以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1及び図2を用いて、管理システム1の概要を説明する。図1は、実施形態による管理システム1の構成の例を示すブロック図である。図2は、実施形態による管理システム1が適用されたラインLの例を示す図である。
図1に示すように、管理システム1は、例えば、集約装置10と、複数の制御端末20(制御端末20−1、20−2、20−3、…、20−N)と、複数のICカードリーダ30(ICカードリーダ30−1、30−2、30−3、…、30−N)と、バーコードリーダ40と、複数の工具センサ50(工具センサ50−1、50−2、50−(N−1))と、複数の通過センサ60(通過センサ60−1、60−2、60−3、…、60−(N−1))とを備える。Nは3以上の任意の整数である。ここで、通過センサ60は「通過検知装置」の一例である。バーコードリーダ40は、「ワークID取得装置」の一例である。ICカードリーダ30は、「作業者ID取得装置」の一例である。
図2に示すように、管理システム1は、例えば、コンベア型のラインLを用いて、ワークW(作業対象物)になされた作業を管理するシステムである。ここでの作業は、複数の工程からなる作業である。管理システム1は、複数の工程のそれぞれで行われた作業の内容を記憶した作業履歴を作成することにより、作業を管理する。
ワークWは、ベルトコンベアCVに載置され、ラインLの上流工程から下流工程に向かって搬送される。この例では、搬送されてくるワークWに対して、初期工程SK、加工工程K1、K2が、順に行われる。また、この例では、初期工程SKに、バーコードリーダ40が用いられる作業が行われ、加工工程K1、K2に工具センサ50−1、50−2が用いられる作業が行われる。ここで、初期工程SKは「読取工程」の一例である。
本実施形態では、バーコードリーダ40は、予め定めた特定の工程(例えば、初期工程SK)にのみ配置される。工具センサ50は、例えば工具に組み込まれたセンサであり、各工程で用いられる工具に応じて適宜配置される。
また、本実施形態では、制御端末20は、工程ごとに配置される。この例では、初期工程SKに制御端末20−1が配置され、加工工程K1に制御端末20−2が配置され、加工工程K2に制御端末20−3が配置された例を示している。制御端末20は、自身が配置された工程に配置されているバーコードリーダ40や、工具センサ50により取得された情報を取得する。
また、通過センサ60は、前工程と次工程との間に配置される。この例では、初期工程SKの手前に通過センサ60−1が設置されている例を示している。また、初期工程SKと加工工程K1との間に通過センサ60−2が配置され、加工工程K1と、加工工程K2との間に通過センサ60−3が配置された例を示している。
図1に戻り、管理システム1において、集約装置10は、複数の制御端末20と通信可能に接続する。集約装置10と制御端末20との間の通信は、任意の通信方法であってよい。
ICカードリーダ30は、例えば、工程ごとに配置され、同じ工程に配置された制御端末20と通信可能に接続される。通過センサ60は、集約装置10と通信可能に接続する。集約装置10と通過センサ60との間の通信、及び制御端末20と、周辺機器(ICカードリーダ30、バーコードリーダ40、工具センサ50、との間の通信は、任意の通信方法であってよく、接点接続やシリアル通信、LAN(Local Area Network)などを利用した通信であってもよい。
ICカードリーダ30は、ICカードに埋め込まれた情報を読み取る。以下では、ICカードリーダ30が、ICカードに埋め込まれた情報として、各工程で作業する作業者を識別する情報(作業者ID)を読み取る場合を例に説明するが、これに限定されない。ICカードには、任意の情報が埋め込まれていてよい。ICカードリーダ30は、取得した作業者IDを、制御端末20に通知する。
バーコードリーダ40は、バーコードに埋め込まれた情報を読み取る。以下では、バーコードリーダ40が、バーコードに埋め込まれた情報として、ワークWを識別する情報(ワークID)を読み取る場合を例に説明するが、これに限定されない。バーコードには、任意の情報が埋め込まれていてよい。バーコードリーダ40は、取得したワークIDを、制御端末20に通知する。
工具センサ50は、各工程で用いられる工具における工具を用いて行われた作業の内容を示す工具センサ情報をセンシングするセンサである。例えば、工具センサ50は、ドライバによりネジ止め作業が行われた場合において、ネジ締めのトルク値をセンシングする。この場合、工具センサ50は、ドライバに組み込まれた加速度センサ等であり、ネジ止め作業に伴う回転運動で生じた力と回転量に基づいてトルク値を、工具センサ情報として検出する。或いは、工具センサ情報は、作業がカシメ作業である場合における、カシメ径やカシメ高さを示す情報であってもよい。工具センサ50は、取得した工具センサ情報を、制御端末20に通知する。
通過センサ60は、ワークWの通過を検知する。通過センサ60は、例えば、通過検知バーを備える機械式のゲートである。通過検知バーは、長手方向が搬送方向に直交する方向に沿って設置される。通過検知バーの一端は、ベルトコンベアなどの搬送機構の支持部に連結される。搬送されてきたワークWの一部が通過検知バーと接触すると、ワークWの搬送に伴って、通過検知バーの連結されている側とは反対側の端部が、水平方向に回動する。ワークWが更に搬送されると、ワークWと通過検知バーとの接触がなくなり、通過検知バーは、元の位置に戻る。通過センサ60は、通過検知バーの回動の有無を検知することにより、ワークWの通過を検知する。通過センサ60は、例えば、通過検知バーが所定の方向に角度以上回動した場合に、ワークWが通過したと判定する。
なお、コンベア型のラインLにおいては、ワークWが台座に載せられて搬送される場合が多い。この場合、搬送されてくる台座に通過検知バーが接触するように、通過センサ60を設置することにより、ワークWと通過検知バーとが接触する状況を回避するようにしてもよい。こうすることで、ワークWと通過検知バーとが接触することによりワークWが傷ついたり、ワークWの載置位置が動いたりする事態を回避することができる。
或いは通過センサ60は、光学式のセンサであってもよい。この場合、通過センサ60は、例えば、照射部と受光部と、検知部とを備える。照射部と受光部とは、ワークWが通過する空間を挟んで互いに対向する位置に配置される。照射部は、赤外線など光線を、受光部に向けて照射する。受光部は、照射部から照射された光線を受光する。照射部と受光部とは、ワークWが通過する空間を挟んで互いに対向する位置に配置されることから、ワークWの通過に伴い、照射部から照射された光線が、通過するワークWに遮られて受光部に到達し難くなる。検知部は、この性質を利用して、受光部に受光される光線の光量に基づいて通過を検知する。検知部は、例えば、受光部に受光される光線の光量が所定の閾値未満となった場合、ワークWが通過したと判定する。通過センサ60は、ワークWの通過を検知した場合、その旨を示す情報(通過情報)を、集約装置10に通知する。
集約装置10は、通過センサ60から、通過情報を受信する。集約装置10は、通過センサ60から受信した通過情報に基づいて、通過したワークWのワークIDを特定する。集約装置10がワークWのワークIDを特定する方法については、後で詳しく説明する。
集約装置10は、特定したワークIDを、その次の工程に配置された制御端末20に通知する。その次の工程とは、通過が検知されたワークWに対して、次に行われる工程である。例えば、集約装置10は、前工程と次工程との間を通過した旨を示す通過情報に基づいて、その通過したワークWのワークIDを特定した場合、次工程に配置された制御端末20に、特定したワークIDを通知する。
例えば、集約装置10は、図2の初期工程SKと加工工程K1との間に配置された通過センサ60−2からワークWの通過を検知した旨の通知を受信した場合を考える。この場合、集約装置10は、初期工程SKと加工工程K1との間を通過したワークWのワークIDを特定する。集約装置10は、特定したワークIDを、次工程である加工工程K1に配置された制御端末20−2に通知する。
例えば、集約装置10は、図2の加工工程K1と加工工程K2との間に配置された通過センサ60−3からワークWの通過を検知した旨の通知を受信した場合を考える。この場合、集約装置10は、加工工程K1と加工工程K2との間を通過したワークWのワークIDを特定する。集約装置10は、特定したワークIDを、次工程である加工工程K2に配置された制御端末20−3に通知する。
集約装置10は、制御端末20のそれぞれから、作業結果情報を取得する。作業結果情報は、各工程にて行われた作業の結果を示す情報である。作業結果情報は、制御端末20によって生成される。制御端末20が、作業結果情報を生成する方法については後で詳しく説明する。
集約装置10は、作業結果情報に基づいて、ワークWに行われた各工程における作業の内容を集約する。集約装置10は、例えば、ワークWに対して行われた作業における、作業日時、作業者、不具合の有無、作業の詳細などを、ワークIDに対応付けて記憶することにより、作業の内容を集約する。
制御端末20は、PC(Personal Computer)やPLC(Programmable Logic Controller)などのコンピュータ端末である。制御端末20は、工程ごとに配置される。制御端末20は、同じ工程に配置された、ICカードリーダ30、バーコードリーダ40、工具センサ50の各々から通知される情報を受信する。
以下では、制御端末20のうち、バーコードリーダ40が配置される特定の工程(例えば、初期工程SK)に配置された制御端末20(例えば、図2における制御端末20−1)を、「初期工程SKの制御端末20」と称する。また、制御端末20のうち、バーコードリーダ40が配置される特定の工程(例えば、初期工程SK)以外の工程に配置された制御端末20(例えば、図2における制御端末20−2、20−3)を、「加工工程Kの制御端末20」と称し、「初期工程SKの制御端末20」と区別して説明する。
初期工程SKの制御端末20は、当該工程に配置されたICカードリーダ30から、当該工程における作業者の作業者IDを取得する。初期工程SKの制御端末20は、バーコードリーダ40から、ワークIDを取得する。例えば、当該工程において作業者が、ワークWをベルトコンベア上に載置する際にバーコードリーダ40を用いてワークWに付されたバーコードを読み取る作業を行う。これにより、初期工程SKの制御端末20は、バーコードリーダ40を介してワークIDを取得する。初期工程SKの制御端末20は、取得したワークIDを含む情報を集約装置10に通知する。ワークIDを含む情報とは、例えば、作業者IDと、ワークIDを対応付けた情報であるが、これに限定されない。ワークIDを含む情報には、少なくともワークIDが含まれていればよい。
加工工程Kの制御端末20は、当該工程に配置されたICカードリーダ30から、当該工程における作業者の作業者IDを取得する。加工工程Kの制御端末20は、集約装置10から、当該工程に搬入されてきたワークWのワークIDを通知される。
加工工程Kの制御端末20は、ワークWのワークIDが通知されると、当該工程で行われるべき作業の内容を指示する情報を表示する。これにより、例えば、作業員は、自身がこれから行う作業の内容を目視により確認することができ、作業の間違いを防止することができる。
加工工程Kの制御端末20は、当該工程において作業が行われた際に、作業に用いられた工具の工具センサ50から、工具センサ情報を取得する。加工工程Kの制御端末20は、取得した工具センサ情報を、作業者ID及びワークIDに対応づけた情報(後述する作業結果情報282)を生成し、生成した情報を集約装置10に通知する。
図3は、実施形態による集約装置10の構成の例を示すブロック図である。集約装置10は、例えば、通信部11と、バーコード情報生成部12と、通過管理情報生成部13と、ワークID特定部14と、作業管理情報生成部15と、表示部16と、制御部17と、記憶部18とを備える。通信部11は、「第1取得部」の一例である。通信部11は、「第2取得部」の一例である。
通信部11は、制御端末20、及び通過センサ60と通信を行う。通信部11は、初期工程SKの制御端末20からワークIDを受信する。通信部11は、加工工程Kの制御端末20から作業結果情報を受信する。通信部11は、通過センサ60から通過情報を受信する。通信部11は、通過情報に基づいて特定したワークIDを、次の工程の制御端末20に送信する。
バーコード情報生成部12は、バーコード管理情報181(図6参照)を生成する。バーコード管理情報181は、ワークIDを、当該ワークIDが通知された順序を示す情報と対応付けた情報である。バーコード情報生成部12は、初期工程SKの手前に配置された通過センサ60−1から通知された通過情報を、通信部11を介して取得する。バーコード情報生成部12は、初期工程SKの制御端末20−1から通知されたワークIDを、通信部11を介して取得する。バーコード情報生成部12は、通過センサ60−1から通過情報を通知されると、通過センサ60−1に対応づけた通知回数(カウンタ値)を1増加させる。バーコード情報生成部12は、取得したワークIDに、カウンタ値を対応付けることにより、バーコード管理情報181を生成する。バーコード情報生成部12は、生成した情報を記憶部18に記憶させる。
通過管理情報生成部13は、通過管理情報182(図7参照)を生成する。通過管理情報182は、加工工程Kにおける通過センサ60−2〜60−Nから通知された通過情報を、通知元の通過センサ60からの通知回数(カウンタ値)と対応付けた情報である。通過管理情報生成部13は、通過センサ60−2〜60−Nのそれぞれから通知された通過情報を、通信部11を介して取得する。通過管理情報生成部13は、通過センサ60−2〜60−Nのそれぞれから通過情報を通知されると、それぞれの通過センサに対応づけた通知回数(カウンタ値)を1増加させる。通過管理情報生成部13は、取得した通過情報に、通知元の通過センサ60、及び通過情報の通知回数を対応付けることにより、通過管理情報182を生成する。通過管理情報生成部13は、生成した情報を記憶部18に記憶させる。
ワークID特定部14は、バーコード管理情報181、及び通過管理情報182に基づいて、通過したワークWのワークIDを特定する。
本実施形態では、初期工程SKにおいて、作業員は、搬送されてきた順に、ワークWのワークIDをバーコードリーダ40により読み取る。また、初期工程SKにおいて搬送機構に載置されたワークWが、その後の工程で抜き取られたりすることはないものとする。また、初期工程SKの後の工程において、新たなワークWが追加されることがないものとする。すなわち、初期工程SKより後の全ての工程において、初期工程SKにて搬送機構に載置された順序と同じ順序でワークWが搬送されてくることを前提とする。
この性質を利用して、ワークID特定部14は、ワークWのワークIDを特定する。ワークID特定部14は、通過管理情報182のカウンタ値に整合するバーコード管理情報181の仮番号を抽出する。ワークID特定部14は、抽出した仮番号に対応するワークIDを、通過したワークWのワークIDとする。ワークID特定部14が、通過したワークWのワークIDを特定する具体的な方法については、後で詳しく説明する。
ワークID特定部14は、特定したワークIDを通知する制御端末20を、配置情報180(図5参照)に基づき決定する。配置情報180は、ラインLに配置された装置や周辺機器(制御端末20、ICカードリーダ30、バーコードリーダ40、工具センサ50、及び通過センサ60)の各々について、何れの工程に配置されているかを示す情報である。ワークID特定部14は、配置情報180に基づいて、通過情報を通知した通過センサ60が、何れの工程(前工程)と工程(次工程)との間に配置されているかを特定する。ワークID特定部14は、特定した次工程に配置された制御端末20に、ワークIDを通知すると決定する。ワークID特定部14は、決定した制御端末20に、通信部11を介してワークIDを通知する。
作業管理情報生成部15は、作業管理情報183(図8参照)を生成する。作業管理情報183は、各工程においてワークWになされた作業の詳細が示された情報である。作業管理情報生成部15は、制御端末20のそれぞれから通知された作業結果情報282を、通信部11を介して取得する。作業管理情報生成部15は、取得した情報を、ワークWごとに集約することにより、作業管理情報183を生成する。作業管理情報生成部15は、生成した作業管理情報183を記憶部18に記憶させる。
表示部16は、例えば液晶パネルからなる表示画面を有する。表示部16は、作業管理情報生成部15により生成された作業管理情報183などを表示する。表示部16の表示画面の全部又は一部がタッチパネルであってもよい。この場合、画面上に表示させたボタンにタッチ操作などがなされることで、ラインLにおける作業者の人数などの入力がなされ、入力結果が表示される。
制御部17は、集約装置10を統括的に制御する。制御部17は、例えば、通信部11によって受信されたワークIDをバーコード情報生成部12に出力する。制御部17は、通信部11によって受信された作業結果情報を作業管理情報生成部15に出力する。制御部17は、通信部11によって受信された通過情報を通過管理情報生成部13に出力する。制御部17は、ワークID特定部14によって特定されたワークIDと、当該ワークIDの通知先を示す情報とを、通信部11に出力する。
上述したバーコード情報生成部12、通過管理情報生成部13、ワークID特定部14、作業管理情報生成部15、及び制御部17は、集約装置10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
記憶部18は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部18は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。記憶部18は、配置情報180、バーコード管理情報181、通過管理情報182、及び作業管理情報183を記憶する。
図4は、実施形態による制御端末20の構成の例を示すブロック図である。制御端末20は、例えば、通信部21と、作業指示表示制御部22と、作業結果情報生成部23と、表示部26と、制御部27と、記憶部28とを備える。通信部21は、集約装置10と通信する。通信部21は、集約装置10からワークIDを受信する。通信部21は、集約装置10に、作業結果情報を送信する。また、通信部21は、ICカードリーダ30、バーコードリーダ40、及び工具センサ50と通信する。通信部21は、ICカードリーダ30から作業者IDを受信する。通信部21は、バーコードリーダ40からワークIDを受信する。通信部21は、工具センサ50から工具センサ情報を受信する。
作業指示表示制御部22は、工程にて行われるべき作業の内容を指示する情報を表示部26に表示させる。作業指示表示制御部22は、集約装置10から通知されたワークIDを、通信部21を介して取得する。作業指示表示制御部22は、ワークIDを取得すると、作業指示情報281(図10参照)から、工程においてなされるべき作業に対応する情報を選択する。作業指示情報281は、工程ごとに、当該工程における作業の内容を示す情報が対応付けられた情報である。作業指示表示制御部22は、例えば、割当情報280(図9参照)に基づいて、制御端末20が配置されている工程が何れの工程であるかを判定する。割当情報280は、制御端末20が配置されている工程を示す情報である。作業指示表示制御部22は、作業指示情報281から、制御端末20が配置されている工程における作業の内容を示す情報を抽出する。作業指示表示制御部22は、抽出した情報を表示部26に表示させる。
或いは、作業指示表示制御部22は、作業指示情報281から抽出した作業の内容を指示する情報と共に、ワークIDや作業者IDを表示部26に表示させるようにしてもよい。これにより、作業者の氏名などが認識されているか否かを目視により確認することができる。
また、作業指示表示制御部22は、作業の内容を指示する情報と共に、実際の作業が正しく行われた否かを入力する入力欄を表示させるようにしてもよい。この場合、作業指示表示制御部22は、例えば、入力欄を表示部26のタッチパネル部分に表示させる。作業者は、作業後に、作業の内容が正しく行われたか否かを確認し、確認結果をタッチ操作などにより入力する。これにより、作業の内容を指示する情報を、作業のチェックリストとして機能させることが可能である。
また、作業指示表示制御部22は、作業の内容を指示する情報と共に、実際に行われた作業の内容を表示させるようにしてもよい。この場合、作業指示表示制御部22は、工具センサ50から通知された工具センサ情報を、通信部21を介して取得する。作業指示表示制御部22は、取得した工具センサ情報を作業の内容を指示する情報に対応付けて表示させる。例えば、作業の内容を指示する情報として、「ネジ締めのトルク値を、X[N・m]以下とする」との記載を表示した場合を考える。この場合、作業指示表示制御部22は、工具センサ情報としてネジ締めのトルク値を取得する。作業指示表示制御部22は、工具センサ情報として取得したトルク値に基づいて、「ネジ締めのトルク値:Y[N・m]」などと表示する。ここで、Y[N・m]は、工具センサ情報として取得したトルク値である。この場合において、作業指示表示制御部22は、実際の作業内容が、指示された内容に合致しない場合に、その旨を示すアラートと表示するようにしてもよい。これにより、作業が指示通りになされているか否かを目視により容易に認識することができる。
作業結果情報生成部23は、作業結果情報282を生成する。作業結果情報282は、工具センサ情報を、作業者ID及びワークIDに対応づけた情報である。作業結果情報生成部23は、工具センサ情報、作業者ID、及びワークIDを、通信部21を介して取得する。作業結果情報生成部23は、取得した情報に基づいて、工具センサ情報を、作業者ID及びワークIDに対応づけることにより、作業結果情報282を生成する。作業結果情報生成部23は、生成した情報を、記憶部28に記憶させる。作業結果情報生成部23は、生成した作業結果情報282を、通信部21を介して、集約装置10に通知する。
表示部26は、例えば液晶パネルからなる表示画面を有する。表示部26は、作業指示表示制御部22の制御にしたがい、作業の内容を指示する情報を表示する。表示部26の表示画面の全部又は一部がタッチパネルであってもよい。この場合、画面上に表示させたボタンにタッチ操作などがなされることで、実際の作業内容を示す情報(トルク値など)の入力がなされ、入力結果が表示される。
制御部27は、制御端末20を統括的に制御する。制御部27は、例えば、通信部21によって受信されたワークIDを、作業指示表示制御部22及び作業結果情報生成部23に出力する。制御部27は、作業指示表示制御部22によって生成された、作業の内容を指示する情報を表示部26に出力する。制御部27は、作業結果情報生成部23によって生成された作業結果情報282を通信部21に出力する。
上述した作業指示表示制御部22、作業結果情報生成部23、及び制御部27は、制御端末20がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
記憶部28は、記憶媒体、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部28は、割当情報280、作業指示情報281、及び作業結果情報282を記憶する。
図5は、実施形態による配置情報180の構成の例を示す図である。配置情報180は、ラインLに配置される装置や機器などの情報を含み、例えば、作業日、時間区分、ライン番号、バーコードリーダ識別情報、工程数、内訳などの項目を備える。作業日は、作業が行われる日付を示す情報である。時間区分は、作業が行われる時間区分である。例えば、3交代制で作業が行われる場合、作業区分は、日中、準夜間、夜間などの3つの区分により区分けされる。ライン番号は、作業が行われるラインLの番号を示す情報である。バーコードリーダ識別情報は、ライン番号で特定されるラインLで用いられるバーコードリーダ40を一意に識別する識別情報である。工程数は、ライン番号で特定されるラインLで作業が行われる工程の数を示す情報である。内訳は、複数ある工程の内訳を示す情報であって、例えば、工程番号、工程名称、前工程の通過センサ識別情報、制御端末識別情報などの項目を備える。工程番号は、工程数に応じた工程のそれぞれを識別する番号である。工程名称は、工程番号で特定される工程の名称である。前工程の通過センサ識別情報は、工程番号で特定される工程と、その前の工程との間に設けられた通過センサ60を一意に識別する識別情報である。制御端末識別情報は、工程番号で特定される工程に配置される制御端末20を一意に識別する識別情報である。
図5の例では、作業日(yy/mm/dd)の夜間作業にて、ラインNo.3において行われる作業では、ワークIDを読み取る装置としてバーコードリーダ40が配置される。また、当該作業は、N個の複数の工程があることが示されている。初期工程SKの手前(前工程)には通過センサ60−1が配置され、初期工程SKには制御端末20−1が配置されることが示されている。加工工程K1〜加工工程K(N−1)のそれぞれと、その前工程との間には通過センサ60−2〜60−Nが配置されていることが示されている。加工工程K1〜加工工程K(N−1)のそれぞれには、制御端末20−2〜20−Nが配置されていることが示されている。
図6は、実施形態によるバーコード管理情報181の構成の例を示す図である。バーコード管理情報181は、例えば、作業日、時間区分、ライン番号、ワークID通知元制御端末識別情報、作業ワーク数、及び内訳などの項目を備える。作業日、時間区分、ライン番号のそれぞれは、配置情報180と同様であるため、これらの説明を省略する。ワークID通知元制御端末識別情報は、ライン番号で特定されるラインLにて搬送されるワークWのワークIDを通知する制御端末20を一意に識別する識別情報である。作業ワーク数は、当該作業日の時間区分においてライン番号で特定されるラインLにて作業されたワークWの数である。内訳は、ラインLに搬送されたワークWそれぞれの内訳であって、ワークIDと受信時刻、カウンタ値などの項目を備える。ワークIDは、ワークID通知元制御端末識別情報にて特定される制御端末20から通知された、ワークWを一意に識別する識別情報である。受信時刻は、ワークIDが通知された時刻である。カウンタ値は、ワークIDが通知される前工程(初期工程SKの手前)で通知された通過情報の通知回数(カウンタ値)である。
図6の例では、作業日(yy/mm/dd)の夜間作業にて、ラインNo.3のラインLに15個のワークWに作業が行われたことが示されている。15個のワークWのワークIDが、制御端末20−1から順に通知され、最初に通知されたワークIDは「xxx−0038」であり、通知時刻が22:23であったことが示されている。最初に通知されたワークIDにはカウンタ値「1」が付されたことが示されている。最後に通知されたワークIDは「xxx−0053」であり、通知時刻が22:54であったことが示されている。最後に通知されたワークIDにはカウンタ値「15」が付されたことが示されている。
上記では、カウンタ値は、通過センサ60−1により通過情報が通知された通知回数である場合を例に説明したが、これに限定されない。カウンタ値は、少なくとも、ワークIDが通知された順序が識別可能な値であればよい。最初に通知されたワークIDのカウンタ値が1でない任意の番号であってもよい。一連のカウンタ値は、カウントアップであってもよいし、カウントダウンされた値であってもよいし、任意のカウント方法にしたがって付された値であってよい。また、カウンタ値は、通過情報が通知される度に逐次カウントされたものでなくともよく、例えば、複数の通過情報が通知された後に、通過情報それぞれが通知された時刻等に応じてカウンタ値が付されてもよい。
図7は、実施形態による通過管理情報182の構成の例を示す図である。通過管理情報182は、例えば、作業日、時間区分、ライン番号、工程番号、通知元通過センサ識別情報、通過予定ワーク数、および内訳などの項目を備える。作業日、時間区分、ライン番号、工程番号については、配置情報180と同様であるため、その説明を省略する。通知元通過センサ識別情報は、通過情報を通知した通過センサ60の識別情報である。通過予定ワーク数は、同一の通過センサにより通過が検知されたワークWの数である。内訳は、通過が検知されたワークWの内訳であって、例えば、通過時刻と、カウンタ値などの項目を備える。通過時刻は、通知元通過センサ識別番号により特定される通過センサ60によりワークWの通過が検知された時刻である。カウンタ値は、カウンタにより通過が検知された回数をカウントした値である。
図7の例では、作業日(yy/mm/dd)の夜間作業にてラインNo.3のラインLにおける加工工程K1とその前工程との間において15個のワークWの通過が通過センサ60−2により検知されたことが示されている。通過が検知された15個のワークWの内訳として、時刻22:48に最初のワークWの通過が検知され、時刻23:35に最後のワークWの通過が検知されたことが示されている。また、最初に通過したワークWのカウンタ値は1であり、最後に通過したワークWのカウンタ値が15であることが示されている。
上記では、カウンタ値は、通過センサ60−2〜60−Nのそれぞれにより通過情報が通知された通知回数である場合を例に説明したが、これに限定されない。カウンタ値は、少なくとも前工程と次工程との間を通過したワークWの順序が識別可能な値であればよい。最初に通過したワークWのカウンタ値が1でない任意の番号であってもよい。一連のカウンタ値は、カウントアップであってもよいし、カウントダウンされた値であってもよいし、任意のカウント方法にしたがって付された値であってよい。また、カウンタ値は、通過情報が通知される度に逐次カウントされたものでなくともよく、例えば、複数の通過情報が通知された後に、通過情報それぞれが通知された時刻等に応じてカウンタ値が付されてもよい。
また、図6に示すバーコード管理情報181のカウンタ値におけるカウンタ方法と、図7に示す通過管理情報182のカウンタ値におけるカウンタ方法とは、同じカウンタ方法であってもよいし、異なるカウンタ方法であってもよい。少なくとも、バーコード管理情報181のカウンタ値と、通過管理情報182のカウンタ値との、両者のカウンタ方法の対応関係が判る態様でそれぞれのカウンタ値が付されていればよい。
図8は、実施形態による作業管理情報183の構成の例を示す図である。作業管理情報183は、ワークID、作業日、時間区分、ライン番号、及び内訳などの項目を備える。ワークIDは作業済みのワークWの識別情報である。作業日、作業区分、ライン番号は、配置情報180と同一であるためその説明を省略する。内訳は、ワークIDで特定されるワークWに対して行われた作業の内訳であって、工程ごとに行われた作業の内容が示された情報である。内訳は、例えば、工程番号、工程名称、不具合フラグ、作業者、作業内容などの項目を備える。工程番号は、工程を一意に識別する番号である。工程名称は、工程番号で特定される工程の名称である。不具合フラグは、工程番号で特定される工程にて行われた作業に不具合があったか否かを示すフラグである。作業者は、工程番号で特定される工程にて行われた作業の作業者である。作業内容は、工程番号で特定される工程にて行われた作業の内容である。
図8の例では、ワークID「xxx−0038」のワークWに、日付yy/mm/ddの夜間に、ラインNo.3のラインLにて作業が行われたことが示されている。作業の内訳としては、工程番号2の加工工程K1の作業に不具合がなかったこと、加工工程K1の作業者はBであったこと、などが示されている。
図9は、実施形態による割当情報280の構成の例を示す図である。割当情報280は、工程に配置(割当て)された装置や機器に関する情報である。割当情報280は、工程ごとに生成され、工程に配置された制御端末20の記憶部28に記憶される。割当情報280は、例えば、作業日、時間区分、ライン番号、工程番号、制御端末識別情報、ICカードリーダ識別情報、バーコードリーダ識別情報、工具センサ識別情報などの項目を備える。作業日、時間区分、ライン番号、工程番号は、配置情報180と同様であるためその説明を省略する。制御端末識別情報は、工程番号で特定される工程に配置される制御端末20の識別情報である。ICカードリーダ識別情報は、工程番号で特定される工程に配置されるICカードリーダ30の識別情報である。バーコードリーダ識別情報は、工程番号で特定される工程に配置されるバーコードリーダ40の識別情報である。工具センサ識別情報は、工程番号で特定される工程に配置される工具センサ50の識別情報である。
図9の例では、作業日(yy/mm/dd)の夜間作業にてラインNo.3のラインLにおける加工工程K1に、制御端末20−2、ICカードリーダ30−2、工具センサ50−1が配置されたことが示されている。また、加工工程K1にはバーコードリーダ40が配置されないことが示されている。
図10は、実施形態による作業指示情報281の構成の例を示す図である。作業指示情報281は、例えば、作業ID、工程数、内訳などの項目を備える。作業IDは、作業を一意に識別する識別情報である。工程数は、作業IDで特定される作業における工程の数である。内訳は、作業における工程ごとに指示する内訳であって、例えば、工程番号と作業指示などの項目を備える。工程番号は工程を識別する番号である。作業指示は、工程番号で特定される工程で行うべき作業を指示する内容である。
図10の例では、シート加工の作業が、初期工程SK、及び加工工程K(加工工程K1から加工工程K(N−1)まで)のN個の工程からなり、初期工程SK、及び加工工程Kそれぞれについてなされるべき作業の内容の指示が示されている。なお、作業指示情報281に初期工程SK及び加工工程K以外の他の工程が含まれていてもよい。
図11は、実施形態による作業結果情報282の構成の例を示す図である。作業結果情報282は、工程ごとに生成され、工程に配置された制御端末20の記憶部28に記憶される。作業結果情報282は、例えば、作業日、時間区分、ライン番号、ワークID、及び内訳などの項目を備える。作業日、時間区分、ライン番号、ワークIDについては、配置情報180と同様であるためその説明を省略する。内訳は、工程それぞれにおいてなされた作業の内容を示す情報であり、例えば、工程番号、工程名称、不具合フラグ、作業者、作業内容の各項目を備える。内訳が備えるこれらの項目は、作業管理情報183と同様であるためその説明を省略する。
図11の例では、作業日(yy/mm/dd)の夜間作業にてラインNo.3のラインLにて、ワークID「xxx−0038」のワークWに作業がなされたことが示されている。当該作業において加工工程K1に不具合はなかったが、加工工程K(N−1)にて不具合が発生したことが示されている。加工工程K1の作業者はBであり、加工工程K(N−1)の作業者はCであったことが示されている。
ここで、図12〜図16を用いて、ワークID特定部14がワークIDを特定する具体的な方法を説明する。図12〜図16は、実施形態による集約装置10が行うワークIDを特定する処理を説明するための図である。図12〜図16では、上流工程から下流工程にワークWが搬送されていく状況が示されている。
ワークID特定部14は、ワークIDを特定するために変数(カウンタ値)を用いる。カウンタ値は、例えば、記憶部18に記憶される。カウンタ値は、通過センサ60ごとに設定される。ワークID特定部14は、作業が開始される前に、通過センサ60それぞれのカウンタ値を初期化(例えば、カウンタ値0(ゼロ))する。ワークID特定部14は、通過センサ60のそれぞれから通知情報が通知される度に、通知された通過センサ60のカウンタ値を1増加させる。
図12に示すように、初期工程SKにワークW6、加工工程K1にワークW3〜W5、加工工程K2にワークW1〜W2がある場合を考える。この場合、通過センサ60−1は、ワークW1〜W5の5個の通過を検知し、通過を検知するたびに集約装置10に通過情報を通知する。この場合、ワークID特定部14は、通過センサ60−1からの通過情報が通知される度にカウンタ値を1増加させる。この結果、通過センサ60−1のカウンタ値は5となる。同様に、通過センサ60−2のカウンタ値は2、通過センサ60−2のカウンタ値は0となる。
ここで、ワークW6に着目する。図12の状態において、ワークW6は、まだ、初期工程SKに搬送されていない。このため、ワークW6のワークIDは読み取られていない。
次に、図13に示すように、図12の状態からワークWが1個搬送された場合を考える。この場合、ワークID特定部14は、通過センサ60−1〜60−3のそれぞれからの通過情報を1回通知され、それぞれのカウンタ値を1増加させる。この結果、通過センサ60−1のカウンタ値は6、通過センサ60−2のカウンタ値は3、通過センサ60−2のカウンタ値は1となる。
図13の状態において、ワークW6は、初期工程SKに搬送される。この初期工程SKにおいて、バーコードリーダ40によりワークW6のワークIDが読み取られる。具体的に、まず、ワークW6が、初期工程SKの手前を通過する。通過センサ60−1は、当該通過を検知する。通過センサ60−1は、ワークW6の通過を検知すると、集約装置10に通過情報を通知する。その後、ワークW6が、初期工程SKに搬送される。初期工程SKの作業者は、バーコードリーダ40により、ワークW6のワークIDを読み取る。バーコードリーダ40は、読み取ったワークIDを制御端末20−1に出力する。制御端末20−1は、バーコードリーダ40から取得したワークIDを集約装置10に通知する。集約装置10は、制御端末20−1から受信したワークIDを、通過センサ60−1のカウンタ値(6)と対応付けたバーコード管理情報181を生成し、生成した情報を記憶部18に記憶させる。
図14に示すように、図13の状態からワークWが2個搬送された場合を考える。この場合、ワークID特定部14は、通過センサ60−1〜60−3のそれぞれからの通過情報を2回通知され、それぞれのカウンタ値を2増加させる。この結果、通過センサ60−1のカウンタ値は8、通過センサ60−2のカウンタ値は5、通過センサ60−3のカウンタ値は3となる。
図15に示すように、図14の状態からワークWが1個搬送された場合を考える。この場合、ワークID特定部14は、通過センサ60−1〜60−3のそれぞれからの通過情報を1回通知され、それぞれのカウンタ値を1増加させる。この結果、通過センサ60−1のカウンタ値は9、通過センサ60−2のカウンタ値は6、通過センサ60−2のカウンタ値は4となる。
図14から図15の状態に遷移する過程おいて、ワークW6が、加工工程K1の手前(初期工程SKと加工工程K1との間)を通過する。通過センサ60−2は、当該通過を検知する。通過センサ60−2は、ワークW6の通過を検知すると、集約装置10に通過情報を通知する。集約装置10は、通過センサ60−2から受信した通過情報を、通過センサ60−2のカウンタ値(6)と対応付けた通過管理情報182を生成し、生成した情報を記憶部18に記憶させる。ワークID特定部14は、通過センサ60−2から通過情報を受信すると、その通過情報に付されたカウンタ値(6)(通過管理情報182のカウンタ値)に基づいて、バーコード管理情報181を参照し、対応するバーコード管理情報181を取得する。この場合、対応するバーコード管理情報181とは、カウンタ値(6)が付されたバーコード管理情報181である。ワークID特定部14は、取得したバーコード管理情報181に記憶されたワークIDを、加工工程K1の手前を通過した(つまり、加工工程K1に搬入される)ワークW6のワークIDと特定する。ワークID特定部14は、特定したワークIDを、加工工程K1の制御端末20−2に通知する。
図16に示すように、図15の状態からワークWが2個搬送された場合を考える。この場合、ワークID特定部14は、通過センサ60−1〜60−3のそれぞれからの通過情報を2回通知され、それぞれのカウンタ値を1増加させる。この結果、通過センサ60−1のカウンタ値は11、通過センサ60−2のカウンタ値は8、通過センサ60−2のカウンタ値は6となる。
図15から図16の状態に遷移する過程おいて、ワークW6が、加工工程K2の手前(加工工程K1と加工工程K2との間)を通過する。通過センサ60−3は、当該通過を検知する。通過センサ60−3は、ワークW6の通過を検知すると、集約装置10に通過情報を通知する。集約装置10は、通過センサ60−3から受信した通過情報を、通過センサ60−3のカウンタ値(6)と対応付けた通過管理情報182を生成し、生成した情報を記憶部18に記憶させる。ワークID特定部14は、通過センサ60−3から通過情報を受信すると、その通過情報に付されたカウンタ値(6)(通過管理情報182のカウンタ値)に基づいて、バーコード管理情報181を参照し、対応するバーコード管理情報181を取得する。この場合、対応するバーコード管理情報181とは、カウンタ値(6)が付されたバーコード管理情報181である。ワークID特定部14は、取得したバーコード管理情報181に記憶されたワークIDを、加工工程K2の手前を通過した(つまり、加工工程K2に搬入される)ワークW6のワークIDと特定する。ワークID特定部14は、特定したワークIDを、加工工程K2の制御端末20−3に通知する。
図17は、実施形態による管理システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。図17に示すシーケンス図において、以下の配置を前提とする。すなわち、初期工程SKの手前には通過センサ60−1が配置されている。初期工程SKには、ICカードリーダ30−1、バーコードリーダ40、及び制御端末20−1が配置されている。初期工程SKと加工工程K1の間には通過センサ60−2が配置されている。加工工程K1には、ICカードリーダ30−2、工具センサ50−1、及び制御端末20−2が配置されているものとする。
まず、各工程の作業者カードの読み取りが行われる(ステップS10)。各工程の作業を行う予定の作業者が、各自の工程に設けられたICカードリーダ30に自身の作業者カード(IDカード)を読み取らせる。これにより、ICカードリーダ30−1は、初期工程SKの作業者の作業者IDを制御端末20−1に出力する(ステップS11)。ICカードリーダ30−2は、加工工程K1の作業者の作業者IDを制御端末20−2に出力する(ステップS12)。
次に、コンベアの搬送に伴い、ワークWが初期工程SKの手前を通過する(ステップS13)。これにより、通過センサ60−1は、ワークWが初期工程SKの手前を通過したことを示す通過情報を集約装置10に通知する(ステップS14)。集約装置10は、通過センサ60−1からの通過情報を用いて通過管理情報182を生成する。
コンベアの搬送がさらに進んで、ワークWが初期工程SKに搬送され、初期工程SKにて、バーコード読み取りが行われる(ステップS15)。初期工程SKの作業者が、コンベアに載置されたワークWに付されたバーコードを、バーコードリーダ40を用いて読み取らせる。これにより、バーコードリーダ40は、読み取ったワークIDを制御端末20−1に出力する(ステップS16)。制御端末20−1は、バーコードリーダ40から取得したワークIDを集約装置10に通知する(ステップS17)。集約装置10は、制御端末20−1から通知されたワークIDを用いてバーコード管理情報181を生成する(ステップS18)。
コンベアの搬送がさらに進んで、ワークWが初期工程SKと加工工程K1の間を通過する(ステップS19)。これにより、通過センサ60−2は、ワークWが初期工程SKと加工工程K1の間を通過したことを示す通過情報を集約装置10に通知する(ステップS20)。集約装置10は、通過センサ60−2からの通過情報を用いて通過管理情報182を生成する(ステップS21)。集約装置10は、通過管理情報182とバーコード管理情報181とを用いて、初期工程SKと加工工程K1の間を通過したワークWのワークIDを特定する(ステップS22)。集約装置10は、特定したワークIDを、制御端末20−2に通知する(ステップS23)。制御端末20−2は、集約装置10からのワークIDの通知を受けると、加工工程K1の作業内容を表示する(ステップS24)。
コンベアの搬送がさらに進んで、ワークWが加工工程K1に搬送され、加工工程K1にて、加工の作業が行われる(ステップS25)。加工工程K1の作業者が、コンベアに載置されたワークWに工具を用いてネジ締めなどの加工の作業を行う。これにより、工具センサ50−1は、ネジ締めのトルク値等を測定し、測定した情報を工具センサ情報として制御端末20−2に出力する(ステップS26)。制御端末20−2は、工具センサ50−1から取得した工具センサ情報を用いて作業結果情報282を生成する(ステップS27)。制御端末20−2は、生成した作業結果情報282を集約装置10に通知する(ステップS28)。集約装置10は、制御端末20−2から通知された情報を用いて作業管理情報183を生成する(ステップS29)。
以上説明したように、実施形態における管理システム1は、通過センサ60−2(「通過検知装置」の一例)と、バーコードリーダ40(「ワークID取得装置」の一例)と、ワークID特定部14とを備える。通過センサ60−2は、上流工程から下流工程に搬送されるワークWに対して各作業が順に行われる複数の工程のうち、初期工程SK(「前工程」の一例)と、加工工程K1(「次工程」の一例)との間におけるワークWの通過を検知する。バーコードリーダ40は、ワークWの識別情報であるワークIDを、加工工程K1より上流の工程において取得する。ワークID特定部14は、通過センサ60−2によって検知された検知結果、及びバーコードリーダ40によって取得されたワークIDに基づいて、通過センサ60−2により通過が検知されたワークWに対応付けられたワークIDを特定する。
これにより、実施形態における管理システム1は、初期工程SKにおいて読み取られたワークIDと、通過センサ60により検知された通過のカウンタ値との対応関係に基づいて、次工程に存在するワークWのワークIDを判定することができる。すなわち、作業者がワークIDを読み取らなくとも、加工工程Kに搬送されてきたワークWのワークIDを特定することができる。したがって、ワークWになされた作業を、ワークIDと対応付けて管理することが可能となる。このため、各工程の作業者が搬送されてきたワークWのワークIDを読み取る作業を行う場合と比較して、作業者の作業負担を増大させることなく、各工程で行われた作業の内容を記録することができる。
また、加工工程Kの作業者が搬送されてきたワークWのワークIDを読み取る作業を行う必要がないことから、加工工程Kにおけるバーコードリーダ40の配置を省略することができる。このため、加工工程Kにバーコードリーダ40を配置する場合と比較して、装置コストを低減することが可能である。
また、実施形態における管理システム1では、ワークID特定部14は、通過管理情報182のカウンタ値(「通過センサ60−2により通過が検知された回数」の一例)、及びバーコード管理情報181のカウンタ値(「バーコードリーダ40によって取得されたワークIDに対応する前記ワークが搬送される順序に基づく仮番号」の一例)を用いて、前記通過検知部により通過が検知された前記ワークに対応付けられた前記ワークIDを特定する。これにより、実施形態における管理システム1では、通過情報が通知された回数を数えて記憶させる、ワークIDが通知された順序を記憶させる、という容易な方法で、各工程に搬入されるワークWのワークIDを特定することが可能である。
また、実施形態における管理システム1では、工具センサ50(「作業内容取得装置」の一例)と、制御端末20とを備える。工具センサ50は、次工程においてワークWに行われた作業の工具センサ情報を取得する。制御端末20は、工具センサ50及び集約装置10と通信可能に接続される。制御端末20は、作業結果情報生成部23と通信部21とを備える。作業結果情報生成部23は、工具センサ情報と、ワークID特定部14により特定されたワークIDとを対応付けた作業結果情報282を生成する。通信部21は作業結果情報生成部23により生成された作業結果情報282を集約装置10に通知する。これにより、実施形態における管理システム1では、各工程で行われた作業の内容を、ワークIDと対応付けて管理することが可能である。
また、実施形態における管理システム1では、ICカードリーダ30(「作業者ID取得装置」の一例)と、集約装置10とを備える。ICカードリーダ30は、次工程においてワークWに作業を行う作業者を識別する作業者IDを取得する。制御端末20は、工具センサ50及び集約装置10と通信可能に接続される。制御端末20は、作業結果情報生成部23と通信部21とを備える。作業結果情報生成部23は、ICカードリーダ30により取得された作業者IDと、ワークID特定部14により特定されたワークIDとを対応付けた作業結果情報282を生成する。通信部21は作業結果情報生成部23により生成された作業結果情報282を集約装置10に通知する。これにより、実施形態における管理システム1では、各工程で作業した作業者を、ワークIDと対応付けて管理することが可能である。
また、実施形態における管理システム1では、制御端末20を備える。制御端末20は、集約装置10と通信可能に接続される。制御端末20は、記憶部28と、表示部26(「出力部」の一例)を備える。記憶部28は、ワークWにおける作業工程ごとの作業の内容を指示する作業指示情報281を記憶する。表示部26は、通過センサ60により通過が検知されたワークWに対応付けられたワークIDに基づいて、次工程における作業指示情報281を記憶部28から読み出して表示(「出力」の一例)する。これにより、実施形態における管理システム1では、各工程にワークWが搬入されると、作業の内容を指示する情報を表示することが可能である。作業者は、表示された指示にしたがって作業を行うことができ、作業間違いを防止することが可能となる。
また、実施形態における集約装置10は、通信部11(「第1取得部」の一例)と、通信部11(「第2取得部」の一例)と、ワークID特定部14とを備える。通信部11は、上流工程から下流工程に搬送されるワークに対して各作業が順に行われる複数の工程のうち、前工程と次工程との間における前記ワークの通過を示す通過情報を取得する。通信部11は、次工程より上流の工程において取得されたワークWの識別情報であるワークIDを取得する。ワークID特定部14は、通信部11によって取得された通過情報、及び通信部11によって取得されたワークIDに基づいて、前工程と次工程との間を通過したワークWに対応付けられたワークIDを特定する。これにより、実施形態の集約装置10は、上述した効果と同様の効果を奏する。
上述した実施形態における管理システム1、及び集約装置10の全部又は一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりくずし字を対応する現代文字に対応させる認識処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。