JP2021084496A - 車両の衝撃吸収部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】木材のスムーズな圧壊を確保しつつ、連結部間の拘束部材の適切な向きへの変形を促すことにある。【解決手段】一対の拘束部材10,12は、木材6の入力端部側における平面視において、木材6の入力端部を挟み付けるように対向して配置された状態で、両拘束部材10,12の間に橋渡された一対の連結部21,22で連結されている車両の衝撃吸収部材4において、一対の連結部21,22が、平面視において橋渡し方向と直交する方向に離間して配置されることで、一対の連結部21,22の間に位置する各拘束部材10,12に、連結部21,22にて連結されていない非連結領域50が形成されており、非連結領域50には、荷重入力の際に木材6から離れる外側への変形を規制するように各拘束部材10(12)を補強してその荷重入力方向への塑性変形を促す補強部31(32)が設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、木材と、木材よりも硬い一対の拘束部材とを備え、一対の拘束部材が、木材を挟み付けた状態で連結部にて部分的に連結されている車両の衝撃吸収部材に関する。
この種の車両の衝撃吸収部材として、特許文献1に開示された車両の衝撃吸収部材が公知である。この衝撃吸収部材4Xは、図14に示すように車両前後方向に長尺な柱形状の部材であり、車両の車幅方向における右側部2cXに配設されている。そして衝撃吸収部材4Xは、木材6Xと、一対の拘束部材10X,12Xと、拘束部材同士を連結する複数の連結部BMとを有している。木材6Xは、車両前後方向に長尺な柱状又は板状に形成されており、年輪の軸心方向が荷重の入力方向に沿うように車両の右側部2cXに配設されている。そして木材6Xの長辺をなす一つの側端面(図14の右側面)は、荷重の入力される入力端部となって車両の外側を向いた状態で配置されている。また一対の拘束部材10X,12Xは、それぞれ木材6Xよりも硬い金属板であり、木材6Xを上下から挟み付けるように配置されている。これら各拘束部材10X,12Xの前側と後側は、両拘束部材10X,12Xと木材6Xに挿通されたボルト状の連結部BMで連結されている。そして図15に示すように、車両側突時に車両が受けた衝撃荷重Fを、木材6Xが荷重入力方向(図15で車両内側となる左方)に向けて圧壊することにより吸収する。
ここで図14及び図15に示す衝撃吸収部材4Xでは、荷重入力時において木材6Xに亀裂が生じた場合においても、効率的な衝撃吸収性能を有していることが望まれる。このため特許文献1に開示の技術では、各拘束部材10X,12Xにて、亀裂が生じた木材6Xを極力割裂しないように拘束しておくことで、その効率的な衝撃吸収性能を確保している。さらに同技術では、入力端部側となる右側において、各拘束部材10X,12Xを前後の各連結部BMで部分的に連結し、連結部間の各拘束部材10X,12X(図14の符号50Xで示す部分)で木材6Xを適度に拘束している。このような構成であると、連結部間に衝撃荷重Fが入力された際に、木材6Xのスムーズな圧壊が連結部BMで過度に邪魔されるといった事態を極力回避することができる。
特開2019‐89484号公報
ところでこの種の衝撃吸収部材では、衝撃荷重を受けた各拘束部材を、荷重入力方向に(適切な向きに)塑性変形させて、木材の圧壊に応じた座屈状態とすることが望ましい。例えば図15に示す公知技術の各拘束部材10X,12Xは、連結部BMの連結力によって木材6Xから離れる向きへの変形(図15の破線で示す変形)が極力阻止され、荷重入力方向に変形しやすい構成となっている。そしてこのような構成では、各拘束部材10X,12Xに対して、その適切な向きへの変形と、木材6Xの適度な拘束の両立が求められることがある。すなわち上述の構成では、一対の連結部BMの間の各拘束部材(50X)において、木材6Xを適度に拘束した状態とし、そのうえで当該拘束部材の適切な向きへの変形を促すことが求められる。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、木材のスムーズな圧壊を確保しつつ、連結部間の拘束部材の適切な向きへの変形を促すことにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の車両の衝撃吸収部材は、木材と、木材よりも硬い一対の拘束部材と、一対の拘束部材同士を連結し且つ各拘束部材を木材に取付けている連結部とを備えている。そして木材は、年輪の軸心方向が荷重の入力方向に沿うように配置されるとともに、荷重入力側に位置する入力端部を有している。また一対の拘束部材は、木材の入力端部側における平面視において、木材の入力端部を挟み付けるように対向して配置された状態で、両拘束部材の間に橋渡された一対の連結部で連結されている。そして本発明では、一対の連結部が、平面視において橋渡し方向と直交する方向に離間して配置されることで、一対の連結部の間に位置する各拘束部材に、連結部にて連結されていない非連結領域が形成されている。この種の構成では、木材のスムーズな圧壊を確保しつつ、連結部間の拘束部材の適切な向きへの変形を促すことが望ましい。
そこで本発明の非連結領域には、荷重入力の際に木材から離れる外側への変形を規制するように拘束部材を補強してその荷重入力方向への塑性変形を促す補強部が設けられている。本発明では、各拘束部材に非連結領域を設けることにより、木材を、そのスムーズな圧壊変形を確保できるように適度に拘束している。そのうえで非連結領域に設けられた補強部によって、各拘束部材の外側への変形を規制して荷重入力方向への塑性変形を促すことにより、優れた衝撃吸収性の確保に資する構成となっている。
第2発明の車両の衝撃吸収部材は、第1発明の車両の衝撃吸収部材において、各拘束部材は、各々、木材を臨む内側面と、内側面とは反対の外側面とを有し、補強部は、内側面と外側面の少なくとも一方から突出している。本発明では、補強部が、拘束部材の対応する面を補強するリブ又は桟として機能することで、各拘束部材の外側への変形をより確実に規制することができる。
第3発明の車両の衝撃吸収部材は、第2発明の車両の衝撃吸収部材において、補強部は、内側面と外側面の少なくとも一方を部分的に隆起させるように各拘束部材を突出方向に曲げ形成してなる部位である。本発明の補強部は、各拘束部材の対応する面を部分的に隆起させるように屈曲又は湾曲した部分であり、荷重入力方向に潰れるように塑性変形することが可能となっている。このため本発明では、補強部を起点として、非連結領域の各拘束部材の荷重入力方向への変形をより確実に促すことが可能となっている。
第4発明の車両の衝撃吸収部材は、第1発明〜第3発明のいずれかの車両の衝撃吸収部材において、補強部は、一対の連結部の一方から他方に向けて連続的に形成されている。本発明では、補強部を、非連結領域を概ね網羅するように一対の連結部の間に連続的に形成することで、各拘束部材の外側への変形をより広範囲に渡って規制することができる。
第5発明の車両の衝撃吸収部材は、第1発明〜第4発明のいずれかの車両の衝撃吸収部材において、衝撃吸収部材の外形が所定の方向に長尺な柱形状又は板形状とされており、一対の拘束部材は、長尺方向における各端側に位置する各連結部にて連結されている。本発明では、衝撃吸収部材の長尺方向における両端側に連結部をそれぞれ設け、非連結領域を相対的に大きくすることにより、木材を、そのスムーズな圧壊変形を確保できるように適度に拘束している。そしてこのような場合においても、非連結領域に設けられた補強部によって各拘束部材の荷重入力方向への変形を促すことができる。
本発明に係る第1発明によれば、木材のスムーズな圧壊を確保しつつ、連結部間の拘束部材の適切な向きへの変形を促すことができる。また第2発明によれば、連結部間の拘束部材の適切な向きへの変形をより確実に促すことができる。また第3発明によれば、連結部間の拘束部材の適切な向きへの変形を更に確実に促すことができる。また第4発明によれば、連結部間の拘束部材の適切な向きへの変形をより広範囲に渡って促すことができる。そして第5発明によれば、木材のスムーズな圧壊をより確実に確保しつつ、連結部間の拘束部材の適切な向きへの変形を促すことができる。
車両と衝撃吸収部材の概略上面図である。 衝撃吸収部材の斜視図である。 衝撃吸収部材を木材の入力端部側から見た平面図である。 図3のIV−IV線断面に相当する概略断面図である。 図3のV−V線断面に相当する概略断面図である。 補強部を示す衝撃吸収部材の拡大斜視図である。 荷重入力時の衝撃吸収部材の概略上面図である。 荷重入力時の衝撃吸収部材の概略断面図である。 変形例1の衝撃吸収部材の断面図である。 変形例2の衝撃吸収部材の断面図である。 変形例3の衝撃吸収部材の斜視図である。 実施形態2の衝撃吸収部材の斜視図である。 図12のXIII−XIII線断面に相当する概略断面図である。 従来の衝撃吸収部材の斜視図である。 従来の衝撃吸収部材の概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図13を参照して説明する。図1では、車両の前後方向と左右方向を示す矢線を図示する。また図2〜図13では、衝撃吸収部材が図1に示す車両に取付けられている状態を基準として、衝撃吸収部材の前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示する。なお図4、図5、図8及び図13では、便宜上、各拘束部材の厚み寸法(板厚)を誇張して図示する。そして各図には、木材の年輪の軸心方向を示す矢線(符号A)と、衝撃荷重の荷重入力方向を示す矢線(符号F)を適宜図示することがある。
[衝撃吸収部材]
図1に示す車両2では、後述する適宜の位置に衝撃吸収部材4が配設され、車両衝突時などに車両が受けた衝撃荷重(以下、単に荷重Fと呼ぶ)を吸収することが可能となっている。そして衝撃吸収部材4は、図2及び図5に示すように、木材6と、一対の拘束部材10,12と、複数の連結部21〜24と、一対の補強部31,32を有している(各構成の詳細は後述)。この衝撃吸収部材4では、車両2が受けた荷重Fを、木材6が荷重入力方向である左方に向けて圧壊することで吸収する。また一対の拘束部材10,12は、木材6を上下から挟み付けて拘束しつつ、これらの前端側と後端側に位置する連結部21〜24で部分的に連結されている。
そして図2に示す衝撃吸収部材4では、荷重Fが入力された各拘束部材10,12を、荷重入力方向に(適切な向きに)塑性変形させて、木材6の圧壊に応じた座屈状態とすることが望ましい。このため本実施形態では、後述するように各拘束部材10,12の適切な向きへの塑性変形を促すのであるが、この種の構成では、連結部(21,22等)間の各拘束部材10,12を、木材6を適度に拘束した状態で維持しつつ、そのうえで適切な向きへの変形を促すことが望ましい。そこで本実施形態では、後述する各補強部31,32によって、木材6のスムーズな圧壊を確保しつつ、連結部間の拘束部材10,12の適切な向きへの変形を促すこととした。以下、各構成について詳述する。
[車両に対する衝撃吸収部材の配設位置]
ここで図1の車両2に対する衝撃吸収部材4の配設位置は、荷重Fの入力が想定される車両2の適宜の位置に設定できる。例えば車両2は、車両の前後方向に対向している前部2a及び後部2bと、車幅方向である左右方向に対向している右側部2c及び左側部2dとを有している。そして衝撃吸収部材4は、車両2の各部2a〜2dの適宜の位置に配設することが可能であり、必要に応じて車両2の内部に配設することもできる。例えば本実施形態では、車両側突時の荷重Fを衝撃吸収部材4で吸収する場合を想定し、衝撃吸収部材4を車両2の右側部2cと左側部2dに配設しておく(図1では、便宜上、右側部の衝撃吸収部材のみ図示する)。そして車両2の右側部2c等には、車両ボディの一部をなす金属製のボディ3が配置されており、このボディ3の右側に衝撃吸収部材4が取付けられている。なお車両2に対する衝撃吸収部材4の取付け手法は特に限定しないが、典型的には締結や溶接などの手法を例示できる。例えば本実施形態では、衝撃吸収部材4の周縁側に図示しないボルト材を挿設するとともに、これらボルト材を介して衝撃吸収部材4をボディ3等に締結して取付けている。
[木材]
木材6は、図2〜図4を参照して、衝撃吸収部材4の芯部となる部材であり、車両側突時の荷重Fによって変形することができる。この木材6は、図1の車両2に配設された状態において、図4に示すように年輪の軸心方向Aが荷重Fの入力方向(各図の左右方向)とほぼ一致するように配置されている。このため衝撃吸収部材4では、車両側突時の荷重Fを、木材6が年輪の軸心方向Aに圧縮しつつ潰れる(圧壊する)ことで良好に吸収することが可能となっている。なお木材6は、スギやヒノキやマツなどの針葉樹、ケヤキやブナなどの広葉樹から採取することが可能であり、特に相対的に年輪がはっきりしている針葉樹から採取することが望ましい。
そして木材6は、図1〜図4に示すように板形状又は柱形状に形成されており、上方視で前後方向(所定の方向)に長尺な略長方形状をなし且つ適度な上下の厚み寸法を有している。この木材6は、図3及び図4を参照して、上下方向に対向配置する上面8a及び下面8bと、周端面をなす四つの端面(右端面8c,左端面8d,前端面8e,後端面8f)を有している。ここで図3に示す木材6の前端面8eは、木材6の短辺をなして最も車両2の前側に配置する部分であり、後端面8fは、木材6の短辺をなして最も車両2の後側に配置する部分である。これら前端面8eと後端面8fの左右の長さは、木材6の左右の寸法を規定し、木材6に求められる衝撃吸収性能に応じて適宜設定可能である。そして前端面8e側と後端面8f側は、本発明の衝撃吸収部材4の長尺方向における各端側に相当し、後述する連結部が配設されることとなる。このため木材6の前端面8e側には、図3及び図4に示すように連結部用の左右一対の貫通孔6Hが設けられ、木材6の後端面8f側にも、連結部用の左右一対の貫通孔6Hが設けられている。そして連結部用の各貫通孔6Hは、それぞれ対応する連結部を挿通可能な径寸法を有して、木材6を上下に貫通して上面8aと下面8bとに開口している。
また図4に示す木材6の右端面8cは、木材6の長辺をなして最も車両2の外側(各図の右側)に配置する平坦な端面であるとともに、車両側突時の荷重F入力側に位置する木材6の入力端部となっている。また左端面8dは、木材6の長辺をなして最も車両2の内側(各図の左側)に配置する平坦な端面であるとともに、入力端部の反対に位置する木材6の基端部となっている。ここで右端面8cと左端面8dの前後の長さは、木材6の前後の寸法を規定するとともに、他の周端面8e,8fに比して長尺とされている。そして木材6は、後述するように、その長辺をなす右端面8cによって、幅広い範囲で荷重Fを受け止めることが可能となっている。
[一対の拘束部材]
一対の拘束部材(上側拘束部材10,下側拘束部材12)は、図2〜図4を参照して、それぞれ木材6を拘束するための部材である。これら上側拘束部材10と下側拘束部材12は、いずれも略矩形状の板材(同形同寸)で構成されており、これらの外形は、木材6の上下の各面8a,8bの外形に概ね一致している。そして各拘束部材10,12は、木材6よりも硬い素材で形成されているとともに、荷重Fの入力によって塑性変形することができる。この種の素材として、塑性変形可能な各種の素材を用いることができ、相対的に硬く且つ強度性に優れる金属(合金を含む)を用いることができる。なお金属の種類は、塑性変形可能である限り特に限定しないが、アルミニウムや鉄や鋼やステンレスなどの各種金属を例示でき、なかでも軽量なアルミニウムを素材として用いることが望ましい。
そして一対の拘束部材10,12は、木材6の右端面8c(入力端部側)から見た図3の平面視において、木材6を上下方向から挟み付けるように対向して配置されている。この状態の上側拘束部材10は、図4に示すように木材6の年輪の軸心方向Aに沿って配置され、木材6の上面8aの略全面を覆っている。そして上側拘束部材10では、その下側の下内側面10aが木材6を臨むように配置されて概ね全面で接しており、その上側の上外側面10bが外部に露出している。また上側拘束部材10の右端10cは、左右方向において木材6の右端面8cに概ね一致して配置され、上側拘束部材10の左端10dは、木材6の左端面8dに概ね一致して配置されている。そして上側拘束部材10の前端側と後端側とには、各々、連結部用の複数の貫通孔10Hが設けられ、各貫通孔10Hは、それぞれ上側拘束部材10を上下に貫通して木材6の対応する連結部用の貫通孔6Hに対面配置されている。
また図4に示す下側拘束部材12は、木材6の年輪の軸心方向Aに沿って配置され、木材6の下面8bの略全面を覆っている。この状態の下側拘束部材12では、その上側の上内側面12aが木材6に接しており、その下側の下外側面12bが外部に露出している。また下側拘束部材12の右端12cは、左右方向において木材6の右端面8cに概ね一致して配置され、下側拘束部材12の左端12dも、木材6の左端面8dに概ね一致して配置されている。そして下側拘束部材12にも、木材6の連結部用の各貫通孔6Hと概ね同位置に連結部用の複数の貫通孔12Hが設けられている。
[連結部]
そして図2を参照して、一対の拘束部材10,12は、複数の連結部(一対の右連結部21,22,一対の左連結部23,24)を介して連結された状態で木材6に取付けられている。すなわち各連結部21〜24は、一対の拘束部材10,12同士を連結するとともに、各拘束部材10,12を木材6に取付けている部材である。なお各連結部21〜24の素材は、適度な強度を備えていれば特に限定しないが、典型的には拘束部材で例示の素材を用いることができる。そして各連結部21〜24は、いずれも上下方向に長尺なボルト状の部材であり、概ね同一の基本構成を有している。例えば図4に示す前側の右連結部21は、上下に延びる軸状の部材であって、上側の端部には相対的に径大とされた頭部HMが設けられ、さらに下側の端部にはナットNTを螺合できる。
ここで図2に示す各連結部21〜24の配設手法は略同一であるため、以下に、前側の右連結部21を一例にその詳細を説明する。そして図4を参照して、一対の拘束部材10,12を、木材6を挟み付けるように対向配置した場合、これら部材の対応する連結部用の貫通孔6H,10H,12Hが概ね同軸上に配置される。そこで前側の右連結部21の軸部分を、上側拘束部材10の貫通孔10Hから挿入し、当該貫通孔10Hの周縁に頭部HMを掛止した状態としておく。また前側の右連結部21の軸部分は、木材6の貫通孔6Hを通じて下側拘束部材12の貫通孔12Hに挿通され、さらに下側拘束部材12から突出している軸部分にナットNTが螺合される。こうして配設された前側の右連結部21によって、一対の拘束部材10,12同士が連結され、さらに各拘束部材10,12が木材6に取付けられることとなる。そして同様の手法にて、図2に示すその他の連結部22〜24を、木材6と各拘束部材10,12の適宜の位置に配設することができる。
こうして各連結部21〜24は、図2〜図4を参照して、上下方向に木材6を貫通した状態で、両拘束部材10,12の間に橋渡されて配設される。そして一対の右連結部21,22は、相対的に木材6の右端面8c側に配設されているとともに、前後に大きく離間した状態とされて各拘束部材10,12同士を連結している。すなわち図3に示す平面視において、前側の右連結部21は、木材6の前端面8e側に配設され、後側の右連結部22は、木材6の後端面8f側に配設されている。そして本実施形態では、衝撃吸収部材4の上下方向が、本発明の「木材の入力端部側における平面視において(連結部の)橋渡し方向」に相当する。また衝撃吸収部材の前後方向が、本発明の「平面視における(連結部の)橋渡し方向と直交する方向」に相当する。そして図2に示す一対の左連結部23(24)も、各右連結部21(22)に倣って前後に大きく離間した状態で、相対的に木材6の左端面8d側に配設されている。
[非連結領域]
そして図3を参照して、各右連結部21,22の間の各拘束部材10,12には、木材6の入力端側において連結部にて連結されていない非連結領域50が形成される。この非連結領域50は、各右連結部21,22が存在しない領域であり、本実施形態ではこれらの連結力が作用する領域(右連結部の近傍)を除くように設定している。そして非連結領域50は、各右連結部21,22が存在しないため、各右連結部21,22によって木材6のスムーズな圧壊が過度に邪魔されるといった事態が極力回避されている。そこで本実施形態では、各拘束部材10,12に大きな非連結領域50を意図的に設け、一対の拘束部材10,12で木材6を適度に拘束することにより、木材6のスムーズな圧壊を確保することが可能となっている。さらに衝撃吸収部材4では、非連結領域50を大きくすることで、連結部の配設数を極力抑えることができ、軽量化と製造コストの低減に資する構成となっている。
[補強部]
そして図3を参照して、上側拘束部材10の非連結領域50には上側補強部31が形成されており、下側拘束部材12の非連結領域50には下側補強部32が形成されている。これら各補強部31,32は、荷重入力の際において、木材6から離れる外側への変形を規制するように各拘束部材10,12を補強する部位であり、その結果として各拘束部材10,12の荷重入力方向への塑性変形を促す部位でもある。そして各拘束部材10,12には、概ね同一基本構成の補強部が形成されているため、以下に、専ら上側拘束部材10の上側補強部31を一例にその詳細を説明する。
図2及び図3に示す上側拘束部材10では、上側補強部31が、木材6の右端面8c側に近接して形成されている。この上側補強部31は、上側拘束部材10の上外側面10bが部分的に隆起した凸状部位であり、非連結領域50を概ね網羅するように一対の右連結部21,22の一方から他方に向けて連続的に形成されている。そして上側補強部31は、上側拘束部材10の上外側面10bから突出するリブとして機能し、外側(各図の上側)への変形を規制するように上外側面10bの剛性(面外剛性)を向上させている。例えば本実施形態の上側補強部31は、図5を参照して、上側拘束部材10を概ねコ字状をなすように突出方向(図5の上側)に屈曲形成することで形成されている。そして上側補強部31は、上側で起立する上側壁31aと、下側で起立する下側壁31bと、両側壁の上側に渡されている天井壁31cとを有している。
[補強部の形成位置及び突出寸法]
ここで図6を参照して、上側補強部31の形成位置は、衝撃吸収部材4の衝撃吸収性に応じて設定でき、典型的には木材6の右端面8c(入力端面)に近い位置に設定できる。なお上側補強部31の形成位置の設定手法は特に限定しないが、例えば本実施形態では、木材6の左右の寸法を基準に当該形成位置を設定している。すなわち木材6の右端面8cから左端面8dまでの距離を基準距離H0とし、上側補強部31の形成可能な領域を、右端面8cからの距離(第一距離H1)で規定する。このとき第一距離H1を、基準距離H0の1/3以下、好ましくは1/3程度(H1≒1/3×H0)に設定することで、衝撃吸収部材4の衝撃吸収性を確保することができる。さらに図5及び図6に示す上側補強部31の突出寸法P(上外側面10bから天井壁31cまでの距離)も、上外側面10bの剛性(面外剛性)を確保できるならば特に限定しないが、典型的には上側拘束部材10の強度等に応じて設定できる。例えばアルミニウム製の上側拘束部材10(厚み寸法T)を用いる場合、上側補強部31の突出寸法Pを、厚み寸法Tの二倍以下(D≦2×T)に設定する。こうすることで、上外側面10bの剛性(面外剛性)を確保しつつ、さらに上側拘束部材10の適切な向きへの塑性変形をより確実に促すことが可能となる。
そして図5に示す下側拘束部材12においても、下側補強部32が、木材6の右端面8c側に近接して形成されている。この下側補強部32は、下側拘束部材12の下外側面12bが部分的に隆起した凸状部位であり、上側補強部31と上下対称となるように形成されている。そして下側補強部32も、下側拘束部材12を概ねコ字状に屈曲形成することで形成されており、別の上側壁32aと、別の下側壁32bと、別の天井壁32cとを有している。このため下側補強部32も、下側拘束部材12の下外側面12bから突出するリブとして機能し、外側(各図の下側)への変形を規制するように下外側面12bの剛性(面外剛性)を向上させている。
[衝撃吸収部材の衝撃吸収態様]
図1及び図2に示す衝撃吸収部材4によって、車両の衝突時などに車両の右側部2cに入力された荷重Fを吸収する。例えば本実施形態では、車両2の側突時において、図7及び図8を参照して、衝突物X(例えば電柱などの円筒状の物体)が衝突した場合を想定する。このとき衝撃吸収部材4では、衝突物Xとの衝突の際の荷重Fを、木材6が年輪の軸心方向Aに向けて圧壊することで吸収する。また木材6の年輪の軸心方向Aに沿って亀裂が入った場合、木材6を上下から挟み付けている一対の拘束部材10,12によって、木材6が極力割裂しないように拘束する。そして本実施形態では、木材6のスムーズな圧壊を確保するため、非連結領域50を意図的に大きくして木材6を適度に拘束している。この種の衝撃吸収部材4では、上述の非連結領域50に荷重Fが入力される場合、一対の右連結部21,22の間の各拘束部材10,12を、木材6を適度に拘束した状態で維持しつつ、適切な向きに塑性変形させることが望ましい。
そこで本実施形態では、図5、図7及び図8を参照して、非連結領域50の各拘束部材10(12)に対応する補強部31(32)がそれぞれ設けられている。そして各補強部31(32)によって、荷重入力の際に木材6から離れる外側への変形を規制するように各拘束部材10(12)を補強して、これらの荷重入力方向への塑性変形を促すこととしている。ここで各拘束部材10(12)は、概ね同様の挙動で荷重Fを吸収することができる。そこで以下に、上側拘束部材10を一例に、非連結領域50における荷重Fの吸収態様について詳細に説明する。
図7及び図8に示す衝撃吸収部材4では、非連結領域50に衝突物Xが衝突した場合、その際の荷重Fを、木材6がその右端面8c(入力端部)側で受け止める。つづいて木材6が、車両の内側である左方に(荷重入力方向に)圧壊すると同時に、上側拘束部材10が荷重入力方向に向けて塑性変形していく。すなわち上側拘束部材10では、上述したように上側補強部31がリブとして機能し、外側(各図の上側)への変形を規制するように面外剛性を向上させている。このため荷重Fを受けた上側拘束部材10では、外側への変形が上側補強部31で規制される結果、荷重Fを吸収するために荷重入力方向への(適切な向きへの)塑性変形が促されることとなる。さらに本実施形態では、屈曲形成された上側補強部31が上下に容易に潰れることができ、この上側補強部31を起点として、上側拘束部材10が荷重入力方向にスムーズに塑性変形して、木材6の圧壊に応じた座屈状態となっていく。こうして本実施形態の衝撃吸収部材4では、上側拘束部材10を、木材6とともに適切な向きに塑性変形させていくことで、優れた衝撃吸収性の確保に資する構成となっている。そして上側拘束部材10は、衝突物Xの外形に倣った円弧形状にスムーズに塑性変形し、衝突物Xの形状等に応じた荷重吸収性を発揮できる。
以上説明した通り本実施形態では、各拘束部材10,12に非連結領域50を設けることにより、木材6を、そのスムーズな圧壊変形を確保できるように適度に拘束している。そのうえで非連結領域50に設けられた各補強部31(32)によって、各拘束部材10(12)の外側への変形を規制して荷重入力方向への塑性変形を促すことにより、優れた衝撃吸収性の確保に資する構成となっている。このため本実施形態によれば、木材6のスムーズな圧壊を確保しつつ、連結部間の拘束部材10,12の適切な向きへの変形を促すことができる。
さらに本実施形態では、各補強部31(32)が、拘束部材10(12)の対応する面10b(12b)を補強するリブとして機能することで、各拘束部材10(12)の外側への変形をより確実に規制することができる。特に本実施形態の補強部31(32)は、各拘束部材10(12)の対応する面10b(12b)を部分的に隆起させるように屈曲してなる部分であり、荷重入力方向に潰れるように塑性変形することが可能となっている。このため、各補強部31(32)を起点として、非連結領域50の各拘束部材10(12)の荷重入力方向への変形をより確実に促すことができる。また本実施形態では、各補強部31(32)を、非連結領域50を概ね網羅するように一対の連結部(21,22)の間に連続的に形成することで、各拘束部材10(12)の外側への変形をより広範囲に渡って規制することができる。そして本実施形態では、衝撃吸収部材4の長尺方向における両端側に連結部(21,22)をそれぞれ設け、非連結領域50を相対的に大きくすることにより、木材6を、そのスムーズな圧壊変形を確保できるように適度に拘束している。そしてこのような場合においても、非連結領域50に設けられた各補強部31(32)によって各拘束部材10(12)の荷重入力方向への変形を促すことができる。
[変形例1]
ここで補強部の構成は、上述の構成のほか、各種の構成をとり得る。例えば図9に示す変形例1の衝撃吸収部材4Aでは、各拘束部材10,12が、実施形態1と概ね同一の基本構成を有しているが、各補強部31A(32A)が、各拘束部材の各外側面10b(12b)を部分的に肉盛りすることで形成されている点が実施形態1と異なっている。そして本変形例においても、肉盛りされて形成された補強部31A(32A)が、各拘束部材の各外側面10b(12b)から突出するリブとして機能し、外側への変形を規制するように各外側面10b(12b)の剛性を向上させている。また本変形例では、各拘束部材の内側面10a(12a)がそのままの状態で残っているため、木材6の対応する面8a(8b)に安定的に当接させておくことができ、優れた拘束性の確保に資する構成となっている。なお補強部31A(32A)の形成手法は特に限定しないが、鋳造や切削の過程で形成でき、肉盛溶接やロウ接などの手法で各拘束部材10,12に後付けすることも可能である。
[変形例2]
また図10に示す変形例2の衝撃吸収部材4Bでは、拘束部材10,12とは別体の部材が後付けされ、この別体としての部材によって補強部31B(32B)が形成されている点が実施形態1と異なっている。ここで補強部31B(32B)を構成する部材は、適度な強度を有する板状又は柱状の部材(典型的に金属製)であり、溶接や締結などの手法によって各拘束部材10(12)に固定しておくことができる。そして本変形例では、補強部31B(32B)が各拘束部材の各外側面10b(12b)から突出する桟として機能し、外側への変形を規制するように各外側面10b(12b)の剛性を向上させている。なお本変形例では、必要に応じて剛性や突出寸法Pの異なる複数種類の補強部(別体としての部材)を用意しておくこともできる。そしてこれら複数種類の補強部の中から、衝撃吸収性や車両側の収容スペース等を考慮して使用すべき補強部31B(32B)を選択して各拘束部材10(12)に固定することができる。
[変形例3]
また図11に示す変形例3の衝撃吸収部材4Cは、木材6(実施形態と同一構成)と、一対の拘束部材10,12(実施形態と同一構成)と、一対の連結部21A〜24Aとを有している。そして本変形例では、各連結部21A〜24Aが、概ねコ字状の板材で構成され且つ木材6を貫通していない点が実施形態1と異なっている。
そして図11に示す前側の右連結部21Aは、木材6の右端面8cと各拘束部材10,12をその右端側で上下に横断している(橋渡しされている)コ字状の板材であり、上下一対の屈曲端部21a,21bを有している。この前側の右連結部21Aでは、上下一対の屈曲端部21a,21bによって、一対の拘束部材10,12を外方から挟み付けて連結している。すなわち上側の屈曲端部21aは、前側の右連結部21Aの上縁が左方に屈曲している部分であり、上側拘束部材10に沿った状態で溶接等の手法で固定されている。また下側の屈曲端部21bは、前側の右連結部21Aの下縁が左方に屈曲している部分であり、下側拘束部材12に沿った状態で固定されている。また後側の右連結部22Aは、木材6の右端面8cと各拘束部材10,12をその左端側で上下に横断しているコ字状の板材である。そして後側の右連結部22Aにも、上下一対の屈曲端部22a,22bが設けられており、これら各屈曲端部22a,22bによって、一対の拘束部材10,12を外方から挟み付けて連結している。
また図11に示す前側の左連結部23Aは、木材6の左端面8dと各拘束部材10,12をその左端側で上下に横断しているコ字状の板材であり、上下一対の屈曲端部23a,23bを有している。そして前側の左連結部23Aも、上下一対の屈曲端部23a,23bによって、一対の拘束部材10,12を外方から挟み付けて連結している。すなわち上側の屈曲端部23aは、前側の左連結部23Aの上縁が右方に屈曲している部分であり、上側拘束部材10に沿った状態で固定されている。また下側の屈曲端部23bは、前側の左連結部23Aの下縁が右方に屈曲している部分であり、下側拘束部材12に沿った状態で固定されている。また後側の左連結部24Aは、木材6の左端面8dと各拘束部材10,12をその左端側で上下に横断しているコ字状の板材である。そして後側の左連結部24Aにも、上下一対の屈曲端部24a,24bが設けられており、これら各屈曲端部24a,24bによって、一対の拘束部材10,12を外方から挟み付けて連結している。
そして本変形例においても、木材6を挟み付けるように一対の拘束部材10,12を対向配置し、これら一対の拘束部材10,12を、各連結部21A〜24Aによって連結し且つ木材6に取付けている。このため本変形例においても、実施形態1と同様に、衝撃吸収部材4Aの木材6を、荷重入力時におけるスムーズな変形をより確実に確保しつつ拘束することができる。特に本変形例では、木材6に貫通部用の貫通孔を設けなくとも良いため、木材6の剛性を適切に維持できるとともに、各連結部21A〜24Aの配設作業を簡便に行うことができる。なお本変形例では、各連結部21A〜24Aを、木材6の前端面8eと後端面8fを横断するように木材6の前後端に設けることもできる。なお本変形例では、左右の各連結部21A,23A(22A,24A)を一つなぎとして枠状に形成することも可能である。
[実施形態2]
図12及び図13に示す実施形態2の衝撃吸収部材4Dでは、実施形態1の衝撃吸収部材とほぼ同一の基本構成を備える構成については、対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。実施形態2の衝撃吸収部材4Dは、木材6(実施形態1と同一構成)と、一対の拘束部材10,12と、複数の連結部21〜24(実施形態1と同一構成)とを有している。そして本実施形態では、各補強部(上側補強部31D,下側補強部32D)が、対応する拘束部材10,12の右端側に設けられたフランジ状の部位である点が実施形態1と異なっている。
すなわち本実施形態では、図12に示す上側拘束部材10の非連結領域50の右端側に、下方に向けて屈曲するフランジ状の上側補強部31Dが設けられている。また下側拘束部材12の非連結領域50の右端側に、上方に向けて屈曲するフランジ状の下側補強部32Dが設けられている。そして上側補強部31Dと下側補強部32Dとは、いずれも前後方向に長尺な矩形状の板状部位であり、木材6の右端面8cに沿って配置されている。また上側補強部31Dと下側補強部32Dとは、木材6の右端面8cに対する荷重Fの入力が可能なように分断された状態となっている。例えば本実施形態では、上側補強部31Dと下側補強部32Dが適宜の間隔で上下に離間しており、これらの間から木材6の右端面8cが露出している。
[補強部の突出寸法]
ここで図13を参照して、各補強部31D(32D)の突出寸法P1は、各外側面10b(12b)の剛性を確保できるならば特に限定しないが、木材6の右端面8cに対する荷重Fの入力が可能なように設定することが望ましい。例えば本実施形態のように各補強部31D,32Dを対称形状とした場合、各補強部31D,32Dの突出寸法P1を、各拘束部材10,12の間の離間寸法D1の二倍以下に設定することが望ましい。なお各補強部31D,32Dの突出寸法を異ならせてこれらを非対称形状とすることもでき、この場合においても、これらを分断させておくことが望ましい。
そして本実施形態の衝撃吸収部材4Dにおいても、非連結領域50に衝突物Xが衝突した場合、その際の荷重Fを、両補強部31D,32Dの間から露出した木材6が受け止める。つづいて木材6が、車両の内側である左方に(荷重入力方向に)圧壊すると同時に、各拘束部材10,12が荷重入力方向に向けて塑性変形していく。そして各拘束部材10(12)においても、対応する補強部31D(32D)がリブとして機能し、外側への変形を規制するように剛性が向上している。このため荷重Fを受けた各拘束部材10(12)においても、外側への変形が各補強部31D(32D)で規制される結果、荷重Fを吸収するために荷重入力方向への(適切な向きへの)塑性変形が促されることとなる。こうして本実施形態の衝撃吸収部材4Dにおいても、各拘束部材10(12)を、木材6とともに適切な向きに塑性変形させていくことで、優れた衝撃吸収性の確保に資する構成となっている。さらに本実施形態では、各補強部31D,32Dが、対応する拘束部材10,12の右端側を屈曲させることで形成できるため、製造時の手間を省くことが可能となり、製造コストの削減に資する構成となっている。
本実施形態の衝撃吸収部材4等は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。例えば本実施形態では、木材6と各拘束部材10,12の構成(形状,寸法,配置関係など)を例示したが、各部材の構成を限定する趣旨ではない。例えば木材は、立方体や直方体などの各種立体形状を取り得るとともに、荷重の入力方向に応じてその配置位置を設定することができる。また各拘束部材も、木材の適宜の位置に配置することができ、例えば本実施形態の衝撃吸収部材では、木材の上面と下面と前面と後面の適宜の位置に配置することができる。そして衝撃吸収部材は、衝突物に直接衝突する構成としてもよく、衝突物と間接的に衝突する構成としてもよい。例えば衝撃吸収部材を、車両のフロントメンバとサイドメンバの間に介装して固定することで、衝突物に間接的に衝突する構成とすることができる。また本実施形態の車両の構成も適宜変更可能であり、ボディの構成も車両に合わせて適宜変更可能である。そして車両側の構成に応じて、衝撃吸収部材の取付け手法を選択でき、木材の基端部の少なくとも一部をボディに接した状態としてもよく、ボディに非接触状態としておくことも可能である。
また本実施形態及び各変形例では、各連結部21〜24等の構成(形状,寸法,配置位置など)を例示したが、各連結部の構成を限定する趣旨ではない。例えば連結部は、ボルト状の軸部材や板状の部材のほか、クリップ状の部材(貫通孔の周縁に係止可能な係止部を有する軸状の部材)やキャップ状の部材で構成されていてもよく、各連結部の両端を対応する拘束部材に溶接などの手法で固定することもできる。また連結部を、拘束部材の一部に一体的に設けておくこともできる。例えば一方の拘束部材の内面に軸状の連結部を立設しておき、この連結部を、他方の拘束部材に締結などの手法で固定することができる。また右連結部と左連結部のように一対の連結部を複数組設けることができ、一対の連結部を単数設けることもできる。
また本実施形態では、各補強部31,32等の構成を例示したが、補強部の構成を限定する趣旨ではない。例えば補強部を、対応する拘束部材に断続的に形成することができる。また補強部の外形も、直線状や曲線状や段差状などの各種の形状を取り得るとともに、断続的に形成する場合には、各種の幾何学的な形状とすることができる。また拘束部材を曲げ形成して補強部を形成する場合、補強部は、断面でコ字状のほか、三角形状などの多角形状や、半円形状や楕円形状など各種の形状をとり得る。そして補強部は、各拘束部材に単数又は3以上設けることができ、補強部を複数設ける場合にはこれらを荷重入力方向に並べて形成することができる。また補強部は、各拘束部材の外側面と内側面の少なくとも一方に形成でき、内側面に形成する場合には、補強部を、木材に設けた孔部又は溝部に挿入しておくことができる。そして補強部は、衝突物の形状に応じた形状を取ることができ、例えば電柱などの円筒状の衝突物を想定した場合には補強部を円弧形状に形成することができる。そして実施形態の衝撃吸収部材の構成と、各変形例の衝撃吸収部材の構成は、適宜組み合わせて用いることができる。
2cX 公知技術の車両の右側部
4X 公知技術の衝撃吸収部材
6X 公知技術の木材
10X,12X 公知技術の拘束部材
BM 公知技術の連結部
2 車両
2a 車両の前部
2b 車両の後部
2c 車両の右側部
2d 車両の左側部
3 ボディ
4 衝撃吸収部材
6 木材
6H 連結部用の貫通孔
8a 木材の上面
8b 木材の下面
8c 木材の右端面
8d 木材の左端面
8e 木材の前端面
8f 木材の後端面
10 上側拘束部材
10a 上側拘束部材の下内側面
10b 上側拘束部材の上外側面
10c 上側拘束部材の右端
10d 上側拘束部材の左端
10H 連結部用の貫通孔
12 下側拘束部材
12a 下側拘束部材の上内側面
12b 下側拘束部材の下外側面
12c 下側拘束部材の右端
12d 下側拘束部材の左端
12H 連結部用の貫通孔
21 前側の右連結部
22 後側の右連結部
23 前側の左連結部
24 後側の左連結部
HM 頭部
NT ナット
31 上側補強部
31a 上側補強部の上側壁
31b 上側補強部の下側壁
31c 上側補強部の天井壁
32 下側補強部
32a 下側補強部の上側壁
32b 下側補強部の下側壁
32c 下側補強部の天井壁
50 非連結領域
4A 変形例1の衝撃吸収部材
31A,32A 変形例1の補強部
4B 変形例2の衝撃吸収部材
31B,32B 変形例2の補強部
4C 変形例3の衝撃吸収部材
21A 変形例3の前側の右連結部
22A 変形例3の後側の右連結部
23A 変形例3の前側の左連結部
24A 変形例3の後側の左連結部
4D 実施形態2の衝撃吸収部材
31D 実施形態2の上側補強部
32D 実施形態2の下側補強部
F 荷重(衝撃荷重)
X 衝突物

Claims (5)

  1. 木材と、前記木材よりも硬い一対の拘束部材と、前記一対の拘束部材同士を連結し且つ各拘束部材を前記木材に取付けている連結部とを備え、
    前記木材は、年輪の軸心方向が荷重の入力方向に沿うように配置されるとともに、荷重入力側に位置する入力端部を有し、
    前記一対の拘束部材は、前記木材の入力端部側における平面視において、前記木材の入力端部を挟み付けるように対向して配置された状態で、両拘束部材の間に橋渡された一対の連結部で連結されている車両の衝撃吸収部材において、
    前記一対の連結部が、前記平面視において橋渡し方向と直交する方向に離間して配置されることで、前記一対の連結部の間に位置する前記各拘束部材に、連結部にて連結されていない非連結領域が形成されており、
    前記非連結領域には、荷重入力の際に前記木材から離れる外側への変形を規制するように前記各拘束部材を補強してその荷重入力方向への塑性変形を促す補強部が設けられている車両の衝撃吸収部材。
  2. 前記各拘束部材は、各々、前記木材を臨む内側面と、前記内側面とは反対の外側面とを有し、前記補強部は、前記内側面と前記外側面の少なくとも一方から突出している請求項1に記載の車両の衝撃吸収部材。
  3. 前記補強部は、前記内側面と前記外側面の少なくとも一方を部分的に隆起させるように前記各拘束部材を突出方向に曲げ形成してなる部位である請求項2に記載の車両の衝撃吸収部材。
  4. 前記補強部は、前記一対の連結部の一方から他方に向けて連続的に形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両の衝撃吸収部材。
  5. 衝撃吸収部材の外形が所定の方向に長尺な柱形状又は板形状とされており、
    前記一対の拘束部材は、長尺方向における各端側に位置する各連結部にて連結されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両の衝撃吸収部材。
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