JP2021082737A - 洗浄剤組成物の製造方法、洗浄剤組成物入り容器の製造方法及び洗浄剤組成物を容器に充填して保存する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明は、経時に伴う洗浄能低下が抑制された、フッ化テトラアルキルアンモニウム塩等のフッ化テトラ(炭化水素)アンモニウム及び有機溶媒を含む洗浄剤組成物を含む容器からなる洗浄剤組成物入り容器の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、経時に伴う洗浄能低下を抑制できる、フッ化テトラアルキルアンモニウム塩等のフッ化テトラ(炭化水素)アンモニウム及び有機溶媒を含む洗浄剤組成物を容器に充填して保存する方法を提供することを目的とする。
1. フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムと、有機溶媒とを含む洗浄剤組成物の製造方法であって、
不活性ガスの雰囲気の下で、フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムを量り取る工程を含む、洗浄剤組成物の製造方法、
2. 上記不活性ガスが、窒素ガス又はアルゴンガスである、1の洗浄剤組成物の製造方法、
3. 上記不活性ガスの雰囲気の酸素濃度が、10%以下である、1又は2の洗浄剤組成物の製造方法、
4. 上記不活性ガスの雰囲気の湿度が、30%以下である、1〜3のいずれかの洗浄剤組成物の洗浄方法、
5. 上記フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムが、フッ化テトラアルキルアンモニウムを含む1〜4のいずれか1の洗浄剤組成物の製造方法、
6. フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムと、有機溶媒とを含む洗浄剤組成物を含む容器からなる洗浄剤組成物入り容器の製造方法であって、
上記洗浄剤組成物を上記容器に充填する工程を含み、
上記充填の際に、上記容器の内容積に対する上記洗浄剤組成物の占める容積を除いた空隙部の容積の比率を10〜90%とし、上記空隙部を不活性ガスの雰囲気とすることを特徴とする、洗浄剤組成物入り容器の製造方法、
7. フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムと、有機溶媒とを含む洗浄剤組成物を含む容器からなる洗浄剤組成物入り容器の製造方法であって、
不活性ガスの雰囲気の下で、フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムを量り取る工程を含む、洗浄剤組成物を製造する工程と、
上記洗浄剤組成物を容器に充填する工程とを含み、
上記充填の際に、上記容器の内容積に対する上記洗浄剤組成物の占める容積を除いた空隙部の容積の比率を10〜90%とし、上記空隙部を不活性ガスの雰囲気とすることを特徴とする、洗浄剤組成物入り容器の製造方法、
8. 上記不活性ガスが、窒素ガス又はアルゴンガスである、6又は7の洗浄剤組成物入り容器の製造方法、
9. 上記不活性ガスの雰囲気の酸素濃度が、10%以下である、6〜8のいずれかの洗浄剤組成物入り容器の製造方法、
10. 上記不活性ガスの雰囲気の湿度が、30%以下である、6〜9のいずれかの洗浄剤組成物入り容器の製造方法、
11. 上記フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムが、フッ化テトラアルキルアンモニウムを含む、6〜10のいずれかの洗浄剤組成物入り容器の製造方法、
12. フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムと、有機溶媒とを含む洗浄剤組成物を容器に充填して保存する方法であって、
上記容器の内容積に対する上記洗浄剤組成物の占める容積を除いた空隙部の容積の比率を10〜90%とし、上記空隙部を不活性ガスの雰囲気とすることを特徴とする、洗浄剤組成物を容器に充填して保存する方法、
13. 上記不活性ガスが、窒素ガス又はアルゴンガスである、12の洗浄剤組成物を容器に充填して保存する方法、
14. 上記不活性ガスの雰囲気の酸素濃度が、10%以下である、11又は12の洗浄剤組成物を容器に充填して保存する方法、
15. 上記不活性ガスの雰囲気の湿度が、30%以下である、11〜13のいずれかの洗浄剤組成物を容器に充填して保存する方法
を提供する。
また、本発明の洗浄剤組成物入り容器の製造方法を用いることで、経時に伴う洗浄能低下が抑制された洗浄剤組成物入り容器を得ることができる。
また、本発明の洗浄剤組成物を容器に充填して保存する方法を用いることで、洗浄剤組成物の経時に伴う洗浄能低下を抑制することができる。
このような特徴を有する、本発明の洗浄剤組成物の製造方法、洗浄剤組成物入り容器及び洗浄剤組成物を容器に充填して保存する方法によれば、例えば半導体基板等の基板上に残留するポリシロキサン系接着剤の効果的な除去を実現でき、その結果、高効率で良好な半導体製造を期待できる。
フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムにおける炭化水素基の具体例としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基等が挙げられ、このようなアルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びアリール基の具体例としては、後述のものと同じものが挙げられる。
フッ化テトラアルキルアンモニウムの具体例としては、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム、フッ化テトラプロピルアンモニウム、フッ化テトラブチルアンモニウム等が挙げられるが、これらに限定されない。中でも、フッ化テトラブチルアンモニウム(テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF))が好ましい。
フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムの量は、洗浄剤組成物に含まれる有機溶媒に溶解する限り特に制限されるものではないが、洗浄剤組成物に対して、通常0.1〜30質量%である。
より具体的には、好ましい一例としては、式(Z)で表される酸アミド誘導体が挙げられる。
これらのうち、特にN,N−ジメチルプロピオンアミドが好ましい。
このようなその他の有機溶媒は、この種の用途に用いられるものであって、フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムを溶解し、且つ、上述のアミド化合物と相溶性がある有機溶媒であれば特に限定されるものではない。
アルキレングリコールジアルキルエーテルは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
sは、ベンゼン環に置換する置換基R100の数を表し、2又は3である。
中でも、メシチレン、4−t−ブチルトルエンが好ましい。
環状エーテル化合物は、環状炭化水素化合物の環を構成する炭素原子の少なくとも1つが、酸素原子に置換されたものである。
典型的には、鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素化合物がエポキシ化されたエポキシ化合物(すなわち、互いに隣り合う2つの炭素原子と酸素原子とが3員環を構成しているもの)や、炭素数が4以上の環状炭化水素化合物(但し、芳香族炭化水素化合物を除く。)の環を構成する炭素原子が酸素原子に置換されたエポキシ以外の環状エーテル化合物(エポキシ化合物は除かれる。以下同様。)が挙げられ、中でも、このような炭素数が4以上の環状炭化水素化合物としては、炭素数が4以上の環状飽和炭化水素化合物が好ましい。
エポキシ基の数は、特に限定されるものではないが、通常1〜4であり、好ましくは1又は2である。
酸素原子(エーテル基)の数は、特に限定されるものではないが、通常1〜3であり、好ましくは1又は2である。
環状アルキル分岐状アルキルエーテル化合物は、環状アルキル基と分岐状アルキル基と両者を連結するエーテル基とからなるものであり、その炭素数は、特に限定されるものではないが、通常6〜40であり、好ましくは5〜20である。
ジ(環状アルキル)エーテル化合物は、2つの環状アルキル基と、両者を連結するエーテル基とからなるものであり、その炭素数は、特に限定されるものではないが、通常6〜40であり、好ましくは10〜20である。
中でも、上記エポキシ以外の環状エーテル化合物としては、環状アルキル鎖状アルキルエーテル化合物、環状アルキル分岐状アルキルエーテル化合物が好ましく、環状アルキル鎖状アルキルエーテル化合物がより好ましい。
その具体例としては、メチル基、エチル基、1−n−プロピル基、1−n−ブチル基、1−n−ペンチル基、1−n−ヘキシル基、1−n−ヘプチル基、1−n−オクチル基、1−n−ノニル基、1−n−デシル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
その具体例としては、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
その具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、シクロヘキシル等のモノシクロアルキル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−7−イル基等のビシクロアルキル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
環状アルキル分岐状アルキルエーテル化合物の具体例としては、シクロペンチルイソプロピルエーテル、シクロペンチルt−ブチルエーテル等を挙げることができるが、これらに限定されない。
ジ(環状アルキル)エーテル化合物の具体例としては、ジシクロペンチルエーテル、ジシクロヘキシルエーテル、シクロペンチルシクロヘキシルエーテル等を挙げることができるが、これらに限定されない。
このような本発明の洗浄剤組成物入り容器の製造方法によれば、安定剤等を添加していない洗浄剤組成物であっても経時に伴う洗浄能の低下を抑制でき、より高い保存安定性が実現できる。なお、フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウム及び有機溶媒は、上述したものと同じである。
本発明の好ましい態様においては、用いられる容器は、充填される洗浄剤組成物への金属イオンの溶出濃度が低い容器が好ましい。金属イオンが洗浄剤組成物に溶出した場合、例えば、洗浄能の低下やフッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムの凝集の不具合が発生する虞があり、その結果、洗浄工程において被洗浄物の汚染や被洗浄物の損傷を引き起こす可能性がある。このような金属溶出の少ない容器としては、典型的には、ガラス製又は樹脂製の容器が挙げられるが、これらに限定されない。
洗浄剤組成物の充填するための容器の具体例を挙げれば、その材質はポリエチレンであり、その容量は5mL〜1,000mLである。
すなわち、洗浄剤組成物を充填する容器において、当該容器の内容積に対する当該洗浄剤組成物の占める容積を除いた空隙部の容積の比率(%)(以下、「空隙率」ともいう。)が、10〜90%であることが必須である。空隙率が上記範囲を超えると、温度変化により洗浄剤組成物が体積変化を起こした場合、容器の変形や容器の破裂が発生する可能性がある。一方、空隙率が上記範囲未満では、洗浄剤組成物入り容器が保存されている温度が高くなった場合に微量含まれる水分の揮発の影響が大きくなる恐れがあり、その結果、気液界面と容器壁面において洗浄剤用組成物が乾燥することで異物が形成される等の不具合を引き起こす可能性がある。
本発明においては、空隙率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、好ましくは85%以下、より好ましくは80%以下である。
また、簡便で効率的であるため、洗浄剤組成物入り容器のための容器は、洗浄剤組成物を製造する際にフッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムと有機溶媒とを混合するための容器を兼ねていてもよい。このようにすることで、洗浄剤組成物を移し替える手間を省くことができる。
従って、本発明に係る洗浄剤組成物は、通常、溶媒として有機溶媒のみを含む。なお、「有機溶媒のみ」とは、意図して溶媒として用いられるものが有機溶媒のみという意味であり、有機溶媒やその他の成分(例えば水和物)に含まれる水の存在までをも否定するものではない。
換言すると、洗浄能や保存安定性を向上させる観点から、本発明に係る洗浄剤組成物は、実質的に水を含有しない。ここで、実質的に水を含有しないとは、水を配合しないことであり、上述したとおり、他の成分の水和物としての水や成分と共に混入する微量水分を排除するものではない。
ただし、溶媒として有機溶媒のみを用いる場合も、本発明に係る洗浄剤組成物は、上述の含水量の範囲を満たすことが好ましい。
具体的には、洗浄速度については、室温(23℃)において、接着剤組成物から得られる接着層を洗浄剤組成物に5分間接触させた場合において接触の前後で膜厚減少を測定し、減少した分を洗浄時間で割ることにより算出されるエッチングレート[μm/min]が、本発明の製造方法によって製造された洗浄剤組成物は、通常9.2[μm/min]以上であり、好ましい態様においては9.3[μm/min]以上であり、より一層好ましい態様においては9.4[μm/min]以上であり、更に好ましい態様においては9.5[μm/min]以上であり、更に一層好ましい態様においては9.6[μm/min]以上である。
また、洗浄持続力については、室温(23℃)において、接着剤組成物から得られる接着性固体1gを洗浄剤組成物2gに接触させた場合において、本発明の洗浄剤組成物の製造方法によって製造された洗浄剤組成物は、通常12〜24時間で接着性固体の大部分を溶解し、好ましい態様においては2〜12時間で接着性固体を溶解し切り、より好ましい態様においては1〜2時間で接着性固体を溶解し切る。
具体的には、上記エッチングレートに関し、容器に充填する前の洗浄剤組成物の値を100とした場合における1週間経過時の値の相対値(%)が、通常93%以上であり、好ましい態様においては94%以上であり、より好ましい態様においては95%以上であり、より一層好ましい態様においては96%以上である。
具体的には、上記エッチングレートに関し、容器に充填する前の洗浄剤組成物の値を100とした場合における1週間経過時の値の相対値(%)が、通常93%以上であり、好ましい態様においては94%以上であり、より好ましい態様においては95%以上であり、より一層好ましい態様においては96%以上である。
具体的には、半導体基板と、支持基板と、接着剤組成物から得られる接着層とを備える積層体を製造する第1工程、得られた積層体の半導体基板を加工する第2工程、加工後に半導体基板を剥離する第3工程、及び剥離した半導体基板上に残存する接着剤残留物を洗浄剤組成物により洗浄除去する第4工程を含む、加工基板の製造方法において、洗浄剤組成物として本発明に係る洗浄剤組成物が使用される。
従って、以下、ヒドロシリル化反応により硬化する成分(A)を含むポリシロキサン系接着剤(接着剤組成物)と本発明に係る洗浄剤組成物とを用いた加工基板の製造方法について説明するが、本発明は、これに限定されるわけではない。
接着剤組成物が含むヒドロシリル化反応により硬化する成分(A)は、例えば、SiO2で表されるシロキサン単位(Q単位)、R1R2R3SiO1/2で表されるシロキサン単位(M単位)、R4R5SiO2/2で表されるシロキサン単位(D単位)及びR6SiO3/2で表されるシロキサン単位(T単位)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の単位を含むポリシロキサン(A1)と、白金族金属系触媒(A2)とを含み、上記ポリシロキサン(A1)は、SiO2で表されるシロキサン単位(Q’単位)、R1’R2’R3’SiO1/2で表されるシロキサン単位(M’単位)、R4’R5’SiO2/2で表されるシロキサン単位(D’単位)及びR6’SiO3/2で表されるシロキサン単位(T’単位)からなる群より選ばれ1種又は2種以上の単位を含むとともに、上記M’単位、D’単位及びT’単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むポリオルガノシロキサン(a1)と、SiO2で表されるシロキサン単位(Q”単位)、R1”R2”R3”SiO1/2で表されるシロキサン単位(M”単位)、R4”R5”SiO2/2で表されるシロキサン単位(D”単位)及びR6”SiO3/2で表されるシロキサン単位(T”単位)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の単位を含むとともに、上記M”単位、D”単位及びT”単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むポリオルガノシロキサン(a2)とを含む。
R1’〜R6’は、ケイ素原子に結合する基であり、互いに独立に、アルキル基又はアルケニル基を表すが、R1’〜R6’の少なくとも1つは、アルケニル基である。
R1”〜R6”は、ケイ素原子に結合する基又は原子であり、互いに独立に、アルキル基又は水素原子を表すが、R1”〜R6”の少なくとも1つは、水素原子である。
中でも、メチル基が好ましい。
中でも、エテニル基、2−プロペニル基が好ましい。
このような白金系の金属触媒は、ポリオルガノシロキサン(a1)のアルケニル基とポリオルガノシロキサン(a2)のSi−H基とのヒドロシリル化反応を促進するための触媒である。
白金とオレフィン類との錯体としては、例えばジビニルテトラメチルジシロキサンと白金との錯体が挙げられるが、これに限定されない。
本発明において、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンの好ましい一例としては、エポキシ基含有ポリジメチルシロキサンを挙げることができるが、これに限定されない。
R21は、ケイ素原子に結合する基であり、アルキル基を表し、アルキル基の具体例としては、上述の例示を挙げることができる。中でも、R21としては、メチル基が好ましい。
メチル基含有ポリオルガノシロキサンの好ましい一例としては、ポリジメチルシロキサンを挙げることができるが、これに限定されない。
接着剤組成物の粘度は、通常、25℃で1,000〜20,000mPa・sであり、用いる塗布方法、所望の膜厚等の各種要素を考慮して、用いる有機溶媒の種類やそれらの比率、膜構成成分濃度等を変更することで調整可能である。
その混合順序は特に限定されるものではないが、容易にかつ再現性よく、接着剤組成物を製造できる方法の一例としては、例えば、膜構成成分の全てを溶媒に溶解させる方法や、膜構成成分の一部を溶媒に溶解させ、膜構成成分の残りを溶媒に溶解させ、得られた溶液を混合する方法が挙げられる。この場合において、必要であれば、一部の溶媒や、溶解性に優れる膜構成成分を最後に加えることもできる。
組成物を調製では、成分が分解したり変質したりしない範囲で、適宜加熱してもよい。また、組成物中の異物を除去する目的で、組成物を製造する途中段階でまたは全ての成分を混合した後に、サブマイクロメートルオーダーのフィルター等を用いてろ過してもよい。
ウエハとしては、例えば直径300mm、厚さ770μm程度のシリコンウエハやガラスウエハが挙げられるが、これらに限定されない。
支持体(キャリア)は、特に限定されるものではないが、例えば直径300mm、厚さ700mm程度のシリコンウエハを挙げることができるが、これに限定されない。
本発明で用いる積層体に施される加工の一例としては、半導体基板の表面の回路面とは反対の裏面の加工が挙げられ、典型的には、ウエハ裏面の研磨によるウエハの薄化が挙げられる。このような薄化されたウエハを用いて、シリコン貫通電極(TSV)等の形成を行い、次いで支持体から薄化ウエハを剥離してウエハの積層体を形成し、3次元実装化される。また、それに前後してウエハ裏面電極等の形成も行われる。ウエハの薄化とTSVプロセスには支持体に接着された状態で250〜350℃の熱が負荷されるが、本発明で用いる積層体が含む接着層は、その熱に対する耐熱性を有している。
例えば、直径300mm、厚さ770μm程度のウエハは、表面の回路面とは反対の裏面を研磨して、厚さ80μm〜4μm程度まで薄化することができる。
本発明で用いる積層体の剥離方法は、溶剤剥離、レーザー剥離、鋭部を有する機材による機械的な剥離、支持体とウエハとの間で引きはがす剥離等が挙げられるが、これらに限定されない。通常、剥離は、薄化等の加工の後に行われる。
第3工程では、必ずしも接着剤が完全に支持基板側に付着して剥離されるものではなく、加工された基板上に一部取り残されることがある。そこで、第4工程において、残留した接着剤が付着された基板の表面を、上述した本発明の洗浄剤組成物の製造方法によって製造された洗浄剤組成物で洗浄することにより、基板上の接着剤を十分に洗浄除去することができる。
第4工程は、剥離後の半導体基板の表面に残存する接着剤残留物を、本発明に係る洗浄剤組成物により洗浄除去する工程であり、具体的には、例えば、接着剤が残留する薄化基板を本発明の洗浄剤組成物の製造方法によって製造された洗浄剤組成物に浸漬し、必要があれば超音波洗浄等の手段も併用して、接着剤残留物を洗浄除去するものである。
超音波洗浄を用いる場合、その条件は、基板の表面の状態を考慮して適宜決定されるものであるが、通常、20kHz〜5MHz、10秒〜30分の条件で洗浄処理することにより、基板上に残る接着剤残留物を十分取り除くことができる。
(1)攪拌機(自転公転ミキサー):(株)シンキー製 自転公転ミキサー ARE―500
(2)粘度計:東機産業(株)製 回転粘度計TVE-22H」
(3)撹拌機:アズワン製 ミックスローターバリアブル 1―1186−12
(4)撹拌機H:アズワン製 加温型ロッキングミキサー HRM−1
(5)接触式膜厚計:(株)東京精密製 ウエハ厚さ測定装置 WT−425
(6)酸素濃度計:(株)新コスモス電機 装着型酸素計XO―2200
(7)湿度計:(株)ティアンドデイ おんどとりTR―72Ui
(8)含水量測定(カールフィッシャー法):(株)三菱ケミカルアナリテック製 微量水分測定装置 CA−200型
[調製例1]
自転公転ミキサー専用600mL撹拌容器に、(a1)として粘度200mPa・sのビニル基含有直鎖状ポリジメチルシロキサンとビニル基含有のMQ樹脂からなるベースポリマー(ワッカーケミ社製)150g、(a2)として粘度100mPa・sのSiH基含有直鎖上ポリジメチルシロキサン(ワッカーケミ社製)15.81g、(A3)として1−エチニル−1−シクロヘキサノール(ワッカーケミ社製)0.17gを入れ、自転公転ミキサーで5分間撹拌した。
得られた混合物に、スクリュー管50mLに(A2)として白金触媒(ワッカーケミ(株)製)0.33gと(a1)として粘度1000mPa・sのビニル基含有直鎖状ポリジメチルシロキサン(ワッカーケミ社製)9.98gを自転公転ミキサーで5分間撹拌して別途得られた混合物から0.52gを加え、自転公転ミキサーで5分間撹拌し、得られた混合物をナイロンフィルター300メッシュでろ過し、接着剤組成物を得た。なお、回転粘度計を用いて測定した接着剤組成物の粘度は、9900mPa・sであった。
自転公転ミキサー専用600mL撹拌容器に、(a1)としてビニル基含有のMQ樹脂からなるベースポリマー(ワッカーケミ社製)95g、溶媒としてp−メンタン(日本テルペン化学(株)製)93.4g及び(A3)として1,1−ジフェニル−2−プロピン−1−オール(東京化成工業(株)製)0.41gを入れ、自転公転ミキサーで5分間撹拌した。
得られた混合物に、(a2)として粘度100mPa・sのSiH基含有直鎖状ポリジメチルシロキサン(ワッカーケミ社製)、(a1)として粘度200mPa・sのビニル基含有直鎖状ポリジメチルシロキサン(ワッカーケミ社製)29.5g、成分(B)としてポリジメチルシロキサンである粘度1000000mm2/sのポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK1000000)、(A3)として1−エチニル−1−シクロヘキサノール(ワッカーケミ社製)0.41gを加え、自転公転ミキサーで更に5分間撹拌した。
その後、得られた混合物に、スクリュー管50mLに(A2)として白金触媒(ワッカーケミ(株)製)0.20gと(a1)として粘度1000mPa・sのビニル基含有直鎖状ポリジメチルシロキサン(ワッカーケミ社製)17.7gを自転公転ミキサーで5分間撹拌して別途得られた混合物から14.9gを加え、自転公転ミキサーで更に5分間撹拌し、得られた混合物をナイロンフィルター300メッシュでろ過し、接着剤組成物を得た。なお、回転粘度計を用いて測定した接着剤組成物の粘度は、4600mPa・sであった。
酸素濃度計及び湿度計を用いて測定した結果、洗浄剤組成物の調製及び保存のための気体の酸素濃度及び湿度は以下の通りであった。
[実施例1−1]
窒素雰囲気下で、テトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物(関東化学(株)製)5gを量りとった。
引き続き窒素雰囲気下で、量りとったテトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物に、N,N−ジメチルプロピオンアミド95gを加えて撹拌し、洗浄剤組成物を得た。
なお、得られた洗浄剤組成物の含水量は、0.63%であった。
窒素雰囲気下で、テトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物(関東化学(株)製)3.02gを量りとった。
引き続き窒素雰囲気下で、量りとったテトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物に、N,N−ジメチルプロピオンアミド28.67gを加えて撹拌して組成物を得、空気雰囲気下で、得られた組成物に、N,N−ジメチルプロピオンアミド28.67gを加えて撹拌し、洗浄剤組成物を得た。
なお、得られた洗浄剤組成物の含水量は、0.63%であった。
窒素雰囲気下で、テトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物(関東化学(株)製)5gを量りとった。
空気雰囲気下で、量りとったテトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物に、溶媒としてN,N−ジメチルプロピオンアミド95gを加えて撹拌し、洗浄剤組成物を得た。
なお、得られた洗浄剤組成物の含水量は、0.66%であった。
空気雰囲気下で、テトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物(関東化学(株)製)5gを量りとった。
窒素雰囲気下で、量りとったテトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物に、N,N−ジメチルプロピオンアミド95gを加えて撹拌し、洗浄剤組成物を得た。
空気雰囲気下で、テトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物(関東化学(株)製)5gを量りとった。
引き続き空気雰囲気下で、量りとったテトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物に、N,N−ジメチルプロピオンアミド95gを加えて撹拌し、洗浄剤組成物を得た。
得られた洗浄剤組成物の洗浄速度を評価するためにエッチングレート(ER)の測定を行った。調製例1で得られた接着剤組成物をスピンコーターで12インチシリコンウエハに厚さ100μmとなるように塗布し、150℃/15分、190℃/10分で熱硬化した。成膜後のウエハーを4cm各のチップに切り出し、接触式膜厚計を用いて膜厚を測定した。その後、チップを直径9cmのステンレスシャーレに入れ、得られた洗浄剤組成物7mLを加えて蓋をした後、撹拌機Hに載せて、23℃で5分間撹拌・洗浄した。洗浄後、チップを取り出し、イソプロパノール、純水で洗浄して150℃で1分間、ドライベークをしたのち、再度、接触式膜厚計で膜厚を測定し、洗浄の前後で膜厚減少を測定し、減少した分を洗浄時間で割ることによりエッチングレート[μm/min]を算出し、洗浄力の指標とした。結果は表2に示す。なお、表中のTBAFは、テトラブチルアンモニウムフルオリドを意味する(以下同様)。
[実施例2−1]
窒素雰囲気下で、テトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物(関東化学(株)製)2.24gを100mL PEボトル(株式会社アイセロ性 AC−100)に量り取り、引き続き窒素雰囲気下で、量りとったテトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物にN,N−ジメチルプロピオンアミド21.28gを加えて撹拌した後、更にそこへN,N−ジメチルプロピオンアミド21.28gを加えて撹拌してボトル内で洗浄剤組成物を調製した。そして、引き続き窒素雰囲気下で、ボトルの蓋をした。この際のボトルへの洗浄剤組成物の充填率は約40%(空隙部約60%)であった。
窒素雰囲気下で、テトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物(関東化学(株)製)1.62gを100mL PEボトル(株式会社アイセロ性 AC−100)に量り取った。この量りとったテトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物が入ったボトルを空気雰囲気下に移動し、そこへN,N−ジメチルプロピオンアミド30.78gを加えて撹拌してボトル内で洗浄剤組成物を調製した。この洗浄剤組成物の入ったボトルを窒素雰囲気下に移動し、ボトルの蓋をした。この際のボトルへの洗浄剤組成物の充填率は約35%(空隙部約65%)であった。
窒素雰囲気下で、テトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物(関東化学(株)製)1.43gを100mL PEボトル(株式会社アイセロ性 AC−100)に量りとった。この量りとったテトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物が入ったボトルを空気雰囲気下に移動し、そこへN,N−ジメチルプロピオンアミド27.1gを加えて撹拌してボトル内に洗浄剤組成物を調製した。そして、引き続き空気雰囲気下で、ボトルの蓋をした。この際のボトルへの洗浄剤組成物の充填率は約30%(空隙部約70%)であった。
窒素雰囲気下で、テトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物(関東化学(株)製)1.86gを100mL PEボトル(株式会社アイセロ性 AC−100)に量りとり、引き続き窒素雰囲気下で、量りとったテトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物にN,N−ジメチルプロピオンアミド35.34gを加えて撹拌してボトル内に洗浄剤組成物を調製した。この洗浄剤組成物の入ったボトルを空気雰囲気下に移動し、ボトルの蓋をした。この際のボトルへの洗浄剤組成物の充填率は約40%(空隙部約60%)であった。
乾燥空気雰囲気下で、テトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物(関東化学(株)製)3.07gを量りとった。この量りとったテトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物が入ったボトルを空気雰囲気下に移動し、そこへN,N−ジメチルプロピオンアミド58.27gを加えて撹拌してボトル内に洗浄剤組成物を調製した。この洗浄剤組成物の入ったボトルを乾燥空気雰囲気下に移動し、ボトルの蓋をした。この際のボトルへの洗浄剤組成物の充填率は約60%(空隙部約40%)であった。
乾燥空気雰囲気下で、テトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物(関東化学(株)製)2.8gを量りとった。この量りとったテトラブチルアンモニウムフルオリド3水和物が入ったボトルを空気雰囲気下に移動し、そこへN,N−ジメチルプロピオンアミド53.22gを加えて撹拌してボトル内に洗浄剤組成物を調製した。そして、引き続き空気雰囲気下で、ボトルの蓋をした。この際のボトルへの洗浄剤組成物の充填率は約55%(空隙部約45%)であった。
Claims (15)
- フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムと、有機溶媒とを含む洗浄剤組成物の製造方法であって、
不活性ガスの雰囲気の下で、フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムを量り取る工程を含む、洗浄剤組成物の製造方法。 - 上記不活性ガスが、窒素ガス又はアルゴンガスである、請求項1記載の洗浄剤組成物の製造方法。
- 上記不活性ガスの雰囲気の酸素濃度が、10%以下である、請求項1又は2記載の洗浄剤組成物の製造方法。
- 上記不活性ガスの雰囲気の湿度が、30%以下である、請求項1〜3のいずれか1項記載の洗浄剤組成物の洗浄方法。
- 上記フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムが、フッ化テトラアルキルアンモニウムを含む請求項1〜4のいずれか1項記載の洗浄剤組成物の製造方法。
- フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムと、有機溶媒とを含む洗浄剤組成物を含む容器からなる洗浄剤組成物入り容器の製造方法であって、
上記洗浄剤組成物を上記容器に充填する工程を含み、
上記充填の際に、上記容器の内容積に対する上記洗浄剤組成物の占める容積を除いた空隙部の容積の比率を10〜90%とし、上記空隙部を不活性ガスの雰囲気とすることを特徴とする、洗浄剤組成物入り容器の製造方法。 - フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムと、有機溶媒とを含む洗浄剤組成物を含む容器からなる洗浄剤組成物入り容器の製造方法であって、
不活性ガスの雰囲気の下で、フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムを量り取る工程を含む、洗浄剤組成物を製造する工程と、
上記洗浄剤組成物を容器に充填する工程とを含み、
上記充填の際に、上記容器の内容積に対する上記洗浄剤組成物の占める容積を除いた空隙部の容積の比率を10〜90%とし、上記空隙部を不活性ガスの雰囲気とすることを特徴とする、洗浄剤組成物入り容器の製造方法。 - 上記不活性ガスが、窒素ガス又はアルゴンガスである、請求項6又は7記載の洗浄剤組成物入り容器の製造方法。
- 上記不活性ガスの雰囲気の酸素濃度が、10%以下である、請求項6〜8のいずれか1項記載の洗浄剤組成物入り容器の製造方法。
- 上記不活性ガスの雰囲気の湿度が、30%以下である、請求項6〜9のいずれか1項記載の洗浄剤組成物入り容器の製造方法。
- 上記フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムが、フッ化テトラアルキルアンモニウムを含む、請求項6〜10のいずれか1項記載の洗浄剤組成物入り容器の製造方法。
- フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムと、有機溶媒とを含む洗浄剤組成物を容器に充填して保存する方法であって、
上記容器の内容積に対する上記洗浄剤組成物の占める容積を除いた空隙部の容積の比率を10〜90%とし、上記空隙部を不活性ガスの雰囲気とすることを特徴とする、洗浄剤組成物を容器に充填して保存する方法。 - 上記不活性ガスが、窒素ガス又はアルゴンガスである、請求項12記載の洗浄剤組成物を容器に充填して保存する方法。
- 上記不活性ガスの雰囲気の酸素濃度が、10%以下である、請求項11又は12記載の洗浄剤組成物を容器に充填して保存する方法。
- 上記不活性ガスの雰囲気の湿度が、30%以下である、請求項11〜13のいずれか1項記載の洗浄剤組成物を容器に充填して保存する方法。
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