JP2020084089A - エチレン性不飽和樹脂の製造方法、エチレン性不飽和樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
エチレン性不飽和樹脂の製造方法、エチレン性不飽和樹脂組成物の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】残存重合禁止剤量が少なく、透明性、耐熱黄変性、色材を含む微粒子分散性が高い樹脂が提供される。【解決手段】本発明のエチレン性不飽和樹脂の製造方法は、エポキシ基含有化合物(a)とカルボキシ基含有化合物(b)とを重合禁止剤及び触媒存在下で反応させ、エチレン性不飽和樹脂(A)を製造する方法であり、前記エポキシ基含有化合物(a)と前記カルボキシ基含有化合物(b)とは、少なくとも1つの化合物がエチレン性不飽和基を含有し、前記重合禁止剤が、炭素クラスター(c)であるとを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、エチレン性不飽和樹脂の製造方法、エチレン性不飽和樹脂組成物の製造方法に関する。
アクリル樹脂は、その優れた透明性、耐候性、バランスの取れた機械特性から、様々な分野で用いられている。最近では、エチレン性不飽和基を導入した樹脂からなる感光性樹脂組成物を用いることより、塗布・露光・現像工程などを経て、ディスプレイ用の部材としてのブラックカラムスペーサなどを形成することが開示されている(特許文献1)。樹脂にエチレン性不飽和基を導入する方法としては、エポキシ基を含有する樹脂とカルボキシ基を含有するエチレン性不飽和化合物とを重合禁止剤及び触媒存在下で反応させる方法が開示されている。
近年、ディスプレイへの要求性能の向上からアクリル樹脂にも高透明性、高耐熱黄変性、高顔料分散性といった性能が重要視され、保存に必要な重合禁止剤量以上の禁止剤や残存触媒の低減が望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、少量の重合禁止剤でも効率的に合成をおこない、重合禁止剤含有量の少ない樹脂液の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[10]で示される。
[1] エポキシ基含有化合物(a)とカルボキシ基含有化合物(b)とを重合禁止剤及び触媒存在下で反応させ、エチレン性不飽和樹脂(A)を製造する方法であって、
前記エポキシ基含有化合物(a)と前記カルボキシ基含有化合物(b)の少なくとも1方の化合物がエチレン性不飽和基を含有し、
前記重合禁止剤が、炭素クラスター(c)であり、前記炭素クラスター(c)はフラーレンおよびすす状物質の少なくとも1つである
ことを特徴とするエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[2] 前記エポキシ基含有化合物(a)がエポキシ基含有共重合体(P1)であり、
前記カルボキシ基含有化合物(b)がカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)である
[1]に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[3] 前記エポキシ基含有化合物(a)がエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)であり、
前記カルボキシ基含有化合物(b)がカルボキシ基含有共重合体(b2)である
[1]に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[4] 前記エポキシ基含有化合物(a)がエポキシ樹脂(P3)であり、
前記カルボキシ基含有化合物(b)がカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)である
[1]に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[5] 前記エポキシ基含有化合物(a)がエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)であり、
前記カルボキシ基含有化合物(b)がカルボキシ基含有樹脂(P4)であり、
前記カルボキシ基含有樹脂(P4)は、エポキシ樹脂(P3)と多官能カルボン酸(e)とを反応させてなるカルボキシ基を有する樹脂である[1]に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[6]前記重合禁止剤が、フラーレンである[1]〜[5]のいずれか1項に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[7]前記フラーレンが、C60およびC70から選ばれる1種以上である[1]〜[6]のいずれか1項に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[8]前記重合禁止剤の使用量は、前記エポキシ基含有化合物(a)と前記のカルボキシ基含有化合物(b)との合計量100質量部に対して0.0001〜0.10質量部である[1]〜[7]のいずれか1項に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[9]反応雰囲気が酸素濃度2〜10体積%で合成を行う[1]〜[8]のいずれか1項に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[10] エチレン性不飽和樹脂組成物を製造する方法であって、
前記エチレン性不飽和樹脂組成物は、[1]〜[9]の何れか1項記載の製造方法を用いて得られたエチレン性不飽和樹脂(A)と、
炭素クラスター(c)と、
溶剤(B)と、を含有し、
[1]〜[9]の何れか1項記載の製造方法で前記エチレン性不飽和樹脂(A)を製造する工程と、
前記エチレン性不飽和樹脂(A)と前記溶剤(B)とを混合する工程と
を含むことを特徴とする、エチレン性不飽和樹脂組成物の製造方法。
[1] エポキシ基含有化合物(a)とカルボキシ基含有化合物(b)とを重合禁止剤及び触媒存在下で反応させ、エチレン性不飽和樹脂(A)を製造する方法であって、
前記エポキシ基含有化合物(a)と前記カルボキシ基含有化合物(b)の少なくとも1方の化合物がエチレン性不飽和基を含有し、
前記重合禁止剤が、炭素クラスター(c)であり、前記炭素クラスター(c)はフラーレンおよびすす状物質の少なくとも1つである
ことを特徴とするエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[2] 前記エポキシ基含有化合物(a)がエポキシ基含有共重合体(P1)であり、
前記カルボキシ基含有化合物(b)がカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)である
[1]に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[3] 前記エポキシ基含有化合物(a)がエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)であり、
前記カルボキシ基含有化合物(b)がカルボキシ基含有共重合体(b2)である
[1]に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[4] 前記エポキシ基含有化合物(a)がエポキシ樹脂(P3)であり、
前記カルボキシ基含有化合物(b)がカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)である
[1]に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[5] 前記エポキシ基含有化合物(a)がエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)であり、
前記カルボキシ基含有化合物(b)がカルボキシ基含有樹脂(P4)であり、
前記カルボキシ基含有樹脂(P4)は、エポキシ樹脂(P3)と多官能カルボン酸(e)とを反応させてなるカルボキシ基を有する樹脂である[1]に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[6]前記重合禁止剤が、フラーレンである[1]〜[5]のいずれか1項に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[7]前記フラーレンが、C60およびC70から選ばれる1種以上である[1]〜[6]のいずれか1項に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[8]前記重合禁止剤の使用量は、前記エポキシ基含有化合物(a)と前記のカルボキシ基含有化合物(b)との合計量100質量部に対して0.0001〜0.10質量部である[1]〜[7]のいずれか1項に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[9]反応雰囲気が酸素濃度2〜10体積%で合成を行う[1]〜[8]のいずれか1項に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。
[10] エチレン性不飽和樹脂組成物を製造する方法であって、
前記エチレン性不飽和樹脂組成物は、[1]〜[9]の何れか1項記載の製造方法を用いて得られたエチレン性不飽和樹脂(A)と、
炭素クラスター(c)と、
溶剤(B)と、を含有し、
[1]〜[9]の何れか1項記載の製造方法で前記エチレン性不飽和樹脂(A)を製造する工程と、
前記エチレン性不飽和樹脂(A)と前記溶剤(B)とを混合する工程と
を含むことを特徴とする、エチレン性不飽和樹脂組成物の製造方法。
本発明によれば残存禁止剤量が少なく、透明性、耐熱黄変性、色材を含む微粒子分散性が高い樹脂が提供される。また、本発明によれば従来の禁止剤より大幅に少ない量の炭素クラスター(c)で意図しない重合を抑制することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
[エチレン性不飽和樹脂(A)の製造方法]
本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)の製造方法は、エポキシ基含有化合物(a)とカルボキシ基含有化合物(b)とを重合禁止剤及び触媒存在下で反応させる方法であり、エポキシ基含有化合物(a)とカルボキシ基含有化合物(b)の少なくとも1方の化合物がエチレン性不飽和基を更に含有し、前記重合禁止剤が、炭素クラスター(c)であり、前記炭素クラスター(c)がフラーレンおよびフラーレン製造時に副生するすす状物質の少なくとも一方であることを特徴とする。
また、本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)の製造方法としては、反応系において、炭素クラスター(c)以外の重合禁止剤を実質的に含まなくてもよい。「実質的に含まない」とは、前記エチレン性不飽和樹脂(A)100質量部に対して、炭素クラスター(c)以外の重合禁止剤を好ましくは0.05質量部以下、より好ましくは0.010質量部以下含む意味である。
[エチレン性不飽和樹脂(A)の製造方法]
本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)の製造方法は、エポキシ基含有化合物(a)とカルボキシ基含有化合物(b)とを重合禁止剤及び触媒存在下で反応させる方法であり、エポキシ基含有化合物(a)とカルボキシ基含有化合物(b)の少なくとも1方の化合物がエチレン性不飽和基を更に含有し、前記重合禁止剤が、炭素クラスター(c)であり、前記炭素クラスター(c)がフラーレンおよびフラーレン製造時に副生するすす状物質の少なくとも一方であることを特徴とする。
また、本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)の製造方法としては、反応系において、炭素クラスター(c)以外の重合禁止剤を実質的に含まなくてもよい。「実質的に含まない」とは、前記エチレン性不飽和樹脂(A)100質量部に対して、炭素クラスター(c)以外の重合禁止剤を好ましくは0.05質量部以下、より好ましくは0.010質量部以下含む意味である。
[エチレン性不飽和樹脂(A)]
本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)は、エチレン性不飽和基を有する樹脂であれば特に限定されない。好ましくは、後述する第一実施態様〜第四実施態様に例示されるエチレン性不飽和樹脂(A1)〜エチレン性不飽和樹脂(A4)が挙げられる。
本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)は、エチレン性不飽和基を有する樹脂であれば特に限定されない。好ましくは、後述する第一実施態様〜第四実施態様に例示されるエチレン性不飽和樹脂(A1)〜エチレン性不飽和樹脂(A4)が挙げられる。
[エポキシ基含有化合物(a)]
本発明に係るエポキシ基含有化合物(a)は、エポキシ基を有する化合物であれば特に限定されない。好ましくは、後述する第一実施態様におけるエポキシ基含有共重合体(P1)、後述する第二実施態様および第四実施態様におけるエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)、後述する第三実施態様におけるエポキシ樹脂(P3)が挙げられる。
本発明に係るエポキシ基含有化合物(a)は、エポキシ基を有する化合物であれば特に限定されない。好ましくは、後述する第一実施態様におけるエポキシ基含有共重合体(P1)、後述する第二実施態様および第四実施態様におけるエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)、後述する第三実施態様におけるエポキシ樹脂(P3)が挙げられる。
[カルボキシ基含有化合物(b)]
本発明に係るカルボキシ基含有化合物(b)は、カルボキシ基を有する化合物であれば特に限定されない。好ましくは、後述する第一実施態様および第三実施態様におけるカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)、後述する第二実施態様におけるカルボキシ基含有共重合体(P2)、後述する第四実施態様におけるカルボキシ基含有樹脂(P4)が挙げられる。
本発明に係るカルボキシ基含有化合物(b)は、カルボキシ基を有する化合物であれば特に限定されない。好ましくは、後述する第一実施態様および第三実施態様におけるカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)、後述する第二実施態様におけるカルボキシ基含有共重合体(P2)、後述する第四実施態様におけるカルボキシ基含有樹脂(P4)が挙げられる。
[炭素クラスター(c)]
エポキシ基含有化合物(a)とカルボキシ基含有化合物(b)を反応させる際には、ゲル化防止のために重合禁止剤として炭素クラスター(c)を添加する。
炭素クラスター(c)は、数個〜数百個の原子又は分子が凝集して形成された集団又は微粒子である。炭素クラスター(c)の大きさは、その最大径が300nm以下であることが好ましく、特に100nm以下であることがより好ましい。炭素クラスター(c)は、一次粒子が凝集している場合があるが、炭素クラスター(c)の分散には一次粒子の大きさが影響を与えるので、ここでいう最大径は一次粒子の最大径である。
本発明の炭素クラスター(c)は、フラーレンまたはすす状物質である。
エポキシ基含有化合物(a)とカルボキシ基含有化合物(b)を反応させる際には、ゲル化防止のために重合禁止剤として炭素クラスター(c)を添加する。
炭素クラスター(c)は、数個〜数百個の原子又は分子が凝集して形成された集団又は微粒子である。炭素クラスター(c)の大きさは、その最大径が300nm以下であることが好ましく、特に100nm以下であることがより好ましい。炭素クラスター(c)は、一次粒子が凝集している場合があるが、炭素クラスター(c)の分散には一次粒子の大きさが影響を与えるので、ここでいう最大径は一次粒子の最大径である。
本発明の炭素クラスター(c)は、フラーレンまたはすす状物質である。
本発明で用いるフラーレンとしては、炭素数60,70,74,76,78,80,82,84,86,88,90,92,94,96など炭素数60〜120程度のものが知られている。本発明において炭素数は特に限定されないが、入手が容易で、分散性に優れる点で、炭素数60(C60)および炭素数70(C70)が好ましい。また、スカンジウム(Sc)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、チタン(Ti)、窒素(N)などの異種原子を内包したフラーレンも使用できる。さらに、フラーレンの酸化物、フラーレンの酸化物同士が付加した(C60)2Oやフラーレン同士の付加物(C60−C60,C70−C60,C70−C70等)なども使用できる。
本発明で用いるすす状物質は、フラーレン製造時に副生するすすが好ましい。フラーレンの製造過程で生成する粗製フラーレンに含まれる。粗製フラーレンからフラーレンを溶媒抽出して除去した後、得られた残渣には、そのすす状物質がより多く含まれる。このすす状物質は、フラーレンのように5員環と6員環が結合した構造を有し、かつ閉殻していない無定形状炭素分子を含む。
すす状物質を副生するフラーレンの製造方法は、例えば抵抗加熱法、アーク放電法、マイクロ波法、高周波加熱法、CVD法、熱プラズマ法、燃焼法、レーザー法、熱分解法が挙げられる。いずれも圧力800hPa以下の環境下で製造される。すす状炭素物質は、例えばガス燃焼法の場合、炭化水素原料と酸素含有ガスとを減圧環境下で焼成することで得ることができる。炭化水素原料としては、例えばトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素等を用いることができる。減圧条件としては、3〜800hPa、加熱条件としては、1600℃〜2000℃が好ましい。
炭化水素原料と酸素含有ガスを上記の減圧環境下で焼成すると、炭化水素原料から水素が抜け出す。ここで、炭化水素原料と酸素含有ガスの混合比は、当量比で2.5〜3.5で炭化水素原料の量を多くすることが好ましい。これにより、反応を不完全燃焼とすることができる。反応が完全燃焼となると、炭化水素原料中の炭素が酸素と結合して一酸化炭素や二酸化炭素として排出されてしまい、炭素同士が結合しにくくなる可能性がある。なお、当量比は、ちょうど完全燃焼する炭化水素原料量と酸素量の割合を1とする。
水素が抜けた炭化水素原料は不安定であり、周囲の炭素同士で凝集しやすい。このとき、一部は反応し化学結合する。このような過程で得られた炭素化合物は、すす状物質を含む。
炭化水素原料と酸素含有ガスを上記の減圧環境下で焼成すると、炭化水素原料から水素が抜け出す。ここで、炭化水素原料と酸素含有ガスの混合比は、当量比で2.5〜3.5で炭化水素原料の量を多くすることが好ましい。これにより、反応を不完全燃焼とすることができる。反応が完全燃焼となると、炭化水素原料中の炭素が酸素と結合して一酸化炭素や二酸化炭素として排出されてしまい、炭素同士が結合しにくくなる可能性がある。なお、当量比は、ちょうど完全燃焼する炭化水素原料量と酸素量の割合を1とする。
水素が抜けた炭化水素原料は不安定であり、周囲の炭素同士で凝集しやすい。このとき、一部は反応し化学結合する。このような過程で得られた炭素化合物は、すす状物質を含む。
すす状物質は、分子同士の結合が進み複数の炭素が結合しているが、フラーレンのように所定の球状の分子構造にまでは至ることができなかった無定形状炭素分子を含む。このような無定形状炭素分子としては、フラーレンの部分構造と同一の構造であり、フラーレンの製造過程で生じる中間体や、球状のフラーレンの一部が欠けたり、閉殻していない構造等を有する炭素分子が挙げられる。この無定形状炭素分子は、これらの炭素分子が複数集まったクラスター構造を形成していても良い。クラスター構造は、サイズの大きな閉殻していない構造を有する炭素分子が、サイズの小さな閉殻していない構造を有する炭素分子を内包するように構成された入れ子状の構造を含む。
炭素クラスター(c)は、分散性やラジカル補足能などの効果が損なわれない限り、置換基を有しても良い。置換基としては、インデン、マロン酸、フェニル酪酸メチル等が例示でき、フラーレンの誘導体としては、ICBA(インデンビス付加体)、ICMA(インデン付加体)、PCBM(フェニル−C61−酪酸メチルエステル等)、SAM(1−メチル−1H−ピロロ安息香酸付加体)などが例示できる。
反応の際に用いる炭素クラスター(c)の添加量はエポキシ基含有化合物(a)とカルボキシ基含有化合物(b)の合計100質量部に対して0.0001質量部〜0.10質量部が好ましく、0.005質量部〜0.05質量部がより好ましい。
反応の際に添加する炭素クラスター(c)の量が0.10質量部以下で有れば、エチレン性不飽和樹脂(A)をラジカル硬化させる際にもその反応を阻害することがない。0.0001質量部以上であれば、エチレン性不飽和樹脂(A)を得る際の反応中に生じるラジカルを十分にトラップして、樹脂のゲル化を防止できる。
反応の際に添加する炭素クラスター(c)の量が0.10質量部以下で有れば、エチレン性不飽和樹脂(A)をラジカル硬化させる際にもその反応を阻害することがない。0.0001質量部以上であれば、エチレン性不飽和樹脂(A)を得る際の反応中に生じるラジカルを十分にトラップして、樹脂のゲル化を防止できる。
[第一実施態様]
本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)の製造方法の第一実施態様は、エポキシ基含有化合物(a)であるエポキシ基含有共重合体(P1)とカルボキシ基含有化合物(b)であるカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)とを重合禁止剤及び触媒存在下で反応させてエチレン性不飽和樹脂(A1)を製造する方法であり、前記重合禁止剤が、炭素クラスター(c)であることを特徴とする。
本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)の製造方法の第一実施態様は、エポキシ基含有化合物(a)であるエポキシ基含有共重合体(P1)とカルボキシ基含有化合物(b)であるカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)とを重合禁止剤及び触媒存在下で反応させてエチレン性不飽和樹脂(A1)を製造する方法であり、前記重合禁止剤が、炭素クラスター(c)であることを特徴とする。
本実施態様に係るエチレン性不飽和樹脂(A1)は、例えば、エポキシ基含有共重合体(P1)の溶液に重合禁止剤として炭素クラスター(c)および触媒を添加した後、カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)を添加し、50〜150℃、好ましくは80〜130℃の条件下でエポキシ基を開環付加反応させてから、必要に応じて多塩基酸無水物(d)を添加し、エポキシ基の開環により生成したヒドロキシ基に付加反応させることで製造することができる。
反応の際には、好ましくは酸素濃度2〜10体積%の雰囲気下で行う。この範囲の酸素濃度雰囲気下で反応を行うことにより、より効果的にエチレン性不飽和樹脂(A1)のゲル化を防止することができる。
反応の際には、好ましくは酸素濃度2〜10体積%の雰囲気下で行う。この範囲の酸素濃度雰囲気下で反応を行うことにより、より効果的にエチレン性不飽和樹脂(A1)のゲル化を防止することができる。
カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)を反応させる際には、エポキシ基含有共重合体(P1)を得るための共重合反応に用いた溶剤が含まれていても特に問題はないため、エポキシ基含有共重合体(P1)製造のための共重合反応が終了した後に溶剤を除去することなく反応を行うことができる。ここで、重合禁止剤は、導入した二重結合の重合によるゲル化を防ぐために添加される。
[触媒]
本実施形態において用いる触媒としては、例えば、トリエチルアミンのような第3級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライドのような第4級アンモニウム塩、トリフェニルホスフィンのようなリン化合物、クロムのキレート化合物等が挙げられる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態において使用する触媒の使用量は、特に限定されないが、樹脂前駆体(エポキシ基含有共重合体(P1))を100質量部とした場合に、一般的には0.01〜5質量部であり、好ましくは0.1〜2質量部であり、より好ましくは0.2〜1質量部である。
本実施形態において用いる触媒としては、例えば、トリエチルアミンのような第3級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライドのような第4級アンモニウム塩、トリフェニルホスフィンのようなリン化合物、クロムのキレート化合物等が挙げられる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態において使用する触媒の使用量は、特に限定されないが、樹脂前駆体(エポキシ基含有共重合体(P1))を100質量部とした場合に、一般的には0.01〜5質量部であり、好ましくは0.1〜2質量部であり、より好ましくは0.2〜1質量部である。
[付加反応時に使用される溶媒]
本実施形態において使用する溶媒としては、特に限定されず、公知のものを適宜使用できる。溶媒の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル化合物;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン化合物;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソ酪酸エチル等のエステル化合物;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド化合物等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態において使用する溶媒としては、特に限定されず、公知のものを適宜使用できる。溶媒の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル化合物;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン化合物;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソ酪酸エチル等のエステル化合物;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド化合物等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記の溶媒の中でも、グリコールエーテル系溶媒が好ましい。すなわち、溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートを用いることが好ましい。
本実施形態の樹脂を製造するために使用する溶媒の使用量は、特に限定されないが、樹脂前駆体を100質量部とした場合に、一般的には30〜1000質量部、好ましくは50〜800質量部である。上記の溶媒の使用量が1000質量部以下であれば、樹脂の粘度を適切な範囲に制御できるため好ましい。一方、上記の溶媒の使用量が30質量部以上であれば、反応時に焼き付きが起きることを防止でき、合成反応を安定して行うことができるため好ましい。また、上記の溶媒の使用量が30質量部以上であると、樹脂の着色やゲル化を防止できる。
[エチレン性不飽和樹脂(A1)]
本実施態様に係る生成物のエチレン性不飽和樹脂(A1)は、エポキシ基含有共重合体(P1)のエポキシ基に、カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)が開環付加し、好ましくは、さらに、前記エポキシ基が開環して生じたヒドロキシ基に多塩基酸無水物(d)が付加してなるエチレン性不飽和基を有する樹脂である。前記エポキシ基含有共重合体(P1)は、少なくともエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)由来の構成単位を含有し、必要に応じて、さらに、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する重合性モノマー(m−3)由来の構成単位や、下記一般式(4)で示される重合性モノマー(m−4)由来の構成単位や、芳香環含有重合性モノマー(m−5)由来の構成単位などを含むことができる。ここで、(メタ)アクリレートとは、メタクリレートおよびアクリレートから選択される一種以上を意味する。
本実施態様に係る生成物のエチレン性不飽和樹脂(A1)は、エポキシ基含有共重合体(P1)のエポキシ基に、カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)が開環付加し、好ましくは、さらに、前記エポキシ基が開環して生じたヒドロキシ基に多塩基酸無水物(d)が付加してなるエチレン性不飽和基を有する樹脂である。前記エポキシ基含有共重合体(P1)は、少なくともエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)由来の構成単位を含有し、必要に応じて、さらに、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する重合性モノマー(m−3)由来の構成単位や、下記一般式(4)で示される重合性モノマー(m−4)由来の構成単位や、芳香環含有重合性モノマー(m−5)由来の構成単位などを含むことができる。ここで、(メタ)アクリレートとは、メタクリレートおよびアクリレートから選択される一種以上を意味する。
本実施態様にかかるエチレン性不飽和樹脂(A1)は、カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)の付加反応由来の構造単位を含むことより、感光性に優れる二重結合を導入すると同時に、エポキシ基の開環によりアルカリ現像性に優れるヒドロキシ基を得ることができる。さらに、得られたヒドロキシ基に多塩基酸無水物を付加させることでカルボン酸を導入すれば、アルカリ現像性を高めることができる。この構成単位により、硬化物の十分な硬度を発現するとともに、高い耐溶剤性を発現する。
また、エポキシ基の全量を不飽和カルボン酸と反応させず一部を残すことで、熱による硬化性を同時に発現させることもできる。
また、エポキシ基の全量を不飽和カルボン酸と反応させず一部を残すことで、熱による硬化性を同時に発現させることもできる。
[エポキシ基含有共重合体(P1)]
本実施態様のエチレン性不飽和樹脂(A1)に係るエポキシ基含有共重合体(P1)(以後、単に「共重合体(P1)」と言う場合もある。)を形成するモノマー(M1)は、少なくとも、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)を含有し、必要に応じて、さらに、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する重合性モノマー(m−3)や、下記一般式(4)で示される重合性モノマー(m−4)や、芳香環含有重合性モノマー(m−5)や、その他の重合性モノマー(m−6)などを含有することができる。芳香環含有重合性モノマー(m−5)を更に有することにより、着色剤分散性のより優れたエポキシ基含有共重合体(P1)を得ることができる。
本実施態様のエチレン性不飽和樹脂(A1)に係るエポキシ基含有共重合体(P1)(以後、単に「共重合体(P1)」と言う場合もある。)を形成するモノマー(M1)は、少なくとも、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)を含有し、必要に応じて、さらに、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する重合性モノマー(m−3)や、下記一般式(4)で示される重合性モノマー(m−4)や、芳香環含有重合性モノマー(m−5)や、その他の重合性モノマー(m−6)などを含有することができる。芳香環含有重合性モノマー(m−5)を更に有することにより、着色剤分散性のより優れたエポキシ基含有共重合体(P1)を得ることができる。
[エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)]
エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)(以後、単に「モノマー(m−1)」と言う場合もある。)は、カルボキシ基を有さず、エポキシ基とエチレン性不飽和基を有するモノマーであれば、特に限定されない。具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシジルオキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、そのラクトン付加物(例えば、ダイセル化学工業(株)製サイクロマー(登録商標)A200、M100)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのモノ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートのエポキシ化物、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートのエポキシ化物等が挙げられる。これらのエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。特に、入手のし易さおよび反応性の良さの観点から、グリシジル(メタ)アクリレートが好適である。
エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)(以後、単に「モノマー(m−1)」と言う場合もある。)は、カルボキシ基を有さず、エポキシ基とエチレン性不飽和基を有するモノマーであれば、特に限定されない。具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシジルオキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、そのラクトン付加物(例えば、ダイセル化学工業(株)製サイクロマー(登録商標)A200、M100)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのモノ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートのエポキシ化物、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートのエポキシ化物等が挙げられる。これらのエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。特に、入手のし易さおよび反応性の良さの観点から、グリシジル(メタ)アクリレートが好適である。
エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)由来の構成単位および後述のカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)は、光硬化性を発現する感光性基を付与するため、本発明の一形態のエチレン性不飽和樹脂(A)において必須の構成である。光硬化性を発現する感光性基の導入により、硬化膜の十分な硬度を発現するとともに、高い耐溶剤性を発現する。
[重合性モノマー(m−3)]
重合性モノマー(m−3)(以後、単に「モノマー(m−3)」と言う場合もある。)は、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する。ここで、橋かけ環式炭化水素とは、アダマンタン、ノルボルナンに代表される、下記式(1)または(2)で表される構造を有するものを意味し、橋かけ環式炭化水素基とは、当該構造における一部の水素を除いた残りの部分に相当する基をいう。また、重合性モノマー(m−3)は、後述の重合性モノマー(m−4)を含まないものとする。
[重合性モノマー(m−3)]
重合性モノマー(m−3)(以後、単に「モノマー(m−3)」と言う場合もある。)は、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する。ここで、橋かけ環式炭化水素とは、アダマンタン、ノルボルナンに代表される、下記式(1)または(2)で表される構造を有するものを意味し、橋かけ環式炭化水素基とは、当該構造における一部の水素を除いた残りの部分に相当する基をいう。また、重合性モノマー(m−3)は、後述の重合性モノマー(m−4)を含まないものとする。
(式(1)中、A、Bは、それぞれ、直鎖または分岐アルキレン基(環式を含む)を示し、R3は水素原子またはメチル基を示す。A、Bは同一であっても、異なっていてもよく、A、Bの分枝どうしがつながって環状となっていてもよい。)
(式(2)中、A’、B’、Dは、それぞれ、直鎖または分岐アルキレン基(環式を含む)を示し、R4は水素原子またはメチル基を示す。A’、B’、Dは同一であっても、異なっていてもよく、A’、B’、Dの分枝どうしがつながって環状となっていてもよい。)
モノマー(m−3)としては、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、アダマンチル(メタ)アクリレートまたは下記式(3)で表される構造を有する(メタ)アクリレートがより好ましい。
(式(3)中、R5〜R7はそれぞれ水素原子またはメチル基を表す。R8、R9は水素原子もしくはメチル基、または互いに連結して飽和もしくは不飽和の環を形成していても良く、当該環は好ましくは5員環もしくは6員環である。*は(メタ)アクリロイルオキシ基に連結される結合手を表す。)
上記(m−3)の例としては、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
[重合性モノマー(m−4)]
重合性モノマー(m−4)(以後、単に「モノマー(m−4)」と言う場合もある。)は、下記の一般式(4)で示されるモノマーである。
重合性モノマー(m−4)(以後、単に「モノマー(m−4)」と言う場合もある。)は、下記の一般式(4)で示されるモノマーである。
(式(4)中のXおよびX’は、それぞれ独立して、水素原子、直鎖または分岐していてもよい炭素数1〜4の炭化水素基を示し、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基であって、R1およびR2を結ぶ環状構造をとっていてもよい。)
モノマー(m−4)は、一般式(4)で示される化学構造を有していれば特に限定されない。一般式(4)において、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基を表すXおよびYの例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。また、R1およびR2が示す、置換基を有していても良い炭素数1〜20の炭化水素基における置換基としてはアルコキシ基、アリール基等が挙げられる。R1およびR2の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、ステアリル基、ラウリル基、2−エチルヘキシル基等の直鎖または分岐鎖のアルキル基;シクロヘキシル基、t−ブチルシクロヘキシル基、ジシクロペンタジエニル基、トリシクロデカニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基等の脂環式基;1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基等のアルコキシ基で置換されたアルキル基;フェニルアラルキル基等のアリール基で置換されたアルキル基等が挙げられる。
一般式(4)で示される化学構造を有するモノマー(m−4)の例としては、ノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ジシクロペンタジエン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、トリシクロ[6.2.1.01,8]ウンデカ−9−エン、トリシクロ[6.2.1.01,8]ウンデカ−4−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10.01,6]ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10.01,6]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,12]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10.01,6]ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−4−エン、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]ペンタデカ−3−エン等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記モノマー(m−3)および/または上記モノマー(m−4)を用いることで、硬化膜の平滑な塗工性、高い耐熱分解性および高い耐熱黄変性に寄与する。なお、モノマー(m−3)とモノマー(m−4)は一方を用いても良く、両方を用いても良い。
[芳香環含有重合性モノマー(m−5)]
芳香環含有重合性モノマー(m−5)(以後、単に「モノマー(m−5)」と言う場合もある。)は、カルボキシ基、エポキシ基を有さず、芳香環を有するモノマーである。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、p−ニトロスチレン、p−シアノスチレン、p−アセチルアミノスチレン等の芳香族ビニル化合物;ベンジル(メタ)アクリレート、ロジン(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(商品名:ライトアクリレートP−200A、共栄化学社製)、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、o−フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、m−フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、p−フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、4−フェノキシフェニル(メタ)アクリレート、ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、ナフタレン(メタ)アクリレート、アントラセン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、弾性回復率の観点から、本発明で用いる樹脂(A)には、ベンジル(メタ)クリレート、スチレン、ナフタレン骨格及びアントラセン骨格からなる群から選択される少なくとも1種を有する構成単位を導入することがより好ましい。
芳香環含有重合性モノマー(m−5)(以後、単に「モノマー(m−5)」と言う場合もある。)は、カルボキシ基、エポキシ基を有さず、芳香環を有するモノマーである。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、p−ニトロスチレン、p−シアノスチレン、p−アセチルアミノスチレン等の芳香族ビニル化合物;ベンジル(メタ)アクリレート、ロジン(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(商品名:ライトアクリレートP−200A、共栄化学社製)、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、o−フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、m−フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、p−フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、4−フェノキシフェニル(メタ)アクリレート、ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、ナフタレン(メタ)アクリレート、アントラセン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、弾性回復率の観点から、本発明で用いる樹脂(A)には、ベンジル(メタ)クリレート、スチレン、ナフタレン骨格及びアントラセン骨格からなる群から選択される少なくとも1種を有する構成単位を導入することがより好ましい。
[その他の重合性モノマー(m−6)]
本実施態様にかかるエポキシ基含有共重合体(P1)は、モノマー(m−1)〜(m−5)以外の、その他の重合性モノマー(m−6)(以後、単に「モノマー(m−6)」と言う場合もある。)が共重合されていても良い。その他の重合性モノマー(m−6)は、前記モノマー(m−1)、(m−3)、(m−4)、(m−5)、後述のモノマー(m−2)に示した以外の共重合可能なモノマーである。このモノマー(m−6)は、一般にエチレン性不飽和基を有するラジカル重合性化合物であり、具体例としては、ブタジエン等のジエン類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソ−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリルレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリルレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ロジン(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリフェニルメチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、ナフタレン(メタ)アクリレート、アントラセン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−イソ−プロピルアミド、(メタ)アクリル酸アントラセニルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル等のビニル化合物;N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド等のマレイミド類;シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジエステル等が挙げられる。これらは、必要に応じて、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施態様にかかるエポキシ基含有共重合体(P1)は、モノマー(m−1)〜(m−5)以外の、その他の重合性モノマー(m−6)(以後、単に「モノマー(m−6)」と言う場合もある。)が共重合されていても良い。その他の重合性モノマー(m−6)は、前記モノマー(m−1)、(m−3)、(m−4)、(m−5)、後述のモノマー(m−2)に示した以外の共重合可能なモノマーである。このモノマー(m−6)は、一般にエチレン性不飽和基を有するラジカル重合性化合物であり、具体例としては、ブタジエン等のジエン類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソ−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリルレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリルレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ロジン(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリフェニルメチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、ナフタレン(メタ)アクリレート、アントラセン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−イソ−プロピルアミド、(メタ)アクリル酸アントラセニルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル等のビニル化合物;N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド等のマレイミド類;シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジエステル等が挙げられる。これらは、必要に応じて、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
[エポキシ基含有共重合体(P1)の各モノマー由来構造の割合]
本発明に係る共重合体(P1)において、そのモノマー(M1)が、モノマー(m−1)を含み、必要に応じて、例えば、モノマー(m−3)や、モノマー(m−4)や、モノマー(m−5)を含む場合、各モノマー由来構造の割合は、共重合反応ために添加する各重合性モノマーのモル比の値を用いる。各モノマーの配合割合(モル比)について特に制限はないが、モノマー(m−1)の配合割合は、好ましくは9〜70モル%、より好ましくは13〜65モル%である。モノマー(m−1)の配合割合が9モル%以上であると、感光性樹脂組成物としたときに十分な硬化性を発現することができる。モノマー(m−1)の配合割合が70モル%以下であると、モノマー(m−3)および/またはモノマー(m−4)の配合割合が十分多くなり、所望の耐熱分解性や屈折率を有するエチレン性不飽和樹脂(A)が得られる。
本発明に係る共重合体(P1)において、そのモノマー(M1)が、モノマー(m−1)を含み、必要に応じて、例えば、モノマー(m−3)や、モノマー(m−4)や、モノマー(m−5)を含む場合、各モノマー由来構造の割合は、共重合反応ために添加する各重合性モノマーのモル比の値を用いる。各モノマーの配合割合(モル比)について特に制限はないが、モノマー(m−1)の配合割合は、好ましくは9〜70モル%、より好ましくは13〜65モル%である。モノマー(m−1)の配合割合が9モル%以上であると、感光性樹脂組成物としたときに十分な硬化性を発現することができる。モノマー(m−1)の配合割合が70モル%以下であると、モノマー(m−3)および/またはモノマー(m−4)の配合割合が十分多くなり、所望の耐熱分解性や屈折率を有するエチレン性不飽和樹脂(A)が得られる。
モノマー(m−3)及び/又はモノマー(m−4)を用いる場合、その配合割合は、エポキシ基含有共重合体(P1)のモノマー(M1)の合計量100モル%に対して、合計0モル%超〜40モル%であることが好ましく、0モル%超〜30モル%であることがより好ましい。その配合割合が1モル%以上であると、所望の耐熱分解性や耐熱黄変性、および溶剤への良好な溶解性が得られる。
モノマー(m−5)を用いる場合、その配合割合は、エポキシ基含有共重合体(P1)のモノマー(M1)の合計量100モル%に対して、0モル%超〜50モル%であることが好ましく、0モル%超〜40モル%であることがより好ましい。
モノマー(m−6)を用いる場合、その配合割合は、エポキシ基含有共重合体(P1)のモノマー(M1)の合計量100モル%に対して、0〜10モル%であることが好ましく、0〜5モル%であることがより好ましい。
モノマー(m−5)を用いる場合、その配合割合は、エポキシ基含有共重合体(P1)のモノマー(M1)の合計量100モル%に対して、0モル%超〜50モル%であることが好ましく、0モル%超〜40モル%であることがより好ましい。
モノマー(m−6)を用いる場合、その配合割合は、エポキシ基含有共重合体(P1)のモノマー(M1)の合計量100モル%に対して、0〜10モル%であることが好ましく、0〜5モル%であることがより好ましい。
[共重合反応(エポキシ基含有共重合体(P1)の製造方法)]
本発明に係るエポキシ基含有共重合体(P1)はモノマー(M1)の共重合反応を用いて製造することができる。本発明において行われる共重合反応は、当該技術分野において公知のラジカル重合方法に従って行うことができる。例えば、共重合に用いるモノマーを溶剤に溶解した後、その溶液に重合開始剤を添加し、50〜140℃、より好ましくは60〜130℃で、1〜20時間、より好ましくは1〜12時間反応させればよい。また、50〜140℃に調整した溶剤に、共重合に用いるモノマーと重合開始剤を滴下しながら反応させてもよい。
本発明に係るエポキシ基含有共重合体(P1)はモノマー(M1)の共重合反応を用いて製造することができる。本発明において行われる共重合反応は、当該技術分野において公知のラジカル重合方法に従って行うことができる。例えば、共重合に用いるモノマーを溶剤に溶解した後、その溶液に重合開始剤を添加し、50〜140℃、より好ましくは60〜130℃で、1〜20時間、より好ましくは1〜12時間反応させればよい。また、50〜140℃に調整した溶剤に、共重合に用いるモノマーと重合開始剤を滴下しながら反応させてもよい。
この共重合反応に用いることが可能な溶剤としては、ラジカル重合に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、通常用いられている有機溶剤を使用することができる。
共重合反応溶媒は、上述の付加反応用溶媒を用いることができる。
共重合反応溶媒は、上述の付加反応用溶媒を用いることができる。
この共重合反応に用いる溶剤の使用量は、特に限定されないが、共重合に用いるモノマーの合計を100質量部とした場合に、一般に30〜1000質量部、好ましくは50〜800質量部である。特に、溶剤の使用量を1000質量部以下とすることで、連鎖移動作用によって共重合体(P1)の分子量の低下を抑制し、且つ共重合体(P1)の粘度を適切な範囲に制御することができる。また、溶剤の使用量を30質量部以上とすることで、異常な重合反応を防止し、重合反応を安定して行うことができると共に、共重合体(P1)の着色やゲル化を防止することもできる。
この共重合反応に用いることが可能な重合開始剤としては、ラジカル重合を開始できるものであれば特に限定されるものではなく、通常用いられている有機過酸化物触媒やアゾ化合物を使用することができる。具体的には、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができ、重合温度に応じて適当な半減期のラジカル重合開始剤を選択することが望ましい。
この共重合反応に用いる重合開始剤の配合量は、特に限定されないが、共重合に用いるモノマーの合計を100質量部とした場合に、一般に0.5〜20質量部、好ましくは1.0〜10質量部である。
[カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)]
カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)(以後、単に「モノマー(m−2)」と言う場合もある。)は、エポキシ基を有さず、酸基の中でもとりわけエポキシ基と反応性の良いカルボキシ基とエチレン性不飽和基を有するモノマーであれば特に限定されない。例えば、不飽和一塩基酸又は不飽和二塩基酸モノエステルが挙げられる。不飽和一塩基酸のとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、プロピオール酸、桂皮酸、α−シアノ桂皮酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノエチル等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。不飽和二塩基酸モノエステルとしては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノエチル等が挙げられる。これらのカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。これらの中でも、入手のし易さ及び反応性の観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)(以後、単に「モノマー(m−2)」と言う場合もある。)は、エポキシ基を有さず、酸基の中でもとりわけエポキシ基と反応性の良いカルボキシ基とエチレン性不飽和基を有するモノマーであれば特に限定されない。例えば、不飽和一塩基酸又は不飽和二塩基酸モノエステルが挙げられる。不飽和一塩基酸のとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、プロピオール酸、桂皮酸、α−シアノ桂皮酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノエチル等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。不飽和二塩基酸モノエステルとしては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノエチル等が挙げられる。これらのカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。これらの中でも、入手のし易さ及び反応性の観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)の反応割合は、エポキシ基含有共重合体(P1)のモノマー(M1)の合計を100モル%とした場合に、好ましくは10〜70モル%、より好ましくは15〜65モル%である。カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)の配合割合が10モル%以上であると、感光性樹脂組成物としたときに十分な硬化性を発現することができる。また70モル%以下であると、モノマー(M1)の配合割合を十分に確保して、所望の耐熱分解性などを有するエチレン性不飽和樹脂(A)が得られる。また、上記エポキシ基含有共重合体(P1)のエポキシ基のモル数に対して、カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)を付加させる割合としては、好ましくは90〜100%であり、より好ましくは95〜100%である。カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)の付加割合が90%以上であると、感光性樹脂組成物としたときに十分な硬化性を発現することができる。
[多塩基酸無水物(d)]
多塩基酸無水物(d)としては、ヒドロキシ基と反応性の良い酸無水物構造を有するものであれば、特に限定されないが、反応後に副生成物が発生しない環構造を有するものが好適である。具体的には、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、無水コハク酸、オクテニルコハク酸無水物等が挙げられる。
多塩基酸無水物(d)としては、ヒドロキシ基と反応性の良い酸無水物構造を有するものであれば、特に限定されないが、反応後に副生成物が発生しない環構造を有するものが好適である。具体的には、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、無水コハク酸、オクテニルコハク酸無水物等が挙げられる。
多塩基酸無水物(d)の反応割合は、エポキシ基含有共重合体(P1)のモノマー(M1)の合計を100モル%とした場合に、好ましくは10〜70モル%、より好ましくは15〜65モル%である。カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)を付加させるモル数に対して、好ましくは20〜100%であり、より好ましくは30〜90%である。
本発明で用いるエチレン性不飽和樹脂(A1)又はエポキシ基含有共重合体(P1)を得るための反応条件は、常法に従って適宜設定すればよい。
カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)及び必要に応じて用いられる多塩基酸無水物(d)の付加反応は、例えば、溶媒に各原料と重合禁止剤と付加反応触媒とを添加し、好ましくは酸素ガス濃度2〜10体積%、より好ましくは酸素ガス濃度5〜7体積%の雰囲気で、好ましくは100〜140℃、より好ましくは110〜130℃で2〜12時間行えばよい。
本発明で用いるエチレン性不飽和樹脂(A1)又はエポキシ基含有共重合体(P1)を得るための反応条件は、常法に従って適宜設定すればよい。
カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)及び必要に応じて用いられる多塩基酸無水物(d)の付加反応は、例えば、溶媒に各原料と重合禁止剤と付加反応触媒とを添加し、好ましくは酸素ガス濃度2〜10体積%、より好ましくは酸素ガス濃度5〜7体積%の雰囲気で、好ましくは100〜140℃、より好ましくは110〜130℃で2〜12時間行えばよい。
[第二実施態様]
本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)の製造方法の第二実施態様は、エポキシ基含有化合物(a)であるエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)とカルボキシ基含有化合物(b)であるカルボキシ基含有共重合体(P2)とを重合禁止剤及び触媒存在下で反応させてエチレン性不飽和樹脂(A2)を製造する方法であり、前記重合禁止剤が、炭素クラスター(c)であることを特徴とする。
本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)の製造方法の第二実施態様は、エポキシ基含有化合物(a)であるエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)とカルボキシ基含有化合物(b)であるカルボキシ基含有共重合体(P2)とを重合禁止剤及び触媒存在下で反応させてエチレン性不飽和樹脂(A2)を製造する方法であり、前記重合禁止剤が、炭素クラスター(c)であることを特徴とする。
本実施態様の一例としては、本実施態様にかかるエチレン性不飽和樹脂(A2)は、後述のカルボキシ基含有共重合体(P2)の溶液に重合禁止剤として炭素クラスター(c)および触媒を添加した後、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)を添加し、第一実施態様のエポキシ基を開環付加反応と同様な条件で、反応させることで製造することができる。使用する炭素クラスター(c)、触媒、及び溶媒は第一実施態様と同様である。
[エチレン性不飽和樹脂(A2)]
本実施態様にかかるエチレン性不飽和樹脂(A2)は、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)のエポキシ基に、カルボキシ基含有共重合体(P2)が開環付加してなるヒドロキシ基を有するエチレン性不飽和樹脂(A2)である。カルボキシ基含有共重合体(P2)は、少なくともカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)由来の構成単位を含有し、必要に応じて、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する重合性モノマー(m−3)由来の構成単位や、上記一般式(4)で示される重合性モノマー(m−4)由来の構成単位や、芳香環含有重合性モノマー(m−5)由来の構成単位などを含有する共重合体である。ここで、(メタ)アクリレートとは、メタクリレートおよびアクリレートから選択される一種以上を意味する。
本実施態様にかかるエチレン性不飽和樹脂(A2)は、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)のエポキシ基に、カルボキシ基含有共重合体(P2)が開環付加してなるヒドロキシ基を有するエチレン性不飽和樹脂(A2)である。カルボキシ基含有共重合体(P2)は、少なくともカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)由来の構成単位を含有し、必要に応じて、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する重合性モノマー(m−3)由来の構成単位や、上記一般式(4)で示される重合性モノマー(m−4)由来の構成単位や、芳香環含有重合性モノマー(m−5)由来の構成単位などを含有する共重合体である。ここで、(メタ)アクリレートとは、メタクリレートおよびアクリレートから選択される一種以上を意味する。
本実施態様にかかるエチレン性不飽和樹脂(A2)は、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)の付加反応由来の構造単位を含むことより、感光性に優れる二重結合を導入すると同時に、エポキシ基の開環によりヒドロキシ基を得ることができる。光や熱により硬化性を発現し、かつアルカリ現像性を発現することができる。この構成単位により、硬化物の十分な硬度を発現するとともに、高い耐溶剤性を発現する。また、カルボキシ基含有共重合体(P2)のカルボキシ基の全量をモノマー(m−1)のエポキシ基と反応させず一部を残すことで、カルボン酸も同時に導入することができる。
本実施態様に係るエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)は、第一実施態様に係るものを用いることができる。
カルボキシ基含有共重合体(P2)の有するカルボキシのモル数に対して、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)の付加割合としては、好ましくは90〜100%であり、より好ましくは95〜100%である。エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)の付加割合が90%以上であると、感光性樹脂組成物としたときに十分な硬化性を発現することができる。
また、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)の反応割合は、エポキシ基含有共重合体(P2)に用いる全モノマー(M2)の合計を100モル%とした場合に、好ましくは10〜70モル%、より好ましくは15〜65モル%である。エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)の配合割合が10モル%以上であると、感光性樹脂組成物としたときに十分な硬化性を発現することができる。
また、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)の反応割合は、エポキシ基含有共重合体(P2)に用いる全モノマー(M2)の合計を100モル%とした場合に、好ましくは10〜70モル%、より好ましくは15〜65モル%である。エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)の配合割合が10モル%以上であると、感光性樹脂組成物としたときに十分な硬化性を発現することができる。
[カルボキシ基含有共重合体(P2)]
本実施態様のエチレン性不飽和樹脂(A2)に係るカルボキシ基含有共重合体(P2)(以後、単に「共重合体(P2)」と言う場合もある。)の全モノマー(M2)は、少なくとも、カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)を含有し、必要に応じて、さらに、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する重合性モノマー(m−3)や、上記一般式(4)で示される重合性モノマー(m−4)や、芳香環含有重合性モノマー(m−5)や、その他の重合性モノマー(m−6)などを含有することができる。
本実施態様のエチレン性不飽和樹脂(A2)に係るカルボキシ基含有共重合体(P2)(以後、単に「共重合体(P2)」と言う場合もある。)の全モノマー(M2)は、少なくとも、カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)を含有し、必要に応じて、さらに、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する重合性モノマー(m−3)や、上記一般式(4)で示される重合性モノマー(m−4)や、芳香環含有重合性モノマー(m−5)や、その他の重合性モノマー(m−6)などを含有することができる。
本実施態様に係るカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)、重合性モノマー(m−3)、重合性モノマー(m−4)、芳香環含有重合性モノマー(m−5)、その他の重合性モノマー(m−6)は、第一実施態様に記載されるものと同じであり、説明を省略する。
[カルボキシ基含有共重合体(P2)の各モノマー由来構造の割合]
本発明に係る共重合体(P2)において、全モノマー(M2)は、カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)を含有し、必要に応じて、さらに、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する重合性モノマー(m−3)や、下記一般式(4)で示される重合性モノマー(m−4)や、芳香環含有重合性モノマー(m−5)などを含有する場合、各モノマー由来構造の割合は、共重合反応のために添加する各重合性モノマーのモル比の値を用いる。各モノマーの配合割合(モル比)について特に制限はないが、全モノマー(M2)の合計を100モル%とした場合に、モノマー(m−2)の配合割合は、好ましくは9〜70モル%、より好ましくは13〜65モル%である。モノマー(m−2)の配合割合が9モル%以上であると、感光性樹脂組成物としたときに十分な硬化性を発現することができる。モノマー(m−2)の配合割合が70モル%以下であると、モノマー(m−3)や、モノマー(a−4)や、モノマー(m−5)の配合割合が十分多くなり、所望の耐熱分解性有するエチレン性不飽和樹脂(A2)が得られる。
本発明に係る共重合体(P2)において、全モノマー(M2)は、カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)を含有し、必要に応じて、さらに、炭素数10〜20の橋かけ環式炭化水素基を有する重合性モノマー(m−3)や、下記一般式(4)で示される重合性モノマー(m−4)や、芳香環含有重合性モノマー(m−5)などを含有する場合、各モノマー由来構造の割合は、共重合反応のために添加する各重合性モノマーのモル比の値を用いる。各モノマーの配合割合(モル比)について特に制限はないが、全モノマー(M2)の合計を100モル%とした場合に、モノマー(m−2)の配合割合は、好ましくは9〜70モル%、より好ましくは13〜65モル%である。モノマー(m−2)の配合割合が9モル%以上であると、感光性樹脂組成物としたときに十分な硬化性を発現することができる。モノマー(m−2)の配合割合が70モル%以下であると、モノマー(m−3)や、モノマー(a−4)や、モノマー(m−5)の配合割合が十分多くなり、所望の耐熱分解性有するエチレン性不飽和樹脂(A2)が得られる。
モノマー(m−3)及び/又はモノマー(m−4)を用いる場合、その配合割合は、カルボキシ基含有共重合体(P2)の全モノマー(M2)の合計量100モル%に対して、合計0モル%超〜40モル%であることが好ましく、0モル%超〜30モル%であることがより好ましい。その配合割合が1モル%以上であると、所望の耐熱分解性や耐熱黄変性、および溶剤への良好な溶解性が得られる。
モノマー(m−5)を用いる場合、その配合割合は、カルボキシ基含有共重合体(P2)の全モノマー(M2)の合計量100モル%に対して、0モル%超〜50モル%であることが好ましく、0モル%超〜40モル%であることがより好ましい。
モノマー(m−6)を用いる場合、その配合割合は、エポキシ基含有共重合体(P2)の全モノマー(M2)の合計量100モル%に対して、0〜10モル%であることが好ましく、0〜5モル%であることがより好ましい。
モノマー(m−6)を用いる場合、その配合割合は、エポキシ基含有共重合体(P2)の全モノマー(M2)の合計量100モル%に対して、0〜10モル%であることが好ましく、0〜5モル%であることがより好ましい。
[共重合反応(カルボキシ基含有共重合体(P2)の製造方法)]
本発明に係るカルボキシ基含有共重合体(P2)は、第一実施態様に係る共重合体(P1)と同様に、共重合反応を用いて製造することができる。
本発明に係るカルボキシ基含有共重合体(P2)は、第一実施態様に係る共重合体(P1)と同様に、共重合反応を用いて製造することができる。
本発明で用いるエチレン性不飽和樹脂(A2)又はカルボキシ基含有共重合体(P2)を得るための反応条件は、常法に従って適宜設定すればよい。
エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)付加反応は、例えば、溶媒に各原料と重合禁止剤と付加反応触媒とを添加し、好ましくは酸素ガス濃度2〜10体積%、より好ましくは酸素ガス濃度5〜7体積%の雰囲気で、好ましくは100〜140℃、より好ましくは110〜130℃で2〜12時間行えばよい。
エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)付加反応は、例えば、溶媒に各原料と重合禁止剤と付加反応触媒とを添加し、好ましくは酸素ガス濃度2〜10体積%、より好ましくは酸素ガス濃度5〜7体積%の雰囲気で、好ましくは100〜140℃、より好ましくは110〜130℃で2〜12時間行えばよい。
[第三実施態様]
本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)の製造方法の第三実施態様は、エポキシ基含有化合物(a)であるエポキシ樹脂(P3)とカルボキシ基含有化合物(b)であるカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)とを重合禁止剤及び触媒存在下で反応させてエチレン性不飽和樹脂(A3)を製造する方法であり、前記重合禁止剤が、炭素クラスター(c)であることを特徴とする。
本実施例態様で用いるカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)、炭素クラスター(c)、触媒、使用溶媒などは第一実施態様のものを用いることができる。
本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)の製造方法の第三実施態様は、エポキシ基含有化合物(a)であるエポキシ樹脂(P3)とカルボキシ基含有化合物(b)であるカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)とを重合禁止剤及び触媒存在下で反応させてエチレン性不飽和樹脂(A3)を製造する方法であり、前記重合禁止剤が、炭素クラスター(c)であることを特徴とする。
本実施例態様で用いるカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)、炭素クラスター(c)、触媒、使用溶媒などは第一実施態様のものを用いることができる。
[エチレン性不飽和樹脂(A3)]
本実施例態様用いるエチレン性不飽和樹脂(A3)は、エポキシ樹脂(P3)のエポキシ基にカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)が開環付加し、好ましくはさらに前記エポキシ基が開環して生じたヒドロキシ基に多塩基酸無水物(d)が更に付加してなるエチレン性不飽和樹脂である。エポキシ樹脂(P3)は、ノボラック型エポキシ樹脂(P3−1)、ビスフェノール型エポキシ樹脂(P3−2)、及びビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂(P3−3)からなる群から選択されることが好ましい。
すなわち、本実施例態様用いるエチレン性不飽和樹脂(A3)としては、ノボラック型エポキシ樹脂(P3−1)にカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)が付加したものに多塩基酸無水物(d)が更に付加しているエチレン性不飽和樹脂(A3−1)や、ビスフェノール型エポキシ樹脂(P3−2)に二塩基酸及びカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)が付加したものに多塩基酸無水物(d)が更に付加しているエチレン性不飽和樹脂(A3−2)や、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂(P3−3)にカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)が付加したものに多塩基酸無水物(d)が更に付加しているエチレン性不飽和樹脂(A3−3)等が挙げられる。
本実施例態様用いるエチレン性不飽和樹脂(A3)は、エポキシ樹脂(P3)のエポキシ基にカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)が開環付加し、好ましくはさらに前記エポキシ基が開環して生じたヒドロキシ基に多塩基酸無水物(d)が更に付加してなるエチレン性不飽和樹脂である。エポキシ樹脂(P3)は、ノボラック型エポキシ樹脂(P3−1)、ビスフェノール型エポキシ樹脂(P3−2)、及びビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂(P3−3)からなる群から選択されることが好ましい。
すなわち、本実施例態様用いるエチレン性不飽和樹脂(A3)としては、ノボラック型エポキシ樹脂(P3−1)にカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)が付加したものに多塩基酸無水物(d)が更に付加しているエチレン性不飽和樹脂(A3−1)や、ビスフェノール型エポキシ樹脂(P3−2)に二塩基酸及びカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)が付加したものに多塩基酸無水物(d)が更に付加しているエチレン性不飽和樹脂(A3−2)や、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂(P3−3)にカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)が付加したものに多塩基酸無水物(d)が更に付加しているエチレン性不飽和樹脂(A3−3)等が挙げられる。
[エチレン性不飽和樹脂(A3−1)]
エチレン性不飽和樹脂(A3−1)は、ノボラック型エポキシ樹脂(P3−1)に二重結合を導入するためにカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)を付加させた後、必要に応じてカルボキシ基を導入するために多塩基酸無水物(d)を付加させることにより製造することができる。
エチレン性不飽和樹脂(A3−1)は、ノボラック型エポキシ樹脂(P3−1)に二重結合を導入するためにカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)を付加させた後、必要に応じてカルボキシ基を導入するために多塩基酸無水物(d)を付加させることにより製造することができる。
ノボラック型エポキシ樹脂(P3−1)としては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのノボラック型エポキシ樹脂は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。
[エチレン性不飽和樹脂(A3−2)]
エチレン性不飽和樹脂(A3−2)は、ビスフェノール型エポキシ樹脂(P3−2)に二重結合を導入するためにカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)を付加させた後、必要に応じてカルボキシ基を導入するために多塩基酸無水物(d)を付加させることにより製造することができる。
エチレン性不飽和樹脂(A3−2)は、ビスフェノール型エポキシ樹脂(P3−2)に二重結合を導入するためにカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)を付加させた後、必要に応じてカルボキシ基を導入するために多塩基酸無水物(d)を付加させることにより製造することができる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂(P3−2)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのビスフェノール型エポキシ樹脂は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。これらの中でも、入手のし易さ及び反応性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
[エチレン性不飽和樹脂(A3−3)]
エチレン性不飽和樹脂(A3−3)は、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂(P3−3)に二重結合を導入するためにカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)を付加させた後、必要に応じてカルボキシ基を導入するために多塩基酸無水物(d)を付加させることにより製造することができる。
ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂(P3−3)としては、分子中にビフェニル骨格を有し且つ2個のエポキシ基を有するものであれば特に限定されない。ビフェニル骨格の例としては下記式(5)で表されるものが挙げられる。
エチレン性不飽和樹脂(A3−3)は、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂(P3−3)に二重結合を導入するためにカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)を付加させた後、必要に応じてカルボキシ基を導入するために多塩基酸無水物(d)を付加させることにより製造することができる。
ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂(P3−3)としては、分子中にビフェニル骨格を有し且つ2個のエポキシ基を有するものであれば特に限定されない。ビフェニル骨格の例としては下記式(5)で表されるものが挙げられる。
上記式(5)中、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、E、E’はそれぞれ独立に、エポキシ基を有する有機基を表す。
ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の具体例としては、三菱ケミカル株式会社製のYX4000(下記式(6)中、R’がCH3である)、YX4000K(下記式(6)中、R’がCH3である)、YX4000H(下記式(6)中、R’がCH3である)、YL6121HA(下記式(6)中、R’がHである化合物とR’がCH3である化合物との混合物)等が挙げられる。
エチレン性不飽和樹脂(A3)のエポキシ基には、必要に応じて、カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)と共に飽和一塩基酸を付加してもよい。飽和一塩基酸としては、特に限定されないが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリン酸、トリデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられる。飽和一塩基酸は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。これらの中でも、沸点及び反応性の観点から、酢酸及びプロピオン酸が好ましい。カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)と共に飽和一塩基酸を付加した樹脂(A)とすることにより、柔軟性が向上する。
多塩基酸無水物(d)としては、第一実施態様に記載の多塩基酸無水物(d)用いることができる。
本発明で用いるエチレン性不飽和樹脂(A)は、本実施態様のエチレン性不飽和樹脂(A3)中の多塩基酸無水物(d)由来のカルボキシ基にエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)を更に付加させてもよい。エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物としては、第一実施態様に記載のエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)用いることができる。
本発明で用いるエチレン性不飽和樹脂(A3)又はエポキシ樹脂(P3)を得るための反応条件は、常法に従って適宜設定すればよい。
カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)及び必要に応じて用いられる飽和一塩基酸の付加反応は、例えば、溶媒に各原料と重合禁止剤と付加反応触媒とを添加し、好ましくは酸素ガス濃度2〜10体積%、より好ましくは酸素ガス濃度5〜7体積%の雰囲気で、好ましくは100〜140℃、より好ましくは110〜130℃で2〜12時間行えばよい。
エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物の付加反応は、好ましくは酸素ガス濃度2〜10体積%、より好ましくは酸素ガス濃度5〜7体積%の雰囲気で、好ましくは100〜140℃、より好ましくは110〜130℃で2〜10時間行えばよい。
カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)及び必要に応じて用いられる飽和一塩基酸の付加反応は、例えば、溶媒に各原料と重合禁止剤と付加反応触媒とを添加し、好ましくは酸素ガス濃度2〜10体積%、より好ましくは酸素ガス濃度5〜7体積%の雰囲気で、好ましくは100〜140℃、より好ましくは110〜130℃で2〜12時間行えばよい。
エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物の付加反応は、好ましくは酸素ガス濃度2〜10体積%、より好ましくは酸素ガス濃度5〜7体積%の雰囲気で、好ましくは100〜140℃、より好ましくは110〜130℃で2〜10時間行えばよい。
本発明で用いるエチレン性不飽和樹脂(A3)の好ましい構成単位比率は以下のようになる。エチレン性不飽和樹脂(A3)において、エポキシ樹脂(P3)に由来する構成単位が40〜70質量%、カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)に由来する構成単位が5〜35質量%、多塩基酸無水物(d)に由来する構成単位が10〜40質量%である。飽和一塩基酸を用いる場合、飽和一塩基酸に由来する構成単位が0〜20質量%である。エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)を用いる場合、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)に由来する構成単位が0〜10質量%である。
また、本発明で用いるエチレン性不飽和樹脂(A3)の好ましい構成単位比率を設定するに当たり、エポキシ樹脂(P3)に由来する構成単位に含まれるエポキシ基へのカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)及び必要に応じて用いられる飽和一塩基酸に由来する構成単位の合計の付加率がエポキシ基に対して合計90〜100%であることが好ましく、カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)及び必要に応じて用いられる飽和一塩基酸に由来する構成単位の付加により生じたヒドロキシ基への多塩基酸無水物に由来する構成単位の付加率は5〜80%であることが好ましく、10〜70%であることがより好ましい。更に、多塩基酸無水物(d)に由来する構成単位の付加により生じたカルボキシ基へのエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)に由来する構成単位の付加率は10〜50%であることが好ましい。
また、本発明で用いるエチレン性不飽和樹脂(A3)の好ましい構成単位比率を設定するに当たり、エポキシ樹脂(P3)に由来する構成単位に含まれるエポキシ基へのカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)及び必要に応じて用いられる飽和一塩基酸に由来する構成単位の合計の付加率がエポキシ基に対して合計90〜100%であることが好ましく、カルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)及び必要に応じて用いられる飽和一塩基酸に由来する構成単位の付加により生じたヒドロキシ基への多塩基酸無水物に由来する構成単位の付加率は5〜80%であることが好ましく、10〜70%であることがより好ましい。更に、多塩基酸無水物(d)に由来する構成単位の付加により生じたカルボキシ基へのエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)に由来する構成単位の付加率は10〜50%であることが好ましい。
[第四実施態様]
本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)の製造方法の第四実施態様は、エポキシ基含有化合物(a)であるエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)とカルボキシ基含有化合物(b)であるカルボキシ基含有樹脂(P4)とを重合禁止剤及び触媒存在下で反応させてエチレン性不飽和樹脂(A4)を製造する方法であり、前記重合禁止剤が、炭素クラスター(c)であることを特徴とする。カルボキシ基含有樹脂(P4)は、エポキシ樹脂(P3)と多官能カルボン酸(e)とを反応させてなるカルボキシ基を有する樹脂である。
本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)の製造方法の第四実施態様は、エポキシ基含有化合物(a)であるエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)とカルボキシ基含有化合物(b)であるカルボキシ基含有樹脂(P4)とを重合禁止剤及び触媒存在下で反応させてエチレン性不飽和樹脂(A4)を製造する方法であり、前記重合禁止剤が、炭素クラスター(c)であることを特徴とする。カルボキシ基含有樹脂(P4)は、エポキシ樹脂(P3)と多官能カルボン酸(e)とを反応させてなるカルボキシ基を有する樹脂である。
本実施態様の一例としては、本実施態様にかかるエチレン性不飽和樹脂(A4)は、後述のカルボキシ基含有樹脂(P4)の溶液に重合禁止剤として炭素クラスター(c)および触媒を添加した後、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)を添加し、第一実施態様のエポキシ基を開環付加反応と同様な条件で、反応させることで製造することができる。使用する炭素クラスター(c)、触媒、及び溶剤は第一実施態様と同様である。
[エチレン性不飽和樹脂(A4)]
本実施態様にかかるエチレン性不飽和樹脂(A4)は、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)のエポキシ基に、カルボキシ基含有樹脂(P4)が開環付加してなるヒドロキシ基を有するエチレン性不飽和樹脂である。
本実施態様にかかるエチレン性不飽和樹脂(A4)は、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)のエポキシ基に、カルボキシ基含有樹脂(P4)が開環付加してなるヒドロキシ基を有するエチレン性不飽和樹脂である。
エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)の付加量は、カルボキシ基含有樹脂(P4)100質量部に対して、0質量部超〜20質量部であることが好ましい。エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)の付加量が0質量部超であれば、感度を高めることができるため好ましい。一方、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)の付加量が20質量部以下であれば、弾性回復率や現像性を維持できるため好ましい。
エチレン性不飽和樹脂(A4)中のエポキシ樹脂(P3)由来の構成単位に対し、付加したエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)のモル比は0.05〜0.3であることが好ましい。
エチレン性不飽和樹脂(A4)中のエポキシ樹脂(P3)由来の構成単位に対し、付加したエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)のモル比は0.05〜0.3であることが好ましい。
[カルボキシ基含有樹脂(P4)]
本実施態様に用いるカルボキシ基含有樹脂(P4)は、エポキシ樹脂(P3)と多官能カルボン酸(e)とを反応させてなるカルボキシ基を有する樹脂である。
エポキシ樹脂(P3)は、第三実施態様に用いるエポキシ樹脂(P3)を用いることができる。
本実施態様に用いるカルボキシ基含有樹脂(P4)は、エポキシ樹脂(P3)と多官能カルボン酸(e)とを反応させてなるカルボキシ基を有する樹脂である。
エポキシ樹脂(P3)は、第三実施態様に用いるエポキシ樹脂(P3)を用いることができる。
[多官能カルボン酸(e)]
多官能カルボン酸(e)としては、特に限定されない。飽和、不飽和の多官能カルボン酸のいずれであっても良い。具体的には、シクロヘキサントリカルボン酸、クエン酸、ベンゼントリカルボン酸、アジピン酸、イタコン酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、グルタル酸、酒石酸、グルタミン酸、セバシン酸等が挙げられる。二塩基酸は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。これらの中でも、反応性の観点から、シクロヘキサントリカルボン酸、アジピン酸及びイタコン酸が好ましい。
多官能カルボン酸(e)としては、特に限定されない。飽和、不飽和の多官能カルボン酸のいずれであっても良い。具体的には、シクロヘキサントリカルボン酸、クエン酸、ベンゼントリカルボン酸、アジピン酸、イタコン酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、グルタル酸、酒石酸、グルタミン酸、セバシン酸等が挙げられる。二塩基酸は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。これらの中でも、反応性の観点から、シクロヘキサントリカルボン酸、アジピン酸及びイタコン酸が好ましい。
[カルボキシ基含有樹脂(P4)の構造単位の割合]
カルボキシ基含有樹脂(P4)は、エポキシ樹脂(P3)由来の構成単位30〜80質量%と、多官能カルボン酸(e)由来の構成単位20〜70質量%とを含むことが好ましい。
ここで、カルボキシ基含有樹脂(P4)中のエポキシ樹脂(P3)由来の構成単位に対し、多官能カルボン酸(e)由来の構成単位のモル比は0.1〜0.8であることが好ましく、0.15〜0.7であることがより好ましい。
カルボキシ基含有樹脂(P4)は、エポキシ樹脂(P3)由来の構成単位30〜80質量%と、多官能カルボン酸(e)由来の構成単位20〜70質量%とを含むことが好ましい。
ここで、カルボキシ基含有樹脂(P4)中のエポキシ樹脂(P3)由来の構成単位に対し、多官能カルボン酸(e)由来の構成単位のモル比は0.1〜0.8であることが好ましく、0.15〜0.7であることがより好ましい。
[カルボキシ基含有樹脂(P4)の製造方法]
本実施態様に用いるカルボキシ基含有樹脂(P4)は、例えば、付加触媒の存在下で、エポキシ樹脂(P3)と多官能カルボン酸(e)とを付加反応させて製造することができる。
本実施態様に用いるカルボキシ基含有樹脂(P4)を得るための付加反応の条件は、常法に従って適宜設定すればよい。付加反応は、例えば、溶媒に各原料と付加触媒とを添加し、好ましくは酸素ガス濃度2〜10体積%、より好ましくは酸素ガス濃度5〜7体積%の雰囲気で、好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜140℃で1〜12時間行えばよい。
本実施態様に用いるカルボキシ基含有樹脂(P4)を得るための付加反応の条件は、常法に従って適宜設定すればよい。付加反応は、例えば、溶媒に各原料と付加触媒とを添加し、好ましくは酸素ガス濃度2〜10体積%、より好ましくは酸素ガス濃度5〜7体積%の雰囲気で、好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜140℃で1〜12時間行えばよい。
上記した付加反応に用いることができる溶媒としては、特に限定されず、公知のものを適宜使用することができる。例えば、第一実施態様の付加反応に用いる溶媒を使用することができる。
上記した付加反応に用いることができる重縮合触媒としては、特に限定されず、公知のものを適宜使用することができる。例えば、第一実施態様の付加反応に用いる触媒を使用することができる。
[エチレン性不飽和樹脂(A)の特性]
本発明第一実施態様〜第四実施態様で得られるエチレン性不飽和樹脂(A)の分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量)は、好ましくは1000〜50000、より好ましくは3000〜40000である。この分子量が1000以上であると、硬化膜の耐溶剤性や耐熱分解性が十分に確保できる。一方、この分子量が50000以下であると、分子量や粘度を適切な範囲に制御することができ、実用的である。また、弾性回復率の観点から、重量平均分子量は3000〜30000であることが好ましい。
本発明第一実施態様〜第四実施態様で得られるエチレン性不飽和樹脂(A)の分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量)は、好ましくは1000〜50000、より好ましくは3000〜40000である。この分子量が1000以上であると、硬化膜の耐溶剤性や耐熱分解性が十分に確保できる。一方、この分子量が50000以下であると、分子量や粘度を適切な範囲に制御することができ、実用的である。また、弾性回復率の観点から、重量平均分子量は3000〜30000であることが好ましい。
エチレン性不飽和樹脂(A)の酸価(JIS K6901 5.3)は、通常20〜300KOHmg/g、好ましくは30〜200KOHmg/gである。酸価が20KOHmg/g以上であれば、現像性が良好となるため好ましい。一方、酸価が300KOHmg/g以下であれば、露光部分(光硬化部分)がアルカリ現像液に対して溶解しにくくなるため好ましい。また、弾性回復率の観点から、エチレン性不飽和樹脂(A)の酸価は30〜200KOHmg/gであることが好ましい。
エチレン性不飽和樹脂(A)の水酸基当量は、通常200〜4000g/mol、好ましくは200〜2500g/molである。水酸基当量を4000g/mol以下、より好ましくは2500g/mol以下にすることで、アルカリ現像液の撥水性を抑制し、良好な現像性を実現することができる。一方、水酸基当量が200g/molを下回ると、本発明に必要な他の置換基の導入量が少なくなり、所望の硬化性、耐熱分解性、耐熱黄変性、屈折率が得られなくなることがある。
なお、本明細書における水酸基当量は、ヒドロキシ基のモル数当たりのエチレン性不飽和樹脂(A)の質量であり、反応率100%として原料の仕込み量から計算した理論値である。
なお、本明細書における水酸基当量は、ヒドロキシ基のモル数当たりのエチレン性不飽和樹脂(A)の質量であり、反応率100%として原料の仕込み量から計算した理論値である。
また、エチレン性不飽和樹脂(A)の不飽和基当量は、本発明の所望の効果を奏する限り制限されないが、通常、100〜4000g/モルであり、好ましくは200〜2000g/モルであり、より好ましくは300〜500g/モルである。不飽和基当量が100g/モル以上であれば、塗膜物性及びアルカリ現像性を高めるうえで効果的であるため好ましい。一方、不飽和基当量が4000g/モル以下であれば、感度をより高めるうえで効果的であるため好ましい。また、不飽和基当量が100g/mol以上の方が耐熱分解性、耐熱黄変性をより高めるには効果的である。また、弾性回復率の観点から、エチレン性不飽和樹脂(A)の不飽和基当量は200〜2000g/モルであることが好ましい。
なお、本明細書において、不飽和基当量は、不飽和基を導入するために用いられる原料が全量反応したと仮定した時の仕込み量から計算した理論値である。
なお、本明細書において、不飽和基当量は、不飽和基を導入するために用いられる原料が全量反応したと仮定した時の仕込み量から計算した理論値である。
本発明で用いるエチレン性不飽和樹脂(A)のエポキシ当量は、本発明の所望の効果を奏する限り制限されないが、通常、100〜4000g/モルであり、好ましくは200〜2000g/モルであり、より好ましくは300〜500g/モルである。エポキシ当量が100g/モル以上であると、塗膜物性及び保存安定性を高めるうえで効果的であり好ましい。逆に、エポキシ当量が4000g/モル以下であると、耐溶剤性をより高めるうえで、効果的である。
なお、前記エポキシ当量とは、重合体のエポキシ基1モル当たりの重合体の質量である。この値は、重合体の質量を重合体のエポキシ基量で除することにより求めることが可能である(g/モル)。本明細書において「エポキシ当量」は、エポキシ基を導入するために用いられる原料の仕込み量と付加反応させるカルボキシ基含有化合物(b)の仕込み量から反応率100%として計算した、理論値である。
なお、前記エポキシ当量とは、重合体のエポキシ基1モル当たりの重合体の質量である。この値は、重合体の質量を重合体のエポキシ基量で除することにより求めることが可能である(g/モル)。本明細書において「エポキシ当量」は、エポキシ基を導入するために用いられる原料の仕込み量と付加反応させるカルボキシ基含有化合物(b)の仕込み量から反応率100%として計算した、理論値である。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)と、炭素クラスター(c)と、溶剤(B)とを含む。本発明の樹脂組成物は、更に反応性希釈剤(D)を含んでもよい。
また、本発明の樹脂組成物が、炭素クラスター(c)以外の重合禁止剤を実質的に含まなくてもよい。「実質的に含まない」とは、前記エチレン性不飽和樹脂(A)100質量部に対して、炭素クラスター(c)以外の重合禁止剤を好ましくは0.05質量部以下、より好ましくは0.010質量部以下含む意味である。
本発明の樹脂組成物は、本発明のエチレン性不飽和樹脂(A)と、炭素クラスター(c)と、溶剤(B)とを含む。本発明の樹脂組成物は、更に反応性希釈剤(D)を含んでもよい。
また、本発明の樹脂組成物が、炭素クラスター(c)以外の重合禁止剤を実質的に含まなくてもよい。「実質的に含まない」とは、前記エチレン性不飽和樹脂(A)100質量部に対して、炭素クラスター(c)以外の重合禁止剤を好ましくは0.05質量部以下、より好ましくは0.010質量部以下含む意味である。
[感光性樹脂組成物]
本発明の感光性樹脂組成物は、エチレン性不飽和樹脂(A)と、炭素クラスター(c)と、溶剤(B)と反応性希釈剤(D)と光重合開始剤(E)とを含む。本発明の感光性樹脂組成物本発明は、更に着色剤(F)を含んでもよい。
また、本発明の感光性樹脂組成物が、炭素クラスター(c)以外の重合禁止剤を実質的に含まなくてもよい。「実質的に含まない」とは、前記エチレン性不飽和樹脂(A)100質量部に対して、炭素クラスター(c)以外の重合禁止剤を好ましくは0.05質量部以下、より好ましくは0.010質量部以下含む意味である。
本発明の感光性樹脂組成物は、エチレン性不飽和樹脂(A)と、炭素クラスター(c)と、溶剤(B)と反応性希釈剤(D)と光重合開始剤(E)とを含む。本発明の感光性樹脂組成物本発明は、更に着色剤(F)を含んでもよい。
また、本発明の感光性樹脂組成物が、炭素クラスター(c)以外の重合禁止剤を実質的に含まなくてもよい。「実質的に含まない」とは、前記エチレン性不飽和樹脂(A)100質量部に対して、炭素クラスター(c)以外の重合禁止剤を好ましくは0.05質量部以下、より好ましくは0.010質量部以下含む意味である。
[溶剤(B)]
溶剤(B)は、エチレン性不飽和樹脂(A)と反応しない溶剤であれば特に限定されない。溶剤(B)としては、エチレン性不飽和樹脂(A)を製造する際に用いた溶剤と同じものを用いることができ、反応後に含まれている溶剤をそのまま用いることもでき、さらに加えることもできる。また、その他の成分を加える際に、そこに共存しているものでも良い。溶剤(B)の具体例として、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの中でも、エチレン性不飽和樹脂(A)を製造する際において使用されるプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤が好ましい。
溶剤(B)は、エチレン性不飽和樹脂(A)と反応しない溶剤であれば特に限定されない。溶剤(B)としては、エチレン性不飽和樹脂(A)を製造する際に用いた溶剤と同じものを用いることができ、反応後に含まれている溶剤をそのまま用いることもでき、さらに加えることもできる。また、その他の成分を加える際に、そこに共存しているものでも良い。溶剤(B)の具体例として、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの中でも、エチレン性不飽和樹脂(A)を製造する際において使用されるプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤が好ましい。
本実施の形態の樹脂組成物または感光性樹脂組成物における溶剤(B)の配合量は、当該組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部とすると、一般に30〜1000質量部、好ましくは50〜800質量部であり、より好ましくは100〜700質量部である。この範囲の配合量であれば、適切な粘度を有する樹脂組成物または感光性樹脂組成物となる。
[反応性希釈剤(D)]
反応性希釈剤(D)としては特に限定されないが、エチレン性不飽和二重結合、好ましくは、ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基を含むものが好ましい。具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等の芳香族ビニル系モノマー類;酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等のポリカルボン酸モノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系モノマー;トリアリルシアヌレート等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
反応性希釈剤(D)としては特に限定されないが、エチレン性不飽和二重結合、好ましくは、ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基を含むものが好ましい。具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等の芳香族ビニル系モノマー類;酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等のポリカルボン酸モノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系モノマー;トリアリルシアヌレート等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施の形態の樹脂組成物または感光性樹脂組成物における反応性希釈剤(D)の配合量は、当該組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部とすると、一般に10〜90質量部、好ましくは20〜80質量部であり、より好ましくは25〜70質量部である。この範囲の配合量であれば、適切な粘度を有する樹脂組成物または感光性樹脂組成物となり、感光性樹脂組成物は適切な光硬化性を有する。
[光重合開始剤(E)]
光重合開始剤(E)としては特に限定されないが、具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1;アシルホスフィンオキサイド類;およびキサントン類等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤(E)としては特に限定されないが、具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1;アシルホスフィンオキサイド類;およびキサントン類等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施の形態の感光性樹脂組成物における光重合開始剤(E)の配合量は、感光性樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部とすると、一般に0.1〜30質量部、好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは1〜15質量部である。この範囲の配合量であれば、適切な光硬化性を有する感光性樹脂組成物となる。
[着色剤(F)]
着色剤(F)としては、溶剤(B)に溶解または分散するものであれば特に限定されず、公知の染料またはは顔料を用いることができる。着色剤(F)として染料を用いる場合、顔料を用いる場合と比べ高輝度な着色パターンを得ることができ、また良好なアルカリ現像性を示す。一方、着色剤(F)として顔料を用いる場合、染料を用いる場合と比べ着色パターンの耐熱性が高い。求められる性能や目的とする画素の色に応じて、染料と顔料を併用しても良い。
着色剤(F)としては、溶剤(B)に溶解または分散するものであれば特に限定されず、公知の染料またはは顔料を用いることができる。着色剤(F)として染料を用いる場合、顔料を用いる場合と比べ高輝度な着色パターンを得ることができ、また良好なアルカリ現像性を示す。一方、着色剤(F)として顔料を用いる場合、染料を用いる場合と比べ着色パターンの耐熱性が高い。求められる性能や目的とする画素の色に応じて、染料と顔料を併用しても良い。
「染料」
染料としては、溶剤(B)やアルカリ現像液に対する溶解性、カラーフィルター用樹脂組成物中の他の成分との相互作用、耐熱性等の観点から、カルボキシ基等の酸性基を有する酸性染料、酸性染料の窒素化合物との塩、酸性染料のスルホンアミド体等を用いることが好ましい。このような染料の具体例としては、acid alizarin violet N;acid black1、2、24、48;acid blue1、7、9、25、29、40、45、62、70、74、80、83、90、92、112、113、120、129、147;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green1、3、5、25、27、50;acid orange6、7、8、10、12、50、51、52、56、63、74、95;acid red1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、51、52、57、69、73、80、87、88、91、92、94、97、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、183、198、211、215、216、217、249、252、257、260、266、274;acid violet 6B、7、9、17、19;acid yellow1、3、9、11、17、23、25、29、34、36、42、54、72、73、76、79、98、99、111、112、114、116; food yellow 3およびこれらの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、アゾ系、キサンテン系、アントラキノン系またはフタロシアニン系の酸性染料が好ましい。これらの染料は、目的とする画素の色に応じて、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
染料としては、溶剤(B)やアルカリ現像液に対する溶解性、カラーフィルター用樹脂組成物中の他の成分との相互作用、耐熱性等の観点から、カルボキシ基等の酸性基を有する酸性染料、酸性染料の窒素化合物との塩、酸性染料のスルホンアミド体等を用いることが好ましい。このような染料の具体例としては、acid alizarin violet N;acid black1、2、24、48;acid blue1、7、9、25、29、40、45、62、70、74、80、83、90、92、112、113、120、129、147;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green1、3、5、25、27、50;acid orange6、7、8、10、12、50、51、52、56、63、74、95;acid red1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、51、52、57、69、73、80、87、88、91、92、94、97、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、183、198、211、215、216、217、249、252、257、260、266、274;acid violet 6B、7、9、17、19;acid yellow1、3、9、11、17、23、25、29、34、36、42、54、72、73、76、79、98、99、111、112、114、116; food yellow 3およびこれらの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、アゾ系、キサンテン系、アントラキノン系またはフタロシアニン系の酸性染料が好ましい。これらの染料は、目的とする画素の色に応じて、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
「顔料」
顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214等の黄色顔料;C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等の橙色顔料;C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265等の赤色顔料;C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等の青色顔料;C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;C.I.ピグメントグリーン7、36、58等の緑色顔料;C.I.ピグメントブラウン23、25等の茶色顔料;C.I.ピグメントブラック1、7、カーボンブラック、チタンブラック、酸化鉄等の黒色顔料等が挙げられる。これらの顔料は、目的とする画素の色に応じて、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214等の黄色顔料;C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等の橙色顔料;C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265等の赤色顔料;C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等の青色顔料;C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;C.I.ピグメントグリーン7、36、58等の緑色顔料;C.I.ピグメントブラウン23、25等の茶色顔料;C.I.ピグメントブラック1、7、カーボンブラック、チタンブラック、酸化鉄等の黒色顔料等が挙げられる。これらの顔料は、目的とする画素の色に応じて、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施の形態の感光性樹脂組成物において着色剤(F)を配合する場合の配合量は、感光性樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部とすると、一般に5〜80質量部、好ましくは5〜70質量部、より好ましくは10〜60質量部である。
着色剤(F)として顔料を用いる場合、顔料の分散性を向上させる観点から、公知の分散剤を感光性樹脂組成物に配合してもよい。分散剤としては、経時の分散安定性に優れる高分子分散剤を用いることが好ましい。高分子分散剤の例としては、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性エステル系分散剤等が挙げられる。このような高分子分散剤として、EFKA(エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、Disperbyk(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成株式会社製)、SOLSPERSE(ゼネカ社製)などの商品名で市販されているものを用いてもよい。本実施の形態の感光性樹脂組成物における分散剤の配合量は、使用する顔料などの種類に応じて適宜設定すればよい。
[樹脂組成物の組成]
本実施の形態の樹脂組成物における、エチレン性不飽和樹脂(A)、炭素クラスター(c)と、溶剤(B)の配合量は、樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部とすると、エチレン性不飽和樹脂(A)が、50〜99.9質量部であることが好ましく;炭素クラスター(c)が0.001〜0.10質量部であることが好ましく;溶剤(B)が30〜1000質量部であることが好ましく、50〜800質量部であることがより好ましく、100〜700質量部であることが更に好ましい。
本実施の形態の樹脂組成物における、エチレン性不飽和樹脂(A)、炭素クラスター(c)と、溶剤(B)の配合量は、樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部とすると、エチレン性不飽和樹脂(A)が、50〜99.9質量部であることが好ましく;炭素クラスター(c)が0.001〜0.10質量部であることが好ましく;溶剤(B)が30〜1000質量部であることが好ましく、50〜800質量部であることがより好ましく、100〜700質量部であることが更に好ましい。
本実施の形態の樹脂組成物が反応性希釈剤(D)を含む場合、エチレン性不飽和樹脂(A)、炭素クラスター(c)、溶剤(B)、反応性希釈剤(D)の配合量は、樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部とすると、エチレン性不飽和樹脂(A)は、10〜90質量部、炭素クラスター(c)が0.00001〜10質量部、溶剤(B)が30〜1000質量部、反応性希釈剤(D)が10〜90質量部であり、好ましくは、エチレン性不飽和樹脂(A)は、20〜80質量部、炭素クラスター(c)が0.0001〜0.10質量部、溶剤(B)が50〜800質量部、反応性希釈剤(D)が20〜80質量部であり、より好ましくは、エチレン性不飽和樹脂(A)は、30〜75質量部、炭素クラスター(c)が0.0005〜0.05質量部、溶剤(B)が100〜700質量部、反応性希釈剤(D)が25〜70質量部である。
[感光性樹脂組成物の組成]
本実施の形態の感光性樹脂組成物が光重合開始剤(E)を含む場合、エチレン性不飽和樹脂(A)、炭素クラスター(c)と、溶剤(B)、反応性希釈剤(D)、光重合開始剤(E)の配合量は、感光性樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部とすると、好ましくは、エチレン性不飽和樹脂(A)が5〜80質量部、炭素クラスター(c)が0.00001〜10質量部、溶剤(B)が30〜1000質量部、反応性希釈剤(D)が10〜90質量部、光重合開始剤(E)が0.1〜30質量部であり、より好ましくは、エチレン性不飽和樹脂(A)が8〜70質量部、炭素クラスター(c)が0.0001〜0.1質量部、溶剤(B)が50〜800質量部、反応性希釈剤(D)が20〜80質量部、光重合開始剤(E)が0.5〜20質量部であり、更に好ましくは、エチレン性不飽和樹脂(A)が10〜60質量部、炭素クラスター(c)が0.0005〜0.05質量部、溶剤(B)が100〜700質量部、反応性希釈剤(D)が25〜70質量部、光重合開始剤(E)が1〜15質量部である。
本実施の形態の感光性樹脂組成物が光重合開始剤(E)を含む場合、エチレン性不飽和樹脂(A)、炭素クラスター(c)と、溶剤(B)、反応性希釈剤(D)、光重合開始剤(E)の配合量は、感光性樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部とすると、好ましくは、エチレン性不飽和樹脂(A)が5〜80質量部、炭素クラスター(c)が0.00001〜10質量部、溶剤(B)が30〜1000質量部、反応性希釈剤(D)が10〜90質量部、光重合開始剤(E)が0.1〜30質量部であり、より好ましくは、エチレン性不飽和樹脂(A)が8〜70質量部、炭素クラスター(c)が0.0001〜0.1質量部、溶剤(B)が50〜800質量部、反応性希釈剤(D)が20〜80質量部、光重合開始剤(E)が0.5〜20質量部であり、更に好ましくは、エチレン性不飽和樹脂(A)が10〜60質量部、炭素クラスター(c)が0.0005〜0.05質量部、溶剤(B)が100〜700質量部、反応性希釈剤(D)が25〜70質量部、光重合開始剤(E)が1〜15質量部である。
本実施の形態の感光性樹脂組成物が着色剤(F)を含む場合、エチレン性不飽和樹脂(A)、炭素クラスター(c)、溶剤(B)、反応性希釈剤(D)、光重合開始剤(E)、着色剤(F)の配合量は一般に、感光性樹脂組成物中の溶剤(B)を除く成分の総和を100質量部とすると、エチレン性不飽和樹脂(A)が5〜80質量部、炭素クラスター(c)が0.00001〜10質量部、溶剤(B)が30〜1000質量部、反応性希釈剤(D)が10〜90質量部、光重合開始剤(E)が0.1〜30質量部、着色剤(F)が5〜80質量部であり、好ましくは、エチレン性不飽和樹脂(A)が8〜70質量部、炭素クラスター(c)が0.0001〜0.10質量部、溶剤(B)が50〜800質量部、反応性希釈剤(D)が20〜80質量部、光重合開始剤(E)が0.5〜20質量部、着色剤(F)が5〜70質量部であり、更に好ましくは、エチレン性不飽和樹脂(A)が10〜60質量部、炭素クラスター(c)が0.0005〜0.05質量部、溶剤(B)が100〜700質量部、反応性希釈剤(D)が25〜70質量部、光重合開始剤(E)が1〜15質量部、着色剤(F)が10〜60質量部である。
本実施の形態の感光性樹脂組成物は、上記の成分に加えて、所定の特性を付与するために、公知のカップリング剤、レベリング剤、熱重合禁止剤等の公知の添加剤、および公知の着色剤やフィラー、分散剤等を配合してもよい。これらの添加剤の配合量は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば特に限定されない。
[感光性樹脂組成物の製造方法]
本実施の形態の感光性樹脂組成物は、公知の混合装置を用い、上記の各成分を混合することによって製造することができる。なお、本実施の形態の感光性樹脂組成物は、先にエチレン性不飽和樹脂(A)および溶剤(B)を含む樹脂組成物を調製した後、反応性希釈剤(D)、光重合開始剤(E)を混合して製造することも可能である。なお、当該樹脂組成物は、本実施の形態の感光性樹脂組成物を調製するために用いることができるほか、他の用途で使用することも可能である。
本実施の形態の感光性樹脂組成物は、公知の混合装置を用い、上記の各成分を混合することによって製造することができる。なお、本実施の形態の感光性樹脂組成物は、先にエチレン性不飽和樹脂(A)および溶剤(B)を含む樹脂組成物を調製した後、反応性希釈剤(D)、光重合開始剤(E)を混合して製造することも可能である。なお、当該樹脂組成物は、本実施の形態の感光性樹脂組成物を調製するために用いることができるほか、他の用途で使用することも可能である。
[樹脂硬化膜]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、本実施形態の樹脂を含むため、優れた現像性を有し、かつ着色剤分散性および耐溶剤性が良好で高い弾性回復率を有する硬化膜が得られる。したがって、本実施形態の感光性樹脂組成物は、ブラックマトリックス、カラーフィルター、ブラックカラムスペーサの材料として好適である。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、良好な着色剤分散性を有し、黒色の着色剤を十分に含むものであっても、現像性等の一般的特性を十分満足でき、被形成面に対する密着性が良好な樹脂硬化膜を形成できる。このため、本実施形態の感光性樹脂組成物によれば、被形成面に対する密着性が良好で、十分な遮光性を有する黒色パターンを形成できる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、本実施形態の樹脂を含むため、優れた現像性を有し、かつ着色剤分散性および耐溶剤性が良好で高い弾性回復率を有する硬化膜が得られる。したがって、本実施形態の感光性樹脂組成物は、ブラックマトリックス、カラーフィルター、ブラックカラムスペーサの材料として好適である。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、良好な着色剤分散性を有し、黒色の着色剤を十分に含むものであっても、現像性等の一般的特性を十分満足でき、被形成面に対する密着性が良好な樹脂硬化膜を形成できる。このため、本実施形態の感光性樹脂組成物によれば、被形成面に対する密着性が良好で、十分な遮光性を有する黒色パターンを形成できる。
[樹脂硬化膜の製造方法]
本実施形態の樹脂硬化膜は、例えば、以下に示す方法により製造できる。
まず、樹脂硬化膜の被形成面上に感光性樹脂組成物を塗布し、樹脂層(塗膜)を形成する。次いで、所定のパターンのマスクを介して、樹脂層を露光し、露光部分を光硬化させる。次に、樹脂層の未露光部分を現像液で現像し、所定のパターンを有する樹脂硬化膜とする。その後、必要に応じて、樹脂硬化膜のホストベーク(熱処理)を行う。
樹脂層を露光する際には、所定のパターンのハーフトーンマスクを用いてもよい。この場合、未露光部分及び半露光部分を現像液で現像して、所定のパターンを有する樹脂硬化膜とする。
本実施形態の樹脂硬化膜は、例えば、以下に示す方法により製造できる。
まず、樹脂硬化膜の被形成面上に感光性樹脂組成物を塗布し、樹脂層(塗膜)を形成する。次いで、所定のパターンのマスクを介して、樹脂層を露光し、露光部分を光硬化させる。次に、樹脂層の未露光部分を現像液で現像し、所定のパターンを有する樹脂硬化膜とする。その後、必要に応じて、樹脂硬化膜のホストベーク(熱処理)を行う。
樹脂層を露光する際には、所定のパターンのハーフトーンマスクを用いてもよい。この場合、未露光部分及び半露光部分を現像液で現像して、所定のパターンを有する樹脂硬化膜とする。
感光性樹脂組成物を塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、スクリーン印刷法、ロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、スピンコート法等が挙げられる。
感光性樹脂組成物を塗布した後には、必要に応じて、循環式オーブン、赤外線ヒーター、ホットプレート等の加熱手段を用いて加熱することにより、樹脂層に含まれる溶剤(B)を揮発させてもよい。塗布後の加熱条件は、特に限定されず、感光性樹脂組成物の組成に応じて適宜設定すればよい。例えば、塗布後の加熱温度は50℃〜120℃とすることができ、加熱時間は30秒〜30分間とすることができる。
感光性樹脂組成物を塗布した後には、必要に応じて、循環式オーブン、赤外線ヒーター、ホットプレート等の加熱手段を用いて加熱することにより、樹脂層に含まれる溶剤(B)を揮発させてもよい。塗布後の加熱条件は、特に限定されず、感光性樹脂組成物の組成に応じて適宜設定すればよい。例えば、塗布後の加熱温度は50℃〜120℃とすることができ、加熱時間は30秒〜30分間とすることができる。
樹脂層を露光する方法としては、特に限定されないが、例えば、紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射する方法が挙げられる。
樹脂層に照射するエネルギー線量は、感光性樹脂組成物の組成に応じて適宜設定すればよい。例えば、樹脂層に照射するエネルギー線量は、30〜2000mJ/cm2とすることができるが、この範囲に限定されない。
露光に用いる光源としては、特に限定されないが、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を任意に選択して用いることができる。
樹脂層に照射するエネルギー線量は、感光性樹脂組成物の組成に応じて適宜設定すればよい。例えば、樹脂層に照射するエネルギー線量は、30〜2000mJ/cm2とすることができるが、この範囲に限定されない。
露光に用いる光源としては、特に限定されないが、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を任意に選択して用いることができる。
現像に用いる現像液としては、優れた現像性が得られるため、アルカリ現像液を用いることが好ましい。アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液;エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン系化合物の水溶液;テトラメチルアンモニウム、3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニリン及びこれらの硫酸塩、塩酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩等のp−フェニレンジアミン系化合物の水溶液等が挙げられる。
現像液には、必要に応じて、消泡剤、界面活性剤等が含まれていてもよい。
現像液には、必要に応じて、消泡剤、界面活性剤等が含まれていてもよい。
現像液で現像した後には、所定のパターンを有する樹脂硬化膜を水洗し、乾燥させることが好ましい。
また、現像液で現像した後には、所定のパターンを有する樹脂硬化膜のホストベーク(熱処理)を行うことが好ましい。ホストベークを行うことにより、樹脂硬化膜の硬化をより進めることができる。ポストベークの条件としては、特に限定されず任意に選択でき、感光性樹脂組成物の組成に応じて適宜設定すればよい。例えば、ホストベークの加熱温度は130℃〜250℃とすることができる。また、ホストベークの加熱時間は10分〜4時間であることが好ましく、より好ましくは20分〜2時間である。
また、現像液で現像した後には、所定のパターンを有する樹脂硬化膜のホストベーク(熱処理)を行うことが好ましい。ホストベークを行うことにより、樹脂硬化膜の硬化をより進めることができる。ポストベークの条件としては、特に限定されず任意に選択でき、感光性樹脂組成物の組成に応じて適宜設定すればよい。例えば、ホストベークの加熱温度は130℃〜250℃とすることができる。また、ホストベークの加熱時間は10分〜4時間であることが好ましく、より好ましくは20分〜2時間である。
[画像表示装置]
本実施形態の画像表示装置は、本実施形態の樹脂硬化膜を備える。画像表示装置の具体例としては、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等が挙げられる。
画像表示装置としては、例えば、ブラックマトリックス、カラーフィルター、ブラックカラムスペーサから選ばれる1以上の部材が、本実施形態の樹脂硬化膜で形成されていることが好ましい。
本実施形態の画像表示装置は、本実施形態の樹脂硬化膜を備える。画像表示装置の具体例としては、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等が挙げられる。
画像表示装置としては、例えば、ブラックマトリックス、カラーフィルター、ブラックカラムスペーサから選ばれる1以上の部材が、本実施形態の樹脂硬化膜で形成されていることが好ましい。
樹脂硬化膜の被形成面を形成している基材の材質としては、特に限定されないが、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、アルミニウム、プリント配線基板などの表面に配線パターンの形成されている基板、アレイ基板等が挙げられる。
本実施形態の画像表示装置の製造方法は、本実施形態の樹脂硬化膜を上述した製造方法で形成する工程が含まれていればよく、樹脂硬化膜で形成された部材以外の部材については、常法に従って製造できる。
本実施形態の感光性樹脂組成物を硬化させた樹脂硬化膜は、優れた現像性を有し、着色剤分散性および耐溶剤性が良好で、高い弾性回復率を有する。このため、画像表示装置に備えられるブラックマトリックス、カラーフィルター、ブラックカラムスペーサの材料として好適である。
以下、実施例を参照して本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。なお、この実施例において、部およびパーセントとあるのは特に断らない限り、全て質量基準である。
[実施例1]
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート137.5gを加え、窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。次いで、グリシジルメタクリレート141.7g(1.00モル)、トリシクロデカニルメタクリレート4.7g(0.02モル)、及びスチレン5.0g(0.05モル)からなる単量体混合物に、13.3gのt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(重合開始剤、日油社製、パーブチル(登録商標)O)を添加したものを、滴下ロートから2時間にわたって前記フラスコ中に滴下した。滴下終了後、120℃でさらに2時間攪拌して共重合反応を行い、エポキシ基含有共重合体(P1)溶液を生成させた。そこにモノマー(m−2)としてアクリル酸72.0g、重合禁止剤としてフラーレン(フロンティアカーボン社製、nanom(登録商標) mix ST)3質量%を含むトリメチルベンゼン溶液を0.6g、触媒としてトリフェニルホスフィンを0.6g(0.3質量部)を仕込み、酸素濃度が4〜7体積%となるように窒素ガスを注入した低酸素エアーを吹き込みながら110℃で10時間加熱した。
その後、酸価が1.0KOHmg/g以下であることを確認して、多塩基酸無水物(d)としてテトラヒドロフタル酸無水物を15.5g仕込み110℃で2時間反応させ、固形分濃度50質量%のエチレン性不飽和樹脂(A1)溶液(固形分酸価32.6KOHmg/g、重量平均分子量9500)を得た。なお固形分とは、エチレン性不飽和樹脂(A1)溶液を130℃で2時間加熱したときの加熱残分を意味し、エチレン性不飽和樹脂(A1)が主成分となる。
反応溶液中の酸価(単量体残存率)を測定することにより、エポキシ基へのアクリル酸の付加反応率を算出したところ99.1%であった。
[実施例1]
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート137.5gを加え、窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。次いで、グリシジルメタクリレート141.7g(1.00モル)、トリシクロデカニルメタクリレート4.7g(0.02モル)、及びスチレン5.0g(0.05モル)からなる単量体混合物に、13.3gのt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(重合開始剤、日油社製、パーブチル(登録商標)O)を添加したものを、滴下ロートから2時間にわたって前記フラスコ中に滴下した。滴下終了後、120℃でさらに2時間攪拌して共重合反応を行い、エポキシ基含有共重合体(P1)溶液を生成させた。そこにモノマー(m−2)としてアクリル酸72.0g、重合禁止剤としてフラーレン(フロンティアカーボン社製、nanom(登録商標) mix ST)3質量%を含むトリメチルベンゼン溶液を0.6g、触媒としてトリフェニルホスフィンを0.6g(0.3質量部)を仕込み、酸素濃度が4〜7体積%となるように窒素ガスを注入した低酸素エアーを吹き込みながら110℃で10時間加熱した。
その後、酸価が1.0KOHmg/g以下であることを確認して、多塩基酸無水物(d)としてテトラヒドロフタル酸無水物を15.5g仕込み110℃で2時間反応させ、固形分濃度50質量%のエチレン性不飽和樹脂(A1)溶液(固形分酸価32.6KOHmg/g、重量平均分子量9500)を得た。なお固形分とは、エチレン性不飽和樹脂(A1)溶液を130℃で2時間加熱したときの加熱残分を意味し、エチレン性不飽和樹脂(A1)が主成分となる。
反応溶液中の酸価(単量体残存率)を測定することにより、エポキシ基へのアクリル酸の付加反応率を算出したところ99.1%であった。
[実施例2〜4及び比較例1〜3]
実施例2〜3においてはフラーレン溶液の添加量を変更し、実施例4においてはフラーレン溶液の代わりにフラーレンのインデン付加体(フロンティアカーボン社製、nanom(登録商標) spectra NPQ3000)の溶液(濃度0.02質量%)に変更し、比較例においてはフラーレン溶液の代わりにBHT(ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン)を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン性不飽和樹脂溶液を得た。結果を表1に示す。
実施例2〜3においてはフラーレン溶液の添加量を変更し、実施例4においてはフラーレン溶液の代わりにフラーレンのインデン付加体(フロンティアカーボン社製、nanom(登録商標) spectra NPQ3000)の溶液(濃度0.02質量%)に変更し、比較例においてはフラーレン溶液の代わりにBHT(ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン)を使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン性不飽和樹脂溶液を得た。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例5においては重合禁止剤をすす状物質0.02質量%に変更した以外は実施例1と同様にしてエチレン性不飽和樹脂溶液を得た。すす状物質は、次の方法で得たものを使用した。トルエンと純酸素ガスを比3:1になるようにして反応管に供給して混合し、67hPa、180℃の条件で加熱して煤を得た。次いで、トルエンで2回洗浄を行い、すす状物質を得た。結果を表1に示す。
実施例5においては重合禁止剤をすす状物質0.02質量%に変更した以外は実施例1と同様にしてエチレン性不飽和樹脂溶液を得た。すす状物質は、次の方法で得たものを使用した。トルエンと純酸素ガスを比3:1になるようにして反応管に供給して混合し、67hPa、180℃の条件で加熱して煤を得た。次いで、トルエンで2回洗浄を行い、すす状物質を得た。結果を表1に示す。
[実施例6]
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート185.6gを加え、窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。
次いで、メタクリル酸58.5g(0.68モル)、トリシクロデカニルメタクリレート33.7g(0.15モル)及び、ベンジルメタクリレート3.0g(0.02モル)からなる単量体混合物に、2.9gのt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(重合開始剤、日油社製、パーブチル(登録商標)O)を添加したものを、滴下ロートから2時間にわたって前記フラスコ中に滴下した。滴下終了後、120℃でさらに2時間攪拌して共重合反応を行い、カルボキシ基含有共重合体(P2)溶液を生成させた。そこにモノマー(m−1)としてグリシジルメタクリレート35.3g、重合禁止剤としてフラーレン(フロンティアカーボン社製、nanom(登録商標) mix ST)3質量量%を含むトリメチルベンゼン溶液を0.6g、触媒としてトリフェニルホスフィン0.4g(0.3質量部)を仕込み、酸素濃度が4〜7体積%となるように窒素ガスを注入した低酸素エアーを吹き込みながら110℃で10時間加熱した。
その後、酸価が72.0KOHmg/g以下であることを確認して、固形分濃度28.6質量%のエチレン性不飽和樹脂(A2)溶液(固形分酸価196.0KOHmg/g、重量平均分子量28000)を得た。
反応溶液中の酸価を測定することにより、酸とエポキシの反応率を算出したところ97.8%であった。
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート185.6gを加え、窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。
次いで、メタクリル酸58.5g(0.68モル)、トリシクロデカニルメタクリレート33.7g(0.15モル)及び、ベンジルメタクリレート3.0g(0.02モル)からなる単量体混合物に、2.9gのt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(重合開始剤、日油社製、パーブチル(登録商標)O)を添加したものを、滴下ロートから2時間にわたって前記フラスコ中に滴下した。滴下終了後、120℃でさらに2時間攪拌して共重合反応を行い、カルボキシ基含有共重合体(P2)溶液を生成させた。そこにモノマー(m−1)としてグリシジルメタクリレート35.3g、重合禁止剤としてフラーレン(フロンティアカーボン社製、nanom(登録商標) mix ST)3質量量%を含むトリメチルベンゼン溶液を0.6g、触媒としてトリフェニルホスフィン0.4g(0.3質量部)を仕込み、酸素濃度が4〜7体積%となるように窒素ガスを注入した低酸素エアーを吹き込みながら110℃で10時間加熱した。
その後、酸価が72.0KOHmg/g以下であることを確認して、固形分濃度28.6質量%のエチレン性不飽和樹脂(A2)溶液(固形分酸価196.0KOHmg/g、重量平均分子量28000)を得た。
反応溶液中の酸価を測定することにより、酸とエポキシの反応率を算出したところ97.8%であった。
[実施例7〜10及び比較例4〜6]
実施例7〜8においてはフラーレン溶液の添加量を変更し、実施例9においては重合禁止剤をフラーレンのインデン付加体に変更し、実施例10においては重合禁止剤をすす状物質に変更し、比較例においてはフラーレン溶液の代わりにBHTを使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン性不飽和樹脂溶液を得た。結果を表2に示す。
実施例7〜8においてはフラーレン溶液の添加量を変更し、実施例9においては重合禁止剤をフラーレンのインデン付加体に変更し、実施例10においては重合禁止剤をすす状物質に変更し、比較例においてはフラーレン溶液の代わりにBHTを使用した以外は実施例1と同様にしてエチレン性不飽和樹脂溶液を得た。結果を表2に示す。
[実施例11]
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、エポキシ樹脂(P3)であるDIC株式会社製クレゾールノボラック系エポキシN−695(エポキシ当量215)を224gとPGMEA95gを加え酸素濃度が4〜7体積%となるように窒素ガスを注入した低酸素エアーを吹き込みながら120℃へ昇温する。その後酸価が42.0KOHmg/g以下であることを確認しモノマー(m−2)としてアクリル酸75.1g(1.04モル)にフラーレン(フロンティアカーボン社製、nanom(登録商標) mix ST)3質量量%を含むトリメチルベンゼン溶液を0.9g、トリフェニルホスフィン0.9gを溶解させたものを10分間にわたって滴下する。その後酸価が1以下となるまで反応を続け、多塩基酸無水物(d)としてコハク酸無水物を33.4g仕込み110℃で1時間反応させ、固形分濃度38.5重量%のエチレン性不飽和樹脂(A3−1)溶液(固形分酸価60.9KOHmg/g、重量平均分子量6000)を得た。
反応溶液中の酸価(単量体残存率)を測定することにより、反応率を算出したところ99.1%であった。
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、エポキシ樹脂(P3)であるDIC株式会社製クレゾールノボラック系エポキシN−695(エポキシ当量215)を224gとPGMEA95gを加え酸素濃度が4〜7体積%となるように窒素ガスを注入した低酸素エアーを吹き込みながら120℃へ昇温する。その後酸価が42.0KOHmg/g以下であることを確認しモノマー(m−2)としてアクリル酸75.1g(1.04モル)にフラーレン(フロンティアカーボン社製、nanom(登録商標) mix ST)3質量量%を含むトリメチルベンゼン溶液を0.9g、トリフェニルホスフィン0.9gを溶解させたものを10分間にわたって滴下する。その後酸価が1以下となるまで反応を続け、多塩基酸無水物(d)としてコハク酸無水物を33.4g仕込み110℃で1時間反応させ、固形分濃度38.5重量%のエチレン性不飽和樹脂(A3−1)溶液(固形分酸価60.9KOHmg/g、重量平均分子量6000)を得た。
反応溶液中の酸価(単量体残存率)を測定することにより、反応率を算出したところ99.1%であった。
[実施例12〜15及び比較例7〜9]
実施例12〜13においてはフラーレン溶液の添加量を変更し、実施例14においては重合禁止剤をフラーレンのインデン付加体に変更し、実施例15においては重合禁止剤をすす状物質に変更し、比較例においてはフラーレン溶液の代わりにBHTを使用した以外は実施例9と同様にしてエチレン性不飽和樹脂溶液を得た。結果を表3に示す。
実施例12〜13においてはフラーレン溶液の添加量を変更し、実施例14においては重合禁止剤をフラーレンのインデン付加体に変更し、実施例15においては重合禁止剤をすす状物質に変更し、比較例においてはフラーレン溶液の代わりにBHTを使用した以外は実施例9と同様にしてエチレン性不飽和樹脂溶液を得た。結果を表3に示す。
[実施例16]
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、多官能カルボン酸(e)として1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸64.3g(0.30モル)とエポキシ樹脂(P3)として旭化成社製AER−2603(エポキシ当量188)67.1g、トリフェニルホスフィン0.5gを加え酸素濃度が4〜7体積%となるように窒素ガスを注入した低酸素エアーを吹き込みながら120℃まで昇温する。その後酸価が138KOHmg/g以下となるまで反応させ、カルボキシ基含有樹脂(P4)とした後、モノマー(m−1)としてグリシジルメタクリレート50.7gにフラーレン(フロンティアカーボン社製、nanom(登録商標) mix ST)3質量量%を含むトリメチルベンゼン溶液を0.9g加えたものを10分間で滴下する。酸価が40KOHmg/g以下となることを確認し、多塩基酸無水物(d)としてコハク酸無水物18gを加えて110℃で1時間反応させ、固形分濃度48.5重量%のエチレン性不飽和樹脂(A4)溶液(固形分酸価108.1KOHmg/g、重量平均分子量6000)を得た。
反応溶液中の酸価(単量体残存率)を測定することにより、反応率を算出したところ95.4%であった。
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、多官能カルボン酸(e)として1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸64.3g(0.30モル)とエポキシ樹脂(P3)として旭化成社製AER−2603(エポキシ当量188)67.1g、トリフェニルホスフィン0.5gを加え酸素濃度が4〜7体積%となるように窒素ガスを注入した低酸素エアーを吹き込みながら120℃まで昇温する。その後酸価が138KOHmg/g以下となるまで反応させ、カルボキシ基含有樹脂(P4)とした後、モノマー(m−1)としてグリシジルメタクリレート50.7gにフラーレン(フロンティアカーボン社製、nanom(登録商標) mix ST)3質量量%を含むトリメチルベンゼン溶液を0.9g加えたものを10分間で滴下する。酸価が40KOHmg/g以下となることを確認し、多塩基酸無水物(d)としてコハク酸無水物18gを加えて110℃で1時間反応させ、固形分濃度48.5重量%のエチレン性不飽和樹脂(A4)溶液(固形分酸価108.1KOHmg/g、重量平均分子量6000)を得た。
反応溶液中の酸価(単量体残存率)を測定することにより、反応率を算出したところ95.4%であった。
[実施例17〜20及び比較例10〜12]
実施例17〜18においてはフラーレン溶液の添加量を変更し、実施例19においては重合禁止剤をフラーレンのインデン付加体に変更し、実施例20においては重合禁止剤をすす状物質に変更し、比較例においてはフラーレン溶液の代わりにBHTを使用した以外は実施例13と同様にしてエチレン性不飽和樹脂溶液を得た。結果を表4に示す。
実施例17〜18においてはフラーレン溶液の添加量を変更し、実施例19においては重合禁止剤をフラーレンのインデン付加体に変更し、実施例20においては重合禁止剤をすす状物質に変更し、比較例においてはフラーレン溶液の代わりにBHTを使用した以外は実施例13と同様にしてエチレン性不飽和樹脂溶液を得た。結果を表4に示す。
合成した樹脂は以下の方法により、酸価、分子量の測定を行った。
[酸価の測定法]
JIS K6901 5.3.2に従って、ブロモチモールブルーとフェノールレットの混合指示薬を用いて測定した。固形分である樹脂(A)1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を意味する。
なお、固形分は、試料を130℃で2時間加熱した時の加熱残分を測定した。
[酸価の測定法]
JIS K6901 5.3.2に従って、ブロモチモールブルーとフェノールレットの混合指示薬を用いて測定した。固形分である樹脂(A)1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を意味する。
なお、固形分は、試料を130℃で2時間加熱した時の加熱残分を測定した。
[重量平均分子量(Mw)の測定法]
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、下記条件にて測定し、標準ポリスチレン換算した。
カラム:ショウデックス(登録商標) LF−804+LF−804(昭和電工株式会社製)
カラム温度:40℃
試料:共重合体の0.2%テトラヒドロフラン溶液
展開溶媒:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折計(ショウデックス(登録商標) RI−71S)(昭和電工株式会社製)
流速:1mL/min
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、下記条件にて測定し、標準ポリスチレン換算した。
カラム:ショウデックス(登録商標) LF−804+LF−804(昭和電工株式会社製)
カラム温度:40℃
試料:共重合体の0.2%テトラヒドロフラン溶液
展開溶媒:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折計(ショウデックス(登録商標) RI−71S)(昭和電工株式会社製)
流速:1mL/min
表1〜表4に示すように実施例では禁止剤としてのフラーレンの量を減らしても合成は可能だが、比較例ではBHTの量を減らすと二重結合の架橋を抑えられずにゲル化が起こってしまう。
[実施例21〜52、比較例13〜20]
それぞれ実施例1〜20及び比較例1,4,7,10の樹脂を使用し、表5〜8に示す配合を組んだ感光性樹脂組成物を作製した。なお、表中の樹脂の配合量は固形分の値で記載し、樹脂の合成の際に含まれていた溶剤は、表中の「溶剤」の項目に合算して記載した。
それぞれ実施例1〜20及び比較例1,4,7,10の樹脂を使用し、表5〜8に示す配合を組んだ感光性樹脂組成物を作製した。なお、表中の樹脂の配合量は固形分の値で記載し、樹脂の合成の際に含まれていた溶剤は、表中の「溶剤」の項目に合算して記載した。
[OD値の評価]
ガラス基板上に、実施例21〜36、比較例13〜16の感光性樹脂組成物を使用し、スピンコーターで膜厚1.5μmとなるように塗膜を作製した。その後、作製した塗膜を90℃で3分間加熱することにより、塗膜中の溶剤を揮発させた。次に、塗膜の全面をウシオ電機株式会社製マルチライトML−251D/Bと照射光学ユニットPM25C−100を用いて露光(露光量200mJ/cm2)し、光硬化させた。照射後、230℃で30分後硬化を行った膜をX−rite社製OD値計 361Tを用いてOD値を測定した。結果を表9に示す。OD値が大きいほどより光を通さずブラックマトリックスとしては良好である。
ガラス基板上に、実施例21〜36、比較例13〜16の感光性樹脂組成物を使用し、スピンコーターで膜厚1.5μmとなるように塗膜を作製した。その後、作製した塗膜を90℃で3分間加熱することにより、塗膜中の溶剤を揮発させた。次に、塗膜の全面をウシオ電機株式会社製マルチライトML−251D/Bと照射光学ユニットPM25C−100を用いて露光(露光量200mJ/cm2)し、光硬化させた。照射後、230℃で30分後硬化を行った膜をX−rite社製OD値計 361Tを用いてOD値を測定した。結果を表9に示す。OD値が大きいほどより光を通さずブラックマトリックスとしては良好である。
[レジストパターン形状の評価]
OD値の評価と同様な方法で膜厚2.5μmの塗膜を作製し、塗膜に線幅20μmのライン&スペースパターンのマスクを被せウシオ電機株式会社製マルチライトML−251D/Bと照射光学ユニットPM25C−100を用いて露光(露光量50mJ/cm2)し、光硬化させた。照射後0.2質量%の水酸化カリウム水溶液で120秒間現像し、更に230℃で30分間ポストベークすることで、目的とするパターンを得た。パターンの下部と上部から下に5%の高さにおける面積の比をT/Bとし、結果を表9に示す。T/Bが1に近いほど目的のパターン形状に近く良い。
OD値の評価と同様な方法で膜厚2.5μmの塗膜を作製し、塗膜に線幅20μmのライン&スペースパターンのマスクを被せウシオ電機株式会社製マルチライトML−251D/Bと照射光学ユニットPM25C−100を用いて露光(露光量50mJ/cm2)し、光硬化させた。照射後0.2質量%の水酸化カリウム水溶液で120秒間現像し、更に230℃で30分間ポストベークすることで、目的とするパターンを得た。パターンの下部と上部から下に5%の高さにおける面積の比をT/Bとし、結果を表9に示す。T/Bが1に近いほど目的のパターン形状に近く良い。
[耐熱黄変性の評価]
ガラス基板上に、それぞれ実施例37〜52、比較例17〜20の感光性樹脂組成物を使用し、表6に示す配合を組んだものを作製し、スピンコーターで膜厚2.5μmとなるように塗膜を作製した。その後作製した塗膜を90℃で3分間加熱することにより、塗膜中の溶剤を揮発させた。次に、塗膜の全面をウシオ電機株式会社製マルチライトML−251D/Bと照射光学ユニットPM25C−100を用いて露光(露光量50mJ/cm2)し、光硬化させた。照射後、230℃で30分後硬化を行った膜をSIMAZU社製UVスペクトルメータUV−1650PCを用いて樹脂硬化膜の極大吸収波長の吸光度を測定した。
結果を表10に示す。ΔEabが小さいほど黄変が少なく良い。
ガラス基板上に、それぞれ実施例37〜52、比較例17〜20の感光性樹脂組成物を使用し、表6に示す配合を組んだものを作製し、スピンコーターで膜厚2.5μmとなるように塗膜を作製した。その後作製した塗膜を90℃で3分間加熱することにより、塗膜中の溶剤を揮発させた。次に、塗膜の全面をウシオ電機株式会社製マルチライトML−251D/Bと照射光学ユニットPM25C−100を用いて露光(露光量50mJ/cm2)し、光硬化させた。照射後、230℃で30分後硬化を行った膜をSIMAZU社製UVスペクトルメータUV−1650PCを用いて樹脂硬化膜の極大吸収波長の吸光度を測定した。
結果を表10に示す。ΔEabが小さいほど黄変が少なく良い。
[透明性の評価]
耐熱黄変性の評価と同様に塗膜を作製し、波長380nmから780nmまでの透過率を測定した。各波長の透過率の平均値を平均透過率(%)とした。
実施例37〜44と比較例17と18の結果を表11に示す。実施例45〜52と比較例19と20の結果を表12に示す。
耐熱黄変性の評価と同様に塗膜を作製し、波長380nmから780nmまでの透過率を測定した。各波長の透過率の平均値を平均透過率(%)とした。
実施例37〜44と比較例17と18の結果を表11に示す。実施例45〜52と比較例19と20の結果を表12に示す。
表1〜4に示される通り、重合禁止剤として炭素クラスター(c)を用いてエチレン性不飽和樹脂を合成すると、従来の重合禁止剤であるBHTに比べて、少量の使用量で効果的に樹脂のゲル化を防止できることがわかる。また、表9と表10に示される通り、炭素クラスター(c)を用いて合成されたエチレン性不飽和樹脂を用いた感光性樹脂は、着色剤の分散性に優れ、パターン形状や耐熱黄変性に優れた硬化物が得られることがわかる。また、表11と表12に示される通り、炭素クラスター(c)を用いて合成されたエチレン性不飽和樹脂を用いた感光性樹脂は、透明性が改善されたことがわかる。
Claims (10)
- エポキシ基含有化合物(a)とカルボキシ基含有化合物(b)とを重合禁止剤及び触媒存在下で反応させ、エチレン性不飽和樹脂(A)を製造する方法であって、
前記エポキシ基含有化合物(a)と前記カルボキシ基含有化合物の少なくとも1方の化合物がエチレン性不飽和基を含有し、
前記重合禁止剤が、炭素クラスター(c)であり、前記炭素クラスター(c)はフラーレンおよびすす状物質の少なくとも1つである
ことを特徴とするエチレン性不飽和樹脂の製造方法。 - 前記エポキシ基含有化合物(a)がエポキシ基含有共重合体(P1)であり、
前記カルボキシ基含有化合物(b)がカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)である
請求項1に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。 - 前記エポキシ基含有化合物(a)がエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)であり、
前記カルボキシ基含有化合物(b)がカルボキシ基含有共重合体(b2)である
請求項1に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。 - 前記エポキシ基含有化合物(a)がエポキシ樹脂(P3)であり、
前記カルボキシ基含有化合物(b)がカルボキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−2)である
請求項1に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。 - 前記エポキシ基含有化合物(a)がエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(m−1)であり、
前記カルボキシ基含有化合物(b)がカルボキシ基含有樹脂(P4)であり、
前記カルボキシ基含有樹脂(P4)は、エポキシ樹脂(P3)と多官能カルボン酸(e)とを反応させてなるカルボキシ基を有する樹脂である
請求項1に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。 - 前記重合禁止剤が、フラーレンである
請求項1〜5のいずれか1項に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。 - 前記フラーレンが、C60およびC70から選ばれる1種以上である
請求項1〜6のいずれか1項に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。 - 前記重合禁止剤の使用量は、前記エポキシ基含有化合物(a)と前記のカルボキシ基含有化合物(b)との合計量100質量部に対して0.0001〜0.10質量部である
請求項1〜7のいずれか1項に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。 - 反応雰囲気が酸素濃度2〜10体積%で合成を行う
請求項1〜8のいずれか1項に記載のエチレン性不飽和樹脂の製造方法。 - エチレン性不飽和樹脂組成物を製造する方法であって、
前記エチレン性不飽和樹脂組成物は、
請求項1〜9の何れか1項記載の製造方法を用いて得られたエチレン性不飽和樹脂(A)と、
炭素クラスター(c)と、
溶剤(B)と
を含有し、
請求項1〜9の何れか1項記載の製造方法で前記エチレン性不飽和樹脂(A)を製造する工程と、
前記エチレン性不飽和樹脂(A)と前記溶剤(B)とを混合する工程と
を含むことを特徴とする、エチレン性不飽和樹脂組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018222728A JP2020084089A (ja) | 2018-11-28 | 2018-11-28 | エチレン性不飽和樹脂の製造方法、エチレン性不飽和樹脂組成物の製造方法 |
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JP2018222728A JP2020084089A (ja) | 2018-11-28 | 2018-11-28 | エチレン性不飽和樹脂の製造方法、エチレン性不飽和樹脂組成物の製造方法 |
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ID=70909730
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JP (1) | JP2020084089A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022102368A1 (ja) * | 2020-11-13 | 2022-05-19 | 昭和電工株式会社 | 顔料分散組成物、及び感光性着色組成物 |
-
2018
- 2018-11-28 JP JP2018222728A patent/JP2020084089A/ja active Pending
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WO2022102368A1 (ja) * | 2020-11-13 | 2022-05-19 | 昭和電工株式会社 | 顔料分散組成物、及び感光性着色組成物 |
CN116490533A (zh) * | 2020-11-13 | 2023-07-25 | 株式会社力森诺科 | 颜料分散组合物和感光性着色组合物 |
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