以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
本発明は、記録媒体から読み取られる情報を用いて、生産対象の生産ラインの各工程に応じた管理を行う生産工程管理システムに関する。
記録媒体は、例えば、RFID(Radio Frequency Identifier)タグ、2次元コード、1次元コード等である。2次元コードは、例えば、2次元バーコードである。1次元コードは、例えば、1次元バーコードである。以下では、一例として、RFIDタグが用いられる例について説明する。
記録媒体は、多様な媒体に設けられる。記録媒体は、例えば、紙、プラスチック、薄い鉄板等の媒体に印刷される。媒体の形状は、例えば、カード形状である。記録媒体が印刷される媒体の種類及び形状は、特に限定されず、記録媒体を印刷することが可能であればよい。以下では、一例として、カード形状の紙にRFIDタグが印刷された記録媒体(以下、「RFIDカード」とも称される)が用いられる例について説明する。
本発明は、多様な生産工場の生産ラインに対して適用され得る。生産工場の分野は特に限定されない。工場の分野には、例えば、自動車、印刷、製紙、化学、機械、鉄鋼、建築、食品、製薬、家電等の分野が挙げられる。生産ラインの工程には、例えば、部品や原材料が納入される入荷工程、部品や原材料を加工する加工工程、加工した部品を組み立てる組立工程、組み立てた製品を検査する検査工程、検査後の製品を出荷する出荷工程等がある。各工程は、生産対象に応じてさらに詳細な工程に分けられ得る。
生産工場の生産ラインでは、例えば、カンバン方式による生産管理が行われる。カンバンとは、生産の指示票である。カンバンには、例えば、部品名、数量、部品の納入時間等の作業指示が記載されている。一般的に、カンバンには、薄い鉄板、プラスチック、紙等が用いられる。また、カンバンには、納入管理用の「引取りカンバン」と、生産管理用の「仕掛けカンバン」の2種類のカンバンが存在する。なお、カンバンは、本発明に用いられるRFIDカードにより代用できる。よって、本発明は、カンバン方式による生産管理が行われている生産工場に対して適用可能である。なお、本発明は、カンバン方式を用いない生産管理が行われている生産工場に対しても適用可能である。
以下では、自動車の生産工場における、裁断工程の管理を一例として説明する。生産工場全体の生産対象は、自動車である。裁断工程における生産対象は、自動車のシート部品である。ここで、シートとは、自動車の搭乗者が着座することが可能な座席である。また、シート部品は、例えば、シートの表面に用いられる部品であり、原材料は革である。なお、原材料は、革に限定されず、布、合成皮革、生地等であってもよい。
本実施形態の裁断工程では、例えば、自動車のシート部品の一部が原材料の原反から裁断される。ここで、原反とは、面状に広さを有するシート状の物体が巻かれた状態のものである。原反の一部が引き出されて裁断された残りの巻かれた状態の物も原反である。具体的に、まず、原反から引き出された革の一部が裁断される。原反から裁断された革の一部は、以下では、「シート部材」とも称される。次いで、シート部材から、シート部品が形状に応じて裁断される。
<1.生産工程管理システムの構成>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る生産工程管理システムの構成について説明する。図1は、本実施形態に係る生産工程管理システムの構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、生産工程管理システム1は、RFIDカード発行用PC(Personal Computer)10、RFIDカード発行プリンタ20、スタンド型RFIDリーダ30−1〜30−n、生産工程管理サーバ40、表示装置50、センサ装置60を含む。生産工程管理システム1に含まれる各装置は、ネットワーク70を介して、互いに通信可能に接続されている。
RFIDカード発行用PC10は、RFIDカードを発行するために作業者が操作する端末である。RFIDカード発行プリンタ20は、RFIDカードを印刷するプリンタである。RFIDカード発行用PC10は、作業者が入力する情報に基づき、RFIDカード発行プリンタ20にRFIDカードを印刷させる。RFIDカードには、各々のRFIDカードに固有の識別情報であるカードIDが付与される。
本実施形態のカードIDは、各工程にて加工する対象物である加工対象の識別情報(第1識別情報)として用いられる。そのため、カードIDには加工対象が対応付けられる。
加工対象には、原材料と、原材料が加工された加工物とが含まれる。加工対象の原材料は、例えば、革である。なお、本実施形態では、原材料である革は巻かれて原反となっており、当該原反が裁断(加工)される。よって、裁断工程において、加工対象の原材料には原反も含まれる。また、加工対象の加工物は、例えば、シート部品である。シート部品は、例えば、裁断工程の後段の工程にて、シートの表面に縫製(加工)される。
加工物が対応付けられたRFIDカードは、以下では、「仕掛けカード」とも称される。仕掛けカードは、カンバン方式における仕掛けカンバンと同様の役割を有する。即ち、仕掛けカードは、加工物の生産管理に用いられる。仕掛けカードには、加工物ごとに異なるカードIDが割り当てられる。
原材料が対応付けられたRFIDカードは、以下では、「引取りカード」とも称される。引取りカードは、カンバン方式における引取りカンバンと同様の役割を有する。即ち、引取りカードは、原材料の納入管理に用いられる。引取りカードには、原材料ごとに異なるカードIDが割り当てられる。
以下、RFIDカードとして、引取りカードと仕掛けカードの2種類のカードが用いられる例について説明する。なお、RFIDカードの種類は、かかる例に限定されない。また、生産工程管理システム1に用いられるRFIDカードの種類も、かかる例に限定されない。
ここで、図2を参照して、RFIDカード発行プリンタ20により発行されるRFIDカードについて説明する。図2は、本実施形態に係るRFIDカード22の一例を示す図である。
図2に示すように、RFIDカード22は、カード情報24とRFIDタグ26を有する。カード情報24とRFIDタグ26は、RFIDカード発行プリンタ20によって、カード形状の紙に印刷される。RFIDカード22が仕掛けカードである場合、加工物に関する情報がカード情報24として印刷される。RFIDカード22が引取りカードである場合、原材料に関する情報がカード情報24として印刷される。
スタンド型RFIDリーダ30−1〜30−n(nは自然数)は、RFIDカード22から読み取った情報に基づく処理を行う機能を有する読取装置である。なお、以下の説明において、スタンド型RFIDリーダ30−1〜30−nの各々を区別しない場合、スタンド型RFIDリーダ30と称する。スタンド型RFIDリーダ30は、生産対象の生産ラインの工程ごとに設けられる。また、各々の工程に、複数のスタンド型RFIDリーダ30が設けられてもよい。なお、自然数nは、スタンド型RFIDリーダ30が各工程に設けられる台数を示す値である。スタンド型RFIDリーダ30−1〜30−nには、各々のスタンド型RFIDリーダ30に固有の識別情報である端末ID(第2識別情報)が付与される。
まず、図3を参照して、スタンド型RFIDリーダ30のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施形態に係るスタンド型RFIDリーダ30のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、スタンド型RFIDリーダ30は、本体部31、支柱32、表示装置33、連結部材34、RFIDリーダ35、カードスロット36、及び制御装置37を含む。
図3に示すように、本体部31と表示装置33は、支柱32を介して連結されている。
また、支柱32とRFIDリーダ35は、連結部材34を介して連結されている。カードスロット36は、RFIDリーダ35に連結されている。制御装置37は、本体部31の内部に設けられている。
本体部31は、制御装置37を格納可能な筐体である。制御装置37は、本体部31に格納可能なサイズのPCである。当該PCは、例えば、エッジPCである。
表示装置33は、例えば、モニタにより実現される。また、表示装置33は、タッチパネルを有する表示装置により実現されてもよい。タッチパネルにより、作業者は、表示装置33に対して入力操作を行うことができる。また、表示装置33は、スピーカを有する音声出力可能な表示装置であってもよい。これにより、表示装置33は、音声による情報の出力を行うこともできる。なお、スタンド型RFIDリーダ30は、表示装置33とは独立した音声出力装置を備えてもよい。
RFIDリーダ35は、所定の読取範囲内へ移動されたRFIDカード22のRFIDタグから、カードIDを読み取る。RFIDカード22は、作業者により、所定の読取範囲の外から内へ移動(第1操作)される。また、RFIDカード22は、作業者により、所定の読取範囲の内から外へも移動(第2操作)され得る。本実施形態における所定の読取範囲は、例えば、カードスロット36の内部である。そのため、RFIDリーダ35にカードIDを読み取らせる場合、作業者は、RFIDカード22をカードスロット36へ入れる操作(以下では、「スライドイン」とも称される)を第1操作として行う。一方、RFIDリーダ35によるカードIDの読み取りを終了させる場合、作業者は、RFIDカード22をカードスロット36から取り出す操作(以下では、「スライドアウト」とも称される)を第2操作として行う。以下では、RFIDカード22に対するスライドイン及びスライドアウトを含む操作は、「カード操作」とも称される。
カードスロット36は、スタンド型RFIDリーダ30がRFIDカード22に対する読取を継続可能に、RFIDカード22の姿勢を保つ構造を有する。図3に示すように、カードスロット36には、例えば、一部が開放され、RFIDカード22を格納可能な箱が用いられる。なお、カードスロット36の形状や大きさ等の構成は、スタンド型RFIDリーダ30が少なくとも1つのRFIDカード22からカードIDを読み取り可能であれば、特に限定されない。
なお、スタンド型RFIDリーダ30の構成は、図3に示す例に限定されない。ただし、スタンド型RFIDリーダ30は、少なくとも床や壁等に固定することなく設けられる構成であることが望ましい。これにより、例えば、生産工場の生産ラインのレイアウトの変更時、作業者がスタンド型RFIDリーダ30を容易に移動することができる。
続いて、図1を参照して、スタンド型RFIDリーダ30の機能構成について説明する。スタンド型RFIDリーダ30は、図1に示すように、読取部310、制御部320、通信部330(第1通信部)、及び出力部340を備える。
読取部310は、カードスロット36に格納されたRFIDカード22から情報を読み取る機能を有する。当該機能は、例えば、RFIDリーダ35により実現される。読取部310は、例えば、作業者によってカードスロット36へスライドインされたRFIDカード22のカードIDを所定の時間間隔で読み取る。なお、所定の時間間隔に設定される時間は、特に限定されず、任意の時間が設定されてよい。カードIDの読み取り後、読取部310は、読み取ったカードIDを制御部320へ出力する。
制御部320は、スタンド型RFIDリーダ30の動作全般を制御する機能を有する。
当該機能は、例えば、制御装置37により実現される。制御部320は、通信部330における情報の送信を制御する。例えば、読取部310からカードIDが入力された場合、制御部320は、スタンド型RFIDリーダ30の端末IDと、入力されたカードIDとを通信部330に送信させる。なお、制御部320は、読取部310からのカードIDの入力の有無に関わらず、所定の時間間隔で情報を通信部330に送信させてもよい。この場合、制御部320は、少なくとも端末IDを所定の時間間隔で通信部330に送信させる。
また、制御部320は、出力部340における出力を制御する。例えば、制御部320は、通信部330が生産工程管理サーバ40から受信した情報を出力部340に出力させる。
通信部330は、制御部320から入力される情報を送信する機能を有する。例えば、通信部330は、制御部320から入力されるカードIDと端末IDとを生産工程管理サーバ40へ送信する。具体的に、制御部320からカードIDと端末IDが入力された場合、通信部330は、入力されたカードIDと端末IDを生産工程管理サーバ40へ送信する。なお、制御部320から端末IDのみが入力された場合、通信部330は、端末IDのみを生産工程管理サーバ40へ送信してもよい。
また、通信部330は、生産工程管理サーバ40から送信される情報を受信する機能を有する。生産工程管理サーバ40から情報を受信した場合、通信部330は、受信した情報を制御部320へ出力する。
出力部340は、制御部320から入力される情報を出力する機能を有する。当該機能は、例えば、表示装置33により実現される。この場合、出力部340は、制御部320から入力される情報を画像に変換して表示する。スタンド型RFIDリーダ30が音声出力可能な構成を有する場合、出力部340は、制御部320から入力される情報を音声に変換して出力してもよい。
生産工程管理サーバ40は、生産工程に関する情報を管理する機能を有する生産工程管理装置である。当該機能を実現するために、生産工程管理サーバ40は、図1に示すように、通信部410(第2通信部)、制御部420、及び記憶部430を備える。
通信部410は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部410は、スタンド型RFIDリーダ30から送信されるカードIDと端末IDとを受信する。通信部410は、スタンド型RFIDリーダ30から受信するカードIDと端末IDとを制御部420へ出力する。なお、スタンド型RFIDリーダ30から端末IDのみを受信した場合、通信部410は、端末IDのみを制御部420へ出力してもよい。
制御部420は、生産工程管理サーバ40の動作全般を制御する機能を有する。当該機能は、例えば、生産工程管理サーバ40がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。当該機能を実現するために、制御部420は、図1に示すように、検出部422、判定部424、データ処理部426、及び出力処理部428を備える。
検出部422は、通信部410が受信するカードIDに関する情報を検出する機能を有する。例えば、検出部422は、通信部410が受信した情報にカードIDが含まれるか否かを検出する。カードIDを検出した場合、検出部422は、検出したカードIDと端末IDを含む検出結果を判定部424へ出力する。一方、カードIDを検出しなかった場合、検出部422は、端末IDのみを含む検出結果を判定部424へ出力する。
判定部424は、検出部422による検出結果に基づき、作業者がRFIDカード22に対して行ったカード操作を判定する機能を有する。今回受信時の検出結果に、通信部410において前回受信時に受信されていないカードIDが含まれていたとする。これは、RFIDカード22が、所定の読み取り範囲の外から内へ移動されたことにより、カードIDが新規で取得されたことを意味する。よって、判定部424は、今回受信時に受信したカードIDに対応するRFIDカード22に対して、スライドインが行われたと判定する。
一方、今回受信時の検出結果に、通信部410において前回受信時に受信されたカードIDが含まれていないとする。これは、RFIDカード22が、所定の読み取り範囲の内から外へ移動されたことにより、カードIDの取得が終了したことを意味する。よって、判定部424は、今回受信時に受信されていないカードIDに対応するRFIDカード22に対して、スライドアウトが行われたと判定する。判定処理後、判定部424は、判定結果をデータ処理部426へ出力する。
データ処理部426は、カードIDに対応付けられた加工対象と、端末IDに対応付けられた工程における生産工程の内容との組み合わせに応じた処理を実行する。データ処理部426は、作業者によりRFIDカード22に対してカード操作が行われた際に、行われたカード操作に基づき、当該組み合わせを特定し、実行する処理を決定する。
本実施形態では、加工対象に関する情報は、カードIDに対応付けて記憶部430のカード情報データベースに記憶されている。そこで、データ処理部426は、カードIDを検索キーとしてカード情報データベースを参照し、加工対象を特定する。
ここで、図4を参照して、カード情報について説明する。図4は、本実施形態に係るカード情報データベースにおけるカード情報テーブルの構成の一例を示す図である。図4に示すように、カード情報テーブルのレコードには、カードID、カード種別、及び加工対象が含まれる。なお、カード情報テーブルのレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。
カードIDは、RFIDカード22の識別情報を示す。カード種別は、RFIDカード22の種類を示す。加工対象は、RFIDカード22に対応付けられた加工対象を示す。
例えば、カードIDが「101」である1レコード目には、カード種別が「引取り」、加工対象が「原反AAA」であることが記憶されている。これは、カードIDが101のRFIDカード22は、原反AAAの納入管理(在庫管理含む)に用いられる引取りカードであることを示している。同様に、2レコード目のカードIDが102のRFIDカード22は、原反BBBの納入管理に用いられる引取りカードであることを示している。また、3レコード目のカードIDが103のRFIDカード22は、原反CCCの納入管理に用いられる引取りカードであることを示している。
カードIDが「104」である4レコード目には、カード種別が「仕掛け」、加工対象が「シート部品DDD」であることが記憶されている。これは、カードIDが104のRFIDカード22は、シート部品DDDの生産管理(実績管理含む)に用いられる仕掛けカードであることを示している。同様に、5レコード目のカードIDが105のRFIDカード22は、シート部品EEEの生産管理に用いられる仕掛けカードであることを示している。また、6レコード目のカードIDが106のRFIDカード22は、シート部品FFFの生産管理に用いられる仕掛けカードであることを示している。
加工対象が原材料であり、端末IDが、在庫として保管された原材料を用いた生産工程に該当する場合、データ処理部426は、端末IDとともに受信したカードIDが示す原材料の在庫管理に関する処理を実行する。例えば、データ処理部426は、カード操作が行われたRFIDカード22に対応する原材料の在庫管理情報の更新処理を実行する。在庫として保管された原材料を用いた生産工程は、例えば、原反の一部を引き出して裁断する裁断工程である。本実施形態では、在庫管理情報は、記憶部430の在庫管理情報データベースに記憶されている。
ここで、図5を参照して、在庫管理情報について説明する。図5は、本実施形態に係る在庫管理情報データベースにおける在庫管理情報テーブルの構成の一例を示す図である。
なお、以下では、原材料が革であり、当該革の在庫が原反単位で管理されている例について説明する。図5に示すように、在庫管理情報テーブルのレコードには、原反名、原反所在、在庫数、原反の長さ、及び在庫状態が含まれる。なお、在庫管理情報テーブルのレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。
原反名は、在庫の原反の名称を示す。原反所在は、在庫の原反の置場を示す。在庫数は、在庫の原反の本数を示す。原反の長さは、原反1〜原反nの各々の長さと、原反1〜原反nの各々の長さを合計した総長さを示す。原反nのnは、在庫数である。在庫状態は、在庫の原反の状態を示す。
例えば、原反名が「原反AAA」である1レコード目には、原反所在が「原反置場GGG」であることが記憶されている。これは、「原反AAA」が「原反置場GGG」に置いてあることを示している。
また、1レコード目には、「原反AAA」の在庫数が「1本」、在庫の原反1の長さが「90m」、総長さが「90m」であることが記憶されている。これは、原反置場GGGに置いてある原反AAAの在庫数が1本であることと、原反AAAの在庫の原反1の長さが90mであることと、原反AAAの在庫の全ての長さの合計が90mであることを示している。
また、1レコード目には、在庫状態が「入荷待」であることが記憶されている。これは、原反AAAを発注済みであり、その入荷を待っている状態であることを示している。
原反名が「原反BBB」である2レコード目には、原反所在が「原反置場HHH」であることが記憶されている。これは、「原反BBB」が「原反置場HHH」に置いてあることを示している。
また、2レコード目には、「原反BBB」の在庫数が「2本」、在庫の原反1の長さが「100m」、原反2の長さが「90m」、総長さが「190m」であることが記憶されている。これは、原反置場HHHに置いてある原反BBBの在庫数が2本であることと、原反BBBの在庫の原反1の長さが100m、原反2の長さが90mであることと、原反BBBの在庫の全ての長さの合計が190mであることを示している。
また、2レコード目には、在庫状態が「出庫中」であることが記憶されている。これは、原反BBBが出庫され、加工物の生産に用いられている状態であることを示している。
原反名が「原反CCC」である3レコード目には、原反所在が「原反置場III」であることが記憶されている。これは、原反CCCが原反置場IIIに置いてあることを示している。
また、3レコード目には、「原反CCC」の在庫数が「2本」、在庫の原反1の長さが「100m」、原反2の長さが「100m」、総長さが「200m」であることが記憶されている。これは、原反置場IIIに置いてある原反CCCの在庫数が2本であることと、原反CCCの在庫の原反1の長さが100m、原反2の長さが100mであることと、原反CCCの在庫の全ての長さの合計が200mであることを示している。
また、3レコード目には、在庫状態が「保管中」であることが記憶されている。これは、原反CCCの発注がされてなく、原反CCCが加工物の生産にも用いられていない状態である。即ち、原反CCCが原反置場IIIにて保管されている状態であることを示している。
在庫管理情報の更新処理では、例えば、在庫状態更新処理が行われる。在庫状態更新処理では、カード操作が行われたRFIDカード22のカードIDに対応する原反の在庫状態が更新される。在庫状態は、カード操作に応じて、図5に示した「入荷待」、「出庫中」、及び「保管中」の3種のいずれかの状態に更新される。なお、在庫状態の種類は、かかる例に限定されない。
また、在庫管理情報の更新処理では、在庫量更新処理も行われる。在庫量とは、原材料の在庫の量を示す情報であり、在庫数と原反の長さが含まれる。データ処理部426は、例えば、原材料の使用量に関する情報(以下、「使用量情報」とも称される)に基づき、原材料の使用量を算出する。データ処理部426は、算出した使用量に基づき、在庫量を更新する。
使用量情報は、例えば、センサ装置60により取得される。具体的に、センサ装置60は、裁断機が原反を裁断した回数を使用量情報として取得する。なお、1回に裁断される原反の長さには、例えば、加工物であるシート部品に応じた長さが設定される。この場合、データ処理部426は、センサ装置60が計測した裁断回数と、1回の裁断で裁断される原反の長さとの乗算により、原反の使用量を算出する。そして、データ処理部426は、算出した原反の使用量を在庫管理情報の原反の長さから減算する。この時、データ処理部426は、原反1〜原反nの内、使用した原反の長さと、総長さの各々から、算出した原反の使用量を減算する。減算の結果、原反1〜原反nの内、原反の長さが0mになった原反がある場合、データ処理部426は、0mになった原反の数を在庫数から減算する。
なお、使用量情報は、裁断機が原反を裁断した回数に限定されない。使用量情報は、例えば、センサ装置60により取得される撮像画像であってもよい。センサ装置60は、例えば、原反から裁断されたシート部材を撮像する。データ処理部426は、撮像画像に対する画像認識に基づき、裁断されたシート部材の長さを算出する。そして、データ処理部426は、算出したシート部材の長さを原反の使用量として用い、原反の在庫量を算出する。また、使用量情報は、例えば、重量センサにより計測される原反の使用前後の重量であってもよい。データ処理部426は、原反の使用前後の重量の差分を、原反の使用量として算出する。
なお、使用量情報は、センサ装置60により取得される情報に限定されない。使用量情報は、例えば、あらかじめ設定された加工物の仕様情報であってもよい。一例として、仕様情報に、原反AAAから10mのシート部材を2枚裁断することが示されていたとする。この場合、データ処理部426は、当該仕様情報を使用量情報として、裁断するシート部材の長さ(10m)と枚数(2枚)との乗算により、使用量を20mと算出する。
また、在庫管理情報の更新処理では、入荷長更新処理も行われる。データ処理部426は、例えば、作業者により入力される入荷長に基づき、在庫量を更新する。具体的に、データ処理部426は、入荷長更新画面をスタンド型RFIDリーダ30の出力部340に表示させる。そして、データ処理部426は、在庫管理情報の原反の長さの内、入荷した原反の長さと総長さに、作業者が入荷長更新画面に入力した入荷長を加算する。さらに、データ処理部426は、入荷した原反の数を在庫数に加算する。
また、データ処理部426は、加工物の生産に用いる原材料に関する生産対象情報の生成も行う。生産対象情報には、例えば、加工物の名称、原材料の名称、原材料の所在が含まれる。一例として、加工物がシート部品DDD、原材料が原反AAAであるとする。この場合、生産対象情報には、加工物の名称としてシート部品DDD、原材料の名称として原反AAA、及び原材料の所在として原反置き場GGGが含まれる。
データ処理部426は、在庫管理情報に基づき、加工物の生産に使用する原材料を指定する情報を生産対象情報に含めてもよい。例えば、原反AAAの在庫として、未使用の原反AAAと使用中で原反の長さが10mの原反AAAがあるとする。シート部品DDDの裁断に必要なシート部材の長さが15mである場合、例えば、使用中の原反AAAの残りの10mのシート部材と、未使用の原反AAAから裁断した5mのシート部材とを合わせた15mのシート部材が使用される。
しかしながら、例えば、シート部品DDDが複数ある場合、使用する原反AAAを10mと5mの2枚のシート部材に分けたことで、シート部材を交換する作業ロスが発生することになる。
そこで、在庫数が複数である場合、データ処理部426は、複数の原反の各々の長さに基づき、加工物の生産に使用する原反を指定する。例えば、原反AAAの在庫が2本あったとする。一方の原反AAAは、未使用で原反の長さが100mである。他方の原反AAAは、使用中で原反の長さが10mである。シート部品DDDの裁断に必要なシート部材の長さが15mの場合、データ処理部426は、使用中の原反AAAでは長さが不足していると判定する。そして、データ処理部426は、未使用の原反AAAを先に使用するように指定する。これにより、加工物の生産において、稼働時間を向上させることができる。また、作業者は、使用中及び未使用の原材料の内、未使用の原材料のみを運搬すればよいため、作業効率を向上することができる。
また、データ処理部426は、原反から生産対象の部品を裁断する位置を示す、当該原反における部品のレイアウトを決定してもよい。例えば、データ処理部426は、1つのシート部材から複数のシート部品を切り出す位置を示す、当該部材シートの面状における各シート部品のレイアウト(配置位置や向き)を決定してもよい。
具体的に、原反から裁断したシート部材から、シート部品を複数裁断する場合、データ処理部426は、在庫量に基づき、複数のシート部品のレイアウトを決定する。一例として、複数のシート部品DDDの裁断に必要なシート部材の長さが15mであるが、原反AAAの在庫量が14mであるとする。この場合、データ処理部426は、全てのシート部品DDDが14mのシート部材の中に納まるように、各々のシート部品DDDのレイアウトを決定する。これにより、生産対象の生産において、原材料を有効に使用することができる。
加工対象が加工物であり、端末IDが、加工物の生産計画に関する生産工程に該当する場合、データ処理部426は、端末IDとともに受信したカードIDが示す加工物の生産計画に関する処理を実行する。例えば、データ処理部426は、スライドインが行われたRFIDカード22に対応する加工物の生産計画を示す生産計画情報を生成する生産計画生成処理を実行する。本実施形態では、生産計画情報は、記憶部430の生産計画情報データベースに記憶されている。
ここで、図6を参照して、生産計画情報について説明する。図6は、本実施形態に係る生産計画情報データベースにおける生産計画情報テーブルの構成の一例を示す図である。
なお、以下では、加工物が自動車のシート部品である例について説明する。図6に示すように、生産計画情報テーブルのレコードには、生産順、生産対象(加工物)、原材料、生産予定日、生産開始予定時刻、生産終了予定時刻、生産実績日、生産開始実績時刻、生産終了実績時刻、及び生産状態が含まれる。なお、生産計画情報テーブルのレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。
生産順は、生産対象を生産する順番を示す。生産対象(加工物)は、生産対象の名称を示す。原材料は、原材料の名称を示す。生産予定日は、生産対象が生産される予定日を示す。生産開始予定時刻は、生産予定日における生産対象の生産の開始予定時刻を示す。生産終了予定時刻は、生産予定日における生産対象の生産の終了予定時刻を示す。生産実績日、生産対象の生産が完了した日を示す。生産開始実績時刻は、生産実績日における生産対象の生産が開始された時刻を示す。生産終了実績時刻は、生産実績日における生産対象の生産が終了した時刻を示す。生産状態は、生産対象の生産状態を示す。
例えば、生産順が「001」である1レコード目には、生産対象が「シート部品DDD」、原材料が「原反AAA」であることが記憶されている。これは、シート部品DDDが原反AAAを用いて1番目に生産されることを示している。
また、1レコード目には、生産予定日が「10月5日」、生産開始予定時刻が「10時10分」、生産終了予定時刻が「10時20分」であることが記憶されている。これは、シート部品DDDの生産が10月5日の10時10分に開始され、10時20分に終了する予定であることを示している。
また、1レコード目には、生産実績日が「10月5日」、生産開始実績時刻が「10時10分」、生産終了実績時刻が「10時19分」であることが記憶されている。これは、シート部品DDDの生産が10月5日の10時10分に開始され、10時19分に終了した実績を示している。
また、1レコード目には、生産状態が「生産完了」であることが記憶されている。これは、「シート部品DDD」の生産が完了した状態であることを示している。
生産順が「002」である2レコード目には、生産対象が「シート部品EEE」、原材料が「原反BBB」であることが記憶されている。これは、シート部品EEEが原反BBBを用いて2番目に生産されることを示している。
また、2レコード目には、生産予定日が「10月5日」、生産開始予定時刻が「10時20分」、生産終了予定時刻が「10時30分」であることが記憶されている。これは、シート部品EEEの生産が10月5日の10時20分に開始され、10時30分に終了する予定であることを示している。
また、2レコード目には、生産実績日が「10月5日」、生産開始実績時刻が「10時20分」、生産状態が「生産中」であることが記憶され、生産終了実績時刻がブランクとなっている。これは、シート部品EEEの生産が10月5日の10時20分に開始され、現在も生産中の状態であることを示している。
生産順が「003」である3レコード目には、生産対象が「シート部品FFF」、原材料が「原反CCC」であることが記憶されている。これは、シート部品FFFが原反CCCを用いて3番目に生産されることを示している。
また、3レコード目には、生産予定日が「10月5日」、生産開始予定時刻が「10時30分」、生産終了予定時刻が「10時40分」であることが記憶されている。これは、シート部品FFFの生産が10月5日の10時30分に開始され、10時40分に終了する予定であることを示している。
また、3レコード目の生産実績日、生産開始実績時刻、生産終了実績時刻、及び生産状態は、ブランクとなっている。これは、シート部品FFFの生産がまだ開始されておらず、未生産の状態であることを示している。
データ処理部426は、生産計画生成処理にて、図6に示した生産計画情報テーブルの各レコードを生産計画情報として生成する。
データ処理部426は、生産計画生成処理にて、生成した生産計画情報に基づき、生産予定リストに含まれる情報である生産予定リスト情報をさらに生成してもよい。例えば、データ処理部426は、生産計画情報の内、生産順、生産対象(加工物)、原材料、生産予定日、生産開始予定時刻、及び生産終了予定時刻を含む情報を生産予定リスト情報として生成する。なお、生産予定リスト情報に含まれる情報は、かかる例に限定されない。
データ処理部426は、生産計画生成処理にて生成した生産計画情報を、表示装置50に表示させてもよい。
生産計画情報の生成時、データ処理部426は、複数の加工物の各々の生産に使用される原材料に基づき、所定の条件を満たすように複数の加工物の生産順を決定してもよい。
所定の条件は、例えば、「同一の原材料を用いて生産される加工物の生産順を連続させること」である。なお、所定の条件は、かかる例に限定されない。また、所定の条件には、複数の条件が設定されていてもよい。また、データ処理部426は、決定した生産順を、作業者が指定した生産順に変更してもよい。これにより、作業者は、加工物をイレギュラーな順番で生産することができる。
また、加工対象が加工物であり、端末IDが、加工物の生産に関する生産工程に該当する場合、データ処理部426は、カード操作が行われたRFIDカード22に対応する加工物の生産実績を更新する生産実績更新処理を実行する。例えば、データ処理部426は、生産計画情報に含まれる情報の内、加工物の生産実績日、生産開始実績時刻、生産終了実績時刻、及び生産状態を更新する。生産状態は、カード操作に応じて、図6に示した「生産完了」及び「生産中」の2種のいずれかの状態に更新される。なお、生産状態の種類は、かかる例に限定されない。生産実績の更新後、データ処理部426は、表示装置50に表示されている生産計画情報の生産実績の表示を更新する。
データ処理部426は、RFIDカード22に対して、カード操作が作業者により行われたか否かに基づき、処理を実行する。例えば、判定部424による判定結果が、RFIDカード22に対してカード操作が行われたことを示したとする。この場合、データ処理部426は、処理を実行する。一方、判定部424による判定結果が、RFIDカード22に対してカード操作が行われなかったことを示したとする。この場合、データ処理部426は、処理を実行しない。
処理を実行する場合、データ処理部426は、カード操作が行われたRFIDカード22のカードIDと、カード操作が行われたスタンド型RFIDリーダ30の端末IDに基づき、実行する処理を決定する。本実施形態では、データ処理部426が実行する処理を示す情報は、端末ID、カードID、及びカード操作に対応付けて記憶部430の読取装置情報データベースに記憶されている。そこで、データ処理部426は、端末ID、カードID、及びカード操作を検索キーとして読取装置情報データベースを参照し、実行する処理を決定する。
ここで、図7を参照して、読取装置情報データベースに記憶されている情報について説明する。図7は、本実施形態に係る読取装置情報データベースにおける読取装置情報テーブルの構成の一例を示す図である。図7に示すように、読取装置情報テーブルのレコードには、端末ID、工程、端末所在、カードID、カード操作、実行処理1、及び実行処理2が含まれる。
端末IDは、スタンド型RFIDリーダ30の識別情報を示す。工程は、工程の名称を示す。端末所在は、スタンド型RFIDリーダ30が設けられている場所を示す。カードIDは、端末IDに対応付けられたRFIDカード22の識別情報を示す。カード操作は、RFIDカード22に行われるカード操作を示す。実行処理1は、カード操作が行われた場合に実行される1つ目の処理を示す。実行処理2は、カード操作が行われた場合に実行される2つ目の処理を示す。
例えば、端末IDが「201」である1レコード目及び2レコード目には、端末IDが「201」、工程が「裁断工程」、端末所在が「荷受け場所」、生産工程の内容が「原反管理」であることが記憶されている。これは、端末IDが「201」のスタンド型RFIDリーダ30は、「裁断工程」の「荷受け場所」に設けられ、原反管理に関する処理を実行する端末であることを示している。
また、1レコード目には、カードIDが「101〜103」、カード操作が「スライドイン」、実行処理1が「在庫状態更新処理」であることが記憶されている。これは、端末IDが「201」のスタンド型RFIDリーダ30のカードスロットに対して、カードIDが「101」から「103」のいずれかであるRFIDカード22が「スライドイン」された場合、「在庫状態更新処理」が実行されることを示している。
また、2レコード目には、カードIDが「101〜103」、カード操作が「スライドアウト」、実行処理1が「入荷長更新処理」、実行処理2「在庫状態更新処理」であることが記憶されている。これは、端末IDが「201」のスタンド型RFIDリーダ30のカードスロットに対して、カードIDが「101」から「103」のいずれかであるRFIDカード22が「スライドアウト」された場合、「入荷長更新処理」及び「在庫状態更新処理」が実行されることを示している。
端末IDが「202」である3レコード目及び4レコード目には、端末IDが「202」、工程が「裁断工程」、端末所在が「仕掛けカード置場」、生産工程の内容が「生産計画」であることが記憶されている。これは、端末IDが「202」のスタンド型RFIDリーダ30は、「裁断工程」の「仕掛けカード置場」に設けられ、生産計画に関する処理を実行する端末であることを示している。
また、3レコード目には、カードIDが「104〜106」、カード操作が「スライドイン」、実行処理1が「生産計画生成処理」、実行処理2が「生産計画表示処理」であることが記憶されている。これは、端末IDが「202」のスタンド型RFIDリーダ30のカードスロットに対して、カードIDが「104」から「106」のいずれかであるRFIDカード22が「スライドイン」された場合、「生産計画生成処理」及び「生産計画表示処理」が実行されることを示している。
また、4レコード目には、カードIDが「104〜106」、カード操作が「スライドアウト」、実行処理1が「生産実績更新処理」、実行処理2が「生産対象情報表示処理」であることが記憶されている。これは、端末IDが「202」のスタンド型RFIDリーダ30のカードスロットに対して、カードIDが「104」から「106」のいずれかであるRFIDカード22が「スライドアウト」された場合、「生産実績更新処理」及び「生産対象情報表示処理」が実行されることを示している。
端末IDが「203」である5レコード目及び6レコード目には、端末IDが「203」、工程が「裁断工程」、端末所在が「延反台近傍」、生産工程の内容が「延反」であることが記憶されている。これは、端末IDが「203」のスタンド型RFIDリーダ30は、「裁断工程」の「延反台」の近傍に設けられ、延反に関する処理を実行する端末であることを示している。
また、5レコード目には、カードIDが「101〜103」、カード操作が「スライドイン」、実行処理1が「在庫状態更新処理」、実行処理2が「ピッキングチェック」であることが記憶されている。これは、端末IDが「203」のスタンド型RFIDリーダ30のカードスロットに対して、カードIDが「101」から「103」のいずれかであるRFIDカード22が「スライドイン」された場合、「在庫状態更新処理」及び「ピッキングチェック」が実行されることを示している。
また、6レコード目には、カードIDが「101〜103」、カード操作が「スライドアウト」、実行処理1が「在庫状態更新処理」、実行処理2が「在庫量更新処理」であることが記憶されている。これは、端末IDが「203」のスタンド型RFIDリーダ30のカードスロットに対して、カードIDが「101」から「103」のいずれかであるRFIDカード22が「スライドアウト」された場合、「在庫状態更新処理」及び「在庫量更新処理」が実行されることを示している。
端末IDが「204」である7レコード目及び8レコード目には、端末IDが「204」、工程が「裁断工程」、端末所在が「裁断機近傍」、生産工程の内容が「裁断」であることが記憶されている。これは、端末IDが「204」のスタンド型RFIDリーダ30は、「裁断工程」の「裁断機」の近傍に設けられ、裁断に関する処理を実行する端末であることを示している。
また、7レコード目には、カードIDが「104〜106」、カード操作が「スライドイン」、実行処理1が「仕様書表示処理」であることが記憶されている。これは、端末IDが「204」のスタンド型RFIDリーダ30のカードスロットに対して、カードIDが「104」から「106」のいずれかであるRFIDカード22が「スライドイン」された場合、「仕様書表示処理」が実行されることを示している。
また、8レコード目には、カードIDが「104〜106」、カード操作が「スライドアウト」、実行処理1が「生産状態更新処理」であることが記憶されている。これは、端末IDが「204」のスタンド型RFIDリーダ30のカードスロットに対して、カードIDが「104」から「106」のいずれかであるRFIDカード22が「スライドアウト」された場合、「生産状態更新処理」が実行されることを示している。
図7に示すように、カードIDは、複数の端末IDに対応付けられている。例えば、「101〜103」のカードIDは、「201」と「203」の端末IDに対応付けられている。即ち、カードIDが「101〜103」のRFIDカード22は、端末IDが「201」と「203」のスタンド型RFIDリーダ30に対応付けられている。これは、RFIDカード22が、複数のスタンド型RFIDリーダ30で読み取られることを示している。
具体的に、図7に示す例の場合、まず、作業者は、カードIDが「101〜103」のRFIDカード22を荷受け場所のスタンド型RFIDリーダ30(第1読取装置)のカードスロット36にスライドインさせる。これにより、カードIDが「101〜103」のRFIDカード22は、荷受け場所のスタンド型RFIDリーダ30にカードIDを読み取られる。
その後、作業者は、RFIDカード22をスライドアウトし、スライドアウトしたRFIDカード22を持って移動する。いくつかの作業を実施後、作業者は、カードIDが「101〜103」のRFIDカード22を延反台近傍のスタンド型RFIDリーダ30(第2読取装置)のカードスロット36にスライドインさせる。これにより、カードIDが「101〜103」のRFIDカード22は、延反台近傍のスタンド型RFIDリーダ30にカードIDをさらに読み取られる。
このように、本実施形態に係る生産工程管理システム1では、RFIDカード22は、複数のスタンド型RFIDリーダ30によってカードIDを読み取られる。スタンド型RFIDリーダ30には、それぞれ異なる生産工程の内容が対応付けられている。そのため、RFIDカード22が異なるスタンド型RFIDリーダ30によってカードIDを読み取られる度に、異なる処理が実行される。そして、実行される処理に応じて、加工対象に関する情報が更新される。よって、生産工程管理システム1は、加工対象に関して、生産工程の内容に応じた管理を行うことができる。
出力処理部428は、各種情報の出力に関する処理を行う。例えば、出力処理部428は、カード操作が行われたRFIDカード22に対応する加工物に関する情報を表示装置50に表示させる。
例えば、出力処理部428は、生産計画表示処理を行う。生産計画表示処理は、表示装置33に生産予定リストを表示させ、表示装置50に生産計画情報を表示させる処理である。一例として、仕掛けカード置場に設けられたスタンド型RFIDリーダ30のカードスロットに対して、加工物のRFIDカード22がスライドインされたとする。この時、出力処理部428は、RFIDカード22がスライドインされたスタンド型RFIDリーダ30の表示装置33に、生産予定リストを表示させる。
これにより、表示装置33には生産予定の加工物が一括で表示され、作業者が生産予定の加工物を容易に確認することができる。よって、作業者の作業効率が向上する。また、出力処理部428は、表示装置50に生産計画情報を表示させる。これにより、表示装置33には生産計画と、リアルタイムで更新される生産計画に対する実績が表示される。そのため、作業者は、加工物の生産状況を容易に確認することができる。よって、作業者の作業効率が向上する。
また、出力処理部428は、生産対象情報表示処理を行う。生産対象情報表示処理は、表示装置33に生産対象情報を表示させる処理である。一例として、仕掛けカード置場に設けられたスタンド型RFIDリーダ30のカードスロットに対して、加工物のRFIDカード22がスライドインされたとする。この時、出力処理部428は、RFIDカード22がスライドインされたスタンド型RFIDリーダ30の表示装置33に、生産対象情報を表示させる。これにより、表示装置33には生産対象情報に含まれる原材料の所在が表示され、作業者が原材料を探索する手間が省かれる。よって、作業者の作業効率が向上する。
また、出力処理部428は、仕様書表示処理を行う。仕様書表示処理は、表示装置33に加工物の仕様書を表示させる処理である。一例として、裁断機の近傍に設けられたスタンド型RFIDリーダ30のカードスロットに対して、加工物のRFIDカード22がスライドインされたとする。この時、出力処理部428は、RFIDカード22がスライドインされたスタンド型RFIDリーダ30の表示装置33に、加工物の仕様書を表示させる。これにより、作業者が生産対象の仕様書を探索する手間が省かれる。よって、作業者の作業効率が向上する。
また、出力処理部428は、警告の出力を行ってもよい。例えば、出力処理部428は、作業者がRFIDカード22に対して誤った動作を行った際に、警告を出力する。なお、警告は、表示装置33に画像で出力されてもよいし、音声出力装置により音声で出力されてもよい。
なお、判定部424は、延反台及び裁断機等の加工物を生産する生産装置にセットされる原材料に対応するRFIDカード22に対して、スライドインが行われた場合、ピッキングチェックを行ってもよい。ピッキングチェックは、作業者により生産装置にセットされる原材料が正しいか否かをチェックすることである。判定部424は、例えば、生産計画情報に基づき、生産装置にセットされる原材料が正しいか否かを判定する。
具体的に、判定部424は、スライドインされたRFIDカード22のカードIDに対応する加工物と、生産計画情報が示す次に生産される予定の加工物とを照合する。照合の結果、RFIDカード22に対して誤った操作が行われたと判定した場合、判定部424は、出力処理部428を介してスタンド型RFIDリーダ30の出力部340に警告を出力させる。これにより、作業者による生産装置への原材料のセット間違いが減少する。よって、原材料のセット間違いによる生産ロスを減少することができる。
なお、判定部424は、生産計画情報に基づき、RFIDカード22に対して行われる操作が正しいか否かを判定してもよい。例えば、作業者が加工物の生産を開始するために、加工物のRFIDカード22に対してカード操作を行ったとする。この時、判定部424は、当該RFIDカード22に対応する加工物と、生産計画情報が示す次に生産される予定の加工物とを照合する。照合の結果、RFIDカード22に対して誤った操作が行われたと判定した場合、判定部424は、出力処理部428を介してスタンド型RFIDリーダ30の出力部340に警告を出力させる。
記憶部430は、各種情報を記憶する機能を有する。例えば、記憶部430は、各種データベースを記憶する。具体的に、記憶部430は、カード情報データベース、在庫管理情報データベース、生産計画情報データベース、及び読取装置情報データベースを記憶する。なお、記憶部430が記憶するデータベースは、かかる例に限定されない。
記憶部430は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部430は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
表示装置50は、例えば、モニタにより実現される。表示装置50は、各工程に設けられる。表示装置50は、例えば、生産工程管理サーバ40から入力される生産計画情報を表示する。これにより、作業者は、生産計画情報を視認することができる。
センサ装置60は、使用量情報を取得する装置である。センサ装置60は、取得した使用量情報を生産工程管理サーバ40へ送信する。センサ装置60は多様な装置により実現され得る。
例えば、センサ装置60は、光電センサにより実現される。光電センサは、裁断機による原反の裁断回数を使用量情報として計測する。光電センサは、例えば、光を出力する投光器と、投光器が出力した光を受ける受光器で構成される。投光器から出力される光が物体等に遮られて受光器が光を検出できなかった場合、光電センサは、投光器と受光器の間を物体が通過したことを検出する。光電センサは、例えば、裁断機が原反を裁断する際に、裁断機の刃が投光器と受光器の間を通過するように設けられる。これにより、光電センサは、裁断機の刃が投光器と受光器の間を通過した回数をカウントし、裁断機が原反を裁断した回数をカウントすることができる。
また、センサ装置60は、撮像装置により実現されてもよい。撮像装置は、例えば、裁断機により原反から裁断されたシート部材を撮像し、撮像画像を取得する。撮像装置は、例えば、裁断されたシート部材の全体を撮像可能な位置に設けられる。また、センサ装置60は、重量センサにより実現されてもよい。重量センサは、例えば、裁断前後の原反の重量をそれぞれ計測する。
<2.処理の流れ>
以上、生産工程管理システム1の構成について説明した。続いて、図8〜図13を参照して、本実施形態に係る生産工程管理システム1における処理の流れについて説明する。
以下、(1)〜(5)では、裁断工程における作業者の作業手順と、生産工程管理システム1における処理の流れを対応付けて説明する。
(1)スタンド型RFIDリーダ30−1に関する処理の流れ
まず、図8及び図9を参照して、裁断工程における荷受け場所に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−1に関する処理の流れについて説明する。図8は、本実施形態に係る裁断工程における作業者の作業手順の一例を示す図である。図9は、本実施形態に係る裁断工程における荷受け場所に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−1に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図8には、自動車の生産工場における裁断工程のレイアウトの概略が示されている。
まず、作業者は、原反の発注を行う。発注後、作業者は、荷受け場所80に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−1のカードスロット36−1へ、発注した原反の引取りカード22−1をスライドインする(S1)。
ここで、図9に示すように、スタンド型RFIDリーダ30−1は、スライドインをトリガーに、引取りカード22−1のカードIDと端末IDを含む識別情報を生産工程管理サーバ40へ送信する(S102)。識別情報を受信した生産工程管理サーバ40は、在庫状態更新処理を実行する(S104)。これにより、原反の在庫状態は、「入荷待」に更新される。
入荷した原反は、荷受け場所80へ運搬される(S2)。
原反の入荷後、作業者は、荷受け場所80に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−1のカードスロット36−1から、入荷した原反の引取りカード22−1をスライドアウトする(S3)。
ここで、図9に示すように、スタンド型RFIDリーダ30−1は、スライドアウトをトリガーに、引取りカード22−1のカードIDと端末IDを含む識別情報を生産工程管理サーバ40へ送信する(S302)。識別情報を受信した生産工程管理サーバ40は、入荷長更新画面情報をスタンド型RFIDリーダ30−1へ送信する(S304)。入荷長更新画面情報を受信したスタンド型RFIDリーダ30−1は、入荷長更新画面を表示装置33−1に表示する(S306)。
作業者は、表示装置33−1に表示された入荷長更新画面に対して、入荷した原反の入荷長を入力する(S4)。
ここで、図9に示すように、スタンド型RFIDリーダ30−1は、入力された入荷長を生産工程管理サーバ40へ送信する(S402)。入荷長を受信した生産工程管理サーバ40は、入荷長更新処理を実行する(S404)。これにより、原反の長さが更新される。さらに、生産工程管理サーバ40は、在庫状態更新処理を実行する(S406)。これにより、原反の在庫状態は、「入荷待」から「保管中」に更新される。
作業者は、スライドアウトした引取りカード22−1を入荷した原反に貼り付け、原反置場81へ運搬する(S5)。
(2)スタンド型RFIDリーダ30−2に関する処理の流れ
続いて、図8及び図10を参照して、裁断工程における仕掛けカード置場82に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−2に関する処理の流れについて説明する。図10は、本実施形態に係る裁断工程における仕掛けカード置場に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−2に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
まず、作業者は、仕掛けカード置場82に用意された仕掛けカード22−2から、複数の仕掛けカード22−2を選択する(S6)。選択後、作業者は、仕掛けカード置場82に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−2のカードスロット36−2へ、選択した複数の仕掛けカード22−2をスライドインする(S7)。
ここで、図10に示すように、スタンド型RFIDリーダ30−2は、スライドインをトリガーに、仕掛けカード22−2のカードIDと端末IDを含む識別情報を生産工程管理サーバ40へ送信する(S702)。識別情報を受信した生産工程管理サーバ40は、生産計画生成処理を実行する(S704)。生産計画生成処理の実行後、生産工程管理サーバ40は、生成した生産予定リスト情報をスタンド型RFIDリーダ30−2へ送信する(S706)。生産予定リスト情報を受信したスタンド型RFIDリーダ30−2は、生産予定リストを表示装置33−2に表示する(S708)。さらに、生産工程管理サーバ40は、生成した生産計画情報を表示装置50へ送信する(S710)。生産計画情報を受信した表示装置50は、生産計画情報を表示する(S712)。
各表示処理後、作業者は、仕掛けカード置場82に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−2のカードスロット36−2から、次に生産するシート部品に対応する仕掛けカード22−2をスライドアウトする(S8)。
ここで、図10に示すように、スタンド型RFIDリーダ30−2は、スライドアウトをトリガーに、仕掛けカード22−2のカードIDと端末IDを含む識別情報を生産工程管理サーバ40へ送信する(S802)。識別情報を受信した生産工程管理サーバ40は、生産実績更新処理を実行する(S804)。これにより、シート部品の生産状態は、「生産中」に更新される。生産実績の更新後、生産工程管理サーバ40は、更新後の生産実績を示す生産実績情報を表示装置50へ送信する(S806)。生産実績情報を受信した表示装置50は、生産実績の表示を更新する(S808)。生産実績更新処理後、生産工程管理サーバ40は、シート部品の原材料となる原反の生産対象情報をスタンド型RFIDリーダ30−2へ送信する(S810)。生産対象情報を受信したスタンド型RFIDリーダ30−2は、生産対象情報を表示装置33−2に表示する(S812)。
(3)スタンド型RFIDリーダ30−3に関する第1の処理の流れ
続いて、図8及び図11を参照して、裁断工程における延反台83の近傍に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−3に関する処理の流れについて説明する。図11は、本実施形態に係る裁断工程における延反台の近傍に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−3に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
まず、作業者は、表示装置33−2に表示された生産対象情報に基づき、原反置場81へ原反を取りに行き、当該原反を延反台83へ運搬する(S9)。次いで、作業者は、運搬した原反から引取りカード22−1を外す。そして、作業者は、延反台83の近傍に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−3のカードスロット36−3へ、原反から外した引取りカード22−1をスライドインする(S10)。
ここで、図11に示すように、スタンド型RFIDリーダ30−3は、スライドインをトリガーに、引取りカード22−1のカードIDと端末IDを含む識別情報を生産工程管理サーバ40へ送信する(S1002)。識別情報を受信した生産工程管理サーバ40は、在庫状態更新処理を実行する(S1004)。これにより、原反の在庫状態は、「保管中」から「出庫中」に更新される。さらに、生産工程管理サーバ40は、作業者により出庫された原反に対してピッキングチェックを行う(S1006)。
作業者は、運搬した原反を延反する。この時、作業者は、S8にてスタンド型RFIDリーダ30−2のカードスロット36−2からスライドアウトした仕掛けカード22−2を、延反した革の上に置き、裁断機の方へ流す。(S11)
(4)スタンド型RFIDリーダ30−4に関する処理の流れ
続いて、図8及び図12を参照して、裁断工程における裁断機84の近傍に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−4に関する処理の流れについて説明する。図12は、本実施形態に係る裁断工程における裁断機の近傍に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−4に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
まず、作業者は、裁断機84の近傍に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−4のカードスロット36−4へ、延反台83の方から流れてくる仕掛けカード22−2をスライドインする(S12)。
ここで、図12に示すように、スタンド型RFIDリーダ30−4は、スライドインをトリガーに、仕掛けカード22−2のカードIDと端末IDを含む識別情報を生産工程管理サーバ40へ送信する(S1202)。識別情報を受信した生産工程管理サーバ40は、仕様書情報をスタンド型RFIDリーダ30−4へ送信する(S1204)。仕様書情報を受信したスタンド型RFIDリーダ30−4は、仕様書情報を表示装置33−4に表示する(S1206)。
作業者は、表示装置33−4に表示された仕様書情報に基づき裁断を行う。裁断完了後、作業者は、裁断機84の近傍に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−4のカードスロット36−4から、仕掛けカード22−2をスライドアウトする(S13)。
ここで、図12に示すように、スタンド型RFIDリーダ30−4は、スライドアウトをトリガーに、仕掛けカード22−2のカードIDと端末IDを含む識別情報を生産工程管理サーバ40へ送信する(S1302)。識別情報を受信した生産工程管理サーバ40は、生産実績更新処理を実行する(S1304)。これにより、シート部品の生産状態は、「生産中」から「生産完了」に更新される。生産実績の更新後、生産工程管理サーバ40は、更新後の生産実績を示す生産実績情報を表示装置50へ送信する(S1306)。
生産実績情報を受信した表示装置50は、生産実績の表示を更新する(S1308)。
作業者は、裁断機84の近傍に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−4のカードスロット36−4からスライドアウトした仕掛けカード22−2を、裁断したシート部品に取り付けて次工程85へ運搬する(S14)。
(5)スタンド型RFIDリーダ30−3に関する第2の処理の流れ
再び、図8及び図11を参照して、裁断工程における延反台83の近傍に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−3に関する処理の流れについて説明する。
シート部品の生産が完了したため、作業者は、延反台83の近傍に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−3のカードスロット36−3から、引取りカード22−1をスライドアウトする(S15)。
ここで、図11に示すように、スタンド型RFIDリーダ30−3は、スライドアウトをトリガーに、引取りカード22−1のカードIDと端末IDを含む識別情報を生産工程管理サーバ40へ送信する(S1502)。識別情報を受信した生産工程管理サーバ40は、在庫状態更新処理を実行する(S1504)。これにより、原反の在庫状態は、「出庫中」から「保管中」に更新される。さらに、生産工程管理サーバ40は、在庫量更新処理を実行する(S1506)。これにより、シート部品を生産する際に原反から裁断された長さに基づき、原反の長さが更新される。
作業者は、延反台83の近傍に設けられたスタンド型RFIDリーダ30−3のカードスロット36−3からスライドアウトした引取りカード22−1を、原反に貼り付けて原反置場81へ運搬する(S16)。次工程の作業者は、裁断工程から運搬されてくる仕掛けカード22−2を仕掛けカード置場82へ運搬する(S17)。
(6)生産工程管理サーバ40における処理の流れ
続いて、図13を参照して、生産工程管理サーバ40における処理の流れについて説明する。図13は、本実施形態に係る生産工程管理サーバ40における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、生産工程管理サーバ40は、スタンド型RFIDリーダ30から識別情報を受信する(S2002)。次いで、生産工程管理サーバ40は、受信した識別情報からカードIDを検出する(S2004)。次いで、生産工程管理サーバ40は、検出結果に基づき、カード操作が実行されたか否かを判定する(S2006)。
カード操作が実行された場合(S2006/YES)、生産工程管理サーバ40は、カード操作及び識別情報に基づき、実行処理を決定する(S2008)。そして、生産工程管理サーバ40は、決定した処理を実行する(S2010)。そして、生産工程管理サーバ40は、S2002から処理を繰り返す。
カード操作が実行されなかった場合(S2006/NO)、生産工程管理サーバ40は、S2002から処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態に係る生産工程管理システム1は、生産対象の生産ラインの工程ごとに設けられたスタンド型RFIDリーダ30と、生産工程管理サーバ40を含む。スタンド型RFIDリーダ30は、作業者によって所定の読取範囲内へ移動されたRFIDカード22からカードIDを読み取る。スタンド型RFIDリーダ30は、読み取ったカードIDと、スタンド型RFIDリーダ30の端末IDを生産工程管理サーバ40へ送信する。生産工程管理サーバ40は、スタンド型RFIDリーダ30から受信したカードIDに対応付けられた加工対象と、端末IDに対応付けられた工程における生産工程の内容との組み合わせに応じた処理を実行する。
かかる構成により、生産対象の生産ラインの各工程では、各工程の生産工程の内容に応じた管理が行われる。よって、生産工程管理システム1は、生産対象の生産工程に応じた管理を行うことができる。
<3.変形例>
以上、本発明の実施形態について説明した。続いて、本発明の実施形態の変形例について説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で本発明の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本発明の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の各実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
(1)第1の変形例
上述した実施形態では、記録媒体としてRFIDが用いられる例について説明したが、かかる例に限定されない。記録媒体として、1次元コード又は2次元コードが用いられてもよい。
記録媒体として1次元コード又は2次元コードが用いられる場合、読取部310は、1次元コード又は2次元コードを読み取り可能な装置により実現される。例えば、2次元コードが用いられる場合、読取部310は、撮像装置により実現される。撮像装置は、2次元コードが所定の読取範囲内へ移動された際に、当該2次元コードから識別情報を読み取る。なお、所定の読み取り範囲へ複数の2次元コードが移動された場合、撮像装置は、複数の2次元コードの各々から識別情報を読み取ってもよい。なお、撮像装置が複数の2次元コードから識別情報を読み取る場合、各2次元コードは、互いに重ならないように所定の読み取り範囲内へ移動されることが望ましい。これにより、撮像装置は、複数の2次元コードを撮像することができる。
(2)第2の変形例
上述した実施形態では、センサ装置60により使用量情報が取得される例について説明したが、かかる例に限定されない。使用量情報は、例えば、生産装置に設けられるエンコーダにより取得されてもよい。エンコーダは、例えば、原反の投入時に可動する裁断機の回転軸に設けられる。エンコーダは、原反の投入時の回転軸の回転量を使用量情報として計測する。そして、データ処理部426は、エンコーダが計測した使用量情報に基づき、原反の使用量を算出する。
(3)第3の変形例
上述した実施形態では、原材料が原反である例について説明したが、かかる例に限定されない。原材料は、例えば、粉粒体や液体等であってもよい。原材料が粉粒体や液体等である場合、原材料は、例えば、粉粒体等が収容された容器から必要な量だけ取り出される。原材料の使用量情報は、例えば、重量センサにより計測される原材料の使用前後の重量である。データ処理部426は、原材料の使用前後の重量の差分を、原材料の使用量として算出する。また、原材料の使用量情報は、例えば、撮像装置により撮像される原材料の使用前後の残量の位置を把握可能な撮像画像である。具体的に、原材料が粉粒体である場合、撮像装置は、粉粒体の上面の位置を撮像する。また、原材料が液体である場合、撮像装置は、液体の液面の位置を撮像してもよい。データ処理部426は、原材料の使用前後の撮像画像に対する画像認識に基づき、原材料の使用量を算出してもよい。
また、原反として巻かれる物体は、長尺状の物体であれば、シート状の物体に限定されない。例えば、糸状や紐状の物体であってもよい。なお、糸状や紐状の物体が巻かれた原反の在庫管理は、シート状の物体が巻かれた原反の在庫管理と同様に、使用前後の長さや重さの変化等に基づき行われる。
以上、本発明の実施形態の変形例について説明した。なお、上述した実施形態における生産工程管理システム1をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。