JP2020001435A - 作業車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転席に着座した作業者が後向きで作業を行う場合における操作レバーの操作性に優れている作業車両を提供すること。【解決手段】作業車両は、運転席と、運転席の側方に設けられたサイドコンソールと、サイドコンソールに設けられ且つ運転席に接近する第1位置と運転席から離れる第2位置とに揺動可能な第1操作レバー121と、サイドコンソールの第1操作レバーの後方に設けられ且つ運転席に接近する第3位置と運転席から離れる第4位置とに揺動可能な第2操作レバー122と、を備え、第2位置にある第1操作レバーと第4位置にある第2操作レバーとの間の距離は、第1位置にある第1操作レバーと第2位置にある第2操作レバーとの間の距離に比べて大きい。【選択図】図27

Description

本発明は、例えばトラクタ等の作業車両に関する。
従来、特許文献1に開示された作業車両が知られている。
特許文献1に開示の作業車両は、運転席と、運転席の右側方に設けられた右側方ボードと、右側方ボードの上面に設けられた3連の操作レバー(外部油圧レバー)と、を備えている。
特開2014−166815号公報
しかしながら、上記作業車両では、3連の操作レバーは、揺動方向が互いに平行となるように配置されている。具体的には、3連の操作レバーの揺動方向は、いずれも前方に向かうにつれて運転席から離れる方向に移行する方向である。そのため、運転席に着座した作業者が後向きで作業(例えば、走行車両の後部に連結された作業装置の操作)を行う場合、操作レバーの操作性が悪いという問題があった。
本発明は、上記したような実情に鑑みて、運転席に着座した作業者が後向きで作業を行う場合における操作レバーの操作性に優れている作業車両を提供するものである。
本発明の一態様に係る作業車両は、運転席と、前記運転席の側方に設けられたサイドコンソールと、前記サイドコンソールに設けられ且つ前記運転席に接近する第1位置と前記運転席から離れる第2位置とに揺動可能な第1操作レバーと、前記サイドコンソールの前記第1操作レバーの後方に設けられ且つ前記運転席に接近する第3位置と前記運転席から離れる第4位置とに揺動可能な第2操作レバーと、を備え、前記第2位置にある第1操作レバーと前記第4位置にある第2操作レバーとの間の距離は、前記第1位置にある第1操作レバーと前記第2位置にある第2操作レバーとの間の距離に比べて大きい。
好ましくは、前記第1操作レバーが挿通され且つ前記第1操作レバーの揺動方向に延びる第1溝と、前記第2操作レバーが挿通され且つ前記第2操作レバーの揺動方向に延びる第2溝と、を備え、前記第1溝と前記第2溝は、前記運転席から離れるにつれて次第に離間するように配置されている。
好ましくは、前記第2操作レバーの少なくとも一部は、前後方向において前記運転席の後方に配置されている。
好ましくは、前記運転席を囲うキャビンを備え、前記キャビンは、前記運転席の側方に設けられた支柱を有し、前記支柱は、前記第1操作レバーと前記第2操作レバーとの間に配置されている。
好ましくは、前記サイドコンソールの前記第1操作レバーと前記第2操作レバーとの間に立設され且つ前記支柱の前記運転席側を覆う支柱カバーを備え、前記支柱と前記支柱カバーとの間の空間に、前記キャビンの内部の機器と外部の機器とを接続するハーネスが配置されている。
好ましくは、前記支柱カバーには、前記ハーネスを前記空間に通すための切欠部が形成されている。
上記作業車両によれば、第1操作レバーと第2操作レバーとの間の距離が、運転席から離れる位置にあるときには大きく、運転席に接近する位置にあるときには小さいため、運転席に着座した作業者が後向きで作業を行う場合に、作業者の正面に近い位置に操作レバー(第2操作レバー)を位置させることができる。そのため、運転席に着座した作業者が後向きで作業を行う場合における操作レバーの操作性に優れている。
運転席周囲のアームレスト等の配置を示す平面図である。 運転席及びアームレストの平面図である。 運転席の一部、アームレスト、移動機構、第2移動機構の正面図である。 アームレストの平面図である。 アームレストを運転席側(左側)から見た側面図である。 アームレストを運転席と反対側(右側)から見た側面図である。 アームレストの第1部分を左上方から見た斜視図である。 アームレストの第1部分を右上方から見た斜視図である。 アームレストの第2部分に設けられた操作スイッチ等を示す斜視図である。 運転席周囲のアームレスト、側部支柱、表示装置等の配置を示す正面図である。 運転席の一部、アームレスト、サイドコンソールの平面図である。 表示装置、支持部材等を左前方から見た斜視図である。 アームレストの移動機構、第2移動機構を運転席と反対側(右側)から見た側面図である。 アームレストの移動機構の分解斜視図である。 アームレストの移動機構の一部の分解斜視図である。 アームレストの移動機構を右下方から見た斜視図である。 操作レバー、回動体、爪部の動作を示す側面図である。 爪部と係止部との位置関係の変化を示す斜視図である。 アームレストの移動機構の動作(第1部材に対する第2部材の移動)を示す側面図である。 表示装置、支持部材、支柱カバー、サイドコンソール等を運転席側の前方から見た斜視図である。 表示装置、支持部材、支柱カバー等を運転席と反対側から見た斜視図である。 表示装置のスライド機構の説明図である。 図21のA−A断面図である。 メータパネル内に表示装置を設けた実施形態を示す図である。 アームレスト、サイドコンソールの平面図である。 サイドコンソールを左前方から見た斜視図である。 サイドコンソールを上板の内領域に対して垂直な上方から見た図である。 サイドコンソールの前部に設けられた蓋を外した状態を示す斜視図である。 乗降ステップの分解斜視図である。 昇降ステップ、尿素タンク、燃料タンク、第1支持フレーム、第2支持フレーム等を左前上方から見た図である。 昇降ステップ、尿素タンク、燃料タンク、第1支持フレーム、第2支持フレーム等を左前下方から見た図である。 乗降ステップの車体幅方向への移動を示す斜視図である。 乗降ステップの前後方向への移動を示す斜視図である。 クラッチハウジング、ミッションケースに対する第1支持フレーム、第2支持フレームの取り付け方法を示す図である。 メニュー画面M1の一例を示す図である。 閲覧設定画面M2の一例を示す図である。 モンロー設定画面M3の一例を示す図である。 旋回設定画面M4の一例を示す図である。 作業車両の平面図である。 作業車両の側面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図36は作業車両1の平面図であり、図37は作業車両1の側面図である。作業車両1は、農作業を行うための車両であり、本実施形態の場合はトラクタである。以下、作業車両1がトラクタ1であるとして説明する。但し、作業車両1はトラクタには限定されない。
以下の説明において、トラクタ1の運転席10に着座した運転者の前側(図36、図37の矢印A1方向)を前方、運転者の後側(図36、図37の矢印A2方向)を後方、運転者の左側(図36の矢印B1方向)を左方、運転者の右側(図36の矢印B2方向)を右方として説明する。また、図36、図37の矢印K1で示す方向を前後方向として説明する。また、前後方向に直交する水平方向(図37の矢印K2方向)を車体幅方向という。また、車体幅方向であって、トラクタ1の中央部から右部又は左部へ向かう方向を車体外方という。また、車体幅方向であって、トラクタ1の右部又は左部からトラクタ1の中央部へ向かう方向を車体内方という。
<作業車両の全体構成>
図36、図37に示すように、トラクタ1は、車体2と、走行装置3と、連結部4と、を備えている。
図37に示すように、車体2は、車体フレーム5と、クラッチハウジング6と、ミッションケース7とを有している。車体フレーム5は、車体2の前後方向に延びている。車体フレーム5には、原動機8が搭載されている。本実施形態の場合、原動機8はエンジン8である。エンジン8の上方は、ボンネット29により覆われている。クラッチハウジング6は、エンジン8の後部に連設されており、クラッチを収容している。ミッションケース7は、クラッチハウジング6の後部に連結されており、変速装置や後輪差動装置等を収容している。変速装置は、主変速装置と副変速装置とを含む。ミッションケース7の後方にはPTO軸9が突出している。
走行装置3は、車体2の前部に設けられた前輪3Fと、車体2の後部に設けられた後輪3Rとを有している。前輪3Fは、車体フレーム5に支持されている。後輪3Rは、後輪差動装置の出力軸に支持されている。後輪3Rは、タイヤであってもよいし、クローラであってもよい。
連結部4は、車体2の後部に設けられている。連結部4は、圃場(農地)等に対して作業を行う作業装置(対地作業機)をトラクタ1の後部に連結するための部分である。作業装置は、例えばPTO軸9から伝達される駆動力によって駆動する。具体的には、作業装置は、耕耘機、散布機、播種機等であるが、これらに限定はされない。
連結部4は、油圧シリンダ等のアクチュエータにより駆動して作業装置を上昇又は下降させる昇降装置である(以下、「昇降装置4」ともいう)。本実施形態の場合、昇降装置4は、3点リンク機構であって、リフトアーム4a、ロアーリンク4b、トップリンク4c、リフトロッド4d、リフトシリンダ4eを有している。また、車体2の後部には、作業装置を水平に維持するための水平制御装置(モンロー)が設けられている。
車体2には、運転席10と、運転席10を囲うキャビン11が搭載されている。図1に示すように、運転席10の前方には、ステアリングホイール12が設けられている。ステアリングホイール12は、操縦台13の上部に設けられたコラムカバー14の上部に支持されている。
運転席10の前方であって、ステアリングホイール12の下方には、アクセルペダル15、左側のブレーキペダル16L、右側のブレーキペダル16R、クラッチペダル17、ブレーキペダル16L,16Rの連結を解除する連結解除ペダル18が設けられている。
トラクタ1は、走行系や作業系の制御を行う制御装置(図示略)を備えている。制御装置は、演算部(CPU等)や記憶部(メモリ)等を備えており、記憶部に記憶されたプログラムに基づいて所定の制御を実行する。より具体的には、制御装置は、運転席10の周囲に設置された操作具(レバー、スイッチ、ダイヤル等)を操作したときの操作信号や、車体2に搭載された様々なセンサの検出信号等に基づいてトラクタ1の走行系や作業系の制御を行う。例えば、制御装置は、操作具からの操作信号に基づく昇降装置4の昇降に関する制御や、アクセルペダルセンサからの検出信号に基づくエンジン8の回転数の制御等を実行する。
<アームレスト>
図1〜図3に示すように、運転席10の一側方(右方)には、アームレスト20が設けられている。アームレスト20は、長手方向が前後方向を向き、短手方向が車体幅方向を向いて配置されている。以下、アームレスト20の短手方向をアームレスト20の幅方向という。アームレスト20の幅方向は、アームレスト20の長手方向と直交する方向であって、車体幅方向と同じ方向である。
アームレスト20は、第1部分21と第2部分22とを有している。第1部分21は、アームレスト20の長手方向一方側(前側)に設けられている。第2部分22は、アームレスト20の長手方向他方側(後側)に設けられている。つまり、第1部分21は、第2部分22の前方に設けられている。
先ず、アームレスト20の第1部分21について説明する。
図1に示すように、第1部分21は、前後方向において、運転席10の背もたれ部10aの前方に配置されている。第1部分21は、前後方向において、運転席10の座部10bとオーバーラップしている。第1部分21の前端部(アームレスト20の前端部)は、運転席10の座部10bよりも前方に位置している。
図2に示すように、第1部分21の表面(以下、「第1表面部21A」という)には、走行及び/又は作業に関する操作を行うための操作具30が設けられている。図3〜図6に示すように、第1表面部21Aは、第1上面21U、第1下面21D、第1左側面21L、第1右側面21R、第1前面21Fを有している。
第1表面部21Aは、アームレスト20の長手方向一方側(前側)に設けられている。そのため、第1上面21U、第1下面21D、第1左側面21L、第1右側面21R、第1前面21Fは、いずれもアームレスト20の長手方向一方側(前側)に設けられている。
第1上面21Uは、第1領域21U1と第2領域21U2とを有している。図3、図6〜図8に示すように、第2領域21U2は、第1領域21U1に対して凹んでいる。言い換えれば、第2領域21U2の高さは、第1領域21U1の高さよりも低い。図3、図4等に示すように、第1領域21U1は、アームレスト20の幅方向一方側(左側)に設けられている。第2領域21U2は、アームレスト20の幅方向他方側(右側)に設けられている。
第1領域21U1は、アームレスト20の幅方向一方側(左側)において、第1上面21Uの前端部から後端部にわたってアームレスト20の長手方向に延びている。また、第1上面21Uの後端部においてアームレスト20の幅方向の全長にわたって延びている。つまり、第1領域21U1は、上面視においてL字状に設けられている。
第2領域21U2は、アームレスト20の幅方向他方側(右側)において、第1上面21Uの前端部から後端部付近までアームレスト20の長手方向に延びている。
図7、図8に示すように、アームレスト20の上面(第1上面21U)は、第2領域21U2から第1領域21U1に向けて立ち上がる起立面24を有している。起立面24は、第1起立面241と第2起立面242とを有している。第2起立面242は、第1起立面241に対して運転席10から離れた側(右側)に位置している。
図5、図6に示すように、第1領域21U1及び第2領域21U2は、側面視において、前方に向かうにつれて次第に下方に移行するように湾曲している。言い換えれば、アームレスト20の上面は、上向きに凸の曲面に形成されている。第2領域21U2の湾曲面は、第1領域21U1の湾曲面よりも下方に位置している。
図2、図3に示すように、第1左側面21Lは、運転席10側(車体内方)を向いている。第1右側面21Rは、運転席10側と反対側(車体外方)を向いている。図4、図5、図7に示すように、第1左側面21Lには、凹部23が形成されている。凹部23の上端部は、第1上面21Uの第1領域21U1と連続している。
図5、図7に示すように、凹部23は、傾斜面23aと、前面23bと、後面23cと、を有している。傾斜面23aは、下方から上方に向かうにつれて運転席10から離れる(右方に向かう)ように傾斜している。前面23bは、傾斜面23aの前縁部と第1左側面21Lとを繋いでいる。後面23cは、傾斜面23aの後縁部と第1左側面21Lとを繋いでいる。前面23bは、下方に向かうにつれて後方に移行するように傾斜している。前面23bの右縁部は、傾斜面23aの前縁部と連続している。後面23cは、下方に向かうにつれて前方に移行するように傾斜している。後面23cの左縁部は、傾斜面23aの後縁部と連続している。後面23cの上部は湾曲面となっている。
図2、図4に示すように、アームレスト20の第1部分21は、上面視において、前方に向かうにつれて車体外方(運転席10から離れる側の側方)に移行している。言い換えれば、アームレスト20の第1左側面21Lは、車体幅方向において、前端部に向かうにつれて運転席10から離れる方向(右方)に移行している。また、第1部分21の前部(アームレスト20の前部)は、上面視において、前端部に向かうにつれて車体外方(運転席10から離れる側の側方)に向けて湾曲している。図4に、第1部分21の前部の湾曲部分を符号21aで示す。アームレスト20の前部は、湾曲部分21aを有することによって、運転席10の座部10bの右角部とアクセルペダル15の右後部とを結ぶ仮想線L1とオーバーラップしていない(図1参照)。これにより、運転席10に着座した作業者がアクセルペダル15を操作するときに、作業者の右脚がアームレスト20に当たることが防がれる。
図4〜図8に示すように、第1表面部21Aに設けられた操作具30は、複数の走行系操作具30Aと複数の作業系操作具30Bとを含む。走行系操作具30Aは、トラクタ1の走行に関する操作を行うための操作具である。作業系操作具30Bは、作業に関する操作を行うための操作具である。具体的には、作業系操作具30Bは、作業装置を昇降させる昇降装置4に関する操作を行うための操作具である。
複数の走行系操作具30Aのうち、少なくとも1つの走行系操作具30Aは、第1の操作形態により操作される第1走行操作具30A1である。複数の走行系操作具30Aのうち、少なくとも1つの走行系操作具30Aは、第1の操作形態とは異なる第2の操作形態により操作される第2走行操作具30A2である。複数の走行系操作具30Aのうち、少なくとも1つの走行系操作具30Aは、第1の操作形態及び第2の操作形態とは異なる第3の操作形態により操作される第3走行操作具30A3である。
複数の作業系操作具30Bのうち、少なくとも1つの作業系操作具30Bは、第1走行操作具30A1と同じ第1の操作形態により操作される第1作業操作具30B1である。複数の作業系操作具30Bのうち、少なくとも1つの作業系操作具30Bは、第1の操作形態、第2の操作形態、第3の操作形態とは異なる第4の操作形態により操作される第2作業操作具30B2である。複数の作業系操作具30Bのうち、少なくとも1つの作業系操作具30Bは、第1の操作形態、第2の操作形態、第3の操作形態、第4の操作形態とは異なる第5の操作形態により操作される第3作業操作具30B3である。
第1の操作形態は、横軸(車体幅方向に延びる軸)回りの回転操作である。第1の操作形態により操作される第1走行操作具30A1は、走行に関する操作を横軸回りの回転により行う回転ダイヤルである。本実施形態の場合、第1走行操作具30A1は、エンジン8の回転数を増加又は減少させるアクセルレバー30A1である。第1の操作形態により操作される第1作業操作具30B1は、作業に関する操作を横軸回りの回転により行う回転ダイヤルである。本実施形態の場合、第1作業操作具30B1は、作業装置の高さを調整するポジションコントロールレバー30B1である。
第2の操作形態は、押圧操作である。第2の操作形態により操作される第2走行操作具30A2は、走行に関する操作を押圧により行うプッシュボタンである。本実施形態の場合、第2走行操作具30A2は、エンジン8の回転数を設定する回転数設定ボタン等である。
第3の操作形態は、横軸(車体幅方向に延びる軸)回りの揺動操作である。第3の操作形態により操作される第3走行操作具30A3は、走行に関する操作を行う走行レバーである。本実施形態の場合、第3走行操作具30A3は、走行変速用レバー(シフトレバー)である。詳しくは、主変速装置を操作する主変速レバーである。
第4の操作形態は、2つの操作部を選択的に押圧する操作である。第4の操作形態により操作される第2作業操作具30B2は、作業に関する操作を2つの操作部の選択的な押圧により行うシーソースイッチである。本実施形態の場合、第2作業操作具30B2は、作業装置を昇降させるポンパスイッチである。
第5の操作形態は、縦軸(上下方向に延びる軸)回りの回転操作である。第5の操作形態により操作される第3作業操作具30B3は、作業に関する操作を縦軸回りの回転により行う回転ダイヤルである。本実施形態の場合、第3作業操作具30B3は、作業装置による作業深さ(耕耘機による耕耘深さ)を調整する耕深調整ダイヤルである。
以下、説明の便宜上、第1の操作形態により操作される操作具(第1走行操作具30A1、第1作業操作具30B1)を「第1操作具301」、第2の操作形態により操作される操作具(第2走行操作具30A2)を「第2操作具302」、第3の操作形態により操作される操作具(第3走行操作具30A3)を「第3操作具303」、第4の操作形態により操作される操作具(第2作業操作具30B2)を「第4操作具304」、第5の操作形態により操作される操作具(第3作業操作具30B3)を「第5操作具305」ということがある。図7、図8にて、第1操作具〜第5操作具について括弧書きの符号301〜305を付している。
図4、図7、図8に示すように、2つの第1操作具301のうち、一方の第1操作具である第1走行操作具30A1と、他方の第1操作具である第1作業操作具30B1とは、アームレスト20の長手方向に間隔をあけて並んで配置されている。一方の第1操作具(第1走行操作具30A1)と他方の第1操作具(第1作業操作具30B1)は、アームレスト20の長手方向(前後方向)に操作される。
第2操作具302の1つである第2走行操作具30A2は、アームレスト20の長手方向において、一方の第1操作具(第1走行操作具30A1)と他方の第1操作具(第1作業操作具30B1)の間に配置されている。また、第5操作具305である第3作業操作具30B3は、他方の第1操作具である第1作業操作具30B1と、アームレスト20の長手方向に並んで配置されている。
つまり、第1走行操作具30A1、第2走行操作具30A2、第1作業操作具30B1、第3作業操作具30B3は、この順番でアームレスト20の長手方向に並んで配置されている。具体的には、第1走行操作具30A1、第2走行操作具30A2、第1作業操作具30B1、第3作業操作具30B3が、この順番で前方から後方に向けて並んでいる。
このように、同じ操作形態の操作具(第1走行操作具30A1と第1作業操作具30B1)は、アームレスト20の長手方向に分かれて(隔てられて)配置されている。また、異なる操作形態の操作具(第1走行操作具30A1と第2走行操作具30A2、第2走行操作具30A2と第1作業操作具30B1、第1作業操作具30B1と第3作業操作具30B3)は、アームレスト20の長手方向に隣り合って配置されている。
図4、図7、図8に示すように、一方の第1操作具(第1走行操作具30A1)、他方の第1操作具(第1作業操作具30B1)及び第2操作具(第2走行操作具30A2)は、アームレスト20の幅方向他方側(右側)にある第2領域21U2に配置されている。第5操作具(第3作業操作具30B3)は、アームレスト20の幅方向一方側(左側)にある第1領域21U1に配置されている。
第3走行操作具30Aは、運転席10側(左側)に配置されている。第1走行操作具30A1及び第2走行操作具30A2は、第3走行操作具30A3と車体幅方向に並ぶように運転席10と反対側(右側)に配置されている。第2走行操作具30A2は、第1走行操作具30A1の後方(アームレスト20の長手方向他方側)に配置されている。
第1走行操作具30A1、第2走行操作具30A2、第1作業操作具30B1及び第3作業操作具30B3は、運転席10と反対側(右側)においてアームレスト20の長手方向に並んで同一曲面上に配置されている。言い換えれば、第1走行操作具30A1、第2走行操作具30A2、第1作業操作具30B1及び第3作業操作具30B3は、第1上面21Uの第2領域21U2の曲面に沿って並んで配置されている。
図4に示すように、第1走行操作具30A1と第3走行操作具30A3は、アームレスト20の幅方向に並んで配置されている。つまり、それぞれ異なる操作形態の2つの走行系操作具30Aがアームレスト20の幅方向に並んで配置されている。
更に述べると、複数の操作具30のうち、隣り合って配置された操作具は、互いに異なる操作形態の操作具である。具体的には、アームレスト20の長手方向に隣り合って配置された操作具(第1走行操作具30A1と第2走行操作具30A2、第2走行操作具30A2と第1作業操作具30B1、第1作業操作具30B1と第3作業操作具30B3)は、互いに異なる操作形態の操作具である。また、アームレスト20の幅方向に隣り合って配置された操作具(第1走行操作具30A1と第3走行操作具30A3、第2走行操作具30A2と第3走行操作具30A3、第1作業操作具30B1と第2作業操作具30B2、第2作業操作具30B2と第3作業操作具30B3)は、互いに異なる操作形態の操作具である。
図4、図6〜図8に示すように、第3走行操作具30A3の左方及び後方には、傾斜面28が設けられている。傾斜面28は、下端部で第2領域21U2と繋がり、上端部で第1領域21U1と繋がっている。傾斜面28は、上面視にてL字状を呈しており、第1領域21U1に向かうにつれて上方に向かうように傾斜している。傾斜面28のうち、第3走行操作具30A3の左方に設けられた部分は、第1起立面241の一部である。図7に示すように、傾斜面28のうち、第3作業操作具30B3の後方に設けられた部分は、第2起立面242の一部である。傾斜面28のうち、第3作業操作具30B3の左方に設けられた部分は、第1起立面241の一部である。
以下、操作具30について説明する。
先ず、走行系操作具30Aについて説明する。
図6〜図8に示すように、第1走行操作具(アクセルレバー)30A1は、回転体31と摘み部32とを有している。回転体31は、アームレスト20の上面から側面視にて上向きに凸の円弧状に突出している。摘み部32は、回転体31の上面から突出している。回転体31は、アームレスト20の内部に配置された横向き(水平方向)の支軸回りに回動可能に取り付けられている。摘み部32を摘んで前方又は後方に移動させることにより、回転体31が支軸回りに回動する。摘み部32を前方に移動させると、エンジン8の回転数が増加する。摘み部32を後方に移動させると、エンジン8の回転数が減少する。
図4、図7、図8に示すように、第2走行操作具30A2は、回転数設定ボタン33、パワーアシストボタン34、旋回アシストボタン35を含む。
回転数設定ボタン33は、第1回転数設定ボタン33Aと第2回転数設定ボタン33Bとを含む。第1回転数設定ボタン33Aは、押圧することにより、エンジン8の回転数を予め設定された第1回転数に設定することができる。第2回転数設定ボタン33Bは、押圧することにより、エンジン8の回転数を予め設定された第1回転数とは異なる第2回転数に設定することができる。
パワーアシストボタン34は、押圧することにより、作業装置等の負荷変動によるエンジン回転数の変動を抑えて、車速やPTO軸9の回転数を略一定に保つことができる。
旋回アシストボタン35は、押圧することにより、作業装置を上昇させたときにエンジン回転数を減少させて、作業車両1を低速で旋回させることができる。
第1回転数設定ボタン33Aと第2回転数設定ボタン33Bとは、アームレスト20の幅方向に並んで配置されている。パワーアシストボタン34と旋回アシストボタン35とは、アームレスト20の幅方向に並んで配置されている。第1回転数設定ボタン33Aと旋回アシストボタン35とは、アームレスト20の長手方向に並んで配置されている。第2回転数設定ボタン33Bとパワーアシストボタン34とは、アームレスト20の長手方向に並んで配置されている。
図5〜図8から分かるように、第2走行操作具30A2(回転数設定ボタン33、パワーアシストボタン34、旋回アシストボタン35)の上面の高さは、第1領域21U1の高さよりも低い。つまり、第2走行操作具30A2の運転席10側には、第2走行操作具30A2の上面よりも高い第1領域21U1が設けられている。これにより、運転席10に着座した作業者が、回転数設定ボタン33、パワーアシストボタン34、旋回アシストボタン35を意図せずに操作してしまうことを効果的に防ぐことができる。
図7、図8に示すように、第3走行操作具(走行変速用レバー)30A3は、把持部36と揺動軸37とを有している。揺動軸37は、アームレスト20の第1上面21Uの第1領域21U1に形成された前後方向に延びる長穴38に挿入されている。揺動軸37は、長穴38に沿って前後方向に揺動可能である。把持部36は、運転者が把持する部分であり、揺動軸37の上部に設けられている。把持部36の運転席10側の側面(左側面)には、クラッチボタン39が設けられている。クラッチボタン39を押すことによって走行変速用レバー30A3の揺動操作が可能となる。尚、変速装置が無段変速式の場合は、クラッチボタン39を省略することができる。
次に、作業系操作具30Bについて説明する。
図6〜図8に示すように、第1作業操作具(ポジションコントロールレバー)30B1は、回転体40と、摘み部41と、ロック部42とを有している。回転体40は、アームレスト20の上面から側面視にて上向きに凸の円弧状に突出している。摘み部41は、回転体40の上面から突出している。回転体40は、アームレスト20の内部に配置された横向き(水平方向)の支軸回りに回動可能に取り付けられている。摘み部41を摘んで前方又は後方に移動させることにより、回転体40が支軸回りに回動する。摘み部41を前方に移動させると、昇降装置4のリフトシリンダ4eが短縮して作業装置が下降する。摘み部41を後方に移動させると、昇降装置4のリフトシリンダ4eが伸長して作業装置が上昇する。
図7、図8に示すように、ロック部42は、円筒部42aと、軸部42bと、ロック片42cとを有している。円筒部42aは、摘み部41の車体内方側(運転席10側)に設けられている。軸部42bは、円筒部42aに挿通されており、軸心回りに回転可能である。ロック片42cは、軸部42bの上部に設けられており、軸部42bに対して前方、後方又は上方に揺動可能である。図4〜図8では、ロック片42cが軸部42bに対して前方に位置した(前方に倒れた)姿勢にある状態を示している。ロック片42cが軸部42bに対して前方又は後方に位置した姿勢にあるとき、摘み部41の位置が固定され、摘み部41の移動操作が阻止される。図6に仮想線(二点鎖線)で示すように、ロック片42cを軸部42bに対して上方に向けた(直立させた)姿勢とすると、摘み部41の位置の固定が解除され、摘み部41の移動操作が許容される。ロック部42は、摘み部41の車体内方側(運転席10側)に配置されている。運転席10に着座した作業者は、車体外方側から指を延ばして摘み部41を操作することから、車体内方側に配置されたロック部42は摘み部41の操作の妨げにならない。
図4、図5、図7に示すように、第2作業操作具(ポンパスイッチ)30B2は、第1操作部43と第2操作部44とを有している。ポンパスイッチ30B2は、シーソー型のスイッチであり、第1操作部43を押圧してオンにすると第2操作部44がオフになり、第2操作部44を押圧してオンにすると第1操作部43がオフになる。第1操作部43をオンにすると作業装置が上昇し、第2操作部44をオンにすると作業装置が下降する。
ポンパスイッチ30B2は、アームレスト20の運転席10側の側面に設けられている。具体的には、ポンパスイッチ30B2は、アームレスト20の第1左側面21Lに形成された凹部23の傾斜面23aに配置されている。凹部23は、前後方向において、第3走行操作具30A3の後方であって、第3作業操作具30B3の前方に設けられている。また、凹部23は、前後方向において、第1作業操作具30B1とオーバーラップする位置に設けられている。
ポンパスイッチ30B2の2つの操作部のうち、一方の操作部(第1操作部)43は、他方の操作部(第2操作部)44に対して上方且つ前方に配置されている。つまり、ポンパスイッチ30B2は、運転席10側から見た側面視において、上方に向かうにつれて前方に移行するように傾斜して配置されている。また、ポンパスイッチ30B2は、下方から上方に向かうにつれて運転席10から離れるように(右方に移行するように)傾斜して配置されている。
運転席10に着座した作業者は、右手の掌をアームレスト20の第1上面21Uに載せた状態で、親指でポンパスイッチ30B2を操作する。ポンパスイッチ30B2が傾斜して配置されていることによって、ポンパスイッチ30B2の2つの操作部43,44の並び方向及び傾斜方向が親指の動きの方向に沿う方向となる。そのため、ポンパスイッチ30B2の2つの操作部43,44の操作を容易に行うことができる。また、ポンパスイッチ30B2が凹部23に設けられていることにより、作業者の手がポンパスイッチ30B2に不用意に接触することによる誤操作を防止できる。
第3作業操作具(耕深調整ダイヤル)30B3は、縦軸回りの一方に回転することにより耕耘機による耕耘深さを深く設定することができ、縦軸回りの他方に回転することにより耕耘深さを浅く設定することができる。図6に示すように、第3作業操作具30B3の上面の高さは、第1領域21U1の高さよりも低い。これにより、作業者が、第3作業操作具30B3に意図せずに接触して操作してしまうことを防止できる。
ポジションコントロールレバー(第1作業操作具)30B1、ポンパスイッチ(第2作業操作具)30B2、耕深調整ダイヤル(第3作業操作具)30B3は、走行系操作具30Aよりも後方に配置されている。つまり、作業系操作具30Bは、走行系操作具30Aよりも第2部分22に近い位置に配置されている。そのため、作業者が第2部分22に肘を置いた状態で、作業系操作具30Bを円滑に操作することができる。このように、走行系操作具30Aよりも操作の頻度が高い作業系操作具30Bを、第2部分22に近い位置(第1部分21の後部)に配置することによって、作業系操作具30Bの操作性を向上させることができる。
図4〜図8に示すように、アームレスト20の上面(第1上面21U)には、第1領域21U1と第2領域21U2との間を仕切る仕切り板45が突設されている。仕切り板45の上面は、上向きに凸の曲面に形成されている。仕切り板45の上面の曲率半径は、アームレスト20の上面の曲率半径(第1領域21U1の曲率半径)よりも小さい。尚、曲率半径は、側面視における曲率半径である。
図8に示すように、仕切り板45は、起立面24の延長線上に形成されている。詳しくは、仕切り板45は、第2起立面242の延長線上に形成されている。より詳しくは、仕切り板45の一方側の側面(運転席10と反対側の側面)は、第2起立面242を上方に延長して形成されている。
仕切り板45は、第1起立面241よりも運転席10から離れた側に配置されている。また、仕切り板45は、他方の第1操作具(第1作業操作具30B1)の運転席10側の側方に配置されている。仕切り板45の高さは、第1作業操作具30B1の摘み部41の高さ以上の高さに設定されている。これにより、作業者の手が不用意に摘み部41に当たって第1作業操作具30B1が誤操作されることが防止できる。例えば、第1作業操作具30B1の前方にある第3走行操作具30A3を操作するときに、第1作業操作具30B1に手が当たって誤操作されることが防止できる。
次に、アームレスト20の第2部分22について説明する。
図2に示すように、第2部分22は、前後方向において、運転席10の背もたれ部10a及び座部10bとオーバーラップしている。第2部分22の前端部22aは、前後方向において、運転席10の座部10bとオーバーラップしており、背もたれ部10aよりも前方に位置している。第2部分22の後端部(アームレスト20の後端部)22bは、前後方向において、運転席10の背もたれ部10aとオーバーラップしており、座部10bよりも後方に位置している。
図4〜図6に示すように、第2部分22の表面(以下、「第2表面部22A」という)は、第2上面22U、第2下面22D、第2左側面22L、第2右側面22R、第2後面22Bを有している。第2表面部22A(即ち、第2上面22U、第2下面22D、第2左側面22L、第2右側面22R、第2後面22B)は、アームレスト20の長手方向他方側(後側)に設けられている。つまり、第2表面部22Aは、第1表面部21Aの後方に設けられている。
図4〜図6、図9に示すように、アームレスト20の第2部分22は、収納部25とカバー26とを有している。収納部25は、上方が開放された直方体の枡状に形成されている。カバー26は、収納部25の上方を開放又は閉鎖可能である。図4、図6、図9に示すように、第2部分22の右上縁にはヒンジ27が設けられている。カバー26は、ヒンジ27を支点として開閉される。図9は、カバー26を開いて収納部25の上方を開放した状態を示している。図9以外のアームレスト20の図は、カバー26を閉じて収納部25の上方を閉鎖した状態を示している。
カバー26を閉じた状態において、カバー26の上面が第2上面22Uとなる。言い換えれば、第2上面22Uは、カバー26の上面に設けられている。第2上面22Uは、アームレスト20の幅方向の全長にわたって設けられている。図5に示すように、第2上面22Uの前端部と第1上面21Uの第2領域21U2の後端部とは、段差なく連続している。つまり、第2上面22Uの前端部の高さと第1上面21Uの第2領域21U2の後端部の高さとは同じである。
第2上面22Uは、運転席10に着座した作業者が肘を置くための肘置き部を構成している。言い換えれば、第2部分22の表面(第2表面部22A)には、運転席10に着座した作業者が肘を置くための肘置き部22Uが設けられている。肘置き部22Uは、クッション材等から構成されている。
図4〜図6に示すように、第2上面22Uは、前部領域22U1と、後部領域22U2と、中間領域22U3と、を有している。図4、図5において、仮想線Laより前方の領域が前部領域22U1、仮想線Lbより後方の領域が後部領域22U2、仮想線Laと仮想線Lbとの間の領域が中間領域22U3である。
前部領域22U1は、第2上面22Uの前部に設けられており、前端部が第1上面21Uの後端部と連続している。後部領域22U2は、第2上面22Uの後部に設けられており、後端部が第2後面22Bと連続している。中間領域22U3は、前部領域22U1と後部領域22U2とを連絡している。
後部領域22U2は、第1上面21Uの後端部よりも下方に位置している。前部領域22U1は、後部領域22U2よりも上方に位置している。前部領域22U1の高さは、第1上面21Uの第1領域21U1の後端部の高さと同じである。中間領域22U3は、前方から後方に向かうにつれて低くなるように傾斜している。
前部領域22U1及び後部領域22U2は、いずれも水平面である。中間領域22U3は、前部領域22U1及び後部領域22U2に対して傾斜している。中間領域22U3に対する前部領域22U1の傾斜角度、及び、中間領域22U3に対する後部領域22U2の傾斜角度は、いずれも鈍角である。中間領域22U3と前部領域22U1との境界部分、及び、中間領域22U3と後部領域22U2との境界部分は、いずれも滑らかな曲面に形成されている。
図4、図5に示すように、アームレスト20の長手方向において、後部領域22U2の長さは、前部領域22U1の長さや中間領域22U3の長さよりも長い。また、アームレスト20の長手方向において、後部領域22U2の長さは、前部領域22U1と中間領域22U3とを合わせた長さよりも長い。
図4に示すように、後部領域22U2の面積は、前部領域22U1の面積よりも広い。詳しくは、後部領域22U2の面積は、前部領域22U1の面積の2倍以上である。後部領域22U2の面積は、前部領域22U1と中間領域22U3とを合わせた面積よりも広い。中間領域22U3の面積22U3は、前部領域22U1の面積よりも狭い。
図4に示すように、前部領域22U1の前端部(第2部分22の前端部)22aは、上面視にて運転席10側(左側)が運転席10側と反対側(右側)に比べて前方に位置している。具体的には、前部領域22U1の前端部22aは、上面視にて、運転席10側から離れるにしたがって後方に移行する直線状に形成されている。
運転席10に着座した作業者が後方を向いて作業装置による作業を行う場合、右側に身体を捻ってアームレスト20の第2上面(肘置き部)22Uに右肘を載せた姿勢となる。この姿勢では、作業者は肘に体重をかけるため、右腕は掌に対して肘が下がった状態となる。ここで、第2上面22Uが上述の3つの領域を有するため、作業者は、前部領域22U1に掌を載せて、前腕を中間領域22U3に沿って後方下がりに傾斜させて、後部領域22U2に肘をつくことができる。そのため、作業者の姿勢が安定して疲れにくくなる。
図4〜図6に示すように、第2左側面22Lは、運転席10側(車体内方)を向いている。第2右側面22Rは、運転席10側と反対側(車体外方)を向いている。第2左側面22Lの前端部は、第1左側面21Lの後端部と連続している。第2右側面22Rの前端部は、第1右側面21Rの後端部と連続している。
第2下面22Dの後部には、開口部(不図示)が設けられている。当該開口部には、アームレスト20に設けられた操作具や操作スイッチ(後述する)と接続されるハーネス(電気信号を送信するケーブル)が挿通される。
図5、図9に示すように、収納部25の前部には、操作スイッチが設けられたスイッチ装置46が収納されている。操作スイッチは、走行及び/又は作業に関する操作を行うスイッチである。収納部25の後部は、スマートフォン(多機能携帯電話)等を収納可能な空間S1となっている。
スイッチ装置46には、操作スイッチとして回転ダイヤル47とボタンスイッチ48とが設けられている。また、スイッチ装置46には、データ等の入出力用のUSBポート49が設けられている。USBポート49は、空間S1に向けて開口している。
回転ダイヤル47は、昇降装置4の操作を行う設定ダイヤルである。回転ダイヤル47は、第1回転ダイヤル471、第2回転ダイヤル472、第3回転ダイヤル473、第4回転ダイヤル474を含む。
第1回転ダイヤル471は、DBM設定用のダイヤルである。第2回転ダイヤル472は、昇降装置4の感度調整用のダイヤルである。第3回転ダイヤル473は、昇降装置4の落下速度調整用のダイヤルである。第4回転ダイヤル474は、昇降装置4の上限規制用のダイヤルである。第1回転ダイヤル471、第2回転ダイヤル472、第3回転ダイヤル473、第4回転ダイヤル474は、アームレスト20の長手方向に並んで配置されている。
ボタンスイッチ48は、表示装置100に表示される画面の設定等を行うスイッチである。図10、図11に示すように、表示装置100は、運転席10の側方(右側方)に配置されている。表示装置100は、表示及び入力を行うことができるタッチパネルである。
図12に示すように、表示装置100は、表示部(ディスプレイ)101と、表示部101を支持するハウジング102とを有している。表示装置100は、表示部101へのタッチ操作の押圧操作に対応して、表示部101に複数の画面を表示可能である。
図35A〜35Dに示すように、表示装置100の表示部101は、例えば、複数の画面として、メニュー画面M1、閲覧設定画面M2、モンロー設定画面M3、旋回設定画面M4を表示する。
図35Aに示すように、メニュー画面M1は、上位設定画面であり、当該メニュー画面M1には複数のアイコン(シンボル)201、202、203が表示される。メニュー画面M1において、複数のアイコン201、202、203のうち所定のアイコンを選択することによって、下位設定画面である閲覧設定画面M2、モンロー設定画面M3、旋回設定画面M4のそれぞれを表示部101に表示することができる。
例えば、メニュー画面M1に示された第1アイコン201が選択されると、閲覧設定画面M2が表示され、第2アイコン202が選択されると、モンロー設定画面M3が表示され、第3アイコン203が選択されると、旋回設定画面M4が表示される。即ち、上位設定画面であるメニュー画面M1を操作することによって、下位設定画面である閲覧設定画面M2、モンロー設定画面M3、旋回設定画面M4を表示することができる。
図35Bに示すように、閲覧設定画面M2は、エンジン回転数の上限値を設定する第1設定部211と、車速を設定する第2設定部212とを含んでいる。
閲覧設定画面M2において、第1設定部211を選択すると、当該閲覧設定画面M2に示された共通入力部220がエンジン回転数の上限値の入力を受付けるようになり、共通入力部220の数値を変更することで、エンジン回転数の上限値を設定することができる。閲覧設定画面M2において、第2設定部212を選択すると、共通入力部220が車速の入力を受付けるようになり、共通入力部220の数値を変更することで、車速を設定することができる。
図35Cに示すように、モンロー設定画面M3は、作業装置の傾きを設定する画面(水平制御装置(モンロー)の設定画面)であって、作業装置の傾きを固定する固定設定部221と、作業装置の傾きを水平に保つ水平設定部222と、作業装置の傾きを圃場(地面)と平行に保つ傾斜設定部223とを含んでいる。
図35Dに示すように、旋回設定画面M4は、作業車両1の旋回時の動作を設定する画面であって、作業車両1が左又は右に操舵された場合に作業装置を自動的に上昇させる旋回設定部231と、作業車両1が後進した場合に作業装置を自動的に上昇させる後進設定部232とを含んでいる。
図9に示すように、ボタンスイッチ48は、第1ボタン481、第2ボタン482、第3ボタン483、第4ボタン484、第5ボタン485、第6ボタン486、第7ボタン487、第8ボタン488を含む。
第1ボタン481、第2ボタン482、第3ボタン483は、表示装置100において、走行及び/又は作業に関する設定に関する動作を実行させるショートカットボタンである。第4ボタン484、第5ボタン485、第6ボタン486は、表示装置100において、作業機の状態を表示する動作を実行させるショートカットボタンである。第7ボタン487、第8ボタン488は、表示装置100において、画面を切り換える動作を実行させるボタンである。
具体的には、第1ボタン481は、車速を設定するためのショートカットボタンである。第1ボタン481を押すと、表示装置45においてメニュー画面M1やその他の画面が表示された状態であっても、車速の設定に関する画面、即ち、閲覧設定画面M2を表示する動作が実行される。また、閲覧設定画面M2の表示後は、第1ボタン481に対応する第2設定部212が自動的に選択された状態に移行する。したがって、第1ボタン481を押すことによって、表示装置45に表示する画面が閲覧設定画面M2に移行すると共に、第2設定部212が選択されることから、簡単に車速を設定することができる。
第2ボタン482は、作業装置の傾きに関する動作を設定するためのショートカットボタンである。第2ボタン482を押すと、表示装置45においてメニュー画面M1やその他の画面が表示された状態であっても、作業装置の傾きの動作に関する画面、即ち、モンロー設定画面M3を表示する動作が実行される。モンロー設定画面M3の表示後は、第2ボタン482に対応する固定設定部221、水平設定部222、傾斜設定部223のいずれか1つが選択された状態に移行する。この実施形態では、固定設定部221、水平設定部222、傾斜設定部223のうち、現在の設定に対応する所定の設定部が選択される。
第3ボタン483は、作業車両1の旋回時の動作を設定するためのショートカットボタンである。第3ボタン483を押すと、表示装置100においてメニュー画面M1やその他の画面が表示された状態であっても、作業車両1の旋回時の動作を設定する画面、即ち、旋回設定画面M4を表示する動作が実行される。旋回設定画面M4の設定後は、第3ボタン483に対応する旋回設定部231及び後進設定部232のいずれかが選択された状態に移行する。この実施形態では、旋回設定部231及び後進設定部232のうち、少なくとも前回に設定を行った設定部が選択される。
第4ボタン484、第5ボタン485、第6ボタン486を押すと、表示装置100においてメニュー画面M1やその他の画面が表示された状態であっても、エンジン回転数の表示、PTO回転数の表示、作業装置の高さ(リフトアーム4aの高さ)を表示する画面、即ち、閲覧設定画面M2を表示する動作が実行される。
第7ボタン487は、表示装置100の表示部101にホーム画面又はメニュー画面M1を表示させるボタンである。第8ボタン488は、現在表示している画面から1つ前の画面に戻す(前の画面に切り替える)戻しボタンである。
なお、上述した実施形態において、閲覧設定画面M2、モンロー設定画面M3及び旋回設定画面M4は、上位設定画面であるメニュー画面M1の下位設定画面として階層化されていたが、メニュー画面M1、閲覧設定画面M2、モンロー設定画面M3及び旋回設定画面M4は、階層関係(上位及び下位の関係)の無い並列した関係、即ち、表示装置100における画面推移が並列に推移してもよい。
<アームレストの移動機構>
図3、図13に示すように、作業車両1は、アームレスト20を移動させる移動機構50を備えている。移動機構50は、アームレスト20を運転席10に対して前後方向及び上下方向に移動可能とする機構である。移動機構50は、アームレスト20の下方に配置されている。
以下、主に図13〜図19を参照して移動機構50について説明する。
図14等に示すように、移動機構50は、第1部材51と、第2部材52と、操作レバー53と、を有している。
図第1部材51は、運転席10の側部(右側部)に固定されて前後方向に延びている。第1部材51は、基礎部材54と、移動部材55と、支持部材56と、を有している。
基礎部材54は、運転席10の側部に固定されている。基礎部材54は、第1基礎部材541と第2基礎部材542とを有している。
第1基礎部材541は、水平部541aと垂直部541bとを有する縦断面L字状の部材であって、運転席10の座部10bに固定されている。水平部541aは、運転席10の座部10bの底面に当接している。垂直部541bは、運転席10の座部10bの右側面に当接している。
第2基礎部材542は、第1基礎部材541の垂直部541bの車体外方側の面(右側面)に固定されている。第2基礎部材542は、上下方向に延びる基準面542aを有している。基準面542aには、ねじ孔542bと、上下方向に延びる長穴542cとが形成されている。ねじ孔542bは、基準面542aの上部に形成されている。長穴542cはねじ孔542bの前方に形成されており、ねじ孔542bよりも下方まで延びている。
移動部材55は、基礎部材54に対して上下方向に移動可能である。移動部材55は、第1移動部材551と、第2移動部材552と、第3移動部材553と、を有している。第1移動部材551は、平板状であって、第2基礎部材542の基準面542aに対して面接触している。第1移動部材551は、上下方向に延びる長穴551aを有している。長穴551aは、基準面542aに形成されたねじ孔542bと重なる位置に設けられている。
ねじ孔542bには、ボルトB1が螺合されている。ボルトB1の軸部は長穴551aを貫通している。第1移動部材551を上下方向に移動させると、長穴551aがボルトB1に対して上下方向に移動する。これにより、基礎部材54に対して移動部材55が上下方向に移動する。
第2基礎部材542の長穴542cには、ボルトB2の軸部が挿通されている。ボルトB2の軸部は、第1移動部材551に形成された貫通孔を挿通して、雌ねじを有するノブ57に螺合されている。ボルトB2の軸部に対して雌ねじを締める方向にノブ57を回転させると、第1移動部材551が第2基礎部材542の基準面542aに圧接されるため、基礎部材54に対して移動部材55が移動不能となる。ボルトB2の軸部に対して雌ねじを緩める方向にノブ57を回転させると、第1移動部材551が第2基礎部材542の基準面542aに圧接されないため、基礎部材54に対する移動部材55の移動が可能となる。
第2移動部材552は、第1移動部材551の上部に固定されて前後方向に延びている。第2移動部材552は、第1移動部材551に固定された固定部552aと、固定部552aから車体外方の水平方向に延びる延設部552bと、を有している。延設部552bにはねじ孔が形成されており、当該ねじ孔にはボルトB3が螺合されている。
第3移動部材553は、第1移動部材551と第2移動部材552とを連結している。具体的には、第3移動部材553は、第1移動部材551の車体外方側の面と、延設部552bの下面とを連結している。第3移動部材553は、前後方向に間隔をあけて複数(2つ)設けられている。
支持部材56は、第2移動部材552の延設部552bの上面に載置され、ボルトB3により当該上面に固定されている。支持部材56は、前後方向に延びるレールであって、第2部材52を前後方向に移動可能に支持している。つまり、支持部材56は、移動部材55に固定されて第2部材52を前後方向に移動可能に支持している。
第2部材52は、第1部材51に沿って前後方向に移動可能である。第2部材52には、アームレスト20が固定されている。第2部材52は、スライド部材521と取付部材522とを有している。スライド部材521は、前後方向に延びており、第1部材51の支持部材(レール)56に沿って前後方向にスライド移動可能である。取付部材522は、前後方向に間隔をあけて2つ設けられている。取付部材522は、下部がスライド部材521に固定されており、上部がボルトB4によりアームレスト20の第2下面22Dに取り付けられている。これにより、第2部材52が第1部材51に対して前後方向に移動可能である。第2部材52が第1部材51に対して前後方向に移動すると、アームレスト20が運転席10に対して前後方向(アームレスト20の長手方向)に移動する。
図13、図14に示すように、アームレスト20の第2下面22Dは、取付具63が取り付けられている。取付具63は、取付部材522と対応する位置に、前後方向に間隔をあけて2つ設けられている。取付具63に取付部材522を取り付けることによって、第2下面22Dに取付部材522を取り付けることができる。取付部材522が取り付けられるアームレスト20の第2下面22Dは、第1下面21Dに対して上方に位置している。そのため、アームレスト20の下方に移動機構50の配置スペースを確保し易くなる。
操作レバー53は、アームレスト20の下方に配置されている。操作レバー53は、アームレスト20の長手方向他方側(第2部分22側)に揺動支点531を有し、アームレスト20の長手方向一方側(第1部分21側)に把持部532を有する。言い換えれば、操作レバー53は、後方に揺動支点531を有し、前方に把持部532を有する。操作レバー53は、揺動支点531を中心として、把持部532が相対的に上方にある第1位置(図17の仮想線参照)と、把持部532が相対的に下方にある第2位置(図17の実線参照)とに揺動可能である。
操作レバー53は、揺動によってアームレスト20の長手方向(前後方向)への移動を許容又は阻止する。詳しくは、操作レバー53は、揺動によって第1部材51に対する第2部材52の移動を許容又は阻止する。
図13、図14、図17に示すように、操作レバー53は、揺動体58と回動体59とを有している。
揺動体58は、アームレスト20の下方(第2下面22Dの下方)において前後方向に延びている。揺動体58の後端部は、揺動支点531に取り付けられている。揺動体58は、揺動支点531回りに上方又は下方に揺動可能である。図15に示すように、揺動支点531は、車体幅方向に延びる円筒531aと、この円筒531aの内部に挿通されて軸回りに回転可能な中心軸531bと、を有している。円筒531aは、取付部材522に固定されている。
揺動体58の後端部は中心軸531bに固定されている。中心軸531bは、揺動体58の揺動に伴って軸回りに回転する。揺動体58の前部には、作業者が把持するための把持部532が設けられている。把持部532は、揺動体58の前端部から前方に突出して延びている。揺動体58は、把持部532を引き上げることにより揺動支点531回りに上方に揺動し、把持部532を押し下げることにより揺動支点531回りに下方に揺動する。
回動体59は、揺動体58の揺動に伴って前後方向に延びる軸回りに回動する。図15、図16に示すように、回動体59は、第1軸部591と第2軸部592とを有している。第1軸部591は、前後方向に延びている。第2軸部592は、第1軸部591の前部から運転席10に対して離れる側方(右方)に延びている。第1軸部591と第2軸部592とは一体に構成されている。具体的には、第1軸部591と第2軸部592とは、1本の軸(棒)を屈曲して構成されている。回動体59は、揺動体58の揺動に伴って第1軸部591の軸回りに回動する。図14、図17等に示すように、揺動体58には、第2軸部592が挿入される挿入部58aが形成されている。挿入部58aは、揺動体59の長手方向(前後方向)に延びる長穴として形成されている。
図14〜図18等に示すように、回動体59には、爪部60が設けられている。爪部60は、回動体59の第1軸部591の外周面に固定されており、第1軸部591の軸回りの回動に伴って回動する。爪部60は、基端部(上部)が第1軸部591の外周面に固定されており、先端部(下部)には櫛歯状に突出した突出部60aが設けられている。突出部60aは、前後方向に間隔をあけて複数(本実施形態の場合、3つ)設けられている。爪部60の基端部と先端部との間の中間部は、略L字状に湾曲している。
図15等に示すように、スライド部材521には、回動体59を回動可能に支持する軸支持部61が設けられている。軸支持部61は、固定部61aと軸受部61bとを有している。固定部61aは、スライド部材521の上面に固定されている。軸受部61bは、固定部61aから車体外方側に延びている。軸受部61bには、回動体59の第1軸部591が軸回りに回動可能に挿入されている。
図16、図17等に示すように、第1部材51は、爪部60が挿入又は離脱される係止部62を有している。係止部62は、第1部材51の第2移動部材552に固定されている。但し、係止部62は、第1部材51の別の部位(支持部材56、第1移動部材551等)に固定されていてもよい。係止部62は、第2移動部材552の下面から車体外方側に延びている。係止部62は、係止溝62aを有している。この係止溝62aには、爪部60の複数の突出部60aのいずれかが挿入され、離脱される。尚、係止溝62aに代えて係止孔(長孔)を設けてもよい。
操作レバー53が、把持部532が下方にある第2位置(図17の実線参照)にあるとき、第1部材51の係止部62の係止溝62aに爪部60の突出部60aが挿入されている(図16に実線で示す突出部60aを参照)。これにより、第1部材51に対する第2部材52の移動(前後方向の移動)が阻止される。そのため、アームレスト20は、前後方向(アームレスト20の長手方向)への移動が阻止される。
図17に矢印C2で示すように、操作レバー53を上方に引き上げると、揺動体58が揺動支点531を中心に上方に揺動する。揺動体58が上方に揺動すると、揺動体58の挿入部58aに挿入された回動体59の第2軸部592が上方に押されるため、第2軸部592は前後方向に延びる軸回りに上方に回動する。これにより、回動体59が第1軸部591の軸回りの一方(図16の矢印C1方向)に回動する。回動体59が第1軸部591の軸回りの一方に回動すると、第1軸部591の外周面に固定された爪部60も第1軸部591の軸回りの一方に回動し、爪部60の突出部60aが係止部62の係止溝62aから離脱する(図16に仮想線で示す突出部60aを参照)。これにより、第1部材51に対する第2部材52の移動(前後方向の移動)が許容される。そのため、アームレスト20は、前後方向(アームレスト20の長手方向)への移動が可能となる。
操作レバー53の把持部532を把持して下方に押し下げると、揺動体58が揺動支点531を中心に下方に揺動し、揺動体58の挿入部58aに挿入された回動体59の第2軸部592が下方に押される。そのため、第2軸部592は前後方向に延びる軸回りに下方に回動し、回動体59が第1軸部591の軸回りの他方(図16の矢印C1と反対方向)に回動する。これにより、爪部60の突出部60aが係止部62の係止溝62aに挿入される。その結果、アームレスト20は、前後方向(アームレスト20の長手方向)への移動が阻止される。
アームレスト20の前後方向の位置は、爪部60の複数の突出部60aのうちのどれを係止溝62aに挿入するかによって調整することができる。例えば、爪部60の3つの突出部60aのうちの中央の突出部60aを係止溝62aに挿入した場合(図18の(b)図参照)のアームレスト20の位置を基準位置とすると、最も前方にある突出部60aを係止溝62aに挿入した場合(図18の(c)図参照)のアームレスト20の位置は、基準位置よりも後方となる。最も後方にある突出部60aを係止溝62aに挿入した場合(図18の(a)図参照)のアームレスト20の位置は、基準位置よりも前方となる。
図2において、アームレスト20が前方に移動した場合の位置の一例を仮想線20Xで示し、アームレスト20が後方に移動した場合の位置の一例を仮想線20Yで示す。また、図19において、アームレスト20が前方に移動した場合のスライド部材521及び取付部材522の位置の一例を仮想線521X,522Xで示し、アームレスト20が後方に移動した場合のスライド部材521及び取付部材522の位置の一例を仮想線521Y,522Yで示す。
尚、アームレスト20の前後方向への移動範囲は、適宜変更(増減)することができる。移動範囲の変更は、突出部60a及び/又は係止溝62aの数を増やしたり、突出部60a及び係止溝62aの前後方向の間隔を拡げたり、突出部60a及び/又は係止溝62aの形状や位置を変更したりすることによって行うことができる。また、爪部60及び/又は係止部62の形状や取り付け位置を変更することもできる。
図3、図13に示すように、運転席10の座部10bの下方には、運転席10を前後方向に移動させるための第2移動機構70が設けられている。第2移動機構70は、車体幅方向において、アームレスト20の移動機構50が設けられた側(右側)に設けられている。第2移動機構70は、上レール71と、下レール72と、操作レバー73と、を有している。上レール71及び下レール72は、前後方向に延びている。上レール71は、運転席10の座部10bの下面に固定された固定板74に取り付けられている。下レール72は、運転席10の下方に設けられた基台75に取り付けられている。上レール71は、下レール72に対して前後方向に移動可能である。操作レバー73は、揺動支点731と把持部732とを有している。操作レバー73は、揺動支点731を中心とした上方又は下方への揺動によって、上レール71の下レール72に対する移動を許容又は阻止する。上レール71を下レール72に対して前後方向に移動させることにより、運転席10を前後方向に移動させることができる。
図3に示すように、アームレスト20を移動させる移動機構50は、第2移動機構70に対して車体外方側に配置されている。図13に示すように、操作レバー53の把持部532は、操作レバー73の把持部732に対して後方に配置されている。操作レバー53の揺動支点531は、操作レバー73の揺動支点731に対して後方に配置されている。
アームレスト20を移動させる移動機構50は、第2移動機構70と独立した機構である。これにより、アームレスト20を運転席10に対して前後方向に移動させることができる。言い換えれば、運転席10を移動させなくても、アームレスト20のみを移動させることができる。
また、図3に示すように、運転席10の左側部には、スイベル調節レバー76が設けられている。スイベル調節レバー76を操作することによって、運転席10を左方又は右方に所定の角度範囲で回転させることができる。例えば、運転席10に着座した作業者が後方を見ながら作業を行う場合には、運転席10を右方に回転させて行うことができる。
<キャビン、表示装置の支持部材>
図10〜図12、図36、図37に示すように、キャビン11は、運転席10の周囲に立設された複数の支柱81と、支柱81の上部に支持されたルーフ82とを有している。
複数の支柱81は、前部支柱83L,83R、後部支柱84L,84R、側部支柱85L,85Rを含む。前部支柱83Lは、運転席10の左前方に設けられている。前部支柱83Rは、運転席10の右前方に設けられている。後部支柱84Lは、運転席10の左後方に設けられている。後部支柱84Rは、運転席10の右後方に設けられている。側部支柱85L,85Rは、運転席10の側方に設けられている。側部支柱85Lは、運転席10の左方に設けられており、前部支柱83Lと後部支柱84Lとの間に位置している。側部支柱85Rは、運転席10の右方に設けられており、前部支柱83Rと後部支柱84Rとの間に位置している。
前部支柱83Lと前部支柱83Rとの間には前部窓(フロントガラス)が設けられている。側部支柱85Lと後部支柱84Lとの間、及び、側部支柱85Rと後部支柱84Rとの間には、それぞれ側部窓(サイドガラス)86が設けられている。後部支柱84Lと後部支柱84Rとの間には後部窓(リヤガラス)87が設けられている。キャビン11の後部窓87は、アームレスト20の後方に配置されている。側部支柱85L,85Rには開閉可能なドアが取り付けられており、当該ドアの下部には乗降口88が設けられている。
図10〜図12、図20、図21に示すように、側部支柱85Rには、表示装置100を支持する支持部材90が取り付けられている。支持部材90は、上部位90aと、下部位90bと、前部位90cと、を有している。上部位90a及び下部位90bは、側部支柱85Rに取り付けられている。上部位90aは、側部支柱85Rの上部から前方に延びている。下部位90bは、上部位90aの下方において側部支柱85Rから前方に延びている。前部位90cは、上下方向に延びており、上部位90aの前端部と下部位90bの前端部とを接続している。支持部材90は、全体としてU字状に形成されている。
図12に示すように、側部支柱85Rは、運転席10の側方(右方)に設けられたサイドコンソール110の上面から上方に突出した突出部位85R1を有している。突出部位85R1は、コンソール110の上面からルーフ82の下面までの高さ範囲(図12に破線で示された範囲)に配置されている。
支持部材90の上部位90aは、突出部位85R1の上下方向の中心よりも上方に配置されている。下部位90bは、突出部位85R1の上下方向の中心よりも下方に配置されている。但し、上部位90aと下部位90bの両方を、突出部位85R1の上下方向の中心よりも上方に配置してもよい。
図21に示すように、上部位90a及び下部位90bには、取付具92が設けられている。取付具92は、上部位90aの後端部及び下部位90bの後端部にそれぞれ固定されている。取付具92は、ボルト等によって側部支柱85Rに取り付けられる。これにより、支持部材90が側部支柱85Rに取り付けられる。
図10に示すように、支持部材90は、アームレスト20よりも上方に配置されている。下部位90bは、運転席10の背もたれ部10aよりも上方に配置されている。図11に示すように、前部位90cは、前後方向において、アームレスト20の前端部よりも前方に位置している。
図21に示すように、支持部材90は、取付部材91を介して表示装置100を支持している。本実施形態の場合、表示装置100は、下部位90bに支持されているが、上部位90aに支持されていてもよい。また、2つの表示装置100が、下部位90bと上部位90aにそれぞれ支持されていてもよい。また、表示装置100は、前部位90cに支持されていてもよい。
取付部材91は、表示装置100を上部位90a又は下部位90bに対して取り付けている。本実施形態の場合、取付部材91は、表示装置100を下部位90bに対して取り付けている。取付部材91は、表示装置100に取り付けられる第1取付部91aと、支持部材90に取り付けられる第2取付部91bと、を有している。第1取付部91aは、表示装置100の背面(表示部101と反対側の面)に取り付けられている。第2取付部91bは、支持部材90の下部位90bに取り付けられている。
表示装置100を支持部材90に対して取り付けるための取り付け構造は、表示装置100を上部位90a又は下部位90bに対して前後方向にスライド可能に支持する機構(スライド機構)を有している。スライド機構の構成は特に限定されないが、例えば、図21に示すように、第2取付部91bをC字状に形成する構成とすることができる。この場合、第2取付部91bによって、下部位90b(又は上部位90a)の上面と下面と右面(表示装置100と反対側の面)を囲うことができる。この構成によれば、図22の矢印及び仮想線に示すように、第2取付部91bと共に表示装置100を下部位90b(又は上部位90a)に沿ってスライドさせることができる。
また、スライド機構の別の例として、上部位90a又は下部位90bに前後方向に延びる溝を形成し、取付部材91の第2取付部91bを当該溝に沿って移動可能な形状とする構成を採用することができる。或いは、取付部材91の第2取付部91bを、上部位90a又は下部位90bを囲うような環状に形成する構成を採用することができる。
また、表示装置100を支持部材90に取り付けるための取り付け構造は、表示装置100の支持部材90に対する取付角度を変更可能とする機構(角度調整機構)を有することが好ましい。角度調整機構は、表示装置100の表示部の向きを、運転席10に着座した作業者の正面又は正面に近い方向を向くことができることが好ましい。角度調整機構の構成は特に限定されないが、例えば、取付部材91に屈曲可能な部分(例えば、蛇腹状部分)や回転可能な部分を設ける構成を採用することができる。
図21に示すように、支持部材90は、内部空間を有する中空状の部材である。具体的には、支持部材90は、角パイプ又は丸パイプをU字状に折り曲げて形成される。支持部材90の内部空間は、表示装置100に接続されるハーネス(電気信号を送信するケーブル)93が挿通される挿通部90dを構成している。本実施形態の場合、挿通部90dは、上部位90aと前部位90cと下部位90bとにわたって連通している。但し、挿通部90dは、上部位90a、下部位90b、前部位90cの少なくともいずれかの部位に設けられていればよい。挿通部90dは、支持部材90の端部(上部位90aの後端部、下部位90bの後端部)において開口している。言い換えれば、挿通部90dは、支持部材90の端部に設けられた開口部94と連通している。
支持部材90は、挿通部90dに挿通されたハーネス93を表示装置100に向けて取り出すための取出し部90eを有している。取出し部90eは、挿通部90dを構成する内部空間と連通する開口である。本実施形態の場合、取出し部90eは、上部位90aと下部位90bにそれぞれ設けられている。但し、取出し部90eは、挿通部90dと連通可能な位置であれば、上部位90a、下部位90b、前部位90cの少なくともいずれかの部位に設けられていればよい。取出し部90eの位置及び数は、表示装置100の支持部材90に対する取り付け位置に応じて設定することができる。
図24に示すように、表示装置100は、運転席10の前方に設けられたメータパネル19内に設けてもよい。メータパネル19は、コラムカバー14の上部であってステアリングホイール12の前方に配置される。メータパネル19には、エンジン8の回転数を表示するエンジン回転計19a、水温計19b、燃料計19c、表示装置100が設けられている。図示例では、表示装置100の左方にエンジン回転計19aが配置され、表示装置100の右方に水温計19bと燃料計19cが配置されているが、配置は変更してもよい。
<サイドコンソール>
図1、図10、図11に示すように、運転席10の側方(右方)にはサイドコンソール110が設けられている。サイドコンソール110は、アームレスト20の車体外方側の側方(右方)に配置されている。言い換えれば、サイドコンソール110は、アームレスト20の運転席10側と反対側の側方に設けられている。つまり、サイドコンソール110と運転席10との間に、アームレスト20が配置されている。サイドコンソール110の前端部は運転席10よりも前方に位置し、サイドコンソール110の後端部は運転席10よりも後方に位置している。
図25〜図27に示すように、サイドコンソール110には、アームレスト20に設けられた操作具30とは異なる操作を行う他の操作具120が設けられている。他の操作具120は、第1操作レバー121、第2操作レバー122、PTOスイッチ123、DPF再生禁止スイッチ124、第1操作スイッチ125、第2操作スイッチ126、制御スイッチ127を含む。他の操作具120の詳細については後述する。
サイドコンソール110は、上板110Uと側板110Sとを有している。上板110Uは、サイドコンソール110の上面を構成しており、前後方向に延びている。上板110Uは、後方から前方に向かうにつれて下方に移行するように湾曲している。側板110Sは、上板110Uの運転席10側の縁部(左縁部)から下方に延びている。側板110Sは、サイドコンソール110の左面及び前面を構成している。側板110Sは、後方から前方に向かうにつれて運転席10から離れる側(車体外方側)に移行している。側板110Sの前部は、左後方から右前方に向かう湾曲面となっている。
図25、図26に示すように、側板110Sの前部には、取り外し可能な蓋111が設けられている。図28に示すように、蓋111の内側(サイドコンソール110の前部の内部)の空間S2には、ヒューズボックス112とリレーボックス113が配置されている。ヒューズボックス112には、ヒューズが収容されている。リレーボックス113には、リレーが収容されている。ヒューズ及びリレーは、作業車両1内に配策された電気ケーブルと接続されている。蓋111の内側には、ヒューズボックス112及びリレーボックス113を支持するステー114が設けられている。
図25、図26に示すように、上板110Uは、外領域110Uaと、内領域110Ubと、前領域110Ucと、を有している。外領域110Uaは、上板110Uの車体外方側(右側)に位置する領域である。内領域110Ubは、上板110Uの車体内方側(左側)に位置する領域である。外領域110Uaは、内領域110Ubよりも前方まで延びている。前領域110Ucは、上板110Uの前部に位置する領域である。前領域110Ucは、外領域110Ua及び内領域110Ubに比べて凹んだ領域である。前領域110Ucは、内領域110Ubの前方に設けられている。前領域110Ucの後部は、内領域110Ubの前部と段差を有して(内領域110Ubの前部から凹んで)連続している。前領域110Ucの右後部は、外領域110Uaの左前部と段差を有して(外領域110Uaの左前部から凹んで)連続している。
図25〜図27に示すように、外領域110Uaには、第1溝115と第2溝116とが設けられている。第1溝115及び第2溝116は、上板110Uを貫通する長穴として形成されている。第1溝115は、第2溝116の前方に配置されている。第1溝115は、互いに平行に延びる第1溝115Aと第1溝115Bとから構成されている。第2溝116は、互いに平行に延びる第2溝116Aと第2溝116Bとから構成されている。第1溝115Aは、第1溝115Bの前方に配置されている。第2溝116Aは、第2溝116Bの前方に配置されている。
第1溝115と第2溝116は、運転席10から離れるにつれて(車体外方に向かうにつれて)次第に離間するように配置されている。具体的には、上面視において、第1溝115は、運転席10から離れるにつれて前方に移行するように斜め外前方に向けて延びている。第2溝116は、運転席10から離れるにつれて後方に移行するように斜め外後方に向けて延びている。尚、第2溝116は、上面視において、車体幅方向に延びていてもよい。
外領域110Uaには、第1操作レバー121と第2操作レバー122とが設けられている。第1操作レバー121及び第2操作レバー122は、作業装置への作動油の供給を制御する油圧補助コントロールレバーである。本実施形態の場合、第1操作レバー121及び第2操作レバー122は、それぞれ2本設けられている。具体的には、第1操作レバー121は、第1操作レバー121Aと第1操作レバー121Bとを含む。第2操作レバー122は、第2操作レバー122Aと第2操作レバー122Bとを含む。つまり、油圧補助コントロールレバーは、4連の操作レバーである。但し、第1操作レバー121及び第2操作レバー122の本数は、それぞれ2本には限定されない。
図11に示すように、第1操作レバー121は、運転席10の側方(右方)に配置されている。第1操作レバー121は、前後方向において背もたれ部10aの前方であって且つ座部10bとオーバーラップする位置に配置されている。第1操作レバー121は、第1溝115に挿通されている。具体的には、第1溝115Aには、第1操作レバー121Aが挿通されている。第1溝115Bには、第1操作レバー121Bが挿通されている。第1操作レバー121は、第1溝115に沿って、運転席10に接近する第1位置(図27の仮想線参照)と運転席10から離れる第2位置(図27の実線参照)とに揺動可能である。言い換えれば、第1溝115は、第1操作レバー121の揺動方向に延びている。
第2操作レバー122は、第2溝116に挿通されている。具体的には、第2溝116Aには、第2操作レバー122Aが挿通されている。第2溝116Bには、第2操作レバー122Bが挿通されている。第2操作レバー122は、第2溝116に沿って、運転席10に接近する第3位置(図27の仮想線参照)と運転席10から離れる第4位置(図27の実線参照)とに揺動可能である。言い換えれば、第2溝116は、第2操作レバー122の揺動方向に延びている。
第2操作レバー122は、第1操作レバー121の後方に設けられている。第2操作レバー122の少なくとも一部(全部又は一部)は、前後方向において運転席10の後方に配置されている。本実施形態の場合、第2操作レバー122Bが前後方向において運転席10の後方に配置されている。図11に示すように、第2操作レバー122Aは、前後方向において運転席10の背もたれ部10aとオーバーラップする位置に配置されている。
図27に示すように、第2位置にある第1操作レバー121と第4位置にある第2操作レバー122との間の距離(前後方向の距離)は、第1位置にある第1操作レバー121と第2位置にある第2操作レバー122との間の距離(前後方向の距離)に比べて大きい。言い換えれば、第1操作レバー121及び第2操作レバー122は、運転席10から離れる方向(車体外方側)に向けて揺動操作したときに、第1操作レバー121と第2操作レバー122との間の前後方向の距離が次第に大きくなる。
外領域110Uaにおける第2溝116の後方(第2操作レバー122の後方)には、シガーソケット117が設けられている。
図25〜図27等に示すように、サイドコンソール110には、支柱カバー118が設けられている。支柱カバー118は、上板110Uから上方に立設されている。支柱カバー118は、第1操作レバー121と第2操作レバー122との間(第1溝115と第2溝116との間)に立設されている。支柱カバー118は、側部支柱85Rの運転席10側を覆っている。図20、図21、図23に示すように、支柱カバー118は、第1部位118aと、第2部位118bと、第3部位118cと、を有している。第1部位118aは、側部支柱85Rの前方に配置されている。第2部位118bは、側部支柱85Rの後方に配置されている。第3部位118cは、側部支柱85Rの左方に配置されており、側部支柱85Rの運転席10側を覆っている。
側部支柱85Rは、支柱カバー118により三方(前方、左方、後方)を覆われた状態で、第1操作レバー121と第2操作レバー122との間(第1溝115と第2溝116との間)に配置されている。
図23に示すように、支柱カバー118と側部支柱85Rとの間には、空間S3が形成されている。空間S3は、支柱カバー118の第1部位118a、第2部位118b、第3部位118cの内面と、側部支柱85Rの外面との間に形成されている。
図20、図26に示すように、支柱カバー118には、切欠部118dが形成されている。切欠部118dは、支柱カバー118と側部支柱85Rとの間に形成された空間S3にハーネス93を通すために形成されている。ハーネス93は、キャビン11の内部の機器と外部の機器とを電気的に接続する。切欠部118dは、支柱カバー118の第1部位118aに形成されている。
切欠部118dは、第1部位118aの上部に形成された第1切欠部118d1と、第1切欠部118d1の下方に形成された第2切欠部118d2とを含む。図20、図21に示すように、第1切欠部118d1には、支持部材90の上部位90aが挿入されている。第2切欠部118d2には、支持部材90の下部位90bが挿入されている。ハーネス93は、キャビン11の外部から側部支柱85Rの内部空間S4を通って上方に延び、側部支柱85Rに形成された貫通孔85Ra(図23参照)から出て、支柱カバー118と側部支柱85Rとの間に形成された空間S3に挿入される。空間S3に挿入されたハーネス93は、空間S3を通って支持部材90の端部(上部位90aの後端部又は下部位90bの後端部)から支持部材90の内部空間(挿通部90d)に導入される。支持部材90の内部空間(挿通部90d)に導入されたハーネス93は、上部位90a及び下部位90bと共に切欠部(第1切欠部118d、第2切欠部118d)を通過して前方に延び、取出し部90eから取り出されて表示装置100に接続される。
図25〜図27に示すように、サイドコンソール110の上板110Uの内領域110Ubには、複数の他の操作具120が前後方向に並んで配置されている。内領域110Ubの最前部には、PTOスイッチ123が配置されている。PTOスイッチ123は、PTO軸9から作業装置への動力伝達を許容又は遮断するスイッチである。PTOスイッチ123の後方には、DPF再生禁止スイッチ124が配置されている。DPF再生禁止スイッチ124は、DPF(Diesel Particulate Filter)の再生処理を禁止するスイッチである。DPF再生禁止スイッチ124の後方には、第1操作スイッチ125が配置されている。第1操作スイッチ125は、フロントワイパ及びリアワイパを操作するためのスイッチである。第1操作スイッチ125の後方には、第2操作スイッチ126が配置されている。第2操作スイッチ126は、車体2に設けられた作業灯の点灯又は消灯を行うためのスイッチである。第2操作スイッチ126の後方には、制御スイッチ127が配置されている。制御スイッチ127は、作業装置の水平制御装置(モンロー)を制御するスイッチである。制御スイッチ127は、内領域110Ubの最後部に配置されている。
他の操作具120は、アームレスト20よりも後方に設けられた操作具を含んでいる。具体的には、制御スイッチ127は、前後方向において、アームレスト20よりも後方に配置されている。また、制御スイッチ127は、前後方向において、運転席10よりも後方に配置されている。かかる制御スイッチ127の配置によって、運転席10に着座した作業者が後方(斜め後方)を向いて行う水平制御装置(モンロー)の操作を容易に行うことが可能となる。
図25〜図27に示すように、サイドコンソール110の上板110Uの前領域110Ucには、側面視円弧状に突出する突出部110dが設けられている。突出部110dには、略前後方向に延びる溝110eが設けられている。溝110eは、前方に向かうにつれて車体外方に移行している。溝110eには、副変速装置を操作する副変速レバー128が挿通されている。つまり、主変速レバー(第3走行操作具)30A3はアームレスト20に設けられ、副変速レバー128はサイドコンソール110に設けられている。副変速レバー128は、溝110eに沿って略前後方向に揺動可能である。副変速レバー128のレバー軸には、樹脂製のカバー129が取り付けられている。樹脂製のカバー129は、サイドコンソール110の内部に配置されて溝110eを下方から覆っている。
前領域110Ucの最前部には、フロントローダ(図示せず)の操作レバー130が設けられている。フロントローダは、必要に応じて車体2の前部に装着される。図26に示すように、フロントローダの操作レバー130は、前領域110Ucの最前部に設けられた貫通孔110fに挿通されて、ヒューズボックス112及びリレーボックス113を支持するステー114により支持される。尚、車体2にフロントローダが装着されない場合、貫通孔110fは飲料容器等を保持可能なカップホルダとして利用可能である。
<乗降ステップ>
図36、図37に示すように、キャビン11の側方且つ下方には乗降ステップ140が設けられている。乗降ステップ140は、キャビン11の左方と右方とにそれぞれ設けられている。乗降ステップ140は、前輪3Fと後輪3Rとの間に設けられている。乗降ステップ140は、上段ステップ141と下段ステップ142とを含む。上段ステップ141は、キャビン11の乗降口88の下方に設けられている。下段ステップ142は、上段ステップ141の下方に設けられている。
以下、キャビン11の左方に設けられた上段ステップと下段ステップをそれぞれ「上段ステップ141L」、「下段ステップ142L」という。また、キャビン11の右方に設けられた上段ステップと下段ステップをそれぞれ「上段ステップ141R」、「下段ステップ142R」という。
図30、図37に示すように、上段ステップ141L,141Rは、キャビン11の下部に取り付けられた支持体143に支持されている。上段ステップ141L,141Rは、支持体143により車体2に対する位置が固定されている。支持体143は、前支持体143aと後支持体143bと連結板143cとを有している。前支持体143aは、上段ステップ141Lの前部に接続されて上方に延びている。後支持体143bは、上段ステップ141Lの後部に接続されて上方に延びている。連結板143cは、前支持体143aと後支持体143bとを連結している。
図36に示すように、下段ステップ142L,142Rは、上段ステップ141L,141Rに対して車体外方にずれた位置に配置されている。具体的には、下段ステップ142Lは、上段ステップ141Lに対して左方にずれた位置に配置されている。下段ステップ142Rは、上段ステップ141Rに対して右方にずれた位置に配置されている。
図29等に示すように、下段ステップ142Lは、第1ステップ部材144と第2ステップ部材145とを有している。
第1ステップ部材144は、基部144aと、第1外延部144bと、第2外延部144cと、を有している。基部144aは、前後方向に延びている。第1外延部144bは、基部144aの前端部から車体外方(左方)に延びている。第2外延部144cは、基部144aの後端部から車体外方(左方)に延びている。
基部144aには、複数(本実施形態の場合は4つ)の第1貫通孔144dが形成されている。複数の第1貫通孔144dは、前後方向に間隔をあけて配置されている。第1外延部144b及び第2外延部144cには、それぞれ複数(本実施形態の場合は2つ)の第2貫通孔144eが形成されている。複数の第2貫通孔144eは、車体幅方向に間隔をあけて配置されている。
第2ステップ部材145は、ステップ板146と、ステップ板146の前部に設けられた前板147と、ステップ板146の後部に設けられた後板148と、を有している。ステップ板146は、キャビン11に乗降する作業者が足を載せるための矩形状の板である。尚、図29、30,33ではステップ板146に設けられた開口部を省略している。前板147の前面は、第1外延部144bの後面と当接している。後板148の後面は、第2外延部144cの前面と当接している。
前板147、後板148、基部144a、第1外延部144b、第2外延部144cは、ステップ板146を前後方向に移動可能に支持する支持機構を構成している。当該支持機構は、ステップ板146の側縁(前縁、後縁、左縁)に沿って設けられている。当該支持機構の上端部(上縁)は、ステップ板146の上面よりも上方に位置している。
前板147及び後板148には、それぞれ複数(本実施形態の場合は3つ)のねじ孔149が形成されている。複数のねじ孔149は、車体幅方向に間隔をあけて配置されている。複数のねじ孔149の間隔(ピッチ)は、複数の第2貫通孔144eの間隔(ピッチ)と等しい。これにより、第2貫通孔144eとねじ孔149とを重ねることができる。第2貫通孔144eとねじ孔149は、ステップ板146の上面よりも上方に位置する。
第2ステップ部材145は、第1ステップ部材144に対してボルトB5により取り付けられている。第1ステップ部材144に対する第2ステップ部材145の取り付けは、第1外延部144bの第2貫通孔144eと前板147のねじ孔149とを重ね、第2外延部144cの第2貫通孔144eと後板148のねじ孔149とを重ねた後、ボルトB5の軸部を第2貫通孔144eに挿通してねじ孔149に螺合することにより行われる。尚、ねじ孔149を貫通孔として、ボルトB5の軸部にナットを螺合してもよい。
第1ステップ部材144に対して第2ステップ部材145を取り付ける際に、第2貫通孔144eに対して重ねるねじ孔149をずらしてボルトB5の軸部を螺合することにより、第2ステップ部材145に対する第1ステップ部材144の位置(車体幅方向の位置)を変更することができる。例えば、2つの第2貫通孔144eと3つのねじ孔149のうちの車体内方側の2つとを重ねてボルトB5の軸部を螺合した場合(図32の実線参照)と、2つの第2貫通孔144eと3つのねじ孔149のうちの車体外方側の2つとを重ねてボルトB5の軸部を螺合した場合(図32の仮想線参照)とでは、第2ステップ部材145に対する第1ステップ部材144の位置(車体幅方向の位置)が異なる。つまり、第2ステップ部材145は、第1ステップ部材144に対して車体内方(キャビン11に接近する側方)又は車体外方(キャビン11から離れる側方)に移動可能である。
図31等に示すように、第1ステップ部材144は、第1支持フレーム150に接続されている。第1支持フレーム150は、尿素水を貯留する尿素タンク160を支持している。第1支持フレーム150は、クラッチハウジング6に接続されている。但し、第1支持フレーム150は、クラッチハウジング6に代えてミッションケース7に接続されていてもよい。
第1支持フレーム150は、タンク支持フレーム151と接続フレーム152とを有している。支持フレーム151は、尿素タンク160を支持している。接続フレーム152は、タンク支持フレーム151をクラッチハウジング6と接続している。タンク支持フレーム151は、外部材151aと、内部材151bと、前部材151cと、後部材151dと、を有している。外部材151aは、尿素タンク160の車体外方側を支持する。内部材151bは、尿素タンク160の車体内方側を支持する。前部材151cは、尿素タンク160の前部を支持する。後部材151dは、尿素タンク160の後部を支持する。外部材151aには、複数(本実施形態の場合は6つ)の第3貫通孔151eが形成されている。複数の第3貫通孔151eは、前後方向に間隔をあけて配置されている。
図30、図31、図34に示すように、接続フレーム152は、タンク支持フレーム151の内部材151bから車体内方且つ上方に延びている。接続フレーム152の一端側(車体外方側)は、内部材151bに接続されている。接続フレーム152の他端側(車体内方側)は、クラッチハウジング6の底部に接続されている。
図29に示すように、第1ステップ部材144は、第1支持フレーム150の外部材151aに対してボルトB6により取り付けられている。外部材151aに対する第1ステップ部材144の取り付けは、外部材151aの第3貫通孔151eと基部144aの第1貫通孔144dとを重ねた後、ボルトB6の軸部を第1貫通孔144d及び第3貫通孔151eに挿通し、当該軸部にナットN1を螺合することにより行われる。第1貫通孔144d及び第3貫通孔151eは、ステップ板146の上面よりも上方に位置する。
第1支持フレーム150の外部材151aに対して第1ステップ部材144を取り付ける際に、第1貫通孔144dに対して重ねる第3貫通孔151eをずらしてボルトB6の軸部を挿通することにより、第1支持フレーム150に対する第1ステップ部材144の位置(車体幅方向の位置)を変更することができる。例えば、4つの第1貫通孔144dと6つの第3貫通孔151eのうちの前方の4つとを重ねてボルトB6の軸部を挿通した場合(図33の仮想線参照)と、4つの第1貫通孔144dと6つの第3貫通孔151eのうちの後方の4つとを重ねてボルトB6の軸部を挿通した場合(図33の実線参照)とでは、第1支持フレーム150に対する第1ステップ部材144の位置(前後方向の位置)が異なる。つまり、第1ステップ部材144は、第1支持フレーム150に対して前後方向に移動可能である。そのため、第1ステップ部材144を含む下段ステップ142Lは、第1支持フレーム150に対して前後方向に移動可能となる。つまり、下段ステップ142Lが前後方向に移動可能となる。
そのため、例えば、作業車両1の後輪3Rの種類に応じて下段ステップ142Lが前後方向の位置を変更することができる。例えば、後輪3Rがタイヤである場合には下段ステップ142Lを後方寄りに配置し、後輪3Rがクローラである場合には下段ステップ142Lを前方寄りに配置することができる。これにより、後輪3Rがクローラである場合に、下段ステップ142Lと後輪3Rとが接近することが防がれる。
尚、上記実施形態では、下段ステップ142Lが前後方向と車体幅方向に移動可能であるが、下段ステップ142Rについても下段ステップ142Lと同様の構成によって前後方向と車体幅方向に移動可能としてもよい。
図31等に示すように、第1ステップ部材144は、第2支持フレーム153に接続されている。第2支持フレーム153は、燃料を貯留する燃料タンク165を支持している。燃料タンク165は、第1燃料タンク165Lと第2燃料タンク165Rとを含む。第1燃料タンク165Lは、クラッチハウジング6の左方に配置されている。第2燃料タンク165Rは、クラッチハウジング6の右方に配置されている。
図31、図34に示すように、第2支持フレーム153は、前支持フレーム154と後支持フレーム155とを含む。前支持フレーム154は、メインフレーム154Aとサブフレーム154Bとを有している。メインフレーム154Aは、車体幅方向に延びている。メインフレーム154Aは、車体幅方向の中央付近がクラッチハウジング6の底部に取り付けられている。メインフレーム154Aの左部は、第1燃料タンク165Lの前底部を支持している。メインフレーム154Aの右部は、第2燃料タンク165Rの底部を支持している。メインフレーム154Aの右部には、前延部材157が取り付けられている。前延部材157は、メインフレーム154Aの右部から前方に延びている。前延部材157は、第2燃料タンク165Rの前底部を支持している。前延部材157は、接続部材158を介してクラッチハウジング6の前底部と接続されている。
サブフレーム154Bは、メインフレーム154Aの前部に取り付けられており、車体幅方向の中央付近から左方に延びている。サブフレーム154Bは、接続部材156を介して第1ステップ部材144と接続されている。
接続部材156は、サブフレーム154Bの左端部に固定された接続板156Aと、この接続板156Aに取り付けられたステー156Bと、を有している。ステー156Bは、一端側(車体内方側)が接続板156Aに取り付けられ、他端側(車体外方側)が第1ステップ部材144に取り付けられている。ステー156Bの他端側には貫通孔が形成されており、当該貫通孔と第1ステップ部材144の第1貫通孔144dとが重ねられてボルトとナットにより締結されている。
後支持フレーム155は、前支持フレーム154の後方において、車体幅方向に延びている。後支持フレーム155は、メインフレーム155Aとサブフレーム155Bとを有している。メインフレーム155Aは、車体幅方向に延びている。メインフレーム155Aは、車体幅方向の中央付近がミッションケース7の底部に取り付けられている。メインフレーム155Aの右部は、第2燃料タンク165Rの後底部を支持している。サブフレーム155Bは、メインフレーム155Aの左前部に取り付けられている。サブフレーム155Bは、第1燃料タンク165Lの後底部を支持している。
図30、図37に示すように、第1燃料タンク165Lの給油口165Laは、尿素タンク160及び上段ステップ141Lよりも高い位置に設けられている。また、給油口165Laは、前輪3Fよりも高い位置に設けられている。図32に示すように、給油口165Laには、取り外し可能なキャップ166が取り付けられている。キャップ166には、当該キャップ166を取り外し不能とするための鍵が設けられている。給油口165Laは、第1燃料タンク165Lから延出された給油管167の先端に設けられている。給油管167は、複数の管を接続して構成されており、複数の管を接続する接続部167aを有している。給油管167の接続部167aの車体外方側は、上段ステップ141Lを支持する支持体143の連結板143cにより覆われる。これにより、キャビン11に乗降する作業者の足等が給油管167の接続部167aに当たることが防がれる。
図36、図37に示すように、尿素タンク160の供給口160aは、上段ステップ141L及び下段ステップ142Lの前方に配置されている。また、供給口160aは、下段ステップ142Lよりも高い位置であって上段ステップ141Lと略同じ高さ位置に配置されている。
<効果>
上記作業車両によれば、以下の効果を奏する。
作業車両1は、運転席10と、運転席10の側方に設けられ且つ、操作具30が設けられた第1表面部21Aと、運転席10に着座した作業者が肘を置くための第2表面部22Aと、を有するアームレスト20と、を備え、操作具30は、第1表面部21Aにおけるアームレスト20の長手方向一方側に設けられ且つ走行に関する操作を行う複数の走行系操作具30Aと、第1表面部21Aにおけるアームレスト20の長手方向他方側に設けられ且つ作業に関する操作を行う複数の作業系操作具30Bと、を含む。
この構成によれば、走行に関する操作を行う走行系操作具30Aと、作業に関する操作を行う作業系操作具30Bとがアームレスト20の長手方向の一方側と他方側とに分かれて設けられているため、走行系操作具30Aと作業系操作具30Bの位置を容易に認識して誤りなく操作することができ、操作性に優れている。
また、複数の走行系操作具30Aのうち少なくとも1つの走行系操作具は、第1の操作形態により操作される第1走行操作具30A1であり、複数の作業系操作具30Bのうち少なくとも1つの作業系操作具は、第1走行操作具30A1と同じ第1の操作形態により操作される第1作業操作具30B1である。
この構成によれば、同じ第1操作形態により操作される第1走行操作具30A1と第1作業操作具30B1とが分かれた位置に配置されるため、いずれか一方の操作具(第1走行操作具30A1又は第1作業操作具30B1)の操作が他方の操作具の操作に影響すること(意図せずに接触してしまうこと等)が防止できる。
また、複数の走行系操作具30Aのうち少なくとも1つの走行系操作具は、第1の操作形態とは異なる第2の操作形態により操作される第2走行操作具30A2であり、第2走行操作具30A2は、第1走行操作具30A1と第1作業操作具30B1との間に配置されている。
この構成によれば、同じ第1の操作形態により操作される第1走行操作具30A1と第1作業操作具30B1との間に、異なる第2の操作形態により操作される第2走行操作具30A2が配置されているため、それぞれの操作具を混同することなく正確に操作することができる。つまり、同じ操作形態の操作具が並んで配置されていると、操作具を混同して誤って操作してしまう虞があるが、同じ操作形態の操作具の間に異なる操作形態の操作具が配置されていることで、操作具を混同して操作することが防止できる。
また、複数の走行系操作具30Aのうち少なくとも1つの走行系操作具は、第1の操作形態及び第2の操作形態とは異なる第3の操作形態により操作される第3走行操作具30A3である。
この構成によれば、それぞれ操作形態が異なる3種類の走行系操作具(第1走行操作具30A1、第2走行操作具30A2、第3走行操作具30A3)の操作性が良好となる。
また、第1走行操作具30A1は、走行に関する操作を横軸回りの回転により行う回転ダイヤルであり、第2走行操作具30A2は、走行に関する操作を押圧により行うプッシュボタンであり、第3走行操作具30A3は、走行に関する操作を揺動により行う走行レバーである。
この構成によれば、第1走行操作具30A1、第2走行操作具30A2、第3走行操作具30A3の操作形態が大きく異なるため、同じ走行系操作具である第1走行操作具30A1、第2走行操作具30A2、第3走行操作具30A3をアームレスト20の長手方向に並んで配置することで操作性を高めつつ、各操作具を混同して操作することを防止できる。
また、第3走行操作具30A3は、運転席10側に配置され、第1走行操作具30A1及び第2走行操作具30A2は、第3走行操作具30A3と並ぶように運転席10と反対側に配置され、第2走行操作具30A2は、第1走行操作具30A1の前記長手方向他方側に配置されている。
この構成によれば、第3走行操作具30A3の操作性に優れるとともに、第1走行操作具30A1、第2走行操作具30A2、第3走行操作具30A3が集約して配置されることで操作性に優れた配置となる。
また、複数の作業系操作具30Bのうち少なくとも1つの作業系操作具は、第1の操作形態、第2の操作形態、第3の操作形態とは異なる第4の操作形態により操作される第2作業操作具30B2であり、第1作業操作具30B1はアームレスト20の上面(第1上面21U)に設けられており、第2作業操作具30B2はアームレスト20の運転席10側の側面(第1左側面21L)に設けられている。
この構成によれば、同じ作業系操作具である第1作業操作具30B1と第2作業操作具30B2とが、アームレスト20の異なる面(上面21Uと運転席10側の側面21L)において運転席10の近くに配置できるため、第1作業操作具30B1と第2作業操作具30B2の操作性に優れている。
また、複数の作業系操作具30Bのうち少なくとも1つの作業系操作具は、第1の操作形態、第2の操作形態、第3の操作形態、第4の操作形態とは異なる第5の操作形態により操作される第3作業操作具30B3であり、第3作業操作具30B3は、第1作業操作具30B1とアームレスト20の長手方向に並んで設けられている。
この構成によれば、それぞれ異なる操作形態により操作される第2走行操作具30A2、第1作業操作具30B1、第3作業操作具30B3がアームレスト20の長手方向に並んで配置される。そのため、3種類の操作具のいずれかの操作が他の2つの操作具の操作に影響すること(意図せずに接触してしまうこと等)が防止できる。また、アームレスト20の長手方向に並んで配置された操作具を混同して操作することが防止できる。
また、第2作業操作具30B2は、作業に関する操作を2つの操作部の選択的な押圧により行うシーソースイッチであり、第3作業操作具30B3は、作業に関する操作を縦軸回りの回転により行う回転ダイヤルである。
この構成によれば、第2作業操作具30B2と第3作業操作具30B3の操作形態が大きく異なるため、同じ作業系操作具である第2作業操作具30B2と第3作業操作具30B3を近い位置に配置して操作性を高めつつ、両操作具を混同して操作することを防止できる。
また、第1走行操作具30A1、第2走行操作具30A2、第1作業操作具30B1及び第3作業操作具30B3は、運転席10と反対側において前記長手方向に並んで略同一曲面上に配置されている。
この構成によれば、第1走行操作具30A1、第2走行操作具30A2、第1作業操作具30B1及び第3作業操作具30B3の操作性が優れたものとなる。
また、隣り合って配置された操作具30は、互いに異なる操作形態の操作具である。
この構成によれば、隣り合って配置された操作具の一方を操作したときに他方の操作具に意図せずに接触してしまうことや、隣り合って配置された操作具30を混同して誤操作することを効果的に防止できる。
また、作業車両1は、運転席10と、運転席10の側方に設けられ且つ操作具30が設けられた第1表面部21Aと、運転席10に着座した作業者が肘を置くための第2表面部22Aと、を有するアームレスト20と、を備え、操作具30は、第1表面部21Aにおけるアームレスト20の長手方向一方側に配置され且つ第1の操作形態により前記長手方向に操作される一方の第1操作具30A1と、第1表面部21Aにおけるアームレスト20の長手方向他方側に配置され且つ第1の操作形態により前記長手方向に操作される他方の第1操作具30B1と、前記長手方向において一方の第1操作具30A1と他方の第1操作具30B1との間に配置され且つ第1の操作形態とは異なる第2の操作形態により操作される第2操作具302と、を含む。
この構成によれば、第1の操作形態によりアームレスト20の長手方向に操作される一方の第1操作具30A1と他方の第1操作具30B1との間に、第1の操作形態とは異なる第2の操作形態により操作される第2操作具302が配置されている。そのため、一方又は他方の第1操作具30A1又は30B1を操作するときに意図せずに他方又は一方の第1操作具30B1又は30A1に接触する虞がなく、操作性に優れている。
また、第1の操作形態及び第2の操作形態とは異なる第3の操作形態により前記長手方向に操作される第3操作具303を備え、第3操作具303は、アームレスト20の幅方向一方側に配置され、一方の第1操作具30A1、他方の第1操作具30B1及び第2操作具302は、アームレスト20の幅方向他方側に配置されている。
この構成によれば、第1の操作形態及び第2の操作形態とは異なる第3の操作形態により前記長手方向に操作される第3操作具303と、一方の第1操作具30A1、他方の第1操作具30B1及び第2操作具302とがアームレスト20の幅方向の一方側と他方側とに分かれて配置されている。そのため、アームレスト20の長手方向に操作される第3操作具303を操作する際に、同じくアームレスト20の長手方向に操作される一方の第1操作具30A1及び他方の第1操作具30B1と接触することが防がれる。
また、アームレスト20の上面(第1上面21U)には、第1領域21U1と、第1領域21U1に対して凹んだ第2領域21U2と、が形成されており、第3操作具303は第1領域21U1に配置され、一方の第1操作具30A1、他方の第1操作具30B1及び第2操作具302は第2領域21U2に配置されている。
この構成によれば、アームレスト20の長手方向に操作される第3操作具303を操作する際に、同じくアームレスト20の長手方向に操作される一方の第1操作具30A1及び他方の第1操作具30B1と接触することが、より確実に防がれる。
また、アームレスト20の上面(第1上面21U)には、第1領域21U1と第2領域21U2との間を仕切る仕切り板45が突設されており、仕切り板45は、他方の第1操作具30B1の側方に配置されている。
この構成によれば、第1領域21U1に配置された第3操作具303を操作するときに、意図せずに他方の第1操作具30B1に接触することが防がれる。
また、第2領域21U2から第1領域21U1に向けて立ち上がる起立面24を有し、仕切り板45は、起立面24の延長線上に形成されている。
この構成によれば、仕切り板24を他方の第1操作具30B1に接近させて配置することができるため、他方の第1操作具30B1への意図しない接触を効果的に防止できる。
また、第2領域21U2から第1領域21U1に向けて立ち上がる起立面24を有し、起立面24は、第1起立面241と、第1起立面241に対して運転席10から離れた側に位置する第2起立面242とを有し、仕切り板45は、第2起立面242の延長線上であって且つ他方の第1操作具30B1の側方に配置されている。
この構成によれば、仕切り板24を他方の第1操作具30B1に接近させて配置することができるため、他方の第1操作具30B1への意図しない接触を効果的に防止できる。
仕切り板45の上面は、上向きに凸の曲面に形成されている。
この構成によれば、仕切り板45によって他方の第1操作具30B1への意図しない接触や仕切り板45への接触による圧迫や怪我を防止できる。
また、アームレスト20の上面(第1上面21U)は、上向きに凸の曲面に形成されており、仕切り板45の上面の曲率半径は、アームレスト20の上面21Uの曲率半径よりも小さい。
この構成によれば、仕切り板45の上面をアームレスト20の上面21Uから円弧状に突出させて形成することができるため、他方の第1操作具30B1への意図しない接触や仕切り板45への接触による圧迫や怪我を効果的に防止できる。
また、一方の第1操作具30A1及び他方の第1操作具30B1は、横軸回りの回転により操作を行う回転ダイヤルであり、第2操作具302は、押圧により操作を行うプッシュボタンであり、第3操作具303は、揺動により操作を行う揺動レバーである。
この構成によれば、横軸回りの回転により操作を行う回転ダイヤルである一方の第1操作具30A1と他方の第1操作具30B1との間に、押圧により操作を行うプッシュボタンである第2操作具302が配置される。そのため、一方の第1操作具30A1の回転操作と他方の第1操作具30B1の回転操作とを離れた位置で行うことができ、誤操作が起こりにくく操作性に優れている。また、揺動により操作を行う揺動レバーである第3操作具303が、一方の第1操作具30A1及び他方の第1操作具30B1とは異なる領域(第2領域)に配置されるため、誤操作が起こりにくく操作性に優れている。
また、アームレスト20の運転席10側の側面(第1左側面21L)に配置され且つ第1の操作形態、第2の操作形態、第3の操作形態とは異なる第4の操作形態により操作される第4操作具304を備え、第4操作具304は、作業に関する操作を2つの操作部の選択的な押圧により行うシーソースイッチであり、2つの操作部のうち一方の操作部(第1操作部)43が他方の操作部(第2操作部)44に対して上方且つ前方に配置されている。
この構成によれば、第4操作具304は、運転席10側から見た側面視において、上方に向かうにつれて前方に移行するように傾斜する。そのため、運転席10に着座した作業者が片手をアームレスト20に載せた状態にて親指で第4操作具304を操作するとき、第4操作具304の一方の操作部43と他方の操作部44の並び方向が親指の動きの方向に沿う方向となり、操作性が良好となる。
また、アームレスト20の運転席10側の側面21Lには、下方から上方に向かうにつれて運転席10から離れるように傾斜した傾斜面23aを有する凹部23が形成されており、第4操作具304は傾斜面23aに配置されている。
この構成によれば、運転席10に着座した作業者が片手をアームレスト20に載せた状態にて親指で第4操作具304を操作するとき、第4操作具304の一方の操作部43と他方の操作部44の傾斜方向が親指の動きの方向に沿う方向となるため、操作性が良好となる。また、第4操作具304は、凹部23に設けられていることによって、作業者の手が不用意に接触することによる誤操作を防止できる。
また、作業車両1は、運転席10と、運転席10の側方に設けられたアームレスト20と、走行及び/又は作業に関する設定が可能な表示装置100と、アームレスト20に設けられ且つ表示装置100における設定に関する動作を実行させるショートカットボタン481〜486と、を備えている。
この構成によれば、運転席10の側方に設けられたアームレスト20にショートカットボタン481〜486が設けられているため、アームレスト20に腕を置いて運転席10に着座した作業者は、表示装置100の設定に関する動作を実行させるショートカットボタン481〜486を容易に操作することができる。
また、表示装置100は、設定に関する複数の設定画面M2〜M4を表示可能であり、ショートカットボタン481〜483は、複数の設定画面M2〜M4のうち、予め定められた設定画面の表示の動作を実行させる。
この構成によれば、複数の設定画面M2〜M4を表示可能な場合において、ショートカットボタン481〜483の操作によって、複数の設定画面M2〜M4のうち予め定められた設定画面の表示の動作を操作性良く実行することができる。
また、表示装置100は、設定に関する上位設定画面M1と、上位設定画面M1への操作に基づいて表示される下位設定画面M2〜M4とを表示可能であり、ショートカットボタン481〜483は、下位設定画面M2〜M4の表示の動作を実行させる。
この構成によれば、表示装置100が直列の関係にある上位設定画面M1と下位設定画面M2〜M4とを表示可能な場合において、ショートカットボタン481〜483の操作によって、複数の設定画面M2〜M4のうち下位設定画面の表示の動作を操作性良く実行することができる。
また、アームレスト20は、ショートカットボタン481〜486が設けられたスイッチ装置46を収納する収納部25と、収納部25の上方を開放又は閉鎖可能なカバー26と、を有している。
この構成によれば、ショートカットボタン481〜486を使用しないときは、カバー26を閉鎖することによって、ショートカットボタンへの不用意な接触が防止され、ショートカットボタンを意図せずに操作してしまうことが防がれる。また、カバー26の上面を肘置き部として利用することができる。
また、スイッチ装置46には、昇降装置4の操作を行う設定ダイヤル47が設けられている。
この構成によれば、アームレスト20の収納部25内に昇降装置4の操作を行う設定ダイヤル47を収容することができる。
また、運転席10の前方に設けられたメータパネル19を備え、表示装置100は、メータパネル19内に設けられている。
この構成によれば、表示装置100をメータパネル19と共に視認することができるため、視認性に優れる。また、表示装置100を設けるためのスペースを、メータパネル19とは別に運転席10の周囲に確保する必要がない。
また、作業車両1は、運転席10と、運転席10の側方に設けられ且つ、長手方向一方側に走行又は作業に関する操作を行う操作具30を有し、長手方向他方側に運転者が肘を置く肘置き部22Uを有するアームレスト20と、揺動によってアームレスト20の長手方向への移動を許容又は阻止する操作レバー53と、を備え、操作レバー53は、アームレスト20の下方に配置され且つ、前記長手方向他方側に揺動支点531を有し、前記長手方向一方側に把持部532を有する。
この構成によれば、運転席10に着座した作業者は、操作レバー53の把持部532を把持して容易に揺動操作することができるため、アームレスト20を前後方向に移動させる操作を容易に行うことが可能となる。
また、運転席10の側部に固定されて前後方向に延びる第1部材51と、第1部材51に沿って前後方向に移動可能であって且つアームレスト20が固定された第2部材52と、を備え、操作レバー53は、揺動によって第1部材51に対する第2部材52の移動を許容又は阻止する。
この構成によれば、操作レバー53を揺動させることによって、第1部材51に対する第2部材52の移動を許容又は阻止されるため、アームレスト20を前後方向の移動の許容又は阻止を容易に且つ確実に行うことができる。
また、第1部材51は、運転席10の側部に固定された基礎部材54と、基礎部材54に対して上下方向に移動可能な移動部材55と、移動部材55に固定されて第2部材52を前後方向に移動可能に支持する支持部材90と、を有している。
この構成によれば、第1部材51に対する第2部材52の移動を正確に且つ確実に行わせることができる。
また、操作レバー53は、揺動支点531回りに上方又は下方に揺動可能な揺動体58と、揺動体58の揺動に伴って前後方向に延びる軸回りに回動する回動体59と、回動体59に設けられた爪部60と、を有し、第1部材51は、回動体59の回動に伴って爪部60が挿入又は離脱される係止部62を有している。
この構成によれば、操作レバー53の揺動によるアームレスト20の長手方向への移動の許容又は阻止を確実に行うことができる。
また、回動体59は、前後方向に延びる第1軸部591と、第1軸部591の前部から運転席10に対して離れる側方に延びる第2軸部592を有し、揺動体58には、第2軸部592が挿入される挿入部58aが形成されている。
この構成によれば、揺動体58の揺動によって第2軸部592を移動させて、第1軸部591を前後方向に延びる軸回りに回動させることができる。そのため、簡易且つ大きなスペースを要さない構成で、操作レバー53の揺動によるアームレスト20の長手方向への移動の許容又は阻止を確実に行うことができる。
また、挿入部58aは、前後方向に延びる長穴として形成されており、第2軸部592は、揺動体58の上方への揺動に伴って前後方向に延びる軸回りに上方に回動し、揺動体58の下方への揺動に伴って前後方向に延びる軸回りに下方に回動する。
この構成によれば、揺動体58の揺動によって第2軸部592を上方又は下方に確実に移動させて、第1軸部591を前後方向に延びる軸回りに回動させることができる。また、揺動体58の揺動によって、第2軸部592が挿入部58aから離脱することが防止できる。
また、作業車両1は、車体2と、車体2に搭載された運転席10と、車体2の後部に設けられた作業装置の連結部4と、運転席10の側方に設けられ、操作具30が設けられた第1上面21Uと、第1上面21Uの後方に設けられ且つ運転席10に着座した作業者が肘を置くための第2上面22Uと、を有するアームレスト20と、を備え、第2上面22Uは、後部領域22U2と、後部領域22U2の前方に設けられ且つ後部領域22U2よりも上方に位置する前部領域22U1と、前部領域22U1と後部領域22U2とを連絡し且つ前方から後方に向かうにつれて低くなるように傾斜した中間領域22U3と、を有している。
この構成によれば、運転席10に着座した作業者がアームレスト20に腕を置いた状態で後方を向いて作業を行う場合に、腕にかかる負荷を減少させて疲労を低減することができる。
また、後部領域22U2の面積は、前部領域22U1の面積の2倍以上である。
この構成によれば、運転席10に着座した作業者が後部領域22U2に肘を載せたときの安定性に優れるため、後ろ向き作業時の疲労を軽減することができる。
また、中間領域22U3の面積は、前部領域22U1の面積よりも狭い。
この構成によれば、運転席10に着座した作業者の腕が第2上面22Uに接する部分のうち、傾斜した中間領域22U3に接する部分が少なくなるため、作業者の疲労を軽減することができる。
また、前部領域22U1の前端部22aは、上面視にて運転席10側が運転席10側と反対側に比べて前方に位置している。
この構成によれば、運転席10に着座した作業者にとって、自分に近い側の前部領域22U1が広く形成されるため、アームレスト20の上面に安定して腕を載せることができる。
また、後部領域22U2は、第1上面21Uの後端部よりも下方に位置している。
この構成によれば、第2上面22Uが第1上面21Uから後部領域22U2に向けて段階的に低くなるため、後ろ向き作業時の作業者の疲労を軽減することができる。
また、アームレスト20は、操作スイッチ47,48が設けられたスイッチ装置46を収納する収納部25と、収納部25の上方を開放又は閉鎖可能なカバー26と、を有し、第2上面22Uはカバー26の上面に設けられている。
この構成によれば、操作スイッチ47,48を操作するときにはカバー26を開放して操作することができる一方、操作スイッチ47,48を使用しないときにはカバー26の上面を作業者が肘を置くための第2上面22Uとして利用することができる。また、カバー26の前部領域22U1及び中間領域22U3を厚く形成することができ、カバー26の強度を向上させることができる。
また、アームレスト20の運転席10側と反対側の側方に設けられたサイドコンソール110を備え、サイドコンソール110には、操作具30とは異なる操作を行う他の操作具120が設けられ、他の操作具120は、アームレスト20よりも後方に設けられた操作具127を含む。
この構成によれば、サイドコンソール110に設けられた他の操作具120がアームレスト20よりも後方に設けられた操作具127を含むことから、運転席10に着座した作業者がアームレスト20に腕を置いた状態で後方を向いて作業を行う場合に、この操作具127を腕にかかる負荷が小さい状態で容易に操作することができる。
また、アームレスト20の前部は、上面視において、前端部に向かうにつれて運転席10から離れる側の側方に向けて湾曲している。
この構成によれば、運転席10に着座した作業者が運転席10の前方にある操作具(アクセルペダル15等)を操作するときに、作業者の右脚がアームレスト20に当たることが防がれる。
また、作業車両1は、運転席10を囲うキャビン11を備え、キャビン11は、アームレスト20の後方に後部窓87を有している。
この構成によれば、運転席10に着座した作業者がアームレスト20に腕を置いた状態で後方を向いて作業を行う場合に、腕にかかる負荷が小さい状態でキャビン11の後部窓87から後方を見ながら容易に作業を行うことができる。
また、作業車両1は、運転席10と、運転席10の側方に設けられたサイドコンソール110と、サイドコンソール110に設けられ且つ運転席10に接近する第1位置と運転席10から離れる第2位置とに揺動可能な第1操作レバー121と、サイドコンソール110の第1操作レバー121の後方に設けられ且つ運転席10に接近する第3位置と運転席10から離れる第4位置とに揺動可能な第2操作レバー122と、を備え、第2位置にある第1操作レバー121と第4位置にある第2操作レバー122との間の距離は、第1位置にある第1操作レバー121と第2位置にある第2操作レバー122との間の距離に比べて大きい。
この構成によれば、運転席10に着座した作業者が後向きで作業を行う場合に、作業者の正面に近い位置に操作レバー(第2操作レバー122)を位置させることができる。そのため、運転席10に着座した作業者が後向きで作業を行う場合における操作レバーの操作性に優れている。
また、第1操作レバー121が挿通され且つ第1操作レバー121の揺動方向に延びる第1溝115と、第2操作レバー122が挿通され且つ第2操作レバー122の揺動方向に延びる第2溝116と、を備え、第1溝115と第2溝116は、運転席10から離れるにつれて次第に離間するように配置されている。
この構成によれば、第2溝116に挿通される第2操作レバー122の揺動方向を、運転席10に着座した作業者が後向きで作業を行う場合に、作業者の正面に対して接近又は離反する方向とすることができる。そのため、運転席10に着座した作業者が後向きで作業を行う場合における操作レバーの操作性に優れている。
また、第2操作レバー122の少なくとも一部は、前後方向において運転席10の後方に配置されている。
この構成によれば、運転席10の後方に配置された第2操作レバー122を、運転席10に着座した作業者が後向きで作業を行う場合に容易に操作することができる。
また、運転席10を囲うキャビン11を備え、キャビン11は、運転席の側方に設けられた支柱(側部支柱85L)を有し、支柱85Lは、第1操作レバー121と第2操作レバー122との間に配置されている。
この構成によれば、運転席10の側方に設けられた支柱85Lに妨げられることなく、第1操作レバー121と第2操作レバー122とをサイドコンソール110に設けることができる。
また、サイドコンソール110の第1操作レバー121と第2操作レバー122との間に立設され且つ支柱85Lの運転席10側を覆う支柱カバー118を備え、支柱85Lと支柱カバー118との間の空間S4に、キャビン11の内部の機器と外部の機器とを接続するハーネス93が配置されている。
この構成によれば、支柱85Lと支柱カバー118との間の空間S4を利用してハーネス93を配策することができるため、ハーネス93の露出を少なくして安全に配策することができる。
また、支柱カバー118には、ハーネス93を空間S4に通すための切欠部118dが形成されている。
この構成によれば、ハーネス93を支柱カバー118の切欠部118dから支柱85Lと支柱カバー118との間の空間S4に向けて配策することができる。
また、作業車両1は、運転席10と、運転席10の周囲に立設された複数の支柱81を有するキャビン11と、走行及び/又は作業に関する設定を行う設定画面を表示する表示装置100と、表示装置100を支持する支持部材90と、を備え、複数の支柱81は、運転席10の側方に立設された側部支柱85Lを含み、支持部材90は、側部支柱85Lから前方に延びる上部位90aと、上部位90aの下方において側部支柱85Lから前方に延びる下部位90bと、上部位90aの前端部と下部位90bの前端部とを接続する前部位90cと、を有している。
この構成によれば、表示装置100を支持する支持部材90が、運転席10の側方に立設された側部支柱85Lに支持されているため、運転席10に着座した作業者が表示装置100を容易に操作することができる。また、支持部材90が、上部位90aと下部位90bと前部位90cとを有しているため、作業者の体格等に応じて、表示装置を操作に最適な支持部材90の部位に支持させることができる。さらに、支持部材90の上部位90aと下部位90bと前部位90cのいずれに対しても表示装置100を取り付けることができる。そのため、複数の表示装置100を支持部材90に取り付けることができる。
また、支持部材90は、全体としてU字状に形成されている。
この構成によれば、支持部材90を高い強度で且つ単一部材で構成することができる。
運転席10の側方に設けられたサイドコンソール110を備え、キャビン11は、支柱81の上部に支持されたルーフ82を有し、側部支柱84Lは、サイドコンソール110の上面から突出してルーフ82の下面までの高さ範囲に配置された突出部位84Laを有し、上部位90aは、突出部位84Laの上下方向の中心よりも上方に配置されている.
この構成によれば、運転席10に着座した作業者の目線に対して、表示装置100を適当な高さ位置に支持することが可能となる。
また、下部位90bは、突出部位84Laの上下方向の中心よりも下方に配置されている。
この構成によれば、表示装置100を適当な高さ位置に安定して支持することが可能となる。
また、表示装置100に接続されるハーネス93を備え、支持部材90は、ハーネス93が挿通される挿通部90dと、挿通部90dに挿通されたハーネス93を表示装置100に向けて取り出すための取出し部90eと、を有し、挿通部90d及び取出し部90eは、上部位90a、下部位90b、前部位90cの少なくともいずれかの部位に設けられている。
この構成によれば、ハーネス93を支持部材90の挿通部90dに挿通して取出し部90eから取り出して表示装置100に接続することができる。そのため、ハーネス93の露出を少なくして表示装置100に接続することができる。
また、表示装置100は、上部位90a及び/又は下部位90bに支持されている。
この構成によれば、表示装置100を支持部材90の前後方向の最適な位置に取り付けることができる。
また、作業車両1は、表示装置100を上部位90a又は下部位90bに対して前後方向にスライド可能に支持するスライド機構を備えている。
この構成によれば、運転席10に着座した作業者は、スライド機構を利用して表示装置100の前後方向の位置を、自分の体格や好みに応じて容易に調整することができる。
また、作業車両1は、車体2と、車体2に搭載された運転席10と、車体2の前部に設けられた前輪3Fと、車体2の後部に設けられた後輪3Rと、運転席10を囲うキャビン11と、前輪3Fと後輪3Rとの間であってキャビン11の側方且つ下方に設けられ、前後方向に移動可能な乗降ステップ(下段ステップ142L)と、を備えている。
この構成によれば、必要に応じて乗降ステップ142Lの位置を前後方向に変更することができる。そのため、例えば、作業車両1の後輪をタイヤからクローラに変更した場合には、乗降ステップ142Lを前方に移動させることにより、乗降ステップ142Lとクローラとの前後方向の距離を確保することができ、乗降を安全に行うことが可能となる。また、乗降ステップ142Lが作物や畝と干渉することを防止することができる。
また、クラッチハウジング6と、クラッチハウジング6に接続され且つ尿素水を貯留する尿素タンク160を支持する第1支持フレーム150と、を備え、乗降ステップ142Lは、第1支持フレーム150に対して前後方向に移動可能に接続されている。
この構成によれば、乗降ステップ142Lを尿素タンク160を支持する第1支持フレーム150を利用してクラッチハウジング6に支持することができる。
また、クラッチハウジング6に接続され且つ燃料を貯留する燃料タンク165を支持する第2支持フレーム153を備え、乗降ステップ142Lは、第2支持フレーム153に対して前後方向に移動可能に接続されている。
この構成によれば、乗降ステップ142Lを、燃料タンク165を支持する第2支持フレーム153を利用してクラッチハウジング6に支持することができる。また、乗降ステップ142Lを第1支持フレーム150と第2支持フレーム153により強固に支持することができる。
乗降ステップ142Lは、第1支持フレーム150に接続された第1ステップ部材144と、第1ステップ部材144に対してキャビン11に接近する側方又はキャビン11から離れる側方に移動可能な第2ステップ部材145と、を有している。
この構成によれば、乗降ステップ142Lを前後方向だけでなく車体幅方向にも移動させることができる。そのため、乗降ステップ142Lの位置を最適な位置に調整することが可能となる。また、乗降ステップ142Lが作物や畝と干渉することを防止することができる。
また、第1ステップ部材144は、第2支持フレーム153に接続されている。
この構成によれば、第1ステップ部材144を、第2支持フレーム153を介してクラッチハウジング6に支持することができる。
また、乗降ステップ142Lは、足を載せるステップ板146と、ステップ板146の側縁に沿って設けられ且つステップ板146を前後方向に移動可能に支持する支持機構(前板147、後板148、基部144a、第1外延部144b、第2外延部144)と、を有し、支持機構の上端部は、ステップ板146の上面よりも上方に位置している。
この構成によれば、支持機構がステップ板146に足を載せたときの蹴り止めになる。つまり、支持機構によってステップ板146から足がはみ出すことが防がれる。また、支持機構によってステップ板146を前後方向に移動させるときの作業性に優れる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 作業車両
10 運転席
11 キャビン
85L 支柱(側部支柱)
93 ハーネス
110 サイドコンソール
115 第1溝
116 第2溝
118 支柱カバー
118d 切欠部
121 第1操作レバー
122 第2操作レバー
S4 空間

Claims (6)

  1. 運転席と、
    前記運転席の側方に設けられたサイドコンソールと、
    前記サイドコンソールに設けられ且つ前記運転席に接近する第1位置と前記運転席から離れる第2位置とに揺動可能な第1操作レバーと、
    前記サイドコンソールの前記第1操作レバーの後方に設けられ且つ前記運転席に接近する第3位置と前記運転席から離れる第4位置とに揺動可能な第2操作レバーと、
    を備え、
    前記第2位置にある第1操作レバーと前記第4位置にある第2操作レバーとの間の距離は、前記第1位置にある第1操作レバーと前記第2位置にある第2操作レバーとの間の距離に比べて大きい作業車両。
  2. 前記第1操作レバーが挿通され且つ前記第1操作レバーの揺動方向に延びる第1溝と、
    前記第2操作レバーが挿通され且つ前記第2操作レバーの揺動方向に延びる第2溝と、
    を備え、
    前記第1溝と前記第2溝は、前記運転席から離れるにつれて次第に離間するように配置されている請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記第2操作レバーの少なくとも一部は、前後方向において前記運転席の後方に配置されている請求項1又は2に記載の作業車両。
  4. 前記運転席を囲うキャビンを備え、
    前記キャビンは、前記運転席の側方に設けられた支柱を有し、
    前記支柱は、前記第1操作レバーと前記第2操作レバーとの間に配置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業車両。
  5. 前記サイドコンソールの前記第1操作レバーと前記第2操作レバーとの間に立設され且つ前記支柱の前記運転席側を覆う支柱カバーを備え、
    前記支柱と前記支柱カバーとの間の空間に、前記キャビンの内部の機器と外部の機器とを接続するハーネスが配置されている請求項4に記載の作業車両。
  6. 前記支柱カバーには、前記ハーネスを前記空間に通すための切欠部が形成されている請求項5に記載の作業車両。
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