JP2021079393A - 鋳造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶湯のゲート速度を上げることなく、溶湯を微細化することが可能な鋳造装置を提供することである。【解決手段】本発明にかかる鋳造装置1は、キャビティ11を備える金型10と、キャビティ11のゲート12に連結され、キャビティ11に溶湯25を供給する供給路13と、供給路13に連結され、供給路13に気体22を供給する気体流路16と、を備える。そして、本発明にかかる鋳造装置1では、供給路13を通過している溶湯21に気体流路16から気体22を衝突させて溶湯21を微粒化し、当該微粒化された溶湯25をキャビティ11に供給している。【選択図】図1

Description

本発明は、鋳造装置に関する。
鋳造装置は、金型のキャビティに溶湯を注入することで鋳造製品を製造する装置である。非特許文献1には、金型のキャビティに注入される溶湯をアトマイズ・フロー(Atomized Flow)とすることで、鋳造製品の欠陥量の減少や製品の伸び特性の向上の効果が得られる点が開示されている。非特許文献1に開示されている技術では、溶湯がゲートを通過する際の速度(ゲート速度)を速くすることで、溶湯をアトマイズ化できる点が開示されている。
「ハイプレッシャーダイカストにおける微粒化現象の撮影およびLES-VOF法によるAtomized Flowのシミュレーションシステム開発」、2018日本ダイカスト会議論文集 JD18−25
上述のように、金型のキャビティに供給する溶湯をアトマイズ化(微細化)することで、鋳造製品の欠陥量を減少させることができる。例えば、非特許文献1に開示されている技術では、溶湯がゲートを通過する際の速度(ゲート速度)を速くすることで、溶湯を微細化できる点が開示されている。
しかしながら、溶湯のゲート速度が速くなると、溶湯の流路や金型に伝わる熱量が多くなり、溶損や焼き付きが発生するという問題がある。したがって、溶湯のゲート速度を上げることなく、溶湯を微細化する技術が必要とされていた。
上記課題に鑑み本発明の目的は、溶湯のゲート速度を上げることなく、溶湯を微細化することが可能な鋳造装置を提供することである。
本発明の一態様にかかる鋳造装置は、キャビティを備える金型と、前記キャビティのゲートに連結され、前記キャビティに溶湯を供給する供給路と、前記供給路に連結され、前記供給路に気体を供給する気体流路と、を備え、前記供給路を通過している前記溶湯に前記気体流路から前記気体を衝突させて前記溶湯を微粒化し、当該微粒化された溶湯を前記キャビティに供給する。
本発明の一態様にかかる鋳造装置では、供給路を通過している溶湯に気体を衝突させて溶湯を微粒化している。したがって、ゲートを通過する溶湯の速度(ゲート速度)を上げることなく、溶湯を微細化することができる。
上述の鋳造装置は、前記供給路に連結され、前記供給路に溶湯を供給する溶湯供給部を更に備えていてもよく、前記溶湯供給部は、前記供給路に連結されている部分において前記溶湯供給部の断面積が前記供給路の断面積よりも小さくなるように構成されていてもよい。このような構成とすることで、溶湯を供給路内において効率的に拡散させることができ、溶湯の微細化を促進できる。
上述の鋳造装置において、前記気体流路は、前記供給路に供給される前記気体の方向が前記供給路を流れる前記溶湯の方向に対して鋭角となるように配置されていてもよい。このような構成とすることで、供給路内の溶湯を微細化させつつ、微細化後の溶湯がキャビティに供給されることを促進できる。
上述の鋳造装置において、前記供給路の断面形状は略円形状であってもよく、前記供給路の周囲には複数の気体流路が連結されていてもよく、前記複数の気体流路の各々は、前記供給路を前記溶湯が流れる方向に向かってみた際に、前記供給路に供給される前記気体の方向が前記供給路の中心軸とずれるように配置されていてもよい。このような構成とすることで、供給路内を流れる溶湯を回転させることができる。このように溶湯を回転させた場合は、溶湯に遠心力が働いて溶湯の乱れが促進されて、溶湯の微細化が促進される。
上述の鋳造装置において、前記気体流路の一端は前記供給路に連結されていてもよく、前記気体流路の他端は前記キャビティに連結されていてもよく、前記気体流路を介して前記キャビティから前記供給路に気体が供給されてもよい。このような構成とすることで、キャビティ内の空気が溜まりやすい箇所から気体流路を介して空気を排出することができるので、キャビティ内に空気が残留することを抑制することができる。よって、鋳造製品の品質を向上させることができる。
上述の鋳造装置において、前記気体流路として、第1気体流路および第2気体流路を備えていてもよく、前記第1気体流路は、前記供給路に連結され、前記供給路に第1気体を供給可能に構成されていてもよく、前記第2気体流路は、一端が前記供給路に連結され、他端が前記キャビティに連結されていてもよく、前記第2気体流路を介して前記キャビティから前記供給路に気体が供給されてもよい。このような構成とすることで、溶湯を微細化するための気体を供給路に十分に供給することができる。したがって、供給路を流れる溶湯の微細化を促進できる。
本発明により、溶湯のゲート速度を上げることなく、溶湯を微細化することが可能な鋳造装置を提供することができる。
実施の形態1にかかる鋳造装置を説明するための断面図である。 実施の形態1にかかる鋳造装置の他の構成例を説明するための断面図である。 実施の形態1にかかる鋳造装置の他の構成例を説明するための断面図である。 実施の形態2にかかる鋳造装置を説明するための断面図である。 実施の形態2にかかる鋳造装置を説明するための断面図である。 実施の形態2にかかる鋳造装置の他の構成例を説明するための断面図である。
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる鋳造装置を説明するための断面図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる鋳造装置1は、金型10、供給路13、溶湯供給部14、及び気体流路16を備える。
金型10は、製造する鋳造製品の形状に応じたキャビティ11を備える。例えば、金型10は、固定型と可動型とを備えており、固定型に対して可動型が連結されて型締めされることで、金型10の内部に製品の形状に応じたキャビティ11が形成される。そして、キャビティ11に溶湯25が供給(注入)されて鋳造製品が鋳造された後、可動型が固定型から離れて型開きすることで、鋳造製品が取り出される。その後、同様の動作を繰り返すことで、連続的に鋳造製品が製造される。なお、本明細書では図面を簡略化するために、固定型と可動型の図示を省略している。
供給路13は、キャビティ11に溶湯25を供給するための流路である。供給路13は、金型10(キャビティ11)のゲート12に連結されており、溶湯供給部14から供給された溶湯21を、ゲート12を介してキャビティ11に供給する。溶湯21は、供給路13内をx軸方向に移動する。このとき、溶湯供給部14から供給された溶湯21は、供給路13において微細化(アトマイズ化)され、この微細化された溶湯25がキャビティ11に供給される。なお、本明細書では、微細化される前の溶湯を「溶湯21」と記載し、微細化された溶湯を「溶湯25」と記載している。
溶湯供給部14は、供給路13に連結されており、供給路13に溶湯21を供給する。例えば、溶湯供給部14は、プランジャを用いて構成することができる。具体的には、プランジャ(不図示)はプランジャスリーブとプランジャチップとを備えており、溶湯21で満たされたプランジャスリーブ内をプランジャチップがスライドすることで、供給路13に溶湯21が供給される。溶湯21は、鋳造製品の材料となる金属を溶融した液体状の材料であり、例えばアルミニウム合金等を溶融した溶融金属である。
溶湯供給部14は、供給路13に連結されている部分14aにおいて溶湯供給部14の断面積が供給路13の断面積(x軸と垂直な断面)よりも小さくなるように構成されている。
気体流路16は、供給路13に連結されており、供給路13に気体22を供給する。本実施の形態にかかる鋳造装置1では、供給路13を通過している溶湯21に、気体流路16から気体22を衝突させて溶湯21を微粒化し、当該微粒化された溶湯25をキャビティ11に供給している。
図1に示す例では、供給路13に供給される気体22は、気体流路16からy軸方向に供給(噴射)される。つまり、x軸方向に流れている溶湯21に対して、気体流路16からy軸方向に気体22が供給されて、この気体22が溶湯21に衝突することで溶湯21が微粒化される。このように、溶湯21に対して気体22を衝突させることで、溶湯21に気体22の剪断力が作用し、溶湯21が微細化される。
具体的には、本実施の形態では、供給路13からキャビティ11に溶湯25が供給される際に、溶湯25の慣性力と空気の粘性力とにより供給路13内の空気が押し出され、供給路13内の圧力が負圧になる。これにより、気体流路16から供給路13に気体22が供給される。また、溶湯供給部14は、供給路13に連結されている部分14aにおいて、供給路13の断面積(x軸と垂直な断面)よりも断面積が小さくなるように構成されている。これにより、溶湯21を供給路13内において効率的に拡散させることができ、溶湯21の微細化を促進できる。すなわち、本実施の形態にかかる鋳造装置1は、エアアシストアトマイザの原理を用いて、溶湯21を微細化することができる。
気体流路16から供給路13に供給される気体22は、空気であってもよく、また不活性ガスであってもよい。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどを用いることができる。
また、本実施の形態では、気体流路16から供給路13に供給される気体22の流量(流速)を、供給路13を通過する溶湯21の流量(速度)に応じて調整してもよい。例えば、供給路13を通過する溶湯21の流量が多くなるほど、気体流路16から供給路13に供給される気体22の流量を多くしてもよい。例えば、気体流路16に流量調整用のバルブを設けることで、気体流路16から供給路13に供給される気体22の流量を調整することができる。
上述のように、本実施の形態では、供給路13内を溶湯21が流れる際に、供給路13内の圧力が負圧になることで、気体流路16から供給路13に気体22を供給している。しかしながら、本実施の形態では、加圧された気体を気体流路16に供給することで、気体流路16から供給路13に気体22を供給してもよい。例えば、所定の圧力に加圧された圧縮空気を、気体流路16から供給路13に供給してもよい。これにより、供給路13を通過している溶湯21に衝突する気体22の速度が増加して、衝突のエネルギーが増加するので、溶湯21の微粒化を促進できる。
以上で説明したように、本実施の形態にかかる鋳造装置1では、供給路13を通過している溶湯21に気体22を衝突させて溶湯21を微粒化している。したがって、ゲート12を通過する溶湯の速度(ゲート速度)を上げることなく、溶湯を微細化(アトマイズ化)することができる。また、本実施の形態にかかる鋳造装置1では、ゲート速度を速くする必要がないので、溶湯の流路や金型に伝わる熱量が多くなることを抑制でき、溶損や焼き付きの発生を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、供給路13に供給される気体22を予め加熱しておいてもよい。このように予め気体22を加熱しておくことで、供給路13を通過している溶湯21に気体22を衝突させた際に、気体22で溶湯21が冷却されることを抑制することができる。よって、溶湯21の温度が低下して溶湯21が金属粒子になることを抑制することができる。
図2は、本実施の形態にかかる鋳造装置の他の構成例を説明するための断面図である。図2に示す鋳造装置1aは、図1に示した鋳造装置1と比べて、気体流路17の配置が異なる。これ以外の構成については、図1に示した鋳造装置1と同様である。
図2に示すように、鋳造装置1aの気体流路17は、供給路13に供給される気体23の方向が供給路13を流れる溶湯21の方向(x軸方向)に対して鋭角となるように配置されている。この場合も、x軸方向に流れている溶湯21に対して気体23を衝突させることで、溶湯21に気体23の剪断力が作用し、溶湯が微細化される。また、供給路13に供給される気体23の方向を溶湯21が流れる方向(x軸方向)に対して鋭角とすることで、溶湯21を微細化させつつ、微細化後の溶湯25がキャビティ11に供給されることを促進できる。
このとき本実施の形態では、供給路13に供給される気体23の方向を調整可能に構成してもよい。例えば、供給路13に供給される気体23の方向が、供給路13を流れる溶湯21の方向(x軸方向)に対して大きくなるほど(直角に近くなるほど)、溶湯21に与える気体23の衝突力が大きくなり、溶湯21の微細化を促進できる。一方、供給路13に供給される気体23の方向が、供給路13を流れる溶湯21の方向(x軸方向)に対して小さくなるほど(x軸方向に近くなるほど)、微細化後の溶湯25のx軸方向に向かう勢いを強くすることができる。したがって、微細化後の溶湯25がキャビティ11内に供給されることを促進できる。本実施の形態では、このような点を考慮して、供給路13に供給される気体23の方向、つまり、供給路13を流れる溶湯21に衝突する気体23の角度を調整してもよい。
なお、図1、図2では、供給路13に連結される気体流路17の数が1つである場合を例示したが、本実施の形態では、供給路13に連結される気体流路17の数は複数であってもよい。
図3は、本実施の形態にかかる鋳造装置の他の構成例を説明するための断面図であり、供給路13に複数の気体流路17a〜17hが配置されている例を示す図である。なお、図3では、図2に示した気体流路17を供給路13の周囲に複数配置した例を示している。つまり、各々の気体流路17a〜17hは、図2に示した気体流路17のように、供給路13に供給される気体23の方向が供給路13を流れる溶湯21の方向(x軸方向)に対して鋭角となるように配置されている。
図3に示す供給路13の断面形状は略円形状であり、供給路13の周囲には複数の気体流路17a〜17hが連結されている。このとき、各々の気体流路17a〜17hは、供給路13を溶湯21が流れる方向(x軸方向)に向かってみた際に、供給路13に供給される気体23の方向が供給路13の中心軸29とずれるように配置されている。
各々の気体流路17a〜17hをこのように配置することで、供給路13内を流れる溶湯21を回転させることができる。図3に示す例では、供給路13内をx軸方向に流れる溶湯21を、時計回りに回転させることができる。このように溶湯21を回転させた場合は、溶湯21に遠心力が働いて溶湯21の乱れが促進されて、溶湯21の微細化が促進される。
また、図3に示す構成では、各々の気体流路17a〜17hに流れる気体の流量を調整することで、供給路13からキャビティ11に供給される溶湯25の供給方向を制御してもよい。例えば、キャビティ11のy軸方向プラス側に溶湯25を多く供給したい場合は、各々の気体流路17a〜17hのうちy軸方向マイナス側の気体流路からの気体23の供給量を多くする。逆に、キャビティ11のy軸方向マイナス側に溶湯25を多く供給したい場合は、各々の気体流路17a〜17hのうちy軸方向プラス側の気体流路からの気体23の供給量を多くする。このような手法を用いることで、キャビティ11のうち溶湯25を多く供給する必要がある箇所に重点的に溶湯を供給することができる。
以上で説明した本実施の形態にかかる発明により、溶湯のゲート速度を上げることなく、溶湯を微細化することが可能な鋳造装置を提供することができる。
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図4は、実施の形態2にかかる鋳造装置を説明するための断面図である。図4に示すように、本実施の形態にかかる鋳造装置2は、金型10、供給路13、溶湯供給部14、及び気体流路18a、18bを備える。なお、本実施の形態にかかる鋳造装置2は、実施の形態1(図1参照)で説明した鋳造装置1と比べて、気体流路18a、18bの構成が異なる。これ以外の構成については、実施の形態1で説明した鋳造装置1と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図4に示すように、本実施の形態にかかる鋳造装置2において気体流路18a、18bは、キャビティ11と供給路13とを空間的につなぐように設けられている。具体的には、気体流路18a、18bの一端は供給路13に連結されており、気体流路18a、18bの他端はキャビティ11に連結されている。
本実施の形態にかかる鋳造装置2では、気体流路18a、18bをこのような構成としているので、気体流路18a、18bを介してキャビティ11から供給路13に気体が供給される。つまり、供給路13からキャビティ11に溶湯25が供給される際に、溶湯25の慣性力と空気の粘性力とにより供給路13内の空気を押し出し、供給路13内の圧力が負圧になる。これにより、気体流路18a、18bを介してキャビティ11内の気体が吸い込まれて、この吸い込まれた気体24a、24bが供給路13に供給される。
更に本実施の形態では、図5に示すように、キャビティ11に溶湯25が供給されて、キャビティ11内に溶湯26が充填されることで、キャビティ11内の圧力が上昇する。これにより、キャビティ11から気体流路18a、18bにキャビティ内の気体が押し出されて、この押し出された気体24a、24bが供給路13に供給される。
本実施の形態では、上述の2つの作用により、気体流路18a、18bを介してキャビティ11から供給路13に気体24a、24bが供給される。
また、本実施の形態では、上述の構成とすることで、キャビティ11内の空気が溜まりやすい箇所31a、31b(図5参照)から空気を排出することができる。すなわち、キャビティ11内には湯流れの悪い箇所31a、31bがあり、このような箇所31a、31bには空気が溜まりやすい傾向がある。本実施の形態では、このような箇所の近くに気体流路18a、18bを連結することで、キャビティ11内の空気が溜まりやすい箇所31a、31bから空気を排出することができる。これにより、キャビティ11に溶湯26が充填された際に、キャビティ11内に空気が残留することを抑制することができ、鋳造製品の品質を向上させることができる。
例えば、キャビティ11内のうち、ゲート12と近い側は湯流れが悪くなる傾向がある。したがって、例えば、キャビティ11の重心位置よりもゲート12側の位置に気体流路18a、18bを連結してもよい。
また、図4では、鋳造装置2に2つの気体流路18a、18bを設けた例を示したが、本実施の形態では鋳造装置2に設ける気体流路の数は1つであってもよく、また3つ以上であってもよい。
以上で説明したように、本実施の形態にかかる鋳造装置2では、供給路13を通過している溶湯21に気体22を衝突させて溶湯21を微粒化している。したがって、ゲート12を通過する溶湯の速度(ゲート速度)を上げることなく、溶湯を微細化することができる。また、本実施の形態にかかる鋳造装置2では、ゲート速度を速くする必要がないので、溶湯の流路や金型に伝わる熱量が多くなることを抑制でき、溶損や焼き付きの発生を抑制することができる。
更に本実施の形態にかかる鋳造装置2では、気体流路18a、18bの一端を供給路13に連結し、気体流路18a、18bの他端をキャビティ11に連結している。したがって、キャビティ11内の空気が溜まりやすい箇所31a、31bから空気を排出することができるので、キャビティ11内に空気が残留することを抑制することができる。よって、鋳造製品の品質を向上させることができる。
次に、本実施の形態にかかる鋳造装置の他の構成例について説明する。図6は、本実施の形態にかかる鋳造装置の他の構成例を説明するための断面図である。図6に示す鋳造装置2aでは、図4に示した本実施の形態にかかる鋳造装置2と、図1に示した実施の形態1にかかる鋳造装置1と、を組み合わせた構成例を示している。なお、図6に示す鋳造装置2aの構成のうち、図4に示した鋳造装置2と図1に示した鋳造装置1と共通する構成については、同一の符号を付している。
図6に示す鋳造装置2aは、気体流路(第1気体流路)16と、気体流路(第2気体流路)18a、18bと、を備えている。気体流路16は、供給路13に連結され、供給路13に気体22を供給可能に構成されている。気体流路18a、18bは、一端が供給路13に連結され、他端がキャビティ11に連結されており、気体流路18a、18bを介してキャビティ11から供給路13に気体24a、24bが供給される。
例えば、図4に示した鋳造装置2では、気体流路18a、18bを介してキャビティ11から供給路13に気体24a、24bが供給される。しかしながら、供給路13を流れる溶湯21の量によっては、供給路13に供給される気体24a、24bの量が十分ではなく、供給路13を流れる溶湯21を十分に微細化することができない場合がある。このような場合は、図6に示す鋳造装置2aのように、気体流路16を更に設けて供給路13に気体22を供給することで、供給路13を流れる溶湯21を十分に微細化することができる。すなわち、気体流路16を追加的に設けることで、溶湯21の微細化に必要な気体を補うことができる。したがって、供給路13を流れる溶湯21の微細化を促進させることができる。
上述のように、気体流路16から供給路13に供給する気体22は、空気であってもよく、また不活性ガスであってもよい。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどを用いることができる。
また、気体流路16から供給路13に供給される気体22の流量(流速)は、供給路13を通過する溶湯21の流量(速度)に応じて調整してもよい。例えば、供給路13を通過する溶湯21の流量が多くなるほど、気体流路16から供給路13に供給される気体22の流量を多くしてもよい。例えば、気体流路16に流量調整用のバルブを設けることで、気体流路16から供給路13に供給される気体22の流量を調整することができる。
上述のように、気体流路16から供給路13に供給される気体22は、供給路13内の圧力が負圧になることで、供給路13に供給されてもよい。また、加圧された気体を気体流路16に供給することで、気体流路16から供給路13に気体22を供給してもよい。例えば、所定の圧力に加圧された圧縮空気を、気体流路16から供給路13に供給してもよい。
また、気体流路16は、図2に示した気体流路17のように、供給路13に供給される気体の方向が供給路13を流れる溶湯21の方向(x軸方向)に対して鋭角となるように配置してもよい。
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
1、1a、2、2a 鋳造装置
10 金型
11 キャビティ
12 ゲート
13 供給路
14 溶湯供給部
16、17、17a〜17h、18a、18b 気体流路
21 溶湯(微細化前)
22、23、24a、24b 気体
25 溶湯(微細化後)
26 溶湯(キャビティに充填された溶湯)

Claims (6)

  1. キャビティを備える金型と、
    前記キャビティのゲートに連結され、前記キャビティに溶湯を供給する供給路と、
    前記供給路に連結され、前記供給路に気体を供給する気体流路と、を備え、
    前記供給路を通過している前記溶湯に前記気体流路から前記気体を衝突させて前記溶湯を微粒化し、当該微粒化された溶湯を前記キャビティに供給する、
    鋳造装置。
  2. 前記供給路に連結され、前記供給路に溶湯を供給する溶湯供給部を更に備え、
    前記溶湯供給部は、前記供給路に連結されている部分において前記溶湯供給部の断面積が前記供給路の断面積よりも小さくなるように構成されている、
    請求項1に記載の鋳造装置。
  3. 前記気体流路は、前記供給路に供給される前記気体の方向が前記供給路を流れる前記溶湯の方向に対して鋭角となるように配置されている、請求項1または2に記載の鋳造装置。
  4. 前記供給路の断面形状は略円形状であり、
    前記供給路の周囲には複数の気体流路が連結されており、
    前記複数の気体流路の各々は、前記供給路を前記溶湯が流れる方向に向かってみた際に、前記供給路に供給される前記気体の方向が前記供給路の中心軸とずれるように配置されている、
    請求項3に記載の鋳造装置。
  5. 前記気体流路の一端は前記供給路に連結されており、
    前記気体流路の他端は前記キャビティに連結されており、
    前記気体流路を介して前記キャビティから前記供給路に気体が供給される、
    請求項1または2に記載の鋳造装置。
  6. 前記気体流路として、第1気体流路および第2気体流路を備え、
    前記第1気体流路は、前記供給路に連結され、前記供給路に第1気体を供給可能に構成されており、
    前記第2気体流路は、一端が前記供給路に連結され、他端が前記キャビティに連結されており、前記第2気体流路を介して前記キャビティから前記供給路に気体が供給される、
    請求項1または2に記載の鋳造装置。
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