JP2021080433A - 顔料組成物、感光性顔料組成物、カラーフィルタおよび表示装置 - Google Patents

顔料組成物、感光性顔料組成物、カラーフィルタおよび表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、25℃を超える温度での保存安定性に優れ、耐熱性、高輝度、および現像性に優れた被膜を形成できる顔料組成物の提供を目的とする。【解決手段】顔料(A)、塩基性分散剤(B)、および酸性分散剤(C)を含み、塩基性分散剤(B)は、リビングラジカル重合で合成されてなるA−B、またはB−A−Bブロックポリマーであり、Aブロックは、芳香族性を有する複素環アミノ基、およびイソシアネート基またはエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物と、イソシアネート基またはエポキシ基を有するモノマー単位との生成物単位を有し、Bブロックは、(メタ)アクリル酸エステルのモノマー単位を有する、顔料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、表示装置や固体撮像素子等のカラーフィルタ等の製造に使用する顔料組成物に関する。
従来からインクジェットインキやカラーフィルタ用組成物等に使用する顔料組成物は、その使用態様に応じて顔料の微細な分散が必要であった。
特にカラーフィルタ用途は、液晶テレビ、スマートフォン、固体撮像素子等の高精細化、高解像度化に伴い、顔料の微細な分散が必要とされている。しかし、顔料を微細化させると、分散安定性が悪くなり顔料の凝集や粘度上昇を招きやすくなる。微細化された顔料を安定に分散するためには分散剤を多量に用いなければならず、結果として現像性の低下や、分散剤の黄変による輝度低下、顔料濃度低下による着色力不足などが発生する問題があった。このため顔料の微細化に加えて、高輝度化や高着色力、耐熱性といった堅牢性、現像性など近年の様々な高い要求物性をすべて満たすことが難しかった。
そこで、特許文献1および2には、ブロックポリマーの塩基性分散剤を含む顔料組成物が開示されている。
WO2010/016523号 特開2014−058672号公報
しかし、特許文献1の分散剤を用いた場合、顔料安定性は良好であるが、塩基性分散剤のみの使用では酸性分散剤を使用した場合と比較して現像性に劣るという問題があった。また、特許文献2の分散剤を用いた場合、4級アンモニウム塩基を有するブロックを有するため、分散剤の親水性が高くなり、25℃を超える温度で保存すると顔料組成物の粘度の経時安定性が低い問題があった。
本発明は、25℃を超える温度での保存安定性に優れ、耐熱性、高輝度、および現像性に優れた被膜を形成できる顔料組成物の提供を目的とする。
本発明の顔料組成物は、顔料(A)、塩基性分散剤(B)、および酸性分散剤(C)を
含み、
塩基性分散剤(B)は、リビングラジカル重合で合成されてなるA−B、またはB−A−Bブロックポリマーであり、Aブロックは、芳香族性を有する複素環アミノ基、およびイソシアネート基またはエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物と、イソシアネート基またはエポキシ基を有するモノマー単位との生成物単位を有し、Bブロックは、(メタ)アクリル酸エステルのモノマー単位を有する。
上記の本発明によれば、25℃を超える温度での保存安定性に優れ、耐熱性、高輝度、および現像性に優れた被膜を形成できる顔料組成物、感光性顔料組成物、カラーフィルタおよび表示装置を提供できる。
本明細書の用語を定義する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、及び「(メタ)アクリロイルオキシ」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、及び「アクリロイルオキシ及び/又はメタクリロイルオキシ」を表すものとする。モノマーは、エチレン性不飽和基含有単量体である。イソシアネート基反応性官能基は、イソシアネート基と反応する官能基である。単量体とモノマーは同義語である。
本発明の顔料組成物は、顔料(A)、塩基性分散剤(B)、および酸性分散剤(C)を含み、
塩基性分散剤(B)は、リビングラジカル重合で合成されてなるA−B、またはB−A−Bブロックポリマーであり、Aブロックは、芳香族性を有する複素環アミノ基、およびイソシアネート基またはエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物と、イソシアネート基またはエポキシ基を有するモノマー単位との生成物単位を有し、Bブロックは、(メタ)アクリル酸エステルのモノマー単位を有する。本発明の顔料組成物は、カラーフィルタの形成に使用することが好ましい。
本発明において塩基性分散剤(B)はA−Bブロックポリマー、またはB−A−Bブロックポリマーであり、
Aブロックは、芳香族性を有する複素環アミノ基、およびイソシアネート基またはエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物と、イソシアネート基またはエポキシ基を有するモノマー単位との生成物単位を有する。
イソシアネート基と反応可能な官能基は、第1級アミノ基、第2級アミノ基、水酸基等が挙げられる。またエポキシ基と反応可能な官能基としては、カルボキシル基、第1級アミノ基、第2級アミノ基、水酸基等が挙げられる。
Aブロックの芳香族性を有する複素環アミノ基は、イソシアネート基またはエポキシ基を有するモノマー単位と反応した生成物単位の末端であるポリマーの側鎖に位置するため、顔料に対して吸着し易く顔料の分散安定性が向上する。特に、芳香環を有する顔料の分散に使用すると塩基性分散剤(B)のAブロックは、顔料に充分吸着するため、25℃以上の温度で保存する場合にも塩基性分散剤(B)が顔料から外れ難い。そのため保存安定性が優れている。
Bブロックは、(メタ)アクリル酸エステルのモノマー単位を有するポリマーブロックである。Bブロックは、顔料(A)以外の材料に対する親和性が高く、かつ立体反発機能を有するため顔料同士の凝集を抑える分散安定性に寄与する。
<顔料(A)>
顔料(A)は、有機または無機の顔料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。顔料の中でもアゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、インドール系顔料、キノフタロン系顔料、フタロシアニン系顔料、およびジオキサジン系顔料からなる群より選択される1種以上が好ましく、アゾ顔料がより好ましい。
以下、本発明の顔料組成物に使用できる代表的な顔料を挙げる。
赤色顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、291、295、296等が挙げられる。
黄色顔料は、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、192、193、194、196、198、199、213、214、231,233等が挙げられる。
青色顔料は、例えばC.I.ピグメントブルー1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79等が挙げられる。
紫色顔料は、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50等が挙げられる。
緑色顔料は、例えばC.I.ピグメントグリ−ン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、37、45、48、50、51、54、55、58、59、62、63等が挙げられる。
無機顔料は、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバ−、合成鉄黒等が挙げられる。
<顔料の微細化>
本明細書で顔料は、微微細化してから他の材料と配合することが好ましい。微細化方法は、例えば、湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法等が挙げられる。本明細書では、湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理が好ましい。
微細化後の顔料の平均一次粒子径は、20〜100nmが好ましく、25〜85nmがより好ましい。適度な平均一次粒子径を有すると分散性がより向上し、コントラスト比もより向上する。なお、顔料の平均一次粒子径は、以下の方法により測定(算出)した。顔料の粉末にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、樹脂型分散剤としてDisperbyk−161(ビックケミージャパン社製)を少量添加し、超音波洗浄機で1分間分散し、測定用試料を調製した。この試料を透過型電子顕微鏡(日本電子社製「JEM−1200EX」)により、100個以上の顔料の一次粒子が確認出来る写真を3枚(3視野分)撮影し、それぞれ左上から順番に100個の1次粒子の大きさを測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径をnm単位で計測し、その平均をその顔料の一次粒子径とし、合計300個の分布を5nm刻みで作成し、5nm刻みの中央値(例えば6nm以上10nm以下の場合は8nm)をそれらの粒子の粒子径として近似し、それぞれの粒子径とその数を基に計算することで個数平均粒子径を算出した。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、例えばニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、または、プラネタリー型ミキサー等のバッチ式又は連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。
水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩は、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも安価な塩化ナトリウム(食塩)が好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対し、50〜2000質量部用いることが好ましく、300〜1000質量部がより好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤することができる。水溶性有機溶剤は、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであればよい。本明細書では、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。水溶性有機溶剤は、例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100質量部に対し、5〜1000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100質量部に対し、5〜200質量部の範囲であることが好ましい。
<塩基性分散剤(B)>
塩基性分散剤(B)は、リビングラジカル重合で合成される、A−Bブロックポリマー、またはB−A−Bブロックポリマーである。塩基性分散剤(B)のAブロックは、芳香族性を有する複素環アミノ基、およびイソシアネート基またはエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物と、イソシアネート基またはエポキシ基を有するモノマー単位との生成物単位を有する。塩基性分散剤(B)のBブロックは、(メタ)アクリル酸エステルのモノマー単位を有する。
ブロックポリマーの合成は、例えば、先にAブロックを合成し、その後にBブロックを合成することで、A−Bブロックポリマーを製造できる。また、まず、Bブロックを合成し、次いでAブロックを合成し、さらにBブロックを合成することでB−A−Bブロックポリマーを製造できる。なお、AブロックおよびBブロックの合成順が任意であることは言うまでもない。
リビングラジカル重合に使用するラジカル重合開始剤は、例えば、アゾ系化合物、過酸化物が好ましい。アゾ系化合物は、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。過酸化物は、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。
重合開始剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
重合の反応温度は、40〜150℃が好ましく、50〜110℃がより好ましい。反応時間は、3〜30時間が好ましく、5〜20時間がより好ましい。
リビングラジカル重合は、公知の重合法で行うことができるところ、RAFT重合(可逆的付加開裂連鎖移動重合)が好ましい。
RAFT重合は、RAFT剤の存在下、モノマーをラジカル重合する方法であり、ポリマーの分子量および分子量分布を制御しやすい。
RAFT剤は、連鎖移動効果、および重合開始効果を有する化合物であり、例えば、ジチオベンゾエート型、トリチオカーボネート型、ジチオカルバメート型、およびキサンテト型等、ならびにこれらの前駆体であるジスルフィド型が挙げられる。ジチオベンゾエート型は、例えば、ジチオ安息香酸2−シアノ−2−プロピル、4−シアノ−4−(チオベンゾイルチオ)ペンタン酸、ベンゾジチオ酸2−フェニル−2−プロピル等が挙げられる。
トリチオカーボネート型は、例えば、4−[(2−カルボキシエチルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]−4−シアノペンタン酸、2−{[(2−カルボキシエチル)スルファニルチオカルボニル]スルファニル}プロパン酸、4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸、2−シアノ−2−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン、2−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン酸、4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸メチル、2−メチル−2−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン酸、S,S−ジベンジルトリチオ炭酸、トリチオ炭酸=ビス[4−(アリルオキシカルボニル)ベンジル]、トリチオ炭酸=ビス[4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシカルボニル)ベンジル]、トリチオ炭酸=ビス{4−[エチル−(2−アセチルオキシエチル)カルバモイル]ベンジル}、トリチオ炭酸ビス{4−[エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル]ベンジル}、トリチオ炭酸=ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンジル]等が挙げられるジチオカルバメート型は、例えば、4−クロロ−3,5−ジメチルピラゾ−ル−1−カルボジチオ酸2'−シアノブタン−2'−イル、3,5−ジメチルピラゾ−ル−1−カルボジチオ酸2'−シアノブタン−2'−イル、3,5−ジメチルピラゾ−ル−1−カルボジチオ酸シアノメチル、N−メチル−N−フェニルジチオカルバミン酸シアノメチル等が挙げられる。
ジスルフィド型としては、ビス(ドデシルスルファニルチオカルボニル)ジスルフィド、ビス(チオベンゾイル)ジスルフィド等が挙げられる。これらはA−Bブロックポリマーの製造に好ましい。
これらの中でも、合成時の反応制御が容易なトリチオカーボネート型化合物が好ましく、4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸、2−シアノ−2−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン、4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸メチル、トリチオ炭酸ビス{4−[エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル]ベンジル}、ビス(ドデシルスルファニルチオカルボニル)ジスルフィドがより好ましい。
RAFT剤の使用量は、モノマー100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
塩基性分散剤(B)の合成は、有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤は、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
有機溶剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
<Aブロック>
Aブロックは、芳香族性を有する複素環アミノ基、およびイソシアネート基またはエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物と、イソシアネート基またはエポキシ基を有するモノマー単位との生成物単位を有する。Aブロックは、芳香族性を有する複素環アミノ基が側鎖の末端付近に位置するため顔料(A)に十分吸着しやすい。そのため顔料組成物を常温を超えて保存する場合、顔料(A)から塩基性分散剤(B)が脱離し難く、優れた保存安定性が得られる。Aブロックは、イソシアネート基またはエポキシ基を有するモノマー単位に、芳香族性を有する複素環アミノ基、およびイソシアネート基またはエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物を反応させて前記形成することが好ましい。前記反応前のイソシアネート基またはエポキシ基を有するモノマー単位をAブロック前駆体ともいう。
Aブロック中の全構成単位における芳香族性を有する複素環アミノ基およびイソシアネート基またはエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物の割合は、課題が解決できる範囲であれば特に限定されないが、30モル%以上になると顔料への吸着性が向上し、経時安定性が向上する。30〜100モル%が好ましく、50〜100モル%がより好ましく、80〜100モル%がさらに好ましい。
<芳香族性を有する複素環アミノ基およびイソシアネート基またはエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物>
イソシアネート基と反応可能な官能基は、例えば、第1級アミノ基、第2級アミノ基、水酸基等が挙げられる。またエポキシ基と反応可能な官能基としては、カルボキシル基、第1級アミノ基、第2級アミノ基等が挙げられる。
芳香族性を有する複素環アミノ基、およびイソシアネート基またはエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物は、芳香族性を有する複素環アミノ基、ならびにイソシアネート基およびエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物、芳香族性を有する複素環アミノ基およびイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物、芳香族性を有する複素環アミノ基およびエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物が挙げられる。
芳香族性を有する複素環アミノ基、ならびにイソシアネート基およびエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物は、例えば、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、3−(アミノメチル)ピリジン、4−(アミノメチル)ピリジン、1−(2−ピリジル)ピペラジン、1−(4−ピリジル)ピペラジン、1−(2−ピリミジル)ピペラジン、ビス−2−ピコリルアミン、2−アミノ−1H−イミダゾール、1H−イミダゾール−4−エタンアミン、2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、5−アミノ−2−ベンゾイミダゾリノン、2−アミノ−N−エチルカルバゾール、3−アミノ−9H−カルバゾール、3−(アミノエチル)−9−メチル−9H-カルバゾール、3−(アミノメチル)−9−メチル−9H−カルバゾール、8−アミノキノリン、9−アミノアクリジン、1−(3−アミノプロピル)−2−ピロリドン、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4−トリアゾール等が挙げられる。これらの中でも2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、3−(アミノメチル)ピリジン、4−(アミノメチル)ピリジン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、5−アミノ−2−ベンゾイミダゾリノン、3−アミノ−9H−カルバゾールが好ましい。これらはAブロック前駆体の官能基がイソシアネート基およびエポキシ基の両者に対応できる。なお、上記化合物中のNは、複素環アミノ基の水素原子が未置換であることを意味する。
芳香族性を有する複素環アミノ基およびイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物は、例えば、2−ピリジンメタノール、3−ピリジンメタノール、3−ピリジンメタノール、2−ピリジンエタノール、3−ピリジンエタノール、4−ピリジンエタノール等を使用してもよい。
芳香族性を有する複素環アミノ基およびエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物は、例えば、ピリジン−2−カルボン酸、ピリジン−3−カルボン酸、ピリジン−4−カルボン酸、3−(3−ピリジル)プロピオン酸、5−キノリンカルボン酸等を使用してもよい。
イソシアネート基含有モノマーは、例えば、2−イソシアナトエチルメタクリレート、2−イソシアナトエチルアクリレート、2−(2−イソシアナトエトキシ)エチルメタクリレート、イソシアン酸3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル等が挙げられる。これらの中でも重合性とイソシアネート基の反応性の観点から2−イソシアナトエチルメタクリレートおよび2−イソシアナトエチルアクリレートが好ましい。
エポキシ基含有モノマーは、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイロキシエチルグリシジルエーテル、(メタ)アクリロイロキシエトキシエチルグリシジルエーテルなどの(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのビニル系単量体が挙げられる。
Aブロックの合成は、例えば、(1)イソシアネート基含有モノマーの重合体に芳香族性有する複素環アミノ基およびイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物を反応せる方法、(2)イソシアネート基含有モノマーに芳香族性を有する複素環アミノ基およびイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物を反応させた後に重合する方法、(3)エポキシ基含有モノマーの重合体に芳香族性を有する複素環アミノ基およびエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物を反応させる方法、(4)エポキシ基含有モノマーに芳香族性を有する複素環アミノ基およびエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物を反応させた後に重合する方法等が挙げられる。
<Bブロック>
Bブロックは、(メタ)アクリル酸エステル単位を含有するポリマーブロックである。(メタ)アクリル酸エステル単位を構成する(メタ)アクリル酸エステルは、反応性官能基を含有しないモノマーである。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の鎖状および脂環状アルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート等の芳香環(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルは、単独または2種類以上を併用して使用できる。
Bブロックは、さらに反応性官能基を含有するモノマー単位、アルキレンオキシ基含有モノマー単位、その他モノマー単位を含有できる。反応性官能基を含有するモノマーは、例えば、カレンズMOI−BM、カレンズMOI−BP(昭和電工社製)等のブロックイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル等のオキセタン基を有する(メタ)アクリレート;tert−ブチル(メタ)アクリレート等のtert−ブチル基を有する(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸等のカルボキシル酸基含有(メタ)アクリレート;スルホン酸エチル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基およびメタクリロイロキシエチルリン酸エステル等のリン酸基等含有(メタ)アクリレートが挙げられる。なお、Aブロックの合成にイソシアネート基を有するモノマーを使用する場合、Bブロックの合成に水酸基含有(メタ)アクリレートおよびカルボキシル基含有(メタ)アクリレートを使用すると反応するため、前記Aブロックの合成(2)のようにイソシアネート基含有モノマーに芳香族性を有する複素環アミノ基およびイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物を反応させた後に重合する方法で使用することが好ましい。
アルキレンオキシ基含有モノマー単位のアルキレンオキシ基含有モノマーから形成できる。前記アルキレンオキシ基は、例えば、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基等が挙げられる。これらの中でも現像性や解像性が向上する面でエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基がより好ましい。アルキレンオキシ基含有モノマーは、例えば、ポリエチレングリコール(n=1〜30)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=1〜30)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=1〜30)プロピルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜30)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜30)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜30)プロピルエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも保存安定性が向上する面でエチレンオキシ基を1〜30個有するポリエチレングリコール(n=1〜30)メチルエーテル(メタ)アクリレートが好ましい。なお、nは、アルキレンオキシ基の平均数を示す。
その他モノマー単位は、その他モノマーから形成できる。その他モノマーは、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系モノマー;酢酸ビニル;N−メタクリロイルモルホリン等が挙げられる。
顔料分散剤(B)のAブロックとBブロックのモル比率は、A−Bブロックポリマーの場合、A/(A+B)=5〜70モル%が好ましく、15〜50モル%がより好ましい。また、同じくB−A−Bブロックポリマーの場合、A/(A+B)=10〜70モル%が好ましく、15〜50モル%がより好ましい。適切な比率で使用すると初期粘度を抑制できる上、保存安定性がより向上する。
本明細書で塩基性分散剤(B)は、分散安定性の面で、A−Bブロックポリマーが好ましい。
塩基性分散剤(B)のアミン価は、10〜200mgKOH/gが好ましく、20〜150mgKOH/gがより好ましく、30〜100mgKOH/gがさらに好ましい。適度なアミン価を有すると顔料(A)に対して吸着性が向上し、かつ溶媒への溶解性が向上するため分散安定性がより向上する。
塩基性分散剤(B)の重量平均分子量は、3,000〜80,000が好ましく、5,000〜50,000がより好ましい。適度な分子量を有すると分散安定性がより向上する。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数値である。塩基性分散剤(B)の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.05〜2.5が好ましく、1.05〜1.8がより好ましい。
<酸性分散剤(C)>
酸性分散剤(C)は、塩基性分散剤(B)の塩基性基と親和する酸性基を有する樹脂型分散剤である。酸性分散剤(C)を含有すると塩基性分散剤のみを用いたときと比較してイオン的な安定性が向上するため顔料組成物の保存安定性が向上する。酸性分散剤(C)は、例えば、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、および水酸基含有ポリカルボン酸エステル、ならびにこれらの変性物;ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤;(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が挙げられる。
酸性分散剤(C)の市販品は、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、102、103、106、110、111、130、140、142、145、170、171、174、180、2001、2020、2025、2070、またはBYK−P104、P104S、220S等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、21000、26000、36000、36600、41000、41090、43000、44000、46000、53095、55000等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PN411、PB821、PB822等が挙げられる。
また、酸性分散剤(C)は、下記(C1)又は(C2)の分散剤が好ましい。(C1)水酸基を有する重合体の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物である酸性分散剤。(C2)水酸基を有する化合物の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、エチレン性不飽和単量体を重合した重合体である酸性分散剤。
酸性分散剤(C1)は、WO2008/007776号公報、特開2008−029901号公報、特開2009−155406号公報等の公知の方法で合成できる。
まず、酸性分散剤(C1)の前駆体である水酸基を有する重合体(p)は、末端に水酸基を有する重合体であることが好ましい。水酸基を有する重合体(p)は、例えば、水酸基を有する化合物(q)の存在下に、モノマー(r)を重合した重合体として合成できる。水酸基を有する化合物(q)は、分子内に水酸基とチオール基を有する化合物が好ましく、末端に水酸基を2以上有する化合物がより好ましく、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)がさらに好ましい。
水酸基を有する重合体(p)の水酸基は、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基と反応してエステル結合を形成する一方、無水環は開環し、カルボン酸を生成する。
酸性分散剤(C1)の好ましい合成は、例えば、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)の存在下に、モノマー(r)を重合した重合体(p1)を得た後、重合体(p1)の水酸基とトリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基とを反応させる方法である。
酸基を有する化合物(q)は、分子内に水酸基とチオール基を有する化合物を少なくとも含み、分子内に水酸基とチオール基を有する化合物は、水酸基とチオール基を有していれば、限定されない。このような化合物としては、例えば、後述する分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物に加え、メルカプトエタノール等の分子内に1つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物;1,2−ジメルカプト−3−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール等の分子内に1つの水酸基と2つのチオール基とを有する化合物;ペンタエリトリトールトリス(3−メルカプトアセタート)、ジペンタエリトリトールペンタキス(3−メルカプトプロピオナート)等の分子内に1つの水酸基と3つ以上のチオール基とを有する化合物;
1,2−ジメルカプト−1,2−エタンジオール等の分子内に2つの水酸基と2つのチオール基とを有する化合物;ジメルカプトジペンタエリスリトール等の分子内に3つ以上の水酸基と2つのチオール基とを有する化合物;トリメルカプトジペンタエリスリトール等の分子内に2つ以上の水酸基と3つ以上のチオール基とを有する化合物;1−メルカプト−1,2,2’−エタントリオール等の分子内に3つ以上の水酸基と1つのチオール基とを有する化合物;等が挙げられる。
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)は、例えば、1−メルカプト−1,1―メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
モノマー(r)は、共重合可能なモノマーであれば特に限定されず、用途によって適宜選択することができる。
モノマー(r)は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)、ターシャリブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、及びイソステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐アルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート類;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、及び3−メチル−3−オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシプロrピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシ−3−メチルペンチル(メタ)アクリレートネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート類;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノステアリルエーテル(メタ)アクリレート、及びオクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート類;
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、及びノニルフェノキシポリ(エチレングリコール-プロピレングリコール)(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート類;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及び3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアルキルオキシシリル基を有する(メタ)アクリレート類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、及びテトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキ(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロキシ変性ポリジメチルシロキサン(シリコーンマクロマー)類;等が挙げられる。
スチレン、及びα−メチルスチレン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、及びイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
並びに、酢酸ビニル、及びプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
また、カルボキシル基含有モノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等が挙げられる。
トリカルボン酸無水物は、例えば、3−カルボキシメチルグルタル酸無水物、1,2,4−ブタントリカルボン酸−1,2−無水物、cis−プロペン−1,2,3−トリカルボン酸−1,2−無水物、又は1,3,4−シクロペンタントリカルボン酸無水物等の脂肪族トリカルボン酸無水物;
ベンゼントリカルボン酸無水物(1,2,3−ベンゼントリカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物[1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物]など)、ナフタレントリカルボン酸無水物(1,2,4−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,4,5−ナフタレントリカルボン酸無水物、2,3,6−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,2,8−ナフタレントリカルボン酸無水物など)、3,4,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルエーテルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、2,3,2’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルメタントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルスルホントリカルボン酸無水物等の芳香族トリカルボン酸無水物;が挙げられる。これらの中でも顔料に対する吸着性の観点から、芳香族トリカルボン酸無水物が好ましい。
テトラカルボン酸二無水物は、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、又はビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンコハク酸無水物、などの芳香族テトラカルボン酸無水物等が挙げられる。これらの中でも顔料に対する吸着性の観点から、芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
なお、本発明で使用されるトリカルボン酸およびテトラカルボン酸無水物は上記に例示した化合物に限らず、カルボキシル基を含有していればどのような構造をしていてもかまわない。これらは単独で用いても、併用してもかまわない。また、分子中にカルボン酸無水物基を1つ持つ化合物や3つ以上持つ化合物を併用することができる。トリカルボン酸およびテトラカルボン酸無水物は、芳香族カルボキシル基を含有していることが好ましい。芳香族カルボキシル基含有分散剤を使用すると、顔料の吸着性が高いため分散後の顔料の再凝集の防止が特に向上する。なお、芳香族カルボキシル基は、芳香環にカルボキシル基が直接結合した基である。
[酸性分散剤(C2)]
酸性分散剤(C2)は、WO2008/007776号公報、特開2009−155406号公報、特開2010−185934号公報、特開2011−157416号公報等の公知の方法で合成できる。酸性分散剤(C2)は、例えば、水酸基を有する化合物(q)の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、モノマー(r)を重合することで得られる。中でも、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、モノマー(r)を重合した重合体であることが好ましい。
ちなみに酸性分散剤(C1)と酸性分散剤(C2)は、モノマー(r)を重合した重合体部位の導入を先に行うか後で行うかの違いである。諸条件により分子量等が若干異なることがあるが、原料と反応条件が同じであれば、理論上は同じものができる。
酸性分散剤(C)の使用量は、顔料(A)100質量部に対して5〜200質量部程度が好ましく、5〜100質量部がより好ましい。適量使用すると成膜性が向上する。
酸性分散剤(C)の数平均分子量は、1,000〜5,0000が好ましく、3,000〜2,0000がより好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数値である。
本明細書では、顔料(A)、塩基性分散剤(B)、および酸性分散剤(C)の質量比がA/(A+B+C)>0.5を満たすことが好ましい。本明細書の特徴的な塩基性分散剤と酸性分散剤を併用することによって顔料を多量に含む場合も良好な保存安定性や現像性が得られる。
<顔料組成物の製造>
顔料組成物は、例えば、顔料(A)、塩基性分散剤(B)、酸性分散剤(C)および溶剤等を使用して分散処理を行い顔料(A)分散体を作製する。分散処理の際、色素誘導体等の分散助剤を併用すると顔料(A)をより微細に分散できる、また、顔料(A)が溶剤への溶解性が高い場合、分散処理を必要としない場合がある。顔料(A)を2種類以上併用する場合、顔料(A)分散体は、別個に顔料(A)を使用、または、複数の顔料(A)を併用してもよい。なお、各材料を配合するタイミングが任意である。
前記分散処理は、例えば、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等の分散装置を使用できる。
本明細書の感光性顔料組成物は、上記顔料組成物、光重合性単量体、および光重合開始剤を含むことが好ましい。感光性顔料組成物は、カラーフィルタの製造に使用することが好ましい。
<光重合性単量体>
感光性顔料組成物は、光重合性単量体を含有できる。光重合性単量体は、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
光重合性単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
光重合性単量体は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
光重合性単量体の含有量は、顔料(A)100質量部に対し、5〜500質量部が好ましく、10〜400質量部がより好ましい。適量含有すると光硬化性、現像性が向上する。
<光重合開始剤>
感光性顔料組成物は、光重合開始剤を含有できる。
光重合開始剤は、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;チタノセン系化合物等が挙げられる。
光重合開始剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
光重合開始剤の含有量は、顔料(A)100質量部に対し、1〜500質量部が好ましく、5〜400質量部がより好ましい。適量含有すると光硬化性、現像性が向上する。
感光性顔料組成物は、上記以外にレベリング剤、貯蔵安定剤、密着向上剤等の添加剤を含有できる。
<カラーフィルタ>
本明細書のカラーフィルタは、基材(基板、透明基板ともいう)、感光性顔料組成物から形成されてなるフィルタセグメントを備える。フィルタセグメントは、使用する顔料(A)の種類を適宜選択することで、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを有することが好ましい。また、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、黄色フルタセグメントを有することができる。なお、透明基板に代えて反射基板を使用できる。透明基板は、例えば、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、および無アルカリアルミノ硼珪酸ガラス等のガラス基板、ならびにポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、およびポリエチレンテレフタレート等の樹脂基板が挙げられる。また、透明基板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫等からなる透明電極が形成されていてもよい。
反射基板は、例えばアルミ電極や金属薄膜を反射面として使用する基板が挙げられる。本明細書のカラーフィルタは、複数のカラーフィルタセグメントのうち少なくとも1を本明細書の顔料組成物を使用して作製する。
<カラーフィルタの製造方法>
カラーフィルタは、まず基材上にブラックマトリクスを形成し、次いでフィルタセグメントを形成することが好ましい。なお、基材上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成してからブラックマトリクスを形成することができる。
ブラックマトリクスは、例えば、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が挙げられる。
フィルタセグメントの形成は、例えば、印刷法、電着法、転写法、インクジェット法、フォトリソグラフィー法等で作製できる。以下、フォトリソグラフィー法を説明する。フォトリソグラフィー法は、印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できるため好ましい。
フォトリソグラフィー法は、例えば、ある色調の着色剤を含有する感光性着色組成物を、透明基板上に、乾燥膜厚が0.2〜5μm程度になるように塗布し被膜を形成する。得られた被膜(以下、第一の被膜という)は、所定のパターンを有するマスクを通して露光(光照射)を行う。次いで、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧し現像を行い、未硬化部分を除去して所望のパターンを得る。この工程を他の色調の着色剤を有する感光性着色組成物を使用して同様に行うことで、各色のフィルタセグメントを有するカラーフィルタを製造できる。また、露光前の第一の被膜上にさらにポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂を使用して第二の被膜(酸素遮断膜)を形成できる。これにより第一の被膜は、酸素に接しないため露光感度がより向上する。また、カラーフィルタは、フィルタセグメント中に未硬化の光重合性化合物を硬化させるために加熱を行うことができる。
塗布装置は、例えば、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等が挙げられる。塗工に際し、乾燥工程を行うことができる。乾燥装置は、例えば、熱風オーブン、赤外線ヒーター等が挙げられる。
前記現像液は、アルカリ現像液として、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の無機アルカリ;ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリが挙げられる。また、現像液は、消泡剤や界面活性剤を添加できる。
本明細書でカラーフィルタは、フィルタセグメント形成後、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に貼り合わせることにより、液晶表示装置が作製できる。液晶表示装置は、例えば、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等が挙げられる。
本明細書の表示装置は、カラーフィルタを備える。表示装置は、例えば、上記液晶表示装置、有機EL表示装置、固体撮像素子等カラーフィルタを備える表示装置であればよく限定されない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されない。なお、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。表中の配合量は、特に断りがない限り質量部である。
以下、実施例で使用する測定方法を記載する。
(塩基性分散剤(B)の分子量)
塩基性分散剤(B)の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は下記の方法で行った。カラムにTSKgelSUPER−AW3000(東ソー社製)を2本直列で用いRI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8320GPC)で、展開溶媒に3mMトリエチルアミン及び10mM LiBrのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を用いて測定したポリスチレン換算の分子量である。移動相流量は0.6mL/min、試料注入量は10μL、試料濃度は約0.1質量%、測定温度は40℃で行った。
(顔料分散剤のアミン価)
アミン価(mgKOH/g)は、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。
(酸性分散剤(C)の分子量)
酸性分散剤(C)の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は下記の方法で行った。カラムにTSK−GEL SUPER HZM−N(東ソー社製)を2本直列で用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8320GPC)で、展開溶媒にテトラヒドロフラン(THF)溶液を用いて測定したポリスチレン換算の分子量である。移動相流量は0.35ml/min、試料注入量は10μL、試料濃度は約0.1質量%、測定温度は40℃で行った。
(酸価)
酸性分散剤(C)およびバインダー樹脂の酸価(mgKOH/g)は、0.1Nの水酸化カリウム・エタノール溶液を用い、電位差滴定法によって求めた。
<塩基性分散剤(B)の製造>
(合成例1:塩基性分散剤B−1の合成)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、ブチルメタクリレート80部、RAFT剤1の4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸メチル2.1部、ブロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー82部を仕込み、窒素を流しながら90℃まで加熱撹拌した。ここに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.08部を仕込みBブロックの重合を開始した。重合開始から5時間後、および6時間にそれぞれ2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.01部を仕込んだ後、さらに1時間後に重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行った。不揮発分から換算して重合転化率が80%以上であることを確認し、Bブロックの重合を完了した。
次に、この反応槽に2−イソシアナトエチルメタクリレート20部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20部を仕込み、90℃窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.08部を仕込みAブロック前駆体の重合を開始した。重合開始から5時間後、および6時間にそれぞれ2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.01部を仕込んだ後、さらに1時間後に重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行った。不揮発分から換算して重合転化率が80%以上であることを確認し、Aブロック前駆体の重合を完了した。さらにこの反応槽を室温まで冷却し、3−(アミノメチル)ピリジン14部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート72部の混合溶液を1時間かけて滴下して、Aブロック前駆体のイソシアネート基に反応させて、アミノ基として芳香属性を有する複素環アミノ基を有するアミノ単位を含むAブロックを作製した。このようにして不揮発分40%、アミン価63mgkOH/g、重量平均分子量22000、分子量分布1.3のABブロックポリマーである塩基性分散剤(B−1)溶液を得た。
(合成例2〜17、21:塩基性分散剤B−2〜17、21の合成)
合成例1の配合を、表1および2−1に示す原料、および配合量に変更した以外は、合成例1と同様に反応を行い、A−Bブロックポリマーである(塩基性分散剤B−2〜B−17、21)溶液をそれぞれ作製した。なお、塩基性分散剤の重量平均分子量は、連鎖移動剤、反応条件等を適宜追加変更して表中の重量平均分子量に調整した。
(合成例18:塩基性分散剤B−18の合成)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、ブチルメタクリレート80部、RAFT剤1の4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸メチル2.1部、ブロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート82部を仕込み、窒素を流しながら90℃まで加熱撹拌した。ここに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.08部を仕込みBブロックの重合を開始した。重合開始から5時間後、および6時間にそれぞれ2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.01部を仕込んだ後、さらに1時間後に重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行った。不揮発分から換算して重合転化率が80%以上であることを確認し、Bブロックの重合を完了した。
次に、この反応槽にグリシジルメタクリレート20部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20部を仕込み、90℃窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.08部を仕込みAブロック前駆体の重合を開始した。重合開始から5時間後、および6時間にそれぞれ2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.01部を仕込んだ後、さらに1時間後に重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行った。不揮発分から換算して重合転化率が80%以上であることを確認し、Aブロック前駆体の重合を完了した。
さらにこの反応槽に3−(アミノメチル)ピリジン14部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート72部を仕込み、80℃で3時間攪拌しAブロック前駆体のグリシジル基にアミンを反応させた。このようにして不揮発分40%、アミン価63mgKOH/g、重量平均分子量24000、分子量分布1.4のA−Bブロックポリマーである塩基性分散剤(B−18)溶液を得た。
(合成例19:塩基性分散剤B−19の合成)
温度計、攪拌機、滴下ロート、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート83部、RAFT2のビス(ドデシルスルファニルチオカルボニル)ジスルフィドを1.4部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を0.6部仕込み窒素気流下で80℃に昇温し、2時間反応させた。そこにn−ブチルメタクリレートを80部仕込み窒素気流下で90℃に昇温した。ここに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を0.08部仕込み、Bブロックの合成を開始した。重合開始から5時間後、および6時間にそれぞれ2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.01部を仕込んだ後、さらに1時間後に重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行った。不揮発分から換算して重合転化率が80%以上であることを確認し、Bブロック前駆体の重合を完了した。
その後、2−イソシアナトエチルメタクリレートを20部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート19部を仕込み、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を0.08部仕込み、Aブロック前駆体の重合を開始した。重合開始から5時間後、および6時間にそれぞれ2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.01部を仕込んだ後、さらに1時間後に重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行った。不揮発分から換算して重合転化率が80%以上であることを確認し、Aブロック前駆体の重合を完了した。さらにこの反応槽を5℃に冷却し、3−(アミノメチル)ピリジン14部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート72部の混合溶液を1時間かけて滴下して、Aブロック前駆体のイソシアネート基に反応させて、アミノ基として芳香属性を有する複素環アミノ基を有するアミノ単位を含むAブロックを作製した。このようにして不揮発分40%、アミン価63mgkOH/g、重量平均分子量19500、分子量分布1.3のA−Bブロックポリマーである塩基性分散剤(B−19)の溶液を得た。
(合成例20:塩基性分散剤B−20の合成)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、ブチルメタクリレート40部、RAFT剤1の4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸メチル2.1部、ブロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー42部を仕込み、窒素を流しながら90℃まで加熱撹拌した。ここに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.08部を仕込みBブロックの重合を開始した。重合開始から5時間後、および6時間にそれぞれ2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.01部を仕込んだ後、さらに1時間後に重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行った。不揮発分から換算して重合転化率が80%以上であることを確認し、Bブロックの重合を完了した。
次に、この反応槽に2−イソシアナトエチルメタクリレート20部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20部を仕込み、90℃窒素雰囲気下を保持したまま撹
拌し、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.08部を仕込みAブロック前駆体の重合を開始した。重合開始から5時間後、および6時間にそれぞれ2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.01部を仕込んだ後、さらに1時間反応を継続した。重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行った。不揮発分から換算して重合転化率が80%以上であることを確認し、Aブロック前駆体の重合を完了した。
続いて、この反応槽にブチルメタクリレート40部、ブロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40部を仕込み、90℃窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.08部を仕込み重合を開始した。重合開始から5時間後、および6時間にそれぞれ2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.01部を仕込んだ後、さらに時間後に重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行った。不揮発分から換算して重合転化率が80%以上であることを確認し、Bブロックの重合を完了した。
さらにこの反応槽を室温まで冷却し、3−(アミノメチル)ピリジン14部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート72部の混合溶液を1時間かけて滴下して、Aブロック前駆体のイソシアネート基に反応させて、アミノ基として芳香属性を有する複素環アミノ基を有するアミノ単位を含むAブロックを作製した。このようにして不揮発分40%、アミン価63mgKOH/g、重量平均分子量23000、分子量分布1.4の塩基性分散剤(B−20)溶液を得た。
(合成例22:塩基性分散剤B−22の合成)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、ブチルメタクリレート80部、2−イソシアナトエチルメタクリレート20部、RAFT剤1の4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸メチル2.1部、ブロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー82部を仕込み、窒素を流しながら90℃まで加熱撹拌した。ここに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.08部を仕込みBブロックの重合を開始した。重合開始から5時間後、および6時間にそれぞれ2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.01部を仕込んだ後、さらに1時間後に重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行った。不揮発分から換算して重合転化率が80%以上であることを確認し、ランダムポリマーであるB−22の前駆体の重合を完了した。
さらにこの反応槽を室温まで冷却し、3−(アミノメチル)ピリジン14部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート72部の混合溶液を1時間かけて滴下して、Aブロック前駆体のイソシアネート基に反応させて、アミノ基として芳香属性を有する複素環アミノ基を有するアミノ単位を含むAブロックを作製した。このようにして不揮発分40%、アミン価63mgKOH/g、重量平均分子量22000、分子量分布1.3の塩基性分散剤(B−22)溶液を得た。
(B−101の合成)
WO2010/016523号公報の合成例1に準じて合成した。Bブロックにジn−ブチルアミンと反応したグリシジル基を有するA−Bブロックポリマーを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈して不揮発分40%、アミン価61mgKOH/g、重量平均分子量20000、分子量分布1.3の塩基性分散剤(B−101)の溶液を得た。
(モノマー(a)の合成)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、エチルアセテート50部、3−(アミノメチル)ピリジン20.5部を仕込み、窒素を流しながら室温で攪拌した。そこに、2−イソシアナトエチルメタクリレート29.5部を1時間かけて滴下して、イソシアネート基とアミノ基を反応させた。析出してきた固体を吸引ろ過で回収し、H−NMRにより同定して目的物であることを確認した。減圧乾燥にて溶剤を除くことで「芳香族性を有する複素環アミノ基、およびイソシアネート基またはエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物と、イソシアネート基またはエポキシ基を有するモノマー単位との反応物」のモノマー(a)を得た。
(合成例23:塩基性分散剤B−23の合成)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、ブチルメタクリレート80部、RAFT剤1の4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸メチル2.1部、ブロピレングリコールモノメチルエーテル82部を仕込み、窒素を流しながら90℃まで加熱撹拌した。ここに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.08部を仕込みBブロックの重合を開始した。重合開始から5時間後、および6時間にそれぞれ2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.01部を仕込んだ後、さらに1時間後に重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行った。不揮発分から換算して重合転化率が80%以上であることを確認し、Bブロックの重合を完了した。
次にこの反応槽に、先に作製したモノマー(a)34部、プロピレングリコールモノメチルエーテル92部を仕込み、90℃窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.08部を仕込みAブロック前駆体の重合を開始した。重合開始から5時間後、および6時間にそれぞれ2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.01部を仕込んだ後、さらに1時間後に重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行った。不揮発分から換算して重合転化率が80%以上であることを確認し、Aブロック前駆体の重合を完了した。このようにして不揮発分40%、アミン価63mgKOH/g、重量平均分子量22500、分子量分布1.3のA−Bブロックポリマーである塩基性分散剤(B−23)溶液を得た。
(合成例24〜26:塩基性分散剤B−24〜26の合成)
合成例23の配合を、表2−2に示す原料、および配合量に変更した以外は、合成例23と同様に反応を行い、A−Bブロックポリマーである(塩基性分散剤B−24〜B−26)溶液をそれぞれ作製した。
表1〜表2−2中の略語について示す。
BMA:n−ブチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
EA:エチルアクリレート
2−MTA:2−メトキシエチルアクリレート
OXMA:(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート
tBMA:tert−ブチルメタクリレート
MOI:2−イソシアナトエチルメタクリレート
AOI:2−イソシアナトエチルアクリレート
MOI−EG:2−(2−イソシアナトエトキシ)エチルメタクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート
RAFT剤1:4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸メチル
RAFT剤2:ビス(ドデシルスルファニルチオカルボニル)ジスルフィド
AIBN:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
V65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
MAA:メタクリル酸
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
Figure 2021080433
Figure 2021080433
Figure 2021080433
<酸性分散剤(C)の製造>
(酸性分散剤(C−1)溶液の製造)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、iso−ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール10部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物20部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200.0部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し酸価77mgKOH/g、数平均分子量(Mn)8500の分散剤を得た。ここに不揮発分測定で不揮発分40%となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して芳香族カルボキシル基を有する酸性分散剤(C−1)溶液を得た。
(酸性分散剤(C−2)溶液の製造)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、iso−ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール10部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。トリメリット酸無水物36部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200.0部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し酸価109mgKOH/g、数平均分子量(Mn)8500の分散剤を得た。ここに不揮発分測定で不揮発分40%となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して芳香族カルボキシル基を有する酸性分散剤(C−2)溶液を得た。
(酸性分散剤(C−3)溶液の製造)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール6.5部、ピロメリット酸無水物4.0部、ジメチルベンジルアミン0.01部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート41.8部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した後、反応液の温度を70℃に冷却し、メチルメタクリレート67部、メタクリル酸5.0部、tert−ブチルアクリレート16.0部、ヒドロキシメチルメタクリレート10.0部、エチルアクリレート2.0部を仕込み、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.10部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60.0部を添加して、10時間反応した。不揮発分測定により重合が95%進行したことを確認し反応を終了し酸価43mgKOH/g、数平均分子量(Mn)15000の分散剤を得た。ここに不揮発分測定で不揮発分40%となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して芳香族カルボキシル基を有する酸性分散剤(C−3)溶液を得た。
(酸性分散剤(C−4)溶液の製造)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール6.5部、ピロメリット酸無水物4.0部、ジメチルベンジルアミン0.01部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート41.8部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した後、反応液の温度を70℃に冷却し、メチルメタクリレート67部、メタクリル酸5.0部、t−ブチルアクリレート16.0部、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート10.0部、エチルアクリレート2.0部を仕込み、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.10部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60.0部を添加して、10時間反応した。不揮発分測定により重合が95%進行したことを確認し反応を終了し酸価47mgKOH/g、数平均分子量(Mn)15000の分散剤を得た。ここに不揮発分測定で不揮発分40%となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して芳香族カルボキシル基を有する酸性分散剤(C−4)溶液を得た。
<アクリル樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1の製造)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を製造した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
(アクリル樹脂溶液2の製造)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート)20部、メタクリル酸メチル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサ
ンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液2を製造した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
<微細化顔料の製造>
(赤色微細化顔料RP−1の製造)
特許第6368844号の実施例4に準じて合成した顔料100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の赤色微細化顔料RP−1を得た。平均一次粒子径は28nmであった。
(赤色微細化顔料RP−2の製造)
特許第6368844号の実施例22に準じて合成した顔料100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の赤色微細化顔料RP−2を得た。平均一次粒子径は30nmであった。
(赤色微細化顔料RP−3の製造)
C.I.ピグメントレッド269(PR269)(山陽色素社製「PermanentCarmine 3810」)100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の赤色微細化顔料PR−3を得た。平均一次粒子径は35nmであった。
(赤色微細化顔料RP−4の製造)
還流管を付けたステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール200部、及びナトリウム−tert−アミルアルコキシド140部を加え、攪拌しながら100℃に加熱し、アルコラート溶液を製造した。一方で、ガラス製フラスコに、コハク酸ジイソプロピル88部、4−ブロモベンゾニトリル153.6部を加え、攪拌しながら90℃に加熱して溶解させ、これらの混合物の溶液を調製した。この混合物の加熱溶液を、100℃に加熱した上記アルコラート溶液中に、激しく攪拌しながら、2時間かけて一定の速度でゆっくり滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間、加熱攪拌を継続し、ジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩を得た。さらに、ガラス製ジャケット付き反応容器に、メタノール600部、水600部、及び酢酸304部を加え、−10℃に冷却した。この冷却した混合物を、高速攪拌ディスパーサーを用いて、直径8cmのシェアディスクを4000rpmで回転させながら、この中に、75℃まで冷却した先に得られたジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩溶液を、少量ずつ添加した。この際、メタノール、酢酸、及び水からなる混合物の温度が常に−5℃以下の温度を保つように、冷却しながら、かつ、75℃のジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩の添加する速度を製造しながら、およそ120分にわたって少量ずつ添加した。アルカリ金属塩添加後、赤色の結晶が析出し、赤色の懸濁液が生成した。続いて、得られた赤色の懸濁液を5℃にて限外濾過装置で洗浄後、濾別し赤色ペーストを得た。このペーストを0℃に冷却したメタノール3500部にて再分散し、メタノール濃度約90%の懸濁液とし、5℃にて3時間攪拌し、結晶転移を伴う粒子整粒及び洗浄を行った。続いて、限外濾過機で濾別し、得られたジケトピロロピロール系化合物の水ペーストを、80℃にて24時間乾燥させ、粉砕することにより化学式(1)で示す臭素化ジケトピロロピロール顔料150.8部を得た。
Figure 2021080433
得られた化学式(1)で示す臭素化ジケトピロロピロール顔料100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の赤色微細化顔料PR−4を得た。平均一次粒子径は45nmであった。
(赤色微細化顔料RP−5の製造)
C.I.ピグメントレッド269(PR269)(山陽色素社製「PermanentCarmine 3810」)を、C.I.ピグメントレッド254(PR254)(BASFジャパン社製「イルガジンレッドD3656 HD」)に変更した以外は、赤色微細化顔料RP−3の製造と同様に行い、97部の赤色微細化顔料RP−5を得た。平均一次粒子径は33nmであった。
(赤色微細化顔料RP−6の製造)
C.I.ピグメントレッド269(PR269)(山陽色素社製「PermanentCarmine 3810」)を、C.I.ピグメントレッド177(PR177)(シニック社製「シニレックスレッドSR3C」)に変更した以外は、赤色微細化顔料RP−3の製造と同様に行い、97部の赤色微細化顔料RP−6を得た。平均一次粒子径は37nmであった。
(赤色微細化顔料RP−7の製造)
C.I.ピグメントレッド269(PR269)(山陽色素社製「PermanentCarmine 3810」)を、C.I.ピグメントレッド122(PR122)(クラリアント社製「Hostaperm Pink E」)に変更した以外は、赤色微細化顔料RP−3の製造と同様に行い、97部の赤色微細化顔料RP−7を得た。平均一次粒子径は41nmであった。
(黄色微細化顔料YP−1の製造)
キノフタロン系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー138(BASFジャパン社製「パリオトールイエローL0962−HD」)500部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の黄色微細化顔料YP−1を得た。平均一次粒子径は63nmであった。
(黄色微細化顔料YP−2の製造)
イソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー139(BASFジャパン社製「パリオトールイエローL1820」)500部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、510部の黄色微細化顔料YP−2を得た。平均一次粒子径は68nmであった。
(緑色微細化顔料GP−1の製造)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメントグリーン58(DIC社製「FASTOGEN GREEN A110)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の緑色微細化顔料GP−1を得た。平均一次粒子径は69nmであった。
(青色微細化顔料BP−1の製造)
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメントブルー15:6(トーヨーカラー社製「LIONOL BLUE ES」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の青色微細化顔料BP−1を得た。平均一次粒子径は74nmであった。
(紫色微細化顔料VP−1の製造)
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメントバイオレット23(トーヨーカラー社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の紫色微細化顔料VP−1を得た。平均一次粒子径は69nmであった。
<顔料組成物の製造方法>
[実施例1]
(顔料組成物(M−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料組成物(M−1)を作製した。
赤色微細化顔料(RP−1):11.0部
アクリル樹脂溶液1:27.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc):53.0部
塩基性分散剤(B−1)溶液:4.5部
酸性分散剤(C−1)溶液:4.5部
[実施例2〜58、201〜208、比較例1〜2、4]
(顔料組成物(M−2〜M−60、M−62、201〜208)
以下、表3−1および表3−2に示す組成に変更した以外は顔料組成物(M−1)と同様にして、顔料組成物(M−2〜M−60、M−62、201〜208)を製造した。
[比較例3]
(顔料組成物(M−61)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料組成物(M−61)を作製した。
赤色微細化顔料(RP−1):11.0部
アクリル樹脂溶液1:27.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc):53.0部
塩基性分散剤(B−1)溶液:9.0部
<顔料組成物の評価>
得られた顔料組成物およびそれを用いて作製した塗膜の耐熱性および保存安定性を下記方法で行った。評価結果を表3−1および表3−2に示す。
(耐熱性)
顔料組成物を縦100mm×横100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.0μmになるように塗布し、次に70℃で20分間乾燥した。次いで、230℃で60分間加熱することで塗膜基板を作製した。得られた塗膜基板について、C光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて経時前の色度を測定した。さらにその後、塗膜基板を250℃で1時間加熱した後、C光源で耐熱性試験後の色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定した。これらの数値を元に下記計算式(1)により、色差ΔEab*を求めた。塗膜の耐熱性を下記基準で評価した。
計算式(1)ΔEab*=√((L*(2)-L*(1))2+(a*(2)-a*(1))2+(b*(2)-b*
(1))2)
◎:ΔEab*が1.0未満(極めて良好)
○:ΔEab*が1.0以上、2.5未満(良好)
△:ΔEab*が2.5以上、5.0未満(不良)
×:ΔEab*が5.0以上(極めて不良)
(保存安定性)
得られた顔料組成物の粘度を、E型粘度計(東機産業社製TUE−20L型、コーンロータ1°34′×R24)を用い25℃、回転数20rpmの条件で測定した。顔料組成物の作製当日の初期粘度と、40℃の恒温室にて7日間保存後に測定した粘度から、粘度変化率(%)(=(40℃7日間保存後の粘度−初期粘度)/初期粘度)を算出した。保存安定性の評価基準は以下の通りである。
◎:粘度変化率が10%未満(極めて良好)
○:粘度変化率が10%以上、20%未満(良好)
△:粘度変化率が20%以上、50%未満(不良)
×:粘度変化率が50%以上(極めて不良)
Figure 2021080433
Figure 2021080433
表中の略号を以下に示す。
B−101:WO2010/016523号公報の合成例1を参考にして製造したジn−ブチルアミンと反応したグリシジル基を有するA−Bブロックポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)で不揮発分40%に希釈した芳香族性を有する複素環アミノ基を有さない塩基性分散剤溶液
C−101:ビックケミー・ジャパン社製Disperbyk−101をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)で不揮発分40%に希釈した酸性分散剤溶液
表3−1および表3−2の結果より本発明の顔料組成物は、塗膜の耐熱性および保存安定性において良好な結果であった。特にRP−1〜RP−3に代表されるアゾ系顔料を使用した場合、耐熱性や保存安定性において特に良好な結果が得られた。また、顔料組成物中の顔料(A)、ならびに塩基性分散剤(B)、および酸性分散剤(C)の質量比がA/(A+B+C)>0.5を満たすような顔料濃度が比較的高い組成でも優れた保存安定性を有することが分かった。
<感光性顔料組成物の製造>
[実施例59]
(感光性顔料組成物(R−1))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、孔径1.0μmのフィルタで濾過して、感光性顔料組成物(R−1)を得た。
顔料組成物1(M−1):24.0部
顔料組成物2(M−50):26.0部
アクリル樹脂溶液2:7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート):2.0部
光重合開始剤(BASFジャパン社製「OXE−02」エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)):1.5部
シクロヘキサノン:39.0部
[実施例60〜109、209〜216、比較例5〜8]
(感光性顔料組成物(R−2〜R−55、209〜216))
表4−1および表4−2に示すように、顔料組成物1の種類を変更した以外は感光性顔料組成物(R−1)と同様にして感光性顔料組成物(R−2〜R−55、209〜216)を得た。
<感光性顔料組成物の評価>
得られた感光性顔料組成物の輝度、塗膜異物、現像性を下記方法で行った。表4に評価結果を示す。
(輝度)
得られた感光性顔料組成物を100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.0μmになるように塗布し、70℃で20分間乾燥後、さらに230℃で60分間加熱して色度がC光源においてx=0.655、y=0.320になる塗膜基板を得た。得られた基板の輝度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。
(塗膜異物)
輝度の評価で作製した塗膜基板を使用して表面観察による塗膜異物評価を行った。評価はオリンパスシステム社製金属顕微鏡「BX60」を用いた。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な粒子の数をカウントした。評価基準を以下に示す。
◎:異物の数が5個未満(極めて良好)
○:異物の数が5個以上、10個未満(良好)
△:異物の数が10個以上、60個未満(不良)
×:異物の数が60個以上(極めて不良)
(現像性)
得られた感光性顔料組成物を、ガラス基板上に、スリットダイコーターを用いて乾燥膜厚2.4μmになるように塗布したのち、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、塗膜を有する基板を形成した。次いで基板を室温に冷却した後、高圧水銀ランプを用い、ストライプ状フォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を1,000J/m2の露光量で露光した。アルカリ現像を行った後、超純水で洗浄し、更に230℃で20分間ポストベークを行うことにより、基板上に赤色のストライプ状画素を形成した。アルカリ現像時にストライプ状画素が現像されるのに要した時間を測定して、現像性を下記の基準で評価した。
◎:20秒以内に現像された(極めて良好)
○:30秒以内に現像された(良好)
△:60秒以内に現像された(不良)
×:120秒以内に現像された(極めて不良)
Figure 2021080433
Figure 2021080433
表4−1および表4−2の結果より、本発明の実施例は、輝度が優れており、塗膜異物や現像性も良好であることが明らかとなった。これらの中でも水酸基やカルボキシ基を有する塩基性分散剤(B)を用いると特に輝度および現像性が向上することが分かる。
<緑色および青色感光性顔料組成物の製造方法>
(緑色感光性顔料組成物1:PG58/PY138)
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、孔径1μmのフィルタで濾過して、緑色感光性顔料組成物1を作製した。
緑色顔料組成物(M−56):32.0部
黄色顔料組成物(M−54):18.0部
アクリル樹脂溶液2:7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」):2.0部
光重合開始剤(BASFジャパン社製「OXE−02」):1.5部
シクロヘキサノン:39.0部
緑色顔料組成物32.0部、黄色顔料組成物18.0部の合計50.0部を青色顔料組成物(M−57)46.0部、紫色顔料組成物(M−58)4.0部の合計50.0部に置き換えた以外は緑色感光性顔料組成物1と同様にして青色感光性顔料組成物1を得た。
<カラーフィルタの作製及び評価>
感光性顔料組成物(R−1)を、ブラックマトリックスが形成されたガラス基板上に、スリットダイコーターを用いて塗布したのち、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、塗膜を形成した。次いで、塗膜が形成された基板を室温に冷却した後、高圧水銀ランプを用い、ストライプ状フォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を1,000J/m2の露光量で露光した。アルカリ現像を行った後、超純水で洗浄し、更に230℃で20分間ポストベークを行うことにより、基板上に赤色のストライプ状画素を形成した。
次いで、同様の方法により、緑色感光性顔料組成物1を用いて、赤色のストライプ状画素の隣に緑色のストライプ状画素を形成した。更に、青色感光性顔料組成物1を用いて同様に、赤色、緑色画素と隣接した青色のストライプ状画素を形成した。
次いで、赤色、緑色、青色の3色からなる画素上に、光硬化性樹脂組成物を用いて保護膜を形成した。このようにして、輝度が高く、塗膜異物や現像性も良好なRGB3色カラーフィルタを作成することができた。

Claims (8)

  1. 顔料(A)、塩基性分散剤(B)、および酸性分散剤(C)を含み、
    塩基性分散剤(B)は、リビングラジカル重合で合成されてなるA−B、またはB−A−Bブロックポリマーであり、Aブロックは、芳香族性を有する複素環アミノ基、およびイソシアネート基またはエポキシ基と反応可能な官能基を有する化合物と、イソシアネート基またはエポキシ基を有するモノマー単位との生成物単位を有し、Bブロックは、(メタ)アクリル酸エステルのモノマー単位を有する、顔料組成物。
  2. 塩基性分散剤(B)のAブロックとBブロックとのモル比率が、A−BブロックポリマーはA/(A+B)=5〜70モル%で、B−A−BブロックポリマーはA/(A+B)=10〜70モル%である、請求項1記載の顔料組成物。
  3. 顔料(A)、塩基性分散剤(B)、および酸性分散剤(C)の質量比が、A/A+B+C>0.5を満たす請求項1または2記載の顔料組成物。
  4. 前記イソシアネート基またはエポキシ基と反応可能な官能基が、アミノ基である、請求項1〜3いずれか1項に記載の顔料組成物。
  5. 顔料(A)が、アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、インドール系顔料、キノフタロン系顔料、フタロシアニン系顔料、およびジオキサジン系顔料からなる群より選択される1種以上である、請求項1〜4いずれか1項に記載の顔料組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載の顔料組成物、光重合性単量体、および光重合開始剤を含む感光性顔料組成物。
  7. 基材、および請求項6に記載の感光性顔料組成物から形成されてなるフィルタセグメントを備える、カラーフィルタ。
  8. 請求項7記載のカラーフィルタを備える、表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023119898A1 (ja) * 2021-12-23 2023-06-29 株式会社レゾナック 顔料分散組成物、感光性着色組成物及びカラーフィルター

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