JP2021095425A - 植物由来の有機炭素成分を含む水分散組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】化石資源の原料ではなく、地球温暖化防止や環境負荷低減に貢献できる、環境に優しい植物由来のポリオールにて合成された水分散組成物を提供することである。【解決手段】植物由来の有機炭素成分を含み活性水素を持ち、植物由来の有機炭素を20%以上含むポリオール成分とポリイソシアネート成分を反応したものについて、植物由来の有機炭素の割合が20%以上であり、この反応物の溶剤含有量が1重量%以下の水分散組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、環境に優しいポリウレタン樹脂に関する。さらに詳しくは、近年、環境問題や将来的に枯渇する化石資源の使用の問題に関し、溶剤の大気への排出を削減し、持続可能な原料の使用や地球温暖化対策や環境負荷低減を目的としたカーボンニュートラルおよび、従来のポリウレタン樹脂と同様に、各種コーティング剤、インキ、塗料等のバインダー等への使用が期待される。
近年、枯渇性資源ではない産業資源として「バイオマス」が注目されているが、「バイオマス」の定義は、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源、を除いたもの」とされている。従来から、木綿、ウール、絹、でんぷん、天然ゴム等の天然資源やその誘導体は、バイオマスポリマーとして使用されている。
ここで汎用性の石油系ポリマーの一つであるポリウレタン樹脂は、耐摩耗性、屈曲性、可撓性、柔軟性、加工性、接着性、耐薬品性等の諸物性に優れたものが得られ、且つ、各種加工法への適性にも優れるため、各種コーティング剤、インキ、塗料等のバインダーとして広く使用されている。しかし、ポリウレタン樹脂は、化石資源からの原料を利用して製造を行っており、使用後はゴミとして焼却するのが大半であり、この点から、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)等の温室効果ガス発生における地球温暖化にも考慮した改善が求められている。また加工および、製造過程では溶剤を使用した製法がほとんどで、溶剤の環境への排出も取り沙汰されている。
これに対し、少なくとも一部を植物由来の原料に置き換えた、再生可能な成分で製造されたポリウレタン発泡体が提案されている(特許文献1)。また、同様に植物由来の高級脂肪酸または、植物由来のポリオールを使用した軟質ポリウレタン発泡体についての提案がある(特許文献2)。これらは未だ十分なものとは言い難く、諸物性に優れたポリウレタン樹脂を得て、実用化が可能な技術とするためには、詳細に検討していく必要があることを示している。同様に植物由来の原料を使用したポリオールとイソシアネートを反応させたポリウレタン樹脂および、合成擬革の提案がある(特許文献3、4参照)が、これらは溶剤を含有もしくは使用する製法によるものであり、環境に配慮したものとは言い難い。
このような従来通りの製造法を改善すべく、環境に配慮した溶剤を使用しないサステナビリティな原料を使用した水分散ウレタン樹脂組成物および、その製法、加工製品が望まれている。
特開2006−291205号公報 特開2009−167255号公報 特開2014−037152号公報 特開2011−226047号公報
先に述べたように、ポリウレタン樹脂は、化石資源からの原料を使用し、その製品は使用後にゴミとして焼却するのが大半であり、この点から、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)等の温室効果ガス発生における地球温暖化にも考慮した改善が求められている。また使用されるポリウレタン樹脂、加工処方および、製造過程では溶剤を使用した製法がほとんどで溶剤の環境への排出も取り沙汰されている。
一方、植物由来の原料は、植物が生育する際に二酸化炭素(CO2)を吸収するために、例え焼却された場合でも二酸化炭素(CO2)はゼロとカウントすることができ、植物由来の原料は、地球温暖化対策に貢献できるという考え方がある。また、溶剤を使用しない水分散組成物および、これを用いてなる製品は環境への影響もほとんどない。
上記の課題は以下の本発明によって達成される。即ち本発明は、植物由来の有機炭素成分を含み活性水素を持つポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)を反応したものについて、植物由来の有機炭素の割合が20%以上であり、尚且つ、この反応物が溶剤を含まない水分散組成物(C)である。ポリオール成分(A)はポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリテトラメチレンジオールであり、植物由来の有機炭素成分を20%以上含む。また、水分散組成物(C)の反応物の固形分割合は20%から60%である。
水分散組成物(C)とは、溶剤含有量が1重量%以下のものを言う。ここで言う溶剤とはケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、芳香族系炭化水素溶剤(トルエン、キシレン等)、脂肪族系炭化水素溶剤(n‐ヘキサン等)、エーテル系溶剤(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ラクタム系溶剤(n‐メチル‐2‐ピロリドン等)が挙げられる。
ポリオール成分(A)はポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリテトラメチレンジオールであり、ポリオール成分のうち20%以上が植物由来の有機炭素成分である。
本発明によれば、水分散組成物(C)と水分散ブロックイソシアネート組成物を増粘してなる防水コーティング処方および、これを基布にコーティングしてなる製品を提供することができる。
本発明によれば、水分散組成物(C)と水分散ブロックイソシアネート組成物および、水溶性ウレタン樹脂組成物からなる防水透湿コーティング処方および、これを基布にコーティングしてなる製品を提供することができる。
植物由来の有機炭素成分を20%以上含有した水分散組成物(C)は、各種加工法への適性に優れ、各種コーティング剤、インキ、塗料等のバインダーに要求される耐久性があり、尚且つ、水分散組成物(C)を利用したコーティング処方により、環境問題に対応した最終製品を提供できる。
水分散組成物(C)は、植物由来の有機炭素成分を含み活性水素を持つポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)を反応したもので、植物由来の有機炭素の割合が20%以上である。
植物由来の有機炭素成分を含み活性水素を持つポリオール成分(A)とは、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリテトラメチレンジオールであり、植物由来の有機炭素の割合が20%以上である。これらを1種または2種以上併用してもよい。
ポリオール成分(A)植物由来の有機炭素の割合は、数式1にて算出することができる。
Figure 2021095425
ポリイソシアネート成分(B)とは、従来から使用されている脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。例えば、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3‐ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボランジイソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。特に好ましいポリイソシアネートとしては、キシリレンジイソシアネート、1,3‐ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが挙げられる。これらを1種または2種以上併用してもよい。
水分散組成物(C)とは、溶剤含有量が1重量%以下のものを言う。ここで言う溶剤とはケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、芳香族系炭化水素溶剤(トルエン、キシレン等)、脂肪族系炭化水素溶剤(n‐ヘキサン等)、エーテル系溶剤(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ラクタム系溶剤(n‐メチル‐2‐ピロリドン等)が挙げられる。
必要に応じて鎖伸長剤を併用してもよく、各種の低分子ポリオールや低分子ポリアミンが挙げられる。例えば、低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4‐ブタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、3‐メチル1,5‐ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。低分子ポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、イソホロンジアミン、ノルボランジアミン、ジアノジフェニルメタン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イミノビスプロピルアミン等が挙げられる。これらを1種または2種以上併用してもよい。
水分散組成物(C)の植物由来の有機炭素の割合は、数式2にて算出することができる。
Figure 2021095425
水分散組成物(C)の植物由来の有機炭素数は、数式3にて算出することができる。
Figure 2021095425
水分散組成物(C)の石油由来の有機炭素数は、数式4にて算出することができる。
Figure 2021095425
水分散組成物(C)と水分散ブロックイソシアネート組成物を増粘剤にて増粘し、撥水処理布にコーティングすることで、通常の石油由来のポリウレタン樹脂と同等性能の防水コーティング製品が得られる。溶剤を含有するいわゆる溶剤系コーティングの場合、排水および、排気時に溶剤を排出するため、有機溶剤の排水および、排気に対して、設備の整った工場であっても排気がゼロとは言えないが、本発明の水分散組成物(C)は、通常のコーティング設備で環境に対して問題がない加工ができる。
防水透湿コーティングにおいては通常、湿式法により樹脂皮膜を多孔質化させる方法が一般的である。湿式法とは、溶剤系では水中で溶剤を溶出し、水系では水中で水溶性物質を溶出することで多孔質化する方法である。水分散組成物(C)、水分散ブロックイソシアネート組成物および、水溶性ウレタン樹脂をコーティング後、湯洗処理をして水溶性ウレタン樹脂を溶出して多孔質の樹脂皮膜を形成させることで、通常の石油由来のポリウレタン樹脂と同等性能の透湿防水製品が得られる。上記処方は溶剤を使用しないため、通常のコーティング設備で、環境に対して問題がない製法となる。
以下に実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各評価項目における各種物性等の測定および評価は、次の方法で行う。
[耐水圧] JIS L‐1092 耐水性試験(静水圧法)に準じて行う。
[透湿度] JIS L‐1099 A−1法(塩化カルシウム法)に準じて行う。
[洗濯処理] JIS L‐1930 C4M法に準じて洗濯処理を10回行う。乾燥はタンブラー乾燥機を用いる。以下、「L10」と表記する。
[皮膜剥離性] 上記洗濯処理10回を行った後、塗布面の剥離性を目視にて観察する。皮膜の変化がないものを合格とし、皮膜剥離または皮膜が白化するものを不合格とする。合格を「○」、不合格を「×」と表記する。
(合成例1)
攪拌機、還流冷却管、温度計および、窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコにPTMG‐2000SN(P)(植物由来ポリテロラメチレングリコール、分子量2000、植物由来有機炭素割合100%、植物由来有機炭素数111、保土谷化学工業(株)製)を70部、ベネビオールNL‐2010DB(植物由来ポリカーボネートジオール、分子量2000、植物由来有機炭素数20、石油由来炭素数72、三菱化学(株)製)を20部、PEG‐2000(ポリエチレングリコール、分子量2000、石油由来有機炭素数90、三洋化成(株)製)を5部、1,4ブタンジオール(分子量90、石油由来有機炭素数4)を3部、ジメチロールブタン酸(分子量148、石油由来有機炭素数6)を3部、トリメチロールプロパン(分子量134、石油由来有機炭素6)を0.5部、仕込み均一に混合後、イソホロンジイソシアネート(分子量222、石油由来有機炭素12)28.8部を加え100℃にて4時間反応後、遊離イソシアネート基含有量1.8%のウレタンプレポリマーを得た。このプレポリマーを40℃以下に冷却後、トリエチルアミン2.1部を添加し、均一に混合後、水を徐々に加えて乳化、分散させ、これにイソホロンジアミン3.8部を添加後、120分間攪拌し、蒸留水を加え、不揮発分35%、植物由来の有機炭素の割合が59%の安定な水分散組成物を得た。
(合成例2)
攪拌機、還流冷却管、温度計および、窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコにPTMG‐2000SN(P)を30部、クラレポリオールC‐2090(ポリカーボネートジオール、分子量2000、石油由来有機炭素数102、クラレ(株)製)を60部、PEG‐2000を5部、1,4ブタンジオールを3部、ジメチロールブタン酸を3部、トリメチロールプロパンを0.5部、仕込み均一に混合後、イソホロンジイソシアネート28.75部を加え100℃にて4時間反応後、遊離イソシアネート基含有量1.8%のウレタンプレポリマーを得た。このプレポリマーを40℃以下に冷却後、トリエチルアミン2.1部を添加し、均一に混合後、水を徐々に加えて乳化、分散させ、これにイソホロンジアミン3.8部を添加後、120分間攪拌し、蒸留水を加え、不揮発分35%、植物由来の有機炭素の割合が24%の安定な水分散組成物を得た。
以下、実施例で使用する素材はナイロンタフタとする。樹脂皮膜を積層する前撥水処理として、パラガードAF‐900(フッ素系撥水剤、大原パラヂウム化学(株)製)を蒸留水で50g/Lに希釈し、100gに調液し、パディング法にて生地を加工液に浸した後に、加圧マングルを用いて、絞り率95%で脱水処理し、ピンテンターにて100℃で2分間乾燥後、170℃で2分間熱処理を行い、撥水性が4級得られる撥水処理布(以下、「ナイロンタフタ撥水処理布」と表記する)を使用する。
(実施例1)
合成例1の水分散組成物を100部、パラキャットPGW‐4(ブロックイソシアネート系架橋剤、大原パラヂウム化学(株)製)を5部、均一に混合後、パラゾールV‐20(増粘剤、大原パラヂウム化学(株)製)を2部、混合撹拌することで粘度20000mPa・sのコーティング液を得た。このコーティング液を、ナイロンタフタ撥水処理布にナイフコーティングにて積層し、ピンテンターにて100℃で4分間乾燥後、170℃で2分間熱処理を行い、Dry塗布量10g/m2の加工布を得た。
(実施例2)
合成例2の水分散組成物を100部、パラキャットPGW‐4(ブロックイソシアネート系架橋剤、大原パラヂウム化学(株)製)を5部、均一に混合後、パラゾールV‐20(増粘剤、大原パラヂウム化学(株)製)を2部、混合撹拌することで粘度20000mPa・sのコーティング液を得た。このコーティング液を、ナイロンタフタ撥水処理布にナイフコーティングにて積層し、ピンテンターにて100℃で4分間乾燥後、170℃で2分間熱処理を行い、Dry塗布量10g/m2の加工布を得た。
実施例1、2の加工布の耐水圧および皮膜剥離性の測定結果を表1に示す。
Figure 2021095425
(実施例3)
合成例1の水分散組成物を60部、パラミリオンAF‐36(水溶性ウレタン樹脂、大原パラヂウム化学(株)製)を40部、パラキャットPGW‐4を5部、均一に混合することで粘度30000mPa・sのコーティング液を得た。このコーティング液を、ナイロンタフタ撥水処理布にナイフコーティングにて積層し、ピンテンターにて100℃で4分間乾燥後、170℃で2分間熱処理を行い、Dry塗布量80g/m2の加工布を得た。次に50℃の温水層にて10分洗い処理をし、マングルで絞り、100℃で4分間乾燥をした。さらに樹脂の後撥水処理として、パラガードAF‐900を蒸留水で50g/Lに希釈し、100gに調液し、パディング法にて生地を加工液に浸した後に、加圧マングルを用いて、脱水処理し、ピンテンターにて100℃で2分間乾燥後、170℃で2分間熱処理を行った。
(実施例4)
合成例2の水分散組成物を60部、パラミリオンAF‐36(水溶性ウレタン樹脂、大原パラヂウム化学(株)製)を40部、パラキャットPGW‐4を5部、均一に混合することで粘度30000mPa・sのコーティング液を得た。このコーティング液を、ナイロンタフタ撥水処理布にナイフコーティングにて積層し、ピンテンターにて100℃で4分間乾燥後、170℃で2分間熱処理を行い、Dry塗布量80g/m2の加工布を得た。次に50℃の温水層にて10分洗い処理をし、マングルで絞り、100℃で4分間乾燥をした。さらに樹脂の後撥水処理として、パラガードAF‐900を蒸留水で50g/Lに希釈し、100gに調液し、パディング法にて生地を加工液に浸した後に、加圧マングルを用いて、脱水処理し、ピンテンターにて100℃で2分間乾燥後、170℃で2分間熱処理を行った。
実施例3、4の加工布の耐水圧、透湿度および、皮膜剥離性の測定結果を表2に示す。
Figure 2021095425
以上より、植物由来の水分散組成物(C)を使用することで、通常の市販製品と変わらない耐洗濯性のある耐水圧、透湿度を付与し、皮膜剥離性のない製品を提供することができる。
本発明の植物由来の有機炭素成分を20%以上含有した水分散組成物(C)は、従来の石油由来のポリウレタン樹脂と同様に、各種加工法への適性に優れ、各種コーティング剤、インキ、塗料等のバインダーに要求される耐久性のある繊維製品を提供することができる。尚且つ、植物由来の原料を利用することで、カーボンニュートラルに貢献できる環境に配慮した繊維製品を提供することができる。

Claims (4)

  1. 植物由来の有機炭素成分を含み活性水素を持つポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)を反応したものについて、植物由来の有機炭素の割合が20%以上であり、尚且つ、この反応物の溶剤含有量が1重量%以下の水分散組成物(C)。ここで言う溶剤とはケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、芳香族系炭化水素溶剤(トルエン、キシレン等)、脂肪族系炭化水素溶剤(n−ヘキサン等)、エーテル系溶剤(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ラクタム系溶剤(n−メチル−2−ピロリドン等)が挙げられる。
  2. 請求項1に記載のポリオール成分(A)はポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリテトラメチレンジオールであり、ポリオール成分のうち20%以上が植物由来の有機炭素成分である。
  3. 請求項1の水分散組成物(C)と水分散ブロックイソシアネート組成物を増粘してなる防水コーティング処方および、これを基布にコーティングしてなる繊維製品。
  4. 請求項1の水分散組成物(C)、水分散ブロックイソシアネート組成物および、水溶性ウレタン樹脂からなる防水透湿コーティング処方および、これを基布にコーティングしてなる繊維製品。
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