JP2021098396A - 貨物自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両などの搭載物を、ワイヤーで荷台に無理なく速やかに引き上げる。【解決手段】貨物自動車は、荷台1の前部に上下に伸びる姿勢で固定された支持部材20と、荷台1の前部に固定されたウインチ3と、ウインチ3で巻き取られるワイヤー33を掛ける、係止部6aを有する滑車6と、支持部材20に固定されて滑車6の係止部6aを脱着自在に連結する脱着連結部4とを備えている。脱着連結部4は、支持部材20に固定された連結プレート5Xからなる複数の連結材5を備え、連結プレート5Xは、荷台1の幅方向及び/又は上下方向に伸びる姿勢で支持部材20に固定され、かつ滑車6の係止部6aを脱着自在に連結する複数の連結穴5xを長手方向に離して設けており、滑車6の係止部6aを選択された連結穴6aに連結して、滑車6の連結位置を荷台1の上下左右に変更できる構造としている。【選択図】図4

Description

本発明は、主として自動車や重機等の搭載物の移送に使用される貨物自動車に関し、とくに荷台の側部にウインチを設けて、このウインチでワイヤーを巻き取って故障車などの搭載物を荷台に引き上げて輸送する貨物自動車に関する。
故障車等の搭載物を荷台に引き上げて移送する貨物自動車は、アウトリガーやシリンダで荷台を後端に向かって下り勾配に傾斜し、あるいは荷台の後端に連結している歩み板を倒して、自動車や重機にワイヤーを連結し、このワイヤーをウインチで巻き取って故障車などを荷台に引き上げる機構を装備している(特許文献1)。
この構造の貨物自動車は、ウインチでワイヤーを巻き取って、ワイヤーを連結している車両を荷台に引き上げるので、自走できない故障車等を荷台に搭載できる。この貨物自動車は、荷台の前部中央にウインチを配置し、このウインチでワイヤーを巻き取って故障車などを荷台に引き上げることができる。しかしながら、ウインチを荷台の中央部に配置する貨物自動車は、全ての自動車や重機などの搭載物を速やかに荷台の中央部に引き上げるのが難しい欠点がある。それは、自動車や重機等が、必ずしも車両の中央部にワイヤーを引っ掛けるフックを固定していないからである。とくに、重い車両であるトラック等は、ラダーフレームの一方の先端にフックを固定しているので、フックが車両の中央部から横に離れた位置にある。この車両をスムーズに荷台に引き上げるために、図12に示すように、荷台91の前部に固定している鳥居92の左右2カ所に、ワイヤー94を掛ける滑車96を連結する滑車取付環95を設けて、ウインチ93を荷台91の前部の片側に配置している。ウインチ93は、横方向にワイヤー94を引っ張り、滑車96でワイヤー94の引っ張り方向を横方向から荷台91の長手方向に変更している。
特開2000−281287号公報
この貨物自動車90は、図12に示すように、搭載物99である車両99Aに連結しているワイヤー94をウインチ93で横方向に引っ張って巻き取り、滑車96でワイヤー94の引っ張り方向を荷台91の長手方向として車両99Aを荷台91に引き上げることができる。この構造は、滑車96を連結する滑車取付環95を何れかに選択して、ワイヤー94の引っ張り位置を荷台91の左右2カ所に変更できる。
貨物自動車は、ワイヤーの引っ張り方向を荷台の長手方向と平行な方向として、車両等の搭載物を左右に位置ずれなく荷台に引き上げできる。この状態は、滑車によるワイヤーの引っ張り位置と、荷台に引き上げられる車両に設けたフック位置を、荷台と車両の幅方向において一致させることで実現できる。荷台には種々の車両が引き上げられるが、全ての車両においてフックの幅方向の位置は同じはない。したがって、滑車取付環を2カ所に選択して、ワイヤーの引っ張り位置を常に理想的な位置として、ワイヤーを荷台の長手方向に平行にはできない。車両等の搭載物に固定しているフックの位置は、車種によって、幅方向で異なり、また、上下方向でも一定でない。車両のフック位置とワイヤーの引っ張り位置の幅方向のズレは、車両が滑車に接近するにしたがって、車両を横方向に位置ずれさせると共に、フックに無理な荷重がかかる原因となる。
図12は、車両99Aに連結したワイヤー94が荷台91に対して傾斜する状態を示している。図12においては、車両99Aのフック位置と、ワイヤー94の引っ張り位置とが幅方向に位置ずれしているので、車両99Aが滑車96に接近するにしたがって、荷台91の長手方向に対するワイヤー94の傾斜角(α)が大きくなる。車両99Aを斜めに引き上げるワイヤー94は、車両99Aの引き上げ力(F1)と、車両99Aを幅方向に引っ張る位置ずれ力(F2)とが作用する。車両99Aが滑車96に接近するに従ってワイヤー94の連結角(α)が大きくなるので、位置ずれ力(F2)も車両99Aが滑車96に接近するに従って大きくなる。したがって、車両99Aが滑車96に接近するにしたがって、横方向に位置ずれしやすく、車両99Aを荷台91の中央部に搭載できなくなる。また、車両99Aの引き上げ力(F1)と、位置ずれ力(F2)は、以下の式で示すように変化する。ただし、以下の式において、Wはワイヤー94の引っ張り力、すなわちワイヤー94のテンションである。
F1=Wcosα
F2=Wsinα
以上の式で示すように、ワイヤー94の傾斜角(α)が大きくなるにしたがって、ワイヤー94のテンション(W)に対する車両99Aの引き上げ力(F1)は減少し、位置ずれ力(F2)は大きくなるので、車両99Aが滑車96に接近するにしたがって、ワイヤー94のテンション(W)を大きく、すなわちウインチ93の巻き取りトルクを大きくする必要がある。さらに、車両99Aが滑車96に接近するにしたがって、ワイヤー94のテンション(W)を強くして、車両99Aを荷台91に引き上げる必要があり、さらに、ワイヤー94のテンション(W)に対する車両99Aの位置ずれ力(F2)も大きくなるので、車両99Aが滑車96に接近するに従って、車両99Aを横方向に引っ張る力が著しく増加して、車両99Aのフック99x等に過大な荷重が作用する欠点もある。
本発明は、従来の以上の欠点を解消することを目的として開発されたもので、本発明の大切な目的は、種々の自動車や重機などの搭載物にワイヤーを連結し、このワイヤーを牽引して搭載物を無理なく速やかに荷台の最適位置に引き上げできる貨物自動車を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のある態様の貨物自動車は、荷台1の前部に上下に伸びる姿勢で固定された支持部材20と、荷台1の前部に固定されたウインチ3と、ウインチ3で巻き取られるワイヤー33を掛ける、係止部6aを有する滑車6と、支持部材20に固定されて滑車6の係止部6aを脱着自在に連結する脱着連結部4とを備えている。脱着連結部4は、支持部材20に固定された連結プレート5Xからなる複数の連結材5を備え、連結プレート5Xは、荷台1の幅方向及び/又は上下方向に伸びる姿勢で支持部材20に固定され、かつ滑車6の係止部6aを脱着自在に連結する複数の連結穴5xを長手方向に離して設けており、滑車6の係止部6aを選択された連結穴6aに連結して、滑車6の連結位置を荷台1の上下左右に変更できる構造としている。
以上の貨物自動車は、種々の自動車や重機などの搭載物にワイヤーを連結し、このワイヤーをウインチで巻き取って搭載物を無理なく速やかに荷台の最適位置に引き上げできる特徴がある。それは、以上の貨物自動車が、荷台の前部に上下に伸びる姿勢で固定された支持部材に脱着連結部を設けると共に、この脱着連結部は、連結プレートからなる複数の連結材を備えており、連結プレートが、荷台の幅方向や上下方向に伸びる姿勢で支持部材に固定されると共に、滑車の係止部を脱着自在に連結する複数の連結穴を長手方向に離して設けており、滑車の係止部を選択された連結穴に連結して、滑車の連結位置を上下方向の最適位置のみでなく、左右の最適位置も調整することで、滑車を最適位置に配置し、この滑車でワイヤーを牽引して、搭載物を荷台の好ましい位置に引き上げるからである。
荷台に引き上げられる自動車や重機等の搭載物は、ワイヤーを引っ掛けるためにフックを前部に固定しているが、車種によってフックの位置が異なる。貨物自動車は、図3に示すように、搭載物を荷台に引き上げた状態で、搭載物である車両のフック位置と滑車位置とを同じ位置に配置して、速やかに搭載物を荷台の最適位置に引き上げできる。搭載物のフック位置と滑車の位置がずれると、ワイヤーやフックに無理な力が作用して、速やかに搭載物を荷台の最適位置に引き上げできない。搭載物が荷台に引き上げられた状態で、搭載物を荷台の横方向にずらし、あるいは搭載物の姿勢を変更して搭載位置や姿勢を調整する必要があるからである。以上の貨物自動車は、連結プレートからなる複数の連結材に設けた複数の連結穴を選択して滑車を連結できるので、滑車の連結位置を上下左右の最適位置として、搭載物を速やかに荷台の最適位置と姿勢で引き上げできる。また、幅方向や上下方向に伸びる姿勢で設けている複数の連結プレートに、複数の連結穴を設ける極めて簡単な構造としながら、滑車の連結位置を上下左右の多数位置に設けることができる特徴も実現する。
本発明の他の態様の貨物自動車は、荷台1の前部に上下に伸びる姿勢で固定された支持部材20と、荷台1の前部に固定されたウインチ3と、ウインチ3で巻き取られるワイヤー33を掛ける、係止部6aを有する滑車6と、支持部材20に固定されて滑車6の係止部6aを脱着自在に連結する脱着連結部4とを備えている。脱着連結部4は、支持部材20に固定された連結ロッド5Yからなる複数の連結材5を備え、連結ロッド5Yは、荷台1の幅方向及び/又は上下方向に伸びる姿勢で支持部材20に固定され、かつ支持部材20との間に滑車6の係止部6aを脱着自在に連結するための連結隙間27を設けて、支持部材20に固定され、滑車6の係止部6aを連結ロッド5Yの選択された位置に連結して、滑車6の連結位置を荷台1の上下左右に変更できる構造としている。
以上の貨物自動車は、種々の自動車や重機などの搭載物にワイヤーを連結し、このワイヤーをウインチで巻き取って搭載物を無理なく速やかに荷台の最適位置に引き上げできる特徴がある。それは、以上の貨物自動車が、荷台の前部に上下に伸びる姿勢で固定された支持部材に脱着連結部を設けると共に、この脱着連結部は、連結ロッドからなる複数の連結材を備えており、連結ロッドが、荷台の幅方向や上下方向に伸びる姿勢で支持部材に固定されると共に、支持部材との間に滑車の係止部を脱着自在に連結するための連結隙間を設けて支持部材に固定されており、滑車の係止部を連結ロッドの選択された位置に連結して、滑車の連結位置を上下方向の最適位置のみでなく、左右の最適位置も調整することで、滑車を最適位置に配置し、この滑車でワイヤーを牽引して、搭載物を荷台の好ましい位置に引き上げるからである。
以上の貨物自動車は、荷台の幅方向や上下方向に伸びる姿勢で支持部材に固定された複数の連結ロッドに対して、滑車の係止部を選択された位置に連結できるので、滑車の連結位置を上下左右の最適位置として、搭載物を速やかに荷台の最適位置と姿勢で引き上げできる。また、複数の連結ロッドを幅方向や上下方向に伸びる姿勢で支持部材に固定する極めて簡単な構造としながら、滑車の係止部を連結する連結箇所を上下左右の多数位置に設けることができる特徴も実現する。
本発明は、貨物自動車を以下に限定するものではないが、以下の構成とすることができる。本発明の貨物自動車は、支持部材20を、荷台1の両側に垂直姿勢に固定してなる一対のサイドフレーム21と、一対のサイドフレーム21に固定してなる金属プレート24とを備える鳥居2とすることができる。
本発明の貨物自動車は、支持部材20を、荷台1の両側に垂直姿勢に固定してなる一対のサイドフレーム21と、一対のサイドフレーム21に固定してなる金属プレート24とを備える鳥居2として、連結プレート5Xを、金属プレート24に垂直姿勢で固定することができる。
以上の貨物自動車は、連結プレートが補強リブの作用をして鳥居の金属プレートを補強して曲げ強度を向上し、補強された金属プレートに固定している連結プレートの貫通穴に滑車を連結する。この構造は、滑車の連結位置を上下左右に調整しながら、滑車を強固な連結構造で鳥居に連結できる。この構造は、ワイヤーを強い牽引力で引っ張って、重い搭載物を速やかに荷台に引き上げながら、鳥居や滑車の連結部の変形、歪み、損傷を防止して安全に搭載物を荷台に引き上げできる。
本発明の貨物自動車は、支持部材20を、荷台1の両側に垂直姿勢に固定してなる一対のサイドフレーム21と、一対のサイドフレーム21に固定してなる金属プレート24とを備える鳥居2として、連結ロッド5Yを、金属プレート24との間に連結隙間27を設けて鳥居2に固定することができる。
以上の貨物自動車は、鳥居の金属プレートとの間に連結隙間ができるように複数の連結ロッドを固定することで、滑車の係止部を連結ロッドに対して簡単かつ容易に連結できる。
本発明の貨物自動車は、複数の連結材5を、所定の間隔で平行又はほぼ平行な姿勢で配設することができる。
本発明の貨物自動車は、連結材5を、碁盤格子状に支持部材20に固定することができる。
以上の貨物自動車は、複数の連結材を碁盤格子状として、互いに交点で連結して支持部材に固定するので、互いに交差する連結材同士を補強して曲げ強度をさらに向上できる。また、複数の連結材を碁盤格子状に配置するので、滑車の係止部が連結される連結位置を上下左右の多数位置に配置できる。このため、滑車を理想的な位置に連結して、種々の搭載物を、ワイヤーと滑車とで好ましい状態で荷台の最適位置に引き上げできる特徴がある。
さらにまた、本発明の貨物自動車は、さらに、ウインチ3で巻き取られるワイヤー33を掛けるサブ滑車7を備え、ウインチ3がワイヤー33を巻き取るドラム32を備えて、このドラム32の回転軸が荷台1の長手方向となるように、ウインチ3を荷台1の前方の片側に配置し、サブ滑車7を、荷台1の前部であって、ウインチ3と反対側の片側に配置して、ウインチ3から引き出されたワイヤー33を、サブ滑車7を介して滑車5に掛けることができる。
以上の貨物自動車は、ウインチを荷台の前部の片側に配置して、ワイヤーを巻き取るドラムの回転軸が荷台の長手方向となるように配置すると共に、ウインチと反対側の片側に配置されたサブ滑車を介して、脱着連結部に連結された滑車にワイヤーを掛けるので、ワイヤーをウインチで荷台の幅方向に巻き取りながら、サブ滑車と滑車を介して、ワイヤーの引っ張り方向を荷台の長手方向に変えて、理想的に引き上げできる。とくに、回転軸が荷台の長手方向に配置されたウインチから引き出されるワイヤーを、ウインチと対向する位置に配置されたサブ滑車を介して滑車に掛けるので、ワイヤーをドラムに対して理想的に引き出し、また巻き取りできる特長が実現できる。
本発明の実施形態1にかかる貨物自動車の側面図である。 図1の貨物自動車の荷台を傾斜させた状態を示す側面図である。 図2に示す貨物自動車の荷台部分を示す平面図である。 図1に示す貨物自動車の鳥居の部分を示す斜視図である。 図4に示す鳥居の垂直横断面図である。 鳥居に設けた脱着連結部の他の一例を示す斜視図である。 鳥居に設けた脱着連結部の他の一例を示す斜視図である。 本発明の実施形態2にかかる貨物自動車のの鳥居の部分を示す斜視図である。 図8に示す鳥居の垂直横断面図である。 鳥居に設けた脱着連結部の他の一例を示す斜視図である。 鳥居に設けた脱着連結部の他の一例を示す斜視図である。 従来の貨物自動車がウインチで車両を引き上げる状態を示す概略平面図である。
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
[実施形態1]
本発明の実施形態1にかかる貨物自動車を図1〜図4に示す。図1は貨物自動車の側面図を、図2は図1の貨物自動車の荷台を傾斜させた状態を示す側面図を、図3は貨物自動車の平面図を、図4は荷台の鳥居の部分を示す拡大斜視図をそれぞれ示している。本発明の貨物自動車は、自動車や重機等の搭載物を載せて運搬するために使用される。図1〜図3に示す貨物自動車100は、運転室であるキャビン11の後方に、搭載物9を積載する荷台1を設けている。
図の貨物自動車100は、荷台1の前部に上下に伸びる姿勢で固定された支持部材20と、荷台1の前部に固定されたウインチ3と、ウインチ3で巻き取られるワイヤー33を掛ける滑車6と、支持部材20に固定されて滑車6の係止部6aを脱着自在に連結する脱着連結部4とを備えている。図の貨物自動車100は、水平姿勢の荷台1の前部にウインチ3を固定している。ウインチ3で巻き取られるワイヤー33は、滑車6で張り方向を変更して搭載物9に連結される。荷台1の前部には、滑車6を脱着自在に連結する脱着連結部4を設けている。図の貨物自動車100は、支持部材20を、荷台1の前部に垂直姿勢で設けた鳥居2としており、この鳥居2に脱着連結部4を設けている。図に示す脱着連結部4は、支持部材20に固定された連結プレート5Xからなる複数の連結材5を備えている。連結プレート5Xは、荷台1の幅方向及び/又は上下方向に伸びる姿勢で支持部材20に固定されている。複数の連結プレート5Xは、図4に示すように、所定の間隔で平行又はほぼ平行な姿勢で垂直面内に配置される。この連結プレート5Xは、滑車6のフック等である係止部6aを脱着自在に連結するために複数の連結穴5xを長手方向に離して設けている。貨物自動車100は、滑車6の係止部6aを特定の連結穴5xに連結することで、滑車6の連結位置を上下左右に変更する。特定の位置に配置された滑車6でワイヤー33の張り方向を変更し、ウインチ3でワイヤー33を巻き取って搭載物9を荷台1に引き上げる。
以上の貨物自動車100は、荷台1の前方に運転室のキャビン11を設けている。荷台1とキャビン11はシャーシーフレーム10に設けている。図1の荷台1は、シャーシーフレーム10の上に水平に配置しており、その上面には、搭載物9を載せるデッキプレート13を設けている。荷台1のデッキプレート13は、搭載物9を載せる重量に耐える金属板である。荷台1の前部には垂直姿勢の鳥居2を固定している。さらに荷台1は、前部の片側にウインチ3を固定している。
図の貨物自動車100は、搭載物9を荷台1に載せやすいように、シャシーフレーム10の上に配置した荷台1を傾斜させて、後方にスライドさせる構造としている。この貨物自動車は、荷台を傾斜させる傾斜機構15と、荷台1をレール16に沿って後方にスライドさせるスライド機構(図示せず)とを備えている。さらに、貨物自動車100は、荷台1に搭載物9を引き上げるために、荷台1の後端に歩み板12を連結している。この歩み板12は、荷台1の後端に傾動できるように連結している。この貨物自動車100は、搭載物9を荷台1に引き上げるときは、荷台1を後方にスライドさせる状態で歩み板12を後方に倒し、先端を地面に接触する状態として、搭載物9を歩み板12から荷台1に引き上げる。
ただ、貨物自動車は、荷台を下り勾配に傾斜させるために、車両全体を傾斜させる構造とすることもできる。車両全体を傾斜させる貨物自動車は、図示しないが、傾斜機構として、荷台の前部の両側にアウトリガーを備えることができる。アウトリガーは、例えば、油圧シリンダで伸縮脚を伸縮して貨物自動車を傾動させる。アウトリガーで車両全体を傾斜させる貨物自動車は、荷台をシャーシーフレームに固定することができる。
ウインチ3は、搭載物9を荷台1に引き上げるワイヤー33を巻き取るドラム32を備える。ドラム32は、油圧モータ31で回転されてワイヤー33を巻き取る。油圧モータ31はドラム32を正逆に回転して、ワイヤー33を引き出し、またはワイヤー33を巻き取って搭載物9を荷台1に引き上げる。ウインチ3は、荷台1の片側に配置されて、回転軸が荷台1の長手方向、すなわち荷台1の縦方向となる姿勢で荷台1に固定される。ただし、ウインチ3は、後述する滑車6を介してワイヤー33を巻き取ることができるので、ドラムの回転軸の方向は特定されない。滑車6がワイヤー33の引っ張り方向を変更できるからである。
図4の荷台1は、デッキプレート13に開口部13Aを設けて、開口部13Aの内側にウインチ3を配置している。この構造は、ウインチ3を荷台1の低い位置に固定できる。荷台1の片側に設けられた図3のウインチ3は、ワイヤー33を荷台1の横方向に牽引して搭載物9を荷台1に引き上げる。ウインチ3で横方向に引っ張られるワイヤー33は、滑車6で引っ張り方向を変更して、搭載物9を荷台1に引き上げる。
図4は、支持部材20である鳥居2に設けた脱着連結部4に連結された滑車6と、荷台1の片側であってウインチ3と反対側に連結されたサブ滑車7とにワイヤー33を掛けて、搭載物9を荷台1に引き上げる状態を示している。サブ滑車7は、荷台1に固定された連結部材14に連結している。連結部材14は、例えば、U字状に湾曲された金属ロッド、あるいは金属リングであって、荷台1の上面に固定される。この構造は、荷台1の片側に配置されたウインチ3から引き出されるワイヤー33を、ウインチ3の反対側の片側に配置されたサブ滑車7を介して、脱着連結部4に連結された滑車6に掛けるので、ウインチ3でワイヤー33を荷台1の幅方向に巻き取りながら、サブ滑車7と滑車6を介して、ワイヤー33の引っ張り方向を荷台1の長手方向に変えて理想的に引き上げできる。とくに、ウインチ3のドラム32の回転軸を荷台1の長手方向としながら、ウインチ3と対向する位置に配置されたサブ滑車7に向かってワイヤー33を張設できるので、ワイヤー33をドラム32に対して理想的に引き出し、また巻き取りできる。
ただ、本発明の貨物自動車は、必ずしもサブ滑車を設ける必要はなくウインチから引き出されるワイヤーを、脱着連結部に連結された滑車に直接掛けて引っ張り方向を変えることもできる。したがって、貨物自動車は、ウインチのドラムの回転軸の方向を、必ずしも荷台の長手方向に特定する必要はない。貨物自動車は、荷台の片側に配置されるウインチのドラムの回転軸の向きを、荷台の長手方向に対して傾斜させる事もできる。
支持部材20は、荷台1の両側に垂直姿勢に固定してなる一対のサイドフレーム21と、一対のサイドフレーム21に固定してなる金属プレート24とを備えており、荷台の前部に垂直姿勢で配置された鳥居2を構成している。脱着連結部4を設けている鳥居2は、図4と図5に示すように、サイドフレーム21の下端を荷台1の両側に溶接している。サイドフレーム21は、荷台1の両側に垂直姿勢に固定され、上端には梁フレーム22を連結して枠フレームを構成している。鳥居2は、梁フレーム22の下方に、水平姿勢に中間フレーム23を設けている。中間フレーム23は両端をサイドフレーム21の内側に溶接して固定している。さらに、図4と図5に示す鳥居2は、一対のサイドフレーム21に連結された金属プレート24を備えている。左右のサイドフレーム21と中間フレーム23は、キャビン側の表面に、第1の金属プレート24Aを溶接して固定している。第1の金属プレート24Aは、両側にサイドフレーム21を溶接して、上縁には中間フレーム23を溶接している。
サイドフレーム21は、金属板を溝形に折曲加工した金属フレームで、下方に向かって溝幅、すなわち荷台1の長手方向の横幅を広くしている。このサイドフレーム21は、荷台1の長手方向の横幅を次第に広くすることで、荷台1の長手方向の曲げ強度を強くできる。梁フレーム22は、溝形に折曲加工した金属板で、溝の開口部を下向きとして、両端をサイドフレーム21に溶接して固定している。図に示すサイドフレーム21と梁フレーム22は、金属板を曲げ加工して溝形としているが、金属製の角筒、あるいはL字状に折曲加工した金属板、あるいは型鋼など、滑車に作用する引っ張り力に耐える曲げ強度の全ての構造材が使用できる。
中間フレーム23は、上プレート23Aの下面の両側に、荷台1の幅方向に伸びる両側リブ23Bを2列に固定している。さらに、2列の両側リブ23Bの間には、両側リブ23Bに直交する姿勢で複数列に交差リブ23Cを固定している。両側リブ23Bと交差リブ23Cは、金属製の四角筒、あるいは溝形に折曲加工した金属板で、両端をサイドフレーム21に溶接して、上面を上プレートに溶接して固定している。
さらに、図5の鳥居2は、中間フレーム23の下方であって、一対のサイドフレーム21の間には、所定の間隔で複数列の縦リブ25を設けている。縦リブ25は金属製の角筒、又は溝形に折曲加工した金属板で、キャビン側に固定された第1の金属プレート24Aの表面に溶接して固定している。縦リブ25は、上下に伸び、かつ互いに平行な姿勢で、鳥居2の第1の金属プレート24Aに固定している。また、縦リブ25は、上端を中間フレーム23の下面に、下端をデッキプレート13の上面に、それぞれ溶接して固定している。さらに、複数列の縦リブ25は、荷台1側の表面に、金属板であるの第2の金属プレート24Bを溶接して固定している。この第2の金属プレート23Bは、鳥居2の左右の両端部を除く中央部分であって、脱着連結部4を設ける部分に対応して設けている。ただ、第2の金属プレート24Bは、両端を左右のサイドフレーム21まで延長すると共に、サイドフレーム21に溶接して固定することもできる。以上の第2の金属プレート24Bは、その表面に、後述する連結プレート5Xである連結材5が垂直姿勢で溶接して固定されて脱着連結部4が形成される。
鳥居2は、中間フレーム23の下方を、滑車6の脱着連結部4として、脱着連結部4に連結プレート5Xである複数の連結材5を固定している。図4と図5の鳥居2は、中間フレーム23の下方の両側に、作業に使用する器具の収納部26を設けて、中央部に滑車6の脱着連結部4を設けている。この構造の鳥居2は、滑車6の脱着連結部4を設けない両側部を収納部26として、便利に利用できる。滑車6を連結する脱着連結部4の水平方向と垂直方向の幅は、ここに連結する滑車6で、ワイヤー33の張り方向を理想的な状態にできるように設定する。脱着連結部4の好ましい横幅(D)は、鳥居2全体の横幅の50%よりも広く、より好ましくは60%よりも広く設定することができる。中間フレーム23の下方を脱着連結部4とする鳥居2は、脱着連結部4の垂直方向の高さ(H)を中間フレームの位置で特定できる。この鳥居2は、下方に脱着連結部4を設ける中間フレーム23の高さ(H)を、好ましくは、デッキプレート13から50cm以上、よりも好ましくはデッキプレート13から1m以上の高さとして、種々の搭載物9をスムーズに荷台1に引き上げできる。
図の鳥居2は、中間フレーム23を鳥居2の上下方向の中央部として、脱着連結部4の上下方向の幅を広くして、高い位置に滑車6を連結できる構造としている。この鳥居2は、連結する滑車6の位置を高くできるので、滑車6にかけたワイヤー33で、搭載物9を上向きに引っ張っって荷台1にスムーズに引き上げできる特徴がある。搭載物9と荷台1との摩擦抵抗を少なくし、かつ搭載物9を荷台1の突出部など引っ係ることなく移動できるからである。図の鳥居2は、鳥居2のほぼ中央部に中間フレーム23を設けて、中間フレーム23の下方を脱着連結部4としているが、中間フレームを設けることなく、脱着連結部4を鳥居2の上下方向の全領域とすることもできる。
鳥居2は、脱着連結部4として、複数の連結プレート5Xを所定の間隔で平行な姿勢で、あるいはほぼ平行な姿勢で固定している。連結プレート5Xは好ましくは平行姿勢に固定されるが、例えば、隣接する連結プレート5Xのなす角度を30度以下として、ほぼ平行な姿勢で脱着連結部4に設けることもできる。各々の連結プレート5Xは、滑車6を複数の位置で連結できるように、複数の連結穴5xを長手方向に離して設けている。連結穴5xは、滑車6に設けた係止フック等の係止部6aを連結して、特定の連結穴5xに脱着自在に連結される。複数の連結プレート5Xを平行姿勢に配置して、各々の連結プレート5Xに連結穴5xを設けた脱着連結部4は、滑車6を連結する連結穴5xを選択することで、滑車6の連結位置を、上下左右に変更できる。連結プレート5Xは、充分な強度があって、滑車6を連結するための連結穴5xを設けることができるように、たとえば、厚さが10mm以上で、横幅を8cm以上とする厚い金属板が使用される。図4の脱着連結部4は、複数の連結プレート5Xを第2の金属プレート24Bに対して垂直な姿勢で固定して、支持部材20である鳥居2に固定している。
図4の脱着連結部4は、複数列の縦連結プレート5Aと、複数行の横連結プレート5Bとを碁盤格子状に配置して、互いに交点で溶接している。縦連結プレート5Aは、上下方向に伸びる姿勢で、荷台1の幅方向に離して複数列に配置され、横連結プレート5Bは、荷台1の幅方向に伸びる姿勢で、上下に離して複数行に配置されている。この脱着連結部4は、縦連結プレート5Aと横連結プレート5Bを碁盤格子状に配置して、各々の連結プレート5Xに連結穴5xを設けているので、多くの位置に連結穴5xを配置して、滑車6の連結位置を多数カ所にできる。滑車6の連結位置を多くできる脱着連結部4は、滑車6をより理想的な位置に配置して、ワイヤー33の張り方向を最適な方向として、種々の搭載物9を速やかに荷台1に引き上げできる。
さらに、脱着連結部4は、図6に示すように、複数列の縦連結プレート5Aのみを設けることもできる。この脱着連結部4は、上下方向に伸びる姿勢の複数列の縦連結プレート5Aを互いに平行な姿勢で第2の金属プレート24Bに溶接して固定している。さらに、図6の脱着連結部4は、互いに隣接する縦連結プレート5Aの間に、所定の横幅、好ましくは連結プレート5Xと同じ横幅の金属プレートからなる補強材8を溶接して固定している。縦連結プレート5Aの間に固定される補強材8は、水平方向に伸びる姿勢であって縦連結プレート5Aに対して垂直姿勢で配置されており、両端が隣接する縦連結プレート5Aに溶接して固定され、さらに、片側が第2の金属プレート24Bに溶接して固定されている。この脱着連結部4は、上下方向に延びる複数列の縦連結プレート5Aと、水平方向に延びる複数行の補強材8により、全体を碁盤格子状としている。この脱着連結部4は、互いに交差する姿勢で固定される複数列の縦連結プレート5Aと複数行の補強材8を金属プレート24に固定して脱着連結部4を補強し、また金属プレート24を補強することができる。
さらに、脱着連結部4は、図7に示すように、複数行の横連結プレート5Bのみを設けることもできる。この脱着連結部4は、荷台の幅方向に伸びる姿勢の複数行の横連結プレート5Bを互いに平行な姿勢で第2の金属プレート24Bに溶接して固定している。さらに、図7の脱着連結部4は、互いに隣接する横連結プレート5Bの間に、所定の横幅、好ましくは連結プレート5Xと同じ横幅の補強材8を溶接して固定している。横連結プレート5Bの間に固定される補強材8は、上下方向に伸びる姿勢であって横連結プレート5Bに対して垂直姿勢で配置されており、両端が隣接する横連結プレート5Bに溶接して固定され、さらに、片側が第2の金属プレート24Bに溶接して固定されている。さらに、最上段に配置される横連結プレート5Bの上方に配置される補強材8は、その上端を中間フレーム23の下面に溶接して固定している。また、最下段に配置される横連結プレート5Bの下方に配置される補強材8は、その下端をデッキプレート13の上面に溶接して固定している。この脱着連結部4は、左右方向に延びる複数行の横連結プレート5Bと、上下方向に延びる複数列の補強材8により、全体を碁盤格子状としている。この脱着連結部4は、互いに交差する姿勢で固定される複数行の横連結プレート5Bと複数列の補強材8を金属プレート24に固定して脱着連結部4を補強し、また金属プレート24を補強することができる。
[実施形態2]
さらに、実施形態2にかかる貨物自動車を図8と図9に示す。図8は荷台の鳥居の部分を示す拡大斜視図を、図9は図8に示す鳥居の垂直横断面図をそれぞれ示している。これらの図に示す貨物自動車は、支持部材20である鳥居2に設ける脱着連結部4を、支持部材20に固定された連結ロッド5Yからなる複数の連結材5で構成している。連結ロッド5Yは、荷台1の幅方向及び/又は上下方向に伸びる姿勢で支持部材20に固定されている。複数の連結ロッド5Yは、図8に示すように、所定の間隔で平行又はほぼ平行な姿勢で垂直面内に配置される。この連結ロッド5Yは、滑車6のフック等である係止部6aを連結するために、支持部材20の金属プレート24と間に、滑車6の係止部6aを脱着自在に連結するための連結隙間27を設ける状態で支持部材20に固定されている。この貨物自動車は、滑車6の係止部6aを連結ロッド5Yの選択された位置に連結することで、滑車6の連結位置を上下左右に変更する。特定の位置に配置された滑車6でワイヤー33の張り方向を変更し、ウインチ3でワイヤー33を巻き取って搭載物9を荷台1に引き上げる。
図8に示す脱着連結部4は、複数の連結ロッド5Yを所定の間隔で平行な姿勢で、あるいはほぼ平行な姿勢で固定している。連結ロッド5Yは好ましくは平行姿勢に固定されるが、例えば、隣接する連結ロッド5Yのなす角度を30度以下として、ほぼ平行な姿勢で脱着連結部4に設けることもできる。連結ロッド5Yは、充分な強度があって、滑車6のフックである係止部6aを係止できる外径を有する金属性の棒材であって、横断面形状を円形とする金属製の丸棒や、円筒状の金属パイプが使用できる。ただ、金属ロッドは、横断面形状を非円形であって、たとえば、多角形状や楕円形状等とすることもできる。図に示す連結ロッド5Yは、金属製の丸棒であって、たとえば、外径を10〜30mm、好ましくは12mm〜25mmとしている。また、金属パイプである連結ロッドは、たとえば、外径を20〜30mmとして、肉厚を3mm以上とする。
図8の脱着連結部4は、複数列の縦連結ロッド5Cと、複数行の横連結ロッド5Dとを碁盤格子状に配置して、互いの交点で溶接して固定している。縦連結ロッド5Cは、上下方向に伸びる姿勢で、荷台1の幅方向に離して複数列に配置され、横連結ロッド5Dは、荷台1の幅方向に伸びる姿勢で、上下に離して複数行に配置されている。この脱着連結部4は、縦連結ロッド5Cと横連結ロッド5Dを碁盤格子状に配置すると共に、第2の金属プレート24Bとの間に連結隙間27が形成されるように、第2の金属プレート24Bとの間に所定の間隔を設けた状態で支持部材20に固定している。上下方向に伸びる縦連結ロッド5Cは、上端が中間フレーム23の下面に溶接して固定されると共に、下端がデッキプレート13に溶接して固定されている。幅方向に伸びる横連結ロッド5Dは、その両端が、第2の金属プレート24Bの両側に沿って垂直姿勢で固定された両側プレート28に溶接して固定されている。
さらに、縦連結ロッド5Cと横連結ロッド5Dは、その中間部分を、複数の固定部材18を介して第2の金属プレート24Bに固定している。図8及び図9に示す脱着連結部4は、キャビン側に横連結ロッド5Dを配置すると共に、荷台1の後端側に縦連結ロッド5Cを配置しており、これらの交点において、横連結ロッド5Dを固定部材18を介して第2の金属プレート24Bに固定している。図に示す固定部材18は、金属製のロッドで、その後端が第2の金属プレート24Bに対して垂直姿勢となるように溶接して固定されると共に、先端が横連結ロッド5Dに溶接して固定されている。碁盤格子状に配列された連結ロッド5Yは、所定の間隔で配置される複数の固定部材18を介して、第2の金属プレート24Bに固定されている。図に示す碁盤格子状の連結ロッド5Yは、複数の固定部材18を横連結ロッド5Dに固定しているが、固定部材は、縦連結ロッドに固定することもできる。以上の脱着連結部4は、図8に示すように、互いに交差する縦連結ロッド5Cと横連結ロッド5Dの交点を滑車6の連結箇所として、任意の交点を選択することで上下左右の連結位置が特定されて、滑車6の係止部6aを連結する連結位置が特定される。
以上のように縦連結ロッド5Cと横連結ロッド5Dとを碁盤格子状に連結する構造は、格子の交点を滑車6の連結箇所として、多くの位置に連結箇所を配置でき、滑車6の連結位置を多数カ所にできる。滑車6の連結位置を多くできる脱着連結部4は、滑車6をより理想的な位置に配置して、ワイヤー33の張り方向を最適な方向として、種々の搭載物9を速やかに荷台1に引き上げできる。
図8に示す脱着連結部4は、碁盤格子状の連結ロッド5Yの交点の位置に固定部材18を固定しているが、碁盤格子状の連結ロッド5Yは、隣接する交点の間において固定部材18を固定することもできる。たとえば、碁盤格子状の連結ロッド5Yは、隣接する交点の間に配置された縦連結ロッド5Cに固定部材18を固定し、あるいは、隣接する交点の間に配置された横連結ロッド5Dに固定部材18を固定することもできる。この構造の脱着連結部4は、碁盤格子状の連結ロッド5Yの格子の交点に加えて、縦連結ロッド5Cと固定部材18との連結点、及び横連結ロッド5Dと固定部材18との連結点も滑車6の連結箇所として、さらに多くの位置に連結箇所を配置できる。このため、滑車6の連結位置をさらに細かく特定して、滑車6をより理想的な位置に配置できる特徴が実現できる。
さらに、脱着連結部4は、図10に示すように、複数列の縦連結ロッド5Cのみを設けることもできる。この脱着連結部4は、上下方向に伸びる姿勢の複数列の縦連結ロッド5Cを互いに平行な姿勢とすると共に、第2の金属プレート24Bから離間させて支持部材20に固定している。上下方向に伸びる縦連結ロッド5Cは、上端が中間フレーム23の下面に溶接して固定されると共に、下端がデッキプレート13に溶接して固定される。さらに、縦連結ロッド5Cは、その中間部分を、複数の固定部材18を介して第2の金属プレート24Bに固定している。複数列の縦連結ロッド5Cは、第2の金属プレート24Bとの間に連結隙間27が形成されるように、所定の間隔を設けて固定している。
図10に示す固定部材18は、金属製のロッドで、その後端が第2の金属プレート24Bに対して垂直姿勢となるように溶接して固定されると共に、先端が縦連結ロッド5Cに溶接して固定されている。各々の縦連結ロッド5Cは、所定の間隔で配置される複数の固定部材18を介して、第2の金属プレート24Bに固定されている。この脱着連結部4は、幅方向に所定の間隔で配置される複数の縦連結ロッド5Cのいずれかを選択することで左右の連結位置が特定されると共に、上下に所定の間隔で配置される固定部材18で区画された複数の領域のいずれかを選択することで上下の連結位置が特定されて、滑車6の係止部6aを連結する連結位置が特定される。
さらに、図示しないが、脱着連結部4は、互いに隣接する複数列の縦連結ロッド5Cの間に、金属ロッドや金属プレートからなる補強材を溶接して固定し、隣接する縦連結ロッド同士を強固に連結することもできる。この脱着連結部は、たとえば、上下方向に延びる複数列の縦連結ロッドを、水平方向に延びる複数行の補強材で連結することにより、全体を碁盤格子状として補強することができる。
さらに、脱着連結部4は、図11に示すように、複数行の横連結ロッド5Dのみを設けることもできる。この脱着連結部4は、荷台の幅方向に伸びる姿勢の複数行の横連結ロッド5Dを互いに平行な姿勢とすると共に、第2の金属プレート24Bから離間させて支持部材20に固定している。幅方向に伸びる横連結ロッド5Dは、その両端が、第2の金属プレート24Bの両側に沿って垂直姿勢で固定された両側プレート28に溶接して固定される。さらに、横連結ロッド5Dは、その中間部分を、複数の固定部材18を介して第2の金属プレート24Bに固定している。複数列の横連結ロッド5Dは、第2の金属プレート24Bとの間に連結隙間27が形成されるように、所定の間隔を設けて固定している。
図11に示す固定部材18は、金属製のロッドで、その後端が第2の金属プレート24Bに対して垂直姿勢となるように溶接して固定されると共に、先端が横連結ロッド5Dに溶接して固定されている。各々の横連結ロッド5Dは、所定の間隔で配置される複数の固定部材18を介して、第2の金属プレート24Bに固定されている。この脱着連結部4は、上下方向に所定の間隔で配置される複数の横連結ロッド5Dのいずれかを選択することで上下の連結位置が特定されると共に、幅方向に所定の間隔で配置される固定部材18で区画された複数の領域のいずれかを選択することで左右の連結位置が特定されて、滑車6の係止部6aを連結する連結位置が特定される。
さらに、図示しないが、脱着連結部4は、互いに隣接する複数行の横連結ロッド5Dの間に、金属ロッドや金属プレートからなる補強材を溶接して固定し、隣接する横連結ロッド同士を強固に連結することもできる。この脱着連結部は、たとえば、幅方向に延びる複数行の横連結ロッドを、上下方向に延びる複数列の補強材で連結することにより、全体を碁盤格子状として補強することができる。
以上の貨物自動車100は、以下の工程で自動車や重機などの搭載物9を荷台1に引き上げる。
1.荷台1を後方にスライドできる貨物自動車100は、図2に示すように、荷台1を後方にスライドした後、荷台1を傾斜して荷台1の後端を地面に接触させる。荷台1の後端に設けた歩み板12を傾動し、歩み板12の後端を地面に接触して、地面と荷台1とに歩み板を橋渡し状態とする。
アウトリガーを設けた貨物自動車は、図示しないが、アウトリガーを伸長して荷台を後端に向かって下り勾配に傾斜する状態で、歩み板を橋渡し状態に傾斜させる。
2.ワイヤー33を掛ける滑車6の連結位置を選択する。滑車6の連結位置は、脱着連結部4に設けている連結材5の連結位置を選択して特定する。滑車6の連結位置は、荷台1に引き上げられる搭載物9に設けているフック9xの位置で特定される。滑車6は、ワイヤー33の張り方向を変更して、搭載物9をスムーズに無理なく荷台1に引き上げる。滑車6が脱着連結部4に連結される荷台1の幅方向の位置は、ワイヤー33が荷台1と平行な方向に引っ張られる位置に設定される。すなわち、荷台1に引き上げられる搭載物9に設けたフック9xと、滑車6から引き出されるワイヤー33とを結ぶラインが、平面視において荷台1の長手方向となるようにする。滑車6の脱着連結部4に連結される上下方向は、搭載物9をスムーズに引っ張って荷台1に引き上げられる位置、たとえば、搭載物9のフック位置にほぼ等しく設定される。ワイヤー33を水平方向に引っ張って、搭載物9の車両などをスムーズに荷台1に引き上げできるからである。車輪の搭載物は、滑車6の上下位置をフック9xとほぼ同じ位置とするが、車輪のない搭載物は、ワイヤー33を上向きに引っ張って、搭載物9と荷台1の摩擦抵抗を小さくして引き上げる位置に滑車6を連結する。滑車6は、選択された連結位置に係止部6aが連結されて最適な位置に配置される。
ここで、滑車6の係止部6aが連結される連結位置は、図4ないし図7に示す脱着連結部4においては、連結プレート5Yに設けた連結穴5xで特定され、図8ないし図11に示す脱着連結部4においては、連結ロッドの交点、または連結ロッドと固定部材の連結点等により特定される。
3.サブ滑車7を備える貨物自動車100においては、ウインチ3の反対側に設けた連結部材14にサブ滑車7の係止部7aを連結すると共に、ウインチ3から引き出されたワイヤー33をこのサブ滑車7に掛けると共に、このワイヤー33を滑車6に掛けた後、後方に引き出す。このとき、ウインチ3のドラムを逆転し、サブ滑車7と滑車6に掛けたワイヤー33を引き出して、ワイヤー33の先端を搭載物9のフック9xに連結する。
4.ウインチ3がドラム32を正転してワイヤー33を巻き取り、ワイヤー33で搭載物9を荷台1に引き上げる。ワイヤー33で引っ張られる搭載物9は、歩み板12から荷台1に移動されて荷台1の前部に引き上げられる。
5.ワイヤー33の先端を搭載物9から外して、搭載物9を荷台1の定位置に固定する。
本発明は、重機などの搭載物9を、ワイヤー33で荷台1に引き上げる貨物自動車に有効に利用できる。
100…貨物自動車
1…荷台
2…鳥居
3…ウインチ
4…脱着連結部
5…連結材
5X…連結プレート
5Y…連結ロッド
5A…縦連結プレート
5B…横連結プレート
5C…縦連結ロッド
5D…横連結ロッド
5x…連結穴
6…滑車
6a…係止部
7…サブ滑車
7a…係止部
8…補強材
9…搭載物
9x…フック
10…シャーシーフレーム
11…キャビン
12…歩み板
13…デッキプレート
13A…開口部
14…連結部材
15…傾斜機構
16…レール
18…固定部材
20…支持部材
21…サイドフレーム
22…梁フレーム
23…中間フレーム
23A…上プレート
23B…両側リブ
23C…交差リブ
24…金属プレート
24A…第1の金属プレート
24B…第2の金属プレート
25…縦リブ
26…収納部
27…連結隙間
28…両側プレート
31…油圧モータ
32…ドラム
33…ワイヤー
90…貨物自動車
91…荷台
92…鳥居
93…ウインチ
94…ワイヤー
95…滑車取付環
96…滑車
99…搭載物
99A…車両
99x…フック

Claims (8)

  1. 荷台の前部に上下に伸びる姿勢で固定された支持部材と、
    前記荷台の前部に固定されたウインチと、
    前記ウインチで巻き取られるワイヤーを掛ける、係止部を有する滑車と、
    前記支持部材に固定されて前記滑車の係止部を脱着自在に連結する脱着連結部と
    を備える貨物自動車であって、
    前記脱着連結部が、
    前記支持部材に固定された連結プレートからなる複数の連結材を備え、
    前記連結プレートは、前記荷台の幅方向及び/又は上下方向に伸びる姿勢で前記支持部材に固定され、かつ
    前記滑車の係止部を脱着自在に連結する複数の連結穴を長手方向に離して設けており、
    前記滑車の係止部が選択された前記連結穴に連結されて、前記滑車の連結位置が前記荷台の上下左右に変更できる構造としてなることを特徴とする貨物自動車。
  2. 荷台の前部に上下に伸びる姿勢で固定された支持部材と、
    前記荷台の前部に固定されたウインチと、
    前記ウインチで巻き取られるワイヤーを掛ける、係止部を有する滑車と、
    前記支持部材に固定されて前記滑車の係止部を脱着自在に連結する脱着連結部と
    を備える貨物自動車であって、
    前記脱着連結部が、
    前記支持部材に固定された連結ロッドからなる複数の連結材を備え、
    前記連結ロッドは、前記荷台の幅方向及び/又は上下方向に伸びる姿勢で前記支持部材に固定され、かつ
    前記支持部材との間に前記滑車の係止部を脱着自在に連結するための連結隙間を設けて、前記支持部材に固定され、
    前記滑車の係止部が前記連結ロッドの選択された位置に連結されて、前記滑車の連結位置が前記荷台の上下左右に変更できる構造としてなることを特徴とする貨物自動車。
  3. 請求項1又は2に記載する貨物自動車であって、
    前記支持部材が、
    前記荷台の両側に垂直姿勢に固定してなる一対のサイドフレームと、
    一対の前記サイドフレームに固定してなる金属プレートとを備える鳥居であることを特徴とする貨物自動車。
  4. 請求項1に記載する貨物自動車であって、
    前記支持部材が、
    前記荷台の両側に垂直姿勢に固定してなる一対のサイドフレームと、
    一対の前記サイドフレームに固定してなる金属プレートとを備える鳥居であって、
    前記連結プレートが、前記金属プレートに垂直姿勢に固定されてなることを特徴とする貨物自動車。
  5. 請求項2に記載する貨物自動車であって、
    前記支持部材が、
    前記荷台の両側に垂直姿勢に固定してなる一対のサイドフレームと、
    一対の前記サイドフレームに固定してなる金属プレートとを備える鳥居であって、
    前記連結ロッドが、
    前記金属プレートとの間に連結隙間を設けて前記鳥居に固定されてなることを特徴とする貨物自動車。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載する貨物自動車であって、
    複数の前記連結材は、
    所定の間隔で平行又はほぼ平行な姿勢で配設されてなることを特徴とする貨物自動車。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載する貨物自動車であって、
    前記連結材が、
    碁盤格子状に前記支持部材に固定されてなることを特徴とする貨物自動車。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載する貨物自動車であって、さらに、
    前記ウインチで巻き取られるワイヤーを掛けるサブ滑車を備えており、
    前記ウインチは、前記ワイヤーを巻き取るドラムを備えると共に、前記ドラムの回転軸が前記荷台の長手方向となるように、該荷台の前方の片側に配置されており、
    前記サブ滑車は、前記荷台の前部であって、前記ウインチと反対側の片側に配置されており、
    前記ウインチから引き出されたワイヤーを、前記サブ滑車を介して前記滑車に掛けるようにしてなる貨物自動車。
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