JP6426958B2 - アクリル系樹脂分散体 - Google Patents
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Description
[1]アクリル系樹脂と水とを含み、
前記アクリル系樹脂が二段以上の多段重合で得られ、
前記多段重合中の二段目以降の少なくとも一段で供給されるラジカル重合性単量体の、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)から、FOXの式により算出される重合体のガラス転移温度(Tg)が50℃以上110℃以下であり、
前記アクリル系樹脂は、加水分解性シラン単量体単位を、前記アクリル系樹脂中のラジカル重合性単量体由来の重合体質量分100質量%に対して、完全加水分解縮合物換算で35質量%以上70質量%以下含み、
前記多段重合の全ての段で供給されるラジカル重合性単量体の、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)から、FOXの式により算出される前記アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)が35℃以上48℃以下であり、
最低成膜温度(MFT)が40℃以上60℃以下であるアクリル系樹脂分散体。
[2]前記樹脂分散体の乾燥フィルムの破断伸びが90%以上200%以下である、[1]に記載のアクリル系樹脂分散体。
[3]アクリル系樹脂と水とを含むアクリル系樹脂分散体の製造方法であって、
前記アクリル系樹脂を二段以上の多段重合で得る工程を含み、
前記多段重合中の二段目以降の少なくとも一段で供給されるラジカル重合性単量体の、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)から、FOXの式により算出される重合体のガラス転移温度(Tg)が50℃以上110℃以下であり、
前記アクリル系樹脂は、加水分解性シラン単量体単位を、前記アクリル系樹脂中のラジカル重合性単量体由来の重合体質量分100質量%に対して、完全加水分解縮合物換算で35質量%以上70質量%以下含み、
前記多段重合の全ての段で供給されるラジカル重合性単量体の、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)から、FOXの式により算出される前記アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)が35℃以上48℃以下であり、
前記重合体のTg、前記アクリル系樹脂のTg、及び前記加水分解性シラン単量体の量を調整することにより、最低成膜温度(MFT)を40℃以上60℃以下に調整する、アクリル系樹脂分散体の製造方法。
アクリル系樹脂と水とを含み、
前記アクリル系樹脂が二段以上の多段重合で得られ、
前記多段重合中の二段目以降で、少なくとも一段で供給されるラジカル重合性単量体の、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)から、FOXの式により算出される重合体のガラス転移温度(Tg)が50℃以上110℃以下であり、
前記アクリル系樹脂は、加水分解性シラン単量体単位を、前記アクリル系樹脂中のラジカル重合性単量体由来の重合体質量分100質量%に対して、完全加水分解縮合物換算で35質量%以上70質量%以下含み、
前記多段重合の全ての段で供給されるラジカル重合性単量体の、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)から、FOXの式により算出される前記アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)が35℃以上48℃以下であり、
最低成膜性温度(MFT)が40℃以上60℃以下である。
本実施形態で用いるアクリル系樹脂は、二段以上の多段重合で得られる。また、二段目以降の少なくとも一段において、供給されるラジカル重合性単量体の、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)から、FOXの式により算出される重合体のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上110℃以下であり、60℃以上100℃以下が好ましく、70℃以上90℃以下がさらに好ましい。ガラス転移温度(Tg)が50℃以上であると、十分な耐候性を得ることができる。また、ガラス転移温度(Tg)が110℃以下であると、成膜した時の膜の柔軟性が充分に得られ、膜のワレを防止でき、十分な耐候性を与えることができる。このように、二段目以降の少なくとも一段において、供給されるラジカル重合性単量体の、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)から、FOXの式により算出される重合体のガラス転移温度(Tg)が上記範囲内であることにより、柔軟性及び耐候性に優れる膜を得ることができる。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・
Tg:単量体1、2・・・から導かれる構成単位を含む共重合体のTg(゜K)
W1、W2・・:単量体1、単量体2、・・の共重合体中の質量分率
ここでW1+W2+・・=1
Tg1、Tg2・・:単量体1、単量体2、・・の、ホモポリマーのTg(゜K)
アクリル系樹脂を構成するラジカル重合性単量体由来の構成単位は、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を含んでなるもの等が挙げられる。エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を含んでなるものとしては、少なくとも1種のカルボキシル基を持つエチレン性不飽和単量体単位と、少なくとも1種の他のエチレン性不飽和単量体単位とを含んでなるものが好ましい。
カルボキシル基を持つエチレン性不飽和単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸、及び無水マレイン酸、並びに、イタコン酸、及びマレイン酸の半エステルならなる群より選ばれる1又は2以上のエチレン性不飽和単量体を使用することが好ましい。このなかでも、常温で液状であるためハンドリングの観点から、アクリル酸とメタクリル酸がより好ましい。
他のエチレン性不飽和単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル(以下、単に「(メタ)アクリル酸エステル」ともいう。);スチレン、ビニルトルエン等の芳香族単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、パーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;ブタジエン等のジエン類;(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、アクロレイン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ジアセトン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシエチル、(メタ)アクリル酸3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル、メチルプロパンスルホン酸アクリルアミド、ジビニルベンゼン、(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の種々のエチレン性不飽和単量体が挙げられる。このなかでも、原料の汎用性の観点から、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
本実施形態で用いるアクリル系樹脂は、共重合性加水分解性シラン単量体由来の構成単位を含んでいてもよい。このようなアクリル系樹脂を用いることにより、耐候性により優れる傾向にある。
本実施形態で用いるアクリル系樹脂は、アクリル系樹脂中のラジカル重合性単量体由来の重合体質量分100質量%に対し、加水分解性シラン単量体を完全加水分解縮合物換算で35質量%以上70質量%以下含むアクリル系樹脂である。加水分解性シラン単量体の含有量は、45質量%以上65質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上60質量%以下がさらに好ましい。含有量が35質量%以上であると紫外線に対する充分な強度が得られ、十分な耐候性を発現することができ、含有量が70質量%以下であると加水分解縮合したシランとラジカル重合性単量体重合物との相溶性が良好となり、均一な塗膜を形成することができ、十分な耐候性を与えることができる。このように、加水分解性シラン単量体が上記範囲にあることにより、造膜性及び耐候性に優れる膜を得ることができる。なお、当該加水分解性シラン単量体はアクリル樹脂単量体と共重合する上記共重合性加水分解性シラン単量体を含まないものである。
(R1)n−Si−(R2)4-n (i)
(式(i)中、nは0〜3の整数であり、R1は、互いに独立して、水素、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、及び炭素数5〜6のシクロアルキル基からなる群より選ばれる基であり、R2は、互いに独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、及び水酸基からなる群より選ばれる基である。)
本実施形態のアクリル系樹脂分散体の製造方法は、前記アクリル系樹脂を二段以上の多段重合で得る工程を含み、前記多段重合中の二段目以降の少なくとも一段で供給されるラジカル重合性単量体の、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)から、FOXの式により算出される重合体のガラス転移温度(Tg)が50℃以上110℃以下であり、前記アクリル系樹脂は、加水分解性シラン単量体単位を、前記アクリル系樹脂中のラジカル重合性単量体由来の重合体質量分100質量%に対して、完全加水分解縮合物換算で35質量%以上70質量%以下含み、前記多段重合の全ての段で供給されるラジカル重合性単量体の、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)から、FOXの式により算出される前記アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)が35℃以上48℃以下であり、前記重合体のTg、前記アクリル系樹脂のTg、及び前記加水分解性シラン単量体の量を調整することにより、最低成膜温度(MFT)を40℃以上60℃以下に調整する、アクリル系樹脂分散体の製造方法である。
本実施形態のラジカル重合性単量体を乳化重合する際に使用する重合開始剤としては、特に限定されず、一般に用いられるラジカル開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤は、熱又は還元性物質等によってラジカルを生成してラジカル重合性単量体の付加重合を起こさせるもので、水溶性又は油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物がある。このようなラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、具体的には、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。このなかでも、好ましくは水溶性のものである。なお、重合速度の促進や低温反応を望む場合には、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドスルホオキシレート塩等の還元剤をラジカル重合開始剤と組み合わせて用いることができる。
本実施形態の重合性単量体を乳化重合する際に使用する乳化剤としては、特に限定されず、一般に用いられる乳化剤を用いることができる。例えばアニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、高分子乳化剤等を使用することができる。例えばラウリル硫酸ナトリウムなどの脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシノニルフェニルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールエーテル硫酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩、例えば「エアロゾールOT−75」(登録商標、日本サイテックインダストリーズ(株)社製)、、及びスルホン酸基又は硫酸エステル基と共重合性の不飽和二重結合を分子中に有する、いわゆる反応性乳化剤、例えば「アデカリアソープSR−1025」(登録商標、旭電化社(株)製)、などのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、及び前述の骨格と重合性の不飽和二重結合を分子中に有する反応性ノニオン性界面活性剤などのノニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤;(変性)ポリビニルアルコール、などが挙げられる。
本実施形態の樹脂分散体は必要に応じて、一般的に使用されている種々の公知成分、たとえば、成膜助剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、防腐剤、界面活性剤等の安定化剤、湿潤剤、可塑剤、フラッシュラスト防止剤、pH調整剤、ワックス、シリコーンオイルなどを任意に配合してもよい。また、必要に応じて、着色染顔料、体質顔料、防錆顔料、紫外線吸収剤、光安定化剤などを配合することもできる。
本実施形態において、樹脂分散体を用いて設けるべき物品には特に制限はなく、例えば塗料、建材の下地処理材もしくは仕上げ剤、接着剤、紙加工剤、または織布もしくは不織布の仕上げ材などとして有用であり、特に塗料、建材の仕上げ材として有用である。具体的には、コンクリート、セメントモルタル、スレート板、ケイカル板、石膏ボード、押し出し成形板、発砲性コンクリートなどの無機建材、織布もしくは不織布を基材とした建材、金属建材などの各種下地に対する塗料もしくは建築仕上げ材として、複層仕上げ塗材用の主剤およびトップコート、薄付け仕上げ塗材、厚付け仕上げ塗材、石材調仕上げ材、グロスペイントなどの合成樹脂エマルションペイント、金属用塗料、木部塗料、または瓦用塗料などに適宜適用することができる。
MMA:メタクリル酸メチル(105)
CHMA:メタクリル酸シクロへキシル(83)
BMA:メタクリル酸n−ブチル(22)
BA:アクリル酸n−ブチル(−45)
2−EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル(−55)
MAA:メタクリル酸(144)
AA:アクリル酸(87)
2−HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(55)
APS:過硫酸アンモニウム
SR1025:アデカリアソープSR−1025
OT−75:エアロゾールOT−75
チヌビン384:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤/BASFジャパン(株)社製
チヌビン123:ヒンダートアミン系光安定化剤/BASFジャパン(株)社製
Z−6030:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン/東レダウコーニング(株)社製
Z−6366:メチルトリメトキシシラン/東レダウコーニング(株)社製
Z−6329:ジメチルジメトキシシラン/東レダウコーニング(株)社製
Z−6124:フェニルトリメトキシシラン/東レダウコーニング(株)社製
KR−217:ジフェニルジメトキシシラン/信越化学工業(株)社製
得られた樹脂分散体の平均粒子径を、リーズ&ノースラップ社製のマイクロトラック粒度分布計にて測定した。
得られた樹脂分散体を予め質量の分かっているアルミ皿に、約1g正確に秤量し、恒温乾燥機で105℃にて3時間乾燥した後、シリカゲルを入れたデシケーター中で、30分放冷後に精秤した。当該物質の乾燥後質量を乾燥前質量で割ったものを樹脂分散体の固形分率とした。
熱勾配試験機の上に置いたアルミ板上に0.1mmのアプリケーターでその対象物を塗工、乾燥し、その塗膜にクラックの生じた最高の温度を最低成膜温度(MFT)とした。
各実施例の樹脂分散体(固形分換算) 500.0部
エチレングリコールモノブチルエーテル(成膜助剤:和光純薬工業(株)製)50.0部
水 50.0部
CS−12(商品名、チッソ(株)製) 100.0部
試験機:テンシロン/UTM−III−500(東洋ボールドウィン(株)製)
引張速度:50mm/min
試験温度:23℃
引張特性の評価に用いたクリヤー塗料を0.1mmのアプリケーターでガラス板(75mm×75mm)に塗布し、80℃にて10分間乾燥させた。この試験片を60℃の温水に6時間浸漬後、浸漬した状態で5℃の雰囲気化に18時間放置しその後濁度計(日本電色工業(株)製)で曇り度を測定した。
(評価基準) ○:曇り度 3未満
△:曇り度 3以上5未満
×:曇り度 5以上
[耐候試験用顔料分散液の作製]
各実施例の樹脂分散体(固形分換算) 500.0部
エチレングリコールモノブチルエーテル(成膜助剤:和光純薬工業(株)製)40.0部
エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル 80.0部
(成膜助剤:和光純薬工業(株)製)
タイピュアR706(白色顔料:商品名、デュポン(株)製) 260.0部
アデカノールUH−438(増粘剤:商品名、旭電化工業(株)製)10%水溶液 適量
上記、組成物をスリーワンモーターにて20分間分散させたのち濾過し、エナメル塗料を得た。得られたエナメル塗料をバーコーターにてアルミ板上に塗工し、50℃で1週間養生して塗膜を作成し、この塗膜についてアイスーパーUVテスター(岩崎電気(株)製)により下記に示す試験条件にて1500時間照射試験を実施し、塗膜の外観(クラック、はがれ、白化など)を目視にて観察した。また、同時に光沢保持率の評価も行った。
アイスーパーUVテスター試験条件
照度:1000W/m2
照射:63℃、50%RH、8時間
暗黒・湿潤:30℃、96%RH以上、4時間
△:わずかにクラック、又ははがれ、又は白化がみられる
×:全体的にクラック、又ははがれ、又は白化がみられる
○:光沢保持率90%以上
△:光沢保持率80%以上90%未満
×:光沢保持率80%未満
撹拌機、還流冷却器、2つの滴下槽及び温度計を取りつけた反応容器に、水1076.0部、アニオン性反応性乳化剤「アデカリアソープSR−1025」(登録商標、旭電化(株)社製、25%水溶液)28.0部を入れ、温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの10%水溶液を3.0部添加して、5分維持した。
実施例1と同様の器具を用いてサンプルを作製した。一段目の重合性単量体をメタクリル酸メチル200.0部、メタクリル酸ブチル110.0部、アクリル酸ブチル184.0部、メタアクリル酸6.0部に変更した以外はまったく同じ操作でプレ乳化液を得た。得られたプレ乳化液とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.4部、メチルトリメトキシシラン548.3部、ジメチルジメトキシシラン219.0部、フェニルトリメトキシシラン(Z−6124/東レダウコーニング(株)社製)69.0部からなるシリコーン変性剤の混合液とを実施例1と同様の方法で重合を行った。
実施例1と同様の器具を用いてサンプルを作製した。一段目の重合性単量体をメタクリル酸メチル174.0部、メタクリル酸ブチル110.0部、アクリル酸ブチル210.0部、メタアクリル酸6.0部に変更した以外はまったく同じ操作でプレ乳化液を得た。得られたプレ乳化液とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.8部、メチルトリメトキシシラン367.0部、ジメチルジメトキシシラン146.0部、ジフェニルジメトキシシラン37.0部からなるシリコーン変性剤の混合液とを実施例1と同様の方法で重合を行った。
実施例1と同様の器具を用いてサンプルを作製した。一段目の重合性単量体をメタクリル酸メチル174.0部、メタクリル酸ブチル110.0部、アクリル酸ブチル210.0部、メタアクリル酸6.0部に変更した以外はまったく同じ操作でプレ乳化液を得た。得られたプレ乳化液とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.8部、メチルトリメトキシシラン366.0部、ジメチルジメトキシシラン234.0部、フェニルトリメトキシシラン55.0部からなるシリコーン変性剤の混合液とを実施例1と同様の方法で重合を行った。
実施例1と同様の器具を用いてサンプルを作製した。一段目の重合性単量体をメタクリル酸メチル183.0部、メタクリル酸ブチル110.0部、アクリル酸ブチル201.0部、メタクリル酸6.0部に変更した以外はまったく同じ操作でプレ乳化液を得た。得られたプレ乳化液とγ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.4部、メチルトリメトキシシラン548.3部、ジメチルジメトキシシラン219.0部、ジフェニルジメトキシシラン55.5部からなるシリコーン変性剤の混合液とを実施例1と同様の方法で重合を行った。
実施例1と同様の器具を用いてサンプルを作製した。一段目の重合性単量体をメタクリル酸メチル187.0部、メタクリル酸シクロヘキシル105.0部、アクリル酸ブチル202.0部、メタアクリル酸6.0部に変更した以外はまったく同じ操作でプレ乳化液を得た。得られたプレ乳化液とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.8部、メチルトリメトキシシラン366.0部、ジメチルジメトキシシラン234.0部、フェニルトリメトキシシラン55.0部からなるシリコーン変性剤の混合液とを実施例1と同様の方法で重合を行った。
実施例1と同様の器具を用いてサンプルを作製した。一段目の重合性単量体をメタクリル酸メチル187.0部、メタクリル酸シクロヘキシル105.0部、アクリル酸ブチル202.0部、メタアクリル酸6.0部に変更した以外はまったく同じ操作でプレ乳化液を得た。得られたプレ乳化液とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.8部、メチルトリメトキシシラン421.0部、ジメチルジメトキシシラン234.0部からなるシリコーン変性剤混合液とを実施例1と同様の方法で重合を行った。
実施例1と同様の器具を用いてサンプルを作製した。重合性単量体をメタクリル酸メチル360.0部、メタクリル酸シクロヘキシル200.0部、メタクリル酸ブチル207.0部、アクリル酸ブチル201.0部、メタクリル酸28.0部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル4.0部、「アデカリアソープSR−1025」144.0部、「エアロゾールOT−75」(登録商標、日本サイテックインダストリーズ(株)製)3.0部、過硫酸アンモニウムの10%水溶液12.5部、水1031.0部の混合液を作製し、該混合液をホモミキサーにより乳化し、プレ乳化液を得た。得られたプレ乳化液とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン7.2部、メチルトリメトキシシラン731.0部、ジメチルジメトキシシラン292.0部、ジフェニルジメトキシシラン74.0部からなるシリコーン変性剤の混合液とを穏やかな混合ができるように調整し反応容器中へ滴下槽から250分かけて滴下した。流入中は反応器の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器温度を80℃に保ったまま120分維持し、その後80℃で5時間保持した。
実施例1と同様の器具を用いてサンプルを作製した。一段目の重合性単量体をメタクリル酸メチル183.0部、メタクリル酸ブチル110.0部、アクリル酸ブチル201.0部、メタクリル酸6.0部のまま変更せずにまったく同じ操作でプレ乳化液を得た。得られたプレ乳化液とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.4部、メチルトリメトキシシラン912.8部からなるシリコーン変性剤の混合液とを実施例1と同様の方法で重合を行った。
実施例1と同様の器具を用いてサンプルを作製した。一段目の重合性単量体をメタクリル酸メチル210.0部、メタクリル酸ブチル110.0部、アクリル酸ブチル174.0部、メタクリル酸6.0部に変更した以外はまったく同じ操作でプレ乳化液を得た。得られたプレ乳化液とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.4部、メチルトリメトキシシラン548.3部、ジメチルジメトキシシラン219.0部、フェニルトリメトキシシラン55.5部からなるシリコーン変性剤の混合液とを実施例1と同様の方法で重合を行った。
実施例1と同様の器具を用いてサンプルを作製した。一段目の重合性単量体をメタクリル酸メチル404.0部、メタクリル酸シクロヘキシル90.0部、メタアクリル酸6.0部に変更した以外はまったく同じ操作でプレ乳化液を得た。得られたプレ乳化液とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.2部、メチルトリメトキシシラン182.8部、ジメチルジメトキシシラン116.9部、ジフェニルジメトキシシラン22.2部からなるシリコーン変性剤の混合液とを実施例1と同様の方法で重合を行った。
実施例1と同様の器具を用いてサンプルを作製した。重合性単量体をメタクリル酸メチル358.8部、メタクリル酸シクロヘキシル282.9部、アクリル酸ブチル71.3部、アクリル酸2−エチルヘキシル216.2部、アクリル酸36.8部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル32.2部、「アデカリアソープSR−1025」144.0部、「エアロゾールOT−75」(登録商標、日本サイテックインダストリーズ(株)製)3.0部、過硫酸アンモニウムの10%水溶液12.5部、水1031.0部の混合液を作製し、該混合液をホモミキサーにより乳化し、プレ乳化液を得た。得られたプレ乳化液とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン27.6部、メチルトリメトキシシラン110.0部、ジメチルジメトキシシラン513.0部からなるシリコーン変性剤の混合液とを穏やかな混合ができるように調整し、反応容器中へ滴下槽から250分かけて滴下した。流入中は反応器の温度を80℃に保った。流入が終了してから反応容器の温度を80℃に保ったまま120分維持し、その後80℃で5時間保持した。
Claims (3)
- アクリル系樹脂と水とを含み、
前記アクリル系樹脂が二段以上の多段重合で得られ、
前記多段重合中の二段目以降の少なくとも一段で供給されるラジカル重合性単量体の、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)から、FOXの式により算出される重合体のガラス転移温度(Tg)が50℃以上110℃以下であり、
前記アクリル系樹脂は、加水分解性シラン単量体単位を、前記アクリル系樹脂中のラジカル重合性単量体由来の重合体質量分100質量%に対して、完全加水分解縮合物換算で35質量%以上70質量%以下含み、
前記多段重合の全ての段で供給されるラジカル重合性単量体の、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)から、FOXの式により算出される前記アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)が35℃以上48℃以下であり、
最低成膜温度(MFT)が40℃以上60℃以下であり、
前記加水分解性シラン単量体単位は、下記式(i)で表され、nが1の整数である化合物に由来する単量体単位と、下記式(i)で表され、nが2の整数である化合物に由来する単量体単位とを含む、アクリル系樹脂分散体。
(R 1 ) n −Si−(R 2 ) 4-n (i)
(式(i)中、R 1 は、互いに独立して、水素、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、及び炭素数5〜6のシクロアルキル基からなる群より選ばれる基であり、R 2 は、互いに独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、及び水酸基からなる群より選ばれる基である。) - 前記樹脂分散体の乾燥フィルムの破断伸びが90%以上200%以下である、請求項1に記載のアクリル系樹脂分散体。
- アクリル系樹脂と水とを含むアクリル系樹脂分散体の製造方法であって、
前記アクリル系樹脂を二段以上の多段重合で得る工程を含み、
前記多段重合中の二段目以降の少なくとも一段で供給されるラジカル重合性単量体の、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)から、FOXの式により算出される重合体のガラス転移温度(Tg)が50℃以上110℃以下であり、
前記アクリル系樹脂は、加水分解性シラン単量体単位を、前記アクリル系樹脂中のラジカル重合性単量体由来の重合体質量分100質量%に対して、完全加水分解縮合物換算で35質量%以上70質量%以下含み、
前記多段重合の全ての段で供給されるラジカル重合性単量体の、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)から、FOXの式により算出される前記アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)が35℃以上48℃以下であり、
前記重合体のTg、前記アクリル系樹脂のTg、及び前記加水分解性シラン単量体の量を調整することにより、最低成膜温度(MFT)を40℃以上60℃以下に調整し、
前記加水分解性シラン単量体単位は、下記式(i)で表され、nが1の整数である化合物に由来する単量体単位と、下記式(i)で表され、nが2の整数である化合物に由来する単量体単位とを含む、アクリル系樹脂分散体の製造方法。
(R 1 ) n −Si−(R 2 ) 4-n (i)
(式(i)中、R 1 は、互いに独立して、水素、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10のアリール基、及び炭素数5〜6のシクロアルキル基からなる群より選ばれる基であり、R 2 は、互いに独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、及び水酸基からなる群より選ばれる基である。)
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