JP2021078637A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸収性能を視覚化できる吸収性物品の提供に関する。【解決手段】吸収性物品は、吸収性物品は、吸収体と、表面シートと、裏面シートと、を備える。上記吸収体は、表面と裏面を有する。上記表面シートは、上記表面側に配置される。上記裏面シートは、上記裏面側に配置される。上記吸収性物品は、相互に直交する前後方向及び幅方向を有する。上記吸収体は、幅方向における中央部と、上記中央部を間に介してその両側に位置する一対の側方部と、を有する。上記一対の側方部は、それぞれ、上記表面シートから視認可能な前後方向に延びる第1側方有色部を含む。上記第1側方有色部は、上記中央部よりも、上記表面シートから測定したCIE−L*a*b*表色系におけるL*値が低く、b*値が高い。【選択図】図1

Description

本発明は、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
特許文献1には、吸収コアの両側端に沿って有色の表示材を設けた吸収性物品が提案されている。表示材を設けることにより、液体が側縁に達したことを視覚的に表示することができる。
特表平5−507865号公報
このような吸収性物品においては、経血等の排泄液の吸収性能の視覚化が望まれている。
本発明の課題は、吸収性能を視覚化できる吸収性物品の提供に関する。
本発明の一形態に係る吸収性物品は、吸収体と、表面シートと、裏面シートと、を備える。
上記吸収体は、表面と裏面を有する。
上記表面シートは、上記表面側に配置される。
上記裏面シートは、上記裏面側に配置される。
上記吸収性物品は、相互に直交する前後方向及び幅方向を有する。
上記吸収体は、幅方向における中央部と、上記中央部を間に介してその両側に位置する一対の側方部と、を有する。
上記一対の側方部は、それぞれ、上記表面シートから視認可能な前後方向に延びる第1側方有色部を含む。
上記第1側方有色部は、上記中央部よりも、上記表面シートから測定したCIE−L表色系におけるL値が低く、b値が高い。
以上のように、本発明の吸収性物品によれば、吸収性能を視覚化できる。
本発明の一実施形態に係る吸収性物品を示す平面図である。 図1のII−II線で切断した断面図である。 上記吸収性物品の排泄部対向領域における経血付着後の色の状態を模式的に示す部分平面図である。 上記吸収性物品におけるスリットの位置を説明する平面図である。 上記吸収性物品における、塗工剤の塗工領域を説明するための平面図である。 他の実施形態に係る吸収性物品の平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[ナプキンの全体構成]
本発明の吸収性物品1は、図1に示すように、本体Mと、一対のウイング部Wと、圧搾溝6と、を備える。吸収性物品1は、生理用ナプキンとして構成され、以下、ナプキン1と称する。
ナプキン1は、着用者の前後方向に対応する縦方向Xと、着用者の左右方向に対応し縦方向Xに直交する横方向Yとを有する。横方向Yは、ナプキン1の幅方向に相当する。さらに、ナプキン1は、縦方向X及び横方向Yの双方に直交する厚み方向Zを有する。なお、本明細書では、厚み方向Zに関しては、着用時に着用者の肌に近い側を上又は肌側、着衣に近い側を下又は非肌側という事がある。
本体Mは、縦方向Xに沿って延び、着用時に着用者の着衣の内面に固定される。本体Mは、吸収体4を有しており、着用者の経血等の液状物(以下、「液」とも称する)を吸収する機能を有する。
本体Mは、縦方向Xに沿って、前方部(縦方向前方部)M1と、中間部(縦方向中間部)M2と、後方部(縦方向後方部)M3と、に区分される。
中間部M2は、着用時に着用者の排泄部に対向する領域である。図1において、中間部M2は、本体Mにおけるウイング部Wの前後基端部間の領域である。
前方部M1は、中間部M2の前方(着用者の腹側)に配置される領域であり、着用時に着用者の排泄領域の前方に対向するように構成される。
後方部M3は、中間部M2の後方(着用者の背側)に配置される領域であり、装着時に着用者の排泄部の後方に対向するように構成される。
なお、ここでいう着用時は、通常の適正な着用位置(ナプキン1の想定される着用位置)が維持された状態を意味し、ナプキン1が当該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。
なお、ナプキン1は、ウイング部Wを有さなくてもよいし、あるいは夜用として縦方向Xに長く構成され後方部M3に後方フラップを有していてもよい。ナプキンがウイング部を有さない場合には、本体Mを縦方向Xに沿って三等分して、真中の領域を中間部M2とし、その前方に配置される領域を前方部M1、後方に配置される領域を後方部M3とする。
ウイング部Wは、本体Mの中間部M2から横方向Yの外方に大きく突出するように構成される。着用時、ウイング部Wは、着衣の股下部に折り曲げて固定する。
図1及び2に示すように、ナプキン1は、吸収体4と、表面シート2と、裏面シート3と、一対のサイドシート5と、中間シート9と、を備える。本体Mにおいて、ナプキン1は、裏面シート3、吸収体4及び表面シート2が厚み方向Zに積層された構成を有する。これらの構成は、例えば、接着剤やヒートシール等による接合、及び圧搾溝6によるエンボス加工等によって、適宜接合されて一体化している。
吸収体4は、縦方向Xに沿って延び、表面シート2と裏面シート3との間に配置される。吸収体4は、液を表面シート2側の面から吸収し、内部で拡散させて当該液を保持する。吸収体4は、表面4aと、裏面4bと、を有する。表面4aは肌側面であり、裏面4bは非肌側面である。
[各部構成]
(吸収体)
本実施形態では、吸収体4は、吸収性シートの積層構造を有する。
図2に示すように、吸収体4は、本体吸収性シート41と、中央吸収性シート42と、を有する。
本体吸収性シート41は、裏面シート2側で幅方向の両端部を重ね合わせて三つ折りされた、折り畳み構造を有する。本体吸収性シート41は、中間部M2から前方部M1及び後方部M3に及ぶ長さを有し、吸収体4の外形形状をなしている。
中央吸収性シート42は、表面シート2側で幅方向の両端部を重ね合わせて三つ折りされた、折り畳み構造を有する。中央吸収性シート42は、折り畳まれた状態において、折り畳まれた本体吸収性シート41よりも横方向Yにおける長さが短い幅狭であり、本体吸収性シート41よりも縦方向Xの長さが短く、中間部M2の横方向Y中央に配されている。本実施形態では、中央吸収性シート42は、中間部M2から前方部M1及び後方部M3にも延在している。中央吸収性シート42は、本体吸収性シート41の折り畳み構造の内部に収められている。
本体吸収性シート41と中央吸収性シート42とは図示しない接着剤により接着固定されている。
上記の積層構造において、中央吸収性シート42よりも上方に位置する本体吸収性シート41の肌側となる面が吸収体4の表面4aを構成する。また、中央吸収性シート42よりも下方に位置する本体吸収性シート41の非肌側となる面が吸収体4の裏面4bを構成する。
図2に示すように、吸収体4の中間部M2において、横方向Y中央域では、本体吸収性シート41と中央吸収性シート42とが積層される。そして、吸収体4において、横方向Y中央域を間に介してその両側の両側方域では、本体吸収性シート41のみが積層される。従って、吸収体4の中間部M2において、横方向Y中央域におけるシートの積層数は、両側方域におけるシートの積層数よりも多いため、坪量が高くなる。吸収体4は、このような坪量が周囲よりも高い高坪量部8を有する。高坪量部8は、吸収体4の他の部分よりも嵩高くなっている。高坪量部8を有することにより液吸収性が向上する。
吸収体4を構成する本体吸収性シート41及び中央吸収性シート42は、それぞれ、親水性繊維からなる2つのシート状の繊維層間に高吸収性ポリマー材を挟持して固定した厚みの薄いシート体である。吸収性シートの形成にあたっては、高吸水性ポリマーが湿潤によって発現する粘着力や別に添加した接着剤や接着性繊維等のバインダーを利用して一体化することができる。作製は通常用いられる種々の方法によって行うことができ、湿式、乾式いずれの方式によってもよい。吸収性シートは厚みを3mm以下に抑えながら、高吸水性ポリマー材をシートの平面方向に分散配置させているためゲルブロッキングを起こし難く、高い吸収力を有する。例えば、特開平8−246395号公報の段落[0019]〜[0031]に記載のものなどが挙げられる。
吸収性シートを構成する親水性繊維としては、疎水性の繊維を親水化処理したもの、それ自体が親水性であるものが挙げられる。特に、それ自体が親水性でかつ保水性を有するものが好ましい。後者の親水性繊維としては、天然系の繊維、セルロース系の再生繊維又は半合成繊維が好ましい例として挙げられる。親水性繊維としては、特にパルプ、レーヨンが好ましく、パルプが一層好ましい。更にセルロース繊維の分子内及び/又は分子間を架橋させた架橋セルロース繊維や木材パルプをマーセル化処理して得られるような嵩高生のセルロース繊維を用いてもよい。パルプとしては、針葉樹クラフトパルプ或いは広葉樹クラフトパルプのような木材パルプ、木綿パルプ或いはワラパルプ等の天然セルロース繊維等が挙げられるが、それらに限定されるものではない。これらのパルプは1種又は2種以上を用いることができる。
吸収性シートを構成する高吸水性ポリマー材としては、例えば、アクリル酸又はアクリル酸塩を主成分とし、場合によって架橋剤を添加してなる水溶性のエチレン性不飽和モノマーを重合させて得られるヒドロゲル材料が挙げられる。また、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン及びポリビニルピリジンの架橋物、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合物のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸グラフト共重合物、デンプン−ポリ(メタ)アクリルエステルグラフト共重合物の加水分解物などが挙げられる。これらの高吸水性ポリマー材は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。高吸水性ポリマー材としては、自重の20倍以上、特に50倍以上の純水を吸収・保持できゲル化し得るものが好ましい。
高吸水性ポリマー材の形状は、吸収性シートに用いられる種々のものを特に制限なく用いることができる。例えば、球状、粒状、繊維状、俵状、塊状などが挙げられる。
図1に示すように、吸収体4は、横方向Yにおける中央域に位置する中央部21と、中央部21を間に介して横方向Yに沿ってその両側に位置する一対の側方部25と、を有する。中央部21は、縦方向Xに延びる。一対の側方部25は、一対の縦方向Xに延びる第1側方有色部22と、一対の縦方向Xに延びる第2側方有色部23とを含む。
ここで、「縦方向Xに延びる」とは、縦方向Xに平行な態様に限定されず、前方から後方に向かって延びる態様を広く含むものとする。例えば、第1側方有色部22は湾曲していてもよいし、蛇行していてもよい。
一対の第1側方有色部22は、中央部21を間に介して横方向Yに沿ってその両側に位置する。
一対の第2側方有色部23は、一対の第1側方有色部22を間に介してその両側に位置する。
第1側方有色部22及び第2側方有色部23は、表面シート2を介して視認可能な有色部である。
ここで「有色」とは、無色透明を除くのに加え、L値が95以上の色(白色)も除くことを意味する。CIE−L表色系におけるL値、a値、b値は色差計によって測定できる。例えば日本電色工業(株)のハンディ型分光色差計NF333(商品名)を用い、光源C、視野角2°の測定条件で、シートの反射光を測定して求めることができる。このとき、背景板としてL値が95以上の白色板、白台紙を用いて測定することが好ましい。
尚、L値は明るさを示している。a値、b値は色の方向を示している。aは略赤方向、−aは略緑方向、bは略黄色方向、−bは略青色方向を示す。CIE−L表色系におけるa値、b値が0に近づく値をとる色は、白色、灰色、黒色といった中間色になる。以下で説明するL値、a値、b値は、ナプキン1を表面シート2から上記色差計を用いて測定した値を示す。
表面シート2側からみたナプキン1の外観上の色相については後述する。
図2に示すように、吸収体4は、表面4aから裏面4bに向かって厚み方向Zに連通する複数のスリット43を有する。また、吸収体4は冷感剤11、香料12及び抗菌剤13を含有している。詳細については後述する。
(表面シート)
表面シート2は、液透過性のシート材として構成され、吸収体4の厚み方向Z上方に配置され、吸収体4の表面4a側に配置される。表面シート2は、例えば、厚み方向Z外方に突出する複数の凸部15を有する。
表面シート2には、液透過性を有する種々のシートを用いることができる。肌触りのよさを考慮すると、親水性の不織布が好ましく、サーマルボンド不織布がより好ましく、エアスルー不織布が特に好ましい。表面シート2の不織布を構成する繊維は、親水化処理された熱可塑性樹脂繊維であり、かつ、該繊維が2次クリンプ又は3次クリンプのような立体捲縮がなされた繊維であることが好ましい。具体的には、表面シート2の不織布を構成する繊維はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ナイロン、及びこれらの複合繊維を作成し、所定の長さにカットしてステープルを形成する前の段階で、各種親水化剤を塗工することで親水化する。親水化剤としては、αオレフィンスルホン酸塩に代表される各種アルキルスルホン酸塩、アクリル酸塩、アクリル酸塩/アクリルアミド共重合体、エステルアミド、エステルアミドの塩、ポリエチレングリコール及びその誘導物、水溶性ポリエステル樹脂、各種シリコーン誘導物、各種糖類誘導物、及びこれらの混合物など、通常用いられる親水化剤による親水化処理を用いることができる。
表面シート2及び後述する中間シート9は、ナプキン1を表面シート2側からみたときに、吸収体4の第1側方有色部22と第2側方有色部23が透けて視認可能となるように構成される。
ナプキン1の外観上の清潔感を着用者に与えるため、典型的にはナプキン1の表面シート2には例えばL値が80以上の白色系の表面シート2が用いられ、本実施形態においては白色を用いる例をあげる。
(裏面シート)
裏面シート3は、吸収体4の厚み方向Z下方に配置され、吸収体4の裏面4b側に配置される。裏面シート3は、例えばその周縁において、表面シート2及びサイドシート5と接着剤、熱シール等によって接合される。裏面シート3は、接着剤等によって吸収体4に接合されていてもよい。
なお、裏面シート3には、図示はしないが、着衣に対して本体M及びウイング部Wを固定する粘着部が設けられている。
裏面シート3としては、防漏性を有する種々のものを用いることができる。例えば、非透湿性若しくは透湿性フィルム単独、又はフィルムと不織布とを貼り合わせたもの、撥水性の不織布(SMSやSMMS等)を用いることができる。コスト面やズレ止め粘着材とのマッチングなどから非透過性フィルム単独を防漏材として用いることが最も好ましい。
ナプキン1の外観上の清潔感の観点から、裏面シート3の色は、経血の色と対照的な寒色系であることが好ましい。具体的には、L値、a値、b値が次の範囲を満たしていることが好ましい。裏面シート3のL値は、好ましくは80以上、更に好ましくは85以上、そして好ましくは99以下、更に好ましくは96以下である。裏面シート3のa値は、好ましくは−22以上5以下、更に好ましくは−20以上3以下である。裏面シート3のb値は、好ましくは−12以上5以下、更に好ましくは−10以上4以下である。
裏面シート3には、例えば白色、緑色、水色、紫色などのa値、b値が5以下のものを用いることができる。本実施形態では白色のものを用いる例をあげる。
(サイドシート)
一対のサイドシート5は、表面シート2の横方向Y外側に配置される。サイドシート5としては、表面シート2よりも親水性が小さいシート材料が好ましい。サイドシート5は、例えば図示しない接着剤や、又は熱融着によって表面シート2に接合されている。
サイドシート5としては、撥水性の不織布が好ましく、カード法により製造された不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、ヒートロール不織布、ニードルパンチ不織布等の中から撥水性の物、又は撥水処理した種々の不織布を用いることができる。特に好ましくは、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン(SM)不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布等が用いられる。
サイドシート5には、例えば白色のシートを用いることができる。
(中間シート)
中間シート9は、表面シート2と吸収体4との間に配置される。中間シート9は、セカンドシート、サブレイヤーシートとも称される。中間シート9は、表面シート2から吸収体4への液の透過性を向上させ、吸収体4に吸収された液の表面シート2への液戻りを防止する。
中間シート9は、表面シート2及び吸収体4と、ストライプ状又はスパイラル状に設けられた図示しない接着剤等によって部分的に接合されている。
中間シート9としては、親水性を有し液拡散性に優れているものが好ましい。熱可塑性繊維を含む不織布などが挙げられる。不織布としては、各種の製法によって得られた不織布を用いることができる。例えば、カード法又はエアレイド法により得た繊維ウェブにエアスルー法で繊維同士の熱融着点を形成したエアスルー不織布、カード法により得た繊維ウェブにヒートロール法で繊維同士の熱融着点を形成したヒートロール不織布、ヒートエンボス不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、レジンボンド不織布等の種々の不織布を用いることができる。
中間シート9には、例えば白色のシートを用いることができる。尚、中間シート9がない構成としてもよい。
(圧搾溝)
図1〜4に示すように、本体Mの表面シート2側には、表面シート2及び吸収体4が厚み方向Zに一体に圧縮され、縦方向Xに延びる圧搾溝6が形成されている。
圧搾溝6において「縦方向Xに延びる」とは、縦方向Xに平行な態様に限定されず、前方から後方に向かって延びる態様を広く含むものとする。すなわち、圧搾溝6は湾曲していてもよいし、蛇行していてもよい。また、「縦方向Xに溝が延びる」態様は、圧搾溝6が途中で途切れることなく連続している状態に限られず、溝の存在しない途切れ部がある態様も含むものとし、圧搾溝6全体として実質的に縦方向Xに連続していれば良い。
図2に示すように、圧搾溝6は、表面シート2及び吸収体4が裏面シート3側に向かって一体的に凹陥した構成を有する。圧搾溝6は、熱を伴うか又は伴わない圧搾加工、あるいは超音波エンボス等のエンボス加工により常法に従って形成することができる。圧搾溝6では、表面シート2及び吸収体4が熱融着等により一体化している。
このような構成により、圧搾溝6は、他の領域と比較して剛性が高く、変形しにくい部分となる。このため、圧搾溝6は、ナプキン1が外力を受けた場合に、周囲の低剛性領域の変形を促す変形起点や、当該外力に対する抗力を発揮する部分として機能し得る。
また、圧搾溝6は、周囲の領域と比較して繊維の密度が高くなるため、毛管作用によって排泄された液を吸液及び保持することができる。これにより、圧搾溝6は、吸収体4の外方への液の漏れを防止する防漏作用も有する。
図1に示すように、圧搾溝6は、横方向Yに対をなして左右に配置されている。図1に示す圧搾溝6は、本体Mを横方向Yに2等分する中心線に関して線対称に構成される。
圧搾溝6は、縦方向Xに延びる線状の本体圧搾溝61と、中間圧搾溝62と、を有する。
本体圧搾溝61は、一対の左右圧搾溝が本体Mの中間部M2においては縦方向Xに延び、かつ、本体Mの前方部M1及び後方部M3においては、横方向Y内方に向かって相互に近接するように延び、全体として本体Mを周回するように構成される。
中間圧搾溝62は、本体圧搾溝61の内側に横方向Yに延びて一対位置する。一対の中間圧搾溝62は、縦方向Xに沿って中間部M2を挟むように位置し、縦方向X外方に凸の形状を有する。一対の中間圧搾溝62の両端部は、本体圧搾溝61と連結していない。
[ナプキンの外観]
表面シート2側からみたナプキン1の外観上の色相について説明する。
図1及び図3に示すように、ナプキン1は、中央部21と、一対の第1側方有色部22と、一対の第2の側方有色部23と、ウイング部Wを含む一対の周辺部24とを有する。一対の第1側方有色部22及び一対の第2側方有色部23は、縦方向Xに延在する。第2側方有色部23は、冷感剤11の塗工液が塗工されていない領域であり、冷感剤11が存在しなくても良いし、中央部21等に塗工した冷感剤11が拡散した結果として冷感剤が存在していても良い。
本実施形態では、液の吸収量が多くなる中間領域M2(排泄部対向領域)において、中央部21を間に介してその両側に縦方向Xに延在し、中央部21よりも、L値が低く、b値が高い一対の第1側方有色部22が位置する。
これにより、図3に示すように、第1側方有色部22、中央部21それぞれに経血が重なった場合、中央部21では経血の赤色が目立ち、第1側方有色部22では赤色が目立ちにくくなり、中央部21に付着している経血の色がより際立って見える。更に、中央部21は縦方向Xに延在する一対の第1側方有色部22によって挟まれているため、縦方向Xに液が拡がっているように見える。このように、ナプキン1では、中央部21に経血が集まり狭い範囲で吸収されているように視認され、見た目からムレやべたつきが想起されにくく、吸収性に優れたナプキン1であることを視覚によって認識させることができ、着用者の漏れの不安を払拭して安心感を高めることができる。
詳細に説明すると、経血が付着する前のナプキン1では、中央部21は第1側方有色部22よりもL値が高く、より白味が強い。また、経血が付着する前のナプキン1では、第1側方有色部22は中央部21よりも黄色味が強い。
一方、経血が重なったナプキン1では、中央部21及び第1側方有色部22のいずれの領域においてもL値が低くなり、かつ、b値が低くなって負の値となる。
本実施形態では、第1側方有色部22のL値を中央部21よりも低くすることによって、第1側方有色部22における経血付着領域と経血非付着領域との明るさの差異を、中央部21における経血付着領域と経血非付着領域との明るさの差異よりも小さくしている。これにより、中央部21に経血が付着していることがより際立つことになり、中央部21に経血が集中しているように見える。中央部21に経血が集中しているように見えることで、生理用ナプキンにおける重要な課題である、漏れの不安を払拭する事が出来る。
また、経血が重なることにより、第1側方有色部22及び中央部21のいずれの領域においてもb値は低くなり負の値となるが、経血非付着状態で第1側方有色部22のb値を中央部21よりも高くしているため、第1側方有色部22の経血付着領域は、中央部21の経血付着領域と比べて青味がより抑制され、b値がより0に近くなって中間色に近い色となり、経血の赤色が認識されにくい色となる。
従って、第1側方有色部22、中央部21それぞれに経血が重なった場合、中央部21では経血の赤色が目立ち、第1側方有色部22では赤色が目立ちにくくなる。そして、中央部21に付着している経血の赤色がより際立って見え、更に、縦方向Xに延在する一対の第1側方有色部22によって、経血が縦方向Xに拡がっているように見える。
このように、経血が実際の拡がりよりも小さく見えることで、吸収性の良さを想起させる事ができる。具体的には、ムレやベタつきにおいて好印象を与える事ができる。またY方向に経血が拡がっていると横モレの不安があるが、X方向に経血が拡がって見えることで、装着時の快適性に加えて、漏れの不安も軽減させる事が出来る。
また、第1側方有色部22は中央部21よりもa値が低いことがより好ましい。
これにより、経血付着領域において、中央部21の方が第1側方有色部22よりも経血の赤色が強調され、より中央部21に経血が集まっているように見える。
また、一対の第1側方有色部22よりも横方向外方に位置する一対の第2側方有色部23は、一対の第1側方有色部22よりもa値が高いことがより好ましい。これにより、第2側方有色部23まで経血が拡がった場合、第2側方有色23では第1側方有色部22よりも経血の赤色が強調されるので、着用者は視覚的に交換時期を直感で把握することができる。
また、中央部21を挟んで位置する一対の第1側方有色部22を形成することにより、着衣にナプキン1を装着する際、一対の第1側方有色部22を目印にして横方向Yの位置をあわせやすく、装着作業性に優れたナプキン1とすることができる。
中央部21の色は、黄色味が抑えられた緑色か白色が好ましい。
ナプキン1を表面シート2側から測定したときの中央部21のa値は、好ましくは0未満であり、より好ましくは−10〜−0.5である。
中央部21のb値は、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.5〜3である。
中央部21のL値は、好ましくは90以上であり、より好ましくは91〜99である。
第1側方有色部22の色は、黄色から黄緑色の範囲が好ましい。
第1側方有色部22のa値は、好ましくは0未満であり、より好ましくは−15〜−0.5である。
第1側方有色部22のb値は、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.8〜5である。
第1側方有色部22のL値が、好ましくは85以上であり、より好ましくは88〜92である。
中央部21のa値と第1側方有色部22のa値の差であるΔa値は、好ましくは0〜5であり、より好ましくは0〜3である。
中央部21のb値と第1側方有色部22のb値の差であるΔb値は、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.8〜5である。
中央部21のL値と第1側方有色部22のL値の差であるΔL値は、好ましくは1以上であり、より好ましくは2〜10である。ΔL値をこの範囲とすることにより、視覚的に第1側方有色部22の黄色が主張しすぎない適度な存在感の色となる。
第2側方有色部23のa値は、好ましくは−14以上、0未満である。
第2側方有色部23のb値は、好ましくは0以上、5以下である。
第2側方有色部23のL値は、好ましくは88以上、99以下である。
より具体的には、本実施形態のナプキン1は、表面シート2側からナプキン1をみたときに次のような色を呈する。
中央部21は黄色味が抑えられた緑色である。
第1側方有色部22は黄色であり、第1側方有色部22は黄色のライン部を構成する。
第2側方有色部23は緑色であり、第2側方有色部23は緑色のライン部を構成する。
周辺部24は、平面視で吸収体4が位置しない領域であり、サイドシート5と裏面シート3が重なった領域である。本実施形態では、サイドシート5及び裏面シート3に白色のものを用い、周辺部24の色は白色である。
本実施形態のナプキン1は、図1及び図3に示すように、表面シート2側からみて、やや緑色の中央部21と、中央部21を間に介してそのすぐ両側に位置する一対の黄色のライン部となる第1側方有色部22と、中央部21及び第1側方有色部22を間に介してそのすぐ両側に位置する一対の緑色のライン部となる第2側方有色部23と、これらを間に介してその両側に一対の白色の周辺部24と、が位置する。
このように、本実施形態のナプキン1は、経血の赤色と似た色以外の色で構成され、ナプキン1は衛生的な外観を呈する。ナプキン1には、吸収体4が位置する領域において、表面シート2側からみて横方向Y中央から外方に向かって色が変化する色のグラデーションが形成されている。
このような幅方向Yに色が変化する色のグラデーションが形成されるナプキン1は、着色された本体吸収性シート41を有する吸収体4と、塗工液を用いて製造することができる。具体的には、着色された吸収体4の表面4aの横方向Y中央域に縦方向Xに沿って、着色に用いられる着色剤と相溶性の高い塗工液を塗工することにより製造することができる。製法例については後述する。
[圧搾溝と側方有色部との位置関係]
図1に示すように、第1側方有色部22と圧搾溝5とは少なくとも一部で重なっている。上述の通り、圧搾溝6は、吸収体4の外方への液の漏れを防止する防漏作用も有する。圧搾溝6と第1側方有色部22とが重なることにより、液を塞き止めする圧搾溝6の機能が視覚的により強調され、着用者の安心感をより高めることができる。
[吸収体の詳細構成]
吸収体4には冷感剤11、香料12及び抗菌剤13が含まれる。図2では、冷感剤11、香料12及び抗菌剤13の位置を説明するために、便宜的に、冷感剤、香料及び抗菌剤に厚みを持たせて模式的に図示している。
(冷感剤及びその配置位置)
図5において、塗工作業時での冷感剤11の塗工液の塗工領域に符号30を付し、斜線で示している。図5に示すように、冷感剤11の塗工液は、吸収体4の表面4aの横方向Y中央域に縦方向Xにおける全長に亘って塗工され、両側方域には塗工されない。冷感剤11の塗工液の塗工後、所定時間放置することにより、平面視で塗工液は塗工領域30よりも横方向Y外方にやや拡がっていき、冷感剤11は塗工領域30よりもやや広い面積で分布する。塗工後、冷感剤11の塗工液が横方向Y外方にやや拡がっていくことにより、ナプキン1における冷感剤11が位置する領域において、横方向Yの中央域よりも外方の領域の方が冷感剤11の量が少なくなるように冷感剤11が分布する。本実施形態では、中央部21及び第1側方有色部22には冷感剤11が位置し、第2側方有色部23には冷感剤11が位置しない。また、第1側方有色部22は、中央部21よりも冷感剤11の単位面積当たりの量が少ない。図2では、塗工液が拡がって冷感剤11が塗工領域30よりも広く分布している状態を示している。
冷感剤11には、当技術分野で公知のものを用いることができる。例えば、冷感剤11には、着用者の皮膚や粘膜表面の温度受容器を刺激し、皮膚や粘膜表面上の温度を変化させることなしに、着用者に冷感を伝えることのできる種々の剤を用いることができる。例えば、シクロヘキシル誘導体、シクロヘキサノール誘導体、カルボキサミド類など、特開2005−12918号公報の段落[0006]〜[0086]に記載ものが挙げられる。その中でも、匂いによる爽快感と速効性、持続性の観点から、水不溶性又は水難溶性のものが好ましい。水不溶性又は水難溶性の冷感剤は液とともに非肌側へ移行しにくいことから、冷感は持続しやすい。水不溶性又は水難溶性のものとしては、乳酸メンチルやメントールが好ましい。ここで言う「水不溶性又は水難溶性」とは、25℃の水1Lに対して1g以下の溶解性であることを言い、特に「水不溶性」は25℃の水1Lに対して0.1g以下の溶解性であることを言う。
冷感剤11としては、特に、メントール及び乳酸メンチルを含むことが、冷感効果を着用後素早く感じられると共に穏やかなものとし、持続性を高めることから好ましい。
冷感剤11は、溶媒に溶解させた塗工液の状態で吸収体4の表面4a上に塗工される。溶媒としては、通常用いられる種々のものを採用できる。例えばジプロピレングリコール等が挙げられる。
本実施形態において、冷感剤の塗工液は、表面シート2側からみたナプキン1の色を横方向Yで変化させる機能も有する。冷感剤11の塗工液の溶媒には、着色剤と相溶性の高いものを用いることができる。
冷感剤11をナプキン1に用いることにより、着用者に対して冷感を与えることができ、着用者は冷感による爽快感を感じることができる。図5に示すように、冷感剤11の塗工液は縦方向X全長に亘って塗工されているので、身体の前後方向にも冷感をあたえることができ、ムレなどの不快感を低減することができる。
また、上述のように、本実施形態では、中央部21及び第1側方有色部22には冷感剤11が位置し、第2側方有色部23には冷感剤11が位置しない。また、第1側方有色部22は、中央部21よりも冷感剤11の単位面積当たりの量が少ない。これにより、ナプキン着用時、刺激に弱い鼠径部に当接しやすいナプキン1の箇所に冷感剤11が位置し難い構成となり、鼠蹊部への冷感剤11による刺激を低減することができる。
(香料及び抗菌剤の配置位置)
図2に示すように、香料12及び抗菌剤13は、例えば、折り畳む前の中央吸収性シート42の一方の面全面に塗工される。中央吸収性シート42が香料12及び抗菌剤13が塗工された面を内側にして折り畳まれ、この折り畳まれた中央吸収性シート42を本体吸収性シート41によって覆うことによって吸収体4が構成される。これにより、香料12及び抗菌剤13は吸収体4の内部で保持される形態となる。尚、香料12及び抗菌剤13は中央吸収性シート42の一方の面全面に塗工されていても、一方の面の一部に塗工されていてもよい。
図5において、平面視で中央吸収性シート42が位置する領域が香料12及び抗菌剤13が位置する領域となる。ナプキン1において、平面視で、冷感剤11の塗工領域30は、香料12及び抗菌剤13が塗工される領域よりも広い面積で設けられる。ナプキン1の排泄部対向領域となる中間部M2では、冷感剤11と香料12と抗菌剤13とが平面視で重なっている。
香料12は、その香気成分が大気圧下で大気中に揮散するものであればよく、常温常圧の環境下でその香気を知覚し得るものであることが好ましい。このような香料を用いることによって、経血等の排泄物に起因する不快なにおいを香料の香気によってマスキングすることができ、不快感を軽減することができる。香料12を中央吸収性シート42に配することで、香料が過剰に揮発することが抑制され、臭いのマスキング効果の持続性を高めることができる。また、ナプキン1において、中央吸収性シート42は液の吸収量が多い部位に配置されるため、香料12によって効率よく臭いをマスキングすることができる。
抗菌剤13は、菌による悪臭の発生を防ぐ。経血等の排泄物が抗菌剤13と接触することにより抗菌効果が発揮される。抗菌剤13を中央吸収性シート42に配することで、着用者の肌へ抗菌剤が移行し難くなり、抗菌剤が着用者の肌に存在する常在菌に対して接触し難くなるので、使用感が良好なものとなる。
吸収体4が抗菌剤13を含有することで、冷感剤11による感覚としてのムレやべたつきの抑制に加えて、ムレやべたつきが原因で引き起こされやすい菌の繁殖が抑制され、着用者は快適にナプキン1を使用することができる。
積層構造の吸収体4において、香料12及び抗菌剤13が含まれる中央吸収性シートは、中央部21における、一対の第1側方有色部22により挟まれる領域に配されており、一対の第1側方有色部22間の幅は、中央吸収性シートの横方向Yの長さと同じ或いはそれ以上となっている。
経血の吸収量が多い排泄部対向領域に位置する高坪量部8を構成する中央吸収性シート42に抗菌剤13を設けることで、抗菌効果が効率よく発揮される。
(香料)
香料12には、吸収性物品において従来用いられてきたものを用いることができる。香料としては例えば、沸点が約250℃以下の高揮発性香料成分、又は沸点が約250〜約300℃の中揮発性香料成分が好ましく用いられる。
香料として用いられる上記高揮発性香料成分としては、例えばアニソール、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、ギ酸ベンジル、酢酸イソボルニル、シトロネラール、シトロネロール、酢酸シトロネリル、パラシメン、デカナール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメチルフェニルカルビノール、ユーカリプトール、1−カルボン、ゲラニアール、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、ゲラニルニトリル、酢酸ネリル、酢酸ノニル、リナロール、エチルリナロール、酢酸リナリル、フェニルエチルアルコール、α−ピネン、β−ピネン、γ−ピネン、α−ヨノン、β−ヨノン、γ−ヨノン、α−テルピネオール、β−テルピネオール、酢酸テルピニル、テンタローム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記香料として用いられる上記中揮発性香料成分としては、例えばアミルシンナムアルデヒド、ジヒドロジャスモン酸メチル、サリチル酸イソアミル、β−カリオフィレン、セドレン、セドリルメチルエーテル、桂皮アルコール、クマリン、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、イソオイゲノール、γ−メチルヨノン、ヘリオトロピン、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シス−3−ヘキセニル、フェニルヘキサノール、ペンタライド等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
吸収体が有する香料としては、上述の高揮発性及び中揮発性香料成分以外に、あるいはこれら香料成分に加えてさらに、バラ香調、ラベンダー香調、ジャスミン香調、イランイラン香調を有する香料を含有した香料組成物を用いることもできる。このような香料組成物としては、例えば、ネロール、ラバンジュロール、ジャスマール、シクロピデン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。香料には、上述した香料素材単体、及び天然精油や調合ベースのように、「複数の香料によって構成される香料素材が組み合わされたもの(香料組成物)で、溶剤によって希釈・調整されたもの」が含まれる。例えば、香料として、バラ、ラベンダー、ジャスミン、イランイラン様香気を有する香料を含有する香料組成物を用いることができる。
(抗菌剤)
抗菌剤には、吸収性物品において従来用いられてきたものを用いることができる。抗菌剤としては、有機性の抗菌剤を用いることが好ましい。有機性の抗菌剤は、排泄物中の匂い発生原因物質が有機性である場合、匂い発生原因物質との良好な親和性から高い抗菌・消臭性が期待できる。有機性の匂い原因物質や菌との親和性の観点から、有機性のカチオン性抗菌剤が特に好ましい。カチオン性抗菌剤は、悪臭産生の制御として強い腐敗臭の発生を抑えることができる。
カチオン性抗菌剤は、有機化合物系の抗菌剤で、銀、亜鉛、銅等の金属イオン系よりも尿等の排泄物への溶出が多く抗菌作用が広範囲である。特に、ジデシルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ベンゼトニウム塩、ベンザルコニウム塩、モノアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩が挙げられ、これらからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。これらのカチオン性抗菌剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせても良い。
上記のベンザルコニウム塩の中でも、特にセチルリン酸ベンザルコニウムを抗菌剤13として用いることが、抗菌性、安全性及び即効性の高さの点から好ましい。セチルリン酸ベンザルコ二ウムは、有機系のカチオン性抗菌剤の中で、抗菌性と皮膚への低刺激性(水溶解性が低い)とのバランスがよく、比較的安全性が高いため、抗菌剤として好適である。
(冷感剤と抗菌剤の位置関係)
図2に示すように、冷感剤11は抗菌剤13よりも厚み方向Zにおいて肌側に位置する。冷感剤11と抗菌剤13とは平面視で重なっている。
冷感剤11として用いられるメントール及び乳酸メンチルは、液移行性が低いため、吸収体4に経血等の液が吸収されても、液とともに非肌側に移行しにくく、塗工した表面4a上に多く存在する。また、抗菌剤13として用いられるセチルリン酸ベンザルコニウムも液移行性が低く、いずれもナプキン使用時の時間経過により機能剤の濃度変化が少なく、安定的に所定の場所でそれぞれの効果を発揮する。また、メントールは抗菌剤13よりも効果は小さいが抗菌効果があり、肌への刺激が少ない。
このように、ナプキン1は、経血の吸収量が多い部位に、メントール(冷感剤11)、その下方に抗菌効果が高いセチルリン酸ベンザルコニウム(抗菌剤13)が位置し、厚み方向Zで重なる位置に2箇所に分かれて抗菌効果の大小が異なる成分が位置する。これにより、ナプキン1は、肌への刺激が少なく、段階的に抗菌効果が発揮し得る抗菌効果の高いものとなっている。
(スリット)
図2及び図4に示すように、吸収体4は、表面4aから裏面4bに向かって厚み方向Zに連通する複数のスリット43を有する。
スリット43は、吸収体4の厚み方向Zに配された通気手段である。スリット43は、冷感剤11及び香料12の揮発成分を肌面へ誘導する。スリット43は、冷感剤11及び香料12の揮発成分の移動経路、吸収体4等の変形による空気の移動経路として作用する。
スリット43は、例えば、本体圧搾溝61によって囲まれた領域であって一対の中間圧搾溝62により挟まれた領域に複数形成される。複数のスリット43は、排泄部対向領域を含む、ナプキン1の縦方向Xに亘って位置する。
吸収体4において、スリット43は、縦方向Xに延在する直線状に形成され、XY平面内に複数、分散配置され、一対の第1側方有色部22の延在方向と平行に位置する。本実施形態では、複数のスリット43を縦方向Xに離間して配列させ、縦方向の列を横方向Yに離間させて配置している。
スリット43を設けることにより、冷感剤11及び香料12の平面方向への滲出方向を好適に制御しながら、吸収体4の広い領域から冷感剤11及び香料12を肌へと効率よく送り出すことができる。
更に、スリット43を設けることにより、着用者から排泄される液がスリット43を通って抗菌剤13まで到達し、効率良く液と抗菌剤13とが接触して抗菌効果が速やかに発揮される。
また、スリット43が縦方向Xに延在することにより液の拡散が縦方向に促され、縦方向Xに延在して中央部21を間に介して位置する一対の第1側方有色部22による中央部21に付着した経血の色の強調との相乗効果により、中央部21での経血の集中がより視認されやすく、液漏れが抑制されていることの安心感が向上する。
スリット43は、部材断絶の横方向Yにおける幅が0.5mm以下の切り込み部分として定義でき、好ましくは0.3mm以下であり、より好ましくは0.2mm以下である。スリット43の幅は、ナプキン1から吸収体4を取り出して水平な台に静置し、張力を加えない自然状態において、株式会社キーエンス製のデジタルマイクロスコープVHX−900によって測定することができる。測定に際し、測定倍率は適宜調整して測定する。
スリット43は、吸収体4の厚さ方向Zにおいて、種々の深さを有するものであってもよい。例えば、表面4aから所定深さにまであってもよく、本実施形態のように吸収体4の厚み方向Z全体に亘って位置し吸収体4を貫通していてもよい。
また、スリット43は、吸収体4のみに配される場合に限られず、中間シート9から吸収体4までを同じ位置で貫通するものがあってもよい。これにより、冷感剤11及び香料12の揮発成分の通り道が吸収体4から中間シート9まで連続し、吸収体4内部から肌へと円滑に送りだすことができる。
[ナプキンの製造例]
ナプキンの製造工程は次の工程を有する。尚、ここで記載する数値は一例であり、これに限定されない。
ナプキン1の製造工程は、本体吸収性シート41を形成する工程(S1)と、中央吸収性シート42を形成する工程(S2)と、冷感剤を塗工する工程(S3)と、吸収体4を形成する工程(S4)と、スリットを形成する工程(S5)と、吸収体4を表面シート2と裏面シート3により挟持してナプキンを形成する工程(S6)と、を有する。
上記S1において、親水性繊維からなる2つのシート状の繊維層間に高吸収性ポリマー材を挟持して固定した厚みの薄いシート体である吸収性シートを着色剤によって着色し、有色の本体吸収性シート41を形成する。本実施形態において、着色剤は緑色であり、緑色の本体吸収性シート41を得ることができる。
次に、上記S2において、親水性繊維からなる2つのシート状の繊維層間に高吸収性ポリマー材を挟持して固定した厚みの薄いシート体である吸収性シートの一方の面に香料12を4.0gと、セチルリン酸ベンザルコニウム(抗菌剤13)を0.648mg塗工して中央吸収性シート42を形成する。中央吸収性シート42は、折り畳んだ状態で縦方向Xの長さが90mm、横方向Yの長さが35mmである。
次に、上記S3において、本体吸収性シート41の一方の面の横方向Y中央域に線状に縦方向X全長190mmに亘って冷感剤11の塗工液を塗工する。本実施形態では、縦190mm、横45mmの塗工領域30にメントール2.5mg、乳酸メンチル25mgが塗工されるようにした。冷感剤11が塗工される本体吸収性シート41の面は、吸収体4としたときに表面4aを構成する。
塗工後、所定の温度環境にて、本体吸収性シート41を所定時間静置する。静置工程では、冷感剤11が外部へ揮散し難いように、本体吸収性シート41の全面を気密性容器で覆う等して気密性の高い状態にしておく。
冷感剤11の塗工液には、着色剤と相溶性の高いものを用いることができる。具体的には、冷感剤11の塗工液は、メントール(冷感剤11)と乳酸メンチル(冷感剤11)をジプロピレングリコール(溶媒)に溶解したものである。本体吸収性シート41の着色剤には黄色と青色の染料を配合した緑色の染料を用いている。黄色の染料は、青色の染料よりも、冷感剤11の塗工液との相溶性が高い。なお、塗工液には香料が含まれても良い。
次に、上記S4において、香料12及び抗菌剤13が塗工された面を内側にして折り畳んだ中央吸収性シート42を内包して、冷感剤11が塗工された着色された本体吸収性シート41を折り畳み、積層構造を有する吸収体4を形成する。吸収体4は表面4aと裏面4bを有する。吸収体4の縦方向Xの長さは190mm、横方向Yの長さは75mmである。
次に、上記S5において、吸収体4の表面4aから裏面4bに亘って複数のスリット43を形成し、吸収体4を作製する。
次に、上記S6において、吸収体4の表面4a側に、中間シート9、表面シート2を順に配置し、裏面4b側に裏面シート3を配置し、サイドシート5を配置し、更に裏面シート3の非肌側面に粘着部を形成してナプキン1を製造する。
上記S3の冷感剤11の塗工液の塗工工程後、所定温度下で所定時間置くことにより、本体吸収性シート41において冷感剤11の塗工液が横方向Yに拡がる。この際、冷感剤11の塗工液と相溶性の高い着色剤は横方向Y外方に移動する。黄色の染料は青色の染料よりも冷感剤11の塗工液との相溶性が高いため、より黄色の染料は横方向Y外方に向かってより顕著に移動する。
これにより、吸収体4において、中央部21は、冷感剤11の塗工液の塗工前の本体吸収性シート41の色よりも黄色味が抑えられた緑色を呈する。そして、中央部21を間に介してその両側に黄色のライン部となる第1側方有色部22が縦方向Xに延びる線状に形成される。また、冷感剤11の塗工液が位置しない領域に対応する第2側方有色部23は、このような染料の移動が生じていないため、冷感剤11の塗工液の塗工前の本体吸収性シート41の色と同様の緑色を呈する。これにより、一対の第2側方有色部23は一対の緑色のライン部となる。
したがって、図1及び図3に示すように、吸収体4では、黄色味が抑えられた緑色の中央部21の両側に一対の黄色のライン部(第1側方有色部22)が位置し、更に一対の黄色のライン部(第1側方有色部22)を間に介して一対の緑色のライン部(第2側方有色部23)が位置する。本実施形態では、表面シート2を介して吸収体4のこれらの色が透けて視認可能となっている。更に、ナプキン1において、一対の緑色のライン部(第2側方有色部23)を間に介して一対の白色の周辺部24が位置する。
ここで、図6に示すナプキン10のように、黄色のライン部となる一対の第1側方有色部31が、中間領域M2で横方向Y外方に凸の形状を有する場合がある。
図6において、上述のナプキン1と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。
図6に示すように、ナプキン10は、黄色味が抑えられた緑色の中央部21を間に介して横方向Yの両側に一対の黄色のライン部となる第1側方有色部31と、一対の黄色のライン部(第1側方有色部31)を間に介してその両側に一対の緑色のライン部(第2側方有色部32)を有する。一対の黄色のライン部(第1側方有色部22)は、排泄部対向領域である中間領域M2において、前方領域M1及び後方領域M3でよりも横方向Y外方に位置する。
このような第1側方有色部31が中間領域M2で横方向Y外方に凸の形状を有するのは、中間領域M2には高坪量部8が位置して厚みが厚い領域が存在するのに対し、前方領域M1及び後方領域M3にはこのような厚みが厚い領域が存在しないことに起因すると考えられる。すなわち、ナプキン形成工程の折り畳む工程において、折り畳まれた状態で押された際、高坪量部8の厚みが厚い領域部分はより圧がかかるため、冷感剤の塗工液の移動が起こり、それに合わせて染料の移動がより顕著に表れるためと考えられる。
図6に示す形態においても、黄色のライン部(第1側方有色部31)、中央部21それぞれに経血が重なった場合、中央部21では経血の赤色が目立ち、第1側方有色部31では赤色が目立ちにくくなる。これにより、中央部21に付着している経血がより際立って見え、更に縦方向Xに延在する第1側方有色部31によって縦方向Xに経血が拡がっているように見える。したがって、中央部21に経血が集まるように吸収されているように視認され、吸収性に優れたナプキン1であることを視覚によって認識させることができ、着用者の漏れの不安を払拭して安心感を高めることができる。
更に、図6に示す例では、第1側方有色部31が中間領域M2で横方向Y外方に凸の形状を有するので、ナプキンにおける実際の経血等の液の拡散領域と、経血の吸収の見え方の齟齬を最小限に留めることができ、着用者に対してより適切な交換時期を知らせることができる。
このように、本実施形態のナプキン1及び10では、着色剤(染料)によって着色された吸収体4に、着色剤と相溶性の高い塗工液を塗工することにより、色のグラデーションを有するナプキン1を製造することができる。これにより、吸収体4や表面シート2に、黄色のライン部を別途印刷等によって形成する工程が不要となり、作業工程数が削減される。
尚、上述の製法例では、吸収性シートを折り畳む前の段階で吸収性シートに冷感剤の塗工液を吸収体の表面に塗工する例をあげたが、積層構造の吸収体を形成したのち、冷感剤の塗工液を塗布してもよい。
以上のように、本実施形態のナプキンでは、経血がナプキンの横方向Yの中央部に集中して狭い領域内で吸収されているように視認されて、吸収性能が視覚化されるとともに、視覚的にムレやべたつきが想起されにくい。更に、冷感剤が配合されることにより、ムレやべたつきによる不快感が抑制されて着用者に爽快感を与えることができる。
[他の例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上述の実施形態では、中央吸収性シート42と本体吸収性シート41を積層した吸収体4を例に挙げたが、吸収体の構成はこれに限定されない。例えば吸収体が、吸収性コアと、コアラップシートと、から構成されてもよい。
吸収性コアは、パルプ繊維等の親水性繊維で構成された繊維集合体に高吸水性ポリマーPを保持させた構成を有しているが、この構成に限定されない。吸収性コアはパルプ等の液吸収材料を積繊して形成することができ、液吸収材料の積繊量を周囲よりも増量することによって、吸収性コアの排泄部対向領域に高坪量部を設ける構成としても良い。
コアラップシートは、吸収性コアを被覆し、例えば吸収性コアの形状を保持する機能等を有する。コアラップシートは、例えばティッシュペーパー状の薄く柔らかい紙や液透過性の不織布等で形成される。
このような構成の吸収体を用いる場合、例えばコアラップシートを着色する。着色には、上記吸収体4と同様に、着色剤として黄色と青色の染料を配合した緑色のものを用いることができる。
冷感剤の塗工液は、吸収体の表面、すなわちコアラップシート上に塗工されている。冷感剤の塗工液は、吸収体の横方向Y中央部に縦方向Xの全長に亘って塗工される。冷感剤の塗工液には、上記吸収体4に用いた塗工液と同様に、メントールと、乳酸メンチルと、ジプロピレングリコール(溶媒)を混合したものを用いることができる。この他、香料が含まれても良い。
吸収体は、横方向Yにおける中央域に位置する中央部と、中央部を間に介して横方向Yに沿ってその両側に位置する一対の側方部と、を有する。一対の側方部は、一対の縦方向Xに延びる第1側方有色部と、一対の縦方向Xに延びる第2側方有色部とを含む。一対の第2側方有色部は、一対の第1側方有色部を間に介してその両側に位置する。
吸収体には、上述のナプキン1と同様に、着色されたコアラップシートに冷感剤の塗工液を塗工することにより、吸収体に色のグラデーションが形成される。吸収性コアとコアラップシートとからなる吸収体において、コアラップシートは、上記吸収体4の本体吸収性シート41に比べて坪量が低く、さらに前記本体吸収性シート41に含まれるポリマー材を含んでいない。このため、塗工後、所定時間静置することにより、コアラップシートにおいて、黄色の染料に加え青色の染料も横方向Y外方に向かって移動する。
これにより、吸収体の横方向Yにおける中央部は白色を呈する。そして、中央部を間に介してその両側に位置する両側方部は、縦方向Xに延びる線状の一対の第1側方有色部と、一対の第2側方有色部を含む。一対の第1側方有色部、それぞれは、例えば縦方向Xに延びる青色のライン部と縦方向Xに延びる黄色のライン部とから構成され、青色のライン部が横方向Y内側に位置し、黄色のライン部が横方向Y外側に位置する。また、冷感剤が位置しない領域に対応する第2側方有色部では、このような染料の移動が生じないため、緑色を呈する。
したがって、吸収性コアとコアラップシートとからなる吸収体では、白色の中央部の両側に縦方向に延びる一対の青色のライン部が位置し、一対の青色のライン部を間に介してその両側に一対の黄色のライン部が位置し、一対の黄色のライン部を間に介してその両側に一対の緑色のライン部が位置するように、色のグラデーションが形成される。表面シートを介して吸収体のこれらの色は透けて視認可能となっている。更に、ナプキンにおいて、一対の緑色のライン部を間に介して一対の白色の周辺部が位置する。
以上のように、吸収性コアとコアラップシートとからなる吸収体を備えるナプキンにも本発明を適用することができる。
また、例えば、上述の実施形態では、ナプキンに色のグラデーションを形成するにあたり吸収体4に塗工する塗工液に冷感剤の塗工液を用いたが、これに限定されない。例えば、冷感剤が配合されていない、冷感剤の塗工液の溶媒に用いたジプロピレングリコールを用いてもよく、冷感剤の塗工液と同様に吸収体に色のグラデーションを形成することができる。尚、冷感剤の塗工液を用いることにより、より黄色のライン部が明瞭にでやすい。
また、例えば、上述の実施形態では、吸収性物品として生理用ナプキンの例を示したが、これに限定されない。本発明の吸収性物品は、例えば、尿取りパットやおりものシート、使い捨ておむつ等であってもよい。
[追加説明]
以下、本実施形態の説明を補足する。
(ナプキンの色相の評価方法)
上記の吸収性シートを用いた吸収体4の表面4aに中間シート、表面シートを配置し、裏面4bに裏面シート3を配置し、更にサイドシート5を配置して上記ナプキン1を製造する。
また、吸収性コアとコアラップシートとからなる吸収体の表面に表面シート、裏面に裏面シートを配置して、表面シート及び裏面シートにより吸収体を挟持し、更に上記ナプキン1と同様にウイング部Wを構成するサイドシートを用いてナプキンを製造する。当該ナプキンは、ナプキン1と比較して、吸収体の構造及び中間シートがない点で異なり、それ以外は同じ構造である。
吸収体4及び吸収性コアとコアラップシートとからなる吸収体のいずれにおいても、吸収体が上記のとおり緑色に着色され、吸収体の表面の横方向Y中央域には冷感剤の塗工液を塗工されている。
それぞれのナプキンを、表面シートを上側にして白色台紙に載置し、表面シート側からみたときのナプキンの排泄部対向領域の色相を、上述した方法で、色差計により測定する。測定は、疑似経血注入前後それぞれで行う。
疑似経血は、特許第5912907号の段落[0087]に記載のものを使用した。以下、実施例として数値を記載するが、これらの数値に限定されない。
(吸収性シートを用いた吸収体を備えたナプキンの色相例)
図1を参照して、上記の吸収性シートを用いた吸収体4を備えたナプキン1を経血注入前後で表面シート2側から測定したときの、中央部21と、第1側方有色部22と、第2側方有色部23と、周辺部24それぞれのL値、a値、b値の測定結果を表1に示す。ナプキン1において吸収体4と表面シート2の間には中間シート9が配置され、結果は中間シート9と表面シート2を介して吸収体4をみたときの色相を示す。
Figure 2021078637
経血注入前のナプキン1において、中間シート9及び表面シート2を介してみたとき、中央部21は黄色味が抑えられた緑色、第1側方有色部22は緑がかった黄色のライン、第2側方有色部23はやや黄色味が抑えられた緑色のライン、周辺部24は白色である。
表1に示すように、経血注入前のナプキン1において、中央部21は第1側方有色部22及び第2側方有色部23よりも若干L値が高くなっている。
中央部21は、第1側方有色部22よりもa値が高い。中央部21は、第2側方有色部23とa値が同じであり、緑色の度合いはほぼ同等である。
中央部21は、第1側方有色部22及び第2側方有色部23よりもb値が低く、黄色の度合いについては、中央部21と、第1側方有色部22及び第2側方有色部23とは黄色の度合いについての差が大きくなっている。更に、第1側方有色部22は、中央部21及び第2側方有色部23よりも黄色の度合いがより高くなっている。
これに対し、経血注入後のナプキン1において、中央部21及び第1側方有色部22のいずれにおいても、経血付着領域は経血注入前よりもL値が低くなり、経血付着領域での中央部21と第1側方有色部22のL値はほぼ同等となる。表1に示すように、中央部21における経血注入前後のL値の差は、第1側方有色部22における経血注入前後のL値の差よりも大きくなっている。
このように、経血注入前のナプキン1において、第1側方有色部22のL値を中央部21よりも低くすることにより、経血注入後のナプキン及び第2側方有色部23それぞれにおける経血付着領域と経血非付着領域との明るさの差異を、中央部21における経血付着領域と経血非付着領域との明るさの差異よりも小さくすることができる。これにより、明るさの差異がより大きい中央部21の方が、第1側方有色部22よりも経血の色が目立ちやすく、中央部21での経血付着がより際立つ。
更に、表1に示すように、経血注入後のナプキン1において、中央部21及び第1側方有色部22のいずれにおいても、経血注入前よりもb値が低くなり、正のb値が負のb値に変化している。表1に示すように、第1側方有色部22におけるb値は中央部21と比べてより0に近く、中間色に近い値となっている。
このように、経血注入前のナプキン1において第1側方有色部22のb値を中央部21よりも高くすることにより、経血注入後のナプキン1において第1側方有色部22のb値を中央部21と比べてより0に近くなるようにすることができる。これにより、第1側方有色部22の経血付着領域は中間色に近い色となり、経血の色がより目立ちにくくなる。
ナプキン1では、第1側方有色部22では赤色が目立ちにくくなり、中央部21に付着している経血がより際立って見え、更に縦方向Xに延在する第1側方有色部22によって縦方向Xに経血が拡がっているように見え、横方向Y中央部に経血が集まって吸収されているように視認される。このようにナプキン1の吸収性能の視覚化が可能となる。
また、表1に示すように、第1側方有色部22のa値は中央部21よりも低い。
これにより、経血付着領域において、中央部21の方が第1側方有色部22よりも経血の赤色が強調されて視認されるので、より中央部21に経血が集まっているように見える。
また、表1に示すように、一対の第1側方有色部22よりも横方向外方に位置する一対の第2側方有色部23は、第1側方有色部22よりもa値が高い。
これにより、第2側方有色部23まで経血が拡がった場合、第2側方有色部23では第1側方有色部22よりも経血の赤色が強調されて視認されるので、着用者は交換時期を把握することができる。
(吸収性コアとコアラップシートとからなる吸収体を備えたナプキンの色相例)
上記の吸収性コアとコアラップシートとからなる吸収体を備えたナプキンを経血注入前後で表面シート側から測定したときの、中央部と、第1側方有色部と、第2側方有色部と、周辺部それぞれのL値、a値、b値の測定結果を表2に示す。
Figure 2021078637
表2に示すように、表1の結果と同様、ナプキンでは、第1側方有色部では赤色が目立ちにくくなり、中央部に付着している経血がより際立って見え、更に縦方向Xに延在する第1側方有色部によって縦方向Xに経血が拡がっているように見え、横方向Y中央部に経血が集まって吸収されているように視認される。このようにナプキンの吸収性能の視覚化が可能となる。
また、表2に示すように、第1側方有色部のa値は中央部よりも低い。
これにより、経血付着領域において、中央部の方が第1側方有色部よりも経血の赤色が強調されて視認されるので、より中央部に経血が集まっているように見える。
また、表2に示すように、一対の第1側方有色部よりも横方向外方に位置する一対の第2側方有色部は、第1側方有色部よりもa値が高い。
これにより、第2側方有色部まで経血が拡がった場合、第2側方有色部では第1側方有色部よりも経血の赤色が強調されて視認されるので、着用者は交換時期を把握することができる。
(寸法例)
上述の吸収性シートを用いた吸収体4を備えるナプキン1において、吸収体4の縦方向Xの長さは190mm、横方向Yの長さは75mmである。積層構造の吸収体4の中央吸収性シート42の縦方向Xの長さは90mm、横方向Yの長さは35mmである。
黄色味が抑えられた緑色を呈する中央部21の幅は45mm以上65mm以下である。
黄色ライン部である第1側方有色部22の幅は1mm以上8mm以下である。
緑色ライン部である第2側方有色部23の幅は1mm以上15mm以下である。
上述の吸収性コアとコアラップシートを用いた吸収体を備えるナプキンにおいて、吸収体の縦方向Xの長さは190mm、横方向Yの長さは65mmである。
白色を呈する中央部の幅は40mm以上65mm以下である。
黄色ライン部と青色ライン部を有する第1側方有色部の幅は1mm以上8mm以下である。
緑色ライン部の幅は0mm以上10mm以下である。
1、10…ナプキン(吸収性物品)
2…表面シート
3…裏面シート
4…吸収体
4a…表面
4b…裏面
21…中央部
22…第1側方有色部
25…側方部

Claims (7)

  1. 表面と裏面を有する吸収体と、前記表面側に配置された表面シートと、前記裏面側に配置された裏面シートと、を備え、相互に直交する前後方向及び幅方向を有する吸収性物品であって、
    前記吸収体は、幅方向における中央部と、前記中央部を間に介してその両側に位置する一対の側方部と、を有し、
    前記一対の側方部は、それぞれ、前記表面シートから視認可能な前後方向に延びる第1側方有色部を含み、
    前記第1側方有色部は、前記中央部よりも、前記表面シートから測定したCIE−L表色系におけるL値が低く、b値が高い
    吸収性物品。
  2. 前記第1側方有色部は、前記中央部よりも、前記表面シートから測定したCIE−L表色系におけるa値が低い
    請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記一対の側方部は、それぞれ、前記第1側方有色部と、前記第1側方有色部より幅方向外方に位置する第2側方有色部を含み、
    前記第2側方有色部は、前記第1側方有色部よりも、前記表面シートから測定したCIE−L表色系におけるa値が高い
    請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記表面シートと前記吸収体とを一体化する圧搾溝を更に具備し、
    前記圧搾溝と前記第1側方有色部は少なくとも一部で重なっている
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 幅方向中央域に、前後方向に延在する冷感剤を更に具備する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸収体は、排泄部対向領域と、前記排泄部対向領域を間に介して前後方向に位置する前方領域及び後方領域を有し、
    前記第1側方有色部は、前記排泄部対向領域において、前記前方領域及び前記後方領域よりも、幅方向外方に位置する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  7. 着色剤により着色された、表面と裏面とを有する吸収体の前記表面の一部に、前記着色剤と相溶性の高い塗工剤を塗工し、
    前記塗工剤を塗工した前記吸収体の前記表面側に表面シートを配置し、前記裏面側に裏面シートを配置する
    吸収性物品の製造方法。
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