JP5969964B2 - シールド掘進機のテールクリアランス測定方法、及び、セグメントリングの真円度把握方法 - Google Patents
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Description
シールド工法ではシールド掘進機が用いられる。シールド掘進機は、例えば、掘進機本体の外殻をなす筒状のスキンプレートと、このスキンプレートの前端部(切羽側端部)に設けられて地山を掘削するカッタヘッドと、スキンプレートの内側に設けられる推進ジャッキとを備える。
本発明の第3態様では、掘進機本体の後部の外殻をなし、かつ、内方でセグメントが組み立てられてセグメントリングが構築される筒状のテール部と、掘進機本体に固定されてテール部の内方に位置する距離センサと、を含んで構成されるシールド掘進機を用いてセグメントリングの真円度を把握する方法として、テール部内でセグメントリングを構築する工程と、距離センサを用いて、テール部内の基準位置からセグメントリングの内面までの距離を測定する工程と、測定されたテール部内の基準位置からセグメントリングの内面までの距離に基づいてセグメントリングの真円度を把握する工程と、を含む。
図1は、本発明の第1実施形態における推進ジャッキ短縮時のシールド掘進機の概略構成を示す。図2は、推進ジャッキ伸長時のシールド掘進機の概略構成を示す。図3は、図1のI−I断面図である。尚、図3においては、図示の簡略化のため、後述するエレクター及びセグメントリングの図示を省略している。
また、本実施形態では、いわゆる泥土圧式のシールド掘進機を例にとってシールド掘進機の構成を説明するが、シールド掘進機の種類はこれに限らない。
カッタヘッド7は前胴3の前端部に配置されている。シールド隔壁8は、カッタヘッド7の後方に離間して前胴3に配置されている。
カッタヘッド7は、シールド隔壁8に回転自在に支持されており、シールド隔壁8の後面に設置された駆動用モータ9を駆動源として、回転しながら地山を掘削する。
カッタチャンバ10内では、カッタヘッド7による掘削で生じた掘削土砂が滞留する。
中折れジャッキ11は、シリンダ11aとロッド11bとにより構成される油圧ジャッキである。シリンダ11aは、その一端が後胴4の前部に固定されており、他端側にて、ロッド11bが進出・退入可能となっている。中折れジャッキ11のロッド11bは、その先端部が、前胴3の後部に固定されている。シールド掘進機1の掘進方向の変更・調整時には、各中折れジャッキ11の伸長量が変更・調整される。
エレクター12は把持部12aを備える。エレクター12は、スキンプレート6の後部60(テール部)の内方にて、円弧状断面を有するセグメント13を把持部12aで把持しつつ、セグメント13をトンネル軸方向、径方向、周方向に適宜移動させることができる。エレクター12は、スキンプレート6の後部60(テール部)の内方にて、その周方向にセグメント13を組み立てて、円筒状のセグメントリング14を構築する。
推進ジャッキ15は、シリンダ15aとロッド15bとにより構成される油圧ジャッキである。シリンダ15aは、その一端側が後胴4に固定されており、他端側にて、ロッド15bが進出・退入可能となっている。推進ジャッキ15のロッド15bの先端部を既設のセグメントリング14に当接させた状態で推進ジャッキ15を伸長作動させることにより、シールド掘進機1(掘進機本体2)は推進力を得ることができる。それゆえ、推進ジャッキ15は、既設のセグメントリング14をスキンプレート6の後部60(テール部)の後方を押し出して、その反力により、シールド掘進機1(掘進機本体2)を前方に推進させることができる。
スクリューコンベヤ16は、シールド隔壁8に固定された円筒状のケース17とその内部に組み込まれたオーガ18とからなり、オーガ18を回転させることにより、カッタチャンバ10内の掘削土砂をシールド隔壁8の後方に搬出する。
足場20の本体をなすフレーム部21は、機軸MCに沿うように延在し、平面視で略矩形状を有する上フレーム21a及び下フレーム21bと、下フレーム21bの左右両側より立ち上がって各々の上端が上フレーム21aに固定された複数の柱部材21cと、両端が上フレーム21aの左右両側に連結された複数のビーム部材21dと、両端が下フレーム21bの左右両側に連結された複数のビーム部材21eと、により構成されている。
図3に示すように、8個の距離センサ31は、フレーム部21の左側面上部、左側面中央部、左側面下部、上面中央部、下面中央部、右側面上部、右側面中央部、及び、右側面下部にそれぞれ配置されている。それゆえ、本実施形態では、8個の距離センサ31が、スキンプレート6の後部60(テール部)の内方にて、その周方向に互いに間隔を空けて配置されている。
距離センサ31にて測定された、測定対象までの距離に対応する信号は、後述する信号線41を介して、制御装置42に伝達される。
距離センサ31は、信号線41を介して、制御装置42に接続されている。入力装置43は、信号線46を介して、制御装置42に接続されている。出力装置44は、信号線47を介して、制御装置42に接続されている。
制御装置42は、記憶部48、距離算出部49、及び、テールクリアランス値算出部50を備える。
図5は、本実施形態におけるテールクリアランスの測定方法を示すフローチャートである。
ステップS2では、エレクター12を作動させて、スキンプレート6の後部60(テール部)の内方にて、その周方向にセグメント13を組み立てて、セグメントリング14を構築する(図1参照)。
算出された距離Dsは、リング番号に対応付けられて、記憶部48に格納される。
算出された距離Dtは、リング番号に対応付けられて、記憶部48に格納される。
図7(A)は、上記第2例を示す表であり、図7(B)は、上記第2例におけるテールクリアランス値Ctの分布と、セグメントリング14の偏心度合いとを示す図である。
尚、図6及び図7に示す誤差εは、テールクリアランス設計値Ctsからテールクリアランス測定値(測定されたテールクリアランス値)Ctを差し引いた値である。
上述の第1実施形態と異なる点について説明する。
算出された距離Dtは、リング番号に対応付けられて、記憶部48に格納される。
ステップS15では、エレクター12を作動させて、スキンプレート6の後部60(テール部)の内方にて、その周方向にセグメント13を組み立てて、セグメントリング14を構築する(図1参照)。
算出された距離Dsは、リング番号に対応付けられて、記憶部48に格納される。
上述の第1及び第2実施形態と異なる点について説明する。
距離センサ32bは、フレーム部21の下面中央部に配置されている。
距離センサ32aは、その本体部33と、反射器34と、回転機構35とを備える。
距離センサ32aの本体部33は、機軸方向に沿うようにレーザー光を照射する。反射器34は、本体部33からのレーザー光を90°反射させて、その反射光を、スキンプレート6の後部60内(テール部内)にて径方向外側に向かわせる。距離センサ32aの本体部33は、反射器34からの反射光が測定対象との間を往復する時間と光速度とに基づいて、距離センサ32から測定対象までの距離を算出することができる。
距離測定不可能範囲N1は、距離センサ32aの反射器34からのレーザー光が足場20によって遮られる範囲である。
このようにして、2個の距離センサ32a、32bの距離測定可能範囲M1、M2を組み合わせることにより、スキンプレート6の後部60(テール部)の全周のうちの大部分を距離測定可能範囲としてカバーすることができる。
距離センサ32a、32bの各々にて測定された、測定対象までの距離に対応する信号は、その測定時の各距離センサの回転機構35の回転角に対応する信号と共に、信号線41を介して、制御装置42に伝達される。
2 掘進機本体
3 前胴
4 後胴
5、6 スキンプレート
7 カッタヘッド
8 シールド隔壁
9 駆動用モータ
10 カッタチャンバ
11 中折れジャッキ
11a シリンダ
11b ロッド
12 エレクター
12a 把持部
13 セグメント
14 セグメントリング
15 推進ジャッキ
15a シリンダ
15b ロッド
16 スクリューコンベヤ
17 ケース
18 オーガ
20 足場
21 フレーム部
21a 上フレーム
21b 下フレーム
21c 柱部材
21d,21e ビーム部材
22 セグメント供給装置
31、32a、32b 距離センサ
33 本体部
34 反射器
34a レーザー反射点
35 回転機構
41 信号線
42 制御装置
43 入力装置
44 出力装置
45 運転管理室
46、47 信号線
48 記憶部
49 距離算出部
50 テールクリアランス値算出部
60 後部
Claims (10)
- 掘進機本体の後部の外殻をなし、かつ、内方でセグメントが組み立てられてセグメントリングが構築される筒状のテール部と、前記掘進機本体に設けられて前記掘進機本体を前方に推進する推進ジャッキと、前記掘進機本体に固定されて前記テール部の内方に位置する距離センサと、を含んで構成されるシールド掘進機のテールクリアランスを測定する方法であって、
前記推進ジャッキを短縮して前記テール部内で前記セグメントリングを構築する工程と、
前記距離センサを用いて、前記テール部内の基準位置から前記セグメントリングの内面までの距離を測定する工程と、
前記推進ジャッキを伸長して前記セグメントリングを前記テール部の後方に押し出してその反力により前記掘進機本体を前方に推進する工程と、
前記距離センサを用いて、前記テール部内の基準位置から前記テール部の内面までの距離を測定する工程と、
測定された前記テール部内の基準位置から前記テール部の内面までの距離と、測定された前記テール部内の基準位置から前記セグメントリングの内面までの距離と、に基づいて、テールクリアランス値を算出する工程と、
測定された前記テール部内の基準位置から前記セグメントリングの内面までの距離に基づいて前記セグメントリングの真円度を把握する工程と、
を含む、シールド掘進機のテールクリアランス測定方法。 - 掘進機本体の後部の外殻をなし、かつ、内方でセグメントが組み立てられてセグメントリングが構築される筒状のテール部と、前記掘進機本体に設けられて前記掘進機本体を前方に推進する推進ジャッキと、前記掘進機本体に固定されて前記テール部の内方に位置する距離センサと、を含んで構成されるシールド掘進機のテールクリアランスを測定する方法であって、
前記推進ジャッキを伸長して前記セグメントリングを前記テール部の後方に押し出してその反力により前記掘進機本体を前方に推進する工程と、
前記距離センサを用いて、前記テール部内の基準位置から前記テール部の内面までの距離を測定する工程と、
前記推進ジャッキを短縮して前記テール部内で前記セグメントリングを構築する工程と、
前記距離センサを用いて、前記テール部内の基準位置から前記セグメントリングの内面までの距離を測定する工程と、
測定された前記テール部内の基準位置から前記テール部の内面までの距離と、測定された前記テール部内の基準位置から前記セグメントリングの内面までの距離と、に基づいて、テールクリアランス値を算出する工程と、
測定された前記テール部内の基準位置から前記セグメントリングの内面までの距離に基づいて前記セグメントリングの真円度を把握する工程と、
を含む、シールド掘進機のテールクリアランス測定方法。 - 前記基準位置は前記シールド掘進機の機軸上に位置する、請求項1又は請求項2に記載のシールド掘進機のテールクリアランス測定方法。
- 複数の前記距離センサが、前記テール部の内方にて、前記テール部の周方向に互いに間隔を空けて配置されている、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のシールド掘進機のテールクリアランス測定方法。
- 前記距離センサは、レーザー光を測定対象に向けて照射して前記測定対象までの距離を測定するレーザー距離センサである、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のテールクリアランス測定方法。
- 前記距離センサは、レーザー光の照射方向を変更可能に構成されている、請求項5に記載のテールクリアランス測定方法。
- 掘進機本体の後部の外殻をなし、かつ、内方でセグメントが組み立てられてセグメントリングが構築される筒状のテール部と、前記掘進機本体に固定されて前記テール部の内方に位置する距離センサと、を含んで構成されるシールド掘進機を用いて前記セグメントリングの真円度を把握する方法であって、
前記テール部内で前記セグメントリングを構築する工程と、
前記距離センサを用いて、前記テール部内の基準位置から前記セグメントリングの内面までの距離を測定する工程と、
測定された前記テール部内の基準位置から前記セグメントリングの内面までの距離に基づいて前記セグメントリングの真円度を把握する工程と、
を含む、セグメントリングの真円度把握方法。 - 複数の前記距離センサが、前記テール部の内方にて、前記テール部の周方向に互いに間隔を空けて配置されている、請求項7に記載のセグメントリングの真円度把握方法。
- 2個の前記距離センサが、前記テール部の内方にて、前記テール部の周方向に互いに間隔を空けて配置されており、
前記2個の前記距離センサの距離測定可能範囲を組み合わせることにより、前記セグメントリングの真円度を把握する、請求項7に記載のセグメントリングの真円度把握方法。 - 前記距離センサは、レーザー光を前記セグメントリングの内面に向けて照射して前記セグメントリングの内面までの距離を測定するレーザー距離センサであり、かつ、レーザー光の照射方向を変更可能に構成されている、請求項7〜請求項9のいずれか1つに記載のセグメントリングの真円度把握方法。
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