JP2021092087A - セグメント状態測定装置、セグメント組立方法、及び、セグメント状態測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セグメントの状態(目開きや目違いなど)を容易に測定する。【解決手段】セグメント状態測定装置10は、シールド掘進機1のエレクター装置3の把持部8で把持されるセグメントSPEの状態を測定する装置である。セグメント状態測定装置10は、エレクター装置3に設けられて、把持部8で把持されるセグメントSPEの縁部α1〜α3と間隔を空けて対向する距離センサP1〜P7を備える。距離センサP1〜P7の測定対象領域LP1〜LP7は、把持部8で把持されるセグメントSPEの縁部α1〜α3を含む。【選択図】図4
Description
本発明は、シールド掘進機のエレクター装置の把持部で把持されるセグメントの状態を測定する装置及び方法と、この装置を用いてセグメントを組み立てる方法とに関する。
上下水道、共同溝、道路、鉄道等の管路として用いられるシールドトンネルは、シールド工法により構築される。シールド工法ではシールド掘進機が用いられる。シールド掘進機は、例えば、掘進機本体の外殻をなす筒状のスキンプレートと、このスキンプレートの前端部(切羽側端部)に設けられて地山を掘削するカッタヘッドと、スキンプレートの内側に設けられる推進ジャッキとを備える。
シールド工法では、例えば、地山に発進立坑と到達立坑とを構築し、発進立坑から到達立坑へ向けてシールド掘進機で地山を掘削しながら、スキンプレートの後部(テール部)の内方でエレクター装置を用いて次々にセグメント(セグメントピース)をトンネル周方向に組み立ててセグメントリングを構築すると共に、隣接するセグメントリング同士をトンネル軸方向で連結することで筒状の覆工体を構築する。この工法では、シールド掘進機は、その後方の既設セグメントリングを推進ジャッキで後方へ押圧し、その反力として発生する推力によって、地山を掘削しながら前進する。
この点、特許文献1は、シールド工法で組み立てられた各セグメントの間の隙間である目開きの寸法、あるいは、各セグメントの厚さ方向における段差である目違いの寸法を測定することを開示している。特許文献1では目開きの寸法(目開き量)をクリップ型変位計で検出している。また、特許文献1では目違いの寸法(目違い量)をカンチレバー型変位計で検出している。
しかしながら、特許文献1に開示のクリップ型変位計及びカンチレバー型変位計は既設のセグメントに取り付けられる。ゆえに、これら変位計のセグメントへの取付・取外し作業に手間を要していた。
本発明は、このような実状に鑑み、前述の目開きや目違いなどのセグメントの状態を容易に測定することを目的とする。
そのため本発明の第1態様では、セグメント状態測定装置は、シールド掘進機のエレクター装置の把持部で把持されるセグメントの状態を測定する装置である。セグメント状態測定装置は、エレクター装置に設けられて、前記把持されるセグメントの縁部と間隔を空けて対向する距離センサを備える。距離センサの測定対象領域は、前記把持されるセグメントの縁部を含む。
本発明の第2態様では、セグメント組立方法は、前述のセグメント状態測定装置を用いてセグメントを組み立てる方法である。セグメント組立方法は、セグメント状態測定装置の測定結果に基づいて、エレクター装置の作動を修正することを含む。
本発明の第3態様では、セグメント状態測定方法は、シールド掘進機のエレクター装置の把持部で把持されるセグメントの状態を測定する方法である。エレクター装置には、前記把持されるセグメントの縁部と間隔を空けて対向する距離センサが設けられている。セグメント状態測定方法は、前記把持されるセグメントを既設のセグメントに近づけて、距離センサにより、前記把持されるセグメントの縁部と既設のセグメントの縁部との間の目開き量及び/又は目違い量を測定することを含む。
本発明の第1態様及び第2態様によれば、エレクター装置に設けられた距離センサの測定対象領域は、エレクター装置の把持部で把持されるセグメントの縁部を含む。ゆえに、セグメントの状態の測定のために前述の変位計などをセグメントに取り付ける必要がないので、セグメントの状態を容易に測定することができる。
本発明の第3態様によれば、シールド掘進機のエレクター装置の把持部で把持されるセグメントの縁部と既設のセグメントの縁部との間の目開き量及び/又は目違い量を、エレクター装置に設けられた距離センサで測定する。ゆえに、セグメント間の目開き量及び/又は目違い量の測定のために前述の変位計などをセグメントに取り付ける必要がないので、セグメントの状態を容易に測定することができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるシールド掘進機の概略構成を示す。図2は図1のA−A断面図である。図3は図2のB−B断面図である。尚、図1及び図3に図示の旋回リング4については、図2で図示を省略している。また、本実施形態では、便宜上、トンネル掘進方向を前進方向として前後左右を規定している。
本実施形態では、いわゆる泥土圧式のシールド掘進機を例にとってシールド掘進機の構成を説明するが、シールド掘進機の種類はこれに限らない。
トンネルの構築に用いられるシールド掘進機1は、その本体をなす筒状(例えば円筒状)のスキンプレート2を備える。シールド掘進機1は、スキンプレート2の前面に設けられたカッタヘッド(図示せず)で地山を掘削しながら土砂を取り込んで後方に搬出して掘進する。
シールド掘進機1のスキンプレート2より内側には、複数の推進ジャッキ(図示せず)が、スキンプレート2の内面に沿って周方向に互いに間隔を空けて配置されている。推進ジャッキはシリンダ(図示せず)とロッド(図示せず)とにより構成される油圧ジャッキである。シリンダは、その一端がスキンプレート2に固定されており、他端側にて、ロッドが進出・退入可能となっている。推進ジャッキのロッドの先端部を既設のセグメント(セグメントピース)SPに当接させた状態で推進ジャッキを伸長作動させることにより、シールド掘進機1は推進力を得ることができる。このようにして、推進ジャッキは、既設のセグメントSPから反力を取ってシールド掘進機1を推進させる。
シールド掘進機1は、スキンプレート2の後部(テール部)2a内にエレクター装置3を備える。エレクター装置3は、旋回リング4と、一対の昇降ジャッキ5,5と、U字状のアーム6と、一対の軸方向ジャッキ7,7と、把持部8とを備える。
旋回リング4は、スキンプレート2の後部(テール部)2a内に旋回可能に支持されていて、図示しない旋回モータにより駆動されることでシールド掘進機1の中心軸MC回りに回転することができる。そして、旋回リング4には、前記中心軸MCを挟んで両側に昇降ジャッキ5が取り付けられている。昇降ジャッキ5は例えば油圧ジャッキである。
一対の昇降ジャッキ5,5の各々の端部(図1〜図3に示す状態では下端部)には、U字状のアーム6の端部(図1〜図3に示す状態では上端部)が連結している。U字状のアーム6の中間部(折り返し部)6aには、一対の軸方向ジャッキ7,7の前端部が取り付けられている。一対の軸方向ジャッキ7,7の後端部には把持部8が取り付けられている。軸方向ジャッキ7は例えば油圧ジャッキである。把持部8は、弧状断面(例えば円弧状断面)を有するセグメントSPを把持できるように構成されている。
把持部8にてセグメントSPを把持した状態で旋回リング4を旋回させることで、エレクター装置3は、セグメントSPを把持部8で把持しつつ、セグメントSPをトンネル周方向に移動させることができる。
把持部8にてセグメントSPを把持した状態で一対の昇降ジャッキ5,5を伸縮作動させることで、エレクター装置3は、セグメントSPを把持部8で把持しつつ、セグメントSPを旋回リング4に対してトンネル内外方向(例えばトンネル径方向)に移動させることができる。
把持部8にてセグメントSPを把持した状態で一対の軸方向ジャッキ7,7を伸縮作動させることで、エレクター装置3は、セグメントSPを把持部8で把持しつつ、セグメントSPをアーム6に対してトンネル軸方向に移動させることができる。
従って、エレクター装置3は、セグメントSPを把持部8で把持しつつ、セグメントSPをトンネル軸方向、内外方向、周方向に適宜移動させることができる。エレクター装置3は、スキンプレート2の後部(テール部)2aの内方にて、その周方向にセグメントSPを組み立てて、筒状(例えば円筒状)のセグメントリングSRを構築する。セグメントSPの組み立てでは、まず、セグメントSPの組み立て位置に向けて、概ね、トンネル軸方向及び周方向に移動した後、トンネル内外方向に移動する(組立工程の第1段階)。そして、この移動してきたセグメントSPと既設のセグメントSPとの連結(相対位置の微調整を含む)が行われる(組立工程の第2段階)。ここで、例えば、セグメントSP同士の連結に用いられる連結具が雄型連結金具と雌型連結金具とからなり、これらを嵌合することでセグメントSP同士の連結が行われる場合において、前述の組立工程の第1段階では、一方のセグメントSPの雄型連結金具が他方のセグメントSPの雌型連結金具に隣接するまで前述の移動が行われ得る。
把持部8には、把持部8からトンネル軸方向後方とトンネル周方向とに張り出すように枠体9が設けられている。枠体9には、複数(本実施形態では7つ)の距離センサP1〜P7と、複数(本実施形態では5つ)の撮像装置Q1〜Q5とが取り付けられている。つまり、複数の距離センサP1〜P7と、複数の撮像装置Q1〜Q5とが、枠体9を介して、エレクター装置3の把持部8に設けられている。尚、本実施形態では、枠体9に7つの距離センサP1〜P7と5つの撮像装置Q1〜Q5とが取り付けられる例を示しているが、枠体9に取り付けられる距離センサ及び撮像装置の個数は前述のものに限らない。
本実施形態では、距離センサP1と撮像装置Q1とが一体的に形成され、距離センサP3と撮像装置Q2とが一体的に形成され、距離センサP4と撮像装置Q3とが一体的に形成され、距離センサP5と撮像装置Q4とが一体的に形成され、距離センサP7と撮像装置Q5とが一体的に形成されている。距離センサP1〜P7及び撮像装置Q1〜Q5として、例えばキーエンス社製の超高速インラインプロファイル測定器(LJ−V7000シリーズ)を用いることができる。
図4は、距離センサP1〜P7の線状又は帯状の測定対象領域LP1〜LP7と、撮像装置Q1〜Q5の矩形状の撮像対象領域IQ1〜IQ5とを示す。ここで、図4に示すセグメントSPEは、前述のセグメントSPのうちエレクター装置3の把持部8で把持されているものを示す。
距離センサP1〜P7は、各々が、セグメントSPEの縁部(内面の周縁部)と間隔を空けて対向している。また、距離センサP1〜P7は、セグメントSPEの縁部(内面の周縁部)に沿って間隔を空けて並んでいる。
距離センサP1〜P7は、各々が、図示しない照射部及び受光部を備える。距離センサP1〜P7は、各々の照射部から各々の測定対象領域LP1〜LP7に向けてラインレーザを照射する。距離センサP1〜P7の各々の受光部は、ラインレーザの反射光を受光する。距離センサP1〜P7として前述のプロファイル測定器が用いられる場合には、距離センサP1〜P7の各々の受光部で受光される反射光から、測定対象領域LP1〜LP7の断面形状が瞬時に取得され得る。この取得された断面形状データを用いて、測定対象領域LP1〜LP7におけるセグメントSP間の目開き量や目違い量などの寸法測定を行うことができる。ここで、ラインレーザとは、一定の線幅を持つライン状に照射されて扇形の2次元平面の光路を形成するレーザである。
本実施形態において、「目開き量」とは、トンネル軸方向又は周方向で隣り合うセグメントSP同士の間の隙間(距離)である。本実施形態において、距離センサP1〜P7は、セグメントSPEと、セグメントSPEに隣接する既設のセグメントSPとの間の目開き量を測定することができる。
本実施形態において、「目違い量」とは、トンネル軸方向又は周方向で隣り合うセグメントSP同士の間の段差(トンネル内外方向(換言すればセグメントSPの厚さ方向)でのずれ量)である。本実施形態において、距離センサP1〜P7は、セグメントSPEと、セグメントSPEに隣接する既設のセグメントSPとの間の目違い量を測定することができる。
ここで、測定対象領域LP1〜LP7は、セグメントSPEの縁部(内面の周縁部)と、このセグメントSPEに隣接する既設のセグメントSPの縁部(内面の周縁部)とに跨り得るように設定されている。ゆえに、測定対象領域LP1〜LP7は、セグメントSPEの縁部と、このセグメントSPEに隣接する既設のセグメントSPの縁部とを含む。本実施形態では、例えば、前述の組立工程の第1段階の終盤から第2段階にかけて、測定対象領域LP1〜LP7が、セグメントSPEの縁部(内面の周縁部)と、このセグメントSPEに隣接する既設のセグメントSPの縁部(内面の周縁部)とに跨り得るように、測定対象領域LP1〜LP7の範囲が予め設定されている。
本実施形態では、セグメントSPEのトンネル周方向一側の縁部α1に測定対象領域LP1,LP2がオーバーラップしている。セグメントSPEのトンネル軸方向後側(坑口側)の縁部α2に測定対象領域LP3〜LP5がオーバーラップしている。セグメントSPEのトンネル周方向他側の縁部α3に測定対象領域LP6,LP7がオーバーラップしている。
尚、距離センサP1〜P7は、照射したレーザー光が測定対象との間を往復する時間と光速度とに基づいて、距離センサP1〜P7から測定対象までの距離を算出することができる。すなわち、本実施形態では、距離センサP1〜P7は、レーザー光を測定対象に向けて照射して測定対象までの距離を測定することもできる。
撮像装置Q1〜Q5は、各々が、セグメントSPEの縁部(内面の周縁部)と間隔を空けて対向している。また、撮像装置Q1〜Q5は、セグメントSPEの縁部(内面の周縁部)に沿って間隔を空けて並んでいる。撮像装置Q1〜Q5は、例えばCCDカメラ又はCMOSカメラである。
撮像装置Q1によって撮像される領域である撮像対象領域IQ1は、距離センサP1の測定対象領域LP1を含む。撮像装置Q2によって撮像される領域である撮像対象領域IQ2は、距離センサP2,P3の測定対象領域LP2,LP3を含む。撮像装置Q3によって撮像される領域である撮像対象領域IQ3は、距離センサP4の測定対象領域LP4を含む。撮像装置Q4によって撮像される領域である撮像対象領域IQ4は、距離センサP5,P6の測定対象領域LP5,LP6を含む。撮像装置Q5によって撮像される領域である撮像対象領域IQ5は、距離センサP7の測定対象領域LP7を含む。
撮像対象領域IQ1〜IQ5は、セグメントSPEの縁部(内面の周縁部)と、このセグメントSPEに隣接する既設のセグメントSPの縁部(内面の周縁部)とに跨り得るように設定されている。ゆえに、撮像対象領域IQ1〜IQ5は、セグメントSPEの縁部と、このセグメントSPEに隣接する既設のセグメントSPの縁部とを含む。本実施形態では、例えば、前述の組立工程の第1段階の終盤から第2段階にかけて、撮像対象領域IQ1〜IQ5が、セグメントSPEの縁部(内面の周縁部)と、このセグメントSPEに隣接する既設のセグメントSPの縁部(内面の周縁部)とに跨り得るように、撮像対象領域IQ1〜IQ5の範囲が予め設定されている。
本実施形態では、撮像対象領域IQ1は、セグメントSPEのトンネル周方向一側の縁部α1と、セグメントSPEのトンネル軸方向前側(切羽側)の縁部α4とにオーバーラップしている。撮像対象領域IQ2は、セグメントSPEのトンネル周方向一側の縁部α1と、セグメントSPEのトンネル軸方向後側(坑口側)の縁部α2とにオーバーラップしている。撮像対象領域IQ3は、セグメントSPEのトンネル軸方向後側(坑口側)の縁部α2にオーバーラップしている。撮像対象領域IQ4は、セグメントSPEのトンネル周方向他側の縁部α3と、セグメントSPEのトンネル軸方向後側(坑口側)の縁部α2とにオーバーラップしている。撮像対象領域IQ5は、セグメントSPEのトンネル周方向他側の縁部α3と、セグメントSPEのトンネル軸方向前側(切羽側)の縁部α4とにオーバーラップしている。
図5は、セグメント状態測定装置10の概略構成を示す図であり、距離センサP1〜P7、撮像装置Q1〜Q5、制御装置11、及び出力装置12の関係を示すブロック図である。
セグメント状態測定装置10は、シールド掘進機1のエレクター装置3の把持部8で把持されるセグメントSPEの状態(例えば、セグメントSPEに隣接する既設のセグメントSPに対するセグメントSPEの状態)を測定する装置である。本実施形態では、例えば、前述の組立工程の第1段階から第2段階にかけて、セグメント状態測定装置10による測定が実施され得る。ここにおいて、前述の組立工程の第1段階では、エレクター装置3の把持部8で把持されるセグメントSPEが既設のセグメントSPに近づけられる。また本実施形態では、エレクター装置3の把持部8で把持されるセグメントSPEが既設のセグメントSPに近づけられている最中に(つまり移動中に)、セグメント状態測定装置10による測定を実施することができる。
セグメント状態測定装置10は、距離センサP1〜P7と、撮像装置Q1〜Q5と、制御装置11と、出力装置12とを備える。
距離センサP1〜P7は信号線13を介して制御装置11に接続されている。撮像装置Q1〜Q5は信号線14を介して制御装置11に接続されている。制御装置11と出力装置12とは、相互に無線通信ができるように構成されている。
距離センサP1〜P7の各々にて測定された、前述の目開き量及び目違い量に対応する信号は、信号線13を介して制御装置11に伝達される。撮像装置Q1〜Q5の各々によって撮られた画像に対応する信号は、信号線14を介して制御装置11に伝達される。尚、本実施形態では、信号線13,14が別体であるが、この他、信号線13,14は一体化されたものであってもよい。
制御装置11に伝達された前述の目開き量、目違い量、及び画像に対応する信号については、制御装置11にて適宜処理が行われて、制御装置11から出力装置12に無線通信で伝達される。出力装置12は、例えば、タブレット型端末などのモバイル端末である。出力装置12については、作業者によって持ち運びしやすいものが好ましい。
作業者は、出力装置12の画面表示などを参照することで、シールド掘進機1のエレクター装置3の把持部8で把持されるセグメントSPEの状態を把握することができる。つまり、作業者は、出力装置12の画面表示などを参照することで、測定対象領域LP1〜LP7における、セグメントSPEと、セグメントSPEに隣接する既設のセグメントSPとの間の目開き量及び目違い量の具体的な数値を把握することができる。これに加えて、作業者は、出力装置12の画面表示などを参照することで、撮像対象領域IQ1〜IQ5における、セグメントSPEと、セグメントSPEに隣接する既設のセグメントSPとの間の目開き状況及び目違い状況を画像で把握することができる。
従って、セグメント組立施工時に、作業者は、出力装置12の画面表示などに基づいて、セグメントSPEと、セグメントSPEに隣接する既設のセグメントSPとの間の目開き及び目違いを最小化するようにエレクター装置3の作動を修正することができる。
図6は、出力装置12に画面表示され得る、前述の目開き量及び目違い量の測定結果の一例を示す図である。この例では、図4に示すセグメントSPEの縁部α1,α2の隣に既設のセグメントSPが位置している一方、セグメントSPEの縁部α3,α4の隣には既設のセグメントSPが存在しない状況を示している。
本実施形態によれば、セグメント状態測定装置10は、シールド掘進機1のエレクター装置3の把持部8で把持されるセグメントSPEの状態を測定する装置である。セグメント状態測定装置10は、エレクター装置3に設けられて、把持部8で把持されるセグメントSPEの縁部α1〜α3と間隔を空けて対向する距離センサP1〜P7を備える。距離センサP1〜P7の測定対象領域LP1〜LP7は、把持部8で把持されるセグメントSPEの縁部α1〜α3を含む。ゆえに、セグメントSPEの状態の測定のために、作業員がエレクター装置3や前述の推進ジャッキの可動域に立ち入る必要がないので、工事の安全性が向上する。また、エレクター装置3の把持部8でセグメントSPEを把持して組み立て中のセグメントSPEの縁部を測定できるので、セグメントSPEの組み立て中の相対位置状況を把握できる。
また本実施形態によれば、距離センサP1〜P7の測定対象領域LP1〜LP7は、把持部8で把持されるセグメントSPEに隣接する既設のセグメントSPの縁部を更に含む。これにより、既設のセグメントSPに対するセグメントSPEの状態を把握することができる。
また本実施形態によれば、距離センサP1〜P7は、把持部8で把持されるセグメントSPEの縁部α1〜α3と、セグメントSPEに隣接する既設のセグメントSPの縁部との間の目開き量及び/又は目違い量を測定する。ゆえに、当該目開き量及び/又は目違い量の測定のために、作業員がエレクター装置3や前述の推進ジャッキの可動域に立ち入る必要がないので、工事の安全性が向上する。
また本実施形態によれば、距離センサP1〜P7は、測定対象領域LP1〜LP7に向けてラインレーザを照射する照射部と、このラインレーザの反射光を受光する受光部とを備える。このような構成の距離センサP1〜P7を用いて、簡易に、前述の目開き量及び/又は目違い量の測定を行うことができる。
また本実施形態によれば、複数の距離センサP1〜P7が、把持部8で把持されるセグメントSPEの縁部α1〜α3に沿って間隔を空けて並んでいる。これにより、複数箇所で、前述の目開き量及び/又は目違い量の測定を行うことができる。
また本実施形態によれば、セグメント状態測定装置10は、エレクター装置3に設けられて、把持部8で把持されるセグメントSPEの縁部α1〜α4と間隔を空けて対向する撮像装置Q1〜Q5を備える。撮像装置Q1〜Q5の撮像対象領域IQ1〜IQ5は、把持部8で把持されるセグメントSPEの縁部α1〜α4を含む。ゆえに、セグメントSPEの状態の目視確認のために、作業員がエレクター装置3や前述の推進ジャッキの可動域に立ち入る必要がないので、工事の安全性が向上する。
また本実施形態によれば、撮像装置Q1〜Q5の撮像対象領域IQ1〜IQ5は、把持部8で把持されるセグメントSPEに隣接する既設のセグメントSPの縁部を更に含む。これにより、既設のセグメントSPに対するセグメントSPEの状態を画像で把握することができる。
また本実施形態によれば、撮像装置Q1〜Q5の撮像対象領域IQ1〜IQ5は、距離センサP1〜P7の測定対象領域LP1〜LP7を含む。これにより、距離センサP1〜P7による目開き/目違い測定箇所を画像で確認することができる。
また本実施形態によれば、セグメント組立方法は、セグメント状態測定装置10を用いてセグメントSPを組み立てる方法である。この方法は、セグメント状態測定装置10の測定結果(例えば出力装置12の画面表示など)に基づいて、エレクター装置3の作動を修正することを含む。ゆえに、作業者が、例えば出力装置12の画面表示などを監視しつつ、前述の目開き及び目違いを最小化するようにエレクター装置3を操作することができる。
また本実施形態によれば、セグメント状態測定方法は、シールド掘進機1のエレクター装置3の把持部8で把持されるセグメントSPEの状態を測定する方法である。エレクター装置3には、把持部8で把持されるセグメントSPEの縁部α1〜α3と間隔を空けて対向する距離センサP1〜P7が設けられている。セグメント状態測定方法は、把持部8で把持されるセグメントSPEを既設のセグメントSPに近づけて(例えば、前述の組立工程の第1段階から第2段階にかけて)、距離センサP1〜P7により、把持部8で把持されるセグメントSPEの縁部α1〜α3と既設のセグメントSPの縁部との間の目開き量及び/又は目違い量を測定することを含む。ゆえに、セグメントSPEの状態の測定のために、作業員がエレクター装置3や前述の推進ジャッキの可動域に立ち入る必要がないので、工事の安全性が向上する。
本実施形態では、距離センサP1〜P7として、ラインレーザを用いるレーザ距離センサを挙げて説明したが、距離センサP1〜P7の構成はこれに限らない。例えば、距離センサP1〜P7として、CCDカメラやCMOSカメラなどからなる撮像装置を採用し、この撮像装置によって取得された画像データに基づいて測定対象領域LP1〜LP7における各種の距離測定(寸法測定)を行ってもよい。
本実施形態では、スキンプレート2及びセグメントリングSRの断面形状が円形である例を示したが、スキンプレート2及びセグメントリングSRの断面形状は円形に限らない。スキンプレート2及びセグメントリングSRの断面形状は例えば楕円形又は矩形であってもよい。
本実施形態では、泥土圧式のシールド掘進機1を用いて説明したが、シールド掘進機1の種類はこれに限らず、例えば、泥水式のシールド掘進機であってもよい。
図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
1…シールド掘進機、2…スキンプレート、2a…後部、3…エレクター装置、4…旋回リング、5…昇降ジャッキ、6…アーム、6a…中間部、7…軸方向ジャッキ、8…把持部、9…枠体、10…セグメント状態測定装置、11…制御装置、12…出力装置、13,14…信号線、IQ1〜IQ5…撮像対象領域、LP1〜LP7…測定対象領域、MC…中心軸、P1〜P7…距離センサ、Q1〜Q5…撮像装置、SP,SPE…セグメント、SR…セグメントリング、α1〜α4…縁部
Claims (6)
- シールド掘進機のエレクター装置の把持部で把持されるセグメントの状態を測定する装置であって、
前記エレクター装置に設けられて、前記把持されるセグメントの縁部と間隔を空けて対向する距離センサを備え、
前記距離センサの測定対象領域は、前記把持されるセグメントの縁部を含む、セグメント状態測定装置。 - 前記距離センサの測定対象領域は、前記把持されるセグメントに隣接する既設のセグメントの縁部を更に含む、請求項1に記載のセグメント状態測定装置。
- 前記距離センサは、前記把持されるセグメントの縁部と前記既設のセグメントの縁部との間の目開き量及び/又は目違い量を測定する、請求項2に記載のセグメント状態測定装置。
- 前記距離センサは、前記測定対象領域に向けてラインレーザを照射する照射部と、前記ラインレーザの反射光を受光する受光部とを備える、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のセグメント状態測定装置。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のセグメント状態測定装置を用いてセグメントを組み立てる方法であって、
前記セグメント状態測定装置の測定結果に基づいて、前記エレクター装置の作動を修正することを含む、セグメント組立方法。 - シールド掘進機のエレクター装置の把持部で把持されるセグメントの状態を測定する方法であって、
前記エレクター装置には、前記把持されるセグメントの縁部と間隔を空けて対向する距離センサが設けられており、
前記方法は、前記把持されるセグメントを既設のセグメントに近づけて、前記距離センサにより、前記把持されるセグメントの縁部と前記既設のセグメントの縁部との間の目開き量及び/又は目違い量を測定することを含む、
セグメント状態測定方法。
Priority Applications (1)
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-
2019
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