JPWO2014007189A1 - 糖液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]セルロース含有バイオマスからの糖液の製造方法であって、
工程(1):セルロース含有バイオマスを糸状菌由来セルラーゼにより加水分解し、糖液と加水分解残渣に固液分離する工程、
工程(2):工程(1)の加水分解残渣を、アルカリ水溶液および無機塩水溶液を使用して独立して洗浄し、加水分解残渣に吸着した糸状菌由来セルラーゼを洗浄液として回収する工程、
工程(3):工程(2)の洗浄液を限外濾過膜に通じて濾過し、透過液として糖液を回収し、非透過液として糸状菌由来セルラーゼを回収する工程、を含むことを特徴とする、糖液の製造方法。
[2]工程(2)において、前記加水分解残渣をアルカリ水溶液で洗浄し、第一の洗浄液としてアルカリ水溶液洗浄液を回収した後、さらに無機塩水溶液で洗浄し、第二の洗浄液として無機塩水溶液洗浄液を回収することを特徴とする、[1]に記載の糖液の製造方法。
[3]工程(2)のアルカリ水溶液のpHが7.5〜10.0の範囲であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の糖液の製造方法。
[4]工程(2)のアルカリ水溶液の温度が40℃以下であることを特徴とする、[1]から[3]のいずれかに記載の糖液の製造方法。
[5]工程(2)のアルカリがアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムまたはリン酸三ナトリウムである、[1]から[4]のいずれかに記載の糖液の製造方法。
[6]工程(2)の無機塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸アンモニウムからなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、[1]から[5]のいずれかに記載の糖液の製造方法。
[7]工程(1)の糸状菌由来セルラーゼがトリコデルマ属微生物由来であることを特徴とする、[1]から[6]のいずれかに記載の糖液の製造方法。
[8]工程(1)において、セルロース含有バイオマスの希硫酸処理物を加水分解することを特徴とする、[1]から[7]のいずれかに記載の糖液の製造方法。
[9]工程(1)において、プレス濾過により加水分解残渣を得ることを特徴とする、[1]から[8]のいずれかに記載の糖液の製造方法。
[10]工程(3)で得られた糖液をナノ濾過膜および/または逆浸透膜に通じて濾過し、非透過液として濃縮糖液を回収する工程を含む、[1]から[9]のいずれかに記載の糖液の製造方法。
セルロース含有バイオマスは、バガス、スイッチグラス、ネピアグラス、エリアンサス、コーンストーバー、ビートパルプ、綿実殻、パーム殻房、稲わら、麦わら、竹、笹、などの草本系バイオマス、あるいはシラカバ、ブナなどの樹木、廃建材などの木質系バイオマスを挙げることができる。セルロース含有バイオマスは糖から構成されるセルロースおよびヘミセルロースの他に、芳香族高分子であるリグニンなどを含有しているため、前処理を施すことにより酵素による加水分解効率を向上させることができる。セルロース含有バイオマスの前処理方法としては、酸処理、硫酸処理、希硫酸処理、酢酸処理、アルカリ処理、苛性ソーダ処理、アンモニア処理、水熱処理、亜臨界水処理、微粉砕処理、蒸煮処理が挙げられるが、後述の工程(2)で幅広い酵素成分を効率よく回収するという観点においては希硫酸処理が好ましい。
前記工程(1)で得られた加水分解残渣には比較的大量の糸状菌由来セルラーゼが吸着した状態にあり、工程(2)において、加水分解残渣をアルカリ水溶液および無機塩水溶液を用いて独立して洗浄することにより、吸着したセルラーゼ成分を洗浄液に溶解させて回収を行う。
本発明では、前述工程(2)のアルカリ水溶液洗浄液および無機塩水溶液洗浄液を逐次的、あるいは同時的に限外濾過膜に通じて濾過し、透過液として糖液を回収し、非透過液として糸状菌由来セルラーゼを回収することを特徴とする。
本発明の糖液の製造方法を実施するための装置について説明するが、その装置形態は必ずしも以下に限定されるものではない。
本発明により得られた糖液を発酵原料として化学品を生産する能力を有する微生物を生育させることで、各種化学品を製造することができる。ここでいう発酵原料として微生物を生育させるとは、糖液に含まれる糖成分あるいはアミノ源を微生物の栄養素として利用し、微生物の増殖、生育維持を行うことを意味している。化学品の具体例としては、アルコール、有機酸、アミノ酸、核酸など発酵工業において大量生産されている物質を挙げることができる。こうした化学品は、糖液中の糖成分を炭素源として、その代謝の過程において生体内外に化学品として蓄積生産する。微生物によって生産可能な化学品の具体例として、エタノール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセロールなどのアルコール、酢酸、乳酸、ピルビン酸、コハク酸、リンゴ酸、イタコン酸、クエン酸などの有機酸、イノシン、グアノシンなどのヌクレオシド、イノシン酸、グアニル酸などのヌクレオチド、カダベリンなどのアミン化合物を挙げることができる。さらに、本発明の糖液は、酵素、抗生物質、組換えタンパク質などの生産に適用することも可能である。こうした化学品の製造に使用する微生物に関しては、目的の化学品を効率的に生産可能な微生物であればよく、大腸菌、酵母、糸状菌、担子菌などの微生物を使用することができる。
1.セルロース含有バイオマスの希硫酸処理
セルロース含有バイオマス(コーンコブ)を硫酸1%水溶液に浸し、150℃で30分オートクレーブ(日東高圧製)にて処理した。処理後、固液分離を行い、硫酸水溶液(以下、希硫酸処理液)と硫酸処理セルロースに分離した。次に固形分濃度が10重量%となるように硫酸処理セルロースと希硫酸処理液とを攪拌混合した後、水酸化ナトリウムによって、pHを5付近に調整した。得られた希硫酸処理物を以下の実施例に使用した。
セルロース含有バイオマス(エリアンサス)を小型反応器(耐圧硝子工業製、TVS−N2 30mL)に投入し、液体窒素で冷却した。この反応器にアンモニアガスを流入し、試料を完全に液体アンモニアに浸漬させた。リアクターの蓋を閉め、室温で15分ほど放置した。次いで、150℃のオイルバス中にて1時間処理した。処理後、反応器をオイルバスから取り出し、ドラフト中で直ちにアンモニアガスをリーク後、さらに真空ポンプで反応器内を10Paまで真空引きし乾燥させた。得られたアンモニア処理物を以下の実施例に使用した。
グルコース濃度の測定にはグルコースCII−テストワコー(和光純薬製)を、キシロース濃度の測定には、D−XYLOSE ASSAY KIT(Megazyme製)を用いた。
トリコデルマ属由来セルラーゼは以下の方法で調製した。
コーンスティープリカー5%(w/v)、グルコース2%(w/v)、酒石酸アンモニウム0.37%(w/v)、硫酸アンモニウム0.14%(w/v)、リン酸二水素カリウム0.14%(w/v)、塩化カルシウム二水和物0.03%(w/v)、硫酸マグネシウム七水和物0.03%(w/v)、塩化亜鉛0.02%(w/v)、塩化鉄(III)六水和物0.01%(w/v)、硫酸銅(II)後水和物0.004%(w/v)、塩化マンガン四水和物0.0008%(w/v)、ホウ酸0.0006%(w/v)、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.026%(w/v)となるよう蒸留水に溶解し、100mLを500mL容バッフル付き三角フラスコに入れ121℃で15分間オートクレーブ滅菌した。放冷後、これとは別にそれぞれ121℃で15分間オートクレーブ滅菌したPE−MとTween80をそれぞれ0.01%(w/v)となるよう添加した。この前培養培地にトリコデルマ・リーセイPC3−7を1×105個/mLになるよう植菌し、28℃、180rpmにて72時間振とう培養し、前培養液とした(振とう装置:TAITEC製 BIO−SHAKER BR−40LF)。
コーンスティープリカー5%(w/v)、グルコース2%(w/v)、セルロース(アビセル)10%(w/v)、酒石酸アンモニウム0.37%(w/v)、硫酸アンモニウム0.14%(w/v)、リン酸二水素カリウム0.2%(w/v)、塩化カルシウム二水和物0.03%(w/v)、硫酸マグネシウム七水和物0.03%(w/v)、塩化亜鉛0.02%(w/v)、塩化鉄(III)六水和物0.01%(w/v)、硫酸銅(II)五水和物0.004%(w/v)、塩化マンガン四水和物0.0008%(w/v)、ホウ酸0.006%(w/v)、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.0026%(w/v)となるよう蒸留水に溶解し、2.5Lを5L容ジャーファーメンター(ABLE製 DPC−2A)に入れ、121℃で15分間オートクレーブ滅菌した。放冷後、これとは別にそれぞれ121℃で15分間オートクレーブ滅菌したPE−MとTween80をそれぞれ0.01%(w/v)となるよう添加し、前記の方法にて得た前培養液を250mL接種した。その後、28℃、300rpm、通気量1vvmにて87時間培養を行った。得られた培養液をそのまま粗酵素液として以下実施例に使用した。
セルラーゼ活性は、1)結晶セルロース分解活性、2)セロビオース分解活性、3)キシラン分解活性、の3種について以下の手順で測定評価した。
50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.2)に、1重量%になるよう結晶セルロース(Cellulose microcrystarine、Merk製)を懸濁したものを基質溶液とした。500μLの基質溶液に酵素液5μLを添加し、50℃で回転混和しながら反応させた。反応時間は24時間で、反応後、チューブを遠心分離し、その上清成分のグルコース濃度を測定した。グルコース濃度は、参考例2に記載の方法で測定した。上記反応系にて1分間に1μmolのグルコースを生成する酵素量を1Uと定義し、活性値(U/mL)を下記式に従って算出した。
結晶セルロース分解活性(U/mL)=グルコース濃度(g/L)×1000×505(μL)/(180.16×反応時間(分)×5(μL))。
50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.2)に、15mMとなるようD(+)−セロビオース(和光純薬製)を溶解したものを基質溶液とした。500μLの基質溶液に酵素液5μLを添加し、50℃で回転混和しながら反応させた。反応時間は0.5時間を基本としたが、活性の高さに応じて適宜反応時間を設定した。反応後、チューブを遠心分離し、その上清成分のグルコース濃度を測定した。グルコース濃度は、参考例2に記載の方法で測定した。上記反応系にて1分間に1μmolのグルコースを生成する酵素量を1Uと定義し、活性値(U/mL)を下記式に従って算出した。
セロビオース分解活性(U/mL)=グルコース濃度(g/L)×1000×505(μL)/(180.16×反応時間(分)×5(μL))。
50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.2)に、1重量%になるようキシラン(Xylan from Birch wood、Fluka社製)を懸濁したものを基質溶液とした。分注した500μLの基質溶液に酵素液5μLを添加し、50℃で回転混和しながら反応させた。反応時間は4時間を基本としたが、活性の高さに応じて適宜反応時間を設定した。反応後、チューブを遠心分離し、その上清成分のキシロース濃度を測定した。キシロース濃度は、参考例2に記載の方法で測定した。上記反応系にて1分間に1μmolのキシロースを生成する酵素量を1Uと定義し、活性値(U/mL)を下記式に従って算出した。
キシラン分解活性(U/mL)=キシロース濃度(g/L)×1000×505(μL)/(150.13×反応時間(分)×5(μL))。
比較例として、アルカリ水溶液または無機塩水溶液のどちらか一方のみを用いて加水分解残渣の洗浄を実施した場合の酵素回収量について以下に示す。
セルロース含有バイオマスの希硫酸処理物およびアンモニア処理物を各1gずつ、50mL遠沈管4本に秤量し、前処理バイオマスの終濃度が10%(w/w)となるよう超純水を加え、さらに希釈硫酸あるいは希釈水酸化ナトリウム水溶液を用いて本組成物のpHを4.0〜6.0の範囲に調整した。pHを調整した本組成物にトリコデルマ属由来セルラーゼ30mgを添加し、ハイブリダイゼーションローテーター(日伸理化製 SN−06BN)を用いて50℃で24時間回転混和した。得られた加水分解物を遠心分離(8,000G、10分間)にて固液分離し、糖液8gと加水分解残渣2gを得た。
工程1で得られた加水分解残渣のうち2つに総重量が10gとなるよう超純水を添加し、一方は希釈水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH9に調整した。もう一方は比較のためにアルカリを一切添加しなかった(pH無調整)。これらの洗浄物をハイブリダイゼーションローテーター(日伸理化製 SN−06BN)を用いて25℃で1時間回転混和した。その後、本洗浄物を遠心分離(8,000G、10分間)にて固液分離し、洗浄液8gと加水分解残渣2gを得た。
工程1で得られた加水分解残渣のうち2つに総重量が10gとなるよう2重量%の塩化ナトリウム水溶液を添加し、一方はpH無調整とした。もう一方は比較のために希釈苛性ソーダを用いてpH9に調整した。これらの洗浄物をハイブリダイゼーションローテーター(日伸理化製 SN−06BN)を用いて1時間回転混和した。pH9のものは25℃、pH無調整のものは50℃で洗浄した。その後、本洗浄物を遠心分離(8,000G、10分間)にて固液分離し、洗浄液8gと加水分解残渣2gを得た。
工程1で得られた糖溶液と工程2または工程2’で得られた洗浄液を合一し、分画分子量10,000の限外濾過膜(Sartorius stedim biotech製 VIVASPIN 20 材質:PES)で濾過し、非透過側が1mL以下になるまで8,000Gにて遠心した。非透過液を超純水で10倍以上に希釈し、再度8,000Gにて遠心分離し、非透過液を回収酵素液とした。得られた回収酵素液を用い、参考例4に従って活性測定を行った(表1)。
比較例1の工程2または工程2’において固液分離を行って得られた加水分解残渣に対し、第一の洗浄で用いたのと同じ洗浄液を加え、第二の洗浄を行った。糖溶液、第一の洗浄液、および第二の洗浄液全てを合一し、比較例1の工程3と同様の方法にて回収酵素液を得た。上記回収酵素液を用い、参考例4に従って活性測定を行った(表2)。
比較例1の工程2および工程2’の両方を実施した場合の酵素回収量について以下に示す。具体的には、水酸化ナトリウム水溶液(pH9、25℃)で第一の洗浄を行った後に無機塩水溶液(2重量%塩化ナトリウム、50℃)で第二の洗浄を、あるいはその逆の順序で加水分解残渣の洗浄を行った。糖溶液および洗浄液から比較例1の工程3と同様の方法で回収酵素を得、参考例4に従って活性測定を行った。その結果を相対活性で表3および表4にまとめた。希硫酸処理物、アンモニア処理物のいずれを用いても、1回のみの洗浄あるいは同種の洗浄液を用いた2回の洗浄よりも、異なる洗浄液を用いて2回洗浄を行った場合により多くの酵素成分が回収され、特に希硫酸処理物を用いた場合に顕著な効果が得られた。また、水酸化ナトリウム水溶液、無機塩水溶液の順に用いて洗浄を実施した場合にはセロビオース分解活性が、無機塩水溶液、水酸化ナトリウム水溶液の順に用いて洗浄を実施した場合にはキシラン分解活性が多く回収されるという傾向が認められた。
実施例1(希硫酸処理物)において、第一の洗浄液のアルカリとして水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、炭酸ナトリウム、リン酸三ナトリウムを使用し、それぞれpH9に調整後25℃で1時間洗浄を行い、さらに第二の洗浄液として2重量%塩化ナトリウム水溶液を添加して50℃で1時間洗浄を行った。その他は比較例1の工程3と同様の方法で得られた回収酵素液を用い、参考例4に従って活性測定を行った。pH無調整で第一の洗浄のみを行った条件で回収した酵素の活性を基準(活性=1.0)として、相対活性で結果を表5に記した。第一の洗浄液のアルカリとして水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、炭酸ナトリウム、リン酸三ナトリウムのいずれを用いた場合にも、第一の洗浄にアルカリを使用しない場合に比べより多くの酵素成分を回収することができた。中でもアンモニアを使用した場合に結晶セルロース分解活性に関与する酵素成分を最も多く回収することができた。
実施例1(アンモニア処理物)において、第一の洗浄液のアルカリとして水酸化ナトリウムを使用してpHを7.5〜12.0に調整し、25℃で1時間洗浄を行った後、第二の洗浄液として2重量%塩化ナトリウム水溶液を添加して50℃で1時間洗浄を行った。比較例1の工程3と同様の方法で得られた回収酵素液を用い、参考例4に従って活性測定を行った。pH無調整で第一の洗浄を行い、その他は同様に第二の洗浄を行った条件で回収した酵素の活性を基準(活性=1.0)として、相対活性で結果を表6に記した。
実施例3において、セルロース含有バイオマスとして希硫酸処理物を用い、第一の洗浄液のアルカリとしてアンモニアを使用した。その他は実施例3と同様の方法で第二の洗浄を実施し、回収酵素液を得た。得られた回収酵素液について、参考例4に従って活性測定を行った。pH無調整で第一の洗浄を行い、その他は同様に第二の洗浄を行った条件で回収した酵素の活性を基準(活性=1.0)として、相対活性で結果を表7に記した。第一の洗浄液のアルカリとしてアンモニアを使用した場合にも、水酸化ナトリウムを使用した場合と同様にpH7.5〜10.0の範囲においてpH無調整の場合よりもより多くの酵素を回収することができた。
実施例3および実施例4において、第一の洗浄を25〜50℃の範囲で行った。その後、第二の洗浄液として2重量%塩化ナトリウム水溶液を添加して50℃で1時間洗浄を行い、比較例1の工程3と同様の方法で得られた回収酵素液を用いて参考例4に従って活性測定を行った。それぞれのpHにおいて、第一の洗浄を25℃で行った条件を基準(活性=1.0)として、第一の洗浄のアルカリとして水酸化ナトリウムを用いた結果を表8、アンモニアを用いた結果を表9に相対活性で記した。
希硫酸処理物を使用し、実施例1と同様の方法で第一の洗浄におけるアルカリとして水酸化ナトリウムを用い、pH9、25℃にて一時間洗浄を行い、第一の洗浄液としてアルカリ水溶液洗浄液を回収した。その後、無機塩水溶液を用いた第二の洗浄を行い、第二の洗浄液として無機塩水溶液洗浄液を回収した。ただし、無機塩として塩化ナトリウムの他、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸アンモニウムをそれぞれ用いた。無機塩水溶液の濃度は実施例1と同様に2重量%、洗浄条件は50℃、1時間とした。糖溶液、第一の洗浄液、および第二の洗浄液全てを合一し、比較例1の工程3と同様の方法にて回収酵素液を得た。上記回収酵素液を用い、参考例4に従って活性測定を行った。それぞれの条件において、塩化ナトリウム水溶液を用いて第二の洗浄を行ったものを基準(活性=1.0)として表10に記した。
2 加水分解槽
3 セルロース含有バイオマス投入口
4 攪拌装置(加水分解槽)
5 水供給ライン(アルカリ水溶液供給槽)
6 アルカリ水溶液供給槽
7 保温設備(アルカリ水溶液供給槽)
8 プレス濾過装置
9 コンプレッサー
10 循環ライン
11 濾液回収タンク
12 限外濾過膜装置
13 セルラーゼ回収ライン
14 加水分解物投入口
15 洗浄液通水口
16 pHセンサ
17 濃アルカリ供給槽
18 攪拌装置2(濃アルカリ供給槽)
19 水供給ライン2(無機塩水溶液供給槽)
20 無機塩水溶液供給槽
21 保温設備3(無機塩水溶液供給槽)
22 攪拌装置3(無機塩水溶液供給槽)
Claims (10)
- セルロース含有バイオマスからの糖液の製造方法であって、
工程(1):セルロース含有バイオマスを糸状菌由来セルラーゼにより加水分解し、糖液と加水分解残渣に固液分離する工程、
工程(2):工程(1)の加水分解残渣を、アルカリ水溶液および無機塩水溶液を使用して独立して洗浄し、加水分解残渣に吸着した糸状菌由来セルラーゼを洗浄液として回収する工程、
工程(3):工程(2)の洗浄液を限外濾過膜に通じて濾過し、透過液として糖液を回収し、非透過液として糸状菌由来セルラーゼを回収する工程、を含むことを特徴とする、糖液の製造方法。 - 工程(2)において、前記加水分解残渣をアルカリ水溶液で洗浄し、第一の洗浄液としてアルカリ水溶液洗浄液を回収した後、さらに無機塩水溶液で洗浄し、第二の洗浄液として無機塩水溶液洗浄液を回収することを特徴とする、請求項1に記載の糖液の製造方法。
- 工程(2)のアルカリ水溶液のpHが7.5〜10.0の範囲であることを特徴とする、請求項1または2に記載の糖液の製造方法。
- 工程(2)のアルカリ水溶液の温度が40℃以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の糖液の製造方法。
- 工程(2)のアルカリがアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムまたはリン酸三ナトリウムである、請求項1から4のいずれかに記載の糖液の製造方法。
- 工程(2)の無機塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸アンモニウムからなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の糖液の製造方法。
- 工程(1)の糸状菌由来セルラーゼがトリコデルマ属微生物由来であることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の糖液の製造方法。
- 工程(1)において、セルロース含有バイオマスの希硫酸処理物を加水分解することを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の糖液の製造方法。
- 工程(1)において、プレス濾過により加水分解残渣を得ることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の糖液の製造方法。
- 工程(3)で得られた糖液をナノ濾過膜および/または逆浸透膜に通じて濾過し、非透過液として濃縮糖液を回収する工程を含む、請求項1から9のいずれかに記載の糖液の製造方法。
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