JP2008303582A - 盛土支持地盤の補強構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】盛土1の少なくとも周縁部を支持する単位長さの地盤改良体3を盛土支持地盤2中に築造するとともに、該地盤改良体を盛土の長さ方向に沿いかつその単位長さの中間部を盛土の内側に折れ曲がる折れ壁状としてその面外剛性を増強せしめる。複数の折れ壁状の地盤改良体を盛土の長さ方向に並べて築造するとともに、隣り合う地盤改良体の端部どうしを他の地盤改良体(地盤改良杭5)を介して連結する。折れ壁状の地盤改良体を盛土の対向する周縁部にそれぞれ築造し、双方の地盤改良体の上部にそれぞれ芯材を固着するとともに、双方の芯材の上部どうしを引張材により連結する。
【選択図】図1
Description
そのための手法として、たとえば特許文献1には軟弱地盤中に多数の杭を格子状や連続壁状、井桁状に設けるととともに軟弱地盤と盛土との間に砂質盛土を設けるという側方流動防止構造が開示され、特許文献2には基礎構造物を側方流動から防護するための壁体を非液状化層に根入れして設けるという防護壁が開示されている。
これは、道路や鉄道あるいは堰堤のような所定幅で一方向に長い形態の盛土1を軟弱な盛土支持地盤2(原地盤)上に造成する場合の適用例であって、深層混合処理工法等による地盤改良体3を盛土1の両側の法面の下部において安定な支持層4に達するように築造し、それら地盤改良体3によって盛土1による上載荷重を支持するとともに盛土支持地盤2に生じる側方流動に対して抵抗するというものである。
すなわち、盛土支持地盤2に側方流動が生じる場合には、図3(a)に示すように深部よりも地表部で大きな地盤変位が生じ、したがって地盤改良体3の上部には側方流動圧による大きな曲げ荷重が作用して外側への曲げ変形が生じることが想定される。この場合、地盤改良体3は圧縮力に対しては充分な耐力を有するものの引張力に対しては充分な耐力はないことから、上記のような曲げ変形が生じた場合には引張側となる上部内側に比較的容易にひび割れが生じてしまい、側方流動圧に対する充分な抵抗力を発揮できないことが懸念される。
このように、従来においては地盤改良体3による補強効果を充分に確保するためには幅の広い地盤改良体3を多数築造する必要があり、したがって盛土支持地盤2に対する改良率を充分に高くせざるを得ず、必然的にコスト削減や工期短縮にも自ずと限界があった。
また、折れ壁状の地盤改良体を盛土の対向する周縁部にそれぞれ築造し、双方の地盤改良体の上部にそれぞれ芯材を固着するとともに、双方の芯材の上部どうしを引張材により連結することが考えられる。
したがって、各地盤改良体3と連結用の地盤改良杭5とは盛土1の長さ方向に連続したものとなっており、それらの全体で盛土1の周縁部を支持しかつ側方流動圧に抵抗する一連の地盤改良体が構成されたものとなっている。
そして、本第1実施形態では、盛土1周縁部の両側にある対向する連結用の地盤改良杭5の上部に芯材8を配し、芯材8の上部どうしを引張材7により、盛土1と盛土支持地盤2の層境付近で連結している。このようにしているので、より水平変位に対する抵抗力が高まるものとなっている。(引張材7と芯材8については以下の第2実施形態参照)
すなわち、本第2実施形態では地盤改良体3を形成している9本の地盤改良杭のうち、両端側に位置しているものの頭部を含む上部にはたとえばH形鋼あるいは鋼管等の鋼材等からなる短尺の芯材8が挿入されて一体に固着され、それら芯材8の上部は盛土1中にやや突出してそこに引張材7が連結されており、これにより引張材7が芯材8を介して地盤改良体3に対して定着されたものとなっている。なお、この芯材8は所定の引張耐力を有するものであれば鋼材に限ることなく材質や剛性は適宜選択できる。
なお、地盤改良体3に対する芯材8の一体化強度を確保するために、芯材8にたとえばスタッドや突起等の適宜の定着力増強手段を設けておいても良い。
その引張材7は両端部がそれぞれ上記の芯材8を介して両側の地盤改良体3の上部に強固に定着されることにより両側の地盤改良体3の上部相互間に架設され、したがってこの引張材7がタイロッドと同様に機能して両側の地盤改良体3どうしを構造的に連結したものとなっている。
また、本第2実施形態では盛土の内部側にも他の地盤改良体9が両側の地盤改良体3の間に設けられていて、それら地盤改良体9によっても側方流動防止効果が得られるものとなっている。そして、上記の引張材7の中間部はそれら地盤改良体9の頭部によって下方から支持されており、これにより引張材7の中間部が下方に大きく撓んでしまったり、引張材7自体が盛土支持地盤2中に沈下してしまうことが防止されるようになっている。
また、地盤改良体9を設ける場合には、必要であれば破線で示しているように一部あるいは全ての地盤改良体9の上部にも芯材8を固着して、引張材7の中間部もその芯材8を介して地盤改良杭9に対して連結しても良い。
さらに、図示例のように引張材7を盛土1と盛土支持地盤2の層境付近に配設する限り、その配設位置をやや下げて盛土支持地盤2の表層部に配設しても良く、その場合には芯材8の頭部を盛土1内に突出させる必要はない。
勿論、本第2実施形態においても、第1実施形態と同様に両側の地盤改良体3を連結用の地盤改良杭5を介して連結しても良い。
その他、各実施形態の単位長さの地盤改良体3にしても、円形断面の地盤改良杭全てが、安定な支持層4に達している必要はなく、その一部が支持層4に達していなくても、本発明の目的が達せられる範囲であれば差し支えない。
また、上記各実施形態における間隙6であるが、この大きさについては、この間隙から盛土支持地盤内の土砂が盛土支持地盤外に抜け出さないように設定する必要がある。具体的には軟弱地盤の粘着力や側方流動圧等を基に設定される。
それから、各実施形態において、盛土支持地盤の上に直接盛土が載荷される形態の他に、擁壁や補強壁等の基礎版や補強シートを介して盛土が載荷される形態であっても良い。
なお、第1実施形態と第2実施形態における引張材7は必須ではなく、必要に応じて設ければ良い。芯材8についても、地盤改良杭5や地盤改良体3,9の上部に引張材7を埋め込んだり、巻き付けたり、係止したりして、必要な定着力を得られる場合には不要である。
また、第1実施形態においても、第2実施形態と同様に、他の地盤改良体9を周縁部両側の地盤改良体3の間に配して引張材を支持したり連結したりしても勿論良い。
さらに、第1実施形態と第2実施形態において、盛土幅が広い場合には、一方の周縁部の地盤改良体3と他の地盤改良体9とを引張材7で連結することも考えられる。
2 盛土支持地盤(軟弱地盤)
3 地盤改良体
4 支持層
5 地盤改良杭(地盤改良体)
6 間隙
7 引張材
8 芯材(鋼材)
9 地盤改良体
Claims (3)
- 軟弱な盛土支持地盤上に盛土を造成する際の盛土支持地盤の補強構造であって、
盛土の少なくとも周縁部を支持する単位長さの地盤改良体を盛土支持地盤中に築造するとともに、
該地盤改良体を盛土の長さ方向に沿いかつその単位長さの中間部を盛土の内側に折り曲げた折れ壁状に形成してその面外剛性を増強せしめてなることを特徴とする盛土支持地盤の補強構造。 - 請求項1記載の盛土支持地盤の補強構造であって
複数の折れ壁状の地盤改良体を盛土の長さ方向に並べて築造するとともに、隣り合う地盤改良体の端部どうしを他の地盤改良体を介して連結してなることを特徴とする盛土支持地盤の補強構造。 - 請求項1または2記載の盛土支持地盤の補強構造であって
折れ壁状の地盤改良体を盛土の対向する周縁部にそれぞれ築造し、双方の地盤改良体の上部にそれぞれ芯材を固着するとともに、双方の芯材の上部どうしを引張材により連結してなることを特徴とする盛土支持地盤の補強構造。
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JP2007150566A JP2008303582A (ja) | 2007-06-06 | 2007-06-06 | 盛土支持地盤の補強構造 |
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2007
- 2007-06-06 JP JP2007150566A patent/JP2008303582A/ja active Pending
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