JP7363419B2 - 水電解システム - Google Patents

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Description

本発明は、水電解システムに関する。
従来、水の電気分解によって水素と酸素を生成する水電解システムが知られている。水電解システムは、一般的に、水の電気分解を行う電解セルに水を供給するポンプを備えている。例えば、特許文献1には、電気で駆動するポンプを用いて、電解セルに水を供給する技術が開示されている。また、特許文献2には、電解セルでの水の電気分解によって得られた酸素を用いてポンプを駆動し、電解セルに水を供給する技術が開示されている。
特開2019-123899号公報 特開2018-178231号公報
しかしながら、水電解システムが、水を電気分解するときに発熱する電解セルを備えている場合、ポンプは、電気分解用の水とともに、電解セルを冷却するための水も電解セルに供給する必要がある。このため、ポンプによる水の供給量が電気分解用の水の量よりも多くなるため、特許文献1に記載の電気で駆動するポンプでは、ポンプで消費される電気エネルギが多くなる。また、特許文献2に記載のポンプでは、水の電気分解によって得られる酸素の圧力は比較的低いため、この酸素の圧力を利用して電解セルに供給できる水の量は少ない。このため、特許文献2に記載のポンプが供給できる水の量で、水の電気分解と電解セルの冷却を両立することは容易ではなく、例えば、電気によって駆動する補助ポンプなどによって、電解セルにさらに水を供給する必要がある。したがって、水電解システムにおいて、水を電気分解するために必要な電気エネルギが多くなる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、水電解システムにおいて、水を電気分解するために必要なエネルギを低減する技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、水電解システムが提供される。この水電解システムは、前記電解セルに接続されており、前記電解セルで生成された酸素または水素のいずれか一方を含む生成ガスが供給される貯留タンクと、前記貯留タンクに接続される背圧弁と、前記電解セルに接続されており、前記電解セルに供給される水を貯留する水タンクと、前記貯留タンクに貯留されている前記生成ガスの圧力によって前記水タンクの水を加圧して、加圧した水を前記電解セルに供給させる供給ポンプと、を備え、前記背圧弁は、前記貯留タンクに貯留されている前記生成ガスの圧力が、前記供給ポンプを用いて前記電解セルに水を供給することが可能な圧力としてあらかじめ設定された圧力値以上となるように、前記貯留タンクの背圧を維持する。
この構成によれば、貯留タンクには、あらかじめ設定された圧力値以上となるように貯留タンクの背圧を維持する背圧弁が接続されている。貯留タンクには、電解セルで発生する酸素または水素のいずれか一方を含む生成ガスが継続的に供給される。これにより、貯留タンクに貯留されている生成ガスは昇圧されるため、電解セルから排出された生成ガスをそのまま供給ポンプの作動媒体に用いる場合に比べ、供給ポンプが供給できる水の量を増やすことができる。例えば、電解セルが水を電気分解するときに発熱する固体高分子型水電解セルであっても、電気分解用の水に加えて固体高分子型水電解セルを冷却するための水も供給することができる。したがって、水の電気分解によって得られた生成ガスを利用して、水の電気分解と電解セルの冷却を両立することができるだけの十分な量の水を電解セルに供給することができるため、水を電気分解するために必要なエネルギを低減することができる。
(2)上記形態の水電解システムは、さらに、前記電解セルと前記貯留タンクと前記水タンクとのそれぞれに接続されており、前記電解セルから排出される前記生成ガスと水との混合物を気液分離し、気液分離によって得られた前記生成ガスを前記貯留タンクに供給し、気液分離によって得られた水を前記水タンクに送る気液分離器を備えてもよい。この構成によれば、電気分解されずに電解セルから排出される水は、気液分離器によって生成ガスと分離され、水タンクに送られる。気液分離器から水タンクに送られた水は、再び、電解セルに供給され、電気分解される。水電解システムに用いられる水は、一般的に、純度が高い水であるため、製造に多くの費用がかかっている。そこで、電気分解されずに電解セルから排出された水を電気分解に再利用することによって、生成ガスの製造コストを低減することができる。
(3)上記形態の水電解システムであって、前記気液分離器は、前記電解セルから排出される酸素と水の混合物を気液分離する酸素側気液分離器であり、前記水電解システムは、さらに、前記酸素側気液分離器と前記水タンクとのそれぞれに接続されており、前記酸素側気液分離器から前記水タンクに送られる水をイオン交換させるイオン交換器と、前記酸素側気液分離器の内部の水位を検出する水位検出部と、前記酸素側気液分離器と前記イオン交換器との間に配置され、前記水位検出部によって検出される水位を用いて、前記酸素側気液分離器から前記水タンクに水を送る送水部と、を備え、前記送水部は、前記水位が所定の水位を超える場合、前記酸素側気液分離器から前記水タンクに水を送ってもよい。この構成によれば、酸素側気液分離器での気液分離によって得られた水は、イオン交換器においてイオン交換されたのち、水タンクに送られる。これにより、酸素側気液分離器から水タンクに送られる水の電気伝導度を低下させることができるため、電解セルにおいて異常電圧による電解セルの劣化を抑制することができる。また、送水部は、水位検出部によって検出される酸素側気液分離器の内部の水位が所定の水位を超える場合、酸素側気液分離器から水タンクに水を送る。酸素側気液分離器において、水位が所定の水位を超えている場合、酸素の圧力が比較的高い状態となっていることから、この酸素の圧力を利用して水を水タンクに押し出すことで、イオン交換器を通して水タンクに水を供給することができる。これにより、酸素側気液分離器の酸素を用いて、酸素側気液分離器の水を水タンクに送ることができるため、水を電気分解するために必要なエネルギをさらに低減することができる。また、酸素側気液分離器から水タンクに水を送るためのポンプが不要となるため、水電解システムの装置コストを低減することができる。
(4)上記形態の水電解システムであって、前記貯留タンクは、前記酸素側気液分離器での気液分離によって得られた酸素を前記あらかじめ設定された圧力値以上の圧力で貯留する酸素タンクであり、前記水電解システムは、さらに、前記酸素側気液分離器と前記イオン交換器との間に配置されており、前記酸素タンクに貯留されている酸素の圧力によって前記酸素側気液分離器の水を加圧して、加圧した水を前記水タンクに送る送液ポンプを備えてもよい。この構成によれば、送液ポンプは、酸素側気液分離器の水を、酸素タンクに貯留されている酸素によって加圧し、水タンクに送る。これにより、背圧弁によって高圧となっている酸素タンクの酸素を用いて、酸素側気液分離器の水を水タンクに送ることができるため、水を電気分解するために必要なエネルギをさらに低減することができる。
(5)上記形態の水電解システムであって、前記酸素側気液分離器から前記水タンクに送られる水の量を検出する水量検出部と、前記水量検出部によって検出される水の量を用いて、前記送液ポンプの駆動を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記酸素側気液分離器から前記水タンクに送られる水の量が所定値より少ない場合、前記送液ポンプを駆動し、前記酸素側気液分離器から前記水タンクに送られる水の量を増加させてもよい。この構成によれば、例えば、酸素側気液分離器における酸素の圧力が低くなると、酸素側気液分離器から水が押し出されにくくなるため、酸素側気液分離器から水タンクに供給される水の量が低下する。そこで、制御部は、酸素側気液分離器から水タンクに送られる水の量に応じて送液ポンプを駆動する。これにより、酸素側気液分離器で分離された水を確実に水タンクに供給できるとともに、酸素側気液分離器における酸素の圧力が比較的高いため送液ポンプを駆動する必要がない場合には、酸素タンクに貯留されている高圧酸素を使わないで済む。したがって、ガスの製造コストを低減するために消費される高圧酸素の量を低減することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、水電解システムの制御方法、水の電気分解をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム、コンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、コンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等などの形態で実現することができる。
第1実施形態の水電解システムの概略構成を示した模式図である。 第2実施形態の水電解システムの概略構成を示した模式図である。 第3実施形態の水電解システムの概略構成を示した模式図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の水電解システム1の概略構成を示した模式図である。本実施形態の水電解システム1では、電解セル10において水を電気分解することで酸素と水素を生成する。電気分解されなかった水とともに電解セル10から排出される酸素と水素のそれぞれは、酸素側処理部20または水素側処理部30のいずれかにおいて水が分離される。また、酸素側処理部20または水素側処理部30で分離された水は、水供給部40に送られ、電解セル10での電気分解のために、再び電解セル10に供給される。本実施形態の水電解システム1では、水素と酸素を効率的にかつ高純度で生成するため、不純物が少ない純度が高められた純水に対して電気分解が行われるが、電気分解される水の純度は、これに限定されない。水電解システム1は、電解セル10と、酸素側処理部20と、水素側処理部30と、水供給部40と、制御部50を備える。
電解セル10は、PEM型水電解セルであって、膜電極接合体(以下、「MEA」という)11を有する。MEA11は、水素イオンと水を通すことが可能な電解質膜11aの両面に、水の電気分解によって生成された酸素イオンから酸素を生成する酸素極11bと、水素イオンから水素を生成する水素極11cと、が接合されたものである。酸素極11bには、溝や多孔質部材の細孔などの酸素極側流路12が形成されている。水素極11cには、酸素極側流路12と同様に、溝や多孔質部材の細孔などの水素極側流路13が形成されている。電解セル10には、MEA11の酸素極11bと水素極11cとに電力を供給する電源14が設けられている。
電解セル10では、水供給部40が供給する水が酸素極側流路12を流れている状態において、MEA11の酸素極11bと水素極11cに電力が供給されると、酸素極11bにおいて水が電気分解され、酸素と水素イオンが生成される。生成された酸素は、電気分解されなかった水の一部とともに酸素極側流路12を通って電解セル10の外部に排出される。酸素極11bで生成された水素イオンは、電気分解されなかった水のうち電解セル10の外部に排出されなかった水(随伴水)とともに、酸素極11bから水素極11cに移動し、水素極11cにおいて電子と結合することで水素になる。水素極11cにおいて生成された水素は、随伴水とともに、水素極側流路13を通って電解セル10の外部に排出される。なお、本実施形態での酸素極側流路12における酸素と水の流れ方向は、図1に示す点線矢印A12が示す方向であり、水素極側流路13における水素と随伴水の流れ方向は、図1に示す点線矢印A13が示す方向である。
電解セル10において水の電気分解を行うとき、酸素極側流路12に供給される水の一部は、水の電気分解によって発熱するMEA11を冷却する冷媒となる。すなわち、本実施形態の水供給部40は、電気分解される水とMEA11を冷却するための水を電解セル10に供給する。MEA11を冷却した水は、上述した電気分解されなかった水として、酸素または水素とともに電解セル10の外部に排出される。酸素極側流路12から排出される酸素と水の混合物は、酸素側処理部20に送られる。水素極側流路13から排出される水素と水の混合物は、水素側処理部30に送られる。
酸素側処理部20は、熱交換器21と、酸素側気液分離器23と、酸素タンク25を備える。酸素側処理部20は、電解セル10の酸素極側流路12から排出される酸素と水の混合物から酸素を分離し、分離された酸素を貯留するとともに、気液分離によって得られた水を水供給部40が有する水タンク41に送る。
熱交換器21は、酸素側流路20aを介して、電解セル10の酸素極側流路12に接続している。熱交換器21は、熱交換流体が流れる熱交換パイプ21aを有している。熱交換器21では、発熱するMEA11を冷却したために比較的高温となっている酸素と水の混合物から、熱交換パイプ21aを流れる熱交換流体を用いて、熱を回収する。熱交換流体によって回収された熱は、例えば、外部の図示しない蓄熱体で蓄熱したり、外部の図示しない物体を直接加熱したりすることに利用される。熱交換器21は、酸素側流路20bを介して酸素側気液分離器23に接続している。
酸素側気液分離器23は、例えば、サイクロン式の気液分離器であって、熱交換器21を通った後の酸素と水の混合物を、酸素と水とに気液分離する。本実施形態の酸素側気液分離器23では、酸素側気液分離器23内の上側に酸素が溜まり、下側に水W20が溜まる。酸素側気液分離器23は、酸素側流路20cを介して水供給部40の水タンク41に接続し、酸素側流路20dを介して酸素タンク25に接続している。なお、酸素側気液分離器23の気液分離の方法は、サイクロン式に限定されず、フィルタを用いる方法、遠心力を用いる方法や、冷却式であってもよい。
酸素側気液分離器23と水供給部40が有する水タンク41とに接続する酸素側流路20cには、オンオフ弁22が配置されている。オンオフ弁22は、酸素側気液分離器23に設けられている水位計22aによって検出される酸素側気液分離器23内の水W20の水位に応じて開閉する。具体的には、水位計22aによって検出される酸素側気液分離器23内の水W20の水位が所定の水位以下のとき、オンオフ弁22を閉じることで酸素側気液分離器23と水供給部40とを遮断する。水位計22aによって検出される酸素側気液分離器23内の水W20の水位が所定の水位を超えるとき、オンオフ弁22が開くことで酸素側流路20cを介して酸素側気液分離器23内の水W20が水タンク41に送られる。水位計22aは、特許請求の範囲の「水位検出部」に相当する。
酸素側気液分離器23と酸素タンク25とに接続する酸素側流路20dには、逆止弁24が配置されている。逆止弁24は、酸素側気液分離器23から酸素タンク25への流体の流れを許容する一方、酸素タンク25から酸素側気液分離器23への流体の流れを遮断する。
酸素タンク25は、酸素側気液分離器23での気液分離によって得られた酸素を貯留する。酸素タンク25に貯留される酸素は、必要に応じて水電解システム1の外部に排出され(図1の点線矢印F20)、例えば、化学品の酸化や、製鋼における転炉での成分調整などに利用される。
水素側処理部30は、水素側気液分離器31と、第1水素タンク33と、第2水素タンク35を備える。水素側処理部30は、電解セル10の水素極側流路13から排出される水素と水の混合物から水素を分離し、分離された水素を貯留するとともに、気液分離によって得られた水を水供給部40が有する水タンク41に送る。また、水素側処理部30は、貯留している水素の一部を、水供給部40が有する供給ポンプ43に供給する。
水素側気液分離器31は、水素側流路30aを介して、電解セル10の水素極側流路13に接続している。水素側気液分離器31は、例えば、サイクロン式の気液分離器であって、水素極側流路13から排出された水素と水の混合物を、水素と水とに気液分離する。本実施形態の水素側気液分離器31では、水素側気液分離器31の上側に水素が溜まり、下側に水W30が溜まる。水素側気液分離器31は、水素側流路30bを介して水供給部40の水タンク41に接続し、水素側流路30cを介して第1水素タンク33に接続している。なお、水素側気液分離器31の気液分離の方法は、酸素側気液分離器23と同様に、サイクロン式に限定されず、フィルタを用いる方法や、遠心力を用いる方法、冷却式であってもよい。
水素側気液分離器31と水タンク41とに接続する水素側流路30bには、オンオフ弁32が配置されている。オンオフ弁32は、水素側気液分離器31に設けられている水位計32aによって検出される水素側気液分離器31内の水W30の水位に応じて開閉する。具体的には、水位計32aによって検出される水素側気液分離器31内の水W30の水位が所定の水位以下のとき、オンオフ弁32を閉じることで水素側気液分離器31と水供給部40とを遮断する。水位計32aによって検出される水素側気液分離器31内の水W30の水位が所定の水位を超えるとき、オンオフ弁32が開くことで水素側流路30bを介して水素側気液分離器31内の水W30が水タンク41に送られる。水位計32aは、特許請求の範囲の「水位検出部」に相当する。
水素側気液分離器31と第1水素タンク33とに接続する水素側流路30cには、逆止弁34が配置されている。逆止弁34は、水素側気液分離器31から第1水素タンク33への流体の流れを許容する一方、第1水素タンク33から水素側気液分離器31への流体の流れを遮断する。
第1水素タンク33は、水素側気液分離器31を介して電解セル10に接続しており、水素側気液分離器31での気液分離によって得られた水素を貯留する。第1水素タンク33は、水素側流路30dを介して水供給部40の供給ポンプ43に接続し、水素側流路30eを介して第2水素タンク35に接続している。第1水素タンク33は、特許請求の範囲の「貯留タンク」に相当する。
第1水素タンク33と供給ポンプ43とに接続する水素側流路30dには、制御部50からの指令に応じて水素側流路30dを流れる水素の流量を調整する流量調整弁36が配置されている。流量調整弁36は、制御部50からの指令によって開くことで、第1水素タンク33内の水素を供給ポンプ43に供給する。供給ポンプ43に供給される第1水素タンク33内の水素は、供給ポンプ43の駆動に用いられる。
第1水素タンク33と第2水素タンク35とに接続する水素側流路30eには、背圧弁37が配置されている。背圧弁37は、第1水素タンク33の水素の圧力が、供給ポンプ43を用いて電解セル10に水を供給することが可能な圧力としてあらかじめ設定された圧力値以上となるように、第1水素タンク33の背圧を維持する。
第2水素タンク35は、第1水素タンク33に貯留されている水素の圧力に比べ低圧の水素を貯留する。第2水素タンク35に貯留される水素は、第1水素タンク33で貯留されている水素の圧力が所定値以上になったときに背圧弁37が開くことで、第1水素タンク33から流入する水素である。また、第2水素タンク35は、水素側流路30fを介して水供給部40の供給ポンプ43に接続しており、供給ポンプ43の駆動に使われて低圧となった水素も貯留される。第2水素タンク35に貯留される水素は、必要に応じて水電解システム1の外部に排出され(図1の点線矢印F30)、例えば、炭化水素化合物の生成や、化学品の還元に利用される。
第2水素タンク35と供給ポンプ43とに接続する水素側流路30fには、逆止弁38が配置されている。逆止弁38は、供給ポンプ43から第2水素タンク35への流体の流れを許容する一方、第2水素タンク35から供給ポンプ43への流体の流れを遮断する。
水供給部40は、水タンク41と、供給ポンプ43と、イオン交換器45を備える。水供給部40は、電解セル10に供給される水を一時的に貯留し、電解セル10での水の電気分解の状況に合わせて電解セル10に水W40を供給する。
水タンク41は、外部の図示しない水供給装置から供給される水(図1の点線矢印F40)を一時的に貯留する。本実施形態では、水タンク41には、酸素側気液分離器23での気液分離によって得られた水W20と、水素側気液分離器31での気液分離によって得られた水W30が送られる。水タンク41は、供給流路40aを介して供給ポンプ43に接続している。
供給ポンプ43は、ダイアフラム式のポンプであって、水素側流路30dを介して第1水素タンク33から供給される水素の圧力によって駆動する。供給ポンプ43は、供給流路40bを介して電解セル10の酸素極側流路12に接続されている。供給ポンプ43は、水タンク41に貯留されている水W40を加圧し、加圧した水を酸素極側流路12に供給する。なお、供給ポンプ43の駆動方式は、これに限定されない。水素の流れによって歯車やタービンを回転させることで水タンク41に貯留されている水W40を加圧し、加圧された水を電解セル10に供給してもよい。
供給ポンプ43と電解セル10とに接続する供給流路40bには、三方弁44が配置されている。三方弁44は、供給流路40bを流れる水の一部をバイパス流路40cに流す。バイパス流路40cに配置されているイオン交換器45は、バイパス流路40cを流れる水の電気伝導度をイオン交換によって低下させる。これにより、電解セル10が有するMEA11における異常電圧による劣化を抑制する。
制御部50は、ROM、RAM、および、CPUを含んで構成されるコンピュータである。制御部50は、電解セル10での水の電気分解の制御や、第1水素タンク33から供給ポンプ43への水素の供給量を調整する流量調整弁36の制御などを行う。
次に、水電解システム1における水電解処理を説明する。水電解システム1では、水供給部40が供給流路40a、40bを介して酸素極側流路12に供給する水を電気分解し、酸素極11bで酸素を生成し、水素極11cで水素を生成する。このとき、MEA11を冷却したものの電気分解されなかった水が、酸素極側流路12では、生成された酸素とともに酸素側流路20aに排出され、水素極側流路13では、生成された水素とともに水素側流路30aに排出される。
酸素側流路20aを流れる酸素と水の混合物は、熱交換器21において冷却された後、酸素側気液分離器23に送られる。酸素側気液分離器23では、酸素と水の混合物から気液が分離される。気液分離によって得られた水W20は、酸素側流路20cを通って、水タンク41に送られる。気液分離によって得られた酸素は、酸素側流路20dを通って、酸素タンク25に貯留される。
水素側流路30aを流れる水素と水の混合物は、水素側気液分離器31において、水素と水の混合物から気液が分離される。気液分離によって得られた水W30は、水素側流路30bを通って、水タンク41に供給される。気液分離によって得られた水素は、水素側流路30cを通って、第1水素タンク33に貯留される。
ここで、第1水素タンク33に貯留されている水素の圧力を説明する。第1水素タンク33には、逆止弁34が配置されている水素側流路30cを通って、気液分離によって得られた水素が流入する。この気液分離される水素は、電解セル10での水の電気分解によって継続的に生成されているため、第1水素タンク33にも継続的に水素が供給される。一方、第1水素タンク33からの水素が流れる水素側流路30eには、背圧弁37が配置されており、第1水素タンク33からの水素の圧力が、背圧弁37にあらかじめ設定されている圧力値以上にならない限り、水素側流路30eには水素は流れない。また、第1水素タンク33からの水素が流れる水素側流路30dには、水素側流路30dを流れる水素の流量を調整する流量調整弁36が配置されており、制御部50からの指令がないと水素側流路30dには水素は流れない。このように、本実施形態の水電解システム1では、第1水素タンク33には水素が継続的に供給される一方、第1水素タンク33からは限定的にしか水素は排出されないため、第1水素タンク33内の水素の圧力は、比較的高い圧力となる。
第1水素タンク33に貯留されている水素は、水素側流路30dを介して供給ポンプ43に供給される。供給ポンプ43では、第1水素タンク33から供給される水素を用いて、水タンク41に貯留されている水を加圧する。本実施形態では、供給ポンプ43は、上述した高圧水素によって駆動するため、水の電気分解とMEA11の冷却を両立させるのに十分な量の水を電解セル10に供給することができる。
供給ポンプ43の駆動に用いられた水素は、比較的低い圧力となっており、水素側流路30fを介して第2水素タンク35に送られる。第2水素タンク35では、背圧弁37が開くことによって第1水素タンク33から送られる水素と、供給ポンプ43から送られる水素とが貯留される。
水供給部40では、第1水素タンク33から供給される水素を用いて加圧された水を電解セル10に供給する。このとき、加圧された水の一部は、イオン交換器45においてイオン交換された後、電解セル10に供給される。
以上説明した、本実施形態の水電解システム1によれば、第1水素タンク33には、あらかじめ設定された圧力値以上となるように第1水素タンク33の背圧を維持する背圧弁37が接続されている。第1水素タンク33には、電解セル10で発生する水素が継続的に供給されるため、第1水素タンク33の水素は昇圧される。これにより、第1水素タンク33の高圧水素が供給される供給ポンプ43が電解セル10に供給することができる水の量は、電解セルから排出されたガスをそのまま供給ポンプの作動媒体に用いる場合に比べ多くなる。したがって、水の電気分解によって得られた水素を利用して、水の電気分解と電解セル10の冷却を両立することができるだけの十分な量の水を電解セル10に供給することができるため、水を電気分解するために必要なエネルギを低減することができる。
また、本実施形態の水電解システム1によれば、電気分解されずに電解セル10の酸素極側流路12から排出される水は、酸素側気液分離器23によって酸素と分離され、水タンク41に送られる。また、電解セル10の水素極側流路13から排出される水は、水素側気液分離器31によって水素と分離され、水タンク41に送られる。酸素側気液分離器23と水素側気液分離器31から水タンク41に送られた水は、再び、電解セル10に供給され、電気分解される。水電解システム1に用いられる水は、純度が高い水であるため、製造に多くの費用がかかっている。そこで、電気分解されずに電解セル10から排出された水を電気分解に再利用することによって、酸素および水素の製造コストを低減することができる。
また、本実施形態の水電解システム1によれば、水素側気液分離器31を用いて第1水素タンク33に貯留される前の水素から水を取り除く。これにより、水が水素とともに作動媒体として供給ポンプ43に供給されることを抑制することができるため、供給ポンプ43は、予定された水の供給能力を発揮することができる。
また、本実施形態の水電解システム1によれば、水タンク41の水W40を電解セル10に送るために加圧する供給ポンプ43には、第1水素タンク33の水素が供給される。これは、1molの水の電気分解によって0.5molの酸素と、1molの水素とが生成されるように、水の電気分解においては水素の発生量が酸素の発生量より多いためである。これにより、第1水素タンク33の内容積と酸素タンク25の内容積とが同じである場合、第1水素タンク33内の水素の圧力は、酸素タンク25内の酸素の圧力より高くなりやすいため、供給ポンプ43を駆動しやすくなる。
<第2実施形態>
図2は、第2実施形態における水電解システム2の概略構成を示した説明図である。第2実施形態の水電解システム2は、第1実施形態の水電解システム1(図1)と比較すると、酸素側気液分離器の水をイオン交換するイオン交換器を備えている点が異なる。
水電解システム2は、電解セル10と、酸素側処理部60と、水素側処理部30と、水供給部70と、制御部50を備える。
酸素側処理部60は、熱交換器21と、酸素側気液分離器23と、第1酸素タンク63と、第2酸素タンク65を備える。酸素側処理部60は、電解セル10の酸素極側流路12から排出される酸素と水の混合物から酸素を分離し、分離された酸素を貯留するとともに、気液分離によって得られた水W60を水供給部40の水タンク41に送る。また、酸素側処理部60は、貯留している酸素の一部を、水供給部70が有する送液ポンプ77に供給する。
本実施形態では、酸素側気液分離器23に酸素側気液分離器23における酸素の圧力を検出する圧力計61が設けられている。圧力計61は、検出した酸素の圧力を制御部50に出力する。圧力計61は、特許請求の範囲の「水量検出部」に相当する。
第1酸素タンク63は、逆止弁24が配置されている酸素側流路60aを介して、酸素側気液分離器23に接続している。第1酸素タンク63は、熱交換器21および酸素側気液分離器23を介して電解セル10に接続しており、酸素側気液分離器23での気液分離によって得られた酸素を貯留する。第1酸素タンク63は、酸素側流路60bを介して水供給部70が有する送液ポンプ77に接続し、酸素側流路60cを介して第2酸素タンク65に接続している。第1酸素タンク63は、特許請求の範囲の「貯留タンク」に相当する。
第1酸素タンク63と送液ポンプ77とに接続する酸素側流路60bには、制御部50からの指令に応じて酸素側流路60bを流れる酸素の流量を調整する流量調整弁66が配置されている。流量調整弁66は、制御部50からの指令によって開くことで、第1酸素タンク63内の酸素を送液ポンプ77に供給する。送液ポンプ77に供給される第1酸素タンク63内の酸素は、送液ポンプ77の駆動に用いられる。
第1酸素タンク63と第2酸素タンク65とに接続する酸素側流路60cには、背圧弁67が配置されている。背圧弁67は、第1酸素タンク63の酸素の圧力が、送液ポンプ77を用いて水タンク41に水を送ることが可能な圧力としてあらかじめ設定された圧力値以上となるように、第1酸素タンク63の背圧を維持する。
第2酸素タンク65は、第1酸素タンク63に貯留されている酸素の圧力に比べ低圧の酸素を貯留する。第2酸素タンク65に貯留される酸素は、第1酸素タンク63で貯留されている酸素の圧力が所定値以上になったときに背圧弁67が開くことで、第1酸素タンク63から流入する酸素である。また、第2酸素タンク65は、酸素側流路60dを介して水供給部70の送液ポンプ77に接続しており、送液ポンプ77の駆動に使われて低圧となった酸素も貯留される。第2酸素タンク65に貯留される酸素は、必要に応じて水電解システム1の外部に排出される(図2の点線矢印F60)。
第2酸素タンク65と送液ポンプ77とに接続する酸素側流路60dには、逆止弁68が配置されている。逆止弁68は、送液ポンプ77から第2酸素タンク65への流体の流れを許容する一方、第2酸素タンク65から送液ポンプ77への流体の流れを遮断する。
水供給部70は、水タンク41と、供給ポンプ43と、イオン交換器45と、送液ポンプ77と、イオン交換器79を備える。水供給部70は、電解セル10に供給される水を一時的に貯留し、電解セル10での水の電気分解の状況に合わせて電解セル10に水W70を供給する。
送液ポンプ77とイオン交換器79は、酸素側気液分離器23と水タンク41とに接続する酸素側流路20cに配置されている。送液ポンプ77は、酸素側流路60bを介して第1酸素タンク63から供給される酸素の圧力によって駆動するダイアフラム式のポンプである。送液ポンプ77は、酸素側気液分離器23の水W60を加圧し、加圧した水を水タンク41に送る。イオン交換器79は、送液ポンプ77が水タンク41に送る酸素側気液分離器23の水W60の電気伝導度をイオン交換によって低下させる。なお、送液ポンプ77の駆動方式は、これに限定されない。酸素によって歯車やタービンを回転させることで、酸素側気液分離器23の水W60を加圧し、水タンク41に送ってもよい。
次に、水電解システム2における水電解処理を説明する。水電解システム2では、第1実施形態で説明した水電解システム1における水電解処理に、酸素側気液分離器23の水W60を、イオン交換器79を通して水タンク41に送る工程が加わる。
本実施形態では、酸素側気液分離器23の水W60は、酸素側気液分離器23の水W60の水位に応じて水タンク41に送られる。具体的には、水位計22aが検出する水W60の水位が所定の水位を超えるとき、制御部50は、オンオフ弁22を開く。このとき、酸素側気液分離器23の水W60は、酸素側気液分離器23における内部の酸素の圧力によって押し出される形で酸素側流路20cを流れ、イオン交換器79を介して水タンク41に送られる。オンオフ弁22は、特許請求の範囲の「送水部」に相当する。
また、本実施形態では、水W60を水タンク41に送るとき、酸素側気液分離器23から水タンク41に送られる水の量、すなわち、酸素側流路20cを流れる水の量が所定値より少ない場合、制御部50は、送液ポンプ77を駆動し、酸素側流路20cを流れる水の量を増加させる。具体的には、制御部50は、水W60を水タンク41に送るときに圧力計61が検出する酸素側気液分離器23の酸素の圧力から、酸素側流路20cを流れる水の量が所定値より少ないか否かを判定する。制御部50は、酸素側流路20cを流れる水の量が所定値より少ないと判定すると、第1酸素タンク63に貯留されている酸素が送液ポンプ77に供給されるように、流量調整弁66を開く。第1酸素タンク63の酸素が送液ポンプ77に送られると、送液ポンプ77が駆動し、酸素側流路20cを流れる水が加圧される。これにより、酸素側流路20cを流れる水の量が増加する。
以上説明した、本実施形態の水電解システム2によれば、電解セル10で発生する水素が継続的に供給される第1水素タンク33には背圧弁37が接続されている。これにより、第1水素タンク33の水素は昇圧されるため、供給ポンプ43が供給できる水の量を増やすことができる。したがって、水の電気分解によって得られた水素を利用して、水の電気分解と電解セル10の冷却を両立することができる水を電解セル10に供給することができるため、水を電気分解するために必要なエネルギを低減することができる。
また、本実施形態の水電解システム2によれば、酸素側気液分離器23での気液分離によって得られた水W60は、イオン交換器79においてイオン交換されたのち、水タンク41に送られる。これにより、酸素側気液分離器23から水タンク41に送られる水の電気伝導度を低下させることができるため、電解セル10において異常電圧による電解セル10の劣化を抑制することができる。また、制御部50は、水位計22aによって検出される酸素側気液分離器23の水W60の水位が所定の水位を超える場合、酸素側気液分離器23から水タンク41に水を送る。酸素側気液分離器23において、水位が所定の水位を超えている場合、酸素の圧力が比較的高い状態となっていることから、この酸素の圧力を利用して水W60を水タンク41に向かって押し出すことで、圧力損失が発生するイオン交換器79を通して水タンク41に水を供給することができる。これにより、酸素側気液分離器23の酸素を用いて、酸素側気液分離器23の水W60を水タンク41に送ることができるため、水を電気分解するために必要なエネルギをさらに低減することができる。また、酸素側気液分離器23から水タンク41に水を送るためのポンプが不要となるため、水電解システム2の装置コストを低減することができる。
また、本実施形態の水電解システム2によれば、送液ポンプ77は、酸素側気液分離器23の水W60を、第1酸素タンク63に貯留されている酸素によって加圧し、水タンク41に送る。これにより、背圧弁67によって高圧となっている第1酸素タンク63の酸素を用いて、酸素側気液分離器23の水W60を水タンク41に送ることができるため、水を電気分解するために必要なエネルギをさらに低減することができる。
また、本実施形態の水電解システム2によれば、酸素側気液分離器23における酸素の圧力が低くなると、酸素側気液分離器23から水W60が押し出されにくくなるため、酸素側気液分離器23から水タンク41に供給される水の量が低下する。そこで、制御部50は、酸素側気液分離器23から水タンク41に供給される水の量に応じて送液ポンプ77を駆動する。これにより、酸素側気液分離器23で気液分離された水W60を確実に水タンク41に供給できるとともに、酸素側気液分離器23における酸素の圧力が比較的高いため送液ポンプ77を駆動する必要がない場合には、第1酸素タンク63に貯留されている高圧酸素を使わないで済む。したがって、酸素の製造コストを低減するために消費される高圧酸素の量を低減することができる。
<第3実施形態>
図3は、第3実施形態における水電解システム3の概略構成を示した説明図である。第3実施形態の水電解システム3は、第2実施形態の水電解システム1(図1)と比較すると、水タンクの水を電解セルに供給する供給ポンプを、酸素によって駆動している点が異なる。
水電解システム3は、電解セル10と、酸素側処理部60と、水素側処理部80と、水供給部90と、制御部50を備える。
本実施形態の酸素側処理部60では、酸素側流路60bは、水供給部90が有する供給ポンプ93に接続している。これにより、制御部50からの指令によって流量調整弁66が開くことで、第1酸素タンク63内の酸素が供給ポンプ93に供給される。送液ポンプ77に供給される第1酸素タンク63内の酸素は、供給ポンプ93の駆動に用いられる。背圧弁67は、第1酸素タンク63の酸素の圧力が、供給ポンプ93を用いて電解セル10に水を送ることが可能な圧力としてあらかじめ設定された圧力値以上となるように、第1酸素タンク63の背圧を維持する。
また、本実施形態の酸素側処理部60では、酸素側流路60bは、供給ポンプ93に接続している。酸素側流路60dには、逆止弁68が配置されている。逆止弁68は、供給ポンプ93から第2酸素タンク65への流体の流れを許容する一方、第2酸素タンク65から供給ポンプ93への流体の流れを遮断する。
水素側処理部80は、水素側気液分離器31と、水素タンク83を備える。水素側処理部80は、電解セル10の水素極側流路13から排出される水素と水の混合物から水素を分離し、分離された水素を貯留する。また、水素側処理部80は、水素側気液分離器31において得られた水W80を水タンク41に供給する。
水素タンク83は、逆止弁34が配置されている水素側流路80aを介して、水素側気液分離器31に接続している。水素タンク83は、水素側気液分離器31での気液分離によって得られた水素を貯留する。水素タンク83に貯留される水素は、必要に応じて水電解システム1の外部に排出される(図3の点線矢印F80)。
水供給部90は、水タンク41と、供給ポンプ93と、イオン交換器45を備える。水供給部90は、電解セル10に供給される水を一時的に貯留し、電解セル10での水の電気分解の状況に合わせて電解セル10に水W90を供給する。
供給ポンプ93は、酸素側流路60bを介して第1酸素タンク63から供給される酸素の圧力によって駆動するダイアフラム式のポンプである。供給ポンプ93は、供給流路40aを介して水タンク41に接続し、供給流路40bを介して電解セル10の酸素極側流路12に接続している。供給ポンプ93は、水タンク41に貯留されている水W90を加圧し、加圧した水を酸素極側流路12に供給する。なお、供給ポンプ93の駆動方式は、これに限定されない。水素によって歯車やタービンを回転させることで、水タンク41に貯留されている水を加圧し、電解セル10に供給してもよい。
以上説明した、本実施形態の水電解システム3によれば、電解セル10で発生する酸素が継続的に供給される第1酸素タンク63には背圧弁67が接続されている。これにより、第1酸素タンク63の酸素は昇圧されるため、供給ポンプ93が供給できる水の量を増やすことができる。したがって、水の電気分解によって得られた酸素を利用して、水の電気分解と電解セル10の冷却を両立することができる水を電解セル10に供給することができるため、水を電気分解するために必要なエネルギを低減することができる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
第2実施形態では、水タンク41の水を電解セル10に供給する供給ポンプ43には、第1水素タンク33の高圧水素が供給され、酸素側気液分離器23の水を水タンク41に供給する送液ポンプ77には、第1酸素タンク63の高圧酸素が供給されるとした。しかしながら、第1水素タンク33の高圧水素を用いて水素側気液分離器31の水を水タンク41に供給し、第1酸素タンク63の高圧酸素を用いて水タンク41の水を電解セル10に供給してもよい。また、供給ポンプ43と送液ポンプのいずれにも、第1水素タンク33の高圧水素のみ、または、第1酸素タンク63の高圧酸素のみが供給されてもよい。
[変形例2]
変形例1でも述べたように、水素側気液分離器31の水を水タンク41に供給してもよい。このとき、水素側気液分離器31の水素によって水を押し出してもよく、第2実施形態の酸素側流路20cと同様に、送液ポンプおよびイオン交換器の少なくとも1つが配置されていてもよい。
[変形例3]
第2実施形態では、酸素側気液分離器23における酸素の圧力を検出する圧力計61を有しており、圧力計61の検出結果に応じて、送液ポンプ77を駆動するとした。しかしながら、酸素側流路20cを流れる水の量を検出した結果を用いて送液ポンプ77を駆動してもよいし、酸素側気液分離器23の水位の変化を水位計によって検出した結果を用いて送液ポンプ77を駆動してもよい。また、送液ポンプ77は、常時駆動していてもよい。
[変形例4]
第1実施形態では、水位計22a、32aでの水位の検出結果に応じて、制御部50がオンオフ弁22、32の開閉を制御し、それぞれの気液分離器から水タンク41に水を送るとした。しかしながら、制御部50はなくてもよく、水位計22a、32aのそれぞれとオンオフ弁22、32のそれぞれとが直接接続されており、水位計での水位の検出結果に応じて、制御部を介することなく、オンオフ弁22、32が水の量を調整してもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1,2,3…水電解システム
10…電解セル
11a…電解質膜
11b…酸素極
11c…水素極
12…酸素極側流路
13…水素極側流路
14…電源
20,60…酸素側処理部
20a,20c,20c,20d,60a,60b,60c,60d…酸素側流路
21…熱交換器
21a…熱交換パイプ
22,32…オンオフ弁
22a,32a…水位計
23…酸素側気液分離器
24,34,38,68…逆止弁
25…酸素タンク
30,80…水素側処理部
30a,30b,30c,30d,30e,30f,80a…水素側流路
31…水素側気液分離器
36,66…流量調整弁
33…第1水素タンク
35…第2水素タンク
37,67…背圧弁
40,70,90…水供給部
40a,40b…供給流路
40c…バイパス流路
41…水タンク
43,93…供給ポンプ
44…三方弁
45,79…イオン交換器
50…制御部
61…圧力計
63…第1酸素タンク
65…第2酸素タンク
77…送液ポンプ
83…水素タンク
W20,W30,W40,W60,W70,W80,W90…水

Claims (4)

  1. 水電解システムであって、
    水を電気分解することで酸素と水素を生成する電解セルと、
    前記電解セルから排出される酸素または水素のいずれか一方を含む生成ガスと水との混合物を気液分離する気液分離器と、
    前記気液分離器に接続されており、前記気液分離器における気液分離によって得られる記生成ガスが供給される貯留タンクと、
    前記貯留タンクに接続される背圧弁と、
    前記電解セルと前記気液分離器とに接続されており、前記電解セルに供給される水を貯留する水タンクであって、前記気液分離器における気液分離によって得られる水が送られる水タンクと、
    前記貯留タンクに貯留されている前記生成ガスの圧力によって前記水タンクの水を加圧して、加圧した水を前記電解セルに供給させる供給ポンプと、を備え、
    前記背圧弁は、前記貯留タンクに貯留されている前記生成ガスの圧力が、前記供給ポンプを用いて前記電解セルに水を供給することが可能な圧力としてあらかじめ設定された圧力値以上となるように、前記貯留タンクの背圧を維持する、
    水電解システム。
  2. 請求項に記載の水電解システムであって、
    前記気液分離器は、前記電解セルから排出される酸素と水の混合物を気液分離する酸素側気液分離器であり、
    前記水電解システムは、さらに、
    前記酸素側気液分離器と前記水タンクとのそれぞれに接続されており、前記酸素側気液分離器から前記水タンクに送られる水をイオン交換させるイオン交換器と、
    前記酸素側気液分離器の内部の水位を検出する水位検出部と、
    前記酸素側気液分離器と前記イオン交換器との間に配置され、前記水位検出部によって検出される水位を用いて、前記酸素側気液分離器から前記水タンクに水を送る送水部と、を備え、
    前記送水部は、前記水位が所定の水位を超える場合、前記酸素側気液分離器から前記水タンクに水を送る、
    水電解システム。
  3. 請求項に記載の水電解システムであって、
    前記貯留タンクは、前記酸素側気液分離器での気液分離によって得られた酸素を前記あらかじめ設定された圧力値以上の圧力で貯留する酸素タンクであり、
    前記水電解システムは、さらに、
    前記酸素側気液分離器と前記イオン交換器との間に配置されており、前記酸素タンクに貯留されている酸素の圧力によって前記酸素側気液分離器の水を加圧して、加圧した水を前記水タンクに送る送液ポンプを備える、
    水電解システム。
  4. 請求項に記載の水電解システムは、さらに、
    前記酸素側気液分離器から前記水タンクに送られる水の量を検出する水量検出部と、
    前記水量検出部によって検出される水の量を用いて、前記送液ポンプの駆動を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記酸素側気液分離器から前記水タンクに送られる水の量が所定値より少ない場合、前記送液ポンプを駆動し、前記酸素側気液分離器から前記水タンクに送られる水の量を増加させる、
    水電解システム。
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