JP2021095536A - 共重合体、樹脂組成物及びレジスト - Google Patents

共重合体、樹脂組成物及びレジスト Download PDF

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優介 青木
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Abstract

【課題】優れた光硬化性及びアルカリ現像性を樹脂組成物に与え且つ高い表面硬度及び低い屈折率を樹脂組成物の硬化物に与えることのできる共重合体を提供すること。【解決手段】シリル基含有重合性モノマー(m−1)由来の構成単位と、フッ素含有重合性モノマー(m−2)由来の構成単位と、酸基含有重合性モノマー(m−3)由来の構成単位と、を含有し、酸価が20KOHmg/g以上である共重合体。【選択図】なし

Description

本発明は、共重合体、その共重合体を含む樹脂組成物及びレジストに関する。
近年、電子材料部材の低反射性をテーマとした開発が進んでいる。例えば、デジタルカメラ、スマートフォン等に使用されるマイクロレンズでは、レンズ間の凹部からの反射光により、画像にノイズが発生する。そこで、マイクロレンズ表面に低反射率層を設けることにより、反射光を抑制し、S/N比を向上させ、ノイズを低減した高画質を実現する需要が高まっている。また、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置では、太陽光、蛍光灯等の外光が画像表示装置の基板内まで届いた後に乱反射し、外光の映り込みによる画面の視認性低下が発生する。そこで、視認性向上を目的に、画像表示装置の基板を構成する各種部材を低反射率化させ、外光の映り込みを最小限に抑制する低反射ディスプレイの需要が高まっている。
フレネルの式にて示されるように、反射率と屈折率とは正の相関関係がある。そこで、上記のような電子材料部材として、低屈折率を有する材料を使用し、低反射率化を実現することが提案されている。また、上記のような電子材料部材には厳密な寸法精度が要求され、例えばフォトリソグラフィ工法により電子材料部材を形成する場合、感光性樹脂組成物の露光及び現像工程を経るため、優れた光硬化性及びアルカリ現像性が必要である。これらを両立させる例として、特許文献1では、フッ素原子含有単官能(メタ)アクリレート化合物(a)、構造中にヒドロキシ基を1個有する単官能(メタ)アクリレート化合物(b)、珪素原子含有単官能(メタ)アクリレート化合物(c)を共重合させることによって得られる共重合体(A)と、フッ素原子含有単官能(メタ)アクリレート化合物(a)及び構造中にカルボキシ基を1個有する単官能不飽和基含有化合物(d)の共重合体(B)とを含有する樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2では、アルコキシシリル基、アルコキシシラノール基縮合基のいずれかを有し、エチレン性不飽和結合当量が300〜1000であるフッ素含有化合物を含む黒色感光性樹脂組成物が開示されている。
特開2004−35852号公報 特開2015−99313号公報
しかし、特許文献1に開示される樹脂組成物は、硬化させた際の表面硬度が不十分であり、また、屈折率は低いものの更なる改善が求められていた。特許文献2に開示される樹脂組成物は、フッ素含有化合物を合成する際に、エチレン性不飽和二重結合を付与させる段階で増粘やゲル化が発生し易いという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、優れた光硬化性及びアルカリ現像性を樹脂組成物に与え且つ高い表面硬度及び低い屈折率を樹脂組成物の硬化物に与えることのできる共重合体、及びその共重合体を含有する樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、マイクロレンズや画像表示装置を一例としたあらゆる電子材料部材の低反射率化及び高精細化に寄与するレジストを提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を含む。
[1]シリル基含有重合性モノマー(m−1)由来の構成単位と、フッ素含有重合性モノマー(m−2)由来の構成単位と、酸基含有重合性モノマー(m−3)由来の構成単位と、を含有し、酸価が20KOHmg/g以上であることを特徴とする共重合体。
[2]エチレン性不飽和二重結合を有さない[1]に記載の共重合体。
[3]前記シリル基含有重合性モノマー(m−1)が、下記式(1)で示される化合物である[1]又は[2]に記載の共重合体。
Figure 2021095536
(式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、nは1〜10の整数である。)
[4]前記フッ素含有重合性モノマー(m−2)が、下記式(2)で示される化合物である[1]〜[3]のいずれかに記載の共重合体。
Figure 2021095536
(式(2)中、R5は、水素原子又はメチル基を表し、Lは、−O−、−O−CH−CH(OH)−CH−、又は−O−NH−C(=O)−CH−CH−を表す。Zは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、−CF、−C、−C又はヒドロキシ基を表し、mは0〜12の整数である。ただし、式(2)で示される化合物は、3個以上のフッ素原子を含む。)
[5]前記酸基含有重合性モノマー(m−3)の酸基がカルボキシ基である[1]〜[4]のいずれかに記載の共重合体。
[6]炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する重合性モノマー(m−4a)及び下記式(3)で示される重合性モノマー(m−4b)からなる群から選択される少なくとも一種の重合性モノマー(m−4)由来の構成単位をさらに含有する[1]〜[5]のいずれかに記載の共重合体。
Figure 2021095536
(式(3)中、X及びX’は、それぞれ独立して、水素原子、又は直鎖若しくは分岐していてもよい炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R6及びR7は、結合して環状構造を形成してもよい。)
[7]前記炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する重合性モノマー(m−4a)が、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、及びアダマンチル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種である、[6]に記載の共重合体。
[8]シリル基当量が200g/mol〜3000g/molである、[1]〜[7]のいずれかに記載の共重合体。
[9]フッ素当量が30g/mol〜400g/molである、[1]〜[8]のいずれかに記載の共重合体。
[10][1]〜[9]のいずれかに記載の共重合体(A)及び溶剤(B)を含有する樹脂組成物。
[11]反応性希釈剤(C)をさらに含有する[10]に記載の樹脂組成物。
[12]光重合開始剤(D)をさらに含有し、前記反応性希釈剤(C)がエチレン性不飽和二重結合含有化合物である[11]に記載の樹脂組成物。
[13]酸発生剤(E)及び塩基発生剤(F)からなる群から選択される少なくとも一種を含有する[10]〜[12]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[14]着色剤(G)をさらに含有する[10]〜[13]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[15][10]〜[14]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物からなるレジスト。
本発明によれば、優れた光硬化性及びアルカリ現像性を樹脂組成物に与え且つ高い表面硬度及び低い屈折率を樹脂組成物の硬化物に与えることのできる共重合体、及びその共重合体を含有する樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、マイクロレンズや画像表示装置を一例としたあらゆる電子材料部材の低反射率化及び高精細化に寄与するレジストを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。
<共重合体>
本実施形態の共重合体は、シリル基含有重合性モノマー(m−1)由来の構成単位と、フッ素含有重合性モノマー(m−2)由来の構成単位と、酸基含有重合性モノマー(m−3)由来の構成単位と、を含有し、酸価が20KOHmg/g以上である。この共重合体は、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する重合性モノマー(m−4a)及び下記式(3)で示される重合性モノマー(m−4b)からなる群から選択される少なくとも一種の重合性モノマー(m−4)由来の構成単位をさらに含有してもよい。
Figure 2021095536
式(3)中、X及びX’は、それぞれ独立して、水素原子、又は直鎖若しくは分岐していてもよい炭素数1〜4の炭化水素基を表す。R6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。R6及びR7は、結合して環状構造を形成してもよい。
本実施形態の共重合体は、シリル基含有重合性モノマー(m−1)由来の構成単位を有することにより、十分な表面硬度及び耐溶剤性を有する硬化物が得られる。さらに、シリル基含有重合性モノマー(m−1)由来の構成単位は、樹脂組成物及びその硬化物の高透明性、低反射率化にも寄与する。また、ガラス基板との密着性向上、親水性基との馴染みの良さからくるアルカリ現像液との親和性向上により、高精細なパターンを形成することができ、厳密な寸法精度が得られる。加えて、フッ素含有重合性モノマー(m−2)由来の構成単位を有することにより、フッ素特有の低い屈折率を有し、樹脂組成物の硬化物を低反射率化することができる。さらに、酸基含有重合性モノマー(m−3)由来の構成単位を有することにより、アルカリ現像液との親和性が高まり、高精細な硬化パターンを形成することができ、厳密な寸法精度を実現することができる。シリル基含有重合性モノマー(m−1)由来の構成単位、フッ素含有重合性モノマー(m−2)由来の構成単位及び酸基含有重合性モノマー(m−3)由来の構成単位を含有する共重合体を樹脂組成物に配合することで、樹脂組成物中の相溶性の向上や良分散性、シリル基を介した架橋構造の形成による硬化性の向上が期待できる。この樹脂組成物をレジスト用途に使用した場合、高い表面硬度を有する低反射膜を均一に形成することができる。
<シリル基含有重合性モノマー(m−1)>
シリル基含有重合性モノマー(m−1)(以後、単に「モノマー(m−1)」と言う場合もある。)は、シリル基を有していれば特に限定されないが、下記式(1)で示されるシリル基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及びアクリレートから選択される一種以上を意味する。
Figure 2021095536
式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R2〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。炭素数1〜6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。R2〜R4のうち少なくとも1つは、炭素数1〜6のアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基又はエトキシ基であることがより好ましい。R2〜R4のうち少なくとも1つが炭素数1〜6のアルコキシ基であると、加熱によりシロキサン結合を形成し、硬化物の高透明性、低反射率化に寄与する。式(1)中、nは1〜10の整数であり、好ましくは1〜6の整数であり、より好ましくは2〜4の整数である。nが1〜10の範囲であると、硬化物の表面硬度が向上する。
モノマー(m−1)の具体例としては、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、入手のし易さ及び反応性の観点から、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン及び3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
<フッ素含有重合性モノマー(m−2)>
フッ素含有重合性モノマー(m−2)(以後、単に「モノマー(m−2)」と言う場合もある。)は、シリル基を有さず、フッ素原子を含む重合性モノマーであれば特に限定されないが、フッ素含有(メタ)アクリレートであることが好ましく、下記式(2)で示される化合物であることがより好ましい。
Figure 2021095536
式(2)中、R5は、水素原子又はメチル基を表す。Lは、−O−、−O−CH−CH(OH)−CH−、又は−O−NH−C(=O)−CH−CH−を表す。入手容易性の観点からは、Lは−O−であることが好ましい。Zは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、−CF、−C、−C又はヒドロキシ基を表す。樹脂組成物をレジスト製造に用いた場合の現像性の観点からは、Zは水素原子又はフッ素原子であることが好ましい。ただし、式(2)で示される化合物は、3個以上のフッ素原子を含む。3個以上のフッ素原子を含む化合物であれば、硬化物の低屈折率化が顕著になる。式(2)で示される化合物に含まれるフッ素原子は、好ましくは10個以下である。mは0〜12の整数である。mが13以上の整数であると、更なる低屈折率化が期待できるが、硬化物の表面硬度が十分に発現できなくなる恐れがある。mは好ましくは0〜6であり、より好ましくは1〜4である。
モノマー(m−2)は、市販品を使用してもよいし、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート等の反応性(メタ)アクリル酸誘導体とフルオロアルコールとを縮合させて用意してもよい。モノマー(m−2)の具体例としては、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、3,3,3−トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、3,3,4,4−テトラフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル(メタ)アクリレート、1H,1H−ペルフルオロ−n−ブチル(メタ)アクリレート、1H,1H−ペルフルオロ−n−ペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H−ペルフルオロ−n−ヘキシル(メタ)アクリレート、1H,1H−ペルフルオロ−n−オクチル(メタ)アクリレート、1H,1H−ペルフルオロ−n−デシル(メタ)アクリレート、1H,1H−ペルフルオロ−n−ドデシル(メタ)アクリレート、1H,1H−ペルフルオロイソブチル(メタ)アクリレート、1H,1H−ペルフルオロイソオクチル(メタ)アクリレート、1H,1H−ペルフルオロイソドデシル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−ペルフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,6H−ペルフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ペルフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H,1H,8H−ペルフルオロオクチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−ペルフルオロノニル(メタ)アクリレート、1H,1H,10H−ペルフルオロデシル(メタ)アクリレート、1H,1H,11H−ペルフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、1H,1H,12H−ペルフルオロドデシル(メタ)アクリレート、2−(ペルフルオロ−n−プロピル)エチル(メタ)アクリレート、2−(ペルフルオロ−n−ブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(ペルフルオロ−n−ヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(ペルフルオロ−n−オクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(ペルフルオロ−n−デシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(ペルフルオロイソブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(ペルフルオロイソオクチル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、屈折率や相溶性、入手し易さの観点から、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、3,3,3−トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、3,3,4,4−テトラフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレートが好ましい。
<酸基含有重合性モノマー(m−3)>
酸基含有重合性モノマー(m−3)(以後、単に「モノマー(m−3)」と言う場合もある。)としては、フッ素原子を含まず且つシリル基を有さず、酸基及びエチレン性不飽和基を有するモノマーであれば特に限定されない。酸基としては、カルボキシ基、スルホ基、ホスホ基等が挙げられる。酸基としては、カルボキシ基が好ましい。エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクイロリルオキシ基、ビニル基等が挙げられる。エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクイロリルオキシ基が好ましい。モノマー(m−3)の具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等の不飽和カルボン酸が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、入手のし易さの観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
<重合性モノマー(m−4)>
重合性モノマー(m−4)(以後、単に「モノマー(m−4)」と言う場合もある。)は、重合性モノマー(m−4a)及び重合性モノマー(m−4b)から選択される少なくとも一種である。
重合性モノマー(m−4a)(以後、単に「モノマー(m−4a)」と言う場合もある。)は、フッ素原子を含まず且つシリル基及び酸基を有さず、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する。ここで、橋かけ環式炭化水素とは、アダマンタン、ノルボルナンに代表される、下記式(4)又は(5)で表される構造を有するものを意味し、橋かけ環式炭化水素基とは、当該構造における一部の水素原子を除いた残りの部分に相当する基を言う。また、モノマー(m−4a)は、後述の重合性モノマー(m−4b)を含まないものとする。
Figure 2021095536
式(4)中、A及びBは、それぞれ独立して、直鎖又は分岐していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基(環式を含む。)を表す。A及びBは、同一であっても、異なっていてもよい。A及びBの分枝同士が結合して環状構造を形成してもよい。R8は、水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2021095536
式(5)中、A’、B’及びDは、それぞれ独立して、直鎖又は分岐していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基(環式を含む。)を表す。A’、B’及びDは、同一であっても、異なっていてもよい。A’、B’及びDの分枝同士が結合して環状構造を形成しもよい。R9は、水素原子又はメチル基を表す。
モノマー(m−4a)としては、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、アダマンチル(メタ)アクリレート又は下記式(6)で示される構造を有する(メタ)アクリレートがより好ましい。
Figure 2021095536
式(6)中、R10〜R12は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表す。R13及びR14は、水素原子若しくはメチル基を表すか、又は結合して飽和若しくは不飽和の環を形成していてもよい。当該環は好ましくは5員環又は6員環である。*は(メタ)アクリロイルオキシ基に連結される結合手を表す。
上記式(6)で示される構造を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性モノマー(m−4b)(以後、単に「モノマー(m−4b)」と言う場合もある。)は、フッ素原子を含まず且つシリル基及び酸基を有さず、上記式(3)で示される重合性モノマーである。上記式(3)において、X及びX’が表す直鎖若しくは分岐していてもよい炭素数1〜4の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。また、R6及びR7が表す、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基における置換基としては、アルコキシ基、アリール基等が挙げられる。置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、ステアリル基、ラウリル基、2−エチルヘキシル基等の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;シクロヘキシル基、t−ブチルシクロヘキシル基、ジシクロペンタジエニル基、トリシクロデカニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基等の脂環式基;1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基等のアルコキシ基で置換されたアルキル基;フェニルアラルキル基等のアリール基で置換されたアルキル基等が挙げられる。
モノマー(m−4b)の具体例としては、ノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ジシクロペンタジエン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、トリシクロ[6.2.1.01,8]ウンデカ−9−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10.01,6]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,12]ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−4−エン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共重合体がモノマー(m−4a)及びモノマー(m−4b)からなる群から選択される少なくとも一種の重合性モノマー(m−4)由来の構成単位を有することで、樹脂組成物の平滑な塗工性、硬化物の高い表面硬度、高い耐熱分解性及び高い耐熱黄変性に寄与する。なお、モノマー(m−4a)及びモノマー(m−4b)は、いずれか一方を単独で用いてもよいし、両方を用いてもよい。特に、レジストとしての硬度の観点から、重合性モノマー(m−4)としては、アダマンチル(メタ)アクリレート又は上記式(6)で示される構造を有する(メタ)アクリレートが好ましく、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートがより好ましい。
<その他の重合性モノマー(m−5)>
本実施形態の共重合体は、その他の重合性モノマー(m−5)由来の構成単位を含んでもよい。すなわち、本発明の共重合体を構成するモノマーは、その他の重合性モノマー(m−5)(以後、単に「モノマー(m−5)」と言う場合もある。)を含んでもよい。その他の重合性モノマー(m−5)は、前記モノマー(m−1)、(m−2)、(m−3)、(m−4a)及び(m−4b)に示した以外の共重合可能なモノマーである。このモノマー(m−5)は、一般にエチレン性不飽和基を有するラジカル重合性化合物であり、具体例としては、ブタジエン等のジエン類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソ−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリルレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリルレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ロジン(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリフェニルメチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、ナフタレン(メタ)アクリレート、アントラセン(メタ)アクリレート等の非反応性(メタ)アクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシ−3−メチル−ペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノ(メタ)アクリレート、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシ(メタ)アクリレート、ブタントリオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタントリオールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等の反応性(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−イソ−プロピルアミド、(メタ)アクリル酸アントラセニルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル、ビニルトルエン等のビニル化合物;スチレン、スチレンのα−、o−、m−、p−アルキル、ニトロ、シアノ、アミド誘導体;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド等のマレイミド類;シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジエステル等が挙げられる。これらは、必要に応じて、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<共重合体の各モノマー由来の構成単位の割合>
本実施形態の共重合体における、各モノマー由来の構成単位の割合は、共重合反応のために添加する各重合性モノマーのモル比の値を用いる。各モノマーの配合割合(モル比)について特に制限はないが、全モノマーの合計を100モル%とした場合に、モノマー(m−1)の配合割合は、好ましくは5〜40モル%、より好ましくは10〜35モル%である。モノマー(m−1)の配合割合が5モル%以上であると、シリル基特有の特性が得られ、所望の硬化性、耐溶剤性、透明性、屈折率が得られる。一方、この配合割合が40モル%以下であると、他のモノマーの配合割合が多くなり、より良好な耐熱分解性や耐熱黄変性、高感度かつ高精細なパターン特性等が得られる。
モノマー(m−2)の配合割合は、好ましくは10〜50モル%、より好ましくは20〜45モル%である。モノマー(m−2)の配合割合が10モル%以上であると、フッ素原子特有の特性が得られ、所望の低屈折率化、低反射化が得られる。一方、この配合割合が50モル%以下であると、他のモノマーの配合割合が多くなり、所望の硬化性、耐溶剤性、透明性、より良好な耐熱分解性や耐熱黄変性、高感度かつ高精細なパターン特性等が得られる。
モノマー(m−3)の配合割合は、好ましくは9.5〜84.5モル%、より好ましくは10〜69モル%、さらに好ましくは10〜40モル%である。モノマー(m−3)の配合割合が9.5モル%以上であると、フッ素含有重合性モノマー(m−2)由来のフッ素原子特有の撥水性を緩和し、アルカリ現像液との親和性が高まり、高精細な硬化パターンを形成することができ、厳密な寸法精度を実現することができるとともに、シリル基含有重合性モノマー(m−1)由来のシリル基との相溶性の向上や、モノマー(m−1)由来のシリル基との架橋構造の形成が期待でき、分散性が良く、かつ高硬度な均一低反射膜を形成することができる。一方、この配合割合が84.5モル%以下であると、他のモノマーの配合割合が多くなり、特にシリル基やフッ素原子特有の特性が十分に発揮できる。
モノマー(m−4a)及び/又は(m−4b)の配合割合は、好ましくは0.5〜20モル%、より好ましくは1〜10モル%である。モノマー(m−4a)及び/又は(m−4b)の配合割合が0.5モル%以上であると、所望の耐熱分解性や耐熱黄変性が得られる。一方、この配合割合が20モル%以下であると、他のモノマーの配合割合が多くなり、シリル基やフッ素原子特有の特性が十分に発揮できるとともに、高感度かつ高精細なパターン特性等が得られる。
モノマー(m−5)を任意に配合する場合、配合割合は好ましくは5〜75モル%、より好ましくは5〜50モル%、さらに好ましくは8〜30モル%である。モノマー(m−5)の配合割合が5モル%以上であると、このモノマーに関する所望の諸特性が得られる。モノマー(m−5)の種類によっては、モノマー(m−1)、(m−2)、(m−3)、(m−4a)及び(m−4b)だけで得られない特性を付与することができる。例えば、スチレン誘導体やベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族基を持ったモノマーは、後述する着色剤を均一に分散させ良好な色特性を発現するのに特に有効である。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート等の反応性基を持ったモノマーは、本実施形態の共重合体や後述する樹脂組成物の各種構成成分と反応し、より優れた硬化性等を発揮するのに有効である。一方、この配合割合が75モル%以下であると共重合体本来の特性、すなわちシリル基やフッ素原子特有の特性が十分に発揮できるとともに、高感度かつ高精細なパターン特性等が得られる。
<共重合体の製造方法>
本実施形態の共重合体は共重合反応を用いて製造することができる。本実施形態において行われる共重合反応は、当該技術分野において公知のラジカル重合方法に従って行うことができる。例えば、共重合に用いるモノマーを溶剤に溶解した後、その溶液に重合開始剤を添加し、50〜130℃で1〜20時間反応させればよい。また、50〜130℃に調整した溶剤に、共重合に用いるモノマーと重合開始剤を滴下しながら反応させてもよい。
この共重合反応に用いることが可能な溶剤としては、ラジカル重合に不活性であり且つ沸点が重合温度を上回るものであれば特に限定されるものではなく、通常用いられている有機溶剤を使用することができる。具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール、メトキシブチルアルコール等のモノアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、ピルビン酸メチル、アセト酢酸メチル、等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド類等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。共重合反応に用いる溶剤として、後述する樹脂組成物に含まれる溶剤(B)と同じものを使用すれば、重合反応に用いた溶剤を分離、除去する必要がないので好ましい。
これらの中でも、モノアルコール類や(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類といったヒドロキシ基を有する溶剤が好ましい。ヒドロキシ基を有する溶剤を使用することにより、モノマー(m−1)の重合温度下での安定性を高め、共重合時の所望しない分子量の増大や、共重合時のゲル化を抑制することができる。また、ヒドロキシ基を有する溶剤を使用することにより、共重合体及び樹脂組成物の保存安定性を高めることができる。共重合反応に用いる溶剤に対して、ヒドロキシ基を有する溶剤の含有割合は10質量%〜100質量%であることが好ましく、20質量%〜100質量%であることがより好ましい。ヒドロキシ基を有する溶剤の含有割合が上記範囲内であると、共重合体の重合温度下において、安定性を高めることができる。さらに、ヒドロキシ基を有する溶剤と組み合わせて使用する溶剤としては、反応性の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート系溶剤が好ましい。
この共重合反応に用いる溶剤の使用量は特に限定されないが、共重合に用いるモノマーの合計を100質量部とした場合に、一般に30〜1000質量部、好ましくは50〜800質量部である。特に、溶剤の使用量を1000質量部以下とすることで、連鎖移動作用による共重合時の分子量の低下を抑制し、且つ共重合体の粘度を適切な範囲に制御することができる。また、溶剤の使用量を30質量部以上とすることで、異常な重合反応を防止し、重合反応を安定して行うことができるとともに、共重合体の着色やゲル化を防止することもできる。
この共重合反応に用いることが可能な重合開始剤としては、ラジカル重合を開始できるものであれば特に限定されるものではなく、通常用いられている有機過酸化物触媒やアゾ化合物を使用することができる。重合開始剤の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。重合温度に応じて適当な半減期のラジカル重合開始剤を選択することが望ましい。
この共重合反応に用いる重合開始剤の配合量は、特に限定されないが、共重合に用いるモノマーの合計を100質量部とした場合に、一般に0.5〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。
<共重合体の特性>
本実施形態の共重合体のシリル基当量は、特に限定されないが、好ましくは200g/mol〜3000g/mol、より好ましくは300g/mol〜2000g/mol、さらに好ましくは500g/mol〜1600g/molである。共重合体のシリル基当量が200g/mol以上であれば、より良好な耐熱分解性や耐熱黄変性、高感度かつ高精細なパターン特性等が得られる。また、共重合体のシリル基当量が200g/mol以上であれば、共重合体及び樹脂組成物の保存安定性の向上が期待できる。一方、共重合体のシリル基当量が3000g/mol以下であれば、シリル基特有の特性が得られ、所望の硬化性、耐溶剤性、透明性及び屈折率が得られる。
なお、シリル基当量は、シリル基のモル数当たりの重合体の質量であり、モノマーの使用量に基づいて算出した計算値である。
本実施形態の共重合体のフッ素当量は、特に限定されないが、好ましくは30g/mol〜400g/mol、より好ましくは50g/mol〜300g/mol、さらに好ましくは70g/mol〜200g/molである。共重合体のフッ素当量が400g/mol以下であれば、光硬化性及び熱硬化性を有し、且つアルカリ現像性を発現するアクリル樹脂の屈折率と比較して十分に低い屈折率を有する共重合体を得ることができる。一方、共重合体のフッ素当量が30g/mol以上であれば、フッ素原子に起因する共重合体の溶剤への溶解性の低下、他の樹脂組成物との相溶性の悪化、ならびにアルカリ現像液の撥水を抑制することができる。
なお、フッ素当量は、フッ素原子のモル数当たりの重合体の質量であり、モノマーの使用量に基づいて算出した計算値である。
本実施形態の共重合体の酸価(JIS K6901 5.3)は、20KOHmg/g以上であり、好ましくは20〜300KOHmg/g、より好ましくは30〜200KOHmg/g、さらに好ましくは45〜110KOHmg/gである。共重合体の酸価が20KOHmg/g未満であると、フッ素含有重合性モノマー(m−2)由来のフッ素原子特有の撥水性が影響し、レジスト用途に使用しアルカリ現像した場合に、未露光部分(硬化しない部分)の残渣が発生しやすく、良好な現像性が得られない。加えて、酸価が20KOHmg/g以上である共重合体は、シリル基と酸基との架橋構造の形成が期待でき、共重合体を含有する樹脂組成物をレジスト用途に使用した場合、高い表面硬度を有する低反射膜を均一に形成することができる。一方、共重合体の酸価が300KOHmg/g以下であれば、アルカリ現像液に対して露光部分(硬化部分)が溶解し易くなることもない。
本実施形態の共重合体の分子量(ポリスチレン換算の重量平均分子量)は、好ましくは1000〜50000、より好ましくは3000〜40000、さらに好ましくは8000〜11000である。共重合体の分子量が1000以上であると、硬化物の耐溶剤性及び耐熱分解性が十分に確保できる。一方、共重合体の分子量が50000以下であると、分子量や粘度を適切な範囲に制御することができ、実用的である。
本実施形態の共重合体の屈折率は、特に限定されないが、589nm、20℃の条件において、1.50未満であることが好ましく、1.47以下であることがより好ましい。共重合体(A)の屈折率が1.50未満であれば、フッ素非含有の光硬化性及び熱硬化性を発現するアクリル樹脂の屈折率と比較して十分に低い屈折率であり、硬化物の低反射率化を達成できる。
本実施形態の共重合体は、エチレン性不飽和二重結合を有さないことが好ましい。共重合体がエチレン性不飽和二重結合を有さないことにより、増粘やゲル化の発生を抑制することができ、樹脂組成物としての保存安定性も良好である。
<樹脂組成物>
本実施形態の樹脂組成物は、上記した共重合体(A)及び溶剤(B)を含む。本実施形態の樹脂組成物は、反応性希釈剤(C)、光重合開始剤(D)、酸発生剤(E)、塩基発生剤(F)、着色剤(G)等を更に含んでもよい。例えば、本実施形態の樹脂組成物は、共重合体(A)、溶剤(B)、反応性希釈剤(C)及び光重合開始剤(D)を含むことより、感光性樹脂組成物とすることができる。また、本実施形態の樹脂組成物は、共重合体(A)と、溶剤(B)と、熱又は紫外線照射により酸を発生する酸発生剤(E)及び/又は熱又は紫外線照射により塩基を発生する塩基発生剤(F)と、を含むことより、熱硬化性樹脂組成物又は感光性樹脂組成物とすることができる。この熱硬化性樹脂組成物又は感光性樹脂組成物は、反応性希釈剤(C)、光重合開始剤(D)、着色剤(G)等を更に含んでもよい。
<溶剤(B)>
溶剤(B)は、共重合体(A)と反応しない溶剤であれば特に限定されない。溶剤(B)としては、共重合体(A)を製造する際に用いた溶剤と同じものを用いることができ、反応後に含まれている溶剤をそのまま用いることもでき、更に加えることもできる。また、その他の成分を加える際に、そこに共存しているものでもよい。溶剤(B)の具体例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの中でも、共重合体(A)を製造する際や、後述するレジストを製造する際に好ましく使用されるプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤が好ましい。
<反応性希釈剤(C)>
反応性希釈剤(C)としては、特に限定されないが、ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のエチレン性不飽和二重結合を含むものが好ましい。反応性希釈剤(C)の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等の芳香族ビニル系モノマー類;酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等のポリカルボン酸モノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系モノマー;トリアリルシアヌレート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基を複数有する化合物が好ましく、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイルオキシ基を3個以上有する化合物がより好ましい。
<光重合開始剤(D)>
光重合開始剤(D)は光ラジカル発生剤が好ましく、その具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1;アシルホスフィンオキサイド類;及びキサントン類等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<酸発生剤(E)>
酸発生剤としては、熱により酸を発生する化合物(熱酸発生剤)、及び紫外線照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)がある。熱酸発生剤及び光酸発生剤としては、熱又は紫外線照射により酸を発生することができれば特に限定されるものではない。熱酸発生剤及び光酸発生剤の具体例としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩等のオニウム塩が挙げられる。これらの中でもスルホニウム塩が好ましい。特に、熱酸発生剤としては、100℃以上の加熱で酸を発生するものが好ましく、入手が可能な点からサンアプロ株式会社製TA−100及びTA−120が好ましい。また、光酸発生剤としては、不純物が少なくi線に高感度なトリアリールスルホニウム塩系の光酸発生剤が好ましい。特にサンアプロ株式会社製CPI−210シリーズ、CPI−100シリーズ、CPI−300シリーズ、CPI−400シリーズ等がより好ましい。これらの熱酸発生剤及び光酸発生剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<塩基発生剤(F)>
塩基発生剤としては、熱により塩基を発生する化合物(熱塩基発生剤)、及び紫外線照射により塩基を発生する化合物(光塩基発生剤)がある。熱塩基発生剤及び光塩基発生剤としては、熱又は紫外線照射により塩基を発生することができれば特に限定されるものではない。また、増感剤を併用することにより、その効果を増幅することができる。熱塩基発生剤及び光塩基発生剤の具体例としては、カルバメート系の非イオン型と、ケトプロフェン系やボレートアニオン系のイオン型等が挙げられ、イオン型ではアミジン塩、グアニジン塩ホスファゼン塩等が対カチオンとして挙げられる。これらの中でも、塩基性の強さの観点から、グアニジン塩の中でもアルキルビグアニドを含む化合物が好ましく、入手可能な点から、和光純薬工業株式会社製のWPBG−266やWPBG−345等が好ましい。これらの熱塩基発生剤及び光塩基発生剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、増感剤の具体例としては、2−エチルアントラキノン等のアントラキノン系化合物がi線に高感度で好ましい。
<着色剤(G)>
着色剤(G)としては、溶剤(B)に溶解又は分散するものであれば特に限定されず、公知の染料又は顔料を用いることができる。着色剤(G)を用いることにより、本実施形態の樹脂組成物を、画像表示装置に用いるカラーフィルターやブラックマトリックス等の用途に好適に使用することができる。着色剤(G)として染料を用いる場合、顔料を用いる場合と比べ高輝度な着色パターンを得ることができ、また良好なアルカリ現像性を示す。一方、着色剤(G)として顔料を用いる場合、染料を用いる場合と比べ着色パターンの耐熱性が高い。求められる性能や目的とする画素の色に応じて、染料と顔料を併用してもよい。
染料としては、溶剤(B)やアルカリ現像液に対する溶解性、樹脂組成物中の他の成分との相互作用、耐熱性等の観点から、カルボキシ基等の酸性基を有する酸性染料、酸性染料の窒素化合物との塩、酸性染料のスルホンアミド体等を用いることが好ましい。このような染料の具体例としては、acid alizarin violet N;acid black1、2、24、48;acid blue1、7、9、25、29、40、45、62、70、74、80、83、90、92、112、113、120、129、147;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green1、3、5、25、27、50;acid orange6、7、8、10、12、50、51、52、56、63、74、95;acid red1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、51、52、57、69、73、80、87、88、91、92、94、97、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、183、198、211、215、216、217、249、252、257、260、266、274;acid violet 6B、7、9、17、19;acid yellow1、3、9、11、17、23、25、29、34、36、42、54、72、73、76、79、98、99、111、112、114、116; food yellow 3及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、アゾ系、キサンテン系、アントラキノン系又はフタロシアニン系の酸性染料が好ましい。これらの染料は、目的とする画素の色に応じて、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214等の黄色顔料;C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等の橙色顔料;C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265等の赤色顔料;C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等の青色顔料;C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;C.I.ピグメントグリーン7、36、58等の緑色顔料;C.I.ピグメントブラウン23、25等の茶色顔料;C.I.ピグメントブラック1、7、カーボンブラック、チタンブラック、酸化鉄等の黒色顔料等が挙げられる。これらの顔料は、目的とする画素の色に応じて、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
着色剤(G)として顔料を用いる場合、顔料の分散性を向上させる観点から、公知の分散剤を樹脂組成物に配合してもよい。分散剤としては、経時の分散安定性に優れる高分子分散剤を用いることが好ましい。高分子分散剤の例としては、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性エステル系分散剤等が挙げられる。このような高分子分散剤として、EFKA(エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、Disperbyk(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成株式会社製)、SOLSPERSE(ゼネカ社製)などの商品名で市販されているものを用いてもよい。本実施形態の樹脂組成物における分散剤の配合量は、使用する顔料などの種類に応じて適宜設定すればよい。
本実施形態の樹脂組成物は、上記の成分に加えて、所定の特性を付与するためにカップリング剤、レベリング剤等の公知の添加剤、フィラー、分散剤等を配合してもよい。これらの成分の配合量は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば特に限定されない。
<樹脂組成物の組成>
本実施形態の樹脂組成物における溶剤(B)の配合量は、当該組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部としたときに、好ましくは30〜1000質量部、より好ましくは50〜800質量部であり、最も好ましくは100〜700質量部である。溶剤(B)の配合量が上記範囲内であれば、適切な粘度を有する樹脂組成物となる。
本実施形態の樹脂組成物が反応性希釈剤(C)を含む場合、(A)〜(C)成分の配合量は、樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部としたときに、好ましくは共重合体(A)が10〜90質量部、溶剤(B)が30〜1000質量部、反応性希釈剤(C)が10〜90質量部であり、より好ましくは共重合体(A)が20〜80質量部、溶剤(B)が50〜800質量部、反応性希釈剤(C)が10〜70質量部であり、最も好ましくは共重合体(A)が30〜75質量部、溶剤(B)が100〜700質量部、反応性希釈剤(C)が15〜50質量部である。
本実施形態の樹脂組成物が反応性希釈剤(C)及び光重合開始剤(D)を含む場合、(A)〜(D)成分の配合量は、樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部としたときに、好ましくは共重合体(A)が5〜80質量部、溶剤(B)が30〜1000質量部、反応性希釈剤(C)が10〜90質量部であり、光重合開始剤(D)が0.1〜30質量部であり、より好ましくは共重合体(A)が8〜70質量部、溶剤(B)が50〜800質量部、反応性希釈剤(C)が10〜70質量部であり、光重合開始剤(D)が0.5〜20質量部であり、最も好ましくは共重合体(A)が10〜60質量部、溶剤(B)が100〜700質量部、反応性希釈剤(C)が15〜50質量部、光重合開始剤(D)が1〜15質量部である。
本実施形態の樹脂組成物が反応性希釈剤(C)、光重合開始剤(D)及び着色剤(G)を含む場合、(A)〜(D)及び(G)成分の配合量は、樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部としたときに、好ましくは共重合体(A)が5〜80質量部、溶剤(B)が30〜1000質量部、反応性希釈剤(C)が10〜89質量部であり、光重合開始剤(D)が0.1〜30質量部、着色剤(G)が5〜80質量部であり、より好ましくは共重合体(A)が8〜70質量部、溶剤(B)が50〜800質量部、反応性希釈剤(C)が10〜70質量部であり、光重合開始剤(D)が0.5〜20質量部、着色剤(G)が5〜70質量部であり、最も好ましくは共重合体(A)が10〜60質量部、溶剤(B)が100〜700質量部、反応性希釈剤(C)が15〜50質量部、光重合開始剤(D)が1〜15質量部、着色剤(G)が10〜60質量部である。
本実施形態の樹脂組成物が反応性希釈剤(C)、光重合開始剤(D)及び酸発生剤(E)もしくは塩基発生剤(F)を含む場合、(A)〜(F)成分の配合量は、樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部としたときに、好ましくは共重合体(A)が5〜80質量部、溶剤(B)が30〜1000質量部、反応性希釈剤(C)が10〜90質量部であり、光重合開始剤(D)が0.1〜30質量部、酸発生剤(E)もしくは塩基発生剤(F)が0.001〜5質量部であり、より好ましくは共重合体(A)が8〜70質量部、溶剤(B)が50〜800質量部、反応性希釈剤(C)が10〜70質量部であり、光重合開始剤(D)が0.5〜20質量部、酸発生剤(E)もしくは塩基発生剤(F)が0.01〜4質量部であり、最も好ましくは共重合体(A)が10〜60質量部、溶剤(B)が100〜700質量部、反応性希釈剤(C)が15〜50質量部、光重合開始剤(D)が1〜15質量部、酸発生剤(E)もしくは塩基発生剤(F)が0.01〜2質量部である。
本実施形態の樹脂組成物が反応性希釈剤(C)、光重合開始剤(D)、酸発生剤(E)もしくは塩基発生剤(F)及び着色剤(G)を含む場合、(A)〜(F)及び(G)成分の配合量は、樹脂組成物中の溶剤(C)を除く成分の総和を100質量部としたときに、好ましくは共重合体(A)が5〜80質量部、溶剤(B)が30〜1000質量部、反応性希釈剤(C)が10〜89質量部であり、光重合開始剤(D)が0.1〜30質量部、酸発生剤(E)もしくは塩基発生剤(F)が0.001〜5質量部、着色剤(G)が5〜80質量部であり、より好ましくは共重合体(A)が8〜70質量部、溶剤(B)が50〜800質量部、反応性希釈剤(C)が10〜70質量部であり、光重合開始剤(D)が0.5〜20質量部、酸発生剤(E)もしくは塩基発生剤(F)が0.01〜4質量部、着色剤(G)が5〜70質量部であり、最も好ましくは共重合体(A)が10〜60質量部、溶剤(B)が100〜700質量部、反応性希釈剤(C)が15〜50質量部、光重合開始剤(D)が1〜15質量部、酸発生剤(E)もしくは塩基発生剤(F)が0.01〜2質量部、着色剤(G)が10〜60質量部である。
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の樹脂組成物は、公知の混合装置を用い、上記の各成分を混合することによって製造することができる。例えば、先に共重合体(A)及び溶剤(B)を含む樹脂組成物を調製した後、反応性希釈剤(C)、光重合開始剤(D)等を混合して製造してもよい。
上記のようにして得られる樹脂組成物は、光や熱に対する感度に優れるとともに、耐熱分解性や耐熱黄変性、かつ低反射性に優れた高精細な硬化物(硬化パターン)を与えることができる。そのため、本実施形態の樹脂組成物は、各種レジスト、特に、反射光を抑制できるマイクロレンズ表面や、外光の映り込みを抑制できる画像表示装置に組み込まれる基板、カラーフィルター、ブラックマトリックス、カラムスペーサー、保護膜等の製造に用いられるレジストとして使用することに好適である。また、本実施形態の樹脂組成物は、耐熱分解性、耐熱黄変性、高透明性、低反射性等の様々な特性に優れた硬化物を与えるため、各種コーティング、接着剤、印刷インキ用バインダー等に使用することにも好適である。
<レジスト>
本実施形態のレジストは、上記の樹脂組成物から得られる硬化物のことを指す。本実施形態のレジストとしては、ガラス基板、シリコン基板、ポリカーボネート基板、ポリエステル基板、ポリアミド基板、ポリアミドイミド基板、ポリイミド基板、アルミニウム基板、プリント配線基板、アレイ基板等の基板の上に本実施形態の樹脂組成物を塗布し、必要に応じてフォトマスクを介し、塗布膜を露光して露光部分を光硬化させる。フォトマスクを使用してパターン形成を行う場合には、未露光部分をアルカリ水溶液で洗浄して現像する。その後、ベーキングすることにより、基板上に所定の硬化物を形成することができる。樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されないが、スクリーン印刷法、ロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、スピンコート法、スリットコート法等を用いることができる。また、樹脂組成物の塗布後、必要に応じて、循環式オーブン、赤外線ヒーター、ホットプレート等の加熱手段を用いて加熱することにより溶剤(C)を揮発させてもよい。加熱条件は、特に限定されず、使用する感光性樹脂組成物の種類に応じて適宜設定すればよい。一般には、50℃〜120℃の温度で30秒〜30分加熱すればよい。
露光に用いられる光源としては、特に限定されないが、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を用いることができる。また、露光量も、特に限定されず、使用する感光性樹脂組成物の種類に応じて適宜調整すればよい。
現像に用いられるアルカリ水溶液としては、特に限定されないが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液;エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン系化合物の水溶液;3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニリン及びこれらの硫酸塩、塩酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩等のp−フェニレンジアミン系化合物の水溶等を用いることができる。これらの中でも、p−フェニレンジアミン系化合物の水溶液を用いることが好ましい。なお、これらのアルカリ水溶液には、必要に応じて消泡剤や界面活性剤を添加してもよい。また、上記のアルカリ水溶液による現像の後、水洗して乾燥させることが好ましい。
また、ベーキングの条件は、特に限定されず、使用する感光性樹脂組成物の種類に応じて加熱処理を行えばよい。一般には、130〜250℃で10〜60分間加熱すればよい。
上記のような塗布、露光、現像及びベーキングを、ブラックマトリックス用の感光性樹脂組成物及び画素用の感光性樹脂組成物を用いて順次繰り返すことにより、所望の着色パターンを形成することができる。なお、上記では、光硬化による着色パターンの形成方法を説明したが、光重合開始剤(D)の代わりに、硬化促進剤及び公知のエポキシ樹脂を配合した感光性樹脂組成物を用いれば、インクジェット法により塗布した後、加熱することにより、所望の着色パターンを形成することもできる。また、着色剤(G)を含有しない透明な樹脂組成物として用いれば、マイクロレンズの形成材料とすることもできる。
以下、実施例を参照して本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。なお、この実施例において、部及びパーセントとあるのは特に断らない限り、全て質量基準である。
<共重合体(A)の酸価の測定法>
JIS K6901 5.3.2に従って、共重合体(A)1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を測定した。
測定器:776 Dosimat(Metrohm社)
混合指示薬:ブロモチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬
<共重合体(A)のシリル基当量>
シリル基のモル数当たりの共重合体(A)の質量であり、モノマーの使用量に基づいて算出した計算値である。
<共重合体(A)のフッ素当量の測定法>
フッ素原子のモル数当たりの共重合体(A)の質量であり、モノマーの使用量に基づいて算出した計算値である。
<分子量の測定法>
分子量(Mw)とは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて、下記条件にて測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
カラム:ショウデックス(登録商標) LF−804+LF−804(昭和電工株式会社製)
カラム温度:40℃
試料:共重合体(A)の0.2%テトラヒドロフラン溶液
展開溶媒:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折計(ショウデックス RI−71S)(昭和電工株式会社製)
流速:1mL/min
<屈折率の測定法>
屈折率とは、屈折計を用いて測定した共重合体(A)の屈折率を意味する。共重合体(A)と溶剤(B)とを含有する樹脂組成物(試料)の屈折率を下記条件にて測定し、次いで溶剤(B)の屈折率を下記条件にて測定した。次いで試料中に含まれる共重合体(A)の含有率(固形分)をJIS K6901 5.11に従って測定し、下記式を用いて試料中に含まれる共重合体(A)単独の屈折率を算出した。
測定器:J−357 Automatic Refractometer(Rudolph Research Analytical社)
測定波長:589nm
測定温度:20℃
共重合体(A)単独の屈折率=(試料の屈折率−溶剤(B)の屈折率)÷固形分×100+溶剤(B)の屈折率
<固形分の測定法>
下記の合成例で得られた試料を130℃で2時間加熱した時の加熱残分を測定した。
共重合体(A)及び溶剤(B)を含有する樹脂組成物(試料)の製造例を以下に示す。
<実施例1>
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、59.6gのプロピレングリコールモノメチルエーテルを入れた後、窒素ガスで置換しながら撹拌し、80℃に昇温した。次に、27.9gの3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(m−1)、26.5gの2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(m−2)、5.8gのメタクリル酸(m−3)、1.0gのジシクロペンタニルメタクリレート(m−4)、及び10.8gのメタクリル酸メチル(m−5)からなるモノマー混合物に、4.4gの2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤、モノマー混合物100質量部に対して6.0質量部)を添加したものを滴下ロートから前記フラスコ中に滴下した。滴下終了後、80℃で2時間攪拌して共重合反応を行い、合成例1の共重合体(A)を含む溶液を得た。
次に、この共重合体を含む溶液に、溶剤(B)として25.3gのプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え、試料1を得た。全モノマーの合計を100モル%として換算した時の各モノマーの配合割合と、共重合体(A)の酸価、シリル基当量、フッ素当量、分子量及び屈折率を表1に示した。
<実施例2〜8及び比較例1〜4>
表1に記載のモノマーの配合割合とする以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜8及び比較例1〜4の共重合体(A)を含む溶液を製造し、溶剤(B)としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え、試料2〜12を得た。全モノマーの合計を100モル%として換算した時の各モノマーの配合割合と、共重合体(A)の酸価、シリル基当量、フッ素当量、分子量及び屈折率を表1に示した。
<比較例5>
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、55.3gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを入れた後、窒素ガスで置換しながら撹拌し、80℃に昇温した。次に、26.7gの3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(m−1)、25.3gの2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(m−2)及び14.8gのメタクリル酸(m−3)からなるモノマー混合物に、4.0gの2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤、モノマー混合物100質量部に対して6.0質量部)を添加したものを滴下ロートから前記フラスコ中に滴下した。滴下終了後、80℃で2時間攪拌して共重合反応を行った。
次に、メタクリル酸(m−3)由来のカルボキシ基にグリシジルメタクリレートを付加して、エチレン性不飽和二重結合を導入するための操作を行った。すなわち、前記フラスコ内を空気に置換した後、12.2gのグリシジルメタクリレート、触媒として0.2gのトリフェニルホスフィン(全モノマーの合計100質量部に対して0.3質量部)及び重合禁止剤として0.2gのハイドロキノンモノメチルエーテル(全モノマーの合計100質量部に対して0.3質量部)を加え、120℃に昇温した。その結果、共重合体が増粘した後にゲル化してしまい、製造することができなかった。
Figure 2021095536
<実施例9、12〜18及び比較例6〜9>
直径0.5mmのジルコニアビーズ180質量部を充填したSUS容器に、10質量部のカーボンブラック、34質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び6質量部の分散剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製Disperbyk−161)を加え、ペイントシェーカーで3時間混合して分散させることにより、黒色顔料分散液を調製した。
次に、試料1〜12の固形分100質量部に対して、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(反応性希釈剤(C))67質量部、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル−]−,−1−(O−アセチルオキシム)(光重合開始剤(D))13質量部、上記黒色顔料分散液の固形分(着色剤(G))180質量部を添加した後、溶剤(B)が670質量部となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えることにより、実施例9、12〜18及び比較例6〜9の黒色感光性樹脂組成物を調製した。
なお、黒色顔料分散液の固形分とは、黒色顔料分散液から溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を除いた残留物と定義する。
<実施例10>
試料1の固形分100質量部に対して、CPI−210S(サンアプロ株式会社製)(酸発生剤(E))0.05質量部をさらに添加する以外は実施例9と同様にして、実施例10の黒色感光性樹脂組成物を調製した。
<実施例11>
試料1の固形分100質量部に対して、WPBG−266(和光純薬工業株式会社製)(塩基発生剤(F))0.05質量部をさらに添加する以外は実施例9と同様にして、実施例11の黒色感光性樹脂組成物を調製した。
<黒色感光性樹脂組成物によるパターン形成(現像有り)>
各黒色感光性樹脂組成物を、5cm角ガラス基板(無アルカリガラス基板)上に、最終の硬化塗膜の平均厚さが1.0μmとなるようにスピンコートした後、100℃で3分間加熱することで溶剤を揮発させた。次に、基板上にラインアンドスペースやドットパターンのフォトマスクを設置して塗膜を露光(露光量300mJ/cm)し、光硬化させた後、0.2質量%の水酸化カリウム水溶液で現像し、さらに230℃で30分間ベーキングすることで硬化塗膜である黒色レジストを得た。
<黒色感光性樹脂組成物によるパターン形成(現像無し)>
各黒色感光性樹脂組成物を、5cm角ガラス基板(無アルカリガラス基板)上に、最終の硬化塗膜の平均厚さが1.0μmとなるようにスピンコートした後、100℃で3分間加熱することで溶剤を揮発させた。次に、塗膜全面を露光(露光量300mJ/cm)し、光硬化させた後、さらに230℃で30分間ベーキングすることで硬化塗膜である黒色レジストを得た。
<黒色レジストの評価>
黒色レジストについて、現像性、表面硬度及び反射率を以下の方法に従って評価した。
(1)現像性の評価
黒色感光性樹脂組成物によるパターン形成(現像有り)において、0.2質量%の水酸化カリウム水溶液での現像中、パターンが見え終わるまでに掛かる時間を測定した。測定時間は300秒までとし、それまでにパターンが見えなかった場合は現像不可と判断した。また、現像形態(未露光部分がどのように除去されるか)を目視で確認し、下記基準に従って評価した。評価結果を表2に示す。
○:未露光部分が現像液に溶解する
×:未露光部分が剥離する
(2)表面硬度の評価
ガラス基板上に製膜した塗膜の表面硬度を、(株)安田精機製作所製 鉛筆硬度計No.553−M Scratch Hardness Tester(引っ掻き荷重:750g、引っ掻き速度:80mm/分)にて比較した。評価結果を表2に示す。
(3)反射率の評価
黒色感光性樹脂組成物によるパターン形成(現像無し)にて作製した塗膜の550nmにおける反射率を、(株)島津製作所製 分光光度計UV−1650PCを用いて測定した。評価結果を表2に示す。
Figure 2021095536
表2の結果からわかるように、実施例9〜18では、優れた光硬化性及び現像性、高い表面硬度及び低い反射率を発現するレジストが得られた。一方、比較例6〜9では、光硬化性、現像性、表面硬度及び反射率のいずれかが不十分なレジストが得られた。
以上より、本発明により、特定の共重合体(A)により、優れた光硬化性及びアルカリ現像性を有するとともに、高い表面硬度及び低い屈折率を有する硬化物が得られる樹脂組成物を提供することができる。また、本発明の樹脂組成物は、マイクロレンズや画像表示装置を一例としたあらゆる電子材料部材の低反射率化及び高精細化に寄与するレジストを提供することができる。

Claims (15)

  1. シリル基含有重合性モノマー(m−1)由来の構成単位と、
    フッ素含有重合性モノマー(m−2)由来の構成単位と、
    酸基含有重合性モノマー(m−3)由来の構成単位と、
    を含有し、酸価が20KOHmg/g以上であることを特徴とする共重合体。
  2. エチレン性不飽和二重結合を有さない請求項1に記載の共重合体。
  3. 前記シリル基含有重合性モノマー(m−1)が、下記式(1)で示される化合物である請求項1又は2に記載の共重合体。
    Figure 2021095536
    (式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、nは1〜10の整数である。)
  4. 前記フッ素含有重合性モノマー(m−2)が、下記式(2)で示される化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の共重合体。
    Figure 2021095536
    (式(2)中、R5は、水素原子又はメチル基を表し、Lは、−O−、−O−CH−CH(OH)−CH−、又は−O−NH−C(=O)−CH−CH−を表す。Zは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、−CF、−C、−C又はヒドロキシ基を表し、mは0〜12の整数である。ただし、式(2)で示される化合物は、3個以上のフッ素原子を含む。)
  5. 前記酸基含有重合性モノマー(m−3)の酸基がカルボキシ基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の共重合体。
  6. 炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する重合性モノマー(m−4a)及び下記式(3)で示される重合性モノマー(m−4b)からなる群から選択される少なくとも一種の重合性モノマー(m−4)由来の構成単位をさらに含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の共重合体。
    Figure 2021095536
    (式(3)中、X及びX’は、それぞれ独立して、水素原子、又は直鎖若しくは分岐していてもよい炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R6及びR7は、結合して環状構造を形成してもよい。)
  7. 前記炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する重合性モノマー(m−4a)が、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、及びアダマンチル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項6に記載の共重合体。
  8. シリル基当量が200g/mol〜3000g/molである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の共重合体。
  9. フッ素当量が30g/mol〜400g/molである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の共重合体。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の共重合体(A)及び溶剤(B)を含有する樹脂組成物。
  11. 反応性希釈剤(C)をさらに含有する請求項10に記載の樹脂組成物。
  12. 光重合開始剤(D)をさらに含有し、前記反応性希釈剤(C)がエチレン性不飽和二重結合含有化合物である請求項11に記載の樹脂組成物。
  13. 酸発生剤(E)及び塩基発生剤(F)からなる群から選択される少なくとも一種を含有する請求項10〜12のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  14. 着色剤(G)をさらに含有する請求項10〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  15. 請求項10〜14のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物からなるレジスト。
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