JP2021086715A - 高濃度窒素ガス生成システム並びに高濃度窒素ガス生成方法 - Google Patents

高濃度窒素ガス生成システム並びに高濃度窒素ガス生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池から排出される排気から高濃度窒素ガスを生成するためのシステム並びに方法を提供する。【解決手段】一以上の水素ガスタンクと、該水素ガスタンクからの水素の供給を受け電力を発する燃料電池と、該燃料電池に備わる給気口と排気口とを繋ぐ循環路と、該循環路の所定中間箇所に配設される循環昇圧機と、から構成され、該燃料電池の排気口から循環路へ排気された空気を循環昇圧機により循環させて給気口から再び燃料電池へ送気し、これを繰り返すことで循環する空気の酸素濃度を減少させると共に窒素濃度を上昇させて、高濃度の窒素ガスを生成する。【代表図】図1【選択図】図1

Description

本発明は、高濃度窒素ガス生成システム並びに該システムを実行するための方法に関し、詳しくは、燃料電池から排気される空気から高濃度の窒素ガスを生成するためのシステム並びに方法に関するものである。
窒素(窒素ガス)は、その不活性な物性特徴を活かして、保安・パージといった安全性向上や酸化防止などの品質保持用として、半導体製造プロセスから石油化学、食品・飲料の製造に至るまで、幅広い分野で利用されている。そして、産業用途としての窒素ガスは、およそ95%以上の窒素濃度が要求される。さらに、各用途に使用するに際しては加圧されていることが利便である。
ところで、空気の約99%は酸素と窒素で構成されており、その比率はおよそ2(酸素):8(窒素)であるため、窒素ガスは、該空気から約2割を占める酸素を分離・除去することで得ることができる。かかる窒素ガスを需要場所付近において生成する手法としては、主に膜分離方式とPSA(圧力変動吸着)方式とがあり、両者とも圧縮空気から窒素ガスを製造するため、窒素ガスとなる時点で加圧されているという利点が存する。
膜分離方式とは、特殊な中空糸膜を使った手法で、該中空糸膜に圧縮空気を透過させることで、各成分の透過速度の違いにより、酸素を優先的に分離・除去することで、およそ97%〜99%程度の濃度の窒素ガスを抽出することが可能である。
PSA(圧力変動吸着)方式とは、吸着材を利用したものであって、該吸着材に圧縮空気中の酸素を吸着させることで、その余としておよそ99〜99.99%までの濃度の窒素ガスを抽出することが可能である。
前述を総合すると、膜分離方式とPSA方式とは、産業用途として最低限の濃度である窒素ガス濃度95%以上を期待できるため、半導体製造プロセスから石油化学、食品・飲料の製造に至るまで種々の用途で使用可能である。
前述のとおり、空気中の酸素と窒素の比率はおよそ2:8であることから、該空気から窒素ガスを生成するためには、上記膜分離方式とPSA方式とを問わず、約2割の酸素を分離・除去する必要がある。この点、酸素と窒素の比率が1:9になるなど、酸素濃度の低減が図られるならば、分離・除去する酸素量が少なく済むことから、窒素ガスの生成効率が向上すると共に、生成される窒素ガスの純度も向上し、機械負担の軽減にも資することとなる。
酸素濃度が低減したものとして、燃料電池から排出される排気が考え得る。すなわち、燃料電池は、水素を空気中の酸素と化学反応させて発電を行うもので、その際に排出されるのは水と酸素濃度が減少した空気とである。かかる酸素濃度が減少した空気を、一般に窒素リッチガスと呼んでいる。
また、産業用としての燃料電池は、主として、工場、病院、官公署並びにコンピューターサーバールームなど停電を避けるべき場所のバックアップ電源装置として設置され得る。
かかる燃料電池から排出される窒素リッチガスの利用方法について、特開平7−183041号公報(特許文献1)や特開平7−183042号公報(特許文献2)、特開2000−277138号公報(特許文献3)などの技術提案が為されている。
すなわち、上記特許文献1乃至3にかかる技術提案は、燃料電池から排出される窒素リッチガスを、同じ燃料電池のパージ用若しくはシール用のガスとして利用するための技術提案であって、他用途に使用するための窒素ガスの生成に関する技術提案ではなかった。その主因として、燃料電池は、該燃料電池の発電効率上、産業用途で最低限必要とされる窒素濃度95%以上の窒素リッチガスを排出しないということにあった。
本出願人は、燃料電池から排出される窒素リッチガスに着目し、該窒素リッチガスの窒素濃度を向上させる方法はないものかとの着想のもと、該窒素リッチガスから高濃度窒素ガスを生成するためのシステム並びに方法を開発し、本発明における「高濃度窒素ガス生成システム並びに高濃度窒素ガス生成方法」の提案に至るものである。
特開平7−183041号公報 特開平7−183042号公報 特開2000−277138号公報
本発明は、上記技術背景に鑑み、燃料電池から排出される排気から高濃度窒素ガスを生成するためのシステム並びに方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、燃料電池の排気から高濃度の窒素ガスを生成するためのシステムであって、一以上の水素ガスタンクと、該水素ガスタンクからの水素の供給を受け電力を発する燃料電池と、該燃料電池に備わる給気口と排気口とを繋ぐ循環路と、該循環路の所定中間箇所に配設される循環昇圧機と、から成り、燃料電池の排気口から循環路へ排気された空気を循環昇圧機により循環させて給気口から再び燃料電池へ送気し、これを繰り返すことで循環する空気の酸素濃度を減少させると共に窒素濃度を上昇させて、高濃度の窒素ガスを生成する手段を採る。
また、本発明は、前記循環路における循環昇圧機の後段に、一乃至複数の減圧弁が配設されて成る手段を採る。
さらに、本発明は、前記循環路における中間所定箇所に、貯留タンクが配設されて成る手段を採る。
またさらに、本発明は、燃料電池の排気から高濃度の窒素ガスを生成するための方法であって、燃料電池の排気口から排気される空気を循環昇圧機により循環させて給気口から再び燃料電池へ送気し、これを繰り返すことで循環する空気中の酸素濃度を減少させると共に窒素濃度を上昇させて、高濃度の窒素ガスが生成される手段を採る。
さらにまた、本発明は、前記燃料電池に送気される空気が、減圧弁により減圧された状態で送気される手段を採る。
そしてまた、本発明は、前記燃料電池へ送気する空気並びに燃料電池から排気される空気が、貯留タンクにて加圧された状態で一時的に貯留される手段を採る。
本発明にかかる高濃度窒素ガス生成システム並びに高濃度窒素ガス生成方法によれば、燃料電池の排気口から循環路へ排気された空気を循環昇圧機により循環させて給気口から再び燃料電池へ繰り返し送気することで、燃料電池における発電によって送気された空気中の酸素濃度を順次減少させ、最終的に高濃度の窒素ガスを生成することが可能であって、燃料電池から排出される排気の有効利用に資する、といった優れた効果を奏するものである。
また、本発明にかかる高濃度窒素ガス生成システム並びに高濃度窒素ガス生成方法によれば、燃料電池で発生した電力をインバータを介して圧縮機、その他交流電力を要する機器などで利用し、もしくは、商用電源が停止した場合などでは、システム外部の非常用電源とすることで、高価な燃料電池を遊休とさせることなく常に有用に稼動状態とすることが可能であって、低コスト性の向上に資する、といった優れた効果を奏するものである。
本発明にかかる高濃度窒素ガス生成システムの第一の実施形態を示すシステム構成概略図である。 本発明にかかる高濃度窒素ガス生成システムの第二の実施形態を示すシステム構成概略図である。
本発明にかかる高濃度窒素ガス生成システム並びに高濃度窒素ガス生成方法は、燃料電池の排気口から循環路へ排気された空気を循環昇圧機により循環させて給気口から再び燃料電池へ送気し、これを繰り返すことで循環する空気の酸素濃度を減少させると共に窒素濃度を上昇させて、高濃度の窒素ガスを生成することを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる高濃度窒素ガス生成システム並びに高濃度窒素ガス生成方法の実施形態、すなわち、システム構成と動作とを、図面に基づいて説明する。
なお、本発明にかかる高濃度窒素ガス生成システム並びに高濃度窒素ガス生成方法は、以下に述べる実施形態に特に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる機器や該機器の素材もしくは形状などに関して適宜変更することができる。
図1は、本発明にかかる高濃度窒素ガス生成システムの第一の実施形態を示すシステム構成概略図である。
本発明にかかる高濃度窒素ガス生成システムは、一以上の水素ガスタンク10と、該水素ガスタンク10からの水素の供給を受け電力を発する燃料電池20と、該燃料電池20に備わる給気口21と排気口22とを繋ぐ循環路Rと、該循環路Rの所定中間箇所に配設される循環昇圧機30と、から構成されている。
水素ガスタンク10は、水素ガスを一時的に貯留し、水素供給管路12を介して燃料電池20へ該水素ガスを送気する目的で備えられるものであって、貯留された水素ガスを燃料電池20へ流出可能に接続される。
燃料電池20は、陽極側である水素極20aに水素ガスを、陰極側である空気極20bに空気を夫々供給させ、それらを電気化学的に反応させることで発電して直流電力を出力するもので、その際に水と酸素濃度が減少した窒素リッチガスとを排出するものであれば、特に限定するものではない。すなわち、反応において供される元素は水素と酸素であり、前記反応により空気中から酸素が減少した分、燃料電池20から排出される空気は、窒素濃度が相対的に高まっており、これが窒素リッチガスと呼ばれている。
燃料電池20には、陰極側20bへ空気を供給するための給気口21と、反応により酸素濃度が減少した窒素リッチガスを排出するための排気口22と、が備えられており、また、反応により発生した水を排出するためのドレン排出口24を備えている。そして、給気口21には循環路Rの一端が接続されると共に、排気口22には循環路Rの他端が接続されており、これにより給気口21と排気口22とは循環路Rを介して繋がれている。また、循環路Rには、逆流を防いで一定方向への空気の流れを担保すべく、必要に応じて一乃至複数の逆止弁42が配設されている。
循環路Rには、その所定中間箇所に循環昇圧機30が配設されている。該循環昇圧機30は、燃料電池20から排出された空気(窒素リッチガス)を加圧しつつ、再び燃料電池20へ送り出すためのものであって、燃料電池20から排出された窒素リッチガスが循環路Rを介して流入可能に接続されると共に、該窒素リッチガスを循環路Rを介して燃料電池20へ流出可能に接続される。該循環昇圧機30における窒素リッチガスの加圧量については、循環に最低限必要な加圧量であればよく、特に限定するものではないが、概ね0.3〜1Mpa程度とする。
循環昇圧機30には、附属タンク31が備えられ、該附属タンク31には予め圧縮空気が充填されている。この充填された圧縮空気が、昇圧されて燃料電池20へ送り出されると共に、燃料電池20から排出された窒素リッチガスは、この附属タンク31へ戻される。尚、該附属タンク31に当初充填される圧縮空気の空気圧については、特に限定するものではないが、概ね0.1〜0.5Mpa程度である。
ところで、循環路Rには、燃料電池20に送気される空気圧を減圧すべく、減圧弁40を配設する態様が望ましい。これは、反応効率を鑑みると共に、故障の原因ともされる燃料電池20における陰極側20bへの高圧負荷を避ける目的で配設されるもので、かかる目的を達成すべく、減圧弁40は、循環路Rにおける循環昇圧機30の後段且つ燃料電池20の前段に配設される。かかる減圧弁40は、一つに限らず、循環路R内の空気圧を段階的に減圧すべく、複数配設する態様も可能である。尚、最終的に燃料電池20に送気される空気圧については、特に限定するものではないが、概ね0.05Mpa程度まで減圧することが望ましい。
尚、燃料電池20は、電気化学的反応により水を発生させることから、該燃料電池20から排出される窒素リッチガスには、水分(水蒸気)が多く含まれることとなり、該窒素リッチガスが循環路Rや循環昇圧機30を通過するにしたがって冷やされ、その水分(水蒸気)が水滴化して結露が発生してしまうことが想定される。そこで、循環路Rの所定箇所に気液分離装置44を配設することで、燃料電池20が排出する窒素リッチガスから水分(水蒸気)を除去する態様が好適である。かかる目的を達成すべく、気液分離装置44は、循環路Rにおける燃料電池20の後段且つ循環昇圧機30の前段に配設される。気液分離装置44で除去した水分(水蒸気)は、ドレントラップ44aにより適宜排出される。
また、高濃度窒素ガスの生成状態を計測すべく、酸素濃度計Mを適宜配設する態様が好適である。循環する空気中の酸素濃度を計測することで、相対的に当該空気中の窒素濃度を計測することが可能であり、酸素濃度計Mにより高濃度窒素ガスの生成状態を計測することができる。かかる酸素濃度計Mは、最終的に高濃度窒素ガスが貯留される附属タンク31内の酸素濃度を計測し得る箇所に配設される態様が望ましい。
以上の通り構成される本発明にかかる高濃度窒素ガス生成システムによれば、およそ95%以上の高濃度の窒素ガスが容易に生成可能となる。生成された高濃度窒素ガスは、一旦、循環昇圧機30における附属タンク31に貯留され、その後附属タンク31から取り出し、他のタンクに移し替えるなどして、目的や用途に合わせて適宜使用される。
次に、本発明にかかる高濃度窒素ガス生成方法について説明する。該方法は、主に上述した本発明にかかる高濃度窒素ガス生成システムによって実現されるものである。
(ステップ1)
先ず、事前の準備として、循環昇圧機30の附属タンク31へ圧縮空気を充填する。充填される圧縮空気の空気圧は、特に限定はないが、概ね0.1〜0.5Mpa程度とする。
(ステップ2)
循環昇圧機30を作動させることで、附属タンク31内の空気が循環路Rへ昇圧送気されると共に、循環路Rを介して燃料電池20へ空気が送気される。昇圧による空気圧は、特に限定はないが、概ね0.3〜1Mpa程度とする。
尚、循環路R内の空気圧については、必要に応じて、燃料電池20に送気される前段において、減圧弁により概ね0.05Mpa程度まで減圧することが望ましい。
(ステップ3)
この状態で、燃料電池20を作動させることにより、陽極側である水素極20aに水素供給管路12を介して水素ガスが供給されると共に、陰極側20bである空気極に給気口21を介して循環路Rから送気されてきた空気が供給され、電気化学的反応によって発電が開始される。この反応により、電力のほか、水と、空気中から酸素が減少し窒素濃度が相対的に高まった空気(窒素リッチガス)が発生する。
(ステップ4)
燃料電池20での反応により発生した窒素リッチガスは、排気口22から循環路Rへ排気され、循環昇圧機30へ戻される。
上記ステップ2からステップ4を繰り返すこと、すなわち、循環路Rを介して燃料電池20と循環昇圧機30との間における空気循環が繰り返し為される過程で、その循環する空気中の酸素濃度が徐々に減少すると共に、窒素濃度が相対的に上昇することとなり、最終的に高濃度の窒素ガスが生成されることとなる。
生成された高濃度窒素ガスは、一旦、循環昇圧機30における附属タンク31に貯留され、その後附属タンク31から取り出し、他のタンクに移し替えるなどして、目的・用途に合わせて適宜使用される。
尚、上記ステップ3の過程で燃料電池20内に発生する水は、ドレン排出口24を介して適宜排出される。
また、上記ステップ3の過程で発電された電力は、必要に応じてインバータを介して交流電力へ変換するなどして、商用電源として外部へ送電したり、あるいは、循環昇圧機30や本システムにおける電力を要するその他の機器の電源とて利用することができる。
以上の通り構成される本発明にかかる高濃度窒素ガス生成方法によれば、およそ95%以上の高濃度の窒素ガスが容易に生成可能であり、生成された高濃度窒素ガスは、種々の用途に供されることとなる。
他の実施例について説明する。実施例1と同様の部分は省略する。
実施例1では、循環昇圧機30の附属タンク31へ当初の圧縮空気が充填される態様、そして、生成された高濃度窒素ガスについて該附属タンク31に一旦貯留された後に該附属タンク31から取り出して適宜使用される態様について説明した。しかしながら、循環昇圧機30に備えられる附属タンク31の容量によっては、直ぐに高濃度窒素ガスの生成が完了して、該窒素ガスを附属タンク31から取り出すべく、頻繁な作動停止を行う必要が生じる場合も想定し得る。
そこで、ある程度の容量の窒素ガスを貯留し得る技術が求められていた。
図2は、本発明にかかる高濃度窒素ガス生成システムの第二の実施形態を示すシステム構成概略図である。
本発明にかかる高濃度窒素ガス生成システムは、前記循環路Rにおける中間所定箇所に、貯留タンク50が配設された構成を採用する。
貯留タンク50は、当初の圧縮空気を貯留すると共に、燃料電池20により生成された窒素リッチガス及び高濃度窒素ガスを一時的に貯留するためのものであって、燃料電池20から排出された窒素リッチガスが循環路Rを介して流入可能に接続されると共に、該窒素リッチガスを循環路Rを介して燃料電池20へ流出可能に接続される。該貯留タンク50は、最終的に高濃度窒素ガスが貯留される箇所でもあり、タンク内の高濃度窒素ガスの生成状態を計測すべく、酸素濃度計Mが装備されている態様が望ましい。
ところで、貯留タンク50について、循環路Rの中間所定箇所に同様に配設される循環昇圧機30との配設位置の関係は、本発明の機能及び作用効果上、特に限定するものではないが、貯留タンク50内に貯留される気体(空気,窒素リッチガス,高濃度窒素ガス)の貯留容量や循環作用等に鑑みると、タンク内をより高圧状態で貯留させる態様が好ましく、図示の様に、循環路Rにおける循環昇圧機30の後段且つ燃料電池20の前段に配設される態様が望ましい。このとき、減圧弁40の配設位置は、貯留タンク50の後段であって燃料電池20の前段となる。
以上の通り構成される本発明にかかる高濃度窒素ガス生成システムによれば、高濃度の窒素ガスの生成に資するのみならず、熱を有して流入する窒素リッチガスの冷却や、脈圧の平滑においても有効である。生成された高濃度窒素ガスは、一旦、貯留タンク50並びに附属タンク31に貯留され、その後貯留タンク50や附属タンク31から取り出し、他のタンクに移し替えるなどして、目的や用途に合わせて適宜使用される。
次に、本発明にかかる高濃度窒素ガス生成方法について説明する。該方法は、主に上述した本発明にかかる高濃度窒素ガス生成システムによって実現されるものである。
(ステップ1)
先ず、事前の準備として、貯留タンク50へ圧縮空気を充填する。充填される圧縮空気の空気圧は、特に限定はないが、概ね0.1〜0.5Mpa程度とする。
(ステップ2)
循環昇圧機30を作動させることで、附属タンク31内の空気が循環路Rへ昇圧送気されると共に、循環路Rを介して貯留タンク50へ空気が送気される。昇圧による空気圧は、特に限定はないが、概ね0.3〜1Mpa程度とする。
(ステップ3)
貯留タンク50へ送気された空気は、予め充填されている圧縮空気と一体となり、さらに後段の燃料電池20へ循環路Rを介して送気される。
尚、循環路R内の空気圧については、必要に応じて、燃料電池20に送気される前段において、減圧弁により概ね0.05Mpa程度まで減圧することが望ましい。
(ステップ4)
この状態で、燃料電池20を作動させることにより、陽極側である水素極20aに水素供給管路12を介して水素ガスが供給されると共に、陰極側20bである空気極に給気口21を介して循環路Rから送気されてきた空気が供給され、電気化学的反応によって発電が開始される。この反応により、電力のほか、水と、空気中から酸素が減少し窒素濃度が相対的に高まった空気(窒素リッチガス)が発生する。
(ステップ5)
燃料電池20での反応により発生した窒素リッチガスは、排気口22から循環路Rへ排気され、循環昇圧機30へ戻される。
上記ステップ2からステップ5を繰り返すこと、すなわち、循環路Rを介して燃料電池20と循環昇圧機30、そして貯留タンク50との間における空気循環が繰り返し為される過程で、その循環する空気中の酸素濃度が徐々に減少すると共に、窒素濃度が相対的に上昇することとなり、最終的に高濃度の窒素ガスが生成されることとなる。
生成された高濃度窒素ガスは、一旦、貯留タンク50並びに附属タンク31に貯留され、その後貯留タンク50や附属タンク31から取り出し、他のタンクに移し替えるなどして、目的・用途に合わせて適宜使用される。
尚、上記ステップ4の過程で燃料電池20内に発生する水は、ドレン排出口24を介して適宜排出される。
また、上記ステップ4の過程で発電された電力は、必要に応じてインバータを介して交流電力へ変換するなどして、商用電源として外部へ送電したり、あるいは、循環昇圧機30や本システムにおける電力を要するその他の機器の電源とて利用することができる。
以上の通り構成される本発明にかかる高濃度窒素ガス生成方法によれば、高濃度の窒素ガスが容易に生成可能であると共に、熱を有して流入する窒素リッチガスの冷却や、脈圧の平滑においても有効に働き、生成された高濃度窒素ガスは、種々の用途に供されることとなる。
本発明は、窒素ガスの生成に関する発明であって、当該窒素ガスの利用分野は、半導体製造プロセスから石油化学、食品・飲料といった多岐にわたる幅広い分野で利用され得るものである。かかる窒素ガスの生成や利用の分野においては、その純度や生成の効率化などが要求されるところであるが、本発明は、上記「発明の効果」記載の通り、これらの要求を全て実現可能とするものである。したがって、本発明における「高濃度窒素ガス生成システム並びに高濃度窒素ガス生成方法」の産業上の利用可能性は大であると思料する。
10 水素ガスタンク
12 水素供給管路
20 燃料電池
20a 水素極
20b 空気極
21 給気口
22 排気口
24 ドレン排出口
30 循環昇圧機
31 附属タンク
40 減圧弁
42 逆止弁
44 気液分離装置
44a ドレントラップ
50 貯留タンク
M 酸素濃度計
R 循環路
ところで、循環路Rには、燃料電池20に送気される空気圧を減圧すべく、減圧弁40を配設する態様を採用する。これは、反応効率を鑑みると共に、故障の原因ともされる燃料電池20における陰極側20bへの高圧負荷を避ける目的で配設されるもので、かかる目的を達成すべく、減圧弁40は、循環路Rにおける循環昇圧機30の後段且つ燃料電池20の前段に配設される。かかる減圧弁40は、一つに限らず、循環路R内の空気圧を段階的に減圧すべく、複数配設する態様も可能である。尚、最終的に燃料電池20に送気される空気圧については、特に限定するものではないが、概ね0.05Mpa程度まで減圧することが望ましい。
(ステップ2)
循環昇圧機30を作動させることで、附属タンク31内の空気が循環路Rへ昇圧送気されると共に、循環路Rを介して燃料電池20へ空気が送気される。昇圧による空気圧は、特に限定はないが、概ね0.3〜1Mpa程度とする。
尚、循環路R内の空気圧については、必要に応じて、燃料電池20に送気される前段において、減圧弁により概ね0.05Mpa程度まで減圧される
(ステップ3)
貯留タンク50へ送気された空気は、予め充填されている圧縮空気と一体となり、さらに後段の燃料電池20へ循環路Rを介して送気される。
尚、循環路R内の空気圧については、必要に応じて、燃料電池20に送気される前段において、減圧弁により概ね0.05Mpa程度まで減圧される

Claims (6)

  1. 燃料電池の排気から高濃度の窒素ガスを生成するためのシステムであって、
    一以上の水素ガスタンクと、
    該水素ガスタンクからの水素の供給を受け電力を発する燃料電池と、
    該燃料電池に備わる給気口と排気口とを繋ぐ循環路と、
    該循環路の所定中間箇所に配設される循環昇圧機と、から成り、
    燃料電池の排気口から循環路へ排気された空気を循環昇圧機により循環させて給気口から再び燃料電池へ送気し、これを繰り返すことで循環する空気の酸素濃度を減少させると共に窒素濃度を上昇させて、高濃度の窒素ガスを生成することを特徴とする高濃度窒素ガス生成システム。
  2. 前記循環路における循環昇圧機の後段に、一乃至複数の減圧弁が配設されて成ることを特徴とする請求項1に記載の高濃度窒素ガス生成システム。
  3. 前記循環路における中間所定箇所に、貯留タンクが配設されて成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高濃度窒素ガス生成システム。
  4. 燃料電池の排気から高濃度の窒素ガスを生成するための方法であって、
    燃料電池の排気口から排気される空気を循環昇圧機により循環させて給気口から再び燃料電池へ送気し、これを繰り返すことで循環する空気の酸素濃度を減少させると共に窒素濃度を上昇させて、高濃度の窒素ガスが生成されることを特徴とする高濃度窒素ガス生成方法。
  5. 前記燃料電池に送気される空気が、減圧弁により減圧された状態で送気されることを特徴とする請求項4に記載の高濃度窒素ガス生成方法。
  6. 前記燃料電池へ送気する空気並びに燃料電池から排気される空気が、貯留タンクにて加圧された状態で一時的に貯留されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の高濃度窒素ガス生成方法。
JP2019214291A 2019-11-27 2019-11-27 高濃度窒素ガス生成システム並びに高濃度窒素ガス生成方法 Active JP6932325B2 (ja)

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