JP2021078954A - 針組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線滅菌後においても、誤穿刺防止機構のスムーズなスライド操作が可能な針組立体を提供する。【解決手段】翼付針組立体10は、針の先を収容する筒状部材30と、針の基端部が固定されるハブ20であって、筒状部材の筒内に針の先が収容されるように筒状部材の軸方向にスライドするハブとを備える。筒状部材とハブ、及び筒状部材と針の組のうち少なくとも一方には、ハブがスライドする際に、互いにこすれ合う摺動部が存在する。摺動部には、アリール基含有ポリシロキサンを主成分とする潤滑剤が塗布されている。【選択図】図5

Description

本発明は、針組立体に関し、より詳しくは、潤滑剤が塗布される摺動部を有する針組立体に関する。
従来、患者に薬液等を注射する際、また人工透析、採血などの処置を行うに際に、穿刺用の針を備えた針組立体が広く使用されている。針組立体としては、種々の構造を有するものが知られており、例えば、誤穿刺防止機構を備えた針組立体も開発されている。特許文献1には、針が固定されたハブを針先と反対方向にスライドさせることで針先がハウジングの筒内に収容される誤穿刺防止機構を備えた針組立体が開示されている。
特開平10−85333号公報
ところで、特許文献1に開示される針組立体のように、針を保護する誤穿刺防止機構はハブ等の他の部材に対してスライド可能とされることが多く、このような針組立体には、スライド時にこすれ合う摺動部が存在する。このため、摺動部の摩擦抵抗を低減する一手段として潤滑剤が用いられる場合がある。ところが、潤滑剤が用いられた針組立体において、放射線を用いた放射線滅菌等を施したところ、摺動部の摩擦抵抗が十分に低減されず、誤穿刺防止機構の動作性が劣化するという問題が発生し得ることが、検証の結果、新たに判明した。摺動部の摺動性が低いと、操作時に使用者ががたつきを感じたり、誤穿刺防止機構が設計通りに動作しない事態が生じうる。
本発明の目的は、放射線滅菌後においても、誤穿刺防止機構のスムーズなスライド操作が可能な針組立体を提供することである。
本発明の一態様である針組立体は、針を備えた針組立体において、針先を収容する筒状部材と、針の基端部が固定されるハブであって、筒状部材の筒内に針先が収容されるように筒状部材の軸方向にスライドするハブとを備え、筒状部材とハブ、筒状部材と針、及び筒状部材を構成する部材同士の組のうち少なくとも1つには、ハブがスライドする際に、互いにこすれ合う摺動部が存在し、摺動部には、アリール基含有ポリシロキサンを主成分とする潤滑剤が塗布されていることを特徴とする。
本発明者が鋭意検討した結果、摺動部の潤滑剤としてアリール基含有ポリシロキサンを用いた場合に、他の潤滑剤を用いた場合と比べて、放射線滅菌後における摺動部の摩擦抵抗が大きく低減され、筒状部材とハブによって構成される誤穿刺防止機構のスムーズなスライド操作が可能になることが見出された。言い換えると、上記構成を備えた針組立体によれば、従来適用が困難であった放射線滅菌法を適用できる。
本発明に係る針組立体において、上記アリール基含有ポリシロキサンは、式1で表される化合物であることが好ましい。この場合、放射線滅菌後における摺動部の滑り性がさらに向上する。
Figure 2021078954
式中、R1及びR2は炭素数が1〜18のアルキル基であり、R3はフェニル基又は炭素数1〜18のアルキル基である。
好適なアリール基含有ポリシロキサンの具体例は、R1及びR2がメチル基、R3がフェニル基であるポリメチルフェニルシロキサンである。
本発明に係る針組立体において、筒状部材は、ハブの少なくとも一部を収容するハウジングであり、ハブは、針先が筒状部材の筒内から突出する第1の位置から、針先が筒状部材の筒内に収容される第2の位置までスライドするように構成され、ハウジング及びハブには、上記潤滑剤が塗布された摺動部が存在していてもよい。
また、本発明の他の一態様である針組立体は、内針と外針を備えた針組立体であって、内針の先を収容する筒状部材と、外針の基端部が固定される外針ハブであって、筒状部材とスライド可能に係合する外針ハブとを備え、筒状部材及び外針ハブには、外針ハブがスライドする際に、互いにこすれ合う摺動部が存在し、摺動部には、アリール基含有ポリシロキサンを主成分とする潤滑剤が塗布されていることを特徴とする。或いは、筒状部材が、互いに軸方向にスライド可能な内側部材と外側部材とを有し、内側部材及び外側部材には、互いにこすれ合う摺動部が存在していてもよい。
外針を備える針組立体において、摺動部の摩擦抵抗が高く、内針の誤穿刺防止機構がスムーズにスライドしない場合、外針が引っ張られて血管から抜けるおそれがあるが、本発明の他の一態様である針組立体によれば、放射線滅菌後においても摺動部の良好な滑り性が確保される。このため、外針が外れるような不具合の発生を十分に抑制できる。
本発明に係る針組立体によれば、放射線滅菌後においても、摺動部の良好な滑り性が確保され、誤穿刺防止機構のスムーズなスライド操作が可能である。
本発明の実施形態の一例である針組立体の正面図である。 図1中のAA線断面図である。 本発明の実施形態の一例である針組立体の正面図であって、針先をハウジングの筒内に収容した状態を示す図である。 図3中のBB線断面図である。 実施形態の一例である針組立体において、抜針操作の様子を示す図である。 実施形態の一例である針組立体において、抜針操作時におけるハブのスライドストロークと摩擦抵抗の関係を示す図である。 比較例の針組立体において、抜針操作時におけるハブのスライドストロークと摩擦抵抗の関係を示す図である。 実施形態の他の一例である針組立体の断面図である。 実施形態の他の一例である針組立体の断面図であって、内針の抜去後の状態を示す図である。 実施形態の他の一例である針組立体を構成するプロテクタの斜視図である。 図10中のCC線断面図である。 プロテクタの斜視図であって、内針の抜去後の状態を示す図である。 図12中のDD線断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。以下で説明する実施形態はあくまでも一例であって、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、本明細書において、「数値(A)〜数値(B)」との記載は特に断らない限り、数値(A)以上数値(B)以下を意味する。
以下では、本発明に係る針組立体の実施形態として、翼付針組立体10と留置針組立体50を例示するが、本発明の構成は、針が固定されたハブのスライド機構を有し、ハブをスライド操作する際にこすれ合う摺動部が存在する医療用の針組立体に広く適用できる。例えば、本発明の構成は、バネの付勢力を用いてハブをスライドさせる機構を備えた針組立体にも適用できる。
図1〜図5を参照しながら、実施形態の一例である翼付針組立体10について以下詳細に説明する。図1は翼付針組立体10の正面図、図2は図1中のAA線断面図である。図3は翼付針組立体10のハブ20を後方にスライドさせて針先11aをハウジング30の筒内に収容した状態の正面図、図4は図3中のBB線断面図である。図5は、翼付針組立体10の抜針操作の様子を示す図である。
以下では、説明の便宜上、翼付針組立体10及び各構成要素について、針先11a側の端部を「先端」、針先11aと反対側の端部を「基端」とし、先端側の方向を「前方」、基端側の方向を「後方」とする(実施形態の他の一例である留置針組立体50についても同様)。
図1〜図4に例示するように、翼付針組立体10は、針11と、針11が固定されるハブ20と、ハブ20の少なくとも一部を収容するハウジング30とを備える。ハウジング30は、針先11aを収容する筒状部材であって、ハウジング30の先端側に翼31が設けられている。なお、翼31は、テープを用いて患者の腕等に翼付針組立体10を固定する際に使用される。ハブ20は、ハウジング30の筒内に針先11aが収容されるように、ハウジング30の軸方向にスライドする。
翼付針組立体10は、さらに、ハブ20の基端部に設けられるストッパ25を備える。ストッパ25は、ハウジング30に係合するアーム26を含む。本実施形態では、ハブ20の基端部に可撓性のチューブ1(図5参照)が接続される。また、ハブ20とハウジング30によって誤穿刺防止機構が構成される。
翼付針組立体10は、ハウジング30に対して相対的に、ハブ20が前後方向にスライド可能な構造を有する。本実施形態では、ハブ20がスライドする際に互いにこすれ合う摺動部が、ハブ20及びハウジング30に存在する。詳しくは後述するが、ハブ20は、ストッパ25を摘まんで後方にスライドさせることが可能であり、針先11aがハウジング30の筒内から突出する第1の位置から、針先11aがハウジング30の筒内に収容される第2の位置までスライドするように構成されている。また、翼付針組立体10は、針先11aが第2の位置から動かないように固定するロック機構を有する。
針11は、金属製の中空針であって、穿刺できるように尖った針先11aを有し、ハブ20の先端部に固定されている。翼付針組立体10では、使用後において針先11aをハウジング30の筒内に収容できるため、誤穿刺が防止される。即ち、翼付針組立体10は誤穿刺防止機構を備える。針11の長さは、ハウジング30の長さよりも短く、使用後において針11の全体がハウジング30の筒内に収容されることが好ましい。
ハブ20は、上記の通り、針11が固定される部材であって、ハウジング30の筒内に収容され、ハウジング30に対して相対的に前後方向にスライドする。ハブ20は、ハウジング30よりも直径が小さな樹脂製の筒状体である。ハブ20の内部は、針11及びチューブ1の中空部(内部)と連通している。即ち、ハブ20は、針11の中空部がハブ20の内部に連通した状態で、針11の基端部を支持している。
ハブ20は、先端部に形成された環状凸部21と、環状凸部21よりもハブ20の基端側に形成された係合溝22とを有する。本実施形態では、ハブ20の先端部が径方向外側に張り出して環状凸部21が形成され、環状凸部21に隣接してハブ20の外周面が凹んだ環状の係合溝22が形成されている。環状凸部21及び係合溝22は、ハウジング30の後述する係合爪33と共に、上記ロック機構を構成する。
ハブ20は、針先11aがハウジング30の先端から突出する使用状態において、基端がハウジング30の基端よりも後方に突出している。そして、ハウジング30から突出したハブ20の基端部に、ストッパ25が設けられている。なお、ストッパ25は、ハブ20と別の部材で構成され、ハブ20に取り付けられていてもよく、ハブ20と一体成形されていてもよい。
ストッパ25は、ハブ20の径方向に撓んで弾性変形する一対のアーム26を有する。アーム26の先端には、外側に突出した突起27が形成されている。アーム26の突起27がハウジング30の基端部に係合することで、ハウジング30にハブ20が固定され、使用状態におけるハブ20の後方へのスライドが防止される。即ち、針先11aが上記第1の位置から動かないように固定される。
ハウジング30は、上記の通り、ハブ20を前後方向にスライド可能な状態で収容する樹脂製の筒状体であって、針11よりも長い軸方向長さを有する。ハウジング30の基端部には、ストッパ25の突起27が嵌合する開口32が形成されている。また、ハウジング30の基端部には、開口32よりも先端側に、ハウジング30の径方向に撓んで弾性変形する係合爪33が形成されている。係合爪33は、ハブ20の外周面に当接しており、ハブ20を後方にスライドさせて針先11aをハウジング30の筒内に収容したときに、ハブ20の係合溝22に嵌合する。
図5に例示するように、翼付針組立体10は、針11が血管に刺さった状態から、ストッパ25を摘まんでハブ20を後方にスライドさせることにより、針11が血管から抜けて針先11aがハウジング30の筒内に収容される。図5(a)に例示するように、アーム26を内側に撓ませて変形させることで、突起27が開口32から外れる。突起27が開口32から外れることで、図5(b)に例示するように、ハブ20を後方にスライドさせることができ、針11が血管から抜けて、図5(c)に例示するように、針先11aがハウジング30の筒内に収容された状態となる。
このとき、ハウジング30の係合爪33がハブ20の係合溝22に嵌合するまで、ハブ20を後方にスライドさせる。係合爪33が係合溝22に嵌合することにより、ハブ20の前後方向へのスライドが防止され、針先11aが上記第2の位置から動かないようにロックされると共に、使用者にハウジング30がハブ20にロックされたことを示す感触が伝わる。以上の抜針操作において、針先11aは外部に露出しないため、誤穿刺が防止される。
ハブ20及びハウジング30には、上記抜針操作によりハブ20がスライドする際に、互いにこすれ合う摺動部が存在する。具体的には、ハウジング30の係合爪33のハブ20に当接する部分、ハブ20の外周面のうち係合爪33が当接する部分、ハブ20の環状凸部21のハウジング30に当接する部分、及びハウジング30の内周面のうち環状凸部21が当接する部分が摺動部となる。そして、当該各摺動部には、ハブ20が後方にスライドする際(図5(b)参照)に摩擦力が発生する。
翼付針組立体10の摺動部には、上記摩擦力を低減し、ハブ20のスムーズなスライドを可能とするため、アリール基含有ポリシロキサンを主成分とする潤滑剤が塗布されている。アリール基含有ポリシロキサンは、潤滑剤の構成成分のうち、最も質量割合が高い成分である。潤滑剤は、上記各摺動部の少なくとも1箇所に塗布されていればよいが、好ましくは、係合爪33とハブ20の外周面の少なくとも一方、及び環状凸部21とハウジング30の内周面の少なくとも一方に塗布される。なお、潤滑剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、アリール基含有ポリシロキサン以外の化合物、例えば、アリール基を含有しないポリシロキサン等が含有されていてもよい。
アリール基含有ポリシロキサンの含有量は、潤滑剤の総質量に対して50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましく、実質的に100質量%であってもよい。翼付針組立体10の摺動部にアリール基含有ポリシロキサンを塗布した場合、他の潤滑剤を用いた場合と比べて、放射線滅菌後の摩擦抵抗が大きく低減され、ハブ20のスムーズなスライド操作が可能になる。したがって、翼付針組立体10によれば、血管から針11を抜く際に針11がスムーズに移動し、血管の損傷リスクがさらに低減される。また、使用者が摩擦抵抗によるがたつきをロック時の感触と誤解してしまう事態が低減される。
アリール基含有ポリシロキサンは、シロキサン結合(Si−O−Si)を主骨格とするシリコーン樹脂の一種である。アリール基含有ポリシロキサンは、シロキサン結合に、アリール基等の有機基が結合したオルガノポリシロキサンであって、好ましくは常温で液体である。アリール基含有ポリシロキサンは、有機基として、アリール基の他に、アルキル基を含有することが好ましい。アリール基含有ポリシロキサンとしては、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アリール基含有ポリシロキサンのアリール基は、芳香族炭化水素から誘導される置換基であって、複素環式化合物から誘導される置換基(ヘテロアリール基)であってもよい。アリール基は、例えばフェニル基、ナフチル基であり、ベンジル基、トリル基、キシリル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基(アラルキル基)であってもよい。
好適なアリール基含有ポリシロキサンは、式1で表される化合物である。
Figure 2021078954
ここで、R1及びR2は炭素数1〜18のアルキル基であり、R3はフェニル基又は炭素数1〜18のアルキル基である。R1、R2、及びR3は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。炭素数1〜18のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、又はシクロヘキシル基である。
上記式1において、mの割合(m/(n+m))は、0.05以上が好ましく、0.10以上がより好ましく、0.20以上が特に好ましい。mの割合の上限値は、例えば、0.50、又は0.40である。mの割合が当該範囲内であれば、アリール基含有ポリシロキサンを摺動部に塗布することが容易であり、且つ放射線滅菌後における摺動部の良好な滑り性を確保し易い。
アリール基含有ポリシロキサンは、炭素数5以下のアルキル基を含有することが好ましく、具体例としては、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリエチルフェニルシロキサン、ポリプロピルフェニルシロキサン、ポリイソプロピルフェニルシロキサン、ポリブチルフェニルシロキサン等が挙げられる。中でも、上記式1のR1,R2がメチル基、R3がフェニル基である、ポリメチルフェニルシロキサンが特に好ましい。また、ポリメチルフェニルシロキサンは、末端基として、トリメチルシリル基を含むことが好ましい。
アリール基含有ポリシロキサンの動粘度(25℃)は、例えば、80cs〜3000csであり、好ましくは90cs〜1000cs、より好ましくは100cs〜600cs、特に好ましくは300cs〜500csである。ポリシロキサンの動粘度は、ウッベローデ粘度計を用い、ASTM D 445−46Tに基づいて測定される。アリール基含有ポリシロキサンの動粘度が当該範囲内であれば、動粘度が当該範囲から外れるものと比べて、放射線滅菌後における摺動部の良好な滑り性を確保し易い。
また、アリール基含有ポリシロキサンのナトリウムD線に対する屈折率(25℃)は、好ましくは1.41以上、より好ましくは1.42以上、特に好ましくは1.50以上である。屈折率の上限値は、例えば1.55である。アリール基含有ポリシロキサンの屈折率が当該範囲内であれば、屈折率が当該範囲から外れるものと比べて、放射線滅菌後における摺動部の良好な滑り性を確保し易い。
上記構成を備えた翼付針組立体10は、摺動部にアリール基含有ポリシロキサンを主成分とする潤滑剤を塗布し、各構成部材を組み立てた後、放射線を照射して滅菌処理することにより製造される。放射線には、一般的にγ線が使用される。翼付針組立体10に対するγ線の照射線量は、10kGy以上であり、好ましくは20kGy以上である。
図6は、γ線照射後の翼付針組立体10において、抜針操作時におけるハブ20のスライドストロークと摩擦抵抗の関係を示す図である。図6に示す結果は、ハブ20を後方にスライドさせたときの抵抗値をオートグラフにより測定したものである。この検証実験では、摺動部であるハブ20の外周面に、潤滑剤として、上記式1のR1,R2がメチル基、R3がフェニル基であるポリメチルフェニルシロキサン(動粘度(25℃):約400cs、屈折率(25℃):約1.5、m/(n+m):約0.3)を塗布し、15kGyのγ線を照射した。なお、比較として、ポリメチルフェニルシロキサンに代えて、ポリジメチルシロキサンを用いた場合の抵抗値の測定結果を図7に示す。
図6に示すように、摺動部にポリメチルフェニルシロキサンを塗布した翼付針組立体10では、ハブ20のスライドストロークが長くなるほど抵抗値は上昇するが、抵抗値の曲線は滑らかである。一方、摺動部にポリジメチルシロキサンを塗布した場合は、図7に示すように、抵抗値の曲線が上下に振れておりガタガタしている。つまり、ポリメチルフェニルシロキサンを用いた場合は、摺動部の摩擦抵抗が低減され、ハブ20がスムーズにスライドしているのに対して、ポリジメチルシロキサンを用いた場合は、摺動部の摩擦抵抗が十分に低減されず、ハブ20がスムーズにスライドしていないことが分かる。なお、ハブ20の外周面及びハウジング30の内周面の少なくとも一方にポリメチルフェニルシロキサンを塗布すれば、図6と同様の結果が得られる。
以上のように、摺動部の潤滑剤としてアリール基含有ポリシロキサンを用いた翼付針組立体10によれば、他の潤滑剤を用いた場合と比べて、放射線滅菌後における摺動部の摩擦抵抗が大きく低減され、ハブ20のスムーズなスライド操作が可能になる。そして、血管から針11を抜く際に、アリール基含有ポリシロキサンの潤滑効果によって、針11がスムーズに移動し、血管の損傷が十分に抑制される。
以下、図8〜図13を参照しながら、実施形態の他の一例である留置針組立体50について詳細に説明する。図8は、留置針組立体50の断面図である。
図8に例示するように、留置針組立体50は、金属製の中空針である内針51と、樹脂製の中空針である外針52とを備える。内針51は、外針52の中空部に挿通され、尖った針先51aが外針52の先端から突出している。内針51は穿刺機能を有し、穿刺後に血管から抜かれて、外針52のみが血管に留置される。また、内針51には、後述のプロテクタ65に引っ掛かる拡径部53が形成されている。外針52は、柔軟で適度な可撓性を有する部材であって、一般的にカテーテルとも呼ばれる。
留置針組立体50は、内針51の基端部が固定される筒状の内針ハブ60と、外針52の基端部が固定される筒状の外針ハブ80とを備え、外針ハブ80の筒内に基端側から内針ハブ60の先端部が挿入された構造を有する。内針ハブ60は、ハブ本体61と、ハブ本体61の基端部に装着されたキャップ62とを含む。キャップ62の基端側開口には通気フィルタ63が設けられ、内針51を血管に穿刺した際のフラッシュバックにより内針51内に流入した血液が外部に漏出しないように設計されている。
ハブ本体61は、軸方向中央部に設けられた仕切壁64を有し、ハブ本体61の筒内を先端側と基端側に区分けしている。内針51は仕切壁64を貫通し、内針51の基端部は仕切壁64に固定されている。また、ハブ本体61の先端側の筒内には、内針51に装着されるプロテクタ65が設けられている。プロテクタ65は、内針51の使用後に針先51aを収容する筒状部材である。プロテクタ65の一部は、ハブ本体61から延出して外針ハブ80の筒内に収容されている。なお、プロテクタの一部が、外針ハブの筒外に軸方向にスライド可能に係合又は軸回り方向にスライド回転可能に係合していてもよい。
外針ハブ80は、先端部が縮径し、基端部が開口した筒状体である。外針ハブ80の先端部には外針52の基端部が固定され、外針ハブ80の基端部には内針ハブ60が挿入されている。外針52の基端部は、外針ハブ80の筒内に圧入されたロート状のカシメピン81と、外針ハブ80の先端部の内周面との間で挟圧保持されている。また、外針ハブ80の筒内には、止血弁82が設けられている。止血弁82は、ゴム等の弾性体で構成され、内針51を通すための切込みを有する。内針51の抜去後には、止血弁82が弾性変形して切込みが閉じるため、血液の外部への漏出が防止される。なお、外針ハブの基端部に内針ハブが挿入されていなくてもよい。
外針ハブ80の筒内には、プロテクタ65を構成するリング67が嵌合する環状溝83が形成されている。詳しくは後述するが、環状溝83は内針51の針先51aがプロテクタ65を構成するプロテクタ本体66の筒内に収容されるまでリング67を保持する機能を有する。即ち、外針ハブ80は、筒状部材であるプロテクタ65が軸方向にスライド可能な状態で、プロテクタ65と係合している。
以下、図9〜図13をさらに参照しながら、プロテクタ65の構成について詳説する。図9は、内針51を外針52から抜去した状態を示す図である。図9に例示するように、内針51の抜去後において、針先51aがプロテクタ65に収容され、針先51aの露出が防止されている。これにより、誤穿刺が防止される。なお、内針51の抜去後に輸液や輸血等の処置を実施する際には、例えば、図示しないシリンジのチップを外針ハブ80の筒内に挿入し、当該チップで止血弁82の切込みを押し広げて処置を開始する。
図10はプロテクタ65の斜視図、図11は図10中のCC線断面図である。図12は内針51の抜去後の状態を示すプロテクタ65の斜視図、図13は図12中のDD線断面図である。なお、図12及び図13では内針51を図示していないが、実際にはこの状態において、針先51aがプロテクタ本体66の内部に収容されている。
図10〜図13に例示するように、プロテクタ65は、内針51に装着されるプロテクタ本体66と、プロテクタ本体66に外装された筒状のリング67とを有する。即ち、筒状部材であるプロテクタ65は、内側部材であるプロテクタ本体66と、外側部材であるリング67とを有する。プロテクタ65は、上記のように、内針ハブ60と外針ハブ80の筒内に跨って収容されている。詳しくは後述するが、プロテクタ本体66は、内針51の抜去時にリング67内で後方にスライドすることで、内部が閉じて針先51aを収容する。
プロテクタ本体66は、例えば、有底角筒状に形成され、曲げ加工された1枚の金属板で構成されている。プロテクタ本体66は、側板66A,66B、可変板66C,66D、前方板66E、及び後方板66Fを含み、側板66Aと66Bが、可変板66Cと66Dが、前方板66Eと後方板66Fが、それぞれ対向するように配置された構造を有する。可変板66C,66Dの先端部は、前方板66Eよりも留置針組立体50の先端側に延出している。なお、本実施形態において、プロテクタ本体66は金属板で形成されるが、樹脂で形成されてもよい。
前方板66E及び後方板66Fには、内針51を通す挿通孔68,69がそれぞれ形成されている。内針51には針先51aの近傍に直径が他の部分よりも大きくなった拡径部53が形成され、前方板66Eの挿通孔68は拡径部53が通過する大きさで形成される。他方、後方板66Fの挿通孔69は、拡径部53が通過しない大きさで形成される。このため、内針51の抜去時に、拡径部53が挿通孔69の縁部に引っ掛かり、針先51aがプロテクタ本体66内に収容された状態となる。
可変板66C,66Dは、外側に凸となるように屈曲し、断面視山形に形成されている。内針51の抜去前において、可変板66C,66Dは外側に広がり、それぞれの先端部は前後方向に重なっていない。このとき、プロテクタ本体66は、前方から前方板66Eに形成された挿通孔68が見える状態、即ち、プロテクタ本体66の内部が開いた状態である。
他方、可変板66C,66Dは、内針51の抜去時に、外装されたリング67に押されて、内側に移動するように構成されている。即ち、可変板66C,66Dは互いに接近するように変形する。このとき、プロテクタ本体66は、可変板66C,66Dの先端部同士が前後方向に重なり、前方から挿通孔68が見えない、プロテクタ本体66の内部が閉じられた状態となる。また、可変板66C,66Dには、内針51の抜去時に外側に突出してリング67に引っ掛かり、リング67の後方への移動を防止する後退阻止片66Gがそれぞれ形成されている。
リング67は、プロテクタ本体66を収容する筒状体であって、例えば、円筒状に形成された第1筒部70と、角筒状に形成された第2筒部71とを有する樹脂製部材である。リング67は、第1筒部70が留置針組立体50の先端側に、第2筒部71が留置針組立体50の基端側にそれぞれ位置するように、内針ハブ60及び外針ハブ80の筒内に配置される。プロテクタ本体66は、第1筒部70側からリング67の筒内に挿入され、第2筒部71に収容されている。
第1筒部70は、外針ハブ80の環状溝83に嵌合する凸部70Aを有する。凸部70Aは、第1筒部70の先端部が径方向外側に張り出して形成されている。また、第1筒部70には、先端から軸方向に沿って切欠き70Bが形成されている。切欠き70Bを形成することで、第1筒部70の先端部が径方向内側に撓み易くなり、内針51を抜去する際に環状溝83から凸部70Aを外すことが容易になる。
第2筒部71は、プロテクタ本体66に係合する枠状部71Aを有する。枠状部71Aは、第2筒部71の基端部において、角筒形状のプロテクタ本体66の外周面に沿うように枠状に形成されている。また、枠状部71Aには、プロテクタ本体66の後退阻止片66Gが嵌る凹部71Bが形成されている。第2筒部71は、第1筒部70と枠状部71Aをつなぐ平板部71C,71Dを有する。平板部71C,71Dは互いに平行に配置され、第2筒部71の側方には大きな開口71E,71Fが形成されている。プロテクタ本体66の可変板66C,66Dは開口71E,71F側に向けて配置され、これにより、可変板66C,66Dと平板部71C,71Dの干渉が防止される。
上記構成を備えたプロテクタ本体66は、挿通孔68,69に内針51を通すことにより、内針51に対して針の長さ方向に沿ってスライド可能に装着される。そして、プロテクタ本体66は、リング67の筒内に挿入された状態で、内針ハブ60の仕切壁64よりも先端側の筒内に収容される。リング67の先端部は、外針ハブ80の筒内に延出し、第1筒部70に形成された凸部70Aが外針ハブ80の環状溝83に嵌合している。
上記構成を備えた留置針組立体50によれば、内針51及び外針52を血管に穿刺した後、内針ハブ60を後方にスライドさせることにより、内針51が外針52から抜去され、外針52のみが血管に留置される。このとき、内針51の拡径部53が前方板66Eの挿通孔68を通過して後方板66Fの挿通孔69に達すると、拡径部53が挿通孔69の縁部に引っ掛かって後方板66Fに係合する。そして、内針51の針先51aがプロテクタ本体66の筒内に収容される。この状態から、内針ハブ60をさらに後方にスライドさせると、内針51と共にプロテクタ本体66が後方に向かって移動する。
このとき、リング67は、その凸部70Aが外針ハブ80の環状溝83に嵌合しているため、後方に移動しない。他方、プロテクタ本体66がリング67に対して相対的に後方に移動すると、リング67の枠状部71Aがプロテクタ本体66の外面に摺動しつつ、プロテクタ本体66の先端側に移動する。そして、枠状部71Aにより可変板66C,66Dが内側に押圧されて前後方向に重なり、針先51aが収容されたプロテクタ本体66の内部が閉じられる。
枠状部71Aが、さらにプロテクタ本体66の先端側に移動すると、プロテクタ本体66に形成された突起(図示せず)に係合する。これにより、枠状部71Aの前方への移動が阻止される。また、枠状部71Aが、可変板66C,66Dの後退阻止片66Gを乗り越えた位置に達すると、後退阻止片66Gが弾性変形して外側に突出し、枠状部71Aの凹部71Bに嵌合する。その結果、枠状部71Aの後方への移動が阻止される。この状態から、内針ハブ60をさらに後方に移動させると、リング67の凸部70Aが環状溝83から外れ、プロテクタ65の全体が内針ハブ60と共に外針ハブ80から外れる。
留置針組立体50には、内針51の上記抜針操作時に互いにこすれ合う摺動部が存在する。具体的には、プロテクタ65と外針ハブ80、プロテクタ65と内針51、及びプロテクタ本体66とリング67の各組に、内針ハブ60を後方にスライドさせる際に互いにこすれ合う摺動部がそれぞれ存在する。そして、当該各摺動部の少なくとも1つに、アリール基含有ポリシロキサンを主成分とする潤滑剤が塗布されている。なお、潤滑剤には、翼付針組立体10において説明したものと同じものが使用できるため、ここでは説明を省略する。
プロテクタ65と外針ハブ80の摺動部としては、リング67を外針ハブ80の筒内から外す際にこすれ合うリング67の外周面と外針ハブ80の内周面が挙げられる。プロテクタ65と内針51の摺動部としては、内針51を外針52から引き抜いてプロテクタ本体66内に収容する際にこすれ合う後方板66Fの挿通孔69の縁部と内針51の外周面が挙げられる。また、プロテクタ本体66とリング67の摺動部としては、プロテクタ本体66がリング67に対して相対的に後方に移動する際にこすれ合うプロテクタ本体66の外面とリング67の枠状部71Aの内面が挙げられる。
アリール基含有ポリシロキサンを主成分とする潤滑剤は、上記各摺動部のうち、少なくとも1つの摺動部に塗布されてよいが、特に挿通孔69の縁部に塗布されることが好ましい。この場合、放射線滅菌後においても、内針51の良好な滑り性が確保され、内針51がスムーズに移動して血管から抜けるため、血管の損傷リスクがさらに低減される。また、アリール基含有ポリシロキサンを主成分とする潤滑剤は、プロテクタ本体66の外面とリング67の枠状部71Aの内面の少なくとも一方に塗布されていてもよく、さらに、リング67の外周面と外針ハブ80の内周面の少なくとも一方に塗布されていてもよい。この場合、良好な操作性が確保される。
上記構成を備えた留置針組立体50は、摺動部にアリール基含有ポリシロキサンを主成分とする潤滑剤を塗布し、各構成部材を組み立てた後、放射線を照射して滅菌処理することにより製造される。摺動部の潤滑剤としてアリール基含有ポリシロキサンを用いた留置針組立体50によれば、翼付針組立体10と同様に、他の潤滑剤を用いた場合と比べて、放射線滅菌後における摺動部の摩擦抵抗が大きく低減され、内針ハブ60のスムーズなスライド操作が可能になる。そして、血管から内針51を抜く際に、アリール基含有ポリシロキサンの潤滑効果によって、内針51がスムーズに移動し、血管の損傷が十分に抑制される。また、外針52が引っ張られて血管から抜けるような不具合の発生についても十分に抑制される。
なお、上記実施形態は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。例えば、上記実施形態では、1つの部材で構成された外針ハブ80を例示したが、外針ハブは複数の部材で構成されていてもよく、また、各部材が分離可能で構成されていてもよい。また、上記実施形態では、プロテクタが1つの部材で構成される形態とプロテクタ本体66とリング67との2つの部材で構成されるプロテクタ65を例示したが、プロテクタは3つ以上の部材で構成されてもよく、例えば、入れ子構造を有する3つの部材で構成され、当該3つの部材により内針全体を保護してもよい。また、プロテクタは、既知のプロテクタを採用してよく、例えば、内針とスライドする1つの部材から構成されてもよい。
本発明は、鋭利な先端を有する針を保護する誤穿刺防止機構を備えた留置針に好適であり、針に対してプロテクタを相対移動させる際のがたつき防止に効果的である。また、内針及び外針を有する留置針においては、内針に対してプロテクタを相対移動させる際のがたつき防止に効果的である。また、プロテクタを外針から分離させる際の抵抗を低減させて内針の引き抜きに伴い外針が血管から抜けてしまう事態の防止にも効果的であり、特に、プロテクタが外針ハブに対して軸方向に引き抜かれることで分離する形態の留置針において好適である。
1 チューブ、10 翼付針組立体、11 針、11a 針先、20 ハブ、21 環状凸部、22 係合溝、25 ストッパ、26 アーム、27 突起、30 ハウジング、31 翼、32 開口、33 係合爪、50 留置針組立体、51 内針、51a 針先、52 外針、53 拡径部、60 内針ハブ、61 ハブ本体、62 キャップ、63 通気フィルタ、64 仕切壁、65 プロテクタ、66 プロテクタ本体、66A,66B 側板、66C,66D 可変板、66E 前方板、66F 後方板、66G 後退阻止片、67 リング、68,69 挿通孔、70 第1筒部、70A 凸部、70B 切欠き、71 第2筒部、71A 枠状部、71B 凹部、71C,71D 平板部、71E,71F 開口、80 外針ハブ、81 カシメピン、82 止血弁、83 環状溝

Claims (6)

  1. 針を備えた針組立体において、
    前記針の先を収容する筒状部材と、
    前記針の基端部が固定されるハブであって、前記筒状部材の筒内に前記針の先が収容されるように前記筒状部材の軸方向にスライドするハブと、
    を備え、
    前記筒状部材と前記ハブ、前記筒状部材と前記針、及び前記筒状部材を構成する部材同士の組のうち少なくとも1つには、前記ハブがスライドする際に、互いにこすれ合う摺動部が存在し、
    前記摺動部には、アリール基含有ポリシロキサンを主成分とする潤滑剤が塗布されている、針組立体。
  2. 前記アリール基含有ポリシロキサンは、式1で表される化合物である、請求項1に記載の針組立体。
    Figure 2021078954
    式中、R1及びR2は炭素数1〜18のアルキル基であり、R3はフェニル基又は炭素数1〜18のアルキル基である。
  3. 前記アリール基含有ポリシロキサンは、ポリメチルフェニルシロキサンである、請求項2に記載の針組立体。
  4. 前記筒状部材は、前記ハブの少なくとも一部を収容するハウジングであり、
    前記ハブは、前記針の先が前記筒状部材の筒内から突出する第1の位置から、前記針の先が前記筒状部材の筒内に収容される第2の位置までスライドするように構成され、
    前記ハウジング及び前記ハブには、前記潤滑剤が塗布された前記摺動部が存在する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の針組立体。
  5. 内針と外針を備えた針組立体において、
    前記内針の先を収容する筒状部材と、
    前記外針の基端部が固定される外針ハブであって、前記筒状部材とスライド可能に係合する外針ハブと、
    を備え、
    前記筒状部材及び前記外針ハブには、前記外針ハブがスライドする際に、互いにこすれ合う摺動部が存在し、
    前記摺動部には、アリール基含有ポリシロキサンを主成分とする潤滑剤が塗布されている、針組立体。
  6. 内針と外針を備えた針組立体において、
    前記内針の先を収容する筒状部材を備え、
    前記筒状部材は、互いに軸方向にスライド可能な内側部材と外側部材とを有し、
    前記内側部材及び前記外側部材には、スライドする際に、互いにこすれ合う摺動部が存在し、
    前記摺動部には、アリール基含有ポリシロキサンを主成分とする潤滑剤が塗布されている、針組立体。
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