JP2021080584A - 繊維体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】繊維体全体に結合材を含む液体を塗布する。【解決手段】繊維体の製造方法は、複数の繊維を含むシート状の繊維材料を堆積する堆積部と、堆積された前記繊維材料の前記繊維同士を結合させる結合材を含む液体を液滴として吐出する第1液滴吐出部と、堆積された前記繊維材料の前記繊維同士を結合させる前記結合材を含む前記液体を前記液滴として吐出する第2液滴吐出部と、を備えた繊維体製造装置における繊維体の製造方法であって、前記第1液滴吐出部が、前記繊維材料に前記液体を塗布すべき塗布領域の一部領域まで前記液滴を吐出した吐出領域から前記液体を前記液滴として吐出せずに待機する待機領域に移行した場合、前記第2液滴吐出部が、前記塗布領域から前記一部領域を除いた未塗布領域を含む領域に前記液体を吐出する。【選択図】図7
Description
本発明は、繊維体の製造方法に関する。
特許文献1に示すように、インクジェットヘッドのノズルから薬液を噴射させ、連続シートに薬液を塗布するティシュペーパー製品の製造方法が知られている。
しかしながら、連続シートから飛散する紙粉等によってノズルが詰まると、薬液を噴射させることができず、連続シートに薬液が塗布されない領域が発生してしまう、という課題があった。
繊維体の製造方法は、複数の繊維を含むシート状の繊維材料を堆積する堆積部と、堆積された前記繊維材料の前記繊維同士を結合させる結合材を含む液体を液滴として吐出する第1液滴吐出部と、堆積された前記繊維材料の前記繊維同士を結合させる前記結合材を含む前記液体を前記液滴として吐出する第2液滴吐出部と、を備えた繊維体製造装置における繊維体の製造方法であって、前記第1液滴吐出部が、前記繊維材料に前記液体を塗布すべき塗布領域の一部領域まで前記液滴を吐出した吐出領域から前記液体を前記液滴として吐出せずに待機する待機領域に移行した場合、前記第2液滴吐出部が、前記塗布領域から前記一部領域を除いた未塗布領域を含む領域に前記液体を吐出することを特徴とする。
上記繊維体の製造方法であって、前記液滴の吐出状態を検査した結果、前記第1液滴吐出部のクリーニングが必要であると判断された場合、または、所定期間毎の前記クリーニングのタイミングとなった場合に、前記第1液滴吐出部を、前記吐出領域から前記待機領域に移行することが好ましい。
上記繊維体の製造方法であって、前記第1液滴吐出部と前記第2液滴吐出部とが前記塗布領域に前記液滴を吐出するために生成されるビットマップパターンが同じであることが好ましい。
上記繊維体の製造方法であって、前記塗布領域に対応して生成されたビットマップパターンに基づいて、前記第1液滴吐出部が前記液体を吐出し、前記未塗布領域に対応して生成されたビットマップパターンに基づいて、前記第2液滴吐出部が前記液体を吐出することが好ましい。
上記繊維体の製造方法であって、前記液滴の前記吐出状態を検査した結果に応じて、前記未塗布領域に対応する補完ビットマップパターンを生成し、前記補完ビットマップパターンに基づいて、前記第2液滴吐出部が前記液体を吐出することが好ましい。
上記繊維体の製造方法であって、前記補完ビットマップパターンは、予め登録することが好ましい。
上記繊維体の製造方法であって、前記液滴の前記吐出状態の検査は、検査基材に対して前記液滴を吐出し、前記検査基材の状態を画像処理することが好ましい。
上記繊維体の製造方法であって、前記液滴の前記吐出状態の検査は、前記液滴の飛行状態を検査することが好ましい。
1.第1実施形態
まず、本実施形態にかかる繊維体製造装置100について説明する。図1は、本実施形態にかかる繊維体製造装置100の構成を示す模式図である。
まず、本実施形態にかかる繊維体製造装置100について説明する。図1は、本実施形態にかかる繊維体製造装置100の構成を示す模式図である。
繊維体製造装置100は、例えば、原料としての使用済みの古紙を乾式で解繊して繊維化した後、加圧、加熱、切断することによって、新しい繊維体としてのシートSを製造するのに好適な装置である。繊維体製造装置100では、シートSの密度や厚さ、形状をコントロールして成形することで、A4やA3のオフィス用紙、名刺用紙など、用途に合わせて、さまざまな厚さ・サイズのシートSを製造することができる。
繊維体製造装置100は、例えば、供給部10と、粗砕部12と、解繊部20と、選別部40と、第1ウェブ形成部45と、回転体49と、堆積部60と、第2ウェブ形成部70と、搬送部79と、シート形成部80と、切断部90と、液滴吐出ユニット120と、を含む。
また、繊維体製造装置100は、例えば、原料に対する加湿、および原料が移動する空間を加湿する目的で、加湿部202,204,206,208,210,212を含む。
加湿部202,204,206,208は、例えば、気化式または温風気化式の加湿器で構成されている。すなわち、加湿部202,204,206,208は、水を浸潤させる図示しないフィルターを有し、フィルターに空気を通過させることにより、湿度を高めた加湿空気を供給する。加湿部202,204,206,208は、加湿空気の湿度を効果的に高める図示しないヒーターを備えてもよい。加湿部210,212は、例えば、超音波式加湿器で構成されている。すなわち、加湿部210,212は、水を霧化する図示しない振動部を有し、振動部により発生するミストを供給する。
加湿部202,204,206,208は、例えば、気化式または温風気化式の加湿器で構成されている。すなわち、加湿部202,204,206,208は、水を浸潤させる図示しないフィルターを有し、フィルターに空気を通過させることにより、湿度を高めた加湿空気を供給する。加湿部202,204,206,208は、加湿空気の湿度を効果的に高める図示しないヒーターを備えてもよい。加湿部210,212は、例えば、超音波式加湿器で構成されている。すなわち、加湿部210,212は、水を霧化する図示しない振動部を有し、振動部により発生するミストを供給する。
繊維体製造装置100は、繊維体製造装置100全体の駆動を制御する制御部300を含むコンピューター1を備える。コンピューター1は、ユーザーが使用可能な汎用のパーソナルコンピューターである。また、ユーザーからの指示を入力可能なキーボードやマウス等の入力装置、ディスプレイ等と接続可能なインターフェイスと、を備える。
供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。粗砕部12に供給される原料は、繊維を含むものであればよく、例えば、紙、パルプ、パルプシート、不織布、布、あるいは織物等が挙げられる。以下では、繊維体製造装置100が古紙を原料とする構成を例示する。供給部10は、例えば、古紙を重ねて蓄積するスタッカーと、スタッカーから古紙を粗砕部12に送り出す自動投入装置と、を有している。また、必ずしも古紙を整列させて重ねる必要はなく、種々のサイズの古紙や種々の形状の古紙をばらばらにスタッカーに供給してもよい。
粗砕部12は、供給部10によって供給された原料を粗砕刃14によって裁断して、粗砕片にする。粗砕刃14は、大気中等の気中で原料を裁断する。粗砕部12は、例えば、原料を挟んで裁断する一対の粗砕刃14と、粗砕刃14を回転させる駆動部と、を有し、いわゆるシュレッダーと同様の構成とすることができる。粗砕片の形状や大きさは、任意であり、解繊部20における解繊処理に適していればよい。粗砕部12は、原料を、例えば1cm〜数cm四方またはそれ以下のサイズの紙片に裁断する。
粗砕部12は、粗砕刃14により裁断されて落下する粗砕片を受けるシュート9を有する。シュート9は、例えば、粗砕片が流れる方向において、徐々に幅が狭くなるテーパー形状を有する。そのため、シュート9は、多くの粗砕片を受けとめることができる。シュート9には、解繊部20に連通する管2が連結され、管2は、粗砕片を、解繊部20に搬送させるための搬送路を形成する。粗砕片は、シュート9により集められ、管2を通って解繊部20に搬送される。粗砕片は、例えば図示しないブロアーが発生する気流により、管2中を解繊部20に向けて搬送される。
粗砕部12が有するシュート9、あるいはシュート9の近傍には、加湿部202により加湿空気が供給される。これにより、粗砕刃14により裁断された粗砕物が、静電気によってシュート9や管2の内面に吸着する現象を抑制できる。また、粗砕刃14が裁断した粗砕物は、加湿された高湿度の空気とともに解繊部20に搬送されるので、解繊部20の内部における解繊物の付着を抑制する効果も期待できる。また、加湿部202は、粗砕刃14に加湿空気を供給して、供給部10が供給する原料を除電する構成としてもよい。また、加湿部202とともにイオナイザーを用いて除電してもよい。
解繊部20は、粗砕部12で裁断された粗砕物を解繊する。より具体的には、解繊部20は、粗砕部12によって裁断された原料を解繊処理し、解繊物を生成する。ここで、「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる原料を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20は、原料に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能を有する。
解繊部20を通過したものを解繊物という。解繊物には、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂粒、すなわち複数の繊維同士を結着させるための樹脂粒や、インク、トナーなどの色材や、にじみ防止剤、紙力増強剤等の添加剤を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも状や平ひも状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態、すなわち独立した状態で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態、すなわちダマを形成している状態で存在してもよい。
解繊部20は、乾式で解繊を行う。ここで、液体中ではなく、大気中等の気中において、解繊等の処理を行うことを乾式と称する。解繊部20は、例えば、インペラーミルを用いて構成されている。具体的には、解繊部20は、図示しないが、高速回転するローターと、ローターの外周に位置するライナーと、を有している。粗砕部12で裁断された粗砕片は、解繊部20のローターとライナーとの間に挟まれて解繊される。解繊部20は、ローターの回転により気流を発生させる。この気流により、解繊部20は、原料である粗砕片を管2から吸引し、解繊物を排出口24へと搬送できる。解繊物は、排出口24から管3に送り出され、管3を介して選別部40に搬送される。
このように、解繊部20で生成される解繊物は、解繊部20が発生する気流により解繊部20から選別部40に搬送される。さらに、図示の例では、繊維体製造装置100は、気流発生装置である解繊ブロアー26を備え、解繊ブロアー26が発生する気流により解繊物が選別部40に搬送される。解繊ブロアー26は、管3に取り付けられ、解繊部20から解繊物とともに空気を吸引し、選別部40に送風する。
選別部40には、管3から解繊部20により解繊された解繊物が気流とともに流入する導入口42が設けられている。選別部40は、導入口42に導入する解繊物を、繊維の長さによって選別する。詳細には、選別部40は、解繊部20により解繊された解繊物のうち、予め定められたサイズ以下の解繊物を第1選別物とし、第1選別物より大きい解繊物を第2選別物として、選別する。第1選別物は、繊維または粒子等を含み、第2選別物は、例えば、大きい繊維、未解繊片、十分に解繊されていない粗砕片、解繊された繊維が凝集し、あるいは絡まったダマ等を含む。
選別部40は、例えば、ドラム部41と、ドラム部41を収容するハウジング部43と、を有している。
ドラム部41は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。ドラム部41は、網を有し、篩として機能する。この網の目により、ドラム部41は、網の目開きの大きさより小さい第1選別物と、網の目開きより大きい第2選別物と、を選別する。ドラム部41の網としては、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いることができる。
導入口42に導入された解繊物は、気流とともにドラム部41の内部に送り込まれ、ドラム部41の回転によって第1選別物がドラム部41の網の目から下方に落下する。ドラム部41の網の目を通過できない第2選別物は、導入口42からドラム部41に流入する気流により流されて排出口44に導かれ、管8に送り出される。
管8は、ドラム部41の内部と管2とを連結する。管8を通って流される第2選別物は、粗砕部12により裁断された粗砕片とともに管2を流れ、解繊部20の導入口22に導かれる。これにより、第2選別物は解繊部20に戻されて、解繊処理される。
また、ドラム部41により選別される第1選別物は、ドラム部41の網の目を通って空気中に分散し、ドラム部41の下方に位置する第1ウェブ形成部45のメッシュベルト46に向けて降下する。
第1ウェブ形成部45は、メッシュベルト46と、ローラー47と、吸引部48と、を有している。メッシュベルト46は、無端形状のベルトであって、3つのローラー47に懸架され、ローラー47の動きにより、図中矢印で示す方向に搬送される。メッシュベルト46の表面は、所定サイズの開口が並ぶ網で構成される。選別部40から降下する第1選別物のうち、網の目を通過するサイズの微粒子は、メッシュベルト46の下方に落下し、網の目を通過できないサイズの繊維がメッシュベルト46に堆積し、メッシュベルト46とともに矢印方向に搬送される。メッシュベルト46から落下する微粒子は、解繊物の中で比較的小さいものや密度の低いもの、すなわち、繊維と繊維との結着に不要な樹脂粒や色材や添加剤などを含み、繊維体製造装置100がシートSの製造に使用しない除去物である。
メッシュベルト46は、シートSを製造する通常動作中には、一定の速度V1で移動する。ここで、通常動作中とは、繊維体製造装置100の始動制御、および停止制御の実行中を除く動作中であり、より詳細には、繊維体製造装置100が望ましい品質のシートSを製造している間を指す。
したがって、解繊部20で解繊処理された解繊物は、選別部40で第1選別物と第2選別物とに選別され、第2選別物が解繊部20に戻される。また、第1選別物から、第1ウェブ形成部45によって除去物が除かれる。第1選別物から除去物を除いた残りは、シートSの製造に適した材料であり、この材料はメッシュベルト46に堆積して第1ウェブW1を形成する。
吸引部48は、メッシュベルト46の下方から空気を吸引する。吸引部48は、管23を介して集塵部27に連結される。集塵部27は、フィルター式あるいはサイクロン式の集塵装置であり、微粒子を気流から分離する。集塵部27の下流には捕集ブロアー28が設置され、捕集ブロアー28は、集塵部27から空気を吸引する集塵用吸引部として機能する。また、捕集ブロアー28が排出する空気は、管29を経て繊維体製造装置100の外に排出される。
繊維体製造装置100は、捕集ブロアー28により、集塵部27を通じて吸引部48から空気が吸引される。吸引部48では、メッシュベルト46の網の目を通過する微粒子が、空気とともに吸引され、管23を通って集塵部27に送られる。集塵部27は、メッシュベルト46を通過した微粒子を気流から分離して蓄積する。
したがって、メッシュベルト46の上には、第1選別物から除去物を除去した繊維が堆積して第1ウェブW1が形成される。捕集ブロアー28が吸引を行うことで、メッシュベルト46上における第1ウェブW1の形成が促進され、かつ、除去物が速やかに除去される。
ドラム部41を含む空間には、加湿部204により加湿空気が供給される。この加湿空気によって、選別部40の内部で第1選別物を加湿する。これにより、静電力による第1選別物のメッシュベルト46への付着を弱め、第1選別物をメッシュベルト46から剥離し易くすることができる。さらに、静電力により第1選別物が回転体49やハウジング部43の内壁に付着することを抑制することができる。また、吸引部48によって除去物を効率よく吸引できる。
なお、繊維体製造装置100において、第1選別物と第2選別物とを選別し、分離する構成は、ドラム部41を備える選別部40に限定されない。例えば、解繊部20で解繊処理された解繊物を、分級機によって分級する構成を採用してもよい。分級機としては、例えば、サイクロン分級機、エルボージェット分級機、エディクラシファイヤーを用いることができる。これらの分級機を用いれば、第1選別物と第2選別物とを選別し、分離することが可能である。さらに、上記の分級機により、解繊物の中で比較的小さいものや密度の低いもの、すなわち、繊維と繊維との結着に不要な樹脂粒や色材や添加剤などを含む除去物を、分離して除去する構成を実現できる。例えば、第1選別物に含まれる微粒子を、分級機によって、第1選別物から除去する構成としてもよい。この場合、第2選別物は、例えば解繊部20に戻され、除去物は、集塵部27により集塵され、除去物を除く第1選別物が管54に送られる構成とすることができる。
メッシュベルト46の搬送経路において、選別部40の下流側には、加湿部210によって、ミストを含む空気が供給される。加湿部210が生成する水の微粒子であるミストは、第1ウェブW1に向けて降下し、第1ウェブW1に水分を供給する。これにより、第1ウェブW1が含む水分量が調整され、静電気によるメッシュベルト46への繊維の吸着等を抑制できる。
繊維体製造装置100は、メッシュベルト46に堆積した第1ウェブW1を分断する回転体49を有している。第1ウェブW1は、メッシュベルト46がローラー47により折り返す位置で、メッシュベルト46から剥離して、回転体49により分断される。
第1ウェブW1は、繊維が堆積してウェブ形状となった柔らかい材料であり、回転体49は、第1ウェブW1の繊維をほぐす。
回転体49の構成は任意であるが、図示の例では、回転体49は、板状の羽根を有し回転する回転羽形状を有している。回転体49は、メッシュベルト46から剥離する第1ウェブW1と羽根とが接触する位置に配置される。回転体49の回転、例えば図中矢印Rで示す方向への回転により、メッシュベルト46から剥離して搬送される第1ウェブW1に羽根が衝突して分断し、細分体Pを生成する。
なお、回転体49は、回転体49の羽根がメッシュベルト46に衝突しない位置に設置されることが好ましい。例えば、回転体49の羽根の先端とメッシュベルト46との間隔を、0.05mm以上0.5mm以下とすることができ、この場合、回転体49によって、メッシュベルト46に損傷を与えることなく第1ウェブW1を効率よく分断することができる。
回転体49によって分断された細分体Pは、管7の内部を下降して、管7の内部を流れる気流によって管54へ搬送される。
また、回転体49を含む空間には、加湿部206により加湿空気が供給される。これにより、管7の内部や、回転体49の羽根に対し、静電気により繊維が吸着する現象を抑制することができる。
ブロアー56が発生する気流により、管7を降下する細分体Pは、管54の内部に吸引され、ブロアー56内部を通過する。ブロアー56が発生する気流、およびブロアー56が有する羽根等の回転部の作用により、細分体Pは、管54を通って堆積部60に搬送される。
堆積部60は、細分体Pを導入口62から導入し、絡み合った解繊物をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。堆積部60は、第2ウェブ形成部70に、複数の繊維を含むシート状の繊維材料としての第2ウェブW2を均一性よく堆積させる。
堆積部60は、ドラム部61と、ドラム部61を収容するハウジング部63と、を有している。ドラム部61は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。ドラム部61は、網を有し、篩として機能する。この網の目により、ドラム部61は、網の目開きのより小さい繊維や粒子を通過させ、ドラム部61から下降させる。ドラム部61の構成は、例えば、ドラム部41の構成と同じである。
なお、ドラム部61の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、ドラム部61として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、ドラム部61は、ドラム部61に導入された解繊物の全てを降らしてもよい。
ドラム部61の下方には第2ウェブ形成部70が配置される。第2ウェブ形成部70は、堆積部60を通過した通過物を堆積して、第2ウェブW2を形成する。第2ウェブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、ローラー74と、サクション機構76と、を有している。
メッシュベルト72は、無端形状のベルトであって、複数のローラー74に懸架され、ローラー74の動きにより、図中矢印で示す方向に搬送される。メッシュベルト72は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。メッシュベルト72の表面は、所定サイズの開口が並ぶ網で構成されている。ドラム部61から降下する繊維のうち、網の目を通過するサイズの繊維は、メッシュベルト72の下方に落下し、網の目を通過できないサイズの繊維がメッシュベルト72に堆積し、メッシュベルト72とともに矢印方向に搬送される。メッシュベルト72は、シートSを製造する通常動作中には、一定の速度V2で移動する。通常動作中とは、上述した通りである。
メッシュベルト72の網の目は、微細であり、ドラム部61から降下する繊維の大半を通過させないサイズとすることができる。
サクション機構76は、メッシュベルト72の下方に設けられる。サクション機構76は、サクションブロアー77を備え、サクションブロアー77の吸引力によって、サクション機構76に下方に向く気流を発生させることができる。
サクション機構76によって、堆積部60により空気中に分散された解繊物をメッシュベルト72上に吸引する。これにより、メッシュベルト72上における第2ウェブW2の形成を促進し、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、解繊物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物が絡み合うことを防ぐことができる。
サクションブロアー77は、サクション機構76から吸引した空気を、図示しない捕集フィルターを通じて、繊維体製造装置100の外に排出してもよい。あるいは、サクションブロアー77が吸引した空気を集塵部27に送り込み、サクション機構76が吸引した空気に含まれる除去物を捕集してもよい。
ドラム部61を含む空間には、加湿部208により加湿空気が供給される。この加湿空気によって、堆積部60の内部を加湿することができ、静電力によるハウジング部63への繊維の付着を抑え、繊維をメッシュベルト72に速やかに降下させ、好ましい形状の第2ウェブW2を形成させることができる。
以上のように、堆積部60および第2ウェブ形成部70を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態の第2ウェブW2が形成される。メッシュベルト72に堆積された第2ウェブW2は、シート形成部80へと搬送される。
メッシュベルト72の搬送経路において、堆積部60の下流側には、加湿部212によって、ミストを含む空気が供給される。これにより、加湿部212が生成するミストが第2ウェブW2に供給され、第2ウェブW2が含む水分量が調整される。これにより、静電気によるメッシュベルト72への繊維の吸着等を抑制できる。
繊維体製造装置100は、メッシュベルト72上の第2ウェブW2を、シート形成部80に搬送する搬送部79を有している。搬送部79は、例えば、メッシュベルト79aと、ローラー79bと、サクション機構79cと、を有している。
サクション機構79cは、図示しないブロアーを備え、ブロアーの吸引力によってメッシュベルト79aに上向きの気流を発生させる。この気流は、第2ウェブW2を吸引し、第2ウェブW2は、メッシュベルト72から離れてメッシュベルト79aに吸着される。メッシュベルト79aは、ローラー79bの自転により移動し、第2ウェブW2をシート形成部80に搬送する。メッシュベルト72の移動速度と、メッシュベルト79aの移動速度とは、例えば、同じである。
このように、搬送部79は、メッシュベルト72に形成された第2ウェブW2を、メッシュベルト72から剥がして搬送する。
シート形成部80は、堆積部60で堆積させた堆積物からシートSを形成する。より具体的には、シート形成部80は、メッシュベルト72に堆積され搬送部79により搬送された第2ウェブW2を、加圧加熱してシートSを成形する。
シート形成部80は、第2ウェブW2を加圧する加圧部82と、加圧部82により加圧された第2ウェブW2を加熱する加熱部84と、を有している。
加圧部82は、一対のカレンダーローラー85で構成され、第2ウェブW2を所定のニップ圧で挟んで加圧する。第2ウェブW2は、加圧されることによりその厚さが小さくなり、第2ウェブW2の密度が高められる。一対のカレンダーローラー85の一方は、図示しないモーターにより駆動される駆動ローラーであり、他方は従動ローラーである。カレンダーローラー85は、モーターの駆動力により回転して、加圧により高密度になった第2ウェブW2を、加熱部84に向けて搬送する。
加熱部84は、例えば、加熱ローラー、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロアー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器などによって構成されている。図示の例では、加熱部84は、一対の加熱ローラー86を備える。加熱ローラー86は、内部または外部に設置されるヒーターによって、予め設定された温度に加温される。加熱ローラー86は、カレンダーローラー85によって加圧された第2ウェブW2を挟んで熱を与え、シートSを形成する。
一対の加熱ローラー86の一方は、図示しないモーターにより駆動される駆動ローラーであり、他方は従動ローラーである。加熱ローラー86は、モーターの駆動力により回転して、加熱したシートSを、切断部90に向けて搬送する。
このように、堆積部60で形成された第2ウェブW2は、シート形成部80で加圧および加熱されて、シートSとなる。
なお、加圧部82が備えるカレンダーローラー85の数、および加熱部84が備える加熱ローラー86の数は、特に限定されない。
ここで、搬送方向において加圧部82と加熱部84との間に液滴吐出ユニット120が配置される。液滴吐出ユニット120は、第2ウェブW2の繊維同士を結合させる結合材としてのバインダーを含む液体を液滴として吐出する。第2ウェブW2にバインダーを含む液体を付着させ、その後に加熱部84で加熱処理を施すことで、繊維同士がバインダーによって結合される。なお、液滴吐出ユニット120の詳細な構成は後述する。
切断部90は、シート形成部80によって成形されたシートSを切断する。図示の例では、切断部90は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、搬送方向に平行な方向にシートSを切断する第2切断部94と、を有している。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過したシートSを切断する。
以上により、所定のサイズの単票のシートSが成形される。切断された単票のシートSは、排出部96へと排出される。排出部96は、所定サイズのシートSを載せるトレイあるいはスタッカーを有している。
なお、図示はしないが、加湿部202,204,206,208は、1台の気化式加湿器で構成されていてもよい。この場合、1台の加湿器が生成する加湿空気が、粗砕部12、ハウジング部43、管7、およびハウジング部63に分岐して供給される。この構成は、加湿空気を供給するダクトを分岐して設置することにより、容易に実現できる。また、2台あるいは3台の気化式加湿器によって加湿部202,204,206,208を構成することも可能である。
また、加湿部210,212は、1台の超音波式加湿器で構成されていてもよいし、2台の超音波式加湿器で構成されていてもよい。例えば、1台の加湿器が生成するミストを含む空気が、加湿部210,212に分岐して供給される。
次に、液滴吐出ユニット120の構成について説明する。
図2及び図3は、本実施形態にかかる液滴吐出ユニット120の構成を示す模式図である。なお、図2は平面図であり、図3は、図2に対して逆方向から見た図である。
図2に示すように、液滴吐出ユニット120は、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610とを備える。第1液滴吐出部510は、複数のノズルNzを有する第1吐出ヘッド520を備える。第2液滴吐出部610は、複数のノズルNzを有する第2吐出ヘッド620を備える。第1及び第2吐出ヘッド520,620は、インク吐出機構として、例えば、ピエゾ素子を備え、ピエゾ素子の駆動によって各ノズルNzから液体が吐出される。液滴吐出ユニット120は、バインダーを含む液体を貯留する液体貯留部(図示せず)を備え、当該液体貯留部から第1及び第2吐出ヘッド520,620に液体が供給される。第1吐出ヘッド520及び第2吐出ヘッド620は、複数の繊維を含むシート状の第2ウェブW2に対して繊維同士の結合させる液体を液滴として吐出し、第2ウェブW2に液体を塗布する。
図2及び図3は、本実施形態にかかる液滴吐出ユニット120の構成を示す模式図である。なお、図2は平面図であり、図3は、図2に対して逆方向から見た図である。
図2に示すように、液滴吐出ユニット120は、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610とを備える。第1液滴吐出部510は、複数のノズルNzを有する第1吐出ヘッド520を備える。第2液滴吐出部610は、複数のノズルNzを有する第2吐出ヘッド620を備える。第1及び第2吐出ヘッド520,620は、インク吐出機構として、例えば、ピエゾ素子を備え、ピエゾ素子の駆動によって各ノズルNzから液体が吐出される。液滴吐出ユニット120は、バインダーを含む液体を貯留する液体貯留部(図示せず)を備え、当該液体貯留部から第1及び第2吐出ヘッド520,620に液体が供給される。第1吐出ヘッド520及び第2吐出ヘッド620は、複数の繊維を含むシート状の第2ウェブW2に対して繊維同士の結合させる液体を液滴として吐出し、第2ウェブW2に液体を塗布する。
第1及び第2吐出ヘッド520,620は、加圧部82で加圧された第2ウェブW2に対してバインダーを含む液体を液滴として吐出する。加圧部82によって加圧されることにより、第2ウェブW2のかさ密度は、0.09g/cm3以上となる。すなわち、加圧部82は、第2ウェブW2のかさ密度が0.09g/cm3以上となるように第2ウェブW2を加圧し、第1及び第2吐出ヘッド520,620は、かさ密度が0.09g/cm3以上の第2ウェブW2に、液体を塗布する。第1及び第2吐出ヘッド520,620は、かさ密度が、好ましくは0.09g/cm3以上0.80g/cm3以下、より好ましくは0.20g/cm3以上0.70g/cm3以下の第2ウェブW2に液体を塗布する。なお、「かさ密度」とは、ゆるみかさ密度を意味する。
加圧部82が第2ウェブW2に加える圧力は、例えば、1kgf/cm2以上600kgf/cm2以下であり、好ましくは1kgf/cm2以上500kgf/cm2以下であり、より好ましくは3kgf/cm2以上300kgf/cm2以下である。
加熱部84は、第1及び第2吐出ヘッド520,620によって液体が塗布された第2ウェブW2を加熱する。加熱部84により加熱されて第2ウェブW2は、シートSとなる。加熱部84の温度は、例えば、70℃以上220℃以下であり、好ましくは100℃以上180℃以下である。
第1及び第2吐出ヘッド520,620から吐出される液体は、第2ウェブW2の複数の繊維を結着させるバインダーを含む。液体が塗布される前の第2ウェブW2には、バインダーは、含まれていない。液体に含まれるバインダーは、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂である。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、スチレンアクリル酸共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。液体は、これらの樹脂を単独で含んでいてもよいし、複数含んでもよい。なお、第1及び第2吐出ヘッド520,620から容易に液体を吐出させることを考慮すると、液体は、エマルジョンであることが好ましい。
液体に含まれる、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のガラス転移温度は、例えば、−50℃以上130℃以下であり、好ましくは、−30℃以上100℃以下である。バインダーのガラス転移温度がこの範囲であれば、繊維の結着を向上させ、紙力を高めることができる。
液体におけるバインダーの含有量は、例えば、0.1質量%以上30.0質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以上20.0質量%以下である。当該含有量が0.1質量%以上30.0質量%以下であれば、第1及び第2吐出ヘッド520,620から液体を十分に吐出できる程度に、液体の粘度を小さくすることができる。
第2ウェブW2に含まれる複数の繊維は、加熱部84に加熱されることにより、液体に含まれるバインダーによって結着する。なお、図示はしないが、加熱部84の他に、別途、熱風、赤外線、電磁波、熱ローラー、熱プレスなどによって、液体が付着した第2ウェブW2を加熱してもよい。これにより、液体に含まれるバインダーの溶融結着や糊化の促進、および水等の乾燥の促進を図ることができる。
液体の粘度は、20℃において、8.0mPa・s以下であることが好ましい。液体粘度が8.0mPa・sを越えると、粘度が大きすぎて、第1及び第2吐出ヘッド520,620から液体を液滴として吐出させることが困難になる場合がある。
液体は、浸透剤を含んでいてもよい。これにより、第2ウェブW2の厚さ方向における液体の浸透性を向上させることができる。そのため、シートS内部の繊維結着を向上させ、シートSの層間剥離の低減や引張り強度を高めることができる。液体に含まれる浸透剤としては、例えば、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、リエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルブチルエーテルなどのグリコールエーテル類、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。液体は、これらの浸透剤を単独で含んでいてもよいし、複数含んでもよい。
液体における浸透剤の含有量は、例えば、0.1質量%以上30.0質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以上20.0質量%以下である。当該含有量が0.1質量%以上30.0質量%以下であれば、第2ウェブW2の内部まで液体が浸透することを促進することができ、シートSの紙力を高めることができる。
液体は、保湿剤を含んでいてもよい。これにより、液体を吐出する際に、第1及び第2吐出ヘッド520,620のノズルNzの目詰まりを発生し難くすることができる。液体に含まれる保湿剤としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどが挙げられる。液体は、これらの保湿剤を単独で含んでいてもよいし、複数含んでもよい。
液体における保湿剤の含有量は、例えば、1.0質量%以上30.0質量%以下であり、好ましくは3.0質量%以上20.0質量%以下であり、さらに好ましくは5.0質量%以上16.0質量%以下である。当該含有量が1.0質量%以上30.0質量%以下であれば、第1及び第2吐出ヘッド520,620のノズルNzの目詰まりを十分に抑えることができる。
液体は、水を含んでいてもよい。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水が挙げられる。また、紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理された水は、カビやバクテリアの発生を防止して長期保存を可能とする点で好ましい。例えば、同じかさ密度のシートSを得る場合、液体が水を含むことにより、水を含まない場合に比べて、加圧部82の圧力を小さくすることができる。
液体が含有可能なその他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光定剤、消光剤、酸化防止剤、耐水化剤、防黴剤、防腐剤、増粘剤、流動性改良剤、pH調整剤、消泡剤、抑泡剤、レベリング剤、帯電防止剤等が挙げられる。
図2に示すように、第1液滴吐出部510は、キャリッジ530を備え、第1吐出ヘッド520を搭載する。第2液滴吐出部610は、キャリッジ630を備え、第2吐出ヘッド620を搭載する。
液滴吐出ユニット120は、搬送手段によって第2ウェブW2が搬送される搬送方向Fbに交差する方向にガイド軸502を備える。第1液滴吐出部510及び第2液滴吐出部610は、ガイド軸502の搬送方向の一方側に配置される。本実施形態では、第1液滴吐出部510及び第2液滴吐出部610は、ガイド軸502の搬送方向の下流側に配置される。ガイド軸502は、第2ウェブW2の幅寸法よりも長い。ここで、搬送手段とは、第2ウェブW2を搬送する第2ウェブ形成部70、搬送部79及びシート形成部80が含まれる。
液滴吐出ユニット120は、搬送手段によって第2ウェブW2が搬送される搬送方向Fbに交差する方向にガイド軸502を備える。第1液滴吐出部510及び第2液滴吐出部610は、ガイド軸502の搬送方向の一方側に配置される。本実施形態では、第1液滴吐出部510及び第2液滴吐出部610は、ガイド軸502の搬送方向の下流側に配置される。ガイド軸502は、第2ウェブW2の幅寸法よりも長い。ここで、搬送手段とは、第2ウェブW2を搬送する第2ウェブ形成部70、搬送部79及びシート形成部80が含まれる。
液滴吐出ユニット120は、各キャリッジ530,630をガイド軸502の延在方向に沿って往復移動させる走査送り機構501を備える。ガイド軸502の延在方向は、走査方向Faに対応する。走査送り機構501は、各キャリッジ530,630を走査方向Faにおける+Fa方向及び−Fa方向に往復移動させる。
走査送り機構501は、各キャリッジ530,630に対してモーター及び駆動ベルトを備え、各駆動ベルトに各キャリッジ530,630が固定される。そして、各モーターの動力により、各キャリッジ530,630は、ガイド軸502に沿って、走査方向Faに往復移動する。第1及び第2吐出ヘッド520,620は、キャリッジ530,630の往復移動に伴って移動しながら、ノズルNzから液体を液滴として吐出する。
走査送り機構501は、各キャリッジ530,630に対してモーター及び駆動ベルトを備え、各駆動ベルトに各キャリッジ530,630が固定される。そして、各モーターの動力により、各キャリッジ530,630は、ガイド軸502に沿って、走査方向Faに往復移動する。第1及び第2吐出ヘッド520,620は、キャリッジ530,630の往復移動に伴って移動しながら、ノズルNzから液体を液滴として吐出する。
液滴吐出ユニット120は、各キャリッジ530,630のガイド軸502における位置を検出する検出部505を備える。本実施形態の検出部505は、リニアスケール506とフォトセンサーとを備える。
リニアスケール506は、ガイド軸502に沿った方向にガイド軸502に並んで配置されたスケールである。フォトセンサーは各キャリッジ530,630のリニアスケール506に対向する位置に配置される。フォトセンサーは、光を発する発光部と当該発光部から発せられた光を受ける受光部とを備える。発光部の発光素子としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)発光素子やレーザー発光素子等が適用される。また、受光部は、フォトトランジスターやフォトIC等で構成される。
フォトセンサーによって取得された信号は制御部300に送信される。制御部300は、送信された信号から位置情報に変換演算を行い、各キャリッジ530,630の位置を検出する。
リニアスケール506は、ガイド軸502に沿った方向にガイド軸502に並んで配置されたスケールである。フォトセンサーは各キャリッジ530,630のリニアスケール506に対向する位置に配置される。フォトセンサーは、光を発する発光部と当該発光部から発せられた光を受ける受光部とを備える。発光部の発光素子としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)発光素子やレーザー発光素子等が適用される。また、受光部は、フォトトランジスターやフォトIC等で構成される。
フォトセンサーによって取得された信号は制御部300に送信される。制御部300は、送信された信号から位置情報に変換演算を行い、各キャリッジ530,630の位置を検出する。
液滴吐出ユニット120は、第1液滴吐出部510をクリーニングする第1クリーニング機構560と、第2液滴吐出部610をクリーニングする第2クリーニング機構660と、を備える。第1クリーニング機構560は、第1液滴吐出部510の待機状態で待機する待機位置Hp1に設けられる。待機位置Hp1は、ガイド軸502の−Fa方向の一方端である。
第2クリーニング機構660は、第2液滴吐出部610の待機状態で待機する待機位置Hp2に設けられる。待機位置Hp2は、ガイド軸502の+Fa方向の他方端である。図2では、第1液滴吐出部510及び第2液滴吐出部610のそれぞれが、待機位置Hp1,Hp2に待機した状態を示している。
第2クリーニング機構660は、第2液滴吐出部610の待機状態で待機する待機位置Hp2に設けられる。待機位置Hp2は、ガイド軸502の+Fa方向の他方端である。図2では、第1液滴吐出部510及び第2液滴吐出部610のそれぞれが、待機位置Hp1,Hp2に待機した状態を示している。
第1及び第2クリーニング機構560,660は、キャップ部560a,660a(図8,9参照)を備える。キャップ部560a,660aは、凹部を備える。キャップ部560a,660aは、図示しない駆動モーターを含む昇降機構が設けられ、キャップ部560a,660aを高さ方向に移動可能に構成される。そして、キャップ部560a,660aの凹部で第1及び第2吐出ヘッド520,620の全ノズルNzを覆った状態で図示しない吸引手段を用いて第1及び第2吐出ヘッド520,620内の液体を強制的に排出させる。これにより、ノズルNz内のクリーニングが行われ、紙粉などの異物の付着によるノズルNzの目詰まりを解消することができる。また、第1及び第2吐出ヘッド520,620が稼動していない待機状態において、全ノズルNzを覆うことで液体が乾燥してノズルNzが詰まるなどの不具合が生じないようにすることができる。
液滴吐出ユニット120は、第1液滴吐出部510及び第2液滴吐出部610の液滴の吐出状態を検査する検査手段を備える。本実施形態の検査手段は、第1液滴吐出部510の液滴の吐出状態を検査する第1検査部580と、第2液滴吐出部610の液滴の吐出状態を検査する第2検査部680と、を備える。なお、本実施形態では、第1液滴吐出部510及び第2液滴吐出部610の液滴の吐出状態の検査として、ノズルNzから液滴が適切に吐出されたか否かを検査する。
第1検査部580は、第1検査基材581と第1画像取得部582とを備える。第1検査部580は、第2ウェブW2の幅領域以外の領域であり、第1クリーニング機構560に隣接した位置に配置される。
第1検査基材581は、第1液滴吐出部510の第1吐出ヘッド520のノズルNzから吐出される液体を受ける部材である。第1検査基材581は、例えば、ガラス板、布帛や紙材等である。
第1吐出ヘッド520を第1検査基材581上の対向する位置に移動させ、第1吐出ヘッド520の全てのノズルNzから第1検査基材581に向けて液滴を吐出する。これにより、第1検査基材581上に各ノズルNzに対応する液滴ドットが形成される。
第1吐出ヘッド520を第1検査基材581上の対向する位置に移動させ、第1吐出ヘッド520の全てのノズルNzから第1検査基材581に向けて液滴を吐出する。これにより、第1検査基材581上に各ノズルNzに対応する液滴ドットが形成される。
第1画像取得部582は、第1検査基材581上に形成された液滴ドット状態の画像を取得する。第1画像取得部582は、デジタルカメラや各種センサー等で構成される。第1画像取得部582は制御部300に接続され、取得した画像データが制御部300に送信される。制御部300では、送信された画像データを基に画像処理を行い、画像処理データを基に各ノズルNzから液滴が吐出されたか否かを検査する。また、制御部300では、画像処理データを基に各ノズルNzから吐出される液滴量が適正か否かも検査することができる。
第2検査部680は、第2検査基材681と第2画像取得部682とを備える。第2検査部680は、第2ウェブW2の幅領域以外の領域であり、第2クリーニング機構660に隣接した位置に配置される。第2検査基材681及び第2画像取得部682の構成は、第1検査基材581及び第1画像取得部582の構成と同様である。
なお、第1及び第2検査基材581,681が、第2ウェブW2であり、第2ウェブW2の幅方向の端部領域に設けてもよい。すなわち、切断部90で切断され、最終製品とならない第2ウェブW2の端部領域を有効活用してもよい。
なお、第1及び第2検査基材581,681が、第2ウェブW2であり、第2ウェブW2の幅方向の端部領域に設けてもよい。すなわち、切断部90で切断され、最終製品とならない第2ウェブW2の端部領域を有効活用してもよい。
図3に示すように、各第1及び第2吐出ヘッド520,620は、複数のノズルNzを備える。ノズルNzは搬送方向Fbに沿って配列する。第1吐出ヘッド520と第2吐出ヘッド620とは同じ構成であり、ノズルNzは同じ数であり、ノズルNzのピッチも同じである。そして、本実施形態では、第1液滴吐出部510の第1吐出ヘッド520の各ノズルNzと、第2液滴吐出部610の第2吐出ヘッド620の各ノズルNzと、がガイド軸502に沿った方向に対して同じ位置に配置される。例えば、第1吐出ヘッド520の搬送方向Fbの最上流端の第1ノズルNz1と、第2吐出ヘッド620の搬送方向Fbの最上流端の第2ノズルNz2とが、ガイド軸502に沿った方向に対して同じ位置に設けられる。これにより、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610とで、ガイド軸502に沿った方向に液滴を着弾させたときに同一のラスターを形成することができる。すなわち、ガイド軸502に沿った方向において第1ノズルNz1と第2ノズルNz2とがずれていないので、第2ウェブW2において液体が塗布されない領域を最小化に抑えることができる。
次に、繊維体製造装置100の制御部300の構成について説明する。なお、本実施形態では、液滴吐出ユニット120に関する制御構成について説明する。図4は、繊維体製造装置100の制御部300の構成を示すブロック図である。図5及び図6は、制御部300の演算例を説明する模式図である。
図4に示すように、繊維体製造装置100は制御部300を備える。制御部300は、繊維体製造装置100の各種構成を制御する。制御部300は、コンピュータプログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路などの1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用又は専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
制御部300では、予めビットマップパターンWPを生成し、次いで、生成されたビットマップパターンWPを第1及び第2吐出ヘッド520,620の各ノズルNzに関連付けた吐出データを生成する。そして、吐出データに基づいて、第1液滴吐出部510及び第2液滴吐出部610に液体を液滴として吐出させる。
図5に示すように、制御部300は、第2ウェブW2に対応する仮想ウェブデータW2a上にドットマトリクス状の複数の区分Pxから成る画像データWDを設定する。画像データWDは、仮想ウェブデータW2a上における第2ウェブW2の搬送方向Fb及び第2ウェブW2の搬送方向に直交する走査方向Faに沿って複数の区分Pxから構成される。画像データWDは、例えば、ROM等に記録されている。具体的には、画像データWDは、製造するシートSのサイズに応じて設けられる。ユーザーは、コンピューター1の入力装置に製造するシートSのサイズ、例えば、A3サイズやA4サイズ等を入力することで製造するシートSのサイズに応じた画像データWDが設定される。なお、画像データWDの区分Pxの解像度は、第1及び第2吐出ヘッド520,620で第2ウェブW2に対して吐出可能な範囲の解像度で設定される。
次いで、制御部300は、複数に区分けされた区分Px毎に液体の吐出情報を設定したビットマップパターンWPを生成する。具体的には、区分Px毎に対し、吐出情報として液体の吐出量を設定する。なお、図5では、説明を容易にするため、各区分Pxに液体の吐出量を模したドットDtを表示している。ビットマップパターンWPは第2ウェブW2に液体を塗布すべき塗布領域MAに相当する。そして、制御部300は、区分Px毎にドットDtが設定されたビットマップパターンWPを、第1及び第2吐出ヘッド520,620の各ノズルNzに関連付けた吐出データを生成する。そして、制御部300は、吐出データに基づいて第1液滴吐出部510及び第2液滴吐出部610を駆動制御し、第2ウェブW2に対して液体を吐出させる。
なお、吐出情報としての液体の吐出量は、区分Px毎に異なってもよい。例えば、小、中、大の3段階のドットDtを吐出量として適用してもよい。区分Px毎に対する吐出情報は、例えば、ROM等に記録されている。
ここで、例えば、第1液滴吐出部510が塗布領域MAの途中でノズルNzの詰まり等が発生した場合、第1液滴吐出部510をクリーニングに移行する必要がある。この場合、第2ウェブW2に対して液体が塗布されない状態となってしまう。
そこで、制御部300は、図5及び図6に示すように、第1液滴吐出部510が、第2ウェブW2に液体を塗布すべき塗布領域MAの一部領域まで液滴を吐出した吐出領域MBから液体を液滴として吐出せずに待機する待機領域としての待機位置Hp1に移行した場合、第2液滴吐出部610が、塗布領域MAから一部領域(吐出領域MB)を除いた未塗布領域MCを含む領域に液体を吐出させる。すなわち、本来、予め設定された塗布領域MAに液体を塗布すべきところ、未塗布領域MCを残した状態で第1液滴吐出部510が待機位置Hp1に移行した場合であっても、第1液滴吐出部510に切り替わって第2液滴吐出部610に、未塗布領域MCに向けて液体を吐出させる。これにより、未塗布領域MCに液体が塗布されるため、第2ウェブW2において液体が塗布されない領域を低減することができる。
なお、吐出領域MBは、搬送方向Fbの下流側に形成され、未塗布領域MCは、吐出領域MBの搬送方向Fbの上流側に形成される。
そこで、制御部300は、図5及び図6に示すように、第1液滴吐出部510が、第2ウェブW2に液体を塗布すべき塗布領域MAの一部領域まで液滴を吐出した吐出領域MBから液体を液滴として吐出せずに待機する待機領域としての待機位置Hp1に移行した場合、第2液滴吐出部610が、塗布領域MAから一部領域(吐出領域MB)を除いた未塗布領域MCを含む領域に液体を吐出させる。すなわち、本来、予め設定された塗布領域MAに液体を塗布すべきところ、未塗布領域MCを残した状態で第1液滴吐出部510が待機位置Hp1に移行した場合であっても、第1液滴吐出部510に切り替わって第2液滴吐出部610に、未塗布領域MCに向けて液体を吐出させる。これにより、未塗布領域MCに液体が塗布されるため、第2ウェブW2において液体が塗布されない領域を低減することができる。
なお、吐出領域MBは、搬送方向Fbの下流側に形成され、未塗布領域MCは、吐出領域MBの搬送方向Fbの上流側に形成される。
第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610との切り替えは、第1検査部580または第2検査部680によって第1液滴吐出部510または第2液滴吐出部610における液滴の吐出状態を検査した結果、クリーニングが必要であると判断された場合に行われる。これにより、第1液滴吐出部510及び第2液滴吐出部610の吐出不良の発生が抑制され、第2ウェブW2において液体が塗布されない領域を低減することができる。
なお、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610との切り替えを、第1液滴吐出部510及び第2液滴吐出部610において所定期間毎のクリーニングのタイミングとなった場合に行ってもよい。
なお、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610との切り替えを、第1液滴吐出部510及び第2液滴吐出部610において所定期間毎のクリーニングのタイミングとなった場合に行ってもよい。
また、本実施形態では、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610とが塗布領域MAに液滴を吐出するために生成されるビットマップパターンWPが同じである。これにより、第1液滴吐出部510及び第2液滴吐出部610は、同じビットマップパターンWPに基づいて液滴が吐出されるので、第2ウェブW2において液体が塗布されない領域を低減することができる。
次に、繊維体製造装置100におけるシートSの製造方法について説明する。図7は、繊維体製造装置100の制御方法の一例を示すフローチャートである。また、図8及び図9は、繊維体製造装置100の動作を説明する模式図である。本実施形態では、図5に示すビットマップパターンWPに基づいて第2ウェブW2に液体を塗布する場合について説明する。
まず、制御部300は、堆積部60等を駆動させ、解繊物をほぐして、空気中で分散させながら降らせ、第2ウェブW2を均一性よく堆積させる。そして、搬送手段を駆動させて第2ウェブW2を搬送方向Fbに沿って搬送させる。
次いで、制御部300は、液滴吐出ユニット120を駆動させ、搬送される第2ウェブW2に対して結合材を含む液体を液滴として吐出して、第2ウェブW2に液体を塗布する。本実施形態では、液滴吐出ユニット120のうち、第1液滴吐出部510を駆動させた状態から説明する。
ステップS11では、制御部300は、吐出データに基づいて第1液滴吐出部510を駆動させ、第1吐出ヘッド520のノズルNzから液体を吐出させる。吐出データは、ビットマップパターンWPに基づくデータである。具体的には、図8に示すように、待機位置Hp1から+Fa方向に移動させ、第2ウェブW2上で走査方向Faに沿って往復移動させながら第1吐出ヘッド520のノズルNzから液体を液滴として吐出させる。これにより、第2ウェブW2に液体が塗布される。図8に示すように、第1液滴吐出部510によって液体が塗布された第1領域MBaが形成される。第2ウェブW2の第1領域MBaは、仮想ウェブデータW2aの吐出領域MBに対応する。
次いで、ステップS12では、第1液滴吐出部510における液滴の吐出状態について検査を行う。
具体的には、第1液滴吐出部510を第1検査部580の第1検査基材581上に移動させ、第1検査基材581に向けて第1液滴吐出部510の全ノズルNzから液滴を吐出させる。その後、第1画像取得部582に第1検査基材581上に形成された液滴ドットの画像を取得させる。取得した画像は制御部300に送信される。
なお、第1液滴吐出部510の検査は、例えば、第1液滴吐出部510の2パス毎に行う。すなわち、一往復毎に検査する。
具体的には、第1液滴吐出部510を第1検査部580の第1検査基材581上に移動させ、第1検査基材581に向けて第1液滴吐出部510の全ノズルNzから液滴を吐出させる。その後、第1画像取得部582に第1検査基材581上に形成された液滴ドットの画像を取得させる。取得した画像は制御部300に送信される。
なお、第1液滴吐出部510の検査は、例えば、第1液滴吐出部510の2パス毎に行う。すなわち、一往復毎に検査する。
ステップS13では、第1液滴吐出部510に対してクリーニングを実施するか否かを判断する。
制御部300では、送信された画像データを基に画像処理を行い、画像処理データを基に各ノズルNzから液滴ドットの有無を検査し、液滴ドットが形成されていない場合は、クリーニングを実施する(YES)と判断し、ステップS14に移行する。一方、液滴ドットが形成されている場合は、クリーニングは不要(NO)と判断し、ステップS11に移行し、第1液滴吐出部510による液体の吐出を継続させる。
なお、クリーニングを実施するか否かの判断は、液滴ドットの大きさに基づいて行ってもよい。すなわち、適正の液滴量が吐出されたか否かにより判断してもよい。
制御部300では、送信された画像データを基に画像処理を行い、画像処理データを基に各ノズルNzから液滴ドットの有無を検査し、液滴ドットが形成されていない場合は、クリーニングを実施する(YES)と判断し、ステップS14に移行する。一方、液滴ドットが形成されている場合は、クリーニングは不要(NO)と判断し、ステップS11に移行し、第1液滴吐出部510による液体の吐出を継続させる。
なお、クリーニングを実施するか否かの判断は、液滴ドットの大きさに基づいて行ってもよい。すなわち、適正の液滴量が吐出されたか否かにより判断してもよい。
ステップS14では、制御部300は、第1液滴吐出部510から第2液滴吐出部610への切り替え駆動を行う。具体的には、図9に示すように、第1液滴吐出部510を、吐出領域MBに対応する第1領域MBaから待機領域の待機位置Hp1に移動させる。また、第2液滴吐出部610を待機位置Hp2から未塗布領域MCに対応する第2ウェブW2上の第2領域MCaに移動させ、第2吐出ヘッド620のノズルNzから液体を液滴として吐出させる。これにより、未塗布領域MCに対応する第2領域MCaに液体が塗布された第3領域MCbが形成される。そして、第2領域MCaの全体に液体が塗布されて第3領域MCbが形成されると、未塗布領域MCに対応する第2領域MCaは無くなる。第1液滴吐出部510に替わって第2液滴吐出部610が第2領域MCaに液体を吐出するので、第2ウェブW2において液体が塗布されない領域を最小化に抑えることができる。
本実施形態では、第1液滴吐出部510から第2液滴吐出部610への切り替えは、第1液滴吐出部510がパス動作を完了した後に行う。すなわち、1ラスター分の液滴の塗布が完了した後に行われる。これにより、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610との切り替え制御を容易に行うことができる。すなわち、切り替わった第2液滴吐出部610は、ラスターの途中からでなく、1ラスター分を新たに形成させることができる。
待機位置Hp1に移動した第1液滴吐出部510は、第1クリーニング機構560によって第1吐出ヘッド520のクリーニングを含むメンテナンスが行われる。
以上により、ビットマップパターンWPに基づく第2ウェブW2の領域に液体が塗布される。以降、液体が塗布された第2ウェブW2を加熱部84で加熱することでシートSが形成される。その後、切断部90で切断し、単票のシートSが形成される。
なお、第2液滴吐出部610が、未塗布領域MCに対応する第2領域MCaの一部領域を残した状態でクリーニングに移行された場合、第2液滴吐出部610を吐出領域に対応する第3領域MCbから待機領域の待機位置Hp2に移動させる。また、第1液滴吐出部510を待機位置Hp1から未塗布領域MCに対応する第2ウェブW2上の第2領域MCaに移動させ、第1吐出ヘッド520のノズルNzから液体を液滴として吐出させる。これにより、未塗布領域MCに対応する第2領域MCaに液体が塗布され、ビットマップパターンWPに基づく第2ウェブW2の領域に液体を塗布することができる。
なお、第2液滴吐出部610が、未塗布領域MCに対応する第2領域MCaの一部領域を残した状態でクリーニングに移行された場合、第2液滴吐出部610を吐出領域に対応する第3領域MCbから待機領域の待機位置Hp2に移動させる。また、第1液滴吐出部510を待機位置Hp1から未塗布領域MCに対応する第2ウェブW2上の第2領域MCaに移動させ、第1吐出ヘッド520のノズルNzから液体を液滴として吐出させる。これにより、未塗布領域MCに対応する第2領域MCaに液体が塗布され、ビットマップパターンWPに基づく第2ウェブW2の領域に液体を塗布することができる。
なお、上記実施形態では、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610との切り替えタイミングは、パス数を基準として行われたが、これに限定されない。例えば、所定時間毎のクリーニングのタイミングで切り替えてもよい。この場合、1ラスターを形成する途中で切り替えが実行される場合がある。そこで、検出部505により、第1液滴吐出部510及び第2液滴吐出部610のガイド軸502の位置を検出し、例えば、第1液滴吐出部510が1ラスターを形成する途中で待機位置Hp1に移動した場合であっても、第2液滴吐出部610を、第1液滴吐出部510が待機位置Hp1に移動した時点の位置に移動させ、液体を吐出することで1ラスターを完成させることが可能となる。これにより、第2ウェブW2において液体が塗布されない領域を最小化に抑えることができる。
なお、本実施形態の第1及び第2検査部580,680では、第1及び第2検査基材581,681及び第1及び第2画像取得部582,682を用いたが、これに限定されない。例えば、第1及び第2液滴吐出部510,610の各ノズルNzから吐出される液滴量を、ロードセルを用いて重量換算して判断する構成でもよいし、第1及び第2吐出ヘッド520,620の各ノズルNzに連通する圧力室の固有残留振動を測定する構成であってもよい。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる構成、すなわち、液滴吐出ユニット120Aの構成について説明する。図10は、液滴吐出ユニット120Aの構成を示す模式図である。なお、第1実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる構成、すなわち、液滴吐出ユニット120Aの構成について説明する。図10は、液滴吐出ユニット120Aの構成を示す模式図である。なお、第1実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図10に示すように、繊維体製造装置100Aにおける液滴吐出ユニット120Aは、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610とを備える。第1液滴吐出部510は、複数のノズルNzを有する第1吐出ヘッド520を備える。第2液滴吐出部610は、複数のノズルNzを有する第2吐出ヘッド620を備える。第1液滴吐出部510は、キャリッジ530を備え、第1吐出ヘッド520を搭載する。第2液滴吐出部610は、キャリッジ630を備え、第2吐出ヘッド620を搭載する。
また、液滴吐出ユニット120Aは、搬送手段によって第2ウェブW2が搬送される搬送方向Fbに交差する方向に第1ガイド軸502Aと、搬送方向Fbに交差する方向であり、第1ガイド軸502Aの搬送方向Fbの下流側に配置された第2ガイド軸502Bと、を備える。第1及び第2ガイド軸502A,502Bは、第2ウェブW2の幅寸法よりも長い。
キャリッジ530は、第1ガイド軸502Aの搬送方向の下流側に配置され、走査送り機構501Aによって第1ガイド軸502Aの延在方向に沿って往復移動する。キャリッジ630は、第2ガイド軸502Bの搬送方向の上流側に配置され、走査送り機構501Bによって第2ガイド軸502Bの延在方向に沿って往復移動する。本実施形態では、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610とが、第1ガイド軸502Aに沿った方向において対向する。これにより、搬送方向Fbにおける第1ガイド軸502Aと第2ガイド軸502Bとの距離を短小化することができ、第1実施形態にかかる繊維体製造装置100と同等程度に小型化を図ることができる。
なお、走査送り機構501A,501Bの構成は、第1実施形態の走査送り機構501と同様である。第1及び第2吐出ヘッド520,620は、キャリッジ530,630の往復移動に伴って移動しながら、ノズルNzから液体を液滴として吐出する。
キャリッジ530は、第1ガイド軸502Aの搬送方向の下流側に配置され、走査送り機構501Aによって第1ガイド軸502Aの延在方向に沿って往復移動する。キャリッジ630は、第2ガイド軸502Bの搬送方向の上流側に配置され、走査送り機構501Bによって第2ガイド軸502Bの延在方向に沿って往復移動する。本実施形態では、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610とが、第1ガイド軸502Aに沿った方向において対向する。これにより、搬送方向Fbにおける第1ガイド軸502Aと第2ガイド軸502Bとの距離を短小化することができ、第1実施形態にかかる繊維体製造装置100と同等程度に小型化を図ることができる。
なお、走査送り機構501A,501Bの構成は、第1実施形態の走査送り機構501と同様である。第1及び第2吐出ヘッド520,620は、キャリッジ530,630の往復移動に伴って移動しながら、ノズルNzから液体を液滴として吐出する。
液滴吐出ユニット120Aは、キャリッジ530の第1ガイド軸502Aにおける位置を検出する第1検出部505Aを備える。また、キャリッジ630の第2ガイド軸502Bにおける位置を検出する第2検出部505Bを備える。第1検出部505A及び第2検出部505Bは、リニアスケール506A,506Bを含み、各構成は、第1実施形態にかかる検出部505と同様である。
液滴吐出ユニット120Aは、第1液滴吐出部510をクリーニングする第1クリーニング機構560と、第2液滴吐出部610をクリーニングする第2クリーニング機構660と、を備える。第1クリーニング機構560は、第1液滴吐出部510の待機状態で待機する待機位置Hp1に設けられる。待機位置Hp1は、第1ガイド軸502Aの−Fa方向の一方端である。第2クリーニング機構660は、第2液滴吐出部610の待機状態で待機する待機位置Hp2に設けられる。待機位置Hp2は、第1ガイド軸502Aの+Fa方向の他方端である。第1及び第2クリーニング機構560,660の構成は第1実施形態と同様である。
また、液滴吐出ユニット120Aは、第1検査部580と第2検査部680とを備える。なお、第1検査部580及び第2検査部680の構成は、第1実施形態と同様である。
液滴吐出ユニット120Aにおいても、第1液滴吐出部510が、第2ウェブW2に液体を塗布すべき塗布領域MAの一部領域まで液滴を吐出した吐出領域MBから液体を液滴として吐出せずに待機する待機領域としての待機位置Hp1に移行した場合、第2液滴吐出部610が、塗布領域MAから一部領域(吐出領域MB)を除いた未塗布領域MCを含む領域に液体を吐出させることで、第2ウェブW2において液体が塗布されない領域を低減することができる。
3.第3実施形態
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、第2実施形態と異なる構成、すなわち、液滴吐出ユニット120Bの構成について説明する。図11は、液滴吐出ユニット120Bの構成を示す模式図である。なお、第2実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、第2実施形態と異なる構成、すなわち、液滴吐出ユニット120Bの構成について説明する。図11は、液滴吐出ユニット120Bの構成を示す模式図である。なお、第2実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図11に示すように、繊維体製造装置100Bにおける液滴吐出ユニット120Bは、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610とを備える。また、液滴吐出ユニット120Bは、第1ガイド軸502Aと第2ガイド軸502Bとを備える。キャリッジ530は、走査送り機構501Aによって第1ガイド軸502Aの延在方向に沿って往復移動する。キャリッジ630は、走査送り機構501Bによって第2ガイド軸502Bの延在方向に沿って往復移動する。
また、本実施形態では、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610とが、搬送方向Fbに離れて配置される。すなわち、搬送方向Fbにおける第1ガイド軸502Aと第2ガイド軸502Bとの距離寸法が、第2実施形態における液滴吐出ユニット120Aの構成に比べて長い。これにより、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610とが過って衝突することを防止することができる。
液滴吐出ユニット120Bは、第1液滴吐出部510をクリーニングする第1クリーニング機構560と、第2液滴吐出部610をクリーニングする第2クリーニング機構660と、を備える。第1クリーニング機構560は、第1液滴吐出部510の待機状態で待機する待機位置Hp1に設けられる。待機位置Hp1は、第1ガイド軸502Aの−Fa方向の一方端である。第2クリーニング機構660は、第2液滴吐出部610の待機状態で待機する待機位置Hp2に設けられる。待機位置Hp2は、第1ガイド軸502Aの+Fa方向の他方端である。第1及び第2クリーニング機構560,660の構成は第2実施形態と同様である。
また、液滴吐出ユニット120Bは、第1検査部580と第2検査部680とを備える。なお、第1検査部580及び第2検査部680の構成は、第1実施形態と同様である。
液滴吐出ユニット120Bにおいても、上記実施形態と同様に第2ウェブW2において液体が塗布されない領域を低減することができる。
4.第4実施形態
第1実施形態では、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610とが塗布領域MAに液滴を吐出するために生成されるビットマップパターンWPが同じであったが、これに限定されない。例えば、塗布領域MAに対応して生成されたビットマップパターンWPaに基づいて、第1液滴吐出部510が液体を吐出し、未塗布領域MCに対応して生成されたビットマップパターンWPbに基づいて、第2液滴吐出部610が液体を吐出する構成であってもよい。
この場合、例えば、制御部300は、第1液滴吐出部510が第1検査部580で吐出状態を検査する際に、未塗布領域MCに対応するビットマップパターンWPbを生成し、生成されたビットマップパターンWPbを第2吐出ヘッド620の各ノズルNzに関連付けた吐出データを生成する。そして、第1液滴吐出部510がクリーニングに移行した場合には、新たに生成された吐出データに基づいて第2液滴吐出部610によって未塗布領域MCに対応する第2ウェブW2の領域に液滴が吐出される。これにより、第1液滴吐出部510が液体を吐出する領域と、第2液滴吐出部610が液体を吐出する領域とで重複される領域が低減でき、液体を吐出する作業効率を向上させることができる。
第1実施形態では、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610とが塗布領域MAに液滴を吐出するために生成されるビットマップパターンWPが同じであったが、これに限定されない。例えば、塗布領域MAに対応して生成されたビットマップパターンWPaに基づいて、第1液滴吐出部510が液体を吐出し、未塗布領域MCに対応して生成されたビットマップパターンWPbに基づいて、第2液滴吐出部610が液体を吐出する構成であってもよい。
この場合、例えば、制御部300は、第1液滴吐出部510が第1検査部580で吐出状態を検査する際に、未塗布領域MCに対応するビットマップパターンWPbを生成し、生成されたビットマップパターンWPbを第2吐出ヘッド620の各ノズルNzに関連付けた吐出データを生成する。そして、第1液滴吐出部510がクリーニングに移行した場合には、新たに生成された吐出データに基づいて第2液滴吐出部610によって未塗布領域MCに対応する第2ウェブW2の領域に液滴が吐出される。これにより、第1液滴吐出部510が液体を吐出する領域と、第2液滴吐出部610が液体を吐出する領域とで重複される領域が低減でき、液体を吐出する作業効率を向上させることができる。
5.第5実施形態
第1実施形態では、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610とが塗布領域MAに液滴を吐出するために生成されるビットマップパターンWPが同じであったが、これに限定されない。例えば、第1液滴吐出部510は、ビットマップパターンWPを基に液滴を吐出するが、第2液滴吐出部610は、第1液滴吐出部510の液滴の吐出状態を検査した結果に応じて、未塗布領域MCに対応する補完ビットマップパターンWPcを生成し、補完ビットマップパターンWPcに基づいて、第2液滴吐出部610が液体を吐出する構成であってもよい。
このようにすれば、吐出状態の検査結果により、第2ウェブW2に液体が塗布されていない未塗布領域MCが推定可能となる。未塗布領域MCに対応する補完ビットマップパターンWPcを用いて液体を吐出することで、第2ウェブW2において液体が塗布されない領域を低減することができる。また、例えば、第1液滴吐出部510が塗布領域MAを走査駆動させたのち、第1液滴吐出部510の吐出状態の検査において、ノズルNzの不具合があった領域に対応する補完ビットマップパターンWPcを生成して、第2液滴吐出部610が補完ビットマップパターンWPcを基に液体を吐出することで、第1液滴吐出部510において液滴が吐出されなかった領域のみに液滴を吐出することが可能となる。
第1実施形態では、第1液滴吐出部510と第2液滴吐出部610とが塗布領域MAに液滴を吐出するために生成されるビットマップパターンWPが同じであったが、これに限定されない。例えば、第1液滴吐出部510は、ビットマップパターンWPを基に液滴を吐出するが、第2液滴吐出部610は、第1液滴吐出部510の液滴の吐出状態を検査した結果に応じて、未塗布領域MCに対応する補完ビットマップパターンWPcを生成し、補完ビットマップパターンWPcに基づいて、第2液滴吐出部610が液体を吐出する構成であってもよい。
このようにすれば、吐出状態の検査結果により、第2ウェブW2に液体が塗布されていない未塗布領域MCが推定可能となる。未塗布領域MCに対応する補完ビットマップパターンWPcを用いて液体を吐出することで、第2ウェブW2において液体が塗布されない領域を低減することができる。また、例えば、第1液滴吐出部510が塗布領域MAを走査駆動させたのち、第1液滴吐出部510の吐出状態の検査において、ノズルNzの不具合があった領域に対応する補完ビットマップパターンWPcを生成して、第2液滴吐出部610が補完ビットマップパターンWPcを基に液体を吐出することで、第1液滴吐出部510において液滴が吐出されなかった領域のみに液滴を吐出することが可能となる。
さらに、補完ビットマップパターンWPcが、予め登録されていてもよい。例えば、第1吐出ヘッド520の全ノズルNzに関して、不具合があった場合を想定して、補完ビットマップWPcを作成し、制御部300に記録する。これにより、制御部300における演算処理の負荷を低減することができる。
6.第6実施形態
第1実施形態において、液滴の吐出状態の検査は、ノズルNzから吐出される液滴の有無や、吐出された液滴ドットの大きさ(液滴量)に関して行ったが、これに限定されない。例えば、液滴の吐出状態の検査は、ノズルNzから吐出される液滴の飛行状態を検査してもよい。液滴の飛行状態の検査手段は、例えば、レーザースキャンやカメラによる画像取得、各種画像処理装置によって構成される。なお、液滴の吐出状態の検査は、例えば、所定時間毎、所定のパス数毎に行われる。このようにすれば、確実に液体の吐出状態を検査することができる。
第1実施形態において、液滴の吐出状態の検査は、ノズルNzから吐出される液滴の有無や、吐出された液滴ドットの大きさ(液滴量)に関して行ったが、これに限定されない。例えば、液滴の吐出状態の検査は、ノズルNzから吐出される液滴の飛行状態を検査してもよい。液滴の飛行状態の検査手段は、例えば、レーザースキャンやカメラによる画像取得、各種画像処理装置によって構成される。なお、液滴の吐出状態の検査は、例えば、所定時間毎、所定のパス数毎に行われる。このようにすれば、確実に液体の吐出状態を検査することができる。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
繊維体の製造方法は、複数の繊維を含むシート状の繊維材料を堆積する堆積部と、堆積された前記繊維材料の前記繊維同士を結合させる結合材を含む液体を液滴として吐出する第1液滴吐出部と、堆積された前記繊維材料の前記繊維同士を結合させる前記結合材を含む前記液体を前記液滴として吐出する第2液滴吐出部と、を備えた繊維体製造装置における繊維体の製造方法であって、前記第1液滴吐出部が、前記繊維材料に前記液体を塗布すべき塗布領域の一部領域まで前記液滴を吐出した吐出領域から前記液体を前記液滴として吐出せずに待機する待機領域に移行した場合、前記第2液滴吐出部が、前記塗布領域から前記一部領域を除いた未塗布領域を含む領域に前記液体を吐出することを特徴とする。
この構成によれば、第1液滴吐出部が吐出領域から待機領域に移行した場合、残りの領域となる未塗布領域は、第2液滴吐出部によって液体が塗布される。これにより、繊維材料において液体が塗布されない領域を低減することができる。
上記繊維体の製造方法であって、前記液滴の吐出状態を検査した結果、前記第1液滴吐出部のクリーニングが必要であると判断された場合、または、所定期間毎の前記クリーニングのタイミングとなった場合に、前記第1液滴吐出部を、前記吐出領域から前記待機領域に移行することが好ましい。
この構成によれば、第1液滴吐出部の吐出不良の発生が抑制され、維材材料において液体が塗布されない領域を低減することができる。
上記繊維体の製造方法であって、前記第1液滴吐出部と前記第2液滴吐出部とが前記塗布領域に前記液滴を吐出するために生成されるビットマップパターンが同じであることが好ましい。
この構成によれば、第1液滴吐出部及び第2液滴吐出部は、同じビットマップパターンで液滴が吐出されるので、繊維材料において液体が塗布されない領域を低減することができる。
上記繊維体の製造方法であって、前記塗布領域に対応して生成されたビットマップパターンに基づいて、前記第1液滴吐出部が前記液体を吐出し、前記未塗布領域に対応して生成されたビットマップパターンに基づいて、前記第2液滴吐出部が前記液体を吐出することが好ましい。
この構成によれば、第1液滴吐出部が液体を吐出する領域と、第2液滴吐出部が液体を吐出する領域とで重複される領域が低減でき、液体を吐出する作業効率を向上させることができる。
上記繊維体の製造方法であって、前記液滴の前記吐出状態を検査した結果に応じて、前記未塗布領域に対応する補完ビットマップパターンを生成し、前記補完ビットマップパターンに基づいて、前記第2液滴吐出部が前記液体と吐出することが好ましい。
この構成によれば、吐出状態の検査結果により、繊維材料に液体が塗布されていない未塗布領域が推定可能となる。未塗布領域に対応する補完ビットマップパターンを用いて液体を吐出することで、繊維材料において液体が塗布されない領域を低減することができる。
上記繊維体の製造方法であって、前記補完ビットマップパターンは、予め登録することが好ましい。
この構成によれば、補完ビットマップパターンが予め登録されているので、演算処理の負荷を低減することができる。
上記繊維体の製造方法であって、前記液滴の前記吐出状態の検査は、検査基材に対して前記液滴を吐出し、前記検査基材の状態を画像処理することが好ましい。
この構成によれば、確実に液体の吐出状態を検査することができる。
上記繊維体の製造方法であって、前記液滴の前記吐出状態の検査は、前記液滴の飛行状態を検査することが好ましい。
この構成によれば、確実に液体の吐出状態を検査することができる。
1…コンピューター、60…堆積部、70…第2ウェブ形成部、79…搬送部、82…加圧部、84…加熱部、90…切断部、100,100A,100B…繊維体製造装置、120,120A,120B…液滴吐出ユニット、300…制御部、501,501A,501B…走査送り機構、502…ガイド軸、502A…第1ガイド軸、502B…第2ガイド軸、505…検出部、505A…第1検出部、505B…第2検出部、506,506A,506B…リニアスケール、510…第1液滴吐出部、520…第1吐出ヘッド、530…キャリッジ、560…第1クリーニング機構、560a…キャップ部、580…第1検査部、581…第1検査基材、582…第1画像取得部、610…第2液滴吐出部、620…第2吐出ヘッド、630…キャリッジ、660…第2クリーニング機構、680…第2検査部、681…第2検査基材、682…第2画像取得部、W2…第2ウェブ。
Claims (8)
- 複数の繊維を含むシート状の繊維材料を堆積する堆積部と、堆積された前記繊維材料の前記繊維同士を結合させる結合材を含む液体を液滴として吐出する第1液滴吐出部と、堆積された前記繊維材料の前記繊維同士を結合させる前記結合材を含む前記液体を前記液滴として吐出する第2液滴吐出部と、を備えた繊維体製造装置における繊維体の製造方法であって、
前記第1液滴吐出部が、前記繊維材料に前記液体を塗布すべき塗布領域の一部領域まで前記液滴を吐出した吐出領域から前記液体を前記液滴として吐出せずに待機する待機領域に移行した場合、
前記第2液滴吐出部が、前記塗布領域から前記一部領域を除いた未塗布領域を含む領域に前記液体を吐出する、繊維体の製造方法。 - 請求項1に記載の繊維体の製造方法であって、
前記液滴の吐出状態を検査した結果、前記第1液滴吐出部のクリーニングが必要であると判断された場合、または、所定期間毎の前記クリーニングのタイミングとなった場合に、前記第1液滴吐出部を、前記吐出領域から前記待機領域に移行する、繊維体の製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載の繊維体の製造方法であって、
前記第1液滴吐出部と前記第2液滴吐出部とが前記塗布領域に前記液滴を吐出するために生成されるビットマップパターンが同じである、繊維体の製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載の繊維体の製造方法であって、
前記塗布領域に対応して生成されたビットマップパターンに基づいて、前記第1液滴吐出部が前記液体を吐出し、
前記未塗布領域に対応して生成されたビットマップパターンに基づいて、前記第2液滴吐出部が前記液体を吐出する、繊維体の製造方法。 - 請求項2に記載の繊維体の製造方法であって、
前記液滴の前記吐出状態を検査した結果に応じて、前記未塗布領域に対応する補完ビットマップパターンを生成し、
前記補完ビットマップパターンに基づいて、前記第2液滴吐出部が前記液体を吐出する、繊維体の製造方法。 - 請求項5に記載の繊維体の製造方法であって、
前記補完ビットマップパターンは、予め登録する、繊維体の製造方法。 - 請求項2に記載の繊維体の製造方法であって、
前記液滴の前記吐出状態の検査は、検査基材に対して前記液滴を吐出し、前記検査基材の状態を画像処理する、繊維体の製造方法。 - 請求項2に記載の繊維体の製造方法であって、
前記液滴の前記吐出状態の検査は、前記液滴の飛行状態を検査する、繊維体の製造方法。
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