JP2021080420A - 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び画像表示装置 - Google Patents

光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び画像表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021080420A
JP2021080420A JP2019211379A JP2019211379A JP2021080420A JP 2021080420 A JP2021080420 A JP 2021080420A JP 2019211379 A JP2019211379 A JP 2019211379A JP 2019211379 A JP2019211379 A JP 2019211379A JP 2021080420 A JP2021080420 A JP 2021080420A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
residue
group
carbon atoms
styrene
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019211379A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7375493B2 (ja
Inventor
鉄平 氏原
Teppei Ujihara
鉄平 氏原
洋志 吉村
Hiroshi Yoshimura
洋志 吉村
裕輔 田尻
Hirosuke Tajiri
裕輔 田尻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
DIC Corp
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Corp, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical DIC Corp
Priority to JP2019211379A priority Critical patent/JP7375493B2/ja
Publication of JP2021080420A publication Critical patent/JP2021080420A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7375493B2 publication Critical patent/JP7375493B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】耐熱性を損なうことなく面内及び面外位相差を負の方向へ調整した光学フィルムを製造できる光学材料用樹脂組成物を提供する。【解決手段】環状オレフィン樹脂と、スチレン−アクリル共重合体又はスチレン−マレイミド共重合体であるスチレン共重合体とを含む光学材料用樹脂組成物であって、前記環状オレフィン樹脂のガラス転移温度をTg1とし、前記スチレン共重合体のガラス転移温度をTg2としたとき、Tg1−5≦Tg2を満たす光学材料用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び画像表示装置に関する。
スマートフォン、ノートパソコン、テレビ等のディスプレイは種々の機能を有する光学フィルムの積層体となっており、当該光学フィルムには、例えばディスプレイ内に入った外光反射を打ち消す機能を有する円偏光板を構成する偏光板保護フィルムや、静電容量の変化を感知するタッチパネルのベースフィルム等が含まれる。
上記光学フィルムには、従来からセルロースアセテートフィルムが用いられていたが、セルロースアセテートフィルムは吸湿性が高く、高湿下での性能変化や耐久性に課題があった。そこでセルロースアセテートフィルムの代わりに低吸湿性の環状オレフィン樹脂(シクロオレフィンポリマー,COP)フィルムの利用が進んでいる。
例えばスマートフォン用の有機ELディスプレイでは、さらなる薄型化のために円偏光板の内側にタッチパネルが設置された構造が出てきている。この構成において高度な外光反射防止を達成するためには、タッチパネルのベースフィルムとして、厚み方向の位相差Rthの小さいフィルムを使用する必要がある。しかしながら、上記環状オレフィン樹脂は、正の固有複屈折を有しており、且つ、フィルム化工程で生じる応力によって厚み方向の位相差Rthを生じやすく、環状オレフィン樹脂フィルムをタッチパネルのベースフィルムとした場合に、斜めから見た際の外光反射の光漏れによる画質低下を生じるという問題があった。
光学フィルムの製造工程においては、通常、平滑性の向上や強度向上のために延伸処理が実施される。環状オレフィン樹脂フィルムでは、延伸時に生じる応力によって樹脂鎖が配向し、Rth発現の要因になると考えられる。
延伸時の応力を低下させるために、樹脂のガラス転移温度よりも著しく高温で延伸を行い、低Rth化を目指す手法があるが、その場合、フィルムの物性が悪化するという課題があった。
上記のような製造条件の変更のみで光学フィルムの特性改善が困難な場合、添加剤による特性改善を目指す手法がある。環状オレフィン樹脂フィルムの添加剤としては、けい皮酸誘導体ポリマー(特許文献1)、水蒸気透過を抑制することを目的としてポリエステル系添加剤(特許文献2)等が提案されている。
特開2018−151526号公報 特開2018−48250号公報
特許文献1のけい皮酸誘導体ポリマーは、光や熱などにより酸化されやすく、ポリマー自身が大きく着色する傾向にあると考えられる。このように着色したポリマーを環状オレフィン樹脂に添加した場合、樹脂を製膜して得られるフィルムも着色する傾向にあると言え、無色透明を大前提とする光学フィルムの添加剤としては適当ではなかった。また、スチレンは一般に環状オレフィン樹脂との相溶性が悪いため、スチレン構造を有する特許文献1のけい皮酸誘導体ポリマー及び環状オレフィン樹脂の組成物をフィルムとした場合、フィルムが白濁してしまい、透明性が損なわれてしまう問題があった。
特許文献2のポリエステル系添加剤を環状オレフィン樹脂フィルムに添加することで、得られるフィルムの低Rth化の傾向はみられるが、Rth低減効果は十分ではなかった。また、例えばタッチパネルのベースフィルムでは、その製造過程で高温処理が必要とされるために高い耐熱性(高いガラス転移温度)が求められるが、多量の添加剤を配合した環状オレフィン樹脂はガラス転移温度が大きく低下してしまい、耐熱性が損なわれてしまう問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、耐熱性を損なうことなく面内及び面外位相差を負の方向へ調整した光学フィルムを製造できる光学材料用樹脂組成物を提供することである。
負の位相差を発現する化合物としてスチレンが知られている。従って、特許文献1が開示するようなポリスチレン化合物を環状オレフィン樹脂に添加剤として加えることで、環状オレフィン樹脂に負の位相差を付与できるものと考えられる。しかしながら、スチレンは一般に環状オレフィン樹脂との相溶性が悪いため、ポリスチレン化合物及び環状オレフィン樹脂の組成物をフィルムとした場合、フィルムが白濁してしまい、透明性が損なわれてしまう問題があった。また、特許文献2が開示するポリエステル化合物にも位相差低減効果が確認されているが、ポリエステル化合物では、多量に添加すると得られるフィルムの耐熱性(ガラス転移温度)が著しく低下し、フィルムの乾燥工程及び/又はアニール工程での熱によってフィルムが収縮してしまう問題があった。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、スチレン−アクリル共重合体又はスチレン−マレイミド共重合体と環状オレフィン樹脂を含む光学材料用樹脂組成物であって、前記スチレン−アクリル共重合体又はスチレン−マレイミド共重合体のガラス転移温度が特定の条件を満たす光学材料用樹脂組成物であれば、耐熱性を損なうことなく面内及び面外位相差を負の方向へ調整した光学フィルムが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、環状オレフィン樹脂と、スチレン−アクリル共重合体又はスチレン−マレイミド共重合体であるスチレン共重合体とを含む光学材料用樹脂組成物であって、前記環状オレフィン樹脂のガラス転移温度をTgとし、前記スチレン共重合体のガラス転移温度をTgとしたとき、Tg−5≦Tgを満たす光学材料用樹脂組成物に関するものである。
本発明により、耐熱性を損なうことなく面内及び面外位相差を負の方向へ調整した光学フィルムを製造できる光学材料用樹脂組成物が提供できる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を損なわない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。
本願明細書において「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタクリル酸の一方又は両方をいう。
[光学材料用樹脂組成物]
本発明の光学材料用樹脂組成物は、環状オレフィン樹脂と、スチレン−アクリル共重合体又はスチレン−マレイミド共重合体であるスチレン共重合体とを含み、前記環状オレフィン樹脂のガラス転移温度をTgとし、前記スチレン共重合体のガラス転移温度をTgとしたとき、Tg−5≦Tgを満たす。
スチレン樹脂は負の複屈折を有しており、スチレン樹脂を含む環状オレフィン樹脂組成物から得られる延伸フィルムは負の位相差を示すことができる。しかしながら、スチレン樹脂のガラス転移温度が環状オレフィン樹脂のガラス転移温度よりもかなり低い場合においては、当該環状オレフィン樹脂及び当該スチレン樹脂を含む組成物からフィルム(未延伸)を作製し、当該未延伸フィルムを熱延伸する際に、スチレン樹脂にかかる応力が小さくなって、スチレン樹脂が十分に配向できないまま光学フィルムとなってしまうおそれがあった。
本発明の光学材料用樹脂組成物では、ガラス転移温度についてTg−5≦Tgを満たすスチレン−アクリル共重合体又はスチレン−マレイミド共重合体であるスチレン共重合体を用いることで、光学フィルム中でスチレン共重合体を十分に配向することができる。
以下、本発明の光学材料用樹脂組成物が含む各成分について説明する。
(環状オレフィン樹脂(A))
環状オレフィン樹脂(A)は、主鎖が炭素−炭素結合からなり、主鎖の少なくとも一部に環状炭化水素構造を有する高分子化合物であって、ノルボルネン、テトラシクロドデセン等の環状炭化水素構造中に少なくとも1つの重合性炭素−炭素不飽和結合を有する化合物(環状オレフィン)に由来する構造単位を有する高分子化合物である。
環状オレフィン樹脂(A)の構造は、特に制限はなく、鎖状、分岐状及び架橋状のいずれでもよいが、好ましくは直鎖状である。
環状オレフィン樹脂(A)は、例えば、環状オレフィンの付加(共)重合体又はその水素添加物(1)、環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物(2)、環状オレフィンの開環(共)重合体又はその水素添加物(3)に分類される。
前記環状オレフィンとしては、例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン;シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等の1環の環状オレフィン;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン等の2環の環状オレフィン;
トリシクロ[4.3.0.12.5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12.5]デカ−3−エン;トリシクロ[4.4.0.12.5]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0.12.5]ウンデカ−3,8−ジエン又はこれらの部分水素添加物(又はシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.0.12.5]ウンデカ−3−エン;5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン等の3環の環状オレフィン;
テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン(テトラシクロドデセン)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン等の4環の環状オレフィン;
8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン;テトラシクロ[7.4.13.6.01.9.02.7]テトラデカ−4,9,11,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[8.4.14.7.01.10.03.8]ペンタデカ−5,10,12,14−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−へキサヒドロアントラセン);ペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.02.7.13.6.110.13]−4−ペンタデセン;ヘプタシクロ[8.7.0.12.9.14.7.111.17.03.8.012.16]−5−エイコセン、ヘプタシクロ[8.7.0.12.9.03.8.14.7.012.17.113.16]−14−エイコセン;シクロペンタジエンの4量体等の多環の環状オレフィン等が挙げられる。
これらの環状オレフィンは、それぞれ1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
前記環状オレフィンと共重合可能なα−オレフィンの具体例としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−へキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−へキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素原子数2〜20のエチレン又はα−オレフィン等が挙げられる。
これらのα−オレフィンは、それぞれ1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのα−オレフィンの使用量は、例えば、前記環状オレフィンに対して、5〜200mol%の範囲である。
環状オレフィン又は環状オレフィンとα−オレフィンとの重合方法及び得られた重合体の水素添加方法に、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。
環状オレフィン樹脂(A)は、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミド基、エステル基、ヒドロキシル基等の極性基を有していてもよい。
環状オレフィン樹脂(A)が極性基を有することにより、アクリル樹脂フィルムやセルロースエステル樹脂フィルム等の他のフィルムと本発明の光学フィルムとが接着層を介して積層した積層フィルムを製造する際に、前記接着層との密着性が良好な光学フィルムが得られる。
極性基を有する環状オレフィン樹脂は、例えば、環状オレフィン樹脂(A)を製造した後、極性基を有する不飽和化合物をグラフト重合する、環状オレフィン樹脂(A)を製造する際に極性基を有する不飽和化合物を環状オレフィン樹脂の反応原料に含める等の方法により得ることができる。
前記極性基を有する不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、マレイン酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
環状オレフィン樹脂(A)に極性基を導入する場合における極性基の導入量は、アクリル樹脂フィルムやセルロースエステル樹脂フィルム等の他のフィルムと本発明の光学フィルムとが接着層を介して積層した積層フィルムを製造する際に、前記接着層との密着性が良好な光学フィルムが得られることから環状オレフィン樹脂(A)1kg当り0.1〜1molであることが好ましい。
環状オレフィン樹脂(A)は、下記式(A−1)〜(A−15)で表される繰り返し単位の少なくとも1種を含む樹脂であると好ましい。
Figure 2021080420
Figure 2021080420
環状オレフィン樹脂(A)の数平均分子量(Mn)は、強度に優れ、且つ、製造もしやすい光学フィルムが得られることから、5,000〜300,000が好ましく、10,000〜150,000がより好ましく、15,000〜150,000がさらに好ましい
本発明において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)はゲルパーミエージョンクロマトグラフィー(GPC)測定に基づきポリスチレン換算した値である。尚、GPCの測定条件は以下の通りである。
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製高速GPC装置「HLC−8320GPC」
カラム:東ソー株式会社製「TSK GURDCOLUMN SuperHZ−L」+東ソー株式会社製「TSK gel SuperHZM−M」+東ソー株式会社製「TSK gel SuperHZM−M」+東ソー株式会社製「TSK gel SuperHZ−2000」+東ソー株式会社製「TSK gel SuperHZ−2000」
検出器:RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「EcoSEC Data Analysis バージョン1.07」
カラム温度:40℃
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.35mL/分
測定試料:試料7.5mgを10mlのテトラヒドロフランに溶解し、得られた溶液をマイクロフィルターでろ過したものを測定試料とした。
試料注入量:20μl
標準試料:前記「HLC−8320GPC」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−300」
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
環状オレフィン樹脂(A)は市販品を用いることができ、当該市販品としては、APL5014DP、APL6011T、APL6013T、APL6015T、APL5514ML、APL6013T(以上、三井化学株式会社製);D5450、D4540、D4531、D4531F、D4532、D4520、F5023、F4520、G7810、RH5200、FX4727(以上、JSR株式会社製);ZEONEX K26R、ZEONEX K22R、ZEONEX E48R、ZEONEX E48R、ZEONEX F52R、ZEONEX F62R、ZEONEX 330R、ZEONEX 480R(以上、日本ゼオン株式会社製)等が挙げられる。
(スチレン共重合体(B))
スチレン共重合体(B)は、スチレン−アクリル共重合体又はスチレン−マレイミド共重合体であり、環状オレフィン樹脂(A)のガラス転移温度をTgとし、スチレン共重合体(B)のガラス転移温度をTgとしたとき、Tg−5≦Tgを満たす。
Tg−5≦Tgを満たすスチレン−アクリル共重合体又はスチレン−マレイミド共重合体を用いることで、光学フィルムを製造する際の熱延伸工程における熱の影響を最小限にし、得られる光学フィルム中においてスチレン−アクリル共重合体又はスチレン−マレイミド共重合体を十分に配向させることができる。
前記ガラス転移温度の測定方法は、実施例に記載の方法で測定する。
本発明の光学材料用樹脂組成物は、Tg−5≦Tgを満たすスチレン−アクリル共重合体及びTg−5≦Tgを満たすスチレン−マレイミド共重合体の少なくとも一方を含めばよく、Tg−5≦Tgを満たすスチレン−アクリル共重合体及びTg−5≦Tgを満たすスチレン−マレイミド共重合体の両方を含んでもよい。
スチレン共重合体(B)のガラス転移温度は好ましくは150℃以上であり、より好ましくは155℃以上である。スチレン共重合体(B)のガラス転移温度の上限は特に限定されないが、例えば250℃である。
スチレン共重合体(B)であるスチレン−アクリル共重合体又はスチレン−マレイミド共重合体の共重合形式は特に限定されず、ブロックであってもランダムであってもよい。
スチレン共重合体(B)であるスチレン−アクリル共重合体は、好ましくは脂環式炭化水素基を有するスチレン−アクリル共重合体である。同様に、スチレン共重合体(B)であるスチレン−マレイミド共重合体は、好ましくは脂環式炭化水素基を有するスチレン−マレイミド共重合体である。
スチレン共重合体(B)が脂環式炭化水素基を有することで、スチレン共重合体(B)自身のガラス転移温度を高めることができ、さらに環状オレフィン樹脂(A)に対する相溶性も高めることができる。
スチレン共重合体(B)であるスチレン−アクリル共重合体又はスチレン−マレイミド共重合体について、スチレン−アクリル共重合体は、好ましくは下記式(B−1)で表される繰り返し単位と下記式(B−2)で表される繰り返し単位を含む共重合体であり、スチレン−マレイミド共重合体は、好ましくは下記式(B−1)で表される繰り返し単位と下記式(B−3)で表される繰り返し単位を含む共重合体である。
Figure 2021080420
(前記式(B−1)中、
は、それぞれ独立に、水酸基、カルボキシル基、炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。
は、水素原子又はメチル基である。
nは0〜5の整数である。
前記式(B−2)中、
は、置換もしくは無置換の脂環式炭化水素基である。
は、水素原子又はメチル基である。
前記式(B−3)中、
Lは、直接結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基である。
は、置換もしくは無置換の脂環式炭化水素基である。)
前記式(B−1)で表される繰り返し単位について、繰り返し単位毎にR、R及びnがそれぞれ同じでもよいし、異なってもよい。
前記式(B−2)で表される繰り返し単位について、繰り返し単位毎にR及びRがそれぞれ同じでもよいし、異なってもよい。
前記式(B−3)で表される繰り返し単位について、繰り返し単位毎にR及びLがそれぞれ同じでもよいし、異なってもよい。
前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−2)で表される繰り返し単位を含むスチレン−アクリル共重合体において、式(B−1)で表される繰り返し単位および式(B−2)で表される繰り返し単位はいずれも主鎖となる部分にメチレン基を有する。当該メチレン基を有すると、ベンジル位の酸化によって主鎖の結合開裂が発生したとしても、開裂した化合物はベンゼン環との共役構造を取り得ないため、スチレン−アクリル共重合体(B−1)またはスチレン−マレイミド共重合体(B−2)自身が着色する傾向は少ない。よって、スチレン−アクリル共重合体(B−1)またはスチレン−マレイミド共重合体(B−2)を環状オレフィン樹脂に添加してフィルムにした際には無色なフィルムが得られる。
前記式(B−1)において、Rの炭素原子数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。
の炭素原子数1〜6のアルコキシ基としては、t−ブトキシ基、プロポキシ基、エトキシ基、メトキシ基等が挙げられる。
nは0であると好ましい。nが1以上の整数である場合は、Rは水酸基又は炭素数1〜6のアルキル基であると好ましい。
前記式(B−2)において、Rの脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。
の脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等が挙げられ、アダマンチル基、ノルボルニル基が好ましい。
の脂環式炭化水素基が置換基を有する場合、当該置換基としてはハロゲン原子、水酸基、炭素原子数1〜6のアルキル基、フェニル基等が挙げられる。
の置換もしくは無置換の脂環式炭化水素基は、好ましくは無置換の脂環式炭化水素基又は炭素原子数1〜6のアルキル基で置換された脂環式炭化水素基である。
前記式(B−3)において、Rの脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。
の脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等が挙げられ、シクロヘキシル基、アダマンチル基が好ましい。
Lの炭素原子数1〜6のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。
スチレン−アクリル共重合体が前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−2)で表される繰り返し単位を含むスチレン−アクリル共重合体である場合、前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−2)で表される繰り返し単位のモル比(式(B−1)/式(B−2))は、例えば99/1〜1/99であり、好ましくは90/10〜10/90であり、より好ましくは85/15〜15/85である。
スチレン−アクリル共重合体の前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−2)で表される繰り返し単位のモル比は、後述する反応原料の仕込み比より調整することができる。
スチレン−マレイミド共重合体が前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−3)で表される繰り返し単位を含むスチレン−マレイミド共重合体である場合、前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−3)で表される繰り返し単位のモル比(式(B−1)/式(B−3))は、例えば99/1〜1/99であり、好ましくは90/10〜10/90であり、より好ましくは85/15〜15/85である。
スチレン−マレイミド共重合体の前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−3)で表される繰り返し単位のモル比は、後述する反応原料の仕込み比より調整することができる。
スチレン−アクリル共重合体が前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−2)で表される繰り返し単位を含むスチレン−アクリル共重合体である場合、前記スチレン−アクリル共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記式(B−1)で表される繰り返し単位及び前記式(B−2)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでもよい。
前記式(B−1)で表される繰り返し単位及び前記式(B−2)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、前記式(B−3)で表される繰り返し単位、ビニル安息香酸誘導体に由来する繰り返し単位、下記式(B−4)で表される繰り返し単位等が挙げられる。
Figure 2021080420
(前記式(B−4)中、
は、炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル基である。
は、水素原子又はメチル基である。)
前記式(B−4)で表される繰り返し単位について、繰り返し単位毎にR及びRはそれぞれ異なってもよい。
前記式(B−4)において、Rの炭素原子数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。
前記式(B−4)において、Rの炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル基は、前記アルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基であり、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
スチレン−マレイミド共重合体が前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−3)で表される繰り返し単位を含むスチレン−マレイミド共重合体である場合、前記スチレン−マレイミド共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記式(B−1)で表される繰り返し単位及び前記式(B−3)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでもよい。
前記式(B−1)で表される繰り返し単位及び前記式(B−3)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、前記式(B−2)で表される繰り返し単位、ビニル安息香酸誘導体に由来する繰り返し単位、前記式(B−4)で表される繰り返し単位等が挙げられる。
前記ビニル安息香酸誘導体に由来する繰り返し単位とは、ビニル安息香酸もしくはビニル安息香酸誘導体のエチレン性二重結合が開裂した構成単位を意味し、当該ビニル安息香酸誘導体の具体例としてはp−ビニル安息香酸等が挙げられる。
スチレン−アクリル共重合体が前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−2)で表される繰り返し単位を含むスチレン−アクリル共重合体である場合、前記スチレン−アクリル共重合体は、前記式(B−1)で表される繰り返し単位及び前記式(B−2)で表される繰り返し単位が、スチレン−アクリル共重合体を構成する全構造単位の90モル%以上であると好ましく、93モル%以上であるとより好ましく、95モル%以上であるとさらに好ましい。スチレン−アクリル共重合体は、前記式(B−1)で表される繰り返し単位及び前記式(B−2)で表される繰り返し単位のみからなる共重合体であると特に好ましい。
スチレン−マレイミド共重合体が前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−3)で表される繰り返し単位を含むスチレン−マレイミド共重合体である場合、前記スチレン−マレイミド共重合体は、前記式(B−1)で表される繰り返し単位及び前記式(B−3)で表される繰り返し単位が、スチレン−マレイミド共重合体を構成する全構造単位の90モル%以上であると好ましく、93モル%以上であるとより好ましく、95モル%以上であるとさらに好ましい。スチレン−マレイミド共重合体は、前記式(B−1)で表される繰り返し単位及び前記式(B−3)で表される繰り返し単位のみからなる共重合体であると特に好ましい。
スチレン共重合体(B)の数平均分子量は、例えば1,000〜500,000の範囲であり、1,000〜100,000の範囲であると好ましく、1,000〜50,000の範囲であるとより好ましく、1,000〜10,000の範囲であるとさらに好ましい。
スチレン共重合体(B)の数平均分子量を上記範囲とすることで、環状オレフィン樹脂(A)に対する相溶性を確保することができる。
本発明の光学材料用樹脂組成物中のスチレン共重合体(B)の含有量は、環状オレフィン樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部であり、より好ましくは0.5〜40質量部であり、さらに好ましくは1〜30質量部であり、特に好ましくは1〜20質量部である。
尚、ここで「スチレン共重合体(B)の含有量」とは、スチレン−アクリル共重合体及びスチレン−マレイミド共重合体の合計量を意味する。
スチレン−アクリル共重合体が前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−2)で表される繰り返し単位を含むスチレン−アクリル共重合体である場合、前記スチレン−アクリル共重合体は、スチレン誘導体と置換もしくは無置換の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート誘導体とを反応原料に用いて重合することで製造することができる。
ここで「反応原料」とは、スチレン−アクリル共重合体を構成する原料を意味し、例えばスチレン−アクリル共重合体を製造する際に用いる触媒、溶媒等のスチレン−アクリル共重合体を構成しない成分は含まれない意味である。
スチレン−アクリル共重合体の製造に用いる前記スチレン誘導体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、カルボキシスチレン、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン等が挙げられる。
反応原料である前記スチレン誘導体は1種単独でもよく2種以上を併用してもよい。
スチレン−アクリル共重合体の製造に用いる前記脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート誘導体としては、例えば(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸シクロプロピル、(メタ)アクリル酸シクロブチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル等が挙げられる。
反応原料である前記脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート誘導体は1種単独でもよく2種以上を併用してもよい。
前記スチレン誘導体と前記脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート誘導体の仕込み比は特に限定されないが、モル比(スチレン誘導体/脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート誘導体)で、例えば99/1〜1/99であり、好ましくは90/10〜10/90であり、より好ましくは85/15〜15/85である。
スチレン−マレイミド共重合体が前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−3)で表される繰り返し単位を含むスチレン−マレイミド共重合体である場合、前記スチレン−マレイミド共重合体は、スチレン誘導体と置換もしくは無置換の脂環式炭化水素基を有するマレイミド誘導体とを反応原料に用いて重合することで製造することができる。
ここで「反応原料」とは、スチレン−マレイミド共重合体を構成する原料を意味し、例えばスチレン−マレイミド共重合体を製造する際に用いる触媒、溶媒等のスチレン−マレイミド共重合体を構成しない成分は含まれない意味である。
スチレン−マレイミド共重合体の製造に用いる前記スチレン誘導体としては、前記スチレン−アクリル共重合体の製造に用いるスチレン誘導体と同じものが挙げられる。
反応原料である前記スチレン誘導体は1種単独でもよく2種以上を併用してもよい。
スチレン−マレイミド共重合体の製造に用いる前記脂環式炭化水素基を有するマレイミド誘導体としては、例えばN−シクロヘキシルマレイミド、N−アダマンチルマレイミド、N−イソボルニルマレイミド等が挙げられる。
反応原料である前記脂環式炭化水素基を有するマレイミド誘導体は1種単独でもよく2種以上を併用してもよい。
前記スチレン誘導体と前記脂環式炭化水素基を有するマレイミド誘導体の仕込み比は特に限定されないが、モル比(スチレン誘導体/脂環式炭化水素基を有するマレイミド誘導体)で、例えば99/1〜1/99であり、好ましくは90/10〜10/90であり、より好ましくは85/15〜15/85である。
スチレン共重合体(B)の製造に用いる反応原料として、本発明の効果を損なわない範囲で、前記スチレン誘導体、前記脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート誘導体、及び前記脂環式炭化水素基を有するマレイミド誘導体以外のその他モノマーを用いてもよい。
前記その他モノマーとしては、例えばアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、パラビニル安息香酸、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。反応原料である前記その他モノマーは1種単独でもよく2種以上を併用してもよい。
重合方法としては、例えば、キャスト重合、塊状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、アニオン重合等の種々の重合方法を用いることができる。重合方法の中でも、塊状重合や溶液重合が、微小な異物の混入が少ない重合体が得られることから好ましい。溶液重合を行う場合には、原料の混合物をトルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素の溶媒に溶解して調製した溶液を用いることができる。塊状重合により重合させる場合には、通常行われるように加熱により生じる遊離ラジカルや電離性放射線照射により重合を開始させることができる。
前記重合に用いることができる開始剤としては、一般にラジカル重合において用いられる任意の開始剤を使用することができる。
前記開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物等が用いられる。90℃以上の高温下で重合をする場合には、溶液重合が一般的であるので、10時間半減期温度が80℃以上でかつ用いる有機溶媒に可溶である過酸化物、アゾビス開始剤等が好ましく、具体的には1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等を挙げることができる。これらの開始剤は通常0.005〜5質量%の範囲で用いられる。
前記重合をする際には、必要に応じて分子量調節剤を使用してもよい。
前記分子量調節剤は、一般的なラジカル重合において用いる任意のものが使用され、例えば、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル等のメルカプタン化合物が好ましいものとして挙げられる。これらの分子量調節剤は、分子量が上記の範囲内に制御されるような濃度範囲で添加するとよい。
スチレン−アクリル共重合体が、前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−2)で表される繰り返し単位を含むスチレン−アクリル共重合体である場合、前記スチレン−アクリル共重合体の前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−2)で表される繰り返し単位のモル比は、反応原料であるスチレン誘導体と脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート誘導体の仕込み量を調整することで制御できる。
スチレン−マレイミド共重合体が、前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−3)で表される繰り返し単位を含むスチレン−マレイミド共重合体である場合、前記スチレン−マレイミド共重合体の前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−3)で表される繰り返し単位のモル比は、反応原料であるスチレン誘導体と脂環式炭化水素基を有するマレイミド誘導体の仕込み量を調整することで制御できる。
スチレン−アクリル共重合体及びスチレン−マレイミド共重合体の数平均分子量は、開始剤と連鎖移動剤の種類及び使用量、並びに反応温度を調整することにより制御できる。
(ポリエステル樹脂(C))
本発明の光学材料用樹脂組成物は、さらにポリエステル樹脂(C)を含むと好ましい。
本発明の光学材料用樹脂組成物がさらにポリエステル樹脂(C)を含むことで、スチレン共重合体(B)の光学フィルム中での配向性をさらに高めることができる。
ポリエステル(C)としては、下記式(C1−1)で表される又は下記式(C1−2)で表されるポリエステル樹脂が好ましい。
Figure 2021080420
(前記式(C1−1)及び(C1−2)中、
11は、炭素原子数6〜12のアリールモノカルボン酸残基または炭素原子数1〜6の脂肪族モノカルボン酸残基を表す。
12は、炭素原子数1〜12の脂肪族モノアルコール残基を表す。
は、炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基または炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコール残基を表す。
は、炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。
m、nはそれぞれ括弧で括られた繰り返し単位数を表し、それぞれ0以上の整数である。
括弧で括られた繰り返し単位毎にA及びGはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。)
本発明において「カルボン酸残基」とは、カルボン酸が有するカルボキシル基を除いた残りの有機基を示すものである。尚、「カルボン酸残基」の炭素原子数については、カルボキシ基中の炭素原子は含まないものとする。
本発明において「アルコール残基」とは、アルコールから水酸基を除いた残りの有機基を示すものである。
本発明において「グリコール残基」とは、グリコールから水酸基を除いた残りの有機基を示すものである。
尚、前記式(C1−1)で表されるポリエステル樹脂において、m=0の場合は下記式(C1−1−1)で表されるジエステル化合物であり、前記式(C1−1)で表されるポリエステル樹脂は当該ジエステル化合物を含む意味である。
同様に、前記式(C1−2)で表されるポリエステル樹脂において、n=0の場合は下記式(C1−2−1)で表されるジエステル化合物であり、前記式(C1−2)で表されるポリエステル樹脂は当該ジエステル化合物を含む意味である。
Figure 2021080420
(前記式(C1−1−1)及び(C1−2−1)中、B11、B12、A及びGは、前記式(C1−1)及び(C1−2)のB11、B12、A及びGと同じである。)
以下、前記式(C1−1)で表されるポリエステル樹脂をポリエステル樹脂(C1−1)という場合があり、前記式(C1−2)で表されるポリエステル樹脂をポリエステル樹脂(C1−2)という場合がある。
また、ポリエステル樹脂(C1−1)及びポリエステル樹脂(C1−2)を総称してポリエステル樹脂(C1)という場合がある。
11の炭素原子数6〜12のアリールモノカルボン酸残基としては、例えば、安息香酸残基、ジメチル安息香酸残基、トリメチル安息香酸残基、テトラメチル安息香酸残基、エチル安息香酸残基、プロピル安息香酸残基、ブチル安息香酸残基、クミン酸残基、パラターシャリブチル安息香酸残基、オルソトルイル酸残基、メタトルイル酸残基、パラトルイル酸残基、エトキシ安息香酸残基、プロポキシ安息香酸残基、ナフトエ酸残基、アニス酸残基等が挙げられる。
11の炭素原子数1〜6の脂肪族モノカルボン酸残基としては、例えば、酢酸残基、プロピオン酸残基、ブタン酸残基、ヘキサン酸残基、シクロヘキサンカルボン酸残基等が挙げられる。
11としては、炭素原子数6〜10のアリールモノカルボン酸残基または炭素原子数2〜6の脂肪族モノカルボン酸残基が、耐透湿性に優れる光学フィルムが得られることから好ましく、安息香酸残基、パラトルイル酸残基及びシクロヘキサンカルボン酸残基からなる群から選ばれる一種以上の残基がより好ましい。
尚、前記式(C1−1)中の2つのB11は互いに同じでもよいし、異なってもよい。
12の炭素原子数1〜12の脂肪族モノアルコール残基としては、例えば、メタノール残基、エタノール残基、プロパノール残基、ブタノール残基、ヘプタノール残基、ヘキサノール残基、シクロヘキサノール残基、ヘプタノール残基、オクタノール残基、ノナノール残基、デカノール残基、ウンデカノール残基、ドデカノール残基等が挙げられる。
12としては、炭素原子数2〜10の脂肪族モノアルコール残基が、耐透湿性に優れる光学フィルムが得られることから好ましく、ブタノール残基またはシクロヘキサノール残基がより好ましい。
尚、前記式(C1−2)中の2つのB12は互いに同じでもよいし、異なってもよい。
の炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸残基としては、例えば、コハク酸残基、マレイン酸残基、フマル酸残基、グルタール酸残基、アジピン酸残基、アゼライン酸残基、セバシン酸残基、ドデカンジカルボン酸残基、シクロヘキサンジカルボン酸残基、ヘキサヒドロフタル酸残基等が挙げられる。
の炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸残基としては、例えば、フタル酸残基、テレフタル酸残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸ジメチル残基、2,6−ナフタレンジカルボン酸残基、1,5−ナフタレンジカルボン酸残基、1,4−ナフタレンジカルボン酸残基、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル残基、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジメチル残基、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジメチル残基等が挙げられる。
は、好ましくは炭素原子数2〜6のアルキレンジカルボン酸残基または炭素原子数6〜8のアリールジカルボン酸残基であり、さらに好ましくはフタル酸残基、シクロヘキサンジカルボン酸残基、アジピン酸残基およびコハク酸残基からなる群から選ばれる1種以上の残基である。
の炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基としては、例えば、エチレングリコール残基、1,2−プロピレングリコール残基、1,3−プロピレングリコール残基、1,2−ブタンジオール残基、1,3−ブタンジオール残基、2−メチル−1,3−プロパンジオール残基、1,4−ブタンジオール残基、1,5−ペンタンジオール残基、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)残基、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)残基、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)残基、3−メチル−1,5−ペンタンジオール残基、1,6−ヘキサンジオール残基、シクロヘキサンジメタノール残基、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール残基、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール残基、2−メチル−1,8−オクタンジオール残基、1,9−ノナンジオール残基、1,10−デカンジオール残基、1,12−ドデカンジオール残基、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン残基(水添ビスフェノールA残基)等が挙げられる。これらのうち1,2−プロピレングリコール残基、1,3−プロピレングリコール残基、3−メチル−1,5−ペンタンジオール残基が好ましい。
の炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコール残基としては、例えば、ジエチレングリコール残基、トリエチレングリコール残基、テトラエチレングリコール残基、ジプロピレングリコール残基、トリプロピレングリコール残基等が挙げられる。
としては、炭素原子数2〜6のアルキレングリコール残基、シクロヘキサンジメタノール残基および水添ビスフェノールA残基 からなる群から選ばれる一種以上の残基が、耐透湿性に優れる光学フィルムが得られることから好ましい。炭素原子数2〜6のアルキレングリコール残基の中でも、エチレングリコール残基、プロピレングリコール残基がより好ましい。
m及びnの上限は、特に限定されないが例えばそれぞれ15である。
ポリエステル樹脂(C1−1)又は(C1−2)は、通常、前記式(C1−1)中のmが互いに異なるポリエステル樹脂の混合物、及び/又は、前記式(C1−2)中のnが互いに異なるポリエステル樹脂の混合物として本発明の光学材料用樹脂組成物に含まれる。このとき、mの平均値は例えば0〜9であり、nの平均値は例えば0〜9である。
尚、m及びnの平均値はポリエステル樹脂(C1−1)又は(C1−2)の数平均分子量から確認できる。
ポリエステル樹脂(C1)の数平均分子量(Mn)は、例えば200〜2000である。
ポリエステル樹脂(C1)の酸価としては、環状オレフィン樹脂(A)の分解を起こすことなく、強度が十分な光学フィルムが得られることから5以下が好ましく、1以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂(C1)の水酸基価は、フィルム化する際の熱に対する安定性に優れる光学材料用樹脂組成物が得られることから50以下が好ましく、20以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂(C1)の酸価及び水酸基価は実施例に記載の方法にて確認する。
ポリエステル樹脂(C1)の性状は、数平均分子量や組成などによって異なるが、通常、常温にて液体、固体、ペースト状などである。
ポリエステル樹脂(C)としては、下記式(C2−1)で表される又は下記式(C2−2)で表されるポリエステル樹脂が好ましい。
前記式(C2−1)で表されるポリエステル樹脂及び前記式(C2−2)で表されるポリエステル樹脂は、いずれもポリオキシアルキレングリコール残基を含むポリエステル樹脂である。
Figure 2021080420
(前記式(C2−1)及び(C2−2)中、
21は、炭素原子数6〜12のアリールモノカルボン酸残基又は炭素原子数1〜12の脂肪族モノカルボン酸残基を表す。
22は、炭素原子数1〜12の脂肪族モノアルコール残基を表す。
は、ポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基又は炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基を表し、Gの少なくとも1つは前記ポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基である。
は、炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。
m及びnはそれぞれ括弧で括られた繰り返し単位数を表し、mは0以上の整数であり、nは1以上の整数である。
括弧で括られた繰り返し単位毎にA及びGはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。)
2つのB21は、互いに同じでもよいし、異なってもよい。
2つのB22は、互いに同じでもよいし、異なってもよい。
が2つ以上ある場合、2つ以上のAは、互いに同じでもよいし、異なってもよい。
が2つ以上ある場合、2つ以上のGは、互いに同じでもよいし、異なってもよい。ここでGが2つ以上の場合、2つ以上のGのうち少なくとも1つはポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基である。Gが1つのみの場合は、Gはポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基である。
尚、前記式(C2−1)で表されるポリエステル樹脂において、m=0の場合は下記式(C2−1−1)で表されるジエステル化合物であり、前記式(C2−1)で表されるポリエステル樹脂ポリエステル樹脂は当該ジエステル化合物を含む意味である。
Figure 2021080420
(前記式(C2−1−1)中、B21及びGは前記式(C2−1)のB21及びGとそれぞれ同じである。)
以下、前記式(C2−1)で表されるポリエステル樹脂をポリエステル樹脂(C2−1)という場合があり、前記式(C2−2)で表されるポリエステル樹脂をポリエステル樹脂(C2−2)という場合がある。
また、ポリエステル樹脂(C2−1)及びポリエステル樹脂(C2−2)を総称してポリエステル樹脂(C2)という場合がある。
21の炭素原子数6〜12のアリールモノカルボン酸残基としては、例えば、安息香酸残基、ジメチル安息香酸残基、トリメチル安息香酸残基、テトラメチル安息香酸残基、エチル安息香酸残基、プロピル安息香酸残基、ブチル安息香酸残基、クミン酸残基、パラターシャリブチル安息香酸残基、オルソトルイル酸残基、メタトルイル酸残基、パラトルイル酸残基、エトキシ安息香酸残基、プロポキシ安息香酸残基、ナフトエ酸残基、アニス酸残基等が挙げられる。
21の炭素原子数1〜12の脂肪族モノカルボン酸残基において、当該脂肪族モノカルボン酸残基は、脂環式モノカルボン酸残基も含む意味である。
21の炭素原子数1〜12の脂肪族モノカルボン酸残基としては、例えば、酢酸残基、プロピオン酸残基、ブタン酸残基、ヘキサン酸残基、シクロヘキサンカルボン酸残基、オクタン酸残基、2−エチルヘキサン酸残基、ノナン酸残基、イソノナン酸残基、デカン酸残基、ドデカン酸残基(ラウリン酸残基)等が挙げられる。
21は、好ましくは炭素原子数6〜10のアリールモノカルボン酸残基又は炭素数6〜12の脂環式モノカルボン酸残基であり、より好ましくは安息香酸残基、パラトルイル酸残基、シクロヘキサンカルボン酸残基である。
21が上記であることで相溶性と耐透湿性に優れる光学フィルムとすることができる。
尚、前記式(C2−1)中の2つのB21は互いに同じでもよいし、異なってもよい。
22の炭素原子数1〜12の脂肪族モノアルコール残基としては、例えば、メタノール残基、エタノール残基、プロパノール残基、ブタノール残基、ヘプタノール残基、ヘキサノール残基、シクロヘキサノール残基、2−エチルヘキサノール残基、ヘプタノール残基、オクタノール残基、ノナノール残基、デカノール残基、ウンデカノール残基、ドデカノール残基、イソノニルアルコール残基等が挙げられる。
22は、好ましくは炭素原子数2〜10の脂肪族モノアルコール残基であり、より好ましくはブタノール残基、シクロヘキサノール残基、2−エチルヘキサノール残基、n−オクタノール残基、イソノニルアルコール残基である。
22が上記であることで、製造が容易であり、相溶性と耐透湿性に優れる光学フィルムとすることができる。
尚、前記式(C2−2)中の2つのB22は互いに同じでもよいし、異なってもよい。
のポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基は、例えば下記式(Z−1)で表される構造を含む有機基であり、好ましくは下記式(Z−1)で表される有機基であり、より好ましくはポリエチレングリコール残基、ポリプロピレングリコール残基、ポリテトラメチレングリコール残基、ポリテトラメチレンエーテルグリコール残基又はポリネオペンチルグリコール残基である。
尚、前記式(Z−1)で表されるポリオキシアルキレングリコール残基を構成する炭素の合計数は13以上であると好ましい。
Figure 2021080420
(前記式(Z−1)中、
11は炭素原子数1〜6のアルキレン基である。
xは繰り返し数であり、xは例えば4以上の整数であり、好ましくは5以上の整数であり、より好ましくは8以上の整数である。xの上限は例えば60である。
複数のR11はそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。)
のポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基は、2つのポリオキシアルキレン構造がエーテル結合を含む連結基で結合した有機基でもよく、当該有機基としては、例えば下記式(Z−2)で表される有機基である。
Figure 2021080420
(前記式(Z−2)中、
11はそれぞれ独立に炭素原子数1〜6のアルキレン基である。
p及びqはそれぞれ括弧で括られた繰り返し単位数を表し、p及びqはそれぞれ独立に2以上の整数である。
Xはアルキレン基及びアリーレン基からなる群から選択される1種以上が連結した連結基である。
複数のR11はそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。)
前記式(Z−2)において、Xのアルキレン基は例えば炭素数1〜6のアルキレン基であり、Yのアリーレン基は例えばフェニレン基である。
前記式(Z−2)で表される有機基の具体例としては、ネオペンチルグリコールの水酸基に対してテトラヒドロフランを開環付加させたジオールの残基、ビスフェノールAにエチレンオキサイドを付加したジオールの残基等が挙げられる。
Figure 2021080420
の炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基としては、例えば、エチレングリコール残基、1,2−プロピレングリコール残基、1,3−プロピレングリコール残基、1,2−ブタンジオール残基、1,3−ブタンジオール残基、2−メチル−1,3−プロパンジオール残基、1,4−ブタンジオール残基、1,5−ペンタンジオール残基、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)残基、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)残基、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)残基、3−メチル−1,5−ペンタンジオール残基、1,6−ヘキサンジオール残基、シクロヘキサンジメタノール残基、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール残基、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール残基、2−メチル−1,8−オクタンジオール残基、1,9−ノナンジオール残基、1,10−デカンジオール残基、1,12−ドデカンジオール残基、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン残基(水添ビスフェノールA残基)等が挙げられる。これらのうち3−メチル−1,5−ペンタンジオール残基が好ましい。
ポリエステル樹脂(C2−1)又は(C2−2)が、グリコール残基としてポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基及び炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基の両方を含む場合、ポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基及び炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基の存在比(モル比)は、例えばポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基:炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基=10〜100:90〜0であり、好ましくは50〜100:50〜0である。
の炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸残基としては、例えば、コハク酸残基、マレイン酸残基、フマル酸残基、グルタール酸残基、アジピン酸残基、アゼライン酸残基、セバシン酸残基、ドデカンジカルボン酸残基、シクロヘキサンジカルボン酸残基、ヘキサヒドロフタル酸残基等が挙げられる。
の炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸残基としては、例えば、フタル酸残基、テレフタル酸残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸ジメチル残基、2,6−ナフタレンジカルボン酸残基、1,5−ナフタレンジカルボン酸残基、1,4−ナフタレンジカルボン酸残基、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル残基、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジメチル残基、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジメチル残基等が挙げられる。
は、好ましくは炭素原子数7〜12のアルキレンジカルボン酸残基であり、より好ましくはヘキサヒドロフタル酸残基、セバシン酸残基である。
を炭素原子数7〜12のアルキレンジカルボン酸残基とすることでポリエステル樹脂の運動性を高めることができ、Rth低減効果が期待できる。
m及びnの上限は、特に限定されないが例えばそれぞれ15である。
ポリエステル樹脂(C2−1)又は(C2−2)は、通常、前記式(C2−1)中のmが互いに異なるポリエステル樹脂の混合物、及び/又は、前記式(C2−2)中のnが互いに異なるポリエステル樹脂の混合物として本発明の光学材料用樹脂組成物に含まれる。このとき、mの平均値は例えば0〜9であり、nの平均値は例えば1〜9である。
尚、m及びnの平均値はポリエステル(C2−1)及び(C2−2)のそれぞれの数平均分子量から確認できる。
ポリエステル樹脂(C2)の数平均分子量(Mn)は、例えば300〜3000であり、好ましくは400〜2000であり、より好ましくは500〜1500である。
ポリエステル樹脂(C2)の数平均分子量(Mn)が上記範囲にあることで、ポリエステル中にポリエーテル鎖を含むことができることから、Rth低減効果に優れ、かつ、環状オレフィン樹脂との相溶性に優れ、得られる光学フィルムの透明性を維持することできる。
ポリエステル樹脂(C2)の酸価としては、環状オレフィン樹脂(A)の分解を起こすことなく、強度が十分な光学フィルムが得られることから5以下が好ましく、2以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂(C2)の水酸基価は、フィルム化する際の熱に対する安定性に優れる光学材料用樹脂組成物が得られることから50以下が好ましく、35以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂(C2)の酸価及び水酸基価は実施例に記載の方法にて確認する。
ポリエステル樹脂(C2)の性状は、数平均分子量や組成などによって異なるが、通常、常温にて液体、固体、ペースト状などである。
ポリエステル樹脂(C)としては、下記式(C3)で表されるポリエステル樹脂が好ましい。当該式(C3)で表されるポリエステルは、末端が炭素原子数8〜21の脂肪族モノカルボン酸で封止されたポリエステル樹脂である。
Figure 2021080420
(前記式(C3)中、
31は、炭素原子数7〜20の脂肪族モノカルボン酸残基を表す。
は、炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基、炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコール残基、又はポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基を表す。
は、炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸残基又は炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。
mは括弧で括られた繰り返し単位数を表し、mは0以上の整数である。
括弧で括られた繰り返し単位毎にA及びGはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。)
2つのB31は、互いに同じでもよいし、異なってもよい。
が2つ以上ある場合、2つ以上のAは、互いに同じでもよいし、異なってもよい。
が2つ以上ある場合、2つ以上のGは、互いに同じでもよいし、異なってもよい。
前記式(C3)で表されるポリエステル樹脂において、m=0の場合は下記式(C3−1)で表されるジエステル化合物であり、前記式(C3)で表されるポリエステル樹脂は当該ジエステル化合物を含む意味である。
Figure 2021080420
(前記式(C3−1)中、B31及びGは前記式(C3)のB31及びGとそれぞれ同じである。)
以下、前記式(C3)で表されるポリエステル樹脂をポリエステル樹脂(C3)という場合がある。
31の炭素原子数7〜20の脂肪族モノカルボン酸残基としては、例えばカプリル酸残基、カプリン酸残基、ラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、ペンタデシル酸残基、パルチミン酸残基、マルガリン酸残基、ステアリン酸残基、アラキジン酸残基等が挙げられる。
31は、好ましくは炭素数11〜17の脂肪族モノカルボン酸残基であり、より好ましくはラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルチミン酸残基又はステアリン酸残基である。
式(C3)で表されるポリエステル樹脂の2つのB31のうち、少なくとも1つが炭素数11〜17の脂肪族モノカルボン酸残基であることでポリエステル樹脂の運動性を高めることができる。
尚、前記式(C3)中の2つのB31は互いに同じでもよいし、異なってもよい。
の炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸残基としては、例えば、コハク酸残基、マレイン酸残基、フマル酸残基、グルタール酸残基、アジピン酸残基、アゼライン酸残基、セバシン酸残基、ドデカンジカルボン酸残基、シクロヘキサンジカルボン酸残基、ヘキサヒドロフタル酸残基等が挙げられる。
の炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸残基としては、例えば、フタル酸残基、テレフタル酸残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸ジメチル残基、2,6−ナフタレンジカルボン酸残基、1,5−ナフタレンジカルボン酸残基、1,4−ナフタレンジカルボン酸残基、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル残基、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジメチル残基、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジメチル残基等が挙げられる。
は、好ましくは炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基であり、より好ましくは炭素原子数7〜12のアルキレンジカルボン酸残基であり、さらに好ましくは炭素原子数8〜12のアルキレンジカルボン酸残基であり、特に好ましくはアゼライン酸残基、セバシン酸残基、ドデカン二酸残基である。
を上記とすることでポリエステル樹脂(C3)の運動性を高めることができる。
の炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基としては、例えば、エチレングリコール残基、1,2−プロピレングリコール残基、1,3−プロピレングリコール残基、1,2−ブタンジオール残基、1,3−ブタンジオール残基、2−メチル−1,3−プロパンジオール残基、1,4−ブタンジオール残基、1,5−ペンタンジオール残基、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)残基、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)残基、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)残基、3−メチル−1,5−ペンタンジオール残基、1,6−ヘキサンジオール残基、シクロヘキサンジメタノール残基、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール残基、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール残基、2−メチル−1,8−オクタンジオール残基、1,9−ノナンジオール残基、1,10−デカンジオール残基、1,12−ドデカンジオール残基、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン残基(水添ビスフェノールA残基)等が挙げられる。これらのうち1,2−プロピレングリコール残基、1,3−プロピレングリコール残基、3−メチル−1,5−ペンタンジオール残基が好ましい。
の炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコール残基としては、例えば、ジエチレングリコール残基、トリエチレングリコール残基、テトラエチレングリコール残基、ジプロピレングリコール残基、トリプロピレングリコール残基等が挙げられる。
のポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基は、例えば下記式(Z−1)で表される構造を含む有機基であり、好ましくは下記式(Z−1)で表される有機基であり、より好ましくはポリエチレングリコール残基、ポリプロピレングリコール残基、ポリテトラメチレングリコール残基、ポリテトラメチレンエーテルグリコール残基又はポリネオペンチルグリコール残基である。
尚、前記式(Z−1)で表されるポリオキシアルキレングリコール残基を構成する炭素の合計数は13以上であると好ましい。
Figure 2021080420
(前記式(Z−1)中、
11は炭素原子数1〜6のアルキレン基である。
xは繰り返し数であり、xは例えば4以上の整数であり、好ましくは5以上の整数であり、より好ましくは8以上の整数である。xの上限は例えば60である。
複数のR11はそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。)
のポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基は、2つのオキシアルキレン構造がエーテル結合を含む連結基で結合した有機基でもよく、当該有機基としては、例えば下記式(Z−2)で表される有機基である。
Figure 2021080420
(前記式(Z−2)中、
11はそれぞれ独立に炭素原子数1〜6のアルキレン基である。
p及びqはそれぞれ括弧で括られた繰り返し単位数を表し、p及びqはそれぞれ独立に2以上の整数である。
Xはアルキレン基及びアリーレン基からなる群から選択される1種以上が連結した連結基である。
複数のR11はそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。)
前記式(Z−2)において、Xのアルキレン基は例えば炭素数1〜6のアルキレン基であり、Yのアリーレン基は例えばフェニレン基である。
前記式(Z−2)で表される有機基の具体例としては、ネオペンチルグリコールの水酸基に対してテトラヒドロフランを開環付加させたジオールの残基、ビスフェノールAにエチレンオキサイドを付加したジオールの残基等が挙げられる。
Figure 2021080420
ポリエステル樹脂(C3)が含むポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基のポリオキシアルキレングリコール残基部分の分子量は好ましくは300〜2000である。
ポリオキシアルキレングリコール残基の分子量が上記範囲にあることで、ポリエステル樹脂(C3)は高い運動性によるRth低減効果が期待でき、かつ、環状オレフィン樹脂の透明性を維持しやすい。
前記式(C3)のmについて、mの上限は、特に限定されないが例えば15である。
ポリエステル樹脂(C3)は、通常、前記式(C3)中のmが互いに異なるポリエステル樹脂の混合物として本発明の光学材料用樹脂組成物に含まれる。このとき、mの平均値は例えば0〜9である。
mの平均値は、ポリエステル(C3)の数平均分子量から確認できる。
ポリエステル樹脂(C3)の数平均分子量(Mn)は、例えば300〜4000であり、好ましくは300〜3700であり、より好ましくは1000〜3600である。
ポリエステル樹脂(C3)の数平均分子量(Mn)が上記範囲にあることで、環状オレフィン樹脂との相溶性が十分得られ、得られる光学フィルムの透明性を確保することができる。
ポリエステル樹脂(C3)の酸価としては、環状オレフィン樹脂(A)の分解を起こすことなく、強度が十分な光学フィルムが得られることから5以下が好ましく、2以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂(C3)の水酸基価は、フィルム化する際の熱に対する安定性に優れる光学材料用樹脂組成物が得られることから50以下が好ましく、20以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂(C3)の酸価及び水酸基価は実施例に記載の方法にて確認する。
ポリエステル樹脂(C3)の性状は、数平均分子量や組成などによって異なるが、通常、常温にて液体、固体、ペースト状などである。
本発明の光学材料用樹脂組成物が含むポリエステル樹脂(C)としては、上述したポリエステル樹脂(C1−1)、ポリエステル樹脂(C1−2)、ポリエステル樹脂(C2−1)、ポリエステル樹脂(C2−2)及びポリエステル樹脂(C3)からなる群から選択される1種以上であると好ましく、ポリエステル樹脂(C2−1)、ポリエステル樹脂(C2−2)及びポリエステル樹脂(C3)からなる群から選択される1種以上であるとより好ましい。
本発明の光学材料用樹脂組成物におけるポリエステル樹脂(C)の含有量は、環状オレフィン樹脂(A)100質量部に対して、例えば0.01〜8質量部であり、好ましくは0.05〜5質量部であり、より好ましくは0.1〜5質量部であり、さらに好ましくは0.5〜5質量部であり、特に好ましくは0.5〜3質量部である。
ポリエステル樹脂(C)のうち、例えばポリエステル樹脂(C2)及びポリエステル樹脂(C3)は、少量の添加であっても十分な効果を発現することができ、得られる光学フィルムの耐熱性を損なうこと無く、スチレン共重合体(B)の配向性を高めることができる。
ポリエステル樹脂(C)は、例えばモノカルボン酸、モノアルコール、グリコール及びジカルボン酸から選択される1以上を反応原料として得られるものである。ここで反応原料とは、ポリエステル樹脂(C)を構成する原料という意味であり、ポリエステル樹脂(C)を構成しない溶媒や触媒を含まない意味である。
ポリエステル樹脂(C)の製造方法は特に限定されない。ポリエステル樹脂(C)は、公知の方法により製造することができ、下記の製造方法により製造することができる。
前記式(C1−1)、(C2−1)又は(C3)で表され、式中のmが1以上であるポリエステル樹脂(C)は、例えば、下記に示す方法で得ることができる。
方法1:ポリエステル樹脂の各残基を構成するモノカルボン酸、ジカルボン酸及びグリコールを一括で仕込み、これらを反応させる方法。
方法2:ポリエステル樹脂の各残基を構成するジカルボン酸とグリコールとを、水酸基の当量がカルボキシル基の当量よりも多くなる条件下で反応させて水酸基を主鎖の末端に有するポリエステル樹脂を得た後、得られたポリエステル樹脂とモノカルボン酸残基を構成するモノカルボン酸とを反応させる方法。
前記式(C1−2)又は(C2−2)で表され、式中のnが1以上であるポリエステル樹脂(C)は、例えば、下記に示す方法で得ることができる。
方法3:ポリエステル樹脂の各残基を構成するモノアルコール、ジカルボン酸及びグリコールを一括で仕込み、これらを反応させる方法。
方法4:ポリエステル樹脂の各残基を構成するジカルボン酸とグリコールとを、カルボキシル基の当量が水酸基の当量よりも多くなる条件下で反応させてカルボキシル基を主鎖の末端に有するポリエステル樹脂を得た後、得られたポリエステル樹脂とモノアルコール残基を構成するモノアルコールとを反応させる方法。
前記式(C1−1)、(C2−1)又は(C3)で表され、式中のmが0であるポリエステル樹脂は、例えば、下記に示す方法で得ることができる。
方法5:ポリエステル樹脂の各残基を構成するモノカルボン酸とグリコールとを水酸基の当量がカルボキシル基の当量よりも多くなるように仕込み、これらを反応させる方法。
前記式(C1−2)で表され、式中のnが0であるポリエステル樹脂は、例えば、下記に示す方法で得ることができる。
方法5:ポリエステル樹脂の各残基を構成するジカルボン酸とモノアルコールとをカルボキシル基の当量が水酸基基の当量よりも多くなるように仕込み、これらを反応させる方法。
ポリエステル樹脂(C3)は、例えば炭素原子数8〜21の脂肪族モノカルボン酸;炭素原子数2〜15のアルキレングリコール、炭素数原子数4〜12のオキシアルキレングリコール、及びポリオキシアルキレン構造を含むグリコールからなる群から選択される1種以上のグリコール;並びに炭素原子数4〜14のアルキレンジカルボン酸及び炭素原子数8〜14のアリールジカルボン酸からなる群から選択される1種以上のジカルボン酸を反応原料として得られるものである。
ポリエステル樹脂(C3)が、前記式(C3−1)で表されるジエステル化合物である場合は、例えば炭素原子数8〜21の脂肪族モノカルボン酸;並びに炭素原子数2〜15のアルキレングリコール、炭素数原子数4〜12のオキシアルキレングリコール、及びポリオキシアルキレン構造を含むグリコールからなる群から選択される1種以上のグリコールを反応原料として得られるものである。
ここで反応原料とは、ポリエステル樹脂(C3)を構成する原料という意味であり、ポリエステル樹脂(C−3)を構成しない溶媒や触媒を含まない意味である。
ポリエステル樹脂(C3)の製造に用いる脂肪族モノカルボン酸として、水添植物油脂肪酸を使用してもよい。当該水添植物油脂肪酸としては、水添ヤシ油脂肪酸、水添パーム核油脂肪酸、水添パーム油脂肪酸、水添オリーブ油脂肪酸、水添ヒマシ油脂肪酸、水添ナタネ油脂肪酸等が挙げられる。これらは、それぞれヤシ、パーム核、パーム、オリーブ、ヒマシ、ナタネから得られる油剤を水素添加して得られるものであり、いずれも炭素原子数8〜21の脂肪族モノカルボン酸を含む2種以上の長鎖脂肪族モノカルボン酸の混合物である。
尚、ポリエステル樹脂(C3)の製造に用いる脂肪族モノカルボン酸として、本発明の効果を損なわない範囲で水素添加をしていない上記植物油脂肪酸を用いてもよい。また、植物油脂肪酸は上記に限定されない。
ポリエステル樹脂(C3)の製造に用いる脂肪族モノカルボン酸として、上記水添植物油脂肪酸を使用する場合、得られるポリエステル樹脂(C3)は、2種以上の前記式(C3)で表されるポリエステル樹脂の混合物として得られる。
ポリエステル樹脂(C)の製造において、前記原料の反応は、必要に応じてエステル化触媒の存在下で、例えば180〜250℃の温度範囲内で10〜25時間エステル化反応させるとよい。
尚、エステル化反応の温度、時間などの条件は特に限定されず、適宜設定してよい。
前記エステル化触媒としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン系触媒;ジブチル錫オキサイド等のスズ系触媒;p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸系触媒などが挙げられる。
前記エステル化触媒の使用量は、適宜設定すればよいが、通常、原料の全量100質量部に対して、0.001〜0.1質量部の範囲で使用することが好ましい。
(その他成分)
本発明の光学材料用樹脂組成物は、環状オレフィン樹脂(A)、スチレン共重合体(B)及び任意にポリエステル樹脂(C)を含めばよく、これら成分以外のその他成分(任意の樹脂成分及び任意の添加剤)をさらに含んでもよい。
前記任意の樹脂成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂;及びフェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これら樹脂成分を1種単独で含んでもよいし、2種以上を含んでもよい。
前記任意の添加剤としては、例えば、無機充填剤、酸化鉄等の顔料;ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアロアミド等の滑剤;離型剤;パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン、ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤、りん系熱安定剤、ラクトン系熱安定剤、ビタミンE系熱安定剤等の酸化防止剤;ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾエート系光安定剤等の光安定剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤;難燃剤;帯電防止剤;有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属ウィスカ等の補強剤;着色剤、その他添加剤或いはこれらの混合物等が挙げられる。
本発明の光学材料用樹脂組成物は、例えば、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、99質量%以上、又は99.9質量%以上が、環状オレフィン樹脂(A)、スチレン−アクリル共重合体又はスチレン−マレイミド共重合体であるスチレン共重合体(B)、任意にポリエステル樹脂(C)、並びに溶剤であってもよい。
本発明の光学材料用樹脂組成物は、本質的に環状オレフィン樹脂(A)、スチレン共重合体(B)、任意にポリエステル樹脂(C)並びに溶剤からなってもよい。この場合、不可避不純物を含んでもよい。
また、本発明の光学材料用樹脂組成物は、環状オレフィン樹脂(A)、スチレン共重合体(B)、任意にポリエステル樹脂(C)並びに溶剤のみからなってもよい。
[光学フィルム]
本発明の光学フィルムは、本発明の光学材料用樹脂組成物を用いて得られる。
本発明の光学フィルムは、高い透明性と負の位相差の両方を示すことができる。また、本発明の光学材料用樹脂組成物を用いることで、例えば、製造途中の乾燥工程及びアニール工程の加熱によるフィルム収縮等も防ぐことができ、本発明の光学フィルムは耐熱性にも優れる。
本発明の光学フィルムは、負の面内レタデーション(Re)及び負の厚み方向レタデーション(Rth)を示すことができる。ここで、面内レタデーション(Re)と厚み方向レタデーション(Rth)は下記式により定義される。
Re =(nx−ny)×d
Rth=((nx+ny)/2)−nz)×d
(式中、nxは、光学フィルム面内において屈折率が最大となる方向をxとした場合のx方向の主屈折率である。
nyは、光学フィルム面内においてx方向に垂直な方向をyとした場合のy方向の主屈折率である。
nzは、光学フィルムの厚み方向の主屈折率である。
dは、光学フィルムの厚み(nm)である。)
本発明の光学フィルムは、例えば、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、99質量%以上、又は99.9質量%以上が、環状オレフィン樹脂(A)、スチレン共重合体(B)及び任意にポリエステル樹脂(C)であってもよい。
本発明の光学フィルムは、本質的に環状オレフィン樹脂(A)、スチレン共重合体(B)及び任意にポリエステル樹脂(C)からなってもよい。この場合、不可避不純物を含んでもよい。
また、本発明の光学フィルムは、環状オレフィン樹脂(A)、スチレン共重合体(B)及び任意にポリエステル樹脂(C)のみからなってもよい。
本発明の光学フィルムは、光学材料として、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイに用いられる偏光板保護フィルム、1/4波長板、1/2波長板、視野角制御フィルム、液晶光学補償フィルム等の位相差フィルム、ディスプレイ前面板、光反射防止部材、タッチパネルセンサーのベースフィルム等に好適に用いることができる。
本発明の光学フィルムの膜厚は、20〜120μmの範囲が好ましく、25〜100μmの範囲がより好ましく、25〜80μmの範囲が特に好ましい。
本発明の光学フィルムは、本発明の光学材料用樹脂組成物を用いることにより製造できる。
本発明の光学フィルムは、例えば、本発明の光学材料用樹脂組成物を用いて、押し出し成形、キャスト成形等の方法により未延伸フィルムを製造し、当該未延伸フィルムを延伸することにより得られる。
未延伸フィルムの製造方法としては、キャスト成形である溶液流延法(ソルベントキャスト法)が挙げられる。以下、溶液流延法について詳述する。
溶液流延法で得られる未延伸フィルムは、実質的に光学等方性を示す。前記光学等方性を示すフィルムは、例えば液晶ディスプレイ等の光学材料に使用することができ、中でも偏光板用保護フィルムに有用である。また、前記方法によって得られたフィルムは、その表面に凹凸が形成されにくく、表面平滑性に優れる。
前記溶液流延法は、例えば、環状オレフィン樹脂(A)とスチレン共重合体(B)と任意にポリエステル樹脂(C)とを溶剤中に溶解させ、得られた樹脂溶液を金属支持体上に流延させる第1工程と、流延させた前記樹脂溶液中に含まれる有機溶剤を留去し乾燥させてフィルムを形成する第2工程、それに続く、金属支持体上に形成されたフィルムを金属支持体から剥離し加熱乾燥させる第3工程からなる。
前記溶剤としては、特に限定されないが、例えばクロロホルム、二塩化メチレン、塩化メチレン等の溶媒を挙げることができる。
前記樹脂溶液中の環状オレフィン樹脂(A)の濃度は、10〜50質量%が好ましく、15〜35質量%がより好ましい。
前記第1工程で使用する金属支持体としては、無端ベルト状又はドラム状の金属製のもの等を例示でき、例えば、ステンレス製でその表面が鏡面仕上げの施されたものを使用することができる。
前記金属支持体上に樹脂溶液を流延させる際には、得られるフィルムに異物が混入することを防止するために、フィルターで濾過した樹脂溶液を使用することが好ましい。
前記第2工程の乾燥方法としては、特に限定しないが、例えば30〜50℃の温度範囲の風を前記金属支持体の上面及び/又は下面に当てることで、流延した前記樹脂溶液中に含まれる有機溶剤の50〜80質量%を蒸発させ、前記金属支持体上にフィルムを形成させる方法が挙げられる。
次いで、前記第3工程は、前記第2工程で形成されたフィルムを金属支持体上から剥離し、前記第2工程よりも高い温度条件下で加熱乾燥させる工程である。前記加熱乾燥方法としては、例えば100〜160℃の温度条件にて段階的に温度を上昇させる方法が、良好な寸法安定性を得ることができるため、好ましい。前記温度条件にて加熱乾燥することにより、前記第2工程後のフィルム中に残存する有機溶剤をほぼ完全に除去することができる。
尚、前記第1工程〜第3工程で、溶媒は回収し再使用することも可能である。
得られた未延伸フィルムを延伸することで本発明の光学フィルムが得られる。具体的には、機械的流れ方向に縦一軸延伸、又は機械的流れ方向に直行する方向に横一軸延伸することで本発明の光学フィルムを得ることができる。また、自由端一軸延伸によっても本発明の光学フィルムを得ることができる。自由端一軸延伸とは、一対の延伸ローラ間にはフィルムを支持したり接触したりする搬送ローラ、支持用平板、支持用ベルト等の部材がなく、フィルムが幅方向に自由に収縮・拡張できる状態で縦延伸することをいう。
また、得られた未延伸フィルムをロール延伸とテンター延伸の逐次2軸延伸法、テンター延伸による同時2軸延伸法、又はチューブラー延伸による2軸延伸法等によって二軸延伸することによっても本発明の光学フィルムを得ることができる。
延伸における延伸倍率は少なくともどちらか一方向に0.1%以上1000%以下であることが好ましく、0.2%以上600%以下であることがさらに好ましく、0.3%以上300%以下であることがさらに好ましい。延伸倍率を当該範囲とすることにより、複屈折、耐熱性、強度の観点で好ましい延伸された光学フィルムとすることができる。
本発明の光学フィルムの膜厚は、20〜120μmの範囲が好ましく、25〜100μmの範囲がより好ましく、25〜80μmの範囲が特に好ましい。
本発明の光学材料用樹脂組成物から得られる成形品は、光学フィルムに限定されず、光通信システム、光交換システム、光計測システムの分野において、導波路、レンズ、光ファイバー、光ファイバーの基材、被覆材料、LEDのレンズ、レンズカバー等にも用いることができる。
以下、実施例と比較例とにより、本発明を具体的に説明する。尚、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[スチレン共重合体の調製]
合成例1
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を付した内容量0.5Lの四つ口フラスコに、溶媒として酢酸ブチルを132g加え、窒素バブリングを行ってフラスコ内を窒素置換しながら110℃まで昇温した。昇温後、スチレン5.1g、1−アダマンチルメタクリレート(ADMA;大阪有機化学工業社製)38g、重合開始剤としてパーブチルO(日油株式会社製)1.1g、パーヘキサC(日油株式会社製)1.1g及びルペロックス575(アルケマ吉富社製)1.1gとを混合した溶液を4時間かけて滴下した。滴下後、110℃で4時間ほど反応を継続した。反応終了後、減圧処理を施すことで酢酸ブチルを除去し、常温白色固体であるスチレン−アクリル樹脂B−1を得た。
得られたスチレン−アクリル樹脂B−1の数平均分子量(Mn)を前記方法により評価したところ2,500であった。また、得られたスチレン−アクリル樹脂B−1のガラス転移温度を評価したところ、スチレン−アクリル樹脂B−1のガラス転移温度は181℃であった。
尚、得られたスチレン共重合体のガラス転移温度(Tg)は、差走査型熱量測定装置(DSC)(商品名:METTLER TOLEDO DSC3+、メトラートレド社製)を用いて、以下の手順で測定した。スチレン−アクリル樹脂もしくはスチレン−マレイミド樹脂約5mgをサンプル容器に入れ、窒素ガスを40mL/minで流しながら、25℃で1分間保持した。次いで、周期1min、温度振れ幅±0.7℃、平均昇温速度2℃/minの温度変調システムを用いて、25℃から200℃まで昇温した。この時観測される変曲点の変位の中点をガラス転移温度(Tg)(単位:℃)として算出した。
合成例2
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を付した内容量0.3Lの四つ口フラスコに、溶媒として酢酸ブチルを79g加え、窒素バブリングを行ってフラスコ内を窒素置換しながら110℃まで昇温した。昇温後、スチレン4g、2−フェニルプロペン5g、1−アダマンチルメタクリレート27g、重合開始剤としてパーブチルO 0.7g、パーヘキサC0.7g及びルペロックス575 0.7gとを混合した溶液を4時間かけて滴下した。滴下後、110℃で4時間ほど反応を継続した。反応終了後、減圧処理を施すことで酢酸ブチルを除去し、常温白色固体であるスチレン−アクリル樹脂B−2を得た。
得られたスチレン−アクリル樹脂B−2について合成例1と同様にして評価したところ、数平均分子量(Mn)は2,900であり、ガラス転移温度は162℃であった。
合成例3
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を付した内容量0.3Lの四つ口フラスコに、溶媒として酢酸ブチルを90g加え、窒素バブリングを行ってフラスコ内を窒素置換しながら110℃まで昇温した。昇温後、スチレン4g、2−フェニルプロペン5g、1−アダマンチルメタクリレート26g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)1g、重合開始剤パーブチルO 0.5g、パーヘキサC0.5g及びルペロックス575 0.5gとを混合した溶液を4時間かけて滴下した。滴下後、110℃で4時間ほど反応を継続した。反応終了後、減圧処理を施すことで酢酸ブチルを除去し、常温白色固体であるスチレン−アクリル樹脂B−3を得た。
得られたスチレン−アクリル樹脂B−3について合成例1と同様にして評価したところ、数平均分子量(Mn)は3,100であり、ガラス転移温度は160℃であった。
合成例4
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を付した内容量0.3Lの四つ口フラスコに、溶媒として酢酸ブチルを85g加え、窒素バブリングを行ってフラスコ内を窒素置換しながら110℃まで昇温した。昇温後、スチレン5g、2−フェニルプロペン6g、1−アダマンチルメタクリレート21g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1g、重合開始剤としてパーブチルO 0.4g、パーヘキサC0.4g及びルペロックス575 0.4gとを混合した溶液を4時間かけて滴下した。滴下後、110℃で4時間ほど反応を継続した。反応終了後、減圧処理を施すことで酢酸ブチルを除去し、常温白色固体であるスチレン−アクリル樹脂B−4を得た。
得られたスチレン−アクリル樹脂B−4について合成例1と同様にして評価したところ、数平均分子量(Mn)は4,100であり、ガラス転移温度は157℃であった。
合成例5
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を付した内容量0.5Lの四つ口フラスコに、溶媒として酢酸ブチルを85g加え、窒素バブリングを行ってフラスコ内を窒素置換しながら110℃まで昇温した。昇温後、スチレン26g、N−シクロヘキシルマレイミド45g、重合開始剤としてパーブチルO 2.1g、パーヘキサC2.1g、ルペロックス575 2.1g及び酢酸ブチル90gとを混合した溶液を4時間かけて滴下した。滴下後、110℃で4時間ほど反応を継続した。反応終了後、減圧処理を施すことで酢酸ブチルを除去し、常温白色固体であるスチレン−マレイミド樹脂B−5を得た。
得られたスチレン−マレイミド樹脂B−5について合成例1と同様にして評価したところ、数平均分子量(Mn)は5,200であり、ガラス転移温度は171℃であった。
合成例6
温度計、攪拌機、及び還流冷却器を付した内容量0.5Lの四つ口フラスコに、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を134g加え、窒素バブリングを行ってフラスコ内を窒素置換しながら110℃まで昇温した。昇温後、スチレン78g、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA、日立化成社製)55g、重合開始剤としてパーブチルO 2.5g、パーヘキサC2.5g及びルペロックス575 2.5gとを混合した溶液を4時間かけて滴下した。滴下後、110℃で4時間ほど反応を継続した。反応終了後、減圧処理を施すことでプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去し、常温白色固体であるスチレン−アクリル樹脂B−6を得た。
得られたスチレン−アクリル樹脂B−6について合成例1と同様にして評価したところ、数平均分子量(Mn)は6,400であり、ガラス転移温度は101℃であった。
[(ポリ)エステルの調製]
合成例7
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を付した内容積3リットルの四つ口フラスコに、アジピン酸を526g、プロピレングリコールを648g、安息香酸を977g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.130gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温し、合計19時間縮合反応させた。反応後に未反応のプロピレングリコールを減圧除去することで、常温高粘度液体であるエステル化合物C−1を得た。
得られたエステル化合物C−1について合成例1と同様にして数平均分子量を評価したところ、数平均分子量(Mn)は470であった。また、得られたエステル化合物C−1について、JIS K 0070−1992に準じた方法により酸価及び水酸基価を評価したところ酸価は0.2、水酸基価は10であった。
合成例8
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を付した内容積3リットルの四つ口フラスコに、セバシン酸202g、3−メチル−1,5−ペンタンジオール83g、ポリエチレングリコール(分子量400)560g、シクロヘキサンモノカルボン酸256g及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.066gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温し、合計25時間縮合反応させた。反応後に未反応のプロピレングリコールを減圧除去することで、常温高粘度液体であるエステル化合物C−2を得た。
得られたエステル化合物C−2について合成例1と同様にして数平均分子量を評価したところ、数平均分子量(Mn)は970であった。また、得られたエステル化合物C−2について、合成例7と同様にして酸価及び水酸基価を評価したところ酸価は1.2、水酸基価は31であった。
合成例9
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を付した内容積3リットルの四つ口フラスコに、セバシン酸を808g、1,2−プロパンジオールを380g、水添ヤシ油脂肪酸(新日本理化株式会社製)を410g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.1gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温し、合計19時間縮合反応させた。反応後に未反応のプロピレングリコールを減圧除去することで、常温高粘度液体であるエステル化合物C−3を得た。
得られたエステル化合物C−3について合成例1と同様にして数平均分子量を評価したところ、数平均分子量(Mn)は1,800であった。また、得られたエステル化合物C−3について、合成例7と同様にして酸価及び水酸基価を評価したところ酸価は1.0、水酸基価は14であった。
[光学材料用樹脂組成物の調製と評価]
実施例1
市販の環状オレフィン樹脂であるシクロオレフィン樹脂A(株式会社JSR製のノルボルネン樹脂:F5023)を100質量部、スチレン−アクリル樹脂B−1を5質量部、メチレンクロライドを390質量部、メタノールを10質量部を加えて溶解し、ドープ液を得た。
得られたドープ液をガラス板上に流延し、溶媒を留去(乾燥)することで膜厚約80μmのフィルムを得た。得られた未延伸フィルムの透明性及び耐熱性を下記の方法に従って評価した。結果を表1に示す。
尚、シクロオレフィン樹脂Aについて、別途そのガラス転移温度を合成例1と同様に評価したところ158℃であった。
(未延伸フィルムの透明性)
得られたフィルムを打ち抜き機で打ち抜いて40mm角の試験片とし、この試験片についてHAZEメーターNDH−5000(日本電色工業製)にて、HAZE値の測定を行った。
尚、HAZE値は小さいほど、透明性に優れることを示す。
(未延伸フィルムの耐熱性)
得られたフィルムについて、示差走査熱量計(DSC)装置(株式会社パーキンエルマー製)により測定したチャートから、中点法にてガラス転移温度を評価した。当該ガラス転移温度の測定は、昇温速度を10℃/分、測定温度範囲を23℃(室温)〜220℃の条件で行った。
未延伸フィルムを下記の方法と条件で自由端一軸延伸を行い、延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの光学特性及び透明性を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
(熱延伸の方法と条件1;自由端一軸延伸)
未延伸フィルムを打ち抜き機で打ち抜いて幅20mm及び長さ25mmの試験片とし、熱延伸機(ユニオプト株式会社製)を用いて、下記条件にて自由端一軸延伸を行い、延伸温度が異なる3つの評価試験片を製造した。尚、製造時に延伸フィルムにかかった応力も別途、熱延伸機に備え付けのソフトから読み取った。
倍率:1.3倍
速度:100%/min
温度:未延伸フィルムのTgを基準にし、Tg(℃)、Tg+5(℃)及びTg+10(℃)の3点
(延伸フィルムの光学特性の測定方法)
製造した3つの評価試験片について、それぞれ23℃かつ相対湿度55%で1時間以上静置し、複屈折測定装置(KOBRA−WR,王子計測器(株)製)を用いて波長590nmにおける面内位相差(Re値)および面外位相差(Rth値)を測定した。
3つの評価試験片の評価結果について、横軸に延伸終了時に延伸フィルムにかかった応力、縦軸に面内位相差(Re値)又は面外位相差(Rth値)を取って評価結果をプロットした。3つのプロットの2点間をそれぞれ直線で結んで、延伸終了時において延伸フィルムにかかる応力値が4MPaとなるときの面内位相差(Re値)および面外位相差(Rth値)を読み取り、延伸フィルムの面内位相差(Re値)および面外位相差(Rth値)とした。
(延伸フィルムの透明性)
得られた延伸フィルムをHAZEメーターNDH−5000(日本電色工業製)にて、HAZE値の測定を行った。
尚、HAZE値は小さいほど、透明性に優れることを示す。
実施例2−18及び比較例1−6
シクロオレフィン樹脂Aと、合成例で製造したスチレン−アクリル樹脂又はスチレン−マレイミド樹脂と、ポリエステル樹脂とを表1−3に示す配合割合で配合し、実施例1と同様にしてフィルム及び延伸フィルムを製造し評価した。結果を表1−3に示す。
Figure 2021080420
Figure 2021080420
Figure 2021080420
実施例19−25及び比較例7−12
シクロオレフィン樹脂Aと、合成例で製造したスチレン−アクリル樹脂又はスチレン−マレイミド樹脂と、ポリエステル樹脂とを表4−5に示す配合割合で配合し、実施例1と同様にして未延伸フィルムを製造し評価した。結果を表4−5に示す。
また、製造した未延伸フィルムを下記条件で二軸延伸をして延伸フィルムを製造した。得られた延伸フィルムを23℃かつ相対湿度55%で1時間以上静置し、複屈折測定装置(KOBRA−WR,王子計測器(株)製)を用いて波長590nmにおける面内位相差(Re値)および面外位相差(Rth値)を測定した。また、実施例1と同様にして延伸フィルムの透明性を評価した。結果を表4−5に示す。
(熱延伸の方法と条件2;二軸延伸)
未延伸フィルムを50mm四方型に切り抜き、二軸熱延伸機(井元製作所製)を用いて、下記条件にて同時二軸延伸を行った。
倍率:縦横ともに1.3倍
速度:縦横ともに100%/min
温度:未延伸フィルムのTg+5(℃)
Figure 2021080420
Figure 2021080420
(延伸フィルム中のスチレン共重合体の配向度)
実施例3、5、12、13、15及び16、並びに比較例2の延伸フィルムについて、別途、スチレン共重体の配向度を、下記に示す偏光板を用いたFT−IR測定で評価した。結果を表6に示す。
円二色性赤外偏光分光測定装置(Nicolet iS10;サーモフィッシャー製)を用いて、延伸フィルム中のスチレン−アクリル共重合体あるいはスチレン−マレイミド共重合体中のフェニル基の炭素−水素結合の面外変角に対応するピーク(702cm−1)について、延伸方向に対して平行方向(0°)と垂直方向(90°)の吸光度を測定し、下記式を用いてスチレン共重合体の配向度を算出した。
Figure 2021080420
D:赤外二色比(吸光度(0°)/吸光度(90°))
:完全配向時の赤外二色比,2cot2(α)
α:分子鎖軸に対する結合(遷移)モーメント角
Figure 2021080420
配向度Fは、分子がある一定方向に並んでいる度合いを示す指標であり、配向度の値が高いほど、より多くの分子が一定方向に並んでいることを示す。表6の結果から、ポリエステル樹脂を併用した延伸フィルムは、ポリエステル樹脂を併用していない延伸フィルムに比べて、スチレン共重合体の配向度が向上していることが確認できる。
ポリエステル樹脂を併用した延伸フィルムは、ポリエステル樹脂を併用していない延伸フィルムに比べてRthを低くできていることから、ポリエステル樹脂によってスチレン共重合体の配向度を向上させることができ、これによって低Rth化できていると読み取れる。

Claims (21)

  1. 環状オレフィン樹脂と、スチレン−アクリル共重合体又はスチレン−マレイミド共重合体であるスチレン共重合体とを含む光学材料用樹脂組成物であって、
    前記環状オレフィン樹脂のガラス転移温度をTgとし、前記スチレン共重合体のガラス転移温度をTgとしたとき、Tg−5≦Tgを満たす光学材料用樹脂組成物。
  2. 前記スチレン共重合体のガラス転移温度Tgが150℃以上である請求項1記載の光学材料用樹脂組成物。
  3. 前記スチレン−アクリル共重合体が脂環式炭化水素基を有するスチレン−アクリル共重合体であり、前記スチレン−マレイミド共重合体が脂環式炭化水素基を有するスチレン−マレイミド共重合体である請求項1記載の光学材料用樹脂組成物
  4. 前記スチレン−アクリル共重合体が下記式(B−1)で表される繰り返し単位と下記式(B−2)で表される繰り返し単位を含む共重合体であり、前記スチレン−マレイミド共重合体が下記式(B−1)で表される繰り返し単位と下記式(B−3)で表される繰り返し単位を含む共重合体である請求項1記載の光学材料用樹脂組成物。
    Figure 2021080420
    (前記式(B−1)中、
    は、それぞれ独立に、水酸基、カルボキシル基、炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。
    は、水素原子又はメチル基である。
    nは0〜5の整数である。
    前記式(B−2)中、
    は、置換もしくは無置換の脂環式炭化水素基である。
    は、水素原子又はメチル基である。
    前記式(B−3)中、
    Lは、直接結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基である。
    は、置換もしくは無置換の脂環式炭化水素基である。)
  5. 前記Rの脂環式炭化水素基が、アダマンチル基又はノルボルニル基である請求項4記載の光学材料用樹脂組成物。
  6. 前記Rの脂環式炭化水素基が、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基又はノルボルニル基である請求項4記載の光学材料用樹脂組成物。
  7. 前記スチレン−アクリル共重合体における前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−2)で表される繰り返し単位のモル比(式(B−1)/式(B−2))、及び前記スチレン−マレイミド共重合体における前記式(B−1)で表される繰り返し単位と前記式(B−3)で表される繰り返し単位のモル比(式(B−1)/式(B−3))が、それぞれ15/85〜85/15である請求項4記載の光学材料用樹脂組成物。
  8. 前記スチレン共重合体の数平均分子量が、1,000〜10,000の範囲である請求項1記載の光学材料用樹脂組成物。
  9. 前記スチレン共重合体の含有量が、前記環状オレフィン樹脂100質量部に対して1〜30質量部である請求項1記載の光学材料用樹脂組成物。
  10. 前記環状オレフィン樹脂が極性基を有する請求項1記載の光学材料用樹脂組成物。
  11. ポリエステル樹脂をさらに含む請求項1記載の光学材料用樹脂組成物。
  12. 前記ポリエステル樹脂が、下記式(C1−1)で表される又は下記式(C1−2)で表されるポリエステル樹脂である請求項11記載の光学材料用樹脂組成物。
    Figure 2021080420
    (前記式(C1−1)及び(C1−2)中、
    11は、炭素原子数6〜12のアリールモノカルボン酸残基または炭素原子数1〜6の脂肪族モノカルボン酸残基を表す。
    12は、炭素原子数1〜12の脂肪族モノアルコール残基を表す。
    は、炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基または炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコール残基を表す。
    は、炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。
    m、nはそれぞれ括弧で括られた繰り返し単位数を表し、それぞれ0以上の整数である。
    括弧で括られた繰り返し単位毎にA及びGはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。)
  13. 前記ポリエステル樹脂が、下記式(C2−1)で表される又は下記式(C2−2)で表されるポリエステル樹脂である請求項11記載の光学材料用樹脂組成物。
    Figure 2021080420
    (前記式(C2−1)及び(C2−2)中、
    21は、炭素原子数6〜12のアリールモノカルボン酸残基又は炭素原子数1〜12の脂肪族モノカルボン酸残基を表す。
    22は、炭素原子数1〜12の脂肪族モノアルコール残基を表す。
    は、ポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基又は炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基を表し、Gの少なくとも1つは前記ポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基である。
    は、炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。
    m及びnはそれぞれ括弧で括られた繰り返し単位数を表し、mは0以上の整数であり、nは1以上の整数である。
    括弧で括られた繰り返し単位毎にA及びGはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。)
  14. 前記ポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基が、ポリエチレングリコール残基、ポリプロピレングリコール残基、ポリテトラメチレングリコール残基、ポリテトラメチレンエーテルグリコール残基及びポリネオペンチルグリコール残基から選択される1種以上である請求項13に記載の光学材料用樹脂組成物。
  15. 前記ポリエステル樹脂が、下記式(C3)で表されるポリエステル樹脂である請求項11記載の光学材料用樹脂組成物。
    Figure 2021080420
    (前記式(C3)中、
    31は、炭素原子数7〜20の脂肪族モノカルボン酸残基を表す。
    は、炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基、炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコール残基、又はポリオキシアルキレングリコール残基を含む2価の連結基を表す。
    は、炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸残基又は炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。
    mは括弧で括られた繰り返し単位数を表し、mは0以上の整数である。
    括弧で括られた繰り返し単位毎にA及びGはそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。)
  16. 前記式(C3)で表されるポリエステル樹脂が、炭素原子数2〜15のアルキレングリコール、炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコール、及びポリオキシアルキレン構造を含むグリコールから選択される1以上のグリコールと水添植物油脂肪酸とを反応原料とするポリエステル樹脂である、又は炭素原子数2〜15のアルキレングリコール、炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコール、及びポリオキシアルキレン構造を含むグリコールから選択される1以上のグリコールと炭素原子数4〜14のアルキレンジカルボン酸及び炭素原子数8〜14のアリールジカルボン酸から選択される1以上のジカルボン酸と水添植物油脂肪酸とを反応原料とするポリエステル樹脂である請求項15記載の光学材料用樹脂組成物。
  17. 前記ポリエステル樹脂の含有量が、前記環状オレフィン樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部である請求項11記載の光学材料用樹脂組成物。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項記載の光学材料用樹脂組成物を含有する光学フィルム。
  19. 偏光板保護用である請求項18記載の光学フィルム。
  20. タッチパネルセンサー用である請求項18記載の光学フィルム。
  21. 請求項19又は20に記載の光学フィルムを備える画像表示装置。
JP2019211379A 2019-11-22 2019-11-22 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び画像表示装置 Active JP7375493B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019211379A JP7375493B2 (ja) 2019-11-22 2019-11-22 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び画像表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019211379A JP7375493B2 (ja) 2019-11-22 2019-11-22 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び画像表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021080420A true JP2021080420A (ja) 2021-05-27
JP7375493B2 JP7375493B2 (ja) 2023-11-08

Family

ID=75964248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019211379A Active JP7375493B2 (ja) 2019-11-22 2019-11-22 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び画像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7375493B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023026758A1 (ja) * 2021-08-24 2023-03-02 Dic株式会社 生分解性樹脂用可塑剤、生分解性樹脂組成物及びその成形品
WO2023058392A1 (ja) * 2021-10-07 2023-04-13 Dic株式会社 塩化ビニル樹脂用可塑剤、塩化ビニル樹脂組成物およびその成形品並びに積層体
JP7434830B2 (ja) 2019-11-22 2024-02-21 Dic株式会社 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び画像表示装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009126961A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Jsr Corp 樹脂組成物およびそれからなるフィルムならびにその用途
JP2010174068A (ja) * 2009-01-27 2010-08-12 Jsr Corp 樹脂粒子組成物
JP2016510351A (ja) * 2013-09-30 2016-04-07 エルジー・ケム・リミテッド 基材フィルム、これを含む積層構造およびディスプレイ素子
JP2018010176A (ja) * 2016-07-14 2018-01-18 三菱ケミカル株式会社 位相差フィルムおよび位相差フィルムの製造方法
JP2018048250A (ja) * 2016-09-21 2018-03-29 Dic株式会社 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び液晶表示装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009126961A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Jsr Corp 樹脂組成物およびそれからなるフィルムならびにその用途
JP2010174068A (ja) * 2009-01-27 2010-08-12 Jsr Corp 樹脂粒子組成物
JP2016510351A (ja) * 2013-09-30 2016-04-07 エルジー・ケム・リミテッド 基材フィルム、これを含む積層構造およびディスプレイ素子
JP2018010176A (ja) * 2016-07-14 2018-01-18 三菱ケミカル株式会社 位相差フィルムおよび位相差フィルムの製造方法
JP2018048250A (ja) * 2016-09-21 2018-03-29 Dic株式会社 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び液晶表示装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7434830B2 (ja) 2019-11-22 2024-02-21 Dic株式会社 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び画像表示装置
WO2023026758A1 (ja) * 2021-08-24 2023-03-02 Dic株式会社 生分解性樹脂用可塑剤、生分解性樹脂組成物及びその成形品
JPWO2023026758A1 (ja) * 2021-08-24 2023-03-02
JP7359338B2 (ja) 2021-08-24 2023-10-11 Dic株式会社 生分解性樹脂用可塑剤、生分解性樹脂組成物及びその成形品
WO2023058392A1 (ja) * 2021-10-07 2023-04-13 Dic株式会社 塩化ビニル樹脂用可塑剤、塩化ビニル樹脂組成物およびその成形品並びに積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP7375493B2 (ja) 2023-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6915248B2 (ja) 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び液晶表示装置
JP7375493B2 (ja) 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び画像表示装置
JP5850290B2 (ja) 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び液晶表示装置
CN103717660A (zh) 树脂组合物、使用其的光学补偿膜及光学补偿膜制造方法
JP5017222B2 (ja) 環状オレフィン系共重合体、フィルム、これを用いた偏光板および液晶表示装置
JP2018010176A (ja) 位相差フィルムおよび位相差フィルムの製造方法
JP5625751B2 (ja) フラットパネルディスプレイ用耐熱透明プラスチック基板
JP7453610B2 (ja) 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び画像表示装置
JP7476521B2 (ja) 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び画像表示装置
JP7434830B2 (ja) 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び画像表示装置
JP2020532624A (ja) ポリエステル重合組成物、ポリエステル樹脂マスターバッチチップおよびこれを利用したポリエステルフィルム
JP5950174B2 (ja) 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び液晶表示装置
JP6940013B2 (ja) 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び表示装置
JP6720810B2 (ja) 光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP7031761B2 (ja) 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び表示装置
JP2013194186A (ja) 透明樹脂組成物、透明フィルムおよび画像表示装置
JP5716854B2 (ja) フラットパネルディスプレイ用耐熱透明プラスチック基板
JP2017179066A (ja) ラクトン環含有重合体とそれを含む樹脂組成物および樹脂成形体

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20210415

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231009

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7375493

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151