JP2021093416A - プリント配線板用樹脂基板およびその製造方法、ならびに多層型プリント回路基板およびその製造方法 - Google Patents

プリント配線板用樹脂基板およびその製造方法、ならびに多層型プリント回路基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】振動を受けた場合であっても動作し続けやすい構成を備えたプリント配線板用樹脂基板を得る。【解決手段】プリント配線板用樹脂基板10は、表面および裏面を有する板状の絶縁樹脂部4と、絶縁樹脂部4の内部に埋め込まれた補強部材5とを備え、補強部材5は、複数の環状部6を含み、複数の環状部6の各々が環状形状を有し、複数の環状部6の各々がガラス繊維から形成されている。【選択図】図1

Description

本明細書は、プリント配線板用樹脂基板およびその製造方法、ならびに多層型プリント回路基板およびその製造方法に関する。
プリント配線板用樹脂基板とは、絶縁性を有する樹脂板を基材として構成された薄板状の基板のことであり、プリプレグとも称される。以下、プリント配線板用樹脂基板のことを単に「基板」ともいう。ビルドアップ技術等を使用することによって、このような基板の表面や内部に電気回路の配線パターンが形成されたり各種の電子部品が実装されたりするとともに、基板が多層化される。多層化されて、コンデンサ等の各種の電子部品を実装した状態の基板が、多層型プリント回路基板として利用され、たとえば車両の内部等に配置される。
特開2004−022984号公報
プリント配線板用樹脂基板や多層型プリント回路基板の分野においては、小型化および薄型化がますます要請されている(特許文献1参照)。プリント配線板用樹脂基板は、多層型プリント回路基板を構成したのち、振動発生源の近くに配置されたり、振動発生源に接触して配置されたりすることがある。基板が薄いと基板の強度が低くなりやすい。基板が振動を受けた場合、基板の表面や内部に形成されている配線パターンが切れ易くなり、ひいてはプリント回路基板として動作し続けなくなる場合がある。
本明細書は、基板が振動を受けた場合であっても動作し続けやすい構成を備えたプリント配線板用樹脂基板およびその製造方法、ならびに多層型プリント回路基板およびその製造方法を開示することを目的とする。
本開示に基づくプリント配線板用樹脂基板は、表面および裏面を有する、板状の絶縁樹脂部と、上記絶縁樹脂部の内部に埋め込まれた補強部材と、を備え、上記補強部材は、複数の環状部を含み、複数の上記環状部の各々が環状形状を有し、複数の上記環状部の各々がガラス繊維から形成される。
上記プリント配線板用樹脂基板は、上記補強部材は、ガラス繊維から形成された接続部をさらに含み、上記接続部は、2つの上記環状部の間に配置され、これら2つの上記環状部を接続していてもよい。
上記プリント配線板用樹脂基板においては、上記絶縁樹脂部の上記表面に対して垂直な方向から上記補強部材を見た場合、上記補強部材は、複数の上記環状部と複数の上記接続部とが交互に配置されることで形成され、第1方向に沿って互いに平行に延在する、複数の第1ストランドと、複数の上記環状部と複数の上記接続部とが交互に配置されることで形成され、上記第1方向と交差する第2方向に沿って互いに平行に延在する、複数の第2ストランドと、を含んでいてもよい。
上記プリント配線板用樹脂基板においては、複数の上記第1ストランドおよび/または複数の上記第2ストランドのうちの少なくとも1つのストランドは、1本のガラス繊維または束ねられた複数本のガラス繊維を湾曲変形および捩り変形させることで、複数の上記環状部と複数の上記接続部とが交互に配置されるように形成されていてもよい。
上記プリント配線板用樹脂基板においては、複数の上記第1ストランドおよび複数の上記第2ストランドは、複数の上記第1ストランドが経糸状に配置され且つ複数の上記第2ストランドが緯糸状に配置されるように互いに上下に編み合わされていてもよい。
上記プリント配線板用樹脂基板においては、複数の上記環状部が、上記表面に対して平行な方向に延びるように配置されていてもよい。
上記プリント配線板用樹脂基板においては、複数の上記環状部の各々が、多角形の上記環状形状を呈するように形成されていてもよい。
本開示に基づく多層型プリント回路基板は、本開示に基づく上記のプリント配線板用樹脂基板が多層にわたって積層されることで構成される。
本開示に基づくプリント配線板用樹脂基板の製造方法は、各々が環状形状を有し各々がガラス繊維から形成された複数の環状部を含む、補強部材を準備する工程と、表面および裏面を有し、上記補強部材が内部に埋め込まれた絶縁樹脂部を形成する工程と、を備える。
上記プリント配線板用樹脂基板の製造方法においては、上記準備する工程においては、ガラス繊維から形成された接続部をさらに含む上記補強部材が準備され、上記接続部は、2つの上記環状部の間に配置され、これら2つの上記環状部を接続していてもよい。
上記プリント配線板用樹脂基板の製造方法においては、上記絶縁樹脂部を形成する工程を経た上記絶縁樹脂部の上記表面に対して垂直な方向から上記補強部材を見た場合、上記補強部材は、複数の上記環状部と複数の上記接続部とが交互に配置されることで形成され、第1方向に沿って互いに平行に延在する、複数の第1ストランドと、複数の上記環状部と複数の上記接続部とが交互に配置されることで形成され、上記第1方向と交差する第2方向に沿って互いに平行に延在する、複数の第2ストランドと、を含んでいてもよい。
上記プリント配線板用樹脂基板の製造方法においては、上記準備する工程は、複数の上記第1ストランドおよび/または複数の上記第2ストランドのうちの少なくとも1つのストランドを形成する工程を含み、上記ストランドを形成する工程においては、1本のガラス繊維または束ねられた複数本のガラス繊維を湾曲変形および捩り変形させることで、複数の上記環状部と複数の上記接続部とが交互に配置されるように形成されていてもよい。
上記プリント配線板用樹脂基板の製造方法においては、上記準備する工程は、複数の上記第1ストランドおよび複数の上記第2ストランドを、複数の上記第1ストランドが経糸状に配置され且つ複数の上記第2ストランドが緯糸状に配置されるように、互いに上下に編み合わせる工程を含んでいてもよい。
上記プリント配線板用樹脂基板の製造方法においては、複数の上記環状部が、上記表面に対して平行な方向に延びるように配置されていてもよい。
上記プリント配線板用樹脂基板の製造方法においては、複数の上記環状部の各々が、多角形の上記環状形状を呈するように形成されていてもよい。
上記プリント配線板用樹脂基板の製造方法においては、上記補強部材が埋め込まれた上記絶縁樹脂部に対してプレス成型を実施することによって、複数の上記環状部の各々が、多角形の上記環状形状を呈するように変形されていてもよい。
本開示に基づく多層型プリント回路基板の製造方法は、本開示に基づくプリント配線板用樹脂基板の製造方法を使用して得られたプリント配線板用樹脂基板を多層にわたって積層させる工程を備える。
本明細書に開示された技術的思想によれば、基板が振動を受けた場合であっても動作し続けやすい構成を備えたプリント配線板用樹脂基板およびその製造方法、ならびに多層型プリント回路基板およびその製造方法が得られる。
実施の形態におけるプリント配線板用樹脂基板10を示す斜視図である。 実施の形態におけるプリント配線板用樹脂基板10を示す平面図であり、図1中の矢印IIに沿ってプリント配線板用樹脂基板10を見た際に観察される様子を表わしている。 実施の形態におけるプリント配線板用樹脂基板10を示す断面図であり、図2中のIII−III線に沿ったプリント配線板用樹脂基板10の矢視断面構造を表わしている。 実施の形態におけるプリント配線板用樹脂基板10に備えられる補強部材5を示す平面図である。 実施の形態におけるプリント配線板用樹脂基板10に備えられるストランド(第1ストランド8)を示す平面図である。 実施の形態における多層型プリント回路基板100を示す断面図である。 比較例1におけるプリント回路基板100Zを示す断面図である。 比較例2におけるプリント配線板用樹脂基板10Zを示す平面図である。 比較例2におけるプリント配線板用樹脂基板10Zを示す断面図である。 実施の形態におけるプリント配線板用樹脂基板10の製造方法を説明するための第1平面図である。 実施の形態におけるプリント配線板用樹脂基板10の製造方法を説明するための第2平面図である。 実施の形態におけるプリント配線板用樹脂基板10の製造方法を説明するための第3平面図である。 実施の形態におけるプリント配線板用樹脂基板10の製造方法を説明するための第4平面図である。 円環形状を有する複数の環状部の各々が、多角形状を有するように変形することを説明するための平面図である。
発明を実施するための形態について、以下、図面を参照しながら説明する。以下の説明において同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態]
(プリント配線板用樹脂基板10)
図1〜図3は、それぞれ、実施の形態におけるプリント配線板用樹脂基板10を示す斜視図、平面図、および断面図である。図2は、図1中の矢印IIに沿ってプリント配線板用樹脂基板10を見た際に観察される様子を表わしており、図3は、図2中のIII−III線に沿ったプリント配線板用樹脂基板10の矢視断面構造を表わしている。図3では、絶縁樹脂部4(後述する)の断面構成については二点鎖線を用いて透過的に図示している。
図1〜図3に示すように、プリント配線板用樹脂基板10は、絶縁樹脂部4および補強部材5を備える。絶縁樹脂部4は、プリント配線板用樹脂基板10における基材となる部材であり、板状に形成されている。絶縁樹脂部4は、表面1と、表面1の反対側に位置する裏面2と、4つの側面3とを有する。絶縁樹脂部4は、エポキシまたはポリイミドなどの各種樹脂から形成され得る。絶縁樹脂部4の厚みTH(図1)は、たとえば0.5mmである。
図4は、補強部材5を示す平面図である。補強部材5は、絶縁樹脂部4(図3)の内部に埋め込まれている。補強部材5は、複数の環状部6と複数の接続部7とを含む。複数の環状部6の各々が環状形状を有する。複数の環状部6の各々がガラス繊維から形成され、複数の接続部7の各々もガラス繊維から形成される。1つの接続部7が2つの環状部6,6の間に配置され、1つの接続部7がこれら2つの環状部6,6を接続している。
図4に示すように、本実施の形態では、複数の環状部6の各々が、多角形の環状形状を呈するように形成されている。環状部6の形状は、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形など、任意の多角形状を有し得る。環状部6は、正多角形状に形成されていてもよいし、正多角形状に形成されていなくてもよい。
絶縁樹脂部4の表面1に対して垂直な方向から補強部材5を見た場合、補強部材5は、複数の第1ストランド8と複数の第2ストランド9とを含む。以下の説明では便宜上のため、第1ストランド8に含まれる環状部6を環状部6(6A)と表現する場合があり、第1ストランド8に含まれる接続部7を接続部7(7A)と表現する場合がある。第2ストランド9に含まれる環状部6を環状部6(6B)と表現する場合があり、第2ストランド9に含まれる接続部7を接続部7(7B)と表現する場合がある。図5は、複数の第1ストランド8に含まれる1つの第1ストランド8を示す平面図である。
図3〜図5を参照して、複数の第1ストランド8の各々は、複数の環状部6(6A)と複数の接続部7(7A)とが交互に並んで平面視で略直線状に配置されることで形成されている。複数の第1ストランド8および/または複数の第2ストランド9のうちの少なくとも1つのストランドは、1本のガラス繊維、または、束ねられた複数本のガラス繊維を湾曲変形および捩り変形させることで、複数の環状部6と複数の接続部7とが交互に配置されるように形成されていてよい。複数の第1ストランド8および複数の第2ストランド9のすべてについて、1本のガラス繊維、または、束ねられた複数本のガラス繊維を湾曲変形および捩り変形させることで、複数の環状部6と複数の接続部7とが交互に配置されるように形成されていてもよい。
平面視(図5)においては、複数の第1ストランド8は、第1方向AR1(図4)に沿って、互いに平行に延在している。図3,図4においては便宜上のため、第1ストランド8にドット(点状)ハッチングを付与している。同様に複数の第2ストランド9の各々は、複数の環状部6(6B)と複数の接続部7(7B)とが交互に並んで平面視で略直線状に配置されることで形成されている。平面視においては、複数の第2ストランド9は、第2方向AR2(図4)に沿って互いに平行に延在している。
図3および図4に示すように、複数の第1ストランド8および複数の第2ストランド9は、複数の第1ストランド8が経糸状に配置され、且つ、複数の第2ストランド9が緯糸状に配置されるように互いに上下に編み合わされている。複数の第1ストランド8と複数の第2ストランド9とは、経糸側の第1ストランド8と緯糸側の第2ストランド9とが一本毎に交差する、いわゆる平織構造を呈するように上下に編み合わされていてよい。
図3に示すように、複数の環状部6(6A)および複数の環状部6(6B)が、絶縁樹脂部4の表面1に対して平行な方向に延びるように配置されているとよい。複数の接続部7(7A)および複数の接続部7(7B)については、表面1の側から裏面2の側に向かって、あるいは裏面2の側から表面1の側に向かって、斜めに延びるように配置されているとよい。
(多層型プリント回路基板100)
図6は、実施の形態における多層型プリント回路基板100を示す断面図である。上述した複数のプリント配線板用樹脂基板10をプリプレグとして複数枚準備し、ビルドアップ工法などを使用してこれらのプリプレグを多層にわたって積層することにより、多層型プリント回路基板100が得られる。
多層型プリント回路基板100は、樹脂層20の内部に内蔵素子21,22を備える。樹脂層20の表面にパターン23A,24A,25A,26Aが形成され、パターン23A,24A,25A,26Aはビア23B,24B,25B,26Bを介して内蔵素子21,22に電気的に接続されている。
(作用および効果)
プリント配線板用樹脂基板10においては、複数の環状部6が絶縁樹脂部4の内部に埋め込まれている。ガラス繊維から環状に形成された環状部6によれば、たとえば、ガラス繊維が内部に埋め込まれていない絶縁樹脂基材の場合や、単なる一本線(一直線)状に延びる短いガラス繊維が内部に散在して埋め込まれた絶縁樹脂基材の場合に比べて、絶縁樹脂部4が大きな断面二次モーメントを有しやすくすることが可能である。ビアやスルーホールの形成によって基板に孔が開けられ、環状部6における環状形状(たとえば六角形の環状形状)が維持できない箇所が一部生じたとしても、配線パターンや硬化した樹脂が壁として機能し、ガラス繊維の反発が維持されるので、孔が開いたことで強度が極端に下がることはない。したがってこのような基板が振動を受けた場合であっても、基板の形状をより変形しにくいものとすることができ、ひいては基板が振動を受けた場合であっても動作し続けやすい構成を備えた、プリント配線板用樹脂基板10や多層型プリント回路基板100を提供することが可能となる。多層型プリント回路基板100(図6)においては、内蔵素子21,22の配置により実装面積を増やすことも可能になっている。
プリント配線板用樹脂基板10においては、1つの接続部7が2つの環状部6,6の間に配置されており、1つの接続部7がこれら2つの環状部6,6を接続している。当該構成は必須ではないが、補強部材5を構成している複数の環状部6および複数の接続部7が絶縁樹脂部4の内部で連なって配置されていることで、プリント配線板用樹脂基板10の強度の向上、および耐引裂荷重の向上などを図ることが可能となる。
プリント配線板用樹脂基板10においては、平面視で平行に延びる複数の第1ストランド8と、平面視で平行に延びる複数の第2ストランド9とが、交差して配置されている。当該構成は必須ではないが、当該構成によれば、広い範囲で、プリント配線板用樹脂基板10の強度の向上、および耐引裂荷重の向上などを図ることが可能となる。
プリント配線板用樹脂基板10においては、複数の第1ストランド8および/または複数の第2ストランド9のうちの少なくとも1つのストランドが、1本のガラス繊維、または、束ねられた複数本のガラス繊維を湾曲変形および捩り変形させることで、複数の環状部6と複数の接続部7とが交互に配置されるように形成されている。当該構成は必須ではないが、このような構成を備えたストランドは、一般的なプリプレグを構成している材料を使用して作製することが可能であることから、材料(たとえば熱伝導の高い材料)を既存のルートを通して容易に入手することができ、部材選択の自由度も一般的なプリプレグの場合からほとんど変わらない。絶縁樹脂部を加工するための装置に大幅な改良を加えることなく、プリント配線板用樹脂基板10の絶縁樹脂部4を得ることが可能である。
プリント配線板用樹脂基板10においては、複数の第1ストランド8および複数の第2ストランド9が、複数の第1ストランド8が経糸状に配置され、且つ、複数の第2ストランド9が緯糸状に配置されるように互いに上下に編み合わされている。当該構成は必須ではないが、当該構成によれば、絶縁樹脂部4の表面1に対して垂直な方向における強度のさらなる向上と、絶縁樹脂部4の表面1に対して垂直な方向における耐引裂荷重のさらなる向上とを図ることが可能となり、ひいては基板が振動を受けた場合であっても(特に基板厚み方向に沿って作用する振動を受けた場合であっても)動作し続けやすい構成を備えた、プリント配線板用樹脂基板10を提供することが可能となる。
プリント配線板用樹脂基板10においては、複数の環状部6(6A)および複数の環状部6(6B)が、絶縁樹脂部4の表面1に対して平行な方向に延びるように配置されている。当該構成は必須ではないが、当該構成によっても、絶縁樹脂部4の表面1に対して垂直な方向における強度のさらなる向上と、絶縁樹脂部4の表面1に対して垂直な方向における耐引裂荷重のさらなる向上とを図ることが可能となり、ひいては基板が振動を受けた場合であっても(特に基板厚み方向に沿って作用する振動を受けた場合であっても)動作し続けやすい構成を備えた、プリント配線板用樹脂基板10を提供することが可能となる。
プリント配線板用樹脂基板10においては、複数の環状部6の各々が、多角形の環状形状を呈するように形成されている。当該構成は必須ではない。複数の環状部6の各々がたとえば六角形から構成されていてもよい。第1ストランド8における環状部6(6A)と第2ストランド9における環状部6(6B)とが基板方向に並ぶように構成されていてもよい。この場合には、環状部6(6A)と環状部6(6B)とによって、ハニカム構造に相当し得る補強構造が構成され、より高い耐振動効果を発揮することが可能となる。
[比較例1]
図7は、比較例1におけるプリント回路基板100Zを示す断面図である。プリント回路基板100Zにおいては、通常のプリプレグとは異なる硬い材料からなるコア材27が基材として用いられている。コア材27には孔部28,29が形成されており、孔部28,29の内側には内蔵素子21,22が実装されている。
硬い材料からなるコア材27を用いる場合には、全方向における耐振動性を得やすい一方、孔部28,29の内周面と内蔵素子21,22との間の密着性を高めることが容易ではなく、これらの間には隙間Sが形成されやすい。内蔵素子21,22が作動することで内蔵素子21,22が発熱した場合には、隙間S内の空気が断熱層として機能するため放熱性を向上させることが難しくなる。隙間S内の空気が発熱により膨張してコア材27を変形させるように作用した場合には、基板の表面や内部に形成されている配線パターンが切れ易くなり、ひいてはプリント回路基板として動作し続けなくなる場合もあり得る。
これに対して上述の実施の形態におけるプリント配線板用樹脂基板10によれば、コア材27よりも柔らかい材質からなる絶縁樹脂部4(一般的なプリプレグの形成に用いられているエポキシやポリイミドなどの各種樹脂など)を採用することで、内蔵素子21,22と樹脂層との間の密着性を高めることが可能となり、放熱性も得られ、隙間S内の空気が膨張するといったことも効果的に抑制することが可能となる。複数の環状部6の存在によって耐振動性が得られ、複数の環状部6を絶縁樹脂部4の表面1に対して平行な方向に延びるように配置することによって、基板厚み方向におけるよりいっそうの耐振動性を得ることが可能になる。
[比較例2]
図8および図9は、比較例におけるプリント配線板用樹脂基板10Zを示す平面図および断面図である。プリント配線板用樹脂基板10Zは、従来型のプリプレグの構成を有しており、絶縁樹脂部4の内部に補強部材5Zが埋め込まれている。
補強部材5Zにおいては、複数の第1ストランド8Zおよび複数の第2ストランド9Zが、複数の第1ストランド8Zが経糸状に配置され、且つ、複数の第2ストランド9Zが緯糸状に配置されるように互いに上下に編み合わされている。複数の第1ストランド8Zと複数の第2ストランド9Zとは、経糸側の第1ストランド8Zと緯糸側の第2ストランド9Zとが一本毎に交差する、いわゆる平織構造を呈するように上下に編み合わされている。
補強部材5Zで採用されている第1ストランド8Zは、一本のガラス繊維、または束ねられた複数本のガラス繊維から構成されているが、捩って環状部を形成するようなことまでは行われていない。第2ストランド9Zについても同様である。補強部材5Zには環状部の存在が含まれていない。これに対して上述の実施の形態のプリント配線板用樹脂基板10(補強部材5)によれば、複数の環状部6の存在によって強度や耐振動性を得ることが可能である。
[プリント配線板用樹脂基板10の製造方法]
プリント配線板用樹脂基板10の製造方法は、各々が環状形状を有し各々がガラス繊維から形成された複数の環状部6を含む、補強部材5を準備する工程と、表面1および裏面2を有し、補強部材5が内部に埋め込まれた絶縁樹脂部4を形成する工程と、を備える。補強部材5が内部に埋め込まれた絶縁樹脂部4を形成するためには、一般的なプリプレグの製法で採用されている、ガラスクロスを材料樹脂に含浸させるという手法などを利用するとよい。
上記の補強部材5を準備する工程においては、ガラス繊維から形成された接続部7をさらに含む補強部材5(図5参照)が準備され、接続部7は2つの環状部6の間に配置され、これら2つの環状部6を接続していてもよい。
図10に示すように、以上のような補強部材5を得るためには、たとえばまずガラス繊維8Aが準備される。ガラス繊維8Aは、一本のガラス繊維から構成されたものであってもよいし、束ねられた複数本のガラス繊維から構成された束状のものであってもよい。このようなガラス繊維8Aを、U字状を呈するように湾曲変形する。図11に示すように、ガラス繊維8Aを部分的に交差させるとともに、捩って、環状部を形成する。
図12に示すように、湾曲変形および捩り変形を複数回繰り返す。ガラス繊維のうち、湾曲変形された部分に環状部6が形成され、捩り変形された部分に接続部7が形成される。図12に示すように、交互に配置された複数の環状部6と複数の接続部7とを有する、ストランド(第1ストランド8B)が得られる。
補強部材を準備する工程においては、絶縁樹脂部4を形成する工程を経た絶縁樹脂部4の表面1に対して垂直な方向から補強部材5を見た場合に、次のような構成を備えた補強部材5が準備されてもよい。すなわち補強部材5は、複数の環状部6と複数の接続部7とが交互に配置されることで形成され、第1方向に沿って互いに平行に延在する、複数の第1ストランド8と、複数の環状部6と複数の接続部7とが交互に配置されることで形成され、第1方向と交差する第2方向に沿って互いに平行に延在する、複数の第2ストランド9と、を含んでいる。
図13に示すように、補強部材を準備する工程においては、複数の第1ストランド8Bおよび複数の第2ストランド9Bを、複数の第1ストランド8Bが経糸状に配置され且つ複数の第2ストランド9Bが緯糸状に配置されるように、互いに上下に編み合わせるとよい。当該工程を経た補強部材5Aが絶縁樹脂部4の内部に埋め込まれるようにしてもよい。この際、複数の環状部6が、絶縁樹脂部4の表面1に対して平行な方向に延びるように配置されるとよい。
図14に示すように、補強部材5B(図13)が埋め込まれた絶縁樹脂部4に対してプレス成型を実施することによって、複数の環状部6の各々が、たとえば多角形の環状形状を呈するように変形されていてもよい。すなわち、円形や楕円形であった環状部6を備えた補強部材5の場合であっても、ガラス繊維から構成された補強部材5に対して面内方向で均等な圧力を掛けながら絶縁樹脂部4のための樹脂を流し込むことにより、プリント配線板用樹脂基板10(プリプレグ樹脂製品)として完成した状態では、絶縁樹脂部4の内部で六角形などの多角形に変形した環状部6が得られることとなる。隣り合う円形状の環状部6が点接触した状態から、プレス成形による過圧によって環状部6が変形して、点状の接触領域が線状になることによりこのような変形が発生する。仮に樹脂が柔軟で、六角形などの多角形が解除されたとしても、多層型プリント回路基板100の作成時にはプレス加工をすることで、六角形が維持ないし再現され、加熱により樹脂が硬化するため、基板完成時には六角形が再形成されることとなる。これらの手法に限られず、打ち抜き加工や成形加工によって多角形状や円形形状を有する環状部6と、隣接する環状部6,6を接続する接続部7とを複数備えた、ストランドを作製してもよい。
以上のようにしてプリント配線板用樹脂基板10(基板)が得られた後、ビルドアップ技術等を使用することによって、このような基板の表面や内部に電気回路の配線パターンが形成されたり各種の電子部品が実装されたりするとともに、基板が多層化される。多層化されて、コンデンサ等の各種の電子部品を実装した状態の基板が、多層型プリント回路基板として利用され、たとえば車両の内部等に配置される。
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 表面、2 裏面、3 側面、4 絶縁樹脂部、5,5A,5B,5Z 補強部材、6 環状部、7 接続部、8,8B,8Z 第1ストランド、8A ガラス繊維、9,9B,9Z 第2ストランド、10,10Z プリント配線板用樹脂基板、20 樹脂層、21,22 内蔵素子、23A,24A,25A,26A パターン、23B,24B,25B,26B ビア、27 コア材、28,29 孔部、100 多層型プリント回路基板、100Z プリント回路基板、AR1 第1方向、AR2 第2方向、S 隙間、TH 厚み。

Claims (17)

  1. 表面および裏面を有する、板状の絶縁樹脂部と、
    前記絶縁樹脂部の内部に埋め込まれた補強部材と、を備え、
    前記補強部材は、複数の環状部を含み、複数の前記環状部の各々が環状形状を有し、複数の前記環状部の各々がガラス繊維から形成される、
    プリント配線板用樹脂基板。
  2. 前記補強部材は、ガラス繊維から形成された接続部をさらに含み、
    前記接続部は、2つの前記環状部の間に配置され、これら2つの前記環状部を接続している、
    請求項1に記載のプリント配線板用樹脂基板。
  3. 前記絶縁樹脂部の前記表面に対して垂直な方向から前記補強部材を見た場合、前記補強部材は、
    複数の前記環状部と複数の前記接続部とが交互に配置されることで形成され、第1方向に沿って互いに平行に延在する、複数の第1ストランドと、
    複数の前記環状部と複数の前記接続部とが交互に配置されることで形成され、前記第1方向と交差する第2方向に沿って互いに平行に延在する、複数の第2ストランドと、を含んでいる、
    請求項2に記載のプリント配線板用樹脂基板。
  4. 複数の前記第1ストランドおよび/または複数の前記第2ストランドのうちの少なくとも1つのストランドは、1本のガラス繊維または束ねられた複数本のガラス繊維を湾曲変形および捩り変形させることで、複数の前記環状部と複数の前記接続部とが交互に配置されるように形成されている、
    請求項3に記載のプリント配線板用樹脂基板。
  5. 複数の前記第1ストランドおよび複数の前記第2ストランドは、複数の前記第1ストランドが経糸状に配置され且つ複数の前記第2ストランドが緯糸状に配置されるように互いに上下に編み合わされている、
    請求項3または4に記載のプリント配線板用樹脂基板。
  6. 複数の前記環状部が、前記表面に対して平行な方向に延びるように配置されている、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のプリント配線板用樹脂基板。
  7. 複数の前記環状部の各々が、多角形の前記環状形状を呈するように形成されている、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のプリント配線板用樹脂基板。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のプリント配線板用樹脂基板が多層にわたって積層されることで構成される、
    多層型プリント回路基板。
  9. 各々が環状形状を有し各々がガラス繊維から形成された複数の環状部を含む、補強部材を準備する工程と、
    表面および裏面を有し、前記補強部材が内部に埋め込まれた絶縁樹脂部を形成する工程と、を備える、
    プリント配線板用樹脂基板の製造方法。
  10. 前記準備する工程においては、ガラス繊維から形成された接続部をさらに含む前記補強部材が準備され、
    前記接続部は、2つの前記環状部の間に配置され、これら2つの前記環状部を接続している、
    請求項9に記載のプリント配線板用樹脂基板の製造方法。
  11. 前記絶縁樹脂部を形成する工程を経た前記絶縁樹脂部の前記表面に対して垂直な方向から前記補強部材を見た場合、前記補強部材は、
    複数の前記環状部と複数の前記接続部とが交互に配置されることで形成され、第1方向に沿って互いに平行に延在する、複数の第1ストランドと、
    複数の前記環状部と複数の前記接続部とが交互に配置されることで形成され、前記第1方向と交差する第2方向に沿って互いに平行に延在する、複数の第2ストランドと、を含んでいる、
    請求項10に記載のプリント配線板用樹脂基板の製造方法。
  12. 前記準備する工程は、複数の前記第1ストランドおよび/または複数の前記第2ストランドのうちの少なくとも1つのストランドを形成する工程を含み、
    前記ストランドを形成する工程においては、1本のガラス繊維または束ねられた複数本のガラス繊維を湾曲変形および捩り変形させることで、複数の前記環状部と複数の前記接続部とが交互に配置されるように形成されている、
    請求項11に記載のプリント配線板用樹脂基板の製造方法。
  13. 前記準備する工程は、複数の前記第1ストランドおよび複数の前記第2ストランドを、複数の前記第1ストランドが経糸状に配置され且つ複数の前記第2ストランドが緯糸状に配置されるように、互いに上下に編み合わせる工程を含む、
    請求項11または12に記載のプリント配線板用樹脂基板の製造方法。
  14. 複数の前記環状部が、前記表面に対して平行な方向に延びるように配置されている、
    請求項9〜13のいずれか1項に記載のプリント配線板用樹脂基板の製造方法。
  15. 複数の前記環状部の各々が、多角形の前記環状形状を呈するように形成されている、
    請求項9〜14のいずれか1項に記載のプリント配線板用樹脂基板の製造方法。
  16. 前記補強部材が埋め込まれた前記絶縁樹脂部に対してプレス成型を実施することによって、複数の前記環状部の各々が、多角形の前記環状形状を呈するように変形されている、
    請求項15に記載のプリント配線板用樹脂基板の製造方法。
  17. 請求項9〜16のいずれか1項に記載のプリント配線板用樹脂基板の製造方法を使用して得られたプリント配線板用樹脂基板を多層にわたって積層させる工程を備える、
    多層型プリント回路基板の製造方法。
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