JP2021080146A - 亜硫酸カルシウム含有石膏、セメント組成物、地盤改良材及び地盤改良土 - Google Patents

亜硫酸カルシウム含有石膏、セメント組成物、地盤改良材及び地盤改良土 Download PDF

Info

Publication number
JP2021080146A
JP2021080146A JP2019211514A JP2019211514A JP2021080146A JP 2021080146 A JP2021080146 A JP 2021080146A JP 2019211514 A JP2019211514 A JP 2019211514A JP 2019211514 A JP2019211514 A JP 2019211514A JP 2021080146 A JP2021080146 A JP 2021080146A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium sulfite
gypsum
mass
containing gypsum
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019211514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6900992B2 (ja
Inventor
雄一郎 高松
Yuichiro Takamatsu
雄一郎 高松
徹浩 境
Tetsuhiro Sakai
徹浩 境
野田 謙二
Kenji Noda
謙二 野田
貴康 伊藤
Takayasu Ito
貴康 伊藤
小西 和夫
Kazuo Konishi
和夫 小西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2019211514A priority Critical patent/JP6900992B2/ja
Publication of JP2021080146A publication Critical patent/JP2021080146A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6900992B2 publication Critical patent/JP6900992B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

【課題】、六価クロムの溶出を低減しながらも、一軸圧縮強さを高く維持できる地盤改良材を得ることが可能な亜硫酸カルシウム含有石膏を提供すること。【解決手段】亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸カルシウム含有石膏であって、CuKα線を用いた粉末XRDで得られる回折パターンにおけるピーク強度比が式(1)を満たす、亜硫酸カルシウム含有石膏を提供する。Ia/Ib<2 … (1)(但し、Iaは2θ=15.76〜16.25°におけるピーク強度であり、Ibは2θ=16.26〜16.75°におけるピーク強度である。)【選択図】図1

Description

本開示は、亜硫酸カルシウム含有石膏、セメント組成物、地盤改良材及び地盤改良土に関する。
セメントクリンカーは、石灰石、粘土、硅石、酸化鉄等を主原料として製造される。セメントクリンカーの製造では、これらの主原料の他に、各種産業副産物及び産業廃棄物等を原燃料として有効利用している。ところが、原材料の選択に応じて、セメントクリンカー中に、各種原燃料に由来するカドミウム、クロム、鉛等の重金属類が極少量混入することがある。
重金属類のうち、六価クロムは、他の重金属類とは異なり、クロム酸イオン(CrO 2−)等の安定なオキソ陰イオンの状態で存在し、高pH条件下であっても難溶性の水酸化物を形成しない。このため、セメント系地盤改良材を用いて地盤改良を行う場合には、土質、添加量、及び強度発現性等、その使用条件に応じて、六価クロムの溶出量を管理する必要がある。したがって、セメント系地盤改良材を用いた地盤改良土からの六価クロムの溶出抑制方法については、種々の検討がなされている。
例えば、特許文献1,2では、セメントに亜硫酸塩等の還元材を添加することで固化処理土からの六価クロムの溶出を低減する方法が提案されている。一方、亜硫酸カルシウムについては、亜硫酸ガスと消石灰、又は亜硫酸ナトリウムと消石灰とを液相で反応させて製造する技術が知られている(特許文献3参照)。
特開2010−222795号公報 特開2016−121047号公報 特開平7−215718号公報
本発明者らの検討によれば、六価クロムの溶出量を低減するために、一般的に入手可能な市販の亜硫酸カルシウムを処理対象の土壌に配合すると、圧縮強さが低下する現象が生じる場合があることが分かった。そこで、本開示は、六価クロムの溶出を低減しながらも、一軸圧縮強さを高く維持することが可能な地盤改良材及び地盤改良土を提供する。また、本開示は、そのような地盤改良材及び地盤改良土を得ることが可能な亜硫酸カルシウム含有石膏及びセメント組成物を提供する。
本開示は、一つの側面において、亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸カルシウム含有石膏であって、CuKα線を用いた粉末XRDで得られる回折パターンにおけるピーク強度比が式(1)を満たす、亜硫酸カルシウム含有石膏を提供する。
Ia/Ib<2 … (1)
但し、Iaは2θ=15.76〜16.25°におけるピーク強度であり、Ibは2θ=16.26〜16.75°におけるピーク強度である。
上記亜硫酸カルシウム含有石膏は、六価クロムの溶出を低減しながらも、一軸圧縮強さを高く維持することができる。その理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のとおり推察する。上記式(1)に含まれるIaは、亜硫酸カルシウムの結晶構造を表す空間群Pbcnの(110)面、及び、空間群Pbanの(101)面に由来するピークの強度を反映している。一方、上記式(1)に含まれるIaは、空間群Pbcnの(200)面、及び、空間群Pbanの(002)面に由来するピークの強度を反映している。これらのピーク強度の比(Ia/Ib)が上記式(1)を満たす亜硫酸カルシウム含有石膏は、市販の亜硫酸カルシウムと結晶状態が異なる亜硫酸カルシウムを含有しており、これが、土壌と混ぜたときに一軸圧縮強さを高くする要因になっていると考えられる。
本開示は、一つの側面において、亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸カルシウム含有石膏であって、熱重量分析及びXRD−リートベルト法の少なくとも一方で求められる亜硫酸カルシウムの含有率(X[質量%])と、JIS R 9101:2018の「16 二酸化硫黄の定量方法」に基づいて測定される二酸化硫黄の含有率(Y[質量%])とが、式(2)の関係を満たす、亜硫酸カルシウム含有石膏を提供する。
Y<0.4737X … (2)
亜硫酸カルシウムは、通常半水和物として存在するが、亜硫酸カルシウム半水和物と三酸化硫黄の分子量の比は、約0.5である。このため、理論的にはY=0.5Xの関係が成立する。しかしながら、上記式(2)を満たす亜硫酸カルシウム含有石膏は、JIS R 9101:2018の「16 二酸化硫黄の定量方法」で測定される二酸化硫黄の含有率が、亜硫酸カルシウムの含有率(X[質量%])と上記分子量の比から算出される理論上の二酸化硫黄の含有率よりも低くなっている。これは、亜硫酸カルシウム含有石膏に含まれる亜硫酸イオンの一部が硫酸イオンで置換され、亜硫酸カルシウムの結晶構造に固溶していることが要因として考えられる。上記式(2)を満たす、亜硫酸カルシウム含有石膏に含まれる亜硫酸カルシウムは、このようにイオンの状態が通常の亜硫酸カルシウムと異なる。これが、土壌と混ぜたときに一軸圧縮強さを高くする要因になっていると考えられる。
本開示は、一つの側面において、亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸カルシウム含有石膏であって、板状結晶を含み、板状結晶の厚さが5μm以下、及び主面の長さが5〜100μm以下である、亜硫酸カルシウム含有石膏を提供する。上記亜硫酸カルシウム含有石膏は、結晶サイズが小さいため反応性に優れる。したがって、土壌と混ぜたときに、六価クロムの溶出を低減しながらも、一軸圧縮強さを高く維持することができる。また、上記亜硫酸カルシウム含有石膏は、粉砕性に優れ、小さい粉砕エネルギーで容易に主面の長さが10μm以下である細かな結晶にすることができる。
上述の亜硫酸カルシウム含有石膏は、いずれも、二水石膏、半水石膏及び無水石膏のうち少なくとも一つを含んでよい。これによって、通常とは結晶状態の異なる亜硫酸カルシウムを亜硫酸カルシウム含有石膏として安定的に存在させることができる。
上述の亜硫酸カルシウム含有石膏は、熱重量分析及びXRD−リートベルト法の少なくとも一方で求められる亜硫酸カルシウムの含有率(X[質量%])が、2質量%以上であってよい。これによって亜硫酸カルシウム含有石膏の配合量を少なくしても、地盤改良土からの六価クロムの溶出を十分に抑制することができる。
上述の亜硫酸カルシウム含有石膏のレーザー回折・散乱法における平均粒径は10μm以下であってよい。これによって、土壌の固化処理に用いた場合に一軸圧縮強さを一層高くすることができる。
本開示は、別の側面において、上述のいずれかの亜硫酸カルシウム含有石膏を含む、セメント組成物を提供する。このセメント組成物は、上述の亜硫酸カルシウム含有石膏を含有することから、六価クロムの溶出を低減しながらも、コンクリートやモルタルとして好適に用いることができる。セメント組成物における亜硫酸カルシウムの含有率は0.2質量%以上であってよい。これによって、六価クロムの溶出を一層低減することができる。上記含有率は、実施例に記載されている熱重量分析、XRD−リートベルト法による分析及び湿式分析の少なくとも一つの方法で測定される値である。
本開示は、さらに別の側面において、上述のいずれかの亜硫酸カルシウム含有石膏を含む、地盤改良材を提供する。このような地盤改良材を用いて改良された地盤改良土は、上述の亜硫酸カルシウム含有石膏を含むことから、六価クロムの溶出を低減しながらも一軸圧縮強さを高く維持することができる。地盤改良材における亜硫酸カルシウムの含有率は2質量%以上であってよい。これによって、六価クロムの溶出を低減しながらも一軸圧縮強さを十分に高くすることができる。
本開示は、さらに別の側面において、上述の地盤改良材と土壌とを含む地盤改良土を提供する。上述の地盤改良材を含む地盤改良土は、上述の亜硫酸カルシウム含有石膏を含むことから、六価クロムの溶出を低減しながらも一軸圧縮強さを高く維持することができる。
本開示は、六価クロムの溶出を低減しながらも、一軸圧縮強さを高く維持することが可能な地盤改良材及び地盤改良土を提供することができる。また、本開示は、そのような地盤改良材及び地盤改良土を得ることが可能な亜硫酸カルシウム含有石膏及びセメント組成物を提供することができる。
図1は、亜硫酸カルシウムの製造プロセスの一例を示す図である。 図2(A)は、実施例1(亜硫酸カルシウム含有石膏A)の粉末XRDの回折チャートである。図2(B)は、実施例2(亜硫酸カルシウム含有石膏B)の粉末XRDの回折チャートである。 図3(A)は、実施例3(亜硫酸カルシウム含有石膏C)の粉末XRDの回折チャートである。図3(B)は、実施例4(亜硫酸カルシウム含有石膏D)の粉末XRDの回折チャートである。 図4(A)は、実施例5(亜硫酸カルシウム含有石膏E)の粉末XRDの回折チャートである。図4(B)は、比較例1(試薬の亜硫酸カルシウム)の粉末XRDの回折チャートである。 図5は、実施例1、実施例2及び比較例1の回折チャートにおいて、2θ=15.5〜17°の部分を拡大して示す図である。 図6は、実施例3、実施例4及び実施例5の回折チャートにおいて、2θ=15.5〜17°の部分を拡大して示す図である。 図7は、熱重量分析によって求めた亜硫酸カルシウムの含有率と、ピーク強度比(Ia/Ib)の関係を示すグラフである。 図8は、XRD−リートベルト法による分析、又は、熱重量分析によって求めた亜硫酸カルシウムの含有率(X)と、湿式分析によって求めた二酸化硫黄の含有率(Y)との関係を示すグラフである。 図9は、実施例6〜13及び比較例2の固化処理土からのCr(VI)溶出量の結果を示すグラフである。 図10は、実施例6〜13及び比較例2の固化処理土の一軸圧縮強さの結果を示すグラフである。 図11は、実施例5の亜硫酸カルシウム含有石膏のSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。 図12は、別の実施例の亜硫酸カルシウム含有石膏のSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。
以下、場合により図面を参照して、本開示の一実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。
[亜硫酸カルシウム含有石膏の第1実施形態]
本開示の第1実施形態に係る亜硫酸カルシウム含有石膏は、亜硫酸カルシウムを含み、CuKα線を用いた粉末XRDで得られる回折パターンにおけるピーク強度比が式(1)を満たす。
Ia/Ib<2 … (1)
但し、Iaは2θ=15.76〜16.25°におけるピーク強度であり、Ibは2θ=16.26〜16.75°におけるピーク強度である。
上記式(1)を満たす亜硫酸カルシウム含有石膏は、市販の亜硫酸カルシウムとは結晶状態が異なる亜硫酸カルシウムを含有する。このため、例えば地盤改良材として用いた場合に、六価クロムの溶出を市販の亜硫酸カルシウムと同等レベルに低減しながらも、一軸圧縮強さを市販の亜硫酸カルシウムよりも高く維持することができる。一軸圧縮強さを一層高くする観点から、Ia/Ibは、好ましくは1.8以下であり、より好ましくは1以下であり、さらに好ましくは0.7以下であり、特に好ましくは0.5以下である。上述の観点からIa/Ibの下限に特に制限はないが、例えば0.05以上であってよく、0.1以上であってよく、0.2以上であってもよい。
本開示における「亜硫酸カルシウム」は、特に言及しない限り、半水和物である。ただし、亜硫酸カルシウム含有石膏は、亜硫酸カルシウム半水和物以外に、4水和物及び無水和物等、半水和物以外の水和物を含有してもよい。亜硫酸カルシウム含有石膏における亜硫酸カルシウムの含有率は、熱重量分析、又はXRD−リートベルト法で測定することができる。
亜硫酸カルシウムは、例えば地盤改良材に用いられたときの六価クロムの溶出量を低減し、一軸圧縮強さを向上する有効成分である。このため、亜硫酸カルシウム含有石膏における亜硫酸カルシウムの含有率は高いことが好ましい。熱重量分析、及びXRD−リートベルト法の少なくとも一方で測定される亜硫酸カルシウム含有石膏における亜硫酸カルシウムの含有率をX[質量%]としたとき、Xは、好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、さらに好ましくは28質量%以上、特に好ましくは40質量%以上である。Xの上限に制限はないが、例えば、99質量%以下であってよく、98質量%以下であってよく、90質量%以下であってよく、80質量%以下であってもよい。
亜硫酸カルシウム含有石膏は石膏を含む。石膏は、二水石膏、半水石膏及び無水石膏のうち少なくとも一つを含んでよい。なお、本開示における「石膏」は、二水石膏、無水石膏及び半水石膏を含む包括的な概念である。亜硫酸カルシウム含有石膏における石膏の含有率は、熱重量分析、又はXRD−リートベルト法で測定することができる。亜硫酸カルシウム含有石膏における石膏の含有率が高くなると、セメント組成物を調製する際に別途配合する石膏を低減することができる。
ただし、石膏の含有率が高くなり過ぎると、セメント組成物における石膏の配合量が多くなり過ぎることを回避するため、亜硫酸カルシウム含有石膏の配合量が制限されることとなる。このような観点から、亜硫酸カルシウム含有石膏における石膏(各水和物の合計)の含有率は、好ましくは98質量%以下であり、より好ましくは70質量%以下であり、さらに好ましくは50質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。亜硫酸カルシウム含有石膏における石膏の含有率の下限は、例えば1質量%であってよく、5質量%であってもよい。石膏の含有率は、熱重量分析、又はXRD−リートベルト法で測定される。このうち、亜硫酸カルシウムの含有率と同じ分析方法で測定される値であってよい。
亜硫酸カルシウム含有石膏は、JIS R 9101:2018の「16 二酸化硫黄の定量方法」に基づいて測定される二酸化硫黄の含有率が、好ましくは1〜45質量%であり、より好ましくは5〜43質量%であり、さらに好ましくは10〜40質量%、特に好ましくは20〜40質量%である。この二酸化硫黄の含有率(Y[質量%]とする。)は、亜硫酸カルシウム半水和物の分子量に対する二酸化硫黄の分子量の比(約0.5)と、熱重量分析及びXRD−リートベルト法の少なくとも一方で求められる亜硫酸カルシウムの含有率X[質量%]から算出される二酸化硫黄の含有率よりも小さいことが好ましい。Y/Xは、好ましくは0.47未満であり、より好ましくは0.465未満であり、さらに好ましくは0.45未満であり、特に好ましくは0.42未満である。
上述のY/Xの数値範囲は、熱重量分析及びXRD−リートベルト法で求められる亜硫酸カルシウムの含有率が異なる場合(例えば、X[質量%]≠X[質量%])、どちらか一方の方法で求められる亜硫酸カルシウムの含有率(例えばX[質量%])で満たしていればよく、他方の方法で求められる亜硫酸カルシウムの含有率(例えばX[質量%])では満たしていなくてもよい。勿論、X[質量%]及びX[質量%]の両方が、上述のY/Xの数値範囲を満たしていてもよい。
JIS R 5202:2010の「12 三酸化硫黄の定量方法」に基づいて測定される三酸化硫黄の含有率は、好ましくは5〜40質量%であり、より好ましくは10〜30質量%である。
[亜硫酸カルシウム含有石膏の第2実施形態]
本開示の第2実施形態に係る亜硫酸カルシウム含有石膏は、亜硫酸カルシウムを含み、熱重量分析及びXRD−リートベルト法の少なくとも一方で求められる亜硫酸カルシウム含有率(X[質量%])と、JIS R 9101:2018の「16 二酸化硫黄の定量方法」に基づいて測定される二酸化硫黄の含有率(Y[質量%])とが、式(2)の関係を満たす。
Y<0.4737X … (2)
上記式(2)を満たす、亜硫酸カルシウム含有石膏に含まれる亜硫酸カルシウムは、イオンの状態が通常の亜硫酸カルシウムと異なると考えられる。これが、土壌と混ぜたときに一軸圧縮強さを高くする要因の一つとなっていると考えられる。六価クロムの溶出を低減しつつ、一軸圧縮強さを一層高く維持することが可能な地盤改良材を得る観点から、下記式(3)を満たすことが好ましく、下記式(4)を満たすことがより好ましく、下記式(5)を満たすことがさらに好ましく、下記式(6)を満たすことが特に好ましい。
Y<0.47X … (3)
Y<0.465X … (4)
Y<0.45X … (5)
Y<0.42X … (6)
式(2)、(3)、(4)、(5)又は(6)におけるYは、0.1Xを超えてよく(0.1X<Y)、0.2Xを超えてもよく(0.2X<Y)、0.3Xを超えてもよい(0.3X<Y)。上記式(2)、(3)、(4)、(5)又は(6)は、熱重量分析及びXRD−リートベルト法で求められる亜硫酸カルシウムの含有率が異なる場合(例えば、X[質量%]≠X[質量%])、どちらか一方の方法で求められる亜硫酸カルシウムの含有率(例えばX[質量%])で満たしていればよく、他方の方法で求められる亜硫酸カルシウムの含有率(例えばX[質量%])では満たしていなくてもよい。勿論、X[質量%]及びX[質量%]の両方が、上記式(2)、(3)、(4)、(5)又は(6)の数値範囲を満たしていてもよい。
上記第2実施形態に係る亜硫酸カルシウム含有石膏は、上記第1実施形態で説明した性状を兼ね備えていてもよい。例えば、上記式(1)を満たしていてもよいし、上記第1実施形態で説明した好ましい性状を備えていてもよい。すなわち、第1実施形態の説明内容を、第2実施形態の亜硫酸カルシウムに適用することができる。
[亜硫酸カルシウム含有石膏の第3実施形態]
本開示の第3実施形態に係る亜硫酸カルシウム含有石膏は、亜硫酸カルシウムを含む。そして、亜硫酸カルシウム含有石膏に含まれる板状結晶の厚さが5μm以下、及び、主面の長さが5〜100μm以下である。板状結晶は亜硫酸カルシウムであってよい。板状結晶の厚さと長さは、SEMによる観察画像に基づいて測定することができる。主面の長さとは、板状結晶の主面(面積が最も大きい平面)において、主面の外縁上において選ばれる互いに異なる位置にある2つの点を結ぶ距離のうち、最大距離をいう。例えば主面が正方形である場合は、対角線の長さが主面の長さとなる。板状結晶の厚さは、主面に直交する方向に沿う長さのうち、最大長さである。
板状結晶の厚さは、好ましくは4μm以下であり、より好ましくは3μm以下である。板状結晶の主面の長さは、好ましくは90μm以下であり、より好ましくは80μm以下であり、さらに好ましくは70μm以下であり、特に好ましくは60μm以下である。板状結晶の主面の長さは、好ましくは8μm以上であり、より好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは20μm以上である。
上記第3実施形態に係る亜硫酸カルシウム含有石膏は、上記第1実施形態及び/又は第2実施形態で説明した性状を兼ね備えていてもよい。例えば、上記式(1)を満たしていてもよいし、上記第1実施形態で説明した好ましい性状を備えていてもよい。また、上記式(2)〜(6)の少なくとも一つを満たしていてもよい。すなわち、第1実施形態及び第2実施形態の説明内容を、第3実施形態の亜硫酸カルシウムに適用することができる。
[亜硫酸カルシウム含有石膏の変形例]
本変形例の亜硫酸カルシウム含有石膏は、上記第1実施形態、第2実施形態又は第3実施形態の亜硫酸カルシウム含有石膏において、さらに、レーザー回折・散乱法における平均粒径が10μm以下である。このような平均粒径を有しつつ、上記第1実施形態、第2実施形態又は第3実施形態で説明した性状を兼ね備える。なお、上記第1実施形態及び第2実施形態の全ての性状を兼ね備えていてもよいし、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態の全ての性状を兼ね備えていてもよい。すなわち、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態の説明内容を、本変形例の亜硫酸カルシウムに適用することができる。
本開示における平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定されるメディアン径(D50:頻度の累積が50%となるときの粒子径)である。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、株式会社島津製作所製のSALD−2200(装置名)を用いることができる。
亜硫酸カルシウム含有石膏は、上述の平均粒径を有することによって、土壌改良材の一例である固化材として用いられたときに、固化処理土の一軸圧縮強さを十分に高くすることができる。この一軸圧縮強さを一層高くする観点から、亜硫酸カルシウム含有石膏の平均粒径は、好ましくは7μm以下であり、より好ましくは5μm以下であり、さらに好ましくは1μm以下であり、特に好ましくは0.5μm以下である。
[セメント組成物]
本開示の一実施形態に係るセメント組成物は、上述のいずれかの実施形態又は変形例に係る亜硫酸カルシウム含有石膏を含む。セメント組成物は、セメントクリンカーを含んでよい。また、亜硫酸カルシウム含有石膏とは別の石膏を含んでもよい。セメント組成物の種類は特に制限はなく、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント、アルミナセメント等のいずれであってもよい。
セメント組成物は亜硫酸カルシウム含有石膏を含むことから、地盤改良材の一例である固化材として用いると、固化処理土からの六価クロムの溶出を低減しながらも、一軸圧縮強さを高くすることができる。セメント組成物における亜硫酸カルシウムの含有率は、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上であり、特に好ましくは4質量%以上である。これによって、六価クロムの溶出を一層低減しつつ、一軸圧縮強さを一層高くすることができる。セメント組成物における亜硫酸カルシウムの含有率の上限は、20質量%であってよく、10質量%であってもよい。同様の観点から、セメント組成物における亜硫酸カルシウム含有石膏の含有率は、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上、特に好ましくは4質量%以上である。
セメント組成物における石膏の含有率は、SO換算で、例えば1〜20質量%であってよく、2〜15質量%であってもよい。上述の「別の石膏」を含む場合、セメント組成物における石膏の含有率は、亜硫酸カルシウム含有石膏に由来する石膏と「別の石膏」の合計で上述の数値範囲にあることが好ましい。
セメント組成物に含まれる石膏の形態に特に制限はなく、例えば、二水石膏を含んでよく、二水石膏及び無水石膏の両方を含んでもよい。セメント組成物に含まれる石膏のうち、二水石膏の割合は、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、さらに好ましくは40質量%以上である。
セメント組成物のブレーン比表面積は、好ましくは3000〜8000cm/gであり、より好ましくは4000〜7000cm/gであり、さらに好ましくは5000〜7000cm/gである。ブレーン比表面積が3000cm/g以上であれば、優れた強度発現性を達成しやすくなる。他方、ブレーン比表面積が8000cm/g以下であれば、コンクリート又は固化材スラリーとして使用したときの粘性を好適な範囲に制御しやすい。セメント組成物の用途は特に限定されないが、地盤改良材用としてもよいし、固化材用としてもよい。
[地盤改良材及び地盤改良土]
本開示の一実施形態に係る地盤改良材は、上記セメント組成物を含んでよいし、市販のポルトランドセメントと、亜硫酸カルシウム含有石膏とを含んでもよい。このため、セメント系地盤改良材ということもできる。このような地盤改良材は、地盤改良土からの六価クロムの溶出を低減しながらも、地盤改良土の一軸圧縮強さを高く維持することができる。本実施形態の地盤改良材は、セメント系固化材として用いてもよい。
本開示の一実施形態に係る地盤改良土は、土壌(改良対象の土壌)と上記地盤改良材とを含む。地盤改良土は固化処理された固化処理土であってよい。この地盤改良土は、上述の地盤改良材を含むことから、固化処理を行った場合に、六価クロムの溶出を抑制しつつ、一軸圧縮強さを高くすることができる。
[亜硫酸カルシウム含有石膏及びセメント組成物の製造方法]
次に、本開示の亜硫酸カルシウム含有石膏の製造方法の一例を説明する。図1は、本例の亜硫酸カルシウムの製造する装置である。製造装置100は、硫黄含有原料及びクリンカー原料を焼成してセメントクリンカーを生産するセメントキルン部10、排ガスを抽気するバイパス部12及び1つ又は複数のサイクロンを有するプレヒータ部16を備えるセメントクリンカー焼成部70と、セメントクリンカー焼成部70から排ガスに含まれる亜硫酸ガスを原料スラリーに吸収して、亜硫酸カルシウム含有石膏を含む亜硫酸スラリーを得る脱硫部60とを有する。
硫黄含有廃棄物としては、廃石膏ボード、廃タイヤ、脱硫スラグ、石膏、及びコークス類から選ばれる少なくとも一種を含むものが挙げられる。廃石膏ボードは、石膏ボードの表面に付着している紙分を含んでよい。
硫黄含有廃棄物とクリンカー原料がプレヒータ部16に供給される。プレヒータ部16は、原料とセメントキルン部10からの排ガスとを接触させて原料を予熱する。バイパス部12は、セメントキルン部10の窯尻10aとプレヒータ部16のボトムサイクロン(最下部にあるサイクロン)又は仮焼炉(不図示)との間から亜硫酸ガスを含む排ガスを抽気する。このバイパス部12は塩素バイパス部であってよい。セメントキルン部10で製造されたセメントクリンカーは、冷却部11において40〜220℃に冷却されて、サイロ18に導入される。このセメントクリンカーは、セメント組成物の製造に用いられてよい。
セメントキルン部10では、石炭、及び石油コークス等が燃焼するとともに原料が反応して、二酸化硫黄を含む排ガスが発生する。バイパス部12から抽気された排ガス及び窯尻10aから抜き出された排ガスは、二酸化硫黄を含む。これらの排ガスは、冷却部17において、例えば400℃以下、好ましくは100〜200℃に冷却される。冷却された排ガスは、集塵部19に導入され、塩素化合物を含むダスト粒子が除去される。ダスト粒子が除去された、亜硫酸ガスを含む排ガスは、スラリー調製部30に導入される。
スラリー調製部30では、炭酸カルシウムを含む原料スラリーと亜硫酸ガスを含む排ガスとが接触し、亜硫酸カルシウム含有石膏を含む亜硫酸スラリーが生成する。ここで、スラリー調製部30に導入される前に、亜硫酸ガスを含む排ガスには、亜硫酸ガス濃度調整部20から亜硫酸ガスが混合される。これによって、スラリー調製部30に導入される排ガスの亜硫酸ガス濃度を調整することができる。亜硫酸ガス濃度調整部20は、例えば、亜硫酸ガスが封入されたボンベであってよいし、高濃度の亜硫酸ガスを含む混合ガスを発生する別のプラントであってもよい。スラリー調製部に導入される排ガス中の二酸化硫黄の濃度は、体積基準(標準状態)で、例えば100ppm〜5%程度であってよい。なお、本開示における二酸化硫黄の濃度は、体積基準(標準状態)の濃度である。
スラリー調製部30で得られた亜硫酸スラリーを乾燥して、亜硫酸カルシウム含有石膏が得られる。この場合、乾燥後、又は乾燥しながら粉砕を行って粒径を調製してもよい。乾燥温度は、好ましくは40〜100℃であり、より好ましくは50〜80℃である。乾燥は真空下又は減圧下で行ってもよい。粉砕を例えば加熱及び/又は減圧下で行うことによって、乾燥しながら粉砕することができる。粉砕方法は特に限定されないが、例えば、ハイスピードミキサーを用いて行うことが好ましい。これによって、亜硫酸カルシウム含有石膏の脱水ケーキを効率的に乾燥しながら十分に小さい粒径に粉砕することができる。スラリー調製部30で亜硫酸分が回収された後のガスは、冷却部11を介して再びキルンに導入される。
以上、本開示の亜硫酸カルシウム含有石膏の製造方法の一例を説明したが、亜硫酸カルシウム含有石膏の製造方法はこれに限定されない。例えば、セメントクリンカーの製造設備から発生する排ガスに代えて、火力発電所で発生する排ガスを用いてもよい。二酸化硫黄を含有するガスを適宜用いることができる。
セメント組成物は、製造装置100で製造されるセメントクリンカーと亜硫酸カルシウム含有石膏とを配合して製造してもよい。また、さらに石膏を配合して製造してもよい。また、市販のポルトランドセメントと上述の亜硫酸カルシウム含有石膏とを配合して調製してもよいし、さらに石膏とを配合して調製してもよい。セメント組成物はそのまま土壌改良材として用いてもよいし、石膏と配合して土壌改良材としてもよい。土壌改良土は、改良対象の土壌とセメント組成物と石膏を配合して調製してもよい。
別の例では、スラリー調製部30で得られた亜硫酸スラリーの固形分を濃縮して濃縮スラリーを得てもよいし、亜硫酸スラリーを脱水して脱水ケーキを調製してもよい。亜硫酸スラリー、濃縮スラリー又は脱水ケーキと、セメントクリンカー及び石膏等の他の原料とを粉砕機(例えばミル)に導入して粉砕しながら混合してセメント組成物を調製してもよい。これによって、混合しながら亜硫酸カルシウム含有石膏の粒径を調整することができる。高温のセメントクリンカーを粉砕機に導入すれば、乾燥、混合及び粉砕を並行して行ってセメント組成物を製造することができる。
以上、幾つかの実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。
実施例を参照して本開示の内容をより詳細に説明するが、本開示は下記の実施例に限定されるものではない。
[亜硫酸カルシウム含有石膏の製造]
市販のCaCO粉末と水とを配合して、固形分の割合が20質量%である原料スラリーを調製した。セメントクリンカーを製造するセメントキルンから発生する排ガス(SO含有)を、原料スラリーに接触させて、亜硫酸カルシウム含有石膏のスラリーを調製した(石灰−石膏法)。
セメントキルンで燃焼する原燃料の性状を変えて、セメントキルンから発生する排ガス中のSO濃度を調整し、亜硫酸カルシウムの含有率が異なる5種類の亜硫酸カルシウム含有石膏のスラリーを製造した。このうち4種類のスラリーをろ過して脱水し、得られた固形分を60℃で乾燥して、亜硫酸カルシウム含有石膏A〜Dを得た。
別のもう1種類のスラリーは、ろ過して脱水した後、ハイスピードミキサー(株式会社アーステクニカ製、商品名:FS10、容量:11L)を使用して乾粉化した。乾粉化は、ハイスピードミキサーの釜の内部を60℃に加熱した状態で、減圧下(60kPa)、窒素パージしながら撹拌することで行った。これによって、亜硫酸カルシウム含有石膏A〜Dよりも微粒化された亜硫酸カルシウム含有石膏Eを得た。
比較用として、市販されている試薬の亜硫酸カルシウム半水和物(和光純薬工業株式会社製)を準備した。
[亜硫酸カルシウム含有石膏の分析]
亜硫酸カルシウム含有石膏A〜Eの熱重量分析、粉末XRD分析、XRD−リートベルト法による分析、二酸化硫黄及び三酸化硫黄の湿式分析、及び平均粒径の測定を行った。各分析の条件は以下のとおりである。各分析結果は、表1に示すとおりであった。試薬の亜硫酸カルシウムの粉末XRD分析と平均粒径の測定も同様にして行った。
<熱重量分析>
市販の熱重量分析計を用い、200℃、600℃及び900℃に加熱したときの熱重量変化を測定した。200℃では二水石膏が脱水する。600℃では亜硫酸カルシウムが酸化する。900℃では炭酸カルシウムが分解する。各温度における質量の変化を利用して、以下の式に基づいて、二水石膏、亜硫酸カルシウム及び炭酸カルシウムの含有率をそれぞれ算出した。なお、各温度における保持は、重量変化がなくなるまでとした。各温度における保持時間は、それぞれ1時間であった。また、加熱時の雰囲気はいずれも空気とした。
・二水石膏の含有率(質量%)=200℃に加熱したときの質量減少量×([二水石膏の分子量]/[二水石膏中に含まれる結晶水の分子量])/試料質量×100
・炭酸カルシウムの含有率(質量%)=(900℃に加熱して質量変化がなくなった後の試料の質量−600℃に加熱して質量変化がなくなった後の試料の質量)×[CaCOの分子量]/[COの分子量]/試料の質量×100
・亜硫酸カルシウムの含有率(質量%)=100−(二水石膏の含有率+炭酸カルシウムの含有率)
<粉末XRD>
X線回折装置(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、加速電圧:30kV、電流:10mA、管球:Cu)を用いた。得られた回折パターンから、2θ=15.76〜16.25°におけるピーク強度をIa、2θ=16.26〜16.75°におけるピーク強度をIbとして表1に示した。なお、Ia,Ibは、上記X線回折装置を用いて算出されるピーク強度である。
<XRD−リートベルト法による分析>
粉末XRDで得られた回折パターンのリートベルト解析を行った。リートベルト解析には、解析ソフトウェア(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、Topas)を用いた。この解析結果で求められた二水石膏、亜硫酸カルシウム及び炭酸カルシウムの含有率は表1に示すとおりであった。
<湿式分析>
JIS R 9101:2018の「16 二酸化硫黄の定量方法」に基づいて、二酸化硫黄の含有率を測定した。JIS R 5202:2010の「12 三酸化硫黄の定量方法」に基づいて、三酸化硫黄の含有率を測定した。また、これらの測定結果と、二酸化硫黄、三酸化硫黄、亜硫酸カルシウム半水和物及び二水石膏の各分子量に基づいて、亜硫酸カルシウム及び二水石膏の含有率を算出した。これらの結果は、表1の湿式分析の欄に示すとおりであった。
<平均粒径>
分散媒として水を使用し、超音波分散を行って測定試料を調製した。レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製、装置名:SALD−2200)を用いて粒度分布を測定した。得られた粒度分布からメディアン径(D50:頻度の累積が50%となるときの粒子径)を求め、平均粒径とした。結果は表1に示すとおりであった。
Figure 2021080146
表1に示すとおり、実施例1〜5(亜硫酸カルシウム含有石膏A〜E)は、亜硫酸カルシウムを含有していることが確認された。なお、表1の亜硫酸カルシウムは半水和物の含有率である。
図2(A)は、実施例1(亜硫酸カルシウム含有石膏A)の粉末XRDの回折チャートである。図2(B)は、実施例2(亜硫酸カルシウム含有石膏B)の粉末XRDの回折チャートである。図3(A)は、実施例3(亜硫酸カルシウム含有石膏C)の粉末XRDの回折チャートである。図3(B)は、実施例4(亜硫酸カルシウム含有石膏D)の粉末XRDの回折チャートである。図4(A)は、実施例5(亜硫酸カルシウム含有石膏E)の粉末XRDの回折チャートである。図4(B)は、比較例1(試薬の亜硫酸カルシウム)の粉末XRDの回折チャートである。図2、図3及び図4に示すとおり、亜硫酸カルシウム含有石膏A〜D及び試薬の亜硫酸カルシウムは、いずれも、粉末XRDによる分析で、2θ=15.76〜16.25°及び16.26〜16.75°のそれぞれにおいて、亜硫酸カルシウム由来の回折ピークを有することが確認された。
図5は、実施例1、実施例2及び比較例1の回折チャートにおいて、2θ=15.5〜17°の部分を拡大して示す図である。図6は、実施例3、実施例4及び実施例5の回折チャートにおいて、2θ=15.5〜17°の部分を拡大して示す図である。図5、図6及び表1に示すとおり、試薬の亜硫酸カルシウムでは2θ=16.26〜16.75°における回折ピークBのピーク強度Ibに比べて、2θ=15.76〜16.25°における回折ピークAのピーク強度Iaの方がかなり大きく、Ia/Ibが3.06であった(図5の比較例1)。これに対し、亜硫酸カルシウム含有石膏A〜Eは、いずれも、Ia/Ibが2未満であった(図5及び図6の実施例1〜5)。
図7は、実施例1〜4及び比較例1において、熱重量分析によって求めた亜硫酸カルシウムの含有率と、ピーク強度比(Ia/Ib)の関係を示すグラフである。図7に示すとおり、同様のプロセスで製造されている実施例1〜4については、亜硫酸カルシウムの含有率と、ピーク強度比(Ia/Ib)との間に相関性があると考えられる。この相関性によれば、亜硫酸カルシウムの含有率が増えると、ピーク強度比(Ia/Ib)が小さくなる傾向にあるといえる。
図8は、XRD−リートベルト法による分析、又は、熱重量分析によって求めた亜硫酸カルシウムの含有率(X)と、湿式分析によって求めた二酸化硫黄の含有率(Y)との関係を示すグラフである。このグラフには、実施例1〜5の亜硫酸カルシウム含有石膏A〜Eに加えて、亜硫酸カルシウム含有石膏A〜Eと同様にして製造した亜硫酸カルシウム含有石膏と、市販の試薬を以下の割合で配合して得られた2つの混合試料(比較例a,b)の結果も併せてプロットした。図8には、Y=0.4737Xの直線も併せて示した。この直線は、原点(0,0)と、比較例a,bの分析結果のいずれかを通る直線のうち、傾きが最も小さい直線である。
(比較例a)
亜硫酸カルシウム半水和物と二水石膏と炭酸カルシウムを、2:2:6の質量比で配合して、混合試料を調製した。
(比較例b)
亜硫酸カルシウム半水和物と二水石膏と炭酸カルシウムを、4:4:2の質量比で配合して、混合試料を調製した。
図8に示すとおり、実施例1〜5及びこれと同様にして製造された亜硫酸カルシウム含有石膏のプロットは、Y=0.4737Xの直線で示される理論値よりも下側にあることが確認された。すなわち、Y<0.4737Xの範囲にあることが確認された。一方、試薬の亜硫酸カルシウムは、Y≧0.4737Xの範囲にあった。
[セメント組成物の製造]
実施例3,4,5及び比較例1の亜硫酸カルシウム含有石膏を使用してセメント組成物を調製した。その他に使用した原料は以下のとおりである。
・普通ポルトランドセメント
・二水石膏(排脱二水石膏)
各原料を表2に示す配合でロッキングミキサーを用いて混合し、各実施例及び比較例の地盤改良用セメント組成物を調製した。配合は、亜硫酸カルシウム含有石膏の量を調整して、各地盤改良用セメント組成物中に含まれる亜硫酸カルシウムの含有率(熱重量分析による含有率)が所定の値となるようにした。また、亜硫酸カルシウム含有石膏に含まれる三酸化硫黄の含有率並びに普通ポルトランドセメントに含まれる三酸化硫黄の含有率に基づいて算出される、セメント組成物における石膏のSO換算の含有率がほぼ一定となるように排脱二水石膏の配合量を調整した。表2には、セメント組成物における石膏のSO換算の含有率の算出結果を示した。
Figure 2021080146
表2における比較例2〜6のセメント組成物における亜硫酸カルシウムの含有率は、試薬である亜硫酸カルシウムの配合量と同一である。比較例2〜6のセメント組成物における石膏のSO換算の含有率は、配合した排脱二水石膏の配合割合に基づいて算出した。実施例6〜14のセメント組成物における亜硫酸カルシウムの含有率は、亜硫酸カルシウム含有石膏の配合割合に、亜硫酸カルシウム含有石膏の熱重量分析による亜硫酸カルシウムの含有率を乗じて算出した。比較例2〜6のセメント組成物における石膏のSO換算の含有率は普通ポルトランドセメント及び排脱二水石膏に由来する石膏のSO換算値の合計値である。実施例6〜14のセメント組成物における石膏のSO換算の含有率は、亜硫酸カルシウム含有石膏、普通ポルトランドセメント及び排脱二水石膏に由来する石膏のSO換算値の合計値である。
[固化処理土の評価]
各実施例及び比較例のセメント組成物を用いて、以下の要領で土壌の地盤改良を行い、その性能を評価した。処理対象土として、関東ローム(湿潤密度:1.36cm/g)を準備した。この処理対象土に対し、各実施例及び比較例のセメント組成物を、300kg/mの割合で配合し、ホバートミキサーを用いて混合し、混合物を得た。
調製した混合物を、直径50mm×高さ100mmの円柱型枠内にランマーを用いて3層詰めした後、20℃で材齢7日まで密封養生し、各実施例及び比較例の固化処理土を作製した。作製した固化処理土について、環境庁告示46号(平成3年8月23日)に則って溶出試験を行い、六価クロム[Cr(VI)]の溶出量を求めた。六価クロムの溶出量は、振とう後の濾液中の六価クロム濃度をジフェニルカルバジド吸光光度法にて定量することにより求めた。また、作製した固化処理土の材齢7日、28日及び91日における一軸圧縮強さを、JIS A 1216「土の一軸圧縮試験方法」に準じて測定した。これらの測定結果を表3に示す。
Figure 2021080146
表3中、Cr(VI)溶出量が「<0.002」と表示されているものは、検出下限値未満であったことを示している。実施例5の亜硫酸カルシウム含有石膏Eを含むセメント組成物を用いた実施例14が、最も高い一軸圧縮強さを示した。また、実施例14はCr(VI)溶出量も比較的低かった。
図9は、表3に示す固化処理土からのCr(VI)溶出量の結果を、表2に示す「セメント組成物の組成」に示す「亜硫酸カルシウム」の含有率毎に示すグラフである。各実施例のセメント組成物を用いた固化処理土の六価クロム溶出量は、試薬の亜硫酸カルシウムを用いた固化処理土と、概ね同等であった。
図10は、表3に示す固化処理土の一軸圧縮強さの結果を、表2に示す「セメント組成物の組成」に示す「亜硫酸カルシウム」の含有率毎に示すグラフである。試薬の亜硫酸カルシウムを用いた比較例3〜6は、セメント組成物中の亜硫酸カルシウムの含有率が4質量%以上になると一軸圧縮強さが低下する傾向にあった。これに対し、実施例3の亜硫酸カルシウム含有石膏を含む実施例6〜9のセメント組成物、及び、実施例4の亜硫酸カルシウム含有石膏を含む実施例10〜13のセメント組成物は、セメント組成物中の亜硫酸カルシウムの含有率が4質量%を超えても、無添加のもの(比較例2)よりも高い一軸圧縮強さを維持していた。
図11は、実施例14のセメント組成物の調製に用いた実施例5の亜硫酸カルシウム含有石膏のSEM写真である。一方、図12は、実施例1〜4と同様にして製造した、別の実施例の亜硫酸カルシウム含有石膏のSEM写真である。図11に示すとおり、ハイスピードミキサーを用いて調製された実施例5の亜硫酸カルシウム含有石膏は、十分に小さい粒径を有していた。図12に示される別の実施例の亜硫酸カルシウム含有石膏は、主面の長さが10〜30μmであり、厚みが1μmである板状結晶を含んでいた。このような結晶は、通常の粉砕機を用いて粉砕すれば微粒化することができる。
本開示によれば、六価クロムの溶出を低減しながらも、一軸圧縮強さを高く維持することが可能な地盤改良材及び地盤改良土を提供することができる。また、本開示は、そのような地盤改良材及び地盤改良土を得ることが可能な亜硫酸カルシウム含有石膏及びセメント組成物を提供することができる。
10…セメントキルン部,10a…窯尻,11…冷却部,12…バイパス部,16…プレヒータ部,17…冷却部,18…サイロ,19…集塵部,20…亜硫酸ガス濃度調整部,30…スラリー調製部,60…脱硫部,70…セメントクリンカー焼成部,100…製造装置。

Claims (10)

  1. 亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸カルシウム含有石膏であって、
    CuKα線を用いた粉末XRDで得られる回折パターンにおけるピーク強度比が式(1)を満たす、亜硫酸カルシウム含有石膏。
    Ia/Ib<2 … (1)
    (但し、Iaは2θ=15.76〜16.25°におけるピーク強度であり、Ibは2θ=16.26〜16.75°におけるピーク強度である。)
  2. 亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸カルシウム含有石膏であって、
    熱重量分析及びXRD−リートベルト法の少なくとも一方で求められる亜硫酸カルシウムの含有率(X[質量%])と、JIS R 9101:2018の「16 二酸化硫黄の定量方法」に基づいて測定される二酸化硫黄の含有率(Y[質量%])とが、式(2)の関係を満たす、亜硫酸カルシウム含有石膏。
    Y<0.4737X … (2)
  3. 亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸カルシウム含有石膏であって、
    板状結晶を含み、
    前記板状結晶の厚さが5μm以下、及び主面の長さが5〜100μmである、亜硫酸カルシウム含有石膏。
  4. 二水石膏、半水石膏及び無水石膏のうち少なくとも一つを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の亜硫酸カルシウム含有石膏。
  5. 熱重量分析及びXRD−リートベルト法の少なくとも一方で求められる亜硫酸カルシウムの含有率(X[質量%])が、2質量%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の亜硫酸カルシウム含有石膏。
  6. レーザー回折・散乱法における平均粒径が10μm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の亜硫酸カルシウム含有石膏。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の亜硫酸カルシウム含有石膏を含む、セメント組成物。
  8. 亜硫酸カルシウムの含有率が0.2質量%以上である、請求項7に記載のセメント組成物。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の亜硫酸カルシウム含有石膏を含む、地盤改良材。
  10. 請求項9に記載の地盤改良材と土壌とを含む、地盤改良土。
JP2019211514A 2019-11-22 2019-11-22 亜硫酸カルシウム含有石膏、セメント組成物、地盤改良材及び地盤改良土 Active JP6900992B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019211514A JP6900992B2 (ja) 2019-11-22 2019-11-22 亜硫酸カルシウム含有石膏、セメント組成物、地盤改良材及び地盤改良土

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019211514A JP6900992B2 (ja) 2019-11-22 2019-11-22 亜硫酸カルシウム含有石膏、セメント組成物、地盤改良材及び地盤改良土

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021080146A true JP2021080146A (ja) 2021-05-27
JP6900992B2 JP6900992B2 (ja) 2021-07-14

Family

ID=75964230

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019211514A Active JP6900992B2 (ja) 2019-11-22 2019-11-22 亜硫酸カルシウム含有石膏、セメント組成物、地盤改良材及び地盤改良土

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6900992B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5435875A (en) * 1977-08-26 1979-03-16 Tokuyama Soda Co Ltd Sulfur oxides absorbing method
JP2001026420A (ja) * 1999-07-13 2001-01-30 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 石膏の製造方法
JP2013049580A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Taiheiyo Cement Corp セメントキルン排ガスの処理方法
JP2015528431A (ja) * 2012-08-10 2015-09-28 スパーステイン テクノロジーズ エルエルシー Fgd石膏を硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに変換するためのプロセス
JP2017155141A (ja) * 2016-03-02 2017-09-07 デンカ株式会社 地盤改良材およびそれを用いた地盤改良工法
JP2019011223A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 宇部興産株式会社 石膏及びその製造方法、セメント組成物及びその製造方法、ならびに地盤改良材

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5435875A (en) * 1977-08-26 1979-03-16 Tokuyama Soda Co Ltd Sulfur oxides absorbing method
JP2001026420A (ja) * 1999-07-13 2001-01-30 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 石膏の製造方法
JP2013049580A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Taiheiyo Cement Corp セメントキルン排ガスの処理方法
JP2015528431A (ja) * 2012-08-10 2015-09-28 スパーステイン テクノロジーズ エルエルシー Fgd石膏を硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに変換するためのプロセス
JP2017155141A (ja) * 2016-03-02 2017-09-07 デンカ株式会社 地盤改良材およびそれを用いた地盤改良工法
JP2019011223A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 宇部興産株式会社 石膏及びその製造方法、セメント組成物及びその製造方法、ならびに地盤改良材

Also Published As

Publication number Publication date
JP6900992B2 (ja) 2021-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6957346B2 (ja) 炭酸塩化可能なケイ酸カルシウム組成物及びその製造方法
JP4775045B2 (ja) 還元性せっこう組成物、その製造方法およびセメント系固化材と固化処理方法
JP2010131517A (ja) 不溶化材
WO2012120747A1 (ja) セメント組成物及びその製造方法
JP7052154B2 (ja) バイオマス灰の改質方法、バイオマス灰のセメント原料化システム、及び改質バイオマス灰
JP5500828B2 (ja) 土壌固化材
JP2019011223A (ja) 石膏及びその製造方法、セメント組成物及びその製造方法、ならびに地盤改良材
JP2014065659A (ja) スラッジ乾燥粉を用いたセメント系固化材およびその製造方法
JP6763419B2 (ja) セメント組成物の製造方法、及びセメント組成物の製造システム
JP6769459B2 (ja) セメント組成物の製造方法、及びセメント組成物の製造システム
JP2022044542A (ja) バイオマス灰粉粒物、セメント混練体、セメント混練体の製造方法、
JP6900992B2 (ja) 亜硫酸カルシウム含有石膏、セメント組成物、地盤改良材及び地盤改良土
JP6958682B2 (ja) セメント組成物の製造方法、及びセメント組成物の製造システム
KR20240041330A (ko) 반-습식 탄산화, 주기식 탄산화, 비-슬러리 탄산화, 고온 탄산화 및 과립화 탄산화를 통한 시멘트 보충재의 제조
KR101743601B1 (ko) 순환유동층 보일러에서 발생하는 플라이 애시를 이용한 연약지반 강화용 고화재 및 이를 이용한 고화토 제조방법
JP6977788B2 (ja) セメント組成物の製造方法、及びセメント組成物の製造システム
JP2020029502A (ja) 固化材、及び、土壌の固化処理方法
JP6693542B2 (ja) セメント組成物の製造方法、及びセメント組成物の製造システム
JP2021151947A (ja) 無機系産業廃棄物再生品の製造方法
JP6977791B2 (ja) 還元材の製造方法、及びセメント組成物の製造方法
JP2010202463A (ja) セメントクリンカー、セメント系固化材、土壌の固化処理方法及びセメントクリンカーの製造方法
JP6536215B2 (ja) 地盤改良材及び地盤改良方法
JP6927377B2 (ja) セメント組成物の製造方法、及びセメント組成物の製造システム
JP6977805B2 (ja) 硫黄含有組成物、脱硫生成物、クリンカー、及びセメント組成物の製造方法
JP4680549B2 (ja) 含水土中性固化材用の水硬性アルミナ組成物、及びその製造方法、並びに含水土用中性固化材、重金属溶出防止方法、及び高含水土の脱水固化処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210120

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210120

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20210217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210518

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6900992

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250