JP2021085806A - 部品観察用治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品の全面を観察する際の手間を省き、これにより観察時間を短縮させることが可能となる部品観察用治具を提供する。【解決手段】本実施形態の部品観察用治具は、被観察部品200を引きつける磁石33を座面31に埋め込んだ第1台座30と、磁石33により座面31上に被観察部品200を固定するときに、その固定位置を位置決めする位置決め部材10と、座面31と被観察部品200との間に挿入され、座面31上に固定された被観察部品200を座面31から離脱させるためのスペーサ20と、を有する。【選択図】 図2
Description
本開示は、部品の表面を観察する部品観察用治具に関するものである。
特許文献1には、積層型電子部品の内部に積層された導体層の積層方向を判定する積層方向判定装置が記載されている。
ところで、部品の形状の異常が表面上のどこにあるのかを顕微鏡で観察したい場合がある。
例えば、バルクケース内等で部品のつまりが発生したり、装着精度測定において部品の突発ずれが発生したりしたときに、その要因として、部品の形状異常が考えられる。実際に部品を観察してみると、部品の電極やボディの変形や欠けなど、その外観を見るだけでも、影響を及ぼしそうな要因があることが分かる。
このような要因を見つけ出すために、部品の全表面を顕微鏡で観察しようとすると、最初の1面目はどの面でもよいが、2面目以降は観察したい面を向けるために直接転がしたり、また既に観察済みの面であるか照合したりと、確認済みの面が増え、未確認の面が少なくなるほど、未確認の面の観察に非常に多くの時間を費やすことになる。
しかし、特許文献1に記載の積層方向判定装置では、部品の全表面を顕微鏡で観察することについての記載はない。
そこで、本開示では、部品の全面を観察する際の手間を省き、これにより観察時間を短縮させることが可能となる部品観察用治具を提供することを説明とする。
本開示の部品観察用治具は、磁性部品を引きつける磁石を座面に埋め込んだ第1台座と、磁石により座面上に磁性部品を固定するときに、その固定位置を位置決めする位置決め部材と、座面と磁性部品との間に挿入され、座面上に固定された磁性部品を座面から離脱させるためのスペーサと、を有する。
本開示によれば、部品の全面を観察する際の手間を省き、これにより観察時間を短縮させることが可能となる。
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、本開示の一実施形態に係る部品観察用治具により観察される部品(以下「被観察部品」という)200の一例を示している。被観察部品200は、直方体形状をなし、ボディ部220と、その両端にそれぞれ設けられた電極部210,211とにより構成されている。被観察部品200は、非常に小さなサイズの部品であり、例えば、0.2〜0.6mm程度の幅のものを想定している。また、被観察部品200として、磁性部品を想定している。
図1(b)は、被観察部品200の各面の展開図を示している。被観察部品200の各面、つまり、6面は、実際には、図1(b)のように展開することはできないが、被観察部品200を観察するときにどの面を観察しているかが分かるように、便宜的に展開したものである。
図2は、本実施形態の部品観察用治具を構成する構成部材を示している。本実施形態の部品観察用治具は、図2に示すように、位置決め部材10と、スペーサ20と、第1台座30と、第2台座40とにより構成されている。なお、図2〜図5において方向に言及する場合には、図中に示される矢印の方向を用いるものとする。
位置決め部材10は、図2(a)に示すように、3つの第1〜第3板状体11〜13により、平面視、ギリシア文字“Π”状に形成されている。第1板状体11は、“Π”の横部を形成し、第2及び第3板状体12,13は、それぞれ“Π”の縦部(脚部)を形成する。そして、被観察部品200は、第2板状体12と第3板状体13との間に挿入される。この挿入は、観察者が、例えばピンセットを用いて行う。なお、位置決め部材10は、非磁性体により構成されている。
上述のように本実施形態では、被観察部品200は、0.2〜0.6mm程度の幅のものを想定しているので、最小の幅から最大の幅まで、0.4mm程度の差がある。したがって、第2板状体12と第3板状体13との間隔を、最小の幅である、0.2mmに合わせた場合には、第2板状体12と第3板状体13との間に0.2mmを超える幅の被観察部品200を挿入することができない。これとは逆に、第2板状体12と第3板状体13との間隔を、最大の幅である、0.6mmに合わせた場合には、第2板状体12と第3板状体13との間に0.6mm未満の幅の被観察部品200を挿入することはできるものの、余裕があり過ぎて、位置決めの役割を十分に果たすことが出来ない。これに対処するためには、第2板状体12と第3板状体13との間隔を、被観察部品200の幅に応じて変動できるようにすればよい。具体的には、第2板状体12及び第3板状体13のうち、少なくとも一方を、第1板状体11に対してY方向に移動可能に構成し、第2板状体12と第3板状体13との間隔を被観察部品200の幅に合わせた後、例えば、ネジ等の規制部材により、移動を規制するようにすればよい。
また、第1板状体11の表面上、第2及び第3板状体12,13が連結する端部と、X方向に対抗する端部、かつY方向の各端部の近傍には、突起15a,15bが設けられている。突起15a,15bは、後述のように、位置決め部材10上にスペーサ20と第1台座30を重ねた場合に、各部材10,20及び30が適正な位置に重なるように規制するためのものである。
スペーサ20は、図2(b)に示すように、薄い板状体を、正面視、ギリシア文字“Π”状に折り曲げて形成されている。したがって、スペーサ20は、天井壁21と、2つの側壁22,23とからなる。なお、スペーサ20も、位置決め部材10と同様に、非磁性体により構成されている。
天井壁21上、突起15a,15bが位置する位置には、突起15a,15bを貫通させる孔25a,25bが開けられている。
第1台座30は、図2(c)に示すように、略立方体形状をなしている。第1台座30が有する6面のうち、スペーサ20を重ねる面(以下「座面」という)31の略中心部には、磁石33が埋め込まれている。磁石33は、磁性体である被観察部品200を磁力により吸引して、第1台座30の座面31に固定するためのものである。つまり、被観察部品200は、スペーサ20を介して、第1台座30の座面31上に固定される。
座面31上、突起15a,15bが位置する位置には、突起15a,15bを挿入する窪み35a,35bが設けられている。
なお、第1台座30は、1辺が、例えば20mm長程度の略立方体形状である。つまり、第1台座30の1辺の長さは、被観察部品200の幅の30数倍から100倍程度となっている。これは、観察者が第1台座30(及びスペーサ20)を指で掴んで回転させながら、被観察部品200の6面を観察するので、観察者が掴んで回転させ易いサイズにしたためである。なお、スペーサ20及び位置決め部材10は、上述のように、第1台座30と重ねられるので、スペーサ20及び位置決め部材10の平面視サイズも、第1台座30の平面視サイズと略同一である。但し、図2において(図3〜図5も同様)、被観察部品200は、実際より拡大して描かれている。これは、分かり易さを優先するために便宜上、そのように描いたに過ぎない。
第2台座40は、図2(d)に示すように、略直方体形状をなしている。第2台座40が有する6面のうち、スペーサ20を重ねる面(以下「座面」という)41のX方向の略中央部には、凹部42が設けられている。なお、座面41は、第1台座30の座面31と略同一サイズであり、正方形状である。凹部42は、被観察部品200を挿入するためのものであるので、被観察部品200の外周より一回り大きい開口部を備えている。そして、凹部42の底面には、磁石43が埋め込まれている。この磁石43も、第1台座30の磁石33と同様に、被観察部品200を磁力により吸引して、第2台座40の凹部42に固定するためのものである。
以上のように構成された部品観察用治具を用いて、被観察部品200を観察する方法の一例を、以下説明する。
図3(a)は、位置決め部材10の上にスペーサ20の天井壁21の表面を重ね、スペーサ20の天井壁21の裏面の上に第1台座30の座面31を重ねた状態を示している。なお、図3(a)では(図3(b),(c)も図4及び図5も同様)、突起15a,15b、孔25a,25b及び窪み35a,35bは描かれていない。これは、便宜上描いていないに過ぎない。したがって、突起15a,15bが孔25a,25bを貫通して窪み35a,35bに挿入されることにより、図3(a)の重ね合わせがなされている。つまり、被観察部品200は、位置決め部材10により、磁石33の真下に位置するように位置決めされている。
図3(b)は、図3(a)の重ね合わせ状態を、X方向を中心軸として時計方向に180°回転させた状態を示している。したがって、図3(b)では、被観察部品200のA面がZ方向に対して垂直となり、かつ表面となっている。Z方向の正方向、つまり、上方向には、顕微鏡のレンズが位置するので、図3(b)の状態は、被観察部品200のA面を観察可能な状態となっている。
図3(c)は、図3(b)の観察状態を、Y方向を中心軸として時計方向に90°回転させ、さらにZ軸を中心として時計方向に180°回転させた状態を示している。したがって、図3(c)では、被観察部品200のB面がZ方向に対して垂直となり、かつ表面となっている。つまり、図3(c)の状態は、被観察部品200のB面を観察可能な状態となっている。なお、図3(c)において、被観察部品200は、位置決め部材10の第1板状体11の端部から離間して浮いた状態になっているが、被観察部品200は、磁石33の磁力により、スペーサ20を介して第1台座30の座面31に固定されているので、下に下がることはない。
図4(a)は、図3(c)の状態から位置決め部材10を取り外した状態を示している。位置決め部材10を取り外したとしても、被観察部品200は、磁石33の磁力により、スペーサ20を介して第1台座30の座面31に固定されているので、落下することはない。
図4(b)は、図4(a)の状態を、X方向を中心軸として時計方向に90°回転させた状態を示している。したがって、図4(b)では、被観察部品200のE面がZ方向に対して垂直となり、かつ表面となっている。つまり、図4(b)の状態は、被観察部品200のE面を観察可能な状態となっている。
図4(c)は、図4(b)の状態を、X方向を中心軸として時計方向に90°回転させた状態を示している。したがって、図4(c)では、被観察部品200のD面がZ方向に対して垂直となり、かつ表面となっている。つまり、図4(c)の状態は、被観察部品200のD面を観察可能な状態となっている。
図4(d)は、図4(c)の状態を、X方向を中心軸として時計方向に90°回転させた状態を示している。したがって、図4(d)では、被観察部品200のF面がZ方向に対して垂直となり、かつ表面となっている。つまり、図4(d)の状態は、被観察部品200のF面を観察可能な状態となっている。
図5(a)は、図4(d)の状態を、X方向を中心軸として時計方向に90°回転させて、上記図4(a)の状態に戻し、さらにY方向を中心軸として時計方向に90°回転させた状態を示している。そして、図5(a)には、スペーサ20の重なった第1台座30を第2台座40に近づける様子も示されている。
図5(b)は、スペーサ20を介して第1台座30の座面31に固定された被観察部品200を、第2台座40の凹部42に挿入した後、スペーサ20から第1台座30を取り外した状態を示している。仮にスペーサ20がない場合、被観察部品200は直接、第1台座30の座面31に固定されることになる。しかし、この場合、第2台座40の凹部42の底面に磁石43が設けられていたとしても、被観察部品200を第1台座30の座面31から取り外して、第2台座40の凹部42に挿入することは容易ではない。そこで、被観察部品200を、スペーサ20を介して第1台座30の座面31に固定するようにし、スペーサ20を第2台座40の座面41に押し付けながら、第1台座30をスペーサ20から離すことにより、被観察部品200を第1台座30の座面31から容易に離脱させるようにしている。なお、スペーサ20は、上述のように非磁性体により構成されているので、被観察部品200は、スペーサ20から直ちに離脱する。
図5(c)は、図5(b)の状態からスペーサ20を取り外した状態を示している。したがって、図5(c)では、被観察部品200のC面がZ方向に対して垂直となり、かつ表面となっている。つまり、図5(c)の状態は、被観察部品200のC面を観察可能な状態となっている。
このようにして、被観察部品200の6面すべての観察が終了する。
なお、本実施形態の部品観察用治具では、第2台座40を必須の構成要素としたが、これに限らず、第2台座40をなくしても、本開示の目的を達成させることができる。具体的には、図5(a)の状態から、被観察部品200を第2台座40ではなく、図2(a)のように位置決め部材10のある平面上に離脱させる。このとき、被観察部品200は、図2(a)のようにC面がZ方向に対して垂直となり、かつ表面となっている。この被観察部品200をA面がZ方向に対して垂直となり、かつ表面となるように、例えば、ピンセットを使って回転させる。そして、A面がZ方向に対して垂直となり、かつ表面となった被観察部品200を、図3(a)に示すように位置決め部材10に挿入して、スペーサ20及び第1台座30を重ね合わせ、図3(b)に示すように回転させれば、被観察部品200のC面を観察可能な状態になる。
以上説明したように、本実施形態の部品観察用治具は、被観察部品200を引きつける磁石33を座面31に埋め込んだ第1台座30と、磁石33により座面31上に被観察部品200を固定するときに、その固定位置を位置決めする位置決め部材10と、座面31と被観察部品200との間に挿入され、座面31上に固定された被観察部品200を座面31から離脱させるためのスペーサ20と、を有する。
このように、本実施形態の部品観察用治具では、非常に小さなサイズの部品の全面を観察する際の手間を省き、これにより観察時間を短縮させることが可能となる。
ちなみに、本実施形態において、被観察部品200は、「磁性部品」の一例である。
また、位置決め部材10の表面上には、スペーサ20及び第1台座30を重ねたときに位置決めするための突起15a,15bが形成され、スペーサ20には、位置決め部材10の突起15a,15bを貫通する孔25a,25bが形成され、第1台座30の座面31には、スペーサ20の孔25a,25bから貫通した位置決め部材10の突起15a,15bを挿入する窪み35a,35bが形成される。
これにより、被観察部品200を固定位置に正確に位置決めすることができる。
また、スペーサ20により座面31から離脱した被観察部品200を収納する凹部42を備えた第2台座をさらに有する。
これにより、被観察部品200の残りの1面を手間をさらに省いて観察することができる。
また、第2台座40の凹部42の底面には磁石が埋め込まれる。
これにより、被観察部品200を第1台座30の座面31から容易に離脱させることができる。
また、位置決め部材10は、ギリシア文字“Π”状に形成され、第2板状体12と第3板状体13との間に被観察部品200を挿入することにより被観察部品200の固定位置を位置決めする。
これにより、被観察部品200を固定位置にさらに正確に位置決めすることができる。
ちなみに、ギリシア文字“Π”状は、「コ字状」の一例である。第2板状体12と第3板状体13との間は、「切り欠き部」の一例である。
また、第2板状体12と第3板状体13との間隔は、被観察部品200の幅に応じて調整可能である。
これにより、幅の異なる被観察部品200についても同様に、被観察部品200の全面を観察する際の手間を省き、これにより観察時間を短縮させることが可能となる。
ちなみに、第2板状体12と第3板状体13との間隔は、「切り欠き部の幅」の一例である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
(1)上記実施形態では、第2台座40の凹部42の底面に磁石43を埋め込むようにしたが、これに限らず、第2台座40の座面には凹部42を設け、磁石43を設けないようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、第1台座30を立方体形状としたが、これに限らず、直方体形状としてもよい。また、1辺の長さも、20mmに限らず、観察者の指の大きさに応じて適宜変更するようにしてもよい。
10:位置決め部材 15a,15b:突起 20:スペーサ 25a,25b:孔 30:第1台座 31:座面 33,43:磁石 35a,35b:窪み 40:第2台座 42:凹部。
Claims (6)
- 磁性部品を引きつける磁石を座面に埋め込んだ第1台座と、
前記磁石により前記座面上に前記磁性部品を固定するときに、その固定位置を位置決めする位置決め部材と、
前記座面と前記磁性部品との間に挿入され、前記座面上に固定された前記磁性部品を前記座面から離脱させるためのスペーサと、
を有する部品観察用治具。 - 前記位置決め部材の表面上には、前記スペーサ及び前記第1台座を重ねたときに位置決めするための突起が形成され、
前記スペーサには、前記位置決め部材の前記突起を貫通する孔が形成され、
前記第1台座の前記座面には、前記スペーサの前記孔から貫通した前記位置決め部材の前記突起を挿入する窪みが形成される、
請求項1に記載の部品観察用治具。 - 前記スペーサにより前記座面から離脱した前記磁性部品を収納する凹部を備えた第2台座
をさらに有する請求項1又は2に記載の部品観察用治具。 - 前記第2台座の前記凹部の底面には磁石が埋め込まれる、
請求項3に記載の部品観察用治具。 - 前記位置決め部材は、コ字状に形成され、その切り欠き部に前記磁性部品を挿入することにより前記磁性部品の前記固定位置を位置決めする、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の部品観察用治具。 - 前記切り欠き部の幅は、前記磁性部品の幅に応じて調整可能である、
請求項5に記載の部品観察用治具。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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