JP2021092047A - 地盤改良構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造物の不同沈下を抑制しつつ、構造物の基礎の施工性を向上することを目的とした地盤改良構造を提供する。【解決手段】地盤10の液状化層10Bに平面視にて格子状に形成されるとともに、下端部32L,34Lが液状化層の下の圧密沈下層10Cに達し、地盤に設けられる直接基礎構造の構造物20を支持する格子状地盤改良体30を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、地盤改良構造に関する。
地盤の液状化層に平面視にて格子状に形成され、地震時における液状化層の液状化を抑制する格子状地盤改良体が知られている(例えば特許文献1,2参照)。
特開2013−129980号公報 特開2009−150075号公報
ところで、液状化層の下に圧密沈下層が存在する地盤上に構造物を構築する場合、圧密沈下層の圧密沈下によって構造物が不同沈下する可能性がある。
この対策として、例えば、液状化層に格子状地盤改良体を形成しつつ、構造物を杭で支持することが考えられる。
しかしながら、杭は、格子状地盤改良体と工種が異なるため、施工に手間がかかる。
本発明は、上記の事実を考慮し、構造物の不同沈下を抑制しつつ、構造物の基礎の施工性を向上することを目的とする。
請求項1に記載の地盤改良構造は、地盤の液状化層に平面視にて格子状に形成されるとともに、下端部が前記液状化層の下の圧密沈下層に達し、前記地盤に設けられる直接基礎構造の構造物を支持する格子状地盤改良体を備える。
請求項1に係る地盤改良構造によれば、地盤の液状化層には、格子状地盤改良体が形成される。格子状地盤改良体は、平面視にて、格子状に形成される。この格子状地盤改良体によって、地震時における液状化層の変形が拘束される。したがって、液状化層の液状化が抑制される。
また、格子状地盤改良体の下端部は、液状化層の下の圧密沈下層に達している。これにより、地盤に設けられる直接基礎構造の構造物の鉛直荷重が、格子状地盤改良体を介して圧密沈下層に伝達される。この際、構造物の鉛直荷重に対して、格子状地盤改良体がせん断剛性で抵抗する。この結果、例えば、構造物の底面が、全体として下方へ凸状にたわむ不同沈下が抑制される。そのため、本発明では、構造物を直接基礎構造とし、構造物を支持する杭を省略することができる。したがって、構造物の基礎の施工性が向上する。
このように本発明では、構造物の不同沈下を抑制しつつ、構造物の基礎の施工性を向上させることができる。
請求項2に記載の地盤改良構造は、請求項1に記載の地盤改良構造において、前記格子状地盤改良体は、前記構造物の不同沈下量を所定値以下にするせん断剛性を有する。
請求項2に係る地盤改良構造によれば、格子状地盤改良体は、構造物の不同沈下量を所定値以下にするせん断剛性を有する。これにより、杭で構造物を支持せずに、構造物の不同沈下量を所定値以下にすることができる。
請求項3に記載の地盤改良構造は、請求項1又は請求項2に記載の地盤改良構造において、前記格子状地盤改良体は、前記構造物よりも外側へ跳ね出す跳出し部を有する。
請求項3に係る地盤改良構造によれば、格子状地盤改良体は、跳出し部を有する。跳出し部は、構造物よりも外側へ跳ね出している。
ここで、液状化層の下に圧密沈下層がある場合、例えば、構造物の一端側が他端側よりも沈下し、構造物が斜めに傾くように不同沈下することが想定される。このような場合、構造物の一端側に跳出し部を設け、当該跳出し部によって構造物の一端側を支持することにより、構造物の一端側の沈下量が低減される。したがって、上記のように、構造物が斜めに傾くような不同沈下が抑制される。
請求項4に記載の地盤改良構造は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の地盤改良構造において、前記格子状地盤改良体は、下端部が前記圧密沈下層に達する外周壁部と、前記外周壁部の内側を仕切る仕切壁部と、を有し、前記仕切壁部の下端部の少なくとも一部は、前記外周壁部の前記下端部よりも上側に位置する。
請求項4に係る地盤改良構造によれば、格子状地盤改良体は、下端部が圧密沈下層に達する外周壁部と、外周壁部の内側を仕切る仕切壁部とを有する。この仕切壁部の下端部の少なくとも一部は、外周壁部の下端部よりも上側に位置する。
ここで、格子状地盤改良体は、地盤に設けられた構造物と共に沈下する。これにより、構造物から、格子状地盤改良体の内側の地盤に伝達される鉛直荷重が増加する。この結果、格子状地盤改良体の内側の地盤の鉛直有効応力が増加するため、構造物及び格子状地盤改良体の沈下前と比較して、液状化層が液状化し難くなる。
また、格子状地盤改良体の内側の地盤の鉛直有効応力は、格子状地盤改良体の上端から下端に向かうに従って大きくなる。そのため、液状化層は、格子状地盤改良体の上端から下端に向かうに従って液状化し難くなる。したがって、格子状地盤改良体の下部では、格子状地盤改良体の上部よりも、液状化層の液状化を抑制するために必要な仕切壁部の間隔が広くなる。
そこで、本発明では、前述したように、仕切壁部の下端部の少なくとも一部を外周壁部の下端部よりも上側に位置させ、格子状地盤改良体の下部において、隣り合う仕切壁部等の間隔を広げている。これにより、液状化層の液状化を抑制しつつ、液状化層の改良コストを合理的に削減することができる。
以上説明したように、本発明によれば、構造物の不同沈下を抑制しつつ、構造物の基礎の施工性を向上することができる。
第一実施形態に係る地盤改良構造が適用された地盤、及び地盤上に設けられた構造物を示す縦断面図である。 (A)は、図1の2A−2A線断面図であり、(B)は、図2(A)の一部拡大断面図である。 実施例に係る格子状地盤改良体及び地盤の解析モデルを示す平面図である。 実施例に係る格子状地盤改良体及び地盤の解析モデルを示す縦断面図である。 実施例及び比較例に係る構造物の不同沈下量の解析結果を示すグラフである。 第二実施形態に係る地盤改良構造が適用された地盤、及び地盤上に設けられた構造物を示す縦断面図である。 実施例に係る液状化層の鉛直有効応力の解析結果を示すグラフである。 第三実施形態に係る地盤改良構造が適用された地盤、及び地盤上に設けられた構造物を示す縦断面図である。 図8の9−9線断面図である。 第三実施形態における跳出し部の変形例を示す図8に対応する縦断面図である。
(第一実施形態)
先ず、第一実施形態について説明する。
図1には、本実施形態に係る地盤改良構造が適用された地盤10、及び地盤10上に設けられた構造物20が示されている。
(地盤)
地盤10は、一例として、地表から順に、表層10A、液状化層10B、圧密沈下層10C、及び支持層10Dを有している。表層10Aは、例えば、埋土層や砂礫層等を含んで構成されており、液状化及び圧密沈下の可能性が低い層とされている。この表層10Aの下には、液状化層10Bが形成されている。
液状化層10Bは、例えば、砂分を主体として粘性土及びシルトが混在する軟弱層によって構成されており、所定規模以上の地震時に、液状化の可能性がある層とされる。この液状化層10Bの下には、圧密沈下層10Cが形成されている。
圧密沈下層10Cは、例えば、軟弱な粘性土によって構成されており、構造物20の鉛直荷重Nによって圧密沈下の可能性がある層とされる。また、格子状地盤改良体30に生じる鉛直荷重Nの集中荷重によって圧密沈下の可能性がある層でも良い。この圧密沈下層10Cの下には、支持層10Dが形成されている。支持層10Dは、構造物20の鉛直荷重Nを支持可能な剛性及び強度を有する層とされる。
(構造物)
構造物20は、直接基礎構造(地盤改良直接基礎構造)とされている。具体的には、構造物20は、直接基礎(ベタ基礎)の一例としての基礎スラブ22と、基礎スラブ22の上に設けられた構造物本体24とを有している。
なお、直接基礎は、基礎スラブ22等のベタ基礎に限らず、布基礎や独立基礎等であっても良い。また、本実施形態における直接基礎構造は、直接基礎と杭基礎を併用したパイル・ドラフト基礎を含まない。
(地盤改良構造)
地盤改良構造は、地震時における液状化層10Bの液状化を抑制する格子状地盤改良体30を備えている。図2(A)に示されるように、格子状地盤改良体30は、平断面視(平面視)にて格子状に形成されている。この格子状地盤改良体30は、外周壁部32と、複数の仕切壁部34とを有している。
外周壁部32は、平面視にて矩形状に形成されており、構造物20(基礎スラブ22)の外周部を支持している。この外周壁部32の内側には、複数の仕切壁部34が配置されている。これらの仕切壁部34によって、外周壁部32の内側が格子状に仕切られている。
なお、図2(A)には、構造物20(基礎スラブ22)の外形が二点鎖線で示されている。また、本実施形態の外周壁部32は、構造物20の外周部の真下に形成されており、構造物20よりも外側に配置されていない。
図2(B)に示されるように、仕切壁部34は、例えば、ソイルセメント連続壁工法によって形成されている。各仕切壁部34は、壁状に連続する複数の柱状改良体36を有している。
柱状改良体36は、例えば、掘削オーガによって地盤10(図1参照)を掘削しながら、掘削オーガの先端部からセメントミルク等のセメント系固化材を地盤10に注入し、掘削土とセメント系固化材とを地盤10中で撹拌、混合して固化させることにより造成される。
なお、外周壁部32は、仕切壁部34と同様に、例えば、ソイルセメント連続壁工法によって形成されており、壁状に連続する複数の柱状改良体を有している。
図1に示されるように、格子状地盤改良体30は、構造物20の基礎スラブ22の真下の地盤10に形成されており、基礎スラブ22を支持している。また、格子状地盤改良体30は、地盤10の表層10Aから圧密沈下層10Cに渡って形成されている。この格子状地盤改良体30によって、地震時における液状化層10Bの変形(せん断変形)が拘束される。
なお、格子状地盤改良体30の外周壁部32及び仕切壁部34の壁厚、せん断剛性、及び間隔等は、所定規模以上の地震時に、液状化層10Bの液状化を抑制可能に設定されている。
格子状地盤改良体30の下端部は、圧密沈下層10Cに達している。より具体的には、格子状地盤改良体30の外周壁部32及び複数の仕切壁部34の下端部32L,34Lは、圧密沈下層10Cに根入れされている。これにより、構造物20の鉛直荷重Nが、格子状地盤改良体30を介して圧密沈下層10Cに伝達される。換言すると、構造物20は、格子状地盤改良体30を介して圧密沈下層10Cに支持されている。
なお、格子状地盤改良体30の下端部32L,34Lは、圧密沈下層10Cに必ずしも根入れする必要はなく、圧密沈下層10Cに達していれば良い。
格子状地盤改良体30の下端部32L,34Lは、支持層10Dには達していない。これにより、構造物20の鉛直荷重Nに応じて、格子状地盤改良体30が圧密沈下層10Cに沈下可能とされている。また、格子状地盤改良体30は、図1に二点鎖線にて示されるように、構造物20(基礎スラブ22)の底面22Lが全体として下方へ凸状にたわむ不同沈下量が所定値以下(基準値以下)になるように、所定値以上のせん断剛性を有している。
(作用)
次に、第一実施形態の作用について説明する。
本実施形態によれば、地盤10の液状化層10Bには、格子状地盤改良体30が形成されている。格子状地盤改良体30は、平面視にて、格子状に形成されている。この格子状地盤改良体30によって、地震時における液状化層10Bの変形(せん断変形)が拘束される。したがって、液状化層10Bの液状化が抑制される。
また、格子状地盤改良体30の下端部32L,34Lは、液状化層10Bの下の圧密沈下層10Cに達している。これにより、構造物20の鉛直荷重Nが、格子状地盤改良体30を介して圧密沈下層10Cに伝達される。この際、構造物20の鉛直荷重Nに対して、格子状地盤改良体30がせん断剛性で抵抗する。
この結果、図1に二点鎖線で示されるように、構造物20の底面22Lが全体として下方へ凸状にたわむ不同沈下が抑制される。そのため、本実施形態では、構造物20を直接基礎構造とし、構造物20を支持する杭を省略することができる。したがって、構造物20の基礎の施工性が向上する。
このように本実施形態では、構造物20の不同沈下を抑制しつつ、構造物20の基礎の施工性を向上させることができる。
特に、本実施形態における格子状地盤改良体30は、構造物20の不同沈下量を所定値以下にするせん断剛性を有している。これにより、杭で構造物20を支持せずに、構造物20の不同沈下量を所定値以下にすることができる。
(不同沈下量の解析)
次に、構造物の不同沈下量の解析について説明する。
本解析では、実施例として、格子状地盤改良体30によって支持された構造物20の底面22Lが全体として下方へ凸状にたわむ不同沈下量を3D−FEM(Finite Element Method)解析によって解析した。また、比較例として、格子状地盤改良体30によって支持されていない構造物20の底面22Lが全体として下方へ凸状にたわむ不同沈下量を3D−FEM解析によって解析した。
(解析モデル)
図3及び図4には、実施例に係る格子状地盤改良体30及び地盤10の解析モデルが示されている。格子状地盤改良体30は、φ1000mmの球体によって分割したソリッド要素によりモデル化した。なお、格子状地盤改良体30のせん断剛性は、約660MN/mである。また、図示を省略するが、基礎スラブ22は、厚さ0.6mのシェル要素によってモデル化し、地盤10及び格子状地盤改良体30との節点を共有とした。
図4に示されるように、格子状地盤改良体30上の厚さ2mの埋土(領域K)は除去した。また、圧密沈下層10Cに対する格子状地盤改良体30の下端部の根入れ深さは、1.75mとした。さらに、圧密沈下層10Cには、修正Cam−Clayモデルを適用した。
なお、図示を省略するが、比較例における地盤10は、格子状地盤改良体30が形成されていない点で、実施例における地盤10と相違する。
(解析結果)
図5には、格子状地盤改良体30で支持された実施例に係る構造物20の底面22Lの不同沈下量の解析結果が示されている。また、図5には、格子状地盤改良体30で支持されていない比較例に係る構造物20の底面22Lの不同沈下量の解析結果が示されている。
なお、図5に示されるグラフの横軸は、平面視にて、構造物20の長手方向の一端から解析点までの距離Xm(図3参照)である。また、図5に示されるグラフの縦軸は、解析点での構造物20の底面22Lの沈下量(cm)である。
図5から分かるように、実施例に係る構造物20の底面22Lの沈下量は、全ての解析点において、比較例に係る構造物20の底面22Lの沈下量よりも小さくなっている。このことから、構造物20の不同沈下に対する格子状地盤改良体30の有効性が確認された。
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態において、第一実施形態と同じ構成の部材等には、同符号を付して説明を適宜省略する。
図6には、本実施形態に係る地盤改良構造が適用された地盤10、及び地盤10上に設けられた構造物20が示されている。
(地盤改良構造)
地盤改良構造は、格子状地盤改良体30を備えている。格子状地盤改良体30は、外周壁部32と、複数の仕切壁部34とを有している。
格子状地盤改良体30の外周壁部32の下端部32Lは、圧密沈下層10Cに根入れされている。一方、格子状地盤改良体30の仕切壁部34の下端部34Lは、外周壁部32の下端部32Lよりも上側に位置している。つまり、仕切壁部34の改良深度は、外周壁部32の改良深度よりも浅く、仕切壁部34の下端部34Lは、圧密沈下層10Cに達していない。これにより、格子状地盤改良体30の下部では、格子状地盤改良体30の上部と比較して、液状化層10Bの拘束力が小さくなっている。
(作用)
次に、第二実施形態の作用について説明する。
本実施形態によれば、格子状地盤改良体30は、液状化層10Bに形成された外周壁部32及び複数の仕切壁部34を有している。外周壁部32の下端部32Lは、圧密沈下層10Cに達している。この外周壁部32の内側は、複数の仕切壁部34によって仕切られている。複数の仕切壁部34の下端部34Lは、外周壁部32の下端部32Lよりも上側に位置されており、圧密沈下層10Cに達していない。
ここで、格子状地盤改良体30は、構造物20と共に沈下する。これにより、構造物20から格子状地盤改良体30の液状化層10Bに伝達される鉛直荷重Nが増加する。この結果、格子状地盤改良体30の内側の液状化層10Bの鉛直有効応力が増加する。したがって、構造物20及び格子状地盤改良体30の沈下後は、沈下前と比較して、液状化層10Bが液状化し難くなる。
また、格子状地盤改良体30の内側の液状化層10Bの鉛直有効応力は、後述する液状化層10Bの鉛直有効応力の解析結果から分かるように、格子状地盤改良体30の上端から下端に向かうに従って大きくなる。そのため、液状化層10Bは、格子状地盤改良体30の上端から下端に向かうに従って液状化し難くなる。したがって、格子状地盤改良体30の下部では、格子状地盤改良体30の上部よりも、液状化層10Bの液状化を抑制するために必要な拘束力が小さくなる。
そこで、本実施形態では、格子状地盤改良体30の下部において、複数の仕切壁部34の下端部34Lを外周壁部32の下端部32Lよりも上側に位置させ、格子状地盤改良体30の上部と比較して、液状化層10Bの拘束力を小さくしている。これにより、液状化層10Bの液状化を抑制しつつ、液状化層10Bの改良コストを合理的に削減することができる。
なお、本実施形態では、全ての仕切壁部34の下端部34Lが、外周壁部32の下端部32Lよりも上側に位置されている。しかし、複数の仕切壁部34のうち、少なくも1つの仕切壁部34の下端部34Lを、外周壁部32の下端部32Lよりも上側に位置させても良い。また、例えば、仕切壁部34の下端部34Lの一部を、外周壁部32の下端部32Lよりも上側に位置させることも可能である。
(液状化層の鉛直有効応力の解析)
次に、液状化層10Bの鉛直有効応力の解析について説明する。
本解析では、構造物20及び格子状地盤改良体30の不同沈下量を3D−FEM解析によって解析するとともに、液状化層10Bの鉛直有効応力を求めた。
(解析モデル)
図3及び図4には、本実施形態に係る格子状地盤改良体30及び地盤10の解析モデルが示されている。格子状地盤改良体30及び地盤10の解析モデルは、第一実施形態で説明した格子状地盤改良体30及び地盤10の解析モデルと同じである。
(解析結果)
図7には、液状化層10Bの鉛直有効応力の解析結果が示されている。本解析では、深度が異なる3つの解析点(深度:−11.6m、−14.1m、−16.6m)において、鉛直有効応力を求めた。
ここで、構造物20から格子状地盤改良体30及び地盤10に作用する鉛直荷重Nは、構造物20が完成するまで徐々に増加し、構造物20の完成後に略一定となる。そのため、本解析は、構造物20の鉛直荷重Nの変動を考慮して解析を行った。
図7に示されるグラフの横軸は、時間であり、構造物20が存在しない初期状態から、液状化層10Bの圧密が完了するまで(液状化層10Bの圧密沈下量が最大値に達するまで)解析を行った。また、図7に示されるグラフの縦軸は、各解析点における液状化層10Bの鉛直有効応力である。
図7から分かるように、各解析点において、構造物20が完成するまで液状化層10Bの鉛直有効応力が徐々に増加し、構造物20の完成後は、鉛直有効応力(kN/m)が略一定となっている。
また、図7から分かるように、解析点の深度が深くなるに従って、鉛直有効応力の増加量G(=液状化層10Bの圧密完了時の鉛直有効応力−初期状態の鉛直有効応力)が大きくなる。つまり、液状化層10Bの鉛直有効応力は、格子状地盤改良体30の上端から下端に向かうに従って大きくなる。
この結果、液状化層10Bは、格子状地盤改良体30の上端から下端に向かうに従って液状化し難くなる。このことから、格子状地盤改良体30の下部では、格子状地盤改良体30の上部よりも、液状化層10Bの液状化を抑制するために必要な拘束力が小さくなることが分かる。したがって、上記実施形態のように、格子状地盤改良体30の仕切壁部34の下端部34Lを、外周壁部32の下端部32Lよりも上側に位置させることができる。
(第三実施形態)
次に、第三実施形態について説明する。なお、第三実施形態において、第一実施形態及び第二実施形態と同じ構成の部材等には、同符号を付して説明を適宜省略する。
図8には、本実施形態に係る地盤改良構造が適用された地盤10、及び地盤10上に設けられた構造物20が示されている。
(地盤改良構造)
地盤改良構造は、格子状地盤改良体40を備えている。格子状地盤改良体40は、本体部40A及び跳出し部40Bを有している。本体部40Aは、構造物20の真下に配置されており、構造物20の基礎スラブ22を支持している。
図9に示されるように、本体部40Aは、外周壁部41及び複数の仕切壁部42と有している。外周壁部41は、格子状地盤改良体40の外周部に沿って配置され、後述する跳出し部40Bの外周壁部44と接続されている。複数の仕切壁部42は、外周壁部41,44の内側を仕切っている。
跳出し部40Bは、平面視にて、構造物20の短手方向(矢印S方向)の両側にそれぞれ設けられている。各跳出し部40Bは、平面視にて、構造物20の基礎スラブ22よりも外側へ跳ね出している。なお、構造物20の長手方向(矢印L方向)の両側には、跳出し部40Bが設けられていない。
跳出し部40Bは、外周壁部44及び複数の仕切壁部46を有している。外周壁部44は、格子状地盤改良体40の外周部に沿って配置されており、本体部40Aの外周壁部41と接続されている。複数の仕切壁部46は、本体部40Aの仕切壁部42と接続されており、仕切壁部42と共に外周壁部41,44の内側を仕切っている。
図8に示されるように、格子状地盤改良体40は、地盤10の表層10Aから圧密沈下層10Cに渡って形成されている。この格子状地盤改良体40によって、地震時における液状化層10Bの変形(せん断変形)が拘束される。これにより、地震時における液状化層10Bの液状化が抑制されている。
また、格子状地盤改良体40の下端部は、圧密沈下層10Cに達している。これにより、構造物20の鉛直荷重Nが、格子状地盤改良体40を介して圧密沈下層10Cに伝達される。換言すると、構造物20は、格子状地盤改良体40を介して圧密沈下層10Cに支持されている。
格子状地盤改良体40の下端部は、支持層10Dには達していない。これにより、構造物20の鉛直荷重Nに応じて、格子状地盤改良体40が圧密沈下層10Cに沈下可能とされている。また、格子状地盤改良体40は、構造物20(基礎スラブ22)の底面22Lが全体として下方へ凸状にたわむ不同沈下量が所定値以下(基準値以下)になるように、所定値以上のせん断剛性を有している。
(作用)
次に、第三実施形態の作用について説明する。
図8及び図9に示されるように、本実施形態によれば、格子状地盤改良体40は、跳出し部40Bを有している。跳出し部40Bは、構造物20よりも外側へ跳ね出している。
ここで、液状化層10Bの下に圧密沈下層10Cがある場合、例えば、構造物20の一端20E1側が他端20E2側よりも沈下し、構造物20が斜めに傾くように不同沈下することが想定される。このような場合、例えば、構造物20の一端20E1側の液状化層に跳出し部40Bを設け、当該跳出し部40Bによって構造物20の一端20E1側を支持することにより、構造物20の一端20E1側の沈下量が低減される。したがって、上記のように、構造物20が斜めに傾くような不同沈下が抑制される。
また、図9に示されるように、例えば、構造物20が平面視にて長方形状の場合、構造物20の長手方向(矢印L方向)よりも、構造物20の短手方向(矢印S方向)において、不同沈下が発生し易くなる。
そこで、本実施形態では、平面視にて、構造物20の短手方向(矢印S方向)の両側に跳出し部40Bを設けている。これにより、構造物20の短手方向において、構造物20が斜めに傾く不同沈下が抑制される。
なお、図10に示されるように、構造物20の外周部では、構造物20の鉛直荷重Nが地盤10の所定範囲R(例えば、縦断面視にて、構造物20の外周部から45度の範囲)に伝達される。この鉛直荷重Nの伝達範囲に応じて、跳出し部40Bを地盤10に形成しても良い。具体的には、縦断面視にて、跳出し部40Bの上端部40B1の深度が、構造物20から外側へ離れるに従って深くなるように跳出し部40Bを形成しても良い。
また、上記実施形態では、跳出し部40Bが、平面視にて、構造物20の短手方向の両側にそれぞれ設けられている。しかし、跳出し部40Bは、平面視にて、構造物20の短手方向の一方側にのみ設けても良い。また、跳出し部は、平面視にて、構造物20の長手方向の両側に設けても良く、また構造物20の長手方向の一方側のみに設けても良い。
また、上記実施形態では、跳出し部40Bが外周壁部44及び複数の仕切壁部46を有している。しかし、跳出し部40Bの構成は変更可能であり、例えば、第一実施形態において、格子状地盤改良体30の外周壁部32の壁厚を厚くすることにより、跳出し部を形成しても良い。
また、跳出し部40Bの跳ね出し量は、構造物20の不同沈下量に応じて、適宜変更可能である。なお、跳出し部40Bは、構造物20の不同沈下を抑制可能であれば良く、必ずしも地震時における液状化層10Bの液状化を抑制する必要はない。
(変形例)
次に、上記第一実施形態、第二実施形態、及び第三実施形態の変形例について説明する。なお、以下では、上記第一実施形態を例に各種の変形例について説明するが、これらの変形例は、上記第二実施形態及び第三実施形態にも適宜適用可能である。
上記実施形態に係る地盤改良構造は、地表から順に、表層10A、液状化層10B、圧密沈下層10C、及び支持層10Dを有する地盤10に適用されている。しかし、上記実施形態に係る地盤改良構造は、少なくとも液状化層10B及び圧密沈下層10Cを有する地盤に適用可能である。また、圧密沈下層10Cは、液状化層10Bの下方にあれば良く、例えば、液状化層10Bと圧密沈下層10Cとの間に他の層があっても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 地盤
10B 液状化層
10C 圧密沈下層
20 構造物
30 格子状地盤改良体
32 外周壁部
32L 下端部(格子状地盤改良体及び外周壁部の下端部)
34 仕切壁部
34L 下端部(格子状地盤改良体及び仕切壁部の下端部)
40 格子状地盤改良体
40B 跳出し部

Claims (4)

  1. 地盤の液状化層に平面視にて格子状に形成されるとともに、下端部が前記液状化層の下の圧密沈下層に達し、前記地盤に設けられる直接基礎構造の構造物を支持する格子状地盤改良体を備える地盤改良構造。
  2. 前記格子状地盤改良体は、前記構造物の不同沈下量を所定値以下にするせん断剛性を有する、
    請求項1に記載の地盤改良構造。
  3. 前記格子状地盤改良体は、前記構造物よりも外側へ跳ね出す跳出し部を有する、
    請求項1又は請求項2に記載の地盤改良構造。
  4. 前記格子状地盤改良体は、
    下端部が前記圧密沈下層に達する外周壁部と、
    前記外周壁部の内側を仕切る仕切壁部と、
    を有し、
    前記仕切壁部の下端部の少なくとも一部は、前記外周壁部の前記下端部よりも上側に位置する、
    請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の地盤改良構造。
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