[第1の実施形態]
以下、車両用開閉体駆動装置をパワースライドドア装置に具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の車両1は、車体2の側面2sに設けられたドア開口部3を開閉するスライドドア4を備えている。具体的には、この車両1には、その前後方向(図1中、左右方向)に延びる複数のガイドレール5a〜5cと、これらの各ガイドレール5に連結される複数のガイドローラユニット6a〜6cと、が設けられている。即ち、本実施形態のスライドドア4は、これらの各ガイドレール5及び各ガイドローラユニット6を介して車体2の側面2sに支持される。また、これらの各ガイドレール5及び各ガイドローラユニット6は、各ガイドレール5の延伸方向に沿って、その各ガイドレール5に対する各ガイドローラユニット6の係合位置を移動させることが可能となっている。そして、本実施形態のスライドドア4は、これにより、その車体2の側面2sに沿う状態で車両前後方向に移動する構成になっている。
即ち、本実施形態のスライドドア4は、車両前方側(図1中、右側)に移動することにより、そのドア開口部3を閉塞する全閉状態となり、車両後方側(同図中、左側)に移動することにより、そのドア開口部3を介して車両1の乗員が乗降可能な全開状態となる。そして、本実施形態の車両1には、モータ7mを駆動源とするアクチュエータ7の発生する駆動力に基づいて、そのスライドドア4を開閉動作させる車両用開閉体駆動装置としてのパワースライドドア装置10が設けられている。
詳述すると、図1及び図2に示すように、本実施形態のパワースライドドア装置10は、ドア開口部3の後方、ベルトライン付近の高さに設けられたガイドレール5b、即ちセンターレール11と一体化された状態で、その車両前後方向に延びるフレーム12を備えている。また、このパワースライドドア装置10は、そのフレーム12の長手方向両端に設けられた一対のプーリー13f,13rを備えている。更に、このパワースライドドア装置10は、これらの各プーリー13f,13rに巻き掛けられた駆動ベルト15を備えている。具体的には、この駆動ベルト15は、その幅方向に広がりを有した帯形状を車体2の側面2sに沿わせる状態で、これらの各プーリー13f,13rに巻き掛けられている。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10は、フレーム12の後端部(図1及び図2中、左側の端部)に設けられたアクチュエータ7によって、この駆動ベルト15を回転駆動する構成になっている。
また、図3〜図6に示すように、本実施形態のパワースライドドア装置10は、スライドドア4に支持された状態でセンターレール11に連結されるガイドローラユニット6bに固定されることにより、このガイドローラユニット6bと一体にスライドドア4の連結部材16を構成するクリップホルダ17を備えている。また、このパワースライドドア装置10は、駆動ベルト15に固定された状態で、その駆動ベルト15と一体に駆動される接続部材18としてのクリップ20を備えている。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10は、これらのクリップホルダ17及びクリップ20が連結されることにより、その駆動ベルト15を介して伝達されるアクチュエータ7の駆動力に基づいて、スライドドア4を開閉駆動する構成になっている。
さらに詳述すると、本実施形態のパワースライドドア装置10において、ガイドローラユニット6bは、上下方向(図3〜図6中、上下方向)に延在する状態で、そのセンターレール11に対する係合部となるガイドローラー21及びロードローラー22を支持するローラー支持部23を有している。そして、本実施形態のクリップホルダ17もまた、上下方向に延在する板形状を有して、このローラー支持部23に固定されている。
尚、本実施形態のクリップホルダ17は、金属板を塑性加工することにより形成されている。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10においては、溶接によって、このクリップホルダ17がガイドローラユニット6bのローラー支持部23に固定されている。
一方、図7〜図9に示すように、本実施形態のクリップ20は、駆動ベルト15の厚み方向に当該駆動ベルト15を挟む状態で互いに嵌合する第1部材31及び第2部材32を備えている。本実施形態のクリップ20において、これらの第1部材31及び第2部材32は、それぞれ、駆動ベルト15の延伸方向(図7中、左右方向)及び幅方向(図9中、上下方向)に延在する縦壁部33,34を有している。そして、本実施形態のクリップ20は、これらの両縦壁部33,34間に駆動ベルト15を挟み込むことにより、扁平略四角箱状の外形を有して、その駆動ベルト15に固定される構成となっている。
具体的には、本実施形態の第1部材31は、その上端部31aに、駆動ベルト15の厚み方向(図9中、左右方向)、この駆動ベルト15を挟んで対向する第2部材32に向かって突出するフランジ状の上壁部35を備えている。また、本実施形態の第2部材32は、その上端部32a及び下端部32bに、それぞれ、駆動ベルト15を挟んで対向する第1部材31に向かって突出するフランジ状の上壁部36及び下壁部37を備えている。更に、第1部材31は、その上端部31aに、縦壁部33の上方に開口して、駆動ベルト15の延伸方向に延びる溝部38を備えている。そして、第2部材32の上壁部36には、先端から下方に突出する状態で、その駆動ベルト15の延伸方向に延びる爪状の突条部39が設けられている。
即ち、本実施形態のクリップ20は、これらの溝部38及び突条部39が係合する状態で第1部材31及び第2部材32を組み付けることにより、その溝部38に係合した突条部39を支点に両縦壁部33,34が開閉する。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10は、これにより、容易かつ安定的に、これらの第1部材31及び第2部材32を駆動ベルト15に組み付けることが可能となっている。
また、本実施形態のクリップ20において、第1部材31は、その下端部31bから第2部材32側に向かって突出する係合爪41を有している。更に、第2部材32もまた、その下端部32bから第1部材31側に向かって突出する係合爪42を有している。そして、本実施形態のクリップ20は、これらの各係合爪41,42を係合させることにより、その両縦壁部33,34間に駆動ベルト15を挟み込む状態で、これらの第1部材31及び第2部材32が互いに嵌合する構成となっている。
また、本実施形態のパワースライドドア装置10において、フレーム12の後端部に設けられたプーリー13rは、ギヤ付きプーリー43としての構成を有している(図2参照)。更に、本実施形態の駆動ベルト15は、その車幅方向内側に臨む一方の面15aに、このギヤ付きプーリー43に噛合する歯部44を有している。そして、本実施形態のクリップ20は、その第1部材31の縦壁部33に、この駆動ベルト15の歯部44に噛合する噛合部45を有している。
即ち、本実施形態のクリップ20は、第1部材31の縦壁部33と第2部材32の縦壁部34との間に駆動ベルト15を挟み込むことにより、その駆動ベルト15の厚み方向における相対移動が規制される。また、このクリップ20は、第2部材32の縦壁部34に設けられた上壁部36及び下壁部37間に駆動ベルト15を挟み込むことにより、その駆動ベルト15の幅方向における相対移動が規制される。更に、このクリップ20は、第1部材31の縦壁部33に設けられた噛合部45と駆動ベルト15の歯部44とが噛合することにより、その駆動ベルト15の延伸方向における相対移動が規制される。そして、本実施形態のクリップ20は、これにより、その駆動ベルト15と一体に駆動される構成になっている。
さらに詳述すると、図3〜図6、及び図10に示すように、本実施形態のクリップホルダ17は、センターレール11に対する係合部を構成するガイドローラー21及びロードローラー22よりも車幅方向外側(図5及び図10中、右側)の位置において、そのガイドローラユニット6bに対して固定されている。そして、本実施形態のクリップホルダ17は、このガイドローラユニット6bに対する固定部46に連続して、ガイドローラユニット6bの上方に延びる連結部47を有している。
また、本実施形態のパワースライドドア装置10においては、この連結部47には、クリップホルダ17がガイドローラユニット6bに固定された状態において、その上方に向かって延びる複数の係合片50が設けられている。更に、本実施形態のクリップホルダ17は、これらの各係合片50の間にクリップ20を挟み込む態様で、その駆動ベルト15に固定された状態のクリップ20と嵌合する。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10は、これにより、そのスライドドア4の連結部材16を構成するクリップホルダ17と駆動ベルト15に固定された接続部材18としてのクリップ20とが連結される構成となっている。
具体的には、本実施形態のクリップホルダ17は、略L字状の折曲形状を有して駆動ベルト15の延伸方向に離間して設けられた二本の第1係合片51,51と、これらの各第1係合片51,51の間の位置に設けられた第2係合片52と、を備えている。更に、本実施形態の各第1係合片51,51は、それぞれ、その略L字状の折曲形状に基づいて、駆動ベルト15よりも車幅方向内側の位置において、そのガイドローラユニット6bの上方に向かって延びている。そして、本実施形態のクリップホルダ17は、これにより、その駆動ベルト15の延伸方向に沿って互い違いに並ぶ3つの係合片50を備える構成となっている。
即ち、本実施形態のパワースライドドア装置10は、これらの各第1係合片51,51と当該各第1係合片51,51から駆動ベルト15の厚み方向に離間した第2係合片52との間に駆動ベルト15に固定されたクリップ20を挟み込む態様で、そのクリップホルダ17及びクリップ20が、車両上下方向、即ち駆動ベルト15の幅方向に嵌合する。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10においては、これにより、その駆動ベルト15の厚み方向におけるクリップホルダ17及びクリップ20の相対移動が規制される構成となっている。
また、図3〜図10に示すように、本実施形態のクリップ20は、このクリップ20が駆動ベルト15に固定された状態において、車両1の上下方向、即ち駆動ベルト15の幅方向に延在する複数の係合溝60を有している。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10は、これらの各係合溝60に対し、そのクリップホルダ17の連結部47に設けられた各係合片50が嵌合する構成となっている。
具体的には、第1部材31の縦壁部33が形成するクリップ20の第1側面20aには、駆動ベルト15の延伸方向両側の端部位置において、その第1側面20a及びクリップ20の下方に開口する一対の第1係合溝61,61が設けられている。また、第2部材32の縦壁部34が形成するクリップ20の第2側面20bには、駆動ベルト15の延伸方向における略中央位置において、その第2側面20b及びクリップ20の下方に開口する第2係合溝62が設けられている。更に、本実施形態のパワースライドドア装置10において、駆動ベルト15に固定されることにより接続部材18を構成するクリップ20は、スライドドア4の連結部材16を構成するクリップホルダ17に対し、その上方側から組み付けられる。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10は、これにより、クリップ20側の各第1係合溝61,61に対してクリップホルダ17側の各第1係合片51,51が嵌合し、そのクリップ20側の第2係合溝62に対してクリップホルダ17側の第2係合片52が嵌合する構成になっている。
即ち、本実施形態のパワースライドドア装置10においては、クリップホルダ17の連結部47が、その連結部材16に設けられた第1係合部J1を構成し、扁平略四角箱状の外形を有したクリップ20の全体が、その接続部材18に設けられた第2係合部J2を構成する。
更に、図11及び図12に示すように、本実施形態のパワースライドドア装置10において、クリップホルダ17に設けられた各係合片50は、それぞれ、そのクリップ20に設けられた各係合溝60の溝幅Daと略等しい幅広さWaを有している。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10は、これにより、駆動ベルト15の延伸方向において、各係合溝60の側壁面60sに対して各係合片50が当接することにより、その駆動ベルト15の延伸方向におけるクリップホルダ17及びクリップ20の相対移動が規制される構成になっている。
また、図6〜図12に示すように、本実施形態のクリップ20は、第2部材32の下端部32bから下方に向かって延びる一対の係合爪64,64を有している。更に、このクリップ20とクリップホルダ17とが連結された状態においては、これらの各係合爪64,64が可撓性を有したスナップフィット65を形成して、第1係合部J1を構成するクリップホルダ17の連結部47に係合する。詳しくは、駆動ベルト15の幅方向に延在する各第1係合片51の基端部51bに対して下側から係合する。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10は、これにより、駆動ベルト15の幅方向、そのクリップホルダ17とクリップ20とが上下に離間する方向、つまりは、これらのクリップホルダ17及びクリップ20が脱離する方向の相対移動を規制する構成となっている。
更に、本実施形態のパワースライドドア装置10においては、駆動ベルト15の幅方向、車両1の上方に位置する各係合溝60の上端面60aに対し、各係合片50の先端部50aが当接することにより、駆動ベルト15の幅方向の相対移動が規制される。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10は、これにより、各係合溝60の上端面60aがストッパ部67として機能することで、より安定的に、その連結部材16としてのクリップホルダ17と接続部材18としてのクリップ20とが連結される構成になっている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態のパワースライドドア装置10は、駆動ベルト15に固定された接続部材18としてのクリップ20を、ガイドローラユニット6bに固定された連結部材16としてのクリップホルダ17に対し、その上方から組み付ける。また、これにより、ガイドローラユニット6bの上方に突出する状態でクリップホルダ17に設けられた各係合片50と、車幅方向に臨むクリップ20の第1側面20a及び第2側面20bに設けられた上下方向に延在する各係合溝60とが、その駆動ベルト15の幅方向において互いに嵌合する。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10においては、これにより、駆動ベルト15の延伸方向及び幅方向において、そのクリップホルダ17及びクリップ20の相対移動が規制される。
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)車両用開閉体駆動装置としてのパワースライドドア装置10は、車両1の開閉体を構成するスライドドア4に支持されたガイドローラユニット6bに固定されることにより連結部材16を構成するクリップホルダ17と、駆動ベルト15に固定された状態で当該駆動ベルト15と一体に駆動される接続部材18としてのクリップ20と、を備える。更に、これらのクリップホルダ17及びクリップ20は、その一方側に設けられた第1係合部J1と他方側に設けられた第2係合部J2とが駆動ベルト15の幅方向において互いに嵌合する。そして、パワースライドドア装置10は、これにより、これらのクリップホルダ17とクリップ20とが、その駆動ベルト15の延伸方向及び厚み方向に相対移動不能な状態で連結される。
上記構成によれば、ガイドローラユニット6bに固定されたクリップホルダ17と、駆動ベルト15に固定された状態のクリップ20とを、その駆動ベルト15の幅方向から組み付けることにより、容易に、これらのクリップホルダ17及びクリップ20を連結することができる。即ち、駆動ベルト15の延伸方向及び厚み方向におけるクリップホルダ17及びクリップ20の相対移動が規制されることで、その延伸方向に移動する駆動ベルト15の駆動力を、効率よく、これらのクリップ20及びクリップホルダ17を介してスライドドア4に伝達することができる。また、組付け時には、幅方向に広がりを有する駆動ベルト15の帯形状に基づいて、その駆動ベルト15の幅方向におけるクリップホルダ17及びクリップ20の相対移動が許容される。そして、これにより、駆動ベルト15を介した効率的な駆動力の伝達を確保しつつ、その駆動ベルト15に対するスライドドア4の組付け性を改善することができる。
(2)クリップホルダ17は、ガイドローラユニット6bに対する固定部46と、この固定部46に連続してガイドローラユニット6bの上方に延びる連結部47を有する。更に、クリップホルダ17は、この連結部47において、その駆動ベルト15の延伸方向に沿って互い違いに並んで設けられることにより駆動ベルト15の厚み方向にクリップ20を挟み込む複数の係合片50を備える。そして、クリップ20には、駆動ベルト15の幅方向に延在することにより各係合片50が嵌合する複数の係合溝60が設けられる。
上記構成によれば、クリップホルダ17の連結部47が第1係合部J1を構成し、その扁平略四角箱状の外形を有したクリップ20の全体が第2係合部J2を構成する。そして、ガイドローラユニット6bに固定されたクリップホルダ17と、駆動ベルト15に固定された状態のクリップ20とを、その駆動ベルト15の幅方向から組み付けることにより、容易に、その各係合片50と各係合溝60とを嵌合させることができる。
また、クリップ20を挟み込む各係合片50によって、その駆動ベルト15の厚み方向におけるクリップホルダ17及びクリップ20の相対移動が規制される。更に、駆動ベルト15の延伸方向において、駆動ベルト15の幅方向に延びる各係合溝60の側壁面60sに対して各係合片50が当接することにより、その駆動ベルト15の延伸方向におけるクリップホルダ17及びクリップ20の相対移動が規制される。そして、これにより、簡素な構成にて、容易且つ安定的に、クリップホルダ17及びクリップ20を、その駆動ベルト15の延伸方向及び厚み方向に相対移動不能な状態で連結することができる。
(3)特に、各係合片50を駆動ベルト15の延伸方向に沿って互い違いに並んで設けることにより、少数の係合片50で、安定的に、駆動ベルト15の厚み方向にクリップ20を挟み込むことができる。
(4)更に、駆動ベルト15の幅方向、車両1の上方に位置する各係合溝60の上端面60aがストッパ部67を構成する。そして、これらの各上端面60aに対して各係合片50の先端部50aが当接することで、駆動ベルト15の幅方向におけるクリップホルダ17及びクリップ20の相対移動が規制される。その結果、より安定的に、その連結部材16としてのクリップホルダ17と接続部材18としてのクリップ20とを連結することができる。
(5)クリップ20は、下方に突出する一対の係合爪64,64を有する。更に、クリップ20とクリップホルダ17とが連結された状態においては、これらの各係合爪64,64がスナップフィット65を形成して、その第1係合部J1を構成するクリップホルダ17の連結部47に係合する。そして、これにより、駆動ベルト15の幅方向におけるクリップホルダ17及びクリップ20の相対移動が規制される。
上記構成によれば、クリップホルダ17及びクリップ20が連結された状態において、容易に、その駆動ベルト15の幅方向におけるクリップホルダ17及びクリップ20の相対移動を規制することができる。そして、スナップフィット65を用いることで、その良好な組付け性を維持しつつ、これらのクリップホルダ17及びクリップ20が脱離する方向の相対移動を規制することができる。
(6)クリップ20は、駆動ベルト15の歯部44に噛合する噛合部45を有した第1部材31と、この第1部材31との間に駆動ベルト15を挟み込む第2部材32と、を嵌合することにより形成される。
上記構成によれば、容易に、そのクリップ20を駆動ベルト15に固定することができる。そして、その第1部材31に設けられた噛合部45と駆動ベルト15の歯部44とが噛み合うことにより、効率よく、駆動ベルト15の駆動力を伝達することができる。
[第2の実施形態]
以下、車両用開閉体駆動装置をパワースライドドア装置に具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
図13及び図14に示すように、本実施形態のパワースライドドア装置10Bは、上記第1の実施形態におけるパワースライドドア装置10との比較において、その連結部材16Bを構成するクリップホルダ17B及び接続部材18Bを構成するクリップ20Bの構成が相違する。
詳述すると、本実施形態のクリップ20Bは、駆動ベルト15を当該駆動ベルト15の厚み方向に挟み込む一対の縦壁部71a,71bと、これら縦壁部71a,71bの下端部分を接続する下壁部71cと、を有している。そして、これらの各縦壁部71a,71b及び下壁部71cが形成する断面コ字形状の内側に駆動ベルト15を配置する状態で、この駆動ベルト15に固定される構成になっている。
尚、本実施形態のクリップ20Bは、その下壁部71cが可撓性を有している。そして、これにより、その互いに対向する縦壁部71a,71bを押し広げる態様で、その駆動ベルト15の幅方向から当該駆動ベルト15に組み付けられる構成になっている。
更に、本実施形態のクリップ20Bもまた、その一方の縦壁部71bに、上記第1の実施形態におけるクリップ20と同様の噛合部45を有している。そして、この噛合部45が駆動ベルト15の歯部44に噛合する状態で、その駆動ベルト15と一体に駆動される構成になっている(図7及び図8参照)。
また、本実施形態のパワースライドドア装置10Bにおいて、クリップホルダ17Bの連結部47Bは、図示しない固定部46に連続して上方に延びる第1縦壁部72aと、この第1縦壁部72aに対向する第2縦壁部72bと、これらの第1縦壁部72a及び第2縦壁部72bを接続する上壁部72cと、を備えた断面略J字状の外形を有している。尚、本実施形態のクリップホルダ17Bもまた、金属板を塑性加工することにより形成されている。そして、本実施形態のクリップホルダ17Bは、その互いに対向する第1縦壁部72a及び第2縦壁部72bが、駆動ベルト15に固定された状態のクリップ20Bを当該駆動ベルト15の厚み方向に挟み込む一対の挟持壁73,73を形成する構成になっている。
即ち、本実施形態のパワースライドドア装置10Bにおいては、その駆動ベルト15に固定されることにより接続部材18Bを構成するクリップ20Bが、連結部材16Bを構成するクリップホルダ17Bの連結部47Bに対し、その下方側から組み付けられる。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Bもまた、これにより、その連結部材16Bに設けられた第1係合部J1と接続部材18Bに設けられた第2係合部J2とが駆動ベルト15の幅方向に嵌合する構成になっている。
さらに詳述すると、本実施形態のクリップホルダ17Bは、その連結部47Bを構成する第1縦壁部72aに設けられた第1孔部75及び第2孔部76を有している。具体的には、第1孔部75は、その上壁部72cから下方に延出する態様で第1縦壁部72aに対向する第2縦壁部72bの下端部分よりも下方となる位置に設けられている。そして、第2孔部76は、この第1孔部75の上方に設けられている。
また、本実施形態のクリップ20Bは、これらの第1孔部75及び第2孔部76が設けられた第1縦壁部72a側に位置する縦壁部71aから、その駆動ベルト15の厚み方向に突出する第1係合突部77を有している。更に、この第1係合突部77は、上方に向かって延びる上方延出部77aを有した断面略L字状の外形を有している。そして、クリップホルダ17B側の第1縦壁部72aに設けられた第1孔部75は、この第1係合突部77を挿入可能な四角孔形状を有している。
即ち、本実施形態のクリップ20Bは、先ず、その第1係合突部77をクリップホルダ17B側の第1孔部75に挿入する状態で、駆動ベルト15の厚み方向から、そのクリップホルダ17Bの連結部47Bに対して組み付けられる。更に、本実施形態のパワースライドドア装置10Bにおいては、この状態でクリップ20Bを上方側に移動させることにより、その一対の挟持壁73,73を構成する第1縦壁部72a及び第2縦壁部72b間にクリップ20Bが挟み込まれる状態で、このクリップ20Bとクリップホルダ17Bの連結部47Bとが嵌合する。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Bは、これにより、その駆動ベルト15の厚み方向における連結部材16Bとしてのクリップホルダ17B及び接続部材18Bとしてのクリップ20Bの相対移動が規制される構成になっている。
更に、図15に示すように、本実施形態のパワースライドドア装置10Bにおいては、クリップホルダ17B側の第1孔部75及び当該第1孔部75に挿入される第1係合突部77の基端部77bに対して、駆動ベルト15の延伸方向における略等しい孔径Db1及び幅広さWb1が設定されている。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Bは、これにより、駆動ベルト15の延伸方向において、各第1孔部75の側壁面75sに対して各係合片50が当接することにより、その駆動ベルト15の延伸方向におけるクリップホルダ17B及びクリップ20Bの相対移動が規制される構成になっている。
また、図13、図14、及び図16に示すように、本実施形態のクリップ20Bは、その第1係合突部77が設けられた第1側面20cを形成する縦壁部71aとは反対側の縦壁部71bから、その駆動ベルト15の厚み方向に突出するフランジ状の第2係合突部78を有している。更に、本実施形態のクリップホルダ17Bは、その第1縦壁部72aとの間にクリップ20Bを挟み込む第2縦壁部72bの下端に設けられた切欠き79を有している。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Bは、そのクリップ20Bとクリップホルダ17Bの連結部47Bとが嵌合する状態において、このクリップホルダ17B側の切欠き79に対して、クリップ20B側の第2係合突部78が係合する構成になっている。
具体的には、図16に示すように、本実施形態のパワースライドドア装置10Bにおいては、これらのクリップホルダ17B側の切欠き79及びクリップ20B側の第2係合突部78に対して、駆動ベルト15の延伸方向における略等しい孔径Db2及び幅広さWb2が設定されている。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Bは、これにより、駆動ベルト15の延伸方向において、その切欠き79の側壁面79sに対して第2係合突部78が当接することによっても、その駆動ベルト15の延伸方向におけるクリップホルダ17B及びクリップ20Bの相対移動が規制される構成になっている。
また、図14及び図15に示すように、本実施形態の第1係合突部77において、その上方延出部77aは、先端に爪部80aを有した係合爪80としての構成を有している。更に、本実施形態のパワースライドドア装置10Bにおいては、この係合爪80が、可撓性を有したスナップフィット65Bを形成して、第1孔部75の上方に位置するクリップホルダ17B側の第2孔部76、詳しくは、その下端面76bに係合する。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Bは、これにより、駆動ベルト15の幅方向、そのクリップホルダ17Bとクリップ20Bとが脱離する方向の相対移動が規制される構成となっている。
更に、本実施形態のパワースライドドア装置10Bにおいて、クリップ20Bの縦壁部71aから突出する状態でクリップホルダ17B側の第1孔部75に挿入された第1係合突部77の基端部77bは、その第1孔部75の上端面75a近傍に配置される。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Bは、これにより、その第1係合突部77の基端部77bが第1孔部75の上端面75aに当接することで、その駆動ベルト15の幅方向におけるクリップホルダ17B及びクリップ20Bの相対移動が規制される構成になっている。
また、図14及び図16に示すように、本実施形態のクリップ20Bは、このとき、その第1係合突部77とは反対側に突出する第2係合突部78が、クリップホルダ17B側の第2縦壁部72bに設けられた切欠き79の上端面79aに当接する。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Bは、これにより、この第2係合突部78もまた、その駆動ベルト15の幅方向におけるクリップホルダ17B及びクリップ20Bの相対移動を規制するストッパ部67Bとして機能する構成になっている。
以上、本実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。更に、第1係合部J1の剛性を確保しやすいという利点がある。そして、これにより、高い信頼性を確保することができる。
[第3の実施形態]
以下、車両用開閉体駆動装置をパワースライドドア装置に具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
図17及び図18に示すように、本実施形態のパワースライドドア装置10Cは、上記第1の実施形態におけるパワースライドドア装置10との比較において、その連結部材16Cを構成するクリップホルダ17C及び接続部材18Cを構成するクリップ20Cの構成が相違する。
詳述すると、本実施形態のクリップ20Cは、駆動ベルト15を当該駆動ベルト15の厚み方向に挟み込む一対の縦壁部81a,81bと、これら縦壁部81a,81bの上端部分を接続する上壁部81cと、を有している。そして、本実施形態のクリップ20Cもまた、これらの各縦壁部81a,81b及び上壁部81cが形成する断面コ字形状の内側に駆動ベルト15を配置する状態で、この駆動ベルト15に固定される構成になっている。
一方、本実施形態のクリップホルダ17Cは、扁平略四角箱状の外形を有して駆動ベルト15に固定されたクリップ20Cを駆動ベルト15の厚み方向に挟み込む一対の第1挟持壁83,83と、そのクリップ20Cを駆動ベルト15の延伸方向に挟み込む一対の第2挟持壁84,84と、を有した連結部47Cを備えている。
本実施形態のパワースライドドア装置10Cにおいてもまた、このクリップホルダ17Cは、金属板を塑性加工することにより形成されている。具体的には、本実施形態のクリップホルダ17Cにおいて、その連結部47Cは、図示しない固定部46に連続して上方に延びる基壁部85と、この基壁部85の両側端部に設けられた一対の折曲壁86,86と、を備えている。更に、各折曲壁86,86は、それぞれ、基壁部85に対して略直交する方向に延在する基端部86bと、その基壁部85に対向する先端部86aと、を有している。そして、本実施形態のクリップホルダ17Cは、これにより、その駆動ベルト15の厚み方向に対向する基壁部85及び各折曲壁86,86の先端部86a,86aが第1挟持壁83,83を形成し、その駆動ベルト15の延伸方向に対向する各折曲壁86,86の基端部86b,86bが第2挟持壁84,84を形成する構成になっている。
また、本実施形態のパワースライドドア装置10Cにおいては、その駆動ベルト15に固定されることにより接続部材18Cを構成するクリップ20Cが、連結部材16Cを構成するクリップホルダ17Cの連結部47Cに対し、その上方側から組み付けられる。具体的には、クリップホルダ17Cの連結部47Cに設けられた各第1挟持壁83,83及び各第2挟持壁84,84が形成する略四角枠形状に対し、扁平略四角箱状の外形を有したクリップ20Cを挿入する態様で、これらのクリップホルダ17C及びクリップ20Cが互いに組み付けられる。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Cにおいてもまた、これにより、その連結部材16Cに設けられた第1係合部J1と接続部材18Cに設けられた第2係合部J2とが駆動ベルト15の幅方向に嵌合する構成になっている。
即ち、本実施形態のパワースライドドア装置10Cにおいては、クリップホルダ17C側の連結部47Cに設けられた一対の第1挟持壁83,83間にクリップ20Cが挟み込まれることにより、その駆動ベルト15の厚み方向におけるクリップホルダ17C及びクリップ20Cの相対移動が規制される。更に、同じくクリップホルダ17C側の連結部47Cに設けられた一対の第2挟持壁84,84間にクリップ20Cが挟み込まれることにより、その駆動ベルト15の延伸方向におけるクリップホルダ17C及びクリップ20Cの相対移動が規制される。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Cは、これにより、その延伸方向に移動する駆動ベルト15の駆動力を、効率よく、これらのクリップ20C及びクリップホルダ17Cを介してスライドドア4に伝達することが可能となっている。
また、本実施形態のクリップ20Cは、その縦壁部81aを部分的に切り欠くかたちで設けられた係合爪87を有している。更に、本実施形態のパワースライドドア装置10Cにおいては、この係合爪87がスナップフィット65Cを形成して、そのクリップホルダ17C側の基壁部85に設けられた孔部88に係合する。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Cは、これにより、駆動ベルト15の幅方向、そのクリップホルダ17Cとクリップ20Cとが脱離する方向の相対移動が規制される構成となっている。
更に、本実施形態のクリップ20Cは、駆動ベルト15の厚み方向両側に突出する状態で、その上壁部81cに固着された板状部89を有している。また、クリップホルダ17C側の各第1挟持壁83,83には、それぞれ、上方に開口する切欠き90,90が設けられている。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Cにおいては、これらの各切欠き90,90に対してクリップ20C側の板状部89が係合することにより、この板状部89をストッパ部67Cとして、その駆動ベルト15の幅方向におけるクリップホルダ17C及びクリップ20Cの相対移動が規制される構成となっている。
以上、本実施形態の構成によっても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。更に、第1係合部J1の剛性を確保しやすいという利点がある。そして、これにより、高い信頼性を確保することができる。
[第4の実施形態]
以下、車両用開閉体駆動装置をパワースライドドア装置に具体化した第4の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
図19及び図20に示すように、本実施形態のパワースライドドア装置10Dは、上記第3の実施形態におけるクリップ20Cと同様、その厚み方向に駆動ベルト15を挟み込む一対の縦壁部81a,81bと、これら縦壁部81a,81b間を接続する上壁部81cと、を有して駆動ベルト15に固定されるクリップ20Dを備えている。更に、本実施形態のパワースライドドア装置10Dにおいては、クリップホルダ17Dもまた、その扁平略四角箱状をなすクリップ20Dを駆動ベルト15の厚み方向に挟み込む一対の第1挟持壁83D,83Dと、そのクリップ20Dを駆動ベルト15の延伸方向に挟み込む一対の第2挟持壁84D,84Dと、を備えている。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Dは、これらの各第1挟持壁83D,83D及び第2挟持壁84D,84Dが形成された連結部47Dの構成が、その上記第3の実施形態におけるパワースライドドア装置10Cと相違する。
詳述すると、本実施形態のクリップホルダ17Dにおいて、その連結部47Dは、図示しない固定部46に連続して上方に延びる第1縦壁部91と、この第1縦壁部91と駆動ベルト15の幅方向に向かい合う対向部92xを有した第2縦壁部92と、を備えている。具体的には、本実施形態の連結部47Dにおいて、第2縦壁部92は、断面クランク状の折曲板形状を有して基端側が第1縦壁部91に固定されることにより、その対向部92xを構成する上端側が、駆動ベルト15の厚み方向において、その第1縦壁部91に対向する。そして、本実施形態のクリップホルダ17Dは、これにより、これらの第1縦壁部91及び第2縦壁部92が、その一対の第1挟持壁83D,83Dを形成する構成になっている。
また、本実施形態のクリップホルダ17Dにおける連結部47Dは、これらの第1縦壁部91及び第2縦壁部92の両側端部から、それぞれ、その互いに対向する方向に突出する状態で設けられた折返壁93,93及び折返壁94,94を備えている。更に、本実施形態のクリップホルダ17Dにおいては、その第1縦壁部91の両側端部に設けられた各折返壁93,93の先端と、第2縦壁部92の両側端部に設けられた各折返壁94,94の先端とが、駆動ベルト15の厚み方向に向かい合う。そして、本実施形態のクリップホルダ17Dは、これにより、その先端が互いに向かい合う各折返壁93及び各折返壁94が形成する二組の断続壁95、つまりは中間部分が切断された形状の壁部が、クリップ20Dを駆動ベルト15の延伸方向に挟み込む一対の第2挟持壁84D,84Dとして機能する構成になっている。
即ち、本実施形態のパワースライドドア装置10Dもまた、そのクリップホルダ17Dの連結部47Dに設けられた各第1挟持壁83D,83D及び各第2挟持壁84D,84Dが形成する略四角枠形状に対し、扁平略四角箱状の外形を有したクリップ20Dを挿入する態様で、これらのクリップホルダ17D及びクリップ20Dを互いに組み付ける。また、これにより、その連結部材16Dを構成するクリップホルダ17に設けられた第1係合部J1としての連結部47Dと、その接続部材18D及び当該接続部材18Dの第2係合部J2を構成するクリップ20Dとが、駆動ベルト15の幅方向に嵌合する。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Dは、これにより、これらのクリップホルダ17Dとクリップ20Dとが、その駆動ベルト15の延伸方向及び厚み方向に相対移動不能な状態で連結される構成になっている。
また、本実施形態のパワースライドドア装置10Dにおいても、クリップ20Dの各縦壁部81a,81bに設けられた係合爪87D,87Dが、それぞれスナップフィット65Dを形成して、そのクリップホルダ17D側の第1縦壁部91及び第2縦壁部92に設けられた各孔部88D,88Dに係合する。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Dは、これにより、駆動ベルト15の幅方向、そのクリップホルダ17Dとクリップ20Dとが脱離する方向の相対移動が規制される構成となっている。
更に、本実施形態のクリップ20Dは、その上壁部81cから駆動ベルト15の厚み方向両側に突出する一対のフランジ部96,96を有している。更に、本実施形態のパワースライドドア装置10Dにおいては、これらの各フランジ部96,96が、そのストッパ部67Dを構成する。そして、本実施形態のパワースライドドア装置10Dは、これらの各フランジ部96,96が、第1縦壁部91の上端部91a及び第2縦壁部92の上端部92aに当接することにより、その駆動ベルト15の幅方向におけるクリップホルダ17D及びクリップ20Dの相対移動が規制される構成となっている。
以上、本実施形態の構成によっても、上記第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。更に、先端が互いに向かい合う各折返壁93及び各折返壁94が形成する二組の断続壁95が、クリップ20Dを駆動ベルト15の延伸方向に挟み込む一対の第2挟持壁84D,84Dとして機能することで、これらの各第2挟持壁84D,84Dが、その駆動ベルト15に干渉し難いという利点がある。そして、これにより、その組み付け性を改善することができるとともに、併せて、その駆動ベルト15の幅方向における寸法の短縮化を図ることができる。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記第1の実施形態では、クリップホルダ17の連結部47に設けられた各係合片50とクリップ20に設けられた駆動ベルト15の幅方向に延在する各係合溝60とが、その駆動ベルト15の幅方向に嵌合することとした。しかし、これに限らず、クリップ20に設けられた嵌合孔100に挿入される態様で、そのクリップホルダ17側の係合片50が嵌合する構成としてもよい。
例えば、図21及び図22に示す別例のクリップ20Eには、各係合溝60に嵌合したクリップホルダ17側の各係合片50の外周、詳しくは、その先端部分の外周を覆うカバー部101が設けられている。そして、この別例のパワースライドドア装置10Eにおいては、これにより、このカバー部101及び各係合溝60の内側に、駆動ベルト15の幅方向、車両1の下方側に開口する嵌合孔100が形成される構成となっている。
このような構成を採用することで、より強固な嵌合状態を確保することができる。そして、これにより、その連結部材16としてのクリップホルダ17及び接続部材18Eとしてのクリップ20Eを、より安定的に連結することができる。
・上記第1の実施形態では、クリップホルダ17には、駆動ベルト15の延伸方向に沿って互い違いに並ぶ3つの係合片50が設けられ、クリップ20には、これらの各係合片50が嵌合する3つの係合溝60が形成されることとした。しかし、これに限らず、これらの係合片50及び係合溝60の数及び配置については、任意に変更してもよい。
例えば、互いに対向する状態でクリップ20を駆動ベルト15の厚み方向に挟み込む一組又は複数組の対となる係合片50、及びこれら各係合片50が嵌合する各係合溝60を設ける構成としてもよい。そして、このような対となる係合片50が、そのクリップ20を駆動ベルト15の延伸方向に挟み込む構成としてもよい。
・上記第2の実施形態では、ガイドローラユニット6bに対する固定部46に連続して上方に延びる第1縦壁部72aと、この第1縦壁部72aに対向する第2縦壁部72bと、を備えた略J字状の外形を有することとしたが、これらの第1縦壁部72a及び第2縦壁部72bの車幅方向位置を入れ替えてもよい。即ち、駆動ベルト15を挟んで車幅方向外側に第1縦壁部72aが配置され、車幅方向内側に第2縦壁部72bが配置される構成であってもよく、車幅方向外側に第2縦壁部72bが配置され、車幅方向内側に第1縦壁部72aが配置される構成であってもよい。
・上記第3の実施形態では、クリップホルダ17Cの連結部47Cに設けられた各第1挟持壁83,83及び各第2挟持壁84,84が、その連結部47Cに枠形状を形成する。そして、この枠形状に対してクリップ20Cを挿入する態様で、このクリップホルダ17Cとクリップ20Cとを互いに組み付けることにより、これらのクリップホルダ17C及びクリップ20Cが、その駆動ベルト15の幅方向に嵌合することとした。しかし、これに限らず、各第1挟持壁83,83と各第2挟持壁84,84とが、枠形状を形成することなく、上下方向にずれた位置に配置される構成であってもよい。そして、上記第4の実施形態において、そのクリップホルダ17Dの連結部47Dを形成する各第1挟持壁83D,83D及び各第2挟持壁84D,84Dについてもまた、同様に構成してもよい。
・また、駆動ベルト15の幅方向におけるクリップホルダ17及びクリップ20の相対移動を規制する構成については、任意に変更してもよい。
例えば、図23及び図24に示すように、クリップホルダ17Fの連結部47Fに対し、駆動ベルト15の幅方向に対向する一対の挟持壁102,102を形成するような断面略コ字状の係合片103を設ける。そして、その挟持壁102,102間にクリップ20Fを挟み込むことにより、その駆動ベルト15の幅方向におけるクリップホルダ17F及びクリップ20Fの相対移動を規制する構成としてもよい。
尚、この別例においては、クリップホルダ17F側の係合片103に設けられた係合孔104に対し、そのクリップ20Fに設けられた係合爪105が係合する。そして、これにより、安定的に、その係合片103が形成する挟持壁102,102間にクリップ20Fが挟み込まれる構成となっている。
・上記各実施形態では、クリップホルダ17の連結部47が、その連結部材16に設けられた第1係合部J1を構成し、扁平略四角箱状の外形を有するクリップ20の全体が、その接続部材18に設けられた第2係合部J2を構成することとした。しかし、これに限らず、例えば、第1の実施形態については、クリップ20側に設けられた複数の係合爪によって、そのクリップホルダ17側に設けられた箱状の連結部47が挟み込まれる等、接続部材18側に第1係合部J1を設け、連結部材16側に第2係合部J2を設ける構成としてもよい。そして、第2〜第4の実施形態において、その連結部材16B,16C,16Dを構成する各クリップホルダ17B,17C,17D、及び接続部材18B,18C,18Dを構成する各クリップ20B,20C,20Dについても同様に、その接続部材18側に第1係合部J1を設け、連結部材16側に第2係合部J2を設ける構成としてもよい。
・上記各実施形態では、接続部材18側にスナップフィット65及びストッパ部67を設けることとした。しかし、これに限らず、連結部材16側にスナップフィット65を設ける構成としてもよい。そして、連結部材16側にストッパ部67を設ける構成としてもよい。
・上記各実施形態では、車両1のドア開口部3に設けられたスライドドア4を開閉体とするパワースライドドア装置10に具体化した。しかし、これに限らず、駆動ベルト15を介して車両1に設けられた開閉体を駆動する車両用開閉体駆動装置であれば、例えば、車両の窓ガラスを昇降させるウィンドレギュレータやサンルーフ装置等、ドア以外の開閉体を対象とするものに適用してもよい。