JP3236362U - 吸収性物品 - Google Patents
吸収性物品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3236362U JP3236362U JP2021004824U JP2021004824U JP3236362U JP 3236362 U JP3236362 U JP 3236362U JP 2021004824 U JP2021004824 U JP 2021004824U JP 2021004824 U JP2021004824 U JP 2021004824U JP 3236362 U JP3236362 U JP 3236362U
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- absorbent
- layer
- rich region
- fiber
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
Abstract
【課題】排泄液が多いときや長時間の使用におけるべたつきによる不快感を低減し得る吸収性物品を提供する。【解決手段】表面層、裏面層、及び高吸収性ポリマー材を含む吸収層3を備え、着用者の腹側部、股下部及び背側部を繋ぐ方向に対応する縦方向と、該縦方向と直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、吸収層3は、断面視において、高吸収性ポリマー材の質量と親水性繊維の質量との合計質量に対する高吸収性ポリマー材の質量比率が相対的に高いポリマーリッチ領域35と、前記質量比率がポリマーリッチ領域35に対し相対的に低い繊維リッチ領域36とを含み、冷感剤がポリマーリッチ領域35に含まれており、吸収層3の肌面側の最表面が繊維リッチ領域36を有している、吸収性物品。【選択図】図5
Description
本考案は、生理用ナプキンや失禁パッド、おむつなどの吸収性物品に関する。
生理用ナプキン等の吸収性物品において、排泄液が多いときや長時間使用するときなどにべたつきが生じて着用者が不快に感じることがある。これに対し、従来、清涼剤等の冷感剤を吸収性物品に含有させることによって、着用感の向上をはかろうとする技術があった(例えば特許文献1及び2)。冷感剤は揮発して、着用者の肌の感覚神経細胞のTRPM8やTRPA1などを刺激して受容器のしきい値を変化させることで清涼感が感じられる。特許文献2記載の吸収性物品は、冷感剤が排泄によって消耗されるという問題に対応するため、着用者の排泄部に当接する領域における冷感剤の量を、それ以外の領域よりも多くしている。
人が感じるべたつき感等の不快感は、体液と肌との接触や発汗による濡れ、皮膚温度等の生理状態、物品内の気流や湿度などの環境因子が関係すると考えられる。
皮膚に作用する冷感剤を用いる技術においては、吸収性物品における冷感剤の含有量が揮発によって時間の経過とともに低減し、清涼効果は薄らいでいく。しかし、特許文献2記載の吸収性物品のように単に冷感剤の量を増やしては、肌への刺激が強くなり過ぎ、却って着用感を損ねかねない。
皮膚に作用する冷感剤を用いる技術においては、吸収性物品における冷感剤の含有量が揮発によって時間の経過とともに低減し、清涼効果は薄らいでいく。しかし、特許文献2記載の吸収性物品のように単に冷感剤の量を増やしては、肌への刺激が強くなり過ぎ、却って着用感を損ねかねない。
本考案は、排泄液が多いときや長時間の使用におけるべたつきによる不快感を低減し得る吸収性物品を提供する。
本考案は、表面層、裏面層、及び前記表面層と前記裏面層との間に配された、高吸収性ポリマー材を含む吸収層を備え、着用者の腹側部、股下部及び背側部を繋ぐ方向に対応する縦方向と、該縦方向と直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、前記吸収層は、断面視において、高吸収性ポリマー材の質量と親水性繊維の質量との合計質量に対する高吸収性ポリマー材の質量比率が相対的に高いポリマーリッチ領域と、前記質量比率が前記ポリマーリッチ領域に対し相対的に低い繊維リッチ領域とを含み、冷感剤が前記ポリマーリッチ領域に含まれており、前記吸収層の肌面側の最表面が前記繊維リッチ領域を有している、吸収性物品を提供する。
本考案に係る吸収性物品は、排泄液が多いときや長時間の使用におけるべたつきによる不快感を低減することができる。
以下、本考案に係る吸収性物品の好ましい一実施形態としての生理用ナプキン(以下、ナプキンとも言う)10について、図面を参照しながら説明する。
本考案においては、特に断らない限り、人体に接触する側を肌面側ないし肌当接面側あるいは表面側といい、これと反対側を非肌面側ないし非肌当接面側あるいは裏面側という。これらは、人体に接触する面を有さない部材に関しても、吸収性物品の部材構成における相対的な位置関係を示す用語として用いる。また、着用時に人体の前側に位置する方向を前方といい、後側に位置する方向を後方という。吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚み方向という。
本考案においては、特に断らない限り、人体に接触する側を肌面側ないし肌当接面側あるいは表面側といい、これと反対側を非肌面側ないし非肌当接面側あるいは裏面側という。これらは、人体に接触する面を有さない部材に関しても、吸収性物品の部材構成における相対的な位置関係を示す用語として用いる。また、着用時に人体の前側に位置する方向を前方といい、後側に位置する方向を後方という。吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚み方向という。
ナプキン10は、図1及び2に示すように、肌当接面側の表面層1と、非肌当接面側の裏面層2と、表面層1と裏面層2との間に配された液保持性の吸収層3とを有する。表面層1は液を吸収層3へと送り込む液透過性を備え、裏面層2は吸収層3にある液に対する防漏性を備える。表面層1及び裏面層2は吸収層3の両面を覆いつつ、吸収層3の外縁外方へと延出する大きさを有する。
本実施形態においては、表面層1と吸収層3との間に、吸収層3よりも幅狭の液透過性の液拡散層4を有する。液拡散層4は、表面層1から透過される排泄液を平面方向に広げて、吸収層3の肌面側の吸収面積を広げる作用を有する。また、表面層1の肌当接面側の両側にサイドシート5が積層されている。サイドシート5と裏面層2とが吸収層3の幅方向外方に延出して、着衣等への固定手段であるウイング部6を形成している。ウイング部6及び裏面層2の非肌当接面側には、ナプキン10を着衣に固定するための粘着部(図示せず)を有している。このシートの積層構造において、ナプキン10の外周縁は、吸収層3を介在させずに接合された外周シール部9となっている。
本実施形態においては、表面層1と吸収層3との間に、吸収層3よりも幅狭の液透過性の液拡散層4を有する。液拡散層4は、表面層1から透過される排泄液を平面方向に広げて、吸収層3の肌面側の吸収面積を広げる作用を有する。また、表面層1の肌当接面側の両側にサイドシート5が積層されている。サイドシート5と裏面層2とが吸収層3の幅方向外方に延出して、着衣等への固定手段であるウイング部6を形成している。ウイング部6及び裏面層2の非肌当接面側には、ナプキン10を着衣に固定するための粘着部(図示せず)を有している。このシートの積層構造において、ナプキン10の外周縁は、吸収層3を介在させずに接合された外周シール部9となっている。
ナプキン10は、他の構成部材を含んでいてもよく、また液拡散層4、サイドシート5を有さない形態であってもよい。さらに表面層1から吸収層3にかけて圧搾した防漏溝、表面層1上の複数のエンボスなどを有していてもよい。また、サイドシート5は、表面層1と接合されながら、表面層1の両側よりも内方側に自由端部を残すようにしてもよく、前記自由端部に弾性部材等を配して防漏カフを構成してもよい。
ナプキン10は、平面視において、縦方向(Y方向)と、該縦方向と直交する幅方向(X方向)とを有する、縦長形状である。また表面層1、裏面層2及び吸収層3は、ナプキン10と同様に、縦長形状である。縦方向は、ナプキン10の装着時における、着用者の腹側部、股下部及び背側部を繋ぐ方向に対応する。幅方向は、着用者の股下における左右の足を繋ぐ方向に対応する。本明細書において、縦方向(Y方向)及び幅方向(X方向)は、ナプキン10の平面視における方向を示すと同時に、表面層1、裏面層2及び吸収層3の平面視における方向を示す。
ナプキン10は、縦方向に関して、着用者の排泄ポイントに対向する部位を含む中間部Cを有する。さらに排泄部縦方向に関して、中間部Cよりも前方の下腹部側に配置される前方部F、後方の臀部側に配置される後方部Rを有する。また、中間部Cには、幅方向中央部分に、前記排泄ポイントに対向し、排泄液を直接受け止める受液領域C1がある。受液領域C1がある「幅方向中央部分」とは、図1に示すように、幅方向の中心線Lから左右に広がる所定幅の範囲をいい、吸収層の幅方向両端縁よりも内側の範囲の部分を言う。具体的には、ナプキン10の幅方向の中心線Lから左右に広がる領域であって、吸収層幅に対して40%以上60%以下の範囲の部分をいう。なお、中間部C、受液領域C1、前方部F及び後方部Rは、ナプキン10における区分を示すと同時に、これに対応する表面層1、吸収層3及び裏面層2における区分をも示す。
中間部C、前方部F及び後方部Rの区分位置は、使用目的等によって設定される吸収性物品の長さに応じて適宜設定され得る。ショーツの股下部に折り曲げて固定するウイング部を備える場合は、該ウイング部の存在する縦方向に沿った領域が中間部Cとなる。本実施形態のナプキン10は、昼用などとして設定される形状の例を示しており、縦方向の長さを3等分して、前方部F、中間部C及び後方部Rが設定されており、ウイング部を備えない昼用のナプキンの場合には、中間部はこの設定に従う。ナプキン10がどのような形状であっても一般的には、中間部Cは、前方部Fからの一定の距離の位置にある部位として設定され得る。さらに大人用若しくは幼児用のおむつなど、また、尿取りパッドなどについては、縦方向の長さを3等分して、前方部F、中間部C及び後方部Rが設定される。
次に、吸収層3の好ましい具体的な構造と、吸収層3における冷感剤が含まれる領域について説明する。
吸収層3は、高吸収性ポリマー材を含む。ここでいう高吸収性ポリマー材はいわゆるSAPと呼ばれる表面架橋された高分子材料である(以下、同様)。
図2に示す吸収層3は、高吸収性ポリマー材37及び親水性繊維を含む吸収性シートから構成されており、吸収性シートが積層された構造を有する。より具体的には、吸収層3は、本体吸収性シート31と、本体吸収性シート31の最も肌面側に位置する部分の非肌面側に配された中央吸収性シート32とを有し、両吸収性シートが折り畳まれた積層構造を有する。
図2に示す吸収層3は、高吸収性ポリマー材37及び親水性繊維を含む吸収性シートから構成されており、吸収性シートが積層された構造を有する。より具体的には、吸収層3は、本体吸収性シート31と、本体吸収性シート31の最も肌面側に位置する部分の非肌面側に配された中央吸収性シート32とを有し、両吸収性シートが折り畳まれた積層構造を有する。
吸収性シートは、親水性繊維からなる2つのシート状の繊維層間に高吸収性ポリマー材を挟持して固定した厚みの薄いシート体である。吸収性シートの形成にあたっては、高吸収性ポリマーが湿潤によって発現する粘着力や別に添加した接着剤や接着性繊維等のバインダーを利用して一体化することができる。作製は通常用いられる種々の方法によって行うことができ、湿式、乾式いずれの方式によってもよい。吸収性シートは厚みを3.0mm以下に抑えながら、高吸収性ポリマー材をシートの平面方向に分散配置させているためゲルブロキングを起こし難く、高い吸収力を有する。例えば、特開平8-246395号公報の段落[0019]~[0131]に記載のものなどが挙げられる。
本体吸収性シート31は、裏面層2側で幅方向の両端部を重ね合わせて三つ折りされた、折り畳み構造を有する。本体吸収性シート31は、中間部Cから前方部F及び後方部Rに及ぶ長さを有し、吸収層3の外形形状をなしている。
中央吸収性シート32は、表面層1側で幅方向の両端部を重ね合わせて三つ折りされた、折り畳み構造を有する。中央吸収性シート32は、折り畳まれた状態において、折り畳まれた本体吸収性シート31よりも幅狭であり、本体吸収性シート31よりも縦方向の長さが短く、中間部Cの幅方向中央に配されている。中央吸収性シート32は、本体吸収性シート31の折り畳み構造の内部に収められている。この配置において、中央吸収性シート32は、本体吸収性シート31の肌面側ではなく非肌面側にあり、少なくとも本体吸収性シート31の肌面側部分31Aよりも非肌面側に配されている。
中央吸収性シート32は、表面層1側で幅方向の両端部を重ね合わせて三つ折りされた、折り畳み構造を有する。中央吸収性シート32は、折り畳まれた状態において、折り畳まれた本体吸収性シート31よりも幅狭であり、本体吸収性シート31よりも縦方向の長さが短く、中間部Cの幅方向中央に配されている。中央吸収性シート32は、本体吸収性シート31の折り畳み構造の内部に収められている。この配置において、中央吸収性シート32は、本体吸収性シート31の肌面側ではなく非肌面側にあり、少なくとも本体吸収性シート31の肌面側部分31Aよりも非肌面側に配されている。
吸収層3は、断面視において、図3に示すように、ポリマーリッチ領域35と繊維リッチ領域36とを備える。具体的には、図3に示すポリマーリッチ領域35と繊維リッチ領域36が積層されて一体構造となっており、吸収性シートのシート厚み部分を構成している。この場合、ポリマーリッチ領域35及び繊維リッチ領域36は、ポリマーリッチ層及び繊維リッチ層ともいう。
ポリマーリッチ領域35と繊維リッチ領域36とは、図3に示す本実施形態のようにシート厚みを2分する層になっている場合の他、吸収層3の部分的な領域となっている場合であってもよい。いずれの場合においても、後述のとおり冷感剤による作用を長く効果的に維持する観点から、吸収層3の厚み方向に重なっていることが好ましい。
ポリマーリッチ領域35と繊維リッチ領域36とは、高吸収性ポリマー材37の質量と親水性繊維の質量との合計質量に対する高吸収性ポリマー材37の質量比率(以下、単に「高吸収性ポリマー材37の質量比率」と言う。)によって規定される。ポリマーリッチ領域35は繊維リッチ領域36よりも高吸収性ポリマー材37の質量比率が相対的に高くされている。一方、繊維リッチ領域36は、高吸収性ポリマー材37の質量比率がポリマーリッチ領域35に対し相対的に低くされている。
繊維リッチ領域36の厚みは、吸収層3の全厚みに対して、1/10~7/10、特に1/3~2/3であることが、体液の拡散性と保持性の観点から好ましい。
また、吸収性シートなどの一体構造のように、ポリマーリッチ領域35と繊維リッチ領域36の境界が明確ではない吸収層3の構造の場合には、その厚みを2等分した場合に一方の厚み領域と他方の厚み領域とを比較して、高吸収性ポリマー材37の質量比率が相対的に高い方をポリマーリッチ領域35、親水性繊維の質量比率が相対的に高い方(高吸収性ポリマー材37の質量比率が相対的に低い方)を繊維リッチ領域36とする。
また、吸収性シートなどの一体構造のように、ポリマーリッチ領域35と繊維リッチ領域36の境界が明確ではない吸収層3の構造の場合には、その厚みを2等分した場合に一方の厚み領域と他方の厚み領域とを比較して、高吸収性ポリマー材37の質量比率が相対的に高い方をポリマーリッチ領域35、親水性繊維の質量比率が相対的に高い方(高吸収性ポリマー材37の質量比率が相対的に低い方)を繊維リッチ領域36とする。
上記構成において、冷感剤がポリマーリッチ領域35に含まれている。冷感剤は、揮発して、着用者の皮膚及び/又は粘膜表面の温度受容器を刺激して、皮膚及び/又は粘膜表面上の温度を変化させる必要なしに、着用者に冷感、爽快感を感じさせることができる剤である。
冷感剤は、ポリマーリッチ領域35に含まれる限り、吸収層3の他の領域に含まれていてもよく、吸収層3以外の部材(例えば液拡散層4や表面層1)に含まれていてもよい。ただし、着用者の肌に対する適度な冷感効果を長く効果的に維持させる観点から、冷感剤の含有量が最も多い領域が吸収層3のポリマーリッチ領域35にあることが好ましい。また、冷感剤を含む領域は、ナプキン10の平面視において、中間部Cにあることが好ましい。
そして、吸収層3の肌面側の最表面が、繊維リッチ領域36を有している。そのため、ポリマーリッチ領域35は、吸収層3の肌面側の最表面にある繊維リッチ領域36よりも非肌面側に配されている。
具体的には、本体吸収性シート31の肌面側部分31Aのシート厚み部分が、肌面側の繊維リッチ領域36と非肌面側のポリマーリッチ領域35との2層構造となっている。冷感剤を含むポリマーリッチ領域35は、吸収層3の外面に対する平面視において、繊維リッチ領域36に重なる位置にあることが好ましく、繊維リッチ領域36を越えず、繊維リッチ領域36に覆われる範囲にあることがより好ましい。また、肌面側の最表面にある繊維リッチ領域36と非肌面側の冷感剤を含むポリマーリッチ領域35とは、少なくとも中間部Cにあることが好ましい。
具体的には、本体吸収性シート31の肌面側部分31Aのシート厚み部分が、肌面側の繊維リッチ領域36と非肌面側のポリマーリッチ領域35との2層構造となっている。冷感剤を含むポリマーリッチ領域35は、吸収層3の外面に対する平面視において、繊維リッチ領域36に重なる位置にあることが好ましく、繊維リッチ領域36を越えず、繊維リッチ領域36に覆われる範囲にあることがより好ましい。また、肌面側の最表面にある繊維リッチ領域36と非肌面側の冷感剤を含むポリマーリッチ領域35とは、少なくとも中間部Cにあることが好ましい。
吸収層3は上記構成により、吸収層3の厚み方向において、吸収後に自由水が相対的に少なくなるポリマーリッチ領域35と自由水が相対的に多く残る繊維リッチ領域36とを備え、着用者のべたつき感を低減するための異なる機構を備える。
具体的には、ポリマーリッチ領域35は、自由水が相対的に少ないため、冷感剤が適度に揮発できる環境を提供する。すなわち、排泄液に邪魔されることなく冷感剤が揮発可能である。一方、繊維リッチ領域36は、自由水が多く残るため、冷感剤の揮発した成分が吸収層3の肌面側から表面層1側へと拡散することを適度に抑制することができる。これにより冷感剤による冷感効果を長持ちさせることができる。加えて繊維リッチ領域36は、吸収層3の肌面側の最表面において、水分蒸散による気化熱によって皮膚温度を下げ冷感を感じさせることができる。
このように、吸収層3は、肌面側の最表層にある自由水の蒸散と、内部からの冷感剤の揮発成分の拡散とによる異なる冷感機構を有する。この2つの冷感機構は、ナプンン10を装着して排泄液が多くなるにつれ又は長く使用するにつれ、同時に発現しやすくなる。加えて、冷感剤の揮発成分の過度な拡散が抑えられて冷感剤による冷感効果が長続きし、上記の同時発現が長く生じ得る。その結果、着用者のベタつき感を長く効果的に抑えることができる。
図3に示した繊維リッチ領域36とポリマーリッチ領域35とがこの順でシート厚みにおいて上下に積層される態様は、少なくとも本体吸収性シート31の肌面側部分31Aにある。該態様は、本体吸収性シート31の肌面側部分31Aに加えて、吸収層3の折り畳まれた本体吸収性シート31及び中央吸収性シート32の全体にあってもよく、一部にあってもよい。全体にある場合、冷感剤を含むポリマーリッチ領域35は、吸収層3の外表面に露出しないで内部にあることが好ましい。すなわち、吸収層3の外表面が繊維リッチ領域36となっていることが好ましい。
また、ポリマーリッチ領域35と繊維リッチ領域36とは、図3に示す態様の他、繊維リッチ領域36が吸収層3の肌面側の最表面にある限り、吸収層3を構成する吸収性シートの折り畳み構造おける別々の部位に配されてもよい。
また、ポリマーリッチ領域35と繊維リッチ領域36とは、図3に示す態様の他、繊維リッチ領域36が吸収層3の肌面側の最表面にある限り、吸収層3を構成する吸収性シートの折り畳み構造おける別々の部位に配されてもよい。
吸収性シートにおけるポリマーリッチ領域35と繊維リッチ領域36の形成は、例えば次のようにして行うことができる。
まず、親水性繊維を含む水スラリーを湿式抄紙して抄造された、湿潤した繊維ウエブを作製する。水スラリーには熱溶融性接着繊維、紙力補強剤などを含ませてもよい。湿潤した状態にある繊維ウエブに対して、高吸収性ポリマー材37を散布し、高吸収性ポリマーが繊維間に入り込んだ状態を作り出す。この部分が、吸収性シートにおけるポリマーリッチ領域35となる。次いで、高吸収性ポリマー材37を散布した面の上から、親水性繊維及び熱溶融性接着繊維又は紙力補強剤を含む繊維集合体を積層して乾燥、一体化処理をして吸収性シートを得る。後から積層した繊維集合体の部分が繊維リッチ領域36となる。
また、吸収性シートを乾式で作製する場合は、高吸収性ポリマー材37を散布する層は、抄紙、乾燥した紙、種々の方法により作製された不織布であってもよい。高吸収性ポリマー材37を繊維間に入り込ませやすくするとう観点から、クレープ処理されたような嵩高な紙、エアースルー不織布などが好ましい。この場合、高吸収性ポリマー材37とポリマーリッチ領域35となる層の構成繊維との接合、ポリマーリッチ領域35となる層と繊維リッチ領域36となる層との接合には、ホットメルト型接着剤や水溶性接着剤などを用いてもよい。さらに、ポリマーリッチ領域35となる層に対し、親水性繊維を積層する又は吹き付けることで繊維リッチ領域36を形成してもよい。
まず、親水性繊維を含む水スラリーを湿式抄紙して抄造された、湿潤した繊維ウエブを作製する。水スラリーには熱溶融性接着繊維、紙力補強剤などを含ませてもよい。湿潤した状態にある繊維ウエブに対して、高吸収性ポリマー材37を散布し、高吸収性ポリマーが繊維間に入り込んだ状態を作り出す。この部分が、吸収性シートにおけるポリマーリッチ領域35となる。次いで、高吸収性ポリマー材37を散布した面の上から、親水性繊維及び熱溶融性接着繊維又は紙力補強剤を含む繊維集合体を積層して乾燥、一体化処理をして吸収性シートを得る。後から積層した繊維集合体の部分が繊維リッチ領域36となる。
また、吸収性シートを乾式で作製する場合は、高吸収性ポリマー材37を散布する層は、抄紙、乾燥した紙、種々の方法により作製された不織布であってもよい。高吸収性ポリマー材37を繊維間に入り込ませやすくするとう観点から、クレープ処理されたような嵩高な紙、エアースルー不織布などが好ましい。この場合、高吸収性ポリマー材37とポリマーリッチ領域35となる層の構成繊維との接合、ポリマーリッチ領域35となる層と繊維リッチ領域36となる層との接合には、ホットメルト型接着剤や水溶性接着剤などを用いてもよい。さらに、ポリマーリッチ領域35となる層に対し、親水性繊維を積層する又は吹き付けることで繊維リッチ領域36を形成してもよい。
冷感剤は、上記のとおり長持ちするため、過度に含有量を増量する必要がない。そのため従来と同様の含有量としながら、肌への刺激を抑え、適度な冷感効果を長く効果的に維持することができる。
具体的には、ナプキン10全体における冷感剤の含有量は、冷感をほどよく感じ、ムレやべたつく感覚を低減させる効果の観点から、例えば、メントール誘導体で痛くなく、臭くない剤として開発された乳酸メンチルの場合であれば、製品長に対して4mg/100mm以上が好ましく、5.0mg/100mm以上がより好ましく、6.5mg/100mm以上が更に好ましい。前記含有量は、肌への刺激を抑制する観点から、13.5mg/100mm以下が好ましく、12.5mg/100mm以下がより好ましく、11.5mg/100mm以下が更に好ましい。
具体的には、ナプキン10全体における冷感剤の含有量は、冷感をほどよく感じ、ムレやべたつく感覚を低減させる効果の観点から、例えば、メントール誘導体で痛くなく、臭くない剤として開発された乳酸メンチルの場合であれば、製品長に対して4mg/100mm以上が好ましく、5.0mg/100mm以上がより好ましく、6.5mg/100mm以上が更に好ましい。前記含有量は、肌への刺激を抑制する観点から、13.5mg/100mm以下が好ましく、12.5mg/100mm以下がより好ましく、11.5mg/100mm以下が更に好ましい。
(冷感剤の含有の有無、含有量の測定方法)
吸収性物品の対象部材又は対象部位から冷感剤を溶媒で抽出し、抽出溶液をガスクロマトグラフィ法(GC)で分析することができる。測定は、ガスクロマトグラフに取り付けた水素炎イオン化型検出器(FID)で行い、例えば、Agilent technologies製7890Aにより測定することができる。予め冷感剤を構成する化合物の濃度とピーク面積の関係を検量線化しておき、当該検量線を基に定量作業を行う。
冷感剤が乳酸メンチル及び/又はメントールを含む場合を例に説明する。溶媒としてメタノールを使用して対象部材又は対象部位から乳酸メンチル及び/又はメントールを抽出する。メタノールを溶媒として、予め濃度の異なる3~5段階程度の乳酸メンチル溶液及び/又はメントール溶液を準備し、GCのクロマトグラムからそれぞれの濃度のピーク面積を算出し、標準試料として、n-ペンチルアルコールを用い、標準試料の濃度に対してそのピーク面積をプロットした検量線を作成する。検量線を作成した分析と同じ条件で抽出液の分析を行うことで、得られたピーク面積を検量線にあてはめて乳酸メンチル量及び/又はメントール量を算出する。また、得られた乳酸メンチル量及び/又はメントール量を、予め採取した製品部位の面積で除することにより、単位面積当たりの冷感剤量(冷感剤坪量)を求めることができる。また、得られた乳酸メンチル量及び/又はメントール量を、吸収性物品の縦方向の長さ(mm)で除し、100倍することで、製品長さ100m当りの冷感剤量を求めることができる。
製品の各構成部材又は部位ごとの冷感剤量を知るには、5℃のチャンバー内で製品を分解し、測定する材料部位を取り出すことで分析可能となる。
吸収性物品の対象部材又は対象部位から冷感剤を溶媒で抽出し、抽出溶液をガスクロマトグラフィ法(GC)で分析することができる。測定は、ガスクロマトグラフに取り付けた水素炎イオン化型検出器(FID)で行い、例えば、Agilent technologies製7890Aにより測定することができる。予め冷感剤を構成する化合物の濃度とピーク面積の関係を検量線化しておき、当該検量線を基に定量作業を行う。
冷感剤が乳酸メンチル及び/又はメントールを含む場合を例に説明する。溶媒としてメタノールを使用して対象部材又は対象部位から乳酸メンチル及び/又はメントールを抽出する。メタノールを溶媒として、予め濃度の異なる3~5段階程度の乳酸メンチル溶液及び/又はメントール溶液を準備し、GCのクロマトグラムからそれぞれの濃度のピーク面積を算出し、標準試料として、n-ペンチルアルコールを用い、標準試料の濃度に対してそのピーク面積をプロットした検量線を作成する。検量線を作成した分析と同じ条件で抽出液の分析を行うことで、得られたピーク面積を検量線にあてはめて乳酸メンチル量及び/又はメントール量を算出する。また、得られた乳酸メンチル量及び/又はメントール量を、予め採取した製品部位の面積で除することにより、単位面積当たりの冷感剤量(冷感剤坪量)を求めることができる。また、得られた乳酸メンチル量及び/又はメントール量を、吸収性物品の縦方向の長さ(mm)で除し、100倍することで、製品長さ100m当りの冷感剤量を求めることができる。
製品の各構成部材又は部位ごとの冷感剤量を知るには、5℃のチャンバー内で製品を分解し、測定する材料部位を取り出すことで分析可能となる。
ポリマーリッチ領域35と繊維リッチ領域36との構成は、本実施形態の吸収性シートに限らず、吸収性物品として通常用いられる種々の態様のものに有していてもよい。例えば、親水性繊維と高吸収性ポリマー材37との混合積繊体を親水性の被覆シートで覆ったものであってもよい。この積繊体においては、パルプを積繊する際に、高吸収性ポリマー材37の散布量を調整することで、ポリマーリッチ領域35と繊維リッチ領域36とを形成することができる。
ただし、本実施形態のように吸収層3が吸収性シートの積層構造を有すると、薄型化が可能であり、冷感剤を含有する層を適宜設定することによって、冷感効果の持続性と吸収性(透過性)とを好適に制御することができ好ましい。また、これにより冷感付与を所望の位置で強化することができる。さらに吸収性シートの層間には冷感剤の揮発成分を溜めやすく、より良好な冷感付与を長く効果的に維持することができる。吸収性シートが積層された構造においては、着用者の動きに伴って吸収層3の層間が開閉し空気の出入りが生まれる。これによって溜まった冷感剤の揮発成分が着用者の肌面へと押し上げられ、効果的に冷感作用が発現し得るので好ましい。特に、時間が経って冷感剤の含有残存量が少なくなってきたときに効果的である。肌面への送り込みの観点からは、冷感剤はできるだけ吸収層3の肌面側にあることが好ましく、吸収性シートの積層構造は好適である。すなわち、冷感剤が吸収層3内に滲出する場合、同一層内での移動が生じやすく、厚み方向への冷感剤の滲出量を抑制し、できるだけ肌面側に近い位置に残留させることができる。
本実施形態の吸収層3の積層構造において、中央吸収性シート32の折り畳み構造は、図2に示す態様に限らず、種々のものとすることができる。例えば、図4(A)~(D)に示すような折り畳みであってもよい。図4(A)は、中央吸収性シート32の幅方向の両端部をそれぞれ肌面側と非肌面側とに折り返しS字状に折り畳んだ態様を示している。図4(B)は幅方向に二つ折りした態様を示している。図4(C)及び(D)は、幅方向に三つ折りした各部分の長さが等しくなるように折り畳んだ態様を示している。
本体吸収性シート31の折り畳み構造は、図2に示す態様に限らず、種々のものとすることができる。例えば、中央吸収性シート32の折り畳み構造として示した図4(A)~(D)と同様のものとしてもよい。また肌面側と非肌面側とに分かれた2枚のシートを積層した構造であってもよい。さらに、本体吸収性シート31の折り畳み構造の内部に中央吸収性シート32を内包する態様に限定されず、内包せずに、本体吸収性シート31の折り畳み構造の非肌面側に中央吸収性シート32を積層する態様であってもよい。
ただし、本体吸収性シート31の折り畳み構造の内部に中央吸収性シート32を内包する態様であると、冷感剤の揮発成分をより溜めやすくなり、後述する分断部8の作用の観点から好ましい。
ただし、本体吸収性シート31の折り畳み構造の内部に中央吸収性シート32を内包する態様であると、冷感剤の揮発成分をより溜めやすくなり、後述する分断部8の作用の観点から好ましい。
吸収層3がどのような積層構造を有していても、吸収性シートの重なり部分が接合されないことが好ましい。これにより、吸収層3の層間の空間が形成されやすく、前述の層間の開閉性が高まる。その結果、冷感剤の揮発成分の肌への移動をより発現させやすくすることができる。
本実施形態においては、前述した液拡散層4が、吸収層3の肌面側の最表面に積層され(図5(A))、繊維リッチ領域36に対応して積層されていることが好ましい(図5(B))。液拡散層4は、前述のとおり吸収層3よりも幅狭にされ、液透過性を有し、表面層1から透過される排泄液を平面方向に広げる作用をする。
これにより液拡散層4は、繊維リッチ領域36による冷感剤の揮発成分の過度な拡散に対する抑制作用をできるだけ広い範囲で発現させることができる。これにより、液拡散層4自体の介在も加わって、より広い範囲において、冷感剤の揮発成分の過度な拡散を抑制して、肌への良好な冷感付与をすることができる。さらに液拡散層4の介在が、表面層1下の層間における空気だまりを増やし、冷感剤を長持ちさせ、丁度よい冷感付与の実現に寄与する。
加えて、吸収層3の肌面側における排泄液の吸収面積が広がるため、単位面積当たりの吸収量を低めにすることができる。これによりポリマーリッチ領域35における高吸収性ポリマー材37による吸収効率が高まる。このようにして液拡散層4とポリマーリッチ領域35とが、繊維リッチ領域36における自由水を過剰にならないよう好適に抑えることができる。これにより、吸収層3から肌面側への排泄液の液戻りを効果的に抑えながら、繊維リッチ領域36の広い範囲において気化熱によって皮膚温度を下げることができ、着用者の不快感を抑えることができる。
また液吸収層4は、吸収層3よりも幅狭であることによって、吸収層3の幅方向外方へと排泄液が漏れることを抑えることができる。
これにより液拡散層4は、繊維リッチ領域36による冷感剤の揮発成分の過度な拡散に対する抑制作用をできるだけ広い範囲で発現させることができる。これにより、液拡散層4自体の介在も加わって、より広い範囲において、冷感剤の揮発成分の過度な拡散を抑制して、肌への良好な冷感付与をすることができる。さらに液拡散層4の介在が、表面層1下の層間における空気だまりを増やし、冷感剤を長持ちさせ、丁度よい冷感付与の実現に寄与する。
加えて、吸収層3の肌面側における排泄液の吸収面積が広がるため、単位面積当たりの吸収量を低めにすることができる。これによりポリマーリッチ領域35における高吸収性ポリマー材37による吸収効率が高まる。このようにして液拡散層4とポリマーリッチ領域35とが、繊維リッチ領域36における自由水を過剰にならないよう好適に抑えることができる。これにより、吸収層3から肌面側への排泄液の液戻りを効果的に抑えながら、繊維リッチ領域36の広い範囲において気化熱によって皮膚温度を下げることができ、着用者の不快感を抑えることができる。
また液吸収層4は、吸収層3よりも幅狭であることによって、吸収層3の幅方向外方へと排泄液が漏れることを抑えることができる。
液拡散層4の幅方向の長さW1の、吸収層3の幅方向の長さW2に対する割合は、排泄液を効果的に拡散させる観点から、60%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、70%以上が更に好ましい。また、前記割合は、排泄液の漏れを防止する観点から、90%以下が好ましく、85%以下がより好ましく、80%以下が更に好ましい。
液拡散層4は、冷感剤を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。冷感剤による冷感効果を長く効果的に維持する観点から、冷感剤の含有量が最も多い領域が吸収層3(特に吸収層3の肌面側)にあることが好ましい。
さらに、吸収層3は、幅方向に延びる凹凸面7を有することが好ましい。この凹凸面7は、図5(B)に示すように、少なくとも肌面側の最表面、すなわち、本体吸収性シート31の肌面側部分31Aの繊維リッチ領域36にあることが好ましい。さらに吸収性シートの積層構造における各層において有することがより好ましい。このような凹凸面7としては、例えば吸収性シートの外表面をクレープ加工した紙(クレープ紙)から構成し、該クレープ紙のシワ状の凹凸面などが挙げられる。
この凹凸面7によって、排泄液が縦方向に拡散しすぎることを防止することができる。幅方向の拡散は、液拡散層4が積層されている場合に、該液拡散層4を吸収層3よりも幅狭にすることで抑制することができる。また、吸収層3の肌面側の最表面、吸収層3内部の吸収性シートの積層構造における層間において、空気の通り道71ができ、自由水の蒸散、冷感剤の揮発成分の適度な拡散に寄与する。
この凹凸面7によって、排泄液が縦方向に拡散しすぎることを防止することができる。幅方向の拡散は、液拡散層4が積層されている場合に、該液拡散層4を吸収層3よりも幅狭にすることで抑制することができる。また、吸収層3の肌面側の最表面、吸収層3内部の吸収性シートの積層構造における層間において、空気の通り道71ができ、自由水の蒸散、冷感剤の揮発成分の適度な拡散に寄与する。
さらに吸収層3は、図6に示すように、肌面側から厚み方向に分断部8を有することが好ましい。分断部8は、吸収層3の肌面側から所定厚みにあることが好ましく、吸収層3の厚み全体に亘って存在する貫通分断部であることがより好ましい。上記の所定厚みとしては、少なくとも肌面側の最表面(本体吸収性シート31の肌面側部分31A)の厚みであることが好ましく、肌面側の最表面から複数層に亘る厚みであることがより好ましい。
分断部8とは、吸収層3の構成材料の連続性が断絶された部分であり、部材のない隙間部分である。例えば、細長く切り込まれたスリット部81であってもよく、部材の一部が切り欠かれた凹部空間であってもよい。
ここで言う「スリット部」は、部材断絶の幅が0.5mm以下の切り込み部分として定義でき、好ましくは0.3mm以下であり、より好ましくは0.2mm以下である。スリット部の「幅」とは、ナプキン10の平面視において、スリット部の延出する長さ方向に直交する方向の、断絶された部材間の距離(開口幅)をいう。スリット部の幅は、ナプキン10から吸収層3を取り出して水平な台に静置し、張力を加えない自然状態において、株式会社キーエンス製のデジタルマイクロスコープVHX-1000によって測定することができる。そのとき測定倍率は適宜調整して測定する。
ここで言う「スリット部」は、部材断絶の幅が0.5mm以下の切り込み部分として定義でき、好ましくは0.3mm以下であり、より好ましくは0.2mm以下である。スリット部の「幅」とは、ナプキン10の平面視において、スリット部の延出する長さ方向に直交する方向の、断絶された部材間の距離(開口幅)をいう。スリット部の幅は、ナプキン10から吸収層3を取り出して水平な台に静置し、張力を加えない自然状態において、株式会社キーエンス製のデジタルマイクロスコープVHX-1000によって測定することができる。そのとき測定倍率は適宜調整して測定する。
分断部8は、吸収層3の構成部材の非連続部分であることから、吸収層3の変形の軸となり得る。例えば、ナプキン10装着時に、着用者の身体の動きに合わせてナプキン10の幅方向内方への押圧や前後方向のせん断力等の外力が加わったときに、分断部8を基軸として、吸収層3が変形することができる。これにより分断部8が、吸収層3の変形の仕方によって、一方で空気を溜める空間(例えば図7(A)及び(B)の符号Pで示す領域)を形成し、他方で空気を移動(例えば図7(A)に示す矢印F)させる通気路を形成することができる。分断部8が通気路となる際には、吸収層3の変形の力が空気を押し出す駆動力として作用する。
これにより、前述した吸収層3の層間の開閉し空気の出入りに連動して、分断部8がなす通気路からより積極的に、溜まった冷感剤の揮発成分を肌面へと送り込むことができる。また、分断部8による通気路は、水分の気化熱による皮膚温度の低下にも効果的に寄与し得る。
これにより、前述した吸収層3の層間の開閉し空気の出入りに連動して、分断部8がなす通気路からより積極的に、溜まった冷感剤の揮発成分を肌面へと送り込むことができる。また、分断部8による通気路は、水分の気化熱による皮膚温度の低下にも効果的に寄与し得る。
なお、図7(A)及び(B)は分断部8を軸とした吸収層3の変形を模式的に示しており、実際の変形はこれに限定されるものではない。また、図7(A)に示す矢氏Fの空気の移動と図7(B)の符号Pで示す空気が溜まる領域の形成とが時間的に異なる場面にて生じるとは限らず、分断部8が配される領域内の異なる場所で同時に生じることもあり得る。さらに、符号Pで示す空気が溜まる領域は、分断部8付近のみで生じるものではなく、層間の空間にも生じ得る。層間の空間における空気溜まりは分断部8を軸とした変形の有無に拘らず生じ、該空気及び冷感剤の揮発成分が分断部8を軸とした変形によって肌面へと押し出されることとなる。
分断部8は、通気路としての作用を効果的に発現させる観点から、吸収層3の少なくとも中間部Cに複数、分散配置されていることが好ましい。
分断部8がスリット部81である場合、該スリット部81はこの種の物品に用いられる方法によって形成することができる。例えば、ロール周面に、周方向に延びる切断刃が、ロール周方向及びロール軸方向に分散配置されたカッターロールと、対応配置されるアンビルロールとを備えた切断装置を用いて切り込みを形成することができる(図示せず)。前記切断刃は、切り込み(スリット部)の縦方向の長さに対応する周方向の長さを有する。この切断刃は、ロール周面において、切り込み(スリット部)の所望の配置に対応して分散配置される。また、切り込みの深さは、カッターロールとアンビルロールとのクリアランスや切断刃の大きさ等によって設定することができる。
ナプキン10を構成する部材の形成材料は、この種の物品に用いられるものを特に制限なく用いることができる。
冷感剤としては、着用者の皮膚及び/又は粘膜表面の温度受容器を刺激して、皮膚及び/又は粘膜表面上の温度を変化させることなしに、着用者に爽快感を伝えることのできる種々の剤を用いることができる。例えば、シクロヘキシル誘導体、シクロヘキサノール誘導体、カルボキサミド類など、特開2015-12918号公報の段落[0006]~[0086]に記載のものが挙げられる。その中でも、匂いによる爽快感と速攻性、持続性の観点から、水不溶性又は水難溶性のものが好ましい。水不溶性又は水難溶性の冷感剤は体液とともに非肌面側へ移行しにくいことから、冷感は持続しやすい。水不溶性又は水難溶性のものとしては、乳酸メンチル、メントールが好ましい。ここで言う「水不溶性又は水難溶性」とは、25℃の水1Lに対して1g以下の溶解性であることを言い、特に「水不溶性」は、25℃の水1Lに対して0.1g以下の溶解性であることを言う。
冷感剤は、種々の方法によってナプキン10に含ませることができる。例えば、溶媒に溶解させた状態でナプキン10に含ませてもよく、溶媒を用いずに含ませてもよい。また冷感剤はマイクロカプセルに包むなどデリバリー手段を伴ってナプキン10に含ませてもよい。前記溶媒としては、通常用いられる種々のものを採用できる。例えば、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。
冷感剤は、種々の方法によってナプキン10に含ませることができる。例えば、溶媒に溶解させた状態でナプキン10に含ませてもよく、溶媒を用いずに含ませてもよい。また冷感剤はマイクロカプセルに包むなどデリバリー手段を伴ってナプキン10に含ませてもよい。前記溶媒としては、通常用いられる種々のものを採用できる。例えば、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。
冷感剤としては、特に、メントール及び乳酸メンチルを含むことが、冷感効果を着用後素早く感じられると共に穏やかなものとし、持続性を高めることから好ましい。同様の観点から、メントールと乳酸メンチルの含有量は、前者/後者の質量比で、0.01以上が好ましく、更に0.02以上が好ましく、また、0.2以下が好ましく、更に0.15以下が好ましい。
吸収層3を構成する親水性繊維としては、疎水性の繊維を親水化処理したもの、それ自体が親水性であるものが挙げられる。特に、それ自体が親水性でかつ保水性を有するものが好ましい。後者の親水性繊維としては、天然系の繊維、セルロース系の再生繊維又は半合成繊維が好ましい例として挙げられる。親水性繊維としては、特にパルプ、レーヨンが好ましく、パルプが一層好ましい。更にセルロース繊維の分子内及び/又は分子間を架橋させた架橋セルロース繊維や木材パルプをマーセル化処理して得られるような嵩高性のセルロース繊維を用いてもよい。パルプとしては、針葉樹クラフトパルプ或いは広葉樹クラフトパルプのような木材パルプ、木綿パルプ或いはワラパルプ等の天然セルロース繊維等が挙げられるが、それらに限定されるものではない。これらのパルプは1種又は2種以上を用いることができる。
吸収層3を構成する高吸収性ポリマー材37としては、例えば、アクリル酸又はアクリル酸塩を主成分とし、場合によって架橋剤を添加してなる水溶性のエチレン性不飽和モノマーを重合させて得られるヒドロゲル材料が挙げられる。また、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン及びポリビニルピリジンの架橋物、デンプン-ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合物のケン化物、デンプン-ポリ(メタ)アクリル酸グラフト共重合物、デンプン-ポリ(メタ)アクリルエステルグラフト共重合物の加水分解物などが挙げられる。これらの高吸収性ポリマー材37は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。高吸収性ポリマー材37としては、自重の20倍以上、特に50倍以上の純水を吸収・保持できゲル化し得るものが好ましい。
高吸収性ポリマー材37の形状は、吸収層に用いられる種々ものを特に制限なく用いることができる。例えば、球状、粒状、繊維状、俵状、塊状などが挙げられる。
高吸収性ポリマー材37の形状は、吸収層に用いられる種々ものを特に制限なく用いることができる。例えば、球状、粒状、繊維状、俵状、塊状などが挙げられる。
表面層1は、液透過性を有する種々のシートを用いることができる。肌触りの良さを考慮すると、親水性の不織布が好ましく、サーマルボンド不織布がより好ましく、エアスルー不織布が特に好ましい。表面層1の不織布を構成する繊維は、親水化処理された熱可塑性樹脂繊維であり、かつ、該繊維が2次クリンプ又は3次クリンプのような立体捲縮がなされた繊維であることが好ましい。具体的には、表面層1の不織布を構成する繊維は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、及びこれらの複合繊維を作成し、所定の長さにカットしてステープルを形成する前の段階で、各種親水化剤を塗工することで親水化する。親水化剤としては、αオレフィンスルホン酸塩に代表される各種アルキルスルホン酸塩、アクリル酸塩、アクリル酸塩/アクリルアミド共重合体、エステルアミド、エステルアミドの塩、ポリエチレングリコール及びその誘導物、水溶性ポリエステル樹脂、各種シリコーン誘導物、各種糖類誘導物、及びこれらの混合物など、通常用いられる親水化剤による親水化処理を用いることができる。
裏面層2としては、防漏性を有する種々のものを用いることができる。例えば、非透湿性若しくは透湿性フィルム単独、又はフィルムと不織布とを貼り合わせたもの、撥水性の不織布(SMSやSMMS等)を用いることができる。コスト面やズレ止め粘着剤とのマッチングなどから、非透湿性フィルム単独を防漏材として用いることが最も好ましい。この場合の透湿性フィルム材としては、熱可塑性樹脂と、これと相溶性のない無機フィラーを溶融混練して押し出したフィルムを所定の寸法に延伸して微細孔をあけたフィルム、または、本質的に水分の相溶性が高く、浸透膜のように水蒸気排出可能な無孔性のフィルムが挙げられる。
液拡散層4としては、親水性を有し液拡散性に優れているものが好ましい。熱可塑性繊維を含む不織布などが挙げられる。不織布としては、各種の製法によって得られた不織布を用いることができる。例えば、カード法又はエアレイド法により得た繊維ウエブにエアスルー法で繊維どうしの熱融着点を形成したエアスルー不織布、カード法により得た繊維ウエブにヒートロール法で繊維どうしの熱融着点を形成したヒートロール不織布、ヒートエンボス不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、レジンボンド不織布等の種々の不織布を用いることができる。
サイドシート5としては、撥水性の不織布が好ましく、カード法により製造された不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、ヒートロール不織布、ニードルパンチ不織布等の中から撥水性の物、または撥水処理した種々の不織布を用いることができる。特に好ましくは、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド-メルトブローン(SM)不織布、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS)不織布等が用いられる。
本考案の吸収性物品は、上記の実施形態の生理用ナプキンに制限されるものではなく、例えばパンティライナー、失禁パッド、尿とりパッド、使い捨ておむつ等に適応することができる。また、経血に限らずその他、尿、オリモノ、軟便等に対しても効果的である。また、上記構成部材の他、用途や機能に合わせ適宜部材を組み込んでもよい。
また、本考案の吸収性物品は、生理用ナプキンやパンティライナーなど1製品毎にカバンなどに入れて持ち運びされる物である場合、個包装されていることが好ましい。具体的には、表面層が内側になるよう縦方向に折り畳まれて、個包装用の外方材によって包まれた吸収性物品個包装体とされていることが好ましい。個包装体とすることで、肌に触れる表面層(使用面)の衛生を守りつつ、携帯性の高い物品することこができ、使用者の利便性を高めることができる。
上述した実施形態に関し、本考案はさらに以下の吸収性物品を開示する。
<1>
表面層、裏面層、及び前記表面層と前記裏面層との間に配された、高吸収性ポリマー材を含む吸収層を備え、着用者の腹側部、股下部及び背側部を繋ぐ方向に対応する縦方向と、該縦方向と直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、前記吸収層は、断面視において、高吸収性ポリマー材の質量と親水性繊維の質量との合計質量に対する高吸収性ポリマー材の質量比率が相対的に高いポリマーリッチ領域と、前記質量比率が前記ポリマーリッチ領域に対し相対的に低い繊維リッチ領域とを含み、冷感剤が前記ポリマーリッチ領域に含まれており、前記吸収層の肌面側の最表面が前記繊維リッチ領域を有している、吸収性物品。
表面層、裏面層、及び前記表面層と前記裏面層との間に配された、高吸収性ポリマー材を含む吸収層を備え、着用者の腹側部、股下部及び背側部を繋ぐ方向に対応する縦方向と、該縦方向と直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、前記吸収層は、断面視において、高吸収性ポリマー材の質量と親水性繊維の質量との合計質量に対する高吸収性ポリマー材の質量比率が相対的に高いポリマーリッチ領域と、前記質量比率が前記ポリマーリッチ領域に対し相対的に低い繊維リッチ領域とを含み、冷感剤が前記ポリマーリッチ領域に含まれており、前記吸収層の肌面側の最表面が前記繊維リッチ領域を有している、吸収性物品。
<2>
前記吸収層の肌面側の最表面には、前記繊維リッチ領域に対応して、前記吸収層より幅狭の液拡散性の液拡散層が積層されている前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記液拡散層の幅方向の長さの、前記吸収層の幅方向の長さに対する割合は、60%以上、90%以下、好ましくは65%以上、80%以下である、前記<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記吸収層は、幅方向に延びる凹凸面を有する前記<1>~<3>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<5>
前記吸収層は、肌面側から厚み方向に分断部を有する前記<1>~<4>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<6>
前記分断部は前記吸収層を貫通している前記<5>に記載の吸収性物品。
<7>
前記分断部は幅0.5mm以下のスリットである、前記<5>又は<6>に記載の吸収性物品。
<8>
前記吸収性物品は、縦方向に前方部、中間部、後方部を備えており、前記分断部が少なくとも該中間部に配されている、前記<5>~<7>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<9>
前記吸収層は吸収性シートからなる、<1>~<8>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<10>
前記吸収性シートはクレープ加工した紙から構成されている、前記<9>に記載の吸収性物品。
<11>
前記吸収層は、前記吸収性シートが積層された構造を有する前記<9>又は<10>に記載の吸収性物品。
<12>
前記吸収性物品は、前記縦方向に沿って、前方部、後方部、及び該前方部と後方部の間に位置し、排泄ポイントに対応する領域を含む中間部を備えており、前記吸収性シートは、中間部から前方部及び後方部に及ぶ長さを有する本体吸収性シートと、該本体吸収性シートの最も肌面側に位置する部分の非肌面側に配された中央吸収性シートとを有し、両吸収性シートがそれぞれ折り畳まれた積層構造を有する、前記<11>に記載の吸収性物品。
<13>
前記中央吸収性シートは前記本体吸収性シートよりも縦方向の長さが短く、かつ幅が狭い前記<12>に記載の吸収性物品。
<14>
前記本体吸収性シートは、前記裏面層側で幅方向の両端部を重ね合わせて三つ折りされた折り畳み構造を有する前記<13>に記載の吸収性物品。
<15>
前記中央吸収性シートは前記本体吸収性シートの折り畳み構造の内部に収められている前記<14>に記載の吸収性物品。
<16>
少なくとも肌面側部分に位置する前記本体吸収性シートにおいて、繊維リッチ領域とポリマーリッチ領域が、肌面側からこの順で存在している前記<12>~<15>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<17>
本体吸収性シート及び中央吸収性シートの全てにおいて、繊維リッチ領域とポリマーリッチ領域を有している前記<12>~<16>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<18>
前記冷感剤はメントールとメントール誘導体を含む前記<1>~<17>のいずれか1に記載の吸収性物品
<19>
前記メントール誘導体は乳酸メンチルである、前記<18>に記載の吸収性物品。
<20>
前記乳酸メンチルの含有量は、製品長に対して4mg/100mm以上、13.5mg/100mm以下、好ましくは、5mg/100mm以上、12.5mg/100mm以下、更に好ましくは、6.5mg/100mm以上、11.5mg/100mm以下である、前記<19>に記載の吸収性物品。
<21>
前記吸収性物品は、縦方向に前方部、中間部、後方部を備えており、前記冷感剤を含むポリマーリッチ領域は、少なくとも中間部に存在する前記<1>~<20>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<22>
前記吸収性物品は生理用ナプキンである、前記<1>~<21>のいずれか1に記載の吸収性物品。
前記吸収層の肌面側の最表面には、前記繊維リッチ領域に対応して、前記吸収層より幅狭の液拡散性の液拡散層が積層されている前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記液拡散層の幅方向の長さの、前記吸収層の幅方向の長さに対する割合は、60%以上、90%以下、好ましくは65%以上、80%以下である、前記<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記吸収層は、幅方向に延びる凹凸面を有する前記<1>~<3>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<5>
前記吸収層は、肌面側から厚み方向に分断部を有する前記<1>~<4>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<6>
前記分断部は前記吸収層を貫通している前記<5>に記載の吸収性物品。
<7>
前記分断部は幅0.5mm以下のスリットである、前記<5>又は<6>に記載の吸収性物品。
<8>
前記吸収性物品は、縦方向に前方部、中間部、後方部を備えており、前記分断部が少なくとも該中間部に配されている、前記<5>~<7>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<9>
前記吸収層は吸収性シートからなる、<1>~<8>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<10>
前記吸収性シートはクレープ加工した紙から構成されている、前記<9>に記載の吸収性物品。
<11>
前記吸収層は、前記吸収性シートが積層された構造を有する前記<9>又は<10>に記載の吸収性物品。
<12>
前記吸収性物品は、前記縦方向に沿って、前方部、後方部、及び該前方部と後方部の間に位置し、排泄ポイントに対応する領域を含む中間部を備えており、前記吸収性シートは、中間部から前方部及び後方部に及ぶ長さを有する本体吸収性シートと、該本体吸収性シートの最も肌面側に位置する部分の非肌面側に配された中央吸収性シートとを有し、両吸収性シートがそれぞれ折り畳まれた積層構造を有する、前記<11>に記載の吸収性物品。
<13>
前記中央吸収性シートは前記本体吸収性シートよりも縦方向の長さが短く、かつ幅が狭い前記<12>に記載の吸収性物品。
<14>
前記本体吸収性シートは、前記裏面層側で幅方向の両端部を重ね合わせて三つ折りされた折り畳み構造を有する前記<13>に記載の吸収性物品。
<15>
前記中央吸収性シートは前記本体吸収性シートの折り畳み構造の内部に収められている前記<14>に記載の吸収性物品。
<16>
少なくとも肌面側部分に位置する前記本体吸収性シートにおいて、繊維リッチ領域とポリマーリッチ領域が、肌面側からこの順で存在している前記<12>~<15>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<17>
本体吸収性シート及び中央吸収性シートの全てにおいて、繊維リッチ領域とポリマーリッチ領域を有している前記<12>~<16>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<18>
前記冷感剤はメントールとメントール誘導体を含む前記<1>~<17>のいずれか1に記載の吸収性物品
<19>
前記メントール誘導体は乳酸メンチルである、前記<18>に記載の吸収性物品。
<20>
前記乳酸メンチルの含有量は、製品長に対して4mg/100mm以上、13.5mg/100mm以下、好ましくは、5mg/100mm以上、12.5mg/100mm以下、更に好ましくは、6.5mg/100mm以上、11.5mg/100mm以下である、前記<19>に記載の吸収性物品。
<21>
前記吸収性物品は、縦方向に前方部、中間部、後方部を備えており、前記冷感剤を含むポリマーリッチ領域は、少なくとも中間部に存在する前記<1>~<20>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<22>
前記吸収性物品は生理用ナプキンである、前記<1>~<21>のいずれか1に記載の吸収性物品。
1 表面層
2 裏面層
3 吸収層
4 液拡散層
5 サイドシート
6 ウイング部
8 分断部
10 生理用ナプキン
2 裏面層
3 吸収層
4 液拡散層
5 サイドシート
6 ウイング部
8 分断部
10 生理用ナプキン
Claims (5)
- 表面層、裏面層、及び前記表面層と前記裏面層との間に配された、高吸収性ポリマー材を含む吸収層を備え、着用者の腹側部、股下部及び背側部を繋ぐ方向に対応する縦方向と、該縦方向と直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、
前記吸収層は、断面視において、高吸収性ポリマー材の質量と親水性繊維の質量との合計質量に対する高吸収性ポリマー材の質量比率が相対的に高いポリマーリッチ領域と、前記質量比率が前記ポリマーリッチ領域に対し相対的に低い繊維リッチ領域とを含み、
冷感剤が前記ポリマーリッチ領域に含まれており、
前記吸収層の肌面側の最表面が前記繊維リッチ領域を有している、吸収性物品。 - 前記吸収層の肌面側の最表面には、前記繊維リッチ領域に対応して、前記吸収層より幅狭の液拡散性の液拡散層が積層されている請求項1記載の吸収性物品。
- 前記吸収層は、幅方向に延びる凹凸面を有する請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 前記吸収層は、肌面側から厚み方向に分断部を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収層は、吸収性シートが積層された構造を有する請求項1~4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021004824U JP3236362U (ja) | 2021-12-16 | 2021-12-16 | 吸収性物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021004824U JP3236362U (ja) | 2021-12-16 | 2021-12-16 | 吸収性物品 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017215613A Continuation JP2019084138A (ja) | 2017-11-08 | 2017-11-08 | 吸収性物品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3236362U true JP3236362U (ja) | 2022-02-14 |
Family
ID=80340250
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021004824U Active JP3236362U (ja) | 2021-12-16 | 2021-12-16 | 吸収性物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3236362U (ja) |
-
2021
- 2021-12-16 JP JP2021004824U patent/JP3236362U/ja active Active
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101693953B1 (ko) | 탈색 구조를 갖는 흡수성 용품 | |
TWI225784B (en) | Absorbent article | |
TWM481709U (zh) | 吸收性物品 | |
TWI823861B (zh) | 吸收性物品 | |
TW201235020A (en) | Absorbent article | |
WO2020179881A1 (ja) | 吸収性物品 | |
JP5346537B2 (ja) | 吸収性物品 | |
TWI781245B (zh) | 吸收性物品及吸收性物品之製造方法 | |
JP7233811B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP2019084141A (ja) | 吸収性物品 | |
JP3236362U (ja) | 吸収性物品 | |
WO2020075439A1 (ja) | 吸収性物品 | |
JP3236316U (ja) | 吸収性物品 | |
JP3236182U (ja) | 吸収性物品 | |
TWI761567B (zh) | 吸收性物品 | |
JP3238739U (ja) | 吸収性物品 | |
CN110022808B (zh) | 吸收性物品 | |
JP2019084138A (ja) | 吸収性物品 | |
JP2021029928A (ja) | 吸収性物品 | |
JP2019084140A (ja) | 吸収性物品 | |
JP2021016542A (ja) | 吸収性物品 | |
JP2022097202A (ja) | 吸収性物品 | |
JP3239621U (ja) | 吸収性物品 | |
JP7171986B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP2020058634A (ja) | 吸収性物品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 3236362 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |