JP2021084963A - シリコーン系塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚膜であっても透明性、耐クラック性、硬度に優れたハードコート塗膜を形成し得るシリコーン系塗料組成物を提供する。【解決手段】シリコーン系オリゴマー(A)、ABA型トリブロックポリマー(B)、水(C)、触媒(D)及び溶媒(E)を含有するシリコーン系塗料組成物であって、ABA型トリブロックポリマー(B)が、水酸基含有重合性不飽和モノマー、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー、アルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマーから選ばれる少なくとも1種(a)及びその他の重合性不飽和モノマー(b)を構成単位とするポリマーであるAブロックと、炭素数4〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(c)及び必要に応じてその他の重合性不飽和モノマー(d)を構成単位とするポリマーであるBブロックとからなるシリコーン系塗料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、厚膜であっても透明性、耐クラック性、硬度に優れたハードコート塗膜を形成し得るシリコーン系塗料組成物に関する。
各種プラスチック製品や建築物の床面等の表面は傷つきやすいため、耐擦傷性や硬度を付与する目的で硬化樹脂層からなるハードコート層をその表面に形成することが広く行われている。従来、ハードコート塗料としては、熱硬化性塗料、あるいは紫外線硬化型塗料が用いられている。一般に熱硬化性塗料としては、加水分解性シリル基を有するシロキサン系組成物に金属アシレートや硬化剤等を配合した塗料が挙げられ、加熱あるいは室温で硬化させる方法が種々提案されている。
このような塗料では形成される塗膜の内部応力が高く、ワレが発生する場合があり、耐クラック性、耐屈曲性を改善すべく、例えば特許文献1では、(a)Si含量が15重量%以上であるアルコキシ基含有有機シラン化合物、(b)グリシジル基と反応し得る官能基を有するアクリル系共重合体、(c)硬化触媒、(d)グリシジル基含有オルガノシロキサン、及び(e)エポキシ当量が100〜1500であり、重量平均分子量が200以上、100,000以下である、Si原子を含有しないグリシジル基含有化合物を含む、オルガノポリシロキサン系塗料組成物が提案されている。また特許文献2では、(A)エポキシ基及びシロキサン結合を有する重量平均分子量が500〜20,000であるエポキシシランオリゴマー、(B)平均一次粒子径が1〜100nmの範囲内のコロイダルシリカ、及び(C)硬化触媒を含有するコーティング組成物が提案されている。
しかしながら、上記組成物では厚膜になるとワレが生じる場合があり、また透明性等が不十分であった。
特開2003−238895号公報 WO2018/151271号公報
本発明の目的は、厚膜であっても透明性、耐クラック性、硬度に優れたハードコート塗膜を形成し得るシリコーン系塗料組成物を提供することにある。
すなわち本発明は、
1.シリコーン系オリゴマー(A)、ABA型トリブロックポリマー(B)、水(C)、触媒(D)、及び溶媒(E)を含有するシリコーン系塗料組成物であって、ABA型トリブロックポリマー(B)が、水酸基含有重合性不飽和モノマー、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー、アルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマーから選ばれる少なくとも1種(a)及びその他の重合性不飽和モノマー(b)を構成単位とするポリマーであるAブロックと、炭素数4〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(c)及び必要に応じて(c)以外のその他の重合性不飽和モノマー(d)を構成単位とするポリマーであるBブロックとからなるABA型トリブロックポリマーであることを特徴とするシリコーン系塗料組成物、
2.前記モノマー(a)が、水酸基含有重合性不飽和モノマー及びカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーである1項に記載のシリコーン系塗料組成物、
3.前記ABA型トリブロックポリマー(B)の含有量が、シリコーン系オリゴマー(A)の固形分100質量部に対して0.5〜20質量部である1又は2項記載のシリコーン系塗料組成物、
4.前記ABA型トリブロックポリマー(B)中のAブロックのポリマーが、5,000〜200,000の範囲内の重量平均分子量を有する、1〜3項のいずれか1項に記載のシリコーン系塗料組成物、
5.前記ABA型トリブロックポリマー(B)が、重量平均分子量が15,000〜500,000の範囲内である、1〜4項のいずれか1項に記載のシリコーン系塗料組成物、
6.1〜5項のいずれか1項に記載のシリコーン系塗料組成物からなるハードコート膜、を提供するものである。
本発明のシリコーン系塗料組成物によれば、厚膜であっても透明性、耐クラック性、硬度に優れたハードコート塗膜を形成することができる。
以下、本発明の態様について説明する。
本発明で使用されるシリコーン系オリゴマー(A)は、通常、加水分解性シリル基及びポリシロキサン骨格を有するオリゴマーであり、例えば、
SiX4−n 式(1)
(式中、Xは、水酸基又はアルコキシ基を表わし、Yは、置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を表わし、nは1〜4の整数を表わす。)
で表わされる、同一又は異なる2以上のオルガノシランが化学結合することにより生成したオリゴマーが挙げられる。
シリコーン系オリゴマー(A)は、式(1)で表されるオルガノシランが直鎖状、又は分岐鎖状に結合されたものであり、ケイ素原子と直接結合する炭化水素基を有することが好ましい。
式(1)で表されるオルガノシランとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、γ−アシノプロピルトリエトキシシラン、4−アシノブチルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノメチルフェネチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、(p−クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン、4−クロロフェニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
シリコーン系オリゴマー(A)は、形成される塗膜の耐屈曲性の観点から、ケイ素原子と直接結合するメチル基及び/又はフェニル基を有していることが好ましい。
シリコーン系オリゴマー(A)の不揮発性成分の重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、形成される塗膜の耐屈曲性の観点から、一般に約400〜約30,000、そして好ましくは約400〜約20,000の範囲にあることが望ましい。
シリコーン系オリゴマー(A)の市販品としては、例えば、「SR2406」、「SR2410」、「SR2420」、「SR2416」、「SR2402」、「AY42−161」、「DC−3074」及び「DC−3037」(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、「FZ−3704」及び「FZ−3511」(以上、日本ユニカー社製)、「KC−89S」、「KR−500」、「X−40−9225」、「X−40−9246」、「X−40−9250」、「KR−217」、「KR−9218」、「KR−213」、「KR−510」、「X−40−9227」、「X−40−9247」、「X−41−1053」、「X−41−1056」、「X−41−1805」、「X−41−1810」、「X−40−2651」、「X−40−2308」、「X−40−9238」、「X−40−2239」、「X−40−2327」、「KR−400」、「X−40−175」及び「X−40−9740」(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
本発明で使用されるABA型トリブロックポリマー(B)は、水酸基含有重合性不飽和モノマー、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー、アルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマーから選ばれる少なくとも1種(a)及びその他の重合性不飽和モノマー(b)を構成単位とするポリマーであるAブロックと、炭素数4〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(c)及び必要に応じて(c)以外のその他の重合性不飽和モノマー(d)を構成単位とするポリマーであるBブロックとからなるABA型トリブロックポリマーであり、シリコーン系オリゴマー(A)との相溶性が良好であることから透明なシリコーン膜形成に寄与し、さらに形成塗膜の内部応力を緩和する作用を有するものである。
モノマー(a)は、水酸基含有重合性不飽和モノマー、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー、アルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマーから選ばれる少なくとも1種である。
水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物、該(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アリルアルコ−ルが挙げられ、これらは、それぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを好適に使用することができる。
カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等が挙げられ、エポキシ基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
アルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記モノマー(a)としては、シリコーン系オリゴマー(A)との相溶性およびハードコート塗膜の透明性確保の観点から、特に水酸基含有重合性不飽和モノマー及びカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを用いることが好適である。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、「(メタ)アクリルアミド」は、「アクリルアミド又はメタクリルアミド」を意味する。
上記(a)以外のその他の重合性不飽和モノマー(b)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート)、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜24のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香環含有重合性不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和基を1分子中に少なくとも2個有する重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン化合物との付加物等の含窒素重合性不飽和モノマー;2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアナト基含有重合性不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等のカルボニル基含有重合性不飽和モノマー等が挙げられる。これらの重合性不飽和モノマーはそれぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記モノマー(a)及び(a)以外のその他の重合性不飽和モノマー(b)を構成単位とするAブロックは、これらモノマーの合計質量を基準にして、(a)を1〜50質量%、好ましくは2〜30質量%、(b)を50〜99質量%、好ましくは70〜98質量%とすることがハードコート塗膜の透明性確保および硬度の維持の観点から適当である。
前記炭素数4〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(c)としては、例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数4〜24のアルキル基を有する1価アルコールのモノエステル化物を使用することができる。具体的には、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート)、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、それぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記(c)以外のその他の重合性不飽和モノマー(d)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜3のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香環含有重合性不飽和モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性不飽和モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和基を1分子中に少なくとも2個有する重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン化合物との付加物等の含窒素重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアナト基含有重合性不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等のカルボニル基含有重合性不飽和モノマー等が挙げられる。これらの重合性不飽和モノマーはそれぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記モノマー(c)及び(c)以外のその他の重合性不飽和モノマー(d)を構成単位とするBブロックは、これらモノマーの合計質量を基準にして、(c)を50〜100質量%、好ましくは70〜100質量%、(d)を0〜50質量%、好ましくは0〜30質量%とすることが形成塗膜の耐クラック性の観点から適当である。
上記ABA型トリブロックポリマー(B)は、好適には線状ブロックポリマーであり、該ポリマーは、当業者に知られているリビングラジカル重合方法等により調製でき、特に分子量分布等制御の観点からは、可逆的付加脱離連鎖移動重合(Reversible Addition−Fragmentation Chain Transfer Polymerization、以下RAFT重合と略記する)により好適に得ることができる。
RAFT重合の方法は、C−Sタイプの結合の形態で、成長する遊離基種を阻止することからなる。RAFT重合では、通常のラジカル重合の反応系中にRAFT重合連鎖移動剤を添加することにより実施され、通常、ジチオエステル基、トリチオカーボネート基等を含むRAFT重合連鎖移動剤が使用でき、特にトリチオカーボネート系連鎖移動剤が好適に使用される。トリチオカーボネート系連鎖移動剤は、下記一般式(2)
Figure 2021084963
(式(2)中、R及びRはそれぞれ独立した炭素数1〜50の飽和及び/又は不飽和炭化水素骨格からなる部位であり、かかる骨格は直鎖構造、分岐鎖構造、環状構造を含んでもよく、また、骨格中の任意の炭素原子とそれに直接結合する任意の水素原子が、窒素原子、酸素原子で置換されていてもよく、さらに窒素原子に直接結合する水素原子を有さない複素環、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合を骨格中に含んでもよく、また、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、シアノ基、アゾ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、N−ヒドロキシ−ジアルキルアミノ基、N−ニトロソ−ジアルキルアミノ基、イソシアネート基を有してもよく、但し、かかる骨格中にアミン性水素及びメルカプト基を有さず、また、R及びRの任意の水素原子がハロゲン原子によって置換されていてもよく、R及びRが同一であってもよい。)で示される。本発明では、式(2)中のR及びRが同一である化合物(「化合物I」と言うことがある)として、特に特開20007−230947、特開2011−52057等に開示されるような両末端に水酸基を有するトリチオカーボネート系連鎖移動剤が挙げられ、また式(2)中のR及びRが同一でない化合物(「化合物II」と言うことがある)として、例えば、BORON MOLECULAR社製の「BM1429」、「BM1430」、「BM1432」、「BM1433」、「BM1442」、「BM1448」等が挙げられ、分子量分布制御の観点から好適に使用できる。
上記の両末端に水酸基を有するトリチオカーボネート系連鎖移動剤としては、具体的には、例えば下記式
Figure 2021084963
で表されるジベンジルトリチオカーボネート誘導体などが挙げられる。
上記の式(2)中のR及びRが同一でない化合物として、例えば「BM1430」は下記式で示される。
Figure 2021084963
上記RAFT重合連鎖移動剤の配合量は、特に限定されるものではないが、使用される前記(a)〜(d)の全モノマー成分の合計質量100質量部に基づいて、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部、さらに好ましくは0.1〜3質量部の範囲内であることが好適である。
上記ラジカル重合時に使用されるラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、ジ−tert−アミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4、4'−アゾビス(4−シアノブタン酸)、ジメチルアゾビス(2−メチルプロピオネート)、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。これらの重合開始剤はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて用いることができる。該ラジカル重合開始剤の配合量は、特に限定されるものではないが、第1の重合あるいは第2の重合時にそれぞれ使用されるモノマー成分の合計質量100質量部に基いて、通常、それぞれ0.01〜10質量部、好ましくは0.03〜1質量部、さらに好ましくは0.04〜0.5質量部の範囲内であることが好適である。
上記ラジカル重合は、例えば、有機溶剤中での溶液重合法、水中での乳化重合法等により行なうことができる。なかでも、比較的容易な操作で行なうことができる溶液重合法が好適である。溶液重合法における溶媒としては、溶剤への連鎖移動が起こりにくく、かつ水溶性である有機溶剤が好ましい。このような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明で使用されるABA型トリブロックポリマー(B)は、トリチオカーボネート系連鎖移動剤として化合物Iを用いた場合、水酸基含有重合性不飽和モノマー、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー、アルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマー(a)及びその他の重合性不飽和モノマー(b)を、ラジカル重合開始剤及びRAFT重合連鎖移動剤の存在下で重合(第1の重合)し、次いで第1の重合体、及びラジカル重合開始剤の存在下で、炭素数4〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(c)及び必要に応じて(c)以外のその他の重合性不飽和モノマー(d)を重合(第2の重合)することによって好適に得られるものである。
上記方法による第1の重合体は、Aブロックの約2倍の分子量を有するポリマーとなるものであり、通常、10,000〜400,000、好ましくは30,000〜300,000の範囲内の重量平均分子量を有することから、Aブロックのポリマーは5,000〜200,000、好ましくは15,000〜150,000の範囲内の重量平均分子量を有し、第2の重合後に得られるABA型トリブロックポリマーは15,000〜500,000、好ましくは40,000〜300,000の範囲内の重量平均分子量を有するのがハードコート塗膜の透明性、耐クラック性および硬度の観点から適当であり、各ブロックのポリマーの分子量分布(Mw/Mn)は、通常、1.2〜4.0の範囲内となる。得られるABA型トリブロックポリマーは、相対的に高極性―低極性―高極性または硬質―軟質―硬質の各ブロックからなる直鎖状の構造を有するものであり、特に両末端に水酸基を有するトリチオカーボネート系連鎖移動剤を用いた場合には、得られるABA型トリブロックポリマーも両末端に水酸基を有するものとなる。
また両末端に水酸基を有するトリチオカーボネート系連鎖移動剤を用いた場合、ブロックポリマーとしてABABAのようなブロックポリマーを製造し、その主鎖中に残る連鎖移動剤残基を、例えば水酸化ナトリウム等を用いて加水分解する等して、ABA型トリブロックポリマーとすることも可能である。
また本発明で使用するABA型トリブロックポリマー(B)は、トリチオカーボネート系連鎖移動剤として化合物IIを用いた場合、水酸基含有重合性不飽和モノマー、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー、アルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマーから選ばれる少なくとも1種(a)及びその他の重合性不飽和モノマー(b)を、ラジカル重合開始剤及びRAFT重合連鎖移動剤の存在下で重合(第1の重合)し、次いで第1の重合体、及びラジカル重合開始剤の存在下で、炭素数4〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(c)及び必要に応じて(c)以外のその他の重合性不飽和モノマー(d)の重合(第2の重合)を行い、次いで第2の重合体、及びラジカル重合開始剤の存在下で、モノマー(a)及びその他の重合性不飽和モノマー(b)を重合(第3の重合)することによって好適に得られる。
この方法による第1の重合体は、Aブロックのポリマーとなり、第2の重合後に得られるポリマーはAB型ジブロックポリマーとなる。更に第3の重合を行うことによりABA型トリブロックポリマーを得ることが可能である。この方法による第1の重合体であるAブロックのポリマーは5,000〜20,000、好ましくは15,000〜150,000の範囲内の重量平均分子量を有し、第3の重合後に得られるABA型トリブロックポリマーは15,000〜500,000、好ましくは40,000〜300,000の範囲内の重量平均分子量を有するのが粘性制御の観点から適当であり、各ブロックのポリマーの分子量分布(Mw/Mn)は、通常、1.2〜4.0の範囲内となる。得られるABA型トリブロックポリマーは、相対的に高極性―低極性―高極性または硬質―軟質―硬質の各ブロックからなる直鎖状の構造を有するものである。
本明細書において数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G4000HXL」、「TSKgel G3000HXL」、「TSKgel G2500HXL」及び「TSKgel G2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
前記シリコーン系オリゴマー(A)及び上記ABA型トリブロックポリマー(B)の配合割合は、塗膜の耐クラック性および硬度確保の観点から、シリコーン系オリゴマー(A)固形分100質量部を基準として、ABA型トリブロックポリマー(B)の配合量が0.5〜20質量部、好ましくは1〜10質量部の範囲内であることが好適である。
本発明において水(C)は、塗膜形成時に乾燥を促進するために配合されるものであり、塗料作成時或いは塗装時に後から配合することができる。水としては、任意のものを用いることができ、例えば、水道水、イオン交換水、および純水が好ましく用いられる。
上記水(C)の含有量は、形成塗膜の仕上がり性や塗装時のハジキ性を配慮した範囲内で適宜調節することができ、希釈前の塗料組成物の有効成分の総量に対して1〜30質量%の範囲内とすることができる。
本発明において触媒(D)は、加水分解性シリル基の重縮合を促進するために配合されるものであり、このような触媒(D)としては、従来公知のものが挙げられ、例えば、ジアセチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジアセチル錫ジオクトエート、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート等の有機錫化合物;アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムトリス(アセトアセテートエチル)、アルミニウムジイソプロポキシ(アセトアセテートエチル)、アルミニウムアセチルアセトナート等の有機アルミニウム化合物;チタニウムテトラ(モノエチルエトキシド)、チタニウムテトラ(モノエチルエトキシド)、チタニウムテトラ(モノブチルエトキシド)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、テトラノルマルブチルチタネート等の有機チタン化合物;ジルコニウムテトラ(モノメチルエトキシド)、ジルコニウムテトラ(モノエチルエトキシド)、ジルコニウムテトラ(モノブチルエトキシド)、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)等の有機ジルコニウム化合物;ナフテン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物;オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト等の有機コバルト化合物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1−メチルピペリジン、1−メチルピロリジン等の脂肪族アミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−(1−ピペリジル)ピリジン、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン等のアミン触媒;塩酸、リン酸等の酸触媒;カルボン酸の鉛、スズ、亜鉛、及び鉄錯体;ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリ(4−クロロフェニル)、ホウ酸トリヘキサフルオロイソプロピル等のホウ酸エステル等のホウ酸化合物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記触媒(D)の含有量は、シリコーン系オリゴマー(A)固形分100質量部を基準として、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜6質量部の範囲内であることが好適である。
本発明において使用される溶媒(E)としては、メタノール、エタノール、ブタノール、メチルイソブチルカルビノール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、プロピオン酸メチル等のエステル系溶剤;シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソプロピルグリコール等のエーテル系溶剤;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、脂肪族炭化水素類系溶剤が挙げられる。これらは、粘度の調整、塗布性の調整等の目的に応じて適宜組み合わせて使用することができる。特にシリコーン系オリゴマー(A)の溶解性の点からアルコール系溶剤が好適に使用できる。
上記溶媒(E)の量は、塗料組成物中の全不揮発成分100質量部に対して、50〜3000質量部であることが好ましく、150〜2000質量部であることがより好ましい。
本発明のシリコーン系塗料組成物には、さらに必要に応じて(A)及び(B)成分以外の樹脂成分、シリカ等の粒子成分、表面調整剤、粘度調整剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等を適宜配合することができる。
本発明では、上記のとおり得られるシリコーン系塗料組成物を基材面に塗装し、乾燥させることによりハードコート膜を形成することができる。
基材面としては、特に制限されるものではないが、例えば、石膏ボード、コンクリート板、コンクリートブロック、サイディングボード、モルタル板、スレート板、PC板、ALC板、セメント珪酸カルシウム板、レンガ、ガラス、木材、石材;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂や各種のFRP等の合成樹脂成形物;陶磁器、磁器タイル、鉄部、アルミサッシ等の金属加工材等、窓ガラス、ヘッドランプカバーの基材の表面;これら基材上に設けられたアクリル樹脂系、アクリルウレタン樹脂系、ポリウレタン樹脂系、フッ素樹脂系、シリコーン樹脂、シリコーンアクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エポキシ樹脂系等の塗膜面、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、紙、布等の材質からなる床面、壁紙面等を挙げることができる。
塗装方法としては基材の種類や用途等に応じて、従来公知の手法が特に制限なく適用でき、乾燥膜厚で1〜100μm、好ましくは5〜50μmの塗膜を形成することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されない。なお、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものである。
ABA型トリブロックポリマーの製造
製造例1
トリチオカーボネート系連鎖移動剤であるビス{4−〔エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル〕ベンジル}トリチオカーボネート(日本テルペン化学株式会社、商品名「RAFT−NT」)0.52g及びイソボルニルアクリレート73g、2−ヒドロキシエチルアクリレート15g、メタクリル酸2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80gを4つ口フラスコに投入し、フラスコ内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら90℃に昇温した。続いて、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬工業株式会社、商品名「V−59」)0.1gとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3gの混合溶液を投入し、90℃で4時間撹拌した。続いて、固形分が35%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを投入して、さらに15分間攪拌した後、室温まで冷却して、固形分35%のポリマー溶液(X−1)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は123,000、数平均分子量(Mn)は88,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.4であった。このポリマーはAブロックの2倍の分子量を有するものである。
上記で得た固形分35%のポリマー溶液(X−1)155.2g、n−ブチルアクリレート54.3g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート57gを別の4つ口フラスコに投入し、フラスコ内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら90℃に昇温した。続いて、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬工業株式会社、商品名「V−59」)0.05gとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5gの混合溶液を投入し、90℃で4時間撹拌した。続いて、固形分が30%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈して、さらに30分間撹拌した後、室温まで冷却して、固形分30%のABA型トリブロックポリマー溶液(Y−1)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量261,000(Mw)、数平均分子量162,000(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は1.6であった。
製造例2〜12
製造例1において、使用するモノマー成分を表1のとおりとする以外は製造例1と同様にしてAブロックポリマーとなる固形分35%のポリマー溶液(X−2)〜(X−9)を作製し、これらを用いて表2のとおりの組成とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート量を調整する以外は製造例1と同様にして固形分30%のABA型トリブロックポリマー溶液(Y−2)〜(Y−12)を得た。
尚、表1中の(注1)は以下のとおりである。
(注1)KBM−503:γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製、商品名
Figure 2021084963
Figure 2021084963
比較製造例1
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30gを4つ口フラスコに投入し、フラスコ内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら100℃に昇温した。続いて、ブチルアクリレート50g、メタクリル酸2g、2‐ヒドロキシエチルアクリレート10g、イソボルニルアクリレート38g及びパーブチルO(日油社製品、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート)0.5gとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10gの混合溶液を3時間かけてフラスコ内に滴下した後、そのままの温度で1時間撹拌した。続いて、パーブチルO0.5gとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10gの混合溶液を1時間かけてフラスコに滴下した後、そのままの温度で1時間撹拌した。続いて、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート183gを加えて10分間撹拌した後、室温まで冷却して、ランダム共重合ポリマー(Z−1)の固形分30%溶液を得た。得られたポリマーの重量平均分子量は183,000、数平均分子量は33,000であった。
シリコーン系塗料の作成
実施例1
上記で得た固形分30%のポリマー溶液(Y−1)6.7g、イソプロピルアルコール100g、「KR−500」(信越化学社製品、シリコーンオリゴマー、メトキシ基含有量28重量%)100gおよび脱イオン水10gをビーカーに投入し、室温で攪拌した。続いて、硬化触媒としアルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)の2―プロパノール溶液(固形分76%)6.6gを投入し、室温で攪拌した後、そのまま室温で静置した。続いて得られた塗料を、乾燥後の膜厚が40μmになるように、アプリケーターを用いて基材(厚さ2mmのガラス板)の上に塗装し、23℃、50%相対湿度の雰囲気下で乾燥して試験板を作成した。
実施例2〜14及び比較例1〜3
実施例1において、ポリマー溶液(Y−1)の代わりにポリマー溶液(Y−2)〜(Y−12)及び(Z−1)を用いて表3の配合とする以外は実施例1と同様にして各塗料を作成し、実施例1と同様に各試験板を作成した。
得られた各試験板を下記評価方法で評価した。結果を表3に併せて示す。
(*1)透明性:
上記で得た各試験板を23℃、50%相対湿度の雰囲気下で20日間乾燥した後の塗面状態を目視で評価した。
〇:濁りがなく透明
×:濁りがあり不透明。
(*2)耐クラック性:
各実施例及び比較例において、硬化触媒をアルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)の2―プロパノール溶液(固形分76重量%)6.6gから0.1規定塩酸水溶液10gに変更する以外は同様に行って各試験板を作成した。得られた各試験板を23℃、50%相対湿度の雰囲気下で20日間乾燥した後の塗面状態を目視で評価した。
〇:割れやシワがなく平滑な表面である
×:塗膜に割れが発生している。
(*3)マルテンス硬度:
各試験板を23℃、50%相対湿度の雰囲気下で20日間乾燥した後の塗膜表面の硬度を測定した。各試験板のマルテンス硬度は、フィッシャースコープ(登録商標)HM200S(商品 名、(株)フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて、23℃、50%相対湿度の 雰囲気下、20mN/25秒の荷重をかけ測定した。圧子はビッカース四角錐(材質:ダ イヤモンド)を用い、プリズム部1山の中央付近が圧子作用点となるようにサンプルの位 置を調節した。
<測定手順>
(1−1)速度20mN/25秒で荷重10mNに達するまで荷重を負荷。
(1−2)同速度で荷重0.4mNに達するまで除荷。 測定位置を変えながら、以上の手順を繰り返し行い、1サンプルにつき3点データを取った。
<算出方法>
上記測定方法で得られた、試験力と圧子の押込み深さとの関係よりマルテンス硬度を求めた。マルテンス硬度(HM)は、超微小硬さ試験システム付属の解析ソフトを用いて算出した。
Figure 2021084963

Claims (6)

  1. シリコーン系オリゴマー(A)、ABA型トリブロックポリマー(B)、水(C)、触媒(D)、及び溶媒(E)を含有するシリコーン系塗料組成物であって、ABA型トリブロックポリマー(B)が、水酸基含有重合性不飽和モノマー、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー、アルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマーから選ばれる少なくとも1種(a)及びその他の重合性不飽和モノマー(b)を構成単位とするポリマーであるAブロックと、炭素数4〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(c)及び必要に応じて(c)以外のその他の重合性不飽和モノマー(d)を構成単位とするポリマーであるBブロックとからなるABA型トリブロックポリマーであることを特徴とするシリコーン系塗料組成物。
  2. 前記モノマー(a)が、水酸基含有重合性不飽和モノマー及びカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーである請求項1に記載のシリコーン系塗料組成物。
  3. 前記ABA型トリブロックポリマー(B)の含有量が、シリコーン系オリゴマー(A)の固形分100質量部に対して0.5〜20質量部である請求項1又は2記載のシリコーン系塗料組成物。
  4. 前記ABA型トリブロックポリマー(B)中のAブロックのポリマーが、5,000〜200,000の範囲内の重量平均分子量を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコーン系塗料組成物。
  5. 前記ABA型トリブロックポリマー(B)が、重量平均分子量が15,000〜500,000の範囲内である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコーン系塗料組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコーン系塗料組成物からなるハードコート膜。
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