JP2021082142A - 硬貨処理装置及び現金取扱装置 - Google Patents

硬貨処理装置及び現金取扱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成により入出金部から搬送部へ異物が入り込むことを防止し信頼性を向上させる。【解決手段】規制部材52は、搬送路Wに対して移動可能に設けられ、搬送路Wと放出口60との間における硬貨の搬送経路上において搬送路Wにおける硬貨の厚さ方向の一端から他端までに亘って配設された前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bを有し、ピンベルト51により搬送される硬貨と前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bの少なくとも一方とが接触することにより、該硬貨の搬送経路上から該前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bが退避する退避方向R1へ移動することで該硬貨を放出口60から放出させる一方、放出口60側から搬送路Wへ侵入する異物と後側規制ピン52Bとが接触することにより、該搬送路Wへの異物の侵入を規制する。【選択図】図20

Description

本発明は硬貨処理装置及び現金取扱装置に関し、例えば顧客に紙幣や硬貨を投入させて所望の取引を行う現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine)に適用して好適なものである。
従来、金融機関等で使用される現金自動預払機等においては、顧客との取引内容に応じて、例えば顧客に紙幣や硬貨等の現金を入金させ、また顧客へ現金を出金するものが広く普及している。
この現金自動預払機としては、例えば硬貨に関する処理を行う硬貨処理装置を内部に有するものがある。硬貨処理装置は、例えば顧客との間で硬貨の授受を行う入出金部と、集積された硬貨を1枚ずつに分離する分離部と、硬貨を搬送する搬送部と、投入された硬貨の金種や真偽等を識別する識別部(認識部とも呼ぶ)と、金種毎に硬貨を収納する収納部等を有している。
このような硬貨処理装置においては、搬送部における入出金部への受け渡し箇所において、該搬送部と入出金部とを連通させる放出口が設けられており、該放出口を介し搬送部から入出金部へ硬貨が放出されるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許第2807646号
このような搬送部においては、搬送部から入出金部へ放出されたものの、入出金部から放出口へ向かって跳ね返った硬貨や、顧客の誤操作により放出口へ誤って挿入された硬貨が、放出口を介して入出金部から搬送部へ逆流するように入り込んでしまう可能性があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な構成により搬送部へ異物が逆流して入り込むことを防止し信頼性の高い硬貨処理装置及び現金取扱装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の硬貨処理装置においては、硬貨が搬送される搬送路と、搬送路に沿って硬貨を搬送する搬送手段と、搬送路と連通し、該搬送路から硬貨を放出させる放出口と、放出口側から搬送路への異物の侵入を規制する規制部材とを設け、規制部材は、搬送路に対して移動可能に設けられ、搬送路と放出口との間における硬貨の搬送経路上において、搬送路における硬貨の厚さ方向の一端から他端までに亘って配設された当接部を有し、搬送手段により搬送される硬貨と当接部とが接触することにより、該硬貨の搬送経路上から該当接部が退避する退避方向へ移動することで該硬貨を放出口から放出させる一方、放出口側から搬送路へ侵入する異物と当接部とが接触することにより、該搬送路への異物の侵入を規制するようにした。
また本発明の現金取扱装置においては、使用者の操作を受け付ける操作部と、上述した硬貨処理装置とを設けるようにした。
本発明は、集積先から搬送路へ異物が入り込むことを防止し、集積先から搬送路側へ向かって異物が移動したとしても当接部を該異物と当接させ、該異物の搬送路への移動を規制し搬送路に入れないようにできると共に、硬貨を搬送路から集積先へスムーズに放出できる。
本発明によれば、簡易な構成により搬送部へ異物が逆流して入り込むことを防止し信頼性を向上し得る硬貨処理装置及び現金取扱装置を実現できる。
現金自動預払機の外観構成を示す斜視図である。 硬貨処理装置の内部構成を示す右側面図である。 ピンベルト硬貨放出部の構成(1)を示す右側面図である。 ピンベルト硬貨放出部の構成(2)を示す平面図である。 規制部材回動シャフト、前側規制ピン及び後側規制ピンの位置関係(1)を示す右側面図である。 規制部材回動シャフト、前側規制ピン及び後側規制ピンの位置関係(2)を示す右側面図である。 規制部材回動シャフト、前側規制ピン及び後側規制ピンの位置関係(3)を示す右側面図である。 最大直径硬貨が搬送される様子(1)を示す右側面図である。 最大直径硬貨が搬送される様子(2)を示す右側面図である。 最大直径硬貨が搬送される様子(3)を示す右側面図である。 最大直径硬貨が搬送される様子(4)を示す右側面図である。 最大直径硬貨が搬送される様子(5)を示す右側面図である。 最大直径硬貨が搬送される様子(6)を示す右側面図である。 最大直径硬貨が搬送される様子(7)を示す右側面図である。 最大直径硬貨が搬送される様子(8)を示す平面図である。 中間直径硬貨が搬送される様子(1)を示す右側面図である。 中間直径硬貨が搬送される様子(2)を示す右側面図である。 中間直径硬貨が搬送される様子(3)を示す右側面図である。 中間直径硬貨が搬送される様子(4)を示す右側面図である。 最小直径硬貨が押し込まれた様子(1)を示す右側面図である。 最小直径硬貨が押し込まれた様子(2)を示す平面図である。 第1比較例による規制部材回動シャフト、前側規制ピン及び後側規制ピンの位置関係(1)を示す右側面図である。 第2比較例による規制部材回動シャフト、前側規制ピン及び後側規制ピンの位置関係(2)を示す右側面図である。 第3比較例による規制部材回動シャフト、前側規制ピン及び後側規制ピンの位置関係(3)を示す右側面図である。 第4比較例による規制部材回動シャフト、前側規制ピン及び後側規制ピンの位置関係(4)を示す右側面図である。 第5比較例によるピンベルト硬貨放出部の構成(1)を示す平面図である。 第6比較例によるピンベルト硬貨放出部の構成(2)を示す平面図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.現金自動預払機の構成]
図1に示すように、現金取扱装置としての現金自動預払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関や各種商業施設等に設置され、使用者(すなわち金融機関や商業施設の顧客等)との間で、入金処理や出金処理等の現金に関する取引を行う。
筐体2は、その前側に使用者が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所に応対部3が設けられている。応対部3は、使用者との間で例えば現金やカード等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行うようになっており、通帳入出口4、カード入出口5、硬貨入出金口6、紙幣入出金口7及び操作表示部8等が設けられている。
通帳入出口4は、通帳が挿入され、また排出する部分である。通帳入出口4の奥側には、通帳の裏表紙等に設けられた磁気記録部から磁気情報を読み取り、また該通帳に取引の内容を記録する通帳処理部(図示せず)が設けられている。カード入出口5は、キャッシュカード等の各種カードが挿入又は排出される部分である。カード入出口5の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。
硬貨入出金口6は、使用者によって入金される硬貨が投入されると共に、使用者へ出金する硬貨が排出される部分である。紙幣入出金口7は、使用者によって入金される紙幣が投入されると共に、使用者へ出金する紙幣が排出される部分である。この硬貨入出金口6及び紙幣入出金口7は、それぞれシャッタを駆動することにより開放又は閉塞するようになっている。操作部としての操作表示部8は、取引に際して操作画面や取引内容等を表示する液晶表示パネルと、使用者の入力操作を検知するタッチセンサとが一体化されたタッチパネルである。
以下では、現金自動預払機1のうち使用者が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、該前側に対峙した使用者から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
筐体2の内部には、現金自動預払機1全体を統括制御する主制御部9、取引対象である硬貨に関する種々の処理を行う硬貨処理装置10や、紙幣に関する種々の処理を行う紙幣処理装置(図示せず)等が設けられている。主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金処理や出金処理等の種々の処理を行う。また主制御部9は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
硬貨処理装置10は、全体として直方体に類似した形状に構成されており、図示しないスライドレールを介して筐体2に取り付けられている。また筐体2の前面側又は後面側には、開閉可能な扉(図示せず)が設けられている。このため現金自動預払機1は、保守作業等が行われる場合、筐体2の前面側又は後面側の扉を開放した上で、硬貨処理装置10を前方又は後方へスライドさせることにより、該硬貨処理装置10を該筐体2の外部に位置させ、また該筐体2の内部に収納させることができる。
[1−2.硬貨処理装置の構成]
図2に示すように硬貨処理装置10は、硬貨処理装置筐体11の内部に、硬貨に関する種々の処理を行う複数の部分が組み込まれている。この硬貨は、例えば銅及びニッケルの合金やアルミニウム等、十分な強度を有する非磁性体の材料でなり、薄い円板形状に形成されている。因みに硬貨処理装置10では、直径が異なる複数種類の硬貨を取り扱うことが想定されている。
硬貨処理装置筐体11の内部には、比較的上側ないし中央付近に、入出金部13、シュート部14、上分離部15、認識搬送部16、受渡部17、ピンベルト搬送部18、6個のスタッカ部21、出金搬送部22及び一時保留部23が設けられている。また硬貨処理装置筐体11の内部には、比較的下側に、硬貨制御部12、補充回収庫24、第1補充リジェクト庫25、第2補充リジェクト庫26、リジェクト庫27、取忘取込庫28及び下分離部29が設けられている。
硬貨制御部12は、主制御部9と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金取引や出金取引等に関する種々の処理を行い、硬貨処理装置10を統括制御する。また硬貨制御部12は、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
集積部としての入出金部13は、使用者との間で硬貨を受け渡すことにより、該使用者に硬貨を入金させ、又は該使用者に硬貨を出金する。該入出金部13は、上側に開口部を有し硬貨を収容する集積空間が形成された収容器13Aと、該開口部を開閉するシャッタ13Bと、収容器13A内における硬貨の有無等を検知するセンサ(図示せず)とを有している。
入出金部13は、シャッタ13Bを開放した状態で使用者により硬貨が収容器13Aに投入されると、該シャッタ13Bを閉塞し、硬貨を収容器13A内からシュート部14に引き渡して該シュート部14内を下降させ、上分離部15内に到達させる。また入出金部13は、シャッタ13Bを閉塞した状態で、後述するピンベルト搬送部18から硬貨が搬送されてくると、該硬貨を収容器13A内に収容した後、シャッタ13Bを開放して使用者に受け取らせる。
上分離部15は、下側の比較的大きい容積を占める部分である集積分離部15Aと、該集積分離部15Aから上方に突出するように形成された分離搬送部15Bとにより構成されている。この上分離部15は、集積分離部15Aに硬貨を集積すると共に、この硬貨を1枚ずつに分離して分離搬送部15Bにより上方向へ搬送し、さらに搬送路に沿って後方向へ搬送して認識搬送部16に引き渡す。
認識搬送部16は、シュート部14の右側に位置しており、硬貨を搬送しながら撮像し、得られた画像信号を基に該硬貨の金種や真偽、或いは損傷の程度等を基に該硬貨が取扱可能であるか否かを判定する。そのうえで認識搬送部16は、得られた判定結果を該硬貨の認識結果として硬貨制御部12に通知すると共に、該硬貨を受渡部17に引き渡す。受渡部17は、認識搬送部16から受け取った硬貨をピンベルト搬送部18に引き渡す。
ピンベルト搬送部18は、スタッカ部21の前側下部、下側、後側、上側及び前側上部をそれぞれ前ピンベルト搬送部18F、下ピンベルト搬送部18L、後ピンベルト搬送部18R、上ピンベルト搬送部18U及びピンベルト硬貨放出部18Tにより取り囲み、硬貨を搬送する経路である搬送路Wを形成している。また上ピンベルト搬送部18Uは、前端近傍におけるピンベルト硬貨放出部18Tにおいて、前斜め下方向へ屈曲し、上述したように入出金部13(図2)と接続されている。ピンベルト搬送部18は、硬貨の盤面と当接し搬送路Wに沿って進行するよう案内する搬送ガイドと、概ね該搬送路Wに沿って走行するピンベルト51とにより構成されている。このピンベルト51には、硬貨の末尾側から搬送方向へ付勢する突起51Pが設けられている。
またピンベルト搬送部18は、図3に示すように、上側をやや左方向へ傾けたような傾斜面である左側搬送面50BSが形成されており、この左側搬送面50BSに硬貨の盤面を当接させる。さらにピンベルト搬送部18は、左側搬送面50BSにおける上側に上側搬送面50UBSが、下側に下側搬送面50LBSがそれぞれ形成されており、この上側搬送面50UBSと下側搬送面50LBSとにより硬貨の上下方向への移動範囲を規制している。例えばピンベルト硬貨放出部18Tにおいてピンベルト搬送部18は、硬貨の周側面を下側搬送面50LBSに当接させつつ硬貨を転がすように搬送する。
ピンベルト51は、ベルト51B及び突起51Pにより構成されている。ベルト51Bは、可撓性を有する材料によって円環状に形成されている。ベルト51Bは、各プーリを順次結ぶように張架されることにより、左側搬送面50BSにおける上下方向のほぼ中央に対し、右側にやや離れた箇所に位置する。
このような構成により、ピンベルト搬送部18は、図示しないモータから一部のプーリに駆動力が伝達されると、該プーリを右側面視で反時計回りに回転させ、これに伴ってベルト51Bを図2中反時計回りとなるように走行させる。これに伴いピンベルト搬送部18は、左側搬送面50BSに硬貨の盤面(すなわち左側面)を寄りかからせた状態で、突起51Pにより該硬貨に対し搬送方向へ力を加え、進行させることにより、搬送する。
このピンベルト搬送部18は、受渡部17から硬貨を受け取ると、この硬貨を前ピンベルト搬送部18Fに沿って下方向へ進行させ、さらに下ピンベルト搬送部18Lに沿って後方向へ進行させる。続いてピンベルト搬送部18は、この硬貨を後ピンベルト搬送部18Rに沿って上方向へ進行させ、さらに上ピンベルト搬送部18Uに沿って前方向へ進行させた後、ピンベルト硬貨放出部18Tにおいて入出金部13へ放出する。
すなわちピンベルト搬送部18は、認識搬送部16から受渡部17を介して受け渡された硬貨を、スタッカ部21の周囲を周回するようにして、概ね環状に形成された搬送路Wに沿って入出金部13へ搬送する。
またピンベルト搬送部18(図2)には、スタッカ部21の前側下部及び下側に配置された部分における複数箇所に、硬貨の搬送経路を分岐させる分岐部19がそれぞれ設けられている。各分岐部19の左側には、硬貨を案内する案内部30がそれぞれ設けられている。
各分岐部19は、それぞれ回動可能な案内板及びアクチュエータ等(何れも図示せず)を有しており、硬貨制御部12の制御に基づいて案内板を回動させることにより、硬貨を引き続きピンベルト搬送部18に沿って進行させるか、或いは各案内部30へ分岐させるかを切り替える。各案内部30は、ピンベルト搬送部18から、それぞれ補充回収庫24、第1補充リジェクト庫25、一時保留部23、リジェクト庫27及び取忘取込庫28等へ硬貨を進行させる。
さらにピンベルト搬送部18には、6個のスタッカ部21のそれぞれ上側となる6箇所に、スタッカ分岐部20が設けられている。各スタッカ分岐部20の左側には、硬貨をスタッカ部21へ案内する案内部31が設けられている。各スタッカ分岐部20は、各分岐部19と同様に構成されており、硬貨制御部12の制御に基づいて案内板を回動させることにより、硬貨を引き続きピンベルト搬送部18に沿って進行させるか、或いは各スタッカ部21へ分岐させるかを切り替える。
スタッカ部21は、それぞれ所定の金種の硬貨と対応付けられており、上側に設けられた案内部31と、該案内部31の下側において硬貨を上下方向に沿って積み重ねるように集積する集積部32と、該集積部32の下側から硬貨を繰り出す繰出部34とを有している。このスタッカ部21は、ピンベルト搬送部18により搬送された硬貨をスタッカ分岐部20から受け取ると、該硬貨を案内部31により集積部32へ案内して集積させる。またスタッカ部21は、硬貨制御部12の制御に基づき、集積部32に集積している硬貨を繰出部34により1枚ずつ繰り出し、下方の出金搬送部22又は一時保留部23へ落下させる。
出金搬送部22は、ピンベルト搬送部18の右側に位置しており、上側及び前側が開放された中空の直方体のように構成され、内部に硬貨を収容し得る空間を形成している。また出金搬送部22は、底部にベルトやプーリ等でなるベルト搬送機構が組み込まれており、スタッカ部21から繰り出された硬貨をベルト上に載置若しくは集積する。この出金搬送部22は、ベルトの上に硬貨が載置若しくは集積された状態で、該ベルトの上側部分を前方へ向けて走行させることにより、該硬貨を前側の一時保留部23へ落下させる。
一時保留部23は、出金搬送部22の後端を下げると共に前端を持ち上げ、さらに左右の側板を三角形状としたような構成となっており、その内部に硬貨を収容する空間を形成すると共に、底部にベルト搬送機構が組み込まれている。このため一時保留部23は、スタッカ部21から繰り出された硬貨や出金搬送部22から搬送されてきた硬貨を、内部空間のベルト上に載置若しくは集積させる。また一時保留部23は、ベルトの上に硬貨が載置若しくは集積された状態で、該ベルトの上側部分を前斜め上方へ向けて走行させることにより、該硬貨を前側の上分離部15へ繰り出し、その内部へ落下させる。
補充回収庫24は、内部に硬貨を集積する集積部や、該集積部に集積されている硬貨を搬送する搬送機構等を有している。この補充回収庫24は、案内部30により案内されてきた硬貨を集積し、また内部に集積している硬貨を後方へ繰り出して下分離部29に引き渡す。第1補充リジェクト庫25及び第2補充リジェクト庫26は、それぞれ内部に硬貨を集積する空間を有しており、案内部30により案内されてきた硬貨を集積する。リジェクト庫27及び取忘取込庫28は、それぞれ内部に硬貨を集積する空間を有しており、案内部30により案内されてきた硬貨をそれぞれ集積する。
下分離部29は、補充回収庫24の後側に隣接する位置に配置されている。この下分離部29は、上分離部15と類似した構成となっているものの、硬貨処理装置筐体11に対する取付方向が、該上分離部15とは相違している。具体的に下分離部29は、上分離部15を真上から見て時計回りに90度回転させ、該上分離部15における右側面を前方に向けた姿勢となっている。
この下分離部29は、集積分離部15A及び分離搬送部15Bとそれぞれ対応する集積分離部29A及び分離搬送部29Bにより構成されている。集積分離部29Aは、補充回収庫24から硬貨を受け取って内部に集積し、また集積されている硬貨を1枚ずつに分離して分離搬送部29Bに引き渡す。分離搬送部29Bは、集積分離部29Aから受け取った硬貨を1枚ずつ上方へ持ち上げるように搬送し、一時保留部23の放出口から内部の空間へ放出する。
[1−3.出金取引における硬貨の搬送]
次に、現金自動預払機1(図1)において使用者との間で出金取引が行われる場合について説明する。現金自動預払機1において使用者との間で出金取引が行われる場合、硬貨処理装置10は、出金処理により、使用者に指示された金額の硬貨を入出金部13へ搬送して使用者に受け渡す。
具体的に硬貨処理装置10は、操作表示部8(図1)を介して使用者から出金取引を開始する旨や出金額の操作入力を受け付けると、出金処理を開始し、出金額に応じた硬貨の金種及び枚数を各スタッカ部21から出金させ、出金搬送部22を介して一時保留部23内に集積させる。続いて硬貨処理装置10は、一時保留部23、上分離部15、認識搬送部16、受渡部17及びピンベルト搬送部18を順次経由して硬貨を入出金部13へ搬送して収容させ、使用者に受け取らせる。
[1−4.ピンベルト硬貨放出部の構成]
図3及び図4に示すようにピンベルト硬貨放出部18Tは、主に、搬送フレーム49と、搬送左ガイド50と、搬送右ガイド54と、規制部材52と、ピンベルト51と、ピンベルトプーリ53とにより構成されている。
搬送左ガイド50には、右方向を向き前後方向に延びる平坦面である一側搬送面としての左側搬送面50BSと、ピンベルト51よりも上側において下方向を向き前後方向に延びる平坦面である上側搬送面50UBSと、下方向を向き上側搬送面50UBSの前端部から前下方向に延びる平坦面である上側搬送傾斜面50UFSと、ピンベルト51よりも下側において上方向を向き前後方向に延びる平坦面である下側搬送面50LBSと、上方向を向き下側搬送面50LBSの前端部から前下方向に延びる平坦面である下側搬送傾斜面50LFSとが形成されている。
また搬送左ガイド50には、上下方向のほぼ中央に、左側搬送面50BSの一部が左側へ凹んでおりピンベルト51の突起51Pを内部に入り込ませる搬送ピン溝50HPが形成されている。この搬送ピン溝50HPは、ピンベルト51の走行経路に沿って形成されている。
さらに搬送左ガイド50には、規制部材52(後述する)の規制部材フレーム52Fと対向する位置において搬送左ガイド50の右側面(左側搬送面50BS)から左側面までを貫通する前側規制ピン孔50HAが形成されている。この前側規制ピン孔50HAの内部に、前側規制ピン52Aが挿入されている。前側規制ピン孔50HAは、規制部材回動軸52RX(後述する)を中心とした円弧の一部分のような形状となっている。前側規制ピン52Aは、前側規制ピン孔50HAの内部で移動可能に設けられている。
さらに搬送左ガイド50には、前側規制ピン孔50HAよりも後側において搬送左ガイド50の右側面(左側搬送面50BS)から左側面までを貫通する後側規制ピン孔50HBが形成されている。この後側規制ピン孔50HBの内部に、後側規制ピン52B(後述する)が挿入されている。後側規制ピン孔50HBは、規制部材回動軸52RX(後述する)を中心とした円弧の一部分のような形状となっている。後側規制ピン52Bは、後側規制ピン孔50HBの内部で移動可能に設けられている。以下では、前側規制ピン孔50HA及び後側規制ピン孔50HBをまとめて孔部としての規制ピン孔とも呼ぶ。
搬送右ガイド54は、左側搬送面50BSの右側において該左側搬送面50BSと左右方向に対向するよう左方向を向き該左側搬送面50BSと平行に前後方向に延びる平坦面である他側搬送面としての右側搬送面54Sが形成されている。また搬送右ガイド54は、搬送左ガイド50と左右方向に対応する位置に、搬送ピン溝50HP、前側規制ピン孔50HA及び後側規制ピン孔50HBとほぼ同様の形状の孔部(図示せず)が形成されている。なお、搬送ピン溝50HPと対向する位置に設けられた孔部は、搬送右ガイド54の右側面から左側面(右側搬送面54S)までを貫通している。
右側搬送面54Sと左側搬送面50BSとの間には、現金自動預払機1において取り扱われる硬貨である取扱い硬貨のうち最大の厚さの硬貨である最厚硬貨の1枚分の厚さよりも広く、かつ、取扱い硬貨のうち最小の厚さの硬貨である最薄硬貨CNTの2枚分の厚さよりも狭い間隙を空けている。以下では、取扱い硬貨のうち直径が最大の硬貨を最大直径硬貨CNLとも呼び、取扱い硬貨のうち直径が最小の硬貨を最小直径硬貨CNSとも呼び、最大直径硬貨CNLと最小直径硬貨CNSとの間の直径の硬貨を中間直径硬貨CNMとも呼ぶ。
またピンベルト硬貨放出部18Tは、左側搬送面50BSと、上側搬送面50UBSと、上側搬送傾斜面50UFSと、下側搬送面50LBSと、下側搬送傾斜面50LFSと、右側搬送面54Sとにより囲まれた空間に、硬貨を搬送する搬送路Wを形成している。右側搬送面54Sは、搬送路Wの前側端部において、搬送路Wの左右方向の幅を広げるように、後方から前方に向かうに連れて右方向に傾斜している。以下では、硬貨の厚さ方向に沿った搬送路Wの左右の幅、すなわち左側搬送面50BSと右側搬送面54Sとの間隔を、搬送路幅とも呼ぶ。また以下では、下側搬送面50LBSに対し直交する、硬貨の直径方向に沿った、ピンベルト硬貨放出部18Tにおける搬送路Wの上下の間隔を、搬送路上下幅とも呼ぶ。ピンベルト硬貨放出部18Tにおける前端部には、搬送路Wと連通し該搬送路Wから硬貨を放出させる開口である放出口60が形成されている。
さらに搬送左ガイド50には、凸凹形状が形成された入出金部13の受渡入れ子13FWと噛み合う受渡入れ子50Wが形成されている。また、搬送右ガイド54には、凸凹形状が形成された入出金部13の受渡入れ子13FRWと噛み合う受渡入れ子54Wが設けられている。
入出金部13には、入出金部ガイド13Fが形成されている。入出金部ガイド13Fには、受渡入れ子50Wと噛み合う受渡入れ子13FWと、入出金右側フレーム13FRと、受渡入れ子54Wと噛み合う受渡入れ子13FRWと、下側搬送傾斜面50LFSと滑らかに接続された入出金部下側ガイド13FLと、搬送路Wの前側終端において、収容器13Aの前右方向へ向かって滑らかに湾曲又は傾斜する傾斜面としての入出金部放出面13FSとが設けられている。
ピンベルト51は、ベルト51Bと、搬送方向に沿ってベルト51Bに設けられた複数の突起51Pとにより構成される。ピンベルト51は、ピンベルトプーリ53と、ピンベルトプーリ53よりも後方向及び下方向及び後下方向に配置される図示しない3個のプーリとにより張られた状態となっており、図示しないモータから駆動力が伝達される。
ピンベルト51は、ピンベルト硬貨放出部18Tにおける搬送路Wの上下方向における概ね中央に配置されており、搬送路Wの前上側端において、ピンベルトプーリ53により前後方向から上下方向へ向きを変えている。ピンベルトプーリ53は、左右方向に延びるプーリ回転軸53AXにより搬送フレーム49に対し回転可能に接続されている。
規制部材52は、規制部材フレーム52Fと、規制部材回動シャフト52Rと、下流側当接部としての前側規制ピン52Aと、上流側当接部としての後側規制ピン52Bと、付勢部材52Tとにより構成されている。規制部材52は、後端部近傍に設けられ左右方向に延びる規制部材回動シャフト52Rにより、規制部材回動シャフト52Rの中心軸である回動軸としての規制部材回動軸52RXを軸として図3中時計回りである退避方向R1と反時計回りである規制方向R2とに回動可能に搬送フレーム49に対し接続される。また規制部材52は、規制部材回動シャフト52Rに巻回されたトーションバースプリングである付勢部材52Tにより、前端部が下方向へ、すなわち規制方向R2に付勢されると共に、前側規制ピン52Aが搬送フレーム49に設けられた図示しない係止部に当たることにより係止状態となり、それ以上の規制方向R2への回動が規制されている。以下では、係止状態にあるときの規制部材52の位置を規制位置とも呼ぶ。
規制部材フレーム52Fは、搬送左ガイド50よりも左側に配され、前後方向に延び、英大文字の「V」を倒立させたような形状である。
前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bは、硬貨よりも硬いステンレス鋼等の材料で形成された円筒形状であり、規制部材フレーム52Fの板面から垂直に右方向へ突出し、搬送左ガイド50の前側規制ピン孔50HA及び後側規制ピン孔50HBと、搬送路Wとを通過して、搬送右ガイド54の孔部の内部まで到達している。以下では、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bをまとめて当接部としての規制ピンとも呼ぶ。後側規制ピン52Bは、前側規制ピン52Aと比較して、左右方向の長さが短いと共に、下側搬送面50LBSとの間隔が広くなるように配置されている。すなわち、搬送方向の上流側に位置する後側規制ピン52Bは、搬送方向の下流側に位置する前側規制ピン52Aよりも、下側搬送面50LBSに対する高さが高い位置に配されている。これを換言すれば、規制ピンは、下側搬送面50LBSに対し、搬送方向の上流側の規制ピンが高く、搬送方向の下流側の規制ピンが低く配置されている。このため搬送路Wは、後側規制ピン52Bと下側搬送面50LBSとの間の搬送路上下幅よりも、前側規制ピン52Aと下側搬送面50LBSとの間の搬送路上下幅の方が小さくなっている。このように前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bは、左側搬送面50BSから右側搬送面54Sまでに亘って左右方向に隙間なく、連続的に搬送路Wを横切っている。これによりピンベルト硬貨放出部18Tは、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bと左側搬送面50BSとの間と、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bと右側搬送面54Sとの間とに、硬貨が入り込む隙間をなくしている。これにより規制部材52は、ピンベルト硬貨放出部18Tに入出金部13から搬送路W側へ向かって後方へ最小直径硬貨CNSが押し込まれたとしても、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bにより最小直径硬貨CNSの侵入を規制し、該最小直径硬貨CNSが搬送路Wに入らないようにしている。
[1−5.ピンベルト硬貨放出部における各部材の位置関係]
ここで、規制部材回動シャフト52R、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bの位置関係について、図5、図6及び図7を用いて説明する。ここで、それぞれ前側規制ピン軸52AXは前側規制ピン52Aの中心軸であり、後側規制ピン軸52BXは後側規制ピン52Bの中心軸である。以下では、前側規制ピン軸52AX及び後側規制ピン軸52BXをまとめて規制ピン軸とも呼ぶ。
図5は、規制部材52が係止状態の際に、最小直径硬貨CNSを、前側規制ピン52Aの前側において下側搬送傾斜面50LFSと前側規制ピン52Aとに接触するように配置すると共に、最大直径硬貨CNLを、後側規制ピン52Bの後側において下側搬送面50LBSと後側規制ピン52Bとに接触するように配置した状態を示している。
図6は、規制部材52が係止状態の際に、後側規制ピン52Bの下側端部から下側搬送面50LBSまでの距離である距離Mと等しい直径である中間直径硬貨CNMを、前側規制ピン52Aの後側において、前側規制ピン52Aと下側搬送面50LBSとに接触するように配置した状態を示している。
図7は、ピンベルト51の突起51Pが、ピンベルト硬貨放出部18Tを搬送される硬貨へ搬送力を加えることが可能な最も前側の位置に配置された状態の際に、最小直径硬貨CNSを、前側規制ピン52Aの前側において、突起51Pと下側搬送傾斜面50LFSとに接触するように配置した状態を示している。このとき規制部材52は、係止状態から前上方向に向かう退避方向R1へ回動した後、後下方向に向かう規制方向R2へ回動する途中の前側規制ピン52Aと最小直径硬貨CNSとが接した状態となっている。
[1−5−1.規制部材回動シャフトと前側規制ピンとの位置関係]
規制部材回動シャフト52Rと前側規制ピン52Aとは、以下の条件(a)、条件(b)及び条件(c)の3条件を全て満たすように規制部材フレーム52Fに配置されている。
条件(a)は、図5において、係止状態における規制部材回動軸52RXと前側規制ピン軸52AXとを結ぶ線分を線分Xとし、前側規制ピン軸52AXと、下側搬送傾斜面50LFSに接した状態における最小直径硬貨CNSの中心とを結ぶ線分を線分Yとしたとき、線分Xと線分Yとが成す前上側の角度(すなわち線分Xから線分Yまでの図5中反時計回りに沿った角度)である角度θxyが90度以上180度以下である。すなわち、角度θxyが90度以上180度以下であるため、下側搬送傾斜面50LFSに沿って最小直径硬貨CNSが後方向へ押し込まれた際に、最小直径硬貨CNSが線分Yに沿って前側規制ピン52Aを後上方向へ押すため、規制部材52は後下方向に向かって規制方向R2(図20)へ向かう荷重を受け、係止状態を維持する。このため規制部材52は、前側規制ピン52Aと下側搬送面50LBSとの間の隙間が広がる前上方向に向かう退避方向R1へ回動しない。これにより規制部材52は、前側規制ピン52Aと下側搬送面50LBSとの間に硬貨が入り込むことを規制する。
条件(b)は、図7において、最小直径硬貨CNSの中心を通り下側搬送傾斜面50LFSに垂直な直線を直線Tとし、下側搬送傾斜面50LFSに接した状態における最小直径硬貨CNSの中心と前側規制ピン軸52AXとを結ぶ線分を線分Sとしたとき、直線Tと線分Sとが成す後上側の角度(すなわち直線Tから線分Sまでの図7中時計回りに沿った角度)である角度θstが概ね0度よりも大きく90度以下である。すなわち、角度θstが概ね0度よりも大きく90度以下であるため、最小直径硬貨CNSは、ピンベルト51の突起51Pからの駆動力を受けなくなった後も前側規制ピン52Aにより前方向に進む駆動力が得られるため、停止することなく前方向へ移動する。
条件(c)は、図6において、係止状態における規制部材回動軸52RXと前側規制ピン軸52AXとを結ぶ線分を線分Xとし、前側規制ピン52Aと、下側搬送面50LBSに接した状態における中間直径硬貨CNMの中心とを結ぶ線分を線分Zとしたとき、線分Xと線分Zとが成す後上側の角度(すなわち線分Xから線分Zまでの図6中時計回りに沿った角度)である角度θxzが0度よりも大きく90度以下であり、かつ、規制位置における前側規制ピン軸52AXの位置が、下側搬送面50LBSに接した状態における中間直径硬貨CNMの中心と同じか、それよりも高い位置にある。すなわち、角度θxzが0度よりも大きく90度以下かつ前側規制ピン軸52AXの位置が中間直径硬貨CNMの中心以上の高さの位置に配置されていることで、下側搬送面50LBSに沿ってピンベルト51の突起51Pにより中間直径硬貨CNMが前方向へ押され、中間直径硬貨CNMが前側規制ピン52Aを線分Zに沿って前上方向へ押し上げることにより、規制部材52は前上方向に向かって退避方向R1(図16)へ回動し、前側規制ピン52Aと下側搬送面50LBSとの間を中間直径硬貨CNMがスムーズに通過する。
[1−5−2.規制部材回動シャフトと後側規制ピンとの位置関係]
規制部材回動シャフト52Rと後側規制ピン52Bとは、以下の条件(d)を満たすように規制部材フレーム52Fに配置されている。
条件(d)は、図5において、係止状態における規制部材回動軸52RXと後側規制ピン軸52BXとを結ぶ線分を線分Pとし、後側規制ピン軸52BXと、下側搬送面50LBSに接した状態における最大直径硬貨CNLの中心とを結ぶ線分を線分Qとしたとき、線分Pと線分Qとが成す後下側の角度(すなわち線分Pから線分Qまでの図5中時計回りに沿った角度)である角度θpqが0度よりも大きく90度以下であり、かつ、規制位置における後側規制ピン軸52BXの位置が、下側搬送面50LBSに接した状態における最大直径硬貨CNLの中心と同じか、それよりも高い位置にある。すなわち、角度θpqが0度よりも大きく90度以下かつ後側規制ピン軸52BXの位置が最大直径硬貨CNLの中心以上の高さの位置に配置されていることで、下側搬送面50LBSに沿ってピンベルト51の突起51Pにより最大直径硬貨CNLが前方向へ押され、最大直径硬貨CNLが後側規制ピン52Bを線分Qに沿って前上方向へ押し上げることにより、規制部材52は前上方向に向かって退避方向R1(図8)へ回動し、前側規制ピン52Aと下側搬送面50LBSとの間を最大直径硬貨CNLがスムーズに通過する。
[1−5−3.前側規制ピンと後側規制ピンとの位置関係]
また前側規制ピン52Aと後側規制ピン52Bとは、上側搬送面50UBSと後側規制ピン52Bとの隙間と、前側規制ピン52Aと後側規制ピン52Bとの隙間と、前側規制ピン52Aと下側搬送面50LBSとの隙間とに、最小直径硬貨CNSが入らない間隔となるよう配置されている。
[1−6.ピンベルト搬送部から入出金部への硬貨の搬送動作]
以下では、硬貨がスムーズにピンベルト搬送部18から入出金部13へ搬送されることについて説明する。
[1−6−1.最大直径硬貨の搬送動作]
図8に示すように、最大直径硬貨CNLが搬送された場合、ピンベルト51の突起51Pにより最大直径硬貨CNLが前方向へ押される。最大直径硬貨CNLは、後側規制ピン52Bと接触すると共に、後側規制ピン52Bを前上方向へ押す。後側規制ピン52Bが押されることで、規制部材52は前上方向に向かって退避方向R1へ回動する。続いて図9、図10、図11、図12、図13及び図14に示すように、最大直径硬貨CNLは、ピンベルト51の突起51Pにより前方向へ押され、最終的にピンベルト51の突起51Pと前側規制ピン52Aとに押され、下側搬送傾斜面50LFSを転がり落ち、図15に示すように入出金部放出面13FSに当たり、前右方向に放出される。これにより最大直径硬貨CNLは、収容器13A内へ順次集積される。
[1−6−2.中間直径硬貨及び最小直径硬貨の搬送動作]
一方図16に示すように、中間直径硬貨CNMが搬送された場合、ピンベルト51の突起51Pにより中間直径硬貨CNMが前方向へ押される。中間直径硬貨CNMは、前側規制ピン52Aと接触すると共に、前側規制ピン52Aを前上方向へ押す。前側規制ピン52Aが押されることで、規制部材52は前上方向に向かって退避方向R1へ回動する。続いて図17、図18及び図19に示すように、中間直径硬貨CNMは、ピンベルト51の突起51Pにより前方向へ押され、最終的にピンベルト51の突起51Pと前側規制ピン52Aとに押され、下側搬送傾斜面50LFSを転がり落ちる。その後中間直径硬貨CNMは、上述の最大直径硬貨CNLと同じく入出金部放出面13FSに当たり、前右方向に放出される。これにより中間直径硬貨CNMは、収容器13A内へ順次集積される。なお、最小直径硬貨CNSが搬送された場合についても中間直径硬貨CNMと同様であるため説明は省略する。
[1−7.入出金部から搬送経路への硬貨の搬送防止動作]
以下では、使用者が入出金部13側から搬送路Wへ硬貨を押し込んだとしても入出金部13側から搬送路Wへ硬貨が入り込むことを防止することと、収容器13A内部で跳ね返った硬貨が搬送路Wに戻らないこととについて説明する。
図20に示すように、入出金部13側から搬送路Wへ向かって下側搬送傾斜面50LFSに沿って最小直径硬貨CNSが後方向へ押し込まれた場合、角度θxyが180度よりも小さいことで、最小直径硬貨CNSが線分Yに沿って前側規制ピン52Aを後上方向へ押すが、規制部材52は後下方向に向かって規制方向R2へ向かう荷重を受け、係止状態を維持する。このため規制部材52は、前側規制ピン52Aと下側搬送面50LBSとの間に硬貨が入り込む隙間ができる前上方向に向かう退避方向R1へ回動しない。また最小直径硬貨CNSは下側搬送傾斜面50LFSに載っているため、自重で収容器13Aに戻る。また、最小直径硬貨CNSよりも大きい直径の中間直径硬貨CNMや最大直径硬貨CNLについても同様に、入出金部13側から搬送路Wへ押し込まれたとしても、規制部材52は、搬送路Wへ入り込むことを防止する。
また図21に示すように前側規制ピン52Aと後側規制ピン52Bとは、左側搬送面50BSから右側搬送面54Sまでに亘って左右方向に隙間なく、連続的に搬送路Wを横切っている。このため収容器13A側から搬送路Wを見た際に、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bと左側搬送面50BSとの間と、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bと右側搬送面54Sとの間とには、隙間がなくなっている。これにより、例えば最薄硬貨CNTよりも薄いような異物FMであっても、少なくとも前側規制ピン52A又は後側規制ピン52Bの何れか一方と物理的に干渉するため、入出金部13側から搬送路Wへ押し込まれたとしても、規制部材52は、搬送路Wへ入り込むことを防止する。以下では、ピンベルト硬貨放出部18Tから入出金部13へ一旦放出され、その後放出口60へ向かって跳ね返ってきた硬貨や、使用者の操作により入出金部13からピンベルト硬貨放出部18Tへ向かって移動された硬貨等、本来であれば入出金部13側からピンベルト硬貨放出部18Tへ入り込むべきではない物体を、まとめて異物FMとも呼ぶ。
[1−8.効果等]
以上の構成において現金自動預払機1の硬貨処理装置10は、搬送路Wにおける放出口60よりも搬送方向の上流側の搬送経路上において、搬送路Wにおける硬貨の厚さ方向の一端から他端までに亘って連続的に隙間なく配設された前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bを設けるようにした。また硬貨処理装置10は上側搬送面50UBSと後側規制ピン52Bとの隙間と、前側規制ピン52Aと後側規制ピン52Bとの隙間と、前側規制ピン52Aと下側搬送面50LBSとの隙間とを、最小直径硬貨CNSよりも狭くした。このため硬貨処理装置10は、入出金部13から搬送路Wへ異物が入り込む隙間をなくし、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bを入出金部13から搬送路W側へ向かって移動する異物に当接させ、該異物の搬送路Wへの移動を規制し搬送路Wに入れないようにできる。これにより硬貨処理装置10は、簡易な構成により、入出金部13から搬送路Wに対しての異物の誤挿入や、搬送路Wにおける放出口60と規制部材52との間に異物が残留することを防止できる。
また硬貨処理装置10は、取扱い硬貨に対して最適な配置をした規制部材回動シャフト52Rと、前側規制ピン52Aと、後側規制ピン52Bとを設けた規制部材52と、収容器13Aへの放出部である放出口60において右方向へ向かうに連れて搬送路幅を広げた搬送路Wと、硬貨を収容器13Aの右方向に向けて放出するための入出金部放出面13FSとを設けるようにした。このため硬貨処理装置10は、取り扱う様々なサイズの硬貨を搬送路Wでスムーズに搬送し、かつ収容器13A内で硬貨を偏らせることなく均一に集積させることができ、搬送品質を向上させることができる。
また硬貨処理装置10は、使用者による硬貨を押し込むといった誤った操作や、硬貨が収容器13A内部で跳ね返ることにより、入出金部13側から硬貨が搬送路Wに戻ろうとする場合に対して、取扱い硬貨に対して最適な配置をした規制部材回動シャフト52Rと、前側規制ピン52Aと、後側規制ピン52Bとを設けた規制部材52を用いるようにした。これにより硬貨処理装置10は、硬貨が入出金部13側から搬送路Wに戻ることを防止することができ、硬貨が搬送路Wに戻ることによって発生する違算やジャム等を防止し、硬貨処理装置10の信頼性を高めることができる。
さらに硬貨処理装置10は、搬送左ガイド50よりも左側、すなわち搬送路Wの外側に規制部材52の規制部材フレーム52Fを配置するようにした。このため硬貨処理装置10は、規制部材52の規制部材回動シャフト52Rの位置を自由に配置できる。
さらに硬貨処理装置10は、搬送左ガイド50よりも左側に配置した規制部材52の規制部材フレーム52Fから、搬送左ガイド50の前側規制ピン孔50HA及び後側規制ピン孔50HBと、搬送路Wとを通過して、搬送右ガイド54の孔部の内部まで、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bを突出させるようにした。このため硬貨処理装置10は、ピンベルト硬貨放出部18Tにおける搬送路幅に応じて前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bの長さを設定させるだけで、前後方向に沿って一定ではない搬送路幅にも対応することができる。
[1−9.比較例との比較]
ここで、規制部材回動シャフト52Rと、前側規制ピン52Aと、後側規制ピン52Bとを、本発明とは異なる配置にした場合について説明する。
[1−9−1.第1比較例との比較]
図5及び図8と対応する部材に同一符号を付した図22は、それぞれ規制部材回動シャフト52Rと、前側規制ピン52Aと、後側規制ピン52Bと対応する、規制部材回動シャフト152Rと、前側規制ピン152Aと、後側規制ピン152Bとが、ピンベルト硬貨放出部18Tとは異なる位置に配置された規制部材152を設けたピンベルト硬貨放出部118Tを示している。図22において、係止状態における規制部材回動軸152RXと後側規制ピン軸152BXとを結ぶ線分を線分Pとし、後側規制ピン軸152BXと、下側搬送面50LBSに接した状態における最大直径硬貨CNLの中心とを結ぶ線分を線分Qとしたとき、規制位置における後側規制ピン軸152BXの位置が、下側搬送面50LBSに接した状態における最大直径硬貨CNLの中心よりも低い位置にある。
このとき、後側規制ピン152Bは最大直径硬貨CNLにより前下方向へ押されることで、前上方向に向かう退避方向R1への力をほとんど受けないため、規制部材152はスムーズに前下方向に向かう退避方向R1へ回動しない。このためピンベルト硬貨放出部118Tにおいては、特に最大直径硬貨CNLが搬送された場合、硬貨を前方向へ搬送できない。
これに対しピンベルト硬貨放出部18Tは、図8に示したように、後側規制ピン軸52BXの位置が、下側搬送面50LBSに接した状態における最大直径硬貨CNLの中心と同じか、それよりも高い位置にあるようにした。これによりピンベルト硬貨放出部18Tは、最大直径硬貨CNLが搬送された場合であっても、下側搬送面50LBSに沿ってピンベルト51の突起51Pにより最大直径硬貨CNLが前方向へ押され、最大直径硬貨CNLが後側規制ピン52Bを線分Qに沿って前上方向へ押し上げることにより、規制部材52を前上方向に向けて退避方向R1へ回動させる。そのため、最大直径硬貨CNLは、規制部材52の下側を前方向へスムーズに通過することができる。
[1−9−2.第2比較例との比較]
図5及び図20と対応する部材に同一符号を付した図23は、それぞれ規制部材回動シャフト52Rと、前側規制ピン52Aと、後側規制ピン52Bと対応する、規制部材回動シャフト252Rと、前側規制ピン252Aと、後側規制ピン252Bとが、ピンベルト硬貨放出部18Tとは異なる位置に配置された規制部材252を設けたピンベルト硬貨放出部218Tを示している。図23において、規制部材回動軸252RXと前側規制ピン軸252AXとを結ぶ線分を線分Xとし、前側規制ピン軸252AXと最小直径硬貨CNSの中心とを結ぶ線分を線分Yとしたとき、線分Xと線分Yとが成す前上側の角度θxyが180度以上となっている。すなわち、角度θxyが180度以上であるため、下側搬送傾斜面50LFSに沿って最小直径硬貨CNSが後方向へ押し込まれた際に、最小直径硬貨CNSが線分Yに沿って前側規制ピン252Aを後上方向へ押し、規制部材252は前上方向に向けて退避方向R1へ向かう荷重を受けるため、規制部材252と下側搬送面50LBSとの間には硬貨が入り込む隙間ができ、最小直径硬貨CNSが搬送路Wに入り込んでしまう。
これに対しピンベルト硬貨放出部18Tは、図20に示したように、角度θxyを90度以上180度以下とした。これによりピンベルト硬貨放出部18Tは、下側搬送傾斜面50LFSに沿って最小直径硬貨CNSが後方向へ押し込まれた際に、最小直径硬貨CNSが線分Yに沿って前側規制ピン52Aを後上方向へ押すが、規制部材52は後下方向に向けて規制方向R2へ向かう荷重を受けるため、係止状態を維持することにより、規制部材52と下側搬送面50LBSとの間に硬貨が入り込む隙間をできなくし、最小直径硬貨CNSが搬送路Wに入り込んでしまうことを防止できる。
[1−9−3.第3比較例との比較]
図7と対応する部材に同一符号を付した図24は、それぞれ規制部材回動シャフト52Rと、前側規制ピン52Aと、後側規制ピン52Bと対応する、規制部材回動シャフト352Rと、前側規制ピン352Aと、後側規制ピン352Bとが、ピンベルト硬貨放出部18Tとは異なる位置に配置された規制部材352を設けたピンベルト硬貨放出部318Tを示している。図24において、最小直径硬貨CNSの中心を通り下側搬送傾斜面50LFSに垂直な直線を直線Tとし、最小直径硬貨CNSの中心と前側規制ピン軸352AXとを結ぶ線分を線分Sとしたとき、直線Tと線分Sとが成す後上側の角度θstが0度以下となっている。すなわち、角度θstが0度以下であるため、最小直径硬貨CNSは、ピンベルト51の突起51Pから駆動力を受けなくなった後、前側規制ピン352Aにより下側搬送傾斜面50LFSへ押し付けられる荷重を受けるため、下側搬送傾斜面50LFS上で移動せずに停止する可能性が高まってしまう。
これに対しピンベルト硬貨放出部18Tは、図7に示したように、角度θstを概ね0度よりも大きく90度以下とした。これによりピンベルト硬貨放出部18Tは、最小直径硬貨CNSに、ピンベルト51の突起51Pからの駆動力を受けなくなった後も前側規制ピン52Aにより前方向に進む駆動力を加えることができ、最小直径硬貨CNSが停止することなく移動する。
[1−9−4.第4比較例との比較]
図6及び図16と対応する部材に同一符号を付した図25は、それぞれ規制部材回動シャフト52Rと、前側規制ピン52Aと、後側規制ピン52Bと対応する、規制部材回動シャフト452Rと、前側規制ピン452Aと、後側規制ピン452Bとが、ピンベルト硬貨放出部18Tとは異なる位置に配置された規制部材452を設けたピンベルト硬貨放出部418Tを示している。図25において、係止状態における規制部材回動軸452RXと前側規制ピン軸452AXとを結ぶ線分を線分Xとし、前側規制ピン軸452AXと、下側搬送面50LBSに接した状態における中間直径硬貨CNMの中心とを結ぶ線分を線分Zとしたとき、規制位置における前側規制ピン軸452AXの位置が、下側搬送面50LBSに接した状態における中間直径硬貨CNMの中心よりも低い位置にある。このとき、下側搬送面50LBSに沿ってピンベルト51の突起51Pにより中間直径硬貨CNMが前方向へ押されると、前側規制ピン452Aに当接した中間直径硬貨CNMは、線分Zに沿って前側規制ピン452Aを前下方向へ押し下げる荷重を規制部材452に与え、規制部材452は前上方向に向けて退避方向R1へ回動する力をほとんど受けないため、規制部材452の下側を中間直径硬貨CNMがスムーズに通過しなくなってしまう。
これに対しピンベルト硬貨放出部18Tは、図6に示したように、前側規制ピン軸52AXの位置が、下側搬送面50LBSに接した状態における中間直径硬貨CNMの中心と同じか、それよりも高い位置にあるようにした。これによりピンベルト硬貨放出部18Tは、下側搬送面50LBSに沿ってピンベルト51の突起51Pにより中間直径硬貨CNMが前方向へ押され、中間直径硬貨CNMが前側規制ピン52Aを線分Zに沿って前上方向へ押し上げることにより、規制部材52を前上方向に向けて退避方向R1へ回動させる。そのため中間直径硬貨CNMは、規制部材52の下側を前方向へスムーズに通過することができる。
[1−9−5.第5比較例との比較]
図4と対応する部材に同一符号を付した図26は、比較例として板状のレバーである規制部材552を用いたピンベルト硬貨放出部518Tを示している。右側搬送面54Sは、搬送路Wの前側端部において、搬送路幅を広げるように、後方から前方に向かうに連れて右方向に広がっている。規制部材552は、搬送路W内部に設けられており、搬送路幅よりも狭い左右方向の幅の厚さを有している。このため規制部材552と右側搬送面54Sの前端部との間には、硬貨CNが侵入可能な隙間が発生してしまっている。また規制部材552の厚さと、搬送路Wの搬送路幅とを精度良く作らなければ、同様に規制部材552と左側搬送面50BS及び右側搬送面54Sとの間の隙間に最薄硬貨CNTが挟まる問題が発生する。
これに対しピンベルト硬貨放出部18Tは、規制部材フレーム52Fを搬送路Wの外側に設け、前側規制ピン52Aと後側規制ピン52Bとを、左側搬送面50BSから右側搬送面54Sまでに亘って左右方向に隙間なく、連続的に搬送路Wを横切る構造とした。これによりピンベルト硬貨放出部18Tは、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bと左側搬送面50BSとの間と、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bと右側搬送面54Sとの間とに、硬貨が挟まれる隙間をなくすことができる。
[1−9−6.第6比較例との比較]
図4と対応する部材に同一符号を付した図27は、比較例である板状のレバーである規制部材652を用いたピンベルト硬貨放出部618Tと、入出金部613とを示している。規制部材652と搬送路Wの右側搬送面54Sとの隙間をなくすため、搬送路Wは前側において広がっていない。その代わりに入出金部613は、入出金右側フレーム613FRの後端部において、後方から前方に向かうに連れて右方向に広がる傾斜面613FSが形成されている。このため、入出金部613及びピンベルト硬貨放出部618Tを有する硬貨処理装置は、装置全体が前後方向に対して大きくなっている。また、規制部材652から収容器13Aまでの距離が遠いため、硬貨CNが搬送路Wから収容器13Aまでの受け渡し部付近に残留する可能性が高まる。このため違算や残留等の問題が発生する。
これに対しピンベルト硬貨放出部18Tは、搬送路W側の、右側搬送面54Sの前側端部において、搬送路幅を広げるように後方から前方に向かうに連れて右方向に広げるようにした。
さらにピンベルト硬貨放出部18Tは、前側規制ピン52Aと後側規制ピン52Bとを、左側搬送面50BSから右側搬送面54Sまでに亘って左右方向の隙間なく連続的に搬送路Wを横切っているようにした。このためピンベルト硬貨放出部18Tは、搬送路W側の右側搬送面54Sの前側端部において、搬送路幅を広げるように後方から前方に向かうに連れて右方向に広げるようにしても、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bと右側搬送面54Sとの間とに、硬貨が挟まれる隙間をなくすことができる。またピンベルト硬貨放出部18Tは、右側搬送面54Sの前側端部において、搬送路幅を広げるように後方から前方に向かうに連れて右方向に広げるようにすると共に、規制部材52を設けるようにした。このためピンベルト硬貨放出部18Tは、装置全体の前後方向の長さを抑えると共に、規制部材52から収容器13Aまでの距離が遠くならないようにできる。これによりピンベルト硬貨放出部18Tは、硬貨CNが受け渡し部付近に残留する可能性を低くできる。
[1−10.まとめ]
以上の構成によれば、第1の実施の形態による現金自動預払機1の硬貨処理装置10は、硬貨が搬送される搬送路Wと、搬送路Wに沿って硬貨を搬送するピンベルト51と、搬送路Wと連通し、該搬送路Wから硬貨を放出させる放出口60と、放出口60側から搬送路Wへの異物の侵入を規制する規制部材52とを設け、規制部材52は、搬送路Wに対して移動可能に設けられ、搬送路Wと放出口60との間における硬貨の搬送経路上において、搬送路Wにおける硬貨の厚さ方向の一端から他端までに亘って配設された前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bを有し、ピンベルト51により搬送される硬貨と前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bの少なくとも一方とが接触することにより、該硬貨の搬送経路上から第1当接部としての該前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bが退避する退避方向R1へ移動することで該硬貨を放出口60から放出させる一方、放出口60側から搬送路Wへ侵入する異物と第2当接部としての後側規制ピン52Bとが接触することにより、該搬送路Wへの異物の侵入を規制するようにした。
これにより硬貨処理装置10は、入出金部13側から搬送路Wへ異物が入り込むことを防止し、入出金部13側から搬送路Wへ向かって異物が移動したとしても前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bを該異物と当接させ、該異物の搬送路Wへの移動を規制し搬送路Wに入らないようにできると共に、硬貨を搬送路Wから入出金部13へスムーズに放出できる。
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態による現金自動預払機1001(図1)は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比較して、硬貨処理装置10に代わる硬貨処理装置1010を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。硬貨処理装置1010(図2)は、第1の実施の形態による硬貨処理装置10と比較して、ピンベルト硬貨放出部18Tに代わるピンベルト硬貨放出部1018Tを有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
図3及び図4に示すように、第2の実施の形態によるピンベルト硬貨放出部1018Tは、第1の実施の形態によるピンベルト硬貨放出部18Tと比較して、規制部材52に代わる規制部材1052を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。規制部材1052は、第1の実施の形態による規制部材52と比較して、規制部材フレーム52F、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bに代わる規制部材フレーム1052F、前側規制ピン1052A及び後側規制ピン1052Bを有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
前側規制ピン1052A及び後側規制ピン1052Bは、それぞれ左右方向に沿う前側規制ピン軸52AX及び後側規制ピン軸52BXを中心に回転可能な軸受けが設けられ、規制部材フレーム1052Fに取り付けられている。前側規制ピン1052A及び後側規制ピン1052Bは、配置等については規制部材52と同様である。
第1の実施の形態によるピンベルト硬貨放出部18Tにおいて、硬貨は前側規制ピン52Aと後側規制ピン52Bとに接触しながら搬送される。このため、前側規制ピン52Aと後側規制ピン52Bとは、硬貨との接触に伴って摩耗していく。これに対しピンベルト硬貨放出部1018Tにおいては、前側規制ピン1052Aと、後側規制ピン1052Bとは、規制部材フレーム1052Fに回転可能に取り付けられているため、硬貨との接触に伴って前側規制ピン1052A及び後側規制ピン1052Bとが回転することにより、ピンベルト硬貨放出部18Tと比べて摩耗しにくくなっている。このため硬貨処理装置1010は、長期間高い信頼性をもったピンベルト硬貨放出部1018Tを実現できる。
その他の点においても、第2の実施の形態による硬貨処理装置1010のピンベルト硬貨放出部1018Tは、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
[3.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bからなる2本の規制ピンを規制部材52に設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、規制ピンと硬貨と搬送路Wとピンベルト51の突起51Pとの関係が上述した条件を満たしていれば、1本又は3本以上の任意の本数の規制ピンを規制部材52に設けても良い。第2の実施の形態についても同様である。
また上述した第1の実施の形態においては、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bを円筒形状とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bを四角柱形状や八角柱形状等、種々の形状としても良い。但し、前側規制ピン52A及び後側規制ピン52Bは、硬貨を押す滑らかな表面が形成されていることが好ましいため、角の数が多く円筒形状に近い方が好ましい。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、規制部材52は、該規制部材52の後端部に設けられた規制部材回動シャフト52Rを軸として回動する場合について述べた。本発明はこれに限らず、規制部材の他の種々の箇所に設けられた規制部材回動シャフトを軸として規制部材が回動したり、下側搬送面50LBSに対し離接する方向へ往復するように直線的に規制部材が平行移動したり、規制ピンが左右方向に往復移動することにより搬送路Wに対し露出又は退避したり等、規制ピンを他の種々の移動方法により移動させるように規制部材が移動しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、前側規制ピン52Aを後側規制ピン52Bよりも下側搬送面50LBSに対する高さが低い位置に配置する場合について述べた。本発明はこれに限らず、後側規制ピン52Bを前側規制ピン52Aよりも下側搬送面50LBSに対する高さが低い位置に配置しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、入出金部13に入出金部放出面13FSを設け、ピンベルト硬貨放出部18Tから入出金部13へ前方向に向けて放出した硬貨の移動方向を前右方向に変化させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、入出金部放出面13FSを設けず、ピンベルト硬貨放出部18Tから入出金部13へ前方向に向けて放出した硬貨をそのまま入出金部13に集積させても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、下側搬送面50LBSの前端部に、前下方向に延びる下側搬送傾斜面50LFSを形成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、下側搬送面50LBSの前端部に下側搬送傾斜面50LFSを形成せず、放出口60まで下側搬送面50LBSをほぼ水平方向に沿わせても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、規制部材52を付勢部材52Tにより規制方向R2に付勢する場合について述べた。本発明はこれに限らず、付勢部材52Tを省略し、規制部材52を自重か、別途追加した重りにより、規制方向R2に回動するようにしても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、条件(a)として角度θxy(図5)を90度以上180度以下とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、角度θxy(図5)は例えば180度以下であれば良い。要は、部材間の摩擦や抵抗等を含めた上で、規制部材52が退避方向R1へ回動する程度の力が硬貨から規制部材52へ加わらなければ良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、条件(b)として角度θst(図7)を概ね0度よりも大きく90度以下とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、要は、部材間の摩擦や抵抗等を含めた上で、硬貨が前方へ向かう力に対し、それよりも大きい後方又は下方へ向かう力が規制部材52から硬貨へ加わらなければ良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、条件(c)として角度θxz(図6)を0度よりも大きく90度以下とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、要は、部材間の摩擦や抵抗等を含めた上で、規制部材52が退避方向R1へ回動する程度の力が硬貨から規制部材52へ加えられれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、条件(d)として角度θpq(図5)を0度よりも大きく90度以下とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、要は、部材間の摩擦や抵抗等を含めた上で、規制部材52が退避方向R1へ回動する程度の力が硬貨から規制部材52へ加えられれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、顧客との間で種々の取引を行う現金自動預払機1(図1)の硬貨処理装置10に設けられるピンベルト硬貨放出部18Tに本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば、硬貨が逆流する可能性がある種々の箇所に本発明を適用しても良い。或いは、例えば金融機関やスーパーマーケットの店舗内等に設置され、該店舗の職員や係員等の操作に従って硬貨の計数や分類等の処理を行う現金管理装置等、硬貨を取り扱う種々の装置に本発明を適用しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した第1の実施の形態においては、搬送路としての搬送路Wと、搬送手段としてのピンベルト51と、放出口としての放出口60と、規制部材としての規制部材52とによって、硬貨処理装置としての硬貨処理装置10を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる搬送路と、搬送手段と、放出口と、規制部材とによって、硬貨処理装置を構成しても良い。
本発明は、例えば顧客との間で硬貨に関する取引処理を行う現金自動預払機等で利用できる。
1、1001……現金自動預払機、2……筐体、3……応対部、4……通帳入出口、5……カード入出口、6……硬貨入出金口、7……紙幣入出金口、8……操作表示部、9……主制御部、10、1010……硬貨処理装置、11……硬貨処理装置筐体、12……硬貨制御部、13、613……入出金部、13A……収容器、13B……シャッタ、13F……入出金部ガイド、13FL……入出金部下側ガイド、13FR、613FR……入出金右側フレーム、13FRW……受渡入れ子、13FS……入出金部放出面、13FW……受渡入れ子、14……シュート部、15……上分離部、15A……集積分離部、15B……分離搬送部、16……認識搬送部、17……受渡部、18……ピンベルト搬送部、18F……前ピンベルト搬送部、18L……下ピンベルト搬送部、18R……後ピンベルト搬送部、18U……上ピンベルト搬送部、18T、118T、218T、318T、418T、518T、618T、1018T……ピンベルト硬貨放出部、19……分岐部、20……スタッカ分岐部、21……スタッカ部、22……出金搬送部、23……一時保留部、24……補充回収庫、25……第1補充リジェクト庫、26……第2補充リジェクト庫、27……リジェクト庫、28……取忘取込庫、29……下分離部、29A……集積分離部、29B……分離搬送部、30、31……案内部、32……集積部、34……繰出部、49……搬送フレーム、50……搬送左ガイド、50BS……左側搬送面、50HA……前側規制ピン孔、50HB……後側規制ピン孔、50HP……搬送ピン溝、50LBS……下側搬送面、50LFS……下側搬送傾斜面、50UBS……上側搬送面、50UFS……上側搬送傾斜面、50W……受渡入れ子、51……ピンベルト、51B……ベルト、51P……突起、52、152、252、352、452、552、652、1052……規制部材、52A、152A、252A、352A、452A、1052A……前側規制ピン、52AX、252AX、452AX……前側規制ピン軸、52B、152B、252B、352B、452B、1052B……後側規制ピン、52BX、152BX……後側規制ピン軸、52F、1052F……規制部材フレーム、52R、152R、252R、352R、452R……規制部材回動シャフト、52RX、152RX、252RX、452RX……規制部材回動軸、52T……付勢部材、53……ピンベルトプーリ、53AX……プーリ回転軸、54……搬送右ガイド、54S……右側搬送面、54W……受渡入れ子、60……放出口、CN……硬貨、CNL……最大直径硬貨、CNM……中間直径硬貨、CNS……最小直径硬貨、CNT……最薄硬貨、W……搬送路、R1……退避方向、R2……規制方向。

Claims (21)

  1. 硬貨が搬送される搬送路と、
    前記搬送路に沿って前記硬貨を搬送する搬送手段と、
    前記搬送路と連通し、該搬送路から前記硬貨を放出させる放出口と、
    前記放出口側から前記搬送路への異物の侵入を規制する規制部材と
    を備え、
    前記規制部材は、
    前記搬送路に対して移動可能に設けられ、前記搬送路と前記放出口との間における前記硬貨の搬送経路上において、前記搬送路における前記硬貨の厚さ方向の一端から他端までに亘って配設された当接部を有し、
    前記搬送手段により搬送される前記硬貨と前記当接部とが接触することにより、該硬貨の搬送経路上から該当接部が退避する退避方向へ移動することで該硬貨を前記放出口から放出させる一方、
    前記放出口側から前記搬送路へ侵入する前記異物と前記当接部とが接触することにより、該搬送路への前記異物の侵入を規制する
    ことを特徴とする硬貨処理装置。
  2. 前記搬送路は、
    前記硬貨における一方の盤面と対向する一側搬送面と、
    前記硬貨における他方の盤面と対向し、前記一側搬送面との間に前記搬送路を形成する他側搬送面と
    をさらに備え、
    前記当接部は、前記一側搬送面から前記他側搬送面に亘って配設される
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
  3. 前記規制部材は、
    前記搬送路の外側に設けられた規制部材フレームをさらに備え、
    前記当接部は、前記規制部材フレームから前記一側搬送面に形成された孔部を介し前記搬送路を貫通して前記他側搬送面に形成された孔部まで突出した形状である
    ことを特徴とする請求項2に記載の硬貨処理装置。
  4. 前記搬送路は、
    前記硬貨の周側面における底面側と当接しながら搬送させる下側搬送面をさらに備え、
    前記規制部材は、前記硬貨の径方向において前記下側搬送面から互いに異なる高さで配置された複数の前記当接部を有し、
    複数の前記当接部のうちの第1当接部が、前記搬送手段により搬送される前記硬貨と接触することにより、前記退避方向へ移動し該硬貨の搬送経路上から退避することで該硬貨を前記放出口から放出させる一方、
    複数の前記当接部のうちの前記第1当接部とは異なる第2当接部が、前記放出口側から前記搬送路へ侵入する前記異物と接触することにより、該搬送路への前記異物の侵入を規制する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の硬貨処理装置。
  5. 前記硬貨の搬送方向における上流側に設けられる前記当接部は、該当接部よりも前記搬送方向における下流側に設けられる前記当接部よりも、前記下側搬送面に対して高い位置に配される
    ことを特徴とする請求項4に記載の硬貨処理装置。
  6. 前記規制部材は、前記搬送路に対して回動可能に設けられる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の硬貨処理装置。
  7. 前記規制部材は、前記硬貨の搬送方向の上流側に設けられた回動軸を中心軸として、前記搬送方向の下流側が回動可能に設けられる
    ことを特徴とする請求項6に記載の硬貨処理装置。
  8. 前記当接部は、前記規制部材に対し回転軸を中心として回転可能に設けられる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の硬貨処理装置。
  9. 前記規制部材は、
    前記硬貨の搬送方向における下流側から上流側に向かって前記硬貨が前記第2当接部と当接した際に、前記硬貨から前記第2当接部に対し前記退避方向とは逆方向の規制方向へ向かう力が加わることで、前記搬送路への前記異物の侵入を規制する規制位置を維持する
    ことを特徴とする請求項4に記載の硬貨処理装置。
  10. 前記規制部材は、
    前記搬送方向における下流側から上流側に向かって、前記硬貨処理装置において取り扱われる前記硬貨のうち最も直径が小さい最小直径硬貨が前記第2当接部と当接した際に、前記最小直径硬貨から前記当接部に対し前記規制方向へ向かう力が加わる
    ことを特徴とする請求項9に記載の硬貨処理装置。
  11. 前記規制部材は、
    前記硬貨の前記搬送方向における上流側に設けられた回動軸を中心として、前記搬送方向における下流側が前記搬送路に対して回動可能に設けられ、
    前記第2当接部は、前記回動軸よりも前記搬送方向における下流側に配され、
    前記回動軸と前記第2当接部の中心軸とを結ぶ線分と、前記第2当接部の中心軸と前記最小直径硬貨の中心とを結ぶ線分とが成す上側の角度が180度以下である
    ことを特徴とする請求項10に記載の硬貨処理装置。
  12. 前記規制部材は、
    前記搬送手段から前記硬貨に対して搬送方向へ搬送させる搬送力が加わらなくなった状態において、前記第2当接部が前記硬貨と接触することで、該硬貨に対して前記搬送方向の下流側への搬送力を加える
    ことを特徴とする請求項4に記載の硬貨処理装置。
  13. 前記規制部材は、
    前記硬貨の前記搬送方向における上流側に設けられた回動軸を中心として、前記搬送方向における下流側が前記搬送路に対して回動可能に設けられ、
    前記当接部は、前記回動軸よりも前記搬送方向における下流側に配され、前記硬貨処理装置において取り扱われる前記硬貨のうち最も直径が小さい最小直径硬貨の中心を通り前記下側搬送面に垂直な直線と、前記最小直径硬貨の中心と前記当接部の中心軸とを結ぶ線分とが成す上側の角度が0度以上である
    ことを特徴とする請求項12に記載の硬貨処理装置。
  14. 前記規制部材は、
    前記硬貨の搬送方向における上流側から下流側に向かって前記硬貨が前記第1当接部と当接した際に、前記硬貨から前記第1当接部に対し前記退避方向へ向かう力が加わることにより、該退避方向へ移動する
    ことを特徴とする請求項4に記載の硬貨処理装置。
  15. 前記規制部材は、
    前記硬貨の搬送方向における上流側から下流側に向かって、前記硬貨処理装置において取り扱われる前記硬貨のうち最も直径が小さい最小直径硬貨が前記第2当接部と当接した際に、前記硬貨から前記第2当接部に対し前記退避方向へ向かう力が加わることにより、該退避方向へ移動する
    ことを特徴とする請求項14に記載の硬貨処理装置。
  16. 前記規制部材は、
    前記搬送方向における上流側に設けられた回動軸を中心として、前記搬送方向における下流側が前記搬送路に対して回動可能に設けられ、
    前記第1当接部は、前記回動軸よりも前記搬送方向における下流側に配され、
    前記回動軸と前記第1当接部の中心軸とを結ぶ線分と、前記第1当接部の中心軸と前記硬貨の中心とを結ぶ線分とが成す上側の角度が90度以下である
    ことを特徴とする請求項14に記載の硬貨処理装置。
  17. 前記当接部は、前記回動軸よりも前記搬送方向における下流側に配された前記第1当接部と、該第1当接部よりも前記搬送方向における下流側に配された前記第2当接部とを有し、
    前記硬貨処理装置において取り扱われる前記硬貨のうち、少なくとも最も直径が小さい最小直径硬貨が前記第2当接部に当接した際に、前記回動軸と前記第2当接部の中心軸とを結ぶ線分と、前記第2当接部の中心軸と前記最小直径硬貨の中心とを結ぶ線分とが成す上側の角度が90度以下であり、かつ、前記第2当接部の中心軸が、前記下側搬送面に接した状態における前記最小直径硬貨の中心と同じかそれよりも高い位置にある
    ことを特徴とする請求項16に記載の硬貨処理装置。
  18. 前記当接部は、前記回動軸よりも前記搬送方向における下流側に配された前記第1当接部と、該第1当接部よりも前記搬送方向における下流側に配された前記第2当接部とを有し、
    前記硬貨処理装置において取り扱われる前記硬貨のうち、少なくとも最も直径が大きい最大直径硬貨が前記第1当接部に当接した際に、前記回動軸と前記第1当接部の中心軸とを結ぶ線分と、前記第1当接部の中心軸と前記最大直径硬貨の中心とを結ぶ線分とが成す上側の角度が90度以下であり、かつ、前記第1当接部の中心軸が、前記下側搬送面に接した状態における前記最大直径硬貨の中心と同じかそれよりも高い位置にある
    ことを特徴とする請求項16に記載の硬貨処理装置。
  19. 前記放出口から放出された前記硬貨を集積させる集積部をさらに備え、
    前記集積部は、
    前記硬貨を集積する集積空間と、
    前記放出口から放出される前記硬貨と当接し前記集積空間に向かわせる傾斜面と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項18の何れかに記載の硬貨処理装置。
  20. 前記他側搬送面は、前記搬送路側から前記放出口に向かうに連れて、前記一側搬送面との間の間隔である搬送路幅が広がる方向に傾斜している
    ことを特徴とする請求項2に記載の硬貨処理装置。
  21. 使用者の操作を受け付ける操作部と、
    請求項1乃至請求項20の何れかに記載の硬貨処理装置と
    を備えることを特徴とする現金取扱装置。
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