JP2021082748A - レーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射光を精度良く検出することができるレーザ装置を提供する。【解決手段】レーザ装置1は、少なくとも1つのレーザユニット10と、レーザユニット10が接続可能な複数の入力ポートを有し、入力ポートから入力されるレーザ光Lを光学的に結合させる光コンバイナ20と、光コンバイナ20で結合されたレーザ光Lを外部に出力する出力端30と、光コンバイナ20の、レーザユニット10が接続されていない入力ポートに接続され、所定波長の光を反射するスラント型FBG40aが形成されたモニタファイバ40と、スラント型FBG40aで反射された光を検出する光検出器50と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、レーザ装置に関する。
レーザ装置の一種であるファイバレーザ装置は、集光性に優れ、パワー密度が高く、小さなビームスポットとなる光が得られることから、加工分野、医療分野等の様々な分野で用いられている。このようなレーザ装置によって良好な加工品質を実現するためには、光ファイバを伝播する光の強度を精度良く検出することが求められる。以下の特許文献1には、光ファイバを伝播する光のレイリー散乱を検出することによって光ファイバを伝播する光の強度を推定するセンサユニットが開示されている。
ところで、加工分野で用いられるレーザ装置では、反射光(例えば、ワークの被加工面からの反射光)がレーザ装置に戻ってしまうことがある。反射光がレーザ装置に戻ると、レーザ装置の出力パワーの変動、加工品質の低下等の悪影響が生ずることが考えられる。このため、反射光を精度良く検出して、レーザ装置の制御にフィードバックすることが重要になる。
上述した特許文献1に開示されたセンサユニットは、光ファイバを伝播する光のレイリー散乱を検出するものであるから、反射光を正確に検出するのが困難であるという問題がある。なぜならば、レイリー散乱は全方位に生じるため、レーザ装置から外部に射出される光のレイリー散乱光であるのか、レーザ装置に戻った反射光のレイリー散乱光であるのかを判別することが困難だからである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、反射光を精度良く検出することができるレーザ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様によるレーザ装置(1、2)は、少なくとも1つのレーザ光源(10)と、前記レーザ光源が接続可能な複数の入力ポート(P1〜P7)を有し、前記入力ポートから入力されるレーザ光(L)を光学的に結合させる光コンバイナ(20)と、前記光コンバイナで結合されたレーザ光を外部に出力する出力端(30)と、前記光コンバイナの、前記レーザ光源が接続されていない前記入力ポートに接続され、所定波長の光を反射するスラント型FBG(40a、40b、40c)が形成されたモニタファイバ(40)と、前記スラント型FBGで反射された光を検出する光検出器(50、50a、50b、50c)と、を備える。
本発明の一態様によるレーザ装置では、レーザ光源が接続されていない光コンバイナの入力ポートに、スラント型FBGが形成されたモニタファイバが接続されており、光コンバイナからモニタファイバに入射した反射光を、スラント型FBGによって反射して検出器で検出するようにしている。これにより、反射光を精度良く検出することができる。
また、本発明の一態様によるレーザ装置は、前記所定波長が、前記レーザ光の波長である。
また、本発明の一態様によるレーザ装置は、前記所定波長が、前記レーザ光によって生ずる誘導ラマン散乱光の波長である。
また、本発明の一態様によるレーザ装置は、前記所定波長が、可視光の波長である。
また、本発明の一態様によるレーザ装置は、前記モニタファイバには、反射波長が互いに異なる波長に設定された複数のスラント型FBGが形成されており、前記光検出器が、前記複数のスラント型FBGに対応してそれぞれ設けられている。
また、本発明の一態様によるレーザ装置は、前記スラント型FBGの各々の反射波長が、前記レーザ光の波長、前記レーザ光によって生ずる誘導ラマン散乱光の波長、又は可視光の波長に設定されている。
また、本発明の一態様によるレーザ装置は、前記光検出器から出力される検出信号に応じて、前記レーザ光源を制御する制御部(60)を更に備える。
また、本発明の一態様によるレーザ装置は、前記制御部が、前記レーザ光源から射出されるレーザ光を、所定時間内に停止させる制御を行う。
本発明によれば、反射光を精度良く検出することができるという効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施形態によるレーザ装置について詳細に説明する。尚、以下の説明で用いる図面は、特徴を分かりやすくするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、本発明は以下の実施形態に限定されない。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態によるレーザ装置の要部構成を示す図である。図1に示す通り、本実施形態のレーザ装置1は、複数のレーザユニット10(レーザ光源)、光コンバイナ20、出力端30、モニタファイバ40、光検出器50、制御部60、及びダンパ70を備えており、出力端30から外部に向けてレーザ光Lを射出する。尚、レーザ装置1が、例えば、レーザ加工に用いられるものである場合には、レーザ光Lは出力端30からワークの被加工面に向けて射出される。
図1は、本発明の第1実施形態によるレーザ装置の要部構成を示す図である。図1に示す通り、本実施形態のレーザ装置1は、複数のレーザユニット10(レーザ光源)、光コンバイナ20、出力端30、モニタファイバ40、光検出器50、制御部60、及びダンパ70を備えており、出力端30から外部に向けてレーザ光Lを射出する。尚、レーザ装置1が、例えば、レーザ加工に用いられるものである場合には、レーザ光Lは出力端30からワークの被加工面に向けて射出される。
レーザユニット10は、所定波長のレーザ光Lを射出する。レーザ装置1に複数のレーザユニット10が設けられているのは、高出力のレーザ光Lを得るためである。図1では、6個のレーザユニット10が設けられている例を図示しているが、レーザユニット10の数は任意であって良い。例えば、レーザユニット10の数は、必要となるレーザ光Lの出力に応じて決定して良い。
レーザユニット10としては、例えば、ファイバレーザ装置や固体レーザ装置を用いることができる。レーザユニット10が、ファイバレーザ装置である場合には、共振器型のファイバレーザ装置であっても、MO−PA(Master Oscillator Power Amplifier)型のファイバレーザ装置であっても良い。レーザユニット10が射出するレーザ光Lの波長は、例えば、1070[nm]である。
光コンバイナ20は、レーザユニット10に接続された複数の光ファイバ21のコアと、出力端30に接続された光ファイバ22のコアとを光学的に接続するものである。この光コンバイナ20によって、複数のレーザユニット10から射出されて光ファイバ21によって伝送されるレーザ光Lが光学的に結合される。
図2は、本発明の第1実施形態によるレーザ装置に設けられる光コンバイナの一例を示す図である。尚、図2(a)は、光コンバイナ20の外観を示す斜視図であり、図2(b)は、光コンバイナ20の端部E1を示す図である。図2(a)に示す通り、光コンバイナ20は、複数の光ファイバ21及びモニタファイバ40が接続される端部E1と、光ファイバ22が接続される端部E2とを備える。
光コンバイナ20のうち、端部E1側の部分は、外径が略一定の太径部20aとされている。また、光コンバイナ20のうち、端部E2側の部分は、太径部20aから端部E2に向けて、外径が徐々に縮小するテーパ部20bとされている。このように、光コンバイナ20は、円柱形状の太径部20aと略円錐形状のテーパ部20bとから構成される。尚、太径部20aとテーパ部20bとは一体形成されている。
図2(b)に示す通り、端部E1は一つの端面から構成され、同一端面上に複数の光ファイバが接続可能である。図2(b)に示す例では、複数の光ファイバを密着させた際に最密構造となる7本の光ファイバが接続可能である。これら7本の光ファイバが接続される位置を、便宜的に、入力ポートP1〜P7という。図2(b)に示す例では、入力ポートP1が端部E1の中心に配置され、入力ポートP1の周囲に最密構造となるように、入力ポートP2〜P7が配置されている。
図2(a)に示す例では、レーザユニット10に接続された6本の光ファイバ21が、入力ポートP2〜P7にそれぞれ接続されている。また、モニタファイバ40が、光ファイバ21(レーザユニット10)が接続されていない残りの入力ポートP1に接続されている。尚、モニタファイバ40は、入力ポートP1に接続されている必要は必ずしも無い。モニタファイバ40は、入力ポートP1〜P7のうちの光ファイバ21(レーザユニット10)が接続されていない入力ポートに接続されていれば良い。
光コンバイナ20と、光ファイバ21及びモニタファイバ40との接続構造は、光コンバイナ20と、光ファイバ21及びモニタファイバ40とが光学的に結合できるのであれば特に限定されない。尚、光コンバイナ20と、光ファイバ21及びモニタファイバ40とは融着接続されているのが好ましい。これは、界面反射の低減と機械的強度の向上を図ることができるためである。
光コンバイナ20は、端部E1と端部E2との間に、単一のコアを有する。このコアは、入力ポートP1〜P7の全てからレーザ光Lを入射させることが可能な断面積及び領域を有する。光コンバイナ20は、コア−クラッド構造を有さず、断面全体が光を伝播可能な単一のコアであっても良い。光コンバイナ20がコア−クラッド構造を有する場合には、単一のコアの周囲にクラッドを有してもよい。光コンバイナ20は、上述の石英系ガラスから構成されることが好ましい。
光ファイバ22は、光コンバイナ20で光学的に結合されたレーザ光Lを伝送する。光ファイバ22は、デリバリファイバとも呼ばれる。光ファイバ22は、コアと、コアを囲うクラッドと、クラッドを覆う被覆と備える。光ファイバ22としては、例えば、コアの直径が50〜100[μm]程度、クラッドの外径が360[μm]程度のマルチモードファイバを用いることができる。光ファイバ22は、フューモードファイバであっても良い。フューモードファイバが伝播するモードの数は、例えば、2以上25以下である。
出力端30は、光コンバイナ20で光学的に結合されて、光ファイバ22によって伝送されてきたレーザ光Lを外部に射出する。出力端30は、例えば、石英からなる円柱形状のエンドキャップと、熱伝導性に優れる銅(Cu)等の金属によって形成された筐体とを備える。エンドキャップの一端面には、光ファイバ22の他端が融着接続されている。エンドキャップの他端面は、レーザ光Lが射出される射出面とされる。
モニタファイバ40は、出力端30からレーザユニット10に向かう光(戻り光)を検出するために設けられる光ファイバである。上記の戻り光は、例えば、ワークの被加工面からの反射光(レーザ光Lの反射光)のうち、出力端30からレーザ装置1の内部に入射した光である。モニタファイバ40は、一端が光コンバイナ20の端部E1に接続され、戻り光の一部(光コンバイナ20からモニタファイバ40に入射した戻り光)を伝送する。
モニタファイバ40の一部には、所定波長の光を反射するスラント型FBG(Fiber Bragg Grating)40aが形成されている。本実施形態では、ワークの被加工面からの反射光を検出するために、スラント型FBG40aの反射波長は、レーザ光Lの波長に設定されている。スラント型FBG40aの長さや密度は、光検出器50の検出感度に応じて調整されている。つまり、スラント型FBG40aで反射される光の光量は、光検出器50の検出感度に応じて調整されている。スラント型FBG40aの長さは、例えば、10〜50[mm]程度とすることができる。また、スラント型FBG40aの密度は、例えば、103〜104[本/mm]程度とすることができる。
図3は、本発明の第1実施形態によるレーザ装置に設けられるモニタファイバの一部を示す断面図である。図3に示す断面図は、スラント型FBG40aが形成された部分及びその近傍のみを示している。図3に示す通り、モニタファイバ40は、スラント型FBG40aが形成されたコア41と、クラッド42と、保護被覆43とを有する。モニタファイバ40のコア41及びクラッド42としては、例えば、シリカガラス等を用いることができる。
図3に示す通り、スラント型FBG40aは、モニタファイバ40のコア41に形成され、コア41を伝播する光(戻り光)を、ある角度をもって反射する。スラント型FBG40aは、モニタファイバ40のコア41に、部分的に加工用光線(紫外線レーザ光等)を照射し、長手方向におけるコア41の屈折率を変調することで形成される。本実施形態では、図3に示す通り、スラント型FBG40aを形成するために、保護被覆43を部分的に除去し、除去した部分を通じて加工用光線をコア41に照射している。
光検出器50は、モニタファイバ40に形成されたスラント型FBG40aで反射された戻り光を検出する。光検出器50は、検出した戻り光の光量に応じた検出信号を出力する。光検出器50は、図3に示す通り、検出面Dをモニタファイバ40側に向けた状態で、スラント型FBG40aが形成された位置(保護被覆43が除去されている部分)の近傍に配置される。光検出器50としては、例えば、赤外線フォトダイオードを用いることができる。
制御部60は、光検出器50から出力される検出信号に応じて、レーザユニット10を制御する。例えば、制御部60は、光検出器50から出力される検出信号が予め規定された閾値を超えた場合には、各レーザユニット10を制御して、各レーザユニット10からのレーザ光Lの射出を停止させ、或いは、各レーザユニット10から射出されるレーザ光Lのパワーを低下させる。
尚、戻り光がレーザ光Lの反射光である場合には、高いパワーの戻り光がレーザユニット10に入射して、レーザユニット10が損傷することが考えられる。このため、制御部60は、光検出器50から出力される検出信号が予め規定された閾値を超えた場合には、直ちに各レーザユニット10を制御するのが望ましい。
ダンパ70は、モニタファイバ40の他端に取り付けられ、モニタファイバ40によって伝送された戻り光を吸収して熱に変換する。図4は、本発明の第1実施形態によるレーザ装置に設けられるダンパの構成を示す断面図である。図4に示す通り、ダンパ70は、中空部Hを有する部材である。中空部Hには、モニタファイバ40の他端が収容される。ダンパ70は、例えば、アルミニウム等の金属により形成されている。
モニタファイバ40から射出された戻り光が入射するダンパ70の内壁面(中空部Hの内壁面)は、黒の硬質アルマイト処理が施されている。これにより、内壁面に入射した戻り光は内壁面で吸収されて熱に変換される。また、モニタファイバ40から射出された戻り光が入射するダンパ70の内壁面は、化学的に表面を荒らした艶消し(梨地)処理が行われている。これにより、入射した戻り光を散乱させることができる。
このように、ダンパ70は、その内壁面に入射した戻り光をモニタファイバ40に戻さないようなダンパ処理が施されている。これにより、モニタファイバ40の被覆に戻り光が吸収されること等に起因する、モニタファイバ40近傍で生じる発熱を抑制することができる。
ダンパ70の内壁面は、図4(a)に示す通り、モニタファイバ40から射出された戻り光が垂直入射する平面状に形成されていても良く、図4(b)に示す通り、モニタファイバ40から射出された戻り光が斜め入射する平面状に形成されていても良い。尚、図4(b)に示す例において、モニタファイバ40から射出された戻り光が入射する内壁面の傾斜角度θは、0°より大きく90°より小さくされていることが好ましい。或いは、図4(c)に示す通り、モニタファイバ40から射出された戻り光が入射する内壁面が、曲面状に形成されていても良い。
ダンパ70の内壁面を、図4(b)又は図4(c)のように形成することで、ダンパ70の内壁面が図4(a)のように形成する場合に比べて、モニタファイバ40から射出された戻り光が、ダンパ70の内壁面で反射してモニタファイバ40側に戻ることを更に抑制することができる。これにより、モニタファイバ40近傍で生じる発熱をより効果的に抑制することができる。
次に、上記構成におけるレーザ装置1の動作について説明する。レーザ装置1の動作が開始されると、レーザユニット10の各々からレーザ光Lが射出される。レーザユニット10の各々から射出されたレーザ光Lは、複数の光ファイバ21によってそれぞれ伝送された後に光コンバイナ20によって光学的に結合される。光学的に結合されたレーザ光Lは、光ファイバ22によって伝送された後に出力端30から外部に射出される。
ここで、レーザ装置1の出力端30から射出されたレーザ光Lが、例えば、ワークの被加工面に照射され、ワークの被加工面において反射光が生じたとする。この反射光が、出力端30からレーザ装置1の内部に入射すると、出力端30からレーザユニット10に向かう光(戻り光)となる。この戻り光は、光ファイバ22によって、レーザ光Lの伝播方向とは反対方向に伝送される。光ファイバ22によって伝送された戻り光は、光コンバイナ20に入射して光コンバイナ20を伝播した後に、光コンバイナ20の端部E1から光ファイバ21及びモニタファイバ40に入射する。
モニタファイバ40に入射した戻りが、モニタファイバ40を伝播してスラント型FBG40aが形成された位置に達すると、スラント型FBG40aによって光検出器50に向けて反射される。スラント型FBG40aによって反射された戻り光が光検出器50に入射すると、その戻り光の光量に応じた検出信号が光検出器50から制御部60に出力される。制御部60は、光検出器50から出力された検出信号に応じて、レーザユニット10を制御する。
例えば、制御部60は、光検出器50から出力される検出信号が予め規定された閾値を超えた場合には、各レーザユニット10を制御して、各レーザユニット10からのレーザ光Lの射出を直ちに停止させる。或いは、制御部60は、各レーザユニット10を制御して、各レーザユニット10から射出されるレーザ光Lのパワーを直ちに低下させる。このような制御を行うことで、レーザユニット10の損傷を防止することができる。
以上の通り、本実施形態では、光コンバイナ20の端部E1における入力ポートP1〜P7のうち、光ファイバ21(レーザユニット10)が接続されていない入力ポート(図2に示す例では、入力ポートP1)にモニタファイバ40を接続している。そして、光コンバイナ20からモニタファイバ40に入射した戻り光を、モニタファイバ40に形成されたスラント型FBG40aで反射して光検出器50で検出している。
本実施形態において、スラント型FBG40aの反射波長は、レーザ光Lの波長に設定されている。このため、モニタファイバ40を伝播する戻り光のうち、レーザ装置1から外部に射出されたレーザ光Lの反射光がスラント型FBG40aによって選択的に反射される。これにより、レーザ光Lの反射光を精度良く検出することができる。
また、本実施形態において、スラント型FBG40aの長さや密度は、光検出器50の検出感度に応じて調整されている。このため、モニタファイバ40を伝播する戻り光(反射光)のうち、光検出器50の感度に応じた適切な光量の反射光をスラント型FBG40aで反射することができる。これにより、例えば、レーザ装置1から射出されるレーザ光Lのパワーが高く、レーザ装置1に高いパワーの反射光が入射する場合であっても、スラント型FBG40aの長さや密度を適切に調整することで、レーザ光Lの反射光を精度良く検出することができる。
〔第2実施形態〕
図5は、本発明の第2実施形態によるレーザ装置の要部構成を示す図である。尚、図5においては、図1に示した構成と同様の構成については、同一の符号を付してある。本実施形態のレーザ装置2は、複数のスラント型FBG40a〜40cがモニタファイバ40に形成されており、複数のスラント型FBG40a〜40cに対応して複数の光検出器50a〜50cがそれぞれ設けられている点が、図1に示すレーザ装置1とは異なる。
図5は、本発明の第2実施形態によるレーザ装置の要部構成を示す図である。尚、図5においては、図1に示した構成と同様の構成については、同一の符号を付してある。本実施形態のレーザ装置2は、複数のスラント型FBG40a〜40cがモニタファイバ40に形成されており、複数のスラント型FBG40a〜40cに対応して複数の光検出器50a〜50cがそれぞれ設けられている点が、図1に示すレーザ装置1とは異なる。
スラント型FBG40a〜40cは何れも、モニタファイバ40のコア41(図3参照)に形成され、コア41を伝播する光(戻り光)を、ある角度をもって反射するものである。スラント型FBG40a〜40cは、モニタファイバ40の長手方向の異なる位置に形成されている。これらスラント型FBG40a〜40cは、反射波長が互いに異なる波長に設定されている。
例えば、スラント型FBG40aの反射波長は、第1実施形態と同様に、レーザ光Lの波長に設定されている。スラント型FBG40bの反射波長は、レーザ光Lによって生ずる誘導ラマン散乱(SRS:Stimulated Raman Scattering)光の波長に設定されている。スラント型FBG40cの反射波長は、可視光の波長に設定されている。一例を挙げると、スラント型FBG40aの反射波長は1070[nm]に設定され、スラント型FBG40bの反射波長は1120[nm]程度に設定され、スラント型FBG40cの反射波長は300〜700[nm]程度の波長域における任意の波長に設定される。
つまり、スラント型FBG40aは、モニタファイバ40を伝播する戻り光のうち、レーザ光Lの反射光をある角度をもって反射する。スラント型FBG40bは、モニタファイバ40を伝播する戻り光のうち、誘導ラマン散乱光をある角度をもって反射する。スラント型FBG40cは、モニタファイバ40を伝播する戻り光のうち、可視光をある角度をもって反射する。
尚、スラント型FBG40cによって反射される可視光としては、例えば、ファイバヒューズに起因する光ファイバの焼損によって生ずる光、レーザ光Lの射出方向を視認させるために用いられるガイド光(図示省略)等が挙げられる。光ファイバの焼損によって生ずる光を反射させる場合には、スラント型FBG40cの反射波長域は、例えば、300〜600[nm]程度に設定される。ガイド光(赤色)を反射させる場合には、例えば、スラント型FBG40cの反射波長域は、例えば、600〜700[nm]程度に設定される。
光検出器50aは、図1に示す光検出器50と同様に、モニタファイバ40に形成されたスラント型FBG40aで反射された戻り光を検出する。光検出器50bは、モニタファイバ40に形成されたスラント型FBG40bで反射された戻り光を検出する。光検出器50cは、モニタファイバ40に形成されたスラント型FBG40cで反射された戻り光を検出する。光検出器50a,50bとしては、例えば、赤外線フォトダイオードを用いることができる。光検出器50cとしては、例えば、フォトダイオードを用いることができる。尚、スラント型FBG40a〜40cの長さや密度は、対応する光検出器50a〜50cの検出感度に応じてそれぞれ調整されている。スラント型FBG40b,40cの長さは、スラント型FBG40aと同様に、例えば、10〜50[mm]程度とすることができる。また、スラント型FBG40b,40cの密度は、スラント型FBG40aと同様に、例えば、103〜104[本/mm]程度とすることができる。
制御部60は、光検出器50a〜50cの各々から出力される検出信号に応じて、レーザユニット10を制御する。例えば、制御部60は、光検出器50a,50bから出力される検出信号の少なくとも一方が、光検出器50a,50bの各々に対して予め個別に規定された閾値を超えた場合には、各レーザユニット10を制御して、各レーザユニット10からのレーザ光Lの射出を停止させ、或いは、各レーザユニット10から射出されるレーザ光Lのパワーを低下させる。
また、制御部60は、光検出器50cから出力される検出信号が、光検出器50cに対して予め規定された閾値を超えた場合には、各レーザユニット10を制御して、各レーザユニット10からのレーザ光Lの射出を停止させる。ここで、制御部60は、各レーザユニット10から射出されるレーザ光Lを、所定時間内に停止させる。例えば、制御部60は、各レーザユニット10から射出されるレーザ光Lを、100[msec]以内に停止させることが好ましい。
これは、レーザ光Lの高出力化に伴って、ファイバヒューズの進行速度が上昇するためである。例えば、レーザ光Lの出力が1[kW]以上になると、ファイバヒューズの進行速度が10[m/s]程度になる。このため、レーザユニット10の損傷を防止するために、各レーザユニット10から射出されるレーザ光Lを、100[msec]以下の時間で停止させることが好ましい。
次に、上記構成におけるレーザ装置2の動作について説明する。尚、レーザユニット10の各々から射出されたレーザ光Lが、光コンバイナ20で結合され、光ファイバ22を伝播した後に出力端30から出力されるまでの動作は、第1実施形態と同様である。また、以下では、理解を容易にするために、出力端30からレーザユニット10に向かう光(戻り光)には、レーザ光Lの反射光、ラマン散乱光、及び光ファイバの焼損によって生ずる光(可視光)が含まれるとする。
光ファイバ22を伝播した戻り光が光コンバイナ20に入射すると、光コンバイナ20を伝播した後に、光コンバイナ20の端部E1から光ファイバ21及びモニタファイバ40に入射する。モニタファイバ40に入射した戻りが、モニタファイバ40を伝播してスラント型FBG40aが形成された位置に達すると、戻り光に含まれる反射光(レーザ光Lの反射光)が、スラント型FBG40aによって選択的に反射されて光検出器50aで検出される。
また、スラント型FBG40aを透過した戻り光が、スラント型FBG40bが形成された位置に達すると、戻り光に含まれるラマン散乱光が、スラント型FBG40bによって選択的に反射されて光検出器50bで検出される。また、スラント型FBG40bを透過した戻り光が、スラント型FBG40cが形成された位置に達すると、戻り光に含まれる可視光(光ファイバの焼損によって生ずる光)が、スラント型FBG40cによって選択的に反射されて光検出器50cで検出される。
制御部60は、光検出器50a〜50cから出力された検出信号に応じて、レーザユニット10を制御する。例えば、制御部60は、光検出器50a,50bから出力される検出信号の少なくとも一方が、光検出器50a,50bの各々に対して予め個別に規定された閾値を超えた場合には、各レーザユニット10を制御して、各レーザユニット10からのレーザ光Lの射出を停止させる。また、また、制御部60は、光検出器50cから出力される検出信号が、光検出器50cに対して予め規定された閾値を超えた場合には、各レーザユニット10から射出されるレーザ光Lを、100[msec]以内に停止させる。
以上の通り、本実施形態では、光ファイバ21(レーザユニット10)が接続されていない光コンバイナ20の入力ポートに、反射波長が互いに異なる波長に設定された複数のスラント型FBG40a〜40cが形成されたモニタファイバ40を接続している。また、スラント型FBG40a〜40cに対応して、光検出器50a〜50cを設けている。そして、モニタファイバ40を伝播する戻り光から、スラント型FBG40a〜40cの反射波長に応じた波長成分の光をスラント型FBG40a〜40cの各々で選択的に反射し、光検出器50a〜50cで個別に検出している。このため、戻り光に含まれる各種の波長成分の光(例えば、レーザ光Lの反射光、ラマン散乱光、及び光ファイバの焼損によって生ずる光(可視光))を個別に精度良く検出することができる。
また、本実施形態において、スラント型FBG40a〜40cの長さや密度は、対応する光検出器50a〜50cの検出感度に応じてそれぞれ調整されている。このため、モニタファイバ40を伝播する戻り光から、スラント型FBG40a〜40cの反射波長に応じた波長成分の光を、光検出器50a〜50cの感度に応じた適切な光量で反射することができる。このため、戻り光に含まれる各種の波長成分の光(例えば、レーザ光Lの反射光、ラマン散乱光、及び光ファイバの焼損によって生ずる光(可視光))のパワーが著しく異なっていても、戻り光に含まれる各種の波長成分の光を個別に精度良く検出することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、前述した第1実施形態では、スラント型FBG40aの反射波長が、レーザ光Lの波長に設定されている場合を例に挙げて説明した。しかしながら、スラント型FBG40aの反射波長は、レーザ光Lの波長以外の波長に設定されていても良い。また、スラント型FBG40aの反射波長に応じて、光検出器50を、スラント型FBG40aで反射された光を検出可能なものに適宜変更しても良い。
例えば、スラント型FBG40aの反射波長は、レーザ光Lによって生ずる誘導ラマン散乱光の波長に設定されていても良い。かかる波長に設定されている場合には、誘導ラマン散乱光を検出可能な光検出器50を用いれば良い。また、スラント型FBG40aの反射波長は、可視光の波長に設定されていても良い。かかる波長に設定されている場合には、可視光を検出可能な光検出器50を用いれば良い。
1,2…レーザ装置、10…レーザユニット、20…光コンバイナ、30…出力端、40…モニタファイバ、40a〜40c…スラント型FBG、50…光検出器、50a〜50c…光検出器、60…制御部、L…レーザ光、P1〜P7…入力ポート
Claims (8)
- 少なくとも1つのレーザ光源と、
前記レーザ光源が接続可能な複数の入力ポートを有し、前記入力ポートから入力されるレーザ光を光学的に結合させる光コンバイナと、
前記光コンバイナで結合されたレーザ光を外部に出力する出力端と、
前記光コンバイナの、前記レーザ光源が接続されていない前記入力ポートに接続され、所定波長の光を反射するスラント型FBGが形成されたモニタファイバと、
前記スラント型FBGで反射された光を検出する光検出器と、
を備えるレーザ装置。 - 前記所定波長は、前記レーザ光の波長である、請求項1記載のレーザ装置。
- 前記所定波長は、前記レーザ光によって生ずる誘導ラマン散乱光の波長である、請求項1記載のレーザ装置。
- 前記所定波長は、可視光の波長である、請求項1記載のレーザ装置。
- 前記モニタファイバには、反射波長が互いに異なる波長に設定された複数のスラント型FBGが形成されており、
前記光検出器は、前記複数のスラント型FBGに対応してそれぞれ設けられている、
請求項1記載のレーザ装置。 - 前記スラント型FBGの各々の反射波長は、前記レーザ光の波長、前記レーザ光によって生ずる誘導ラマン散乱光の波長、又は可視光の波長に設定されている、請求項5記載のレーザ装置。
- 前記光検出器から出力される検出信号に応じて、前記レーザ光源を制御する制御部を更に備える、請求項1から請求項6の何れか一項に記載のレーザ装置。
- 前記制御部は、前記レーザ光源から射出されるレーザ光を、所定時間内に停止させる制御を行う、請求項7記載のレーザ装置。
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- 2019-11-21 JP JP2019210170A patent/JP2021082748A/ja active Pending
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