JP2021077059A - 作業車両 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に開示の作業車両は、運転席と、運転席の側方に設けられたアームレストとを備えている。アームレストの上面には、多数の操作具(操作スイッチ)が配置されている。
本発明は、上記したような実情に鑑みて、アームレストの上面に配置された操作具を操作する際の操作具の操作性に優れている作業車両を提供するものである。
好ましくは、前記操作具配置部には、複数の操作具が前後方向に並んで配置されており、
好ましくは、前記凹み部は、前後方向において、前記複数の操作具が設けられた領域の全長にわたって設けられている。
好ましくは、前記凹み部は、前記運転席側と反対側の側面に設けられている。
好ましくは、前記凹み部は、前記運転席に着座した運転者が、前記操作具配置部に配置された操作具を操作するときに親指を除く4指を引っ掛けることが可能な大きさである。
好ましくは、前記肘置き部の前部には、前記操作具配置部に向けて下向きに傾斜する傾斜面が設けられている。
好ましくは、前記操作具配置部が設けられた上面は、前記アームレストの幅方向において、前記凹み部が設けられた側の領域の高さが、前記凹み部が設けられた側と反対側の領域の高さに比べて低い。
好ましくは、前記一方側上面には、走行に関する操作を行う走行系の操作具が配置され、前記他方側上面には、作業に関する操作を行う作業系の操作具が配置されている。
図17は作業車両1の平面図であり、図18は作業車両1の側面図である。作業車両1は、農作業を行うための車両であり、本実施形態の場合はトラクタである。以下、作業車両1がトラクタ1であるとして説明する。但し、作業車両1はトラクタには限定されない。
図17、図18に示すように、トラクタ1は、車体2と、走行装置3と、連結部4と、を備えている。
図18に示すように、車体2は、車体フレーム5と、クラッチハウジング6と、ミッションケース7とを有している。車体フレーム5は、車体2の前後方向に延びている。車体フレーム5には、原動機8が搭載されている。本実施形態の場合、原動機8はエンジン8である。エンジン8の上方は、ボンネット13により覆われている。クラッチハウジング6は、エンジン8の後部に連設されており、クラッチを収容している。ミッションケース7は、クラッチハウジング6の後部に連結されており、変速装置や後輪差動装置(後輪デフ装置)等を収容している。変速装置は、トラクタ1の走行速度を変更する装置であって、主変速装置と副変速装置とを含む。車体2の後方(ミッションケース7の後方)にはPTO軸(リヤPTO)9が突出している。また、図示していないが、車体2の前方にもPTO軸(フロントPTO)が突出している。リヤPTO及びフロントPTOは、PTOクラッチ(図示略)を接続又は遮断することによって回転又は停止する。
連結部4は、車体2の後部に設けられている。連結部4は、圃場(農地)等に対して作業を行う作業装置(対地作業機)をトラクタ1の後部に連結するための部分である。作業装置は、例えばPTO軸9から伝達される駆動力によって駆動する。具体的には、作業装置は、耕耘機、散布機、播種機等であるが、これらに限定はされない。
トラクタ1は、走行系や作業系の制御を行う制御装置(図示略)を備えている。制御装置は、演算部(CPU等)や記憶部(メモリ)等を備えており、記憶部に記憶されたプログラムに基づいて所定の制御を実行する。より具体的には、制御装置は、運転席10の周囲に設置された操作具(レバー、スイッチ、ダイヤル等)を操作したときの操作信号や、車体2に搭載された様々なセンサの検出信号等に基づいてトラクタ1の走行系や作業系の制御を行う。例えば、制御装置は、操作具からの操作信号に基づく変速装置の変速(増速又は変速)に関する操作や、操作具からの操作信号に基づく昇降装置4の昇降に関する制御や、アクセルペダルセンサからの検出信号に基づくエンジン8の回転数の制御等を実行する。
図1に示すように、運転席10の一側方側には、アームレスト15が設けられている。アームレスト15は、長手方向が前後方向を向き、短手方向が車体幅方向を向いて配置されている。以下、アームレスト15の短手方向をアームレスト15の幅方向という。アームレスト15の幅方向は、アームレスト15の長手方向と直交する方向であって、車体幅方向と同じ方向である。また、本実施形態の場合、一側方側は右側であり、一側方側と反対側の他側方側は左側である。従って、アームレスト15の一側方側は運転席10側と反対側であり、アームレスト15の他側方側は運転席10側である。
図6に示すように、上面16aは、上方に向けて凸状に緩やかに湾曲している。上面16aは、前方に向かうにつれて下方に移行するように傾斜している。下面16bは、前部16b1に比べて後部16b2が上方に凹んでいる。これにより、アームレスト15の下面16bが運転席10に着座した作業者の膝(右膝)と接触することが回避される。下面16bの後部16b2には、アームレスト15を運転席10の側部に取り付けるための取付具39が設けられている。
具体的には、凹み部15aが設けられる領域は、以下の5つの場合のいずれかである。
第1の場合は、前後方向において、凹み部15aの前端部が操作具配置部19が設けられた領域の前端部と後端部の間に位置し、且つ凹み部15aの後端部が操作具配置部19が設けられた領域の後端部よりも後方に位置する場合である。つまり、凹み部15aが、前後方向において、操作具配置部19が設けられた領域に対して後方にずれて重なっている場合である。図示された本実施形態は、この「第1の場合」に該当する。
第5の場合は、前後方向において、凹み部15aの前端部が操作具配置部19が設けられた領域の前端部と一致し、且つ凹み部15aの後端部が操作具配置部19が設けられた領域の後端部と一致する場合である。つまり、凹み部15aが設けられる領域が、前後方向において、操作具配置部19が設けられた領域と一致している場合である。
図2〜図8に示すように、揺動操作部17は、アームレスト15の前部に設けられている。揺動操作部17は、台座20と操作レバー21とを有している。
台座20は、操作レバー21の基部(下部)を支持する部分である。台座20は、アームレスト15の前部に隆起して設けられている。台座20は、本体16の上面16aから上方に隆起している。台座20は、肘置き部18の上面18aより高く隆起している。言い換えれば、台座20の上端部の高さ(上面16aからの高さ)は、肘置き部18の上面18aの高さよりも高い。台座20は、略四角錐台状に形成されており、上方に向かうにつれて細くなっている。台座20は、上面20a、前面20b、後面20c、左面20d、右面20eを有している。前面20bと後面20cとの間の距離、及び、左面20dと右面20eとの間の距離は、上方に向かうにつれて狭くなっている。図11に示すように、台座20の上面20aは、上方に向けて凸状の円弧状に湾曲している。
操作レバー21は、アームレスト15の上面(本体16の上面16a)から上方に突出して設けられている。図4、図5に示すように、操作レバー21は、揺動体22とグリップ23とを有している。
図4に示すように、操作レバー21の揺動軸である揺動体22は、アームレスト15の運転席10側の側面(左側面16c)よりも運転席10側と反対側の側面(右側面16d)に近い位置に配置されている。別の言い方をすれば、揺動体22は、アームレスト15の車体幅方向の中心に対して右側に偏位した位置にある。
操作レバー21は、操作を止めると操作位置(前方又は後方へ揺動させた位置)から非操作位置(揺動操作前の位置)に復帰する自己復帰型のレバーである。操作レバー21を前方又は後方に揺動させて操作位置とすると変速装置のON操作が行われて変速が実行される状態となり、操作レバー21から手を離すと操作レバー21は非操作位置に戻って変速装置のOFF操作が行われて変速が実行されない状態となる。
図5に示すように、グリップ23は、揺動体22の上部に設けられている。図7、図9、図11、図13に示すように、グリップ23は、握り部24、操作部25、延出部26を有している。握り部24は、運転席10に着座した作業者が片手(右手)で握る部分である。操作部25は、握り部24を握った作業者が親指を伸ばして操作を行うための部分である。延出部26は、握り部24を握った作業者が掌の小指側(小指球)等を載せるための部分であり、握り部24を握った掌が下方及び側方にずれ落ちないように支持する。握り部24と操作部25と延出部26とは、一体的に形成されている。
握り部24は、グリップ23の一側方側(右側)に設けられている。言い換えれば、握り部24は、グリップ23の運転席10側と反対側に設けられている。図7〜図13に示すように、握り部24は、表面24a、裏面24b、上面24c、下面24d、左側面24e、右側面24f、角縁面24gを有している。
側縁部24hは、第1側縁部24h1と第2側縁部24h2とを含む。第1側縁部24h1は、湾曲面24aの一側方側(右側)の縁部を構成している。第2側縁部24h2は、湾曲面24aの他側方側(左側)の縁部を構成している。上縁部24iは、湾曲面24aの上側の縁部を構成している。下縁部24jは、湾曲面24aの下側の縁部を構成している。角縁部24kは、側縁部(第1側縁部)24h1と上縁部24iとを繋いでおり、湾曲面24aの一側方側(右側)の上角の縁部を構成している。湾曲縁24rは、側縁部(第1側縁部)24h1と下縁部24jとを繋いでおり、湾曲面24aの一側方側(右側)の下角の縁部を構成している。
第1側縁部24h1は、上方から下方に向けて延びている。図9等に示すように、第1側縁部24h1は、上方から下方に向かう中途部で僅かに一側方(右方)に膨らむように凸状に湾曲している。また、第1側縁部24h1は、上方から下方に向かうにつれて他側方(左方)から一側方(右方)に移行している。図12等に示すように、第1側縁部24h1は、上方から下方に向かうにつれて前方から後方に移行している。
図9等に示すように、下縁部24jは、他側方(左方)から一側方(右方)に向けて延びている。下縁部24jは、他側方から一側方に向かう中途部で後方に膨らむように凸状に湾曲している。
図9等に示すように、湾曲縁24rは、下縁部24jの右端と第1側縁部24h1の下縁とを連絡している。湾曲縁24rは、右下方(右後方)に向けて凸状に膨らむ円弧状に形成されている。
操作部25は、グリップ23の他側方側(左側)に設けられている。言い換えれば、操作部25は、グリップ23の運転席10側に設けられている。
図7〜図12に示すように、操作部25は、表面25a、裏面25b、上面25c、下面25d、左側面25eを有している。以下、握り部24の表面24a等との区別を明確化するために、操作部25の表面25aを「第2表面25a」、裏面25bを「第2裏面25b」、上面25cを「第2上面25c」、下面25dを「第2下面25d」、左側面25eを「第2左側面25e」という場合がある。
第2裏面25bは、グリップ23の裏面の左部を構成している。図10、図12に示すように、第2裏面25bは、ごく緩やかに湾曲する概ね平坦な面である。第2裏面25bの上縁部は、第2上面25cと繋がっている。第2裏面25bの下縁部は、第2下面25dと繋がっている。第2裏面25bの左縁部は、第2左側面25eと繋がっている。第2裏面25bの右縁部は、握り部24の裏面24bと繋がっている。
図9等に示すように、延出部26は、後方部位26Aと側方部位26Bとを有している。
滑り止め部28は、ゴム等の滑り止め機能を有する素材から構成されている。滑り止め部28の表面の摩擦係数は、握り部24の表面(滑り止め部28が設けられていない部分の表面)の摩擦係数よりも大きい。滑り止め部28は、例えば、ゴム板等の滑り止め部材を握り部24の表面に貼付する、滑り止め部材を握り部24の表面に埋め込む等の方法により構成される。滑り止め部28が設けられることにより、握り部24を握って操作レバー21を操作するとき等に手が滑ることが防止される。これにより、操作レバー21の確実な操作が可能となると共に、握り部24を強く握る必要がないため手の疲れが生じにくい。
グリップ23には、複数の操作スイッチが設けられている。複数の操作スイッチは、握り部24と操作部25にそれぞれ設けられている。
図7、図9〜図11に示すように、操作部25には、複数の操作スイッチ30、31、32、34、35が設けられている。複数の操作スイッチ30、31、32、34、35は、操作部25の表面(第2表面)25aに設けられている。具体的には、操作スイッチ30、31、32は、操作部25の表面(第2表面)25aの上部に設けられている。操作スイッチ34、35は、第2表面25aの下部に設けられている。
具体的には、操作スイッチ30は、変速装置を操作するシャトルスイッチ(走行車両1の前後進の切り換えスイッチ)である。操作スイッチ30の上部(「F」の部分)を押すことにより前進に切り換えられ、操作スイッチ30の下部(「R」の部分)を押すことにより後進に切り換えられる。
操作スイッチ32は、自動変速のオート/マニュアルの切り換えスイッチである。操作スイッチ32を押すことにより、オート変速モードとマニュアル変速モードとが切り換わる。オート変速モードでは、予め作業者が設定した車速段の範囲内で電子制御により最適な車速段が自動で選択される。マニュアル変速モードでは、作業者が手動で車速段を切り換えることができる。
操作スイッチ33は、揺動体22の揺動の許否を切り換えるスイッチであり、具体的には、副変速牽制スイッチである。操作スイッチ33を押すことにより揺動体22の揺動が可能となる。操作スイッチ33を押しながら揺動体22を前方に揺動させると副変速段がシフトアップされ、後方に揺動させるとシフトダウンする。つまり、操作スイッチ33は、揺動体22の揺動による変速操作の許否を切り換えるスイッチである。
図8、図10に示すように、操作スイッチ36は、裏面24bから突出していない。そのため、握り部24を握って操作レバー21を操作する際に、意図せずに操作スイッチ36を押してしまうことを防止できる。また、握り部24を握って操作レバー21を操作する際の操作感が、操作スイッチ36により損なわれることが防止できる。
案内凹部37は、握り部24の裏面24bから凹んで形成されている。案内凹部37は、裏面24bから最も深く凹んだ最深部37aと、この最深部37aの周囲に形成された傾斜部37bとを有している。傾斜部37bは、最深部37aに近づくにつれて次第に深くなるように傾斜している。傾斜部37bは、右上部において隆起部24b1の外周縁に繋がっている。これにより、傾斜部37bに沿って指を移動させることで、指が隆起部24b1の外周縁に導かれ、隆起部24b1により操作スイッチ36に向けて案内される。
次に、肘置き部18について説明する。
肘置き部18は、運転席10に着座した作業者が肘を置く部分である。肘置き部18は、全部又は一部(少なくとも上面)がクッション性のある素材から構成されている。
図2〜図6に示すように、肘置き部18は、アームレスト15の後部に設けられている。肘置き部18は、アームレスト15の本体16に取り付けられており、本体16の上面16aの後部を覆っている。
図3、図6に示すように、肘置き部18は、右側面18cの下部がヒンジ38により本体16と接続されている。これにより、肘置き部18は、ヒンジ38を支点として上方に回動することができる。肘置き部18を上方に回動させることにより、肘置き部18を本体16の右上方に退避させることができる。これにより、図15に示すように、肘置き部18により覆われていた本体16の後部の上面16aを開放することができる。
第3操作具群40Aは、押圧により操作される複数の操作具を含む。具体的には、第3操作具群40Aは、第1後部操作具41、第2後部操作具42、第3後部操作具43、第4後部操作具44、第5後部操作具45、第6後部操作具46、第7後部操作具47、第8後部操作具48を含む。第1後部操作具41〜第8後部操作具48は、押圧により操作される押しボタンスイッチ(タクタイルスイッチ)である。
図2〜図6、図13に示すように、操作具配置部19には、複数の操作具が配置されている。以下、操作具配置部19に配置された複数の操作具を「前部操作具群60」と称する。図13において、前部操作具群60を符号60が付された仮想線で囲んで示している。前部操作具群60は、後部操作具群40の前方に配置されている。操作具配置部19に配置された前部操作具群60に含まれる操作具は、肘置き部18により覆われる後部操作具群40に含まれる操作具に比べて操作頻度が多い操作具である。
第1操作具群60Aは、操作具配置部19の第1配置部19Aの後部に配置されている。第2操作具群60Bは、操作具配置部19の第1配置部19Aの前部に配置されている。つまり、操作具配置部19の第1配置部19Aにおいて、第2操作具群60Bは第1操作具群60Aよりも前方に配置されている。第3操作具群60Cは、操作具配置部19の第2配置部19Bに配置されている。第3操作具群60Cは、アームレスト15の幅方向に並んでおり、前後方向において第2操作具群60Bの後方に配置されている。
図14に示すように、第1操作具群60Aは、第1前部操作具61、第2前部操作具62、第3前部操作具63、第4前部操作具64、第5前部操作具65、第6前部操作具66、第7前部操作具67、第8前部操作具68、第9前部操作具69、第10前部操作具70から構成される。
第1前部操作具61〜第6前部操作具66(一の操作具)は、平面視にて長手方向(長辺)と短手方向(短辺)を有する長方形状である。本実施形態の場合、長手方向が前後方向、短手方向が車体幅方向である。表示部81と突起82と押圧操作部80は、前方から後方に向けてこの順番に並んでいる。
突起82は、押圧操作部80と表示部81との間に設けられており、押圧操作部80と表示部81とを区画している。突起82は、押圧操作部80と表示部81との間において直線状に延びている。突起82は、シンボルマークMとランプとを区画している。つまり、突起82は、シンボルマークとランプとの間に設けられている。
第7前部操作具67及び第8前部操作具68(他の操作具)の突起82は、第1前部操作具61〜第6前部操作具66(一の操作具)の突起82とは異なる位置に設けられている。具体的には、第7前部操作具67及び第8前部操作具68(他の操作具)の突起82は、第1前部操作具61〜第6前部操作具66(一の操作具)の突起82に比べてシンボルマークMから離れた位置に設けられている。第7前部操作具67及び第8前部操作具68(他の操作具)の突起82は、第1前部操作具61〜第6前部操作具66(一の操作具)の突起82に比べて、操作具の長手方向(前後方向)の縁(前縁又は後縁)に近い位置にある。
第9前部操作具69及び第10前部操作具70は、作業に関する操作を縦軸回りの回転により行う回転操作具である。つまり、前部操作具群60は、作業に関する操作を縦軸回りの回転により行う回転操作具(第9前部操作具69、第10前部操作具70)を含む。回転操作具69,70は、操作具配置部19の右後部に配置されている。第9前部操作具69は、ドラフト比の調整ダイヤルである。第10前部操作具70は、昇降装置4を駆動して作業装置による作業深さ(耕耘機による耕耘深さ)を調整する耕深調整ダイヤルである。
図2、図3に示すように、一方側上面15Aと中間上面15Bと他方側上面15Cとは、それぞれ高さが異なっている。具体的には、中間上面15Bは、一方側上面15Aよりも高く且つ他方側上面15Cよりも低い。つまり、一方側上面15A、中間上面15B、他方側上面15Cは、一方側上面15Aが最も低く、中間上面15Bが次に低く、他方側上面15Cが最も高い階段状に形成されている。そのため、操作具配置部19が設けられた上面16aは、アームレスト15の幅方向において、凹み部15aが設けられた側の領域(一方側上面15A)の高さが、凹み部15aが設けられた側と反対側の領域(他方側上面15C)の高さに比べて低い。中間上面15Bの高さは、肘置き部18の傾斜面18fの下端部(前端部)の高さと略等しい高さである。
図14に示すように、第2操作具群60Bは、第11前部操作具71、第12前部操作具72、第13前部操作具73を含む。第11前部操作具71は、横軸(略車体幅方向に延びる水平軸)回りに回転操作される操作具である。第12前部操作具72及び第13前部操作具73は、横軸(略車体幅方向に延びる水平軸)回りに揺動操作される操作具である。つまり、第2操作具群60Bは、横軸回りの回転又は揺動により操作される複数の操作具を含む。
第12前部操作具72及び第13前部操作具73は、作業に関する操作を横軸回りの揺動により行う作業系操作具である。具体的には、第12前部操作具72及び第13前部操作具73は、PTOクラッチの接続又は遮断の操作を行うPTOクラッチコントロールスイッチである。第12前部操作具72は、リヤPTOクラッチコントロールスイッチである。第13前部操作具73は、フロントPTOクラッチコントロールスイッチである。
このように、走行系操作具(第11前部操作具71)と作業系操作具(第12前部操作具72、第13前部操作具73)との間に突起84が設けられることによって、走行系操作具と作業系操作具のいずれか一方の操作具を操作する際に、いずれか他方の操作具に誤って接触して誤操作が生じることを防止することができる。
図2、図3に示すように、第12前部操作具72の周囲には第1凹部76が設けられている。第13前部操作具73の周囲には第2凹部77が設けられている。第1凹部76及び第2凹部77は、本体16の上面16aに対して下方に凹んでいる。第12前部操作具72の下部は、第1凹部76内に位置している。第13前部操作具73の下部は、第2凹部77内に位置している。そのため、第12前部操作具72及び第13前部操作具73は、上面16aからの突出高さが低くなっている。これにより、操作レバー21を操作する人の手が第12前部操作具72及び第13前部操作具73に当たることを防止できる。
次に、第3操作具群60Cについて説明する。
図13、図14に示すように、第3操作具群60Cは、第1操作具群60Aと車体幅方向に並んで配置されている。第3操作具群60Cは、第14前部操作具74及び第15前部操作具75を含む。第14前部操作具74及び第15前部操作具75は、走行に関する操作を押圧により行う押圧操作具である。詳しくは、第14前部操作具74及び第15前部操作具75は、押圧によって変速装置(主変速装置)に増速又は減速を実行させる操作スイッチである。具体的には、第14前部操作具74は、押圧によって増速操作を行う増速スイッチである。第15前部操作具75は、押圧によって減速操作を行う減速スイッチである。これらの操作スイッチは、押しボタンスイッチである。
上述したように、操作レバー21は、前方又は後方への揺動によって変速装置(主変速装置)に増速又は減速を実行させるレバーである。そのため、第14前部操作具74及び第15前部操作具75からなる操作スイッチは、操作レバー21と同じ機能(主変速機能)を有している。従って、運転者は、変速装置(主変速装置)に増速又は減速を実行させる変速操作を、変速操作レバー21を操作することにより実行することもできるし、第14前部操作具74又は第15前部操作具75を操作することにより実行することもできる。つまり、主変速操作時において、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)とは選択的に使用される。
このように、第14前部操作具74及び第15前部操作具75がアームレスト15の側面に配置されていることにより、運転者が後方を振り返りながらトラクタ1を運転するときに、腕を前方に伸ばすことなく(操作レバー21を握ることなく)、増速又は減速の操作を行うことができ、操作性に優れている。例えば、運転者が後方を振り返ってトラクタ1の後部に連結した作業装置による作業状況を見ながら、増速又は減速を行う場合などにおいて、運転者の操作の快適性を向上させることができる。
アームレスト15の運転席10側の側面(本体16の左側面16c)のうち、第14前部操作具74及び第15前部操作具75が配置された部分の側面(「部分側面16g」という)は、一方側上面15Aと繋がっている。部分側面16gの上縁は、一方側上面15Aの左縁と繋がっている。部分側面16gの前縁は、一方側上面15Aの前縁と繋がっている。部分側面16gと一方側上面15Aとの境界部分は、緩やかに湾曲している。
図19のA部分に示すように、制御装置は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)のうち、一方が増速操作の操作位置(ON)となり且つ他方が減速操作の操作位置(ON)となったとき、一方が操作位置となった時と他方が操作位置となった時との時間差S1が所定時間未満(例えば、10ms未満)である場合には、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74、第15前部操作具75)の操作を共に無効とし(操作を受け付けず)、変速装置に変速(増速又は減速)を実行させない。
図1に示すように、平面視において、操作レバー21の揺動方向の延長線L1上に運転席10が位置している。また、平面視において、走行系操作具である第11前部操作具71(アクセルダイヤル)の回転方向の延長線L2上に運転席10が位置している。延長線L1、L2の向きから理解できるように、平面視において、操作レバー21の揺動方向及び第11前部操作具71の回転方向は、前後方向に対して少し傾斜した(ずれた)方向であり、後方に向かうにつれて運転席10側(左側)に移行する方向である。尚、操作レバー21の揺動方向の延長線L1は、平面視において、操作レバー21の揺動体22を通る線である。
延長線L4の向きから理解できるように、平面視において操作部25の表面(第2表面)25aの長手方向は、前後方向に対して少し傾斜した(ずれた)方向であり、後方に向かうにつれて運転席10側(左側)に移行する方向である
アームレスト15の長手方向(前後方向)に対する延長線L1、L2、L3、L4の方向の傾き(ずれ)の角度は鋭角(例えば、約10〜30°の範囲)である。
上記作業車両によれば、以下の効果を奏する。
作業車両1は、運転席10と、運転席10の側方に設けられたアームレスト15と、走行速度を変更する変速装置と、を備え、アームレスト15は、前方又は後方への揺動によって変速装置に増速又は減速を実行させる操作レバー21と、押圧によって変速装置に増速又は減速を実行させる操作スイッチ74,75と、を有している。
この構成によれば、運転者の姿勢等によって操作レバー21を操作しにくい場合であっても、押圧によって変速装置に増速又は減速を実行させる操作スイッチ74,75を操作することによって変速操作を良好に行うことができる。例えば、運転席10に着座した運転者が後方を振り返りながら変速操作を行う場合、操作レバー21の代わりに操作スイッチ74,75を押圧して変速操作を行うことができる。
この構成によれば、運転者がアームレスト15の上方に手を伸ばしにくい姿勢であっても、アームレスト15の側面に配置された操作スイッチ74,75を押圧して変速操作を行うことができる。
また、操作スイッチ74,75は、アームレスト15の運転席10側の側面16cに配置されている。
また、アームレスト15は運転席10に着座した運転者が肘を置く肘置き部18を備え、操作レバー21は肘置き部18の前方に配置され、操作スイッチ74,75は操作レバー21の後方且つ肘置き部18の前方に配置されている。
この構成によれば、運転席10に着座した運転者が後方を振り返りながら変速操作を行う場合、アームレスト15の肘置き部18に腕を置いた状態で、肘置き部18の前方にある操作スイッチ74,75を容易に押圧して変速操作を行うことができる。
この構成によれば、増速スイッチ74と減速スイッチ75とが肘置き部18からの距離が異なるように配置されるため、2つのスイッチを混同して操作することを防止することができる。
また、増速スイッチ74と減速スイッチ75は、前方に位置するスイッチが後方に位置するスイッチよりも上方に配置されている。
また、操作スイッチ74,75は、押しボタンスイッチである。
この構成によれば、操作スイッチ74,75の操作が簡単となるため、運転席10に着座した運転者が後方を振り返りながら変速操作を行う場合等でも、操作スイッチ74,75の操作を確実に行うことができる。
また、操作レバー21の揺動軸(揺動体22)は、アームレスト15の運転席10側の側面16cよりも運転席10側と反対側の側面16dに近い位置に配置されている。
また、作業車両1は、運転席10と、運転席10の側方に設けられたアームレスト15と、を備え、アームレスト15は、走行に関する操作を前方又は後方への揺動により行う操作レバー21と、走行に関する操作を横軸回りの回転により行う走行系操作具71と、を有し、平面視において操作レバー21の揺動方向及び走行系操作具71の回転方向の各延長線L1,L2上に運転席10が位置している。
この構成によれば、アームレスト15の長手方向を運転席10に沿って配置することで運転者の腕を置き易くしつつ、運転席10に着座した運転者にとっての走行に関する操作を行う操作具(操作レバー21、走行系操作具71)の操作性を向上させることができる。
この構成によれば、運転席10に着座した運転者が伸ばす腕の方向と複数の押圧操作具74,75の並び方向とが平行に近くなり、運転席10に着座した運転者にとって押圧操作具74,75の操作性に優れている。
この構成によれば、運転席10に着座した運転者が伸ばす腕の方向と取り付け面25aの長手方向とが平行に近くなり、運転席10に着座した運転者にとって取り付け面25aに設けられた押圧操作具30の操作性に優れている。
この構成によれば、走行系操作具71と作業系操作具72,73のいずれか一方の操作具を操作する際に、いずれか他方の操作具に誤って接触して誤操作が生じることを防止することができる。
この構成によれば、作業系操作具72,73と走行系操作具71とを同様の向きから操作することができるため操作性が良好となるとともに、突起84によって作業系操作具72,73と走行系操作具71とを明確に区別して操作することができる。
この構成によれば、例えば、走行に関する操作を横軸回りの回転により行う走行系操作具71を親指や人差し指を用いて操作し、作業に関する操作を横軸回りの揺動により行う作業系操作具72,73を親指以外の指を用いて操作すること等ができるため、操作性に優れている。
この構成によれば、突起84と台座20とが接続されることによって、突起84及び台座20の強度を向上させることができる。
この構成によれば、凹み部15aに指を当てて手の位置を固定した状態で、残りの指を伸ばしてアームレスト15の上面16aの操作具配置部19に配置された操作具を操作することができる。そのため、アームレスト15の上面16aに配置された操作具を操作する際の操作性に優れている。
この構成によれば、凹み部15aに指を当てて手の位置を固定した状態で、残りの指を伸ばして前後方向に並んだ複数の操作具を操作することができる。そのため、前後方向に並んだ複数の操作具を操作する際の操作性に優れている。
この構成によれば、凹み部15aに指を当てて手の位置を固定した状態で、残りの指を伸ばして側面16dの側から当該側面16dと反対側の側面16c側に向けて並んだ複数の操作具を操作することができる。そのため、アームレスト15の幅方向に並んだ複数の操作具を操作する際の操作性に優れている。
この構成によれば、凹み部15aに親指を除く指を当てて手の位置を固定した状態で、親指を伸ばしてアームレスト15の上面16aの操作具配置部19に配置された操作具を操作することができる。そのため、アームレスト15の上面16aに配置された操作具を操作する際の操作性に優れている。
この構成によれば、凹み部15aに親指を除く4指を引っ掛けて手の位置をしっかりと固定した状態で、親指を伸ばしてアームレスト15の上面16aの操作具配置部19に配置された操作具を操作することができる。
この構成によれば、運転者は肘置き部18に肘を置いた状態で凹み部15aに指を当てて手の位置を固定することが可能となり、安定した姿勢で手の位置を固定することができる。
この構成によれば、操作具配置部19に配置された操作具のうち、肘置き部18の前方の近い位置にある操作具を肘置き部18に妨げられずに操作することが可能となり、当該操作具の操作性を向上させることができる。
この構成によれば、凹み部15aに指を当てた状態で、凹み部15aが設けられた側に設けられた操作具を肘置き部18に妨げられずに操作することが可能となり、当該操作具の操作性を向上させることができる。
この構成によれば、凹み部15aに指(例えば、親指以外の4指)を当てた状態で、別の指(例えば、親指)を凹み部15aが設けられた側と反対側に向けて伸ばしたときに、別の指の根本側における上面の高さが先端側における上面の高さよりも低くなる。そのため、別の指を伸ばして操作する際の操作性が良好となる。
また、一方側上面15Aには、走行に関する操作を行う走行系の操作具61〜65が配置され、他方側上面15Cには、作業に関する操作を行う作業系の操作具69,70が配置されている。
また、操作レバー21の操作又は操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)の操作に基づいて変速装置の駆動を制御する制御装置を備え、制御装置は、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)のうち、一方が増速操作の操作位置となり且つ他方が減速操作の操作位置となったとき、一方が操作位置となった時と他方が操作位置となった時との時間差が所定時間未満である場合には、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)の操作を共に無効とし、前記時間差が所定時間以上である場合には、先に操作位置となった方の操作を有効として後に操作位置となった方の操作を無効とする。
この構成によれば、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)とが共に増速操作の操作位置となったときは、作業者が減速操作を実行しようとする意向が明確であるため、一方が操作位置となった時と他方が操作位置となった時との時間差に関わらず、作業者の意向を反映して変速装置に増速を実行させることができる。
この構成によれば、操作レバー21と操作スイッチ(第14前部操作具74又は第15前部操作具75)とが共に減速操作の操作位置となったときは、作業者が減速操作を実行しようとする意向が明確であるため、一方が操作位置となった時と他方が操作位置となった時との時間差に関わらず、作業者の意向を反映して変速装置に減速を実行させることができる。
10 運転席
15 アームレスト
15a 凹み部
15A 一方側上面
15C 他方側上面
15B 中間上面
16a 上面
16d 側面
18 肘置き部
18f 傾斜面
19 操作具配置部
61〜65 走行系の操作具
69,70 作業系の操作具
Claims (11)
- 運転席と、
前記運転席の側方に設けられたアームレストと、
を備え、
前記アームレストは、上面に設けられ且つ操作具が配置された操作具配置部と、側面に設けられた凹み部とを有し、
前記凹み部は、前後方向において、前記操作具配置部が設けられた領域と重なる領域に設けられている作業車両。 - 前記操作具配置部には、複数の操作具が前後方向に並んで配置されており、
前記凹み部は、前後方向において、前記複数の操作具が設けられた領域の全長にわたって設けられている請求項1に記載の作業車両。 - 前記操作具配置部には、前記凹み部が設けられた側面の側から当該側面と反対側の側面側に向けて、複数の操作具が並んで配置されている請求項1又は2に記載の作業車両。
- 前記凹み部は、前記運転席側と反対側の側面に設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業車両。
- 前記凹み部は、前記運転席に着座した運転者が、前記操作具配置部に配置された操作具を操作するときに親指を除く4指を引っ掛けることが可能な大きさである請求項3に記載の作業車両。
- 前記アームレストは、前記運転席に着座した運転者が肘を置くための肘置き部を有し、
前記操作具配置部は、前記肘置き部の前方に配置され、
前記凹み部は、前後方向において、前記肘置き部と前記操作具配置部とに跨る範囲に設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の作業車両。 - 前記肘置き部の前部には、前記操作具配置部に向けて下向きに傾斜する傾斜面が設けられている請求項6に記載の作業車両。
- 前記傾斜面は、前記アームレストの幅方向において、前記肘置き部の前記凹み部が設けられた側に設けられている請求項7に記載の作業車両。
- 前記操作具配置部が設けられた上面は、前記アームレストの幅方向において、前記凹み部が設けられた側の領域の高さが、前記凹み部が設けられた側と反対側の領域の高さに比べて低い請求項1〜8のいずれか1項に記載の作業車両。
- 前記操作具配置部が設けられた上面は、前記凹み部が設けられた側の領域である一方側上面と、前記凹み部が設けられた側と反対側の領域である他方側上面と、前記一方側上面と前記他方側上面との間に設けられた領域である中間上面とを有し、
前記中間上面は、前記一方側上面よりも高く且つ前記他方側上面よりも低い請求項9に記載の作業車両。 - 前記一方側上面には、走行に関する操作を行う走行系の操作具が配置され、
前記他方側上面には、作業に関する操作を行う作業系の操作具が配置されている請求項10に記載の作業車両。
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