JP2021082452A - 負極の製造方法 - Google Patents

負極の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021082452A
JP2021082452A JP2019208123A JP2019208123A JP2021082452A JP 2021082452 A JP2021082452 A JP 2021082452A JP 2019208123 A JP2019208123 A JP 2019208123A JP 2019208123 A JP2019208123 A JP 2019208123A JP 2021082452 A JP2021082452 A JP 2021082452A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
solid electrolyte
active material
weight
electrode mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019208123A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7207273B2 (ja
Inventor
裕飛 山野
Yuhi Yamano
裕飛 山野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2019208123A priority Critical patent/JP7207273B2/ja
Publication of JP2021082452A publication Critical patent/JP2021082452A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7207273B2 publication Critical patent/JP7207273B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】本開示は、体積変化および抵抗増加が抑制された負極の製造方法を提供することを主目的とする。【解決手段】本開示においては、電池に用いられる負極の製造方法であって、Si系活物質と、上記Si系活物質を被覆し、第一固体電解質を含有する被覆部と、を有する複合活物質を準備する、準備工程と、上記複合活物質および第二固体電解質を混合して負極合材を調製する、負極合材調製工程と、上記負極合材を用いて負極層を形成する、負極層形成工程と、を有し、上記第一固体電解質および上記第二固体電解質の合計に対する上記第一固体電解質の割合が、33重量%以上67重量%以下である、負極の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本開示は、負極の製造方法に関する。
二次電池の分野において、従来から、活物質と固体電解質との界面に着目し、電池性能の向上を図る試みが行われている。例えば、特許文献1には、活物質粒子に硫化物系固体電解質を被覆してなる複合活物質粒子を含む電極合材が開示されている。また、特許文献2には、活物質粒子がリチウムイオン伝導性を有する無機固体電解質粒子によって被覆された複合粒子が開示されている。特許文献3には、正極活物質と酸化物固体電解質とを接合させた正極複合粒子の製造方法が開示されている。
特開2016−207418号公報 特開平11−111266号公報 特開2017−016766号公報
ここで、負極には、理論容量が大きく電池の高エネルギー密度化に有効であるため、Si系活物質を用いること知られている。一方、Si系活物質は、充放電による体積変化が大きい。また、電池性能向上においては、負極の抵抗が小さいことが求められる。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、体積変化および抵抗増加が抑制された負極の製造方法を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本開示においては、電池に用いられる負極の製造方法であって、Si系活物質と、上記Si系活物質を被覆し、第一固体電解質を含有する被覆部と、を有する複合活物質を準備する、準備工程と、上記複合活物質および第二固体電解質を混合して、負極合材を調製する、負極合材調製工程と、上記負極合材を用いて負極層を形成する、負極層形成工程と、を有し、上記第一固体電解質および上記第二固体電解質の合計に対する上記第一固体電解質の割合が、33重量%以上67重量%以下である、負極の製造方法を提供する。
本開示によれば、第一固体電解質および第二固体電解質が所定の割合である負極合材を、所定の手順で調製することで、体積変化および抵抗増加が抑制された負極を製造することができる。
本開示における負極の製造方法は、体積変化および抵抗増加が抑制された負極を製造することができるという効果を奏する。
本開示における負極の製造方法の一例を示すフロー図である。 本開示における負極の一例を示す概略断面図である。 比較例4で得られた複合活物質の断面FE−SEM画像である。 比較例4で得られた負極におけるLiイオン拡散係数測定の結果である。 実施例3、比較例1および比較例4で得られた負極における空隙測定の結果である。 拘束圧測定および抵抗測定の結果をまとめたグラフである。
以下、本開示における負極の製造方法について、詳細に説明する。
図1は、本開示における負極の製造方法の一例を示すフローチャートである。また、図2は、本開示における方法で製造された負極の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、まず、Si系活物質と、Si系活物質を被覆し、第一固体電解質を含有する被覆部と、を有する複合活物質を準備する(準備工程)。次いで、準備した複合活物質および第二固体電解質を混合して、負極合材を調製する(負極合材調製工程)。そして、負極合材を用いて、負極層を形成する(負極層形成工程)。また、本開示においては、第一固体電解質および第二固体電解質が所定の割合である。また、図2に示されるように、本開示における方法で製造された負極10は、通常、負極層1および負極集電体2を有している。
本開示によれば、第一固体電解質および第二固体電解質が所定の割合である負極合材を、所定の手順で調製することで、体積変化および抵抗増加が抑制された負極を製造することができる。
上記のように、Si系活物質は、充放電による体積変化が大きい。しかしながら、本開示における負極の製造方法では、第一固体電解質を含有する被覆部でSi系負極活物質が被覆された複合活物質を用いる。これにより、Si系活物質および負極の体積変化を抑制できる。これは、被覆部において第一固体電解質同士がつくる空隙により、Si系活物質の膨張が吸収されるためと考えられる。また、Si系活物質ではないものの、上記のように活物質表面を固体電解質で被覆することが知られている。ただし、被覆には、固体電解質をひずませるか、溶解再析出させる必要があるため、固体電解質の結晶性が低下する恐れがあり、被覆部のLiイオン伝導度が低下する恐れがある。しかしながら、本開示における負極の製造方法では、上記複合活物質と第二固体電解質とを混合して調製した負極合材を用いる。これにより、たとえ被覆部のLiイオン伝導度が低下したとしても、負極全体として抵抗増加を抑制することができる。これは、第二固体電解質は被覆部の形成に関与しておらず、結晶性の低下等の劣化が生じていないためと推察される。さらには、上記複合活物質における第一固体電解質と、負極合材における第二固体電解質との割合を所定の範囲にすることで、負極の体積変化および抵抗増加を十分に抑制することができる。
1.準備工程
本開示における準備工程は、Si系活物質と、上記Si系活物質を被覆し、第一固体電解質を含有する被覆部と、を有する複合活物質を準備する工程である。
本開示におけるSi系活物質は、Liと合金化可能な活物質であることが好ましい。Si系活物質としては、例えば、Si単体、Si合金、Si酸化物が挙げられる。Si合金は、Si元素を主成分として含有することが好ましい。Si合金中のSi元素の割合は、例えば50mol%以上であり、70mol%以上であってもよく、90mol%以上であってもよい。Si酸化物としては、例えばSiOが挙げられる。
Si系活物質の平均粒径は、通常、2.6μm未満であり、1.5μm以下であってもよく、1.0μm以下であってもよく、0.5μm以下であってもよい。一方、Si系活物質の平均粒径は、例えば1nm以上である。なお、Si系活物質の平均粒径は、D50として定義でき、例えば、レーザー回折式粒度分布計、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定から算出できる。SEMによる測定の場合は、サンプル数が多いことが好ましく、例えば50以上であり、100以上であってもよい。
本開示における被覆部は第一固体電解質を含有する。第一固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、窒化物固体電解質、ハロゲン化物固体電解質等の無機固体電解質が挙げられるが、硫化物固体電解質が好ましい。
硫化物固体電解質としては、例えば、Li元素、X元素(Xは、P、As、Sb、Si、Ge、Sn、B、Al、Ga、Inの少なくとも一種である)、および、S元素を含有する固体電解質が挙げられる。また、硫化物固体電解質は、O元素およびハロゲン元素の少なくとも一方をさらに含有していてもよい。ハロゲン元素としては、例えば、F元素、Cl元素、Br元素、I元素が挙げられる。
硫化物固体電解質は、Li元素、A元素(Aは、P、As、Sb、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも一種である)、およびS元素を含有するイオン伝導体を備えることが好ましい。さらに、上記イオン伝導体は、Li含量が高いことが好ましい。
硫化物固体電解質は、上記イオン伝導体に加えて、ハロゲン化リチウムを含有していてもよい。ハロゲン化リチウムとしては、例えば、LiF、LiCl、LiBrおよびLiIが挙げられ、中でも、LiCl、LiBrおよびLiIが好ましい。硫化物固体電解質におけるLiX(X=F、I、Cl、Br)の割合は、例えば5mol%以上であり、15mol%以上であってもよい。一方、上記LiXの割合は、例えば30mol%以下であり、25mol%以下であってもよい。
硫化物固体電解質の具体例としては、xLiS・(100−x)P(70≦x≦80)、yLiI・zLiBr・(100−y−z)(xLiS・(1−x)P)(0.7≦x≦0.8、0≦y≦30、0≦z≦30)が挙げられる。
被覆部における第一固体電解質の割合は、Si系活物質を100重量%とした場合に、例えば1重量%以上であり、5重量%以上であってもよく、10重量%以上であってもよい。一方、被覆部における第一固体電解質の割合は、Si系活物質を100重量%とした場合に、例えば60重量%以下であり、40重量%以下であってもよい。
また、第一固体電解質および後述する第二固体電解質の合計に対する第一固体電解質の割合は、33重量%以上であり、例えば35重量%以上であってもよく、40重量%以上であってもよく、45重量%以上であってもよい。一方、第一固体電解質および後述する第二固体電解質の合計に対する第一固体電解質の割合は、67重量%以下であり、例えば65重量%以下であってもよく、60重量%以下であってもよく、55重量%以下であってもよく、50重量%以下であってもよい。第一固体電解質の割合が多すぎると、被覆部の厚さが大きくなりすぎ、抵抗が増加する恐れがある。第一固体電解質の割合が少なすぎると、体積変化を十分に抑制できない恐れがある。
また、本開示における複合活物質は、必要に応じて被覆部に第一導電材を含有していてもよい。被覆部における電子伝導性が向上するからである。第一導電材としては、例えば、炭素材料、金属材料が挙げられる。炭素材料としては、例えば、気相成長カーボンファイバ(VGCF)、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)が挙げられる。金属材料としては、例えば、Ni、Cu、Fe、SUSが挙げられる。また、第一導電材の形状としては、例えば、球状、繊維状が挙げられる。
第一導電材の比表面積は、大きいことが好ましい。第一導電材の比表面積は、例えば90m/g以上であり、140m/g以上であってもよく、370m/g以上であってもよい。一方、第一導電材の比表面積は、例えば1000m/g以下である。第一導電材の比表面積は、例えばBET法により求めることができる。
本開示における複合活物質において、第一固体電解質を含有する上記被覆部が上記Si系活物質を被覆している。複合活物質においては、Si系活物質の一次粒子表面が被覆部で被覆されていてもよく、Si系活物質が凝集した二次粒子の表面が被覆部で被覆されていてもよい。
被覆率は、例えば70%以上であり、75%以上であってもよく、80%以上であってもよい。一方、被覆率は、100%であってもよく、100%未満であってもよい。被覆率は、X線光電子分光法(XPS)測定により求めることができる。
被覆部の厚さは、例えば75nm以上であり、100nm以上であってもよい。一方、被覆部の厚さは、例えば300nm以下であり、200nm以下であってもよい。被覆部の厚さは、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)による観察で求めることができる。詳細な算出方法は、実施例に記載する。なお、被覆部の厚さは、Si系活物質に対する第一固体電解質の割合を変化させることにより調整することができる。
本開示における準備工程では、複合活物質を他者から購入して準備してもよく、自ら作製して準備してもよい。後者の場合、Si系活物質および第一固体電解質を含有する混合物に対して圧縮せん断処理を行うことにより、Si系活物質の表面に、第一固体電解質を含有する被覆部を形成することが好ましい。これにより、上述した複合活物質が得られる。また、上記混合物は上述した第一導電材を含有していてもよい。
圧縮せん断処理は、ブレードを回転させることにより、ブレードと、容器の壁面との間に存在する混合物に圧縮せん断エネルギーを与える機械的混練処理であることが好ましい。回転ブレードを用いた圧縮せん断処理は、典型的には、破砕メディア(例えば、ボール、ビーズ等)を用いないメディアレスの処理である。そのため、破砕メディアを用いた場合に比べて、Si系活物質への機械的ダメージおよび熱的ダメージを小さくすることができる。
圧縮せん断処理装置としては、例えば、メカノフュージョンシステム、ハイブリダイゼーションシステムが挙げられる。圧縮せん断処理装置としては、例えば、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、COMPOSI(日本コークス工業社製)が挙げられる。また、ブレードの材質としては、例えば、セラミックス、ガラス、金属が挙げられる。また、圧縮せん断処理は、乾式で行なってもよく、湿式で行なってもよい。
圧縮せん断処理におけるブレード周速は、例えば6m/s以上であり、9m/s以上であってもよく、26.4m/s以上であってもよい。ブレード周速が小さすぎると、被覆に時間がかかり、生産性が低下する可能性がある。一方、ブレード周速は、例えば30m/s以下である。ブレード周速が大きすぎると、冷却装置が大きくなり、コストが高くなる可能性がある。なお、ブレード周速は、ローターに配置されたブレードの最外周の周速である。また、ブレードの回転数は、例えば500rpm以上であり、1000rpm以上であってもよく、2000rpm以上であってもよい。一方、ブレードの回転数は、例えば5000rpm以下であり、4000rpm以下であってもよい。
ブレードと容器の壁面との距離は、例えば0.1mm以上であり、0.2mm以上であってもよく、0.5mm以上であってもよい。一方、ブレードと容器の壁面との距離は、例えば5mm以下であり、2mm以下であってもよい。また、圧縮せん断処理の処理時間は、例えば5分間以上であり、10分間以上であってもよい。一方、圧縮せん断処理の処理時間は、例えば30分間以下であり、20分間以下であってもよい。
2.負極合材調製工程
本開示における負極合材調製工程は、上述した複合活物質および第二固体電解質を混合して、負極合材を調製する工程である。
本開示における負極合材は、複合活物質および第二固体電解質を少なくとも含有する。また、負極合材は、必要に応じて第二導電材およびバインダーの少なくとも一方を含有してもよい。複合活物質については上記「1.準備工程」で説明したとおりである。
負極合材の固形成分中、複合活物質の割合は、例えば20重量%以上であり、30重量%以上であってもよく、40重量%以上であってもよい。一方、複合活物質の割合は、例えば、80重量%以下であり、70重量%以下であってもよく、60重量%以下であってもよい。
負極合材は、負極活物質として上述した複合活物質のみを含有していてもよく、その他の活物質を含有していてもよい。後者の場合、全ての負極活物質における複合活物質の割合が、50重量%以上であってもよく、70重量%以上であってもよく、90重量%以上であってもよい。
第二固体電解質とは、上記被覆部に含まれる固体電解質(第一固体電解質)以外の固体電解質をいう。第二固体電解質については、上述した第一固体電解質と同様であるので、ここでの記載は省略する。第一固体電解質と第二固体電解質とは同じであってもよいし、異なってもよいが、前者が好ましい。
負極合材の固形成分中、第二固体電解質の割合は、例えば1重量%以上であり、10重量%以上であってもよい。一方、負極層における第二固体電解質の割合は、例えば60重量%以下であり、50重量%以下であってもよい。また、第一固体電解質との割合は、「1.準備工程」で説明したとおりである。
第二導電材とは、上記被覆部に含まれる導電材(第一導電材)以外の導電材をいう。なお、第二導電材については、上述した第一導電材と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、第一導電材と第二導電材とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
負極合材の固形成分中、第二導電材の割合は、例えば10重量%以下であり、7重量%以下であってもよく、5重量%以下であってもよい。一方、負極層における第二導電材の割合は、例えば0.1重量%以上である。
バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン−ポリヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、フッ素ゴム等のフッ化物系バインダー、ブタジエンゴム、水素化ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水素化スチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、水素化ニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等のゴム系バインダーが挙げられる。また、アクリル系バインダーを用いてもよい。
負極合材の固形成分中、バインダーの割合は、例えば10重量%以下であり、5重量%以下であってもよく、3重量%以下であってもよい。一方、負極合材におけるバインダーの割合は、例えば0.1重量%以上である。
また、負極合材は、分散媒を含有していてもよく、含有していなくてもよい。分散媒の種類は特に限定されず、例えば、酪酸ブチル、ジブチルエーテル、ヘプタンが挙げられる。なお、分散媒を含有する負極合材を、負極スラリーと称する場合がある。
負極合材における分散媒の割合は、固形成分を100重量%とした場合に、例えば60重量%以上120重量%以下である。
本開示における負極合材調製工程では、上述した負極合材の固形成分を、上記分散媒に添加して混合する方法を挙げることができる。
混合方法としては、例えば、超音波ホモジナイザー、振とう器、薄膜旋廻型ミキサー、ディゾルバー、ホモミキサー、ニーダー、ロールミル、サンドミル、アトライター、ボールミル、バイブレーターミル、高速インペラーミルが挙げられる。
3.負極層形成工程
本開示における負極層形成は、上述した負極合材を用いて、負極層を形成する工程である。負極層における各構成成分の種類および割合については、「2.負極合材調製工程」で説明したとおりである。
負極層の形成方法としては、例えば、負極合材(負極スラリー)を塗工して乾燥させる方法が挙げられる。負極合材の塗工方法としては、例えば、ドクターブレード法、ダイコート法、グラビアコート法、スプレー塗工法、静電塗工法、バー塗工法が挙げられる。
負極層の厚さは、例えば0.1μm以上1000μm以下である。
4.負極
本開示における負極は、通常、上述した負極層および負極集電体を有する。負極集電体の材料としては、例えば、SUS、銅、ニッケルおよびカーボンが挙げられる。なお、負極集電体の厚さ、形状については、適宜選択することが好ましい。
本開示における負極は電池に用いられる。上記電池は、上述した負極、正極層および電解質層を少なくとも有する。さらに通常は、正極層の集電を行う正極集電体を有する。
正極層が含有する正極活物質としては、例えば、ニッケル酸リチウム、ニッケルコバルトアルミ酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム等の活物質が挙げられる。また、正極集電体の材料としては、例えば、SUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボンが挙げられる。
電解質層に含まれる電解質は特に限定されず、従来公知の電解質を用いることができる。
また、上記電池はリチウムイオン電池であることが好ましい。また、上記リチウムイオン電池は、液系電池であってもよく、全固体電池であってもよいが、後者が好ましい。
また、上記リチウムイオン電池は、一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、中でも二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。二次電池には、二次電池の一次電池的使用(初回充電のみを目的とした使用)も含まれる。
また、上記リチウムイオン電池は、単電池であってもよく、積層電池であってもよい。積層電池は、モノポーラ型積層電池(並列接続型の積層電池)であってもよく、バイポーラ型積層電池(直列接続型の積層電池)であってもよい。電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型が挙げられる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
[実施例1]
(複合活物質の調製)
粒子複合化装置(NOB−MINI、ホソカワミクロン社製)に、負極活物質(Si粒子、平均粒径0.19μm)24.5g、第一固体電解質として硫化物固体電解質(10LiI−15LiBr−75(0.75LiS−0.25P)、平均粒径0.5μm)5.2g、および導電材(球状カーボン、比表面積93m/g)0.3gを投入した(合計30g)。圧縮せん断ローターの回転羽根(ブレード)−処理容器内壁の間隔を1mm、圧力を100Pa、ブレード周速を26.4m/s、処理時間を12.5分間に設定して、圧縮せん断処理を行ない、複合活物質を得た。
(負極合材の調製)
負極合材において、負極活物質:硫化物固体電解質:導電材:バインダー=52.7:40.9:4.2:2.1の重量比となるように、上記複合活物質、第二固体電解質(10LiI−15LiBr−75(0.75LiS−0.25P)、平均粒径0.5μm)、導電材(VGCF)、およびバインダー(PVdF)を秤量し、分散媒(ヘプタン)とともに混合した。得られた混合物を、超音波ホモジナイザー(UH−50、株式会社エスエムテー製)で分散させることにより、負極合材を得た。なお、複合活物質および第二固体電解質は、第一固体電解質および第二固体電解質の合計に対する第一固体電解質の割合が33重量%となる量である。
(負極構造体の作製)
得られた負極合材を、負極集電体(銅箔)上に塗工し、100℃30分間の条件で乾燥させた。その後、1cmの大きさに打ち抜くことにより、負極層および負極集電体を有する負極構造体(負極)を得た。負極層の厚さは31μmであった。
(全固体電池の作製)
正極活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)、硫化物固体電解質(10LiI−15LiBr−75(0.75LiS−0.25P))、導電材(VGCF)、およびバインダー(PVdF)を、重量比で、正極活物質:硫化物固体電解質:導電材:バインダー=84.7:13.4:1.3:0.6となるように秤量し、分散媒(ヘプタン)とともに混合した。得られた混合物を、超音波ホモジナイザー(UH−50、株式会社エスエムテー製)で分散させることにより、正極合材を得た。得られた正極合材を、正極集電体(アルミニウム箔)上に塗工し、100℃30分間の条件で乾燥させた。その後、1cmの大きさに打ち抜くことにより、正極層および正極集電体を有する正極構造体を得た。なお、正極層の厚さは50μmであった。
内径断面積1cmの筒状セラミックスに、硫化物固体電解質(10LiI−15LiBr−75(0.75LiS−0.25P))を入れ、4ton/cmでプレスすることにより、固体電解質層(厚さ15μm)を得た。得られた固体電解質層を挟むように、上記正極構造体および上記負極構造体を配置し、4ton/cmでプレスした。その後、正極側および負極側に、それぞれステンレス棒を入れ、5MPaで拘束することにより、全固体電池を得た。
[実施例2および実施例3]
第一固体電解質および第二固体電解質の割合を、表1の値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして全固体電池を作製した。
[比較例1]
負極活物質(Si粒子、平均粒径2.5μm)、硫化物固体電解質(10LiI−15LiBr−75(0.75LiS−0.25P)、平均粒径0.5μm)、導電材(VGCF)、およびバインダー(PVdF)を、重量比で、負極活物質:硫化物固体電解質:導電材:バインダー=52.7:40.9:4.2:2.1となるように秤量し、分散媒(ヘプタン)とともに混合した。得られた混合物を、超音波ホモジナイザー(UH−50、株式会社エスエムテー製)で分散させることにより、負極合材を得た。得られた負極合材を、負極集電体(銅箔)上に塗工し、100℃30分間の条件で乾燥させた。その後、1cmの大きさに打ち抜くことにより、負極層および負極集電体を有する負極構造体を得た。負極層の厚さは31μmであった。上記負極構造体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして全固体電池を作製した。
[比較例2〜比較例4]
第一固体電解質および第二固体電解質の割合を、表1の値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして全固体電池を作製した。
Figure 2021082452
[評価]
(被覆部の膜厚)
実施例1〜実施例3および比較例4で得られた複合活物質を、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて観察した。観察においては、複合活物質をABR樹脂に埋め込んだ後、クロクセクションポリッシャ(CP)加工により断面出しを行った。膜厚は、得られた画像の活物質を中心に、0°方向から45°毎に8点を側長し、平均膜厚として算出した。結果を表2に示す。また、比較例4における顕微鏡画像および側長箇所を、図3に示す。
Figure 2021082452
表2に示されるように、第一固体電解質の割合が多いほど、被覆部の膜厚が大きくなることが確認された。
(第一固体電解質および第二固体電解質のLiイオン拡散係数の比較)
比較例4の第一固体電解質および第二固体電解質について、NMR法によりLiイオン拡散係数を測定した。第二固体電解質の結果を1とし、第一固体電解質のLiイオン拡散係数を相対評価した。結果を図4に示す。
図4に示されるように、第一固体電解質のLiイオン拡散係数は第二固体電解質に対して4割ほど低下していた。これは、複合活物質調製の際に第一固体電解質にひずみが生じ、第一固体電解質の結晶性が低下してしまったためと考えられる。なお、比較例4と同様の方法で作製した実施例1〜実施例3の負極においても、同様の結果が得られると推察される。
(固体電解質間の空隙測定)
実施例3、比較例1および比較例4で得られた負極において、FE−SEM画像(倍率10000倍)に基づいて、目視にて空隙を特定した。特定された空隙に対して、画像処理により、被覆部における第一固体電解質同士間の空隙を特定、面積を求めた。結果を図5に示す。
図5に示されるように、第一固体電解質を有する比較例4および実施例3の結果と、第一固体電解質を用いなかった比較例1の結果から、被覆部において第一固体電解質同士によって空隙が作られたことが確認された。また、第二固体電解質を有する実施例3では、第二固体電解質を有さない比較例4よりも空隙面積が小さかった。これは、被覆部における第一固体電解質同士の隙間(空隙)を第二固体電解質が埋めたためと考えられる。
(拘束圧測定)
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例4で得られた全固体電池を、それぞれ4個積層して、積層セルを得た。得られた積層セルを用いて、初回充電時の拘束圧増加率を測定した。具体的には、積層セルの拘束圧を定寸でモニタリングし、0.1Cレートで、電圧4.5Vでの拘束圧の割合を、拘束圧増加率とした。第一固体電解質を用いなかった比較例1の値を1として、相対評価した。後述する抵抗測定の結果と合わせて図6に示す。
(抵抗測定)
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例4で得られた全固体電池に対して、DC−IR法による内部抵抗評価を行った。具体的には、全固体電池のOCVを3.7Vに調整し、その後17.2mAで10秒間放電した時の電圧を測定した。OCVからの電圧変化から内部抵抗を求めた。第二固体電解質を用いなかった比較例4の値を1として、相対評価した。上記拘束圧測定の結果と合わせて図6に示す。
図6に示されるように、第一固体電解質の割合が33重量%〜67重量%である実施例1〜実施例3では、十分に拘束圧の増加が抑制され、抵抗も抑制されていた。特に、第一固体電解質の割合が44重量%である実施例2では、抵抗上昇がより少なく、拘束圧増加もより抑制されていた。
1 …負極層
2 …負極集電体
10 …負極

Claims (1)

  1. 電池に用いられる負極の製造方法であって、
    Si系活物質と、前記Si系活物質を被覆し、第一固体電解質を含有する被覆部と、を有する複合活物質を準備する、準備工程と、
    前記複合活物質および第二固体電解質を混合して負極合材を調製する、負極合材調製工程と、
    前記負極合材を用いて負極層を形成する、負極層形成工程と、を有し、
    前記第一固体電解質および前記第二固体電解質の合計に対する前記第一固体電解質の割合が、33重量%以上67重量%以下である、負極の製造方法。
JP2019208123A 2019-11-18 2019-11-18 負極の製造方法 Active JP7207273B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019208123A JP7207273B2 (ja) 2019-11-18 2019-11-18 負極の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019208123A JP7207273B2 (ja) 2019-11-18 2019-11-18 負極の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021082452A true JP2021082452A (ja) 2021-05-27
JP7207273B2 JP7207273B2 (ja) 2023-01-18

Family

ID=75965861

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019208123A Active JP7207273B2 (ja) 2019-11-18 2019-11-18 負極の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7207273B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014022204A (ja) * 2012-07-19 2014-02-03 Hitachi Ltd リチウムイオン二次電池用活物質粒子およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2016509739A (ja) * 2012-12-27 2016-03-31 サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド 2次電池用の負極活物質、2次電池用の導電性組成物、これを含む負極材料、これを含む負極構造体および2次電池、およびこれらの製造方法
JP2017027886A (ja) * 2015-07-27 2017-02-02 トヨタ自動車株式会社 負極合材および全固体電池
JP2018106974A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. リチウムイオン二次電池、電極活物質粒子の製造方法およびリチウムイオン二次電池の製造方法
CN109921090A (zh) * 2019-03-08 2019-06-21 山东大学 一种锂离子全固态全电池及其制备方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014022204A (ja) * 2012-07-19 2014-02-03 Hitachi Ltd リチウムイオン二次電池用活物質粒子およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2016509739A (ja) * 2012-12-27 2016-03-31 サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド 2次電池用の負極活物質、2次電池用の導電性組成物、これを含む負極材料、これを含む負極構造体および2次電池、およびこれらの製造方法
JP2017027886A (ja) * 2015-07-27 2017-02-02 トヨタ自動車株式会社 負極合材および全固体電池
JP2018106974A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. リチウムイオン二次電池、電極活物質粒子の製造方法およびリチウムイオン二次電池の製造方法
CN109921090A (zh) * 2019-03-08 2019-06-21 山东大学 一种锂离子全固态全电池及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7207273B2 (ja) 2023-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7251069B2 (ja) 全固体電池およびその製造方法
JP6497282B2 (ja) 全固体電池用負極
US10297818B2 (en) Device and method for producing composite active material powder using a production device including a rotating body with blades each having a tapered section at an end part thereof on a front side in a rotation/movement direction of the rotating body
US11522175B2 (en) Method of producing cathode slurry, cathode and all-solid-state battery, and cathode and all-solid-state battery
US11545695B2 (en) All-solid-state battery
JP6760097B2 (ja) リチウム二次電池用正極およびその製造方法
KR20240045188A (ko) 전고체전지 및 전고체전지의 제조방법
JP2019121557A (ja) 負極層
JP7218661B2 (ja) スラリーの製造方法、活物質層の製造方法、および全固体電池の製造方法
JP7247909B2 (ja) 全固体電池用負極
JP7207273B2 (ja) 負極の製造方法
WO2022070542A1 (ja) 電極、及び電極の製造方法
JP7159665B2 (ja) 全固体電池
JP7117568B2 (ja) 電極合剤、電池及び電極の製造方法
CN114068913A (zh) 全固体电池
JP7276218B2 (ja) 負極活物質および電池
KR20230145677A (ko) 클러스터 복합체를 포함하는 전고체 전지용 전극 슬러리 및 이의 제조방법
JP2022086554A (ja) 全固体電池
JP2023096596A (ja) 負極層、負極層の製造方法および全固体電池
JP2022079934A (ja) 全固体電池
CN118043994A (zh) 负极活性物质及电池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221219

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7207273

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151