JP2021094985A - フェンダライナの固定構造 - Google Patents

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公裕 塚本
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Abstract

【課題】フェンダライナに外力が加わったときの外れを防止する。【解決手段】クリップピン26の軸部42が、クリップベース24の開口30に挿入されてクリップピン26とクリップベース24が結合し、間にフェンダライナ20を保持する。軸部42の側面に、開口30を貫通する案内突条46が設けられている。クリップベース24には、開口30を囲むように当接台座36が設けられ、さらに開口30の縁から当接台座36を越えて保持部34に向けて嵌合切り欠き48が延びている。案内突条46は、嵌合切り欠き48に沿って、当接台座36を越えて外方に進出し、フェンダライナ20の当接台座36への接触を阻止する。【選択図】図3

Description

本発明は、フェンダライナを車体に固定するための構造、特にホイールアーチの縁に固定するための構造に関する。
下記特許文献1には、フェンダライナ取付クリップ(1)と固定用クリップ(20)を用いて車体外装板であるバンパ(50)にフェンダライナ(52)を固定する構造が示されている。フェンダライナ取付クリップ(1)は、側面視において略S字形状である。S字の2つある屈曲部分のうち、一方の屈曲部分の内側であるバンパ保持部(3)にてバンパ(50)を保持し、他方の屈曲部分の内側であるフェンダライナ保持部(2)にてフェンダライナ(52)を保持する。フェンダライナ取付クリップ(1)、バンパ(50)およびフェンダライナ(52)を貫くように固定用クリップ(20)が挿入され、フェンダライナ(52)とバンパ(50)が結合される。なお、( )内の符号は、下記特許文献1で用いられている符号であり、本願の実施形態の説明で用いられる符号とは関連しない。
特開2002−308150号公報
フェンダライナに外力が加わったときに車体外装板から外れないよう、より強固に固定するための構造が求められている。
本発明は、車体外装板に形成されたホイールアーチの縁にフェンダライナを固定するための構造に係る。フェンダライナは、ホイールアーチの縁に沿って、かつ車輪を覆うように配置され、車体外装板に固定するために開口が形成されている。フェンダライナは、ホイールアーチの縁に取り付けられたクリップベースと、クリップベースに結合されるクリップピンとによって保持されてクリップベースを介して車体外装板に固定される。クリップベースにも開口が形成されており、この開口とフェンダライナの開口をクリップピンの軸部が貫通してフェンダライナが位置決めされ、またクリップピンの基部とクリップベースによりフェンダライナが保持される。クリップピンの軸部は、側面に、当該軸部の軸線方向に沿って、クリップベースの開口を貫通して延びる案内突条を有している。クリップベースは、ホイールアーチの縁を保持する保持部と、クリップピンの基部に対向する面に、クリップベースの開口を囲むように設けられ、頂面がクリップピンの基部に当接する当接台座とを有する。クリップベースの開口の縁には、クリップピンの案内突条と嵌合する嵌合切り欠きが形成され、嵌合切り欠きは、クリップベースの保持部に向けて延び、案内突条は嵌合切り欠きに沿って、当接台座を越えて外方に進出している。
クリップベースの開口を貫通し、かつ当接台座より外方に進出した案内突条が、フェンダライナの開口の縁がクリップベースの当接台座に当たることを阻止し、クリップピンが抜けにくくなる。
車両の前部を示す図である。 車両前部の側面を斜め後方から見た図である。 バンパカバーに対するフェンダライナの取付点周囲の構造およびフェンダライナ取付クリップを示す図である。 フェンダライナ取付クリップを示す図である。 クリップピンを模式的に示す平面図である。 図5のVI−VI線による断面を模式的に示す図である。 図5のVII−VII線による断面を模式的に示す図である。 バンパカバー保持部およびその周囲を模式的に示す拡大断面図である。 フェンダライナ開口と、クリップベースおよびクリップピンの関係を模式的に示す断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に従って説明する。図1は、車両10、特に乗用車の車体前部を示す図である。車両10の前部側面の側面外装板12には、前輪(不図示)を収容し、また前輪との干渉を防止するため、略円形に切り欠かれたホイールアーチ14が形成されている。この車両10においては、側面外装板12は、フロントフェンダ16と、バンパカバー18の車両側面に回り込んだ部分とにより形成され、ホイールアーチ14は、フロントフェンダ16とバンパカバー18に渡って形成されている。側面外装板12の内側には、前輪の上側を覆うようにフェンダライナ20が配置されている。フェンダライナ20は、走行中、前輪が跳ね上げた水、砂、小石等からフロントフェンダ16や、前輪の内側に配置されるホイールエプロンを保護するために配置される。フェンダライナ20は、車体の強度、剛性に寄与する部品ではないので、比較的薄い、例えば0.7〜1mm程度の樹脂成形品である。また、フェンダライナ20は、ホイールアーチ14の縁に沿って略円弧状に配置され、フェンダライナ20の縁とホイールアーチ14の縁は、互いにずれないように固定されている。車両10において、フェンダライナ20は、バンパカバー18にフェンダライナ取付クリップ22によって固定されている(図2参照)。
図2は、車両10の前部側面を斜め後方から見た図であり、フェンダライナ20を外した状態が示されている。フェンダライナ20をバンパカバー18に固定するためのフェンダライナ取付クリップ22は、バンパカバー18の縁に取り付けられるクリップベース24と、クリップベース24に結合されるクリップピン26から構成される。バンパカバー18に取り付けられたクリップベース24に対して、クリップピン26を結合し、このときクリップベース24とクリップピン26でフェンダライナ20を挟むようにすることでフェンダライナ20がバンパカバー18に対して固定される。
図3は、バンパカバー18とフェンダライナ20の、フェンダライナ取付クリップ22による固定部の構造、およびクリップベース24とクリップピン26を拡大して示す図である。拡大して示したクリップピン26は、要部を明確にするために向きを変えて示している。図4は、クリップベース24を図3とは別の向きから見た図である。
バンパカバー18の縁には略直角に折れ曲がったバンパカバーフランジ28が形成されている。バンパカバーフランジ28の縁の一部に、他の部分より突出して形成されたクリップ取付片28aが設けられている。クリップ取付片28aにクリップベース24が取り付けられる。クリップベース24は、クリップピン26が挿入されるクリップベース開口30が形成されているクリップベース本体32を有し、クリップベース本体32の縁に、バンパカバーフランジのクリップ取付片28aを受け入れるバンパカバー保持部34が設けられている。クリップベース開口30の縁には、開口を囲むように当接台座36が設けられている。当接台座36は、クリップベース本体32から隆起し、後述するように、クリップベース24とクリップピン26の間にフェンダライナ20を収容保持する隙間を形成している。
フェンダライナ20の縁部にはフェンダライナ開口38が形成されている。クリップピン26は、板状のクリップピン基部40と、クリップピン基部40に立設されたクリップピン軸部42を含む。クリップピン軸部42の、互いに背中合わせとなる側面にはそれぞれ係合爪44が設けられている。係合爪44は、弾性的にたわみ、クリップピン26がクリップベース24に結合したとき、クリップベース開口30の縁に掛かり、クリップピン26の抜けを阻止する。クリップピン軸部42の側面には、クリップピン軸部42の軸線方向に沿って互いに平行に延びる2本の案内突条46が設けられている。案内突条46の先端部、つまりクリップピン基部40とは反対側の端部には、クリップピン軸部42が先細となるように傾斜した斜面46aが形成されている。一方、案内突条46の基端部には、クリップピン軸部42の軸線に平行な頂面46bが形成されている。クリップベース24には、クリップピン26の2本の案内突条46に対応して、クリップベース開口30の縁に2つの嵌合切り欠き48が形成されている。嵌合切り欠き48は、クリップベース開口30の、バンパカバー保持部34側の縁からバンパカバー保持部34に向けて、当接台座36を越えて延びている。また、2つの嵌合切り欠き48の間の部分である嵌合片50は、2つの案内突条46の間に進入する。また嵌合片50の先端には、当接台座36の一部となる突起50aが形成されている。
クリップベース24のバンパカバー保持部34には、バンパカバーフランジのクリップ取付片28aを受け入れる受入スロット52が設けられている。受入スロット52の、クリップベース本体32から遠い側を規定する外側側面板54の内面には、クリップ取付片28aの窪み28b(図7参照)に係合する保持爪56が形成されている。また、受入スロット52の、クリップベース本体32に近い側を規定する内面からは、保持爪56に向けて挟持片58が延びている。外側側面板54と挟持片58がバンパカバーフランジ28を挟持して、クリップベース24がバンパカバー18から脱落することを防止している。
クリップピン26は、クリップピン26がクリップベース24に結合されたとき、クリップベース24の受入スロット52内に進入する押圧片60を有する。押圧片60は、挟持片58の、外側側面板54とは反対側の位置に進入し、挟持片58をバンパカバーフランジ28に向けて押圧する。
図5は、クリップピン26を、クリップピン軸部42の軸線方向に沿って見た状態を示す図であり、図6,7は、それぞれ図5に示すVI−VI線、VII−VII線による模式的な断面図である。図6,7においては、クリップベース24、フェンダライナ20およびバンパカバー18の、クリップピン26と関連する部分も示されている。
クリップピン軸部42の、案内突条46が設けられた側の反対側の側面には、位置決め突起62が形成されている。この位置決め突起62は、クリップベース24のクリップベース開口30の縁に設けられた位置決め凹部64に係合して、クリップベース24に対するクリップピン26の周方向の位置決めを行う。図7に示されるように、位置決め突起62は、案内突条46と異なりクリップベース本体32を貫いていない。
図6に示されるように、係合爪44は、クリップピン軸部42の先端に向けて細くなるくさび形状を有し、クリップベース24に対するクリップピン26の挿入過程でたわみ、クリップピン26が奥まで挿入されると、弾性によって復帰してクリップベース開口30の縁に係合する。これにより、クリップピン26が抜けなくなり、クリップベース24に結合される。クリップピン26が結合されると、クリップピン基部40が当接台座36の頂面36aに当接する。隆起した当接台座36により、クリップベース本体32とクリップピン基部40の間に隙間が形成され、この隙間にフェンダライナ20が収容されて、保持される。当接台座36が、フェンダライナ開口38内に位置することにより、図6の上下方向に関して、フェンダライナ20が位置決めされる。
図7に示されるように、案内突条46は、クリップピン軸部42の先端が先細となるように形成された斜面46aを有する。フェンダライナ20が、正規の位置から図7において左にずれた状態で、クリップピン26をクリップベース24に結合しようとすると、案内突条の斜面46aがフェンダライナ開口38の縁に当接し、斜面46aに沿ってフェンダライナ20を上方に押し上げ、正規の位置へと動かす。これにより、フェンダライナ20が正規の位置に位置決めされる。
バンパカバーフランジのクリップ取付片28aは、受入スロット52に進入しており、受入スロット52内で外側側面板54と、挟持片58により挟持されている。外側側面板54に形成された保持爪56とクリップ取付片28aに形成された窪み28bが係合することで、クリップベース24がバンパカバー18から外れることを防止している。クリップピン26に設けられた押圧片60が挟持片58に当接している。特に、挟持片58と押圧片60は、干渉設計となっており、設計上、図8に示すように寸法dだけ重なっている。このため、挟持片58は、押圧片60に外側側面板54に向けて押圧され、バンパカバーフランジ28が、挟持片58と押圧片60により強固に挟持される。重なりの寸法dは、例えば、0.6mmとすることができる。
押圧片60により挟持片58に作用する力は、クリップピン軸部42の軸線方向と交差する方向に作用する。このため、挟持片58に作用する力の反力がクリップピン26を抜く方向に作用することを抑制できる。特に、この力がクリップピン軸部42の軸線方向と直交する方向となれば、軸線方向の成分がなくなる。
図9は、フェンダライナ20の開口38と、クリップベース24の当接台座36およびクリップピン軸部42の関係を示す図である。嵌合切り欠き48は、当接台座36を横断して更に外方に延び、クリップピン26の案内突条46も当接台座36を越えて外向きに進出している。また、位置決め突起の頂面62aは、当接台座36の外壁面36bと略面一となっている。前述のように、フェンダライナ20の、図9において上下方向の位置決めは当接台座36が担う。一方で、図9の左右方向に関しては、突条突起の頂面46bと、位置決め突起の頂面62aおよび当接台座の外壁面36bとによって位置決めされる。
当接台座36の、嵌合切り欠き48により切断されたことによって形成された端36cは、外側が斜めに切り落とされた先細形状となっている。フェンダライナ20に力が加わると、例えば冠水路走行において水圧による力が加わると、この力は、フェンダライナ20を、これを保持しているクリップベース本体32とクリップピン基部40の隙間から引き抜くように作用する。つまり、図7および図9において、略右向きに作用する。この力により、フェンダライナ20が右向きに動き、当接台座36に当接すると、当接台座36とクリップピン基部40の間に入り込んで、クリップピン26を抜く向きに力が作用する。しかし、このフェンダライナ取付クリップ22においては、フェンダライナ20は、案内突条46に当たり、当接台座の端36cへの接触が阻止される。また、当接台座の端36cが斜めに切り落とされた先細形状となっているため、フェンダライナ開口38の縁と当接台座の端36cの間隔が大きくされ、これもフェンダライナ20の当接台座への接触防止に役立っている。
フェンダライナ20の組み付け工程について説明する。まず、バンパカバー18にクリップベース24を取り付ける。具体的には、クリップベース24のバンパカバー保持部34の受入スロット52にバンパカバーフランジ28のクリップ取付片28aを挿入する。受入スロット52の外側側面板54と挟持片58が、クリップ取付片28aを挟持して、クリップベース24がバンパカバー18に対して取り付けられる。次に、フェンダライナ20をクリップベース24に対して位置合わせする。具体的には、クリップベース開口30とフェンダライナ開口38の位置を合わせる。そして、クリップピン26をクリップベース24に結合し、クリップベース24とクリップピン26でフェンダライナ20を保持する。これにより、フェンダライナ20がフェンダライナ取付クリップ22によってバンパカバー18に取り付けられる。また、クリップピン26の押圧片60が、干渉設計によって挟持片58をバンパカバーフランジ28に向けて押圧することで、バンパカバーフランジ28をより強固に挟持することができ、クリップベース24がバンパカバー18から外れにくくなる。
フェンダライナ20は比較的厚さが薄い樹脂成形品であるため、変形しやすく、フェンダライナ20の位置合わせのときに、フェンダライナ開口38とクリップベース開口30がずれてしまう場合がある。ずれた状態であっても、クリップピン26の案内突条46の斜面46aに沿ってフェンダライナ20が案内され、正規の位置へと導かれる。
以下に、フェンダライナの固定構造の異なる態様を示す。
ホイールアーチが形成された車体外装板と、
前記ホイールアーチの縁に沿って、かつ車輪を覆うように配置されたフェンダライナであって、当該フェンダライナを前記車体外装板に固定するための開口が形成されたフェンダライナと、
前記ホイールアーチの前記縁に取り付けられ、前記フェンダライナの前記開口に対応する開口が形成されたクリップベースと、
前記フェンダライナの前記開口と前記クリップベースの前記開口を貫通する軸部と、前記クリップベースと協働して前記フェンダライナを保持する基部とを有するクリップピンと、
を含むフェンダライナの固定構造であって、
前記クリップピンの前記軸部は、側面に、当該軸部の軸線方向に沿って前記クリップベースの前記開口を貫通して延びる案内突条であって、前記軸部が先細となるように先端部分が傾斜し、頂面が前記フェンダライナの前記開口の位置決めを行う案内突条を有し、
前記クリップベースの前記開口には、縁に前記案内突条に嵌合する嵌合切り欠きが形成されている、
フェンダライナの固定構造。
10 車両、12 側面外装板、14 ホイールアーチ、18 バンパカバー、20 フェンダライナ、22 フェンダライナ取付クリップ、24 クリップベース、26 クリップピン、28 バンパカバーフランジ、28a クリップ取付片、30 クリップベース開口、32 クリップベース本体、34 バンパカバー保持部、36 当接台座、36a 当接台座の頂面、38 フェンダライナ開口、40 クリップピン基部、42 クリップピン軸部、46 案内突条、46a 案内突条の斜面、48 嵌合切り欠き、50 嵌合片、52 受入スロット、54 外側側面板、58 挟持片、60 押圧片。

Claims (1)

  1. ホイールアーチが形成された車体外装板と、
    前記ホイールアーチの縁に沿って、かつ車輪を覆うように配置されたフェンダライナであって、当該フェンダライナを前記車体外装板に固定するためのフェンダライナ開口が形成されたフェンダライナと、
    前記ホイールアーチの前記縁に取り付けられ、前記フェンダライナ開口に対応するクリップベース開口が形成されたクリップベースと、
    前記フェンダライナ開口および前記クリップベース開口を貫通する軸部と、前記クリップベースと対向し、前記クリップベースと協働して前記フェンダライナを保持する基部とを有するクリップピンと、
    を含むフェンダライナの固定構造であって、
    前記クリップピンの前記軸部は、側面に、当該軸部の軸線方向に沿って前記クリップベース開口を貫通して延びる案内突条を有し、
    前記クリップベースは、前記ホイールアーチの前記縁を保持する保持部と、前記クリップピンの前記基部に対向する面に、前記クリップベース開口を囲むように設けられ、頂面が前記クリップピンの前記基部に当接する当接台座とを有し、さらに、前記クリップベース開口の縁に前記案内突条と嵌合する嵌合切り欠きが形成され、
    前記嵌合切り欠きは、前記クリップベースの前記保持部に向けて延び、前記案内突条は前記嵌合切り欠きに沿って、前記当接台座を越えて外方に進出している、
    フェンダライナの固定構造。
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