JP7163158B2 - 作業車両の操作レバー及び作業車両 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示の操作レバーは、前後方向に揺動可能な揺動体と、揺動体の上部に設けられたグリップとを有している。グリップは、握り部と、握り部の左側から延びた延長部とを有しており、延長部の表面には複数の操作スイッチが設けられている。
本発明は、上記したような実情に鑑みて、操作スイッチを操作しながら操作レバーを揺動操作する際の操作性に優れた操作レバー及びこの操作レバーを備えた作業車両を提供するものである。
好ましくは、前記他の操作スイッチは、前記揺動体の揺動の許否を切り換えるスイッチである。
好ましくは、前記他の操作スイッチは、前記握り部の前記一側方側の側縁と前記他側方側の側縁との中間位置よりも前記操作部寄りの位置に設けられている。
好ましくは、前記握り部の上面と前記操作部の上面とは、前記握り部と前記操作部との境界付近を頂点として山形状に連なっており、前記他の操作スイッチは、前記握り部の前記一側方側の側縁と前記他側方側の側縁との中間位置よりも前記頂点に近い位置に設けられている。
好ましくは、前記揺動体は、揺動によって変速操作が可能であり、前記他の操作スイッチは、前記揺動体の揺動による変速操作の許否を切り換えるスイッチである。
本発明の一態様に係る作業車両は、運転席と、前記運転席の側方に設けられたアームレストと、前記アームレストに設けられた操作レバーと、を備え、前記操作レバーは、上記操作レバーである。
図22は作業車両1の平面図であり、図23は作業車両1の側面図である。作業車両1は、農作業を行うための車両であり、本実施形態の場合はトラクタである。以下、作業車両1がトラクタ1であるとして説明する。但し、作業車両1はトラクタには限定されない。
図22、図23に示すように、トラクタ1は、車体2と、走行装置3と、連結部4と、を備えている。
図23に示すように、車体2は、車体フレーム5と、クラッチハウジング6と、ミッションケース7とを有している。車体フレーム5は、車体2の前後方向に延びている。車体フレーム5には、原動機8が搭載されている。本実施形態の場合、原動機8はエンジン8である。エンジン8の上方は、ボンネット13により覆われている。クラッチハウジング6は、エンジン8の後部に連設されており、クラッチを収容している。ミッションケース7は、クラッチハウジング6の後部に連結されており、変速装置や後輪差動装置等を収容している。変速装置は、主変速装置と副変速装置とを含む。車体2の後方(ミッションケース7の後方)にはPTO軸(リヤPTO)9が突出している。また、図示していないが、車体2の前方にもPTO軸(フロントPTO)が突出している。リヤPTO及びフロントPTOは、PTOクラッチ(図示略)を接続又は遮断することによって回転又は停止する。
連結部4は、車体2の後部に設けられている。連結部4は、圃場(農地)等に対して作業を行う作業装置(対地作業機)をトラクタ1の後部に連結するための部分である。作業装置は、例えばPTO軸9から伝達される駆動力によって駆動する。具体的には、作業装置は、耕耘機、散布機、播種機等であるが、これらに限定はされない。
トラクタ1は、走行系や作業系の制御を行う制御装置(図示略)を備えている。制御装置は、演算部(CPU等)や記憶部(メモリ)等を備えており、記憶部に記憶されたプログラムに基づいて所定の制御を実行する。より具体的には、制御装置は、運転席10の周囲に設置された操作具(レバー、スイッチ、ダイヤル等)を操作したときの操作信号や、車体2に搭載された様々なセンサの検出信号等に基づいてトラクタ1の走行系や作業系の制御を行う。例えば、制御装置は、操作具からの操作信号に基づく昇降装置4の昇降に関する制御や、アクセルペダルセンサからの検出信号に基づくエンジン8の回転数の制御等を実行する。
図1に示すように、運転席10の一側方側には、アームレスト15が設けられている。アームレスト15は、長手方向が前後方向を向き、短手方向が車体幅方向を向いて配置されている。以下、アームレスト15の短手方向をアームレスト15の幅方向という。アームレスト15の幅方向は、アームレスト15の長手方向と直交する方向であって、車体幅方向と同じ方向である。また、本実施形態の場合、一側方側は右側であり、一側方側と反対側の他側方側は左側である。従って、アームレスト15の一側方側は運転席10側と反対側であり、アームレスト15の他側方側は運転席10側である。
図4、図5に示すように、上面16aは、上方に向けて凸状に緩やかに湾曲している。上面16aは、前方に向かうにつれて下方に移行するように傾斜している。下面16bは、前部16b1に比べて後部16b2が上方に凹んでいる。これにより、アームレスト15の下面16bが運転席10に着座した作業者の膝(右膝)と接触することが回避される。下面16bの後部16b2には、アームレスト15を運転席10の側部に取り付けるための取付具39が設けられている。
図2~図5に示すように、揺動操作部17は、アームレスト15の前部に設けられている。揺動操作部17は、台座20と操作レバー21とを有している。
台座20は、アームレスト15の前部に隆起して設けられている。台座20は、本体16の上面16aから上方に隆起している。台座20は、肘置き部18の上面18aより高く隆起している。言い換えれば、台座20の上端部の高さ(上面16aからの高さ)は、肘置き部18の上面18aの高さよりも高い。台座20は、略四角錐台状に形成されており、上方に向かうにつれて細くなっている。台座20は、上面20a、前面20b、後面20c、左面20d、右面20eを有している。前面20bと後面20cとの間の距離、及び、左面20dと右面20eとの間の距離は、上方に向かうにつれて狭くなっている。図4、図5に示すように、台座20の上面20aは、上方に向けて凸状の円弧状に湾曲している。
図4~図6に示すように、操作レバー21は、揺動体22とグリップ23とを有している。
図4、図5に示すように、揺動体22は、後方から前方に向かうにつれて下方から上方に移行するように傾斜して延びている。揺動体22は、前後方向に揺動可能である。揺動体22の下部は、アームレスト15の内部に設けられた横軸(車体幅方向に延びる軸)21aに揺動可能に支持されている。これにより、操作レバー21(揺動体22及びグリップ23)は、横軸回りの前後方向の揺動操作が可能である。操作レバー21を前後方向に揺動操作することにより、変速装置を作動させて変速操作を行うことが可能である。
図4に示すように、操作レバー21の揺動支点(揺動体22の下部を支持する横軸)21aは、本体16の上面16aから上方に隆起した台座20の内部に設けられている。そのため、操作レバー21の揺動支点21aは、本体16の上面16aよりも上方に位置している。これにより、本体16の内部(上面16aよりも下方)に揺動支点を設けた場合に比べて、操作レバー21の前後方向の揺動のストロークを小さくすることができ、操作レバー21の操作性が良好となる。
握り部24は、グリップ23の一側方側(右側)に設けられている。言い換えれば、握り部24は、グリップ23の運転席10側と反対側に設けられている。図7~図13に示すように、握り部24は、表面24a、裏面24b、上面24c、下面24d、左側面24e、右側面24f、角縁面24gを有している。
側縁部24hは、第1側縁部24h1と第2側縁部24h2とを含む。第1側縁部24h1は、湾曲面24aの一側方側(右側)の縁部を構成している。第2側縁部24h2は、湾曲面24aの他側方側(左側)の縁部を構成している。上縁部24iは、湾曲面24aの上側の縁部を構成している。下縁部24jは、湾曲面24aの下側の縁部を構成している。角縁部24kは、側縁部(第1側縁部)24h1と上縁部24iとを繋いでおり、湾曲面24aの一側方側(右側)の上角の縁部を構成している。
第1側縁部24h1は、上方から下方に向けて延びている。図8等に示すように、第1側縁部24h1は、上方から下方に向かう中途部で僅かに一側方(右方)に膨らむように凸状に湾曲している。また、第1側縁部24h1は、上方から下方に向かうにつれて他側方(左方)から一側方(右方)に移行している。図12等に示すように、第1側縁部24h1は、上方から下方に向かうにつれて前方から後方に移行している。
図9等に示すように、下縁部24jは、他側方(左方)から一側方(右方)に向けて延びており、他側方から一側方に向かう中途部で後方に膨らむように凸状に湾曲している。
図7~図11に示すように、握り部24の左側面24eは、操作部25から握り部24の湾曲面24aに向けて立ち上がっている。以下、握り部24の左側面24eを「起立面24e」という。起立面24eは、湾曲面24aに掌を当てて握り部24を握った際に、親指で触ることができる部分である。起立面24eは、操作部25と湾曲面24aの第2側縁部24h2とを繋いでいる。図10に示すように、起立面24eは、操作部25から湾曲面24aに向けて起立するにつれて他側方(左方)から一側方(右方)に向かうように僅かに傾斜している。起立面24eの下縁部は、操作部25の表面25aと繋がっている。起立面24eの上縁部は、握り部24の上面24cと繋がっている。起立面24eの右縁部は、湾曲面24aの第2側縁部24h2と繋がっている。
操作部25は、グリップ23の他側方側(左側)に設けられている。言い換えれば、操作部25は、グリップ23の運転席10側に設けられている。
図7~図13に示すように、操作部25は、表面25a、裏面25b、上面25c、下面25d、左側面25eを有している。以下、握り部24の表面24a等との区別を明確化するために、操作部25の表面25aを「第2表面25a」、裏面25bを「第2裏面25b」、上面25cを「第2上面25c」、下面25dを「第2下面25d」、左側面25eを「第2左側面25e」という場合がある。
第2裏面25bは、グリップ23の裏面の左部を構成している。図10、図13に示すように、第2裏面25bは、ごく緩やかに湾曲する概ね平坦な面である。第2裏面25bの上縁部は、第2上面25cと繋がっている。第2裏面25bの下縁部は、第2下面25dと繋がっている。第2裏面25bの左縁部は、第2左側面25eと繋がっている。第2裏面25bの右縁部は、握り部24の裏面24bと繋がっている。
滑り止め部28は、ゴム等の滑り止め機能を有する素材から構成されている。滑り止め部28の表面の摩擦係数は、握り部24の表面(滑り止め部28が設けられていない部分の表面)の摩擦係数よりも大きい。滑り止め部28は、例えば、ゴム板等の滑り止め部材を握り部24の表面に貼付する、滑り止め部材を握り部24の表面に埋め込む等の方法により構成される。滑り止め部28が設けられることにより、握り部24を握って操作レバー21を操作するとき等に手が滑ることが防止される。これにより、操作レバー21の確実な操作が可能となると共に、握り部21を強く握る必要がないため手の疲れが生じにくい。
グリップ23には、複数の操作スイッチが設けられている。複数の操作スイッチは、握り部24と操作部25にそれぞれ設けられている。
図7~図9等に示すように、操作部25には、複数の操作スイッチ30、31、32が設けられている。複数の操作スイッチ30、31、32は、操作部25の表面(第2表面)25aに設けられている。具体的には、複数の操作スイッチ30、31、32は、操作部25の表面(第2表面)25aの上部に設けられている。第2表面25aの下部には、操作スイッチが設けられていないが、必要に応じて他の操作スイッチを設けてもよい。
具体的には、操作スイッチ30は、変速装置を操作するシャトルスイッチ(走行車両1の前後進の切り換えスイッチ)である。操作スイッチ30の上部(「F」の部分)を押すことにより前進に切り換えられ、操作スイッチ30の下部(「R」の部分)を押すことにより後進に切り換えられる。
操作スイッチ32は、自動変速のオート/マニュアルの切り換えスイッチである。操作スイッチ32を押すことにより、オート変速モードとマニュアル変速モードとが切り換わる。オート変速モードでは、予め作業者が設定した車速段の範囲内で電子制御により最適な車速段が自動で選択される。マニュアル変速モードでは、作業者が手動で車速段を切り換えることができる。
本実施形態の場合、握り部24の上面24cに、操作部25に設けられた操作スイッチ30、31、32とは異なる他の操作スイッチ35が設けられている。握り部24の上面24cに設けられた他の操作スイッチ35は、押しボタンスイッチであり、上面24cから突出して設けられている。操作スイッチ35は、揺動体22の揺動の許否を切り換えるスイッチであり、具体的には、副変速牽制スイッチである。操作スイッチ35を押すことにより揺動体22の揺動が可能となる。操作スイッチ35を押しながら揺動体22を前方に揺動させると副変速段がシフトアップされ、後方に揺動させるとシフトダウンする。つまり、操作スイッチ35は、揺動体22の揺動による変速操作の許否を切り換えるスイッチである。
図12、図13に示すように、握り部24の裏面24bにも、操作部25に設けられた操作スイッチ30、31、32とは異なる他の操作スイッチ36が設けられている。握り部24の裏面24bに設けられた操作スイッチ36は、押しボタンスイッチである。操作スイッチ36は、シャトルスイッチである操作スイッチ30の操作の許否を切り換えるシャトル牽制スイッチである。操作スイッチ(シャトル牽制スイッチ)36を押しながら操作スイッチ(シャトルスイッチ)30を操作することにより、前進と後進との切り換えが可能となる。
図12~図15に示すように、握り部24の裏面24bには、操作スイッチ36に向けて指を案内する案内凹部37が設けられている。操作スイッチ36は、握り部24を右手で握った状態において、右手の人差し指により操作される。そのため、案内凹部37は、握り部24を握った右手の人差し指を操作スイッチ36に向けて案内する。
図13に仮想線で示すように、案内凹部37に円弧状に延びる突起又は溝37cを設けてもよい。突起又は溝37cは、案内凹部37の中心付近の領域(操作スイッチ36側の外縁部と操作スイッチ36と反対側の外縁部との間の領域)に設けられる。突起又は溝37cは、操作スイッチ36を中心とした円弧状に形成される。これにより、案内凹部37の中心付近に指先を置いた場合に、突起又は溝37cに触ることで、円弧の中心に操作スイッチ36があるとの感覚を得て操作スイッチ36の位置を把握することができる。
次に、肘置き部18について説明する。
肘置き部18は、運転席10に着座した作業者が肘を置く部分である。肘置き部18は、全部又は一部(少なくとも上面)がクッション性のある素材から構成されている。
図2~図5に示すように、肘置き部18は、アームレスト15の後部に設けられている。肘置き部18は、アームレスト15の本体16に取り付けられており、本体16の上面16aの後部を覆っている。図3に示すように、肘置き部18の幅(アームレスト15の幅方向の長さ)W3は、本体16の幅(アームレスト15の幅方向の長さ)W4よりも大きい(W3>W4)。
第3操作具群40Aは、押圧により操作される複数の操作具を含む。具体的には、第3操作具群40Aは、第1後部操作具41、第2後部操作具42、第3後部操作具43、第4後部操作具44、第5後部操作具45、第6後部操作具46、第7後部操作具47、第8後部操作具48を含む。第1後部操作具41~第8後部操作具48は、押圧により操作される押しボタンスイッチ(タクタイルスイッチ)である。
図2~図5、図16~図18に示すように、操作具配置部19には、複数の操作具が配置されている。以下、操作具配置部19に配置された複数の操作具を「前部操作具群60」と称する。図17において、前部操作具群60を符号60が付された仮想線で囲んで示している。前部操作具群60は、本体16の上面16aであって、後部操作具群40の前方に配置されている。前部操作具群60と後部操作具群40とは、同一の面(上面16a)に設けられている。操作具配置部19に配置された前部操作具群60に含まれる操作具は、肘置き部18により覆われる後部操作具群40に含まれる操作具に比べて操作頻度が多い操作具である。
第1操作具群60Aは、操作具配置部19の後部に配置されている。第2操作具群60Bは、操作具配置部19の前部に配置されている。つまり、操作具配置部19において、第2操作具群60Bは第1操作具群60Aよりも前方に配置されている。
図18に示すように、第1操作具群60Aは、第1前部操作具61、第2前部操作具62、第3前部操作具63、第4前部操作具64、第5前部操作具65、第6前部操作具66、第7前部操作具67、第8前部操作具68、第9前部操作具69、第10前部操作具70、第11前部操作具71、第12前部操作具72から構成される。
押圧操作部80は、走行系押圧操作具(第1前部操作具61~第9前部操作具69)の操作時に押圧される部分である。表示部81は、走行系押圧操作具が操作状態と非操作状態のいずれの状態にあるかを示す。操作状態は、押圧操作部80が押圧されている状態である。非操作状態は、押圧操作部80が押圧されていない状態である。表示部81は、点灯可能なLED等のランプから構成されている。表示部81を構成するランプは、操作状態において点灯し、非操作状態において消灯する。つまり、表示部81は、走行系押圧操作具が操作状態と非操作状態のいずれの状態にあるかを点灯と消灯の切り換えによって示すインジケータである。作業者は、表示部81が点灯状態にあるか消灯状態にあるかを見ることによって、走行系押圧操作具が操作状態と非操作状態のいずれの状態にあるかを把握可能である。
第11前部操作具71の前後方向の中心線CL1と、第11前部操作具71と車体幅方向に並んだ走行系押圧操作具であって前後方向に並んだ走行系押圧操作具(第4前部操作具64と第5走行操作具65、第6前部操作具66と第7走行操作具67、第8前部操作具68と第9走行操作具69)の間の中心線CL2は、前後方向において一致している。
第11前部操作具71の前後方向の長さは、2つの走行系押圧操作具(例えば、第8前部操作具68と第9走行操作具69)の前後方向の長さを合わせた長さよりも小さい。第11前部操作具71の車体幅方向の長さは、走行系押圧操作具(例えば、第8前部操作具68)の車体幅方向の長さと等しい。
次に、第2操作具群60Bについて説明する。
第15前部操作具75は、走行に関する操作を横軸回りの回転により行う回転ダイヤルである。本実施形態の場合、第15前部操作具75は、エンジン8の回転数を増加又は減少させるアクセルダイヤルである。
図18に示すように、第15前部操作具75の後方(矢印A2方向)には他の操作具が配置されていない。そのため、第15前部操作具(アクセルダイヤル)75を操作する際に、他の操作具が邪魔になることがなく、良好な操作性が得られる。
但し、前部操作具群60に含まれる具体的な前部操作具の種類及び数は、上述した前部操作具の種類及び数には限定されない。
図19~図22は、アームレスト15の変更形態を示している。
以下、変更形態のアームレスト15について、上記実施形態のアームレスト15と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については説明を省略する。
図19に示すように、台座20の幅方向中心(車体幅方向の中心)は、アームレスト15の本体16の幅方向中心よりも右側に偏位している。これにより、図21に示すように、台座20の右面20eの下端部は、本体16の右側面16dの上端部と面一となっている。また、台座20の前面20bの下端部は、本体16の前面16eの下端部と面一となっている。言い換えれば、台座20の右面20eの下端部は、本体16の右側面16dの上端部と段差無く滑らかに繋がっている。また、台座20の前面20bの下端部は、本体16の前面16eの上端部と段差無く滑らかに繋がっている。
図19、図20に示すように、台座20が右側に偏位して配置されていることによって、本体16の上面16aには台座20の左側に操作具が配置されていない領域16gが設けられている。領域16gは、横軸回りに揺動操作される操作具である第13前部操作具(リヤPTOクラッチコントロールスイッチ)73の前方に位置している。領域16gは、第13前部操作具73の前方から本体16の前端部まで至っている。領域16gの前端部は、本体16の前面16eの上端部と繋がっている。領域16gの左端部は、本体16の左側面16cの上端部と繋がっている。
図19~図21に示すように、第12前部操作具(耕深調整ダイヤル)72と第15前部操作具(アクセルダイヤル)75とは前後方向に並んで配置されている。より詳しくは、第12前部操作具72は、第15前部操作具75の車体幅方向の中心線を後方に延長した延長線上に配置されている。
図20に示す例では、第11前部操作具(ポンパスイッチ)71は、複数(2つ)の押圧操作部71a、71bが一体化されずに独立しており、互いに近接して配置されている。押圧操作部71aの前端部は、押圧操作部71aと車両幅方向に並んだ押圧操作具(第1前部操作具61、第2前部操作具62、第3前部操作具63)の前端部よりも後方に位置している。押圧操作部71bの後端部は、押圧操作部71bと車両幅方向に並んだ押圧操作具(第5前部操作具65、第7前部操作具67、第9前部操作具69)の後端部よりも前方に位置している。2つの押圧操作部71a、71bのそれぞれの表面積は、走行系押圧操作具(第1前部操作具61~第9前部操作具69)の表面積よりも小さい。
上記作業車両によれば、以下の効果を奏する。
作業車両1の操作レバー21は、作業車両1の運転席10の一側方側に設けられた操作レバー21であって、揺動可能な揺動体22と、揺動体22の上部に設けられたグリップ23と、を備え、グリップ23は、前記一側方側に設けられた握り部24と、前記一側方側と反対側である他側方側に設けられ且つ操作スイッチ30,31,32が設けられた操作部25と、握り部24の下部から後方に延出された延出部26と、握り部24の表面から延出部26の表面にわたって設けられた滑り止め部28と、を有する。
この構成によれば、滑り止め部28が運転席10の一側方側に設けられることで、握り部24を握った状態において小指球側の手の滑りが防がれるため、握り部24を握った掌が滑ってずれ落ちることを延出部26により確実に防止できる。加えて、滑り止め部28が運転席10の他側方側には設けられないことで、握り部24を握った状態において、手の母指球側を円滑に動かすことができるため、操作部25に設けられた操作スイッチを操作する親指の動きが滑り止め部28によって阻害されることがない。また、手の母指球側を動かしたときの摩擦が小さくなるため、母指球側の皮膚に加わる負荷が小さい。
この構成によれば、握り部24を握った状態において親指の付け根付近が領域24a1に当たるため、操作部25に設けられた操作スイッチを操作する親指の動きが円滑となって、滑り止め部28によって阻害されることがない。
この構成によれば、操作スイッチ30、31、32を選択するときには親指の付け根の膨らみを領域24a1の表面で滑らせることができるとともに、選択した操作スイッチを操作するときには、親指の付け根の膨らみが滑り止め部28bでグリップされる。そのため、操作スイッチを容易に且つ確実に操作することができる。
この構成によれば、握り部24を握ったときに、掌が湾曲面24aに沿うことで握り部24に対するフィット感に優れると共に、掌が湾曲面24aに沿って滑ることが防止される。
この構成によれば、起立面24eに設けられた操作スイッチ30,31,32を操作する際に、滑り止め部28によって掌の親指の付け根付近以外の部位が滑ることが防止される。そのため、掌の位置をしっかりと固定して操作スイッチ30,31,32を間違いなく確実に操作することができる。
この構成によれば、握り部24を握ったときに、掌の親指側の下部を延出部26の延出幅の広い部分で支持することができるため、親指を動かしているときの掌の親指側のずり落ちを防ぐことができる。
また、湾曲面24aは、当該湾曲面24aの前記一側方側の縁部を構成する側縁部24hと、当該湾曲面24aの上側の縁部を構成する上縁部24iと、側縁部24hと上縁部24iとを繋ぐ角縁部24kと、を有し、角縁部24kは、側縁部24h及び上縁部24iに比べて小さい曲率半径で湾曲している。
また、作業車両1は、車体2に搭載された運転席10と、運転席10の一側方側に設けられたアームレスト15と、アームレスト15に設けられた操作レバー21と、を備え、操作レバー21は上記の滑り止め部28を有する操作レバー21である。
また、アームレスト15は操作レバー21の後方に肘置き部18を有し、操作レバー21は車体幅方向において肘置き部18の幅内に収まっている.
この構成によれば、運転席10に着座した作業者は、肘置き部18に置いた肘を大きく動かさずに(胴体から肘が離れない状態で)操作レバー21を操作することができ、操作性に優れている。
この構成によれば、腕の位置が操作具配置部19に対して十分に高くなるため、操作具配置部19に配置された操作具に対して意図せずに腕が接触することを確実に防止することができる。
この構成によれば、操作具配置部19に配置された操作具に対して意図せずに腕が接触することを、より確実に防止することができる。
また、複数の操作具は、肘置き部18の上面18aを台座20まで延長した延長線L2よりも下方に配置されている。
また、仮想直線L1は、前方に向かうにつれて上方に移行するように傾斜している。
この構成によれば、肘置き部18に肘を置いて操作レバー21を操作する際に、腕の傾き方向と仮想直線L1の傾き方向が同じとなるため、操作具配置部19に配置された操作具に対して意図せずに腕が接触することを確実に防止することができる。
この構成によれば、操作具配置部19の上面と仮想直線L1との上下方向の距離が前方に向かうにつれて拡がるため、操作具配置部19に配置された操作具に対して意図せずに腕が接触することを効果的に防止することができる。
この構成によれば、仮想直線L1が前方に向かうにつれて上方に移行するように傾斜している条件下において、背が高い横軸回りの回転又は揺動により操作される操作具73~75が、背の低い押圧により操作される操作具61~71の前方に配置されるため、背が高い操作具が仮想直線L1から突出する状態が起こりにくい。そのため、操作具配置部19に配置された操作具に対して意図せずに腕が接触することを確実に防止することができる。
この構成によれば、アームレスト15の下面16bが運転席10に着座した作業者の膝と接触することが回避される。
また、作業車両1は、運転席10と、運転席10の側方に設けられ且つ表面に複数の操作具が配置されたアームレスト15と、を備え、複数の操作具は、走行に関する操作を押圧により行う走行系押圧操作具61~69と、作業に関する操作を押圧により行う作業系押圧操作具70,71と、を含み、作業系押圧操作具70,71は、走行系押圧操作具61~69よりも小面積で且つ集約して配置された複数の押圧操作部71a,71bを有する小型操作具71を含む。
この構成によれば、押圧操作部80について、表示部81の存在により操作状態と非操作状態のいずれの状態にあるかを視覚的に容易に把握することができる。また、小型操作具71について、表示部を有さないこと及び小型化されることによって、走行系押圧操作具61~69との区別を明確化することができ、見つけ易くなる。
この構成によれば、複数の押圧操作部71a,71bを別体とした場合に比べて小型操作具71を小型化することができるため、走行系押圧操作具61~69との区別を明確化することができる。
また、作業に関する操作を縦軸回りの回転により行う回転操作具72を備え、小型操作具71と回転操作具72とは、アームレスト15の幅方向において隣り合う位置に配置されている。
また、作業装置を昇降させる昇降装置4を備え、小型操作具71及び回転操作具72は、昇降装置4を操作する操作具である。
また、アームレスト15の表面は、運転席10側に設けられた第1領域15Aと、運転席10側と反対側に設けられた第2領域15Bと、第1領域15Aと第2領域15Bとの間に設けられた第3領域15Cと、を含み、走行系押圧操作具61~69は第1領域15Aに配置され、回転操作具72は第2領域15Bに配置され、小型操作具71は第3領域15に配置されている。
また、作業車両1の操作レバー21は、作業車両1の運転席10の側方に設けられた操作レバー21であって、揺動可能な揺動体22と、揺動体22の上部に設けられたグリップ23であって、運転席10側と反対側に設けられた握り部24と、運転席10側に設けられ且つ表面に操作スイッチ30,31,32が設けられた操作部25と、を有するグリップ23と、を備え、握り部24の裏面24bには、操作スイッチ30,31,32とは異なる他の操作スイッチ36と、裏面24bから凹んで形成され且つ他の操作スイッチ36に向けて指を案内する案内凹部37が設けられている。
この構成によれば、案内凹部37の傾斜に沿って指を滑らせることにより、指が操作スイッチ36へと導かれるため、容易に操作スイッチ37を見つけて操作することができる。
この構成によれば、案内凹部37の凹みの深さが深くなる方向に沿って指を滑らせることにより、指が自然と操作スイッチ36へと導かれるため、容易に操作スイッチ37を見つけて操作することができる。
この構成によれば、握り部24の裏面24bにおいて、案内凹部37の領域と案内凹部37ではない領域24pとを指先で明確に認識することができるため、裏面24bにおける案内凹部37の存在を容易に且つ確実に把握することができる。
この構成によれば、握り部24が上角部24nに配置されていることにより、握り部24を握ったときに指先が直ちに操作スイッチ36に当たることがなく、意図せずに操作スイッチ36を押してしまうことが防がれる。また、傾斜面37aが上角部24nの近傍から扇形状に拡がっていることにより、指先を上角部24nに配置された操作スイッチ36に向けて確実に案内することができる。
この構成によれば、案内凹部38によって操作スイッチ(シャトル牽制スイッチ)36の操作が容易となるため、操作スイッチ(シャトル牽制スイッチ)36を押しながら操作スイッチ(シャトルスイッチ)30を押して前進と後進とを切り換える操作を容易に行うことができる。
この構成によれば、握り部24の裏面24bに設けられた操作スイッチ36の位置を容易に把握して迅速に操作することができる操作レバー21を備えた作業車両1となる。
この構成によれば、握り部24の上面24cに操作部25に設けられた操作スイッチ30,31,32とは異なる他の操作スイッチ35が設けられているため、握り部24を握った状態において他の操作スイッチ35を押しながら操作レバー21を操作することが容易であり、操作性に優れている。
この構成によれば、操作スイッチ35を押して揺動体22の揺動を許可しつつ揺動体22を揺動させて操作レバー21を操作するという一連の操作を円滑に行うことができ、操作性に優れている。
この構成によれば、握り部24を握ったときの指(人差し指)の位置から操作スイッチ35が操作部25寄りにずれる位置に配置される。そのため、握り部24を握ったときに操作スイッチ35が意図せずに押されてしまうことを防止できる。また、操作スイッチ35は、握り部24を握ったときの指(人差し指)の位置の近くに配置されるため、操作スイッチ35を容易に操作することができ、操作性に優れている。
この構成によれば、握り部24を握って掌を湾曲面24aに沿わせたときに、自然と指(人差し指)が操作スイッチ35の近くに位置するようになるため、操作スイッチ35を容易に操作することができ、操作性に優れている。
この構成によれば、操作スイッチ35の位置が、握り部24を握ったときの指(人差し指)の位置から操作部25寄りにずれる。そのため、握り部24を握ったときに操作スイッチ35が意図せずに押されてしまうことを防止できる。また、握り部24を握って頂点29に向けて指を滑らせることで操作スイッチ35に容易にアクセスすることができる。
この構成によれば、握り部24を握ったときに指(人差し指)が操作スイッチ35に当たり易いため、操作スイッチ35の存在を容易に且つ確実に認識することができる。
また、揺動体22は、揺動によって変速操作が可能であり、他の操作スイッチ35は、揺動体22の揺動による変速操作の許否を切り換えるスイッチである。
また、作業車両1は、運転席10と、運転席10の側方に設けられたアームレスト15と、アームレスト15に設けられた操作レバー21と、を備え、操作レバー21は、上記したグリップ23の周囲であって且つ握り部24の周囲を構成する面に、操作スイッチ30,31,32とは異なる他の操作スイッチ35が設けられた操作レバー21である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10 運転席
15 アームレスト
21 操作レバー
22 揺動体
23 グリップ
24 握り部
24a 湾曲面
24c 握り部の上面
24e 起立面
24h1 握り部の一側方側の側縁(第1側縁部)
24h2 握り部の他側方側の側縁(第2側縁部)
24M 中間位置
25 操作部
25c 操作部の上面
29 頂点
30 操作スイッチ
31 操作スイッチ
32 操作スイッチ
35 他の操作スイッチ
Claims (9)
- 作業車両の運転席の一側方側に設けられた操作レバーであって、
揺動可能な揺動体と、
前記揺動体の上部に設けられたグリップであって、前記一側方側に設けられた握り部と、前記一側方側と反対側の他側方側に設けられ且つ操作スイッチが設けられた操作部と、を有するグリップと、
を備え、
前記握り部は、後方に向けて膨らむように凸状に湾曲した湾曲面と、前記湾曲面の上縁部と繋がる後縁部を有する上面と、を有し、
前記握り部の上面は、前記操作部の上面と段差無く繋がっており且つ前記操作部の上面よりも後方に広く形成された前記湾曲面とは別の面であり、
前記グリップの周囲であって且つ前記握り部の上面に、前記操作スイッチとは異なる他の操作スイッチが設けられている作業車両の操作レバー。 - 前記他の操作スイッチは、前記操作部の表面を前記握り部側に延長した延長線上に配置されている請求項1に記載の作業車両の操作レバー。
- 前記他の操作スイッチは、前記揺動体の揺動の許否を切り換えるスイッチである請求項1又は2に記載の作業車両の操作レバー。
- 前記他の操作スイッチは、前記握り部の前記一側方側の側縁と前記他側方側の側縁との中間位置よりも前記操作部寄りの位置に設けられている請求項2に記載の作業車両の操作レバー。
- 前記握り部は、前記他側方側から前記一側方側に向けて湾曲して延びる湾曲面と、前記操作部から前記湾曲面に向けて立ち上がる起立面と、を有し、
前記他の操作スイッチは、前記湾曲面の上方に設けられている請求項4に記載の作業車両の操作レバー。 - 前記握り部の上面と前記操作部の上面とは、前記握り部と前記操作部との境界付近を頂点として山形状に連なっており、
前記他の操作スイッチは、前記握り部の前記一側方側の側縁と前記他側方側の側縁との中間位置よりも前記頂点に近い位置に設けられている請求項2,4,5のいずれか1項に記載の作業車両の操作レバー。 - 前記他の操作スイッチは、前記握り部の上面から突出して設けられた押しボタンスイッチである請求項1~6のいずれか1項に記載の作業車両の操作レバー。
- 前記揺動体は、揺動によって変速操作が可能であり、
前記他の操作スイッチは、前記揺動体の揺動による変速操作の許否を切り換えるスイッチである請求項1~7のいずれか1項に記載の作業車両の操作レバー。 - 運転席と、
前記運転席の側方に設けられたアームレストと、
前記アームレストに設けられた操作レバーと、
を備え、
前記操作レバーは、請求項1~8のいずれかに記載の操作レバーである作業車両。
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