JP2021097152A - 金属補強板付きプリント配線板の製造方法、積層体、及び金属補強板付きプリント配線板 - Google Patents

金属補強板付きプリント配線板の製造方法、積層体、及び金属補強板付きプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性接着剤の開口部への充填性が良好であって、外観不良及び短絡の無い金属補強板付きプリント配線板の製造方法、並びに前記プリント配線板の製造方法に用いられる積層体、及び金属補強板付きプリント配線板を提供することである。【解決手段】プリント配線板の上方に、熱により軟化するバインダー樹脂および導電性フィラーを含有する導電性接着剤と、金属補強板と、クッション材をこの順に有する積層体を、前記配線板と前記導電性接着剤が対向するように配置する工程[1]、前記積層体を熱プレスし、前記絶縁保護膜に設けられた開口部を介して、導電性接着剤により前記グランド回路と金属補強板とを接着すると共に、前記グランド回路と金属補強板とを電気的に接続する工程[2]、ならびに前記積層体のクッション材を剥離する工程[3]、を備えた金属補強板付きプリント配線板の製造方法により解決される。【選択図】図3

Description

本発明は金属補強板付きプリント配線板の製造方法、該製造方法に用いられる積層体、及び金属補強板付きプリント配線板に関する。
OA機器、通信機器など電子機器の更なる高性能化、小型化に伴い、フレキシブルプリント配線板(以下、「FPC」と表記する。)は、その曲げることが出来る特性を活用して電子機器の狭く複雑な内部基板等に電子回路を組み込むために使用されている。この電子回路には、発生する電磁波を遮蔽する電磁波シールド層を設けたFPCを使用することが一般的であるが、近年の電子回路の情報量増大による高周波化、および電子回路の小型化に起因して電磁波対策は、さらに重要度を増している。
電磁波シールド層を有したFPCとして、特許文献1には、導電性の金属補強板とグランド回路とを導電性接着剤で接続したFPCが開示されている。具体的には、導電性接着シートを用いて、ステンレス等の金属補強板をFPCに貼り付けることにより、金属補強板をグランド回路に電気的に接続している。このような構成とすることで、電磁波シールド性が良好なFPCを得ることができ、回路信号を安定的に伝送することができる。特許文献2には、熱硬化性樹脂と導電性フィラーとを含む導電性接着剤に関する技術が開示されている。
国際公開第2014/010524号 国際公開第2019/031394号
導電性接着剤を用いてFPCに金属補強板を貼り付ける場合、導電性接着剤には、絶縁保護膜が有する開口部への埋め込み性が求められる。具体的には、金属補強板/導電性接着剤/FPCの順に積層された積層体を所定のプレス温度(例えば170℃)で熱プレスする場合プレス温度において導電性接着剤の軟化が不十分であると、開口部への導電性接着剤の充填性が悪化するという問題がある。特に開口部が小さい場合、充填性が著しく悪化し導通不良となる。従って、プレス温度(例えば170℃)では導電性接着剤を軟らかくする必要がある。
一方、プレス工程のプレス圧によって金属補強板とFPCの間から導電性接着剤の染み出しが生じると、外観不良及び短絡の原因となり、問題となっていた。
一方、導電性接着剤を柔らかくすると金属補強板とFPCの間から導電性接着剤が過剰に染み出し、外観不良及び短絡の原因となる。
上記課題に鑑み本発明の目的は、導電性接着剤の開口部への充填性が良好であって、外観不良及び短絡の無い金属補強板付きプリント配線板の製造方法、並びに前記プリント配線板の製造方法に用いられる積層体、及び金属補強板付きプリント配線板を提供することである。
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下の態様において、本発明の課題を解決しえることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様にかかる金属補強板付きプリント配線板の製造方法は、グランド回路を含む回路パターンと前記回路パターンを絶縁保護し、開口部を有する絶縁保護膜が形成されたプリント配線板の上方に、熱により軟化するバインダー樹脂および導電性フィラーを含有する導電性接着剤と、金属補強板と、クッション材をこの順に有する積層体を、前記配線板と前記導電性接着剤が対向するように配置する工程[1]、
前記積層体を熱プレスし、前記絶縁保護膜に設けられた開口部を介して、導電性接着剤により前記グランド回路と金属補強板とを接着すると共に、前記グランド回路と金属補強板とを電気的に接続する工程[2]、
ならびに前記積層体のクッション材を剥離する工程[3]、を備える。
本発明により、導電性接着剤の開口部への充填性が良好であって、外観不良及び短絡の無い金属補強板付きプリント配線板を提供することができる。
実施の形態にかかる積層体の準備工程を説明するための図である。 実施の形態にかかる金属補強板付きプリント配線板の製造方法を説明するための図である。 実施の形態にかかる金属補強板付きプリント配線板の断面図である。 実施の形態にかかる積層体の断面図である。 金属補強板付きプリント配線板の断面図である。 プリント配線板の平面図である。 プリント配線板に金属補強板を貼り付けた状態を示す平面図である。
本明細書におけるシートとは、JISにおいて定義されるシートのみならず、フィルムも含むものとする。説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に一種単独でも二種以上を併用してもよい。
尚、本明細書では、「プリント配線板」を、「配線板」と略記することがある。
以下、本発明の実施の形態の例について説明する。
《金属補強板付きプリント配線板の製造方法》
図1、2を用いて金属補強板付きプリント配線板の製造方法について説明する。図2では、導電性接着剤を用いてプリント配線板に金属補強板を貼り付ける際の製造工程を示している。なお、各々の部材を構成する材料の詳細については後述する。また、本明細書において、「導電性接着剤」は、熱硬化前の導電性接着剤を示し、「導電性接着剤層」は導電性接着剤を熱硬化することで得られた層(つまり、熱硬化後の導電性接着剤)を示すものとする。
<積層体準備工程>
まず、図1の準備工程[1]に示すように、剥離性フィルム11に導電性接着剤12が積層された導電性接着シート13と、金属補強板14と、を準備する。そして、準備工程[2]に示すように、金属補強板14に導電性接着シート13の導電性接着剤12側を貼り付けて、金属補強板14に導電性接着シート13を仮貼りする。金属補強板14に導電性接着シート13を仮貼りする際の温度(仮貼り温度)は、例えば110℃〜150℃、好ましくは130℃とすることができる。仮貼り後、導電性接着剤12は半硬化状態である。
次に、準備工程[3]に示すように、剥離性フィルム11を剥がして、導電性接着剤12の金属補強板14と逆側の面を露出させる。その後、導電性接着剤12と金属補強板14との予備積層体15を所定のサイズに切断する(切断線を符号18で示している)。予備積層体15の切断は、例えば打ち抜き加工を用いて実施することができる。尚、剥離性フィルム11は切断工程後に剥がしても良い。
<工程[1]>
工程[1]は、グランド回路を含む回路パターンと前記回路パターンを絶縁保護し、開口部を有する絶縁保護膜が形成されたプリント配線板の上方に、熱により軟化するバインダー樹脂および導電性フィラーを含有する導電性接着剤と、金属補強板と、クッション材をこの順に有する積層体を、前記配線板と前記導電性接着剤が対向するように配置する工程である。
なお、本発明の積層体は、各層を一体としてから用いる場合、それぞれの層を順にプリント配線板の上方に配置し用いる場合、または導電性接着剤と金属補強板との積層体に、さらにクッション材を配置して用いる場合、導電性接着剤に金属補強板とクッション材との積層体を配置して用いる場合等、熱プレス時に、導電性接着剤と、金属補強板と、クッション材がこの順に配置されることができればよい。
具体的には例えば、図2工程[1]に示すように、所定のサイズに切断された予備積層体15を配線板20の上に配置する。さらに金属補強板の上面にクッション材16を積層することで積層体17を形成する。ここで配線板20は、下側の絶縁性フィルム21と上側の絶縁性フィルム22とが絶縁性接着剤23で接着された構成を有する。絶縁性フィルム21上には信号回路24およびグランド回路25が形成されており、このグランド回路25の上方には開口部(スルーホール)27が形成されている。つまり、絶縁性フィルム21上にグランド回路25が配置されており、当該グランド回路25の一部が開口部27を介して露出している。積層体17は、配線板20の開口部27の上方に配置する。
<工程[2]>
工程[2]は、積層体を熱プレスし、プリント配線板の絶縁保護膜に設けられた開口部を介して、導電性接着剤により前記グランド回路と金属補強板とを接着すると共に、前記グランド回路と金属補強板とを電気的に接続する工程である。
具体的には例えば、図2工程[2]に示すように、工程[1]に続いて、積層体17/配線板20の積層物を所定の温度(例えば150〜190℃、好ましくは170℃)で熱プレス(加熱・加圧)する。これにより導電性接着剤12が軟化して絶縁保護膜の開口部27内に埋め込まれる。軟化した導電性接着剤12が開口部27内に充填されることで、導電性接着剤12が開口部27により露出したグランド回路25と接触する。熱プレス後、導電性接着剤12が硬化して金属補強板14と配線板20とが接着されると共に、グランド回路と金属補強板とが電気的に接続される。一方、クッション材16は熱と圧力により流動し、金属補強板14及び導電性接着剤12の側面側に流れこみ導電性接着剤12の染み出しを抑制する。このため、クッション材16は熱プレス中に導電性接着剤12が金属補強板よりも外部に染み出す前に導電性接着剤12の側面に流動し、且つ染み出しをせき止める。この状態でクッション材は導電性接着剤12の染み出しを抑え込む硬さ(粘弾性)を必要とする。
なお、熱プレスの際の圧力は、3〜30kg/cm程度が好ましい。熱プレスに用いる装置は、平板圧着機またはロール圧着機を使用できる。熱プレスの時間は、クッション材16/金属補強板14/導電性接着剤12/配線板20の積層体が十分に密着する時間であれば特に限定されることはないが、通常は1分〜1時間程度である。また、熱プレスの時間が短い場合は、熱プレス後に150〜190℃のオーブンで30分〜3時間加熱して導電性接着剤12を本硬化させることが好ましい。
<工程[3]>
工程[3]は、積層体のクッション材を剥離する工程である。
熱プレスの後、図2工程[3]に示すように温度が低下し流動性が消滅したクッション材を吸引剥離装置又は手作業で剥離する。
これにより、図3に示すように導電性接着剤12を介して金属補強板14と配線板20のグランド回路25とが電気的に接続された電磁波シールド性を備えた金属補強板付きプリント配線板30を製造することができる。
続いて、各々の部材を構成する材料の詳細について説明する。
<積層体>
本実施の形態にかかる積層体は上述した金属補強板付きプリント配線板の製造方法に用いられるものであって、クッション材、金属補強板および導電性接着剤の順に積層される。図4(a)に示すように各部材を同サイズとしてもよいが、図4(b)に示すように金属補強板および導電性接着剤よりもクッション材を大きくする態様が染み出し性をより改善する観点から好ましい。
また、本発明の積層体は、クッション材の貯蔵弾性率が、170℃において10MPa以上100MPa以下であり、前記導電性接着剤の貯蔵弾性率が、170℃において2MPa以上50MPa以下であり、前記クッション材の貯蔵弾性率が、前記導電性接着剤の貯蔵弾性率よりも高いことが、染み出し性の点で好ましい。
積層体は上述した通り金属補強板14と導電性接着剤12からなる予備積層体15を形成後、クッション材を積層する積層工程でもよく、配線板に載置する前にあらかじめ積層体を形成してもよい。以下各層について詳細を説明する。
(クッション材)
クッション材は熱プレス機のプレス圧を均一に金属補強板及び導電性接着剤に伝え、熱プレス時に流動し導電性接着剤の染み出しを抑制する役割を有する。
クッション材の貯蔵弾性率は170℃において10MPa以上100MPa以下であることが好ましく、12MPa以上90MPa以下がより好ましく、15MPa以上70MPa以下がさらに好ましい。上記範囲とすることで熱プレスの導電性接着剤の染み出しを抑制する。具体的には図4(b)に示すようにクッション材の貯蔵弾性率が100MPaを越える場合、クッション材の流動前に導電性接着剤12が軟化し染み出しやすくなる。一方、貯蔵弾性率が10MPa未満ではクッション材の硬さが不足し、導電性接着剤の軟化による染み出しを抑制しにくくなる。
本実施の形態にかかるクッション材の貯蔵弾性率は、次のようにして測定することができる。すなわち、動的粘弾性測定装置を用いてクッション材の25〜200℃の温度範囲における貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E”)、および損失正接(tanδ)変化を測定し、温度における貯蔵弾性率(E’)を抽出することで求めることができる。
クッション材は、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物により形成することができる。また、熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に加えて、可塑剤や熱硬化剤、無機フィラー等を含んでいてもよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、酸をグラフトさせた酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィンと不飽和エステルとの共重合樹脂、ビニル系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、ジエン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド系樹脂、またはフッ素樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂、酸をグラフトさせた酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィンと不飽和エステルとの共重合樹脂、ビニル系樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
ポリオレフィン系樹脂は、エチレン、プロピレン、α−オレフィン化合物などのホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー等が挙げられる。
これらの中でもポリエチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂が好ましく、より好ましくは、ポリエチレン樹脂である。
酸変性ポリオレフィン系樹脂は、マレイン酸やアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等がグラフトされたポリオレフィン樹脂が好ましい。
これらの中でも、マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましい。
ポリオレフィンと不飽和エステルとの共重合樹脂における不飽和エステルとしてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルおよびメタクリル酸グリシジルなどが挙げられる。
これらの中でもポリオレフィンとしてエチレン、不飽和エステルとしてメタクリル酸グリシジルからなる、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合樹脂が好ましい。
ビニル系樹脂は、酢酸ビニルなどのビニルエステルの重合により得られるポリマーおよびビニルエステルとエチレンなどのオレフィン化合物とのコポリマーが好ましい。具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピオン酸ビニル共重合体、部分ケン化ポリビニルアルコール等が挙げられる。
これらの中でもエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
スチレン・アクリル系樹脂は、スチレンや(メタ)アクリロニトリル、アクリルアミド類、マレイミド類などからなるホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。具体的には、例えば、シンジオタクチックポリスチレン、ポリアクリロニトリル、アクリルコポリマー等が挙げられる。
ジエン系樹脂は、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物のホモポリマーまたはコポリマーおよびそれらの水素添加物が好ましい。具体的には、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−ブチレン・ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックコポリマーとスチレン−エチレン・ブチレンブロックコポリマーとの混合物等が挙げられる。
セルロース系樹脂は、セルロースアセテートブチレート樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAポリカーボネートが好ましい。
ポリイミド系樹脂は、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸型ポリイミド樹脂が好ましい。
クッション材は熱プレス後クッション材と金属補強板や配線板、並びに熱プレス機との剥離を容易にするため、クッション性の部材に加え、離形層を含む形態とすることができる。離形層としては、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィンポリマー、シリコーン、フッ素樹脂からなる層を形成することが好ましい。この中でもポリプロピレン、ポリメチルペンテン、シリコーン、フッ素樹脂がさらに好ましい。
上記形態の他、アルキッド、シリコーンの等の離型剤をコーティングする形態も好ましい。
離形層の厚みは0.001〜70μmが好ましく、0.01〜50μmがより好ましい。
市販のクッション材としては、三井東セロ社製「CR1012」、「CR1012MT4」、「CR1031」、「CR1033」、「CR1040」、「CR2031MT4」等を用いることができる。これら市販のクッション材はクッション材の両面を離形層としてポリメチルペンテンで挟み込んだ層構成となっており本願ではこれらの一体構成をクッション材と呼ぶ。
クッション材の厚みは、50〜300μmが好ましく、75〜250μmがより好ましく、100〜200μmがさらに好ましい。50〜300μmとすることで染み出し性を向上できる。なお上記厚みは、離形層を有する場合、離形層を含んだ値である。
(金属補強板)
金属補強板は、例えば金、銀、銅、鉄およびステンレス等の導電性金属が挙げられる。これらの中で補強板としての強度、コストおよび化学的安定性の面でステンレスが好ましい。
金属補強板の厚みは、50〜500μmが好ましく、60〜400μmがより好ましく、75〜300μmがさらに好ましい。金属補強板の厚みが500μm以下とすることでクッション材の流動によって染み出しを抑制する他、プリント基板の軽量化及び小型化を促進できる。50μm以上とすることで金属補強板の強度が向上し配線板の信頼性が向上する。
金属補強板は、表面の不導体化による抵抗値上昇を抑制するため、メッキ層が表面に形成されていることが好ましい。メッキ層は、金、銀、ニッケル、リン含有ニッケルメッキが好ましい。メッキの方法は電解めっき法または無電解めっき法で形成することが好ましい。メッキ層の厚みは、0.1〜5μm程度であり、0.2〜4μmがより好ましい。尚、上記金属補強板の厚みは、メッキ層を有する場合、メッキ層を含んだ値である。尚、コストを低減する観点においてはメッキをしない態様が好ましい。
染み出しをより効果的に抑制する観点から、金属補強板とクッション材の厚みの比率(金属補強板の厚み[μm]/クッション材の厚み[μm])が、2以下であることが好ましく、1.7以下であることがより好ましく、1.3以下がさらに好ましい。
(導電性接着剤)
本実施の形態にかかる導電性接着剤は、熱により軟化するバインダー樹脂と導電性フィラーとを少なくとも含み、下記の特性を備えることが好ましい。
[貯蔵弾性率]
本実施の形態では、導電性接着剤の170℃における貯蔵弾性率を2MPa以上50MPa以下、好ましくは4MPa以上25MPa以下、更に好ましくは7MPa以上15MPa以下としてもよい。導電性接着剤の170℃における貯蔵弾性率をこの範囲とすることで、熱プレス時(図2の工程[1]〜工程[3]参照)に導電性接着剤12を十分に軟化させることができ、導電性接着剤12の開口部への充填性を向上させることができる。したがって、導電性接着剤12とグランド回路25との間に隙間29b(図5(1)参照)が形成されることを抑制することができ、金属補強板14とグランド回路25との間の抵抗値が高くなることを抑制することができる。また導電性接着剤が過剰に軟化することで染み出しが悪化することを抑制することができる(図5(2)参照)。
170℃における貯蔵弾性率を2MPa以上とするための手法としては、例えばバインダー樹脂の重量分子量Mwを上げる、バインダー樹脂を芳香環を多く有する骨格とし剛直性を高める、導電性フィラーや無機フィラー等のフィラー成分の添加量を増やす、またバインダー樹脂が熱硬化性樹脂である場合はBステージにおける硬化剤との架橋密度を高める等の手法が挙げられる。
170℃における貯蔵弾性率を50MPa以下とするための手法としては、例えばバインダー樹脂の重量分子量Mwを下げる、バインダー樹脂の骨格から芳香環を減らし剛直性を下げる、導電性フィラーや無機フィラー等のフィラー成分の添加量を減らす、またバインダー樹脂が熱硬化性樹脂である場合は、半硬化状態であるBステージにおける硬化剤との架橋密度を下げる等の手法が挙げられる。
本実施の形態では、170℃における導電性接着剤の貯蔵弾性率を上述の範囲とすることで、金属補強板付きプリント配線板の製造時に開口部への充填性が良好な導電性接着剤、積層体、及び金属補強板付きプリント配線板を提供することができる。
本実施の形態にかかる導電性接着剤の貯蔵弾性率は、クッション材と同様の方法で求めることができる。
また、クッション材の貯蔵弾性率は、前記導電性接着剤の貯蔵弾性率よりも高いことが好ましい。クッション材と導電性接着剤の170℃における貯蔵弾性率差は、4〜100MPaであることが好ましく、10〜87MPaがより好ましい。上記範囲とすることで染み出す導電性接着剤をクッション材によってせき止める効果がより向上する。
[損失正接]
本実施の形態では、導電性接着剤の170℃における損失正接(tanδ)は、0.05以上0.4以下が好ましく、0.15以上0.35以下がより好ましく、0.20以上0.3以下がさらに好ましい。導電性接着剤の170℃における損失正接(tanδ)をこの範囲とすることで、導電性接着剤12の開口部への充填性を更に向上させることができる。
170℃における損失正接を0.05以上とするための手法としては、例えばバインダー樹脂の重量分子量Mwを下げる、バインダー樹脂の酸価を下げる、バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)を下げる、加えて常温で液状の硬化剤を添加する等が挙げられる。
170℃における損失正接を0.40以下とするための手法としては、例えばバインダー樹脂の重量分子量Mwを上げる、バインダー樹脂の酸価を上げる、バインダー樹脂のTgを上げる、加えて常温で固形の硬化剤を添加する等が挙げられる。
本実施の形態にかかる導電性接着剤の損失正接(tanδ)は、上述のように動的粘弾性測定装置を用いて導電性接着剤の25〜200℃の温度範囲における貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E”)、および損失正接(tanδ)変化を測定し、各々の温度における損失正接(tanδ)を抽出することで求めることができる。
[ガラス転移温度]
また、本実施の形態の導電性接着剤は、粘弾性測定により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、低温側のガラス転移温度が10℃以上45℃以下、高温側のガラス転移温度が70℃以上140℃以下であることが好ましい。低温側のガラス転移温度が25℃以上40℃以下、高温側のガラス転移温度が75℃以上110℃以下であることがより好ましい。低温側のガラス転移温度が27℃以上36℃以下、高温側のガラス転移温度が78℃以上95℃以下であることがさらに好ましい。導電性接着剤のガラス転移温度をこのような範囲とすることで、導電性接着剤の密着性、開口部への充填性を更に向上させることができる。
低温側のガラス転移温度を10℃以上45℃以下とするための手法としては、例えば、バインダー樹脂のTgをコントロールする手法、バインダー樹脂が熱硬化性樹脂である場合は硬化剤との架橋密度をコントロールする手法が挙げられる。
高温側のガラス転移温度を70℃以上140℃以下とするためには、上記と同様の手法により調整することができる。
本実施の形態においてガラス転移温度は、導電性接着剤の粘弾性測定により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線におけるピークの温度を用いて求めることができる。
[膜厚]
導電性接着剤の厚さは、15〜70μmが好ましく、20〜65μmがより好ましい。厚さを15μm以上とすることで小開口ビアへの埋め込み性を向上できる。厚さを70μm以下とすることで染み出し性を抑制できる。導電性接着剤の厚さの測定方法は、接触式の膜厚計、断面観察による計測などで測定することができる。
[導電性接着剤の製造方法]
積層体を構成する導電性接着剤は、例えば、導電性樹脂組成物を用い、剥離性フィルム上に導電性接着剤を形成した導電性接着シートにより製造することができる。
「導電性樹脂組成物」
本実施の形態にかかる導電性接着剤は、熱により軟化するバインダー樹脂、および導電性微粒子を含む導電性樹脂組成物により形成されることが好ましい。
熱により軟化するバインダー樹脂としては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で特に限定されないが、熱硬化性樹脂が好ましい。また、後工程においてリフロー工程等の加熱工程が無い用途においては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂は、自己架橋性タイプおよび硬化剤反応タイプが使用できる。硬化剤反応タイプのバインダー樹脂としては、硬化剤と反応可能な反応性官能基が結合された熱硬化性樹脂が好適である。
<熱硬化性樹脂>
熱硬化性樹脂は、加熱による架橋反応に利用できる官能基を複数有する樹脂である。
官能基は、例えば、水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリン基、オキサジン基、アジリジン基、チオール基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、シラノール基等が挙げられる。
上記の官能基を有する熱硬化性樹脂は、例えば、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル樹脂、縮合型ポリエステル樹脂、付加型ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フェノール系樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ポリ乳酸樹脂、オキサゾリン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、エポキシ樹脂、付加型ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は5万〜20万が好ましく、7万〜13万がより好ましい。重量平均分子量(Mw)を上記範囲とすることで導電性接着剤の170℃における貯蔵弾性率、損失正接を好適なものにできる。
熱硬化性樹脂のガラス転移温度(Tg)は−20℃〜20℃が好ましく、−7℃〜150℃がより好ましい。ガラス転移温度を上記範囲とすることで導電性接着剤の25℃における貯蔵弾性率を好適なものにできる。
熱硬化性樹脂の酸価は1〜40mg/が好ましく、4〜15がより好ましく、6〜13がさらに好ましい。熱硬化性樹脂の酸価を上記範囲とすることで後述する硬化剤との架橋密度を最適化でき、170℃における貯蔵弾性率、損失正接を好適なものにできる。
<硬化剤>
硬化剤は、架橋反応により導電性接着剤を形成した際に半硬化状態にするために機能し、シート形成の際には反応せず、配線板または金属補強板に熱プレスする際に反応するような硬化剤も適宜選択できる。硬化剤は、エポキシ系化合物、イソシアネート系硬化剤、アミン系硬化剤、アジリジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤が挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えば、グリジシルエーテル型エポキシ化合物、グリジシルアミン型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、環状脂肪族(脂環型)エポキシ化合物等が好ましい。
前記グリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、ビスフェノールAD型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、α−ナフトールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールA型ノボラック型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、テトラブロムビスフェノールA型エポキシ化合物、臭素化フェノールノボラック型エポキシ化合物、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン等が挙げられる。
前記グリシジルアミン型エポキシ化合物としては、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルパラアミノフェノール、トリグリシジルメタアミノフェノール、テトラグリシジルメタキシリレンジアミン等が挙げられる。
前記グリシジルエステル型エポキシ化合物としては、例えば、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート等が挙げられる。
前記環状脂肪族(脂環型)エポキシ化合物としては、例えば、エポキシシクロヘキシルメチル−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(エポキシシクロヘキシル)アジペート等が挙げられる。
イソシアネート系硬化剤は、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
アミン系硬化剤は、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メチレンビス(2−クロロアニリン)、メチレンビス(2−メチル−6−メチルアニリン)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、n−ブチルベンジルフタル酸等が挙げられる。
アジリジン系硬化剤は、例えばトリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
イミダゾール系硬化剤は、例えば2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイトなどが挙げられる。
硬化剤は、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.3〜80重量部を配合することが好ましく、1〜50重量部がより好ましい。硬化剤の添加量を0.3〜80重量部とすることで、導電性接着剤の架橋密度を最適なものにし、170℃における貯蔵弾性率を2MPa以上50MPa以下の範囲とすることができる。また、硬化剤の添加量を0.3〜80重量部とすることで、半硬化後に導電性接着シートを流動しにくくできるためブロッキングが抑制しやすくなる。
<熱可塑性樹脂>
本実施の形態では熱可塑性樹脂を併用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、前記硬化性官能基を有しないポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、ジエン系樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂は、エチレン、プロピレン、α−オレフィン化合物などのホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。具体的には、例えば、ポリエチレンプロピレンゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、α−オレフィンポリマー等が挙げられる。
ビニル系樹脂は、酢酸ビニルなどのビニルエステルの重合により得られるポリマーおよびビニルエステルとエチレンなどのオレフィン化合物とのコポリマーが好ましい。具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、部分ケン化ポリビニルアルコール等が挙げられる。
スチレン・アクリル系樹脂は、スチレンや(メタ)アクリロニトリル、アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸エステル、マレイミド類などからなるホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。具体的には、例えば、シンジオタクチックポリスチレン、ポリアクリロニトリル、アクリルコポリマー、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。
ジエン系樹脂は、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物のホモポリマーまたはコポリマーおよびそれらの水素添加物が好ましい。具体的には、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンブロックコポリマー等が挙げられる。テルペン樹脂は、テルペン類からなるポリマーまたはその水素添加物が好ましい。具体的には、例えば、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペン樹脂が挙げられる。
石油系樹脂は、ジシクロペンタジエン型石油樹脂、水添石油樹脂が好ましい。セルロース系樹脂は、セルロースアセテートブチレート樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAポリカーボネートが好ましい。ポリイミド系樹脂は、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸型ポリイミド樹脂が好ましい。
<導電性微粒子>
導電性微粒子は、金、白金、銀、銅およびニッケル等の導電性金属、およびその合金、ならびに導電性ポリマーの微粒子が好ましい。また単一組成の微粒子ではなく金属や樹脂を核体とし、前記核体の表面を被覆する被覆層を核体よりも導電性が高い素材で形成した複合微粒子がコストダウンの観点から好ましい。
核体は、価格が安いニッケル、シリカ、銅およびその合金、ならびに樹脂から適宜選択することが好ましい。
被覆層は、導電性を有する素材であればよく、導電性金属または導電性ポリマーが好ましい。導電性金属は、例えば、金、白金、銀、錫、マンガン、およびインジウム等、ならびにその合金が挙げられる。また導電性ポリマーは、ポリアニリン、ポリアセチレン等が挙げられる。これらの中でも導電性の面から銀が好ましい。
導電性微粒子は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
複合微粒子は、核体100重量部に対して、1〜40重量部の割合で被覆層を有することが好ましく、5〜30重量部がより好ましい。1〜40重量部で被覆すると、導電性を維持しながら、よりコストダウンができる。なお複合微粒子は、被覆層が核体を完全に覆うことが好ましい。しかし、実際には、核体の一部が露出する場合がある。このような場合でも核体表面面積の70%以上を導電性微粒子が覆っていれば、導電性を維持しやすい。
導電性微粒子の形状は、所望の導電性が得られればよく形状は限定されない。具体的には、例えば、球状、フレーク状、葉状、樹枝状、プレート状、針状、棒状、ブドウ状が好ましい。なお、金属補強板と配線板との間の縦方向の導通パスを効率的に形成するために、球状および樹枝状がより好ましい。
導電性微粒子の平均粒子径は、D50平均粒子径が、1〜120μmであることが好ましく、5〜60μmがより好ましい。D50平均粒子径がこの範囲にあることでブロッキングが起こることを抑制することができる。なお、D50平均粒子径は、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置によって求めることができる。例えば、剥離性フィルム上に導電性接着剤を有する導電性接着シートは、ロール状に巻き取られた状態で運搬等される。ブロッキングとは、このロール状の導電性接着シートから、導電性接着シートを巻き出す際に、導電性接着シートが剥離性フィルムの裏面に付着する現象のことである。
導電性微粒子の添加量は、導電性接着剤中30〜90重量%が好ましく、40〜80重量%がより好ましい。上記添加量とすることで170℃における各貯蔵弾性率を好適な範囲とすることができる。
本実施の形態における導電性樹脂組成物は、他の任意成分として溶剤、耐熱安定剤、無機フィラー、顔料、染料、粘着付与樹脂、可塑剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング調整剤等を配合することができる。
無機フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、タルク、モンモロリナイト、カオリン、ベントナイト等が挙げられる。当該導電性接着層が無機フィラーを含有することで、硬化前の貯蔵弾性率を制御し最適なフロー量にコントロールすることができる。
導電性樹脂組成物は、前記の各成分を混合し攪拌して得ることができる。攪拌は、公知の攪拌装置を使用できる、ディスパーマットが一般的であるが、ホモジナイザーも好ましい。
前記導電性樹脂組成物を剥離性フィルムの剥離面に、例えばナイフコート、ダイコート、リップコート、ロールコート、カーテンコート、バーコート、グラビアコート、フレキソコート、ディップコート、スプレーコート、およびスピンコート等の方法で塗工し、通常40〜20℃の温度に加熱することで溶剤などの揮発成分を取り除き、導電性接着剤層を有する導電性接着シートを形成できる。
「剥離性フィルム」
剥離性フィルムは、片面あるいは両面に離型処理をしたフィルムであれば制限なく使用することができる。
剥離性フィルムの基材の一例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリブテン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のプラスチックシート等、グラシン紙、上質紙、クラフト紙、コート紙等の紙類、各種の不織布、合成紙、金属箔や、これらを組み合わせた複合フィルムなどが挙げられる。
剥離性フィルムの表面は必要に応じてマット処理することができる。マット処理はサンドマット、エッチングマット、コーティングマット、ケミカルマット、練り込みマットなどが挙げられる。
剥離性フィルムは、基材に離型剤を塗布して得る事ができる。離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の炭化水素系樹脂、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸石鹸、ワックス、動植物油脂、マイカ、タルク、シリコーン系界面活性剤、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、フッ素系界面活性剤、フッ素樹脂、フッ素含有シリコーン樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂などが用いられる。離型剤の塗布方法としては、従来公知の方式、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレードコート方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、スプレーコート方式、バーコート方式、スピンコート方式、ディップコート方式等により行うことができる。
<プリント配線板>
プリント配線板は、基材上に、グランド回路を含む回路パターンと前記回路パターンを絶縁保護し、開口部を有する絶縁保護膜を備える。グランド回路を含む回路パターンは銅をエッチングして形成されることが一般的である。絶縁保護膜はポリイミドフィルムと絶縁性接着剤からなるポリイミドカバーレイまたは、レジストフィルム、ソルダーレジストによって形成することが好ましい。グランド回路上の開口部を形成する方法としてドリル加工、エッチング加工、レーザー加工が好ましい。開口部の面積および形状等については後述する。
《金属補強板付きプリント配線板》
本実施の形態にかかる金属補強板付きプリント配線板30(図3参照)は、基板21上にグランド回路25が配置されており、当該グランド回路25の一部が、回路パターンを絶縁保護する絶縁保護膜(絶縁性フィルム22および絶縁性接着剤23)に設けられた開口部27を介して、露出しているグランド回路25と当該配線板20上に配置され、上述の導電性接着剤を用いて構成された導電性接着剤層12と、導電性接着剤層12上に配置され、導電性接着剤層12を介して配線板20と接着されている金属補強板14と、を備える。本実施の形態にかかる金属補強板付きプリント配線板30は、導電性接着剤層12の一部が開口部27に充填されることで、グランド回路25と金属補強板14とが導電性接着剤層12を介して電気的に接続されている。配線板20には更に信号配線24が設けられていてもよい。
金属補強板付きプリント配線板20の開口部27(図3参照)の面積は、特に制限されないが、0.16mm以上0.81mm以下としてもよい。開口部27の面積を0.16mm以上とすることで、開口部27への導電性接着剤12の充填性を良好にすることができる。また、開口部27の面積を0.81mm以下とすることで、金属補強板付きプリント配線板20に占める開口部27の面積を小さくすることができる。開口部27の面積は、好ましくは0.25mm以上0.64mm以下、更に好ましくは0.36mm以上0.49mm以下としてもよい。開口部27の面積がこの範囲である場合、開口部27への導電性接着剤12の充填性を良好にすることができ、導電性接着剤12とグランド回路25との接触抵抗を低くすることができる。
本発明の金属補強板付きプリント配線板の製造方法により、開口部の面積が小さい場合にも、充分に導電性接着剤の充填が可能であり、埋め込み性が良好な金属補強板付きプリント配線板とすることができる。
平面視した際の開口部27の形状は、矩形状(図6Aの開口部27b参照)であってもよく、円形状(図6Aの開口部27a参照)であってもよい。開口部27の形状が矩形状である場合は、矩形状の開口部の四隅に導電性接着剤を充填することが特に困難になり、四隅に図5に示すような隙間29bが形成されやすい。しかしながら、上述した特性を有する本実施の形態にかかる導電性接着剤を用いることで、矩形状の開口部であっても導電性接着剤を開口部内に良好に充填することができる。
また、図6Aに示す開口部27cのように、配線板20の外周の一部に開口部27cが形成されている場合(図6Aに示す例では、配線板20の角部に開口部27cが形成されている)は、開口部27cの外側に導電性接着剤の流動を堰き止める壁が設けられていない状態となっている。この場合は、図6Bに示すように、導電性接着剤12を用いて配線板20に金属補強板14を接着した際に、開口部27cの外側に向かって導電性接着剤12aが染み出してしまうという問題があった。
これに対して本実施の形態では、熱プレス時に、上述した特性を備えるクッション材/金属補強板/導電性接着剤からなる積層体を用いることができるので、配線板20と金属補強板14とを接着した際に、端部の開口部27cから導電性接着剤が染み出すことを抑制することができる(もしくは染み出し量を少なくすることができる)。
このような金属補強板付きプリント配線板は、例えば、携帯電話、スマートフォン、ノートPC、デジタルカメラ、液晶ディスプレイ等の電子機器に搭載することができる。また、自動車、電車、船舶、航空機等の輸送機器にも好適に搭載できる。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。また、実施例中の「部」は重量部を意味し、「%」は重量%を意味ものとする。
また、表中の配合量は、重量部であり、溶剤以外は、不揮発分換算値である。尚、表中の空欄は配合していないことを表す。
[重量平均分子量(Mw)]
重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定で求めたポリスチレン換算の数値である。測定条件は、以下のとおりである。
装置:Shodex GPC System−21(昭和電工製)
カラム:1本のShodex KF−802(昭和電工製)と、1本のShodex KF−803L(昭和電工製)と、1本のShodex KF−805L(昭和電工製)とを直列に連結した連結カラム
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
温度:40℃
試料濃度:0.2%
試料注入量:100μL
[酸価]
JIS K 0070の電位差滴定法に準拠し、測定した酸価(mgKOH/g)を固形分換算することで求めた。
[ガラス転移温度(Tg)]
ガラス転移温度の測定は、示差走査熱量計(型番:DSC−1、メトラー・トレド製)を用いて測定した。
[貯蔵弾性率]および[損失正接tanδ]
動的弾性率測定装置(型番:DVA−200、アイティー計測制御製)を用い、導電性接着剤に対して変形様式「引張り」、周波数10Hz、昇温速度10℃/分、測定温度範囲−50〜300℃の条件下において170℃における貯蔵弾性率E’、損失正接tanδの第1ピーク温度および第2ピーク温度、並びに170℃における損失正接tanδを測定した。
<導電性樹脂組成物、クッション材、および金属補強板>
実施例および比較例において使用した各積層体および金属補強板付きプリント配線板の作製に用いる導電性樹脂組成物の各材料、クッション材、金属補強板を以下に示す。なお、表1にバインダー樹脂のMw、酸価およびTgを示す。
[バインダー樹脂]
バインダー樹脂(a−1〜6):ポリウレタン系樹脂(トーヨーケム製)
Figure 2021097152
[導電性微粒子(導電性フィラー)]
b−1:銀コート銅粒子、D50平均粒子径=12μm、核体:樹枝状(福田金属製)
[硬化剤]
c−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂:エポキシ当量189g/eq(jER1001、三菱ケミカル製)
[硬化促進剤]
d−1:アジリジン化合物(トリメチロールプロパントリス〔β−(N−アジリジニル)プロピオネート〕、日本触媒製)
[その他の成分]
e−1:シリカ(AEROSIL R974、日本アエロジル製)
[溶媒]
f−1:トルエン:イソプロピルアルコール(質量比=2:1)の混合溶媒
[クッション材]
g−1:ポリエチレンテレフタレート(厚み25μm、170℃貯蔵弾性率470MPa)
g−2:ポリブチレンテレフタレート(厚み50μm、170℃貯蔵弾性率89MPa)
g−3:ポリメチルペンテン(厚み50μm、170℃貯蔵弾性率62MPa)
g−4:スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(厚み120μm、170℃貯蔵弾性率32MPa)
g−5:スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(厚み120μm、170℃貯蔵弾性率51MPa)
g−6:エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体(厚み150μm、170℃貯蔵弾性率23MPa)
g−7:軟質塩化ビニル(厚み75μm、170℃貯蔵弾性率1MPa)
[金属補強板]
h-1:両表面に厚さ2μmのニッケル層を形成した総厚200μmのSUS304
h-2:両表面に厚さ2μmのニッケル層を形成した総厚150μmのSUS304
h-3:両表面に厚さ2μmのニッケル層を形成した総厚100μmのSUS304
h-4:両表面に厚さ2μmのニッケル層を形成した総厚75μmのSUS304
[プリント配線板]
プリント配線板1:プリント配線板1は、厚み75μmのポリイミドフィルムの両面それぞれに厚み32μmの銅箔回路が形成され、銅箔回路上には、一辺が0.7mmの正方形であって開口面積が0.49mmのスルーホール(開口部)を有する厚み37.5μmの接着剤付き絶縁性カバーフィルムが積層されている。また、もう一方の銅箔回路上にはスルーホールを有さない接着剤付きの厚み37.5μmの絶縁性のカバーフィルムが積層されたものである(プリント配線板が反らないように、ポリイミドフィルムに対して銅箔回路およびカバーフィルムを対称に配置した)。
プリント配線板2:一辺が0.4mmの正方形であってスルーホール(開口部)の開口面積が0.16mmである以外は、プリント配線板1と同様の構成を有するプリント配線板である。
プリント配線板3:一辺が0.2mmの正方形であってスルーホール(開口部)の開口面積を0.04mmである以外は、プリント配線板1と同様の構成を有するプリント配線板である。
[実施例1]
バインダー樹脂(a−1)100重量部、および導電性微粒子(b−1)250重量部を容器に仕込み、不揮発分濃度が40重量%となるように溶媒(f−1)を加えて混合した。次いで、硬化剤(c−1)40重量部、および硬化促進剤(d−1)0.05重量部を加え、攪拌機により10分間攪拌して導電性樹脂組成物を調製した。
次に、上記調製した導電性樹脂組成物を、ドクターブレードを使用して、乾燥後の厚みが60μmになるように剥離性フィルム(基材の材質:発泡ポリエチレンテレフタレート、基材の厚み50μm、離型剤:アルキッド系離型剤)の剥離処理された一方の面上に塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで導電性接着剤が形成された導電性接着シートを得た。
次に導電性接着シートを幅20mm、長さ20mmにカットし、その導電性接着剤が露出した面が幅20mm、長さ20mmの金属補強板(h−1)に接触するように、上記導電性接着シートを上記金属補強板に重ねた。次いで、ロールラミネーターを用い、90℃、3kgf/cm、1m/minの条件下で、上記導電性接着シートと上記金属補強板とをロールラミネートして導電性接着シート付SUS板を得た。
次に、上記導電性接着シート付金属補強板における導電性接着シートの剥離性フィルムを剥がして除去した後、打ち抜き加工機で1辺が10mmの正方形に打ち抜き、導電性接着剤付金属補強板(以下、「導電性接着剤付き金属補強板」と称する)を得た。次いで、別に作製したプリント配線板1〜3を用い、導電性接着剤付金属補強板の導電性接着剤が露出した面(導電性接着剤の金属補強板と反対の面)をプリント配線板に重ね、ロールラミネーターを用いて130℃、3kgf/cm、1m/分の条件下で、上記導電性接着剤付金属補強板と上記プリント配線板とを貼り付けた。その後金属補強板の上に1辺が20mmの正方形にカットしたクッション材(g−2)を積層し積層体を形成した。次いで、これらを170℃、2MPa、5分の条件下で熱プレスした後、クッション材を除去し、電気オーブンを用いて160℃、60分間加熱することで各金属補強板付きプリント配線板1〜3を得た。
[実施例2〜23、比較例1]
配合する各成分の種類および配合量を表2〜表4に記載した通りとした以外は実施例1と同様に操作し、各実施例2〜20および比較例1〜3の積層体並びに金属補強板付きプリント配線板を得た。
[比較例1]
熱プレス時にクッション材を用いなかった以外は、実施例19と同様にして、プリント配線板1〜3を用い、各金属補強板付きプリント配線板を得た。
<評価>
得られた各金属補強板付きプリント配線板について、埋め込み性、および染み出し外観を下記方法に従って評価した。その評価結果を表2〜表4に示す。
[埋め込み性]
異なる開口面積を有する金属補強板付きプリント配線板1〜3について、抵抗値測定器およびBSPプローブ(型番:MCP-TP05P、三菱ケミカルアナリテック製)を用い、金属補強板付きプリント配線板のSUS板と銅箔回路との間の電気抵抗(接続抵抗値)を測定し、この測定値を指標として下記評価基準に従い埋め込み性を評価した。

◎:接続抵抗値が20mΩ/□未満 非常に良好
○:接続抵抗値が20mΩ/□以上100mΩ/□未満 良好
△:接続抵抗値が100mΩ/□以上300mΩ/□未満 実用可能
×:接続抵抗値が300mΩ/□以上 実用不可能
[染み出し]
金属補強板付きプリント配線板1について、倍率200倍〜1000倍の拡大鏡を用いて金属補強板の端部からはみ出した導電性接着剤のフロー量(導電性接着剤層の縁部の最大移動距離、SUS板の端部とはみ出した導電性接着剤層の端部との最大長さ)を測定し、この測定値を指標として下記評価基準に従い外観を評価した。

◎:フロー量が100μm以下 非常に良好
○:フロー量が100μm超130μm以下 良好
△:フロー量が130μm超150μm以下 実用可能
×:フロー量が150μm超 実用不可能
Figure 2021097152
Figure 2021097152
Figure 2021097152
以上、本発明を上記実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
11 剥離性フィルム
12 導電性接着剤(導電性接着剤層)
13 導電性接着シート
14 金属補強板
15 予備積層体
16 クッション材
17 積層体
18 切断線
20 配線板
21 基材
22 絶縁性フィルム
23 絶縁性接着剤
24 信号回路
25 グランド回路
27 開口部
29b 隙間
30 金属補強板付きプリント配線板
なお、本発明では、導電性接着剤と金属補強板とクッション材を順にプリント配線板の上方に配置し用いる場合、または導電性接着剤と金属補強板との積層体に、さらにクッション材を配置して用いる場合、導電性接着剤に金属補強板とクッション材との積層体を配置して用いる場合等、熱プレス時に、導電性接着剤と、金属補強板と、クッション材がこの順に配置されることができればよい。
参考例1
バインダー樹脂(a−1)100重量部、および導電性微粒子(b−1)250重量部を容器に仕込み、不揮発分濃度が40重量%となるように溶媒(f−1)を加えて混合した。次いで、硬化剤(c−1)40重量部、および硬化促進剤(d−1)0.05重量部を加え、攪拌機により10分間攪拌して導電性樹脂組成物を調製した。
次に、上記調製した導電性樹脂組成物を、ドクターブレードを使用して、乾燥後の厚みが60μmになるように剥離性フィルム(基材の材質:発泡ポリエチレンテレフタレート、基材の厚み50μm、離型剤:アルキッド系離型剤)の剥離処理された一方の面上に塗工し、100℃の電気オーブンで2分間乾燥することで導電性接着剤が形成された導電性接着シートを得た。
次に、上記導電性接着シート付金属補強板における導電性接着シートの剥離性フィルムを剥がして除去した後、打ち抜き加工機で1辺が10mmの正方形に打ち抜き、導電性接着剤付金属補強板(以下、「導電性接着剤付き金属補強板」と称する)を得た。次いで、別に作製したプリント配線板1〜3を用い、導電性接着剤付金属補強板の導電性接着剤が露出した面(導電性接着剤の金属補強板と反対の面)をプリント配線板に重ね、ロールラミネーターを用いて130℃、3kgf/cm2 、1m/分の条件下で、上記導電性接着剤付金属補強板と上記プリント配線板とを貼り付けた。その後金属補強板の上に1辺が20mmの正方形にカットしたクッション材(g−1)を積層し積層体を形成した。次いで、これらを170℃、2MPa、5分の条件下で熱プレスした後、クッション材を除去し、電気オーブンを用いて160℃、60分間加熱することで各金属補強板付きプリント配線板1〜3を得た。
[実施例2〜23、比較例1]
配合する各成分の種類および配合量を表2〜表4に記載した通りとした以外は参考例1と同様に操作し、各実施例2〜23および比較例1の積層体並びに金属補強板付きプリント配線板を得た。
なお、表1における実施例1は参考例1の意である。
参考例、実施例3〜5、参考例6〜8、実施例9〜19、参考例20〜21、実施例22〜23、比較例1]
表2〜表4に記載するように、導電性樹脂組成物を構成する各成分の種類および配合量、およびクッション材や金属補強板の種類を変更した以外は参考例1と同様に操作し、参考例2、実施例3〜5、参考例6〜8、実施例9〜19、参考例20〜21、実施例22〜23および比較例1の積層体並びに金属補強板付きプリント配線板を得た。
なお、表における実施例1〜2、6〜8、表4における実施例20〜21参考例1〜2、6〜8、20〜21の意である。

Claims (8)

  1. グランド回路を含む回路パターンと前記回路パターンを絶縁保護し、開口部を有する絶縁保護膜が形成されたプリント配線板の上方に、熱により軟化するバインダー樹脂および導電性フィラーを含有する導電性接着剤と、金属補強板と、クッション材をこの順に有する積層体を、前記配線板と前記導電性接着剤が対向するように配置する工程[1]、
    前記積層体を熱プレスし、前記絶縁保護膜に設けられた開口部を介して、導電性接着剤により前記グランド回路と金属補強板とを接着すると共に、前記グランド回路と金属補強板とを電気的に接続する工程[2]、
    ならびに前記積層体のクッション材を剥離する工程[3]、
    を備えた金属補強板付きプリント配線板の製造方法。
  2. 請求項1記載のプリント配線板の製造方法に用いられ、熱により軟化するバインダー樹脂および導電性フィラーを含有する導電性接着剤と、金属補強板と、クッション材をこの順に有する積層体。
  3. 前記クッション材の貯蔵弾性率は、
    170℃において10MPa以上100MPa以下であり、
    前記導電性接着剤の貯蔵弾性率は、
    170℃において2MPa以上50MPa以下であり、
    前記クッション材の貯蔵弾性率は、前記導電性接着剤の貯蔵弾性率よりも高いことを特徴とする請求項2記載の積層体。
  4. 前記導電性接着剤の損失正接(tanδ)は、
    170℃において0.05以上0.4以下である、
    請求項2または3記載の積層体。
  5. 粘弾性測定により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、
    第1のガラス転移温度が10℃以上45℃以下であり、
    第2のガラス転移温度が70℃以上140℃以下である、
    請求項2〜4いずれか1項記載の導電性接着剤。
  6. 請求項1記載の製造方法により得られる金属補強板付きプリント配線板。
  7. 平面視した際の前記開口部の面積が0.16mm以上0.81mm以下である、請求項6記載の金属補強板付きプリント配線板。
  8. 前記開口部は、前記プリント配線板の外周の一部に形成されている、請求項6または7記載の金属補強板付きプリント配線板。
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