JP2021078450A - 甘味増強剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】甘味を増強する甘味増強剤の提供。【解決手段】構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロールを有効成分とする甘味増強剤。【選択図】なし

Description

本発明は、甘味を増強する甘味増強剤に関する。
近年、糖類の健康への影響に関する研究が盛んに行われ、減糖を特徴とした食品が増加している。減糖の食品は、糖類に代えて非糖質系の高甘味度甘味料を使用することが一般的であるが、特許文献1及び2のように、甘味を増強させることができる甘味増強物質を使用する技術についても提案されている。
一方、α−リノレン酸(C18:3)は、ω3系高度不飽和脂肪酸の一つであり、抗動脈硬化作用、抗血圧作用、抗アレルギー作用等があることが報告されている(非特許文献1〜3)。また、構成脂肪酸としてα−リノレン酸を多く含むジアシルグリセロール含有油脂に、内臓脂肪低減作用、血中の中性脂肪低減作用、体脂肪燃焼作用等があることが報告されている(特許文献3)。また、野菜ジュースに、脂肪酸基の大部分が不飽和脂肪酸であるグリセリンジエステルを添加すると、野菜ジュースの青臭さが低減し、おいしさや甘さが増強するとの報告もある(特許文献4)。
しかしながら、構成脂肪酸としてα−リノレン酸を多く含むジアシルグリセロールが甘味へ与える影響については知られていない。
特開2009−284859号公報 国際公開第2014/077019号 特開2002−138297号公報 特開平7−51034号公報
Djousse et al.,Circulation.2005、111(22)、p.2921−2926 Djousse et al.,Hypertension.2005、45(3)、p.368−373 Kunisawa et al.,Sci Rep.2015、5、9750
本発明は、甘味を増強する甘味増強剤を提供することに関する。
本発明者は、上記課題を解決するため、油脂のグリセリド組成と脂肪酸種に着目して鋭意研究を行ったところ、構成脂肪酸としてα−リノレン酸を多く含むジアシルグリセロールが甘味を増強することを見出した。
すなわち、本発明は、構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロールを有効成分とする甘味増強剤を提供するものである。
本発明の甘味増強剤は、経口摂取可能なものに用いることでその甘味を増強することができる。
本発明で用いられるジアシルグリセロールは、その構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸である。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸中のα−リノレン酸の含有量は、甘味の増強効果の点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、更に好ましくは52質量%以上であり、また、酸化安定性の点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
本発明において、ジアシルグリセロールを構成するα−リノレン酸以外の構成脂肪酸としては、特に限定されず、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。
ジアシルグリセロールの風味・工業的生産性の点からは、ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸中の不飽和脂肪酸の含有量は、好ましくは60質量%以上100質量%以下、より好ましくは70質量%以上100質量%以下、更に好ましくは75質量%以上99質量%以下、更に好ましくは80質量%以上98質量%以下である。
不飽和脂肪酸の炭素数は、生理効果の点から、好ましくは14〜24、より好ましくは16〜22である。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸中のリノール酸(C18:2)の含有量は、工業的生産性の点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また、生理効果の点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸中のオレイン酸(C18:1)の含有量は、工業的生産性の点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また、生理効果の点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸中の飽和脂肪酸の合計含有量は、外観、生理効果、工業的生産性の点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは18質量%以下、更に好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下であり、また、0.5質量%以上であるのが好ましい。
飽和脂肪酸の炭素数は、好ましくは14〜24、より好ましくは16〜22である。
本発明の甘味増強剤は、甘味の増強効果の点から、更にモノアシルグリセロールを有効成分として含有することが好ましい。
モノアシルグリセロールの構成脂肪酸は、特に限定されず、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよいが、ジアシルグリセロールと同じ構成脂肪酸であることが、甘味の増強効果の点で好ましい。すなわち、モノアシルグリセロールは、その構成脂肪酸の20〜95質量%、好ましくは40〜80質量%、より好ましくは45〜70質量%、更に好ましくは50〜70質量%、更に好ましくは52〜60質量%がα−リノレン酸であることが好ましい。
本発明において、構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロールとモノアシルグリセロールを組み合わせて用いる場合、当該ジアシルグリセロールのモノアシルグリセロールに対する質量比率[ジアシルグリセロール/モノアシルグリセロール]は、甘味の増強効果の点から、好ましくは10〜500、より好ましくは15〜300、更に好ましくは20〜200、更に好ましくは25〜180、更に好ましくは30〜150、更に好ましくは40〜120である。
本発明で用いられる構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロール、及びモノアシルグリセロールは、常法に従って、油脂由来の脂肪酸とグリセリンとのエステル化反応、油脂とグリセリンとのエステル交換反応(グリセロリシス)等により得ることができる。
本発明において、油脂は、食用油脂として使用できるものであれば特に制限はなく、例えば、大豆油、ナタネ油、サフラワー油、米油、コーン油、ヒマワリ油、綿実油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、ハトムギ油、小麦胚芽油、シソ油、アマニ油、エゴマ油、サチャインチ油、クルミ油、キウイ種子油、サルビア種子油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、椿油、茶実油、ボラージ油、パーム油、パームオレイン、パームステアリン、やし油、パーム核油、カカオ脂、サル脂、シア脂、藻油等の植物性油脂;魚油、アザラシ油、ラード、牛脂、バター脂等の動物性油脂;あるいはこれらのエステル交換油、水素添加油、分別油等の油脂類を挙げることができる。
これらの油は、それぞれ単独で用いてもよく、あるいは適宜混合して用いてもよい。なかでも、使用性の点から、植物性油脂を用いるのが好ましく、更に低温耐性に優れた液状油脂を用いるのが好ましく、更にシソ油、アマニ油及びエゴマ油からなる群より選ばれる1種又は2種以上の油脂を用いるのが、α−リノレン酸を豊富に含むため好ましい。なお、液状油脂とは、基準油脂分析試験法2.3.8−27による冷却試験を実施した場合、20℃で液状である油脂をいう。また、食用油脂は、精製工程を経た精製油脂であるのが好ましい。
本発明において、構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロール、及びモノアシルグリセロールは、当該ジアシルグリセロールやモノアシルグリセロールを含む油脂として使用することが、工業的生産性の点から好ましい。本発明において、油脂は、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール及びトリアシルグリセロールのいずれか1種以上を含むものである。
油脂中のジアシルグリセロールの含有量は、甘味の増強効果の点、風味の点、及び生理効果の点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、更に好ましくは25質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、また、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは95質量%以下、より好ましくは92質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である。
油脂中のモノアシルグリセロールの含有量は、甘味の増強効果の点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.6質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、風味の点、及び油脂の工業的生産性の点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下である。
油脂中のトリアシルグリセロールの含有量は、風味の点、及び生理効果の点から好ましくは98質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下であり、また、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。
また、油脂に含まれる遊離脂肪酸又はその塩の含有量は、風味、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜2質量%、更に好ましくは0〜1質量%、更に好ましくは0.05〜0.9質量%、更に好ましくは0.1〜0.8質量%である。
後記実施例に示すとおり、構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロールは、甘味を増強させる作用を有する。また、モノアシルグリセロールを組み合わせるとより高い効果が得られる。
従って、構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロール、及び構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロールとモノアシルグリセロールの組み合わせは、甘味を増強する甘味増強剤となり得、甘味の増強のために使用することができ、また、甘味増強剤を製造するために使用することができる。
本発明において、「甘味増強」は、甘味を強めることを意味する。甘味の有無、甘味の程度は専門パネルによる官能評価により評価することができる。甘味は、単糖(グルコース、フルクトース等)、二糖(ショ糖、麦芽糖、ラクトース等)、多糖(オリゴ糖、デンプン)、糖アルコール(マルチトール、還元麦芽糖水アメ、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール等)、アミノ酸(グリシン、アラニン等)、天然甘味料(甘草、ステビア)、合成甘味料(スクラロース、ステビア、アセスルファムカリウム等)等の甘味である。
本発明の甘味増強剤は、経口摂取可能なすべてのものに用いることができる。例としては、食品、医薬品、造影剤等が挙げられるが、食品に用いることが好ましい。「食品」は、経口的に摂取可能なすべての飲食物を意味する。
食品としては、特に制限されず、生鮮食品(野菜、果実、乳等)、加工食品(野菜加工品、果実加工品、穀類加工品、菓子類、乳製品、加工卵製品、油脂加工品、飲料、顆粒剤、シロップ剤、糖衣等)、食品添加物が挙げられ、果実加工品(ジャム、果実飲料等)、菓子類(ケーキ、プリン、チョコレート菓子等)、乳製品(生クリーム等)、油脂加工品(マーガリン、ホイップクリーム等)に用いることが甘味増強の点から好ましい。
食品の甘味を増強させるには、構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロール、又は構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロールとモノアシルグリセロールの組み合わせを、食品の製造、調理時や食品の経口摂取時に食品と接触させて、経口摂取させればよい。
本発明の甘味増強剤の形態としては、固形状、半固形状又は液状であり得、構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロール、又は構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロールとモノアシルグリセロールの組み合わせを、必要に応じて、他の食品又は医薬品に許容される添加物、例えば、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、酸味料、甘味料、苦味料、pH調整剤、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤、流動性改善剤、発泡剤、香科、調味料等や、構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロールとモノアシルグリセロール以外の有効成分と適宜組み合わせて、それぞれ一般的な製造方法により調製することができる。
なかでも、本発明の甘味増強剤は、油脂組成物の形態として用いられるのが好ましい。
本発明の甘味増強剤において、構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロールは、自由に配合できる。例えば、甘味増強剤中の当該ジアシルグリセロール濃度は、0.5〜98質量%、好ましくは1〜97質量%、より好ましくは2〜96質量%、更に好ましくは5〜95質量%、更に好ましくは10〜92質量%、更に好ましくは20〜90質量%、更に好ましくは30〜89質量%、更に好ましくは40〜88質量%の範囲である。
また、構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロールとモノアシルグリセロールを組み合わせて用いる場合、モノアシルグリセロールも同様に自由に配合できる。例えば、甘味増強剤中の当該モノアシルグリセロール濃度は、0.001〜9質量%、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.03〜3質量%、更に好ましくは0.05〜2質量%、更に好ましくは0.1〜1.8質量%、更に好ましくは0.2〜1.7質量%、更に好ましくは0.5〜1.5質量%の範囲である。
本発明の甘味増強剤の使用量は、当該甘味増強剤が用いられるもの(食品、医薬品等)の甘味を増強し得る量であればよく、その使用形態により適宜決定することができる。例えば、食品中又は医薬品中に0.01〜98質量%、好ましくは0.05〜95質量%、より好ましくは0.1〜90質量%、更に好ましくは0.2〜80質量%、更に好ましくは0.3〜60質量%、更に好ましくは0.5〜50質量%、更に好ましくは0.8〜40質量%、更に好ましくは1〜30質量%となる量で使用できる。
〔分析方法〕
(i)油脂のグリセリド組成
ガラス製サンプル瓶に、油脂サンプル約20mgとトリメチルシリル化剤(「シリル化剤TH」、関東化学製)0.5mLを加え、密栓し、70℃で15分間加熱した。これに水1.0mLとヘキサン1.5mLを加え、振とうした。静置後、上層をガスクロマトグラフィー(GLC)に供して分析した。
<GLC分析条件>
(条件)
装置:アジレント7890シリーズ(アジレントテクノジー社製)
カラム:DB−1ht 10m×0.25mm×0.2μm(Agilent J&W社製)
キャリアガス:1.0mL He/min
インジェクター:Split(1:50)、T=340℃
ディテクター:FID、T=350℃
オーブン温度:80℃から10℃/分で340℃まで昇温、15分間保持
(ii)油脂の構成脂肪酸組成
油脂サンプル約40mgにヘキサンを1mL加え、固相抽出カートリッジ(「InertSep Si」、ジーエルサイエンス製)にアプライした。
ヘキサン:酢酸エチル=95:5の混合溶液を40mL、ヘキサン:酢酸エチル=80:20の混合溶液を10mL順次通液した。続いて、ヘキサン:酢酸エチル=70:30の混合溶液を30mL通液し、DAG画分として回収した。続いて、ヘキサン:酢酸エチル=50:50の混合溶液を25mL通液し、MAG画分として回収した。
DAG画分、MAG画分については、溶媒を窒素で留去した後、日本油化学会編「基準油脂分析試験法」中の「脂肪酸メチルエステルの調製法(2.4.1.−1996)」に従って脂肪酸メチルエステルを調製し、得られた油脂サンプルを、American Oil Chemists. Society Official Method Ce 1f−96(GLC法)に準拠して測定した。
<GLC分析条件>
装置:アジレント7890シリーズ(アジレントテクノジー社製)
カラム:CP−SIL88 50m×0.25mm×0.2μm (Agilent J&W社製)
キャリアガス:1.0mL He/min
インジェクター:Split(1:50)、T=300℃
ディテクター:FID、T=300℃
オーブン温度:150℃5min保持→1℃/min昇温→160℃5min保持→2℃/min昇温→200℃10min保持→10℃/min昇温→220℃5min保持
〔試験油の調製〕
(i)比較例1
精製菜種油(日清オイリオ(株)製)を用いた。
(ii)比較例2
ジオレイン酸グリセロール(富士フイルムワコーケミカル(株)製(試薬))を用いた。
(iii)比較例3
半精製菜種油及び半精製大豆油を酵素により加水分解して得た脂肪酸をウィンタリングにより飽和脂肪酸含量を低減させた。次いで、市販の固定化1,3位選択リパーゼを触媒として、分別脂肪酸とグリセリンとを減圧下でエステル化反応を行った。固定化酵素を濾別した後、反応終了品を分子蒸留にかけ、精製して比較例3の油脂を得た。
(iv)比較例4
精製亜麻仁油(サミット製油(株)製)を用いた。
(v)実施例1
原料として精製亜麻仁油(サミット製油(株)製)を使用した以外は、比較例3と同様の方法にて実施例1の油脂を得た。
(vi)実施例2
原料として半精製亜麻仁油(ADM製)を使用した以外は、比較例3と同様の方法にて実施例2の油脂を得た。
(vii)実施例3
実施例2を精製亜麻仁油(サミット製油(株)製)と1:1の質量比で混合することで実施例3の油脂を得た。
試験油の分析値を表1に示す。
Figure 2021078450
〔試験例1 ホイップクリーム〕
コントロール:ガラスバイアル(SV−50,日電理化硝子株式会社、以下同じ)に上白糖を1.8g、ホイップクリーム(ホイップ低脂肪、雪印メグミルク製)を30g加え、ホモジナイザー(IKA T25−digital ULTRA TURRAX、以下同じ)にて10,000r/minで1分間攪拌したものをコントロールとした。
評価サンプル:ガラスバイアル(SV−50)に上白糖を1.8g、ホイップクリーム(ホイップ低脂肪)を27g、比較例1、実施例1又は実施例2の油脂を3g加え、ホモジナイザーにて10,000r/minで1分間攪拌したものを評価サンプルとした。
4名の専門パネル(A、B、C、D)が各サンプルの甘味を評価し、甘味が強い方から1位、2位、3位、4位の順に順位をつけた。
結果を表2に示す。
Figure 2021078450
表2より、実施例1及び実施例2はパネル全員がコントロール及び比較例1よりも甘いと回答し、明確に甘味を増強することが示された。また、パネル全員が実施例1よりも実施例2の方が甘いと回答した。比較例1はコントロールとほとんど順位が変わらなかった。
〔試験例2 ホイップクリーム〕
コントロール:ガラスバイアル(SV−50)に上白糖を1.8g、ホイップクリーム(ホイップ低脂肪、雪印メグミルク製)を30g加え、ホモジナイザーにて10,000r/minで1分間攪拌したものをコントロールとした。
評価サンプル:ガラスバイアル(SV−50)に上白糖を1.8g、ホイップクリーム(ホイップ低脂肪)を27g、実施例1又は実施例3の油脂を3g加え、ホモジナイザーにて10,000r/minで1分間攪拌したものを評価サンプルとした。
4名の専門パネル(A、B、C、D)が各サンプルの甘味を評価し、甘味が強い方から1位、2位、3位の順に順位をつけた。
結果を表3に示す。
Figure 2021078450
表3より、実施例1及び実施例3はパネル全員がコントロールよりも甘いと回答し、明確に甘味を増強することが示された。また、パネル4名中3名が実施例3よりも実施例1の方が甘いと回答した。
〔試験例3 ホイップクリーム〕
コントロール:ガラスバイアル(SV−50)に上白糖を1.8g、ホイップクリーム(ホイップ低脂肪)を30g加え、ホモジナイザーにて10,000r/minで1分間攪拌したものをコントロールとした。
評価サンプル:ガラスバイアル(SV−50)に上白糖を1.8g、ホイップクリーム(ホイップ低脂肪)を27g、比較例2又は実施例1の油脂を3g加え、ホモジナイザーにて10,000r/minで1分間攪拌したものを評価サンプルとした。
4名の専門パネル(A、B、C、D)が各サンプルの甘味を評価し、甘味が強い方から1位、2位、3位の順に順位をつけた。
結果を表4に示す。
Figure 2021078450
表4より、実施例1はパネル全員がコントロール及び比較例2よりも甘いと回答し、明確に甘味を増強することが示された。一方で比較例2はコントロールとほとんど順位が変わらなかった。
〔試験例4 ジャム〕
コントロール:ガラスバイアル(SV−50)にオレンジマーマレード(アヲハタ株式会社)を30g加え、ホモジナイザーにて10,000r/minで1分間攪拌したものをコントロールとした。
評価サンプル:ガラスバイアル(SV−50)にオレンジマーマレード(アヲハタ株式会社)を29g、比較例3又は実施例1の油脂を1g加え、ホモジナイザーにて10,000r/minで1分間攪拌したものを評価サンプルとした。
4名の専門パネル(A、B、C、D)が各サンプルの甘味を評価し、甘味が強い方から1位、2位、3位の順に順位をつけた。
結果を表5に示す。
Figure 2021078450
表5より、実施例1はパネル全員がコントロール及び比較例3よりも甘いと回答し、明確に甘味を増強することが示された。一方で比較例3はコントロールとほとんど順位が変わらなかった。
〔試験例5 ジャム〕
コントロール:ガラスバイアル(SV−50)にオレンジマーマレード(アヲハタ株式会社)を30g加え、ホモジナイザーにて10,000r/minで1分間攪拌したものをコントロールとした。
評価サンプル:ガラスバイアル(SV−50)にオレンジマーマレード(アヲハタ株式会社)を29g、比較例4又は実施例3の油脂を1g加え、ホモジナイザーにて10,000r/minで1分間攪拌したものを評価サンプルとした。
4名のパネル(A、B、C、D)が各サンプルの甘味を評価し、甘味が強い方から1位、2位、3位の順に順位をつけた。
結果を表6に示す。
Figure 2021078450
表6より、実施例3はパネル全員がコントロール及び比較例4よりも甘いと回答し、明確に甘味を増強することが示された。一方で比較例4はコントロールとほとんど順位が変わらなかった。
〔試験例6 チョコレート〕
コントロール:ガラスバイアル(SV−50)にカカオマス(大東カカオ株式会社)を22g、果糖ぶどう糖液糖(ハイフラクトース F−550、三和澱粉工業株式会社)を8g加え、80℃で溶解した。その後、ホモジナイザーにて10,000r/minで2分間攪拌したのち、冷蔵庫で3時間冷却したものをコントロールとした。
評価サンプル:ガラスバイアル(SV−50)にカカオマスを22g、果糖ぶどう糖液糖(ハイフラクトース F−550)を8g加え、80℃で溶解した。その後、比較例1又は実施例1の油脂を3g加え、ホモジナイザーにて10,000r/minで2分間攪拌したのち、冷蔵庫で3時間冷却したものを評価サンプルとした。
4名のパネル(A、B、C、D)が各サンプルの甘味を評価し、甘味が強い方から1位、2位、3位の順に順位をつけた。
結果を表7に示す。
Figure 2021078450
表7より、実施例1はパネル全員がコントロール及び比較例1よりも甘いと回答し、明確に甘味を増強することが示された。一方で比較例1はコントロールと順位が変わらなかった。
〔試験例7 野菜ジュース〕
コントロール:ガラスバイアル(SV−50)に野菜ジュース(野菜生活100オリジナル、カゴメ株式会社)を30g加え、ホモジナイザーにて10,000r/minで2分間攪拌したものをコントロールとした。
評価サンプル:ガラスバイアル(SV−50)に野菜ジュース(野菜生活100オリジナル)を29g、及び実施例1の油脂を1g加え、ホモジナイザーにて10,000r/minで2分間攪拌したものを評価サンプルとした。
4名のパネル(A、B、C、D)が各サンプルの甘味を評価し、甘味が強い方から1位、2位の順に順位をつけた。
結果を表8に示す。
Figure 2021078450
表8より、実施例1はパネル全員がコントロールよりも甘いと回答し、明確に甘味を増強することが示された。
〔試験例8 プリン〕
コントロール:市販プリンの素(プリンミクス、ハウス食品グループ)77gを75℃のお湯200mLに溶解した。ガラスバイアル(SV−50)に上記を20g及び水を10g加え、ホモジナイザーにて6,000r/minで1分間攪拌し、冷蔵庫にて1時間冷却したものをコントロールとした。
評価サンプル:市販プリンの素(プリンミクス)77gを75℃のお湯200mLに溶解した。ガラスバイアル(SV−50)に上記を20g、水を10g及び実施例2の油脂を1g加え、ホモジナイザーにて6,000r/minで1分間攪拌し、冷蔵庫にて1時間冷却したものを評価サンプルとした。
4名のパネル(A、B、C、D)が各サンプルの甘味を評価し、甘味が強い方から1位、2位の順に順位をつけた。
結果を表9に示す。
Figure 2021078450
表9より、実施例2はパネル全員がコントロールよりも甘いと回答し、明確に甘味を増強することが示された。
〔試験例9 ケーキ〕
コントロール:ガラスバイアル(SV−150,日電理化硝子株式会社、以下同じ)に市販チョコレートケーキの素(ガトー・オ・ショコラミックス、共立食品株式会社)を20g、溶き卵を15g、牛乳を8g及び菜種油を15g加え、混合した。上記をホモジナイザーにて8,000r/minで2分間攪拌した後、電子レンジにて500W、3分間加熱したものをコントロールとした。
評価サンプル:ガラスバイアル(SV−150)に市販チョコレートケーキの素(ガトー・オ・ショコラミックス)を20g、溶き卵を15g、牛乳を8g、菜種油を12.5g、及び実施例2の油脂を2.5g加え、混合した。上記をホモジナイザーにて8,000r/minで2分間攪拌した後、電子レンジにて500W、3分間加熱したものを評価サンプルとした。
4名のパネル(A、B、C、D)が各サンプルの甘味を評価し、甘味が強い方から1位、2位の順に順位をつけた。
結果を表10に示す。
Figure 2021078450
表10より、実施例2はパネル全員がコントロールよりも甘いと回答し、明確に甘味を増強することが示された。

Claims (6)

  1. 構成脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸であるジアシルグリセロールを有効成分とする甘味増強剤。
  2. 更にモノアシルグリセロールを有効成分として含有する請求項1記載の甘味増強剤。
  3. 前記モノアシルグリセロールを構成する脂肪酸の20〜95質量%がα−リノレン酸である請求項2記載の甘味増強剤。
  4. 前記ジアシルグリセロールのモノアシルグリセロールに対する質量比率[ジアシルグリセロール/モノアシルグリセロール]が10〜500である請求項2又は3記載の甘味増強剤。
  5. 甘味増強剤中の前記ジアシルグリセロール濃度が0.5〜98質量%である請求項1〜4のいずれか1項記載の甘味増強剤。
  6. 油脂組成物の形態である請求項1〜5のいずれか1項記載の甘味増強剤。
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WO2014077019A1 (ja) * 2012-11-14 2014-05-22 株式会社J-オイルミルズ 甘味及び/又は乳風味増強剤
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