JP2021083414A - セルラーゼの製造方法およびそれを用いたグルコースの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】セルラーゼ生産能を有するトリコデルマ属糸状菌の培養方法を改良することにより、バイオマスをグルコースに加水分解するバイオマス分解活性の高いセルラーゼを提供すること。【解決手段】セルラーゼの製造方法は、トリコデルマ属糸状菌を培養し、該トリコデルマ属糸状菌にセルラーゼを生産させることを含み、ラクトースを250g/L以上で溶解させたラクトース含有アンモニア水を、トリコデルマ属糸状菌の培養中に培養物に添加することを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、トリコデルマ属糸状菌を用いたセルラーゼの製造方法およびそれを用いたバイオマスからのグルコースの製造方法に関する。
トリコデルマ属糸状菌は、高いセルラーゼ生産能を有していることが知られており、トリコデルマ属糸状菌を培養することによるセルラーゼの生産検討が行われている。トリコデルマ属糸状菌は、セルロース、ラクトース、セロビオースなどを誘導物質としてセルラーゼを生産するが、トリコデルマ属糸状菌が生産するセルラーゼは様々な加水分解酵素の混合物であることが知られている。
セルロースを含むバイオマスを、セルラーゼを用いて分解することで、発酵原料であるグルコースが製造され、このグルコースを用いてセルラーゼの生産性を高める方法や、セルラーゼの酵素活性を向上させる検討が行われている。この時、バイオマス分解活性の高いセルラーゼが求められており、トリコデルマ属糸状菌に遺伝子組換えにより特定の酵素を発現させることでバイオマス分解活性を強化するなどの検討が多々行われている。
特許文献1では、トリコデルマ・リーセイを遺伝子組換えし、グロメレラ・グラミニコラ由来β−グルコシダーゼを発現させることでバイオマス分解活性を向上させた例が開示されている。
非特許文献1では、アスペルギルス・ニガー由来β−グルコシダーゼをトリコデルマ・リーセイ培養液に加えてバイオマス分解活性を向上させた例およびトリコデルマ・リーセイを遺伝子組換えし、アスペルギルス・アクリータス由来β−グルコシダーゼを発現させることでバイオマス分解活性を向上させた例が開示されている。
また、非特許文献2では、上記の組換体のトリコデルマ属糸状菌を培養する際に、培養液を中和するためのアンモニア水にセルラーゼの誘導物質であるラクトースを溶解させて用いる方法が開示されている。
特表2017―532967号公報
Journal of Bioscience and Bioengineering、Volume120、No.6、657−665、2015 Joudier et al. Micorobial Cell Factories 2012, 11:70
本発明者らは、セルラーゼ生産能を有するトリコデルマ属糸状菌の培養方法を改良することにより、バイオマスをグルコースに加水分解するバイオマス分解活性の高いセルラーゼを提供することを課題とした。
本発明者らは、バイオマスをグルコースに加水分解する活性の高いセルラーゼが生産可能となるトリコデルマ属糸状菌の培養方法を鋭意検討した。まず、後述のとおり、非特許文献2に記載の方法を参考に培養試験を行い、0.3%のアンモニア水にラクトースを50g/Lの濃度になるように溶解させた溶液を用いて、培養試験を行ったが、セルラーゼの生産量や、バイオマスをグルコースにまで分解するバイオマス分解活性の向上は確認されなかった。本発明者らは、さらに検討を重ね、ラクトースをアンモニア水に溶解させると、水への飽和溶解度以上に溶解することを見出した。さらに、ラクトースを250g/L以上で溶解させたアンモニア水を培養中に添加することにより、製造されたセルラーゼのバイオマス分解活性の高いセルラーゼが生産可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(6)を提供する。
(1)トリコデルマ属糸状菌を培養し、該トリコデルマ属糸状菌にセルラーゼを生産させることを含むセルラーゼの製造方法であって、ラクトースを250g/L以上で溶解させたラクトース含有アンモニア水を、前記トリコデルマ属糸状菌の培養中に培養物に添加することを含む、セルラーゼの製造方法。
(2)前記ラクトース含有アンモニア水を添加することにより、前記培養物のpHを3.5以上7.0以下に維持することを含む、(1)記載の方法。
(3)前記培養物のpHを4.0以上6.0以下に維持することを含む、(2)記載の方法。
(4)前記ラクトース含有アンモニア水が、アンモニア濃度10%(w/v)以上のアンモニア水を用いて調製されたものである、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)前記トリコデルマ属糸状菌が、トリコデルマ・リーセイである(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)(1)から(5)のいずれかに記載のセルラーゼを用いてバイオマスを糖化することを含む、グルコースの製造方法。
本発明のセルラーゼはバイオマス分解活性が向上しており、セルラーゼを用いたバイオマス糖化時により多くのグルコースを得ることが可能である。
本発明におけるトリコデルマ属糸状菌は、トリコデルマ属に属し、セルラーゼを生産する能力を有していれば特に制限はない。好ましくはトリコデルマ・リーセイ(Trichoderma reesei)である。また、トリコデルマ属に由来し、変異剤あるいは紫外線照射などで変異処理を施し、セルラーゼの生産性が向上した変異株を利用してもよい。例えば、トリコデルマ属糸状菌のセルラーゼの生産性が向上した変異株の具体例は、トリコデルマ・リーセイの先祖にあたるトリコデルマ・パラリーセイ(ATCC MYA−4777)、トリコデルマ・リーセイに由来する公知の変異株であるQM6a株(NBRC31326)、QM9123株(ATCC24449)、QM9414株(NBRC31329)、PC−3−7株(ATCC66589)、QM9123株(NBRC31327)、RutC−30株(ATCC56765)、CL−847株(Enzyme.Microbiol.Technol.10,341−346(1988))、MCG77株(Biotechnol.Bioeng.Symp.8, 89(1978))、MCG80株(Biotechnol.Bioeng.12,451−459(1982))及びこれらの派生株などが挙げられる。なお、QM6a株、QM9414株、QM9123株はNBRC(NITE Biological Resource Center)より、PC−3−7株、RutC−30株はATCC(American Type Culture Collection)より入手することができる。
本発明は、トリコデルマ属菌属糸状菌を培養してセルラーゼを製造する際に、ラクトースを250g/L以上で溶解させたラクトース含有アンモニア水を培養中に培養物に添加することで、バイオマス分解活性の高いセルラーゼを得ることが可能となり、遺伝子組換え体の封じ込めが必要な遺伝子組換え技術を使うことなくバイオマス分解活性を向上させることができる。もっとも、特許文献1や、非特許文献1に記載のような、微生物の遺伝子を組換えてセルラーゼの生産性を向上させる方法と組み合わせて用いてもよい。
本発明におけるセルラーゼには様々な加水分解酵素が含まれており、キシラン、セルロース、ヘミセルロースに対する分解活性を持つ酵素などが含まれている。具体例としては、セルロース鎖の加水分解によりセロビオースを製造するセロビオハイドラーゼ(EC 3.2.1.91)、セルロース鎖の中央部分から加水分解するエンドグルカナーゼ(EC 3.2.1.4)、セロオリゴ糖およびセロビオースを加水分解するβ−グルコシダーゼ(EC 3.2.1.21)、ヘミセルロースや特にキシランに作用することを特徴とするキシラナーゼ(EC 3.2.1.8)、キシロオリゴ糖を加水分解するβ−キシロシダーゼ(EC 3.2.1.37)などが挙げられる。
本発明におけるバイオマス分解活性とは、バイオマスが加水分解されてグルコースを生じる活性を意味し、バイオマスが加水分解されて生じるグルコースの量を測定することでその活性を測定する。具体的なバイオマス分解活性の測定方法の一例は、以下のとおりである。
バイオマスとして、粉砕したバガスを使用し、100mM酢酸/酢酸ナトリウム緩衝液pH5.0を用いてバガスを5重量%になるよう調整し、さらに、防腐剤としてエリスロマイシンを反応液1gあたり100μgになるよう添加する。セルラーゼをバガス1gあたり8mgになるよう加え、45℃にて24時間転倒攪拌しバイオマスの分解反応を行う。反応後の反応液を8,000×gで5分間遠心分離し、上清のグルコース濃度を測定する。測定の結果、グルコース濃度が高まれば、バイオマス分解活性が向上したと判断する。
本発明におけるバイオマス分解活性の向上とは、全タンパク質あたりのバイオマス分解活性の向上であっても良いし、培養液あたりのバイオマス分解活性の向上であっても良い。好ましくは全タンパク質あたりのバイオマス分解活性の向上である。
バイオマス分解活性の向上率は、向上していれば特に限定されないが、5%以上であることが好ましく、グルコースの収量が5%以上向上することが好ましい。
本発明のトリコデルマ属糸状菌の培養方法は、遠沈管、フラスコ、ジャーファーメンター、タンクなどを用いた液体培養や、プレートなどを用いた固体培養などで培養することができるが、液体培養が好ましい。
トリコデルマ属糸状菌は好気微生物であるため、これらの培養方法の中でも、特にジャーファーメンターや、タンク内に通気や撹拌を行いながら培養する深部培養が好ましい。通気量は、0.1〜2.0vvm程度が好ましく、0.3〜1.5vvmがより好ましく、0.5〜1.0vvmが特に好ましい。培養温度は、25〜35℃程度が好ましく、25〜31℃がより好ましい。
培養におけるpHの条件は、特に制限はないが、好ましくはラクトースを250g/L以上で溶解させたアンモニア水をpH調整に用いて、培養物のpHを3.5以上に維持することが好ましい。より好ましくはpH3.5〜7.0に維持し、さらに好ましくはpH4.0〜6.0に維持する。
培養時間は、セルラーゼが生産される条件で、回収可能な量のセルラーゼが蓄積されるまで行える時間であれば特に制限はないが、通常、24〜288時間、好ましくは24〜240時間、より好ましくは36〜240時間、さらに好ましくは36〜192時間である。
培養工程の培地組成は、トリコデルマ属糸状菌がセルラーゼを製造できるような培地組成となっていれば特に制限はなく、トリコデルマ属糸状菌の周知の培地組成を採用することができる。窒素源としては、例えば、ポリペプトン、肉汁、CSL、大豆かすなどを用いることができ、ラクトースを250g/L以上で溶解させたラクトース含有アンモニア水を窒素源として用いることもできる。また、培地には、セルラーゼを製造させるための誘導物質(後述)を添加してもよい。炭素源としては、例えば、ラクトース含有アンモニア水中のラクトースや、後述の誘導物質であるセルロースやキシラン、これらを含むバイオマス等を用いることができる。
本発明によりセルラーゼを製造する場合には、ラクトースを250g/L以上で溶解させたラクトース含有アンモニア水以外に、培地にラクトース、セルロースおよびキシランからなる群から選択される少なくとも1種類の誘導物質を含む培地で培養してもよい。また、この場合、セルロースやキシランとしては、セルロースやキシランを含むバイオマスを誘導物質として添加してもよい。セルロースやキシランを含有するバイオマスの具体例としては、種子植物、シダ植物、コケ植物、藻類、水草などの植物の他、廃建材なども用いることができる。種子植物は、裸子植物と被子植物に分類されるが、どちらも好ましく用いることができる。裸子植物の具体例としては、スギ、マツなどが挙げられる。被子植物はさらに単子葉植物と双子葉植物に分類され、単子葉植物の具体例としては、バガス、スイッチグラス、ネピアグラス、エリアンサス、コーンストーバー、コーンコブ、稲わら、麦わらなどが挙げられ、双子葉植物の具体例としてはビートパルプ、ユーカリ、ナラ、シラカバなどが挙げられる。培地中の誘導物質の濃度は、セルラーゼの生産量が高まる濃度であれば特に限定されず、適宜設定できるが、通常、10g/L〜200g/L程度である。
また、セルロースやキシランを含むバイオマスは、前処理されたものを用いてもよい。前処理方法は特に限定されないが、例えば、硫酸、酢酸などによる酸処理、苛性ソーダ、アンモニアなどによるアルカリ処理、水熱処理、亜臨界処理、微粉砕処理、蒸煮処理、など公知の手法を用いることができる。このような前処理をされたセルロースやキシランを含むバイオマスとして、パルプを用いてもよい。
本発明において培養中に添加するラクトース含有アンモニア水中のラクトースの濃度は250g/L以上であればよく、好ましくは400g/L以上、より好ましくは500g/L以上である。ラクトース含有アンモニア水中のラクトースの濃度の上限値は、特に限定されないが、通常、800g/L程度、好ましくは700g/L程度である。
ラクトースをアンモニア水ではなく水に溶解させた場合、その飽和溶解度は通常の使用温度である室温付近では、15℃では145g/L、25℃で178g/Lである。加温して39℃であっても240g/Lであり、250g/L以上の濃度で溶解させて培養に使用することは困難である。
本発明におけるラクトースを溶解させるためのアンモニア水の濃度は、ラクトースを250g/L以上の濃度で溶解させるためにアンモニア濃度が3%(w/v)以上である必要がある。好ましくは容易にラクトースを250g/L以上の濃度で溶解させるため、アンモニア濃度5%(w/v)以上のアンモニア水が用いられる。より好ましくはアンモニア濃度10%(w/v)以上、さらに好ましくはアンモニア濃度20%(w/v)以上のアンモニア水が用いられる。用いるアンモニア水中のアンモニア濃度の上限値は特に限定されないが、通常、30%(w/v)程度である。
トリコデルマ属糸状菌を培養した培養液に含まれるセルラーゼを回収する方法は特に限定されないが、トリコデルマ属糸状菌の菌体を培養液から除去し、セルラーゼを回収することができる。菌体の除去方法としては、遠心分離法、膜分離法、フィルタープレス法などが例として挙げられる。
また、トリコデルマ属糸状菌を培養した培養液から菌体を除去せずに、セルラーゼ溶液として利用してもよい。この場合、培養液中でトリコデルマ属糸状菌が生育できないように処理することが好ましい。菌体が生育できないように処理する方法としては、熱処理、薬剤処理、酸・アルカリ処理、UV処理などが挙げられる。
本発明におけるタンパク質濃度は例えば以下の通り測定を行うことができる。トリコデルマ属糸状菌を培養することにより得られた培養液を15,000×gで10分間遠心分離し、上清をセルラーゼ溶液とする。Quick Start(商標) Bradford プロテインアッセイ(Bio−Rad社製)250μLに希釈したセルラーゼ溶液を5μL添加し、室温で5分間静置後の595nmで用いる吸光度を測定する。牛血清アルブミン溶液を標準液とし、検量線に基づいてタンパク質濃度を算出する。
本発明において、セルラーゼにより分解されるバイオマスはセルロースを含むバイオマスであればよく、具体例としては、種子植物、シダ植物、コケ植物、藻類、水草などの植物の他、廃建材なども用いることができる。種子植物は、裸子植物と被子植物に分類されるが、どちらも好ましく用いることができる。裸子植物の具体例としては、スギ、マツなどが挙げられる。被子植物はさらに単子葉植物と双子葉植物に分類され、単子葉植物の具体例としては、バガス、スイッチグラス、ネピアグラス、エリアンサス、コーンストーバー、コーンコブ、稲わら、麦わらなどが挙げられ、双子葉植物の具体例としてはビートパルプ、ユーカリ、ナラ、シラカバなどが挙げられる。
セルラーゼにより分解されるバイオマスはあらかじめ前処理を行っていても良い。前処理方法としては、特に限定されないが、具体的には、硫酸、酢酸などによる酸処理、苛性ソーダ、アンモニアなどによるアルカリ処理、水熱処理、亜臨界処理、微粉砕処理、蒸煮処理など公知の手法を用いることができる。
本発明の方法により製造されたセルラーゼによるバイオマスの分解自体は、常法により行うことができる。例えば、バイオマスを水溶媒中で温度とpHを制御してセルラーゼと反応することによりおこなうことができる。セルラーゼによる分解反応時のpHは、セルラーゼによる加水分解反応が可能なpHであればよいが、pH3からpH7付近が好ましく、より好ましくはpH4からpH6であり、特に好ましくはpH5付近である。反応温度は、40℃から70℃が好ましい。
本発明におけるグルコースの測定は、例えば、グルコースCII−テストワコー(富士フイルム和光純薬工業社製)を使用して行うことができる。この場合、100μLの測定試薬に5μLの試料を添加し、室温で15分間静置後に主波長505nm、副波長600nmで吸光度を測定し、ブドウ糖標準液Iを用いて作成した検量線に基づいてグルコース濃度を算出することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
<参考例1>タンパク質濃度測定条件
使用するタンパク質濃度測定試薬:Quick Start Bradfordプロテインアッセイ、Bio−Rad製
測定条件
測定温度:室温
タンパク質濃度測定試薬:250μL
糸状菌の培養液:5μL
反応時間:5分
吸光度:595nm
標準品:BSA。
<参考例2>グルコースの測定
使用するグルコース濃度測定試薬:グルコースCII−テストワコー、富士フイルム和光純薬工業社製
測定条件
測定温度:室温
測定試薬:100μL
試料:5μL
反応時間:15分
吸光度:505nm(主)、600nm(副)
標準品:ブドウ糖標準液I。
<参考例3>ラクトースのアンモニア水への溶解
ラクトースを10%アンモニア水溶液に溶解した後、10%アンモニア水溶液でメスアップすることにより各濃度(50、200、250、500、600g/L)でラクトースを溶解させたアンモニア水を調整した。500g/Lと600g/Lでラクトースを溶解させる際は、50℃にて加温したが、いずれもトリコデルマ属糸状菌の培養中に添加する際には室温20℃付近にまで冷却して使用した。
<参考例4>コーンハルの粉砕
トウモロコシの種子の外皮であるコーンハル(サンエイ糖化株式会社)を乾燥させた後、粉砕し、以下の実験中で、本培養培地に用いた。
実施例1〜3、比較例1〜3 トリコデルマ属糸状菌の培養によるセルラーゼの生産試験
(前培養)
トリコデルマ・リーセイPC−3−7株の胞子を1.0×10/mLになるように生理食塩水で希釈し、その希釈胞子溶液2.5mLを、1Lバッフル付フラスコへ入れた250mLの前培養培地(下記表1)へ接種させ、振盪培養機にて28℃、120rpmの条件にて72時間培養を行った。
Figure 2021083414
5×マンデルス溶液は以下の組成
7g/L (NHSO
10g/L KHPO
2g/L CaCl・2H
1.5g/L MgSO・7H
**10×酒石酸アンモニウム溶液は、92g/L 酒石酸アンモニウムを含む
***微量元素溶液は以下の組成
0.3g/L HBO
1.3g/L (NHMo24・4H
5g/L FeCl・6H
2g/L CuSO・5H
0.4g/L MnCl・4H
10g/L ZnCl
(本培養)
Arbocel B800(レッテンマイヤー社)を後述する本培養培地に添加し、5Lジャーファーメンター(バイオット社製)を用い、深部攪拌培養を行った。
トリコデルマ・リーセイPC−3−7株の前培養液250mLを表2に示す本培養培地2.5Lに接種した。
培養条件は、本培養培地に前培養培地を接種後、28℃、700rpm、通気量100mL/minの培養条件にて、pH5.0に制御しながら深部攪拌培養を行った。
pHの制御は、参考例3で調整したラクトースを溶解させたアンモニア水を用い、コントロールとしてラクトースを溶解させていないアンモニア水を用いた。pH調整に伴い、参考例3で調製した、ラクトースを溶解させたラクトース含有アンモニア水を培養中に培養液(液体の培養物)に添加した。
Figure 2021083414
*表1と同じ
***表1と同じ
(培養液の採取)
培養開始から、培養終了時の89時間経過後まで経時的に培養液をそれぞれ20mL採取した。採取した培養液の一部は、15,000×g、4℃の条件下で10分間遠心分離を行い、上清を得、その上清を0.22μmのフィルターでろ過し、そのろ液をセルラーゼ溶液として、以下の実験に用いた。
(タンパク質濃度の測定)
参考例1で記載した手法を用い、培養開始89時間後に採取した培養液におけるセルラーゼのタンパク質濃度を測定した。結果を表3に示す。表3に示されるように、タンパク質濃度に大きな変化は見られなかった。
Figure 2021083414
(バイオマス分解活性の測定)
ジェットミルにより平均粒径100μmに粉砕したバガスをバイオマスとして使用し、バイオマス分解活性の測定を行った。100mM酢酸/酢酸ナトリウム緩衝液pH5.0を用いてバガスを5重量%になるよう調整し、防腐剤としてエリスロマイシンを反応液1gあたり100μgになるよう添加した。セルラーゼをバガス1gあたり8mgになるよう加え、45℃にて24時間転倒攪拌しバイオマスの分解反応を行った。反応液を8,000×gで5分間遠心分離し、上清のグルコース濃度を測定した。
結果を表4に示す。表4に示されるように、ラクトースを200g/L以下で溶解させたアンモニア水を用いて生産したセルラーゼと比較して、250g/L以上で溶解させたアンモニア水を用いた時に得られるグルコースの濃度が向上した。
Figure 2021083414
*N=2平均値

Claims (6)

  1. トリコデルマ属糸状菌を培養し、該トリコデルマ属糸状菌にセルラーゼを生産させることを含むセルラーゼの製造方法であって、ラクトースを250g/L以上で溶解させたラクトース含有アンモニア水を、前記トリコデルマ属糸状菌の培養中に培養物に添加することを含む、セルラーゼの製造方法。
  2. 前記ラクトース含有アンモニア水を添加することにより、前記培養物のpHを3.5以上7.0以下に維持することを含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記培養物のpHを4.0以上6.0以下に維持することを含む、請求項2記載の方法。
  4. 前記ラクトース含有アンモニア水が、アンモニア濃度10%(w/v)以上のアンモニア水を用いて調製されたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記トリコデルマ属糸状菌が、トリコデルマ・リーセイである請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のセルラーゼを用いてバイオマスを糖化することを含む、グルコースの製造方法。
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