JP2006351270A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】起動時、停止時にアノードに空気が滞留しても、アノード触媒の劣化を抑制した燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料電池スタックのアノード触媒層32の単位触媒塗布面積あたりの触媒表面積と、前記アノード触媒層32の触媒の酸素還元交換電流密度との積を第1の所定値以下とする。燃料電池システムの起動時、停止時にアノード2に水素/空気フロントBが形成され、カソード3においてカーボン腐食反応が生ずる場合でも、アノード2の領域Cにおけるカーボン腐食反応を抑制し、アノード触媒の劣化を抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は燃料電池に関するものである。
燃料電池システムを起動する際、燃料電池内部のアノード流路およびカソード流路に滞留している空気を窒素等の不活性ガスによってパージしてから、アノード流路およびカソード流路にそれぞれ燃料(水素)および酸化剤(空気)が導入されることが一般的である。また、燃料電池システムを停止する際は、燃料電池内部のアノード流路に滞留している燃料(水素)およびカソード流路に滞留している酸化剤(空気)を窒素等の不活性ガスによってパージすることが一般的である。
しかし、不活性ガスによるパージを行うには、不活性ガスを貯蔵しておくための高圧ガスボンベやその付帯設備を必要とするため、発電装置の容積増加が避けられない。また、不活性ガスの充填や高圧ボンベの交換を定期的実施する必要があり、コストがかかるだけでなく取扱いに慣れた人員を必要とする。そのため、例えば車載用燃料電池システム等の移動体および可搬体用としての利用や、家庭用小型燃料電池システム等での利用には適さない。
そのため、不活性ガスによるパージを行わず、燃料電池システムの起動時に空気が滞留した状態のアノード流路に水素を供給することが考えられるが、アノード流路内に水素と空気が共に存在するときに、アノード上で空気中の酸素が還元され、それに対向するカソードの触媒層に使用されているカーボンが腐食し、燃料電池の劣化が進行することが明らかになっている。また、燃料電池システムを停止させる時にアノード内に滞留している水素を空気にてパージする際に起動時と同様にアノード流路内を空気と水素が共に存在するとカソードの触媒層に使用されているカーボンが腐食し、燃料電池の劣化が進行することが明らかになっている。
そのため、不活性ガスによるパージ操作をすることなく、燃料電池の劣化を抑制するための起動および停止方法として特許文献1では、燃料電池システムの起動時に、アノード流路に高速で水素を導入し、空気と水素が共にアノード流路内に存在している時間を短くすることで、燃料電池の劣化を抑制するといった方法が開示されている。
また特許文献2では、燃料電池の停止時に、アノード流路に高速で空気を導入し、水素と空気が共にアノード流路内に存在している時間を短くすることで、燃料電池の劣化を抑制するといった方法が開示されている。
米国特許出願公開第2002/076582号明細書 米国特許出願公開第2002/076583号明細書
しかし、特許文献1および2に記載の方法では、燃料電池の劣化防止を効果的なものにするには空気と水素が共に燃料極流路に存在する時間をわずか0.05秒以下にすることが望ましい。従って、起動時は水素の供給を、停止時は空気の供給を十分高圧にして実施する必要がある。水素の供給を十分高圧にて実施するためには、水素タンク元圧を所定値以上に保つ必要がある。また、空気の供給を十分高圧にて実施するためには、空気を供給する例えばコンプレッサの能力を向上する必要があり、またコンプレッサ稼動による消費電力の上昇による燃料電池システムの効率低下を招く。
また、このような高圧の水素または空気を供給するには燃料電池の電解質、例えば固体高分子型燃料電池における固体高分子電解質膜に、十分な機械強度が要求される。さらに、起動・停止いずれの場合でも、多量の水素が一挙に大気中に排出される可能性があり、安全対策として大型の排水素処理装置を設置する必要が生じ燃料電池システムの大型化を招く。
本発明ではこのような問題点を解決するために発明されたもので、燃料電池システムの起動時に燃料電池スタック内での劣化を抑制し、さらに燃料電池システムを小型化することを目的とする。
本発明では、電解質膜と、電解質膜を挟持し、触媒と触媒を担持する担体とから構成するアノード触媒層とカソード触媒層と、を備えた燃料電池において、アノード触媒層の単位触媒塗布面積あたりの触媒表面積と、アノード触媒層の触媒の酸素還元反応の交換電流密度との積が第1の所定値以下とする。
本発明によると、燃料電池のアノードに水素と空気が混在している場合でも、燃料電池の劣化を抑制し、燃料電池システムを小型にすることができる。
本発明の実施形態の燃料電池システムについて図1の概略構成図を用いて説明する。
この実施形態では燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1のアノード2に水素を供給する水素ボンベ3と、燃料電池スタック1のカソード4に空気を供給するコンプレッサ5と、アノード2から排出された排出水素を循環させ、または排出水素を燃料電池スタック1の外部へ排出するコンプレッサ6と、を備える。
水素ボンベ3から供給された水素は水素供給路10を通りアノード2に供給され、燃料電池スタック1の発電反応に利用されなかった水素は循環流路11を通り、再び水素流路10に供給される。なお、排出水素中に例えば窒素などの水素以外の物質が多く含まれる場合には水素排出路12から排出水素は燃料電池システムの外部へ排出される。
水素供給路10において水素ボンベ3と、循環流路11が水素供給路10と連結する箇所との間に水素ボンベ3からの水素供給流量を調整する流量制御弁13を備える。循環流路11において水素排出路12と分岐する箇所と、水素供給路10と連結する箇所と、間に逆止弁14を備える。また、水素排出路12には逆止弁15と、外部とアノード2との連通状態を選択的に切り換える切換弁16を備える。
コンプレッサ3から供給された空気は、空気供給路20を通りカソード4に供給され、燃料電池スタック1の発電反応に使用されなかった排出空気は、空気排出路21を通り、外部へ排出される。なお、空気供給路20に空気を加湿する加湿器(図示しない)を設けても良く、加湿器(図示しない)において空気排出路21を通る比較的湿度の高い排出空気によって加湿しても良い。
燃料電池スタック1は単位セル30を例えば100〜200枚程度積層して構成される。単位セル30を図2に示す構成概略図を用いて説明する。
単位セル30は、電解質膜31と、電解質膜31を挟持するアノード触媒層32とカソード触媒層33と、アノード触媒層32の外側に設けたアノードガス拡散層34と、カソード触媒層33の外側に設けたカソードガス拡散層35と、を備える。また、アノードガス拡散層34の外側に設けられ、水素流路40を有するアノードセパレータ37と、カソードガス拡散層35の外側に設けられ、空気流路41を有するカソードセパレータ38を備える。さらに水素または空気がリークしないようにエッジシール39を備える。
アノード触媒層32、カソード触媒層33は、例えばPt、またはPtを基体とするPt/Co合金などの触媒を例えばカーボンブラックなどの担体に担持させ、例えばNafion溶液など電解質膜溶液による触媒スラリーを作成し、電解質膜31、またはアノードガス拡散層34、カソードガス拡散層35に塗布し作成する。
この実施形態では、アノード触媒層32の単位触媒塗布面積あたりの触媒表面積(以下、触媒比表面積とする)と、後述する式(1)の反応の起こり易さを示す水素酸化交換電流密度との積を1.0×10-3A/cm2(第2の所定値)以上とする。または触媒比表面積と後述する式(3)の反応の起こり易さを示す酸素還元交換電流密度との積を1.0×10-6A/cm2(第1の所定値)以下とする。またはアノード触媒層32の酸素還元交換電流密度を5.0×10-9A/cm2(第3の所定値)以下とする。または酸素還元ターフェル勾配を73mV/decade(第4の所定値)以上とする。
なお、前記所定値を達成するための手段としては、アノード触媒層32の触媒の粒径を5nm以上、カーボン量を0.2mg/cm2以下、カーボンの表面積を150m2/g以下、アノード触媒層32中に含まれる電解質膜成分の量が0.2mg/cm2以下、アノード触媒層32中に含まれる電解質膜のEW(Equivalent Weight)が1200以上とすること等が挙げられる。
燃料電池スタック1を移動体、例えば自動車用の動力源として活用した場合には、起動/停止が頻繁に繰り返される。燃料電池スタック1の運転停止中には、燃料電池スタック1への水素および空気の供給が停止された状態で放置され、放置が長時間継続された場合には、アノード2に外部より空気が侵入し、存在している可能性がある。アノード2に空気が混入した状態から燃料電池スタック1を起動すると、起動初期に単位セル20内は、図3に示すような状態となる。なお、この状態は停止時にアノード2を空気によってパージする場合にも生じる。
図3の状態では、カソード4は空気が全領域において充満しているが、アノード2には水素が存在している領域(領域A)と、空気が存在している領域(領域C)が形成される。また、領域Aと領域Cの間には水素と空気の界面Bが形成される(以下、この界面を水素/空気フロントBという)。
領域Aにおいては、
アノード:H2→2H++2e- 式(1)
カソード:2H++1/2O2+2e-→H2O 式(2)
の通常の発電時の反応が起こり、カソード4では0.8V以上の高電位となる。一方、水素/空気フロントBを境に領域Cにおいては、
アノード:O2+4H++4e-→2H2O 式(3)
カソード:C+2H2O→CO2+4H++4e- 式(4)
の反応が起こる。つまりPtを担持しているカソード触媒層33のカーボンに腐食劣化が生じる。これによりカソード触媒層33が劣化し、燃料電池スタック1の劣化が生じることになる。
この実施形態では、アノード触媒層32の触媒比表面積と酸素還元交換電流密度との積を第1の所定値以下とし、またはアノード触媒層32の触媒比表面積と水素酸化交換電流密度との積を第2の所定値以上とする。またはアノード触媒層32の酸素還元交換電流密度を第3の所定値以下とする。またはアノード触媒層32の酸素還元ターフェル勾配を第4の所定値以下とする。これにより燃料電池スタック1の起動時、または停止時に生じるカソード触媒層3の劣化を抑制し、かつ通常時の発電性能の低下を抑制する。
以下において、この実施形態の実施例について説明する。
(実施例1)
この実施例ではアノード触媒層32の触媒としてPt/Cu合金を使用し、カソード触媒層33の触媒としてPtを使用する。触媒塗布面積はアノード触媒層32、カソード触媒層33共に25cm2とする。この場合にアノード触媒層32の触媒比表面積は120cm2/cm2であり、カソード触媒層33の触媒比表面積は200cm2/cm2である。
アノード触媒層32を70℃に保ち、アノード触媒層32の触媒性能を測定すると、酸素還元交換電流密度は7.0×10-9A/cm2であり、触媒比表面積と酸素還元交換電流密度との積は8.4×10-7A/cm2である。また水素酸化交換電流密度7.0×10-6A/cm2であり、触媒比表面積と水素酸化交換電流密度との積は8.4×10-4A/cm2である。また酸素還元ターフェル勾配は69mV/decadeである。
この実施例のアノード触媒層32を有する単位セル30を用いて、耐久性評価を行う。耐久性評価は、単位セル30を運転させる場合に、アノード2に相対湿度60%の水素を供給してアノード2を水素でパージし、カソード4に相対湿度60%の空気を供給する。単位セル30本体の温度は70℃に設定し、単位セル30での水素利用率は70%、空気利用率は40%とし、単位セル30から取り出す電流密度1.0A/cm2で運転する。なお、アノード2を水素によってパージする場合には、アノード2のパージが1秒で終了するように水素を供給する。
単位セル30の発電を停止する場合には、外部回路と遮断することで取り出す電流密度をゼロにした後、アノード2を空気によってパージし、水素流路40などに残留する水素を単位セル30から排出する。停止後、運転を再開する場合には、再び上記条件で単位セル30に水素、空気を導入し、発電を行う。この運転−停止サイクルを繰り返すことによって、単位セル30の耐久性評価を行う。
耐久性評価の結果を図4に示す。図4は比較例としてアノード触媒層32にカソード触媒層33と同じくPtを使用する。比較例はアノード触媒層32の触媒比表面積が200cm2/cm2である。また、アノード触媒層32を70℃に保ち、アノード触媒層32の触媒性能を測定すると、酸素還元交換電流密度は1.0×10-8A/cm2であり、触媒比表面積と酸素還元交換電流密度との積は2.0×10-6A/cm2である。また水素酸化交換電流密度1.0×10-3A/cm2であり、触媒比表面積と水素酸化交換電流密度との積は2.0×10-1A/cm2である。また酸素還元ターフェル勾配は69mV/decadeである。
この実施例の効果について説明する。
アノード触媒層32の触媒比表面積と酸素還元交換電流密度との積を第1の所定値(1.0×10-6A/cm2)よりも小さくすることで、燃料電池システムの起動、停止時にアノード2に水素/空気フロントBが形成され、カソード3においてカーボン腐食反応が生じる場合でも、アノード2の領域Cにおいて発生する式(3)の酸素還元反応を抑制し、電解質膜31を挟んで隣り合うカソード4の領域Cにおける式(4)のカーボン腐食反応を抑制する。これにより単位セル30、つまり燃料電池スタック1の寿命を長くすることができる。
(実施例2)
この実施例ではアノード触媒層32の触媒としてPt/Ir合金を使用し、カソード触媒層33の触媒としてPtを使用する。触媒塗布面積はアノード触媒層32、カソード触媒層33共に25cm2とする。この場合にアノード触媒層32の触媒比表面積は130cm2/cm2であり、カソード触媒層33の触媒比表面積は200cm2/cm2である。
アノード触媒層32を70℃に保ち、アノード触媒層32の触媒性能を測定すると、酸素還元交換電流密度は7.0×10-9A/cm2であり、触媒比表面積と酸素還元交換電流密度との積は9.1×10-7A/cm2である。また水素酸化交換電流密度1.0×10-5A/cm2であり、触媒比表面積と水素酸化交換電流密度との積は1.3×10-3A/cm2である。また酸素還元ターフェル勾配は69mV/decadeである。
この実施例における単位セル30の耐久性評価を実施例1と同様の条件で行った。
この実施例の効果について説明する。
アノード触媒層32の触媒比表面積と酸素還元交換電流密度との積を第1の所定値(1.0×10-6A/cm2)以下とすることで、図4に示すように、単位セル30における通常の発電反応において生じる式(1)の水素酸化反応の低下を抑制し、燃料電池スタック1の発電効率の低下を抑制することができる。
さらにアノード触媒層32の触媒比表面積と水素酸化交換電流密度との積を第2の所定値(1.0×10-3A/cm2)以上とすることで、通常時の燃料電池スタック1の発電効率の低下を抑制することができる。
(実施例3)
この実施例ではアノード触媒層32の触媒としてPt/Au合金を使用し、カソード触媒層33の触媒としてPtを使用する。触媒塗布面積はアノード触媒層32、カソード触媒層33共に25cm2とする。この場合にアノード触媒層32の触媒比表面積は190cm2/cm2であり、カソード触媒層33の触媒比表面積は200cm2/cm2である。
アノード触媒層32を70℃に保ち、アノード触媒層32の触媒性能を測定すると、酸素還元交換電流密度は4.0×10-9A/cm2であり、触媒比表面積と酸素還元交換電流密度との積は7.6×10-7A/cm2である。また水素酸化交換電流密度6.0×10-6A/cm2であり、触媒比表面積と水素酸化交換電流密度との積は1.1×10-3A/cm2である。また酸素還元ターフェル勾配は69mV/decadeである。
この実施例における単位セル30の耐久性評価を実施例1と同様の条件で行った。
この実施例の効果について説明する。
アノード触媒層32の触媒比表面積と酸素還元交換電流密度との積を第1の所定値(1.0×10-6A/cm2)よりも小さくし、さらに酸素還元交換電流密度を第3の所定値(5.0×10-9A/cm2)以下とすることで、図4に示すように燃料電池システムの起動時、停止時にアノード2における酸素還元反応を抑制し、カソード3におけるカーボン腐食反応を抑制し、燃料電池スタック1の劣化を抑制することができる。
さらにアノード触媒層32の触媒比表面積と水素酸化交換電流密度との積を第2の所定値(1.0×10-3A/cm2)以上とすることで、通常時の燃料電池スタック1の発電効率の低下を抑制することができる。
(実施例4)
この実施例ではアノード触媒層32の触媒としてPt/Ti合金を使用し、カソード触媒層33の触媒としてPtを使用する。触媒塗布面積はアノード触媒層32、カソード触媒層33共に25cm2とする。この場合にアノード触媒層32の触媒比表面積は200cm2/cm2であり、カソード触媒層33の触媒比表面積は200cm2/cm2である。
アノード触媒層32を70℃に保ち、アノード触媒層32の触媒性能を測定すると、酸素還元交換電流密度は8.0×10-9A/cm2であり、触媒比表面積と酸素還元交換電流密度との積は1.6×10-6A/cm2である。また水素酸化交換電流密度7.0×10-6A/cm2であり、触媒比表面積と水素酸化交換電流密度との積は1.4×10-3A/cm2である。また酸素還元ターフェル勾配は75mV/decadeである。
この実施例における単位セル30の耐久性評価を実施例1と同様の条件で行った。
この実施例の効果について説明する。
アノード触媒層32の酸素還元ターフェル勾配を第4の所定値(73mV/decade)以上とすることで、図4に示すように燃料電池システムの起動時、停止時にアノード2における酸素還元反応を抑制し、カソード3におけるカーボン腐食反応を抑制し、燃料電池スタック1の劣化を抑制することができる。
本発明の第1実施形態の効果について説明する。
燃料電池システムの起動時、停止時にアノード触媒層32の酸素還元反応を抑制することで、カソード3におけるカーボン腐食反応を抑制することができる。また、燃料電池システムにおいてアノード2を素早くパージするための例えば大型のコンプレッサなどを搭載する必要がなく燃料電池システムを小型にすることができる。また機械強度の低い電解質膜31を使用することができる。
次に本発明の第2実施形態について図5を用いて説明する。第2実施形態については第1実施形態と単位セル50の構成が異なっており、ここでは単位セル50について説明する。図5は単位セル50の電解質膜51と、アノード触媒層52と、カソード触媒層53とを示しており、その他の構成については第1実施形態と同じ構成なのでここでの説明は省略する。
アノード触媒層52は単位セル50の積層方向の厚さt1をカソード触媒層53の単位セル50の積層方向の厚さt2よりも薄くする。ここではアノード触媒層52の厚さt1をカソード触媒層53の厚さt2の1/2以下とする。またアノード触媒層52の触媒比表面積を100cm2/cm2(第5の所定値)以下とする。
以下において、この実施形態の実施例について説明する。
(実施例6)
この実施例ではアノード触媒層52の厚さをカソード触媒層53の厚さと比較して1/2とする。ここではカソード触媒層53の厚さt2は約10μmであり、アノード触媒層52の厚さt1は約5μmである。アノード触媒層52の白金担持量は0.2mg−Pt/cm2、触媒層比表面積は100cm2/cm2である。
この実施例における単位セル50の耐久性評価を実施例1と同様の条件で行った。耐久性評価の結果を図4に示す。
この実施例の効果について説明する。
アノード触媒層52の触媒比表面積を第5の所定値(100cm2/cm2)以下とすることで、図4に示すように燃料電池システムの起動時、停止時における式(3)によるアノード触媒層52の酸素還元反応を抑制し、カソード触媒層53の式(4)によるカーボン腐食反応を抑制し、燃料電池スタック1の劣化を抑制することができる。
また、アノード触媒層52の厚さt1をカソード触媒層53の厚さt2よりも薄くすることで、燃料電池スタック1の劣化を抑制することができる。
(実施例7)
この実施例ではアノード触媒層52の厚さt1をカソード触媒層53の厚さt2と比較して1/5とする。このときアノード触媒層52の厚さt1は約2μmである。アノード触媒層52の白金担持量は0.05mg−Pt/cm2、触媒層比表面積は40cm2/cm2である。
この実施例における単位セル50の耐久性評価を実施例1と同様の条件で行った。
アノード触媒層52の触媒比表面積を第5の所定値(100cm2/cm2)以下とすることで、図4に示すように燃料電池システムの起動時、停止時におけるカーボン腐食反応を抑制し、燃料電池スタック1の劣化を抑制することができる。
また、アノード触媒層52の厚さt1をカソード触媒層53の厚さt2よりも薄くすることで、燃料電池スタック1の劣化を抑制することができる。
本発明の第2実施形態の効果について説明する。
アノード触媒層52の厚さt1をカソード触媒層53の厚さt2よりも薄くすることで、燃料電池システムの起動時、停止時における式(3)によるアノード触媒層52の酸素還元反応を抑制し、カソード触媒層53の式(4)によるカーボン腐食反応を抑制し、燃料電池スタック1の劣化を抑制することができる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
燃料電池を搭載した燃料電池自動車に利用することができる。
本発明の第1実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。 本発明の第1実施形態の単位セルの概略構成図である。 燃料電池スタックの起動時と停止時の状態を示す図である。 本発明の第1、2実施形態における単位セルの耐久性の評価を示す図である。 本発明の第2実施形態の単位セルの概略構成図である。
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 アノード
4 カソード
31 電解質膜
32、52 アノード触媒層
33、53 カソード触媒層

Claims (7)

  1. 電解質膜と、
    前記電解質膜を挟持し、触媒と前記触媒を担持する担体とから構成するアノード触媒層とカソード触媒層と、を備えた燃料電池において、
    前記アノード触媒層の単位触媒塗布面積あたりの触媒表面積と、前記アノード触媒層の触媒の酸素還元反応の交換電流密度との積が第1の所定値以下であることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記アノード触媒層の単位触媒塗布面積あたりの触媒表面積と、前記アノード触媒層の触媒の水素酸化反応の交換電流密度との積が第2の所定値以上であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記アノード触媒層の触媒の酸素還元反応の交換電流密度が第3の所定値以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
  4. 電解質膜と、
    前記電解質膜を挟持し、触媒と前記触媒を担持する担体とから構成するアノード触媒層とカソード触媒層と、を備えた燃料電池において、
    前記アノード触媒層の触媒の酸素還元反応のターフェル勾配が第4の所定値以上であることを特徴とする燃料電池。
  5. 前記アノード触媒層の前記触媒が白金であり、
    前記アノード触媒層の単位触媒塗布面積あたりの触媒表面積が第5の所定値以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池。
  6. 前記アノード触媒層の厚さを前記カソード触媒層の厚さよりも薄くすることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の燃料電池。
  7. 前記アノード触媒層の前記単位面積あたりの触媒表面積が前記カソード触媒層の単位面積あたりの触媒表面積よりも小さいことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の燃料電池。
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