JP2021086838A - レーザ装置 - Google Patents

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裕 山口
智之 藤田
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智之 藤田
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Abstract

【課題】出力光ファイバのそれぞれの光導波路を伝搬しているレーザ光のパワーを個別に検出するレーザ装置を提供する。
【解決手段】レーザ装置1は、センタコア51とリングコア53とを含む出力光ファイバ50と、センタコア51に導入される第1のレーザ光を生成するレーザ光源11と、リングコア53に導入される第2のレーザ光を生成するレーザ光源12と、レーザ光源11から出力光ファイバ50に向かうレーザ光のパワーを検出可能な第1の光検出器61と、出力光ファイバ50に沿った光路上に配置される第2の光検出器62と、第1のレーザ光に対する第1の光検出器61の感度α1、第2の光検出器62の感度β1と、第2のレーザ光に対する第1の光検出器61の感度α2、第2の光検出器62の感度β2とを用いて、センタコア51を伝搬するレーザ光のパワーV1とリングコア53を伝搬するレーザ光のパワーV2とを算出するパワー算出部6とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ装置に係り、特に複数の光導波路を有する出力光ファイバからレーザ光を出力可能なレーザ装置に関するものである。
レーザ加工の分野では、加工速度や加工品質などの加工性能を向上する上で、加工対象物に照射するレーザ光のビームプロファイルを加工対象物の材料や厚みに合わせて変更することが重要である。近年、このような観点から、出力側の光ファイバに複数の光導波路を形成し、これらの光導波路のそれぞれに導入するレーザ光を制御することによって、加工対象物に照射されるレーザ光のビームプロファイルを所望の形態に変化させる技術も開発されている。例えば、複数の光導波路を有する出力光ファイバに接続された光ファイバを曲げ径を変化させることで、それぞれの光導波路に導入するレーザ光のパワーを調整する方法などが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
このような技術においては、加工対象物に照射されるレーザ光のビームプロファイルを調整するために、出力光ファイバのそれぞれの光導波路を伝搬しているレーザ光のパワーを把握してビームプロファイルを推定することが重要である。従来から光ファイバを伝搬するレーザ光の散乱光を測定して光ファイバを伝搬するレーザ光の全体のパワーを検出する方法は知られているが、上述したような出力光ファイバのそれぞれの光導波路を伝搬しているレーザ光のパワーを個別に検出する方法については未だ報告されていない。したがって、出力光ファイバから出射されるレーザ光のビームプロファイルをより細かく制御するために、出力光ファイバのそれぞれの光導波路を伝搬しているレーザ光のパワーを個別に検出できる技術が必要とされている。
米国特許出願公開第2018/0088358号公報
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、出力光ファイバのそれぞれの光導波路を伝搬しているレーザ光のパワーを個別に検出することができるレーザ装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、出力光ファイバのそれぞれの光導波路を伝搬しているレーザ光のパワーを個別に検出することができるレーザ装置が提供される。このレーザ装置は、第1の光導波路と第2の光導波路とを含む出力光ファイバと、上記出力光ファイバの上記第1の光導波路に導入される第1のレーザ光と上記出力光ファイバの上記第2の光導波路に導入される第2のレーザ光とを含むレーザ光を生成する少なくとも1つのレーザ光源と、上記少なくとも1つの光源から上記出力光ファイバに向かう上記第1のレーザ光のパワーを感度α1で検出するとともに、上記少なくとも1つの光源から上記出力光ファイバに向かう上記第2のレーザ光のパワーを感度α2で検出することが可能な第1の光検出器と、上記出力光ファイバに沿った光路の近傍に配置され、上記出力光ファイバの上記第1の光導波路を伝搬する上記第1のレーザ光のパワーを感度β1で検出するとともに、上記第2の光導波路を伝搬する上記第2のレーザ光のパワーを感度β2で検出することが可能な第2の光検出器と、上記出力光ファイバの上記第1の光導波路を伝搬する上記第1のレーザ光のパワーV1と上記第2の光導波路を伝搬する上記第2のレーザ光のパワーV2とを上記第1の光検出器の出力信号I1及び上記第2の光検出器の出力信号I2から次式
Figure 2021086838
に基づいて算出するパワー算出部とを備える。上記第1の光検出器と上記第2の光検出器とは、α1β2−α2β1≠0を満たすように構成される。
このような構成によれば、上記第1のレーザ光に対する第1の光検出器の感度α1と、第1のレーザ光に対する第2の光検出器の感度β1と、第2のレーザ光に対する第1の光検出器の感度α2と、第2のレーザ光に対する第2の光検出器の感度β2とを用いることにより、出力ファイバの第1の光導波路を伝搬するレーザ光のパワーV1と第2の光導波路を伝搬するレーザ光のパワーV2とを個別に算出することができる。このように、第1の光導波路を伝搬するレーザ光のパワーV1と第2の光導波路を伝搬するレーザ光のパワーV2とを個別に把握することができるので、レーザ装置の出射端部から出力されるレーザ光のビームプロファイルを精度良く推定することが可能となる。
上記感度α1は上記感度α2と等しく、上記感度β1は上記感度β2と異なっていてもよい。
上記レーザ装置は、上記出力光ファイバの上記第1の光導波路に導入される上記第1のレーザ光のパワーと上記第2の光導波路に導入される上記第2のレーザ光のパワーとを変更可能なパワー変更部をさらに備えていることが好ましい。
この場合において、上記パワー変更部によって上記出力光ファイバの上記第2の光導波路に導入する上記第2のレーザ光のパワーをゼロにすることによって上記感度β1を取得してもよい。また、上記パワー変更部によって上記出力光ファイバの上記第1の光導波路に導入する上記第1のレーザ光のパワーをゼロにすることによって上記感度β2を取得してもよい。
上記パワー変更部は、上記パワー算出部により算出された上記第1のレーザ光のパワー及び上記第2のレーザ光のパワーに基づいて、上記第1のレーザ光のパワーと上記第2のレーザ光のパワーとを変更するように構成されることが好ましい。これにより第1のレーザ光のパワー及び第2のレーザ光のパワーのフィードバック制御が可能となる。
上記少なくとも1つのレーザ光源は、上記第1のレーザ光を生成する少なくとも1つの第1のレーザ光源と、上記第2のレーザ光を生成する少なくとも1つの第2のレーザ光源とを含んでいてもよい。この場合において、上記パワー変更部は、上記少なくとも1つの第1のレーザ光源及び上記少なくとも1つの第2のレーザ光源を制御することにより、上記第1のレーザ光のパワーと上記第2のレーザ光のパワーとを変更するように構成されていてもよい。
また、上記少なくとも1つの第1のレーザ光源は、レーザ光を生成する複数の第1のレーザ光源を含んでいてもよい。この場合において、上記レーザ装置は、上記複数の第1のレーザ光源で生成されたレーザ光を結合して上記第1のレーザ光として上記出力光ファイバの上記第1の光導波路に導入する第1の光コンバイナをさらに備えていてもよい。上記第1の光検出器は、上記第1の光コンバイナと上記出力光ファイバとの間の光路の近傍に配置されることが好ましい。
また、上記少なくとも1つの第2のレーザ光源は、レーザ光を生成する複数の第2のレーザ光源を含んでいてもよい。この場合において、上記レーザ装置は、上記複数の第2のレーザ光源で生成されたレーザ光を結合して上記第2のレーザ光として上記出力光ファイバの上記第2の光導波路に導入する第2の光コンバイナをさらに備えていてもよい。
上記パワー変更部は、上記少なくとも1つの光源から上記出力光ファイバに向かうレーザ光を伝搬する光ファイバに外的作用を加えることにより、上記第1のレーザ光のパワーと上記第2のレーザ光のパワーとを変更するように構成されていてもよい。上記第1の光検出器は、上記少なくとも1つの光源と上記パワー変更部との間の光路の近傍に配置されていてもよい。
上記少なくとも1つのレーザ光源は、レーザ光を生成する複数のレーザ光源を含んでいてもよい。また、上記レーザ装置は、上記複数の第1のレーザ光源で生成されたレーザ光を結合する光コンバイナをさらに備えていてもよい。この場合において、上記第1の光検出器は、上記光コンバイナと上記出力光ファイバとの間の光路の近傍に配置されることが好ましい。
本発明によれば、出力ファイバの第1の光導波路を伝搬するレーザ光のパワーと第2の光導波路を伝搬するレーザ光のパワーとを個別に算出することができる。このように、それぞれの光導波路を伝搬するレーザ光のパワーを把握することができるので、レーザ装置から出力されるレーザ光のビームプロファイルをより細かく制御することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態におけるレーザ装置の構成を示す模式的ブロック図である。 図2は、図1に示すレーザ装置の出力光ファイバの断面を半径方向に沿った屈折率分布とともに示す図である。 図3は、本発明の第2の実施形態におけるレーザ装置の構成を示す模式的ブロック図である。
以下、本発明に係るレーザ装置の実施形態について図1から図3を参照して詳細に説明する。図1から図3において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図1から図3においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。以下の説明では、特に言及がない場合には、「第1」や「第2」などの用語は、構成要素を互いに区別するために使用されているだけであり、特定の順位や順番を表すものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態におけるレーザ装置1の構成を示す模式的ブロック図である。図1に示すように、本実施形態におけるレーザ装置1は、レーザ光を生成する第1のレーザ光源11及び第2のレーザ光源12と、第1のレーザ光源11と光ファイバ13を介して接続された第1の光コンバイナ21と、第2の光コンバイナ22と光ファイバ14を介して接続された第2の光コンバイナ22と、第1の光コンバイナ21と第2の光コンバイナ22とを接続する中間光ファイバ30と、第2の光コンバイナ22に接続される出力光ファイバ50と、出力光ファイバ50の下流側の端部に設けられたレーザ出射部4と、レーザ光源11,12を制御する制御部5とを備えている。レーザ光源11,12としては例えばファイバレーザや半導体レーザを用いることができる。本実施形態におけるレーザ装置1は、6つのレーザ光源11と6つのレーザ光源12を含んでいるが、レーザ光源11,12の数はこれに限られるものではない。なお、本実施形態では、特に言及がない場合には、レーザ光源11,12からレーザ出射部4に向かう方向を「下流側」といい、それとは逆の方向を「上流側」ということとする。
光ファイバ13は、コアと、コアの周囲を覆うクラッドとを有しており、クラッドの屈折率はコアの屈折率よりも低くなっている。これにより、光ファイバ13のコアの内部にレーザ光が伝搬する光導波路が形成される。したがって、第1のレーザ光源11で生成されたレーザ光は、光ファイバ13のコアを伝搬して第1の光コンバイナ21に入射する。
中間光ファイバ30は、コアと、コアの周囲を覆うクラッドとを有しており、クラッドの屈折率はコアの屈折率よりも低くなっている。これにより、中間光ファイバ30のコアの内部にレーザ光が伝搬する光導波路が形成される。第1の光コンバイナ21は、複数のレーザ光源11からのレーザ光を結合して中間光ファイバ30のコアに導入するように構成されており、これにより、第1のレーザ光源11で生成されたレーザ光は、第1の光コンバイナ21で結合され、中間光ファイバ30のコアを伝搬して第2の光コンバイナ22に入射する。
光ファイバ14は、コアと、コアの周囲を覆うクラッドとを有しており、クラッドの屈折率はコアの屈折率よりも低くなっている。これにより、光ファイバ14のコアの内部にレーザ光が伝搬する光導波路が形成される。したがって、第2のレーザ光源12で生成されたレーザ光は、光ファイバ14のコアを伝搬して第2の光コンバイナ22に入射する。
図2は、出力光ファイバ50の断面を半径方向に沿った屈折率分布とともに示す図である。図2に示すように、出力光ファイバ50は、センタコア51と、センタコア51の周囲を覆う内側クラッド52と、内側クラッド52の周囲を覆うリングコア53と、リングコア53の周囲を覆う外側クラッド54とを有している。内側クラッド52の屈折率はセンタコア51及びリングコア53の屈折率よりも低くなっており、外側クラッド54の屈折率はリングコア53の屈折率よりも低くなっている。これにより、センタコア51の内部にレーザ光が伝搬する第1の光導波路が形成され、リングコア53の内部にレーザ光が伝搬する第2の光導波路が形成される。本実施形態では、リングコア53の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率媒質として、リングコア53の周囲に外側クラッド54が形成されているが、このような低屈折率媒質は、外側クラッド54のような被覆層に限られるものではなく、例えばリングコア53の周囲に空気の層を形成し、この空気の層を低屈折率媒質として用いてもよい。
本実施形態では、この出力光ファイバ50の上流側端部が第2の光コンバイナ22を構成している。出力光ファイバ50の上流側端部(第2の光コンバイナ22)には、中間光ファイバ30の下流側端部と光ファイバ14の下流側端部とが融着接続されている。より具体的には、中間光ファイバ30の下流側端部は、中間光ファイバ30のコアが出力光ファイバ50のセンタコア51の領域内に位置するように出力光ファイバ50の上流側端部(第2の光コンバイナ22)に融着接続され、光ファイバ14の下流側端部は、すべての光ファイバ14のコアが出力光ファイバ50のリングコア53の領域内に位置するように出力光ファイバ50の上流側端部(第2の光コンバイナ22)に融着接続される。このとき、光ファイバ14は、中間光ファイバ30を取り囲んでその外周面に接するように配置され、隣り合う光ファイバ14は互いに接した状態となっている。なお、このような第2の光コンバイナ22を出力光ファイバ50とは別の部材により構成してもよい。
このような構成において、第1のレーザ光源11で生成されたレーザ光は、光ファイバ13のコアを伝搬して第1の光コンバイナ21で結合され、中間光ファイバ30のコアを伝搬して第2の光コンバイナ22を介して出力光ファイバ50のセンタコア51に入射する。出力光ファイバ50のセンタコア51に入射したレーザ光は、第1の光導波路であるセンタコア51の内部を伝搬してレーザ出射部4(図1参照)から出射される。また、第2のレーザ光源12で生成されたレーザ光は、光ファイバ14のコアを伝搬し、第2の光コンバイナ22を介して出力光ファイバ50のリングコア53に入射する。出力光ファイバ50のリングコア53に入射したレーザ光は、第2の光導波路であるリングコア53の内部を伝搬してレーザ出射部4(図1参照)から出射される。
ここで、制御部5は、第1のレーザ光源11(例えば第1のレーザ光源11に供給する電流)及び第2のレーザ光源12(例えば第2のレーザ光源12に供給する電流)を制御できるようになっている。このように、制御部5によって第1のレーザ光源11及び第2のレーザ光源12を制御することによって、第1のレーザ光源11によって生成されるレーザ光のパワー及び第2のレーザ光源12によって生成されるレーザ光のパワーを変更することができる。したがって、制御部5によって第1のレーザ光源11及び第2のレーザ光源12を制御して、第1のレーザ光源11から出力光ファイバ50のセンタコア51に導入されるレーザ光(第1のレーザ光)の強度と、第2のレーザ光源12から出力光ファイバ50のリングコア53に導入されるレーザ光(第2のレーザ光)の強度の割合を調整することができる。すなわち、本実施形態における制御部5は、第1のレーザ光源11から出力光ファイバ50のセンタコア51(第1の光導波路)に導入される第1のレーザ光のパワーとリングコア53(第2の光導波路)に導入される第2のレーザ光のパワーとを変更可能なパワー変更部としての役割を有する。このような制御部5による制御により、レーザ装置1のレーザ出射部4から出力されるレーザ光Lの中心側のパワーとその外側のパワーを調整することができ、レーザ光Lのプロファイルを容易に変化させることができる。
図1に示すように、第1の光コンバイナ21と第2の光コンバイナ22との間の中間光ファイバ30の光路の近傍には、中間光ファイバ30の内部を伝搬するレーザ光(第1のレーザ光)のパワーを検出可能な第1の光検出器61が配置されている。この第1の光検出器61としては、例えば中間光ファイバ30を伝搬するレーザ光のレイリー散乱光を測定することにより中間光ファイバ30を伝搬するレーザ光のパワーを検出することが可能な光検出器を用いることができる。この場合には、第1の光検出器61は、中間光ファイバ30を伝搬するレーザ光のレイリー散乱光の強度に応じて出力信号I1(電気信号)を出力し、この出力信号I1はレーザ装置1の制御システムやユーザが使用可能な形態に適宜変換及び増幅される。
第1の光検出器61は、出力信号の増幅率を調整する信号増幅部(ゲインアンプ)を有していることが好ましい。第1の光検出器61が信号増幅部を有している場合には、検出されるレーザ光の強度に対して出力信号が適切な値となるように(例えば、レーザ光の強度が1kWであった場合に1Vの出力信号を出力するなど)、第1の光検出器61の増幅率を調整することが好ましい。
また、出力光ファイバ50の光路の近傍には、出力光ファイバ50の内部を伝搬するレーザ光全体のパワーを検出可能な第2の光検出器62が配置されている。この第2の光検出器62は、出力光ファイバ50のセンタコア51を伝搬する第1のレーザ光とリングコア53を伝搬する第2のレーザ光の両方を合わせたパワーを検出することができる。第2の光検出器62としては、第1の光検出器61と同様に、例えば出力光ファイバ50を伝搬するレーザ光のレイリー散乱光を測定することにより出力光ファイバ50を伝搬するレーザ光のパワーを検出することが可能な光検出器を用いることができる。この場合には、第2の光検出器62は、出力光ファイバ50を伝搬するレーザ光のレイリー散乱光の強度に応じて出力信号I2(電気信号)を出力し、この出力信号I2はレーザ装置1の制御システムやユーザが使用可能な形態に適宜変換及び増幅される。
第2の光検出器62は、出力信号の増幅率を調整する信号増幅部(ゲインアンプ)を有していることが好ましい。第2の光検出器62が信号増幅部を有している場合には、検出されるレーザ光の強度に対して出力信号が適切な値となるように(例えば、レーザ光の強度が1kWであった場合に1Vの出力信号を出力するなど)、第2の光検出器62の増幅率を調整することが好ましい。または、第1の光検出器61の出力信号I1と、第2の光検出器62の出力信号I2に対し、出力される信号強度がともに同等となるように増幅率を調整することで、その後の演算部で出力値に変換される際に演算を簡易化することができる。
図1に示すように、第2の光検出器62の上流側及び下流側には、出力光ファイバ50の外側クラッド54を伝搬するクラッドモード光を除去するためのクラッドモード除去部71,72が設けられている。これらのクラッドモード除去部71,72としては公知のクラッドモード除去構造を用いることができるため、その詳細については説明を省略する。上流側のクラッドモード除去部71は、出力光ファイバ50を伝搬するレーザ光から不要なクラッドモード光を除去することができるため、第2の光検出器62の検出結果に対するクラッドモード光の影響を低減することができる。また、レーザ出射部4から出射されたレーザ光Lが例えば加工対象物に反射して戻り光となってレーザ出射部4から上流に向かって伝搬した場合には、不要な戻り光が第2の光検出器62に至る前に、下流側のクラッドモード除去部72がそのような戻り光を除去できるので、第2の光検出器62の検出結果に対する戻り光の影響を低減することができる。
図1に示すように、レーザ装置1は、第1の光検出器61の出力信号I1と第2の光検出器62の出力信号I2とを用いて、出力光ファイバ50のセンタコア51を伝搬する第1のレーザ光のパワーV1とリングコア53を伝搬する第2のレーザ光のパワーV2とを算出するパワー算出部6を含んでいる。
ここで、第1の光検出器61が、第1のレーザ光源11から出力光ファイバ50に向かう第1のレーザ光のパワーを感度α1で検出することができ、第2のレーザ光源12から出力光ファイバ50に向かう第2のレーザ光のパワーを感度α2で検出できると仮定する。また、第2の光検出器62が、出力光ファイバ50のセンタコア51を伝搬する第1のレーザ光のパワーを感度β1で検出することができ、リングコア53を伝搬する第2のレーザ光のパワーを感度β2で検出することができると仮定する。このとき、以下の式(1)が成立する。
Figure 2021086838
この式(1)は以下の式(2)のように書き換えることができる。
Figure 2021086838
この式(2)を用いることにより、第1の光検出器61の出力信号I1及び第2の光検出器62の出力信号I2から出力光ファイバ50のセンタコア51を伝搬する第1のレーザ光のパワーV1とリングコア53を伝搬する第2のレーザ光のパワーV2とを求めることができる。ただし、この式(2)の解が存在するためには、α1β2−α2β1≠0が成立していなければならない。
本実施形態におけるパワー算出部6は、これを利用してセンタコア51を伝搬する第1のレーザ光のパワーV1とリングコア53を伝搬する第2のレーザ光のパワーV2とを算出している。この算出に当たっては、レーザ装置1の運転に先立って上述した感度α1,α2,β1,β2を取得しておく必要がある。本実施形態においては、以下のようにして感度α1,α2,β1,β2を取得している。
まず、レーザ装置1の運転に先立ち、制御部5によって第2のレーザ光源12をオフにして、出力光ファイバ50のリングコア53に導入するレーザ光(第2のレーザ光)のパワーをゼロにした状態で、第1のレーザ光源11をオンにして第1のレーザ光源11からのレーザ光(第1のレーザ光)のみを出力光ファイバ50のセンタコア51に導入する。このときに第1の光検出器61で得られる出力信号と第2の光検出器62で得られる出力信号がそれぞれの光検出器61,62の第1のレーザ光に対する感度となる。すなわち、このときに第1の光検出器61で得られる出力信号が第1の光検出器61の第1のレーザ光に対する感度α1となり、第2の光検出器62で得られる出力信号が第2の光検出器62の第1のレーザ光に対する感度β1となる。
また、制御部5によって第1のレーザ光源11をオフにし、出力光ファイバ50のセンタコア51に導入するレーザ光(第1のレーザ光)のパワーをゼロにした状態で、第2のレーザ光源12をオンにして第2のレーザ光源12からのレーザ光(第2のレーザ光)のみを出力光ファイバ50のリングコア53に導入する。このときに第1の光検出器61で得られる出力信号と第2の光検出器62で得られる出力信号がそれぞれの光検出器61,62の第2のレーザ光に対する感度となる。すなわち、このときに第1の光検出器61で得られる出力信号が第1の光検出器61の第2のレーザ光に対する感度α2となり、第2の光検出器62で得られる出力信号が第2の光検出器62の第2のレーザ光に対する感度β2となる。本実施形態ではα2=0である。このようにして得られた感度α1,α2,β1,β2は、レーザ装置1内の記憶装置(図示せず)に格納される。
レーザ装置1の運転中は、上述したように、制御部5が第1のレーザ光源11と第2のレーザ光源12とを制御することで、第1のレーザ光源11からのレーザ光と第2のレーザ光源12からのレーザ光とがそれぞれ出力光ファイバ50のセンタコア51とリングコア53に導入され、レーザ光Lがレーザ出射部4から出射される。パワー算出部6は、このときの第1の光検出器61の出力信号I1、第2の光検出器62の出力信号I2と、運転前に取得した感度α1,α2,β1,β2とから上述した式(2)により出力光ファイバ50のセンタコア51を伝搬する第1のレーザ光のパワーV1とリングコア53を伝搬する第2のレーザ光のパワーV2とを算出する。
このパワー算出部6により得られた結果を制御部5にフィードバックして第1のレーザ光源11及び第2のレーザ光源12を制御してもよい。すなわち、パワー算出部6の算出結果を制御部5に入力し、制御部5が、センタコア51を伝搬する第1のレーザ光のパワーとリングコア53を伝搬する第2のレーザ光のパワーに基づいて(例えば両者の比率に基づいて)、第1のレーザ光源11及び第2のレーザ光源12を制御し、第1のレーザ光源11によって生成されるレーザ光のパワーと第2のレーザ光源12によって生成されるレーザ光のパワーとを変更するようにしてもよい。このようにすることで、レーザ装置1のレーザ出射部4から出力されるレーザ光Lのビームプロファイルを理想の形により近づけることができる。
上述した第1の光検出器61及び第2の光検出器62は、それぞれ信号増幅機能(ゲインアンプ)を有していることが好ましい。第1の光検出器61及び第2の光検出器62が信号増幅機能を有している場合には、それぞれの光検出器61,62における出力信号の増幅率を調整することができ、上述した運転前の測定結果で得られる感度α1,α2と感度β1,β2とを個別に調整することが可能である。
上述したように、本実施形態によれば、第1のレーザ光に対する第1の光検出器61の感度α1と、第1のレーザ光に対する第2の光検出器62の感度β1と、第2のレーザ光に対する第1の光検出器61の感度α2と、第2のレーザ光に対する第2の光検出器62の感度β2とを用いることにより、出力光ファイバ50のセンタコア51を伝搬するレーザ光のパワーV1とリングコア53を伝搬するレーザ光のパワーV2とを個別に算出することができる。このように、センタコア51を伝搬するレーザ光のパワーV1とリングコア53を伝搬するレーザ光のパワーV2とを個別に把握することができるので、レーザ出射部4から出力されるレーザ光のビームプロファイルの形状を精度良く推定することが可能となる。したがって、パワー算出部6により得られた結果を制御部5にフィードバックすることにより、レーザ装置1から出力されるレーザ光Lのビームプロファイルをより細かく制御することができる。また、第2の光検出器62の位置をレーザ装置1のレーザ出射部4に近づければ、レーザ出射部4から出力されるレーザ光のビームプロファイルの形状をより精度良く推定することができる。
図3は、本発明の第2の実施形態におけるレーザ装置101の構成を示す模式的ブロック図である。図3に示すように、本実施形態におけるレーザ装置101は、レーザ光を生成するレーザ光源111と、レーザ光源111と光ファイバ113を介して接続された光コンバイナ121と、光コンバイナ121に接続される光ファイバ130と、光ファイバ130の下流側端部に設けられたパワー変更部180と、パワー変更部180に接続される出力光ファイバ50と、出力光ファイバ50の下流側の端部に設けられたレーザ出射部4と、レーザ光源111(例えばレーザ光源111に供給する電流)を制御する制御部105とを備えている。レーザ光源111としては例えばファイバレーザや半導体レーザを用いることができる。本実施形態におけるレーザ装置101は、6つのレーザ光源111を含んでいるが、レーザ光源111の数はこれに限られるものではない。なお、本実施形態では、特に言及がない場合には、レーザ光源111からレーザ出射部4に向かう方向を「下流側」といい、それとは逆の方向を「上流側」ということとする。
光ファイバ113は、コアと、コアの周囲を覆うクラッドとを有しており、クラッドの屈折率はコアの屈折率よりも低くなっている。これにより、光ファイバ113のコアの内部にレーザ光が伝搬する光導波路が形成される。したがって、レーザ光源111で生成されたレーザ光は、光ファイバ113のコアを伝搬して光コンバイナ121に入射する。
光ファイバ130は、コアと、コアの周囲を覆うクラッドとを有しており、クラッドの屈折率はコアの屈折率よりも低くなっている。これにより、光ファイバ130のコアの内部にレーザ光が伝搬する光導波路が形成される。光コンバイナ121は、複数のレーザ光源111からのレーザ光を結合して光ファイバ130のコアに導入するように構成されており、これにより、レーザ光源111で生成されたレーザ光は、光コンバイナ121で結合され、光ファイバ130のコアを伝搬してパワー変更部180に導入される。
パワー変更部180は、光ファイバ130の下流側端部に外的作用を加えることにより、レーザ光源111からのレーザ光を出力光ファイバ50のセンタコア51とリングコア53とに分配して供給することができるものである。換言すれば、パワー変更部180は、光ファイバ130の下流側端部に外的作用を加えることにより、出力光ファイバ50のセンタコア51に導入されるレーザ光(第1のレーザ光)のパワーとリングコア53に導入されるレーザ光(第2のレーザ光)のパワーとを変更できるようになっている。パワー変更部180の具体的な構成としては、特許文献1において述べられているように、光ファイバ130の下流側端部の曲げ径を変化させることにより出力光ファイバ50のセンタコア51に導入されるレーザ光とリングコア53に導入されるレーザ光の割合を変化させるものや、光ファイバ130の下流側端部に応力や熱を加えることにより出力光ファイバ50のセンタコア51に導入されるレーザ光とリングコア53に導入されるレーザ光の割合を変化させるもの、光ファイバ130の下流側端部から出射されるレーザ光の方向を光学素子により変えることにより出力光ファイバ50のセンタコア51に導入されるレーザ光とリングコア53に導入されるレーザ光の割合を変化させるものなどが考えられる。
図3に示すように、光コンバイナ121とパワー変更部180との間の光ファイバ130の光路上には、光ファイバ130の内部を伝搬するレーザ光のパワーを検出可能な第1の光検出器161が配置されている。この第1の光検出器161としては、例えば光ファイバ130を伝搬するレーザ光のレイリー散乱光を測定することにより光ファイバ130を伝搬するレーザ光のパワーを検出することが可能な光検出器を用いることができる。この場合には、第1の光検出器161は、光ファイバ130を伝搬するレーザ光のレイリー散乱光の強度に応じて出力信号I1(電気信号)を出力し、この出力信号I1はレーザ装置1の制御システムやユーザが使用可能な形態に適宜変換及び増幅される。
第1の光検出器161は、出力信号の増幅率を調整する信号増幅部(ゲインアンプ)を有していることが好ましい。第1の光検出器161が信号増幅部を有している場合には、検出されるレーザ光の強度に対して出力信号が適切な値となるように(例えば、第1のレーザ光の強度が1kWであった場合に1Vの出力信号を出力するなど)、第1の光検出器161の増幅率を調整することが好ましい。
また、第1の光検出器161の上流側及び下流側には、光ファイバ130のクラッドを伝搬するクラッドモード光を除去するためのクラッドモード除去部171,172が設けられている。これらのクラッドモード除去部171,172としては公知のクラッドモード除去構造を用いることができるため、その詳細については説明を省略する。上流側のクラッドモード除去部171は、光ファイバ130を伝搬するレーザ光から不要なクラッドモード光を除去することができるため、第1の光検出器161の検出結果に対するクラッドモード光の影響を低減することができる。また、レーザ出射部4から出射されたレーザ光Lが例えば加工対象物に反射して戻り光となってレーザ出射部4から上流に向かって伝搬した場合には、不要な戻り光が第1の光検出器161に至る前に、下流側のクラッドモード除去部172がそのような戻り光を除去できるので、第1の光検出器161の検出結果に対する戻り光の影響を低減することができる。
また、出力光ファイバ50の光路上には、出力光ファイバ50の内部を伝搬するレーザ光全体のパワーを検出可能な第2の光検出器162が配置されている。この第2の光検出器162は、出力光ファイバ50のセンタコア51を伝搬する第1のレーザ光とリングコア53を伝搬する第2のレーザ光の両方を合わせたパワーを検出することができる。第2の光検出器162としては、第1の光検出器161と同様に、例えば出力光ファイバ50を伝搬するレーザ光のレイリー散乱光を測定することにより出力光ファイバ50を伝搬するレーザ光のパワーを検出することが可能な光検出器を用いることができる。この場合には、第2の光検出器162は、出力光ファイバ50を伝搬するレーザ光のレイリー散乱光の強度に応じて出力信号I2(電気信号)を出力し、この出力信号I2はレーザ装置1の制御システムやユーザが使用可能な形態に適宜変換及び増幅される。
第2の光検出器162は、出力信号の増幅率を調整する信号増幅部(ゲインアンプ)を有していることが好ましい。第2の光検出器162が信号増幅部を有している場合には、検出されるレーザ光の強度に対して出力信号が適切な値となるように(例えば、第1のレーザ光の強度が1kWであった場合に1Vの出力信号を出力するなど)、第2の光検出器162の増幅率を調整することが好ましい。
図3に示すように、レーザ装置101は、第1の光検出器161の出力信号I1及び第2の光検出器162の出力信号I2から出力光ファイバ50のセンタコア51を伝搬する第1のレーザ光のパワーV1とリングコア53を伝搬する第2のレーザ光のパワーV2とを算出するパワー算出部106を含んでいる。このパワー算出部106においては、第1の実施形態と同様に、第1のレーザ光に対する第1の光検出器161の感度α1、第2のレーザ光に対する第1の光検出器161の感度α2、第1のレーザ光に対する第2の光検出器162の感度β1、及び第2のレーザ光に対する第2の光検出器162の感度β2と上述した式(2)に基づいて第1のレーザ光のパワーV1と第2のレーザ光のパワーV2とが算出される。
ここで、本実施形態における第1の光検出器161は、出力光ファイバ50のセンタコア51に導入される第1のレーザ光のパワーとリングコア53に導入される第2のレーザ光のパワーとを区別なく検出する。すなわち、第1のレーザ光に対する第1の光検出器161の感度α1と第2のレーザ光に対する第1の光検出器161の感度α2とが等しい。ここで、式(2)の解が存在するためには、上述したようにα1β2−α2β1≠0が成立していなければならない。このため、本実施形態では、β1≠β2である必要があり、第2の光検出器162は、出力光ファイバ50のセンタコア51を伝搬する第1のレーザ光に対する感度β1とリングコア53を伝搬する第2のレーザ光に対する感度β2とが異なるように構成される。例えば、第2の光検出器162が上述したレイリー散乱光を用いた検出器のようにフォトダイオードを用いた検出器である場合には、次のような方法で第1のレーザ光に対する感度β1と第2のレーザ光に対する感度β2とが異なるように構成することができる。
1)第2の光検出器162と出力光ファイバ50との間の距離を変える。
2)第2の光検出器162の受光面を出力光ファイバ50の半径方向からずらして配置する。
3)出力光ファイバ50に隣接して反射材を配置して第1のレーザ光と第2のレーザ光の反射率とを変えることで第1のレーザ光の拡散量と第2のレーザ光の拡散量を異ならせる
4)出力光ファイバ50のセンタコア51にのみファイバブラッググレーティング(FBG)などの回折格子を形成し、センタコア51を伝搬する第1のレーザ光の拡散量を増やす。
パワー算出部106における算出に際しては、レーザ装置101の運転に先立って上述した感度α1,α2,β1,β2を取得しておく必要があるが、本実施形態においては、以下のようにして感度α1,α2,β1,β2を取得している。
まず、レーザ装置101の運転に先立ち、レーザ光源111から一定のパワーでレーザ光をパワー変更部180に供給するとともに、パワー変更部180によって光ファイバ130を伝搬するレーザ光のすべてを出力光ファイバ50のセンタコア51に導入する。これにより、リングコア53に導入される第2のレーザ光のパワーはゼロとなる。このときに第1の光検出器161で得られる出力信号と第2の光検出器162で得られる出力信号がそれぞれの光検出器161,162の第1のレーザ光に対する感度となる。すなわち、このときに第1の光検出器61で得られる出力信号が第1の光検出器161の第1のレーザ光に対する感度α1となり、第2の光検出器62で得られる出力信号が第2の光検出器162の第1のレーザ光に対する感度β1となる。
また、レーザ光源111から上記と同一のパワーでレーザ光をパワー変更部180に供給するとともに、パワー変更部180によって光ファイバ130を伝搬するレーザ光のすべてを出力光ファイバ50のセンタコア51に導入する。これにより、センタコア51に導入される第1のレーザ光のパワーはゼロとなる。このときに第1の光検出器161で得られる出力信号と第2の光検出器162で得られる出力信号がそれぞれの光検出器161,162の第2のレーザ光に対する感度となる。すなわち、このときに第1の光検出器161で得られる出力信号が第1の光検出器161の第2のレーザ光に対する感度α2となり、第2の光検出器62で得られる出力信号が第2の光検出器62の第2のレーザ光に対する感度β2となる。本実施形態では、上述したようにα1=α2、β1≠β2である。このようにして得られた感度α1,α2,β1,β2は、レーザ装置101内の記憶装置(図示せず)に格納される。なお、各光検出器161,162が信号増幅部を有し、増幅後の信号を用いてレーザ出力を演算する場合には、上記感度α1,α2,と感度β1,β2にそれぞれ信号増幅率が乗算されたものが演算に用いられる。また、信号増幅率を適切に選択することで(例えばα1とβ1の感度が一致するように増幅率を設定することで)、感度パラメータを削減してもよい。
レーザ装置1の運転中は、上述したように、パワー変更部180によってレーザ光源111からのレーザ光が出力光ファイバ50のセンタコア51とリングコア53とに分配して供給され、レーザ光Lがレーザ出射部4から出射される。パワー算出部106は、このときの第1の光検出器161の出力信号I1、第2の光検出器162の出力信号I2と、運転前に取得した感度α1,α2,β1,β2とから上述した式(2)により出力光ファイバ50のセンタコア51を伝搬する第1のレーザ光のパワーV1とリングコア53を伝搬する第2のレーザ光のパワーV2とを算出する。
上述した第1の実施形態と同様に、このパワー算出部106により得られた結果を制御部105にフィードバックしてレーザ光源111を制御してもよい。また、パワー算出部106により得られた結果をパワー変更部180にフィードバックして出力光ファイバ50のセンタコア51に導入される第1のレーザ光のパワーとリングコア53に導入される第2のレーザ光のパワーを変更してもよい。
本実施形態によれば、第1のレーザ光に対する第1の光検出器161の感度α1と、第1のレーザ光に対する第2の光検出器162の感度β1と、第2のレーザ光に対する第1の光検出器161の感度α2と、第2のレーザ光に対する第2の光検出器162の感度β2とを用いることにより、出力光ファイバ50のセンタコア51を伝搬するレーザ光のパワーV1とリングコア53を伝搬するレーザ光のパワーV2とを個別に算出することができる。このように、センタコア51を伝搬するレーザ光のパワーV1とリングコア53を伝搬するレーザ光のパワーV2とを個別に把握することができるので、レーザ出射部4から出力されるレーザ光のビームプロファイルの形状を精度良く推定することが可能となる。したがって、パワー算出部106により得られた結果を制御部105又はパワー変更部180にフィードバックすることにより、レーザ装置1から出力されるレーザ光Lのビームプロファイルをより細かく制御することができる。また、第2の光検出器162の位置をレーザ装置101のレーザ出射部4に近づければ、レーザ出射部4から出力されるレーザ光のビームプロファイルの形状をより精度良く推定することができる。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
1 レーザ装置
4 レーザ出射部
5 制御部(パワー変更部)
6 パワー算出部
11 第1のレーザ光源
12 第2のレーザ光源
13,14 光ファイバ
21 第1の光コンバイナ
22 第2の光コンバイナ
30 中間光ファイバ
50 出力光ファイバ
51 センタコア(第1の光導波路)
52 内側クラッド
53 リングコア(第2の光導波路)
54 外側クラッド
61 第1の光検出器
62 第2の光検出器
71,72 クラッドモード除去部
101 レーザ装置
105 制御部
106 パワー算出部
111 レーザ光源
113,130 光ファイバ
121 光コンバイナ
161 第1の光検出器
162 第2の光検出器
171,172 クラッドモード除去部
172 クラッドモード除去部
180 パワー変更部

Claims (11)

  1. 第1の光導波路と第2の光導波路とを含む出力光ファイバと、
    前記出力光ファイバの前記第1の光導波路に導入される第1のレーザ光と前記出力光ファイバの前記第2の光導波路に導入される第2のレーザ光とを含むレーザ光を生成する少なくとも1つのレーザ光源と、
    前記少なくとも1つの光源から前記出力光ファイバに向かう前記第1のレーザ光のパワーを感度α1で検出するとともに、前記少なくとも1つの光源から前記出力光ファイバに向かう前記第2のレーザ光のパワーを感度α2で検出することが可能な第1の光検出器と、
    前記出力光ファイバに沿った光路の近傍に配置され、前記出力光ファイバの前記第1の光導波路を伝搬する前記第1のレーザ光のパワーを感度β1で検出するとともに、前記第2の光導波路を伝搬する前記第2のレーザ光のパワーを感度β2で検出することが可能な第2の光検出器と、
    前記出力光ファイバの前記第1の光導波路を伝搬する前記第1のレーザ光のパワーV1と前記第2の光導波路を伝搬する前記第2のレーザ光のパワーV2とを前記第1の光検出器の出力信号I1及び前記第2の光検出器の出力信号I2から次式
    Figure 2021086838
    に基づいて算出するパワー算出部と
    を備え、
    前記第1の光検出器と前記第2の光検出器とは、
    α1β2−α2β1≠0
    を満たすように構成される、
    レーザ装置。
  2. 前記感度α1は前記感度α2と等しく、前記感度β1は前記感度β2と異なる、請求項1に記載のレーザ装置。
  3. 前記出力光ファイバの前記第1の光導波路に導入される前記第1のレーザ光のパワーと前記第2の光導波路に導入される前記第2のレーザ光のパワーとを変更可能なパワー変更部をさらに備え、
    前記感度β1は、前記パワー変更部によって前記出力光ファイバの前記第2の光導波路に導入する前記第2のレーザ光のパワーをゼロにすることによって得られ、
    前記感度β2は、前記パワー変更部によって前記出力光ファイバの前記第1の光導波路に導入する前記第1のレーザ光のパワーをゼロにすることによって得られる、
    請求項2に記載のレーザ装置。
  4. 前記出力光ファイバの前記第1の光導波路に導入される前記第1のレーザ光のパワーと前記第2の光導波路に導入される前記第2のレーザ光のパワーとを変更可能なパワー変更部をさらに備える、請求項1又は2に記載のレーザ装置。
  5. 前記パワー変更部は、前記パワー算出部により算出された前記第1のレーザ光のパワー及び前記第2のレーザ光のパワーに基づいて、前記第1のレーザ光のパワーと前記第2のレーザ光のパワーとを変更するように構成される、請求項3又は4に記載のレーザ装置。
  6. 前記少なくとも1つのレーザ光源は、
    前記第1のレーザ光を生成する少なくとも1つの第1のレーザ光源と、
    前記第2のレーザ光を生成する少なくとも1つの第2のレーザ光源と
    を含み、
    前記パワー変更部は、前記少なくとも1つの第1のレーザ光源及び前記少なくとも1つの第2のレーザ光源を制御することにより、前記第1のレーザ光のパワーと前記第2のレーザ光のパワーとを変更するように構成される、
    請求項3から5のいずれか一項に記載のレーザ装置。
  7. 前記少なくとも1つの第1のレーザ光源は、レーザ光を生成する複数の第1のレーザ光源を含み、
    前記レーザ装置は、前記複数の第1のレーザ光源で生成されたレーザ光を結合して前記第1のレーザ光として前記出力光ファイバの前記第1の光導波路に導入する第1の光コンバイナをさらに備え、
    前記第1の光検出器は、前記第1の光コンバイナと前記出力光ファイバとの間の光路の近傍に配置される、
    請求項6に記載のレーザ装置。
  8. 前記少なくとも1つの第2のレーザ光源は、レーザ光を生成する複数の第2のレーザ光源を含み、
    前記レーザ装置は、前記複数の第2のレーザ光源で生成されたレーザ光を結合して前記第2のレーザ光として前記出力光ファイバの前記第2の光導波路に導入する第2の光コンバイナをさらに備える、
    請求項6又は7に記載のレーザ装置。
  9. 前記パワー変更部は、前記少なくとも1つの光源から前記出力光ファイバに向かうレーザ光を伝搬する光ファイバに外的作用を加えることにより、前記第1のレーザ光のパワーと前記第2のレーザ光のパワーとを変更するように構成される、請求項3から5のいずれか一項に記載のレーザ装置。
  10. 前記第1の光検出器は、前記少なくとも1つの光源と前記パワー変更部との間の光路の近傍に配置される、請求項9に記載のレーザ装置。
  11. 前記少なくとも1つのレーザ光源は、レーザ光を生成する複数のレーザ光源を含み、
    前記レーザ装置は、前記複数のレーザ光源で生成されたレーザ光を結合する光コンバイナをさらに備え、
    前記第1の光検出器は、前記光コンバイナと前記出力光ファイバとの間の光路の近傍に配置される、
    請求項1から5、9、及び10のいずれか一項に記載のレーザ装置。
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