JP6438711B2 - 斜面安定化構造 - Google Patents
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Description
このような斜面部の流動対策工としては、例えば、堆積物等に対して液状化対策工を施す方法や、堰堤等を嵩上げする方法が採用されている。
斜面において格子状の改良体を形成する場合には、斜面の勾配方向と平行および直交する向き(平面的に0度および90度の角度をなす向き)に、壁状の地盤改良を行うのが一般的である。
また、堰堤をかさ上げするには、嵩上げ用の材料(ロック材料や土材料)の調達等に費用がかかってしまう。
なお、前記改良体は、平面視V字状または円弧状に形成されているのが望ましい。
改良体は、原地盤と改良体との間に未改良の堆積物が介在することがないように、改良体の端部が原地盤にすり付くように形成されているため、改良体に作用する力を確実に地山に伝達できる。また、法面との密着性を確保しているため、有効面積(投影面積)に対して所定の軸力を地山に伝達することができる。
第一の実施形態では、図1の(a)および(b)に示すように、山間部等の沢地形の斜面(原地盤)上に堆積する堆積物10の安定化を図る斜面安定化構造1について説明する。
堆積物10は、斜面部11と平場部12とを有した状態で堆積されている。
斜面安定化構造1は、堰堤2と改良体3とを備えている。
本実施形態の堰堤2は、岩石を積み上げてなる、いわゆるロックフィルダムである。なお、堰堤2の構造は限定されるものではなく、例えば、土を盛りたてることにより形成する、いわゆるアースダムであってもよいし、コンクリートダムであってもよい。
改良体3は、原地盤Gに着底している。なお、改良体3は、原地盤Gに根入れされていてもよい。
また、本実施形態では、斜面部11の上端(斜面部11と平場部12との境界部)に、上端部改良体33が形成されている。なお、上端部改良体33は、必要に応じて形成すればよい。
すなわち、メイン改良体31の端部は、底面が原地盤Gの形状に応じて先端に向かうに従って高さが小さくなるように傾斜しているとともに、上面が原地盤Gの地表面に先端が一致するように形成されていることで、未改良部分が介在することなく、原地盤Gに当接している。
本実施形態では、複数のメイン改良体31が、基準線BLに沿って間隔をあけて配設されている。本実施形態では、複数のメイン改良体31の頂部同士を結ぶ線と、基準線BLとが同一直線状にある場合について説明するが、基準線BLの位置は限定されない。
すなわち、サブ改良体32は、下流側のメイン改良体31の頂部から上流側に延びるように形成されていることで、下流側のメイン改良体31と上流側のメイン改良体31とを連結している。
すなわち、改良体3は、上方から作用する堆積物10の滑動力および流動力(図中のP)を、軸圧縮力Nとして原地盤G(改良体3の端部がすり付く原地盤G)に伝達することで斜面の安定性を保持する。改良体3に作用する力Pによって、改良体3に軸圧縮力Nを作用させることで、改良体積(改良厚)を最小限に抑えることが可能となり、施工の手間や費用の低減化を図ることができる。
なお、図2の(b)に示す従来の改良体のように、平面的に、基準線BLに対して90°および0°格子状の改良体103を形成した場合には、滑動力または流動力Pを勾配直交方向(90°)の改良体により負担する構造となるため、改良体の強度または壁厚を大きくする必要がある。
第二の実施形態の斜面安定化構造1は、図3の(a)および(b)に示すように、堰堤2と改良体3とを備えている。堆積物10は、斜面部11と平場部12とを有した状態で堆積されている。
第二の実施形態の堰堤2の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
改良体3は、原地盤Gに着底している。なお、改良体3は、原地盤Gに根入れされていてもよい。
改良体3は、斜面を横断するとともに、端部が端部以外の部分よりも下流側において原地盤Gにすり付くように形成されている。
すなわち、改良体3の端部は、底面が原地盤Gの法面の形状に応じて先端に向かうに従って高さが小さくなるように傾斜していて、上面が原地盤Gの地表面に先端が一致するように形成されていることで、未改良部分が介在することなく、原地盤Gに当接している。
すなわち、改良体3は、その上方(上流側)から作用する堆積物10の滑動力および流動力Pを、軸圧縮力Nとして原地盤Gに伝達することで斜面の安定性を保持する。このように改良体3に作用する力Pによって改良体3に軸圧縮力を作用させることで、改良体積(改良厚)を最小限に抑えることが可能となり、施工の手間や費用の低減化を図ることができる。
堰堤は必要に応じて形成すればよい。
斜面の基準線に対する改良体の傾斜角は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
各改良体は、位置に応じて壁厚や強度を変化させてもよい。
10 堆積物
2 堰堤
3 改良体
31 メイン改良体
32 サブ改良体
Claims (3)
- 側部の地山形状が斜面下流方向に向かうに従って幅が狭くなる沢地形の斜面に堆積した堆積物を地盤改良することにより形成された壁状の改良体を備える斜面安定化構造であって、
前記改良体は、前記斜面の斜面勾配に沿う基準線と交差するように当該斜面を横断するとともに、端部が当該端部以外の部分よりも下流側において原地盤にすり付くように形成されていることを特徴とする、斜面安定化構造。 - 前記改良体が、平面視V字状を呈していることを特徴とする、請求項1に記載の斜面安定化構造。
- 前記改良体が、平面視円弧状を呈していることを特徴とする、請求項1に記載の斜面安定化構造。
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