、窒素流下、180℃に加熱した。DRAを完全に融解させ、機械的に撹拌した後、触媒(メタンスルホン酸、1重量%)を徐々に加え、280℃の典型的な最高温度まで、温度を徐々に上昇させ、この温度で反応を6時間行った。脱炭酸中に形成された揮発性種は蒸気として逃し、凝縮した液体部分を丸底フラスコ内に収集した。終点は、酸価をモニタリングすることによって決定した(0.5M KOH及び指示薬としてフェノールフタレインによる滴定)。混合物を冷却した後、3.2mg KOH/gの酸価を有する粗反応生成物を得た。従来の蒸留技法を用いて、沸点の差に基づく画分へのさらなる分離を行い、39.1重量%のスプリット比及び0.1mbarの真空において、底部蒸留画分としてDDCRを得た。全体収率は32重量%であった。これによる物理的特性を、表1に列挙する。
実施例4:比較例1のガムDRA(600g)及び比較例2のトール油DRA(600g)の1:1(重量)ブレンドを、4つ口フラスコ(2リットル)に投入し、窒素流下、180℃に加熱した。DRAブレンドを完全に融解させ、機械的に撹拌した後、触媒(メタンスルホン酸、1重量%)を徐々に加え、280℃の典型的な最高温度まで、温度を徐々に上昇させ、この温度で反応を6時間行った。脱炭酸中に形成された揮発性種は蒸気として逃し、凝縮した液体部分を丸底フラスコ内に収集した。終点は、酸価をモニタリングすることによって決定した(0.5M KOH及び指示薬としてフェノールフタレインによる滴定)。混合物を冷却した後、6mg KOH/gの酸価を有する粗反応生成物を得た。従来の蒸留技法を用いて、沸点の差に基づく画分へのさらなる分離を行い、45.9重量%のスプリット比及び0.1mbarの真空において、底部蒸留画分としてDDCRを得た。全体収率は37重量%であった。これによる物理的特性を、表1に列挙する。
実施例5−インシチュDRAの作製:Kraton Chemicalのトール油ロジンSYLVAROS(商標) HYR(2500g)を、4つ口フラスコ(2リットル)に投入し、窒素流下、180℃に加熱した。ロジンを完全に融解させ、機械的に撹拌した後、触媒(メタンスルホン酸、1重量%)を徐々に加え、5℃/時間において200℃まで(二量体フェイズ)、続いて、20℃/時間において280℃の典型的な最高温度まで温度を上昇させ、この温度で反応を12時間行った(脱炭酸フェイズ)。脱炭酸中に形成された揮発性種は蒸気として逃し、凝縮した液体部分を丸底フラスコ内に収集した。終点は、酸価をモニタリングすることによって決定した(0.5M KOH及び指示薬としてフェノールフタレインによる滴定)。混合物を冷却した後、1.5mg KOH/gの酸価を有する粗反応生成物を得た。従来の蒸留技法を用いて、沸点の差に基づく画分へのさらなる分離を行い、41.4重量%のスプリット比及び0.1mbarの真空において、底部蒸留画分としてDDCRを得た。全体収率は34重量%であった。これによる物理的特性を、表1に列挙する。
実施例6−インシチュDRAの作製:Kraton Chemicalのトール油ロジンSYLVAROS(商標) HYR(2500g)を、4つ口フラスコ(2リットル)に投入し、窒素流下、180℃に加熱した。ロジンを完全に融解させ、機械的に撹拌した後、触媒(p−トルエンスルホン酸、2重量%)を徐々に加え、5℃/時間において200℃まで(二量体フェイズ)、続いて、20℃/時間において280℃の典型的な最高温度まで温度を上昇させ、この温度で反応を12時間行った(脱炭酸フェイズ)。脱炭酸中に形成された揮発性種は蒸気として逃し、凝縮した液体部分を丸底フラスコ内に収集した。終点は、酸価をモニタリングすることによって決定した(0.5M KOH及び指示薬としてフェノールフタレインによる滴定)。混合物を冷却した後、15.1mg KOH/gの酸価を有する粗反応生成物を得た。従来の蒸留技法を用いて、沸点の差に基づく画分へのさらなる分離を行い、37.9重量%のスプリット比及び0.1mbarの真空において、底部蒸留画分としてDDCRを得た。全体収率は32重量%であった。これによる物理的特性を、表1に列挙する。
得られたDDCR画分及び粗前駆体を、例えば、二量体/ポリマー含有量、酸素含有量%、酸価、M、M、PDI、T、T/M、軟化点、ブルックフィールド粘度及び密度について、表1にまとめたように分析した。表におけるポリマー%は、三量体及びより高級なものを指す。
Figure 2021098854
実施例7:実施例1の精製DDCRと比較例3のメタロセン触媒プラストマーとの1:1(重量)ブレンド。
実施例8:実施例2の精製DDCRと比較例3のメタロセン触媒プラストマーとの1:1(重量)ブレンド。
実施例9:実施例3の精製DDCRと比較例3のメタロセン触媒プラストマーとの1:1(重量)ブレンド。
実施例10:実施例4の精製DDCRと比較例3のメタロセン触媒プラストマーとの1:1(重量)ブレンド。
実施例11:実施例5の精製DDCRと比較例3のメタロセン触媒プラストマーとの1:1(重量)ブレンド。
実施例12:実施例6の精製DDCRと比較例3のメタロセン触媒プラストマーとの1:1(重量)ブレンド。
DDCRを含むポリマー組成物の曇り点による相溶性決定:濁度測定法によって、サンプルの相溶性を評価した。Novomatics GmbHの濁度測定機器(Chemotronic High−Visc Automatic Turbidimetry Analyzer)を適用した。各サンプル(30g)を、200mmの高さ、21.25mmの外径、18.75mmの内径及び53mLの総体積を有する試験管(Verrerie Soufflee Mecanique S.Aから市販されている)に入れた。サンプルを、化学電子工学装置によって230℃に加熱し、続いて、表2に示される機器設定によって、20℃に冷却した。
Figure 2021098854
化学電子工学機器の濁度検出システムは、光透過率に基づく。原理において、濁度は、液体中の懸濁粒子に起因する吸収によって検出され、曇り点に関連し、不相溶性の度合いに定性的に関連し得る。溶融ホットメルト接着剤サンプルを通じた光透過の度合い対温度を、20℃〜230℃の温度範囲にわたって測定した。得られる関係は、グラフ上の図示として表される。光透過率は%透過光として与えられ、温度は℃として提示される。光透過パーセンテージの低さは、濁度の度合いの高さに関係することによって、高い曇り点温度の指標として機能し、与えられた温度値において又は与えられた温度範囲にわたって、測定される材料ブレンドの相溶性の度合いの低さに関係する。50%透過率における温度が、曇り点温度として記録された。
関係する0℃〜140℃の温度範囲における曇り点の結果は、表3に記述される。表1の材料と市販のメタロセン触媒ポリオレフィン(mPO)AFFINITY(商標) GA 1950とのブレンド(1:1、重量)を調製した。比較例4及び5は、温度範囲全体にわたって混和性ではなかった。予想外なことに、実施例7〜12のブレンドは、低温を含めた広い温度範囲にわたって相溶性を示し、これによって、予想外に低い曇り点が記録された。これによって、予想外に独特の粘弾特性を有するポリマー組成物を生成することが可能となる。
Figure 2021098854

Claims (15)

  1. 1つ以上の脂肪族、不飽和又は芳香族基及び34〜80個の炭素原子を有する、50〜100重量%の多環式炭化水素化合物を含む二量体脱炭酸ロジン(DDCR)組成物であって、
    該組成物が、
    ゲル浸透クロマトグラフィー及びポリスチレン較正標準を用いて測定される、250〜900Daの分子量M;並びに
    5未満の酸素対炭素比
    を有し、
    該組成物が、二量体ロジン酸を脱炭酸することによって又は脱炭酸ロジンを二量化することによって形成される、
    DDCR組成物。
  2. ASTM D465を用いて測定される、80mg KOH/g未満の酸価;
    ASTM D92による150℃超の引火点;
    ASTM E28−18による30〜160℃の環球軟化点;
    ASTM D6166による0〜18のガードナー色数(ニート);
    177℃、ASTM D2196による15〜1000mPa・sのブルックフィールド粘度;
    ASTM E1356による−20〜110℃のガラス転移温度(Tg);及び
    1.00〜1.04の密度;
    1.0〜1.2の多分散指数;
    0.6超のT/M(K/Da)比;及び
    70℃未満のポリオレフィン中の曇り点
    のうちの1つ以上を有することを特徴とする、請求項1に記載のDDCR組成物。
  3. 50重量%超の二量体種、並びに残部の三量体種及びそれより高次の多量体種を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のDDCR組成物。
  4. 二量体ロジン酸を脱炭酸することが、
    二量体ロジン酸を含む供給原料を準備すること;
    脱炭酸反応において、前記二量体ロジン酸を含む前記供給原料を触媒と共に200〜400℃の温度で加熱して、モノマー脱炭酸ロジン、二量体ロジン酸、二量体脱炭酸ロジン及び残部の多量体種を含有する混合物中に粗二量体脱炭酸ロジン(DDCR)を形成すること;並びに
    前記粗二量体脱炭酸ロジン(DDCR)を含有する前記混合物を、前記モノマー脱炭酸ロジン、前記二量体ロジン酸、前記二量体脱炭酸ロジン及び前記残部の多量体種の沸点の差に基づく分離に供してDDCR組成物を形成し、該DDCR組成物が、少なくとも50重量%の二量体種を含有すること
    を含む、請求項1又は2に記載のDDCR組成物。
  5. 二量体ロジン酸を含む供給原料を準備することが、
    ロジン酸を含む供給原料を準備すること;
    二量化反応において、前記ロジン酸を含む前記供給原料を触媒と共に−80〜200℃の温度で加熱して、ロジン酸及び二量体ロジン酸を含有する混合物中に前記二量体ロジン酸(DRA)を形成すること
    を含む、請求項4に記載のDDCR組成物。
  6. 脱炭酸ロジンを二量化することが、
    二量体ロジン酸を含む供給原料を準備すること;
    脱炭酸反応において、前記二量体ロジン酸を含む前記供給原料を触媒と共に200〜400℃の温度で加熱して、脱炭酸ロジンを形成すること;
    二量化反応において、前記脱炭酸ロジンを触媒と共に−80〜200℃の温度で加熱して、モノマー脱炭酸ロジン、二量体ロジン酸、二量体脱炭酸ロジン及び残部の多量体種を含有する混合物中に粗二量体脱炭酸ロジン(DDCR)を形成すること;並びに
    前記粗二量体脱炭酸ロジン(DDCR)を含有する前記混合物を、前記モノマー脱炭酸ロジン、前記二量体ロジン酸、前記二量体脱炭酸ロジン及び前記残部の多量体種の沸点の差に基づく分離に供してDDCR組成物を形成し、該DDCR組成物が、少なくとも50重量%の二量体種を含有すること
    を含む、請求項1又は2に記載のDDCR組成物。
  7. 前記組成物が水素化されており、当該水素化DDCR組成物が、5未満のガードナー色数を有する、請求項1又は2に記載のDDCR組成物。
  8. 1〜80重量%の請求項1又は2に記載のDDCR組成物と、スチレンブロックコポリマー、ポリオレフィン、プラストマー、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリプロピレンテレフタレート、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、合成ポリイソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ニトリル−水素化ブタジエンゴムNHBR、水素化スチレン−ブタジエンゴムHSBR、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム、エチレンプロピレンゴム、マレイン酸改質エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、イソブチレン−芳香族ビニル又はジエンモノマーコポリマー、臭素化NR、塩素化NR、臭素化イソブチレンp−メチルスチレンコポリマー、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンホモポリマーゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキシド又はアリルグリシジルエーテルコポリマーゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテルターポリマーゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、マレイン酸改質塩素化ポリエチレン、メチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム、ポリスルフィドゴム、フッ化ビニリデンゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレンゴム、フッ素化シリコーンゴム、フッ素化ホスファゲンゴム、スチレンエラストマー、熱可塑性オレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ウレタンエラストマー及びポリアミドエラストマーから選択されるポリマーとを少なくとも含む、ポリマー組成物。
  9. 請求項8に記載の組成物を含む物品。
  10. 二量体脱炭酸ロジン(DDCR)組成物を形成するための方法であって、
    二量体ロジン酸(DRA)を含む供給原料を準備すること;
    脱炭酸反応において、前記二量体ロジン酸(DRA)を含む前記供給原料を触媒と共に200〜400℃の温度で加熱して、モノマー脱炭酸ロジン、二量体ロジン酸、二量体脱炭酸ロジン及び残部の多量体種を含有する混合物中に粗二量体脱炭酸ロジン(DDCR)を形成すること;並びに
    前記粗二量体脱炭酸ロジン(DDCR)を含有する前記混合物を、前記モノマー脱炭酸ロジン、前記二量体ロジン酸、前記二量体脱炭酸ロジン及び前記残部の多量体種の沸点の差に基づく分離に供してDDCR組成物を形成すること
    を含み、
    前記DDCR組成物が、1つ以上の脂肪族、不飽和又は芳香族基及び34〜80個の炭素原子を有する、50〜100重量%の多環式炭化水素化合物を含み、
    前記DDCR組成物が、ASTM D465を用いて測定される、80mg KOH/g未満の酸価;ゲル浸透クロマトグラフィー及びポリスチレン較正標準を用いて測定される、250〜900Daの分子量M;並びに5%未満の酸素対炭素比を有する、
    方法。
  11. 前記二量体ロジン酸(DRA)供給原料を準備することが、二量化反応において、ロジン酸を含む供給原料を触媒と共に−80〜200℃の温度で加熱して、前記二量体ロジン酸(DRA)を形成することを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 二量体脱炭酸ロジン(DDCR)組成物を形成するための方法であって、
    ロジン酸を含む供給原料を準備すること;
    脱炭酸反応において、ロジン酸を含む供給原料を触媒と共に200〜400℃の温度で加熱して、脱炭酸ロジンを形成すること;
    二量化反応において、前記脱炭酸ロジンを触媒と共に−80〜200℃の温度で加熱して、モノマー脱炭酸ロジン、二量体ロジン酸、二量体脱炭酸ロジン及び残部の多量体種を含有する混合物中に粗二量体脱炭酸ロジン(DDCR)を形成すること;並びに
    前記粗二量体脱炭酸ロジン(DDCR)を含有する前記混合物を、前記モノマー脱炭酸ロジン、前記二量体ロジン酸、前記二量体脱炭酸ロジン及び前記残部の多量体種の沸点の差に基づく分離に供して、DDCR組成物を形成すること
    を含み、
    前記DDCR組成物が、1つ以上の脂肪族、不飽和又は芳香族基及び34〜80個の炭素原子を有する、50〜100重量%の多環式炭化水素化合物を含み、
    前記DDCR組成物が、ASTM D465に従って、80mg KOH/g未満の酸価;ゲル浸透クロマトグラフィー及びポリスチレン較正標準を用いて測定される、250〜900Daの分子量M;並びに5%未満の酸素対炭素比を有する、
    方法。
  13. 前記脱炭酸反応に使用される前記触媒が、有機及び無機リン酸種、フィロケイ酸塩、金属酸化物耐火材料をベースとする固体無機酸触媒、有機及び無機硫黄種、並びに鉱酸の群から選択される、請求項10及び12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記二量化反応が、溶媒中で、該溶媒の凝固点から沸点の温度で行われる、請求項12に記載の方法。
  15. 前記二量化反応に使用される前記触媒が、金属酸化物系触媒、TiO系触媒、ZrO系触媒、ボーキサイト、MgSO、NHI、Ba(SCN)、ZnCO、ZnBr、PbCrO、KCr、BaS、CdS、LiCO、MgCl、(NHSO、Ba(SCN)、Pb(OAc)、MgCO、ジフェニルヒドロブロミド、NaHSO、BaO、ヨウ化水素酸、酸化マグネシウム、ヨウ化アンモニウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、ギ酸亜鉛、元素周期律表の4、5、12、13、14及び15族の金属をベースとするルイス酸、有機及び無機硫黄種、鉱酸並びにこれらの混合物の群から選択される、請求項12に記載の方法。
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