JP2001026420A - 石膏の製造方法 - Google Patents

石膏の製造方法

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JP2001026420A
JP2001026420A JP19900099A JP19900099A JP2001026420A JP 2001026420 A JP2001026420 A JP 2001026420A JP 19900099 A JP19900099 A JP 19900099A JP 19900099 A JP19900099 A JP 19900099A JP 2001026420 A JP2001026420 A JP 2001026420A
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gypsum
calcium
sulfuric acid
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sodium
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Masaki Imamura
正樹 今村
Takashi Kudo
敬司 工藤
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水酸化カルシウム、炭酸カルシウムあるいは
酸化カルシウムなどのカルシウム塩と硫酸を中和し石膏
を製造する方法において、粒子が肉厚で球状に近い石膏
を製造する方法を提供する。 【解決手段】 水酸化カルシウム、炭酸カルシウムある
いは酸化カルシウムと硫酸を中和するに際し、ナトリウ
ムイオンを共存させることによって、粒子のアスペクト
比が3以下であり、かつ、石膏粒子の厚さが20μm以
上である球形に近い粒子形状を有する石膏が得られる。
また、本発明に用いるナトリウムイオン源としては、硫
酸ナトリウムを使用することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の化学工業、
製錬工程から産出される硫酸あるいは硫酸を含む溶液を
中和し石膏を製造するにあたり、粒子が肉厚かつ球形に
近い石膏を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、石膏は、石膏ボード、石膏プ
ラスターなどの耐燃性建材の原料として、またセメント
の凝結遅緩剤として使用されているが、石膏製品の需要
は今後とも石膏ボードなど建材用途を中心に需要が高ま
って行くものと考えられる。
【0003】このような石膏は、化学工業の副産物とし
て製造されることが多い。たとえば、リン鉱石を硫酸で
分解しリン酸を得るときに石膏が生成するし、発電所な
どから発生するガスに含まれる亜硫酸を石灰などで中和
して亜硫酸カルシウムとし、さらに酸化することで石膏
を得ることができる。また、銅などの金属製錬で生成す
る排ガス中に含まれる硫黄分は、硫酸として固定するこ
とが多いが、この得られた硫酸をカルシウム塩で中和す
ることにより石膏を製造することも広く行われている。
【0004】このように、石膏は、一般に硫酸を含む溶
液を水酸化カルシウム、酸化カルシウムあるいは炭酸カ
ルシウムなどのカルシウム塩により中和して製造され
る。あるいは、亜硫酸ガスを吸収させた溶液をこれらカ
ルシウム塩で中和し、その後酸化することでも製造され
ている。
【0005】しかしながら、このようにして製造される
副生石膏は、針状で厚みの薄い微小結晶であることが多
く、利用価値に乏しく、たとえばボード用石膏のように
肉厚で球形に近い粒子形状であることが要求される用途
には適さず、通常、石膏粒子の長軸と短軸の比で定義さ
れるアスペクト比が3から5のような長手で厚みのな
い、針状結晶になりやすい。
【0006】つまり、硫酸を含む溶液をそのまま中和す
るだけでは、得られる石膏を大きく成長させることは難
しく、また石膏が本来針状に成長しやすいことから、厚
みのある石膏とすることは困難であった。
【0007】そこで、これまでにはいくつかの方法によ
り石膏粒子の形状を制御することが試みられている。ひ
とつは、媒晶剤と呼ばれる試薬を加え、結晶の形を変え
る方法である。一般には、媒晶剤として酢酸、グルタミ
ン酸、クエン酸、コハク酸やマレイン酸などの有機酸の
アルカリ塩を使用する。これら薬品を中和すべき溶液に
予め添加し、前述したカルシウム塩で中和する。
【0008】また、ボード用石膏は半水石膏であること
が必要であるが、通常の中和反応で得られた2水石膏
を、加圧釜中で処理し半水石膏に変換させる際、媒晶剤
を存在させることで石膏の粒形を制御する方法も行われ
ている。この場合、上述の有機酸塩類に加えて、ドデシ
ルベンゼンスルフォン酸ナトリウムなどの陰イオン界面
活性剤を添加することも有効とされている。
【0009】しかしながら、媒晶剤は高価であるうえ
に、溶液に添加した媒晶剤の一部は、生成する石膏の結
晶中に取り込まれ、結果として多くの媒晶剤を消費する
ことになる。よって、硫酸を少量中和処理し石膏を製造
する場合には適用可能であるが、多量の硫酸溶液から石
膏を製造するには不向きである。
【0010】また、反応槽内で生成した石膏の結晶の一
部を種晶として再び反応槽に繰り返し、結晶の成長をコ
ントロールすることも行われている。しかしながら、石
膏粒子は種晶を母体に成長するので、種晶としての石膏
の形状が所望のものでなければ効果なく、本方法のみで
は肉厚でかつ球状に近い石膏粒子は生成しない。
【0011】このようにこれまでの方法では、安定的に
肉厚で球形の石膏粒子を有する石膏を、容易かつ経済的
に製造することは困難であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題点を解決し、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムある
いは酸化カルシウムなどのカルシウム塩と硫酸を中和し
石膏を製造する方法において、粒子が肉厚で球状に近い
石膏を製造する方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
種々検討した結果、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム
あるいは酸化カルシウムと硫酸を中和するに際し、ナト
リウムイオンを共存させることが有効であることがわか
った。前記方法を用いることによって、粒子のアスペク
ト比が3以下であり、かつ、石膏粒子の厚さが20μm
以上である球形に近い粒子形状を有する石膏が得られ
る。また、本発明に用いるナトリウムイオン源として
は、硫酸ナトリウムを使用することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、ナトリウムイオンが、
板状あるいは針状の結晶の生成を抑える現象を利用する
ことによる。水溶液に添加したナトリウムイオンは、石
膏粒子表面の特定面に吸着される。よって、ナトリウム
が吸着された面の成長は抑制されるが、ナトリウムの吸
着されない面の成長は抑制されない。その結果としてこ
れまで成長の乏しかった石膏粒子の厚み方向に成長が促
進されるものと考えられる。
【0015】水酸化カルシウム、酸化カルシウムあるい
は炭酸カルシウムによる硫酸の中和時に加えるナトリウ
ム源の種類は特に限定されず、一般的には、塩化ナトリ
ウム、硫酸ナトリウムあるいは硝酸ナトリウムなどが使
用できる。しかし、不純物の混入する恐れを気にせず使
用できることから、硫酸ナトリウムがもっとも適してい
る。
【0016】添加する硫酸ナトリウムの濃度は、ナトリ
ウムイオンとして1g/l以上が望ましい。これ以下の
濃度では、ナトリウムイオンによる結晶形状の制御作用
が弱く、厚みがあり球状粒子の石膏を製造することはで
きない。
【0017】また、中和時の条件は一般的でよく、温度
や中和されるべき硫酸の濃度、カルシウム塩の添加速度
など特に限定されるものではない。さらに、中和のpH
も特に限定されるものではないが、低pH領域では粒子
の成長が遅く、pHの上昇とともに結晶の成長が促進さ
れる傾向にあることから、pHは2以上、好ましくは
2.5以上で中和を行うと良好な粒子形状を有する石膏
となる。また、高pHでは、生成した石膏粒子に鉄など
の不純物が混入されやすくなるので、5.0以下好まし
くは、4.0以下にコントロールすることが望ましい。
【0018】
【実施例】(従来例)炭酸カルシウムを水で懸濁させた
スラリー(炭酸カルシウム濃度146g/l)を1.2
ml/minの速度で反応容器内に給液し、同時に反応
槽内のpHが3.0となるようコントロールしながら、
70wt%の硫酸を送液した。反応容器内での水溶液の
滞留時間は10時間とした。反応容器内の温度は60℃
とし、生成した石膏の30%を種晶として再び反応槽に
繰り返した。
【0019】72時間後、得られた反応生成物である石
膏粒子の長軸径は90μmであり、粒子の厚さも7.9
μmと薄い板状結晶であった。また、石膏粒子のアスペ
クト比は、3.28であった。これら結晶粒子の測定
は、SEM観察により行った。 (実施例1)炭酸カルシウムスラリーに硫酸ナトリウム
を5g/l(ナトリウム濃度1.6g/l)から15g
/l(同4.9g/l)となるように加えた状態で反応
容器内に送液した以外は、従来例と同様に石膏を製造し
た。その結果、粒子の厚さは29ないし39μmに増加
するとともに、粒子のアスペクト比も、1.93、1.
73、1.70と硫酸ナトリウム濃度に応じて比が小さ
くなり粒子は球形に近くなった。生成した石膏のナトリ
ウム濃度は、いずれも50ppm以下であった。従来
例、実施例1で得られた石膏粒子の測定結果を表1に示
す。 (実施例2)炭酸カルシウムを水で懸濁させたスラリー
(炭酸カルシウム濃度146g/l)に硫酸ナトリウム
を15g/l(ナトリウム濃度4.9g/l)となるよ
う加えた状態で1.2ml/minの速度で反応容器内
に給液し、同時に反応槽内のpHを所定の値になるよう
コントロールしながら、70wt%の硫酸を送液した。
pHは2.0から6.8でコントロールした。反応容器
内での水溶液の滞留時間は10時間とした。反応容器内
の温度は60℃とし、生成した石膏の30%を種晶とし
て再び反応槽に繰り返した。
【0020】72時間後、得られた反応生成物である石
膏粒子のアスペクト比はいずれも3.0以下となり、厚
みも33μmから56μmと肉厚になった。また、石膏
粒子のアスペクト比も3.0以下であり球形に近い粒子
となるが、低pHおよび高pH領域ではやや大きくなる
傾向にあった。pH2.5以上3.5の範囲では、アス
ペクト比が低く安定し、もっとも本発明の実施に好適で
あった。これらの結果を表2に示す。
【0021】なお、生成した石膏のナトリウム濃度は、
いずれも50ppm以下であった。
【0022】
【発明の効果】以上、説明したように本発明では、水酸
化カルシウム、炭酸カルシウムあるいは酸化カルシウム
を加えて硫酸を中和するに際し、ナトリウムイオンを共
存させることにより肉厚かつ球形粒子の石膏を製造する
ことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウム塩と硫酸を中和する石膏の製
    造方法において、中和時にナトリウムイオンを共存させ
    ることを特徴とする、石膏粒子のアスペクト比が3以下
    である石膏の製造方法。
  2. 【請求項2】 ナトリウムイオン源として、硫酸ナトリ
    ウムを使用することを特徴とする請求項1記載の石膏の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 石膏粒子の厚さが20μm以上であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の石膏の製造方
    法。
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Cited By (4)

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