JP2021092471A - 角速度検出装置および撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度によらず、角速度センサに伝わる固有の周波数の振動を低減させることを目的とする。【解決手段】角速度検出装置は、角速度センサを保持する保持部材と、保持部材に当接する第1の緩衝部材と、第1の緩衝部材の反対側から保持部材に当接する第2の緩衝部材と、第1の緩衝部材に当接し、温度に応じて第1の緩衝部材の厚みを変更することが可能な第1の変更部材と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、緩衝部材を有する角速度検出装置および撮像装置に関する。
角速度センサは、姿勢や振動等の検出に用いられている。例えば、撮像装置においては、角速度センサは、撮影者による手振れの方向および量の検出に用いられている。角速度センサに対して、該角速度センサの固有の周波数の信号が入力されると、出力エラーが発生する。例えば、角速度センサは、駆動周波数と検出周波数との差である離調周波数において信号を増幅する特徴を有する。離調周波数で信号が増幅され、且つ増幅された信号が回路内部で飽和すると、離調周波数より低周波数の信号を出力する。つまり、実際の信号と異なる信号が出力される。従って、角速度センサに振動が伝わったときに、離調周波数の振動が大きいと、正しい角速度を出力できないという問題が発生することがある。固有の周波数には、離調周波数以外にも角速度センサの機械的な共振周波数等がある。
角速度センサに伝わる固有の周波数の振動を低減するため、角速度センサに緩衝部材を設けた角速度検出装置が用いられている。関連する技術として、特許文献1の防振カメラが提案されている。特許文献1の防振カメラでは、振動検出手段が緩衝部材を介してレンズ鏡筒に固定されており、その緩衝力を調整する緩衝調整手段が設けられている。
特開平3−37616号公報
ところで、角速度検出装置の温度が低温に変化すると、緩衝部材の剛性は高くなり、角速度検出装置の機械的な共振周波数は高周波側にシフトする。そこで、任意の温度において、角速度検出装置の共振周波数が、角速度センサの固有の周波数より低くなるように設定することが考えられる。この場合、任意の温度より低温になると、角速度検出装置の共振周波数が固有の周波数近傍となり、逆に、固有の周波数の振動を増幅して角速度センサへ伝える可能性がある。その結果、任意の温度より低い温度では、正しい角速度を出力できなくなる。特許文献1の防振カメラでは、緩衝部材の剛性を調整できるものの、角速度検出装置の温度が低くなるごとに緩衝部材の剛性を調整して、角速度検出装置の機械的な共振周波数を角速度センサの固有の周波数より小さくなるように設定する必要がある。しかしながら、角速度検出装置が撮像装置等の筐体の内部にあるような場合、温度変化に応じて、角速度検出装置の機械的な共振周波数の設定を行うことは難しい。
本発明は、温度によらず、角速度センサに伝わる固有の周波数の振動を低減させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の角速度検出装置は、角速度センサを保持する保持部材と、前記保持部材に当接する第1の緩衝部材と、前記第1の緩衝部材の反対側から前記保持部材に当接する第2の緩衝部材と、前記第1の緩衝部材に当接し、温度に応じて前記第1の緩衝部材の厚みを変更することが可能な第1の変更部材と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、温度によらず、角速度センサに伝わる固有の周波数の振動を低減させることができる。
第1実施形態における角速度検出装置の分解斜視図である。 撮像装置の構成を示す図である。 角速度検出装置の構造を表す図である。 シャッターショック振動および出力エラーを表すグラフである。 温度に応じた周波数特性を説明するグラフである。 図3(b)のB−B’断面図のうち第1の変更部材の近傍の断面を示す図である。 第1実施形態におけるコイルばねと第1の緩衝部材の反力のつり合いを表したグラフである。 コイルばねと第1の緩衝部材とをばねで模擬した図である。 シャッターショック振動の周波数特性を表すグラフである。 第2実施形態におけるコイルばねと第1の緩衝部材の反力のつり合いを表したグラフである。 第3実施形態の角速度検出装置の分解斜視図である。 第3実施形態における第1の緩衝部材のチャージ量の調整方法を説明するグラフである。
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、以下の各実施の形態に記載されている構成はあくまで例示に過ぎず、本発明の範囲は各実施の形態に記載されている構成によって限定されることはない。
<第1実施形態>
以下、図面を参照して、第1実施形態について説明する。図1は、角速度検出装置10の分解斜視図である。角速度検出装置10は、角速度センサ11、センサ保持部材12、2つの緩衝部材13、2つの変更部材14および2つの支持部材15を有する。各実施形態における角速度検出装置10は、撮像装置に内蔵されているものとして説明するが、振動を検出する任意の装置に適用されてもよい。また、角速度検出装置10の構成は、図1の例には限定されない。
角速度センサ11は、角速度センサ11が取り付いている物体の姿勢や振動を角速度として検出して、信号として出力する。図1における角速度検出装置10は、3つの角速度センサ11を有している。また、1つの角速度センサ11の角速度の検出軸は1つである。センサ保持部材12は角速度センサ11を保持する保持部材である。角速度センサ11は所定のフレキシブルプリント基板に実装されている。例えば、フレキシブルプリント基板は、センサ保持部材12に接着剤や両面テープ等を用いて固定される。なお、角速度センサ11はフレキシブルプリント基板以外(例えば、所定の部材)に実装されてもよく、固定方法も上記の例には限定されない。また、センサ保持部材12は、角速度センサ11の各検出軸を略直交に保持する。本実施形態では、角速度センサ11aの検出軸は図1に記載のピッチ軸(X軸回り)、角速度センサ11bの検出軸は図1に記載のヨー軸(Y軸回り)、および角速度センサ11cの検出軸は図1に記載のロール軸(Z軸回り)方向とする。
緩衝部材13は、角速度センサ11が固定されているセンサ保持部材12に伝わる外部からの振動を減衰させる部材である。緩衝部材13の材質としては、ゴム等の粘弾性体を適用できる。緩衝部材13の材質の詳細は後述する。本実施形態の緩衝部材13は、第1の緩衝部材13aと第2の緩衝部材13bとにより構成される。第1の緩衝部材13aと第2の緩衝部材13bとは、センサ保持部材12を介して対向するように配置される。つまり、センサ保持部材12は、一方側で第1の緩衝部材13aと当接し、反対側から第2の緩衝部材13bと当接して、挟み込まれた状態になる。以下、センサ保持部材12と第1の緩衝部材13aとが当接する面を第1の面とし、センサ保持部材12と第2の緩衝部材13bが当接する面を第3の面とする。また、第1の緩衝部材13aで第1の面と対向する面(第1の面の反対面)を第2の面とし、第2の緩衝部材13bで第1の面と対向する面(反対面)を第4の面とする。第1の面と第2の面との間の距離を第1の距離とし、第3の面と第4の面の距離を第2の距離とする。第1の距離および第2の距離は、面と面との間の間隔でもある。第1の距離は第1の緩衝部材13aの厚みであり、第2の距離は第2の緩衝部材13bの厚みである。
変更部材14は、第1の距離および第2の距離を変更するための部材である。変更部材14は、第1の緩衝部材13aおよび第2の緩衝部材13bの厚みを変更する部材でもある。詳細は、後述する。変更部材14は、本実施形態における角速度検出装置10では、第1の変更部材14aと第2の変更部材14bとにより構成される。第1の変更部材14aは第1の緩衝部材13aと当接するように配置され、第2の変更部材14bは緩衝部材13と当接するように配置される。第1の変更部材14aは第1の緩衝部材13aの第2の面と当接し、第2の変更部材14bは第2の緩衝部材13bの第4の面と当接する。
支持部材15は、変更部材14と当接し、緩衝部材13と変更部材14とセンサ保持部材12とを挟み込んで各部材を支持する。支持部材15は、姿勢や振動等を検出する対象の物体を固定するために用いられる部材である。本実施形態における角速度検出装置10では、支持部材15は、第1の支持部材15aと第2の支持部材15bとにより構成される。なお、支持部材15は、第1の支持部材15aと第2の支持部材15bとは別体であってもよいし、一体的に構成されてもよい。センサ保持部材12と2つの緩衝部材13と2つの変更部材14とは、第1の支持部材15aと第2の支持部材15bとにより挟み込まれた状態で固定される。本実施形態では、以上のような構成を採用することにより、支持部材15から伝達される振動は、緩衝部材13と変更部材14を介して角速度センサ11に伝達される。
次に、角速度検出装置10を有する撮像装置20について説明する。図2は、撮像装置20の構成を示す図である。撮像装置20は、本体部30とレンズユニット40とを有して構成される。本体部30は、本体角速度検出装置10a、撮像素子31、シャッター32、本体信号処理部33、撮像素子駆動部34および本体CPU35を有する装置である。図2に示される撮影光軸Iに沿った被写体光束が、レンズユニット40を通って撮像素子31に入射することで、撮像が行われる。一点鎖線で示される撮影光軸は、図2に示されるZ軸と平行な軸である。
シャッター32は、レンズユニット40と撮像素子31との間に配置されている。シャッター32は、レンズユニット40から撮像素子31に向かう光を遮蔽する状態と透過する状態とを切り替えることができる。撮像素子31は入力された被写体光束に応じた信号を出力する。一般的に、出力された撮像素子31からの信号は画像処理部で画像処理が行われて画像情報が生成され、生成された画像情報は記憶部に記憶される。本体角速度検出装置10aは、上述した角速度検出装置10と同じ構成および機能を有し、撮像装置20の振れ角速度を検出する。本体信号処理部33は、本体角速度検出装置10aが出力する角速度信号に基づいて目標値演算をして角度信号に変換する。目標値演算としては、1階積分等を適用できる。撮像素子駆動部34は、撮像素子31を、図2に示される撮影光軸と直交するX軸とY軸とにより形成されるXY平面と平行な面内で駆動させる。
本体CPU35は、本体角速度検出装置10aが検出した振れの角速度に基づいて、撮像素子31の駆動量を決定する。そして、本体CPU35が撮像素子駆動部34を用いて撮像素子31を駆動することで、撮像装置20の振れによる撮像素子31の撮像面で生じる像振れが補正される。本体CPU35は、所定のプログラミング回路等であってもよい。
次にレンズユニット40について説明する。レンズユニット40は、レンズ角速度検出装置10b、撮影光学系41、レンズ信号処理部42、レンズ駆動部43およびレンズCPU45を有する装置である。撮影光学系41には、振れ補正レンズ44が含まれる。撮影光学系41には、他のレンズが含まれていてもよい。撮影光学系41は、レンズユニット40の撮影光軸上に設けられる。撮影光学系41により、本体部30の撮像素子31に被写体光束が結像する。レンズ角速度検出装置10bは、上述した角速度検出装置10と同一の構成および機能を有し、レンズユニット40の振れ角速度を検出する。
レンズ信号処理部42は、本体信号処理部33と同様であり、レンズ角速度検出装置10bが出力する角速度信号に基づいて目標値演算を行い、角度信号に変換する。レンズ駆動部43も、撮像素子駆動部34と同様に、振れ補正レンズ44を、図2に示される撮影光軸Iと直交するX軸とY軸とにより形成されるXY平面と平行な面内で駆動させる。レンズCPU45は、本体角速度検出装置10aで検出された振れ角速度に基づいて、振れ補正レンズ44の駆動量を決定し、レンズ駆動部43を用いて振れ補正レンズ44を駆動する。これにより、撮像装置20の振れによる撮像素子31の撮像面で生じる像振れを補正する。本体角速度検出装置10aとレンズ角速度検出装置10bとは、両者とも撮像装置20の振れを検出する。そして、本体CPU35とレンズCPU44とは相互に通信を行い、撮像素子31の駆動量および振れ補正レンズ44の駆動量が決定される。
撮像装置20は、本体部30とレンズユニット40とが別体であり、且つ本体部30からレンズユニット40を交換可能であってもよいし、本体部30とレンズユニット40とは一体的に構成されてもよい。また、撮像装置20は、本体角速度検出装置10aとレンズ角速度検出装置10bとの何れか一方のみを有していてもよいし、撮像素子駆動部34とレンズ駆動部43との何れか一方のみを有していてもよい。
次に、本実施形態の角速度検出装置10の動作について説明する。図3は、角速度検出装置10の構造を表す図である。X軸、Y軸並びにZ軸、およびピッチ軸、ヨー軸並びにロール軸は、図1に示される方向と同一である。図3(a)は、角速度検出装置10のロール軸の角速度センサ11cを正面にしたXY平面と平行な図である。図3(b)は角速度検出装置10を図3(a)のY軸と平行なA−A´断面で切断したときの断面図である。図3(b)に実線の回転矢印で表されるωinは、角速度検出装置10に入力されるヨー軸方向の回転角速度である。角速度検出装置10に入力されたヨー軸の回転角速度ωinは、支持部材15と変更部材14と緩衝部材13とを介して、センサ保持部材12に伝達される。角速度センサ11のうち、ヨー軸の角速度センサ11bが設けられるセンサ保持部材12で測定されるヨー軸方向の回転角速度が、破線の回転矢印で表されるωoutである。図3においては、ヨー軸のみの回転角速度の入力および出力を示しているが、ピッチ軸およびロール軸についてもヨー軸と同様である。
次に、撮像装置20の動作について説明する。本体部30に搭載されるシャッター32は、遮光のための先幕および後幕を有している。先幕および後幕は、撮影者からの撮影指示操作等に応答して動作し、撮像素子31へ向かう光を遮る遮光状態と撮像素子31へ向かう光を遮らない露光状態とを順次、切り替える。その際、先幕および後幕は、シャッター32の内部に設けられた緩衝材などに衝突することで動作を停止する。これにより、衝撃が発生する。先幕が動作を停止した後、後幕が動作を停止するまでは露光が継続されているため、先幕が緩衝材に衝突した際の衝撃による振動は、露光が行われている最中に発生する。これをシャッターショック振動と称する。
シャッターショック振動は、シャッター32から本体部30の内部の構造物を介して本体角速度検出装置10aに伝達され、本体部30からレンズユニット40の内部の構造物を介してレンズ角速度検出装置10bに伝達される。角速度検出装置10に搭載される角速度センサ11は、固有の周波数fsを持ち、該周波数fsで入力信号を増幅する特性を有する。本実施形態では角速度センサ11に応じて定まる固有の周波数fsは、角速度センサ11の検出周波数と駆動周波数との差であり、離調周波数Δfと称される。以下、固有の周波数fsを離調周波数Δfとして説明するが、固有の周波数fsは離調周波数Δfには限定されない。各実施形態では、角速度検出装置10に搭載される角速度センサ11の離調周波数Δfは「700Hz」とする。ただし、離調周波数Δfは「700Hz」以外の周波数であってもよい。角速度センサ11は離調周波数Δfで信号が増幅され、且つ信号が回路内部で飽和すると、離調周波数Δfより低周波数の信号を出力する等、実際の信号と異なる信号を出力する。以下、実際の信号と異なる信号を出力することを出力エラーとする。本体部30のシャッター32によって発生するシャッターショック振動には、離調周波数Δfの周波数成分が含まれる。
図4は、シャッターショック振動および出力エラーを表すグラフである。図4(a)は、縦軸を角速度とし、横軸を周波数とした場合のシャッターショック振動を表すグラフである。図4(a)の二点鎖線は、角速度センサ11の離調周波数Δfを示し、シャッターショック振動には離調周波数Δfの振動が含まれている。図4(b)は、図4(a)のシャッターショック振動が角速度センサ11に入力された際に、角速度センサ11の回路内部で信号が飽和したときの角速度信号を、1階積分した角度信号出力の時間に対するグラフである。図4(b)に示されるように、出力エラー発生部において、角度信号出力が急峻に変化しており、出力エラーが発生している。出力エラーが発生した角度信号出力を用いて手振れ補正を行うと、正しく手振れ補正ができず、ぶれた画像が撮像される。
次に、温度に応じた周波数特性について説明する。図5(a)は、ピッチ軸とヨー軸とロール軸とのうち任意の軸における角速度検出装置10の回転振動伝達特性のゲインの周波数特性を示すグラフである。ゲインの周波数特性はピッチ軸、ヨー軸およびロール軸の何れの回転振動においても同様であるため、以下、全ての軸における回転振動として説明とする。例えば、縦軸の伝達特性ゲイン(以下、ゲイン)がヨー軸のゲインである場合、ゲインは、上述したヨー軸方向の回転角速度ωinに対するヨー軸方向の回転角速度ωoutの比から求めることができる。ピッチ軸およびロール軸についても、ヨー軸と同様にゲインを求めることができる。図5(a)に示すグラフの横軸は対数表示の周波数である。図5(b)は、粘弾性体である緩衝部材13の弾性を表す貯蔵弾性率の周波数特性である。縦軸は対数表示の貯蔵弾性率であり、横軸は対数表示の周波数である。
図5(a)において、高温Tにおける周波数特性は実線のグラフで示される。各実施形態の高温Tは角速度検出装置10の使用温度域内での最高温度である。高温Tにおける角速度検出装置10の機械的な共振周波数をfとする。共振周波数fは、物体の剛性の平方根に比例する。さらに、物体の剛性は、物体の弾性率に比例し、比例係数は物体の形状によって定まる。各実施形態における角速度検出装置10の剛性は、緩衝部材13の剛性と後述する変更部材14内のばね141の剛性とのうち剛性の低い方が支配的となり、その剛性によって共振周波数fが定まる。本実施形態においては、角速度検出装置10の使用温度域の範囲内では、常に緩衝部材13の剛性は、変更部材14を構成するばね141の剛性よりも低くなるように設定されている。このため、角速度検出装置10の共振周波数fは、緩衝部材13の剛性、すなわち緩衝部材13の貯蔵弾性率と形状とによって定まる。
角速度検出装置10のゲインは、共振周波数fより高い周波数で小さくなる。よって角速度検出装置10に入力された回転角速度ωinは、共振周波数(f、f‘)以上の高周波数の回転振動を減衰させて、センサ保持部材12にωoutとして伝達される。なお、後述するように、共振周波数f‘は、低温Tにおける共振周波数である。つまり、緩衝部材13の貯蔵弾性率と形状との設計により、共振周波数fを離調周波数Δfより低くすることで、離調周波数Δfの回転振動を減衰させて、角速度センサ11に伝達することができる。これにより、角速度センサ11に入力される離調周波数での回転振動は低減され、信号が回路内部で飽和することを防ぎ、出力エラーを防ぐことができる。
ここで、緩衝部材13は粘弾性体であるため、貯蔵弾性率は温度によって変化する。粘弾性体の貯蔵弾性率は温度特性を有しており、ガラス転移温度において貯蔵弾性率が大きく変化する特徴がある。つまり、緩衝部材13は、温度が低くなるに応じて貯蔵弾性率が高くなる特性を持つ。さらに粘弾性体は、「温度―周波数換算則」により、温度特性を周波数特性に対応付けることができる。図5(b)において実線で示す高温Tにおける貯蔵弾性率の周波数特性で表すように、周波数が高くなるに応じて貯蔵弾性率は高くなる。
図5(b)において、破線は、低温Tにおける貯蔵弾性率の周波数特性を示す。低温Tは角速度検出装置10の使用温度域の範囲内における最低温度である。図5(b)の破線の低温Tの周波数特性が表すように、温度が低くなるに応じて貯蔵弾性率の周波数特性は高温Tに対して低周波側にシフトする。つまり、角速度検出装置10の温度が低くなるに応じて任意の周波数における貯蔵弾性率は、高温Tのときより高くなる。よって、高温Tにおける共振周波数fに対して、低温Tにおける共振周波数は高くなる。
図5(a)に示す破線のグラフは低温Tにおける角速度検出装置10のゲインの周波数特性を示す。各実施形態では、低温Tにおける共振周波数f‘は、高温Tにおける共振周波数fより高く、離調周波数Δfよりも高い。この場合、低温Tにおける角速度検出装置10の離調周波数Δfにおけるゲインは、高温Tにおける離調周波数Δfにおけるゲインよりも高くなる。よって、高温Tよりも低い温度においては、離調周波数Δfの入力振動を低減することができず、出力エラーを防ぐことができない。上述したように、角速度検出装置10の共振周波数は、緩衝部材13の剛性が支配的である。緩衝部材13の剛性は、温度だけではなく緩衝部材13を圧し潰す量(以下、チャージ量)でも変化する。
緩衝部材13は、図1に示されるY軸方向に圧し潰された状態で、センサ保持部材12と変更部材14との間に挟みこまれている。角速度検出装置10は、図1に示されるように、センサ保持部材12と2つの緩衝部材13と2つの変更部材14とを挟み込んだ状態で、2つの支持部材15により固定される。これにより、緩衝部材13のチャージ量が大きくなる。図5(b)の一点鎖線は、破線で示した低温Tにおける緩衝部材13のチャージ量を減らした場合の周波数特性を示す。図5(b)に示されるように、破線の周波数特性に対し、一点鎖線の周波数特性は、貯蔵弾性率が低くなっている。つまり、チャージ量が減るに応じて任意の周波数における貯蔵弾性率はチャージ量を減らす前の状態より低くなる。よって、チャージ量を減らす前の共振周波数に対して、チャージ量を減らした際の共振周波数は低くなる。図5(a)に示される一点鎖線のグラフは、破線で示される低温Tでの緩衝部材13のチャージ量を減らしたときの角速度検出装置10のゲインの周波数特性である。このときの共振周波数f”は、離調周波数Δfよりも低くなり、高温T時の共振周波数fと一致する。各実施形態では、角速度検出装置10の温度変化による緩衝部材13のチャージ量を、変更部材14が変化させる。
次に、変更部材14について説明する。図6は、図3(b)のB−B’断面図のうち、第1の変更部材14aの近傍の断面を示す図である。第1の変更部材14aは、コイルばね141、コイルばね141を支承する対向した2つの支承部材142、143を有して構成されている。本実施形態では、一方の支承部材142が第1の支持部材15aに当接し、他方の支承部材143は第1の緩衝部材13aと当接している。コイルばね141と第1の緩衝部材13aとの温度変化によって生じるY軸方向に働く反力により、上述した第1の距離を変更することができる。つまり、第1の緩衝部材13aの厚みを変更することができる。第2の変更部材14bも第1の変更部材14aと同様の構成になっており、第2の距離を変更することができる。つまり、第2の緩衝部材13bの厚みを変更することができる。ここでは、第1の変更部材14aについて説明し、第2の変更部材14bに関する説明は省略する。
次に、コイルばね141と第1の緩衝部材13aとによる第1の緩衝部材13aのチャージ量の調整方法について、図7および図8を参照して説明する。図7は、第1実施形態におけるコイルばね141と第1の緩衝部材13aの反力のつり合いを表したグラフである。横軸は変位量を示し、縦軸は反力を示す。変位量は、コイルばね141および第1の緩衝部材13aが圧縮変形したときの自然長からの縮み量である。反力は、コイルばね141および第1の緩衝部材13aが圧縮変形したときに生じる力である。図7の実線71は、角速度検出装置10が高温Tのときの第1の緩衝部材13aの変位量と反力との関係を示す。点線72は、角速度検出装置10が低温Tのときの第1の緩衝部材13aの変位量と反力との関係を示す。一点鎖線73は、コイルばね141の変位量と反力との関係を示す。なお、図7の実線71、点線72および一点鎖線73の各傾きは、対応する部材の剛性を表す。
図8は、コイルばね141と第1の緩衝部材13aとをばねで模擬した図である。ばね81は、コイルばね141を模擬したばねを表す。ばね82は、第1の緩衝部材13aを模擬したばねを表す。また、面83は第1の支持部材15aと第1の変更部材14aとの接触面を表し、面84はセンサ保持部材12と第1の緩衝部材13aとの接触面を表す。図8(a)は、ばね81の自然長およびばね82の自然長を表した図であり、図8(b)は、ばね81およびばね82の反力がつり合った状態を表した図である。
図7について、図8を用いて詳細に説明する。図7の長さL’は、コイルばね141の変位量と第1の緩衝部材13aの変位量との合計の長さを表している。変位量の合計は、コイルばね141と第1の緩衝部材13aとが相互に圧縮し合える範囲内での両者の変位量の合計である。変位量の合計値は一定であり、図8(a)において面83から吊り下げられた自然長時のばね81と面84の上に置かれた自然長時のばね82とが重なる範囲の長さである。変位量の合計である長さL’は、面83と面84の間の距離をLとし、ばね81の自然長をLS0とし、ばね82の自然長をLR0とした場合、以下の式(1)で表される。
Figure 2021092471
ばね81とばね82とが、面83と面84との間に納まるためには、ばね81とばね82との両者が常に圧縮された状態である必要がある。ばね81とばね82との反力が釣り合うときのばね82の変位量をΔLとした場合、ばね81の変位量ΔLは、以下の式(2)で表される。
Figure 2021092471
よって、ばね81の剛性(ばね定数)をk、ばね82の剛性(ばね定数)kとした場合、ばね同士の反力Fは、式(3)で表すことができる。
Figure 2021092471
上述した式(3)は、図7のグラフで表される。図7のグラフにおいては、式(3)のばね81の剛性kはコイルばね141の剛性を表し、ばね82の剛性kは第1の緩衝部材13aの剛性を表す。図7において高温Tの場合、第1の緩衝部材13aを表す実線71とコイルばねを表す一点鎖線73とが交わる点Aが反力のつり合い点となる。そして、このときの第1の緩衝部材13aのチャージ量ΔCは、第1の緩衝部材13aの変位量であるため、ばね82の変位量ΔLとなる。同様に低温Tの場合、第1の緩衝部材13aを表す点線72とコイルばねを表す一点鎖線73とが交わる点Bが反力のつり合い点となる。上述したように、第1の緩衝部材13aは粘弾性体であるため、第1の緩衝部材13aは、高温Tの環境下よりも低温Tの環境下の方が、剛性が高くなる。このため、第1の緩衝部材13aを表す点線72の傾きは、コイルばねを表す一点鎖線73の傾きよりも大きくなる。従って、一点鎖線73と点線72との交点Bは、必然的に一点鎖線73と実線71との交点Aよりも、第1の緩衝部材13aの変位量ΔLの分だけ小さい位置になる。よって、角速度検出装置10の内部の温度が高温Tから低温Tに変化した場合に、第1の緩衝部材13aのチャージ量を減らすことができる。
ここで、第1の緩衝部材13aの高温T時の剛性を剛性kRHとし、低温T時の剛性を剛性kRLとする。設定する第1の緩衝部材13aのチャージ量ΔCおよびΔCが決まっていれば、コイルばね141の剛性kは、以下の式(6)から求めることができる。
Figure 2021092471
上述した各説明は、第2の緩衝部材13bにも適用される。従って、角速度検出装置10の内部の温度によらず、角速度センサ11に伝わる固有の周波数fsの振動を低減することができる。
次に、シャッター32によるシャッターショック振動の低減効果について説明する。図9は、シャッターショック振動の周波数特性を表すグラフである。図9(a)は、図4(a)と同じグラフであり、角速度検出装置10に入力される任意の軸の回転振動である。図9(b)は、角速度検出装置10の内部の温度が低温T時において、2つの変更部材14により第1の緩衝部材13aのチャージ量が減らされた場合のシャッターショック振動を表すグラフである。図9(c)は、角速度検出装置10の内部の温度が低温T時において、第1の緩衝部材13aのチャージ量が変化しない場合のシャッターショック振動を表すグラフである。図9(b)および図9(c)において、実線は、角速度検出装置10の内部の温度が高温T時におけるシャッターショック振動を示し、破線は、角速度検出装置10の内部の温度が低温T時におけるシャッターショック振動を示す。
図9(b)では、第1の緩衝部材13aのチャージ量が減らされているため、第1の緩衝部材13aは、図5(a)の一点鎖線で表される周波数特性を有する。一方、図9(c)では、第1の緩衝部材13aのチャージ量は変化していないため、第1の緩衝部材13aは、図5(a)の破線で表される周波数特性を有する。
図9(a)に示されるように、シャッターショック振動は、角速度センサ11の固有の周波数fsである離調周波数Δfにおいて、角速度が比較的大きくなっている。支持部材15に対してシャッターショック振動が入力されると、本体角速度検出装置10aおよびレンズ角速度検出装置10bの角速度センサ11で検出される振動は、図5(a)に示すゲインで増大または減少される。図5(a)の実線で示される高温Tの離調周波数Δfにおいて、ゲインはマイナスである。よって、図9(b)および図9(c)で示される高温T時に角速度検出装置10で測定されるシャッターショック振動は、図9(a)で示されるシャッターショック振動よりも低減されている。これにより、角速度検出装置10の内部の温度が高温Tである場合に、出力エラーの発生を防ぐことができる。
一方、角速度検出装置10の内部の温度で低温Tである場合、第1の緩衝部材13aのチャージ量が高温Tのときと変わらなければ、図5(a)の破線で示される離調周波数Δfおいて、ゲインはプラスになる。よって、角速度検出装置10が測定するシャッターショック振動は、図9(c)で示される破線のようになる。このため、図9(a)で示されるシャッターショック振動が入力されたときに、振動が増幅してしまう。しかし、本実施形態では、低温Tのときの第1の緩衝部材13aのチャージ量は、高温Tのときのチャージ量よりも減らすことができる。この場合、離調周波数Δfのゲインは、図5(a)の一点鎖線で示すようにマイナスになる。よって、角速度検出装置10が測定するシャッターショック振動は、図9(b)の破線のようになり、図9(a)で示されるシャッターショック振動が入力されたとしても、振動を低減することができる。これにより、図9(b)の場合、高温Tだけでなく、低温Tでの出力エラーの発生も防ぐことができる。よって、撮像装置20を構成する本体部30の本体角速度検出装置10aおよびレンズユニット40のレンズ角速度検出装置10bは、どのような温度下においても角速度センサ11に伝わる固有の周波数fsの振動を低減することができる。
上述したように、本実施形態では、第1の変更部材14aと第2の変更部材14bとの2つが設けられているが、何れか一方の変更部材14のみが用いられてもよい。この場合でも、本実施形態の効果を得ることができる。ただし、第1の変更部材14aと第2の変更部材14bとの2つが設けられることが好ましい。また、本実施形態では、変更部材14としてコイルばね141を適用したが、変更部材14としては、コイルばね141と同等の機能を持つばねであれば、任意のばねを適用可能である。これらの点は、以下の第2実施形態および第3実施形態も同様である。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、変更部材14に形状記憶合金のコイルばね141が適用される。他の構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。形状記憶合金は、形状記憶合金が持つ変態点を境に内部組織が変わるため、それに応じて剛性も変わる。変態点より温度が高い場合、内部組織はオーステナイト相で構成され、変態点より温度が低い場合、内部組織はマルテンサイト相で構成される。従って、変態点より温度が高い時の剛性は、温度が低い時の剛性よりも2〜3倍程度高くなる。
次に、形状記憶合金により構成されるコイルばね141と第1の緩衝部材13aとによる第1の緩衝部材13aのチャージ量の調整方法について説明する。図10は、第2実施形態におけるコイルばね141と第1の緩衝部材13aの反力のつり合いを表したグラフである。横軸は変位量を示し、縦軸は反力を示す。第1実施形態と同様、変位量は、コイルばね141および第1の緩衝部材13aが圧縮変形したときの自然長からの縮み量である。また、反力は、コイルばね141および第1の緩衝部材13aが圧縮変形したときに生じる反力である。図10の実線71は高温T時の第1の緩衝部材13aの特性を示し、点線72は低温T時の第1の緩衝部材13aの特性を示している。また、一点鎖線101は、高温T時のコイルばね141の特性を示し、破線102は低温T時のコイルばね141の特性を示す。第1実施形態と同様、各線の傾きは、対応する部材の剛性を表す。
第2実施形態では、コイルばね141は形状記憶合金により構成されている。従って、図7では、コイルばね141の剛性を表す線は1つであったが、図10では、コイルばね141の剛性を表す線は、高温T時の線(一点鎖線101)と低温T時の線(破線102)との2つの線になっている。コイルばね141の剛性は高温T時に高くなり、低温T時に低くなるため、緩衝部材13の温度による剛性変化とは逆になる。つまり、コイルばね141の温度による剛性変化の特性と、緩衝部材13(第1の緩衝部材13aおよび第2の緩衝部材13b)の温度により剛性変化の特性とは逆の関係にある。そのため、通常使用される一般的なばねよりも高温T時の緩衝部材13の変位量を大きくしやすくなり、低温T時の緩衝部材13の変位量を小さくしやすくなる。よって、高温T時のコイルばね141と第1の緩衝部材13aとによるチャージ量と、低温TL時のコイルばね141と第1の緩衝部材13aとによるチャージ量との差を広げることが容易になる。これにより、第2実施形態では、高温T時と低温T時とのチャージ量の設定範囲を広げることができる。つまり、第2実施形態では、第1実施形態の効果に加えて、チャージ量を調整しやすくなる、という効果が得られる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、センサ保持部材12の温度に応じて変更部材14を電気的に動かす点で、第1実施形態および第2実施形態と異なる。図11は、第3実施形態の角速度検出装置110の分解斜視図である。第3実施形態の角速度検出装置110は、温度検出部111を有する。他の構成は、図1と同様であるため、説明を省略する。温度検出部111は、センサ保持部材12の温度を検出し、検出した温度に応じた電圧を変更部材14に出力する。例えば、温度検出部111は所定のフレキシブルプリント基板に実装されている。温度検出部111は、フレキシブル基板以外の任意の部材に実装されてもよい。
本実施形態において、変更部材14(第1の変更部材14aおよび第2の変更部材14b)は積層圧電アクチュエータである。第1の変更部材14aの一方側の面は第1の支持部材15aに当接し、他方側の面(反対面)は第1の緩衝部材13aと当接する。第1の変更部材14aは、温度検出部111が検出した温度に応じて出力される電圧によりY軸方向に変位し、第1の距離を変更することができる。なお、角速度検出装置110の使用温度域の範囲内において第1の変更部材14aは、Y軸方向に常に圧し潰された状態になるように第1の緩衝部材13aと第1の支持部材15aの間に挟み込まれている。
本実施形態における撮像装置20の構成は、第1実施形態と同様である。次に、第1の変更部材14aによる第1の緩衝部材13aのチャージ量の調整方法について、図12(a)および図12(b)を用いて説明する。第2の変更部材14bは、第1の変更部材14aと同様に、第2の距離を変更する。以下、第1の変更部材14aについて説明し、第2の変更部材14bに関する説明は省略する。図12(a)は温度検出部111が検出した温度に応じて第1の変更部材14aに入力される電圧を示した図である。縦軸は電圧を示し、横軸は温度を示す。図12(b)は、第1の変更部材14aの電圧と緩衝部材13の変位量との関係を示した図である。縦軸は電圧を示し、横軸は変位量を示している。
図12(a)に示されるように、温度検出部111が検出する温度と出力する電圧とは比例する関係にある。よって、角速度検出装置110の使用温度域の範囲内の上限温度である高温Tと電圧Vとは線形の関係にある。また、検出温度の下限温度である低温Tと電圧Vとは線形の関係にある。図12(b)は、第1の変更部材14aである積層圧電アクチュエータに入力される電圧と、電圧によって生じる変位量との関係を示す。図12(b)に示されるように、電圧と変位量との間も比例の関係にある。
第1の緩衝部材13aは、上述したように、温度が低くなるに応じて貯蔵弾性率の周波数特性が低周波側にシフトしていく。これにより、高温T時の共振周波数fに対して低温Tの共振周波数f‘が大きくなり、低温Tにおける離調周波数Δfでのゲインが高温Tにおける離調周波数Δfでのゲインより大きくなる。しかし、貯蔵弾性率の周波数特性については、第1の緩衝部材13aのチャージ量を減らすことで、その共振周波数を下げることができる。従って、第1の緩衝部材13aの温度変化に応じてチャージ量を変化させることができれば、角速度検出装置110の使用温度域の範囲内で緩衝部材13の共振周波数を一定に保つことができる。
よって、図12(a)および図12(b)で示されるように、温度検出部111は、高温Tにおいては第1実施形態で説明したチャージ量ΔCとなる電圧VHを入力する。また、温度検出部111は、低温Tにおいては第1実施形態で説明したチャージ量ΔCとなる電圧Vを入力する。これにより、角速度検出装置110の使用温度域の範囲内の任意の温度に応じて緩衝部材13のチャージ量を変化させることができる。その結果、どのような温度状況下でも角速度検出装置110の共振周波数を略一致させることができる。従って、第3実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上述した各実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、緩衝部材を有する角速度検出装置を内蔵した各種機器(例えば、スマートフォンやタブレット端末等)にも、本発明の各実施形態を適用可能である。
10 角速度検出装置
10a 本体角速度検出装置
10b レンズ角速度検出装置
11 角速度センサ
12 センサ保持部材
13 緩衝部材
14 変更部材
15 支持部材
31 撮像素子
32 シャッター
111 温度検出部
141 コイルばね

Claims (11)

  1. 角速度センサを保持する保持部材と、
    前記保持部材に当接する第1の緩衝部材と、
    前記第1の緩衝部材の反対側から前記保持部材に当接する第2の緩衝部材と、
    前記第1の緩衝部材に当接し、温度に応じて前記第1の緩衝部材の厚みを変更することが可能な第1の変更部材と、
    を備えることを特徴とする角速度検出装置。
  2. 前記第1の緩衝部材のうち第1の面は前記保持部材と当接し、前記第1の緩衝部材のうち前記第1の面の反対面である第2の面は前記第1の変更部材と当接し、
    前記第1の変更部材は、前記温度に応じて前記第1の面と前記第2の面との間の距離を変更することを特徴とする請求項1に記載の角速度検出装置。
  3. 前記保持部材と前記第1の緩衝部材と前記第1の変更部材と前記第2の緩衝部材とを挟み込んで支持する支持部材、をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の角速度検出装置。
  4. 前記第2の緩衝部材に当接し、前記温度に応じて前記第2の緩衝部材の厚みを変更することが可能であり、前記支持部材に挟み込まれる第2の変更部材、をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の角速度検出装置。
  5. 前記第2の緩衝部材のうち第3の面は前記保持部材と当接し、前記第2の緩衝部材のうち前記第3の面の反対面である第4の面は前記第2の変更部材と当接し、
    前記第2の変更部材は、前記温度に応じて前記第3の面と前記第4の面との間の距離を変更することを特徴とする請求項4に記載の角速度検出装置。
  6. 前記第1の緩衝部材および前記第2の緩衝部材の剛性は、前記第1の変更部材および前記第2の変更部材の剛性よりも低いことを特徴とする請求項4または5に記載の角速度検出装置。
  7. 前記前記第1の変更部材および前記第2の変更部材の温度による剛性変化の特性と、前記第1の緩衝部材および前記第2の緩衝部材の温度による剛性変化の特性とは逆の関係にあることを特徴とする請求項4乃至6のうち何れか1項に記載の角速度検出装置。
  8. 前記第1の変更部材および前記第2の変更部材は、ばねにより構成されることを特徴とする請求項4乃至7のうち何れか1項に記載の角速度検出装置。
  9. 前記ばねは、形状記憶合金であることを特徴とする請求項8に記載の角速度検出装置。
  10. 前記保持部材の温度を検出する温度検出部、をさらに備え、
    前記第1の変更部材および前記第2の変更部材は、前記温度検出部が検出した温度に応じて変位する積層圧電アクチュエータであることを特徴とする請求項4または5に記載の角速度検出装置。
  11. 請求項1乃至10のうち何れか1項に記載の角速度検出装置と、
    撮像素子と、
    前記撮像素子に入射する光を遮光状態と透光状態とを切り替えるシャッターと、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
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