JP2021091010A - 後処理装置及び画像形成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】より適正な断裁を行うことをその目的とする。【解決手段】シートPを断裁する断裁手段30と、断裁手段30が断裁するシートPの断裁位置X1,A1を設定する設定手段26と、設定手段26により設定されるシートPの複数の断裁位置X1,A1について、当該断裁位置X1,A1ごとに設定可能な範囲を記憶する記憶手段24とを備える。また、断裁位置には、シートPの搬送方向における下流側の端部を搬送方向に直交する方向Cに断裁する先端断裁位置X1とシートPの搬送方向における上流側の端部を搬送方向に直交する方向Cに断裁する後端断裁位置A1等が含まれる。【選択図】図4

Description

本発明は、シートのカットを行う後処理装置及び画像形成システムに関する。
画像形成装置により印刷されたシートに対して、外縁部を切断したり、所望のサイズに断裁したりする後処理装置が知られている。
このような後処理装置は、所望のサイズに断裁を行うために、搬送方向の先端部及び後端部の断裁量をユーザーが操作部のキー入力にて設定を行うことが可能なものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、シートの先端部における断裁量が必要長に満たないと、搬送不良や切断不良が生じるため、断裁を行う際の最小断裁量を予め定めている後処理装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−6605号公報 特開2016−137628号公報
しかしながら、特許文献1の後処理装置の場合、ユーザーが断裁量を任意に設定すると、その設定値によっては断裁不良や搬送不良を生じるおそれがあった。
また、特許文献2の後処理装置の場合、シートの先端部における断裁量の最小断裁量を定めるだけでは、装置内の種々の問題に対して十分に対応することができなかった。
本発明は、より適正な断裁を行うことをその目的とする。
本発明に係る後処理装置は、シートを断裁する断裁手段と、
前記断裁手段が断裁する前記シートの断裁位置を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定される前記シートの複数の断裁位置について、当該断裁位置ごとに設定可能な範囲を記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成システムは、
シートに画像形成を行う画像形成手段と、
前記シートを断裁する断裁手段と、
前記断裁手段が断裁する前記シートの断裁位置を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定される前記シートの複数の断裁位置について、当該断裁位置ごとに設定可能な範囲を記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、より適正な断裁を行う後処理装置又は画像形成システムを提供することが可能となる。
本発明の実施の形態における画像形成システムの構成図である。 画像形成システムの機能的構成を示すブロック図である。 設定入力画面の表示例である。 用紙の搬送直交方向に沿った断裁の位置に関するパラメータを示す説明図である。 用紙の搬送方向に沿った断裁の位置に関するパラメータを示す説明図である。 処理中に表示されるエラーメッセージの表示例である。 処理中に表示されるハイライト表示の表示例である。 断裁位置に関するパラメータの設定時のCPUの処理を示したフローチャートである。 断裁位置に関するパラメータの設定時のCPUの他の処理を示したフローチャートである。 断裁位置に関するパラメータの設定時のCPUのさらに他の処理を示したフローチャートである。
[画像形成システムの概略]
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
図1は本発明の実施の形態における画像形成システム100の構成図である。画像形成システム100は、シートとしての用紙Pに画像を形成する画像形成手段としての画像形成装置10と、画像形成装置10により画像が形成された用紙Pに断裁処理を施す後処理装置20と、を備えて構成されている。
画像形成装置10は、操作表示部18から入力された操作指示、又は、通信ネットワークを介してPC(Personal Computer)等から受信した画像形成指示に従って、用紙Pに画像を形成する。画像形成装置10は、画像形成後の用紙Pを後処理装置20に搬出する。
画像形成装置10は、給紙部15、画像読取部16、画像形成部17、操作表示部18等を備える。
給紙部15は、サイズ、種類(紙種)、坪量等が異なる用紙Pを収納可能な複数の給紙トレイT1〜T3を備え、指定された給紙トレイT1〜T3に収納されている用紙Pを画像形成部17に供給する。
画像読取部16は、原稿を読み取り、画像データを生成する。具体的には、画像読取部16は、光源から照射され、原稿で反射された反射光をCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー等により読み取る。
画像形成部17は、用紙P上に画像を形成する。画像形成部17は、感光体を帯電部で帯電させ、画像データに基づいて露光部により発せられたレーザービームにより感光体を露光走査して静電潜像を形成し、現像部により静電潜像をトナーで現像し、転写部によりトナー像を用紙Pに転写し、定着部により用紙Pにトナー像を定着させる。
操作表示部18は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、各種画面を表示する表示部と、表示部に積層されたタッチパネルや各種キーにより構成される操作部と、を備える。操作表示部18は、タッチ操作やキー操作により入力された操作信号をCPU(Central Processing Unit)11に出力する(図2参照)。
[後処理装置]
後処理装置20は、用紙Pに対して断裁処理を施す断裁機である。後処理装置20は、画像形成装置10から搬入された用紙Pに対して必要に応じて断裁処理を施し、断裁処理により作成された成果物を排紙トレイT11,T12又はカードトレイT13に排出する。
後処理装置20は、搬送路D1、カット装置30、センサー27、屑箱29等を備える。
搬送路D1には、搬送路D1から分岐し、その下流において合流する長尺紙搬送路D2が併設されている。長尺紙搬送路D2は、長尺紙を搬送する際にバッファーとして用いられる。
また、搬送路D1、D2には、各々の経路に沿って規定の間隔で用紙Pを表裏に挟むように設けられた一対のローラの回転により用紙Pの搬送を行う搬送ローラ35が設けられている。
断裁手段としてのカット装置30は、搬送される用紙Pを断裁する断裁処理を行う。カット装置30は、用紙Pの搬送路D1の複数の位置に、FD断裁部31〜33、CD断裁部34を備える。
FD断裁部31〜33は、用紙Pを搬送方向(Feed Direction)Fに沿って断裁するスリッターである。FD断裁部31,32は、それぞれ、用紙Pの平面に平行であって搬送方向Fと直交する方向(「搬送直交方向」とする)Cにおける端部(奥側・手前側)を断裁する天地スリッターである。FD断裁部33は、用紙Pの搬送直交方向Cに隣接する成果物同士の間の余白を搬送方向Fに沿って断裁するドブ断ちスリッターである。
FD断裁部31〜33は、例えば、図示しないモーター等のアクチュエーターを備え、搬送直交方向Cにおける切断位置を規定の範囲内で調節することができる。これにより、用紙Pの搬送直交方向Cの両端部から規定距離となる位置で搬送方向Fに沿ってカットを行うことができる。
CD断裁部34は、用紙Pを搬送直交方向Cに沿って断裁するギロチンカッターである。CD断裁部34は、用紙Pの搬送方向Fにおける断裁位置を搬送ローラ35との協働によって任意に調節することができる。
センサー27は、屑箱29内の深さ方向(図1に示すZ方向)における所定の位置で断裁屑を検知し、検知結果をCPU21(図2参照)に出力する。すなわち、センサー27は、屑箱29内に断裁屑がある程度の量まで積載されたことを検知する。
屑箱29は、カット装置30の下方に設置されており、カット装置30による断裁動作で発生し、カット装置30から落下する断裁屑を収納する。ユーザーは、後処理装置20の扉を開けて屑箱29を取り出し、屑箱29内の断裁屑を廃棄する。
この屑箱29は、FD断裁部31〜33及びCD断裁部34における断裁屑の落下位置下方にそれぞれ所定寸法の排出口を有しており、各断裁部31〜34の断裁屑は各々の排出口を介して屑箱29内に断裁屑を陥れる構造となっている。また、FD断裁部31〜33のそれぞれの排出口は、搬送方向Fに沿って長尺な矩形の開口からなり、CD断裁部34の排出口は、搬送直交方向Cに沿って長尺な矩形の開口からなる。
[画像形成システムの制御系]
図2は、画像形成システム100の機能的構成を示すブロック図である。
画像形成装置10は、CPU11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(RandomAccess Unit)13、記憶部14、給紙部15、画像読取部16、画像形成部17、操作表示部18、通信I/F(InterFace)19等を備える。既に説明した機能部については、説明を省略する。
CPU11は、ROM12に格納されたプログラムを読み出してRAM13に展開し、展開したプログラムとの協働によって画像形成装置10の各部の動作を制御する。
ROM12は、不揮発性の半導体メモリー等により構成され、システムプログラム及びシステムプログラム上で実行可能な各種処理プログラムや、各種データ等を記憶する。
RAM13は、揮発性の半導体メモリー等により構成され、CPU11により実行される各種処理において、ROM12から読み出されたプログラム、入力若しくは出力データ、及び、パラメータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性の半導体メモリー等により構成され、各種データを記憶する。
通信I/F19は、NIC(Network Interface Card)やモデム等で構成され、後処理装置20やPC(Personal Computer)との間でデータの送受信を行う。
後処理装置20は、CPU21、ROM22、RAM23、記憶部24、用紙搬送部25、設定入力部26、センサー27、通信I/F28、カット装置30、先端検出手段36等を備える。
CPU21、ROM22及びRAM23は、CPU21の制御対象が後処理装置20であることを除き、CPU11、ROM12及びRAM13と同様である。
記憶部24は、HDDや不揮発性の半導体メモリー等により構成され、各種データを記憶する。記憶手段としての記憶部24には、用紙Pの断裁を行うための断裁位置の各種のパラメータ及びその設定可能な数値範囲等が記憶されている。
用紙搬送部25は、搬送路D1、D2に沿って設けられた複数の搬送ローラ35から構成され、画像形成装置10から搬入された用紙Pを、排紙トレイT11,T12又はカードトレイT13に排出するまで搬送する。
通信部としての通信I/F28は、NICやモデム等で構成され、画像形成装置10との間でデータの送受信を行う。
設定入力部26は、LCDにより構成され、各種画面を表示する表示部と、表示部に積層されたタッチパネルや各種キーにより構成される操作部と、を備える。設定入力部26は、タッチ操作やキー操作により入力された操作信号をCPU21に出力する。
また、設定入力部26は、後処理装置20の用紙Pの断裁位置である各種のパラメータを設定する設定手段として機能する。
先端検出手段36は、搬送路D1におけるカット装置30の搬送方向上流側(以下、後側ともいう)であって直前となる位置に設けられている。この先端検出手段36は、搬送される用紙Pの搬送方向下流側(以下、前側ともいう)の端部(先端部とする)を検出するセンサーである。例えば、用紙Pの先端部の通過を検出可能なあらゆるセンサーを使用することができる。例えば、先端部を光学的に検出するフォトインタラプタや接触により検出するマイクロスイッチ等が一例として挙げられる。
CPU21は、先端検出手段36により用紙Pの先端部を検出してからの各搬送ローラ35の駆動回転数を読み取り、用紙Pの先端部が搬送路D1のいずれに位置するかを認識することができる。そして、CPU21は、搬送される用紙Pに対して、カット装置30の各断裁部31〜34を制御して適正なタイミングで断裁を行う。
[断裁作業に関する設定作業]
後処理装置20にて実行させる断裁作業に関する設定の概要について、図3に示す設定入力画面の表示例及び図4及び図5に示す用紙Pの設定対象を示す説明図に基づいて説明を行う。
上記設定の入力作業は、後処理装置20の設定入力部26から行われ、図3の設定入力画面は設定入力部26が有する表示部にて表示される。
なお、以下の説明において示す具体的な数値は、単なる例示であって、これに限定されるものではない。
断裁作業に必要となる設定パラメータは、用紙サイズと搬送直交方向Cに沿った断裁位置に関するパラメータと搬送方向Fに沿った断裁位置に関するパラメータとがある。
用紙サイズは、断裁が行われる用紙Pの搬送方向Fの幅である用紙サイズL1と搬送直交方向Cの幅である用紙サイズL2をからなり、これら用紙サイズL1,L2の設定値は、予め、複数の組み合わせが用意されており、その中から一つを選択することにより決定される。なお、個別に用紙サイズL1,L2の数値を入力可能としても良い。
[搬送直交方向に沿った断裁の位置に関するパラメータ]
搬送直交方向Cに沿った断裁の位置に関するパラメータとしては、図4に示すように、用紙Pの前側の端部を搬送直交方向Cに断裁する先端断裁位置としての「先端位置X1」、用紙Pの後側の端部を搬送直交方向Cに断裁する後端断裁位置としての「後端位置A1」、用紙Pが搬送方向Fについて複数に分割される場合の分割数である「成果物の数N1」、用紙Pが搬送方向Fについて複数に分割される場合の各成果物の搬送方向Fの幅である「仕上がりサイズY1」、搬送方向Fに複数に分割される成果物同士の搬送方向Fにおける隙間幅である「ドブ断ち幅Z1」が挙げられる。
これらの内、ユーザーは、設定入力部26から「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」の数値を任意に設定することができる。
具体的には、図3の設定入力画面において、「先端位置」、「仕上がりサイズ(横幅)」、「ドブ断ち幅(横方向)」の項目を個別に選択し、数字キーから数値を入力する。入力可能な数値の最小単位は、例えば、0.1[mm]に設定されている。
これらの数値設定に対して、CPU21は、入力された各パラメータの数値範囲の適否の判断と、残るパラメータである「後端位置A1」、「成果物の数N1」の算出を行う。
なお、「後端位置A1」、「成果物の数N1」は、「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」の設定に基づいて決定されるので、「後端位置A1」、「成果物の数N1」も間接的に設定されていると言うことができる。
[先端位置の設定]
以下、「先端位置X1」の設定時にCPU21が実行する処理を説明する。図6は処理中に表示されるエラーメッセージの表示例、図7は処理中に表示されるハイライト表示の表示例、図8は断裁位置に関するパラメータの設定時のCPU21の処理を示したフローチャートである。
まず、CPU21は、図3の設定入力画面から「先端位置X1」の入力が行われたか否かを判定し(ステップS1)、入力が行われた場合には、「先端位置X1」の入力値が予め定められた「先端位置X1」の下限値以上であるかを判定する(ステップS3)。
即ち、「先端位置X1」は、設定可能な範囲として、用紙Pの前側の端部の先端から断裁位置までの距離について、規定の下限値が予め決められており、当該下限値が記憶部24に格納されている。
用紙Pの前側の端部を断裁する場合、先端から断裁位置までの距離が小さすぎると、断裁位置の前側で用紙Pが保持されず、断裁されずに折れ曲がり等が生じるおそれがあり、良好な断裁を行えない場合が起こりうる。このため、用紙Pの前側の端部の先端から断裁位置(先端位置)までの距離について、良好な断裁を行うことが可能である下限値(実際の下限値に幾分余裕を持たせたより大きな値を含む)が予め求められ、記憶部24に用意されている。例えば、先端位置X1の下限値は、10[mm]に設定されている。
先端位置X1の入力値が下限値に満たない場合には、CPU21は、報知処理を実行する(ステップS5)。報知処理としては、例えば、図6に示すような入力値が適正範囲外であることを示すエラーメッセージを設定入力部26に表示させる。なお、このようにエラーメッセージをポップアップ表示する場合に限らず、ユーザーに認識させることが可能なあらゆる他の手段を用いることができる。
このように、先端位置X1の入力値が適正範囲外であること報知することにより、設定入力部26は報知手段として機能する。
さらに、CPU21は、エラーメッセージのポップアップ表示が閉じられる操作が入力されると、図7に示すように、設定入力画面において、適正範囲外であったパラメータをユーザーに認識させるためにハイライト表示を行うように設定入力部26を制御する(ステップS7)。
なお、図7では、「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」が全てハイライト表示となっている例が示されているが、適正範囲外であったパラメータが「先端位置X1」のみの場合には、「先端位置X1」のみがハイライト表示される。
また、適正範囲外であったパラメータをユーザーに認識させることが可能であれば、ハイライト表示に限らず、他の表示を行っても良い。
一方、先端位置X1の入力値が下限値以上であった場合には、CPU21は、先端位置X1の入力値が上限値以下であるかを判定する(ステップS9)。
即ち、「先端位置X1」は、設定可能な範囲として、用紙Pの前側の端部の先端から断裁位置までの距離について、規定の上限値が予め決められており、当該上限値が記憶部24に格納されている。
先端位置X1で断裁されて発生する断裁屑は、長尺の短冊状となり、CD断裁部34の下方にある排出口を通じて屑箱29に落下する。その場合、断裁屑が排出口の搬送方向Fの幅よりも広いと、排出口を通ることができず、詰まりの原因となるため、一回の断裁による幅は、排出口の搬送方向Fの幅よりも小さくする必要がある。しかし、先端位置X1の幅は、排出口の搬送方向Fの幅よりも広く設定したとしても、用紙Pを搬送方向Fの下流側に向かって搬送しながら、排出口の搬送方向Fの幅(或いはそれ以下の幅)で複数回の繰り返しの断裁を行えば排出可能であるため、先端位置X1の上限値は、排出口の搬送方向Fの幅に制限されない。
但し、断裁を繰り返す場合には断裁時間が増大するので、作業時間の遅延防止の観点から先端位置X1の上限値も記憶部24に格納されている。例えば、先端位置X1の上限値は、100[mm]に設定されている。
先端位置X1の入力値が上限値を超える場合には、下限値の場合と同様に、CPU21は、報知処理として図6に示すエラーメッセージを表示し(ステップS5)、図7に示す適正範囲外であったパラメータのハイライト表示を行う(ステップS7)。
一方、先端位置X1の入力値が上限値以下であった場合には、CPU21は、先端位置X1の入力値を設定値として記憶部24に登録する(ステップS11)。
なお、先端位置X1の入力値が下限値未満又は上限値を超える場合に、CPU21は、報知処理を行う例を示したが、報知せずに、入力値が下限値又は上限値のいずれか近い方の値に自動的に変更し、記憶部24に登録する処理を行っても良い。
[ドブ断ち幅の設定]
以下、「ドブ断ち幅Z1」の設定時にCPU21が実行する処理を説明する。この場合も図6〜図8を参照して説明する。
まず、CPU21は、図3の設定入力画面から「ドブ断ち幅Z1」の入力が行われたか否かを判定し(ステップS1)、入力が行われた場合には、「ドブ断ち幅Z1」の入力値が予め定められた「ドブ断ち幅Z1」の下限値以上であるかを判定する(ステップS3)。
即ち、「ドブ断ち幅Z1」は、前述した「先端位置X1」と同様に、良好な断裁を行うことが可能な幅が確保できる下限値(実際の下限値に幾分余裕を持たせたより大きな値を含む)が記憶部24に用意されている。例えば、ドブ断ち幅Z1の下限値は、10[mm]に設定されている。
ドブ断ち幅Z1の入力値が下限値に満たない場合には、CPU21は、報知処理として図6に示すエラーメッセージを表示し(ステップS5)、図7に示す適正範囲外であったパラメータのハイライト表示を行う(ステップS7)。この場合、図7に示す「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」の内、「ドブ断ち幅Z1」のみがハイライト表示される。
一方、ドブ断ち幅Z1の入力値が下限値以上であった場合には、CPU21は、ドブ断ち幅Z1の入力値が上限値以下であるかを判定する(ステップS9)。
ドブ断ち幅Z1の場合も、前述した「先端位置X1」と同様に、複数回の繰り返しの断裁により、断裁屑の排出口の制限は受けないが、作業時間の遅延防止の観点から上限値が記憶部24に格納されている。例えば、ドブ断ち幅Z1の上限値は、100[mm]に設定されている。
ドブ断ち幅Z1の入力値が上限値を超える場合には、下限値の場合と同様に、CPU21は、報知処理として図6に示すエラーメッセージを表示し(ステップS5)、適正範囲外であったパラメータのハイライト表示を行う(ステップS7)。
一方、ドブ断ち幅Z1の入力値が上限値以下であった場合には、CPU21は、ドブ断ち幅Z1の入力値を設定値として記憶部24に登録する(ステップS11)。
なお、ドブ断ち幅Z1の入力値が下限値未満又は上限値を超える場合に、CPU21は、報知処理を行う例を示したが、報知せずに、入力値が下限値又は上限値のいずれか近い方の値に自動的に変更し、記憶部24に登録する処理を行っても良い。
[仕上がりサイズの設定]
以下、「仕上がりサイズY1」の設定時にCPU21が実行する処理を説明する。この場合も図6〜図8を参照して説明する。
まず、CPU21は、図3の設定入力画面から「仕上がりサイズY1」の入力が行われたか否かを判定し(ステップS1)、入力が行われた場合には、「仕上がりサイズY1」の入力値が予め定められた「仕上がりサイズY1」の下限値以上であるかを判定する(ステップS3)。
即ち、「仕上がりサイズY1」の断裁は、断裁によって生じる成果物の搬送方向Fの幅が下流側に搬送可能な長さであることが要求される。この場合、成果物の搬送方向Fの幅は、CD断裁部34による断裁位置からそのすぐ下流側に位置する搬送ローラ35に届く長さを下限値とすることが要求される。この仕上がりサイズY1の下限値(実際の下限値に幾分余裕を持たせたより大きな値を含む)が記憶部24に用意されている。
仕上がりサイズY1の入力値が下限値に満たない場合には、CPU21は、報知処理として図6に示すエラーメッセージを表示し(ステップS5)、図7に示す適正範囲外であったパラメータのハイライト表示を行う(ステップS7)。この場合、図7に示す「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」の内、「仕上がりサイズY1」のみがハイライト表示される。
一方、仕上がりサイズY1の入力値が下限値以上であった場合には、CPU21は、仕上がりサイズY1の入力値が上限値以下であるかを判定する(ステップS9)。
仕上がりサイズY1の場合は、断裁屑が発生しないので、前述した「先端位置X1」や「ドブ断ち幅Z1」の場合とは異なり、物理的に可能な範囲を上限とする。即ち、既に設定された「用紙サイズL1」の設定値から「先端位置X1」の設定値を減じた値を上限値とする。
仕上がりサイズY1の入力値が上限値を超える場合には、下限値の場合と同様に、CPU21は、報知処理として図6に示すエラーメッセージを表示し(ステップS5)、適正範囲外であったパラメータのハイライト表示を行う(ステップS7)。
一方、仕上がりサイズY1の入力値が上限値以下であった場合には、CPU21は、仕上がりサイズY1の入力値を設定値として記憶部24に登録する(ステップS11)。
なお、仕上がりサイズY1の入力値が下限値未満又は上限値を超える場合に、CPU21は、報知処理を行う例を示したが、報知せずに、入力値が下限値又は上限値のいずれか近い方の値に自動的に変更し、記憶部24に登録する処理を行っても良い。
[後端位置、成果物の数の算出]
「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」の値が設定されると、CPU21は、「後端位置A1」、「成果物の数N1」の算出を行う。図9は後端位置A1、成果物の数N1の算出時のCPU21の処理を示したフローチャートである。
「用紙サイズL1」、「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」の値が設定されると、CPU21は、まず、「成果物の数N1」の算出を行う(ステップS21)。
図4から分かるように、「成果物の数N1」は、「用紙サイズL1」、「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」との間で次式(1)の関係が成立する。
X1+Y1×N1+Z1×(N1−1)<L1 (1)
N1<(L1+Z1−X1)/(Y1+Z1) (2)
式(1)を展開した上式(2)を満たす最大の「成果物の数N1」の値を算出する。但し、N1は正の整数であるため、上式(2)で求まるN1の値を小数点第一位で切り捨てた値をN1とする。
「成果物の数N1」が算出されると、次式(3)が成立するので、「後端位置A1」を算出することができる(ステップS23)。CPU21は、これにより、第一決定手段として機能する。
A1=L1−(X1+Y1×N1+Z1(N1−1)) (3)
「後端位置A1」が算出されると、CPU21は、「後端位置A1」の算出値が予め定められた「後端位置A1」の下限値以上であるかを判定する(ステップS25)。
「後端位置A1」の下限値は、前述した「先端位置X1」と同様に、良好な断裁を行うことが可能な幅が確保できる下限値(実際の下限値に幾分余裕を持たせたより大きな値を含む)が記憶部24に用意されている。例えば、後端位置A1の下限値は、10[mm]に設定されている。
後端位置A1の算出値が下限値に満たない場合には、CPU21は、報知処理として図6に示すエラーメッセージを表示し(ステップS27)、図7に示す適正範囲外であったパラメータのハイライト表示を行う(ステップS29)。この場合、後端位置A1は、ユーザーが任意に数値を設定するパラメータではなく、「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」の設定値によって定まる数値なので、図7に示すように「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」が全てハイライト表示される。
つまり、「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」のいずれか又は全ての数値を修正するようにユーザーを促す。
一方、後端位置A1の算出値が下限値以上であった場合には、CPU21は、後端位置A1の算出値が上限値以下であるかを判定する(ステップS31)。
後端位置A1で断裁されて発生する断裁屑は、長尺の短冊状となり、CD断裁部34の下方にある排出口を通じて屑箱29に落下する。その場合、断裁屑が排出口の搬送方向Fの幅よりも広いと、排出口を通ることができず、詰まりの原因となるため、断裁屑の幅は、排出口の搬送方向Fの幅よりも小さくする必要がある。
なお、後端位置A1の断裁の場合、一回の断裁で後端位置A1が断裁位置から下流側に送られてしまうので、先端位置X1における断裁のように繰り返して行うことができない。
従って、後端位置A1の幅は、排出口の搬送方向Fの幅以下に設定する必要があるため、後端位置A1の上限値は、排出口の搬送方向Fの幅と同じかこれよりも余裕を持って幾分小さい値に設定される。
後端位置A1の上限値は、記憶部24に格納されている。例えば、後端位置A1の上限値は、13[mm]に設定されている。
後端位置A1の算出値が上限値を超える場合には、下限値の場合と同様に、CPU21は、報知処理として図6に示すエラーメッセージを表示し(ステップS27)、「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」のハイライト表示を行う(ステップS29)。
一方、後端位置A1の算出値が上限値以下であった場合には、CPU21は、後端位置A1の算出値を設定値として記憶部24に登録する(ステップS33)。
[搬送方向に沿った断裁の位置に関するパラメータ]
搬送方向Fに沿った断裁の位置に関するパラメータとしては、図5に示すように、用紙Pの搬送直交方向Cにおける一端部側(奥側という)の端部を搬送方向Fに断裁する第一側端断裁位置としての「奥側位置X2」、用紙Pの搬送直交方向Cにおける他端部側(手前側という)の端部を搬送方向Fに断裁する第二側端断裁位置としての「手前側位置A2」、用紙Pが搬送直交方向Cについて複数に分割される場合の分割数である「成果物の数N2」、用紙Pが搬送直交方向Cについて複数に分割される場合の各成果物の搬送直交方向Cの幅である「仕上がりサイズY2」、搬送直交方向Cに複数に分割される成果物同士の搬送直交方向Cにおける隙間幅である「ドブ断ち幅Z2」が挙げられる。
これらの内、ユーザーは、設定入力部26から「奥側位置X2」、「仕上がりサイズY2」の数値を任意に設定することができる。一方、「ドブ断ち幅Z2」については、一対の刃の搬送直交方向Cの間隔が固定されているため、固定値となっている。「ドブ断ち幅Z2」は、例えば、8[mm]に設定されている。
また、「成果物の数N2」の数も、成果物の搬送直交方向Cの片側を搬送方向Fに沿って断裁するドブ断ちを行う一対の刃の個体数によって決まるため、固定値となっている。例えば、「成果物の数N2」の数は3に設定されている。
具体的には、図3の設定入力画面において、「奥側位置」、「仕上がりサイズ(縦幅)」の項目を個別に選択し、数字キーから数値を入力する。入力可能な数値の最小単位は、例えば、0.1[mm]に設定されている。
これらの数値設定に対して、CPU21は、入力された各パラメータの数値範囲の適否の判断と、残るパラメータである「手前側位置A2」の算出を行う。
なお、「手前側位置A2」は、「奥側位置X2」、「仕上がりサイズY2」の設定に基づいて決定されるので、「手前側位置A2」も間接的に設定されていると言うことができる。
[奥側位置の設定]
以下、「奥側位置X2」の設定時にCPU21が実行する処理を図6〜図8を参照して説明する。
まず、CPU21は、図3の設定入力画面から「奥側位置X2」の入力が行われたか否かを判定し(ステップS1)、入力が行われた場合には、「奥側位置X2」の入力値が予め定められた「奥側位置X2」の下限値以上であるかを判定する(ステップS3)。
即ち、「奥側位置X2」は、設定可能な範囲として、用紙Pの奥側の端部の先端から断裁位置までの距離について、規定の下限値が予め決められており、当該下限値が記憶部24に格納されている。
この場合も、用紙Pの奥側の端部を搬送方向Fに沿って断裁する場合、奥側の先端から断裁位置までの距離が小さすぎると、良好な断裁を行えない場合が起こりうるので、良好な断裁を行うことが可能である下限値(実際の下限値に幾分余裕を持たせたより大きな値を含む)が予め求められ、記憶部24に用意されている。例えば、奥側位置X2の下限値は、8[mm]に設定されている。
奥側位置X2の入力値が下限値に満たない場合には、CPU21は、報知処理として図6に示すエラーメッセージを表示し(ステップS5)、図7に示す適正範囲外であったパラメータのハイライト表示を行う(ステップS7)。この場合、図7に示す「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」に替えて「奥側位置X2」のみがハイライト表示される。
一方、奥側位置X2の入力値が下限値以上であった場合には、CPU21は、奥側位置X2の入力値が上限値以下であるかを判定する(ステップS9)。
奥側位置X2で断裁されて発生する断裁屑は、長尺の短冊状となり、FD断裁部31の下方にある排出口を通じて屑箱29に落下する。その場合、断裁屑が排出口の搬送直交方向Cの幅よりも広いと、排出口を通ることができず、詰まりの原因となるため、断裁屑の幅は、排出口の搬送直交方向Cの幅と同じかこれよりも余裕を持って幾分小さい値とする必要がある。
奥側位置X2の上限値は、記憶部24に格納されている。例えば、後端位置A1の上限値は、26[mm]に設定されている。
奥側位置X2の入力値が上限値を超える場合には、下限値の場合と同様に、CPU21は、報知処理として図6に示すエラーメッセージを表示し(ステップS5)、図7に示す「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」に替えて「奥側位置X2」のみのハイライト表示を行う(ステップS7)。
一方、奥側位置X2の入力値が上限値以下であった場合には、CPU21は、奥側位置X2の入力値を設定値として記憶部24に登録する(ステップS11)。
なお、奥側位置X2の入力値が下限値未満又は上限値を超える場合に、CPU21は、報知処理を行う例を示したが、報知せずに、入力値が下限値又は上限値のいずれか近い方の値に自動的に変更し、記憶部24に登録する処理を行っても良い。
[仕上がりサイズの設定]
以下、「仕上がりサイズY2」の設定時にCPU21が実行する処理を説明する。この場合も図6〜図8を参照して説明する。
まず、CPU21は、図3の設定入力画面から「仕上がりサイズY2」の入力が行われたか否かを判定し(ステップS1)、入力が行われた場合には、「仕上がりサイズY2」の入力値が予め定められた「仕上がりサイズY2」の下限値以上であるかを判定する(ステップS3)。
「仕上がりサイズY2」は下限値と上限値とが定められている。下限値は、断裁によって得られる成果物の搬送直交方向Cの片側において、ドブ断ち幅Z2に従って断裁を行う一対の刃の搬送直交方向Cの可動範囲に応じて決定されている。
また、上限値は、ドブ断ち幅Z2の断裁を行わない場合であり、「用紙サイズL2」の設定値から「奥側位置X2」の設定値を減じた値を上限値とする。
この仕上がりサイズY2の下限値(実際の下限値に幾分余裕を持たせたより大きな値を含む)と上限値とが記憶部24に用意されている。
仕上がりサイズY2の入力値が下限値に満たない場合には、CPU21は、報知処理として図6に示すエラーメッセージを表示し(ステップS5)、図7に示す適正範囲外であったパラメータのハイライト表示を行う(ステップS7)。この場合、図7に示す「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」に替えて「仕上がりサイズY2」のみがハイライト表示される。
一方、仕上がりサイズY2の入力値が下限値以上であった場合には、CPU21は、仕上がりサイズY2の入力値が上限値以下であるかを判定する(ステップS9)。
仕上がりサイズY2の入力値が上限値を超える場合には、下限値の場合と同様に、CPU21は、報知処理として図6に示すエラーメッセージを表示し(ステップS5)、適正範囲外であったパラメータのハイライト表示を行う(ステップS7)。
一方、仕上がりサイズY2の入力値が上限値以下であった場合には、CPU21は、仕上がりサイズY2の入力値を設定値として記憶部24に登録する(ステップS11)。
なお、仕上がりサイズY2の入力値が下限値未満又は上限値を超える場合に、CPU21は、報知処理を行う例を示したが、報知せずに、入力値が下限値又は上限値のいずれか近い方の値に自動的に変更し、記憶部24に登録する処理を行っても良い。
[手前側位置の算出]
「奥側位置X2」及び「仕上がりサイズY2」の値が設定されると、CPU21は、「手前側位置A2」の算出を行う。図10のフローチャートを参照して算出処理を説明する。
「用紙サイズL2」、「奥側位置X2」及び「仕上がりサイズY2」の値が設定されると、CPU21は、これらの設定値と、「成果物の数N2」、「ドブ断ち幅Z2」の固定値とから、次式(4)により「手前側位置A2」を算出する(ステップS41)。CPU21は、これにより、第二決定手段として機能する。
A2=L2−(X2+Y2×N2+Z2(N2−1)) (4)
「手前側位置A2」が算出されると、CPU21は、「手前側位置A2」の算出値が予め定められた「手前側位置A2」の下限値以上であるかを判定する(ステップS43)。
「手前側位置A2」の下限値は、前述した「奥側位置X2」と同様に、良好な断裁を行うことが可能な幅が確保できる下限値(実際の下限値に幾分余裕を持たせたより大きな値を含む)が記憶部24に用意されている。例えば、手前側位置A2の下限値は、8[mm]に設定されている。
手前側位置A2の算出値が下限値に満たない場合には、CPU21は、報知処理として図6に示すエラーメッセージを表示し(ステップS45)、図7に示す適正範囲外であったパラメータのハイライト表示を行う(ステップS47)。この場合、手前側位置A2は、ユーザーが任意に数値を設定するパラメータではなく、「奥側位置X2」、「仕上がりサイズY2」の設定値によって定まる数値なので、図7に示す「先端位置X1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」に替えて「奥側位置X2」、「仕上がりサイズY2」がハイライト表示される。
つまり、「奥側位置X2」、「仕上がりサイズY2」のいずれか又は両方の数値を修正するようにユーザーを促す。
一方、手前側位置A2の算出値が下限値以上であった場合には、CPU21は、手前側位置A2の算出値が上限値以下であるかを判定する(ステップS49)。
手前側位置A2の場合も奥側位置X2と同様に、断裁屑がFD断裁部33の下方にある排出口の搬送直交方向Cの幅よりも広いと、詰まりの原因となるため、断裁屑の幅は、排出口の搬送直交方向Cの幅と同じかこれよりも余裕を持って幾分小さい値とする必要がある。
手前側位置A2の上限値は、記憶部24に格納されている。例えば、手前側位置A2の上限値は、26[mm]に設定されている。
手前側位置A2の算出値が上限値を超える場合には、下限値の場合と同様に、CPU21は、報知処理として図6に示すエラーメッセージを表示し(ステップS45)、「奥側位置X2」、「仕上がりサイズY2」のハイライト表示を行う(ステップS47)。
一方、手前側位置A2の算出値が上限値以下であった場合には、CPU21は、手前側位置A2の算出値を設定値として記憶部24に登録する(ステップS51)。
[断裁動作]
上述のように、断裁作業に必要となる設定パラメータである用紙サイズと搬送直交方向Cに沿った断裁位置に関するパラメータと搬送方向Fに沿った断裁位置に関するパラメータとが全て設定されると、CPU21は、断裁動作を行う。
断裁動作の際には、CPU21は、FD断裁部31〜33を制御して、「奥側位置X2」、「手前側位置A2」、「仕上がりサイズY2」の設定値に従って搬送方向Fに沿って断裁を行い、CD断裁部34を制御して「先端位置X1」、「後端位置A1」、「成果物の数N1」、「仕上がりサイズY1」、「ドブ断ち幅Z1」に従って搬送直交方向Cに沿って断裁を行い、用紙Pから成果物を形成し、排紙トレイT11,T12又はカードトレイT13に排出する。
[発明の実施形態の技術的効果]
画像形成システム100の後処理装置20は、設定入力部26により設定される用紙Pの複数の断裁位置のパラメータについて、当該断裁位置のパラメータごとに設定可能な数値範囲を記憶する記憶部24を備えているので、それぞれの断裁位置について、適切な範囲で設定を行うことができ、搬送不良等の発生を抑制して良好な断裁を実現することが可能となる。
また、設定入力部26により直接的又は間接的に設定される断裁位置に関するパラメータには、先端位置X1と後端位置A1とが含まれている。
このため、搬送方向Fに沿った複数の断裁位置について、適切な範囲で設定を行うことができ、断裁不良等の発生を抑制して良好な断裁を実現することが可能となる。
また、上記先端位置X1の設定可能な範囲として、搬送方向Fにおける下流側の端部の先端からの距離の下限値以上としているため、特に、先端位置X1における断裁をより良好且つ安定的に行うことが可能となる。
また、上記後端位置A1の設定可能な範囲として、搬送方向Fにおける上流側の端部の先端からの距離の下限値以上であって、その断裁屑が排出口から排出可能な幅となる上限値以下としているため、特に、後端位置A1における断裁をより良好且つ安定的に行うことを可能とし、断裁屑の詰まり等の発生を抑え、継続的に良好な断裁を行うことが可能となる。
また、設定入力部26により、用紙Pの搬送方向Fにおける前側の端部を搬送直交方向Cに断裁する先端位置X1と、断裁による成果物の搬送方向Fにおけるサイズである仕上がりサイズY1とを設定すると、CPU21が、これらから、用紙Pの後側の端部を搬送直交方向Cに断裁する後端位置A1を決定する第一決定手段として機能する。
このため、ユーザーが後端位置A1の適正な位置を計算して決定する作業を不要とし、断裁における設定作業負担を飛躍的に低減することが可能となる。また、設定ミスによる断裁不良の発生を低減することが可能となる。
また、カット装置30が搬送直交方向Cの断裁による断裁屑の排出口を備え、後端位置A1の設定可能な範囲が、用紙Pの後側の端部の先端からの距離が規定の下限値以上であって、断裁屑が排出口から排出可能な幅となる上限値以下とされている。
そして、CPU21は、算出された後端位置A1が下限値以上であって上限値以下の範囲外となる場合に報知する制御を行っている。
これにより、後端位置A1における断裁をより良好且つ安定的に行うことができ且つ断裁屑の詰まり等の発生を抑え、継続的に良好な断裁を行うことができるように、後端位置A1を適正な範囲に設定することが可能となる。
また、設定入力部26により直接的又は間接的に設定される断裁位置に関するパラメータには、奥側の端部を搬送方向Fに断裁する奥側位置X2と手前側の端部を搬送方向Fに断裁する手前側位置A2とが含まれている。
このため、搬送直交方向Cにおける両端部の断裁位置について適切な範囲で設定を行うことができ、断裁不良等の発生を抑制して良好な断裁を実現することが可能となる。
また、奥側位置X2と手前側位置A2の設定可能な範囲として、搬送直交方向Cにおける一端部又は他端部の先端からの距離が規定の下限値以上であって、その断裁屑が排出口から排出可能な幅となる上限値以下としているため、奥側位置X2と手前側位置A2における断裁をより良好且つ安定的に行うことを可能とし、断裁屑の詰まり等の発生を抑え、継続的に良好な断裁を行うことが可能となる。
また、設定入力部26により、奥側位置X2と、成果物の搬送直交方向Cにおけるサイズである仕上がりサイズY2とを設定すると、CPU21が、これらから、手前側位置A2を決定する第二決定手段として機能する。
このため、ユーザーが手前側位置A2の適正な位置を計算して決定する作業を不要とし、断裁における設定作業負担を飛躍的に低減することが可能となる。また、設定ミスによる断裁不良の発生を低減することが可能となる。
また、カット装置30が搬送方向Fの断裁による断裁屑の排出口を備え、手前側位置A2の設定可能な範囲が、用紙Pの搬送直交方向Cにおける他端部の先端からの距離が規定の下限値以上であって、断裁屑が排出口から排出可能な幅となる上限値以下とされている。
そして、CPU21は、算出された手前側位置A2が下限値以上であって上限値以下の範囲外となる場合に報知する制御を行っている。
これにより、手前側位置A2における断裁をより良好且つ安定的に行うことができ且つ断裁屑の詰まり等の発生を抑え、継続的に良好な断裁を行うことができるように、手前側位置A2を適正な範囲に設定することが可能となる。
[その他]
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る後処理装置及び画像形成システムの例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
また、上述した後処理装置20のCPU21、ROM22、RAM23、記憶部24、設定入力部26を、画像形成装置10のCPU11、ROM12、RAM13、記憶部14、操作表示部18と共用化し、共用化したこれらの構成により、後処理装置20の断裁に関する各種パラメータの設定における処理を実行する構成としても良い。
また、画像形成装置10や後処理装置20に外部のパーソナルコンピュータ等の情報処理端末を接続し、当該情報処理端末が上述した後処理装置20のCPU21が行った処理を行ってもよい。また、パーソナルコンピュータ等の情報処理端末に設けられたキーボードやマウス等の入力インターフェイスにより、断裁の各種パラメータの入力を行ってもよい。
その場合、パーソナルコンピュータ等の情報処理端末を含む構成を画像形成システムと見なしても良い。
また、上記後処理装置20では、CPU21が第一又は第二決定手段とし機能することで、後端位置A1や手前側位置A2を算出する構成を例示したが、後端位置A1や手前側位置A2を設定入力部26により任意の数値に設定入力可能としてもよい。その場合、入力値について、CPU21が、上限値と下限値の範囲を満たすか判定することが好ましい。
また、上記各実施の形態では、シートとして用紙Pを用いた場合について説明したが、シートの素材は紙に限定されるものではなく、シート状の樹脂等であってもよい。
10 画像形成装置
11 CPU
14 記憶部
17 画像形成部
18 操作表示部
20 後処理装置
21 CPU(第一決定手段、第二決定手段)
24 記憶部
26 設定入力部(設定手段、報知手段)
29 屑箱
30 カット装置
31〜33 FD断裁部
34 CD断裁部
35 搬送ローラ
36 先端検出手段
100 画像形成システム
A1 後端位置(後端断裁位置)
A2 手前側位置(第二側端断裁位置)
C 搬送直交方向
F 搬送方向
L1,L2 用紙サイズ
P 用紙(シート)
X1 先端位置(先端断裁位置)
X2 奥側位置(第一側端断裁位置)
Y1 仕上がりサイズ(搬送方向におけるサイズ)
Y2 仕上がりサイズ(搬送方向に直交する方向におけるサイズ)
Z1 ドブ断ち幅
Z2 ドブ断ち幅

Claims (20)

  1. シートを断裁する断裁手段と、
    前記断裁手段が断裁する前記シートの断裁位置を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定される前記シートの複数の断裁位置について、当該断裁位置ごとに設定可能な範囲を記憶する記憶手段と、
    を備えることを特徴とする後処理装置。
  2. 前記断裁位置は、前記シートの搬送方向における下流側の端部を前記搬送方向に直交する方向に断裁する先端断裁位置と前記シートの搬送方向における上流側の端部を前記搬送方向に直交する方向に断裁する後端断裁位置とを含むことを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
  3. 前記先端断裁位置の設定可能な範囲として、前記シートの搬送方向における下流側の端部の先端からの距離が規定の下限値以上とすることを特徴とする請求項2に記載の後処理装置。
  4. 前記断裁手段による前記搬送方向に直交する方向の断裁による断裁屑の排出口を備え、
    前記後端断裁位置の設定可能な範囲として、前記シートの搬送方向における上流側の端部の先端からの距離が規定の下限値以上であって、前記搬送方向に直交する方向の断裁による前記断裁屑が前記排出口から排出可能な幅となる上限値以下とすることを特徴とする請求項2又は3に記載の後処理装置。
  5. 前記設定手段は、前記シートの搬送方向における下流側の端部を前記搬送方向に直交する方向に断裁する先端断裁位置と、断裁による成果物の前記搬送方向におけるサイズとを設定し、
    前記設定手段により設定された前記先端断裁位置と前記成果物の前記搬送方向におけるサイズとから、前記シートの搬送方向における上流側の端部を前記搬送方向に直交する方向に断裁する後端断裁位置を決定する第一決定手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の後処理装置。
  6. 前記断裁手段による前記搬送方向に直交する方向の断裁による断裁屑の排出口を備え、
    前記後端断裁位置の設定可能な範囲として、前記シートの搬送方向における上流側の端部の先端からの距離が規定の下限値以上であって、前記搬送方向に直交する方向の断裁による断裁屑が前記排出口から排出可能な幅となる上限値以下とし、
    前記第一決定手段が決定した前記後端断裁位置が前記下限値以上であって前記上限値以下の範囲から外れた場合に報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の後処理装置。
  7. 前記断裁位置は、前記搬送方向に直交する方向における一端部を前記搬送方向に断裁する第一側端断裁位置と前記搬送方向に直交する方向における他端部を前記搬送方向に断裁する第二側端断裁位置とを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の後処理装置。
  8. 前記断裁手段による前記搬送方向の断裁による断裁屑の排出口を備え、
    前記第一側端断裁位置と前記第二側端断裁位置の設定可能な範囲として、前記シートの搬送方向に直交する方向における一端部の先端から前記第一側端断裁位置までの距離と前記シートの搬送方向に直交する方向における他端部の先端から前記第二側端断裁位置までの距離が、いずれも、規定の下限値以上であって、前記搬送方向の断裁による前記断裁屑が前記排出口から排出可能な幅となる上限値以下とすることを特徴とする請求項7に記載の後処理装置。
  9. 前記設定手段は、前記シートの搬送方向に直交する方向における一端部を前記搬送方向に断裁する第一側端断裁位置と、断裁による成果物の前記搬送方向に直交する方向におけるサイズとを設定し、
    前記設定手段により設定された前記第一側端断裁位置と前記成果物の前記搬送方向に直交する方向におけるサイズとから、前記シートの搬送方向に直交する方向における他端部を前記搬送方向に断裁する第二側端断裁位置を決定する第二決定手段を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の後処理装置。
  10. 前記断裁手段による前記搬送方向の断裁による断裁屑の排出口を備え、
    前記第二側端断裁位置の設定可能な範囲として、前記シートの搬送方向に直交する方向における他端部の先端からの距離が規定の下限値以上であって、前記搬送方向の断裁による断裁屑が前記排出口から排出可能な幅となる上限値以下とし、
    前記第二決定手段が決定した前記第二側端断裁位置が前記下限値以上であって前記上限値以下の範囲から外れた場合に報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の後処理装置。
  11. シートに画像形成を行う画像形成手段と、
    前記シートを断裁する断裁手段と、
    前記断裁手段が断裁する前記シートの断裁位置を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定される前記シートの複数の断裁位置について、当該断裁位置ごとに設定可能な範囲を記憶する記憶手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成システム。
  12. 前記断裁位置は、前記シートの搬送方向における下流側の端部を前記搬送方向に直交する方向に断裁する先端断裁位置と前記シートの搬送方向における上流側の端部を前記搬送方向に直交する方向に断裁する後端断裁位置とを含むことを特徴とする請求項11に記載の画像形成システム。
  13. 前記先端断裁位置の設定可能な範囲として、前記シートの搬送方向における下流側の端部の先端からの距離が規定の下限値以上とすることを特徴とする請求項12に記載の画像形成システム。
  14. 前記断裁手段による前記搬送方向に直交する方向の断裁による断裁屑の排出口を備え、
    前記後端断裁位置の設定可能な範囲として、前記シートの搬送方向における上流側の端部の先端からの距離が規定の下限値以上であって、前記搬送方向に直交する方向の断裁による前記断裁屑が前記排出口から排出可能な幅となる上限値以下とすることを特徴とする請求項12又は13に記載の画像形成システム。
  15. 前記設定手段は、前記シートの搬送方向における下流側の端部を前記搬送方向に直交する方向に断裁する先端断裁位置と、断裁による成果物の前記搬送方向におけるサイズとを設定し、
    前記設定手段により設定された前記先端断裁位置と前記成果物の前記搬送方向におけるサイズとから、前記シートの搬送方向における上流側の端部を前記搬送方向に直交する方向に断裁する後端断裁位置を決定する第一決定手段を備えることを特徴とする請求項11から14のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  16. 前記断裁手段による前記搬送方向に直交する方向の断裁による断裁屑の排出口を備え、
    前記後端断裁位置の設定可能な範囲として、前記シートの搬送方向における上流側の端部の先端からの距離が規定の下限値以上であって、前記搬送方向に直交する方向の断裁による断裁屑が前記排出口から排出可能な幅となる上限値以下とし、
    前記第一決定手段が決定した前記後端断裁位置が前記下限値以上であって前記上限値以下の範囲から外れた場合に報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項15に記載の画像形成システム。
  17. 前記断裁位置は、前記搬送方向に直交する方向における一端部を前記搬送方向に断裁する第一側端断裁位置と前記搬送方向に直交する方向における他端部を前記搬送方向に断裁する第二側端断裁位置とを含むことを特徴とする請求項11から16のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  18. 前記断裁手段による前記搬送方向の断裁による断裁屑の排出口を備え、
    前記第一側端断裁位置と前記第二側端断裁位置の設定可能な範囲として、前記シートの搬送方向に直交する方向における一端部の先端から前記第一側端断裁位置までの距離と前記シートの搬送方向に直交する方向における他端部の先端から前記第二側端断裁位置までの距離が、いずれも、規定の下限値以上であって、前記搬送方向の断裁による前記断裁屑が前記排出口から排出可能な幅となる上限値以下とすることを特徴とする請求項17に記載の画像形成システム。
  19. 前記設定手段は、前記シートの搬送方向に直交する方向における一端部を前記搬送方向に断裁する第一側端断裁位置と、断裁による成果物の前記搬送方向に直交する方向におけるサイズとを設定し、
    前記設定手段により設定された前記第一側端断裁位置と前記成果物の前記搬送方向に直交する方向におけるサイズとから、前記シートの搬送方向に直交する方向における他端部を前記搬送方向に断裁する第二側端断裁位置を決定する第二決定手段を備えることを特徴とする請求項11から18のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  20. 前記断裁手段による前記搬送方向の断裁による断裁屑の排出口を備え、
    前記第二側端断裁位置の設定可能な範囲として、前記シートの搬送方向に直交する方向における他端部の先端からの距離が規定の下限値以上であって、前記搬送方向の断裁による断裁屑が前記排出口から排出可能な幅となる上限値以下とし、
    前記第二決定手段が決定した前記第二側端断裁位置が前記下限値以上であって前記上限値以下の範囲から外れた場合に報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項19に記載の画像形成システム。
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