JP2002173788A - 固体高分子型水電解装置 - Google Patents
固体高分子型水電解装置Info
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Abstract
水の消費量も少なくし、しかも、装置をコンパクトなも
のとした固体高分子型水電解装置を提供する。 【解決手段】 水循環ライン23に、水電解槽20に供給さ
れる循環水の一部を取り出しかつイオン交換器43による
処理後に酸素気液分離器22に供給する分岐ライン41を設
ける。イオン交換器43上流に、循環水冷却用の熱交換器
42を設ける。
Description
よび酸素を製造するための固体高分子型水電解装置に関
する。
生産する方法に代えて、自然エネルギーを一次エネルギ
ーとする水素製造法の開発が重要課題となっており、そ
の1つに、固体高分子型水電解技術を利用したものが知
られている。このような固体高分子型水電解装置として
は、図5に示すように、高分子電解質膜を用いて水を電
解し、陽極に酸素、陰極に水素を発生させる水電解槽(2
0)と、水電解槽(20)の陰極にて発生した水素と水とを分
離する水素気液分離器(21)と、水電解槽(20)の陽極にて
発生した酸素と水とを分離する酸素気液分離器(22)と、
循環ポンプ(27)、循環水冷却器(28)、ブロー弁(29)およ
び電気伝導度コントローラ(30)を有し酸素気液分離器(2
2)から水電解槽(20)へ水を循環させる水循環ライン(23)
と、電解槽への供給水をイオン交換処理するイオン交換
器(24)と、イオン交換処理後の水を蓄える純水タンク(2
5)と、純水タンク(25)から酸素気液分離器(22)へ純水を
供給するポンプ(26)とを備えているものが知られてい
る。
型水電解装置において、性能劣化を避けるためには循環
水中の不純物含有量を抑える必要があるが(1MΩ−c
m以下)、80〜100℃という運転温度のために金属
イオン(Fe、Ni、Cr)が原料純水中に溶出し、こ
れが固体高分子膜に吸着して膜の抵抗を増加させ、水電
解槽のセル電圧を上昇させるという問題があった。この
問題を回避するために、循環水の電気伝導度の設定値を
例えば1μS/cm以下とし、この値を越えると、ブロ
ー弁(29)を開いて循環水を排水し、新たに純水を供給し
て循環水の純度を上げるという運転方法が採られている
が、これにより、水の消費量が多くなるという問題を生
じている。
して純水製造装置から純水を供給することや循環水ライ
ンにイオン交換器を設置して電気伝導度を下げることな
どが考えられているが、通常、循環水量は供給水量に比
べてかなり多く、そのため、前者の場合には、余分な大
きなタンクを水電解槽内に組み込むために、また、後者
の場合には、必要以上に大きなイオン交換器が必要とな
るために、いずれの場合でも装置全体が大きなものとな
るという問題がある。
水中の不純物含有量を抑えるとともに、水の消費量も少
なくし、しかも、装置をコンパクトなものとした固体高
分子型水電解装置を提供することにある。
子型水電解装置は、高分子電解質膜を用いて水を電解
し、陽極に酸素、陰極に水素を発生させる水電解槽と、
水電解槽の陰極にて発生した水素と水とを分離する水素
気液分離器と、水電解槽の陽極にて発生した酸素と水と
を分離する酸素気液分離器と、酸素気液分離器から水電
解槽へ水を供給することにより水を循環させる循環ポン
プを含む水循環ラインとを備えている固体高分子型水電
解装置において、水循環ラインに、水電解槽に供給され
る循環水の一部を取り出しかつイオン交換器による処理
後に酸素気液分離器に供給する分岐ラインを設けたこと
を特徴とするものである。
抑え、必要最小限の水量を処理することができ、水処理
用の設備(イオン交換器)の容量を最小限に抑えること
ができる。
冷却用の熱交換器が設けられることがある。このように
すると、イオン交換器として常温用のものを使用するこ
とができる。
には、水電解槽へ新規に供給される供給水の処理用イオ
ン交換器と処理後の水を蓄える純水タンクとが設けられ
ており、分岐ラインの下流端が純水タンクに接続されて
いることがある。このようにすると、循環水用のイオン
交換器の容量を供給水の処理用イオン交換器の容量に比
べて小さくすることができる。
には、また、水電解槽へ新規に供給される供給水の処理
用イオン交換器が設けられており、分岐ラインの下流端
をこの供給水処理用イオン交換器に接続することによ
り、循環水処理用イオン交換器として供給水処理用イオ
ン交換器が使用されることがある。このようにすると、
イオン交換器を一つにすることができる。
に、イオン交換器に充填するイオン交換樹脂が耐熱性の
カチオン交換樹脂とされることがある。このようにする
と、循環水冷却用の熱交換器の分だけ装置全体の簡略化
が可能となる。
水流入量を調整する流量調整弁が設けられていることが
好ましく、また、流量調整弁の開度を循環水の電気伝導
度により制御することがより好ましい。これにより分岐
ラインに流れる環流量を任意に決めることができ、循環
水の純度を常に所定値以上にすることができる。
面を参照して説明する。
第1実施形態は、図1に示すように、高分子電解質膜を
用いて水を電解し、陽極に酸素、陰極に水素を発生させ
る水電解槽(20)と、水電解槽(20)の陰極にて発生した水
素と水とを分離する水素気液分離器(21)と、水電解槽(2
0)の陽極にて発生した酸素と水とを分離する酸素気液分
離器(22)と、酸素気液分離器(22)から水電解槽(20)へ水
を供給する水循環ライン(23)と、水電解槽(20)へ新規に
供給される供給水の処理用イオン交換器(24)と、イオン
交換処理後の水を蓄える純水タンク(25)と、純水タンク
(25)の水を酸素気液分離器(22)に送るための供給ポンプ
(26)と、水循環ライン(23)の循環水の一部を取り出して
処理し処理後の水を酸素気液分離器(22)に送る分岐ライ
ン(41)とを備えている。
から水電解槽(20)へ水を供給することにより水を循環さ
せる循環ポンプ(27)と、酸素気液分離器(22)からの循環
水を水電解槽(20)へ供給する前に冷却する循環水冷却器
(28)とを備えている。また、水素気液分離器(21)の出口
には、水素冷却器(31)が設けられ、酸素気液分離器(22)
の出口には、酸素冷却器(32)が設けられている。
取り出した循環水を冷却するブロー水冷却器(42)と、冷
却後の水をイオン交換処理するイオン交換器(43)とを有
しており、その下流側端部は、純水タンク(25)に接続さ
れている。また、水循環ライン(23)の循環ポンプ(27)と
循環水冷却器(28)との間に、ブロー弁(流量調整弁)(2
9)が設けられており、このブロー弁(29)を介して水循環
水ライン(23)と分岐ライン(41)の上流側端部とが接続さ
れている。ブロー弁(29)の開閉は、下流に設置された電
気伝導度コントローラ(30)から得られる循環水の電気伝
導度によって自動制御されている。
に配された陽極主電極(1)および陰極主電極(2)と、これ
ら主電極(1)(2)の間に直列に配された複数の単位セル
と、これらを一体化する各4本の締付けボルトおよびナ
ットとから主として構成され、1つのセルは、チタン合
金製の複極板(9)の陽極側と、多孔質の陽極給電体(7)
と、固体高分子電解質膜からなる電極接合体膜(3)と、
多孔質の陰極給電体(8)と、隣の複極板(9)の陰極側とか
らなり、電極接合体膜(3)は、イオン交換膜(4)とその両
面に設けられた触媒電極層(5)(6)とからなる。
ダ(10)から供給された水が、陽極給電体(7)を通って電
極接合体膜(3)の陽極側触媒電極層(5)に達し、ここで付
加された電力によって水の電気分解反応が起こり、酸素
が発生する。発生した酸素は、陽極給電体(7)を通り、
複極板(9)の陽極側に設けられた垂直流路内を未反応の
水とともに上昇し、酸素ヘッダー(11)に排出される。一
方、電極接合膜(3)の陰極側触媒電極層(6)表面で発生し
た水素とイオン交換膜(4)を透過した水は、陰極給電体
(8)を通り、複極板(9)の陰極側に設けられた垂直流路内
を上昇し、水素ヘッダー(12)に排出される。
生した酸素は、酸素気液分離器(22)に送られ、陰極にて
発生した水素は水素気液分離器(21)に送られる。このと
き、水電解槽(20)から出る水は、ほとんどが酸素気液分
離器(22)に送られる。水素気液分離器(21)と酸素気液分
離器(22)とは、配管にてつながれており、両気液分離器
(21)(22)の水面レベルは、常に同じとなるように制御さ
れている。両気液分離器(21)(22)に送られた水は、水循
環ライン(23)にて水電解槽(20)へ供給されるとともに、
その一部は分岐ライン(41)を経て純水タンク(25)に送ら
れる。
は、イオン交換器(24)により処理して純水とし、別置き
の純水タンク(25)に一旦貯めておき、予め設定しておい
た酸素気液分離器(22)のレベルの設定値に合わせて供給
ポンプ(26)によって酸素気液分離器(22)に送られる。
度(例えば80℃)に調整されて、循環ポンプ(27)にて
水電解槽(20)に送られる。分岐ライン(41)側に循環水を
流すための循環水の設定値は例えば1μS/cm以下と
され、それ以上の場合には、ブロー弁(29)が開き、未満
の場合には、ブロー弁(29)が閉じるようになされてい
る。分岐ライン(41)に取り出された循環水は、ブロー水
冷却器(42)にて常温まで冷却し、イオン交換器(43)へ供
給されて処理され(電気伝導度が例えば0.5μS/c
m以下)、純水タンク(25)へ供給される。イオン交換器
(43)は、常温用でよく(例えばオルガノ株式会社製G20-
B)、これに充填されるイオン交換樹脂は、例えばAmber
lite MB-2とされる。
よると、水循環ライン(23)から分岐ライン(41)に送られ
る循環水は、供給水(市水)よりもはるかに純水に近い
ため、循環水用のイオン交換器(43)の容量は供給水用イ
オン交換器(24)の容量よりも小さくてよく、装置全体を
コンパクトなものにすることができる。また、循環水が
再利用されることにより、水の消費量を減らすことがで
きる。
第2実施形態を図3に示す。第2実施形態のものは、第
1実施形態のものと分岐ラインの構成だけが異なってい
るもので、分岐ライン(51)には、循環水を冷却するブロ
ー水冷却器(52)のみが設けられ、分岐ライン(51)用のイ
オン交換器は設けられていない。そして、分岐ライン(5
1)の下流側端部が供給水処理用のイオン交換器(24)に接
続されている。水循環ライン(23)より分岐ライン(51)に
供給された循環水は、ブロー水冷却器(52)にて常温まで
冷却され、供給水ラインの常温用イオン交換器(24)の供
給口へ接続され、これにより、供給水と循環水の一部の
処理(電気伝導度が例えば0.5μS/cm以下)が一
つのイオン交換器(24)にて実施される。
よると、イオン交換器(24)は、供給水処理用に従来から
設けられているもの一つでよく、機器構成が簡略化さ
れ、装置全体をコンパクトなものにすることができる。
水循環ライン(23)から分岐ライン(51)に送られる循環水
は、供給水(市水)よりもはるかに純水に近いため、こ
のような簡略化を行っても、供給水用イオン交換器(24)
の容量を従来のものから上げる必要はなく、実施形態1
のものに比べて、イオン交換樹脂の寿命が若干短くなる
程度のデメリットがあるのみである。循環水が再利用さ
れることにより、水の消費量を減らすことができること
は、第1実施形態のものと同じである。
第3実施形態を図4に示す。第3実施形態のものは、第
1実施形態のものと分岐ラインの構成だけが異なってい
るもので、分岐ライン(61)には、イオン交換器(62)のみ
が設けられ、分岐ライン用のブロー水冷却器は設けられ
ていない。そして、分岐ライン(61)の下流側端部が酸素
気液分離器(32)に接続されている。分岐ライン(61)のイ
オン交換器(62)には、耐熱性のある例えば含フッ素イオ
ン交換樹脂でスルホン酸基、カルボキシル基、燐酸基な
どのカチオン交換樹脂が充填される。カチオン交換樹脂
は強酸性であるため、イオン交換器(30)の本体の材料と
しては、チタン合金や耐熱性樹脂のような耐食材料が使
用され、それ以外の水循環ライン(61)の配管機器の材料
は、すべて比較的安価なステンレス鋼とされている。カ
チオン交換樹脂としては、より好ましくは、耐熱性のH
型陽イオン交換樹脂(例えば、Amberlite IR-20B(H))
が使用される。
よると、水循環ライン(23)より分岐ライン(61)に供給さ
れた循環水は、耐熱性のH型陽イオン交換樹脂が充填さ
れたイオン交換器(62)に送られ、ここで処理(電気伝導
度が例えば0.5μS/cm以下)された後、直接酸素
気液分離器(32)に供給される。このことにより、循環水
の一部を冷却することなく、温度が高いまま(約80
℃)水電解槽(20)へ戻すことができ、効率を上げること
ができる。しかも、ブロー水冷却器が不要であることか
ら、装置全体をコンパクトなものにすることができる。
循環水が再利用されることにより、水の消費量を減らす
ことができることは、第1実施形態のものと同じであ
る。
ると、循環水の一部を再循環してイオン交換器により電
気伝導度(含有イオン濃度)を調整することにより、構
成機器をできるだけ少なくコンパクトにすることがで
き、供給水(市水)よりもはるかに純水に近い循環水を
捨てずに再利用することにより、水の消費量を抑えるこ
とができ、供給水用イオン交換器内のイオン交換樹脂の
再生回数を少なくすることができる。
実施形態を示すフロー図である。
実施形態を示すフロー図である。
実施形態を示すフロー図である。
フロー図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 高分子電解質膜を用いて水を電解し、陽
極に酸素、陰極に水素を発生させる水電解槽(20)と、水
電解槽(20)の陰極にて発生した水素と水とを分離する水
素気液分離器(21)と、水電解槽(20)の陽極にて発生した
酸素と水とを分離する酸素気液分離器(22)と、酸素気液
分離器(22)から水電解槽(20)へ水を供給することにより
水を循環させる循環ポンプ(27)を含む水循環ライン(23)
とを備えている固体高分子型水電解装置において、 水循環ライン(23)に、水電解槽(20)に供給される循環水
の一部を取り出しかつイオン交換器(43)(24)(62)による
処理後に酸素気液分離器(22)に供給する分岐ライン(41)
(51)(61)を設けたことを特徴とする固体高分子型水電解
装置。 - 【請求項2】 循環水処理用イオン交換器(43)(24)上流
に、循環水冷却用の熱交換器(42)(52)を設けたことを特
徴とする請求項1記載の固体高分子型水電解装置。 - 【請求項3】 水電解槽(20)へ新規に供給される供給水
の処理用イオン交換器(24)と処理後の水を蓄える純水タ
ンク(25)とが設けられており、分岐ライン(41)の下流端
を純水タンク(25)に接続したことを特徴とする請求項2
記載の固体高分子型水電解装置。 - 【請求項4】 水電解槽(20)へ新規に供給される供給水
の処理用イオン交換器(24)が設けられており、分岐ライ
ン(51)の下流端をこの供給水処理用イオン交換器(24)に
接続することにより、循環水処理用イオン交換器として
供給水処理用イオン交換器(24)を使用したことを特徴と
する請求項2記載の固体高分子型水電解装置。 - 【請求項5】 イオン交換器(62)に充填するイオン交換
樹脂を耐熱性のカチオン交換樹脂としたことを特徴とす
る請求項1記載の固体高分子型水電解装置。 - 【請求項6】 分岐ライン(41)(51)(61)への循環水流入
量を調整する流量調整弁(29)を設けたことを特徴とする
請求項1から請求項5にいずれか記載の固体高分子型水
電解装置。 - 【請求項7】 流量調整弁(29)の開度を循環水の電気伝
導度により制御したことを特徴とする請求項6記載の固
体高分子型水電解装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000366757A JP3991146B2 (ja) | 2000-12-01 | 2000-12-01 | 固体高分子型水電解装置 |
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Publications (2)
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2000
- 2000-12-01 JP JP2000366757A patent/JP3991146B2/ja not_active Expired - Fee Related
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